ところで、上記特許文献1の住宅では、洗濯物の取り込みを行うためにバルコニーへ移動する際、廊下から脱衣室を経由してバルコニーへ移動することになると考えられる。具体的には、廊下から廊下側出入口を介して脱衣室に入り、その後脱衣室からバルコニー側出入口を介してバルコニーに入ることになると考えられる。
ここで、廊下側出入口とバルコニー側出入口とは脱衣室において対角となる位置関係にあるため、この場合、脱衣室を対角に横切って移動する必要がある。そのため、洗濯物の取り込みのためにバルコニーへ移動する際、その移動の際の動線が長くなることが考えられる。
また、上記特許文献1の住宅は、廊下側出入口が廊下の突き当たりに位置しているため、洗濯等のために脱衣室へ移動する際の動線が長くなることも考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、洗濯動線の短縮化を図ることができる住宅を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明の住宅は、廊下に隣接して設けられ、洗濯機が設置されたランドリールームと、前記ランドリールームに隣接して設けられ、洗濯物を干す物干しスペースを有するバルコニーとを備える住宅であって、前記廊下から前記ランドリールームへ出入りするための出入口として第1出入口及び第2出入口が設けられ、前記ランドリールームから前記バルコニーへ出入りするための第3出入口が設けられ、前記第1出入口と前記第3出入口とは前記ランドリールームを挟んで対向配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、洗濯機が設置されたランドリールームが物干しスペースを有するバルコニーに隣接しており、ランドリールームからバルコニーへは第3出入口を介して出入りが可能となっている。このため、洗濯機で洗濯した洗濯物を速やかにバルコニーに持ち運び干すことが可能となっている。
また、本発明では、こうした構成にあって、廊下からランドリールームへ出入り可能な出入口が2つ設けられている。この場合、廊下からランドリールームへの出入りがし易く、ランドリールームで洗濯等を行う上で動線の短縮化を図ることができる。また、これら2つの出入口のうち、第1出入口については第3出入口とランドリールームを挟んで対向配置されている。この場合、洗濯物の取り込みのために廊下からランドリールームを経由してバルコニーへ移動する際、第1出入口及び第3出入口を通じて最短経路で移動することができる。よって、以上より、洗濯動線の短縮化を図ることができる。
第2の発明の住宅は、第1の発明において、前記廊下は、前記第1出入口と前記第3出入口とが対向する対向方向と交差する所定方向に延びており、前記第1出入口と前記第2出入口とは前記所定方向に並んで配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、廊下の延びる所定方向に第1出入口及び第2出入口が並んでいるため、これら各出入口を介して廊下とランドリールームとを回遊する回遊動線を形成することができる。これにより、ランドリールームを利用する上でより動線の短縮化を図ることができる。
第3の発明の住宅は、第2の発明において、前記ランドリールームは、前記洗濯機が設置され前記第2出入口と連続する第1スペースと、前記第1出入口及び前記第3出入口とそれぞれ連続する第2スペースとを有し、前記第2スペースは、前記対向方向における長さが前記第1スペースよりも小さくされていることを特徴とする。
本発明によれば、ランドリールームを挟んで対向する第1出入口及び第3出入口の距離(間隔)を比較的小さくすることができるため、廊下側からそれら各出入口を介して、つまりランドリールームを経由してバルコニーへ移動する際の動線を短縮化することができる。これにより、洗濯物の取り込みの際、バルコニーへより速やかに移動することが可能となる。特に、雨天時には洗濯物の取り込みを速やかに行うことが求められるため、かかる構成とすることの意義は大きい。
