JP2000065354A - グロープラグ及びその製造方法 - Google Patents

グロープラグ及びその製造方法

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JP2000065354A JP10234352A JP23435298A JP2000065354A JP 2000065354 A JP2000065354 A JP 2000065354A JP 10234352 A JP10234352 A JP 10234352A JP 23435298 A JP23435298 A JP 23435298A JP 2000065354 A JP2000065354 A JP 2000065354A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主体金具表面を覆うクロメート被膜の六価ク
ロム含有量が少なく、かつ従来のクロメート被膜と比較
して防食性能及び耐熱性に優れたグロープラグと、その
製造方法とを提供する。 【解決手段】 亜鉛メッキ層を形成した主体金具3”を
クロメート処理浴50中に浸漬することにより、その表
面にクロム成分が主に三価クロムからなる三価クロム系
クロメート層42aを形成する。そして、その三価クロ
ム系クロメート層42aが形成された主体金具3’を、
アルカリケイ酸塩を溶解させたケイ酸塩溶液51中に浸
漬し、乾燥させることにより、三価クロム系クロメート
層42a上に、珪素の酸化物を主体とするシリカ系層4
2cを形成する。これら三価クロム系クロメート層42
aとシリカ系層42cとを複合させた珪素複合クロメー
ト被膜42は、従来のクロメート被膜と比較して防食性
能が大幅に向上し、かつ耐熱性が劇的に改善される。そ
の結果、グロープラグの温度が上昇しやすい環境下にお
いても、主体金具の耐食性を十分に維持することができ
るようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ン予熱用等に使用されるグロープラグとその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなグロープラグは一般に、外
周面に取付用のねじ部が形成された主体金具の内側に、
該主体金具の一方の端面から先端の発熱部が突出する形
で抵抗発熱ヒータを配置した構造を有する。そして、上
記ねじ部により、エンジンヘッドに取り付けて使用され
る。
【0003】ところで主体金具は一般に炭素鋼等の鉄系
材料で構成され、その表面には防食のための亜鉛メッキ
が施されることが多い。亜鉛メッキ層は鉄に対しては優
れた防食効果を有するが、よく知られている通り、鉄上
の亜鉛メッキ層は犠牲腐食により消耗しやすく、また、
生じた酸化亜鉛により白く変色して外観も損なわれ易い
欠点がある。そこで多くのグロープラグでは、亜鉛メッ
キ層の表面をさらにクロメート被膜で覆い、メッキ層の
腐食を防止することが行われている。
【0004】ところで、グロープラグの主体金具に施さ
れるクロメート被膜としては、いわゆる黄色クロメート
被膜が用いられてきた。この黄色クロメート被膜は、防
食性能が良好であるため、例えば缶詰内面被覆等をはじ
め、グロープラグ以外の分野においても広く使用されて
きたものである。しかしながら、クロム成分の一部が六
価クロムの形で含有されていることが災いして、環境保
護に対する関心が地球規模で高まりつつある近年では、
次第に敬遠されるようになってきている。例えばグロー
プラグが多量に使用される自動車業界においては、廃棄
グロープラグによる環境への影響を考慮して、六価クロ
ムを含有するクロメート被膜の使用は将来全廃しようと
の検討も進められている。また、黄色クロメート被膜処
理の処理浴は、比較的高濃度の六価クロムを含有するも
のが使用されるから、廃液処理に多大なコストがかかる
難点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こうした流れを受け
て、六価クロムを含有しないクロメート被膜、すなわち
クロム成分の実質的に全てが三価クロムの形で含有され
ている被膜の開発が、比較的早くから進められてきた。
その処理浴は概して六価クロム濃度が低く、中には六価
クロムを全く含有しない浴も開発されていて、廃液処理
の問題も軽減されている。しかしながら、三価クロム系
のクロメート被膜は、黄色クロメート被膜に比べて防食
性能が劣るという大きな欠点があり、グロープラグの主
体金具の被覆用被膜としては、広く用いられるに至って
いない。また、黄色クロメート被膜を含め、クロメート
被膜は耐熱性に劣るという共通の欠点がある。
【0006】本発明の課題は、主体金具表面を覆うクロ
メート被膜の六価クロム含有量が少なく、かつ従来のク
ロメート被膜と比較して防食性能及び耐熱性に優れたグ
