JP2020008238A - グロープラグ、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グロープラグの端子−金具間で電解反応を抑制する。【解決手段】グロープラグ1は、主体金具3、中軸5、セラミックヒータ7(発熱体)、絶縁体9、Oリング11、外筒13、ピン端子15(金属部材)が組み合わされて構成されている。絶縁体9は、母材71と、母材71の表面に設けられた第1被覆層73と、を備えている。第1被覆層73は、絶縁体9の外部に露出する露出面69Aに少なくとも形成されている。絶縁体9の露出面69Aに液滴が付着しようとしても、液滴は第1被覆層73により弾かれる。従って、ピン端子15と主体金具3との間の絶縁抵抗が極端に低下することが抑制され、その結果、ピン端子15と主体金具3との間で起こり得る電解反応が抑制される。【選択図】図2

Description

本発明はグロープラグ、及びその製造方法に関する。
近年では、ディーゼルエンジンの高性能化による高温耐久性の要望から、グロープラグの需要が高くなっている。例えば、特許文献1〜3のグロープラグが知られている。
特許文献1のグロープラグは、発熱体から延びる金属製の中軸と、中軸の外周を覆う金属製の主体金具と、中軸と主体金具との間に配置される絶縁体と、中軸に接続すると共に、絶縁体よりも後端側に配置される端子部(金属部材)と、を備えて構成されている。
このような、グロープラグに電圧を印加する場合、端子部はプラスの電気を帯び、主体金具側はマイナスの電気を帯びる。上述のように、端子部と主体金具の間には絶縁部材である絶縁体が配置されており、両者が電気的に導通しないようにされている。
特開2010−181068号公報 特開2010−48458号公報 特開2004−132688号公報
ところで、自動車の使用環境においてはエンジンルーム内に水や海水からなる電解質を含んだ液滴が侵入してくることが想定される。この場合には、エンジンより突出したグロープラグの主体金具や端子部に液滴が付着する可能性がある。更には、絶縁体周辺に液滴が付着すると、端子−金具間の絶縁抵抗が極端に低下する。
仮に液滴が付着したままグロープラグに電圧が印加されると、端子部−主体金具間で電解反応が起こり、正の電極側である端子部が著しく腐食される懸念があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、端子部−主体金具間で電解反応を抑制することを目的とする。本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)軸線方向に延びる棒状の発熱体と、
前記発熱体から前記軸線方向の後端側に向かって延びる金属製で棒状の中軸と、
前記中軸の外周を覆う金属製で筒状の主体金具と、
前記中軸と前記主体金具との間に配置される筒状の絶縁体と、
前記中軸に接続すると共に、前記絶縁体よりも前記軸線方向の後端側に配置される金属部材と、
を備えるグロープラグであって、
前記絶縁体は、前記主体金具よりも前記軸線方向の後端側に突出して外部に露出してなり、
前記絶縁体は、母材と、前記母材の表面に設けられた第1被覆層と、を備え、
前記第1被覆層は、前記母材よりも撥水性を有するフッ素化合物を含んでおり、
前記第1被覆層は、前記絶縁体の表面のうち外部に露出する露出面に少なくとも形成されているグロープラグ。
このグロープラグでは、絶縁体は、主体金具よりも軸線方向の後端側に突出して外部に露出している。絶縁体は、母材と、母材の表面に設けられた第1被覆層と、を備えている。第1被覆層は、母材よりも撥水性を有するフッ素化合物を含んでいる。第1被覆層は、絶縁体の表面のうち外部に露出する露出面に少なくとも形成されている。
このように、絶縁体の表面のうち外部に露出する露出面には、母材よりも撥水性を有するフッ素化合物を含む第1被覆層が形成されているから、金属部材−主体金具間での電解反応を抑制することができる。
(2)前記絶縁体の表面の略全体に、前記第1被覆層が形成されている(1)に記載のグロープラグ。
従来のグロープラグでは、絶縁体は、主体金具と中軸との間に配置されるものの、絶縁体と主体金具との間、又は絶縁体と中軸との間に若干の隙間が存在することがあり、この隙間に電解質を含んだ液滴が侵入してくることも想定される。
本構成では、絶縁体の表面の略全体には、第1被覆層が形成されているから、絶縁体周りの隙間に電解質を含んだ液滴が侵入することが抑制される。従って、金属部材−主体金具間での電解反応がさらに抑制される。
(3)前記母材は、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上を主成分として含有してなる(1)又は(2)に記載のグロープラグ。
絶縁体に撥水性を持たせる場合に、絶縁体自体をフッ素系樹脂で構成することも考えられる。しかし、フッ素系樹脂は強度が弱い。