その一方で、洗濯機の設置スペースである第1スペースについては第1出入口及び第3出入口の対向方向の長さが比較的大きくされているため、第1スペースについては比較的広いスペースが確保されている。そのため、洗濯物の取り込みの際の動線短縮化を図りながら、第1スペースについては洗濯等の作業を行う上で好都合な構成とすることができる。
第4の発明の住宅は、第3の発明において、前記第2スペースは、前記所定方向における長さが前記第1スペースよりも小さくされていることを特徴とする。
本発明によれば、第2スペースについて、第1出入口と第3出入口との対向方向の長さが第1スペースよりも小さくされていることに加え、廊下の延びる方向(所定方向)の長さも第1スペースより小さくされている。この場合、洗濯機の設置スペースである第1スペースをその分広く確保することができるため、同スペースにおいて洗濯等の作業を行う上でより一層好都合となる。また、第2スペースは廊下側からバルコニーへ移動する際の移動用スペースとして見れば、移動が行える程度の広さを有していれば足りるため、かかる構成としても特段問題はない。
第5の発明の住宅は、第2乃至第4のいずれかの発明において、前記廊下からなる第1通路部に加え、前記対向方向に前記第1通路部から前記ランドリールームとは反対側に向けて延びる第2通路部を有しており、前記第2通路部が前記第1通路部と連通する連通部は前記第1通路部を挟んで前記第1出入口と対向していることを特徴とする。
本発明によれば、第2通路部が第1通路部(廊下)と連通する連通部が第1通路部を挟んで第1出入口と対向している。この場合、第2通路部側から第1通路部とランドリールームとをそれぞれ経由してバルコニーへ移動するに際し、動線の短縮化を図ることができる。これにより、第2通路部側からバルコニーへ洗濯物の取り込みのために移動する際、速やかに移動することが可能となる。
第6の発明の住宅は、第5の発明において、前記ランドリールーム及び前記バルコニーが設けられた所定階と、その所定階の上側又は下側に隣接する隣接階とを備え、前記所定階と前記隣接階とが階段部を介して連絡されている多層階建ての住宅であって、前記第2通路部は、前記階段部に通じていることを特徴とする。
本発明によれば、ランドリールームやバルコニーが設けられた所定階の上側又は下側の隣接階から階段部を通じてバルコニーへ移動する際、詳しくは当該階段部から第2通路部、第1通路部及びランドリールームを経由してバルコニーへ移動する際に、動線の短縮化を図ることができる。これにより、隣接階からバルコニーへ洗濯物の取り込みのために移動する際、速やかに移動することが可能となる。
第7の発明の住宅は、第2乃至第6のいずれかの発明において、前記廊下と前記ランドリールームとを仕切るとともに前記第1出入口と前記第2出入口とが形成された間仕切壁を備え、前記ランドリールームには、前記間仕切壁に隣接させてアイロン台が設置され、前記アイロン台は、前記第1出入口と前記第2出入口との間に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、ランドリールームにアイロン台が設置されているため、ランドリールームでアイロンがけを行うことができる。また、アイロン台は、間仕切壁に隣接させて設置され、第1出入口と第2出入口との間に配置されている。この場合、ランドリールームにアイロン台を用いてアイロンがけを行う作業者がいて、その作業者の後ろを通って第1スペースと第2スペースとの間を行き来できない場合でも、第1スペースへは第2出入口から出入りすることができ、第2スペースへは第1出入口から出入りすることができる。そのため、各スペースへの移動を行えるようにしつつ、アイロン台を利用することが可能となる。
特に、上述した第3の発明では、第1出入口と第3出入口とが対向する対向方向における第2スペースの長さが小さくされている関係で、アイロンがけを行う作業者の後ろを通って第1スペースと第2スペースとの間を行き来するのが困難なことが考えられる。このため、かかる第3の発明に第7の発明を適用することで特に大きな効果を得ることができる。
