JP3550810B2 - 複合化不織布及びその製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、嵩高で、風合い及び感触の良好な複合化不織布及びその製造法に関する。さらに詳しくは、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品、手術用着衣、掛け布、ハップ材の基布等の他、フィルター材、土木資材等にも好適に使用でき、特に使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に要求される体液の透過吸収性、スポット吸収性、サラット感、また透過した体液の逆戻り性の低さに優れる複合化不織布及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スパンボンド法に代表される手法で得られる長繊維不織布は、短繊維不織布に比べて、高強度でかつ比較的安価なため、種々の用途に使用されている。しかし、長繊維不織布は、短繊維不織布に比べ風合いの点で劣っており、特に吸収性物品の表面材に用いた場合、肌触り等の感触が悪いという欠点があった。長繊維不織布の感触が悪い理由は、構成繊維の長繊維に捲縮が発現しておらず、見かけ密度が高く含有空気量が少ないためである。従って、長繊維に捲縮を発現させれば感触の良好な長繊維不織布が得られると考えられるが、捲縮を有する長繊維の均一な開繊が困難であったり、潜在捲縮性長繊維の捲縮が顕在化する時に長繊維の長手方向に収縮が起こることによって、均質な長繊維不織布が得られないことがあった。
【0003】
また、カード法に代表される手法で得られる短繊維不織布は、均質性に優れ、捲縮を有する短繊維によって構成されることから、嵩高で肌触り等の感触が良好なものである。しかしながら、短繊維不織布は、短繊維の集合体であるために、長繊維不織布に比べ低強度であり、吸収性物品の表面材として使用した場合、破れやすいという欠点があった。
【0004】
このように長繊維不織布、短繊維不織布ともに長所と短所があり、これら長所を単一層において両立させることは難しかった。長繊維不織布と短繊維不織布の長所を両立させる技術としては、長繊維不織布と短繊維不織布の積層が一般的であり、この種の技術として、例えば特開平06−136654号公報に長繊維不織布と短繊維不織布を積層し、高圧水流処理した積層不織布が、開示されている。しかしながら、この技術に記載の短繊維不織布にかかわらず、ほとんどの短繊維不織布は、カード法を使用して得られるために、不織布を構成している短繊維が不織布の長手方向すなわち機械方向に配列し極めて等方的であり、異方性に劣っている。このため、吸収性物品の表面材として用いた場合、この短繊維不織布及びこの積層不織布は、不織布の機械方向に毛細管的な作用が働き、体液の吸収時に体液が繊維の配列方向に広がり易いために、透過吸収性に劣るばかりか、保液しやすいという欠点があった。これに高圧水流処理を行ったところで、短繊維の配列は所詮不織布の加工法すなわちカード法に依存しており、この短繊維不織布及びこの積層不織布は、依然として保液しやすく、体液の透過吸収性及びスポット吸収性に乏しいということがあった。さらに、この技術に係る積層不織布は、高圧水流処理されているために見かけ密度が高く、逆戻りし易いということがあった。すなわち、この技術に係わる積層不織布は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の表面材として固有の特性である尿、汗、血液等の体液の透過吸収性の良さ、スポット吸収性、サラット感、また透過した体液の逆戻り性の低さについては満足のできるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、嵩高で風合い及び感触の良好な複合化不織布を提供することであり、第2の目的は、特に要求性能の厳しい吸収性物品の表面材に使用した場合、尿、汗、血液等の体液の透過吸収性、スポット吸収性、肌触り感を向上させ、かつ逆戻り性の低い複合化不織布及びその製造法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、長繊維不織布とある特定の短繊維不織布とを複合化することにより、長繊維不織布の見かけ密度の高さに拘らず、複合化不織布の見かけ密度を十分に低下させ、引張強度が高く且つ肌触り良好で、さらに使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の表面材に要求される体液の透過吸収性及びスポット吸収性に優れ、かつ逆戻り性の低い複合化不織布が提供できることを知り、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を有する。
(1) 長繊維不織布と短繊維不織布が接合された少なくとも2層の複合化不織布であって、該短繊維不織布は、少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる繊維長が3〜15mmである熱融着性複合短繊維であり、該熱融着性複合短繊維ウエッブをエアレイド法により開繊飛散させながら、長繊維が集積されている長繊維層上に堆積させた後、該短繊維ウエッブを構成する熱可塑性樹脂の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下の温度で熱処理することにより、該熱融着性複合短繊維同士及び短繊維と長繊維が熱融着され、形成される短繊維接点の交差角分布が短繊維不織布の総接点数の少なくとも50%を交差角60〜90゜で占めていることを特徴とする複合化不織布。ここでいう長繊維層とは繊維交点が固着されている長繊維不織布である場合と固着されていない長繊維フリースである場合を含む。
(2) 長繊維不織布が、少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合長繊維であり、熱融着性複合長繊維相互の接点は融着接合されている項(1)に記載の複合化不織布。
(3) 長繊維不織布が、ポリエステル系繊維およびポリオレフィン系繊維の少なくとも1種である項(1)または(2)に記載の複合化不織布。
(4) 短繊維不織布が、少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合短繊維(A)と親水性短繊維(B)の混綿比率A/Bが30/70〜100/0である短繊維混綿不織布で構成される項(1)〜(3)のいずれか1項に記載の複合化不織布。
(5) 短繊維不織布が、厚み方向に密度勾配のあることを特徴とする項(1)〜(4)のいずれか1項に記載の複合化不織布。
(6) 項(1)〜(5)のいずれか1項に記載の複合化不織布を用いた吸収性物品。
