JP2020010835A - 調理支援方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の食事を同時、かつ、個別に機械調理するとき、食事被提供者各人に提供される個々の食事の食中毒リスクを低減させる。【解決手段】一の配膳トレイを選択し、該一の配膳トレイ上の各食器表面の温度である食器目標温度を測定すると共に、各食器内の食材の中心温度を測定するステップと、各食器内の食材の中心温度が、調理の際の満たすべき温度条件である食物目標温度条件を満たしていることを確認するステップと、他の配膳トレイ上の各食器の表面温度を測定するステップと、他の配膳トレイ上の各食器の表面温度が、一の配膳トレイ上で同じ位置に載置される食器に関する食器目標温度に基づく所定の条件を満たす場合、表面温度を測定した食器内の食材が食物目標温度条件を満たしていると判定するステップと、を含む。【選択図】図6

Description

食材の調理状態を推定する技術に関する。
近年、多数の食事被提供者がいる病院や老人ホームなどでは、食器の中に配置した食材を自動で加熱調理する調理器の導入が進められ、調理作業の負担軽減、食中毒リスクの解消、味の改善を両立させようとする試みが行われている。
一方、機械によって調理を行うとはいえ、食事被提供者への配膳は人が行うことが多い中、調理済みの食器は高温になっているため、配膳作業を行う者は、やけど等に注意しなければならない。
そのような背景下、機械によって自動調理を行う場合、調理・配膳を行う者に注意喚起を行う技術に関し技術開発が行われており、例えば、特許文献1では、調理容器の過熱部位をユーザに適切に知らせることができる調理支援方法について提案がなされている。
特開2017−194449号公報
しかしながら、上記の従来技術においては、複数の食事を同時、かつ、個別に機械調理するとき、食事被提供者各人に提供される個々の料理に関する食中毒のリスクを低減させることができないという問題点を有する。
そこで本発明では、上記問題点に鑑み、複数の食事を同時、かつ、個別に機械調理するとき、食事被提供者各人に提供される個々の食事の食中毒リスクを低減させる調理支援方法を提供することを目的とする。
開示する調理支援方法の一形態は、配膳トレイ上の所定の位置に載置される複数の食器を個別に加熱し、各前記食器内に配置される食材の調理を行う調理器であって、2つ以上の前記配膳トレイそれぞれの同じ位置に載置される前記食器に対し同一の加熱調理制御が行われる前記調理器において、前記2つ以上の配膳トレイそれぞれの同じ位置に載置され同時に調理される前記食材の調理状態を確認する調理支援方法であって、一の前記配膳トレイを選択し、該一の配膳トレイ上の前記各食器表面の温度である食器目標温度を測定すると共に、前記各食器内の食材の中心温度を測定するステップと、前記各食器内の食材の中心温度が、調理の際の満たすべき温度条件である食物目標温度条件を満たしていることを確認するステップと、他の前記配膳トレイ上の前記各食器の表面温度を測定するステップと、前記他の配膳トレイ上の前記各食器の表面温度が、前記一の配膳トレイ上で同じ位置に載置される前記食器に関する前記食器目標温度に基づく所定の条件を満たす場合、前記表面温度を測定した前記食器内の前記食材が前記食物目標温度条件を満たしていると判定するステップと、を含む。
開示する調理支援方法は、複数の食事を同時、かつ、個別に機械調理するとき、食事被提供者各人に提供される個々の食事の食中毒リスクを低減させる。
本実施の形態に係る配膳トレイ及び配膳トレイ上に載置される食器の一例を示す図である。 本実施の形態に係る配膳トレイ上面の一例を示す図である。 本実施の形態に係る電磁調理器における配膳トレイ設置部位(トッププレート)の透視図の一例である。 本実施の形態に係る電磁調理器における電磁誘導加熱の原理を説明する図である。 本実施の形態に係る電磁調理器の一例を示す図である。 本実施の形態に係る調理支援方法の流れを示すフローチャートである。
