JP2020024407A - 電子写真部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低温環境下での使用によっても電気抵抗値の上昇が少ない電子写真部材の提供。【解決手段】該電子写真部材は、導電性の基体2と、該基体上の樹脂層3と、を有する電子写真部材であって、該樹脂層に、特定のカチオン構造を有する樹脂と、アニオンと、疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子とを含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真画像形成装置に用いられる電子写真部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置に関する。
電子写真画像形成装置において、現像ローラ、帯電部材、トナー供給ローラ、クリーニングブレードおよび現像ブレードの如き電子写真部材として、例えば、1×10Ω〜1×10Ωの如き電気抵抗値(以下、「抵抗値」と称す。)を有する導電層を備えた電子写真部材が用いられている。特許文献1には、特定のカチオン構造を有するイオン液体とポリオールとポリイソシアネートとを硬化してなる導電性ローラが記載されている。
特開2011−118113号公報
電子写真画像形成装置には、苛酷な環境下においても安定して優れた電子写真画像を形成できることが求められている。本発明者らの検討によれば、特許文献1に係る導電性ローラは、特に温度0℃の如き低温環境において抵抗値が上昇することがあった。
本発明の一態様は、温度0℃の如き低温環境下においても抵抗値の上昇が少ない電子写真部材の提供に向けたものである。また、本発明の他の態様は、高品位な電子写真画像を安定して出力できる電子写真画像形成装置およびそれに用いられるプロセスカートリッジの提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、導電性の基体と、該基体上の樹脂層と、を有する電子写真部材であって、該樹脂層は、構造式(1)〜(6)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する樹脂と、アニオンと、無機粒子と、を含み、該樹脂層から抽出された該無機粒子から算出される疎水化度が、40%以上80%以下である、電子写真部材が提供される。
Figure 2020024407
構造式(1)中、R1は、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。Z1〜Z3は、各々独立に構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z1〜Z3の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造である。
Figure 2020024407
構造式(2)中、R2およびR3は、各々が結合する窒素原子と共に含窒素複素芳香族5員環を形成するのに必要な炭化水素基を表し、Z4およびZ5は、各々独立に構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z6は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z4〜Z6の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造であり、d1は0または1の整数を表す。
Figure 2020024407
構造式(3)中、R4およびR5は、各々が結合する窒素原子と共に含窒素複素芳香族6員環を形成するのに必要な炭化水素基を表し、Z7は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z8は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z7およびZ8の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造である。d2は0〜2の整数を表し、d2が2であるとき、Z8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2020024407
構造式(4)中、R6およびR7は、各々が結合する窒素原子と共に含窒素複素脂環式基を形成するのに必要な炭化水素基を表し、Z9〜Z11は、各々独立に構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z12は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z9〜Z12の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造であり、d3は0〜2の整数を表し、d3が2であるとき、Z12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2020024407
構造式(5)中、R8は、結合する窒素原子と共に含窒素芳香族環を形成するのに必要な炭化水素基を表し、Z13は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z14は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z13およびZ14の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造であり、d4は0または1の整数を表す。
Figure 2020024407
構造式(6)中、R9は、結合する窒素原子と共に含窒素脂環式基を形成するのに必要な炭化水素基を表し、Z15およびZ16は、各々独立に構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z17は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z15〜Z17の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造であり、d5は0または1の整数を表す。
Figure 2020024407
Figure 2020024407
Figure 2020024407
構造式(Z101)、(Z102)、および(Z103)中、R10、R11、およびR12は、各々独立に直鎖または分岐を有する2価の炭化水素基を表す。記号「*」は、構造式(1)中の窒素原子との結合部または構造式(2)〜(6)中の含窒素複素環中の窒素原子若しくは含窒素複素環中の炭素原子との結合部を表し、記号「**」は、前記カチオン構造を有する樹脂を構成するポリマー鎖中の炭素原子との結合部を表す。
また本発明の他の態様によれば、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、上記の電子写真部材を有するプロセスカートリッジが提供される。
さらに本発明の他の態様によれば、上記の電子写真部材を有する電子写真画像形成装置が提供される。
本発明の一態様によれば、特定のカチオン構造を含有する樹脂と、アニオンと、疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子との組合せを樹脂層に含むことにより、温度0℃の如き低温環境下での使用によっても抵抗値の上昇が少ない電子写真部材が得られる。また本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像を安定して出力できるプロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置が得られる。
本発明の一実施形態に係る電子写真ローラの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子写真ブレードを示す概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子写真画像形成装置の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。 現像ローラの抵抗値を評価するための冶具の概略構成図である。
(1)電子写真部材
本発明の一実施形態に係る電子写真部材は、導電性の基体および該基体上の導電性の樹脂層を有する。
電子写真部材の一例として、ローラ形状を有する電子写真部材(以降、「電子写真ローラ」ともいう)を、図1(a)〜(c)に示す。図1(a)に示す電子写真ローラ1Aは、導電性の基体2と、その外周に設けられた導電性の樹脂層3とからなる。図1(b)に示すように、基体2と樹脂層3との間に、さらに弾性層4が設けられていてもよい。
また、電子写真ローラ1Aは、図1(c)に示すように、弾性層4と樹脂層3の間に中間層5を配置した3層構造であってもよく、中間層5が複数配置された多層構成であってもよい。電子写真ローラ1Aにおいて、本発明の電子写真部材がより効果的に奏するためには、図1(a)〜(c)に示すように、樹脂層3が電子写真ローラ1Aの最表層として存在していることが好ましい。また、電子写真ローラ1Aは、弾性層4を有することが好ましい。
なお、電子写真ローラ1Aの層構成は、樹脂層3が電子写真ローラ1Aの最表層に存在するものに限定されるものではない。電子写真ローラ1Aとしては、基体2とその外周に設けられた導電性の樹脂層3の上にさらに表面層を有するものや、樹脂層3を中間層5として有するものも挙げられる。
また、電子写真部材の他の例として、ブレード形状を有する電子写真部材(以降、「電子写真ブレード」ともいう)が挙げられる。図2(a)および(b)は、電子写真ブレード1Bの概略断面図である。図2(a)に示す電子写真ブレード1Bは、導電性の基体2と、その外周に設けられた導電性の樹脂層3とから構成されている。図2(b)に示す電子写真ブレード1Bにおいては、基体2と樹脂層3との間にさらに弾性層4が設けられている。
電子写真部材は、現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ、現像ブレード、およびクリーニングブレードに用いることが可能である。特に、現像ローラ、現像ブレード、帯電ローラおよびトナー供給ローラとして好適に用いることが可能である。以下、本発明の一実施形態に係る電子写真部材の構成を詳細に説明する。
<基体>
基体2は、電子写真部材の支持部材、および場合によっては電極として機能する。基体2は、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロムまたはニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。電子写真部材がローラ形状である場合、基体2は、中実円柱状または中空円筒状であり、電子写真部材がブレード形状である場合、基体2は、薄板形状である。
<弾性層>
弾性層4は、特に、電子写真部材が電子写真ローラ1Aである場合、電子写真ローラ1Aと感光体との当接部において、所定の幅のニップを形成するために必要な弾性を電子写真ローラ1Aに与えるものである。弾性層4は、ゴム材料を含むことが好ましい。ゴム材料としては、以下のものが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム。これらは1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、圧縮永久歪みおよび柔軟性の観点から、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては、付加硬化型のシリコーンゴムの硬化物が挙げられる。
弾性層4の成形方法としては、液状ゴム材料を型成形する方法や、混練ゴム材料を押出し成形する方法が挙げられる。弾性層の厚さは、0.3mm以上4.0mm以下であることが好ましい。
弾性層4には、導電性を付与するために、導電性付与剤が適宜配合される。導電性付与剤としては、カーボンブラック;アルミニウム、銅の如き導電性金属;酸化錫、酸化チタンの如き導電性金属酸化物の微粒子を用いることができる。これらの中でも、比較的容易に入手でき、良好な導電性が得られる点から、カーボンブラックが好ましい。導電性付与剤としてカーボンブラックを用いる場合は、ゴム材料100質量部に対してカーボンブラックを2〜50質量部配合することが好ましい。
弾性層4には、非導電性充填剤、架橋剤、触媒の如き各種添加剤が適宜配合されていてもよい。非導電性充填剤としては、シリカ、石英粉末、酸化チタン、または炭酸カルシウムが挙げられる。架橋剤としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンまたはジクミルパーオキサイドが挙げられる。触媒としては、白金触媒が挙げられる。
<樹脂層>
樹脂層3は、構造式(1)〜(6)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する樹脂と、アニオンと、疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子とを含む。
該樹脂は、例えば、構造式(1)〜(6)で示される構造に対応する構造を有し、かつ、水酸基、アミノ基、およびグリシジル基からなる群から選ばれる基を少なくとも1個有するイオン化合物と、ポリオールおよびポリイソシアネートとの少なくとも一方と、を反応させることにより得られる。
該樹脂は、導電性を担うアニオンの担持体として機能する。なお、樹脂層3には、カチオン構造を有する樹脂とは別の樹脂が含まれていても良い。
本態様に係る電子写真部材が、0℃近辺の低温環境下においても、抵抗値の上昇が抑制されるという効果を奏する理由について、本発明者らは以下のように推測している。
電子写真部材に対して電圧を印加した場合、樹脂層中のアニオンは、樹脂層中を移動する。アニオンは、電圧を印加している間は、移動先に留まり、樹脂層中ではアニオンが偏在する。樹脂層中に存在するアニオンの総量は一定であるため、電圧の印加状態が継続するにつれて、樹脂層中を移動可能なアニオンの量が減少する。その結果、抵抗値が経時的に上昇する。
一方、電子写真部材に対する電圧の印加が終了すると、樹脂層中において、偏在していたアニオンは拡散していき、一旦上昇した抵抗値が低下していく。しかしながら、電圧印加中のアニオンの移動に比べ、電圧印加終了後のアニオンの拡散には時間を要するそのため、樹脂層中のアニオンの存在状態が、電圧印加前の状態に戻る前に再び電圧が印加されると、電子写真部材の抵抗値が上昇することとなる。
特に、温度0℃の如き低温環境下においては、分子の運動性が低下し、アニオンの担持体である樹脂に結晶性が発現する。そのため、電圧印加終了後のアニオンの拡散が阻害されることにより、抵抗値の低下も阻害されるものと考えられる。
一般に電子写真部材の樹脂層は、分散性の観点から未処理のまたは親水化処理を施した、シリカ、石英粉末、酸化チタン、酸化亜鉛および炭酸カルシウムの如き無機粒子を充填剤として含有している。これらの無機粒子は、樹脂層形成用塗料に添加することにより、樹脂層の形成工程において該塗料をコーティングする際に、成膜助剤や補強材としての機能を発揮する。一方で、本発明者らの検討の結果、こうした未処理のまたは親水化処理を施した無機粒子が、0℃の如き低温環境下で生じる樹脂層中でのアニオンの拡散の阻害による、電子写真部材の抵抗値の低下の阻害を助長していることを見出した。未処理のまたは親水化処理を施した無機粒子の表面には、比較的極性の高い官能基が存在しており、この比較的極性の高い官能基、すなわち電気的に偏りを持った官能基は、負電荷を帯びたアニオンと相互作用し、アニオンの移動性を阻害すると考えられる。その結果、アニオンの再拡散の阻害による電子写真部材の抵抗値の上昇が生じると考えられる。
本態様においては、前記検討の結果を鑑み、分散性に劣る疎水化度40%以上の無機粒子を樹脂層に用いた。こうして、0℃の如き低温環境下での電子写真部材の抵抗値上昇抑制を達成した。充填剤を、疎水化度40%以上の無機粒子、すなわち表面官能基の極性を低減した無機粒子とすることで、アニオンと相互作用の強い表面官能基を減らし、アニオンの再拡散の阻害を抑制する。結果として、特に0℃の如き低温環境下で、顕著な抵抗値の上昇の抑制に奏功していると推測している。一方で、無機粒子の疎水化度が80%を超える場合は、電子写真部材の樹脂層3に含有されるカチオン構造を有する樹脂との極性差が大きくなり、無機粒子の凝集が発生する。無機粒子が凝集した部分には、イオンキャリアであるアニオンが存在しえないため、アニオンの粗密が生じると考えられる。その結果、無機粒子が凝集した部分で抵抗値の上昇が顕著となると推測される。
さらに、本態様に係る樹脂層3中の樹脂は、前記したカチオン構造と共に、下記の構造式(7)〜(9)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を有することが好ましい。
Figure 2020024407
[構造式(7)中、R13は、炭素数4〜6の直鎖または分岐を有する2価の炭化水素基を表す。]
Figure 2020024407
[構造式(8)中、R14は、炭素数4〜8の直鎖または分岐を有する2価の炭化水素基を表す。]
Figure 2020024407
[構造式(9)中、R15は、炭素数5〜8の直鎖または分岐を有する2価の炭化水素基を表す。]。
これらの構造により、充填剤の分散性が良化し、樹脂層の表面のタック性が低減し、トナー固着が低減することが見出された。このような効果を奏する理由について、本発明者らは以下のように推測している。すなわち、樹脂中の、構造式(7)〜(9)で示される構造の部分は、樹脂中で相対的に極性が低いため、当該部分と疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子の親和性が高まると考えられる。その結果、該無機粒子が、樹脂のポリマー鎖中に入り込みやすく、該無機粒子が樹脂層中で凝集するのを抑制し得ると考えられる。該無機粒子の凝集が抑制されると、樹脂層中において、微視的に該無機粒子が存在しない領域が減り、樹脂層3の表面のタック性が低減すると考えられる。
[樹脂]
本樹脂層3に含有される樹脂は、水酸基、アミノ基、グリシジル基由来の基を少なくとも1個有するイオン化合物と、バインダー樹脂とを反応させることにより得られるカチオン構造を有する。バインダー樹脂としては、イオン化合物以外の化合物、好ましくはポリオールと、ポリイソシアネートと、を反応させることにより得られるウレタン樹脂を用いることが好ましい。また、ウレタン樹脂のポリマー鎖は、前記した構造式(7)〜(9)で示される構造のうちの少なくとも1つの構造を有することが好ましい。