(7) 項(1)〜(5)のいずれか1項に記載の複合化不織布を表面材に用いた吸収性物品。
(8) 少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる繊維長が3〜15mmである熱融着性複合短繊維ウェッブをエアレイド法により開繊飛散させながら、長繊維が集積されてなる長繊維層上に堆積させた後、堆積された短繊維ウェッブに含まれる熱可塑性樹脂の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下で熱処理することを特徴とする複合化不織布の製造法。
(9) 長繊維の集積層が、長繊維に含まれる熱可塑性樹脂の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下で熱処理されている項(8)に記載の複合化不織布の製造法。
(10) 長繊維の集積工程、長繊維の熱処理工程、短繊維ウェッブの長繊維層上への堆積工程、及び堆積短繊維ウェッブの熱処理工程が連続して行われる項(8)または(9)に記載の複合化不織布の製造法。
(11) 長繊維の集積工程、長繊維の熱処理工程、短繊維ウェッブの長繊維層上への堆積工程、堆積短繊維ウェッブの熱処理工程及びこれら工程に直結して、吸収性物品の製造工程が連続して行われる項(8)〜(10)のいずれか1項に記載の複合化不織布の製造法。
【0007】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に係る複合化不織布は、長繊維不織布と短繊維不織布で構成されるものである。本発明でいう長繊維不織布とは、長繊維が集積接合されてなるもので、従来公知の方法、例えばトウ開繊法やスパンボンド法等によって得ることができる。長繊維不織布を構成する長繊維は、繊度が0.5〜12d/fの物が使用できる。長繊維の繊度が0.5d/f未満であると、生産性を維持させるための高速紡糸による曳糸性の低下や、曳糸性を維持させるための生産性の低下が起こるので好ましくない。逆に長繊維の繊度が12d/fを超えると、長繊維の剛性が高くなって、柔軟性に富む長繊維不織布が得られないので好ましくない。特に、吸収性物品の表面材に使用する場合において、繊度は0.5〜6dが好ましい。また、長繊維不織布の目付けは、使われる用途によって任意であるが、手術用着衣、掛け布、ハップ材の基布等に使用する場合において、5〜150g/m2が好ましい。長繊維不織布の目付けが、5g/m2未満になると、長繊維不織布の厚みが薄くなりすぎて、長繊維フリースを固定化させる際や、固定化された長繊維不織布を巻き取る際、短繊維を堆積もしくは短繊維不織布と積層させる際等において、取扱いが困難であったり、均質性が低下するので好ましくない。逆に、150g/m2を超えると長繊維不織布自体の剛性が高くなり、柔軟性が低下するので好ましくない。特に、吸収性物品の表面材に使用する場合において、長繊維不織布の目付けは、5〜50g/m2が好ましい。
【0008】
長繊維不織布を構成している長繊維としては、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂より成る合成繊維、半合成繊維、天然繊維、無機繊維等が使用できる。長繊維が熱可塑性樹脂以外の原料を使用した場合、長繊維は、長繊維フリースを固定化する際等において加工のバラエティーが広がる点から、溶剤に可溶性のものが好ましい。長繊維が熱可塑性の場合、長繊維は、一成分よりなる繊維であっても良いし、二成分以上、例えば、3若しくは4成分から成る複合繊維であっても良い。しかし、経済性を考慮すれば、特殊な用途を除いて2成分で十分である。
ここで長繊維の原料となる熱可塑性樹脂は、各種のポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等を例示でき、とりわけ好ましくはポリオレフィン系である。複合長繊維としては、非熱融着性複合繊維であっても良いし、熱融着性複合繊維であっても良いが、長繊維不織布の長繊維同士の接点接着固定の効果や、後工程の短繊維不織布との複合化における接合の効果を考慮したとき熱融着性複合繊維が好ましい。熱融着性複合長繊維とは、繊維表面の少なくとも一部に、低融点成分が形成される二成分系以上の複合長繊維である。
【0009】
熱融着性複合長繊維の組み合わせの例として、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンと他のαオレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、各種のポリエチレン/熱可塑性ポリエステル、ポリプロピレン/熱可塑性ポリエステル、プロピレンと他のαオレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/熱可塑性ポリエステル、低融点熱可塑性ポリエステル/熱可塑性ポリエステル、各種のポリエチレン/ナイロン6、ポリプロピレン/ナイロン6、プロピレンと他のαオレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ナイロン6、ナイロン6/ナイロン66、ナイロン6/熱可塑性ポリエステルなどを挙げることができる。
【0010】
これらの中ではポリオレフィン系同士若しくはポリオレフィン系とポリエステル系からなる組み合わせが好ましく、その具体例としては高密度ポリエチレン/ポリプロピレンまたはエチレン・プロピレン・ブテンー1結晶性三元共重合体/ポリプロピレンあるいは高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。
さらに、これらの中ではポリオレフィン系同士、例えば高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、エチレン・プロピレン・ブテンー1結晶性三元共重合体/ポリプロピレン等が耐薬品性の面から特に好ましい。
【0011】
該複合成分の高融点成分と低融点成分との融点差または軟化点差は、15℃以上が好ましい。例えば、熱融着性複合長繊維が、A,B,C3種の熱可塑性樹脂で構成され、この融点または軟化点がA>B>Cの場合、AB間及びBC間の少なくとも一方の融点差または軟化点差は、15℃以上が好ましい。すなわち、熱融着性複合長繊維を構成する熱可塑性樹脂を融点の高い順または低い順に並べた時、隣合う成分の融点差または軟化点差の少なくとも1つが、15℃以上であることが好ましい。また、熱融着性複合長繊維を構成する3種の熱可塑性樹脂A,B,Cの融点または軟化点がA>B>Cであって、AB間にのみ15℃以上の融点差または軟化点差がある場合は、Aが高融点成分、B,Cが低融点成分と定義される。さらに、熱融着性複合長繊維を構成する3種の熱可塑性樹脂A,B,Cの融点または軟化点がA>B>Cであって、AB間及びBC間共に15℃以上の融点差または軟化点差がある場合は、Aが高融点成分、Cが低融点成分と定義され、複合長繊維が熱融着複合長繊維であるという条件を満たした上で、Bは高融点成分及び低融点成分のどちらで扱われても差し支えない。すなわち、熱融着性複合長繊維が3種以上の熱可塑性樹脂で構成する場合、熱融着性複合長繊維を構成する熱可塑性樹脂を融点の高い順または低い順に並べた時の隣合う成分の融点差または軟化点差が15℃以上の間を境に、低融点成分と高融点成分が定義され、さらにこの間が複数存在する場合は、低融点成分が繊維表面の少なくとも一部に形成されるという条件を満たした上で、任意の間を境に定義してかまわない。