第8の発明の住宅は、第1乃至第7のいずれかの発明において、前記第1出入口には、前記ランドリールーム側に向けて開く開き戸が設けられ、前記第3出入口には、前記バルコニー側に向けて開く開き戸が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、廊下側から第1出入口及び第3出入口を通じてバルコニーへ移動する際、それら各出入口の開き戸を移動先側に開いて移動することができる。これにより、洗濯物の取り込みに際し廊下側からバルコニーへより速やかに移動することが可能となる。
第9の発明の住宅は、第1乃至第8のいずれかの発明において、前記ランドリールームには、洗濯物を吊るための吊り具が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、洗濯機で洗濯した洗濯物をランドリールームにてハンガーにかけて吊り具に吊ることができる。そして、その後、その洗濯物をバルコニーへ持ち込んで干すことが可能となる。これにより、洗濯物をバルコニーでハンガーにかけ干す場合と比べ、洗濯物を干すに際し屋外にいる時間を短縮することができる。そのため、洗濯物干しに際し紫外線に当たる量を軽減するといった利点を得ることが可能となる。
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、住宅が一階部分と二階部分とを有する二階建てとされている。また、本実施形態では、住宅として二世帯住宅を想定しており、一階部分に親世帯が居住し、二階部分に子世帯が居住していることを想定している。図1は、住宅の二階部分の間取りを示す平面図であり、以下、この図1に基づいて二階部分の間取りについて説明する。また、図1における上下方向が南北方向、図1における左右方向が東西方向となっている。
図1に示すように、住宅10の二階部分20には、屋内空間として、主寝室11と書斎12と脱衣室13と浴室14とランドリールーム15とトイレ16と寝室17と趣味室18とが設けられている。
主寝室11は二階部分20において西側に設けられている。主寝室11は、南北に延びており、その北側がベッドが設置された寝室スペース11aとされ、南側がソファ等が設置されたリビングスペース11bとされている。リビングスペース11bは、セカンドリビングとして利用され、寝室スペース11aと仕切部(ミニバー等)により仕切られている。また、寝室スペース11aの北側にはウォークインクローゼット26が設けられている。
二階部分20において東側には寝室17と趣味室18とが設けられている。寝室17と趣味室18とは南北に隣接しており、寝室17が北側、趣味室18が南側に位置している。趣味室18は、家事を行う者(例えば主婦)が自らの趣味を行うための部屋であり、将来においては子供部屋として利用することも可能となっている。
主寝室11と趣味室18とは廊下19を介して通じている。廊下19は、東西方向に直線状に延びており、二階部分20において南北方向の中間部(詳しくは略中央部)に位置している。なお、廊下19が「第1通路部」に相当する。
主寝室11の東側には書斎12と脱衣室13と浴室14とが設けられている。これらの屋内空間12〜14は南北に並んでおり、書斎12が廊下19の南側に位置し、脱衣室13及び浴室14が廊下19の北側に位置している。つまり、書斎12と、脱衣室13及び浴室14とは廊下19を挟んで反対側に位置している。書斎12は、廊下19へ出入口22を介して出入り可能とされているとともに、リビングスペース11bと連通部29を介して連通されている。
脱衣室13と浴室14とのうち、脱衣室13が南側に位置し、浴室14が北側に位置している。脱衣室13は廊下19に隣接しており、廊下19から脱衣室13へは出入口23を介して出入り可能とされている。
書斎12の東側にはランドリールーム15が隣接して設けられている。ランドリールーム15は、洗濯機46が設置された洗濯室となっており、洗濯に関する各種作業がこの部屋で行われるようになっている。本住宅10では、このように脱衣室13とは別にランドリールーム15が洗濯専用の部屋として設けられている。