ロープラグと、その製造方法とを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために、本発明のグロープラグは、主体金具
内に抵抗発熱ヒータを、その先端部が該主体金具の一方
の端面から突出するように配置した構造を有し、さら
に、カチオン系成分が主にクロムと珪素であり、含有さ
れるクロム成分の90重量%以上が三価クロムである珪
素複合クロメート被膜によって、主体金具の表面が被覆
されていることを特徴とする。
【0008】なお、「カチオン系成分」とは、被膜をX
線光電子分光法(XPSあるいはESCA)により分析
したときに得られる光電子スペクトルにおいて、着目し
ている成分の結合エネルギーピークに、イオン価数が正
となる向きの化学シフトが生じている成分のことをい
う。
【0009】上記構成においては、主体金具の表面に形
成されるのが、カチオン系成分の主体として珪素成分を
含有する珪素複合クロメート被膜であり、かつそのクロ
ム成分の90重量%以上がを三価クロムとなっている。
すなわち、通常の黄色クロメート被膜では、クロム成分
の25〜35重量%程度が六価クロムであるのに対し、
本発明の被膜では、クロム成分に対する六価クロムの含
有率が10重量%以下と少ないので、六価クロムを削減
しようとする環境対策上の効果を高めることができる。
また、使用されるクロメート処理液は、六価クロム成分
を全く含有しないか、含有していても黄色クロメート被
膜等の処理液と比較すればその量を大幅に削減できるの
で、排水処理の問題も生じにくい。
【0010】そして、本発明にて使用される珪素複合ク
ロメート被膜は、カチオン系成分として珪素成分を含ん
でいる点に特徴がある。複合クロメート被膜に珪素成分
が含有されることで、通常の三価クロム系クロメート被
膜と比較して防食性能が大幅に向上し、主体金具に腐食
に対する耐久性を十分に付与することができるようにな
る。また、珪素成分を複合させることで被膜の耐熱性が
劇的に改善され、グロープラグの温度が上昇しやすい環
境下においても、主体金具の耐食性を十分に維持するこ
とができるようになる。
【0011】グロープラグには、抵抗発熱ヒータに通電
するための通電端子軸が、その後端部を、主体金具の他
方の端面から突出させる形で配置され、その通電端子軸
の後端部に形成された雄ねじ部に対し、該通電端子軸に
通電ケーブルを固定するためのナットが螺合する構造を
有するものが多い。この場合、ナットの表面の少なくと
も一部を、上記珪素複合クロメート被膜によって被覆す
ることができる。これによって、主体金具とともにナッ
トに対しても、耐食性及び耐熱性を十分に付与すること
ができるようになる。
【0012】なお、珪素成分は、例えば酸素と結合した
形、すなわちシリカ等の珪素の酸化物の形で含有させる
ことができる。本明細書では、前述のXPSの光電子ス
ペクトルにおいて、+4又はこれに近い価数の珪素のピ
ークと、−2又はこれに近い価数の酸素のピークとが同
時に検出されれば、珪素成分は酸素と結合した形で含有
されているものと考える。
【0013】他方、クロメート被膜は、下地金属と、ク
ロメートイオンを含有する溶液との反応により形成され
るものであるが、この被膜形成反応は、三価クロムが水
酸基及び酸素のブリッジによってポリマー状の錯体を形
成することにより、下地金属表面状にゲル状に沈殿・堆
積する機構が主体になっているといわれている。三価ク
ロムに水酸基が結合すると、水酸基に含まれるプロトン
の影響で、クロムの価数は見掛け上+4にシフトする。
本明細書では、前述のXPSの光電子スペクトルにおい
て、三価クロムのピーク位置から概ね+4の価数に対応
する位置へ化学シフトしたピーク成分が観察されれば、
クロム成分はクロメート被膜の構成成分となっているも
のと考える。
【0014】クロメート処理は、下地金属を酸化溶出さ
せながら、クロム成分をいわば置換堆積させる一種の化
成処理である。従って、外部から電力を供給しない無電
解型のクロメート処理においては、下地金属はクロメー
ト処理浴中に溶出可能な金属である必要がある。グロー
プラグにおいて主体金具あるいはナットは、炭素鋼等の
鉄系材料で構成されるのが一般的であり、その表面には
防食のために、金属成分の主体が亜鉛からなる亜鉛系メ
ッキ層を形成することができる。この亜鉛系メッキ層
は、上記の意味において、クロメート被膜を形成するた
めの下地金属として好都合である。この場合、溶出した
亜鉛成分は、クロメート被膜中に取り込まれることが多
い。なお、亜鉛系メッキ層は公知の電解亜鉛メッキある
いは溶融亜鉛メッキにより形成することができる。
【0015】他方、電解クロメート処理法を採用すれ
ば、金属成分の主体がニッケルからなるニッケル系メッ
キ層等であっても、クロメート被膜を形成することがで
きる。
【0016】次に、形成するクロメート被膜を、本発明
の特徴部である珪素複合クロメート被膜とする方法に