【0012】
更に、熱硬化性樹脂より成る合成繊維、半合成繊維、天然繊維、無機繊維としてはフェノール系樹脂による繊維、レーヨン、キュプラ、アセテート、炭素繊維、ガラスファイバーなどを例示することができる。
また該複合長繊維は、鞘芯型、偏心鞘芯型、並列型、多層型、海島型の複合繊維が使用できる。また用途により長繊維は、着色剤、耐光剤、難燃剤、抗菌剤などが添加されていても良い。さらに、長繊維の断面は、円形であっても異形であっても良く、これら断面を持った長繊維は、中空型であってもそうでなくても良い。
長繊維不織布は、2種以上の長繊維で構成されていても良い。すなわち、長繊維不織布は、複合型または単一型、複合型の場合は樹脂の組み合わせの異なるもの、さらに複合型の場合は熱融着性または熱融着性でないもの、単一型の場合は樹脂のことなるもの、断面形状の異なるもの、中空型またはそうでないもの、繊度の異なるものの各種組合せによる2種以上の長繊維の混繊によって構成されていても良い。また、長繊維不織布は、上記長繊維から構成される単層であっても良いし、2層以上であっても良い。
【0013】
また、本発明において、特に好ましい長繊維不織布としては、該熱融着性複合長繊維を長繊維不織布中に5重量%以上含有し、且つこの熱融着性複合長繊維の低融点成分によって長繊維相互間が結合されたものである。また、主たる構成長繊維に、この構成長繊維よりも15℃以上低融点の熱融着性長繊維を5重量%以上混繊して、この熱融着長繊維によって主たる構成長繊維を結合した長繊維不織布を使用することもできる。このように、熱融着性複合長繊維や低融点熱融着性長繊維の如く繊維状のもので繊維相互間を結合させる理由は、繊維の結合が、面状でなく接触点でのみ行われ、得られる長繊維不織布の風合いが良好となり、また柔軟性に富むためである。
【0014】
以上のような構成を持つ長繊維不織布は、例えば以下のようにして製造されるものである。すなわち、従来公知の紡糸法によって熱融着性複合長繊維を製造した後、この長繊維を帯電法等を用いて開繊し、捕集コンベア上に集積させてシート状の長繊維フリースを得る。そして、加熱気体流を充満させた中に、この長繊維フリースを導入し、長繊維中に含まれる熱融着複合長繊維の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下で熱処理することで長繊維不織布を得るのである。また、長繊維フリースの固定化としては、上記した例、すなわち熱風加熱法に限らず公知の手法、例えばニードルパンチ法、高圧水流法、エンボスロール法、超音波加熱法等が用いられ、これら手法の組合せであってもかまわない。長繊維フリース固定化の組合せとしては、ニードルパンチ処理とエンボスロール処理、ニードルパンチ処理と超音波加熱処理、ニードルパンチ処理と熱風加熱処理、高圧水流処理とエンボスロール処理、高圧水流処理と超音波加熱処理、高圧水流処理と熱風加熱処理等が例示でき、これら処理は、その順序を問わないが、ニードルパンチ処理は、エンボスロール処理や超音波加熱処理、熱風加熱処理によって形成された熱融着点に対する破壊や切断等の悪影響を避ける点において、先に行われた方が好ましい。
【0015】
一方、短繊維不織布は、短繊維が集積接合されてなるもので、後述するような特定の構成を持つものである。短繊維の繊度は、用途により微細繊度(0.5〜2d/f)、細繊度(2〜12d/f)、中繊度(12〜50d/f)、太繊度(50〜1000d/f)等、種々の使用ができる。特に吸収性物品の表面材に使用する場合において、短繊維の繊度は0.5〜12dが好ましい。短繊維の繊度が0.5d/f未満になると、短繊維が開繊される際に、開繊機の針が通り難くなり、いわゆるネップが存在する不均質な短繊維不織布しか得られないので好ましくない。逆に短繊維の繊度が12d/fを超えると、短繊維の剛性が高くなって、柔軟性に富む短繊維不織布が得られないので好ましくない。特に、吸収性物品の表面材に使用する場合において、繊度は0.5〜6d/fのものが最も好ましい。その他、手術用着衣、掛け布、ハップ材の基布等には細繊度(2〜12d/f)、土木資材等には中繊度(12〜50d/f)〜太繊度(50〜1000d/f)の広範囲の適用が図れる。
【0016】
また、短繊維不織布の目付けは、長繊維不織布と同様に、使われる用途によって任意であるが、手術用着衣、掛け布、ハップ材の基布等に使用する場合において、5〜150g/m2が好ましい。短繊維不織布の目付けが、5g/m2未満になると、長繊維不織布の場合と同様に短繊維不織布の厚みが薄くなりすぎて、取扱いが困難であったり、均質性が低下するので好ましくない。逆に、150g/m2を超えると短繊維不織布自体の剛性が高くなり、柔軟性が低下するので好ましくない。特に、吸収性物品の表面材に使用する場合において、短繊維不織布の目付けは、5〜50g/m2が好ましい。短繊維は、繊維長が3〜51mmのものが使用できる。短繊維の繊維長が3mm未満になると、短繊維不織布の嵩高性が低下し、見かけ密度が高くなるので好ましくない。逆に、51mmを超えると開繊性が悪くなり、均質性が低下するので好ましくない。とりわけ、繊維長が3〜30mmのものが、嵩高性と均質性の良好な点において好ましく、更に好ましくは3〜15mmである。さらに、短繊維は、捲縮が付与されたもの及び非捲縮のものが使用できる。とりわけ、嵩高性が良好な点において、短繊維は捲縮付与されたものが好ましい。捲縮としては螺旋型、ジグザグ型、U字型等が例示され、好ましくは螺旋型とU字型である。
【0017】
短繊維は、各種のポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の各種組合せによる熱融着性を有する複合繊維である。短繊維を熱融着性複合短繊維とした理由は、後述する特定の構造を保持するためである。熱融着性複合短繊維とは、繊維表面の少なくとも一部に、低融点成分が形成される二成分系以上、例えば、3成分若しくは4成分、からなる複合短繊維である。しかし、特定の用途を除いて、経済性からみて2成分が好ましい。
