JP2004004147A - 導電性部材、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性部材に電圧を印加して被帯電体の帯電を行った場合でも斑点状やスジ状の画像欠陥が発生せず、また、連続複数枚出力を行った場合でも抵抗上昇による画像品質の低下がない導電性部材、この導電性部材を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【解決手段】導電性部材に電圧を印加して被帯電体を接触帯電方式により帯電処理する導電性部材において、該導電性部材が、芯部に設けられた導電性支持体の外周面に被覆層を形成してなる導電性部材であって、少なくとも、被覆層に疎水化処理されたシリカ微粉体及び疎水化処理された導電性粒子とを含有し、かつ、疎水化処理されたシリカ微粉体が、疎水化処理された導電性粒子より高疎水性であることを特徴とする導電性部材、この導電性部材を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジ。
【選択図】 なし
【解決手段】導電性部材に電圧を印加して被帯電体を接触帯電方式により帯電処理する導電性部材において、該導電性部材が、芯部に設けられた導電性支持体の外周面に被覆層を形成してなる導電性部材であって、少なくとも、被覆層に疎水化処理されたシリカ微粉体及び疎水化処理された導電性粒子とを含有し、かつ、疎水化処理されたシリカ微粉体が、疎水化処理された導電性粒子より高疎水性であることを特徴とする導電性部材、この導電性部材を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジ。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式を採用した画像形成装置等に用いられる導電性部材に関し、帯電用部材、現像剤担持部材、転写部材等の電気的に被接触物を制御する部材に関するものであり、詳しくは電圧を印加して被帯電体表面を所定の電位に帯電する帯電部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真装置の画像形成装置において、感光体表面を一様に帯電させるための帯電装置として、コロナ帯電機を用いたコロナ帯電装置が使用されてきた。このコロナ帯電装置は、感光体をある一定の電位に均一に帯電させる手段として優れているが、反面、5〜10kVという高電圧を発生する電源が必要であり、また放電に伴いオゾンが発生してしまう。このオゾンが大量に発生することによって環境に悪影響を及ぼすばかりでなく、帯電部材及び感光体が劣化するという不都合があった。
【0003】
これに対して帯電用部材を感光体に接触させながら電圧を印加し、感光体を帯電させる接触帯電装置がある。例えば帯電用部材としてローラーを用いた接触ローラー帯電装置が、特開昭63−167380号公報に開示されている。この特開昭63−167380号公報等の接触ローラー帯電方式によれば、コロナ帯電方式と比べて、電源の低電圧化とオゾン発生量の少ないことを利点として有しているが、帯電の均一性に関しては劣っていた。
【0004】
この帯電均一性を改善するために、例えば特開昭63−149668号公報には、直流電圧印加時における帯電開始電圧の2倍以上のピーク電圧を持つ交流電圧を重畳させることにより、帯電の均一性が改善できることが開示されている。
【0005】
ところが、この交流電圧と直流電圧を重畳した電圧を印加して帯電を行う接触帯電方式においては、帯電装置の交流電圧による機械的振動が発生し、この振動が帯電音として不快感を与えたり、また交流電流を大量に消費することにより、オゾン発生の低減効果を損なうことになるという不具合があった。
【0006】
これらの不具合は、帯電装置に直流電圧のみを印加して帯電を行うことにより解消するものの、感光体に均一な帯電できないと言う問題がある。例えば、低湿度環境下において感光体表面の各部に均一な帯電がなされず、ハーフトーン画像上に微小な斑点状、あるいは感光体の長手方向に長さ1〜100mm、幅0.5mm以下の黒スジ状や白スジ状の欠陥の発生することが多い。
【0007】
また、特に低湿度環境において、帯電用部材が連続使用により通電劣化し、帯電部材の抵抗が上昇(チャージアップ)し易い。それに伴い、帯電処理された感光体の表面電位が低下するという問題がある。このような通電劣化し易い、従来の問題の発生する従来の帯電用ローラーを用いて、例えば反転現像方式を用いた画像形成装置により連続複数枚出力後画像出力を行うと、初期画像に比べて連続複数枚出力後の画像は画像品質が低下するという問題があった。
【0008】
最近の電子写真技術においては高画質化及びカラー化の要求が高く、上記のようなわずかな画像品質の低下がこの要求を達成するために解決するべき重要な問題となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決することにあり、導電性部材に電圧を印加して被帯電体の帯電を行った場合でも斑点状やスジ状の画像欠陥が発生せず、また、連続複数枚出力を行った場合でも抵抗上昇による画像品質の低下がない導電性部材、この導電性部材を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性部材に電圧を印加して被帯電体を接触帯電方式により帯電処理する導電性部材において、該導電性部材が、芯部に設けられた導電性支持体の外周面に被覆層を形成してなる導電性部材であって、少なくとも、被覆層に疎水化処理されたシリカ微粉体及び疎水化処理された導電性粒子とを含有し、かつ、疎水化処理されたシリカ微粉体が、疎水化処理された導電性粒子より高疎水性であることを特徴とする導電性部材、この導電性部材を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
本発明においては、導電性部材の被覆層に疎水化処理した導電剤粒子とそれよりも高い疎水化度である疎水化処理シリカ微粒子を含有することで、帯電用部材に直流電圧のみを印加して感光体を帯電させる場合に発生する、斑点状やスジ状の画像欠陥を低減すると共に、連続複数枚出力を行った場合でも抵抗上昇による画像品質の低下が抑制され、非常に優れた画像品質を得ることができる。