ランドリールーム15は、廊下19の南側に隣接して設けられている。すなわち、ランドリールーム15は、廊下19の側面側に隣接して設けられており、換言すると廊下19の延びる方向に対して直交(交差)する方向に当該廊下19と隣接している。廊下19を挟んでランドリールーム15とは反対側には一階部分に通じる階段24が設けられている。この階段24(の下り口)には、その東側にホール25が隣接して設けられている。ホール25は、階段24とともに廊下19の北側に配置され、廊下19と連通部31を介して連続(連通)している。この場合、廊下19は、その東側の端部(換言すると一端部)において連通部31と連続しており、連通部31では東西方向の長さがホール25よりも小さくされている。なお、本実施形態では、連通部31とホール25とにより「第2通路部」が構成され、その第2通路部が廊下19から北側に向けて、すなわちランドリールーム15とは反対側に向けて延びている。また、本住宅10では、二階部分20が「所定階」に相当し、一階部分が「隣接階」に相当する。
二階部分20には、上述した屋内空間11〜19に加え、半屋外空間としてのバルコニー27,28が設けられている。これらバルコニー27,28のうち、バルコニー27は主寝室11(詳しくはリビングスペース11b)の南側に隣接して設けられ、バルコニー28は趣味室18の南側に隣接して設けられている。
バルコニー28は、趣味室18と仕切壁55により仕切られている。仕切壁55には、掃き出し窓56が設けられている。この掃き出し窓56を通じて趣味室18からバルコニー28への出入りが可能となっている。また、掃き出し窓56には、ガラス戸57が設けられている。
バルコニー28は、その一部が屋根の軒部58により上方から覆われた軒下空間28aとなっている。図1では便宜上、軒部58の軒先を仮想線(二点鎖線)にて示している(後述する図2も同様)。バルコニー28は、洗濯物を干す物干しスペースとして利用されている。バルコニー28には、洗濯物を吊り下げ可能な物干し台59が設けられ、この物干し台59に洗濯物を吊って干すことが可能となっている。また、物干し台59は、バルコニー28の軒下空間28aに設けられている。なお、バルコニー28が特許請求の範囲に記載の「バルコニー」に相当する。
続いて、ランドリールーム15周辺の構成について図2に基づいて詳しく説明する。図2は、ランドリールーム15周辺の構成を拡大して示す平面図である。
図2に示すように、ランドリールーム15は、廊下19と仕切壁32により仕切られている。仕切壁32には、廊下19からランドリールーム15へ出入りするための2つの出入口33,34が設けられている。これら各出入口33,34は、仕切壁32において壁幅方向(東西方向)の両端側にそれぞれ配置されている。この場合、各出入口33,34の間隔はこれら出入口33,34の幅よりも大きくなっている。なお、仕切壁32が「間仕切壁」に相当する。
各出入口33,34のうち、出入口33が西側に配置され、出入口34が東側に配置されている。出入口34は廊下19を挟んでホール25の連通部31と対向している。したがって、出入口34と連通部31とは廊下19の延びる方向において同じ位置に位置している。なお、出入口33が「第2出入口」に相当し、出入口34が「第1出入口」に相当する。
出入口33には、引き戸からなる開閉体35が設けられている。この開閉体35により出入口33が開閉される。また、出入口34には、開き戸からなる開閉体36が設けられている。この開閉体36により出入口34が開閉される。また、開閉体36は、ランドリールーム15側へ回動することにより開状態とされる。
なお、以下の説明では、廊下19の延びる方向を第1方向Xともいい、その第1方向Xと平面視にて直交(交差)する方向を第2方向Yともいう。本実施形態では、第1方向Xが東西方向とされ、第2方向Yが南北方向とされている。
ランドリールーム15は、出入口33に連続する第1スペース15aと、出入口34に連続する第2スペース15bとを有している。第1スペース15aと第2スペース15bとは廊下19の延びる方向に並んでおり、いずれも平面視にて矩形形状をなしている。詳しくは、これら各スペース15a,15bはいずれも平面視にて正方形状をなしている。
