JP7128682B2 - 不織布ワイパーおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、パルプ繊維ウエブとスパンボンド不織布とを水流交絡させることによって得られる複合型の不織布ワイパー、そしてその製造方法に関する。
パルプ繊維ウエブとスパンボンド不織布とを含む複合型の不織布ワイパーは、パルプ繊維に基づく吸液性とスパンボンド不織布に基づく強度との両方を具備してなるワイパーとなるので、ウエスなどの工業用ワイパー、或いは手ぬぐい、タオルなどの対人用のワイパーとして、様々な用途で広く使用されている。
例えば、特許文献1で開示するように、パルプ繊維ウエブとスパンボンド不織布とを重ねた後に、高圧のウォータジェット(水流)を吹き付けて水流交絡処理をして繊維を結合させることで得ることができる。ここでスパンボンド不織布は強度に優れるので製造された複合型の不織布ワイパーの裏打ち層的な機能を果たす。一方、パルプ繊維ウエブは優れた吸液機能を備えている。よって、このような複合型の不織布ワイパーは、水性、油性のいずれの液体に対しても吸収性が良好なパルプ繊維ウエブと、強度に優れるスパンボンド不織布との利点を併有している優れた不織布ワイパーとして消費者に提供することができる。
特許第2533260号公報
上記特許文献1などで使用されているスパンボンド不織布(特許文献1では、不織連続フィラメント支持体と称している)については、例えばポリプロピレンなどの合成樹脂をスパンボンド処理して得たものが広く採用されている。スパンボンド処理では、紡糸された樹脂繊維同士を点状の融着部(以下、融着点と称す)によって複数箇所で接続することで不織布のシート強度を発現させている。
ところが、スパンボンド処理で紡糸される樹脂繊維(フィラメント)は、製造時における繊維の流れ方向(以下、縦方向MDと称する)に沿って揃った状態となっており、この状態の繊維に対して上記のように融着点で接続したスパンボンド不織布は、縦方向MDと、これに直角な幅方向(以下、横方向CDと称する)との間で、伸び率に差が生じてしまう。具体的には、従来において一般的なスパンボンド不織布は縦方向MDで伸び率が小さく、高い強度を有している。これに対して横方向CDでは伸び率が大きく、強度が低くなっている。そのため、スパンボンド不織布に同じ大きさの外力を加えた場合、縦方向MDと比較して、横方向CDの伸びが大きくなっていた。
ここで、スパンボンド不織布上に載置される、パルプ繊維ウエブの繊維状態を見ると、スパンボンド不織布と比べて繊維が短く弱く、そして縦方向MDと横方向CDとの伸び率の差は小さい。
上記のようにお互いの物性が大きく異なる2種類の繊維ウエブが積層され、一体的に製造された複合型不織布ワイパーでは、伸び率の差に起因して、完成製品となったワイパーシートにおいてパルプ繊維が脱落し易くなる、また、縦横の強度のアンバランスに起因して強度が低下するなどの問題が生じる場合がある。
よって、本発明の目的は、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとの物性の差を抑制することにより、パルプ繊維の脱落を防止すると共に、強度も向上させた複合型の不織布ワイパーを提案することにある。
上記目的は、スパンボンド不織布上にパルプ繊維ウエブを積層し一体化してあり、前記パルプ繊維ウエブの繊維が、前記スパンボンド不織布の繊維に比べて短い、複合型の不織布ワイパーであって、前記スパンボンド不織布は、当該スパンボンド不織布を構成している樹脂繊維を互いに接続する融着点の単位面積当たりの存在割合である面積率を5~20%とし、前記融着点の形状を前記スパンボンド不織布の繊維流れ方向に対して直角な横方向に伸びる横長形状とすることにより、繊維流れ方向に対して直角な横方向に0.5Nの負荷を作用させたときの前記横方向における伸び率が5%以下に形成してあり、前記スパンボンド不織布の繊維径は0.6~5.6デシテックスであり、前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとの重量構成比であるスパンボンド不織布/パルプ繊維ウエブは、50/50~10/90(wt%)である、ことを特徴とする不織布ワイパーにより達成できる。
上記目的は、上記記載の不織布ワイパーを製造する方法であって、前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとを水流交絡処理する水流交絡工程を少なくも含み、前記水流交絡工程でウォータジェットを噴射するウォータジェットノズルの穴直径φが0.06~0.15mmであり、且つ前記ウォータジェットノズルの間隔が0.4~1.0mmである、こと特徴とする不織布ワイパーの製造方法によっても達成し得る。