本構成によれば、絶縁体の母材は、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレートからなる群から選択される1種以上を主成分として含有してなる。よって、絶縁体の強度を確保することができる。
(4)前記金属部材の表面、及び/又は前記主体金具の表面に、前記フッ素化合物を含有する第2被覆層が形成されている請求項(1)〜(3)のいずれか1項に記載のグロープラグ。
グロープラグの表面は、主体金具、絶縁体、及び金属部材がこの順で並んだ状態とされている。この場合に、グロープラグの表面に付着した電解質を含んだ液滴は、絶縁体に接触せずに、主体金具と金属部材との間に橋渡しされるおそれがある。
本構成では、金属部材、及び/又は主体金具にフッ素化合物を含有する第2被覆層が形成されているから、電解質を含んだ液滴が、絶縁体に接触せずに、主体金具と金属部材との間に橋渡しされるおそれが減少する。従って、金属部材−主体金具間での電解反応が抑制される。
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載のグロープラグの製造方法であって、
前記母材の表面に前記フッ素化合物を含有した液体を塗布して前記第1被覆層を形成するグロープラグの製造方法。
本構成の製造方法では、金属部材−主体金具間での電解反応を抑制したグロープラグの製造が容易である。
(6)(1)〜(4)のいずれか1項に記載のグロープラグの製造方法であって、
フッ素系化合物を含有させた前記母材の材料にて前記絶縁体を成形する際に、前記母材の材料に含有した前記フッ素化合物により前記第1被覆層を形成するグロープラグの製造方法。
本構成の製造方法では、金属部材−主体金具間での電解反応を抑制したグロープラグの製造が容易である。
第1実施形態のグロープラグの断面概略図である。 第1実施形態のグロープラグの特徴部分の断面概略図である。 第2実施形態のグロープラグの特徴部分の断面概略図である。 第3実施形態のグロープラグの特徴部分の断面概略図である。 第3実施形態の作用効果を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「〜」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10〜20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10〜20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
<第1実施形態>
1.グロープラグ
図1を参照して、本発明のグロープラグ1の一実施形態を説明する。グロープラグ1は、概略、主体金具3、中軸5、セラミックヒータ7(「発熱体」に相当)、絶縁体9、Oリング11、外筒13、ピン端子15(「金属部材」に相当)が組み合わされて構成されている。なお、本明細書では、グロープラグ1におけるセラミックヒータ7側を「先端側」と呼び、ピン端子15側を「後端側」と呼ぶ。
筒状の主体金具3の内周側には、後端側へ一端を突出させた棒状の中軸5が収容されている。すなわち、主体金具3は、中軸5の外周を覆っている。中軸5の先端側にはセラミックヒータ7が接続されている。主体金具3の先端部には外筒13が接合されている。この外筒13にセラミックヒータ7が保持されている。主体金具3の後端側はOリング11、絶縁体9が中軸5と主体金具3との間隙に挿入されている。絶縁体9の後端側では、ピン端子15が、中軸5を周方向から囲んだ状態で固定されている。ピン端子15は、中軸5と電気的に接続されている。なお、理想的には、主体金具3、中軸5、セラミックヒータ7、絶縁体9、Oリング11、外筒13、及びピン端子15は、グロープラグ1の軸線Oを同一の軸線として形成されていることが好ましい。
主体金具3は、金属製(例えば、S45C相当の鉄系素材製)で筒状をなしている。主体金具3の外周面にはディーゼルエンジン(図示しない)への取り付けのための雄ねじ27、取り付け工具が係合する工具係合部19が形成されている。主体金具3の内周には軸孔21が形成されている。主体金具3の後端部には、後端側に向かって軸孔21を拡径する主体金具側テーパ23、及びこの主体金具側テーパ23の更に後端側に隣接して大径孔25が形成されている。
中軸5は、金属製であり、セラミックヒータ7から軸線方向(軸線Oの方向)の後端側に向かって延びる棒状の形態とされている。中軸5の先端部には、セラミックヒータ7との導通用のリング部材29と嵌合している中軸嵌合部31が形成されている。中軸嵌合部31の後端側には中軸先端径大部33が形成されている。中軸嵌合部31と中軸先端径大部33との間には位置決め端面35が形成されている。位置決め端面35にリング部材29の後端面が当接して接合されている。中軸先端径大部33の後端側には、中軸先端径大部33より径小の応力緩和部37を備え、中軸5に応力がかかったときに、この応力緩和部37が屈曲することにより、セラミックヒータ7や中軸5が損傷、折損してしまうことを防ぐ構造とされている。