熱融着性複合短繊維に用いられる樹脂及びその組み合わせは長繊維の場合に開示された熱可塑性樹脂及びその組み合わせをそのまま利用することができる。しかし、その選択は長繊維の場合と独立に行われる。
更に、3成分以上の樹脂を使用した場合には長繊維の場合と同様に高融点側及び低融点側が定義される。
また、該熱融着複合短繊維は、鞘芯型、偏心鞘芯型、並列型、多層型、海島型の複合繊維が使用できる。また用途により短繊維は、着色剤、耐光剤、難燃剤、抗菌剤などが添加されていても良い。さらに、熱融着性複合短繊維の断面は、円形であっても異形であっても良く、これら断面を持った熱融着性複合短繊維は、中空型であっても、そうでなくても良い。
【0018】
短繊維不織布は、上述した方法で製造された熱融着性複合短繊維の内、樹脂の組み合わせの異なるもの、断面形状の異なるもの、中空型またそうでないもの、繊維長の異なるもの、繊度の異なるものの各種組合せによる2種以上の熱融着性複合短繊維の混綿によって構成されていても良い。また、短繊維不織布は、前記熱融着性複合短繊維と親水性短繊維の混綿によって構成されても良く、親水性短繊維の混綿率は、短繊維不織布の0〜70重量%、好ましくは0〜30重量%である。この範囲とした理由は、親水性繊維を混綿することで体液の繰り返し透過吸収性に優れるが、親水性短繊維の混綿率が70重量%を超えると熱融着性複合短繊維が30重量%未満となり、熱融着性複合短繊維の融着による短繊維不織布の形態保持が困難になるためである。
【0019】
ここで言う親水性繊維には、レーヨン、キュプラ、アセテート、ビニロン、ナイロン、蛋白・アクリロニトリル共重合糸、綿、羊毛、絹、麻、パルプ、高分子吸収体(Super Absorbent Polymer)繊維、生分解性繊維等が例示でき、とりわけ好ましくは、レーヨン、キュプラ、アセテート、綿、パルプ等のセルロース系繊維、高分子吸収体繊維及び生分解性繊維である。また、短繊維不織布は、前記熱融着性複合短繊維または前記熱融着性複合短繊維及び親水性短繊維から構成される単層であっても良いし、2層以上であっても良い。短繊維不織布を2層以上にする場合、短繊維不織布は、不織布の厚み方向に密度勾配を付与させたものが好ましい。すなわち、短繊維ウェッブは、密度が次第に増大するように、もしくは密度が次第に減少するように密度勾配を形成させ堆積接合させることが好ましい。また、不織布の厚み方向に親水性繊維の混率に勾配を付与させたものも好ましい。すなわち、短繊維ウェッブは、親水性繊維の混率が次第に増大するように、もしくは次第に減少するように堆積接合させることが好ましい。この様に短繊維不織布に密度勾配もしくは親水性繊維の混率に勾配を付与する理由は、液体の密度が粗な部分から密な部分へ移動する性質もしくは親水性の低いところから高いところへ移動する性質によって体液の透過吸収性が向上し、かつ透過吸収した後の逆戻りを防止し、吸収性物品の表面材等の使用にさらに好適になるためである。
【0020】
本発明において重要なことは、使用する短繊維不織布が、構成する該熱融着性複合短繊維をランダムに配列させて、集積接合している点である。すなわち、前記短繊維不織布は、該熱融着性複合短繊維から構成され、かつ熱融着性複合短繊維同士は熱融着され、形成される短繊維接点の交差角分布が短繊維不織布の総接点数の少なくとも50%を交差角60〜90゜で占めていることを特徴とするものである。交差角60〜90゜の百分率(%)は、短繊維不織布のランダム性の尺度として用いた。また、交差角60〜90゜の百分率(%)は、2つの短繊維が交差接合して形成される4角のうち最小の角度を測定し、これを交差角として、この測定を100点以上行い、交差角分布を求め、交差角60〜90゜に含まれる交差角の数をA、測定した交差角の総数をMとし、A/M×100で求めた。
【0021】
短繊維不織布を構成する熱融着性複合短繊維がランダムに配列しなければならない理由は、吸収性物品の表面材に使用した場合に、体液の透過吸収性能に優れるためである。すなわち、エアレイド法を用いて得られる短繊維不織布は、構成する短繊維がランダムに配列しているために、カード法による不織布に見られる不織布の機械方向への毛細管的な作用が起こりにくくなり、体液の透過吸収が、不織布上で体液が繊維の配列方向に広がることなく行われるからである。さらに、この短繊維不織布を構成する短繊維は、短繊維の繊維長が充分に短いために、比較的不織布の厚み方向に繊維が配列している。このため、得られる短繊維不織布は、クッション性に優れ、嵩高で見かけ密度が十分に低下し、かつ不織布の厚み方向の毛細管的な作用を有していおり、本発明の複合化不織布を、特に要求性能の厳しい吸収性物品の表面材として使用した場合、尿、汗、血液等の体液の透過吸収性、スポット吸収性及びサラット感を更に向上させ、かつ透過した体液の逆戻りを防止するという効果を奏するのである。
【0022】
以上のような構成を持つ短繊維不織布は、例えば以下のようにして製造されるものである。すなわち、熱融着性複合短繊維と親水性短繊維を混綿し、これを開繊してエアレイド不織布加工機に供給する。供給された短繊維は、エアレイド不織布加工機によって開繊飛散され捕集コンベア上に堆積される。この操作を多段的に行った多層短繊維ウェッブを、熱融着性複合短繊維の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下の加熱気体流の中に導入し、熱融着性複合短繊維の低融点成分を軟化または溶融させることで短繊維相互間を接合し短繊維不織布を得るのである。また、短繊維の不織布化は、後述するように、長繊維不織布との複合化と共に行われても良い。すなわち短繊維の不織布化は、エアレイド不織布加工機で飛散させた短繊維を走行する長繊維不織布上もしくは長繊維フリース上に、直接堆積させた後、熱風加熱処理する事で長繊維不織布との複合化と共に行われても良い。
【0023】
本発明に係る複合化不織布は、上記した長繊維不織布と短繊維不織布とが少なくとも2種複合化されたものである。長繊維不織布と短繊維不織布の複合化は、長繊維層と短繊維不織布の積層接合であっても、長繊維層と短繊維ウェッブの積層接合であっても良い。ここで言う長繊維層は、長繊維不織布もしくは長繊維フリースのことである。長繊維不織布と短繊維不織布の複合化における長繊維層と短繊維層の接合は、短繊維層すなわち短繊維不織布もしくは短繊維ウェッブに含まれる熱融着性複合短繊維の低融点成分を軟化または溶融させることで行われ、具体例としてはエンボスロール法、超音波加熱法、熱風加熱法等が挙げられる。とりわけ嵩高性が良好な点において、長繊維不織布と短繊維不織布の複合化における長繊維層と短繊維層の接合は熱風加熱法が好ましい。さらに、長繊維層が5重量%以上の熱融着性複合長繊維もしくは低融点熱融着長繊維の混繊で構成され、かつ長繊維層及び短繊維層に含まれるそれぞれの低融点成分の融点が、それぞれの高融点成分の融点よりも15℃以上低融点になるように選定されることも好ましい。