本発明によると、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとの物性の差を抑制することにより、パルプ繊維の脱落が抑制され且つ強度も向上した、複合型の不織布ワイパーを提供できる。
本発明に係る複合型の不織布ワイパーに用いるスパンボンド不織布における融着点の様子を説明するため模式的に拡大して示した図であり、(a)は比較のため従来のスパンボンド不織布での融着点の配置の様子を示した図、(b)は好適な一例としてのスパンボンド不織布での融着点の配置の様子を示した図、(c)は好適な他の例としてのスパンボンド不織布での融着点の配置の様子を示した図である。 本発明に係る複合型不織布ワイパー製造装置について示した図である。
以下、本発明の一実施形態に係る複合型の不織布ワイパーを、図を参照して説明する。
本発明によるワイパーは、スパンボンド不織布上にパルプ繊維ウエブを積層し、一体化された複合型の不織布ワイパーである。ここで、採用しているスパンボンド不織布が特徴的な構成を備えている。よって、図1を参照して、先ずその点の構成について説明する。
図1(a)は、比較のため示した、従来のスパンボンド不織布SWの融着点MPの様子を示している模式図であり、融着点MPはスパンボンド不織布の全面に略均一に配置されている。融着点MPは、スパンボンド不織布を構成している長い連続した樹脂繊維(フィラメント)の極狭い範囲を局所的に加熱するように設計された、公知の加熱装置により繊維同士を溶融固化させた接続点であり、これによりスパンボンド不織布として強度が付与され、外形が維持される。
なお、紡糸された直後のスパンボンド繊維は縦方向MDでは伸び率が小さく、強度が高く、これに対して横方向CDでは伸び率が大きく、強度が低いという、製造由来の特性がある。ここで、従来にあっては図1(a)で示すように、縦横方向について同様に融着点MPを配置してスパンボンド不織布を得ていた。そのため、得られたスパンボンド不織布は、製造由来の特性がそのまま反映された縦横方向での伸び率に差のある不織布となっていた。
本発明者は、上記の問題点を踏まえて、縦横方向での伸び率の差を低く抑えたスパンボンド不織布SWを用いる複合型の不織布ワイパーを設計したものである。具体的には、図1(b)で示すように、縦方向MDに対して直角な横方向CDにおける融着点MP-1の配置密度を高めることにより横方向CDでの伸び率を抑えたスパンボンド不織布SWとする。横方向CDにおいて隣接する融着点MP-1同士の間隔を狭くすることによって、従来よりも横方向CDでの伸び率を抑えたスパンボンド不織布SWを得ることができる。
また、図1(c)で示すように、形成する融着点MP-2の形状を横に長く伸びた形状(横長形状)とする。従来の単純な円形形状と比較して、横長形状とすればより多くの繊維を融着して、横方向での伸び率を抑えたスパンボンド不織布SWを得ることができる。
図1(b)や図1(c)は、形成する融着点MPの単なる一例を示したものである。丸い融着点MPと横長形状の融着点MPとを組合わせてもよい。要するに、横方向CDにおける融着点MPの配置密度を高めること、また、融着点MPを横に長く伸びた形状にすることのいずれか一方、或いはその両方を適宜に採用して、スパンボンド不織布の横方向CDでの伸び率を抑えるように調整すればよい。
具体的には、本発明の複合型不織布ワイパーで使用されるスパンボンド不織布では、低負荷時(0.5N)における、横方向での伸び率を5%以下、より好ましくは2%以下となるように、融着点MP-1の配置密度や融着点MP-2の横長形状を設定してある。
なお、従来の一般的なスパンボンド不織布における、縦方向での伸び率は2%程度である。よって、横方向での伸び率を5%以下、より好ましくは2%以下に調整することで、先に指摘した点が改善されたスパンボンド不織布となる。
そして、スパンボンド不織布における、単位面積当たりの融着点の存在割合、すなわち融着点の面積率を5~20%、より好ましくは5~18%にすると、より確実に横方向での伸び率を5%以下とすることができる。
また、スパンボンド不織布を構成している樹脂繊維については、繊維径0.6~5.6デシテックス(dtex)のものを使用するのが好ましい。
本発明の複合型不織布ワイパーでは、以上の条件を満たすスパンボンド不織布の上に、パルプ繊維ウエブを積層して一体化されている。上記スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとの重量構成比(スパンボンド不織布/パルプ繊維ウエブ)は50/50~10/90(wt%)とするのが好ましい。