第2スペース15bは、第1方向X(東西方向)の長さL2が第1スペース15aにおける第1方向Xの長さL1よりも小さくされている(L1>L2)。具体的には、第2スペース15bの長さL2は第1スペース15aの長さL1の半分以下とされ、本実施形態では長さL2が長さL1の半分とされている。なお、図2では、説明の便宜上、第1スペース15aと第2スペース15bとの境界線を仮想線(二点鎖線)で示している。
また、第2スペース15bは、第2方向Y(南北方向)の長さL4が第1スペース15aにおける第2方向Yの長さL3よりも小さくされている(L3>L4)。具体的には、第2スペース15bの長さL4は第1スペース15aの長さL3の半分以下とされ、本実施形態では長さL4が長さL3の半分とされている。これにより、第1スペース15aには、第2スペース15bよりも第2方向Yにおける反廊下19側(南側)に延出した延出スペース43が含まれている。
第1スペース15aを挟んで仕切壁32と対向する位置には外壁部37が設けられている。この外壁部37によりランドリールーム15が屋外と仕切られている。外壁部37には、ランドリールーム15と屋外とを連通する窓部38が設けられている。また、窓部38にはガラス戸39が設けられている。この場合、この窓部38を通じてランドリールーム15へ太陽光を採り込むことが可能となっている。
仕切壁32と外壁部37との間には、それら両者32,37を繋ぐ仕切壁41が設けられている。仕切壁41は、第2方向Yに延びており、この仕切壁41によりランドリールーム15が書斎12と仕切られている。また、第1スペース15aの延出スペース43を挟んで仕切壁41と対向する位置には仕切壁42が設けられている。この場合、仕切壁41と仕切壁42とは第1方向Xに対向している。
第1スペース15aには、仕切壁41に隣接させて収納棚45が設置されている。収納棚45は、第1スペース15aにおいて仕切壁41の壁幅方向全域に亘って配置されている。収納棚45は、居住者の洗濯物を収納するためのもので、居住者ごとに洗濯物の収納部が区分けされている。したがって、洗濯物を干し終えた後は、この収納棚45に洗濯物が居住者ごとに区分けして収納されるようになっている。
また、居住者が浴室14に入る際、着替え(衣類)を用意するときには、この収納棚45から着替えを取り出し脱衣室13へ持ち運ぶようになっている。そして、この際、ランドリールーム15(第1スペース15a)への出入りは出入口33を通じて行われる。すなわち、各出入口33,34のうち脱衣室13(出入口23)寄りに位置する出入口33を通じて行われる。なお、脱衣室13の出入口23は、各出入口33,34よりも西側に位置している。
第1スペース15aには、その延出スペース43に洗濯機46と洗面台47と物干し部48とが設けられている。洗濯機46と洗面台47とは仕切壁42に隣接させて設置され、仕切壁42の壁幅方向に並べて配置されている。詳しくは、洗濯機46は、仕切壁42と外壁部37との隅部に配置されている。
物干し部48は、例えば物干し竿であり、天井から吊した状態で設けられている。この物干し部48には、洗濯物をハンガーにかけて吊ることが可能となっている。そのため、洗濯機46で洗濯した洗濯物を干すに際し、まず物干し部48に洗濯物を吊るし、その後その洗濯物をバルコニー28に持ち運んで干すといったことが可能となっている。この場合、バルコニー28でハンガーにかけて洗濯物を干す作業を行う場合と比べ、洗濯物を干すに際し屋外にいる時間を短縮することができため、紫外線に当たる量を軽減させるといった利点を得ることが可能となる。なお、物干し部48が「吊り具」に相当する。
物干し部48は、窓部38の正面側に複数本(具体的には2本)設けられ、窓部38の開口幅方向に延びる向きで配置されている。これにより、窓部38から射し込む太陽光によって、物干し部48に洗濯物を吊り下げて干すことも可能となっている。したがって、ランドリールーム15は洗濯物を干す物干しスペースとしても利用することが可能となっている。
また、第1スペース15aには、仕切壁32に隣接させてアイロン台49が設けられている。アイロン台49は、仕切壁32の壁際において各出入口33,34の間に配置されている。したがって、ランドリールーム15では、このアイロン台49を用いて洗濯物のアイロンがけを行うことも可能となっている。