【0013】
本発明のメカニズムは、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下のことが判明した。
【0014】
先ず、帯電用部材に直流電圧のみを印加して感光体を帯電させる場合に発生する、斑点状やスジ状の画像欠陥を低減するには、帯電用部材の表面層に導電性粒子を均一に分散させることが好ましいことがわかった。
【0015】
また、親水性の導電性粒子は、帯電用部材に長時間直流電圧のみを印加し続けた場合に起こる、通電劣化に伴う抵抗上昇(チャージアップ)の原因となるため、疎水化処理された導電性粒子を含有することが有効であることがわかった。
【0016】
更に、疎水化処理されたシリカ微粉体(負帯電性の疎水化ケイ酸微粒子)を同時に分散させると、斑点状やスジ状の画像欠陥の防止効果が更に高くなることがわかった。
【0017】
また、シリカ微紛体の疎水化度が導電性粒子の疎水化度よりも高い場合、連続複数枚出力を行った場合でも抵抗上昇による画像品質の低下が抑制され、優れた画像品質を維持できることがわかった。
【0018】
以上のような検討により、本発明の導電性部材に至ったものである。
【0019】
次に、本発明の導電性部材を有する画像形成装置の概略構成について説明する。
【0020】
(1)画像形成装置
図1は、本発明の導電性部材を有するプロセスカートリッジを具備する画像形成装置例の概略構成図である。本例の画像形成装置は、転写式電子写真利用の反転現像方式の装置である。
【0021】
像担持体である回転ドラム型の電子写真感光体1は、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
【0022】
電子写真感光体の帯電手段としての帯電ローラー2(本発明の導電性部材)であり、電子写真感光体1に所定の押圧力で接触させてあり、電子写真感光体1に従動回転する。この帯電ローラー2に対して帯電バイアス印加電源S1から所定の直流電圧(この場合−1300Vとした)が印加されることで電子写真感光体1の表面が所定の極性電位(暗部電位−700Vとした)に一様に接触帯電方式・DC帯電方式で帯電処理される。
【0023】
露光手段3は、例えばレーザービームスキャナーである。電子写真感光体1の帯電処理面に露光手段3により目的の画像情報に対応した露光Lがなされることにより、電子写真感光体の表面電位が露光明部の電位(明部電位−120Vとした)に選択的に減衰して静電潜像が形成される。
【0024】
反転現像手段4は、電子写真感光体の静電潜像の露光明部に、電子写真感光体の帯電極性と同極性に帯電(現像バイアス−350V)しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて静電潜像をトナー画像として可視化する。図中、4aは現像ローラー、4bはトナー供給ローラー、4cはトナー層厚規制部材を示す。
【0025】
転写手段としての転写ローラー5は、電子写真感光体1に所定の押圧力で接触させて転写部を形成させてあり、電子写真感光体の回転と順方向に電子写真感光体の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、転写バイアス印加電源S2からトナーの帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加される。転写部に対して不図示の給紙機構部から転写材Pが所定の制御タイミングで給紙され、その給紙された転写材Pの裏面が転写電圧を印加した転写ローラー5によりトナーの帯電極性とは逆極性に帯電されることにより、転写部において電子写真感光体1上のトナー画像が転写材Pに静電転写される。
【0026】
転写部でトナー画像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体から分離されて、不図示のトナー画像定着手段へ導入されてトナー画像の定着処理を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機構に導入されて転写部へ再導入される。
【0027】
転写残余トナー等の電子写真感光体上の残留物は、帯電ローラ2により電子写真感光体の帯電極性と同極性に帯電される。そしてその転写残余トナーは、露光部を通って現像手段4に至って、バックコントラストにより電気的に現像装置内に回収され、現像兼クリーニング(クリーナーレス)が達成されている。
【0028】
本例では、電子写真感光体1、帯電ローラ2、現像手段4を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在のプロセスカートリッジ6としている。この際、現像手段4は別体としてもよい。
【0029】
(2)導電性部材
例えば、導電性部材は図2に示すようにローラー形状であり、導電性支持体2aと被覆層として、その外周に一体に形成された弾性層2bと該弾性層の外周に形成された表面層2cから構成されている。
【0030】
本発明の導電性部材の別の構成を図3に示す。図3に示すように導電性部材は、弾性層2b及び抵抗層2dと表面層2cからなる3層であってもよいし、抵抗層2dと表面層2cの間に第2の抵抗層2eを設けた、4層以上を導電性支持体2aの上に被覆層として形成した構成としてもよい。
【0031】
本発明に用いる被覆層を構成する結着樹脂材料としては、例えば、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、クロルスルホン化ポリエチレン、フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体、一液性あるいは二液性のポリウレタン及びN−メトキシメチルナイロン等の変性ナイロン類等が挙げられ、様々なものが使用できる。
【0032】
本発明に用いる導電性粒子としては、各種導電剤(導電性カーボン、グラファイト、導電性酸化スズ、導電性酸化チタン、銅、アルミニウム、ニッケル及び鉄粉等)を用いることができる。また、所望の電気抵抗を得るために前記各種導電剤を複数併用してもよいが、使用する導電性粒子は疎水化処理されたものでなければならない。この場合、導電性粒子の疎水化処理剤としては、カップリング剤(ケイ素、チタン、アルミニウム及びジルコニウム等の中心元素は特に選ばない)、オイル、ワニス及び有機化合物等が挙げられる。特に、フルオロアルキルアルコキシシランカップリング剤が好ましい。