セラミックヒータ7は、棒状の絶縁性セラミック基体41に導電性セラミックからなる発熱部43及びリード部45が埋設された構造となっている。セラミックヒータ7の内部の先端側に位置する発熱部43は、導電性セラミックが略U字状に形成されている。この発熱部43の後方には、後方へ向かって延びる2本のリード部45,45が形成されている。なお、リード部45,45の一方はセラミックヒータ7の後端部において、リング部材29と導通できるように電極取出部51が絶縁性セラミック基体41の表面に露出して形成されている。リード部45,45の他方は、電極取出部51より先端側にて、外筒13と導通できるように電極取出部55が同様に形成されている。
外筒13は、金属製(例えば、ステンレス製)の筒状体である。外筒13の内部には、セラミックヒータ7が圧入保持される軸孔57が形成されている。軸孔57の内周面と電極取出部55が接触して導通している。外筒13の後端は、主体金具3に嵌合する径小部61とされている。径小部61の先端側には、径方向に突出するフランジ63が形成されている。フランジ63の先端側には、先端に向かって径小となるテーパ65が形成されている。テーパ65は図示しないディーゼルエンジンへ取り付けられた際に、燃焼室との気密を確保するシール部として機能する。
グロープラグ1の後端部には、図示しない外部の電源から電力を供給するコードが接続される端子部が形成される。端子部は、主体金具3の後端面から、更に後端側に突出させた中軸5を内包するように、ピン端子15をその円周方向から加締めて形成されている。端子部は、ピン端子15を要素として含んで構成されている。
ここで、本実施形態の特徴である絶縁体9の構成について詳細に説明する。
絶縁体9は、主体金具3よりも後端側に突出して外部に露出している。絶縁体9の後端には、径方向に突出するフランジ69が形成されている。フランジ69の外周面の一部が、外部に露出する露出面69Aとされている。
絶縁体9は、母材71と、母材71の表面に設けられた第1被覆層73と、を備えている(図2参照)。第1被覆層73は、図中、太い線で示されている(以下、同じ)。
母材71は、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上を主成分として含有してなる。ここで、主成分とは、含有率(重量%)が50重量%以上の物質をいう。
第1被覆層73は、母材71よりも撥水性を有するフッ素化合物を含んでいる。フッ素化合物としては、撥水性を有すれば特に限定されない。
フッ素化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、パーフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレンの各種樹脂を用いることができる。フッ素化合物としては、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤、パーフルオロアルキル基を有する樹脂が好適に用いられる。また、フッ素化合物として、フルオロアルキルペンダント基やフルオロアルケニルペンダント基などのフッ化炭素基を有するアクリル樹脂、フルオロアルキルペンダント基やフルオロアルケニルペンダント基などのフッ化炭素基を有するビニル樹脂なども用いることもできる。フッ素化合物は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
フッ素化合物を含む撥液剤としては、例えば、セイミケミカル社製のエスエフコート、セイミケミカル社製のサーフロンを例示することができる。
第1被覆層73の厚みは、特に限定されない。第1被覆層73の厚みは、良好な撥水性を担保するという観点からは、0.1〜1000μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
第1被覆層73は、絶縁体9の外部に露出する露出面69Aに形成されている。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態のグロープラグ1では、絶縁体9の表面のうち外部に露出する露出面69Aに、母材71よりも撥水性を有するフッ素化合物を含む第1被覆層73が形成されている。よって、ピン端子15と主体金具3との間で起こり得る電解反応を抑制することができる。
具体的には以下の作用効果を生ずる。自動車の使用環境においてはエンジンルーム内に水や海水からなる電解質を含んだ液滴が侵入してくる場合がある。この場合に、絶縁体9に液滴が付着すると、ピン端子15と主体金具3との間の絶縁抵抗が極端に低下する。仮に液滴が付着したままグロープラグ1に電圧が印加されると、ピン端子15と主体金具3との間で電解反応が起こり、正の電極側であるピン端子15が著しく腐食される懸念される。本実施形態のグロープラグ1では、絶縁体9の表面のうち外部に露出する露出面69Aに、母材71よりも撥水性を有するフッ素化合物を含む第1被覆層73が形成されている。よって、絶縁体9の露出面69Aに液滴が付着しようとしても、液滴は第1被覆層73により弾かれる。従って、ピン端子15と主体金具3との間の絶縁抵抗が極端に低下することが抑制され、その結果、ピン端子15と主体金具3との間で起こり得る電解反応が抑制される。