は、例えばクロメート処理浴中に水溶性のシリカ系化合
物、例えば水ガラスなどのアルカリケイ酸塩を配合し
て、形成されるクロメート被膜中にシリカ成分を混在さ
せる形で取り込ませる方法がある。しかしながら、防食
性能(特に塩水噴霧試験に対する耐久性)及び耐熱性を
さらに向上させる観点においては、珪素複合クロメート
被膜は、次のような構造を有するものとするのがよい。
すなわち、珪素複合クロメート被膜を、カチオン系成分
の主体がクロム成分であり、かつそのクロム成分の90
%以上が三価クロムからなる三価クロム系クロメート層
と、珪素の酸化物を主体に構成され、三価クロム系クロ
メート層を直接又は他層を介して間接的に覆うシリカ系
層との少なくとも2層を含むものとする。
【0017】なお、三価クロム系クロメート層において
は、カチオン系成分の総重量に対し、クロム成分の総重
量が50重量%以上となっていればよく、残部が他のカ
チオン系成分、例えば珪素あるいは亜鉛、ニッケル等の
成分となっていてもよい。他方、シリカ系層も同様に、
カチオン系成分の総重量に対し、珪素成分の総重量が5
0重量%以上となっていればよく、残部が他のカチオン
系成分、例えばクロムあるいは亜鉛、ニッケル等の成分
となっていてもよい。
【0018】このような被膜形成は、例えば次のような
工程を含む本発明のグロープラグの製造方法により実現
できる。 クロメート処理工程:主体金具をクロメート処理浴中
に浸漬することにより、該主体金具の表面に、クロム成
分の90重量%以上が三価クロムからなる三価クロム系
クロメート層を形成する。 シリカ系層形成工程:その三価クロム系クロメート層
が形成された主体金具に対し、アルカリケイ酸塩を所定
の溶媒中に溶解させたケイ酸塩溶液を塗布した後、その
溶媒を蒸発させることにより、三価クロム系クロメート
層上に、珪素の酸化物を主体とするシリカ系層を形成す
る。この場合、シリカ系層は、カチオン系成分の主体が
アルカリ金属元素と珪素とからなる酸化物により主に構
成されるものとなる。
【0019】なお、ナットに対して被膜形成する場合
も、上記工程において主体金具をナットに置き換えるこ
とにより、全く同様の方法が適用できることはいうまで
もない。
【0020】上記のように、主体金具の表面にあらかじ
め三価クロム系クロメート層を形成しておき、その表面
をシリカ系層により覆うことで、被膜の防食性能をさら
に大幅に向上させることができる。また、被膜の耐熱性
は、従来の三価クロム系クロメート被膜はもちろん、六
価クロムを含有する黄色クロメート被膜をも凌駕するレ
ベルのものが達成される。
【0021】また、シリカ系層の形成には、高周波スパ
ッタリング、反応性スパッタリング、イオンプレーティ
ングあるいは化学蒸着法(CVD)など、気相成膜法を
使用してもよい。しかしながら、ケイ酸塩溶液の塗布に
よる上記方法によれば、クロメート処理後の主体金具
(あるいはナット)をケイ酸塩溶液中に浸漬したり、あ
るいはケイ酸塩溶液をスプレー噴霧等により塗布した
後、塗膜を乾燥させるのみで簡単にシリカ系層を形成で
きる。
【0022】なお、三価クロム系クロメート層とシリカ
系層との間には、それら両層の中間の含有比率にて三価
クロム成分と珪素成分とが混在する、三価クロム−珪素
混在層が形成されていてもよい。これにより、珪素複合
クロメート被膜の防食性能あるいは耐熱性をさらに向上
できる場合がある。例えば、上記のような三価クロム−
珪素混在層が形成されるということは、三価クロム系ク
ロメート層とシリカ系層との間に、一種の組成傾斜構造
が形成されるということであり、三価クロム系クロメー
ト層とシリカ系層との密着力向上や、加熱時のクロメー
ト層とシリカ系層との収縮率差に基づく応力軽減などの
効果により、上記のような被膜の性能改善が達成でき
る。
【0023】黄色クロメート被膜等において防食性能が
良好なのは、腐食環境下で被膜が破壊された場合も、含
有される六価クロムの働きにより三価クロムの網目構造
が修復されることがその要因であるといわれている。し
かしながら、三価クロム系クロメート層では、六価クロ
ムによるそのような修復効果は期待できないので、被膜
にピンホール等の欠陥が生じると、腐食の影響が亜鉛系
メッキ層等の下地へ直接及び、急速に腐食が進行してし
まうと考えられる。しかしながら、上記構成の珪素複合
クロメート被膜では、三価クロム系クロメート層がシリ
カ系層でいわばオーバーコートされる形となり、腐食の
影響が三価クロム系クロメート層ひいては下地層表面に
到達しにくくなり、防食性能が改善されるものと考えら
れる。
【0024】他方、従来のクロメート被膜が耐熱性に劣
るのは、クロメート被膜が加熱により収縮し、クラック
等の欠陥が生じやすいためであると考えられている。し
かしながら、上記の構成では、仮にクロメート層に上記
のような欠陥が生じたとしても、その表面が耐熱性の良
好なシリカ系層でオーバーコートされているため、防食