【0033】
疎水化処理導電性粒子の疎水化度としては、20%以上であることが好ましく、特には20〜98%、更には30〜70%であることが好ましい。疎水化度が20%未満の場合には、低湿度環境において通電劣化に伴い、帯電部材の電気抵抗値が問題となるレベルにまで上昇してしまうことがある。また、疎水化度が98%を越える場合には、導電部材としての機能(導電性)のコントロールが難しくなったり、凝集が強くなったりするので好ましくない。
【0034】
本発明に用いる負荷電性の疎水化シリカ微粉体は、シリカ微粉体をシリコーンオイルで処理したもの、シリカ微粉体をシランカップリング剤で処理したもの、又はシリカ微粉体をシランカップリング剤処理した後にシリコーンオイルで処理したものが使用できる。疎水化度は、同時に用いる疎水化処理導電性粒子よりも高いことが必要で、特に80%以上のものが好適である。
【0035】
シリカ微粉体を処理するシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル又はオレフィン変性シリコーンオイル等が使用できる。シリコーンオイル処理の方法としては公知の技術が用いられ、例えばケイ酸微粒子とシリコーンオイルをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、ケイ酸微粒子にシリコーンオイルを噴霧する方法によってもよい。あるいは、適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散させた後、ケイ酸微粒子と混合し、溶剤を除去してもよい。
【0036】
また、シリカ微粉体をシランカップリング剤処理する場合、シランカップリング剤として、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロルシラン又はトリメチルクロルシラン等を使用することができる。シランカップリング剤処理は、シリカ微粉体を攪拌等によりクラウド状としたものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾式処理や、シリカ微粉体を溶媒中に分散させ、シランカップリング剤を滴下反応させる湿式法等、一般に知られた方法で処理することができる。
【0037】
本発明における疎水化度は、下記の方法で測定される。先ず、200cm3のビーカーにイオン交換水50cm3を入れ、更に、この中に試料0.200gを精量して秤入れ、測定用サンプルを調製する。次に、この液を攪拌しながら、ビュレットによりメタノールを滴下して行き、液面上に浮いた試料が完全になくなった点を終点として滴定量を測定し、次式によって疎水化度を求める。
【0038】
【数1】
【0039】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。
【0040】
(実施例1)
下記の要領で本発明の帯電部材としての帯電ローラーを作製した。
【0041】
エピクロルヒドリンゴム三元共重合体 100質量部
四級アンモニウム塩 2質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 2質量部
【0042】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、エピクロルヒドリンゴム100質量部に対してセバシン酸系ポリエステル可塑剤5質量部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調製する。このコンパウンドに原料ゴムのエピクロルヒドリンゴム100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのノクセラーDM1質量部、ノクセラーTS0.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練する。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製芯金の周囲にローラー状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、外径φ12mmになるように研磨処理して弾性層を得た。
【0043】
上記弾性層の上に以下に示すような表面層を被覆形成した。表面層2cの材料として、
アクリルポリオール溶液(有効成分70質量% 100質量部
イソシアネートA(IPDI)(有効成分60質量%) 40質量部
イソシアネートB(HDI)(有効成分80質量%) 30質量部
疎水化処理した導電性酸化錫 90質量部
(処理剤:ヘキシルトリメトキシシラン)
疎水化処理したシリカ微粒子 3質量部
(処理剤:ヘキサメチルジシラザン)
メチルイソブチルケトン(MIBK)溶剤 340質量部
をミキサーを用いて攪拌し混合溶液を作製した。次いで、その混合溶液を循環式のメディアとしてφ0.8mmのガラスビーズを用いたビーズミル分散機を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作製した。このディッピング用塗料を前記弾性層の上にディッピング法にて膜厚が25μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、160℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラー形状の帯電部材を得た。
【0044】
また、導電性酸化錫は平均粒子径0.02μmのもの100質量部に対して、ヘキシルトリメトキシシラン13質量部の割合で、前述の湿式法により疎水化処理を行った。この疎水化処理後の導電性酸化錫の疎水化度は60%であった。
【0045】
また、シリカ微粒子は平均粒子径0.015μmのもの100質量部に対して、ヘキサジメチルシラザン20質量部の割合で疎水化処理した。疎水化処理は前述の湿式法で行った。この疎水化処理シリカ微粒子の疎水化度は99.4%であった。
【0046】
