JPH0921055A - 複合化不織布及びその製造法 - Google Patents

複合化不織布及びその製造法

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JPH0921055A
JPH0921055A JP19434795A JP19434795A JPH0921055A JP H0921055 A JPH0921055 A JP H0921055A JP 19434795 A JP19434795 A JP 19434795A JP 19434795 A JP19434795 A JP 19434795A JP H0921055 A JPH0921055 A JP H0921055A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 嵩高で、風合い及び感触が良好で、かつ尿等
の透過性の良さ、スポット吸収性、サラット感、及び逆
戻り性の低さに優れた複合化不織布を提供すること。 【構成】 長繊維不織布と短繊維不織布が接合された少
なくとも2層の複合化不織布であって、前記短繊維不織
布は、少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱
可塑性樹脂からなる熱融着性複合短繊維であり、かつ、
該熱融着性複合短繊維同士は熱融着され、形成される短
繊維接点の交差角分布が短繊維不織布の総接点数の少な
くとも50%を交差角60〜90゜で占めていることを
特徴とする複合化不織布、及び短繊維ウエブをエアレイ
ド法により長繊維層上で開繊させた後、両者を熱融着さ
せることを特徴とするその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、嵩高で、風合い及び感
触の良好な複合化不織布及びその製造法に関する。さら
に詳しくは、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収
性物品、手術用着衣、掛け布、ハップ材の基布等の他、
フィルター材、土木資材等にも好適に使用でき、特に使
い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に要求さ
れる体液の透過吸収性、スポット吸収性、サラット感、
また透過した体液の逆戻り性の低さに優れる複合化不織
布及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スパンボンド法に代表される手法で得ら
れる長繊維不織布は、短繊維不織布に比べて、高強度で
かつ比較的安価なため、種々の用途に使用されている。
しかし、長繊維不織布は、短繊維不織布に比べ風合いの
点で劣っており、特に吸収性物品の表面材に用いた場
合、肌触り等の感触が悪いという欠点があった。長繊維
不織布の感触が悪い理由は、構成繊維の長繊維に捲縮が
発現しておらず、見かけ密度が高く含有空気量が少ない
ためである。従って、長繊維に捲縮を発現させれば感触
の良好な長繊維不織布が得られると考えられるが、捲縮
を有する長繊維の均一な開繊が困難であったり、潜在捲
縮性長繊維の捲縮が顕在化する時に長繊維の長手方向に
収縮が起こることによって、均質な長繊維不織布が得ら
れないことがあった。
【0003】また、カード法に代表される手法で得られ
る短繊維不織布は、均質性に優れ、捲縮を有する短繊維
によって構成されることから、嵩高で肌触り等の感触が
良好なものである。しかしながら、短繊維不織布は、短
繊維の集合体であるために、長繊維不織布に比べ低強度
であり、吸収性物品の表面材として使用した場合、破れ
やすいという欠点があった。
【0004】このように長繊維不織布、短繊維不織布と
もに長所と短所があり、これら長所を単一層において両
立させることは難しかった。長繊維不織布と短繊維不織
布の長所を両立させる技術としては、長繊維不織布と短
繊維不織布の積層が一般的であり、この種の技術とし
て、例えば特開平06−136654号公報に長繊維不
織布と短繊維不織布を積層し、高圧水流処理した積層不
織布が、開示されている。しかしながら、この技術に記
載の短繊維不織布にかかわらず、ほとんどの短繊維不織
布は、カード法を使用して得られるために、不織布を構
成している短繊維が不織布の長手方向すなわち機械方向
に配列し極めて等方的であり、異方性に劣っている。こ
のため、吸収性物品の表面材として用いた場合、この短
繊維不織布及びこの積層不織布は、不織布の機械方向に
毛細管的な作用が働き、体液の吸収時に体液が繊維の配
列方向に広がり易いために、透過吸収性に劣るばかり
か、保液しやすいという欠点があった。これに高圧水流
処理を行ったところで、短繊維の配列は所詮不織布の加
工法すなわちカード法に依存しており、この短繊維不織
布及びこの積層不織布は、依然として保液しやすく、体
液の透過吸収性及びスポット吸収性に乏しいということ
があった。さらに、この技術に係る積層不織布は、高圧
水流処理されているために見かけ密度が高く、逆戻りし
易いということがあった。すなわち、この技術に係わる
積層不織布は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸
収性物品の表面材として固有の特性である尿、汗、血液
等の体液の透過吸収性の良さ、スポット吸収性、サラッ
ト感、また透過した体液の逆戻り性の低さについては満
足のできるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、嵩高で風合い及び感触の良好な複合化不織布を提供
することであり、第2の目的は、特に要求性能の厳しい
吸収性物品の表面材に使用した場合、尿、汗、血液等の
体液の透過吸収性、スポット吸収性、肌触り感を向上さ
せ、かつ逆戻り性の低い複合化不織布及びその製造法を
提供することにある。本発明者らは、上記課題を解決す
べく鋭意研究を重ねた結果、長繊維不織布とある特定の
短繊維不織布とを複合化することにより、長繊維不織布
の見かけ密度の高さに拘らず、複合化不織布の見かけ密
度を十分に低下させ、引張強度が高く且つ肌触り良好
で、さらに使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性
物品の表面材に要求される体液の透過吸収性及びスポッ
ト吸収性に優れ、かつ逆戻り性の低い複合化不織布が提
供できることを知り、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の構成を有する。 (1) 長繊維不織布と短繊維不織布が接合された少な
くとも2層の複合化不織布であって、前記短繊維不織布
は、少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱可
塑性樹脂からなる熱融着性複合短繊維であり、かつ、該
熱融着性複合短繊維同士は熱融着され、形成される短繊
維接点の交差角分布が短繊維不織布の総接点数の少なく
とも50%を交差角60〜90゜で占めていることを特
徴とする複合化不織布。 (2) 長繊維不織布が、少なくとも2種の高融点成分
と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合長
繊維であり、熱融着性複合長繊維相互の接点は融着接合
されている上記(1)に記載の複合化不織布。 (3) 長繊維不織布が、ポリエステル系繊維およびポ
リオレフィン系繊維の少なくとも1種である上記(1)
に記載の複合化不織布。 (4) 短繊維不織布が、繊維長3〜51mmである上
記(1)に記載の複合化不織布。 (5) 短繊維不織布が、少なくとも2種の高融点成分
と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合短
繊維(A)と親水性短繊維(B)の混綿比率A/Bが3
0/70〜100/0である短繊維混綿不織布で構成さ
れる上記(1)若しくは(4)のいずれかに記載の複合
化不織布。 (6) 短繊維不織布が、厚み方向に密度勾配のあるこ
とを特徴とする(1)に記載の複合化不織布。 (7) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の複合化
不織布を用いた吸収性物品。 (8) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の複合化
不織布を表面材に用いた吸収性物品。 (9) 少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との
熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合短繊維ウェッブをエ
アレイド法により開繊飛散させながら、長繊維が集積さ
れてなる長繊維層上に堆積した後、堆積された短繊維ウ
ェッブに含まれる熱可塑性樹脂の低融点成分の融点以
上、高融点成分の融点以下で熱処理する事を特徴とする
複合化不織布の製造法。 (10) 長繊維の集積層が、長繊維に含まれる熱可塑
性樹脂の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下
で熱処理されている上記(9)に記載の複合化不織布の
製造法。 (11) 長繊維の集積工程、長繊維の熱処理工程、短
繊維ウェッブの長繊維層上への堆積工程、及び堆積短繊
維ウェッブの熱処理工程が連続して行われる上記(9)
若しくは(10)に記載の複合化不織布の製造法。 (12) 長繊維の集積工程、長繊維の熱処理工程、短
繊維ウェッブの長繊維層上への堆積工程、堆積短繊維ウ
ェッブの熱処理工程及びこれら工程に直結して、吸収性
物品の製造工程が連続して行われる上記(9)〜(1
1)のいずれかに記載の複合化不織布の製造法。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明に係
る複合化不織布は、長繊維不織布と短繊維不織布で構成
されるものである。本発明でいう長繊維不織布とは、長
繊維が集積接合されてなるもので、従来公知の方法、例
えばトウ開繊法やスパンボンド法等によって得ることが
できる。長繊維不織布を構成する長繊維は、繊度が0.