【0024】
このように長繊維層及び短繊維層における各成分の融点を選定する理由は、長繊維不織布と短繊維不織布の複合化における長繊維層と短繊維層の接合が、短繊維層、すなわち短繊維不織布もしくは短繊維ウェッブに含まれる熱融着性複合短繊維の低融点成分を軟化または溶融させることだけでなく、長繊維不織布の低融点成分を軟化または溶融させることでも行われ、かつ2種以上の熱融着性複合繊維を長繊維層に混繊もしくは短繊維層に混綿した場合であっても、それぞれの低融点成分が熱融着の効果を発揮し、複合化不織布及び接合面の強度をさらに強固にする事ができるからである。
【0025】
また、この場合の熱風加熱処理は、長繊維層及び短繊維層の低融点成分のうち最も高融点である成分の融点以上、長繊維層及び短繊維層の高融点成分のうち最も低融点である成分の融点以下で行われることが好ましい。熱風加熱処理を長繊維層及び短繊維層の低融点成分の最も高融点である成分の融点未満で行うと、長繊維不織布と短繊維不織布の複合化における長繊維層と短繊維層の接合が、全ての低融点成分によって行われないので好ましくない。逆に、熱風加熱処理を長繊維層及び短繊維層の高融点成分の最も低融点である成分の融点を越えて行うと、この高融点成分が熱によるダメージや収縮もしくは嵩の低下等を起こし、不均質な複合化不織布しか得られないので好ましくない。
また、複合化不織布の短繊維層の厚み方向に密度勾配もしくは親水性繊維の混率に勾配を持たせる場合、短繊維層は、用途に応じて長繊維不織布と接合する側を密にしても良いし、粗にしても良い。さらに、用途に応じ、複合化不織布は、どちらを表に使用しても良く、以上のようにして得られる2層の複合化不織布に、短繊維層または長繊維層をさらに積層接合させ、複合化不織布を3層以上にして用いる事もできる。また、さらに上記2層以上の複合化不織布に上記以外の不織布、編織物、紙、フィルム等のシートを積層することもできる。
【0026】
本発明において、特に好ましい長繊維不織布と短繊維不織布の複合化の態様はは、熱風加熱法による長繊維層と短繊維ウェッブの積層接合である。熱風加熱法による長繊維層と短繊維ウェッブの積層接合とは、長繊維不織布もしくは長繊維フリース上に直接短繊維ウェッブを堆積させ、熱融着性複合短繊維の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下の加熱気体流の中に導入熱処理して、長繊維不織布と短繊維不織布を接合する事である。この様にして得られる長繊維層と短繊維ウェッブの積層接合、すなわち長繊維不織布もしくは長繊維フリースと短繊維ウェッブの積層接合による複合化不織布は、長繊維不織布と短繊維不織布の積層接合のごとき通常の接合構造とは異なり、接合面において、短繊維ウェッブが長繊維不織布もしくは長繊維フリースの空隙に入り込み、長繊維と短繊維の接着点が3次元的に形成され、かつ比較的不織布の厚み方向に短繊維が配列した構造になっている。このため、熱風加熱法による長繊維層と短繊維ウェッブの積層接合で得られる複合化不織布は、長繊維不織布と短繊維不織布の層間にアンカー効果が生じ、吸収性物品の表面材として使用時に予想される外的なずれ応力やよれ応力に対する形態安定性に優れる。
【0027】
また、長繊維不織布と短繊維不織布の層間においても短繊維が比較的不織布の厚み方向に配列しているため、クッション性に優れ、嵩高で見かけ密度が十分に低く、かつ不織布の厚み方向への毛細管的な作用がさらに向上し、吸収性物品の表面材に用いた場合、体液の透過吸収性能及びスポット吸収性に優れ、かつ透過した体液の逆戻り性を低化させている。この様に、長繊維不織布と短繊維不織布の複合化は、吸収性物品の表面材に用いた場合の形態安定性及び体液の透過吸収性、スポット吸収性に優れ、かつ透過した体液の逆戻り性が低い点において、熱風加熱法による長繊維層と短繊維ウェッブの積層接合が好ましいのである。また、この熱風加熱法による長繊維層と短繊維ウェッブの積層接合においても、長繊維層を5重量%以上の熱融着性複合長繊維もしくは低融点熱融着長繊維の混繊で構成し、かつ長繊維層の低融点成分及び短繊維層の低融点成分の融点が、お互いの高融点成分の融点よりも15℃以上低融点になるように選定されていることが好ましい。この場合の熱風加熱処理も、長繊維層及び短繊維層の低融点成分のうち最も高融点である成分の融点以上、長繊維層及び短繊維層の高融点成分のうち最も低融点である成分の融点以下で行われることが好ましく、特に熱風加熱による長繊維フリースと短繊維ウェッブの積層接合においては、長繊維フリースと短繊維ウェブの不織布化ならびに複合化が同時に行われるため、これが必要条件となる。
【0028】
以下、本発明に係る長繊維層と短繊維ウェッブの積層接合による複合化不織布の製造法の例を、図1に従って、説明する。図1は、本発明に係る複合化不織布の製造装置の要部を、得られる複合化不織布の長手方向に垂直な横方向から眺めた模式図である。まず、熱可塑性樹脂を紡糸パック1,3の紡糸口金2,4から溶融紡糸して、口金より下方の位置で長繊維群5及び6をエジェクター7及び8で引き取り延伸を行い、矢印方向に移動する無端捕集コンベア11上にサクションブロアー9、10の吸引によって堆積させ、長繊維フリース12を形成させる。例えば、長繊維を複合長繊維にするのであれば、紡糸口金を複合紡糸口金にすれば良い。この様にして得られた長繊維フリース12は、無端捕集コンベア11によって搬送される。続いて、長繊維フリース12は、長繊維フリースを固定化するために、エンボスロール13により部分的に熱圧着処理され、長繊維不織布としてエアレイド不織布加工機14に搬送される。
【0029】
ここで長繊維層を長繊維フリース12のまま用いるのであれば、長繊維フリース12は、エンボスロールによる部分的な熱圧着を行わずに、そのままエアレイド不織布加工機14に搬送される。次に、短繊維群15が、エアレイド不織布加工機14によって開繊飛散された後、サクションブロアー17によって吸引されながら、搬送されてくる長繊維層上に堆積され、長繊維層と短繊維ウェッブの積層体16を形成し、熱風加熱乾燥機18に搬送される。熱風加熱乾燥機18に搬送された長繊維層と短繊維ウェッブの積層体16は、熱風加熱乾燥機18によって熱融着性複合短繊維の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下で熱処理され、複合化不織布19として巻き取られる。