また、絶縁体9の母材71は、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレートからなる群から選択される1種以上を主成分として含有している場合には、以下の効果を奏する。すなわち、この場合には、絶縁体9の強度を十分に確保することができる。
2.グロープラグの製造方法
第1実施形態のグロープラグ1の製造方法の一例を説明する。グロープラグ1を製造する際には、まず、リング部材29内にセラミックヒータ7を挿入固定する。なお、リング部材29内にセラミックヒータ7を挿入固定する方法としては、圧入やロウ付け等が挙げられる。これにより、電極取出部51がリング部材29の内壁に接触して、リード部45とリング部材29とが電気的に接続される。
その後、外筒13にセラミックヒータ7を圧入し、外筒13の先端からセラミックヒータ7の先端部を突出させる。これにより、電極取出部55が外筒13の内壁に接触して、リード部45と外筒13とが電気的に接続される。
その後、リング部材29に中軸5の先端側を圧入、溶接する。そして、セラミックヒータ7、外筒13、リング部材29、中軸5が一体となった部材を主体金具3に組み付け、外筒13と主体金具3とを溶接、ロウ付け等により接合する。その後、主体金具3及び中軸5の後端部の間に、Oリング11及び絶縁体9を配置し、中軸5の後端に更にピン端子15を取り付けて、グロープラグ1が完成する。
第1実施形態では、絶縁体9は、好適には、次のようにして製造することができる。
まず、母材71の主成分たる熱可塑性樹脂と、必要に応じて添加剤と、を含有する熱可塑性樹脂組成物(母材材料)を用意する。そして、母材材料を成形して母材71とする。成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法が挙げられる。
次に、母材71の表面にフッ素化合物を含有した液体を塗布して第1被覆層73を形成する。母材71の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スライドコーティング法等が挙げられる。
このように製造された絶縁体9を用いれば、ピン端子15と主体金具3との間で起こり得る電解反応を抑制したグロープラグ1の製造を容易に行うことができる。
また、絶縁体9は、次のようにして製造することもできる。
まず、母材71の主成分たる熱可塑性樹脂と、フッ素系化合物と、必要に応じて他の添加剤と、を少なくとも含む混合物を溶融混練することにより樹脂組成物(母材材料)を製造する。溶融混練の手段としては公知の手段が適宜用いられる。例えば、溶融混練の手段として、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
そして、母材材料を成形して母材71とする。成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法が挙げられる。
この製造方法では、フッ素系化合物を含有させた母材材料にて絶縁体9を成形する際に、母材材料に含有したフッ素化合物により第1被覆層73が形成される。この製造方法では、第1被覆層73の形成は、絶縁体9の成形とともに行われるから、第1被覆層73の形成を別工程とするよりも簡易である。フッ素化合物は、絶縁体9を成形する際に、自ら絶縁体9の表面へ移行し、絶縁体9の表面に撥水性を付与する。
以上のように製造された絶縁体9を用いれば、ピン端子15と主体金具3との間で起こり得る電解反応を抑制したグロープラグ1の製造を容易に行うことができる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態と、絶縁体9の表面において、第1被覆層73の形成されている場所が異なる。この点について、図3を参照しつつ説明する。なお、その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、同一構成部分に同一符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、絶縁体9の表面の略全体に、第1被覆層73が形成されている。
グロープラグ1では、図3で示すように、絶縁体9の周りに隙間が空いている場合がある。そして、この隙間に電解質を含んだ液滴が侵入してくることも想定される。
第2実施形態では、絶縁体9の表面の略全体には、第1被覆層73が形成されているから、絶縁体9周りの隙間に電解質を含んだ液滴が侵入することが抑制される。その結果、ピン端子15と主体金具3との間で起こり得る電解反応が抑制される。
なお、第2実施形態の場合には、ディップコーティング法を用いて、母材71の表面にフッ素化合物を含有した液体を塗布して第1被覆層73を形成することが、製造コストの観点から好ましい。