5〜12d/fの物が使用できる。長繊維の繊度が0.
5d/f未満であると、生産性を維持させるための高速
紡糸による曳糸性の低下や、曳糸性を維持させるための
生産性の低下が起こるので好ましくない。逆に長繊維の
繊度が12d/fを超えると、長繊維の剛性が高くなっ
て、柔軟性に富む長繊維不織布が得られないので好まし
くない。特に、吸収性物品の表面材に使用する場合にお
いて、繊度は0.5〜6dが好ましい。また、長繊維不
織布の目付けは、使われる用途によって任意であるが、
手術用着衣、掛け布、ハップ材の基布等に使用する場合
において、5〜150g/m2が好ましい。長繊維不織布
の目付けが、5g/m2未満になると、長繊維不織布の厚
みが薄くなりすぎて、長繊維フリースを固定化させる際
や、固定化された長繊維不織布を巻き取る際、短繊維を
堆積もしくは短繊維不織布と積層させる際等において、
取扱いが困難であったり、均質性が低下するので好まし
くない。逆に、150g/m2を超えると長繊維不織布自
体の剛性が高くなり、柔軟性が低下するので好ましくな
い。特に、吸収性物品の表面材に使用する場合におい
て、長繊維不織布の目付けは、5〜50g/m2が好まし
い。
【0008】長繊維不織布を構成している長繊維として
は、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂より成る合成繊
維、半合成繊維、天然繊維、無機繊維等が使用できる。
長繊維が熱可塑性樹脂以外の原料を使用した場合、長繊
維は、長繊維フリースを固定化する際等において加工の
バラエティーが広がる点から、溶剤に可溶性のものが好
ましい。長繊維が熱可塑性の場合、長繊維は、一成分よ
りなる繊維であっても良いし、二成分以上、例えば、3
若しくは4成分から成る複合繊維であっても良い。しか
し、経済性を考慮すれば、特殊な用途を除いて2成分で
十分である。ここで長繊維の原料となる熱可塑性樹脂
は、各種のポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等を例示で
き、とりわけ好ましくはポリオレフィン系である。複合
長繊維としては、非熱融着性複合繊維であっても良い
し、熱融着性複合繊維であっても良いが、長繊維不織布
の長繊維同士の接点接着固定の効果や、後工程の短繊維
不織布との複合化における接合の効果を考慮したとき熱
融着性複合繊維が好ましい。熱融着性複合長繊維とは、
繊維表面の少なくとも一部に、低融点成分が形成される
二成分系以上の複合長繊維である。
【0009】熱融着性複合長繊維の組み合わせの例とし
て、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状低密
度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン
/ポリプロピレン、プロピレンと他のαオレフィンとの
二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレン、直
鎖状低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン/高密度ポリエチレン、各種のポリエチレ
ン/熱可塑性ポリエステル、ポリプロピレン/熱可塑性
ポリエステル、プロピレンと他のαオレフィンとの二元
共重合体または三元共重合体/熱可塑性ポリエステル、
低融点熱可塑性ポリエステル/熱可塑性ポリエステル、
各種のポリエチレン/ナイロン6、ポリプロピレン/ナ
イロン6、プロピレンと他のαオレフィンとの二元共重
合体または三元共重合体/ナイロン6、ナイロン6/ナ
イロン66、ナイロン6/熱可塑性ポリエステルなどを
挙げることができる。
【0010】これらの中ではポリオレフィン系同士若し
くはポリオレフィン系とポリエステル系からなる組み合
わせが好ましく、その具体例としては高密度ポリエチレ
ン/ポリプロピレンまたはエチレン・プロピレン・ブテ
ンー1結晶性三元共重合体/ポリプロピレンあるいは高
密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート等を挙
げることができる。さらに、これらの中ではポリオレフ
ィン系同士、例えば高密度ポリエチレン/ポリプロピレ
ン、エチレン・プロピレン・ブテンー1結晶性三元共重
合体/ポリプロピレン等が耐薬品性の面から特に好まし
い。
【0011】該複合成分の高融点成分と低融点成分との
融点差または軟化点差は、15℃以上が好ましい。例え
ば、熱融着性複合長繊維が、A,B,C3種の熱可塑性
樹脂で構成され、この融点または軟化点がA>B>Cの
場合、AB間及びBC間の少なくとも一方の融点差また
は軟化点差は、15℃以上が好ましい。すなわち、熱融
着性複合長繊維を構成する熱可塑性樹脂を融点の高い順
または低い順に並べた時、隣合う成分の融点差または軟
化点差の少なくとも1つが、15℃以上であることが好
ましい。また、熱融着性複合長繊維を構成する3種の熱
可塑性樹脂A,B,Cの融点または軟化点がA>B>C
であって、AB間にのみ15℃以上の融点差または軟化
点差がある場合は、Aが高融点成分、B,Cが低融点成
分と定義される。さらに、熱融着性複合長繊維を構成す
る3種の熱可塑性樹脂A,B,Cの融点または軟化点が
A>B>Cであって、AB間及びBC間共に15℃以上
の融点差または軟化点差がある場合は、Aが高融点成
分、Cが低融点成分と定義され、複合長繊維が熱融着複
合長繊維であるという条件を満たした上で、Bは高融点
成分及び低融点成分のどちらで扱われても差し支えな
い。すなわち、熱融着性複合長繊維が3種以上の熱可塑
性樹脂で構成する場合、熱融着性複合長繊維を構成する
熱可塑性樹脂を融点の高い順または低い順に並べた時の
隣合う成分の融点差または軟化点差が15℃以上の間を
境に、低融点成分と高融点成分が定義され、さらにこの
間が複数存在する場合は、低融点成分が繊維表面の少な
くとも一部に形成されるという条件を満たした上で、任
意の間を境に定義してかまわない。
【0012】更に、熱硬化性樹脂より成る合成繊維、半
合成繊維、天然繊維、無機繊維としてはフェノール系樹
脂による繊維、レーヨン、キュプラ、アセテート、炭素
繊維、ガラスファイバーなどを例示することができる。
また該複合長繊維は、鞘芯型、偏心鞘芯型、並列型、多
層型、海島型の複合繊維が使用できる。また用途により
長繊維は、着色剤、耐光剤、難燃剤、抗菌剤などが添加
されていても良い。さらに、長繊維の断面は、円形であ
っても異形であっても良く、これら断面を持った長繊維
は、中空型であってもそうでなくても良い。長繊維不織
布は、2種以上の長繊維で構成されていても良い。すな