性能が劣化しにくくなるものと考えられる。
【0025】均一なシリカ系層を形成するためには、ケ
イ酸塩溶液と、下地となる三価クロム系クロメート層と
の間のぬれ性を良好にすることも重要である。例えば、
三価クロム系クロメート層にピンホールやクラック等の
欠陥(この場合、傷や異物付着等による下地の欠陥を引
き継いだものも含む)が形成されていると、これとぬれ
性のよくないケイ酸塩溶液を使用した場合に、欠陥内に
気泡等が残留しやすくなる。この場合、ケイ酸塩水溶液
中に適量の界面活性剤を配合することも有効である。
【0026】他方、クロメート処理工程が終了後、主体
金具の表面を未乾燥又は半乾燥の状態でこれをケイ酸塩
溶液中に浸漬することにより、シリカ系層形成工程を行
う方法もある。すなわち、クロメート処理終了後、未乾
燥又は半乾燥の状態の主体金具の表面には、若干水分を
含んだ状態で三価クロム系クロメート層が形成されてお
り、引き続き塗布されるケイ酸塩水溶液とのなじみも良
好となる。その結果、三価クロム系クロメート層に欠陥
が形成されていても、該欠陥内にケイ酸塩水溶液が十分
に浸透し、気泡等の残留が生じにくくなって被膜の防食
性能を良好なものとすることができる。
【0027】また、別の効果としては、形成された三価
クロム系クロメート層の表層部に残留するクロメート処
理液が、塗布されたケイ酸塩水溶液の一部と混合され、
前記した三価クロム−珪素混在層を形成しやすい利点が
ある。三価クロム−珪素混在層形成の効果についてはす
でに説明済みである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明のいくつかの実施の
形態を図面を用いて説明する。図1(a)に示す本発明
の一例たるグロープラグ1は、シーズヒータ2と、その
外側に配置された主体金具3とを備える。シーズヒータ
2は、図1(b)に示すように、先端側が閉じたシーズ
チューブ11の内側に、2つの抵抗線コイル、すなわち
先端側に配置された発熱コイル21と、その後端に溶接
等により直列接続された制御コイル23とが、マグネシ
ア粉末等の絶縁材料とともに封入されている。シーズチ
ューブ11の、発熱コイル21及び制御コイル23を収
容している本体部11aは、先端側が主体金具3から突
出して突出部を形成している。発熱コイル21はその先
端においてシーズチューブ11と導通しているが、発熱
コイル21及び制御コイル23の外周面とシーズチュー
ブ11の内周面とは、マグネシア粉末の介在により絶縁
された状態となっている。また、主体金具3は、軸方向
の貫通孔4を有する筒状に形成され、ここにシーズヒー
タ2が、一方の開口端からシーズチューブ11の先端側
を所定長突出させた状態で挿入・固定されている。該主
体金具3の外周面には、グロープラグ1をディーゼルエ
ンジンに取り付けるに際して、トルクレンチ等の工具を
係合させるための六角断面形状の工具係合部9が形成さ
れており、これに続く形で取付け用のねじ部7が形成さ
れている。
【0029】主体金具3の貫通孔4にはシーズチューブ
11の基端側が圧入され、固定されている。他方、貫通
孔4の反対側の開口部には座ぐり部3aが形成され、こ
こに、通電端子軸13に外装されたゴム製のOリング1
5と絶縁ブッシュ(例えばナイロン製のもの)16とが
嵌め込まれている。そして、そのさらに後方側において
通電端子軸13には、絶縁ブッシュ16の脱落を防止す
るための押さえリング17が装着されている。該押さえ
リング17は、外周面に形成された加締め部により通電
端子軸13に固定されるとともに、通電端子軸13の対
応する表面には、加締め結合力を高めるためのローレッ
ト部13bが形成されている。また、通電端子軸13の
後端部には雌ねじ部13aが形成され、通電用のケーブ
ルを該通電端子軸13に固定するためのナット19が螺
合している。
【0030】グロープラグ1は、主体金具3のねじ部7
においてディーゼルエンジンのシリンダブロックに取り
付けられる。これにより、発熱コイル21及び制御コイ
ル23が収容されたシーズチューブ11の先端部は、エ
ンジンの燃焼室(あるいは副燃焼室)内に位置決めされ
る。この状態で、通電端子軸13に車載のバッテリーを
電源として電圧を印加すると、通電端子軸13→制御コ
イル23→発熱コイル21→シーズチューブ11→主体
金具3→(エンジンブロックを介して接地)の経路にて
通電される。この通電によりシーズヒータ2が抵抗発熱
し、エンジンブロック内に噴射された燃料に着火する。
なお、シーズヒータ2は、通電初期においては制御コイ
ル23の温度が低く電気抵抗値が小さいため、発熱コイ
ル21には比較的大きな電流が流れてこれを急速昇温さ
せる。そして、発熱コイル21の温度が上昇すると、そ
の発熱により制御コイル23が加熱されて電気抵抗値が
増大し、発熱コイル21への通電電流値が減少する。こ
れにより、ヒータの昇温特性は、通電初期に急速昇温し