帯電ローラーの電気抵抗を温度23℃/湿度55%RHの環境1の条件下で、図4に示すような抵抗測定機を用いて250Vの直流電圧を印加して測定した結果、5.4×106Ωであった。
【0047】
<帯電ローラーに直流電圧のみを印加した時の画像評価>
図1に示す電子写真方式の画像形成装置に上記で得られた帯電ローラーを取り付けて、環境1(温度23℃/湿度55%RH)、環境2(温度32.5℃/湿度80%RH)、環境3(温度15℃/湿度10%RH)の各環境下において、初期及び複数枚画像出し耐久試験を行った。初期及び10000枚に当たる画像を目視にて観察し、帯電ローラーの抵抗値ムラに起因した画像濃度ムラ及び帯電ローラー表面の凹凸に起因した画像不良(ポチやガサツキ)の発生について目視にて画像評価を行った。結果を表1に示す。
【0048】
表1中のA、B、Cの評価は、帯電ローラーに起因した画像濃度ムラ及び画像不良(ポチやガサツキ)の発生について画像品質を3段階にランク分けしたものである。なお、画像濃度ムラ及びポチやガサツキが全くないものを「A」レベル、画像濃度ムラ及びポチやガサツキが有るものを「B」レベル、画像濃度ムラ及びポチやガサツキが目立つレベルを「C」レベルとして表記した。
【0049】
その結果、全ての環境下で初期から良好な画像が得られ、10000枚の画像出し後でも初期とほとんど変わらない画像が得られた。
【0050】
(実施例2)
実施例1において表面層2cを構成する材料のうち、疎水化処理したシリカ微粒子をジメチルシリコーンオイル15質量部で疎水化処理したものに置き換えた以外は、実施例1と同様にして帯電用ローラーを作製した。ここで使用した疎水化処理シリカ微粒子の疎水化度は、97.1%であった。
【0051】
実施例1と同様の方法で環境1での電気抵抗値を測定した結果、5.4×106Ωであった。
【0052】
この帯電ローラーについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0053】
(実施例3)
実施例1について、表面層2cを構成する材料のうち、疎水化処理したシリカ微粒子を、ヘキサメチルジシラザン20質量部で処理した後に、更にジメチルシリコーンオイル15質量部で処理したものとした以外は、実施例1と同様にして帯電用ローラーを作製した。ここで使用した疎水化処理シリカ微粒子の疎水化度は、99.4%であった。
【0054】
実施例1と同様の方法で環境1での電気抵抗値を測定した結果、6.0×106Ωであった。
【0055】
この帯電ローラーについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0056】
(比較例1)
実施例1について、表面層2cを構成する材料のうち、疎水化処理したシリカ微粒子を、ヘキサメチルジシラザン4質量部で処理したものとした以外は、実施例1と同様にして帯電用ローラーを作製した。ここで使用した疎水化処理シリカ微粒子の疎水化度は、29.8%であった。
【0057】
実施例1と同様の方法で環境1での電気抵抗値を測定した結果、6.0×106Ωであった。
【0058】
この帯電ローラーについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0059】
その結果、初期には全ての環境で十分な画質が得られたものの、10000枚の画像出し後には濃度ムラやガサツキ等が見られるようになり、実施例と比べ、耐久性に劣ることが分かった。
【0060】
(比較例2)
実施例1について表面層2cを構成する材料のうち、疎水化処理したシリカ微粒子を除いた以外は、実施例1と同様にして帯電用ローラーを作製した。
【0061】
実施例1と同様の方法で環境1での電気抵抗値を測定した結果、4.0×106Ωであった。
【0062】
この帯電ローラーについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0063】
その結果、初期から全ての環境でガサツキや濃度ムラが激しく、また10000枚の連続画像出し後には更にレベルが悪化していた。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、導電性部材としての帯電部材に直流電圧のみを印加して被帯電体を接触帯電方式により帯電処理する場合、電子写真感光体等の被帯電体面に斑点状やスジ上の電位ムラの発生しない均一帯電を実現できる。従って、本発明の導電性部材を画像形成装置に用いることで、高画質化を達成することができる。また、本発明の導電性部材は、画像形成装置が通常用いられると考えられる環境において、連続複数枚出力を行った場合でも帯電性能の低下がないため、耐久安定性が向上した画像形成装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性部材を有する画像形成装置の概略構成図である。
【図2】帯電ローラーの概略構成図である。
【図3】別の帯電ローラーの概略構成図である。
【図4】帯電部材の抵抗測定装置の概略図である。
【符号の説明】
1 像担持体(電子写真感光体)
2 帯電部材(帯電ローラー)
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段(転写ローラー)
6 プロセスカートリッジ
11 円筒電極(金属ローラー)
12 固定抵抗器
13 レコーダー
P 転写材
S1、S2、S3 バイアス印加電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式を採用した画像形成装置等に用いられる導電性部材に関し、帯電用部材、現像剤担持部材、転写部材等の電気的に被接触物を制御する部材に関するものであり、詳しくは電圧を印加して被帯電体表面を所定の電位に帯電する帯電部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真装置の画像形成装置において、感光体表面を一様に帯電させるための帯電装置として、コロナ帯電機を用いたコロナ帯電装置が使用されてきた。このコロナ帯電装置は、感光体をある一定の電位に均一に帯電させる手段として優れているが、反面、5〜10kVという高電圧を発生する電源が必要であり、また放電に伴いオゾンが発生してしまう。このオゾンが大量に発生することによって環境に悪影響を及ぼすばかりでなく、帯電部材及び感光体が劣化するという不都合があった。