わち、長繊維不織布は、複合型または単一型、複合型の
場合は樹脂の組み合わせの異なるもの、さらに複合型の
場合は熱融着性または熱融着性でないもの、単一型の場
合は樹脂のことなるもの、断面形状の異なるもの、中空
型またはそうでないもの、繊度の異なるものの各種組合
せによる2種以上の長繊維の混繊によって構成されてい
ても良い。また、長繊維不織布は、上記長繊維から構成
される単層であっても良いし、2層以上であっても良
い。
【0013】また、本発明において、特に好ましい長繊
維不織布としては、該熱融着性複合長繊維を長繊維不織
布中に5重量%以上含有し、且つこの熱融着性複合長繊
維の低融点成分によって長繊維相互間が結合されたもの
である。また、主たる構成長繊維に、この構成長繊維よ
りも15℃以上低融点の熱融着性長繊維を5重量%以上
混繊して、この熱融着長繊維によって主たる構成長繊維
を結合した長繊維不織布を使用することもできる。この
ように、熱融着性複合長繊維や低融点熱融着性長繊維の
如く繊維状のもので繊維相互間を結合させる理由は、繊
維の結合が、面状でなく接触点でのみ行われ、得られる
長繊維不織布の風合いが良好となり、また柔軟性に富む
ためである。
【0014】以上のような構成を持つ長繊維不織布は、
例えば以下のようにして製造されるものである。すなわ
ち、従来公知の紡糸法によって熱融着性複合長繊維を製
造した後、この長繊維を帯電法等を用いて開繊し、捕集
コンベア上に集積させてシート状の長繊維フリースを得
る。そして、加熱気体流を充満させた中に、この長繊維
フリースを導入し、長繊維中に含まれる熱融着複合長繊
維の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下で熱
処理することで長繊維不織布を得るのである。また、長
繊維フリースの固定化としては、上記した例、すなわち
熱風加熱法に限らず公知の手法、例えばニードルパンチ
法、高圧水流法、エンボスロール法、超音波加熱法等が
用いられ、これら手法の組合せであってもかまわない。
長繊維フリース固定化の組合せとしては、ニードルパン
チ処理とエンボスロール処理、ニードルパンチ処理と超
音波加熱処理、ニードルパンチ処理と熱風加熱処理、高
圧水流処理とエンボスロール処理、高圧水流処理と超音
波加熱処理、高圧水流処理と熱風加熱処理等が例示で
き、これら処理は、その順序を問わないが、ニードルパ
ンチ処理は、エンボスロール処理や超音波加熱処理、熱
風加熱処理によって形成された熱融着点に対する破壊や
切断等の悪影響を避ける点において、先に行われた方が
好ましい。
【0015】一方、短繊維不織布は、短繊維が集積接合
されてなるもので、後述するような特定の構成を持つも
のである。短繊維の繊度は、用途により微細繊度(0.
5〜2d/f)、細繊度(2〜12d/f)、中繊度
(12〜50d/f)、太繊度(50〜1000d/
f)等、種々の使用ができる。特に吸収性物品の表面材
に使用する場合において、短繊維の繊度は0.5〜12
dが好ましい。短繊維の繊度が0.5d/f未満になる
と、短繊維が開繊される際に、開繊機の針が通り難くな
り、いわゆるネップが存在する不均質な短繊維不織布し
か得られないので好ましくない。逆に短繊維の繊度が1
2d/fを超えると、短繊維の剛性が高くなって、柔軟
性に富む短繊維不織布が得られないので好ましくない。
特に、吸収性物品の表面材に使用する場合において、繊
度は0.5〜6d/fのものが最も好ましい。その他、
手術用着衣、掛け布、ハップ材の基布等には細繊度(2
〜12d/f)、土木資材等には中繊度(12〜50d
/f)〜太繊度(50〜1000d/f)の広範囲の適
用が図れる。
【0016】また、短繊維不織布の目付けは、長繊維不
織布と同様に、使われる用途によって任意であるが、手
術用着衣、掛け布、ハップ材の基布等に使用する場合に
おいて、5〜150g/m2が好ましい。短繊維不織布の
目付けが、5g/m2未満になると、長繊維不織布の場合
と同様に短繊維不織布の厚みが薄くなりすぎて、取扱い
が困難であったり、均質性が低下するので好ましくな
い。逆に、150g/m2を超えると短繊維不織布自体の
剛性が高くなり、柔軟性が低下するので好ましくない。
特に、吸収性物品の表面材に使用する場合において、短
繊維不織布の目付けは、5〜50g/m2が好ましい。短
繊維は、繊維長が3〜51mmのものが使用できる。短
繊維の繊維長が3mm未満になると、短繊維不織布の嵩
高性が低下し、見かけ密度が高くなるので好ましくな
い。逆に、51mmを超えると開繊性が悪くなり、均質
性が低下するので好ましくない。とりわけ、繊維長が3
〜30mmのものが、嵩高性と均質性の良好な点におい
て好ましく、更に好ましくは3〜15mmである。さら
に、短繊維は、捲縮が付与されたもの及び非捲縮のもの
が使用できる。とりわけ、嵩高性が良好な点において、
短繊維は捲縮付与されたものが好ましい。捲縮としては
螺旋型、ジグザグ型、U字型等が例示され、好ましくは
螺旋型とU字型である。
【0017】短繊維は、各種のポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂等の各種組合せによる熱融着性を
有する複合繊維である。短繊維を熱融着性複合短繊維と
した理由は、後述する特定の構造を保持するためであ
る。熱融着性複合短繊維とは、繊維表面の少なくとも一
部に、低融点成分が形成される二成分系以上、例えば、
3成分若しくは4成分、からなる複合短繊維である。し
かし、特定の用途を除いて、経済性からみて2成分が好
ましい。熱融着性複合短繊維に用いられる樹脂及びその
組み合わせは長繊維の場合に開示された熱可塑性樹脂及
びその組み合わせをそのまま利用することができる。し
かし、その選択は長繊維の場合と独立に行われる。更
に、3成分以上の樹脂を使用した場合には長繊維の場合
と同様に高融点側及び低融点側が定義される。また、該
熱融着複合短繊維は、鞘芯型、偏心鞘芯型、並列型、多
層型、海島型の複合繊維が使用できる。また用途により
短繊維は、着色剤、耐光剤、難燃剤、抗菌剤などが添加
されていても良い。さらに、熱融着性複合短繊維の断面
は、円形であっても異形であっても良く、これら断面を
持った熱融着性複合短繊維は、中空型であっても、そう
でなくても良い。
【0018】短繊維不織布は、上述した方法で製造され
た熱融着性複合短繊維の内、樹脂の組み合わせの異なる
もの、断面形状の異なるもの、中空型またそうでないも
の、繊維長の異なるもの、繊度の異なるものの各種組合
せによる2種以上の熱融着性複合短繊維の混綿によって
構成されていても良い。また、短繊維不織布は、前記熱
融着性複合短繊維と親水性短繊維の混綿によって構成さ