以上の条件を満たす複合型の不織布ワイパーは、縦横方向の伸び率の差が小さくなるように設計されているので、拭取り作業等で使用した際にパルプ繊維が脱落を防止でき、不織布ワイパーとしての強度にも優れた製品として提供できることになる。
なお、上記本発明に係る複合型不織布ワイパーでは、例えば、パルプ平均繊維長1.0~5.0mmであるパルプを用いて、パルプ繊維ウエブを形成するのが好ましい。具体的には、パルプ繊維ウエブをラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルースおよびダグラスファーからなる群から選択された針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)の繊維を用いて形成するのが好ましい。いずれか1つのパルプ繊維によるパルプ繊維ウエブとしてもよいし、2つ以上を混合して形成したパルプ繊維ウエブとしてもよい。
また、スパンボンド不織布を構成する合成繊維としては、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等から選択することができ、ポリプロピレンを用いるのが好ましい。
以下、更に、上述した本発明に係る複合型の不織布ワイパーを製造するのに好適は製造装置について、図を参照して説明する。
先ず、不織布ワイパー製造装置1の概略構成を説明する。図2に示す製造装置1は、上流側にエアレイド装置2、スパンボンド不織布を供給するスパンボンド不織布供給装置3、そしてサクション装置4が配設されている。サクション装置4はエアレイド装置2の下側に対向するように配置されている。
ウエブの搬送方向TDで、これらの装置2、3、4より下流には、上流側から順に、水流交絡処理を行うためのウォータジェットを噴射する水流交絡装置5、サクション装置6、乾燥装置7が配置されている。上記乾燥装置7の下流には連続して製造される不織布ワイパーWPを巻き取るための巻取装置8が更に設けてある。
上記エアレイド装置2は、繊維同士が密集しシート状となっている原料パルプRPをパルプ繊維に解繊する解繊機21や、図示しない送風機を備えて解繊されたパルプ繊維PFをエアレイドホッパ23へと搬送するダクト22を有している。
また、上記ダクト22よりも下流側にはエアレイドホッパ23が配置されている。このエアレイドホッパ23の内部では、解繊状態にあるパルプ繊維が分散しながら降下し、下面に設定した積層位置24に徐々に積み上りパルプ繊維ウエブPFWが形成されるように設計してある。
上記積層位置24の下側にはサクション装置4が対向配備してある。より詳細には、サクション装置4は装置本体41の上面にサクション部42を有しており、サクション部42が上記パルプ繊維ウエブPFWに吸引力(負圧)を作用させるべく積層位置24に対して設定してある。
なお、図2では、エアレイドホッパ23とサクション装置本体41とを1つずつ一段での配置として、パルプ繊維ウエブPFWを形成する場合を例示している。しかし、これに限らず、上記パルプ繊維ウエブPFWの目付(坪量)や製造速度に応じて、上記エアレイドホッパ23とサクション装置本体41を2つ以上の多段とする配置に変更してもよい。
また、サクション装置4の周囲にはウエブ搬送用の搬送ワイヤ43が配設してある。搬送ワイヤ43は、積層位置24においてパルプ繊維PFが堆積したパルプ繊維ウエブPFWが載置可能で、これを下流側に搬送するように配置されている。ただし、パルプ繊維ウエブPFWは直接、搬送ワイヤ43上に載置されない。これについては、後述の説明で明らかとなる。
搬送ワイヤ43はサクション部42の吸引力が、反対側(上側)に及ぶような目開き形態(メッシュ)で形成されている。
上記エアレイド装置2の下側で、サクション装置4よりも上流側に、スパンボンド不織布供給装置3が配置してある。このスパンボンド不織布供給装置3には、予め準備されたスパンボンド不織布SWがロール状とされてセットされている。すなわち、前述したように、従来のスパンボンド不織布よりも、横方向における伸び率を抑制してあるスパンボンド不織布SWがロール状とされ、スパンボンド不織布供給装置3から引出され、上述した搬送ワイヤ43に乗って上記積層位置24へと搬送されるようになっている。ここでは、前述したスパンボンド不織布SWの縦方向MDと本製造装置1のウエブ搬送方向TDとは一致している。