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る電磁調理器の概要)
図1乃至5を用いて、本実施の形態に係る電磁調理器24について説明する。図1で示すように、電磁調理器24は、配膳トレイ2、8を収納することが可能であり、配膳トレイ2、8上に複数の食器4、10を載置させ、配膳トレイ2、8下かつ各食器に対応させ配置される電磁誘導コイル26が発する電磁波を利用して各食器を電磁誘導加熱し、各食器内に設置された食材6、12の調理を行う。
図2で示すように、配膳トレイ2、8上には、各食器を載置させる位置が分かるように目印28が付されている。また、図3で示すように、電磁調理器24は、配膳トレイ2、8の下であって、配膳トレイ2、8上の各食器を載置させる位置を示す目印28の下位置に、各食器を電磁誘導加熱するための電磁誘導コイル26を備えている。
また、配膳トレイ2、8上に載置される食器は、2層構造で構成され、このうち内側層が誘導加熱可能で且つ熱伝導率の高いステンレス等の金属で形成され、外側層が高い耐熱性を有するとともに内側層よりも熱伝導率の低い樹脂で形成される。
図4で示すように、渦巻状のコイルである電磁誘導コイル26に高周波の電流を流すと、電磁誘導の法則に従って電磁誘導コイル26の周辺に磁力線が発生し、磁力線が食器(金属)を通過するときに、食器の内部に無数の渦電流を発生させる。渦電流が流れるとき、食器内の金属において電気抵抗熱が発生し、この熱を利用して食器に配置された食材6、12の調理を行う。なお、電磁調理器24側で行う食器の加熱度合いの調整は、電磁誘導コイル26に流す電流の大きさを変化させることにより行う。
図5で示すように、電磁調理器24は、複数の配膳トレイ2、8を収納(設置)することができ、複数の配膳トレイ2、8上に載置された食器を同時に加熱調理することが可能である。一方で、電磁調理器24は、機能・構成の関係上、複数の配膳トレイ2、8のうち所定の規則によってグループ分けされた一部又は全部の配膳トレイ2、8が含まれる群毎に、同一の加熱調理制御が行われる。ここで「群」とは、例えば、電磁調理器24内で同一列に設置された複数の配膳トレイ2、8や電磁調理器24内で同一の高さに設置された複数の配膳トレイ2、8等、所定領域内に設置される複数の配膳トレイ2、8を一括りとして捉える概念である。
電磁調理器24は、同一群内に含まれる複数の配膳トレイ2、8上であって、各配膳トレイ2、8の同一の位置に載置される食器に対しては、同一の加熱調理制御を行う。つまり、電磁調理器24は、同一群内に含まれる複数の配膳トレイ2、8上であって、各配膳トレイ2、8の同一の位置に載置される食器内の食材6、12に対し、同一の熱量が提供(供給)されるように電磁誘導コイル26に流す電流の大きさを制御する。これは電磁調理器24が、同じ内容の食事を一度に複数調理することができるように設計されていることに基づくものである。
ここで、電磁調理器24において調理された食材6、12が、食中毒の原因菌を死滅させることを含む衛生管理条件を満たしているか否かを確認するためには、全数検査を行わねばならない。しかし、それでは作業負担が過大であるため、作業負担の大きさと食中毒リスク解消の程度とのバランスを取る方法として、下記で説明する調理支援方法1が案出された。
(本実施の形態に係る調理支援方法の流れ)
図6を用いて、本実施の形態に係る調理支援方法1の流れについて説明する。図6は、調理支援方法1の流れの一例を示すフローチャートである。
S10で、特定の配膳トレイ2を選択する。調理支援方法1において、調理された食物6、12が所定の衛生管理条件を満たしているか否かを判定するための基準となるデータを測定するためである。
S20で、S10において選択した配膳トレイ2上に載置される食器4について、その表面温度14を熱画像カメラ(サーモグラフィー)22にて計測する。食器4の表面温度14は、後述する判定手続の基準となるデータとして、食器目標温度16と呼ぶ場合もある。なお、食器4の表面温度14の測定方法は、熱画像カメラ22を用いる方法以外であっても良く、そのとき非接触の方法である方が好適である。