れても良く、親水性短繊維の混綿率は、短繊維不織布の
0〜70重量%、好ましくは0〜30重量%である。こ
の範囲とした理由は、親水性繊維を混綿することで体液
の繰り返し透過吸収性に優れるが、親水性短繊維の混綿
率が70重量%を超えると熱融着性複合短繊維が30重
量%未満となり、熱融着性複合短繊維の融着による短繊
維不織布の形態保持が困難になるためである。
【0019】ここで言う親水性繊維には、レーヨン、キ
ュプラ、アセテート、ビニロン、ナイロン、蛋白・アク
リロニトリル共重合糸、綿、羊毛、絹、麻、パルプ、高
分子吸収体(Super Absorbent Poly
mer)繊維、生分解性繊維等が例示でき、とりわけ好
ましくは、レーヨン、キュプラ、アセテート、綿、パル
プ等のセルロース系繊維、高分子吸収体繊維及び生分解
性繊維である。また、短繊維不織布は、前記熱融着性複
合短繊維または前記熱融着性複合短繊維及び親水性短繊
維から構成される単層であっても良いし、2層以上であ
っても良い。短繊維不織布を2層以上にする場合、短繊
維不織布は、不織布の厚み方向に密度勾配を付与させた
ものが好ましい。すなわち、短繊維ウェッブは、密度が
次第に増大するように、もしくは密度が次第に減少する
ように密度勾配を形成させ堆積接合させることが好まし
い。また、不織布の厚み方向に親水性繊維の混率に勾配
を付与させたものも好ましい。すなわち、短繊維ウェッ
ブは、親水性繊維の混率が次第に増大するように、もし
くは次第に減少するように堆積接合させることが好まし
い。この様に短繊維不織布に密度勾配もしくは親水性繊
維の混率に勾配を付与する理由は、液体の密度が粗な部
分から密な部分へ移動する性質もしくは親水性の低いと
ころから高いところへ移動する性質によって体液の透過
吸収性が向上し、かつ透過吸収した後の逆戻りを防止
し、吸収性物品の表面材等の使用にさらに好適になるた
めである。
【0020】本発明において重要なことは、使用する短
繊維不織布が、構成する該熱融着性複合短繊維をランダ
ムに配列させて、集積接合している点である。すなわ
ち、前記短繊維不織布は、該熱融着性複合短繊維から構
成され、かつ熱融着性複合短繊維同士は熱融着され、形
成される短繊維接点の交差角分布が短繊維不織布の総接
点数の少なくとも50%を交差角60〜90゜で占めて
いることを特徴とするものである。交差角60〜90゜
の百分率(%)は、短繊維不織布のランダム性の尺度と
して用いた。また、交差角60〜90゜の百分率(%)
は、2つの短繊維が交差接合して形成される4角のうち
最小の角度を測定し、これを交差角として、この測定を
100点以上行い、交差角分布を求め、交差角60〜9
0゜に含まれる交差角の数をA、測定した交差角の総数
をMとし、A/M×100で求めた。
【0021】短繊維不織布を構成する熱融着性複合短繊
維がランダムに配列しなければならない理由は、吸収性
物品の表面材に使用した場合に、体液の透過吸収性能に
優れるためである。すなわち、エアレイド法を用いて得
られる短繊維不織布は、構成する短繊維がランダムに配
列しているために、カード法による不織布に見られる不
織布の機械方向への毛細管的な作用が起こりにくくな
り、体液の透過吸収が、不織布上で体液が繊維の配列方
向に広がることなく行われるからである。さらに、この
短繊維不織布を構成する短繊維は、短繊維の繊維長が充
分に短いために、比較的不織布の厚み方向に繊維が配列
している。このため、得られる短繊維不織布は、クッシ
ョン性に優れ、嵩高で見かけ密度が十分に低下し、かつ
不織布の厚み方向の毛細管的な作用を有していおり、本
発明の複合化不織布を、特に要求性能の厳しい吸収性物
品の表面材として使用した場合、尿、汗、血液等の体液
の透過吸収性、スポット吸収性及びサラット感を更に向
上させ、かつ透過した体液の逆戻りを防止するという効
果を奏するのである。
【0022】以上のような構成を持つ短繊維不織布は、
例えば以下のようにして製造されるものである。すなわ
ち、熱融着性複合短繊維と親水性短繊維を混綿し、これ
を開繊してエアレイド不織布加工機に供給する。供給さ
れた短繊維は、エアレイド不織布加工機によって開繊飛
散され捕集コンベア上に堆積される。この操作を多段的
に行った多層短繊維ウェッブを、熱融着性複合短繊維の
低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以下の加熱気
体流の中に導入し、熱融着性複合短繊維の低融点成分を
軟化または溶融させることで短繊維相互間を接合し短繊
維不織布を得るのである。また、短繊維の不織布化は、
後述するように、長繊維不織布との複合化と共に行われ
ても良い。すなわち短繊維の不織布化は、エアレイド不
織布加工機で飛散させた短繊維を走行する長繊維不織布
上もしくは長繊維フリース上に、直接堆積させた後、熱
風加熱処理する事で長繊維不織布との複合化と共に行わ
れても良い。
【0023】本発明に係る複合化不織布は、上記した長
繊維不織布と短繊維不織布とが少なくとも2種複合化さ
れたものである。長繊維不織布と短繊維不織布の複合化
は、長繊維層と短繊維不織布の積層接合であっても、長
繊維層と短繊維ウェッブの積層接合であっても良い。こ
こで言う長繊維層は、長繊維不織布もしくは長繊維フリ
ースのことである。長繊維不織布と短繊維不織布の複合
化における長繊維層と短繊維層の接合は、短繊維層すな
わち短繊維不織布もしくは短繊維ウェッブに含まれる熱
融着性複合短繊維の低融点成分を軟化または溶融させる
ことで行われ、具体例としてはエンボスロール法、超音
波加熱法、熱風加熱法等が挙げられる。とりわけ嵩高性
が良好な点において、長繊維不織布と短繊維不織布の複
合化における長繊維層と短繊維層の接合は熱風加熱法が
好ましい。さらに、長繊維層が5重量%以上の熱融着性
複合長繊維もしくは低融点熱融着長繊維の混繊で構成さ
れ、かつ長繊維層及び短繊維層に含まれるそれぞれの低
融点成分の融点が、それぞれの高融点成分の融点よりも
15℃以上低融点になるように選定されることも好まし
い。
【0024】このように長繊維層及び短繊維層における
各成分の融点を選定する理由は、長繊維不織布と短繊維
不織布の複合化における長繊維層と短繊維層の接合が、
短繊維層、すなわち短繊維不織布もしくは短繊維ウェッ
ブに含まれる熱融着性複合短繊維の低融点成分を軟化ま
たは溶融させることだけでなく、長繊維不織布の低融点
成分を軟化または溶融させることでも行われ、かつ2種
以上の熱融着性複合繊維を長繊維層に混繊もしくは短繊
維層に混綿した場合であっても、それぞれの低融点成分
が熱融着の効果を発揮し、複合化不織布及び接合面の強
度をさらに強固にする事ができるからである。