(カチオン構造)
イオン化合物は、構造式(1)〜(6)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する。以下、構造式(1)〜(6)で示される各構造について説明する。
Figure 2020024407
構造式(1)中、R1は、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。Z1〜Z3は、各々独立に構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z1〜Z3の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造である。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。
構造式(1)で示される構造は、水酸基、アミノ基、またはグリシジル基由来の基を少なくとも1個有するアンモニウムカチオンである。構造式(1)で示される構造が、水酸基由来の基を少なくとも1個有するアンモニウムカチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物とイソシアネート基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z101)で示される構造を1個有する構造が得られる。構造式(1)で示される構造が、アミノ基由来の基を少なくとも1個有するアンモニウムカチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物とイソシアネート基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z102)で示される構造を1個有する構造が得られる。構造式(1)で示される構造が、グリシジル基由来の基を少なくとも1個有するアンモニウムカチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物と水酸基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z103)で示される構造を1個有する構造が得られる。
構造式(1)で示される構造の例として、水酸基を有するアンモニウムカチオンを以下に挙げる。
2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムカチオン、2−ヒドロキシエチルトリエチルアンモニウムカチオン、4−ヒドロキシブチルトリメチルアンモニウムカチオン、4−ヒドロキシブチル−トリ−n−ブチルアンモニウムカチオン、8−ヒドロキシオクチルトリメチルアンモニウムカチオン、8−ヒドロキシオクチル−トリ−n−ブチルアンモニウムカチオン;
ビス(ヒドロキシメチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(3−ヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(4−ヒドロキシブチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(8−ヒドロキシオクチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(8−ヒドロキシオクチル)−ジ−n−ブチルアンモニウムカチオン;
トリス(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(3−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(4−ヒドロキシブチル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(8−ヒドロキシオクチル)メチルアンモニウムカチオン;およびこれらの誘導体。
アミノ基、グリシジル基を少なくとも1個有するアンモニウムカチオンは、これらの水酸基を、アミノ基、グリシジル基で置換した構造のカチオンが挙げられる。
Figure 2020024407
構造式(2)中、R2およびR3は、各々が結合する窒素原子と共に含窒素複素芳香族5員環を形成するのに必要な炭化水素基を表す。Z4およびZ5は、各々独立に構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としてはアルキル基が好ましい。Z6は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としてはアルキル基が好ましい。d1は0または1の整数を表し、Z4〜Z6の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造である。
構造式(2)で示される構造は、水酸基、アミノ基、またはグリシジル基由来の基を少なくとも1個有する窒素原子を2個含む含窒素複素芳香族5員環カチオンである。構造式(2)で示される構造が、水酸基由来の基を少なくとも1個有する含窒素複素芳香族5員環カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物とイソシアネート基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z101)で示される構造を1個有する構造が得られる。構造式(2)で示される構造が、アミノ基由来の基を少なくとも1個有する含窒素複素芳香族5員環カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物とイソシアネート基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z102)で示される構造を1個有する構造が得られる。構造式(2)で示される構造が、グリシジル基由来の基を少なくとも1個有する含窒素複素芳香族5員環カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物をと水酸基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z103)で示される構造を1個有する構造が得られる。
構造式(2)における含窒素複素芳香族5員環としてはイミダゾリウムが好ましく、構造式(2)で示される構造として好ましい構造としては、構造式(10)で示されるイミダゾリン環を有する構造が挙げられる。なお、構造式(10)中、Z4、Z5、Z6、およびd1は、前記構造式(2)と同様である。
Figure 2020024407
構造式(2)で示される構造の例として、イミダゾリン環構造を有し、水酸基を有するカチオンを以下に挙げる。
1−メチル−3−ヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(3−ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(4−ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(6−ヒドロキシヘキシル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3−(8−ヒドロキシオクチル)イミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1−n−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−2−(4−ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−4−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン;
1,3−ビスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、2−メチル−1,3−ビスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、2−メチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、4−メチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、2−エチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、4−エチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、2−n−ブチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、4−n−ブチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ビス(3−ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ビス(4−ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)イミダゾリウムカチオン、1,3−ビス(8−ヒドロキシオクチル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−2,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1−メチル−3,5−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン;
1,2,3−トリスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリス(3−ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリス(4−ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリス(6−ヒドロキシヘキシル)イミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリス(8−ヒドロキシオクチル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4−トリス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4−トリス(3−ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4−トリス(4−ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4−トリス(6−ヒドロキシヘキシル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4−トリス(8−ヒドロキシオクチル)イミダゾリウムカチオン;およびこれらの誘導体。
アミノ基、グリシジル基を少なくとも1個有するカチオンは、これらの水酸基を、アミノ基、グリシジル基で置換した構造のカチオンが挙げられる。
Figure 2020024407
構造式(3)中、R4およびR5は、各々が結合する窒素原子と共に含窒素複素芳香族6員環を形成するのに必要な炭化水素基を表す。Z7は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。Z8は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。d2は0〜2の整数を表し、Z7およびZ8の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造である。d2が2であるとき、Z8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
構造式(3)で示される構造は、水酸基、アミノ基、またはグリシジル基由来の基を少なくとも1個有する窒素原子を2個含む含窒素複素芳香族6員環カチオンを表す。構造式(3)で示される構造が、水酸基由来の基を少なくとも1個有する含窒素複素芳香族6員環カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物とイソシアネート基とを反応させることに、少なくとも構造式(Z101)で示される構造を1個有する構造が得られる。構造式(3)で示される構造が、アミノ基由来の基を少なくとも1個有する含窒素複素芳香族6員環カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物とイソシアネート基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z102)で示される構造を1個有する構造が得られる。構造式(3)で示される構造が、グリシジル基由来の基を少なくとも1個有する含窒素複素芳香族6員環カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物と水酸基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z103)で示される構造を1個有する構造が得られる。
構造式(3)における含窒素複素芳香族6員環としては、ピリミジン環、ピラジン環が挙げられる。
構造式(3)で示される構造の例として、ピリミジン環構造を有し、水酸基を有するカチオンを以下に挙げる。
1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリミジニウムカチオン、1,5−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ピリミジニウムカチオン、1−(4−ヒドロキシブチル)−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリミジニウムカチオン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルピリミジニウムカチオン;およびこれらの誘導体。
アミノ基、グリシジル基を少なくとも1個有するカチオンは、これらの水酸基をアミノ基、グリシジル基で置換した構造のカチオンが挙げられる。
Figure 2020024407
構造式(4)中、R6およびR7は、各々が結合する窒素原子と共に含窒素複素脂環式基を形成するのに必要な炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキレン基が好ましい。Z9〜Z11は、各々独立に構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。Z12は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。d3は0〜2の整数を表し、Z9〜Z12の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造である。d3が2であるとき、Z12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
構造式(4)で示される構造は、水酸基、アミノ基、またはグリシジル基由来の基を少なくとも1個有する窒素原子を2個含む含窒素複素脂環式カチオンを表す。構造式(4)で示される構造が、水酸基由来の基を少なくとも1個有する含窒素複素脂環式カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物をとイソシアネート基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z101)で示される構造を1個有する構造が得られる。構造式(4)で示される構造が、アミノ基由来の基を少なくとも1個有する含窒素複素脂環式カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物とイソシアネート基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z102)で示される構造を1個有する構造が得られる。構造式(4)で示される構造が、グリシジル基由来の基を少なくとも1個有する含窒素複素脂環式カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物と水酸基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z103)を1個有する構造が得られる。
構造式(4)における含窒素複素脂環式基としては、ピペラジン基、イミダゾリン基、イミダゾリジン基、1,3−ジアゼパン基、1,4−ジアゼパン基が挙げられる。なかでも、ピペラジン基が好ましく、構造式(4)で示される構造は、好ましくは構造式(11)で示される構造である。なお、構造式(11)中、Z9、Z10、Z11、Z12、およびd3は、前記構造式(4)と同様である。
Figure 2020024407
構造式(4)で示される構造の例として、ピペラジン基を有し、水酸基を有するカチオンを以下に挙げる。
1,1−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジニウムカチオン、1,1,4−トリス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジニウムカチオン、1,4−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−1−エチルピペラジニウムカチオン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジエチルピペラジニウムカチオン;およびこれらの誘導体。
アミノ基、グリシジル基を少なくとも1個有するカチオンとしては、これらの水酸基をアミノ基、グリシジル基で置換した構造のカチオンが挙げられる。
Figure 2020024407
構造式(5)中、R8は、結合する窒素原子と共に含窒素芳香族環を形成するのに必要な炭化水素基を表す。Z13は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。Z14は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。d4は0または1の整数を表し、Z13およびZ14の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造である。