なお、ここで図示していないが、複合化不織布19から連続して吸収性物品を得ることもできる。具体的には、複合化不織布19を製造工程から連続的に所望の大きさに裁断して吸収体コアを導入させた後、バックシートもしくはトップシートを加熱ロール法や超音波加熱法等で部分的に熱圧着させ吸収性物品を得ることであり、さらにここで使用するバックシートもしくはトップシートに複合化不織布を用いることもできる。この複合化不織布製造工程と吸収性物品の製造工程の一環システムは、生産のコストダウンを図ることができ好ましい態様である。
【0030】
【作用】
本発明に係る複合化不織布は、長繊維不織布と短繊維不織布が接合された複合化不織布であって、前記短繊維不織布は、少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合短繊維であり、かつ、該熱融着性複合短繊維同士は熱融着され、形成される短繊維接点の交差角分布が短繊維不織布の総接点数の少なくとも50%を交差角60〜90゜で占めている。すなわち複合化不織布を構成する短繊維不織布のランダム性が高くなっており、さらに、この短繊維不織布は、エアレイド法を用いて得られ、かつ構成する短繊維の繊維長が充分に短いために、比較的不織布の厚み方向に繊維が配列している。従って、本発明に係る複合化不織布は、嵩高で見かけ密度が十分に低下しており、不織布の長手方向すなわち機械方向への毛細管的な作用が起こりにくいがために、保液しにくく、かつ不織布の厚み方向への毛細管的な作用に優れている。
【0031】
さらに、本発明に係る複合化不織布の製造法は、少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合短繊維ウェッブをエアレイド法により開繊飛散させながら、長繊維が集積されてなる長繊維層上に堆積した後、堆積された短繊維ウェッブに含まれる熱可塑性樹脂の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下で熱処理する事によって行うものである。このため本製造法すなわち長繊維層と短繊維ウェッブの積層接合による複合化不織布は、長繊維不織布と短繊維不織布の積層接合のごとき通常の接合構造とは異なり、接合面において、短繊維ウェッブが長繊維層、すなわち長繊維不織布もしくは長繊維フリースの空隙に入り込み、長繊維と短繊維の接着点が三次元的に形成され、かつ比較的不織布の厚み方向に短繊維が配列した構造になっている。従って、本製造法による複合化不織布は、長繊維不織布と短繊維不織布の層間のアンカー効果に優れている。また、かつ長繊維不織布と短繊維不織布の層間においても短繊維が比較的不織布の厚み方向に配列しているため、さらに嵩高で見かけ密度が低く、かつ不織布の厚み方向への毛細管的な作用が向上している。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の効果を実施例に従って詳述する。本実施例における複合化不織布の物性値等の定義と測定方法は以下の通りである。
(目付け)不織布の重量を面積で割り、不織布1m2当たりの重量(g)で表したもの。
(剪断強度)吸収性物品の表面材として使用したときに予想されるずれ応力やよれ応力に対する形態安定性を、剪断強度として評価した。複合化不織布を、幅5cm、長さ15cmの大きさに切断し、長手方向の両端より長繊維層と短繊維層を長さ6.5cm剥離させ、中央2cmだけが複合化不織布になった試料を用意した。この試料を、定速引張試験機を用い、一方は長繊維不織布を、もう一方は短繊維不織布をつかみ、破断するまで引張試験を行った。この破断した試料の破断状態を観察し、材料破壊したものを○、長繊維層と短繊維層がはっきり層分離していないものを△、長繊維層と短繊維層がはっきり層分離したものを×とし、剪断強度として表した。
(表面風合い)
肌触り等の感触を、モニター10名による感触試験により表面風合いとして評価した。試験方法は、モニターが試料を手指で把持し、柔らかいもしくは風合いがよいと感じるか否かを判断し、柔らかいもしくは風合いがよいと判定した試料に1点/1名で加点していった。
【0033】
(見かけ密度)
東洋精機株式会社のデジシックネステスターを用い、試料の35mmφの範囲に2.0g/cm2の荷重を加えた時の厚みDmmとし、試料の目付けをMg/m2としたとき、見かけ密度は、M/(D×1000)なる式で算出されるものであり、その単位は、g/cm3である。
(透過速度)
複合化不織布の透過吸収性を透過速度として評価した。試料を吸収性シートの上に水平になるように乗せ、さらにその上に、50mmφで肉圧が4mm、重量が50gの円筒を乗せた。この円筒内に50ccの生理食塩水を、一気に投入し、投入してから試料に吸収されるまでの時間を測定し、透過速度とした。
(にじみ性)
スポット吸収性をにじみ性として評価した。透過速度を測定した後に、試料に広がった生理食塩水の痕跡の向かい合う境界が最長となるところの距離をLとし、(L−50)/50で得られる値をにじみ性として表した。
(保液性)
サラット感は、官能評価であるが、便宜的に保液性として評価した。透過速度とにじみ性を評価した後の試料の重量を測定し、その値をXとし、試料を乾燥機に投入し水分を除去したときの重量をYとしたとき、(X−Y)/Y×100で得られる値を保液性とした。
(逆戻り性)
透過速度を測定後3分間放置し、吸収性シート上にある試料に濾紙を乗せ、5kgの荷重を30秒間加えたとき、濾紙が吸い取った生理食塩水の重量を逆戻り性として表した。
(ランダム性)
複合化不織布の短繊維層について、2つの短繊維が交差接合して形成される4角のうち最小の角度を測定し、これを交差角とした。この測定を100点以上行い、交差角分布を求め、交差角60〜90゜に含まれる交差角の数をA、測定した交差角の総数をMとしたとき、A/M×100で得られる値をランダム性として表した。
【0034】
実施例1
ポリプロピレン樹脂を加熱溶融し、溶融紡糸装置に導入して、長繊維群を紡糸した。その後、直ちに長繊維の繊度が2デニールとなるように延伸した。延伸した長繊維群を帯電法で開繊して、捕集コンベア上に集積して、長繊維フリースを得た。この長繊維フリースを、152℃に加熱された多数の点状の凸部を持つロールと同じく加熱された平滑ロールの間に導入し、目付けが14g/m2の長繊維不織布を得た。この長繊維不織布を、エアレイド不織布加工機の捕集コンベアに供給した。ポリプロピレン樹脂を芯成分、高密度ポリエチレン樹脂を鞘成分とし、2デニール、カット長10mmの熱融着性複合短繊維を開繊し、エアレイド不織布加工機に供給した。供給された短繊維を、エアレイド不織布加工機によって開繊飛散させ、捕集コンベアに供給した前記長繊維不織布上に堆積させて、長繊維不織布と短繊維ウェッブの積層物を得た。なお、短繊維ウェッブの目付けは12g/m2とした。この長繊維不織布と短繊維ウェッブの積層物を、138℃の加熱気体流の中に導入し、熱融着性複合短繊維の低融点成分である高密度ポリエチレン樹脂を溶融させ、短繊維相互間および長繊維層と短繊維層の層間を接合して複合化不織布を得た。