た後、以降は制御コイルの働きにより通電電流が抑制さ
れて温度が飽和する形となる。
【0031】次に、主体金具3の外面全体には防食のた
めの亜鉛メッキ層41(亜鉛系メッキ層)が形成され、
そのさらに外側が珪素複合クロメート被膜42で覆われ
ている。また、ナット19の外面にも、同様に亜鉛メッ
キ層45と珪素複合クロメート被膜46とが形成されて
いる。これら亜鉛メッキ層及び珪素複合クロメート被膜
は、いずれも同一の方法によって形成されるものであ
り、以下、主体金具3側で代表させて説明を行う。
【0032】亜鉛メッキ層41は、公知の電解亜鉛メッ
キ法により形成されるものであり、厚さは、例えば5〜
20μm程度とされる。この厚さが5μm未満では耐食
性を十分に確保できなくなる場合があり、逆に20μm
を超える膜厚は耐食性確保という観点においては過剰ス
ペックであり、コストアップにつながる。
【0033】一方、珪素複合クロメート被膜42は、図
2に模式的に示すように、カチオン系成分の主体がクロ
ム成分であり、かつそのクロム成分の90重量%以上が
三価クロムからなる三価クロム系クロメート層(以下、
クロメート(III)層と記す)42aと、珪素の酸化物を
主体に構成されてクロメート(III)層42aを覆うシリ
カ系層42cとを含み、それら両層42a,42cの間
には、該両層の中間の含有比率にて三価クロム成分と珪
素成分とが混在する、三価クロム−珪素混在層42bが
形成されている。なお、クロム成分は、なるべく多くの
部分が三価クロム成分となっているのがよく、望ましく
はクロム成分の実質的に全てが三価クロム成分となって
いることが望ましい。
【0034】珪素複合クロメート被膜42の全厚さは、
例えば0.8〜1.5μmとされる。該全厚さが0.8
μm未満になると、亜鉛メッキ層41に対する防食性能
及び耐熱性付与効果が不十分となる場合がある。他方、
逆に1.5μmを超える膜厚は耐食性確保という観点に
おいては過剰スペックであり、コストアップにつなが
る。また、珪素複合クロメート被膜が剥離してしまう場
合もある。
【0035】また、クロメート(III)層42aの厚さは
0.2〜0.3μmとなっているのがよい。該厚さが
0.2μm未満になると、珪素複合クロメート被膜42
の防食性能が不十分となる場合がある。また、逆に0.
3μmを超える膜厚は耐食性確保という観点においては
過剰スペックであり、コストアップにつながる。他方、
シリカ系層42cの厚さは0.2〜0.8μmとなって
いるのがよい。該厚さが0.2μm未満になると、珪素
複合クロメート被膜42の防食性能及び耐熱性が不十分
となる場合がある。また、逆に0.8μmを超える膜厚
は過剰スペックであり、コストアップにつながるばかり
でなく、剥離してしまう場合もある。
【0036】図3は、珪素複合クロメート被膜42の形
成方法の一例を模式的に示している。まず、公知の電解
亜鉛メッキ法等により所定の膜厚の亜鉛メッキ層を形成
した主体金具3”を、クロメート処理液50に浸漬す
る。これにより、図4(a)に示すように、主体金具
3”の下地40上に形成された亜鉛メッキ層41の表面
には、クロメート(III)層42aが形成される。
【0037】使用可能なクロメート処理液としては、次
のような成分を含有するものを例示できる(いわゆる、
無色あるいは青色クロメート処理液)。 無水クロム酸:0.1〜2g/リットル 硫酸:0.3〜5g/リットル 硝酸:0.5〜10g/リットル 燐酸:必要に応じて2g/リットル程度まで添加される 弗酸:必要に応じて2g/リットル程度まで添加される この処理液は、六価クロム源である無水クロム酸の使用
量が、いわゆる黄色クロメート処理液の4〜10g/リ
ットルと比較して、その半分以下に低減されている。な
お、硫酸は反応促進剤として機能し、硝酸は下地金属溶
出のための酸化剤として機能する。他方、燐酸は、クロ
メート被膜の下地金属に対する密着力を向上させる役割
を有し、弗酸は被膜中にアニオンとして取り込まれ、ポ
リマー状錯体構造におけるブリッジ結合を強化して、被
膜強度ひいては防食性能を向上させる役割を果たす。
【0038】また、六価クロム源となる溶質を使用しな
い以下のような液を使用することも可能である(いわゆ
るクロム(III)クロメート処理液)。 硫酸クロムカリウム(いわゆるクロム明礬):2.5〜
3.5g/リットル 硝酸:3.5〜4.5g/リットル 弗酸:1.5〜2.5g/リットル ただし、得られるクロメート被膜中のクロム成分に対す
る三価クロムの含有比率が90重量%以上のものとでき
るものであれば、クロメート処理液は上記のものに限ら
れるものではない。
【0039】クロメート処理時の反応については、概ね
次のようなものであると考えられる。すなわち、亜鉛メ
ッキ層を形成した主体金具3”を液中に浸漬すると、亜
鉛の溶解によって、液中のクロムイオンがこれと置換す
る形で、水酸化クロム(III)を主体とするゲル状被膜