【0025】また、この場合の熱風加熱処理は、長繊維
層及び短繊維層の低融点成分のうち最も高融点である成
分の融点以上、長繊維層及び短繊維層の高融点成分のう
ち最も低融点である成分の融点以下で行われることが好
ましい。熱風加熱処理を長繊維層及び短繊維層の低融点
成分の最も高融点である成分の融点未満で行うと、長繊
維不織布と短繊維不織布の複合化における長繊維層と短
繊維層の接合が、全ての低融点成分によって行われない
ので好ましくない。逆に、熱風加熱処理を長繊維層及び
短繊維層の高融点成分の最も低融点である成分の融点を
越えて行うと、この高融点成分が熱によるダメージや収
縮もしくは嵩の低下等を起こし、不均質な複合化不織布
しか得られないので好ましくない。また、複合化不織布
の短繊維層の厚み方向に密度勾配もしくは親水性繊維の
混率に勾配を持たせる場合、短繊維層は、用途に応じて
長繊維不織布と接合する側を密にしても良いし、粗にし
ても良い。さらに、用途に応じ、複合化不織布は、どち
らを表に使用しても良く、以上のようにして得られる2
層の複合化不織布に、短繊維層または長繊維層をさらに
積層接合させ、複合化不織布を3層以上にして用いる事
もできる。また、さらに上記2層以上の複合化不織布に
上記以外の不織布、編織物、紙、フィルム等のシートを
積層することもできる。
【0026】本発明において、特に好ましい長繊維不織
布と短繊維不織布の複合化の態様はは、熱風加熱法によ
る長繊維層と短繊維ウェッブの積層接合である。熱風加
熱法による長繊維層と短繊維ウェッブの積層接合とは、
長繊維不織布もしくは長繊維フリース上に直接短繊維ウ
ェッブを堆積させ、熱融着性複合短繊維の低融点成分の
融点以上、高融点成分の融点以下の加熱気体流の中に導
入熱処理して、長繊維不織布と短繊維不織布を接合する
事である。この様にして得られる長繊維層と短繊維ウェ
ッブの積層接合、すなわち長繊維不織布もしくは長繊維
フリースと短繊維ウェッブの積層接合による複合化不織
布は、長繊維不織布と短繊維不織布の積層接合のごとき
通常の接合構造とは異なり、接合面において、短繊維ウ
ェッブが長繊維不織布もしくは長繊維フリースの空隙に
入り込み、長繊維と短繊維の接着点が3次元的に形成さ
れ、かつ比較的不織布の厚み方向に短繊維が配列した構
造になっている。このため、熱風加熱法による長繊維層
と短繊維ウェッブの積層接合で得られる複合化不織布
は、長繊維不織布と短繊維不織布の層間にアンカー効果
が生じ、吸収性物品の表面材として使用時に予想される
外的なずれ応力やよれ応力に対する形態安定性に優れ
る。
【0027】また、長繊維不織布と短繊維不織布の層間
においても短繊維が比較的不織布の厚み方向に配列して
いるため、クッション性に優れ、嵩高で見かけ密度が十
分に低く、かつ不織布の厚み方向への毛細管的な作用が
さらに向上し、吸収性物品の表面材に用いた場合、体液
の透過吸収性能及びスポット吸収性に優れ、かつ透過し
た体液の逆戻り性を低化させている。この様に、長繊維
不織布と短繊維不織布の複合化は、吸収性物品の表面材
に用いた場合の形態安定性及び体液の透過吸収性、スポ
ット吸収性に優れ、かつ透過した体液の逆戻り性が低い
点において、熱風加熱法による長繊維層と短繊維ウェッ
ブの積層接合が好ましいのである。また、この熱風加熱
法による長繊維層と短繊維ウェッブの積層接合において
も、長繊維層を5重量%以上の熱融着性複合長繊維もし
くは低融点熱融着長繊維の混繊で構成し、かつ長繊維層
の低融点成分及び短繊維層の低融点成分の融点が、お互
いの高融点成分の融点よりも15℃以上低融点になるよ
うに選定されていることが好ましい。この場合の熱風加
熱処理も、長繊維層及び短繊維層の低融点成分のうち最
も高融点である成分の融点以上、長繊維層及び短繊維層
の高融点成分のうち最も低融点である成分の融点以下で
行われることが好ましく、特に熱風加熱による長繊維フ
リースと短繊維ウェッブの積層接合においては、長繊維
フリースと短繊維ウェブの不織布化ならびに複合化が同
時に行われるため、これが必要条件となる。
【0028】以下、本発明に係る長繊維層と短繊維ウェ
ッブの積層接合による複合化不織布の製造法の例を、図
1に従って、説明する。図1は、本発明に係る複合化不
織布の製造装置の要部を、得られる複合化不織布の長手
方向に垂直な横方向から眺めた模式図である。まず、熱
可塑性樹脂を紡糸パック1,3の紡糸口金2,4から溶
融紡糸して、口金より下方の位置で長繊維群5及び6を
エジェクター7及び8で引き取り延伸を行い、矢印方向
に移動する無端捕集コンベア11上にサクションブロア
ー9、10の吸引によって堆積させ、長繊維フリース1
2を形成させる。例えば、長繊維を複合長繊維にするの
であれば、紡糸口金を複合紡糸口金にすれば良い。この
様にして得られた長繊維フリース12は、無端捕集コン
ベア11によって搬送される。続いて、長繊維フリース
12は、長繊維フリースを固定化するために、エンボス
ロール13により部分的に熱圧着処理され、長繊維不織
布としてエアレイド不織布加工機14に搬送される。
【0029】ここで長繊維層を長繊維フリース12のま
ま用いるのであれば、長繊維フリース12は、エンボス
ロールによる部分的な熱圧着を行わずに、そのままエア
レイド不織布加工機14に搬送される。次に、短繊維群
15が、エアレイド不織布加工機14によって開繊飛散
された後、サクションブロアー17によって吸引されな
がら、搬送されてくる長繊維層上に堆積され、長繊維層
と短繊維ウェッブの積層体16を形成し、熱風加熱乾燥
機18に搬送される。熱風加熱乾燥機18に搬送された
長繊維層と短繊維ウェッブの積層体16は、熱風加熱乾
燥機18によって熱融着性複合短繊維の低融点成分の融
点以上、高融点成分の融点以下で熱処理され、複合化不
織布19として巻き取られる。なお、ここで図示してい
ないが、複合化不織布19から連続して吸収性物品を得
ることもできる。具体的には、複合化不織布19を製造
工程から連続的に所望の大きさに裁断して吸収体コアを
導入させた後、バックシートもしくはトップシートを加
熱ロール法や超音波加熱法等で部分的に熱圧着させ吸収
性物品を得ることであり、さらにここで使用するバック
シートもしくはトップシートに複合化不織布を用いるこ
ともできる。この複合化不織布製造工程と吸収性物品の
製造工程の一環システムは、生産のコストダウンを図る
ことができ好ましい態様である。
【0030】
【作用】本発明に係る複合化不織布は、長繊維不織布と
短繊維不織布が接合された複合化不織布であって、前記
短繊維不織布は、少なくとも2種の高融点成分と低融点
成分との熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合短繊維であ