第2スペース15bを挟んで仕切壁32と対向する位置には仕切壁51が設けられている。この場合、仕切壁51は、仕切壁32と第2方向Yに対向しており、仕切壁42とL字状をなすように接続されている。また、仕切壁51は、趣味室18側の仕切壁55と壁幅方向(第1方向X)において連続している。したがって、仕切壁51と仕切壁55とは第1方向Xに一直線に並んで延びている。
また、仕切壁32と仕切壁51とは、仕切壁52を介して接続されている。この仕切壁52はランドリールーム15を挟んで仕切壁41と第1方向Xに対向している。この仕切壁52によりランドリールーム15(詳しくは第2スペース15b)が趣味室18と仕切られている。
ランドリールーム15には、廊下19とは反対側(南側)においてバルコニー28が隣接して設けられている。バルコニー28は、平面視にて矩形形状をなしており、上述したように趣味室18に隣接している。バルコニー28は、その一部が趣味室18よりも第1方向Xにおいてランドリールーム15側に延出している。そして、その延出した延出部分28bがランドリールーム15と隣接している。この場合、延出部分28bは、ランドリールーム15の第2スペース15bと第2方向Yに隣接しているとともに、第1スペース15aと第1方向Xに隣接している。
バルコニー28の延出部分28bは、仕切壁51によりランドリールーム15(詳しくは第2スペース15b)と仕切られ、仕切壁42によりランドリールーム15(詳しくは第1スペース15a)と仕切られている。仕切壁51には、ランドリールーム15からバルコニー28への出入りを可能とする出入口61が設けられている。出入口61は、ランドリールーム15の第2スペース15bを挟んで出入口34と対向している。この場合、出入口61と出入口34とは第2方向Yに対向している。したがって、出入口61と出入口34とは第1方向Xにおいて同じ位置にある。なお、この場合、出入口61が「第3出入口」に相当する。
出入口61には、開き戸からなる開閉体62が設けられている。開閉体62は、バルコニー28側へ回動することで開状態とされる。したがって、開閉体62は、第2方向Yにおいて出入口34の開閉体36と同じ側に回動することで開くようになっている。
バルコニー28は、その一部が第2方向Yにおいて外壁部37よりも屋外側(南側)に延出している。この場合、バルコニー28において、上記延出した領域と、延出していない領域とのうちで、延出していない領域が軒下空間28aとなっている。軒下空間28aは第1スペース15aの延出スペース43と第1方向Xにおいて隣接している。そして、この軒下空間28aが出入口61に通じている。したがって、ランドリールーム15から軒下空間28aへは出入口61を介して雨に濡れずに移動することが可能となっている。
上述した構成によれば、ランドリールーム15からバルコニー28へ出入口61を介して出入りが可能となっているため、洗濯機46で洗濯した洗濯物を速やかにバルコニー28に持ち運び干すことが可能となっている。
また、洗濯物を取り込むために廊下19側からバルコニー28へ移動する際には、ランドリールーム15を経由してバルコニー28へ移動することになる。この際、出入口61と出入口34とが対向しているため、これら各出入口34,61を通じてバルコニー28へまっすぐ移動することができる。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
廊下19からランドリールーム15へ出入り可能な出入口33,34を2つ設けたため、廊下19からランドリールーム15への出入りがし易く、ランドリールーム15で洗濯等を行う上で動線の短縮化を図ることができる。また、これら2つの出入口33,34のうち、出入口34についてはバルコニー28側の出入口61とランドリールーム15を挟んで対向配置したため、廊下19からランドリールーム15を経由してバルコニー28へ移動する際には、それら各出入口34,61を通じて最短経路で移動することができる。よって、以上より、洗濯動線の短縮化等を図ることが可能となる。