として沈殿する。なお、溶解した亜鉛の一部は、例えば
クロム酸亜鉛等の形で被膜中に取り込まれる。形成され
るクロメート被膜の構造としては、例えば図4(d)の
ような形のものが推定される。すなわち、水酸基あるい
は酸素のブリッジによって網目状につながった三価クロ
ムのポリマー状錯体が形成され、その網目の一部が、ク
ロメート、ジクロメート、硫酸、塩化物あるいはフッ化
物等のアニオン(アニオンの種類は使用するクロメート
処理液の組成に応じて異なる)の1種又は2種以上にて
置換されたものである。なお、クロメート(III)層42
aの形成厚さの調整は、例えば主体金具3”のクロメー
ト処理液中への浸漬時間及び液温度の調整により行うこ
とができる。
【0040】次に、図3(b)に示すように、クロメー
ト(III)層42aを形成後の主体金具3’は、未乾燥あ
るいは半乾燥の状態で、ケイ酸塩水溶液51(ケイ酸塩
溶液)中に浸漬され、次いでこれを乾燥することによ
り、図4(c)に示すように、三価クロム−珪素混在層
42b及びシリカ系層42cとが形成される。
【0041】ケイ酸塩水溶液51としては、いわゆる水
ガラスの水溶液を使用することができる。水ガラスは、
一般式がMO・nSiOで表され(ただし、Mはナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属元素である)、乾
燥により二酸化珪素を析出してゲル状に硬化する。そし
て、得られるシリカ系層42cは、カチオン系成分の主
体がアルカリ金属元素と珪素とからなる酸化物(例え
ば、アルカリケイ酸塩と二酸化珪素とを主体とするゲル
状硬化物)により構成される。
【0042】水ガラスとしては、nが2〜4程度のもの
が使用される。nが2以下になると、ゲル化がほとんど
起こらず、得られるシリカ系層42cが水溶性のものと
なってしまうので、安定した被膜が得られなくなる。他
方、nが4を超えると、溶液51中においてアルカリケ
イ酸塩の加水分解が進み過ぎ、二酸化珪素ゲルが析出・
沈殿するため、塗布工程を安定に実施することができな
くなる。なお、nは、より望ましくは3〜4の範囲のも
のを使用するのがよい。この場合、珪素複合クロメート
被膜42全体における、MOの形に換算したアルカリ
金属Mの含有量をμ1、同じくSiOに換算した珪素
成分の含有量をμ2とすれば、μ2/μ1の値を2〜4、
望ましくは3〜4の範囲で調整することが望ましい。
【0043】ケイ酸塩水溶液51は、クロメート(III)
層42a上にシリカ系層42cをなるべく均一に形成す
るために、アルカリケイ酸塩の濃度を30〜200g/
リットルに調整することが望ましい。濃度が30g/リ
ットル未満になると、シリカ系層42cの形成厚さが不
十分となり、珪素複合クロメート被膜42の防食性能あ
るいは耐熱性能が確保できなくなる場合がある。他方、
濃度が200g/リットルを超えると、ケイ酸水溶液5
1の粘性が高くなり過ぎ、塗布ムラ等の発生により、均
一なシリカ系層42cを形成することが困難となる。
【0044】図4(a)に示すように、クロメート処理
液50から引き上げた直後のクロメート(III)層42a
の表層部にはクロメート処理液50が残留しており、こ
の状態でケイ酸塩水溶液51中に浸漬すると、同図
(b)に示すように、例えば塗布されたケイ酸塩水溶液
51の一部と混合されて混合層42b’が形成される。
これを乾燥すれば、図4(c)に示すように、クロメー
ト(III)層42aとシリカ系層42cとの間には、上記
混合層42b’に由来する三価クロム−珪素混在層42
bが形成される。三価クロム−珪素混在層42bは、ク
ロメート処理液50とケイ酸塩水溶液51との混合(あ
るいはクロメート(III)層42aへのケイ酸塩水溶液5
1の浸透)により形成されるため、2つの層42a,4
2cの中間の含有比率にて三価クロム成分と珪素成分と
が混在するものとなる。これは、クロメート(III)層4
2aとシリカ系層42cとの間に、三価クロム−珪素混
在層42bを介して一種の組成傾斜構造が形成されると
いうことであり、両層42a,42cの密着力向上や、
熱収縮率差に基づく応力軽減などの効果を奏することが
できる。
【0045】なお、クロメート処理終了後、未乾燥又は
半乾燥の状態の主体金具3’の表面は、クロメート(II
I)層42aが湿潤状態で形成されており、ケイ酸塩水溶
液51とのなじみが良好となる。従って、図5(a)に
示すように、クロメート(III)層42aにピンホール等
の欠陥defが形成されていても、ここにケイ酸塩水溶
液51が十分に浸透しやすく、形成されるシリカ系層4
2cに気泡等を残留しにくくすることができる(図5
(b))。
【0046】このようにして処理された主体金具3ある
いはナット19は、その亜鉛メッキ層上に形成される珪
素複合クロメート被膜が、従来の三価クロム系クロメー
ト被膜、さらには黄色クロメート被膜よりも大幅に高い