り、かつ、該熱融着性複合短繊維同士は熱融着され、形
成される短繊維接点の交差角分布が短繊維不織布の総接
点数の少なくとも50%を交差角60〜90゜で占めて
いる。すなわち複合化不織布を構成する短繊維不織布の
ランダム性が高くなっており、さらに、この短繊維不織
布は、エアレイド法を用いて得られ、かつ構成する短繊
維の繊維長が充分に短いために、比較的不織布の厚み方
向に繊維が配列している。従って、本発明に係る複合化
不織布は、嵩高で見かけ密度が十分に低下しており、不
織布の長手方向すなわち機械方向への毛細管的な作用が
起こりにくいがために、保液しにくく、かつ不織布の厚
み方向への毛細管的な作用に優れている。
【0031】さらに、本発明に係る複合化不織布の製造
法は、少なくとも2種の高融点成分と低融点成分との熱
可塑性樹脂からなる熱融着性複合短繊維ウェッブをエア
レイド法により開繊飛散させながら、長繊維が集積され
てなる長繊維層上に堆積した後、堆積された短繊維ウェ
ッブに含まれる熱可塑性樹脂の低融点成分の融点以上、
高融点成分の融点以下で熱処理する事によって行うもの
である。このため本製造法すなわち長繊維層と短繊維ウ
ェッブの積層接合による複合化不織布は、長繊維不織布
と短繊維不織布の積層接合のごとき通常の接合構造とは
異なり、接合面において、短繊維ウェッブが長繊維層、
すなわち長繊維不織布もしくは長繊維フリースの空隙に
入り込み、長繊維と短繊維の接着点が三次元的に形成さ
れ、かつ比較的不織布の厚み方向に短繊維が配列した構
造になっている。従って、本製造法による複合化不織布
は、長繊維不織布と短繊維不織布の層間のアンカー効果
に優れている。また、かつ長繊維不織布と短繊維不織布
の層間においても短繊維が比較的不織布の厚み方向に配
列しているため、さらに嵩高で見かけ密度が低く、かつ
不織布の厚み方向への毛細管的な作用が向上している。
【0032】
【実施例】以下、本発明の効果を実施例に従って詳述す
る。本実施例における複合化不織布の物性値等の定義と
測定方法は以下の通りである。 (目付け)不織布の重量を面積で割り、不織布1m2当た
りの重量(g)で表したもの。 (剪断強度)吸収性物品の表面材として使用したときに
予想されるずれ応力やよれ応力に対する形態安定性を、
剪断強度として評価した。複合化不織布を、幅5cm、
長さ15cmの大きさに切断し、長手方向の両端より長
繊維層と短繊維層を長さ6.5cm剥離させ、中央2c
mだけが複合化不織布になった試料を用意した。この試
料を、定速引張試験機を用い、一方は長繊維不織布を、
もう一方は短繊維不織布をつかみ、破断するまで引張試
験を行った。この破断した試料の破断状態を観察し、材
料破壊したものを○、長繊維層と短繊維層がはっきり層
分離していないものを△、長繊維層と短繊維層がはっき
り層分離したものを×とし、剪断強度として表した。 (表面風合い)肌触り等の感触を、モニター10名によ
る感触試験により表面風合いとして評価した。試験方法
は、モニターが試料を手指で把持し、柔らかいもしくは
風合いがよいと感じるか否かを判断し、柔らかいもしく
は風合いがよいと判定した試料に1点/1名で加点して
いった。
【0033】(見かけ密度)東洋精機株式会社のデジシ
ックネステスターを用い、試料の35mmφの範囲に
2.0g/cm2の荷重を加えた時の厚みDmmとし、試
料の目付けをMg/m2としたとき、見かけ密度は、M/
(D×1000)なる式で算出されるものであり、その
単位は、g/cm3である。 (透過速度)複合化不織布の透過吸収性を透過速度とし
て評価した。試料を吸収性シートの上に水平になるよう
に乗せ、さらにその上に、50mmφで肉圧が4mm、
重量が50gの円筒を乗せた。この円筒内に50ccの
生理食塩水を、一気に投入し、投入してから試料に吸収
されるまでの時間を測定し、透過速度とした。 (にじみ性)スポット吸収性をにじみ性として評価し
た。透過速度を測定した後に、試料に広がった生理食塩
水の痕跡の向かい合う境界が最長となるところの距離を
Lとし、(L−50)/50で得られる値をにじみ性と
して表した。 (保液性)サラット感は、官能評価であるが、便宜的に
保液性として評価した。透過速度とにじみ性を評価した
後の試料の重量を測定し、その値をXとし、試料を乾燥
機に投入し水分を除去したときの重量をYとしたとき、
(X−Y)/Y×100で得られる値を保液性とした。 (逆戻り性)透過速度を測定後3分間放置し、吸収性シ
ート上にある試料に濾紙を乗せ、5kgの荷重を30秒
間加えたとき、濾紙が吸い取った生理食塩水の重量を逆
戻り性として表した。 (ランダム性)複合化不織布の短繊維層について、2つ
の短繊維が交差接合して形成される4角のうち最小の角
度を測定し、これを交差角とした。この測定を100点
以上行い、交差角分布を求め、交差角60〜90゜に含
まれる交差角の数をA、測定した交差角の総数をMとし
たとき、A/M×100で得られる値をランダム性とし
て表した。
【0034】実施例1 ポリプロピレン樹脂を加熱溶融し、溶融紡糸装置に導入
して、長繊維群を紡糸した。その後、直ちに長繊維の繊
度が2デニールとなるように延伸した。延伸した長繊維
群を帯電法で開繊して、捕集コンベア上に集積して、長
繊維フリースを得た。この長繊維フリースを、152℃
に加熱された多数の点状の凸部を持つロールと同じく加
熱された平滑ロールの間に導入し、目付けが14g/m2
の長繊維不織布を得た。この長繊維不織布を、エアレイ
ド不織布加工機の捕集コンベアに供給した。ポリプロピ
レン樹脂を芯成分、高密度ポリエチレン樹脂を鞘成分と
し、2デニール、カット長10mmの熱融着性複合短繊
維を開繊し、エアレイド不織布加工機に供給した。供給
された短繊維を、エアレイド不織布加工機によって開繊
飛散させ、捕集コンベアに供給した前記長繊維不織布上
に堆積させて、長繊維不織布と短繊維ウェッブの積層物
を得た。なお、短繊維ウェッブの目付けは12g/m2
した。この長繊維不織布と短繊維ウェッブの積層物を、
138℃の加熱気体流の中に導入し、熱融着性複合短繊
維の低融点成分である高密度ポリエチレン樹脂を溶融さ
せ、短繊維相互間および長繊維層と短繊維層の層間を接
合して複合化不織布を得た。
【0035】実施例2 ポリプロピレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂を溶融
し、溶融複合紡糸装置に導入して、ポリプロピレン樹脂
を芯成分、高密度ポリエチレン樹脂を鞘成分とする熱融
着性複合長繊維群を紡糸した。その後、直ちに熱融着性
複合長繊維の繊度が2デニールとなるように延伸した。
延伸した熱融着性複合長繊維群を帯電法で開繊して、捕