構造式(5)で示される構造は、水酸基、アミノ基、グリシジル基由来の基を少なくとも1個有する窒素原子を1個含む含窒素芳香族環カチオンを表す。構造式(5)で示される構造が、水酸基由来の基少なくとも1個有する含窒素芳香族環カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物とイソシアネート基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z101)で示される構造を1個有する構造が得られる。構造式(5)で示される構造が、アミノ基由来の基を少なくとも1個有する含窒素芳香族環カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物とイソシアネート基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z102)で示される構造を1個有する構造が得られる。構造式(5)で示される構造が、グリシジル基由来の基を少なくとも1個有する含窒素芳香族環カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物と水酸基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z103)で示される構造を1個有する構造が得られる。
構造式(5)における含窒素芳香族環としては、ピロール環、ピリジン環、アゼピン環が挙げられる。なかでも、ピリジン環が好ましく、構造式(5)で示される構造は、好ましくは構造式(12)で示される構造である。なお、構造式(12)中、Z13、Z14、およびd4は、前記構造式(5)と同様である。
Figure 2020024407
構造式(5)で示される構造の例として、ピリジン環構造を有し、水酸基を有するカチオンを以下に挙げる。
1−ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1−(3−ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1−(4−ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1−(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムカチオン、1−(8−ヒドロキシオクチル)ピリジニウムカチオン、2−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、3−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、4−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、3−エチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、3−n−ブチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1−メチル−2−ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1−メチル−3−ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1−メチル−4−ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1−メチル−2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1−メチル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1−メチル−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1−エチル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1−n−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、2−メチル−4−n−ブチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン;
1,2−ビスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,3−ビスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,4−ビスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,3−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,4−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,2−ビス(4−ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,3−ビス(4−ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,4−ビス(4−ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,2−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,3−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,4−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,2−ビス(8−ヒドロキシオクチル)ピリジニウムカチオン、1,3−ビス(8−ヒドロキシオクチル)ピリジニウムカチオン、1,4−ビス(8−ヒドロキシオクチル)ピリジニウムカチオン、2−メチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、2−エチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、5−メチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、5−エチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン;
1,2,4−トリスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,2,4−トリス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,2,4−トリス(3−ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,2,4−トリス(4−ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,2,4−トリス(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,2,4−トリス(8−ヒドロキシオクチル)ピリジニウムカチオン、1,3,5−トリスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,3,5−トリス(6−ヒドロキシヘキシル)ピリジニウムカチオン、1,3,5−トリス(8−ヒドロキシオクチル)ピリジニウムカチオン;およびこれらの誘導体。
アミノ基、グリシジル基を少なくとも1個有するカチオンとしては、これらの水酸基をアミノ基、グリシジル基で置換した構造のカチオンが挙げられる。
Figure 2020024407
構造式(6)中、R9は、結合する窒素原子と共に含窒素脂環式基を形成するのに必要な炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキレン基が好ましい。Z15およびZ16は、各々独立に構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。Z17は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。d5は0または1の整数を表し、Z15〜Z17の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造である。
構造式(6)で示される構造は、水酸基、アミノ基、グリシジル基由来の基を少なくとも1個有する含窒素脂環式カチオンを表す。構造式(6)で示される構造が、水酸基由来の基を少なくとも1個有する含窒素脂環式カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物とイソシアネート基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z101)で示される構造を1個有する構造が得られる。構造式(6)で示される構造が、アミノ基由来の基を少なくとも1個有する含窒素脂環式カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物とイソシアネート基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z102)で示される構造を1個有する構造が得られる。構造式(6)で示される構造が、グリシジル基由来の基を少なくとも1個有する含窒素脂環式カチオンの場合、該カチオンに対応するイオン化合物と水酸基とを反応させることにより、少なくとも構造式(Z103)で示される構造を1個有する構造が得られる。
構造式(6)における含窒素脂環式基としては、ピロリジン基、ピロリン基、ピペリジン基、アゼパン基、アゾカン基が挙げられる。なかでも、ピロリジン基が好ましく、構造式(6)で示される構造は、好ましくは構造式(13)で示される構造である。なお、構造式(13)中、Z15、Z16、Z17、およびd5は、前記構造式(6)と同様である。
Figure 2020024407
構造式(6)で示される構造の例として、ピロリジン基を有し、水酸基を有するカチオンを以下に挙げる。
1−メチル−1,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピロリジニウムカチオン、1−エチル−1,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピロリジニウムカチオン、1−ブチル−1,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピロリジニウムカチオン、1−メチル−1,2−ビス(4−ヒドロキシブチル)ピロリジニウムカチオン;およびこれらの誘導体。
アミノ基、グリシジル基少なくとも1個を有するカチオンとしては、これらの水酸基をアミノ基、グリシジル基で置換した構造のカチオンが挙げられる。
Figure 2020024407
構造式(Z101)中、R10は、直鎖または分岐を有する2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基は、直鎖または分岐を有する炭素数1〜8のアルキレン基であることが好ましい。
Figure 2020024407
構造式(Z102)中、R11は、直鎖または分岐を有する2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基は、直鎖または分岐を有する炭素数1〜8のアルキレン基であることが好ましい。
Figure 2020024407
構造式(Z103)中、R12は、直鎖または分岐を有する2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基は、直鎖または分岐を有する炭素数1〜8のアルキレン基であることが好ましい。なお、構造式(Z101)〜(Z103)中、記号「*」は、構造式(1)中の窒素原子との結合部を表し、構造式(2)〜(6)中の含窒素複素環中の窒素原子または含窒素複素環中の炭素原子との結合部を表す。また、記号「**」は、該樹脂を構成するポリマー鎖中の炭素原子との結合部を表す。
構造式(Z101)で示される構造は、カチオンが有する水酸基と、イソシアネート基とが反応して形成される残基である。構造式(Z102)で示される構造は、カチオンが有するアミノ基と、イソシアネート基とが反応して形成される残基である。水酸基、アミノ基と反応するイソシアネート基は、バインダー樹脂が有するイソシアネート基であることが好ましい。構造式(Z103)で示される構造は、カチオンが有するグリシジル基と、水酸基とが反応して形成される残基である。グリシジル基と反応する水酸基は、バインダー樹脂が有する水酸基であることが好ましい。
前記構造式(1)〜(6)で示される構造の中でも、構造式(2)で示される構造を有する樹脂を含む場合、カチオンの化学構造に起因して、低温でもイオンキャリアの移動性に係るカチオンとアニオンに解離している割合(イオン化率)が高く、0℃近辺の低温環境下における抵抗値がより上昇しにくくなるため、好ましい。
(バインダー樹脂)
樹脂層3において、樹脂は、式(1)〜(6)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つで示される構造以外の構造をさらに有することが好ましい。そのような構造としては、バインダー樹脂由来の構造がより好ましい。
バインダー樹脂として含まれる樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、またはメラミンの如きアミノ樹脂が挙げられる。これらの中でも、皮膜の強度およびトナー帯電性の観点から、ポリウレタン樹脂、メラミン架橋樹脂が好ましい。中でも、熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリエステルポリウレタン樹脂等のポリウレタン樹脂は、柔軟性を併せ持つため好適に用いられる。
ポリウレタン樹脂は、公知のポリオールとイソシアネートとを反応させることにより得られる。ポリウレタン樹脂は、自己膜補強性およびイオン化合物との相溶性の観点から、ポリオールとイソシアネートとを反応させたウレタンプレポリマーポリオールが好ましい。ウレタンプレポリマーポリオールのポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオールまたはポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオールが挙げられる。これらの中でも、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、およびポリカーボネートポリオールが好ましい。
すなわち、本発明の電子写真部材の樹脂層3において、樹脂がバインダー樹脂をさらに有する場合、バインダー樹脂中のポリマー鎖中のポリエーテルポリオール成分は、構造式(7)で示される構造に相当する。同様に、バインダー樹脂中のポリエステルポリオール成分またはポリカプロラクトンポリオール成分は、構造式(8)で示される構造に相当し、ポリカーボネートポリオール成分は、構造式(9)で示される構造に相当する。
ポリエーテルポリオールとしては、以下のものが挙げられる。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ1,4−ブタンジオール、ポリ1,5−ペンタンジオール、ポリネオペンチルグリコール、ポリ3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリ1,6−ヘキサンジオール、ポリ1,8−オクタンジオール、ポリ1,9−ノナンジオール。これらの中でも、無機粒子凝集抑制の観点から、ポリプロピレングリコール、ポリ1,4−ブタンジオール、ポリ1,5−ペンタンジオール、ポリネオペンチルグリコール、ポリ3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリ1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
また、ポリエステルポリオールとしては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールの如きジオール成分、またはトリメチロールプロパンの如きトリオール成分と、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、無水フタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロキシフタル酸の如きジカルボン酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオール。これらの中でも、無機粒子凝集抑制の観点から、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールの如きジオール成分と、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸の如きジカルボン酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオールが好ましい。
また、ポリカプロラクトンポリオールとしては、以下のものが挙げられる。ポリε−カプロラクトン、ポリγ−カプロラクトン。
また、ポリカーボネートポリオールとしては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールの如きジオール成分、ホスゲン、ジメチルカーボネートの如きジアルキルカーボネート、または、エチレンカーボネートの如き環状カーボネートとの縮合反応により得られるポリカーボネートポリオール。これらの中でも、無機粒子凝集抑制の観点から、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールの如きジオール成分、ジメチルカーボネートの如きジアルキルカーボネートとの縮合反応により得られるポリカーボネートポリオールが好ましい。
これらのポリオール成分は、必要に応じて、あらかじめ2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)の如きイソシアネート化合物により鎖延長したプレポリマーとしてもよい。
イソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の如き脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートの如き脂環式ポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネート;およびこれらの共重合物やイソシアヌレート体、TMPアダクト体、ビウレット体、そのブロック体を用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネートが好ましい。
ポリオール成分とイソシアネート化合物とは、ポリオール成分中の水酸基1.0に対して、イソシアネート化合物中のイソシアネート基の比率(モル比)が1.0以上2.0以下の範囲となるように混合させることが好ましい。混合比が上記範囲内であれば、未反応成分の残存を抑制することが可能である。
[アニオン]
樹脂層3に含まれるアニオンは、本発明の電子写真部材に導電性を付与できるアニオンであればよい。中でも、特に、フルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロアルキルスルホネートアニオン、フルオロスルホネートアニオン、フルオロアルキルカルボン酸アニオン、フルオロアルキルメチドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、フルオロリン酸アニオン、ジシアナミドアニオンおよびチオシアネートアニオンからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。その理由は、上記アニオンは、その化学構造に起因して、ハロゲンのアニオンや硫酸アニオン、硝酸アニオンと比べて化学的に非常に安定であり、イオン化率が高いためである。具体的には、アニオンが分子内に強力な電子求引性基を有し、アニオンの負電荷を安定化させるため、広い温度域で高いイオン化率を示し、低温でも高い導電性の発現に寄与するためと考えられる。なお、アニオンとして、塩素のアニオンや過塩素酸アニオンを用いることもできる。
フルオロアルキルスルホニルイミドアニオンとしては、具体的には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ドデカフルオロペンタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(パーフルオロヘキサンスルホニル)イミドアニオンの如き、炭素数1以上6以下のフルオロアルキル基を有するフルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、および、N,N−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルイミドの如き環状のフルオロアルキルスルホニルイミドアニオンが挙げられる。
フルオロスルホニルイミドアニオンとしては、具体的には、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンが挙げられる。
フルオロアルキルスルホネートアニオンとしては、具体的には、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、フルオロメタンスルホン酸アニオン、パーフルオロエタンスルホン酸アニオン、パーフルオロプロパンスルホン酸アニオン、パーフルオロブタンスルホン酸アニオン、パーフルオロペンタンスルホン酸アニオン、パーフルオロヘキサンスルホン酸アニオン、パーフルオロオクタンスルホン酸アニオンが挙げられる。
フルオロアルキルカルボン酸アニオンとしては、具体的には、トリフルオロ酢酸アニオン、パーフルオロプロピオン酸アニオン、パーフルオロ酪酸アニオン、パーフルオロ吉草酸アニオン、パーフルオロカプロン酸アニオンが挙げられる。
フルオロアルキルメチドアニオンとしては、具体的には、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロエタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロプロパンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロブタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロペンタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロヘキサンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロオクタンスルホニル)メチドアニオンが挙げられる。
フルオロホウ酸アニオンとしては、具体的には、テトラフルオロホウ酸アニオンが挙げられる。
フルオロリン酸アニオンしては、具体的には、ヘキサフルオロリン酸アニオンが挙げられる。
これらのアニオンの中でも、フルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、ジシアナミドアニオン、チオシアネートアニオンを用いた場合には、低温環境下における導電性の低下がより抑制されるため、特に好ましい。
[無機粒子]
樹脂層3においては、疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子を充填剤として用いる。該充填剤は、樹脂層形成用塗料に添加することにより、樹脂層の形成工程において該塗料をコーティングする際に、成膜助剤や補強材としての機能を発揮する。
無機粒子としては、以下のものが挙げられる。シリカ粒子、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、石英微粉末、ケイソウ土、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維。これらの中でも、疎水化処理の容易性の観点から、シリカ粒子が好ましい。
シリカ粒子は大別して乾式シリカおよび湿式シリカの2種類があり、いずれも用いることができる。乾式シリカは、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成され、ヒュームドシリカとも称される。湿式シリカは、水ガラスから生成される該シリカとしては、表面およびシリカの内部にあるシラノール基が少なく、また酸化ナトリウムや亜硫酸イオンの製造残滓の少ない乾式シリカが好ましい。また乾式シリカは、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体として得ることも可能である。シリカ粒子としてはそれらの複合微粉体も含まれる。
無機粒子に対し、その表面を有機ケイ素化合物、有機チタン化合物などを処理剤として疎水化処理することができる。有機ケイ素化合物の処理剤としては、以下のものが挙げられる。未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤。これらの処理剤は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
シリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ30〜1,000mm/s(cSt)の物が用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が好ましい。シリコーンオイル処理の方法は、無機粒子とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合しても良いし、ベースとなる無機粒子へシリコーンオイルを噴射する方法によっても良い。或いは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解或いは分散させた後、ベースの無機粒子を混合し、溶剤を除去して作製しても良い。
シランカップリング剤としては、以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。上記シランカップリング剤を用いる場合、単独で処理する、または複数の種類を併用して処理することが可能である。複数の種類を併用する場合、それぞれのカップリング剤で個別に処理しても良いし、同時に処理しても良い。
シランカップリング剤による処理方法としては、乾式処理法と湿式処理法が挙げられる。乾式処理法は、まず、処理対象の無機粒子100質量部に対し、例えば、約1質量部のシランカップリング剤と水またはアルコール水溶液とを混合し、シランカップリング剤水溶液を用意する。次に、該無機粒子をヘンシェルミキサーに仕込み、そこへ該シランカップリング剤水溶液を数十分かけて滴下または噴霧する。その後、処理した無機粒子を100〜150℃で30〜90分かけ乾燥させたものをボールミル等で粉砕処理する。湿式処理法は、まず、処理対象の無機粒子に水またはアルコール水溶液を加え、スラリーにする。次に、乾式処理法と同様に用意したシランカップリング剤水溶液を該スラリーに添加、撹拌する。その後、ろ過を経て乾式処理法と同様に乾燥、粉砕処理を行う。
無機粒子の疎水化度については、40%以上80%以下が好ましく、60%以上80%以下がより好ましい。この疎水化度を確実に得るという観点から、前記処理方法としては、シリコーンオイル処理並びにシランカップリング剤による2段処理が好ましい。また、疎水化度は、処理剤種、処理剤使用量、撹拌時間、乾燥温度、乾燥時間により調整が可能である。
以下に、無機粒子の疎水化度の測定方法について説明する。粉体濡れ性試験機(商品名:WET−100P、レスカ社製)を使用して、以下の方法で疎水化度は測定される。250mlのトールビーカーに純水70mlを入れ、測定する粒子0.03gを水面上に浮かべる。スターラーにより300rpmで攪拌しながら、定量ポンプでメタノールを2.6ml/minで滴下し、この溶液の透過率を測定する。この溶液の透過率が変化し始めた時点のメタノール濃度と、透過率が最小となった時点のメタノール濃度との中間のメタノール濃度を「疎水化度」とする。
無機粒子の含有量については、樹脂層を形成する樹脂成分100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
また、樹脂層の補強性能および導電性を考慮すると、無機粒子の一次粒子径は、個数平均一次粒径が10nm以上120nm以下の範囲内にあることが好ましく、15nm以上80nm以下の範囲内にあることがより好ましく、15nm以上40nm以下の範囲内にあることがさらに好ましい。なお、本発明では、走査電子顕微鏡で無機粒子を観察し、無機粒子の長径と短径の平均値を粒子径とし、視野中の100個の粒子の粒子径を測定した相加平均値を個数平均一次粒径とする。
(樹脂層形成用塗料の作製)
バインダー樹脂としてウレタン樹脂を用いる場合、例えば以下の材料を混合し、反応させることにより、本発明の電子写真部材の樹脂層を形成するための樹脂層形成用塗料が得られる。
1.バインダー樹脂を形成する材料として、
・ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等
・ポリイソシアネート
2.カチオン構造中に、水酸基、アミノ基、グリシジル基からなる群より選択される少なくとも1つを含むイオン化合物
3.フィラーとして、疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子
なお、これらの反応後の状態は、例えば、熱分解GC/MS、FT−IR、NMR等による公知の手段で分析することにより確認することができる。
樹脂層形成用塗料中における、前記構造式(1)〜(6)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つで示される構造の含有量の総和は、導電性および通電による抵抗変動抑制の観点から、樹脂層において、バインダー樹脂100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下となるように上記材料を混合させることが好ましい。
(樹脂層の形成方法)
樹脂層の形成方法としては、特に限定されるものではないが、スプレー塗工、浸漬塗工、またはロールコート法が挙げられる。これらの中でも、特開昭57−5047号公報に記載されているような、浸漬槽の上端から塗料をオーバーフローさせる浸漬塗工方法は、樹脂層を形成する方法として簡便かつ生産安定性に優れているため、好ましく用いられる。
樹脂層の厚さは、1.0μm以上20.0μm以下であることが好ましい。
(樹脂層中のその他の成分)
樹脂層は、必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲で、導電性充填剤を含有してもよい。導電性充填剤としては、カーボンブラック;アルミニウム、銅の如き導電性金属を用いることができる。これらの中でも、カーボンブラックは、比較的容易に入手でき、導電付与性と補強性が高いため、特に好ましく用いられる。
なお、該樹脂層の導電性は、該樹脂層中のキャリアとしてのアニオンの総量に依存する。従って、該樹脂層の導電性を高めるためには、該樹脂層中のアニオンの総量を増やすことが好ましい。ここで、アニオンは、カチオンと対で存在するため、アニオンの総量を増やすと、樹脂層中のカチオンの総量も増えることになる。そして、アニオンの対イオンとしてのカチオンを全て構造式(1)〜(6)で示される構造からなる群から選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する樹脂とした場合、樹脂層中の樹脂成分の量が多くなり、樹脂層の硬度を上昇させる場合がある。
従って、樹脂層の硬度の上昇を抑えつつ、樹脂層中のアニオン量を増やすためには、KCFSO、LiCFSO、LiN(CFSO、NaClO、LiClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCN、NaCl等の周期律表第1族金属の塩;NHCl、(NHSO、NHNO等のアンモニウム塩;Ca(ClO、Ba(ClO等の周期律表第2族金属の塩;これらの塩と1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールの多価アルコールやそれらの誘導体との錯体;これらの塩とエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルのモノオールとの錯体;脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩;ベタイン塩の如きイオン導電剤を併用して、樹脂層中の樹脂成分の量が増えすぎることを抑えることが好ましい。また、該イオン導電剤の含有量の総和は、安定性の観点から、樹脂層を形成する樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
樹脂層が最表層である場合において、電子写真部材としてある程度の表面粗度が求められる場合は、樹脂層に粗さ制御のための微粒子(粗さ制御用微粒子)を添加してもよい。粗さ制御用微粒子としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、またはフェノール樹脂の微粒子を用いることができる。粗さ制御用微粒子の体積平均粒径は、1μm以上15μm以下であることが好ましい。樹脂層中の粗さ制御用微粒子の含有量は、樹脂層を形成する樹脂100質量部に対して、1質量部以上60質量部以下であることが好ましい。ウレタン樹脂の粒子を用いる場合、樹脂粒子のガラス転移温度は、樹脂粒子脱落をより抑制できるため、−10℃以下とすることが好ましく、さらに−30℃以下の方が好ましい。樹脂粒子のガラス転移温度が−10℃以下の場合、低温でも樹脂粒子表面の分子運動性が抑制されにくく、ウレタン樹脂バインダーのウレタン結合との相互作用が働きやすいものと推測される。
(2)電子写真画像形成装置
本態様に係る電子写真部材は、電子写真画像形成装置における現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ、および現像ブレード、クリーニングブレードとして好適に用いることができる。電子写真部材は、磁性一成分トナー若しくは非磁性一成分トナーを用いた非接触型現像装置または接触型現像装置、および二成分トナーを用いた現像装置のいずれの現像装置にも適用することができる。
図3は、本態様に係る電子写真部材を、一成分トナーを用いた接触型現像装置の現像ローラとして搭載した電子写真画像形成装置の一例を示す概略断面図である。現像装置22は、一成分トナーとしてトナー15を収容したトナー容器20と、現像ローラ16と、現像ローラ16へトナーを供給するトナー供給ローラ19と、現像ローラ16上のトナー層の厚さを規制する現像ブレード21とを含む。現像ローラ16は、トナー容器20内の長手方向に延在する開口部に位置し、電子写真感光体18に対して接触設置されている。なお、電子写真感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25および帯電ローラ24は、電子写真画像形成装置本体に配備されていてもよい。現像装置22は、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色トナーに用意されており、カラー印刷を可能としている。
以下、電子写真画像形成装置のプリント動作を説明する。電子写真感光体18は矢印方向に回転し、電子写真感光体18を帯電処理するための帯電ローラ24によって一様に帯電される。次いで、露光手段であるレーザー光23により、電子写真感光体18の表面に静電潜像が形成される。該静電潜像は、現像装置22によって、電子写真感光体18に対して接触配置される現像ローラ16からトナー15が付与されることにより、トナー像として可視化される(現像)。現像は、露光部にトナー像を形成する、いわゆる反転現像である。電子写真感光体18上に形成されたトナー像は、転写部材である転写ローラ29によって記録媒体である紙34に転写される。紙34は、給紙ローラ35および吸着ローラ36を経て装置内に給紙され、エンドレスベルト状の転写搬送ベルト32によって、電子写真感光体18と転写ローラ29の間に搬送される。転写搬送ベルト32は、従動ローラ33、駆動ローラ28、テンションローラ31により稼働している。現像ローラ16、現像ブレード21および吸着ローラ36には、バイアス電源30から電圧が印加されている。トナー像が転写された紙34は、定着装置27により定着処理された後、装置外に排紙されて、プリント動作が終了する。一方、転写されずに電子写真感光体18上に残存した転写残トナーは、感光体表面をクリーニングするためのクリーニング部材であるクリーニングブレード26により掻き取られ、廃トナー収容容器25に収納される。クリーニングされた電子写真感光体18は、以上のプリント動作を繰り返し行う。