【0003】
これに対して帯電用部材を感光体に接触させながら電圧を印加し、感光体を帯電させる接触帯電装置がある。例えば帯電用部材としてローラーを用いた接触ローラー帯電装置が、特開昭63−167380号公報に開示されている。この特開昭63−167380号公報等の接触ローラー帯電方式によれば、コロナ帯電方式と比べて、電源の低電圧化とオゾン発生量の少ないことを利点として有しているが、帯電の均一性に関しては劣っていた。
【0004】
この帯電均一性を改善するために、例えば特開昭63−149668号公報には、直流電圧印加時における帯電開始電圧の2倍以上のピーク電圧を持つ交流電圧を重畳させることにより、帯電の均一性が改善できることが開示されている。
【0005】
ところが、この交流電圧と直流電圧を重畳した電圧を印加して帯電を行う接触帯電方式においては、帯電装置の交流電圧による機械的振動が発生し、この振動が帯電音として不快感を与えたり、また交流電流を大量に消費することにより、オゾン発生の低減効果を損なうことになるという不具合があった。
【0006】
これらの不具合は、帯電装置に直流電圧のみを印加して帯電を行うことにより解消するものの、感光体に均一な帯電できないと言う問題がある。例えば、低湿度環境下において感光体表面の各部に均一な帯電がなされず、ハーフトーン画像上に微小な斑点状、あるいは感光体の長手方向に長さ1〜100mm、幅0.5mm以下の黒スジ状や白スジ状の欠陥の発生することが多い。
【0007】
また、特に低湿度環境において、帯電用部材が連続使用により通電劣化し、帯電部材の抵抗が上昇(チャージアップ)し易い。それに伴い、帯電処理された感光体の表面電位が低下するという問題がある。このような通電劣化し易い、従来の問題の発生する従来の帯電用ローラーを用いて、例えば反転現像方式を用いた画像形成装置により連続複数枚出力後画像出力を行うと、初期画像に比べて連続複数枚出力後の画像は画像品質が低下するという問題があった。
【0008】
最近の電子写真技術においては高画質化及びカラー化の要求が高く、上記のようなわずかな画像品質の低下がこの要求を達成するために解決するべき重要な問題となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決することにあり、導電性部材に電圧を印加して被帯電体の帯電を行った場合でも斑点状やスジ状の画像欠陥が発生せず、また、連続複数枚出力を行った場合でも抵抗上昇による画像品質の低下がない導電性部材、この導電性部材を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性部材に電圧を印加して被帯電体を接触帯電方式により帯電処理する導電性部材において、該導電性部材が、芯部に設けられた導電性支持体の外周面に被覆層を形成してなる導電性部材であって、少なくとも、被覆層に疎水化処理されたシリカ微粉体及び疎水化処理された導電性粒子とを含有し、かつ、疎水化処理されたシリカ微粉体が、疎水化処理された導電性粒子より高疎水性であることを特徴とする導電性部材、この導電性部材を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
本発明においては、導電性部材の被覆層に疎水化処理した導電剤粒子とそれよりも高い疎水化度である疎水化処理シリカ微粒子を含有することで、帯電用部材に直流電圧のみを印加して感光体を帯電させる場合に発生する、斑点状やスジ状の画像欠陥を低減すると共に、連続複数枚出力を行った場合でも抵抗上昇による画像品質の低下が抑制され、非常に優れた画像品質を得ることができる。
【0013】
本発明のメカニズムは、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下のことが判明した。
【0014】
先ず、帯電用部材に直流電圧のみを印加して感光体を帯電させる場合に発生する、斑点状やスジ状の画像欠陥を低減するには、帯電用部材の表面層に導電性粒子を均一に分散させることが好ましいことがわかった。
【0015】
また、親水性の導電性粒子は、帯電用部材に長時間直流電圧のみを印加し続けた場合に起こる、通電劣化に伴う抵抗上昇(チャージアップ)の原因となるため、疎水化処理された導電性粒子を含有することが有効であることがわかった。
【0016】
更に、疎水化処理されたシリカ微粉体(負帯電性の疎水化ケイ酸微粒子)を同時に分散させると、斑点状やスジ状の画像欠陥の防止効果が更に高くなることがわかった。
【0017】
また、シリカ微紛体の疎水化度が導電性粒子の疎水化度よりも高い場合、連続複数枚出力を行った場合でも抵抗上昇による画像品質の低下が抑制され、優れた画像品質を維持できることがわかった。
【0018】
以上のような検討により、本発明の導電性部材に至ったものである。
【0019】
次に、本発明の導電性部材を有する画像形成装置の概略構成について説明する。
【0020】
(1)画像形成装置
図1は、本発明の導電性部材を有するプロセスカートリッジを具備する画像形成装置例の概略構成図である。本例の画像形成装置は、転写式電子写真利用の反転現像方式の装置である。
【0021】
像担持体である回転ドラム型の電子写真感光体1は、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
【0022】
電子写真感光体の帯電手段としての帯電ローラー2(本発明の導電性部材)であり、電子写真感光体1に所定の押圧力で接触させてあり、電子写真感光体1に従動回転する。この帯電ローラー2に対して帯電バイアス印加電源S1から所定の直流電圧(この場合−1300Vとした)が印加されることで電子写真感光体1の表面が所定の極性電位(暗部電位−700Vとした)に一様に接触帯電方式・DC帯電方式で帯電処理される。
【0023】
露光手段3は、例えばレーザービームスキャナーである。電子写真感光体1の帯電処理面に露光手段3により目的の画像情報に対応した露光Lがなされることにより、電子写真感光体の表面電位が露光明部の電位(明部電位−120Vとした)に選択的に減衰して静電潜像が形成される。