【0035】
実施例2
ポリプロピレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂を溶融し、溶融複合紡糸装置に導入して、ポリプロピレン樹脂を芯成分、高密度ポリエチレン樹脂を鞘成分とする熱融着性複合長繊維群を紡糸した。その後、直ちに熱融着性複合長繊維の繊度が2デニールとなるように延伸した。延伸した熱融着性複合長繊維群を帯電法で開繊して、捕集コンベア上に集積して、目付け14g/m2の熱融着性複合長繊維フリースを得た。この長繊維フリースを、そのままエアレイド不織布加工機の捕集コンベアに供給した。これとは別にポリプロピレン樹脂を芯成分、高密度ポリエチレン樹脂を鞘成分とする繊度2デニール、カット長10mmの熱融着性複合短繊維を開繊し、エアレイド不織布加工機に供給した。供給された短繊維を、エアレイド不織布加工機によって開繊飛散させ、捕集コンベアに供給した前記長繊維フリース上に堆積させて、長繊維フリースと短繊維ウェッブの積層物を得た。なお、短繊維ウェッブの目付けは12g/m2とした。この長繊維フリースと短繊維ウェッブの積層物を、138℃の加熱気体流の中に導入し、熱融着性複合短繊維の低融点成分である高密度ポリエチレン樹脂を溶融させ、短繊維相互間および長繊維相互間、長繊維層と短繊維層の層間を接合して複合化不織布を得た。
【0036】
実施例3
短繊維不織布のカット長を、5mmとした他は、実施例2と同様の条件で複合化不織布を製造した。
【0037】
参考例1
短繊維不織布のカット長を、30mmとした他は、実施例2と同様の条件で複合化不織布を製造した。
【0038】
参考例2
短繊維不織布のカット長を、51mmとした他は、実施例2と同様の条件で複合化不織布を製造した。
【0039】
実施例6
短繊維層に、繊度が3デニールでカット長が6mmのレーヨンを30重量%混綿した他は、実施例3と同様の条件で複合化不織布を製造した。
【0040】
実施例7
短繊維層に、繊度が3デニールでカット長が6mmのレーヨンを70重量%混綿した他は、実施例3と同様の条件で複合化不織布を製造した。
【0041】
比較例1
ポリプロピレン樹脂を溶融し、溶融紡糸装置に導入して、長繊維群を紡糸した。その後、直ちに長繊維の繊度が2デニールとなるように延伸した。延伸した長繊維群を帯電法で開繊して、捕集コンベア上に集積して、長繊維フリースを得た。この長繊維フリースを、152℃に加熱された多数の点状の凸部を持つロールと同じく加熱された平滑ロールの間に導入し、目付けが14g/m2の長繊維不織布を得た。
ポリプロピレン樹脂を芯成分、高密度ポリエチレン樹脂を鞘成分とする繊度2デニール、カット長64mmの熱融着性複合短繊維をパラレルローラーカード加工機に導入開繊し、目付けが12g/m2の短繊維ウェッブを得た。この短繊維ウェッブを、138℃の加熱気体流の中に導入し、熱融着性複合短繊維の低融点成分である高密度ポリエチレン樹脂を溶融させ、短繊維相互間を接合して短繊維不織布を得た。
以上のようにして得られた長繊維不織布と短繊維不織布を積層して、138℃の加熱気体流の中に導入し、熱融着性複合短繊維の低融点成分である高密度ポリエチレン樹脂を溶融させ、長繊維層と短繊維層の層間を接合して複合化不織布を得た。
【0042】
比較例2
ポリプロピレン樹脂を溶融し、溶融紡糸装置に導入して、長繊維群を紡糸した。その後、直ちに長繊維の繊度が2デニールとなるように延伸した。延伸した長繊維群を帯電法で開繊して、捕集コンベア上に集積して、長繊維フリースを得た。この長繊維フリースを、152℃に加熱された多数の点状の凸部を持つロールと同じく加熱された平滑ロールの間に導入し、目付けが14g/m2の長繊維不織布を得た。この長繊維不織布を、熱風加熱加工機のコンベアに供給した。
ポリプロピレン樹脂を芯成分、高密度ポリエチレン樹脂を鞘成分とする繊度2デニール、カット長64mmの熱融着性複合短繊維をパラレルローラーカード加工機に導入開繊し、目付けが12g/m2の短繊維ウェッブを得た。この短繊維ウェッブを熱風加熱加工機のコンベアに供給した前記長繊維不織布上に積層させて、長繊維不織布と短繊維ウェッブの積層物を得た。この長繊維不織布と短繊維ウェッブの積層物を、138℃の加熱気体流の中に導入し、熱融着性複合短繊維の低融点成分である高密度ポリエチレン樹脂を溶融させ、短繊維相互間および長繊維層と短繊維層の層間を接合して複合化不織布を得た。
【0043】
比較例3
短繊維ウェッブ形成機をランダムローラーカード加工機にした他は、比較例2と同様の条件で複合化不織布を製造した。
【0044】
比較例4
短繊維ウェッブ形成機をランダムウェッバーにした他は、比較例2と同様の条件で複合化不織布を製造した。
これら実施例に係る複合化不織布及び比較例に係る複合化不織布の剪断強度、表面風合い、見かけ密度、透過速度、にじみ性、保液性、逆戻り性、ランダム性を測定した結果は、それぞれ表1及び表2に示す。
【0045】
比較例5
ポリプロピレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂を溶融し、溶融複合紡糸装置に導入して、ポリプロピレン樹脂を芯成分、高密度ポリエチレン樹脂を鞘成分とする熱融着性複合長繊維群を紡糸した。その後、直ちに熱融着性複合長繊維の繊度が2デニールとなるように延伸した。延伸した熱融着性複合長繊維群を帯電法で開繊して、捕集コンベア上に集積して、目付け14g/m2の熱融着性複合長繊維フリースを得た。この長繊維フリースを、そのままエアレイド不織布加工機の捕集コンベアに供給した。
繊度2デニール、カット長64mmのポリプロピレン樹脂を芯成分、高密度ポリエチレン樹脂を鞘成分とする熱融着性複合短繊維をパラレルローラーカード加工機に導入開繊し、目付けが12g/m2の短繊維ウェッブを得た。この短繊維ウェッブを熱風加熱加工機のコンベアに供給した前記長繊維不織布上に積層させて、長繊維不織布と短繊維ウェッブの積層物を得た。この長繊維不織布と短繊維ウェッブの積層物を、138℃の加熱気体流の中に導入し、熱融着性複合短繊維の低融点成分である高密度ポリエチレン樹脂を溶融させ、短繊維相互間および長繊維層と短繊維層の層間を接合して複合化不織布を得た。
【0046】
比較例6
短繊維不織布のカット長を、64mmとした他は、実施例2と同様の条件で複合化不織布を製造した。
【0047】
【0048】