防食性能及び耐熱性を有し、亜鉛メッキ層に対し腐食に
対する耐久性を十分に付与することができるようにな
る。
【0047】なお、クロメート処理終了後、主体金具
3’の表面を充分に乾燥後、ケイ酸水溶液51に浸漬す
るようにしてもよい。この場合は、クロメート(III)層
42aが一旦乾燥されるため、クロメート処理液50と
ケイ酸塩水溶液51との混合層42b’は形成されにく
い。従って、図2(b)に示すように、クロメート(II
I)層42aとシリカ系層42cとの間に明確な三価クロ
ム−珪素混在層42bが形成されない場合がある。
【0048】また、クロメート処理液50中に適量の水
ガラスを配合して、これに亜鉛系メッキ層を形成した主
体金具を浸漬し、乾燥するようにしてもよい。このよう
な方法により得られる珪素複合クロメート被膜42も良
好な防食性能及び耐食性を備えたものとなる。この場
合、図2(c)に示すように、得られる珪素複合クロメ
ート被膜42は、三価クロムのポリマー状錯体基質42
d中に、アルカリケイ酸塩と二酸化珪素とを主体とする
ゲル状硬化物42eが分散した構造を有するものになる
と考えられる。
【0049】なお、本発明は、シーズヒータに代えてセ
ラミックヒータを使用したグロープラグの主体金具ある
いはナットにも同様に適用することができる。
【0050】
【実施例】本発明の効果を確認するために、以下の実験
を行った。まず、STKM13CEを素材として用い、
図1に示す形状の主体金具3を冷間鍛造により製造し
た。なお、主体金具3のねじ部7の呼び径は10mmで
あり、軸方向長さは約51.5mmとした。次いで、こ
れに公知のアルカリシアン化物浴を用いた電解亜鉛メッ
キ処理を施すことにより、膜厚約16μmの亜鉛メッキ
層を施した。
【0051】次いで、図3に示すクロメート処理液50
として、脱イオン水に対し、硫酸クロムカリウム3g/
リットル、硝酸4g/リットル、弗酸2g/リットルの
割合で溶解したものを用意し、液温20℃に保持した。
他方、NaO・3.5SiOの組成を有するケイ酸
ソーダ(水ガラス)を、100g/リットルの濃度で脱
イオン水に溶かし、ケイ酸塩水溶液51を用意した。そ
して、亜鉛メッキ後の主体金具を上記クロメート処理液
50に15秒間浸漬し、次いで液切りのみを行って乾燥
を行わない状態ですぐにこれをケイ酸塩水溶液51中に
浸し、さらに80℃の温風により充分乾燥して、珪素複
合クロメート被膜を形成した(試験品:本発明品)。
【0052】この珪素複合クロメート被膜を、厚さ方向
にエッチングしながらXPSの光電子スペクトルを測定
した結果を図6に示す。各エッチング深さにおける各成
分のスペクトルピーク強度から、表面からおよそ0.5
μm程度までは、クロム(2p2/3)のピークはほと
んど観察されず、珪素の酸化物を主体とするシリカ系層
となっていることがわかる。なお、蛍光X線分析法によ
りさらに詳しく調べたところ、シリカ系層は、珪素をS
iO換算した値にて約77重量%、ナトリウムをNa
O換算した値にて約22重量%含有していることがわ
かった。
【0053】一方、表面から0.7〜1μmの深さにお
いては、若干の珪素のピークが観察されるものの、カチ
オン系成分は主体がクロムであり、次いで亜鉛が多く検
出された。また、そのクロム(2p2/3)のピークを
さらに詳しく調べた結果、クロム成分はその99重量%
以上が三価クロムとなっていた。すなわち、上記深さ範
囲の厚さおよそ0.3μm部分は、三価クロム系クロメ
ート層となっていることがわかった。
【0054】そして、上記両層の中間に位置する厚さ約
0.3μmの部分は、XPSの各成分のスペクトルピー
ク強度から、両層の中間にクロム成分及び珪素成分を含
有する三価クロム−珪素混在層となっていることがわか
った。
【0055】なお、クロメート処理液50に15秒間浸
漬した後、ケイ酸塩水溶液51に浸漬せず、そのまま乾
燥したもの(試験品:比較例)、逆に、クロメート処
理液50に浸漬せず、ケイ酸塩水溶液51にのみ浸漬し
て乾燥したもの(試験品:比較例)も合わせて用意し
た。試験品及びの形成被膜を、XPS及び蛍光X線
分析法により分析したところ、前者はクロム成分中の三
価クロムの重量含有比率がほぼ99%以上の、厚さ約
0.5μmのクロメート被膜となっており、後者は珪素
をSiO換算した値にて77重量%、ナトリウムをN
O換算した値にて22重量%含有する酸化物系被膜
となっていることがわかった。
【0056】他方、黄色クロメート処理液として、脱イ
オン水に対し、無水クロム酸7g/リットル、硫酸3g
/リットル、硝酸3g/リットルの割合で溶解したもの
を用意し、液温20℃に保持した。そして、これに主体
金具を約15秒間浸漬して引き上げ、乾燥させたものも
比較例として作製した(試験品)。形成された被膜を
XPSにより分析したところ、クロム成分中の約30重
量%が六価クロム、残部が三価クロムである厚さ約0.