【0024】
反転現像手段4は、電子写真感光体の静電潜像の露光明部に、電子写真感光体の帯電極性と同極性に帯電(現像バイアス−350V)しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて静電潜像をトナー画像として可視化する。図中、4aは現像ローラー、4bはトナー供給ローラー、4cはトナー層厚規制部材を示す。
【0025】
転写手段としての転写ローラー5は、電子写真感光体1に所定の押圧力で接触させて転写部を形成させてあり、電子写真感光体の回転と順方向に電子写真感光体の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、転写バイアス印加電源S2からトナーの帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加される。転写部に対して不図示の給紙機構部から転写材Pが所定の制御タイミングで給紙され、その給紙された転写材Pの裏面が転写電圧を印加した転写ローラー5によりトナーの帯電極性とは逆極性に帯電されることにより、転写部において電子写真感光体1上のトナー画像が転写材Pに静電転写される。
【0026】
転写部でトナー画像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体から分離されて、不図示のトナー画像定着手段へ導入されてトナー画像の定着処理を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機構に導入されて転写部へ再導入される。
【0027】
転写残余トナー等の電子写真感光体上の残留物は、帯電ローラ2により電子写真感光体の帯電極性と同極性に帯電される。そしてその転写残余トナーは、露光部を通って現像手段4に至って、バックコントラストにより電気的に現像装置内に回収され、現像兼クリーニング(クリーナーレス)が達成されている。
【0028】
本例では、電子写真感光体1、帯電ローラ2、現像手段4を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在のプロセスカートリッジ6としている。この際、現像手段4は別体としてもよい。
【0029】
(2)導電性部材
例えば、導電性部材は図2に示すようにローラー形状であり、導電性支持体2aと被覆層として、その外周に一体に形成された弾性層2bと該弾性層の外周に形成された表面層2cから構成されている。
【0030】
本発明の導電性部材の別の構成を図3に示す。図3に示すように導電性部材は、弾性層2b及び抵抗層2dと表面層2cからなる3層であってもよいし、抵抗層2dと表面層2cの間に第2の抵抗層2eを設けた、4層以上を導電性支持体2aの上に被覆層として形成した構成としてもよい。
【0031】
本発明に用いる被覆層を構成する結着樹脂材料としては、例えば、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、クロルスルホン化ポリエチレン、フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体、一液性あるいは二液性のポリウレタン及びN−メトキシメチルナイロン等の変性ナイロン類等が挙げられ、様々なものが使用できる。
【0032】
本発明に用いる導電性粒子としては、各種導電剤(導電性カーボン、グラファイト、導電性酸化スズ、導電性酸化チタン、銅、アルミニウム、ニッケル及び鉄粉等)を用いることができる。また、所望の電気抵抗を得るために前記各種導電剤を複数併用してもよいが、使用する導電性粒子は疎水化処理されたものでなければならない。この場合、導電性粒子の疎水化処理剤としては、カップリング剤(ケイ素、チタン、アルミニウム及びジルコニウム等の中心元素は特に選ばない)、オイル、ワニス及び有機化合物等が挙げられる。特に、フルオロアルキルアルコキシシランカップリング剤が好ましい。
【0033】
疎水化処理導電性粒子の疎水化度としては、20%以上であることが好ましく、特には20〜98%、更には30〜70%であることが好ましい。疎水化度が20%未満の場合には、低湿度環境において通電劣化に伴い、帯電部材の電気抵抗値が問題となるレベルにまで上昇してしまうことがある。また、疎水化度が98%を越える場合には、導電部材としての機能(導電性)のコントロールが難しくなったり、凝集が強くなったりするので好ましくない。
【0034】
本発明に用いる負荷電性の疎水化シリカ微粉体は、シリカ微粉体をシリコーンオイルで処理したもの、シリカ微粉体をシランカップリング剤で処理したもの、又はシリカ微粉体をシランカップリング剤処理した後にシリコーンオイルで処理したものが使用できる。疎水化度は、同時に用いる疎水化処理導電性粒子よりも高いことが必要で、特に80%以上のものが好適である。
【0035】
シリカ微粉体を処理するシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル又はオレフィン変性シリコーンオイル等が使用できる。シリコーンオイル処理の方法としては公知の技術が用いられ、例えばケイ酸微粒子とシリコーンオイルをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、ケイ酸微粒子にシリコーンオイルを噴霧する方法によってもよい。あるいは、適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散させた後、ケイ酸微粒子と混合し、溶剤を除去してもよい。
【0036】
また、シリカ微粉体をシランカップリング剤処理する場合、シランカップリング剤として、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロルシラン又はトリメチルクロルシラン等を使用することができる。シランカップリング剤処理は、シリカ微粉体を攪拌等によりクラウド状としたものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾式処理や、シリカ微粉体を溶媒中に分散させ、シランカップリング剤を滴下反応させる湿式法等、一般に知られた方法で処理することができる。