また、各出入口34,61を対向配置したことで、ランドリールーム15を経由してバルコニー28へ移動する際には出入口34から出入口61に向けてまっすぐ移動することができる。つまり、これらの出入口が対角の位置に配置されている上記特許文献1の場合には、移動の途中で向きを変える必要があるが、上記の構成によればそのような必要がなく、廊下19側からバルコニー28へ洗濯物の取り込みのために速やかに移動することが可能となる。
廊下19からランドリールーム15への各出入口33,34を廊下19の延びる方向に並ぶように配置したため、これら各出入口33,34を介して廊下19とランドリールーム15とを回遊する回遊動線を形成することができる。これにより、ランドリールーム15を利用する上でより動線の短縮化を図ることができる。
ランドリールーム15が、洗濯機46が設置され出入口33に連続する第1スペース15aと、出入口34と出入口61との間に設けられそれら各出入口34,61に連続する第2スペース15bとを有する構成とした。そして、かかる構成にあって、第2スペース15bについては、各出入口34,61の対向する対向方向(第2方向Y)の長さL4を第1スペース15aにおける上記対向方向の長さL3よりも小さくした。この場合、廊下19側からそれら各出入口34,61を介して、つまりランドリールーム15を経由してバルコニー28へ移動する際の動線を短縮化することができる。これにより、洗濯物の取り込みの際、バルコニー28へより速やかに移動することが可能となる。特に、雨天時には洗濯物の取り込みを速やかに行うことが求められるため、かかる構成とすることの意義は大きい。
その一方で、洗濯機46の設置スペースである第1スペース15aについては上記対向方向(第2方向Y)の長さL3が比較的大きくされているため、第1スペース15aについては比較的広いスペースが確保されている。そのため、洗濯物の取り込みに関する上記の効果を得ながらも、第1スペース15aについては洗濯等の作業を行う上で好都合な構成とすることができる。
また、第2スペース15bについては、さらに廊下19の延びる方向(第1方向X)の長さL2も第1スペース15aの当該方向の長さL1よりも小さくした。この場合、洗濯機46の設置スペースである第1スペース15aをその分広く確保することができるため、同スペース15aにおいて洗濯等の作業を行う上でより一層好都合となる。また、第2スペース15bは廊下19側からバルコニー28へ移動する際の移動用スペースとして見れば、移動が行える程度の広さを有していれば足りるため、かかる構成としても特段問題はない。
ホール25が廊下19と連通する連通部31を廊下19を挟んで出入口34と対向配置した。この場合、ホール25側から廊下19とランドリールーム15とをそれぞれ経由してバルコニー28へ移動するに際し、動線の短縮化を図ることができる。これにより、ホール25側からバルコニー28へ洗濯物の取り込みのために移動する際、速やかに移動することが可能となる。
また、ホール25は一階部分(隣接階に相当)に通じる階段24と隣接しているため、この場合、一階部分から階段24を通じてバルコニー28へ移動する際、詳しくは当該階段24からホール25、廊下19及びランドリールーム15を経由してバルコニー28へ移動する際に、動線の短縮化を図ることができる。これにより、一階部分からバルコニー28へ洗濯物の取り込みのために移動する際、速やかに移動することが可能となる。
ランドリールーム15にアイロン台49を設置したため、ランドリールーム15でアイロンがけを行うことができる。また、アイロン台49を、仕切壁32に隣接させて設置し、各出入口33,34の間に配置した。この場合、ランドリールーム15でアイロンがけを行っている作業者がいてその作業者の後ろを通って第1スペース15aと第2スペース15bとの間を行き来できない場合でも、第1スペース15aへは出入口33から出入りすることができ、第2スペース15bへは出入口34から出入りすることができる。そのため、各スペース15a,15bへの移動を行えるようにしつつ、アイロン台49を利用することが可能となる。