集コンベア上に集積して、目付け14g/m2の熱融着性
複合長繊維フリースを得た。この長繊維フリースを、そ
のままエアレイド不織布加工機の捕集コンベアに供給し
た。これとは別にポリプロピレン樹脂を芯成分、高密度
ポリエチレン樹脂を鞘成分とする繊度2デニール、カッ
ト長10mmの熱融着性複合短繊維を開繊し、エアレイ
ド不織布加工機に供給した。供給された短繊維を、エア
レイド不織布加工機によって開繊飛散させ、捕集コンベ
アに供給した前記長繊維フリース上に堆積させて、長繊
維フリースと短繊維ウェッブの積層物を得た。なお、短
繊維ウェッブの目付けは12g/m2とした。この長繊維
フリースと短繊維ウェッブの積層物を、138℃の加熱
気体流の中に導入し、熱融着性複合短繊維の低融点成分
である高密度ポリエチレン樹脂を溶融させ、短繊維相互
間および長繊維相互間、長繊維層と短繊維層の層間を接
合して複合化不織布を得た。
【0036】実施例3 短繊維不織布のカット長を、5mmとした他は、実施例
2と同様の条件で複合化不織布を製造した。
【0037】実施例4 短繊維不織布のカット長を、30mmとした他は、実施
例2と同様の条件で複合化不織布を製造した。
【0038】実施例5 短繊維不織布のカット長を、51mmとした他は、実施
例2と同様の条件で複合化不織布を製造した。
【0039】実施例6 短繊維層に、繊度が3デニールでカット長が6mmのレ
ーヨンを30重量%混綿した他は、実施例3と同様の条
件で複合化不織布を製造した。
【0040】実施例7 短繊維層に、繊度が3デニールでカット長が6mmのレ
ーヨンを70重量%混綿した他は、実施例3と同様の条
件で複合化不織布を製造した。
【0041】比較例1 ポリプロピレン樹脂を溶融し、溶融紡糸装置に導入し
て、長繊維群を紡糸した。その後、直ちに長繊維の繊度
が2デニールとなるように延伸した。延伸した長繊維群
を帯電法で開繊して、捕集コンベア上に集積して、長繊
維フリースを得た。この長繊維フリースを、152℃に
加熱された多数の点状の凸部を持つロールと同じく加熱
された平滑ロールの間に導入し、目付けが14g/m2
長繊維不織布を得た。ポリプロピレン樹脂を芯成分、高
密度ポリエチレン樹脂を鞘成分とする繊度2デニール、
カット長64mmの熱融着性複合短繊維をパラレルロー
ラーカード加工機に導入開繊し、目付けが12g/m2
短繊維ウェッブを得た。この短繊維ウェッブを、138
℃の加熱気体流の中に導入し、熱融着性複合短繊維の低
融点成分である高密度ポリエチレン樹脂を溶融させ、短
繊維相互間を接合して短繊維不織布を得た。以上のよう
にして得られた長繊維不織布と短繊維不織布を積層し
て、138℃の加熱気体流の中に導入し、熱融着性複合
短繊維の低融点成分である高密度ポリエチレン樹脂を溶
融させ、長繊維層と短繊維層の層間を接合して複合化不
織布を得た。
【0042】比較例2 ポリプロピレン樹脂を溶融し、溶融紡糸装置に導入し
て、長繊維群を紡糸した。その後、直ちに長繊維の繊度
が2デニールとなるように延伸した。延伸した長繊維群
を帯電法で開繊して、捕集コンベア上に集積して、長繊
維フリースを得た。この長繊維フリースを、152℃に
加熱された多数の点状の凸部を持つロールと同じく加熱
された平滑ロールの間に導入し、目付けが14g/m2
長繊維不織布を得た。この長繊維不織布を、熱風加熱加
工機のコンベアに供給した。ポリプロピレン樹脂を芯成
分、高密度ポリエチレン樹脂を鞘成分とする繊度2デニ
ール、カット長64mmの熱融着性複合短繊維をパラレ
ルローラーカード加工機に導入開繊し、目付けが12g
/m2の短繊維ウェッブを得た。この短繊維ウェッブを熱
風加熱加工機のコンベアに供給した前記長繊維不織布上
に積層させて、長繊維不織布と短繊維ウェッブの積層物
を得た。この長繊維不織布と短繊維ウェッブの積層物
を、138℃の加熱気体流の中に導入し、熱融着性複合
短繊維の低融点成分である高密度ポリエチレン樹脂を溶
融させ、短繊維相互間および長繊維層と短繊維層の層間
を接合して複合化不織布を得た。
【0043】比較例3 短繊維ウェッブ形成機をランダムローラーカード加工機
にした他は、比較例2と同様の条件で複合化不織布を製
造した。
【0044】比較例4 短繊維ウェッブ形成機をランダムウェッバーにした他
は、比較例2と同様の条件で複合化不織布を製造した。
これら実施例に係る複合化不織布及び比較例に係る複合
化不織布の剪断強度、表面風合い、見かけ密度、透過速
度、にじみ性、保液性、逆戻り性、ランダム性を測定し
た結果は、それぞれ表1及び表2に示す。
【0045】比較例5 ポリプロピレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂を溶融
し、溶融複合紡糸装置に導入して、ポリプロピレン樹脂
を芯成分、高密度ポリエチレン樹脂を鞘成分とする熱融
着性複合長繊維群を紡糸した。その後、直ちに熱融着性
複合長繊維の繊度が2デニールとなるように延伸した。
延伸した熱融着性複合長繊維群を帯電法で開繊して、捕
集コンベア上に集積して、目付け14g/m2の熱融着性
複合長繊維フリースを得た。この長繊維フリースを、そ
のままエアレイド不織布加工機の捕集コンベアに供給し
た。繊度2デニール、カット長64mmのポリプロピレ
ン樹脂を芯成分、高密度ポリエチレン樹脂を鞘成分とす
る熱融着性複合短繊維をパラレルローラーカード加工機
に導入開繊し、目付けが12g/m2の短繊維ウェッブを
得た。この短繊維ウェッブを熱風加熱加工機のコンベア
に供給した前記長繊維不織布上に積層させて、長繊維不
織布と短繊維ウェッブの積層物を得た。この長繊維不織
布と短繊維ウェッブの積層物を、138℃の加熱気体流
の中に導入し、熱融着性複合短繊維の低融点成分である
高密度ポリエチレン樹脂を溶融させ、短繊維相互間およ
び長繊維層と短繊維層の層間を接合して複合化不織布を
得た。
【0046】比較例6 短繊維不織布のカット長を、64mmとした他は、実施
例2と同様の条件で複合化不織布を製造した。
【0047】
【表1】
【0048】表1の結果より明らかなとおり、実施例に
係る複合化不織布は、比較例に係る複合化不織布に比
べ、長繊維不織布と短繊維不織布が同目付けのもので構
成されているにも拘らず、見かけ密度が小さく、表面の
風合いに優れ、更に剪断強度、透過速度、にじみ性、保
液性、逆戻り性、ランダム性全てにおいて優れている。
従って、実施例に係る複合化不織布は、吸収性物品の表
面材として使用したときに予想されるずれ応力やよれ応
力に対する形態安定性に優れると共に、見かけ密度が低
いために表面の風合いに優れ、複合化不織布の長手方向
すなわち機械方向への毛細管的な作用が低く、かつ複合