【0037】
本発明における疎水化度は、下記の方法で測定される。先ず、200cm3のビーカーにイオン交換水50cm3を入れ、更に、この中に試料0.200gを精量して秤入れ、測定用サンプルを調製する。次に、この液を攪拌しながら、ビュレットによりメタノールを滴下して行き、液面上に浮いた試料が完全になくなった点を終点として滴定量を測定し、次式によって疎水化度を求める。
【0038】
【数1】
【0039】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。
【0040】
(実施例1)
下記の要領で本発明の帯電部材としての帯電ローラーを作製した。
【0041】
エピクロルヒドリンゴム三元共重合体 100質量部
四級アンモニウム塩 2質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 2質量部
【0042】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、エピクロルヒドリンゴム100質量部に対してセバシン酸系ポリエステル可塑剤5質量部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調製する。このコンパウンドに原料ゴムのエピクロルヒドリンゴム100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのノクセラーDM1質量部、ノクセラーTS0.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練する。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製芯金の周囲にローラー状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、外径φ12mmになるように研磨処理して弾性層を得た。
【0043】
上記弾性層の上に以下に示すような表面層を被覆形成した。表面層2cの材料として、
アクリルポリオール溶液(有効成分70質量% 100質量部
イソシアネートA(IPDI)(有効成分60質量%) 40質量部
イソシアネートB(HDI)(有効成分80質量%) 30質量部
疎水化処理した導電性酸化錫 90質量部
(処理剤:ヘキシルトリメトキシシラン)
疎水化処理したシリカ微粒子 3質量部
(処理剤:ヘキサメチルジシラザン)
メチルイソブチルケトン(MIBK)溶剤 340質量部
をミキサーを用いて攪拌し混合溶液を作製した。次いで、その混合溶液を循環式のメディアとしてφ0.8mmのガラスビーズを用いたビーズミル分散機を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作製した。このディッピング用塗料を前記弾性層の上にディッピング法にて膜厚が25μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、160℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラー形状の帯電部材を得た。
【0044】
また、導電性酸化錫は平均粒子径0.02μmのもの100質量部に対して、ヘキシルトリメトキシシラン13質量部の割合で、前述の湿式法により疎水化処理を行った。この疎水化処理後の導電性酸化錫の疎水化度は60%であった。
【0045】
また、シリカ微粒子は平均粒子径0.015μmのもの100質量部に対して、ヘキサジメチルシラザン20質量部の割合で疎水化処理した。疎水化処理は前述の湿式法で行った。この疎水化処理シリカ微粒子の疎水化度は99.4%であった。
【0046】
帯電ローラーの電気抵抗を温度23℃/湿度55%RHの環境1の条件下で、図4に示すような抵抗測定機を用いて250Vの直流電圧を印加して測定した結果、5.4×106Ωであった。
【0047】
<帯電ローラーに直流電圧のみを印加した時の画像評価>
図1に示す電子写真方式の画像形成装置に上記で得られた帯電ローラーを取り付けて、環境1(温度23℃/湿度55%RH)、環境2(温度32.5℃/湿度80%RH)、環境3(温度15℃/湿度10%RH)の各環境下において、初期及び複数枚画像出し耐久試験を行った。初期及び10000枚に当たる画像を目視にて観察し、帯電ローラーの抵抗値ムラに起因した画像濃度ムラ及び帯電ローラー表面の凹凸に起因した画像不良(ポチやガサツキ)の発生について目視にて画像評価を行った。結果を表1に示す。
【0048】
表1中のA、B、Cの評価は、帯電ローラーに起因した画像濃度ムラ及び画像不良(ポチやガサツキ)の発生について画像品質を3段階にランク分けしたものである。なお、画像濃度ムラ及びポチやガサツキが全くないものを「A」レベル、画像濃度ムラ及びポチやガサツキが有るものを「B」レベル、画像濃度ムラ及びポチやガサツキが目立つレベルを「C」レベルとして表記した。
【0049】
その結果、全ての環境下で初期から良好な画像が得られ、10000枚の画像出し後でも初期とほとんど変わらない画像が得られた。
【0050】
(実施例2)
実施例1において表面層2cを構成する材料のうち、疎水化処理したシリカ微粒子をジメチルシリコーンオイル15質量部で疎水化処理したものに置き換えた以外は、実施例1と同様にして帯電用ローラーを作製した。ここで使用した疎水化処理シリカ微粒子の疎水化度は、97.1%であった。
【0051】
実施例1と同様の方法で環境1での電気抵抗値を測定した結果、5.4×106Ωであった。
【0052】
この帯電ローラーについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0053】
(実施例3)
実施例1について、表面層2cを構成する材料のうち、疎水化処理したシリカ微粒子を、ヘキサメチルジシラザン20質量部で処理した後に、更にジメチルシリコーンオイル15質量部で処理したものとした以外は、実施例1と同様にして帯電用ローラーを作製した。ここで使用した疎水化処理シリカ微粒子の疎水化度は、99.4%であった。
【0054】
実施例1と同様の方法で環境1での電気抵抗値を測定した結果、6.0×106Ωであった。
【0055】