互いに対向する各出入口34,61の開閉体36,62のうち、開閉体36についてはランドリールーム15側へ回動することで開く開き戸とし、開閉体62についてはバルコニー28側へ回動することで開く開き戸とした。この場合、廊下19側から各出入口34,61を通じてバルコニー28へ移動する際、それら各出入口34,61の開閉体36,62(開き戸)を移動先側に開いて移動することができる。これにより、洗濯物の取り込みに際し廊下19側からバルコニー28へより速やかに移動することが可能となる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、ランドリールーム15の第2スペース15bについて、第1方向Xの長さL2を第1スペース15aの第1方向Xの長さL1よりも小さくしたが(L2<L1)、これを変更して、長さL2を長さL1と同じ大きさとしてもよいし、長さL2を長さL1よりも大きくしてもよい。但し、洗濯等の作業を行う第1スペース15aについてより広いスペースを確保する上では、L2<L1とするのが望ましい。
また、上記実施形態では、第2スペース15bについて、第2方向Yの長さL4を第1スペース15aの第2方向Yの長さL3よりも小さくしたが(L4<L3)、これを変更して、長さL4を長さL3と同じ大きさとしてもよい。但し、各出入口34,61の間の距離を小さくして、廊下19側からランドリールーム15を経由してバルコニー28へ移動する際の動線の短縮化を図る上では、L4<L3とするのが望ましい。
(2)上記実施形態では、ランドリールーム15を挟んで対向する各出入口34,61の開閉体36,62のうち、開閉体36についてはランドリールーム15側へ開く開き戸とし、開閉体62についてはバルコニー28側へ開く開き戸としたが、これらの開閉体36,62は必ずしもかかる開き戸とする必要はない。例えば、各開閉体36,62のうち少なくともいずれかについて、上記実施形態とは反対側に開く開き戸としてもよい。また、各開閉体36,62のうち少なくともいずれかを引き戸としてもよい。
(3)上記実施形態では、ランドリールーム15に洗濯機46に加え、物干し部48やアイロン台49を設置したが、物干し部48及びアイロン台49の少なくともいずれかをランドリールーム15に設けないようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、洗濯機46が設置されたランドリールーム15を脱衣室13とは別に設けることで、ランドリールーム15を洗濯専用の部屋としたが、住宅によっては脱衣室に洗濯機を設置することで脱衣室をランドリールームとして兼用する場合がある。そこで、こうした脱衣室兼用のランドリールームに本発明を適用してもよい。
(5)上記実施形態では、直線状に延びる廊下19にランドリールーム15を隣接させたが、例えば平面視にてL字状をなす廊下にランドリールーム15を隣接させてもよい。具体的には、ランドリールーム15の2面にL字状の廊下が隣接されるようにする。そして、ランドリールーム15の2面のそれぞれに、廊下からランドリールームへの出入口を設けるようにする。この場合、それら各出入口のうち一方の出入口をバルコニー28への出入口61とランドリールームを挟んで対向配置させるようにする。このような構成であっても、洗濯動線の短縮化を図るという効果を得ることができる。なお、かかる構成では、各出入口のうち、上記一方の出入口が「第1出入口」に相当し、他方の出入口が「第2出入口」に相当する。
(6)上記実施形態では、二階建ての住宅10に本発明を適用したが、平屋建て(一階建て)や三階建て以上の住宅に本発明を適用してもよい。例えば、三階建ての住宅に本発明を適用する場合、住宅には、二階部分20から一階部分に通じる階段24に加え、二階部分20から三階部分に通じる階段部が設けられることになる。そして、この三階部分へ通じる階段部についてもホール25に隣接させて配置することが考えられる。このような構成とすれば、三階部分から階段部を通じてバルコニー28へ移動する際に、動線の短縮化を図ることができる。そのため、三階部分からバルコニー28へ洗濯物の取り込みのために移動する際、速やかに移動することが可能となる。なお、この場合、三階部分が「隣接階」に相当することになる。