(3)プロセスカートリッジ
本態様に係る電子写真部材は、プロセスカートリッジ17における現像ローラ16、帯電ローラ24、トナー供給ローラ19、および現像ブレード21、クリーニングブレード26として好適に用いることができる。図4は、本発明の一態様に係るプロセスカートリッジ17の一例を示す概略断面図である。図4において、前記電子写真部材は現像ローラ16として搭載されている。プロセスカートリッジ17は、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている。また、プロセスカートリッジ17は、現像手段である現像ローラ16と現像ブレード21とを備える現像装置22、電子写真感光体18、クリーニング手段であるクリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、および帯電手段である帯電ローラ24が一体化されたものである。現像装置22は、さらにトナー容器20を含み、トナー容器20内には、トナー15が充填されている。トナー容器20内のトナー15は、トナー供給ローラ19によって現像ローラ16の表面に供給され、現像ブレード21によって、現像ローラ16の表面に所定の厚みのトナー15の層が形成される。
以下に、本態様に係る電子写真部材の具体的な実施例および比較例について示す。
まず、電子写真部材の樹脂層に含まれる樹脂の原料である、イオン化合物およびバインダー樹脂を作製するために必要な原料化合物を合成した。また、電子写真部材の樹脂層に含まれる無機粒子を調製した。
<イオン化合物の合成>
(イオン化合物I−1)
ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業社製)15.0gをイオン交換水40.0gに溶解させた。次に、イオン交換水60gに溶解させたアニオン交換試薬(以下、「アニオン原料」と称す。)としてリチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(キシダ化学社製)37.7gを30分かけて滴下した後、30℃で2時間攪拌した。得られた反応溶液に対し、酢酸エチル100.0gを用いて2回抽出操作を行った。続いて、分液した酢酸エチル層を、イオン交換水60gを用いて3回洗浄した。続いて、減圧下で酢酸エチルを留去し、アニオンがビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオンであるイオン化合物I−1を得た。イオン化合物I−1は、下記式で表される化合物である。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−2〜I−6)
アニオン原料およびその配合量を表1に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物I−1の合成と同様にして、イオン化合物I−2〜I−6を得た。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−7)
トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド50%水溶液(東京化成工業社製)30.0gをイオン交換水50.0gに溶解させた。次に、イオン交換水30gに溶解させたアニオン原料としてのノナフルオロブタンスルホン酸カリウム(商品名KFBS;三菱マテリアル電子化成社製)30.8gを30分かけて滴下した後、30℃で6時間攪拌した。得られた反応溶液に対し、酢酸エチル100.0gを用いて2回抽出操作を行った。続いて、分液した酢酸エチル層を、イオン交換水80gを用いて3回洗浄した。続いて、減圧下で酢酸エチルを留去し、イオン化合物I−7を得た。イオン化合物I−7は、下記式で表される化合物である。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−8〜I−11)
アニオン原料およびその配合量を表2に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物I−7の合成と同様にして、イオン化合物I−8〜I−11を得た。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−12)
ジエチレントリアミン(東京化成工業社製)15.0gを、テトラヒドロフラン35.0gに溶解させた。次に、反応系を窒素雰囲気下とし、氷冷した。続いて、テトラヒドロフラン80.0gに溶解させたヨウ化メチル(東京化成工業社製)45.5gを30分かけて滴下した。反応溶液を12時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール100mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物を純水160mlに溶解し、アニオン原料として、ヘプタフルオロ酪酸ナトリウム(和光純薬工業社製)37.7gを加え、室温下で1時間撹拌した。得られた反応溶液に対し、酢酸エチル100.0gを用いて2回抽出操作を行った。次に、分液した酢酸エチル層を、イオン交換水60gを用いて3回洗浄した。続いて、減圧下で酢酸エチルを留去し、イオン化合物I−12を得た。イオン化合物I−12は、下記式で表される化合物である。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−13)
アニオン原料およびその配合量を表3に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物I12の合成と同様にして、イオン化合物I−13を得た。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−14)
2−メチルイミダゾール−1−エタノール(シグマ・アルドリッチ社製)15.0g、水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)9.2gをテトラヒドロフラン80.0gに溶解させた。そこへ、テトラヒドロフラン80.0gに溶解させた臭化エチル(昭和化学社製)14.5gを室温で30分かけて滴下した後、85℃で12時間加熱還流した。次に、反応溶液に水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール200mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物を、純水100mlに溶解し、アニオン原料として、リチウムN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)38.2gを加え、室温下で1時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル100mlを加え、有機層を、イオン交換水80gを用いて3回洗浄した。次に、減圧下で酢酸エチルを留去して、イオン化合物I−14を得た。イオン化合物I−14は、下記式で表される化合物である。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−15)
窒素雰囲気下、イミダゾール(日本合成化学社製)15.0g、水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)9.2gを、テトラヒドロフラン60.0gに溶解させた。そこへ、テトラヒドロフラン80.0gに溶解させた2−ブロモエタノール(東京化成工業社製)60.7gを室温で30分かけて滴下した後、85℃で12時間加熱還流した。次いで、反応溶液に水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール200mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物を純水200mlに溶解し、アニオン原料として、リチウムN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)69.6gを加え、室温下で1時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル200mlを加え、有機層を、イオン交換水120gを用いて3回洗浄した。次に、減圧下で酢酸エチルを留去して、イオン化合物I−15を得た。イオン化合物I−15は、下記式で表される化合物である。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−16〜I−19)
アニオン原料およびその配合量を表4に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物I−15の合成と同様にして、イオン化合物I−16〜I−19を得た。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−20)
窒素雰囲気下、イミダゾール−2−エタノール(シグマ・アルドリッチ社製)15.0g、水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)9.2gをテトラヒドロフラン60.0gに溶解させた。そこへ、テトラヒドロフラン80.0gに溶解させた2−ブロモエタノール(東京化成工業社製)42.1gを室温で30分かけて滴下した後、85℃で12時間加熱還流した。次いで、反応溶液に水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール200mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物を純水200mlに溶解し、アニオン原料として、リチウムN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)48.3gを加え、室温下で1時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル200mlを加え、有機層を、イオン交換水120gを用いて3回洗浄した。次に、減圧下で酢酸エチルを留去して、イオン化合物I−20を得た。イオン化合物I−20は、下記式で表される化合物である。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−21)
カチオン原料として、イミダゾール(東京化成工業社製)15.0gをジクロロメタン50.0gに溶解させ、ジクロロメタン50.0gに溶解させたエピクロロヒドリン(東京化成工業社製)44.9gを室温で30分かけて滴下した後、6時間加熱還流した。次に、反応溶液を室温まで冷却し、炭酸ナトリウム5質量%水溶液200mlを加えて30分撹拌した後、分液し、ジクロロメタン層を、イオン交換水120gを用いて2回洗浄した。次に、減圧下でジクロロメタンを留去して残留物を得た。
さらに、得られた残留物をアセトン50.0gに溶解させた後、イオン交換水150.0gに溶解させたアニオン原料としてのリチウムN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)69.6gを30分かけて滴下した後、30℃で2時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を、イオン交換水50.0gを用いて3回洗浄した。続いて、減圧下でアセトンを留去して、イオン化合物I−21を得た。イオン化合物I−21は、下記式で表される化合物である。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−22)
5−メチルピラジン−2−メタノール(シグマ・アルドリッチ社製)15.0g、水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)9.2gをテトラヒドロフラン80.0gに溶解させた。そこへ、テトラヒドロフラン80.0gに溶解させたヨウ化メチル(東京化成工業社製)18.9gを室温で30分かけて滴下した後、85℃で12時間加熱還流した。次に、反応溶液に水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール200mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物を、純水100mlに溶解し、アニオン原料として、カリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(商品名:K−TFSM;セントラル硝子社製)59.8gを加え、室温下で1時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル100mlを加え、有機層を、イオン交換水80gを用いて3回洗浄した。次に、減圧下で酢酸エチルを留去して、イオン化合物I−22を得た。イオン化合物I−22は、下記式で表される化合物である。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−23)
N,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−2,5−ジメチルピペラジン(シグマ・アルドリッチ社製)15.0g、水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)9.2gをテトラヒドロフラン80.0gに溶解させた。そこへ、テトラヒドロフラン80.0gに溶解させたヨウ化メチル(東京化成工業社製)11.6gを室温で30分かけて滴下した後、85℃で12時間加熱還流した。次に、反応溶液に水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール200mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物を、純水100mlに溶解し、アニオン原料として、リチウムN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)23.4gを加え、室温下で1時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル100mlを加え、有機層を、イオン交換水80gを用いて3回洗浄した。次に、減圧下で酢酸エチルを留去して、イオン化合物I−23を得た。イオン化合物I−23は、下記式で表される化合物である。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−24)
4−ピリジンブタノール(シグマ・アルドリッチ社製)15.0gをアセトニトリル45.0gに溶解し、室温で4−ブロモ−1−ブタノール(東京化成工業社製)16.7gを30分かけて滴下した後、90℃で12時間加熱還流した。次に、反応溶液を室温まで冷却し、減圧下でアセトニトリルを留去した。得られた濃縮物をジエチルエーテル30.0gにて洗浄し、上澄み液を分液により除去した。洗浄および分液操作を3回繰り返し、残留物を得た。さらに、得られた残留物をジクロロメタン110.0gに溶解させた後、イオン交換水40.0gに溶解させたアニオン原料としてのリチウムN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)31.4gを30分かけて滴下した後、30℃で12時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を、イオン交換水80.0gを用いて3回洗浄した。続いて、減圧下でジクロロメタンを留去し、イオン化合物I−24を得た。イオン化合物I−24は、下記式で表される化合物である。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−25)
2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピロリジン(東京化成工業社製)15.0g、水素化ナトリウム60%流動パラフィン分散(東京化成工業社製)13.5gを、テトラヒドロフラン65.0gに溶解させた。次に、反応系を窒素雰囲気下とし、氷冷した。続いて、テトラヒドロフラン40.0gに溶解させた2−ブロモエタノール(東京化成工業社製)16.0gを30分かけて滴下した。反応溶液を12時間加熱還流した後、水100mlを加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール80mlを加え、室温で撹拌し、不溶物をセライトろ過により除いた後、再び減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物を、純水160mlに溶解し、アニオン原料として、リチウムN,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製)36.7gを加え、室温下で1時間撹拌した。反応溶液にクロロホルム70mlを加え、炭酸ナトリウム5質量%水溶液40mlを加えて30分撹拌した後分液し、クロロホルム層に対して、イオン交換水50gを用いて3回洗浄操作を行った。次に、減圧下でクロロホルムを留去して、イオン化合物I−25を得た。イオン化合物I−25は、下記式で表される化合物である。
Figure 2020024407
(イオン化合物I−26)
アニオン原料およびその配合量を表5に記載の通りに変更した以外は、イオン化合物I−25の合成と同様にして、イオン化合物I−26を得た。
Figure 2020024407
(比較例用イオン化合物I−27)
比較例用イオン化合物I−27として、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学社製)をそのまま用いた。
表6に、実施例で用いた各イオン化合物について、該イオン化合物が有する構造および各構造式中のR1〜R9、Z1〜Z17との関連を示す。
Figure 2020024407
<ポリオール>
(ポリオールA−1〜A−11)
ポリオールA−1〜A−11として、以下の材料を用いた。
ポリオールA−1:ポリエーテルポリオール(商品名:PTG−L1000、保土谷化学工業社製)
ポリオールA−2:ポリエステルポリオール(商品名:クラレポリオールP−2010、クラレ社製)