化不織布の厚み方向への毛細管的な作用に優れるがため
に透過速度、にじみ性、保液性、逆戻り性に優れてい
る。すなわち、本発明に係る複合化不織布は、従来の積
層不織布では困難であった高い剪断強度と表面風合いの
良さを、長繊維層と短繊維ウェッブの接合による長繊維
不織布と短繊維不織布の複合化という手法によって両立
させ、さらに複合化に用いる短繊維不織布に高いランダ
ム性を付与させることで、使い捨ておむつや生理用ナプ
キン等の吸収性物品の表面材として固有の特性である
尿、汗、血液等の体液の透過吸収性の良さ、スポット吸
収性、サラット感、また透過した体液の逆戻り性の低さ
を満足させているのである。
【0049】
【発明の効果】本発明に係る複合化不織布は、前述した
構造による作用から、以下に示す効果を有する。 (1)複合化不織布を構成する短繊維不織布のランダム
性が高く、かつ短繊維不織布を構成する短繊維の繊維長
が不織布の厚み方向に配列しているため、クッション性
に優れる。 (2)複合化不織布の見かけ密度が十分に低いため、嵩
高かつ表面の風合いが良好で、吸収性物品の表面材とし
て使用した場合、肌触りに優れる。 (3)複合化不織布の長手方向すなわち機械方向への毛
細管的な作用が起こりにくいため、吸収性物品の表面材
として使用した場合、スポット吸収性に優れる。 (4)複合化不織布の長手方向すなわち機械方向への毛
細管的な作用が低く、かつ複合化不織布の厚み方向への
毛細管的な作用に優れるため、吸収性物品の表面材とし
て使用した場合、体液の透過吸収性に優れる。 (5)複合化不織布の見かけ密度が十分に低く、かつ不
織布の厚み方向への毛細管的な作用に優れるために、吸
収性物品の表面材として使用した場合、透過吸収した体
液の逆戻り性が低い。 (6)不織布の長手方向すなわち機械方向への毛細管的
な作用が起こりにくいため、保液性が低く、吸収性物品
の表面材として使用した場合、サラット感に優れる。 (7)接合した長繊維不織布と短繊維不織布の層間のア
ンカー効果が優れるため、吸収性物品の表面材として使
用した場合、ずれ応力やよれ応力に対する形態安定性に
優れる。なお、以上主として、本発明に係る複合化不織
布が、吸収性物品の表面材として使用する場合について
説明したが、本発明に係る複合化不織布は、前述したよ
うに、手術用着衣、掛け布、ハップ材の基布等の他、フ
ィルター材、土木資材等にも好適に使用しうるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合化不織布の製造装置の要部を
示す模式図である。
【符号の説明】
1&3 紡糸パック 2&4 紡糸口金 5&6 長繊維群 7&8 エジェクター 9&10&17 サクションブロアー 11 無端捕集コンベア 12 長繊維フリース 13 エンボスロール 14 エアレイド不織布加工機 15 短繊維群 16 長繊維層と短繊維ウェッブの積層体 18 熱風加熱乾燥機 19 複合化不織布
【表2】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長繊維不織布と短繊維不織布が接合され
    た少なくとも2層の複合化不織布であって、前記短繊維
    不織布は、少なくとも2種の高融点成分と低融点成分と
    の熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合短繊維であり、か
    つ、該熱融着性複合短繊維同士は熱融着され、形成され
    る短繊維接点の交差角分布が短繊維不織布の総接点数の
    少なくとも50%を交差角60〜90゜で占めているこ
    とを特徴とする複合化不織布。
  2. 【請求項2】 長繊維不織布が、少なくとも2種の高融
    点成分と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる熱融着性
    複合長繊維であり、熱融着性複合長繊維相互の接点は融
    着接合されている請求項1に記載の複合化不織布。
  3. 【請求項3】 長繊維不織布が、ポリエステル系繊維お
    よびポリオレフィン系繊維の少なくとも1種である請求
    項1に記載の複合化不織布。
  4. 【請求項4】 短繊維不織布が、繊維長3〜51mmで
    ある請求項1に記載の複合化不織布。
  5. 【請求項5】 短繊維不織布が、少なくとも2種の高融
    点成分と低融点成分との熱可塑性樹脂からなる熱融着性
    複合短繊維(A)と親水性短繊維(B)の混綿比率A/
    Bが30/70〜100/0である短繊維混綿不織布で
    構成される請求項1若しくは4のいずれかに記載の複合
    化不織布。
  6. 【請求項6】 短繊維不織布が、厚み方向に密度勾配の
    あることを特徴とする請求項1に記載の複合化不織布。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の複合化
    不織布を用いた吸収性物品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載の複合化
    不織布を表面材に用いた吸収性物品。
  9. 【請求項9】 少なくとも2種の高融点成分と低融点成
    分との熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合短繊維ウェッ
    ブをエアレイド法により開繊飛散させながら、長繊維が
    集積されてなる長繊維層上に堆積した後、堆積された短
    繊維ウェッブに含まれる熱可塑性樹脂の低融点成分の融
    点以上、高融点成分の融点以下で熱処理する事を特徴と
    する複合化不織布の製造法。
  10. 【請求項10】 長繊維の集積層が、長繊維に含まれる
    熱可塑性樹脂の低融点成分の融点以上、高融点成分の融
    点以下で熱処理されている請求項9に記載の複合化不織
    布の製造法。
  11. 【請求項11】 長繊維の集積工程、長繊維の熱処理工
    程、短繊維ウェッブの長繊維層上への堆積工程、及び堆
    積短繊維ウェッブの熱処理工程が連続して行われる請求
    項9若しくは10に記載の複合化不織布の製造法。
  12. 【請求項12】 長繊維の集積工程、長繊維の熱処理工
    程、短繊維ウェッブの長繊維層上への堆積工程、堆積短
    繊維ウェッブの熱処理工程及びこれら工程に直結して、
    吸収性物品の製造工程が連続して行われる請求項9〜1
    1のいずれかに記載の複合化不織布の製造法。
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