5μmクロメート被膜となっていることがわかった。
【0057】以上〜の試験品に対し、JISZ23
71に規定された塩水噴霧試験を行い、亜鉛メッキ層の
腐食に由来する白錆が全表面のおよそ20%以上現われ
るまで、もしくは下地の鉄層の腐食に由来する赤錆が少
しでも目視確認されるまでの時間により、耐久評価を行
った。その結果を図7に示す。すなわち、珪素複合クロ
メート被膜を形成した本発明品である試験品は、黄色
クロメート処理した試験品も含め、いずれの比較例の
試験品よりも圧倒的に優れた耐久性を示していることが
わかる。また、試験品及びの結果から、三価クロム
系クロメート層あるいはシリカ系層を単独で形成した場
合は、良好な耐久性は得られていないことがわかる。
【0058】次に、上記各試験品〜を、200℃で
30分間大気中で加熱処理した後、同様に塩水噴霧試験
を行った結果を図8に示す。黄色クロメート処理を行っ
た試験品は、熱処理により耐久時間が大幅に低下して
いるのに対し、本発明品である試験品は、極めて良好
な耐久性を示していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例たるグロープラグを示す縦半
断面図及びシーズヒータの内部構造を示す縦断面図。
【図2】珪素複合クロメート被膜の構造を、いくつかの
変形例とともに示す概念図。
【図3】クロメート処理工程及びシリカ系層形成工程の
説明図。
【図4】珪素複合クロメート被膜の形成過程及びクロメ
ート層の推定構造を説明する図。
【図5】クロメート処理後、未乾燥状態でシリカ系層を
形成する方法の効果を説明する図。
【図6】実施例の試験品に形成した珪素複合クロメー
ト被膜のXPSによる分析結果を示す図。
【図7】実施例の試験品に対する塩水噴霧試験の結果を
示すグラフ(加熱処理なし)。
【図8】実施例の試験品に対する塩水噴霧試験の結果を
示すグラフ(加熱処理後)。
【符号の説明】
1 グロープラグ 2 シーズヒータ 3 主体金具 7 ねじ部 11 シーズチューブ 13 通電端子軸 19 ナット 41,45 亜鉛メッキ層 42,46 珪素複合クロメート被膜 42a 三価クロム系クロメート層 42b 三価クロム−珪素混在層 42c シリカ系層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主体金具内に抵抗発熱ヒータを、その先
    端部が該主体金具の一方の端面から突出するように配置
    した構造を有し、 さらに、カチオン系成分が主にクロムと珪素であり、含
    有されるクロム成分の90重量%以上が三価クロムであ
    る珪素複合クロメート被膜によって、前記主体金具の表
    面が被覆されていることを特徴とするグロープラグ。
  2. 【請求項2】 前記抵抗発熱ヒータに通電するための通
    電端子軸が、その後端部を、前記主体金具の他方の端面
    から突出させる形で配置され、その通電端子軸の前記後
    端部に形成された雄ねじ部に対し、該通電端子軸に通電
    ケーブルを固定するためのナットが螺合しており、 そのナットの表面の少なくとも一部が、前記珪素複合ク
    ロメート被膜によって被覆されている請求項1記載のグ
    ロープラグ。
  3. 【請求項3】 前記珪素複合クロメート被膜は、カチオ
    ン系成分の主体がクロム成分であり、かつそのクロム成
    分の90重量%以上が三価クロムからなる三価クロム系
    クロメート層と、珪素の酸化物を主体に構成され、前記
    三価クロム系クロメート層を直接又は他層を介して間接
    的に覆うシリカ系層との少なくとも2層を含むものであ
    る請求項1又は2に記載のグロープラグ。
  4. 【請求項4】 前記三価クロム系クロメート層と前記シ
    リカ系層との間に、それら両層の中間の含有比率にて三
    価クロム成分と珪素成分とが混在する、三価クロム−珪
    素混在層が形成されている請求項3記載のグロープラ
    グ。
  5. 【請求項5】 前記シリカ系層は、カチオン系成分の主
    体がアルカリ金属元素と珪素とからなる酸化物により主
    に構成されている請求項3又は4に記載のグロープラ
    グ。
  6. 【請求項6】 主体金具内に抵抗発熱ヒータを、その先
    端部が該主体金具の一方の端面から突出するように配置
    した構造を有したグロープラグの製造方法であって、 前記主体金具をクロメート処理浴中に浸漬することによ
    り、該主体金具の表面に、クロム成分の90重量%以上
    が三価クロムからなる三価クロム系クロメート層を形成
    するクロメート処理工程と、 その三価クロム系クロメート層が形成された主体金具に
    対し、アルカリケイ酸塩を所定の溶媒中に溶解させたケ
    イ酸塩溶液を塗布した後、その溶媒を蒸発させることに
    より、前記三価クロム系クロメート層上に、珪素の酸化
    物を主体とするシリカ系層を形成するシリカ系層形成工
    程と、 を含むことを特徴とするグロープラグの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記クロメート処理工程が終了後、前記
    主体金具の表面を未乾燥又は半乾燥の状態でこれを前記
    ケイ酸塩溶液中に浸漬することにより、前記シリカ系層
    形成工程を行う請求項6記載のグロープラグの製造方
    法。
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