JP7088747B2 - 不織布製造装置 - Google Patents
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積層ウエブの上側はパルプ繊維ウエブであり、パルプ繊維ウエブ内には交絡に寄与しない短いパルプ繊維が存在している。この短いパルプ繊維が上記跳ね返り水を構成する水滴に含まれた状態で周辺に飛散して、ウォータジェットヘッドの外周部にも到達して付着する場合がある。これが徐々に堆積すると、パルプの塊となった付着物となる。また、他の原因で異なる種類の付着物がウォータジェットヘッドに付着してしまう可能性もある。
このような付着物が、水流交絡処理を受けて不織布となるウエブの上に落下すると、その部分の外観が変化するので、製品となる不織布が不良品になってしまう。
また、前記洗浄装置の前記洗浄シャワーノズルは、前記幅方向にて往復動可能に配置されているものとしてもよい。
先ず、不織布製造装置1の概略構成を説明する。図1に示す不織布製造装置1は、上流側にエアレイド装置2、合成繊維ウエブとしてのスパンボンドウエブを供給するスパンボンドウエブ供給装置3、そしてサクション装置4が配設されている。サクション装置4はエアレイド装置2の下側に対向するように配置されている。
ウエブの搬送方向TDで、これらの装置2、3、4より下流には、上流側から順に、水流交絡処理を行うためのウォータジェットを噴射する水流交絡装置5、サクション装置6、乾燥装置7が配置されている。上記乾燥装置7の下流には連続して製造される不織布WPを巻き取るための巻取装置8が更に設けてある。
上記積層位置24の下側にはサクション装置4が対向配備してある。より詳細には、サクション装置4は装置本体41の上面にサクション部42を有しており、サクション部42が上記パルプ繊維ウエブPFWに吸引力(負圧)を作用させるべく積層位置24に対して設定してある。
なお、図1では、エアレイドホッパ23とサクション装置本体41とを1つずつ一段での配置として、パルプ繊維ウエブPFWを形成する場合を例示している。しかし、これに限らず、上記パルプ繊維ウエブPFWの目付(坪量)や製造速度に応じて、上記エアレイドホッパ23とサクション装置本体41を2つ以上の多段とする配置に変更してもよい。
搬送ワイヤ43はサクション部42の吸引力が、反対側(上側)に及ぶような目開き形態(メッシュ)で形成されている。
そこで、本製造装置1では、予備的積層体PWebを上下から挟んでスパンボンドウエブSW上でのパルプ繊維ウエブPFWの載置状態を安定化させる為の挟持ローラ28、そして水流交絡装置5の上流側に繊維飛散防止用に水分を付与するプレウエット装置30が配備してある。プレウエット装置30は、好適には、予備的積層体PWebの上方からウォータミストを吹き付ける噴霧ノズル31と予備的積層体PWebの下側(すなわち、パルプ繊維ウエブPFWの下面)から吸引力を印加するサクション装置32とを含んで構成されている。
なお、図1では、上記のように水流交絡装置5前にプレウエット装置30を新たな装置として設ける場合を例示しているが、これに限らない。水流交絡装置5に含まれる後述するウォータジェットヘッド51とサクション装置52とからなるセットの複数について、先頭に位置するセットを上記プレウエット装置30として流用するような設計変更をしてもよい。この場合には先頭のウォータジェットヘッド51から低圧のウォータミストが噴霧されるように調整すればよい。
水流交絡処理を行うのに十分な、ウォータジェットヘッド51とサクション装置52とのセット数が確保されている水流交絡装置5の場合、上記のように先頭のウォータジェットヘッド51とサクション装置52をプレウエット装置として活用することは、装置設備コストの抑制に効果的である。
図1で例示的に示している水流交絡装置5は、搬送方向TDに沿って多段(図1では例示しているのは4段)にウォータジェットヘッド51が配置されている。
なお、図1では、搬送方向TDに対して直角な方向(ウエブの幅方向WD)において延在しているウォータジェットヘッド51に設けたノズルの様子は図示していないが、幅方向において複数のウォータジェットノズルが適宜の位置に配置してある。
化が促進される。
よって、搬送ワイヤ55上を搬送される予備的積層体PWebは、搬送方向TDで下流に向かう程に、より多くの水流交絡処理を受けることになり、水流交絡装置5を出るときには上側のパルプ繊維ウエブPFW層と下側のスパンボンドウエブSW層との十分な交絡処理が実現される。
水流交絡装置5を出た直後の不織布にあっては、ウエット状態にあり、パルプ繊維同士などの結合は十分に確立されてはいない。
サクション装置6は、例えばバキューム式で水流交絡後の不織布を脱水する。乾燥装置7は非圧縮型のドライヤ、好適にエアスルードライヤを採用することが好ましい。図1で、エアスルードライヤの回転可能なドライヤ本体71は筒状体であり、その周表面には多数の貫通孔が設けてあり、図示しない熱源で加熱された熱風がドライヤ本体の外周から中心部側に向かって吸い込む構成とするのがよい。