またS20で、S10において食器4上に載置される調理済みの食材6について、その中心温度18を計測する。調理支援方法1において、調理済みの食材12が所定の衛生管理条件を満たしているか否かを判定するための条件を定めるために行うものである。なお、温度14、18の測定は、食中毒の原因菌を死滅させることを含む衛生管理条件として設定される、調理終了から所定時間経過後に行われる。
S30で、S20において計測した調理済みの食材6の中心温度18が、調理の際の満たすべき温度条件である食物目標温度条件20を満たしていることを確認する。食物目標温度条件20とは、食中毒の原因菌を死滅させるための条件を含む衛生管理に関する条件であり、例えば、所定温度で所定時間以上加熱することなどの条件である。
S40で、S20において計測した食器目標温度16に基づいて、食器の表面温度14について、食器の表面温度14が所定の温度条件を満たしていれば、その食器内の調理済み食材の中心温度18も食物目標温度条件20を満たすと見做すことができる条件を設定する。食器の表面温度14とその食器内の調理済み食材の中心温度18との間には、一定の関係性が有ると推定できるからである。ここで、設定される条件とは、例えば、食器10の表面温度14が食器目標温度16以上であること、食器10の表面温度14が「食器目標温度16±所定温度」以上であること、食器10の表面温度14が食器目標温度16±所定温度以内であること、などが考えられるが、これら以外でも内容は特に限定されない。
S50で、S10において選択した配膳トレイ2以外の配膳トレイ8上に載置される食器10の表面温度14を熱画像カメラ22にて測定する。なお、食器4の表面温度14の測定方法は、熱画像カメラ22を用いる方法以外であっても良く、そのとき非接触の方法である方が好適である。
S60で、配膳トレイ8上の各食器10の表面温度16が、配膳トレイ2上で同じ位置に載置される食器4に関しS40において設定した所定の条件を満たすか否かを確認する。所定の条件が満たされる場合(S60でYes)、手続(処理)は、S70へ移行する。所定の条件が満たされない場合(S60でNo)、手続(処理)は、S80へ移行する。
S70で、S60において確認した食器10内の調理済み食材12について、その中心温度18が、調理の際の満たすべき温度条件である食物目標温度条件20を満たしていると推定(判定)する。そのように推定しても問題ないように、S40において食器10の表面温度14に関する条件を設定している。
S80で、S60において確認した食器10内の調理済み食材12について、その食材12の中心温度18が、調理の際の満たすべき温度条件である食物目標温度条件20を満たしていることを実地で測定し確認する。S60において、対応する調理済み食材12の調理状態が食物目標温度条件20を満たしていると推定できないので、安全のため、そのことを実地で測定、確認するものである。
上記では、調理器24として電磁誘導式加熱調理器を例に挙げて説明を行った。しかし、調理支援方法1において、電磁波(電波)によって水分を含んだ食材を発熱させる調理器、温風によって食材を加熱する調理器など、電磁誘導式加熱調理器以外の原理に基づき食材を加熱する調理器であっても、電磁誘導式加熱調理器と置換可能である。
また上記では、調理形態として食材の加熱に関し説明を行っているが、食材を冷却して調理する場合についても、調理支援方法1の原理は転用可能である。
なお、調理支援方法1によって測定・確認された結果を所定の期間、記憶手段に保存することによって、食材6、12の調理状況について、追跡調査を行うことができるようにしても良い。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
1 調理支援方法
2 一の配膳トレイ
4 一の配膳トレイ上の食器
6 一の配膳トレイ上の食器内で調理される食材
8 他の配膳トレイ