<第3実施形態>
第3実施形態は、ピン端子15の表面、及び主体金具3の表面に、フッ素化合物を含有する第2被覆層77が形成されている点が、第1実施形態と異なる。この点について、図4を参照しつつ説明する。なお、その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、同一構成部分に同一符号を付して説明を省略する。第2被覆層77は、図中、太い線で示されている。
グロープラグ1の表面は、主体金具3、絶縁体9、及びピン端子15がこの順で並んだ状態とされている。この場合に、図5に示すように、グロープラグ1の表面に付着した電解質を含んだ液滴は、絶縁体9に接触せずに、主体金具3とピン端子15との間に橋渡しされるおそれがある。なお、図5は、電解質を含んだ液滴が、絶縁体9に接触せずに、主体金具3とピン端子15との間に橋渡しされる様子を示している。符号Dは、液滴を示す。
第3実施形態では、ピン端子15、及び主体金具3にフッ素化合物を含有する第2被覆層77が形成されているから、電解質を含んだ液滴が、絶縁体9に接触せずに、主体金具3とピン端子15との間に橋渡しされるおそれが減少する。つまり、第3実施形態では、図5のような状態になるおそれが減少する。その結果、ピン端子15と主体金具3との間で起こり得る電解反応が抑制される。
<他の実施形態(変形例)>
なお、この発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
(1)上記実施形態では、グロープラグ1として、セラミックヒータ7を備えたグロープラグ1を一例として説明したが、発熱コイルを有するシースヒータを備えたグロープラグであってもよい。
(2)第3実施形態では、ピン端子15及び主体金具3の両方に、フッ素化合物を含有する第2被覆層77が形成されているグロープラグ1を示したが、第2被覆層77は、ピン端子15及び主体金具3のいずれか一方にのみ形成してもよい。
1 …グロープラグ
3 …主体金具
5 …中軸
7 …セラミックヒータ(発熱体)
9 …絶縁体
11 …Oリング
13 …外筒
15 …ピン端子(金属部材)
19 …工具係合部
21 …軸孔
23 …主体金具側テーパ
25 …大径孔
27 …雄ねじ
29 …リング部材
31 …中軸嵌合部
33 …中軸先端径大部
35 …位置決め端面
37 …応力緩和部
41 …絶縁性セラミック基体
43 …発熱部
45 …リード部
51 …電極取出部
55 …電極取出部
57 …軸孔
61 …径小部
63 …フランジ
65 …テーパ
69 …フランジ
69A…露出面
71 …母材
73 …第1被覆層
77 …第2被覆層
O …軸線
D …液滴

Claims (6)

  1. 軸線方向に延びる棒状の発熱体と、
    前記発熱体から前記軸線方向の後端側に向かって延びる金属製で棒状の中軸と、
    前記中軸の外周を覆う金属製で筒状の主体金具と、
    前記中軸と前記主体金具との間に配置される筒状の絶縁体と、
    前記中軸に接続すると共に、前記絶縁体よりも前記軸線方向の後端側に配置される金属部材と、
    を備えるグロープラグであって、
    前記絶縁体は、前記主体金具よりも前記軸線方向の後端側に突出して外部に露出してなり、
    前記絶縁体は、母材と、前記母材の表面に設けられた第1被覆層と、を備え、
    前記第1被覆層は、前記母材よりも撥水性を有するフッ素化合物を含んでおり、
    前記第1被覆層は、前記絶縁体の表面のうち外部に露出する露出面に少なくとも形成されているグロープラグ。
  2. 前記絶縁体の表面の略全体に、前記第1被覆層が形成されている請求項1に記載のグロープラグ。
  3. 前記母材は、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレートからなる群より選択される1種以上を主成分として含有してなる請求項1又は2に記載のグロープラグ。
  4. 前記金属部材の表面、及び/又は前記主体金具の表面に、前記フッ素化合物を含有する第2被覆層が形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のグロープラグ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のグロープラグの製造方法であって、
    前記母材の表面に前記フッ素化合物を含有した液体を塗布して前記第1被覆層を形成するグロープラグの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のグロープラグの製造方法であって、
    フッ素系化合物を含有させた前記母材の材料にて前記絶縁体を成形する際に、前記母材の材料に含有した前記フッ素化合物により前記第1被覆層を形成するグロープラグの製造方法。
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