ポリオールA−3:ポリカプロラクトンポリオール(商品名:プラクセル220、ダイセル社製)
ポリオールA−4:ポリカーボネートポリオール(商品名:クラレポリオールC−2090、クラレ社製)
ポリオールA−5:ポリエーテルポリオール(商品名:サンニックスPP−1000、三洋化成工業社製)
ポリオールA−6:ポリカーボネートポリオール(商品名:クラレポリオールC−1065N、クラレ社製)
ポリオールA−7:ポリエステルポリオール(商品名:ニッポラン4040、東ソー社製)
ポリオールA−8:ポリエステルポリオール(商品名:クラレポリオールN−2010、クラレ社製)
ポリオールA−9:ポリカーボネートポリオール(商品名:クラレポリオールC−3090、クラレ社製)
ポリオールA−10:ポリエステルポリオール(商品名:クラレポリオールF−2010、クラレ社製)
ポリオールA−11:ポリカーボネートポリオール(商品名:クラレポリオールC−2015N、クラレ社製)
表7に、実施例で用いた各ポリオールについて、該ポリオールが有する具体的な構造を示す。
Figure 2020024407
<硬化剤>
(イソシアネート基末端プレポリマーB−1)
窒素雰囲気下、反応容器中でポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR−200、日本ポリウレタン工業社製)86.6質量部に対し、ポリオールA−1の100.0質量部を、反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2.5時間反応させて、メチルエチルケトン80.0質量部を加えた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量5.4質量%のイソシアネート基末端プレポリマーB−1を得た。
(イソシアネート基末端プレポリマーB−2〜B−8)
使用するポリオールの種類および、ポリオール100.0質量部に対するポリメリックMDI配合量を表8に記載の通りに変更した以外は、イソシアネート基末端プレポリマーB−1の合成と同様にして、イソシアネート基末端プレポリマーB−2〜B−8を得た。
Figure 2020024407
<無機粒子>
疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子としては、市販品をそのまま用いても良いし、何らかの処理を施した後に利用しても良い。また、該処理の方法としては、アルキルシランやシリコーンオイルといった処理剤を用いても良い。なお、処理剤の種類、処理方法は何ら限定するものでない。
(無機粒子P−1〜P−4)
無機粒子P−1〜P−4として、以下の市販のものを用いた。
無機粒子P−1:シリカ粒子(商品名:MSP−011、テイカ社製)
無機粒子P−2:シリカ粒子(商品名:MSP−009、テイカ社製)
無機粒子P−3:酸化チタン粒子(商品名:AEROXIDE TiO T 805、日本アエロジル社製)
無機粒子P−4:アルミナ粒子(商品名:AEROXIDE Alu C 805、日本アエロジル社製)
(無機粒子P−5)
フュームドシリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製)100質量部を反応槽に仕込み、窒素雰囲気下、水0.3質量部を添加し、撹拌しながらヘキサメチルジシラザン(商品名:SZ−31、信越シリコーン社製)2質量部を滴下投入した。200℃で1時間加熱撹拌後、アンモニアを減圧除去し、無機粒子P−5を得た。
(無機粒子P−6)
フュームドシリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製)100質量部を反応槽に仕込み、窒素雰囲気下、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(東京化成工業社製)0.6質量部およびヘキサメチルジシラザン(商品名:SZ−31、信越シリコーン社製)0.7質量部を噴霧した。窒素雰囲気下のまま60℃で10時間保持後、さらに150℃で5時間保持した。揮発成分を除去後、無機粒子P−6を得た。
(無機粒子P−7)
フュームドシリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製)100質量部を反応槽に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながらオルガノポリシロキサン(商品名:KF−96−50cs、信越シリコーン社製)10質量部とヘキサン10000質量部の混合溶液を導入し、100℃で1時間保持した。さらに300℃で2時間加熱撹拌し、溶剤を除去後、ピン式解砕装置にて解砕処理した。窒素雰囲気下、粉砕したものに、90%メタノール水溶液10質量部とヘキサメチルジシラザン(商品名:SZ−31、信越シリコーン社製)20質量部とヘキサン10000質量部の混合溶液を導入し、200℃で1時間加熱撹拌した。その後、アンモニアを減圧除去し、無機粒子P−7を得た。
(比較例用無機粒子P−8〜P−11)
無機粒子P−8〜P−11として、以下の市販のものを用いた。
無機粒子P−8:シリカ粒子(商品名:ACEMATT OK−60、日本アエロジル社製)
無機粒子P−9:酸化チタン粒子(商品名:MT−500B、テイカ社製)
無機粒子P−10:アルミナ粒子(商品名:AEROXIDE Alu C、日本アエロジル社製)
無機粒子P−11:シリカ粒子(商品名:OX50、日本アエロジル社製)
(比較例用無機粒子P−12)
フュームドシリカ(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル社製)100質量部を反応槽に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながらオルガノポリシロキサン(商品名:KF−96−50cs、信越シリコーン社製)20質量部とヘキサン100質量部の混合溶液を導入し、100℃で1時間保持した。さらに300℃で2時間加熱撹拌し、溶剤を除去後、ピン式解砕装置にて解砕処理した。窒素雰囲気下、粉砕したものに、50%メタノール水溶液2質量部とヘキサメチルジシラザン(商品名:SZ−31、信越シリコーン社製)10質量部を滴下投入し、200℃で1時間加熱撹拌した。その後、アンモニアを減圧除去し、無機粒子P−12を得た。
表9に無機粒子P−1〜P−12の疎水化度、無機粒子の母体、一次粒子径、処理剤を示す。
Figure 2020024407
次に、電子写真部材を作製し、評価した。
<現像ローラの作製>
[実施例1]
(基体の用意)
基体として、ステンレス鋼(SUS304)製の直径6mmの芯金にプライマー(商品名:DY39−012、東レ・ダウコーニング社製)を塗布、焼付けしたものを用意した。
(弾性層の形成)
用意した基体を金型に配置し、以下の材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を、金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名:SE6905A/B、東レ・ダウコーニング社製):100.0質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300、東海カーボン社製):15.0質量部
・白金触媒:0.1質量部
続いて、金型を加熱し、シリコーンゴムを温度150℃で15分間加硫して硬化させた。周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された基体を金型から脱型した後、当該芯金を、さらに温度180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。こうして、基体の外周に直径12mmのシリコーンゴム弾性層を有する弾性ローラD−1を作製した。
(樹脂層の形成)
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・イオン化合物I−15:8.2質量部
・無機粒子P−1:43.3質量部
・ポリオールA−1:100.0質量部
・イソシアネート基末端プレポリマーB−1:258.0質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):28.9質量部
次に、総固形分比が35質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。次いで、さらにメチルエチルケトンで粘度10〜12cpsに調整して、樹脂層形成用塗料を調製した。
先に作製した弾性ローラD−1を、該樹脂層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラD−1の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに、温度150℃にて1時間加熱処理することにより、弾性層外周に膜厚約15μmの樹脂層を有する、実施例1に係る現像ローラを作製した。
[樹脂層に含まれる無機粒子の採取]
ジムロートを取り付けたフラスコに、実施例1に係る現像ローラ1本から剥離した樹脂層を32g、分解剤としてジエタノールアミン(東京化成工業社製)を320ml、純水1.5mlを加え、撹拌しながら160℃で20時間加熱還流した。反応後の溶液にメチルエチルケトンを300ml加え、遠心分離を行った。さらに、メチルエチルケトン200mlで2回洗浄、遠心分離後、減圧乾燥し剥離した樹脂層に含まれる無機粒子を3.2g得た。
[樹脂層に含まれる無機粒子の疎水化度の測定]
前記粉体濡れ性試験機により疎水化度を測定したところ、疎水化度は60%だった。
[実施例2〜15、17〜30]
イオン化合物、無機粒子、ポリオール、イソシアネート基末端プレポリマーおよびウレタン樹脂微粒子の種類と配合量を、表10に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜15、17〜30に係る現像ローラを作製した。
Figure 2020024407
[実施例16]
樹脂層の材料として、下記材料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例16に係る現像ローラを作製した。
・イオン化合物I−15:2.7質量部
・無機粒子P−1:18.8質量部
・ポリオールA−4:100.0質量部
・イソシアネート基末端プレポリマーB−1:122.1質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):18.8質量部
・カーボンブラック(商品名:SUNBLACK X55、旭カーボン社製):9.4質量部
・イオン導電剤(商品名:EF−N115、三菱マテリアル電子化成社製):2.7質量部
[比較例1〜10]
イオン化合物、無機粒子、ポリオール、イソシアネート基末端プレポリマーおよびウレタン樹脂微粒子の種類と配合量を、表11に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1〜10に係る現像ローラを作製した。
Figure 2020024407
<現像ローラの評価>
得られた実施例1〜30および比較例1〜10に係る現像ローラについて、以下の評価を行った。評価結果を表12および表13にまとめて示す。
[ローラの抵抗値の測定]
温度23℃、相対湿度50%の環境下(以下、「N/N環境下」とも称す。)および0℃の環境下に、6時間現像ローラを放置した後、各環境下で抵抗値を測定した。なお、0℃の如き低温環境下では、23℃環境下に比べて著しく飽和水蒸気圧が低く、抵抗値・画質評価結果の大勢に影響を与えないと考えられるため、0℃の環境下における評価に際しては、相対湿度を特には問わないこととする。
(抵抗値の測定)
図5に、本測定で用いる、現像ローラの抵抗値を評価するための冶具の概略構成図を示す。図5(a)に示すように、導電性の軸受け38を介して導電性の基体2の両端を、各々4.9Nの荷重で押しながら直径30mmの円柱形金属37を回転させ、現像ローラ16を60rpmの速度で従動回転させた。次に、図5(b)に示すように、高圧電源39によって電圧50Vを印加し、円柱形金属37とグランドとの間に配設した既知の抵抗値(現像ローラ16の抵抗値に対して2桁以上抵抗値が低いもの)を有する抵抗器の両端の電位差を計測した。当該電位差の計測には、電圧計40(商品名:189TRUE RMS MULTIMETER、FLUKE社製)を用いた。測定した電位差と抵抗器の抵抗値とから、現像ローラ16を介して円柱形金属37に流れた電流を計算により求めた。そして、印加電圧50Vを得られた電流で割ることによって、現像ローラ16の抵抗値を求めた。ここで、前記電位差の計測は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その平均値から計算される値をローラ抵抗値とした。
[現像ローラとしての性能評価]
(温度0℃の環境下でのゴーストの評価)
温度0℃の環境中で抵抗値の測定を行った現像ローラを用いて、以下の評価を行った。図4に示す構成を有する、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のプロセスカートリッジに、各実施例および比較例で得られた現像ローラを、現像ローラ16として装填した。そして、該プロセスカートリッジを前記レーザープリンターに組み込み、0℃環境中に設置した後2時間放置した。
次いで、ゴースト画像の評価を行った。すなわち、ブラックトナーを用いて、画像パターンとして1枚内で先端部に15mm角のベタ黒、その後に全面ハーフトーンの画像を印字した。そして、ハーフトーン部分に現れるトナー担持体周期の濃度ムラ(ゴースト)を目視で確認した。ゴーストの評価の評価基準は以下のとおりである。
ランクA:ゴーストが全く認められない。
ランクB:極軽微なゴーストが認められる。
ランクC:顕著なゴーストが認められる。
Figure 2020024407
表12に示すように、実施例1〜30に係る現像ローラは、樹脂層に、特定のカチオン構造を含有する樹脂と、アニオンと、疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子とを含有しているため、温度0℃の如き低温環境下における抵抗値の上昇が少なく、画像品質も良好に保っていた。たとえば、無機粒子以外は同じ組成の樹脂層である実施例1と比較例2では、疎水化度60%の無機粒子P−1を用いた実施例1の方が、疎水化度10%の無機粒子P−8を用いた比較例2よりも低温での抵抗値の上昇が小さかった。また、特に、構造式(2)および(10)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を含有する樹脂、および疎水化度が60%、一次粒子径が30nm、かつアルキルシランおよびシリコーンオイルで疎水化処理を行った無機粒子P−1を用いた実施例1〜4、8〜11、16においては、より高いレベルで抵抗値の上昇が抑制された。
一方で、特定のカチオン構造または疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子を樹脂層に含有していない比較例1〜10に係る現像ローラは、低温環境下において、抵抗値の上昇およびゴースト画像の発生が認められた。
[タック値の測定]
タック値の測定用サンプルとして、以下で示す手順で各実施例に対応する樹脂シートを作製した。前記樹脂層形成用塗料膜厚200μmになるように型にキャストし、流動性が無くなるまで乾燥させた。その後、水平台に載せて、気温23℃で24時間乾燥した。そして、温度150℃にて1時間加熱処理を実施し、室温まで冷却後、型からはがし、タック値測定用のテストピースとして、樹脂シートを得た。
タック値の測定は、タッキング試験機(商品名:TAC−II、レスカ社製)を用いた。樹脂シートを温度40℃、相対湿度95%の環境下に24時間静置した後、下記条件のもとで測定を行った。なお、測定は3回行い、平均値をタック値とした。こうして得られるタック値が低いほど、タック性が減少し、該表面へのトナー固着を抑制することができる。なお、トナー固着とは、例えば、現像剤担持体としての電子写真部材を高温高湿環境下に長時間放置しておくことにより、トナーが、当該現像剤担持体表面に固着する現象をいう。
・測定接触部:直径5mmのステンレス鋼製のプローブ
・荷重センサー:LT25A−100
・接触時進入速度:30mm/min
・試験時引き上げ速度:600mm/min
・接触時荷重:60gf
・接触静止時間:5秒
・測定環境:温度40℃、相対湿度95%環境
[トナーの初期固着濃度の評価]
トナーの初期固着濃度の評価として、抵抗値の測定を行った現像ローラを用いて、以下の評価を行った。図4に示す構成を有する、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のイエロートナープロセスカートリッジに、各実施例および比較例で得られた現像ローラを、現像ローラ16として装填した。そして、このレーザープリンターを用いて白ベタ画像の出力動作を行い、現像ローラの表面がイエロートナーでコートされた状態とした。単位面積当たりのトナー量を別途測定したところ、0.45mg/cmだった。ここで、現像ローラ上の単位面積当たりのトナー量は、現像ローラ上のトナーを内部にフィルタを有する吸引式ファラデーゲージで吸引捕集して、そのときのフィルタの質量増加をトナーの捕集面積で除して求めた。このような状態にある現像ローラをイエロートナーカートリッジから取り出した。取り出した現像ローラを、ポリテトラフルオロエチレン製の平板上に載せて、300gf荷重(軸芯体両端に各150gf荷重)で平板に対して現像ローラを圧接し、温度40℃、相対湿度95%の環境下で、3ヵ月間放置した。次いで、現像ローラを、平板に対する圧接状態から解放し、温度25℃、相対湿度45%の環境に3時間静置し、その後、現像ローラの表面全体をエアブローした。ここで、エアブローの条件は、エアブローガンノズル口径3mm、高圧空気ないし窒素ガス0.6MPa、現像ローラ表面―ノズル間距離20cm、ガン移動速度を現像ローラ長手方向往復移動速度30cm/s、現像ローラ回転速度30rpm、吹き付け時間30sとした。
次いで、現像ローラ上にエアブローで除去できずに固着したトナーを、粘着テープ(商品名:メンディングテープ、住友スリーエム社製)を用いて剥離した。このイエロートナーが付着した粘着テープを普通紙上におき、反射濃度計(商品名:TC−6DS/A、東京電色社製)を用いて反射濃度を測定した。また、対照として、トナーの付着していない粘着テープを同様に普通紙上におき、同様に反射濃度を測定した。そして、トナーの付着していない粘着テープの反射濃度を基準として、反射率の低下量(%)を算出した。