10 他の配膳トレイ上の食器
12 他の配膳トレイ上の食器内で調理される食材
14 食器表面の温度
16 食器目標温度
18 食材の中心温度
20 食物目標温度条件
22 熱画像カメラ
24 調理器(電磁調理器)
26 電磁誘導コイル
28 (配膳トレイ上の)目印
30 調理器の棚(トッププレート)

Claims (6)

  1. 配膳トレイ上の所定の位置に載置される複数の食器を個別に加熱し、各前記食器内に配置される食材の調理を行う調理器であって、2つ以上の前記配膳トレイそれぞれの同じ位置に載置される前記食器に対し同一の加熱調理制御が行われる前記調理器において、前記2つ以上の配膳トレイそれぞれの同じ位置に載置され同時に調理される前記食材の調理状態を確認する調理支援方法であって、
    一の前記配膳トレイを選択し、該一の配膳トレイ上の前記各食器表面の温度である食器目標温度を測定すると共に、前記各食器内の食材の中心温度を測定するステップと、
    前記各食器内の食材の中心温度が、調理の際の満たすべき温度条件である食物目標温度条件を満たしていることを確認するステップと、
    他の前記配膳トレイ上の前記各食器の表面温度を測定するステップと、
    前記他の配膳トレイ上の前記各食器の表面温度が、前記一の配膳トレイ上で同じ位置に載置される前記食器に関する前記食器目標温度に基づく所定の条件を満たす場合、前記表面温度を測定した前記食器内の前記食材が前記食物目標温度条件を満たしていると判定するステップと、を含む調理支援方法。
  2. 配膳トレイ上の所定の位置に載置される複数の食器を前記配膳トレイ下かつ各前記食器に対応させて配置される電磁誘導コイルが発する電磁波を利用して前記各食器を電磁誘導加熱し前記各食器内に配置される食材の調理を行う電磁調理器であって、2つ以上の前記配膳トレイそれぞれの同じ位置に載置される前記食器に対し同一の加熱調理制御が行われる前記電磁調理器において、前記2つ以上の配膳トレイそれぞれの同じ位置に載置され同時に調理される前記食材の調理状態を確認する調理支援方法であって、
    一の前記配膳トレイを選択し、該一の配膳トレイ上の前記各食器表面の温度である食器目標温度を測定すると共に、前記各食器内の食材の中心温度を測定するステップと、
    前記各食器内の食材の中心温度が、調理の際の満たすべき温度条件である食物目標温度条件を満たしていることを確認するステップと、
    他の前記配膳トレイ上の前記各食器の表面温度を測定するステップと、
    前記他の配膳トレイ上の前記各食器の表面温度が、前記一の配膳トレイ上で同じ位置に載置される前記食器に関する前記食器目標温度に基づく所定の条件を満たす場合、前記表面温度を測定した前記食器内の前記食材が前記食物目標温度条件を満たしていると判定するステップと、を含む調理支援方法。
  3. 前記温度の測定が、食中毒の原因菌を死滅させることを含む衛生管理条件として設定される調理終了から所定の時間経過後に行われ、前記食物目標温度条件が、所定の目標温度以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の調理支援方法。
  4. 前記他の配膳トレイ上の前記各食器の表面温度が、前記一の配膳トレイ上で同じ位置に載置される前記食器に関する食器目標温度に基づく所定の条件を満たさない場合、該所定の条件を満たさないとされた前記食器内の前記食材の中心温度を個別に測定し、測定した前記食材の中心温度が前記食物目標温度条件を満たしていることを確認するステップを含む請求項1乃至3の何れか一に記載の調理支援方法。
  5. 前記食器の表面温度が、熱画像カメラを使用して非接触の方法によって測定される請求項1乃至4の何れか一に記載の調理支援方法。
  6. 請求項1乃至5の何れか一に記載の前記調理支援方法によって確認された結果を所定の期間保存する追跡調査対応方法。

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