また、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとの重量構成比である、スパンボンド不織布/前記パルプ繊維ウエブは50/50~10/90(wt%)に調整しておくのが好ましい。
積層位置24に位置した、スパンボンド不織布SWの上に、前述したパルプ繊維ウエブPFWが載置される。その際に、積層位置24ではサクション装置4のサクション部42による吸引力が搬送ワイヤ43を通過し、その上のスパンボンド不織布SWおよびパルプ繊維ウエブPFWに作用する。よって、スパンボンド不織布SWとパルプ繊維ウエブPFWとが積層された状態となっている予備的積層体PWeb(積層ウエブ)が下流側へと搬送される。
上記した予備的積層体PWebは、サクション装置4の吸引力によって、吸引圧縮されたことにより積層状態が維持されている。このとき上側のパルプ繊維ウエブPFWの繊維が密にされた状態ではある。しかし、このまま予備的積層体PWebを下流側の水流交絡装置5内に搬送投入すると、ウォータジェット(高圧の水流)によってパルプ繊維PFの一部が舞い上がるおそれがある。
そこで、本製造装置1では、予備的積層体PWebを上下から挟んでスパンボンド不織布SW上でのパルプ繊維ウエブPFWの載置状態を安定化させる為の挟持ローラ28、そして水流交絡装置5の上流側に繊維飛散防止用に水分を付与するプレウエット装置30が配備してある。プレウエット装置30は、好適には、予備的積層体PWebの上方からウォータミストを吹き付ける噴霧ノズル31と予備的積層体PWebの下側(すなわち、パルプ繊維ウエブPFWの下面)から吸引力を印加するサクション装置32とを含んで構成されている。
なお、図2では、上記のように水流交絡装置5前にプレウエット装置30を新たな装置として設ける場合を例示しているが、これに限らない。水流交絡装置5に含まれる後述するウォータジェットヘッド51とサクション装置52とからなるセットの複数について、先頭に位置するセットを上記プレウエット装置30として流用するような設計変更をしてもよい。この場合には先頭のウォータジェットヘッド51から低圧のウォータミストが噴霧されるように調整すればよい。
水流交絡処理を行うのに十分な、ウォータジェットヘッド51とサクション装置52とのセット数が確保されている水流交絡装置5の場合、上記のように先頭のウォータジェットヘッド51とサクション装置52をプレウエット装置として活用することは、装置設備コストの抑制に効果的である。
そして、水流交絡装置5では、前処理部となる挟持ローラ28およびプレウエット装置30の処理を受けた予備的積層体PWebに高圧のウォータジェットを吹き付けることによりパルプ繊維同士の交絡を促進する。これにより上側に位置するパルプ繊維ウエブPFW層と下側に位置するスパンボンド不織布SW層との一体化が促進される(水流交絡処理)。
図2で例示的に示している水流交絡装置5は、搬送方向TDに沿って多段(図2では例示しているのは4段)にウォータジェットヘッド51が配置されている。
なお、図2では、搬送方向TDに対して直角な方向(ウエブの幅方向)において延在しているウォータジェットヘッド51に設けたノズルの様子は図示していないが、幅方向において複数のウォータジェットノズルが適宜の位置に配置してある。このウォータジェットノズルの穴直径φは、好ましくは0.06~0.15mm、より好ましくは0.10~0.12mmである。また、ウォータジェットノズルの間隔は0.4~1.0mmとするのが好ましい。
上記水流交絡処理をする際の水圧は、パルプ繊維ウエブPFWとスパンボンド不織布SWとの坪量を勘案して設定するのが望ましい。例えば、1~30MPaの範囲において選択するのが好ましい。
そして、上記ウォータジェットヘッド51と対向するように、サクション装置52が配設してある。ウォータジェットヘッド51から出る高圧のウォータジェットを上側に位置しているパルプ繊維ウエブPFWに吹き付けつつ、下側に位置しているスパンボンド不織布SWの下側にサクション装置52の吸引力を作用させる。ウォータジェットヘッド51とサクション装置52との協働作用によって、パルプ繊維ウエブPFW側のパルプ繊維が下側のスパンボンド不織布SWに入り込んだ状態や、スパンボンド不織布SWを貫通して反対側にまで至った状態などが形成されると推定される。その作用により2つの層の一体
化が促進される。
水流交絡装置5にも、搬送ワイヤ55が配設してある。搬送ワイヤ55は前処理部28、30の下流で予備的積層体PWebを受けて、水流交絡装置5内へと搬送する。搬送ワイヤ55は水流交絡装置5のウォータジェットヘッド51とサクション装置52との間を、上流側から下流に向かって通過するように配設されている。