このように連続的に製造される複合型の不織布WPは巻取装置8のローラ81に巻取られて一連の工程が完了する。
図2(a)では例示的に、上流側の3本の配管61aについては固定配置として洗浄シャワーノズルSNを設けた場合を示し、下流側の2本の配管61bについては幅方向WDで往復摺動させて洗浄シャワーノズルSNを幅方向にて往復動可能に設けてある場合を示している。
これに対して、洗浄シャワーノズルSNが往復動する場合は、往復動する範囲の端部で洗浄ウォータシャワーWSが互いに重なるように設定すればよい。よって、図示のように、洗浄シャワーノズルSNを往復動させる構成を採用する場合、配設する洗浄シャワーノズルSNの数は固定位置とする場合よりも少なくすることできる。
なお、上流側に位置するウォータジェットヘッド51に付着物が発生する傾向が強い。その一方、下流側に位置するウォータジェットヘッド51は付着物の発生は相対的に少ない。よって、全てのウォータジェットヘッド51の間に洗浄シャワーノズルSNを配置してもよいが、例示のように最後の間については洗浄シャワーノズルSNを配置せず、シャワーの段数を削減しなくてもよい。すなわち、洗浄シャワーノズルSNは、設備コストや洗浄効率を考慮して、複数配設される前記ウォータジェットヘッド51の間の少なくとも一部に配置されていればよい。
付着物の落下を確実に抑制できると、不織布製造装置1を高速で操作することが可能になるので、結果として不織布の生産効率を向上させることができる。
なお、前述した図1による実施例では、パルプ繊維ウエブを製造する際に乾式エアレイドを用いた乾式とした場合を説明したがこれに限らない。パルプ繊維ウエブは湿式抄紙シートの製造法を応用して製造したものであっても、前述した場合と同様の効果を得ることできる。
2 エアレイド装置
3 スパンボンドウエブ供給装置
4 サクション装置
5 水流交絡装置
6 サクション装置
7 乾燥装置
8 巻取装置
21 解繊機
22 ダクト
23 エアレイドホッパ
24 積層位置
28 挟持ローラ
30 プレウエット装置
31 噴霧ノズル
32 サクション装置
41 サクション装置本体
42 サクション部
43 搬送ワイヤ
51 ウォータジェットヘッド
52 サクション装置
55 搬送ワイヤ
60 洗浄装置
61 配管
(61a:洗浄シャワーノズルSNが固定配置、61b:洗浄シャワーノズルSNが幅方向に往復動可能)
SW 合成繊維ウエブ
PF パルプ繊維
PFW パルプ繊維ウエブ
PWeb 予備的積層体(積層ウエブ)
WP 不織布
AT 付着物
WJ ウォータジェット
WS 洗浄ウォータシャワー
SN 洗浄シャワーノズル
TD 搬送方向
WD 幅方向
RB 跳ね返り水
Claims (5)
- 合成繊維ウエブの上にパルプ繊維ウエブを積層した積層ウエブを形成し、当該積層ウエブの上側からウォータジェットを噴射する水流交絡処理を行って製造される不織布の製造装置であって、
前記水流交絡処理をするための水流交絡装置を備え、
前記水流交絡装置は、前記積層ウエブの搬送方向で、間隔をとって配置される複数のウォータジェットヘッドを有しており、前記ウォータジェットヘッドから噴射される前記ウォータジェットに基づいて前記ウォータジェットヘッドに付着する付着物を洗浄するための洗浄装置が設けてあり、
前記洗浄装置は、前記複数のウォータジェットヘッドの間に配置した配管に設けた複数の洗浄シャワーノズルから、前記ウォータジェットヘッドの側面に付着する前記付着物に向けて10~100L/分・mの水量で洗浄ウォータシャワーを噴射するように形成してある、ことを特徴とする不織布製造装置。 - 前記ウォータジェットヘッドは、前記搬送方向に対して直角な前記積層ウエブの幅方向に延在しており、前記積層ウエブの前記水流交絡処理のため前記積層ウエブへ向けて前記ウォータジェットを噴射するように設定されており、
前記洗浄装置は、前記付着物に向けて洗浄ウォータシャワーを噴射する洗浄シャワーノズルを備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の不織布製造装置。 - 前記洗浄装置の前記洗浄シャワーノズルは、固定位置に配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載の不織布製造装置。
- 前記洗浄装置の前記洗浄シャワーノズルは、前記幅方向にて往復動可能に配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載の不織布製造装置。
- 前記付着物には、前記ウォータジェットが前記積層ウエブに衝突したときに、短いパルプ繊維を含んでいる跳ね返り水が前記ウォータジェットヘッドにまで到達し、前記短いパルプ繊維が堆積することによって形成されたものを含む、請求項1から4のいずれかに記載の不織布製造装置。
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