この測定は、現像ローラの中央部、および両端部の計3点で行い、その算術平均値を、評価対象の現像ローラのトナーの初期固着濃度とした。なお、初期固着濃度が低いほど、現像ローラの表面へのトナー固着を抑制できているといえる。
Figure 2020024407
表13に示すように、実施例1〜26に係る樹脂は、構造式(7)〜(9)で示される特定の構造を含有しているため、タック値が比較的低く抑えられた。また、対応する樹脂を樹脂層に含有する現像ローラを用いて評価した初期固着濃度の低下も、比較的低く抑えられた。
<帯電ローラの作製>
[実施例31]
(基体の用意)
基体として、ステンレス鋼(SUS304)製の直径6mmの芯金にプライマー(商品名:DY39−012、東レ・ダウコーニング社製)を塗布、焼付けしたものを用意した。
(弾性層の形成)
下記に示す各材料を加圧式ニーダーで混合して、A練りゴム組成物を得た。
・NBRゴム(商品名:Nipol DN219、日本ゼオン社製):100.0質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300、東海カーボン社製):40.0質量部
・炭酸カルシウム(商品名:ナノックス#30、丸尾カルシウム社製):20.0質量部
・ステアリン酸(商品名:ステアリン酸S、花王社製):1.0質量部
さらに、得られたA練りゴム組成物166.0質量部と、下記に示す各材料をオープンロールにて混合して、未加硫ゴム組成物を調製した。
・硫黄(商品名:Sulfax 200S、鶴見化学工業社製):1.2質量部
・テトラベンジルチウラムジスルフィド(商品名:TBZTD、三新化学工業社製):4.5質量部
次に、導電性の軸芯体の供給機構、および未加硫ゴムローラの排出機構を有するクロスヘッド押出機を用意し、クロスヘッドには内径16.5mmのダイスを取付け、押出機とクロスヘッドを80℃に、導電性の軸芯体の搬送速度を60mm/secに調整した。この条件で、押出機より上記未加硫ゴム組成物を供給して、クロスヘッド内にて、導電性の軸芯体に未加硫ゴム組成物を弾性層として被覆し、未加硫ゴムローラを得た。次に、170℃の熱風加硫炉中に該未加硫ゴムローラを投入し、60分間加熱することにより未研磨導電性ローラを得た。その後、弾性層の端部を切除して、弾性層の表面を回転砥石で研磨した。これにより、中央部から両端部側へ各90mmの位置における各直径が8.4mm、中央部直径が8.5mmの弾性ローラD−2を作製した。
(樹脂層の形成)
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・イオン化合物I−15:14.7質量部
・無機粒子P−1:47.7質量部
・ポリオールA−1:100.0質量部
・イソシアネート基末端プレポリマーB−1:290.7質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):31.8質量部
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。次いで、さらに、メチルエチルケトンで粘度10〜12cpsに調整して樹脂層形成用塗料を調製した。
先に作製した弾性ローラD−2を、該樹脂層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラD−2の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度150℃にて1時間加熱処理することにより、弾性層外周に膜厚約15μmの樹脂層を有する、実施例31に係る帯電ローラを作製した。
[実施例32、33、35、36]
イオン化合物、無機粒子、ポリオール、イソシアネート基末端プレポリマーおよびウレタン樹脂微粒子の種類と配合量を、表14に記載の通りに変更した以外は実施例31と同様にして、実施例32、33、35、36に係る帯電ローラを作製した。
Figure 2020024407
[実施例34]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した以外は実施例31と同様にして、実施例34に係る帯電ローラを作製した。
・イオン化合物I−7:12.1質量部
・無機粒子P−3:37.2質量部
・ポリオールA−2:100.0質量部
・イソシアネート基末端プレポリマーB−2:194.1質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):24.8質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300、東海カーボン社製):12.4質量部
[比較例11〜20]
イオン化合物、無機粒子、ポリオール、イソシアネート基末端プレポリマーおよびウレタン樹脂微粒子の種類と配合量を、表15に記載の通りに変更した以外は実施例31と同様にして、比較例11〜20に係る帯電ローラを作製した。
Figure 2020024407
<帯電ローラの評価>
得られた実施例31〜36および比較例11〜20に係る帯電ローラについて、以下の評価を行った。評価結果を表16および表17にまとめて示す。
[ローラの抵抗値の測定]
現像ローラの評価と同様にして、N/N環境下および0℃の環境下に6時間帯電ローラを放置した後、各環境下で抵抗値を測定した。
(抵抗値の測定)
帯電ローラの抵抗値の測定は、前述の現像ローラの抵抗値の測定と同様の装置を用いて行った。ただし、測定時におけるローラの回転数を30rpm、印加電圧を200Vとした。それ以外は、現像ローラと同様に測定を行い、帯電ローラ抵抗値とした。
[帯電ローラとしての性能評価]
(温度0℃の環境下での横スジ画像評価)
帯電ローラの抵抗値の上昇により、ハーフトーン画像に細かいスジ状の濃度ムラが発生することがある。これを横スジ画像と呼ぶ。この横スジ画像は、抵抗値が上昇するほど悪化する傾向にあり、長期利用に伴い目立つ傾向がある。電子写真部材を帯電ローラとして組込み、以下の評価を行った。
電子写真式のレーザープリンター(商品名:HP Color Laserjet Enterprise CP4515dn、HP社製)に、帯電ローラとして、実施例31〜36および比較例11〜20で得られた帯電ローラを装填し、0℃環境中に設置した後2時間放置した。次いで、印字濃度4%画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅2ドット、間隔50ドットの横線を描く画像)を連続画像出力する耐久試験を行った。また、24000枚の画像出力後に、画像チェックのためにハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力した。得られた画像を目視にて観察し、横スジの発生の有無を評価した。
ランクA:横スジが全く発生しないレベル。
ランクB:横スジが画像端部のみに軽微に発生するレベル。
ランクC:横スジが画像のほぼ半分の領域に発生し、目立つレベル。
Figure 2020024407
表16に示すように、実施例31〜36に係る帯電ローラは、樹脂層に、特定のカチオン構造を含有する樹脂と、アニオンと、疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子とを含有しているため、温度0℃の如き低温環境下における抵抗値の上昇が少なく、画像品質も良好に保っていた。たとえば、無機粒子以外は同じ組成の樹脂層である実施例31と比較例12では、疎水化度60%の無機粒子P−1を用いた実施例31の方が、疎水化度10%の無機粒子P−8を用いた比較例12よりも低温での抵抗値の上昇が小さかった。また、特に、構造式(2)および(10)で示される構造を含有する樹脂、および疎水化度が60%、一次粒子径が30nm、かつアルキルシランおよびシリコーンオイルで疎水化処理を行った無機粒子を用いた実施例31においては、より高いレベルで抵抗値の上昇が抑制された。
一方で、特定のカチオン構造または疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子を樹脂層に含有していない比較例11〜20に係る帯電ローラは、低温環境下において、抵抗値の上昇および横スジの発生が認められた。
[タック値の測定]
現像ローラの評価と同様にして、タック値の測定を行った。
[帯電ローラ表面の汚れの評価]
帯電ローラ表面のタック性に係る評価として、画像出力後の帯電ローラ表面の汚れの評価を行った。
電子写真式のレーザープリンター(商品名:HP Color Laserjet Enterprise CP4515dn、HP社製)に、帯電ローラとして、実施例31〜36および比較例11〜20で得られた帯電ローラを装填し、温度30℃、相対湿度80%環境中に設置した後2時間放置した。次いで、印字濃度4%画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅2ドット、間隔50ドットの横線を描く画像)を24000枚連続画像出力する耐久試験を行った。その後、当該プロセスカートリッジから帯電ローラを取り外して、以下の方法にて帯電ローラの汚れを評価した。帯電ローラ上に固着したトナーを、粘着テープ(商品名:メンディングテープ、住友スリーエム社製)を用いて剥離した。このトナーが付着した粘着テープを普通紙上におき、反射濃度計(商品名:TC−6DS/A、東京電色社製)を用いて反射濃度を測定した。また、対照として、トナーの付着していない粘着テープを同様に普通紙上におき、同様に反射濃度を測定した。そして、トナーの付着していない粘着テープの反射濃度を基準として、反射率の差を着色濃度の値として採用した。着色濃度の値が小さいほど、帯電ローラの表面の汚れ量が少ない状態であることを意味する。
Figure 2020024407
表17に示すように、実施例31〜35に係る樹脂は、構造式(7)または(8)で示される特定の構造を含有しているため、タック値が比較的低く抑えられた。また、対応する樹脂を樹脂層に含有する帯電ローラを用いて評価した着色濃度の差も、比較的低く抑えられた。
<現像ブレードの作製>
[実施例37]
(基体の用意)
基体として、厚さ0.08mmのステンレス鋼(SUS304、日新製鋼社製)を、長さ200mm、幅23mmの寸法にプレス切断して、ステンレス鋼製のシート(以下、「SUSシート」という)を用意した。
(樹脂層の形成)
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した。
・イオン化合物I−15:14.7質量部
・無機粒子P−1:63.6質量部
・ポリオールA−1:100.0質量部
・イソシアネート基末端プレポリマーB−1:290.7質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):31.8質量部
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。次いで、さらに、メチルエチルケトンで粘度10〜12cpsに調整して樹脂層形成用塗料を調製した。
図2に示すように、切断したSUSシートの長手側端部からの長さLが1.5mmになるように、SUSシートを該樹脂層形成用塗料に浸漬して、当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度140℃にて1時間加熱処理することで、SUSシートの長手側端部表面に膜厚Tが10μmの樹脂層を有する、実施例37に係る現像ブレードを作製した。
[実施例38、40〜42]
イオン化合物、無機粒子、ポリオール、イソシアネート基末端プレポリマーおよびウレタン樹脂微粒子の種類と配合量を、表18に記載の通りに変更した以外は実施例37と同様にして、実施例38、40〜42に係る現像ブレードを作製した。
Figure 2020024407
[実施例39]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した以外は、実施例37と同様にして、実施例39に係る現像ブレードを作製した。
・イオン化合物I−1:12.1質量部
・無機粒子P−6:33.6質量部
・ポリオールA−3:100.0質量部
・イソシアネート基末端プレポリマーB−3:159.9質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名:アートパールC−400、根上工業社製):22.4質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300、東海カーボン社製):11.2質量部
[比較例21〜30]
イオン化合物、無機粒子、ポリオール、イソシアネート基末端プレポリマーの種類およびウレタン樹脂微粒子と配合量を、表19に記載の通りに変更した以外は実施例37と同様にして、比較例21〜30に係る現像ブレードを作製した。
Figure 2020024407
<現像ブレードの評価>
得られた実施例37〜42、および比較例21〜30に係る現像ブレードについて、以下の評価を行った。評価結果を表20および表21にまとめて示す。
[ブレードの抵抗値の測定]
N/N環境下および0℃の環境下に、6時間現像ブレードを放置した後、各環境下で抵抗値を測定した。
(抵抗値の測定)
ブレードの抵抗値の測定は、図5に示す抵抗値変動評価冶具を用いて、次のように行った。なお、図5に示す冶具における現像ローラ16に代えて、現像ブレードを用いた。図5(a)に示すように、導電性の軸受け38を介して現像ブレード両端の、樹脂層を形成していない基体部分を各々4.9Nの荷重で押しながら、直径30mmの円柱形金属37を回転させずに、現像ブレードを固定した。次に、図5(b)に示すように、高圧電源39によって電圧50Vを印加し、円柱形金属37とグランドとの間に配設した既知の抵抗値(現像ブレードの抵抗値に対して2桁以上抵抗値が低いもの)を有する抵抗器の両端の電位差を計測した。当該電位差の計測には、電圧計40(商品名:189TRUE RMS MULTIMETER、FLUKE社製)を用いた。測定した電位差と抵抗器の抵抗値から、現像ブレードを介して円柱形金属37に流れた電流を計算により求めた。そして、印加電圧50Vを得られた電流で割ることにより、現像ブレードの抵抗値を求めた。ここで、前記電位差の計測は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その平均値から計算される値をブレード抵抗値とした。
[現像ブレードとしての性能評価]
(現像ブレードの規制不良に起因するトナー凝集の有無の評価)
図4に示す構成を有する、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のプロセスカートリッジに、各実施例および比較例の現像ブレードを現像ブレード21として装填した。なお、現像ローラは変更しなかった。そして、該プロセスカートリッジを前記レーザープリンターに組み込み、0℃環境中に設置した後2時間放置した。次に、黒色で印字率1%の画像を100枚連続して出力した。その後、新しいコピー用紙に白ベタ画像を出力した。これらの画像を出力した後、現像ブレード表面のトナーのコート状態を目視で観察し、トナーへの帯電異常に起因する静電的なトナー凝集の有無を下記の基準で評価した。なお、現像ブレードによるトナーの規制不良が生じると、例えば非印字部に斑点状のムラが発生したり、トナー塊などが画像上に発生したりする画像弊害が生じることがある。
ランクA:トナーコート上に規制不良が存在しない。
ランクB:トナーコート上には規制不良が存在するが、画像に現れていない。
ランクC:規制不良が画像に現れる。
Figure 2020024407
表20に示すように、実施例37〜42に係る現像ブレードは、樹脂層に、特定のカチオン構造を含有する樹脂と、アニオンと、疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子とを含有しているため、温度0℃の如き低温環境下における抵抗値の上昇が少なく、規制不良評価も良好だった。たとえば、無機粒子以外は同じ組成の樹脂層である実施例37と比較例22では、疎水化度60%の無機粒子P−1を用いた実施例37の方が、疎水化度10%の無機粒子P−8を用いた比較例22よりも低温での抵抗値の上昇が小さかった。また、特に、構造式(5)および(12)で示される構造を含有する樹脂、および疎水化度が60%、一次粒子径が30nm、かつアルキルシランおよびシリコーンオイルで疎水化処理を行った無機粒子P−1を用いた実施例38においては、より高いレベルで抵抗値の上昇が抑制された。
一方で、特定のカチオン構造または疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子を樹脂層に含有していない比較例21〜30に係る現像ブレードは、低温環境下において、抵抗値の上昇および規制不良の発生が認められた。
[タック値の測定]
現像ローラの評価と同様にして、タック値の測定を行った。
[トナーの初期固着濃度の評価]
トナーの初期固着濃度の評価として、抵抗値の測定を行った現像ブレードを用いて、以下の評価を行った。図4に示す構成を有する、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のイエロートナープロセスカートリッジに、各実施例および比較例で得られた現像ブレードを、現像ブレード21として装填した。そして、このレーザープリンターを用いて白ベタ画像の出力動作を行い、現像ブレードの表面がイエロートナーでコートされた状態とした。このような状態にある現像ブレードをイエロートナーカートリッジから取り出した。取り出した現像ブレードを、ポリテトラフルオロエチレン製の平板上に載せて、300gf荷重(軸芯体両端に各150gf荷重)で平板に対して現像ブレードを圧接し、温度40℃、相対湿度95%の環境下で、3ヵ月間放置した。次いで、現像ブレードを、平板に対する圧接状態から解放し、温度25℃、相対湿度45%の環境に3時間静置し、その後、現像ブレードの圧接した面の表面をエアブローした。ここで、エアブローの条件は、エアブローガンノズル口径3mm、高圧空気ないし窒素ガス0.6MPa、現像ブレード表面―ノズル間距離20cm、ガン移動速度を現像ブレード長手方向往復移動速度30cm/s、吹き付け時間20sとした。次いで、現像ブレード上に固着したトナーを、粘着テープ(商品名:メンディングテープ、住友スリーエム社製)を用いて剥離した。このイエロートナーが付着した粘着テープを普通紙上におき、反射濃度計(商品名:TC−6DS/A、東京電色社製)を用いて反射濃度を測定した。また、対照として、トナーの付着していない粘着テープを同様に普通紙上におき、同様に反射濃度を測定した。そして、トナーの付着していない粘着テープの反射濃度を基準として、反射率の低下量(%)を算出した。この測定は、現像ブレードの中央部、および両端部の計3点で行い、その算術平均値を、評価対象の現像ブレードのトナーの初期固着濃度とした。なお、初期固着濃度が低いほど、現像ブレードの表面へのトナー固着を抑制できているといえる。