よって、搬送ワイヤ55上を搬送される予備的積層体PWebは、搬送方向TDで下流に向かう程に、より多くの水流交絡処理を受けることになり、水流交絡装置5を出るときには上側のパルプ繊維ウエブPFW層と下側のスパンボンド不織布SW層との十分な交絡処理が実現される。
水流交絡装置5を出た直後の不織布にあっては、ウエット状態にあり、パルプ繊維同士などの結合は十分に確立されてはいない。
そこで、図2で示すように、水流交絡装置5の下流側にはウエブに残留する水分を吸引除去し、その後に乾燥を行って、不織布WPの製造を完了するためのサクション装置6および乾燥装置7が配備してある。このように不織布WPの製造の後段で、サクション装置6および乾燥装置7による脱水、乾燥を行うと効率よく不織布を製造でき、また、製造される水流交絡後の不織布に大きな外圧を掛けることなく乾燥した不織布を製造できるので、嵩高感のある製品に仕上げることができる。
サクション装置6は、例えばバキューム式で水流交絡後の不織布を脱水する。乾燥装置7は非圧縮型のドライヤ、好適にエアスルードライヤを採用することが好ましい。図2で、エアスルードライヤの回転可能なドライヤ本体71は筒状体であり、その周表面には多数の貫通孔が設けてあり、図示しない熱源で加熱された熱風がドライヤ本体の外周から中心部側に向かって吸い込む構成とするのがよい。
このように連続的に製造される複合型の不織布WPは巻取装置8のローラ81に巻取られて一連の工程が完了する。
以上で説明した不織布ワイパー製造装置1によると、前述した本発明に係るパルプ繊維の脱落が防止され、強度に優れた不織布ワイパーを確実に製造することができる。
なお、前述した図2による実施例では、パルプ繊維ウエブを製造する際に乾式エアレイドを用いた乾式とした場合を説明したがこれに限らない。パルプ繊維ウエブは湿式抄紙シートの製造法を応用して製造したものであっても、前述した場合と同様の効果を得ることできる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができることは言うまでもない。
1 不織布ワイパー製造装置
2 エアレイド装置
3 スパンボンド不織布供給装置
4 サクション装置
5 水流交絡装置
6 サクション装置
7 乾燥装置
8 巻取装置
21 解繊機
22 ダクト
23 エアレイドホッパ
24 積層位置
28 挟持ローラ
30 プレウエット装置
31 噴霧ノズル
32 サクション装置
41 サクション装置本体
42 サクション部
43 搬送ワイヤ
51 ウォータジェットヘッド
52 サクション装置
55 搬送ワイヤ
SW スパンボンド不織布
MP 融着点
MD 縦方向
CD 横方向
PF パルプ繊維
PFW パルプ繊維ウエブ
PWeb 予備的積層体(積層ウエブ)
WP 不織布ワイパー
TD 搬送方向

Claims (2)

  1. スパンボンド不織布上にパルプ繊維ウエブを積層し一体化してあり、前記パルプ繊維ウエブの繊維が、前記スパンボンド不織布の繊維に比べて短く弱い、複合型の不織布ワイパーであって、
    前記スパンボンド不織布は、当該スパンボンド不織布を構成している樹脂繊維を互いに接続する融着点の単位面積当たりの存在割合である面積率を5~20%とし、前記融着点の形状を前記スパンボンド不織布の繊維流れ方向に対して直角な横方向に伸びる横長形状とすることにより、繊維流れ方向に対して直角な横方向に0.5Nの負荷を作用させたときの前記横方向における伸び率が5%以下に形成してあり、
    前記スパンボンド不織布の繊維径は0.6~5.6デシテックスであり、
    前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとの重量構成比であるスパンボンド不織布/パルプ繊維ウエブは、50/50~10/90(wt%)である、ことを特徴とする不織布ワイパー。
  2. 請求項1記載の不織布ワイパーを製造する方法であって、
    前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとを水流交絡処理する水流交絡工程を少なくも含み、
    前記水流交絡工程でウォータジェットを噴射するウォータジェットノズルの穴直径φが0.06~0.15mmであり、且つ前記ウォータジェットノズルの間隔が0.4~1.0mmである、こと特徴とする不織布ワイパーの製造方法。
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