この帯電ローラーについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0056】
(比較例1)
実施例1について、表面層2cを構成する材料のうち、疎水化処理したシリカ微粒子を、ヘキサメチルジシラザン4質量部で処理したものとした以外は、実施例1と同様にして帯電用ローラーを作製した。ここで使用した疎水化処理シリカ微粒子の疎水化度は、29.8%であった。
【0057】
実施例1と同様の方法で環境1での電気抵抗値を測定した結果、6.0×106Ωであった。
【0058】
この帯電ローラーについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0059】
その結果、初期には全ての環境で十分な画質が得られたものの、10000枚の画像出し後には濃度ムラやガサツキ等が見られるようになり、実施例と比べ、耐久性に劣ることが分かった。
【0060】
(比較例2)
実施例1について表面層2cを構成する材料のうち、疎水化処理したシリカ微粒子を除いた以外は、実施例1と同様にして帯電用ローラーを作製した。
【0061】
実施例1と同様の方法で環境1での電気抵抗値を測定した結果、4.0×106Ωであった。
【0062】
この帯電ローラーについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0063】
その結果、初期から全ての環境でガサツキや濃度ムラが激しく、また10000枚の連続画像出し後には更にレベルが悪化していた。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、導電性部材としての帯電部材に直流電圧のみを印加して被帯電体を接触帯電方式により帯電処理する場合、電子写真感光体等の被帯電体面に斑点状やスジ上の電位ムラの発生しない均一帯電を実現できる。従って、本発明の導電性部材を画像形成装置に用いることで、高画質化を達成することができる。また、本発明の導電性部材は、画像形成装置が通常用いられると考えられる環境において、連続複数枚出力を行った場合でも帯電性能の低下がないため、耐久安定性が向上した画像形成装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性部材を有する画像形成装置の概略構成図である。
【図2】帯電ローラーの概略構成図である。
【図3】別の帯電ローラーの概略構成図である。
【図4】帯電部材の抵抗測定装置の概略図である。
【符号の説明】
1 像担持体(電子写真感光体)
2 帯電部材(帯電ローラー)
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段(転写ローラー)
6 プロセスカートリッジ
11 円筒電極(金属ローラー)
12 固定抵抗器
13 レコーダー
P 転写材
S1、S2、S3 バイアス印加電源
Claims (9)
- 導電性部材に電圧を印加して被帯電体を接触帯電方式により帯電処理する導電性部材において、該導電性部材が、芯部に設けられた導電性支持体の外周面に被覆層を形成してなる導電性部材であって、少なくとも、被覆層に疎水化処理されたシリカ微粉体及び疎水化処理された導電性粒子とを含有し、かつ、疎水化処理されたシリカ微粉体が、疎水化処理された導電性粒子より高疎水性であることを特徴とする導電性部材。
- 前記疎水化処理されたシリカ微粉体のメタノール疎水化度が80%以上であり、かつ、前記疎水化処理された導電性粒子のメタノール疎水化度が20%以上である請求項1に記載の導電性部材。
- 前記被覆層が2層以上からなる請求項1又は2に記載の導電性部材。
- 前記被覆層のうち最外層に位置する層が少なくとも疎水化処理されたシリカ微粉体及び疎水化処理された導電性粒子とを含有し、かつ、疎水化処理されたシリカ微粉体が、疎水化処理された導電性粒子より高疎水性である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性部材。
- 前記導電性部材が直流電圧を印加される請求項1〜4のいずれかに記載の導電性部材。
- 前記導電性部材が帯電部材である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性部材。
- 前記導電性部材がローラー形状である請求項1〜6のいずれかに記載の導電性部材。
- 少なくとも被帯電体である電子写真感光体及び請求項1〜7のいずれかに記載の導電性部材とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 少なくとも被帯電体である電子写真感光体、該電子写真感光体に当接させて電子写真感光体面を帯電する帯電手段、該帯電手段によって帯電された電子写真感光体表面を露光する露光手段、該露光手段によって形成された潜像を現像剤によって可視像化する現像手段及び可視像化された潜像を転写材に転写する転写手段とを具備した画像形成装置において、該帯電手段を構成する導電性部材が請求項1〜7のいずれかに記載の導電性部材であることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (3)
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JP2007178752A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Tokai Rubber Ind Ltd | 帯電ロール |
JP2011002595A (ja) * | 2009-06-18 | 2011-01-06 | Fuji Xerox Co Ltd | 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 |
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-
2002
- 2002-04-19 JP JP2002117328A patent/JP2004004147A/ja active Pending
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