表1の結果より明らかなとおり、実施例に係る複合化不織布は、比較例に係る複合化不織布に比べ、長繊維不織布と短繊維不織布が同目付けのもので構成されているにも拘らず、見かけ密度が小さく、表面の風合いに優れ、更に剪断強度、透過速度、にじみ性、保液性、逆戻り性、ランダム性全てにおいて優れている。従って、実施例に係る複合化不織布は、吸収性物品の表面材として使用したときに予想されるずれ応力やよれ応力に対する形態安定性に優れると共に、見かけ密度が低いために表面の風合いに優れ、複合化不織布の長手方向すなわち機械方向への毛細管的な作用が低く、かつ複合化不織布の厚み方向への毛細管的な作用に優れるがために透過速度、にじみ性、保液性、逆戻り性に優れている。すなわち、本発明に係る複合化不織布は、従来の積層不織布では困難であった高い剪断強度と表面風合いの良さを、長繊維層と短繊維ウェッブの接合による長繊維不織布と短繊維不織布の複合化という手法によって両立させ、さらに複合化に用いる短繊維不織布に高いランダム性を付与させることで、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の表面材として固有の特性である尿、汗、血液等の体液の透過吸収性の良さ、スポット吸収性、サラット感、また透過した体液の逆戻り性の低さを満足させているのである。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係る複合化不織布は、前述した構造による作用から、以下に示す効果を有する。
(1)複合化不織布を構成する短繊維不織布のランダム性が高く、かつ短繊維不織布を構成する短繊維の繊維長が不織布の厚み方向に配列しているため、クッション性に優れる。
(2)複合化不織布の見かけ密度が十分に低いため、嵩高かつ表面の風合いが良好で、吸収性物品の表面材として使用した場合、肌触りに優れる。
(3)複合化不織布の長手方向すなわち機械方向への毛細管的な作用が起こりにくいため、吸収性物品の表面材として使用した場合、スポット吸収性に優れる。
(4)複合化不織布の長手方向すなわち機械方向への毛細管的な作用が低く、かつ複合化不織布の厚み方向への毛細管的な作用に優れるため、吸収性物品の表面材として使用した場合、体液の透過吸収性に優れる。
(5)複合化不織布の見かけ密度が十分に低く、かつ不織布の厚み方向への毛細管的な作用に優れるために、吸収性物品の表面材として使用した場合、透過吸収した体液の逆戻り性が低い。
(6)不織布の長手方向すなわち機械方向への毛細管的な作用が起こりにくいため、保液性が低く、吸収性物品の表面材として使用した場合、サラット感に優れる。
(7)接合した長繊維不織布と短繊維不織布の層間のアンカー効果が優れるため、吸収性物品の表面材として使用した場合、ずれ応力やよれ応力に対する形態安定性に優れる。
なお、以上主として、本発明に係る複合化不織布が、吸収性物品の表面材として使用する場合について説明したが、本発明に係る複合化不織布は、前述したように、手術用着衣、掛け布、ハップ材の基布等の他、フィルター材、土木資材等にも好適に使用しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合化不織布の製造装置の要部を示す模式図である。
【符号の説明】
1&3 紡糸パック
2&4 紡糸口金
5&6 長繊維群
7&8 エジェクター
9&10&17 サクションブロアー
11 無端捕集コンベア
12 長繊維フリース
13 エンボスロール
14 エアレイド不織布加工機
15 短繊維群
16 長繊維層と短繊維ウェッブの積層体
18 熱風加熱乾燥機
19 複合化不織布
【表2】
Claims (11)
- 長繊維不織布と短繊維不織布が接合された少なくとも2層の複合化不織布であって、該短繊維不織布は、少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる繊維長が3〜15mmである熱融着性複合短繊維であり、該熱融着性複合短繊維ウエッブをエアレイド法により開繊飛散させながら、長繊維が集積されている長繊維層上に堆積させた後、該短繊維ウエッブを構成する熱可塑性樹脂の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下の温度で熱処理することにより、該熱融着性複合短繊維同士及び短繊維と長繊維が熱融着され、形成される短繊維接点の交差角分布が短繊維不織布の総接点数の少なくとも50%を交差角60〜90゜で占めていることを特徴とする複合化不織布。
- 長繊維不織布が、少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合長繊維であり、熱融着性複合長繊維相互の接点は融着接合されている請求項1に記載の複合化不織布。
- 長繊維不織布が、ポリエステル系繊維およびポリオレフィン系繊維の少なくとも1種である請求項1または2に記載の複合化不織布。
- 短繊維不織布が、少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合短繊維(A)と親水性短繊維(B)の混綿比率A/Bが30/70〜100/0である短繊維混綿不織布で構成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合化不織布。
- 短繊維不織布が、厚み方向に密度勾配のあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合化不織布。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合化不織布を用いた吸収性物品。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合化不織布を表面材に用いた吸収性物品。
- 少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる繊維長が3〜15mmである熱融着性複合短繊維ウェッブをエアレイド法により開繊飛散させながら、長繊維が集積されてなる長繊維層上に堆積させた後、堆積された短繊維ウェッブに含まれる熱可塑性樹脂の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下で熱処理することを特徴とする複合化不織布の製造法。
- 長繊維の集積層が、長繊維に含まれる熱可塑性樹脂の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下で熱処理されている請求項8に記載の複合化不織布の製造法。
- 長繊維の集積工程、長繊維の熱処理工程、短繊維ウェッブの長繊維層上への堆積工程、及び堆積短繊維ウェッブの熱処理工程が連続して行われる請求項8または9に記載の複合化不織布の製造法。
- 長繊維の集積工程、長繊維の熱処理工程、短繊維ウェッブの長繊維層上への堆積工程、堆積短繊維ウェッブの熱処理工程及びこれら工程に直結して、吸収性物品の製造工程が連続して行われる請求項8〜10のいずれか1項に記載の複合化不織布の製造法。
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