Figure 2020024407
表21に示すように、実施例37〜41に係る樹脂は、構造式(7)および(8)で示される特定の構造を含有しているため、タック値が比較的低く抑えられた。また、対応する樹脂を樹脂層に含有する現像ローラを用いて評価した初期固着濃度の低下も、比較的低く抑えられた。
<トナー供給ローラの作製>
[実施例43]
基体として、ステンレス鋼(SUS304)製の直径5mmの芯金を金型に配置し、以下の材料を混合して得られるウレタンゴム組成物を、金型内に形成されたキャビティに注入した。
・イオン化合物I−15:5.0質量部
・無機粒子P−1:10.0質量部
・ポリオールA−9:84.2質量部
・ポリオールA−10:18.6質量部
・イソシアネート(商品名:コスモネートTM20;三井化学工業社製):22.7質量部
・シリコーン整泡剤(商品名:SRX274C、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製):1.0質量部
・アミン触媒(商品名:TOYOCAT−ET、東ソー社製):0.3質量部
・アミン触媒(商品名:TOYOCAT−L33、東ソー社製):0.2質量部
・水:2.0質量部
続いて、金型を加熱して、ウレタンゴム組成物を温度50℃で20分間加硫し発泡硬化させ、周面にポリウレタンフォーム層が形成された基体を金型から脱型した。こうして、基体の外周に直径16.1mmのポリウレタンフォーム層を有する、実施例43に係るトナー供給ローラを作製した。
[実施例44、45、47、48]
イオン化合物と無機粒子の種類と配合量を、表22に記載の通りに変更した以外は実施例43と同様にして、実施例44、45、47、48に係るトナー供給ローラを作製した。
Figure 2020024407
[実施例46]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した以外は、実施例43と同様にして、実施例46に係るトナー供給ローラを作製した。
・イオン化合物I−7:5.3質量部
・無機粒子P−3:7.0質量部
・ポリオールA−9:84.2質量部
・ポリオールA−10:18.6質量部
・イソシアネート(商品名:コスモネートTM20;三井化学工業社製):22.7質量部
・シリコーン整泡剤(商品名:SRX274C、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製):1.0質量部
・アミン触媒(商品名:TOYOCAT−ET、東ソー社製):0.3質量部
・アミン触媒(商品名:TOYOCAT−L33、東ソー社製):0.2質量部
・水:2.0質量部
・カーボンブラック(商品名:トーカブラック#4300、東海カーボン社製):3.0質量部
[参考例1]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した以外は、実施例43と同様にして、参考例1に係るトナー供給ローラを作製した。
・イオン化合物I−15:5.0質量部
・ポリオールA−9:84.2質量部
・ポリオールA−10:18.6質量部
・イソシアネート(商品名:コスモネートTM20;三井化学工業社製):22.7質量部
・シリコーン整泡剤(商品名:SRX274C、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製):1.0質量部
・アミン触媒(商品名:TOYOCAT−ET、東ソー社製):0.3質量部
・アミン触媒(商品名:TOYOCAT−L33、東ソー社製):0.2質量部
・水:2.0質量部
[参考例2]
樹脂層の材料として、下記材料を混合し、撹拌した以外は、実施例43と同様にして、参考例2に係るトナー供給ローラを作製した。
・イオン化合物I−15:5.0質量部
・ポリオール(商品名:EP−3033、三井化学株式会社製):100.0質量部
・イソシアネート(商品名:コスモネートTM20;三井化学工業社製):23.6質量部
・シリコーン整泡剤(商品名:SRX274C、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製):1.0質量部
・アミン触媒(商品名:TOYOCAT−ET、東ソー社製):0.3質量部
・アミン触媒(商品名:TOYOCAT−L33、東ソー社製):0.2質量部
・水:2.0質量部
[比較例31〜40]
イオン化合物と無機粒子の種類と配合量を、表23に記載の通りに変更した以外は実施例43と同様にして、比較例31〜40に係るトナー供給ローラを作製した。
Figure 2020024407
<トナー供給ローラの評価>
得られた実施例43〜48、参考例1、2および比較例31〜40に係るトナー供給ローラについて、以下の評価を行った。評価結果を表24にまとめて示す。
[ローラの抵抗値の測定]
現像ローラの評価と同様にして、N/N環境下および0℃の環境下に6時間トナー供給ローラを放置した後、各環境下で抵抗値を測定した。
(抵抗値の測定)
トナー供給ローラの抵抗値の測定は、前述の現像ローラの抵抗値の測定と同様の装置を用いて行った。ただし、基体の両端に加える荷重を2.5N、測定時におけるローラの回転数を32rpmとした。それ以外は、現像ローラと同様に測定を行い、トナー供給ローラ抵抗値とした。
[トナー供給ローラとしての性能評価]
(規制不良評価)
図4に示す構成を有する、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン社製)用のプロセスカートリッジに、各実施例および比較例のトナー供給ローラを装填した。そして、該プロセスカートリッジを前記レーザープリンターに組み込み、0℃環境中に設置した後2時間放置した。次に、黒色で印字率1%の画像を100枚連続して出力した。その後、新しいコピー用紙に白ベタ画像を出力した。これらの画像を出力した後、現像ブレード表面のトナーコートの状態観察を行い、トナーへの帯電異常に起因する静電的トナー凝集(規制不良)の有無を目視で観察した。規制不良評価の評価基準は以下のとおりである。なお、規制不良が生じると、例えば非印字部に斑点状のムラが発生したり、トナー塊などが画像上に発生したりする画像弊害が生じることがある。
ランクA:トナーコート上に規制不良が存在しない。
ランクB:トナーコート上には規制不良が存在するが、画像に現れていない。
ランクC:規制不良が画像に現れる。
Figure 2020024407
表24に示すように、実施例43〜48に係るトナー供給ローラは、樹脂層に、特定のカチオン構造を含有する樹脂と、アニオンと、疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子とを含有しているため、温度0℃の如き低温環境下における抵抗値の上昇が少なく、規制不良評価も良好だった。たとえば、無機粒子以外は同じ組成の樹脂層である実施例43と比較例32では、疎水化度60%の無機粒子P−1を用いた実施例43の方が、疎水化度10%の無機粒子P−8を用いた比較例32よりも低温での抵抗値の上昇が小さかった。また、特に、構造式(2)および(10)で示される構造を含有する樹脂、および疎水化度が60%以上、一次粒子径が30nm、かつアルキルシランおよびシリコーンオイルで疎水化処理を行った無機粒子P−1を用いた実施例43においては、より高いレベルで抵抗値の上昇が抑制された。
一方で、特定のカチオン構造または疎水化度が40%以上80%以下の無機粒子を樹脂層に含有していない比較例31〜40に係るトナー供給ローラは、低温環境下において、抵抗値の上昇および規制不良の発生が認められた。
なお、無機粒子を含まない参考例1、2ではアニオン移動阻害が発生しないため、低温環境下における抵抗値の上昇および規制不良の発生はなかった。
1A 電子写真ローラ
1B 電子写真ブレード
2 基体
3 樹脂層
4 弾性層
5 中間層
15 トナー
16 現像ローラ
17 プロセスカートリッジ
18 感光体(電子写真感光体)
19 トナー供給ローラ
20 トナー容器
21 現像ブレード
22 現像装置
23 レーザー光
24 帯電ローラ
25 廃トナー収容容器
26 クリーニングブレード
27 定着装置
28 駆動ローラ
29 転写ローラ
30 バイアス電源
31 テンションローラ
32 転写搬送ベルト
33 従動ローラ
34 紙
35 給紙ローラ
36 吸着ローラ
37 円柱形金属
38 導電性の軸受け
39 高圧電源
40 電圧計
L 長手側端部からの長さ
T 膜厚

Claims (10)

  1. 導電性の基体と、該基体上の樹脂層と、を有する電子写真部材であって、
    該樹脂層は、
    構造式(1)〜(6)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン構造を有する樹脂と、
    アニオンと、
    無機粒子と、を含み、
    該樹脂層から抽出された該無機粒子から算出される疎水化度が、40%以上80%以下である、ことを特徴とする電子写真部材:
    Figure 2020024407
    [構造式(1)中、
    R1は、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。
    Z1〜Z3は、各々独立に、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、
    Z1〜Z3の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造である。]
    Figure 2020024407
    [構造式(2)中、
    R2およびR3は、各々が結合する窒素原子と共に含窒素複素芳香族5員環を形成するのに必要な炭化水素基を表し、
    Z4およびZ5は、各々独立に構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Z6は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、
    Z4〜Z6の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造であり、
    d1は0または1の整数を表す。]
    Figure 2020024407
    [構造式(3)中、
    R4およびR5は、各々が結合する窒素原子と共に含窒素複素芳香族6員環を形成するのに必要な炭化水素基を表し、
    Z7は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、
    Z8は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、
    Z7およびZ8の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造であり、
    d2は0〜2の整数を表し、d2が2であるとき、Z8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。]
    Figure 2020024407
    [構造式(4)中、
    R6およびR7は、各々が結合する窒素原子と共に含窒素複素脂環式基を形成するのに必要な炭化水素基を表し、
    Z9〜Z11は、各々独立に構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、
    Z12は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、
    Z9〜Z12の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造であり、
    d3は0〜2の整数を表し、d3が2であるとき、Z12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。]
    Figure 2020024407
    [構造式(5)中、
    R8は、結合する窒素原子と共に含窒素芳香族環を形成するのに必要な炭化水素基を表し、
    Z13は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、
    Z14は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、
    Z13およびZ14の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造であり、
    d4は0または1の整数を表す。]
    Figure 2020024407
    [構造式(6)中、
    R9は、結合する窒素原子と共に含窒素脂環式基を形成するのに必要な炭化水素基を表し、
    Z15およびZ16は、各々独立に構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、
    Z17は、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造、水素原子、または炭素数1〜4の炭化水素基を表し、
    Z15〜Z17の少なくとも1つは、構造式(Z101)〜(Z103)で示される構造からなる群より選択されるいずれかの構造であり、
    d5は0または1の整数を表す。]
    Figure 2020024407
    Figure 2020024407
    Figure 2020024407
    [構造式(Z101)、(Z102)、および(Z103)中、
    R10、R11、およびR12は、各々独立に直鎖または分岐を有する2価の炭化水素基を表す。
    記号「*」は、構造式(1)中の窒素原子との結合部または構造式(2)〜(6)中の含窒素複素環中の窒素原子若しくは含窒素複素環中の炭素原子との結合部を表し、
    記号「**」は、前記カチオン構造を有する樹脂を構成するポリマー鎖中の炭素原子との結合部を表す。]。
  2. 前記カチオン構造を有する樹脂は、さらに、構造式(7)〜(9)で示される構造からなる群より選択される少なくとも1つの構造を有する請求項1に記載の電子写真部材:
    Figure 2020024407
    [構造式(7)中、R13は、炭素数4〜6の直鎖または分岐を有する2価の炭化水素基を表す。]
    Figure 2020024407
    [構造式(8)中、R14は、炭素数4〜8の直鎖または分岐を有する2価の炭化水素基を表す。]
    Figure 2020024407
    [構造式(9)中、R15は、炭素数5〜8の直鎖または分岐を有する2価の炭化水素基を表す。]。
  3. 前記アニオンは、フルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロアルキルスルホネートアニオン、フルオロスルホネートアニオン、フルオロアルキルカルボン酸アニオン、フルオロアルキルメチドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、フルオロリン酸アニオン、ジシアナミドアニオンおよびチオシアネートアニオンからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1または2に記載の電子写真部材。
  4. 疎水化度が40%以上80%以下である前記無機粒子が、シリカ粒子である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真部材。
  5. 前記構造式(2)で示される構造が、構造式(10)で示される構造である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真部材:
    Figure 2020024407
    [構造式(10)中、Z4、Z5、Z6、およびd1は、前記構造式(2)と同様である。]。
  6. 前記構造式(4)で示される構造が、構造式(11)で示される構造である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真部材。
    Figure 2020024407
    [構造式(11)中、Z9、Z10、Z11、Z12、およびd3は、前記構造式(4)と同様である。]。
  7. 前記構造式(5)で示される構造が、構造式(12)で示される構造である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真部材:
    Figure 2020024407
    [構造式(12)中、Z13、Z14、およびd4は、前記構造式(5)と同様である。]。
  8. 前記構造式(6)で示される構造が、構造式(13)で示される構造である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真部材:
    Figure 2020024407
    [構造式(13)中、Z15、Z16、Z17、およびd5は、前記構造式(6)と同様である。]。
  9. 電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、帯電手段、現像手段、クリーニング手段からなる群から選択される少なくとも1つの手段を有し、該手段のうち少なくとも1つが請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子写真部材を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 帯電手段、現像手段、クリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段を有し、該手段のうち少なくとも1つが請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子写真部材を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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