JP2018092781A - 端子付電線 - Google Patents

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康平 ▲高▼木
康平 ▲高▼木
Kohei Takagi
丈博 中田
Takehiro Nakada
丈博 中田
平井 宏樹
Hiroki Hirai
宏樹 平井
小野 純一
Junichi Ono
純一 小野
拓次 大塚
Takuji Otsuka
拓次 大塚
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Abstract

【課題】端子金具とは異種の金属製の芯線を有する電線を備えた端子付電線において、局部的な大径化を抑制しつつ電食の発生を防ぐ。
【解決手段】アルミニウム製の芯線11を絶縁層12で被覆してなる電線10と、銅製の端子金具20と、電線10の端末において絶縁層12が除去されることにより露出された芯線11を覆うように取り付けられる銅製の中間キャップ30と、筒状をなし、一端が中間キャップ30に水密に外嵌され、他端が絶縁層12に水密に被さるように装着される防水性の弾性部材40と、を備える端子付電線1において、端子金具20に設けたワイヤバレル片(圧着部)27を中間キャップ30に圧着し、中間キャップ30を介して電線10の端末に端子金具20を接続する。
【選択図】図11

Description

本明細書に開示する技術は、端子付電線に関する。
近年、自動車用ワイヤハーネス等の分野において、軽量化を目的として、従来の銅電線の代わりに、アルミニウム電線が使用されるようになってきている。なお、銅電線とは、銅もしくは銅合金製の芯線を有する電線であり、アルミニウム電線とは、アルミニウムもしくはアルミニウム合金製の芯線を備える電線をいう。以下、本明細書では、「銅」の語は、銅もしくは銅合金を、「アルミニウム」の語は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金を、意味するものとする。電線をハーネス化する場合、通常、電線の端末に端子金具が接続されて端子付電線とされるのであるが、例えば、アルミニウム電線に、一般的に使用されている銅製の端子金具が接続された端子付電線では、電線の芯線と端子金具との接続部分において、異種金属であるアルミニウムと銅とが接触することになる。このような異種金属の接触部分に水分が介在すると、両金属が水中にイオン化して溶出し、電気化学的反応によって腐食が進行する「電食」が発生することが知られている。そこで、端子金具と電線との接続部分を樹脂封止材(防食剤)で覆うことにより、異種金属同士の接触部分への水分の浸入を防止して、電食の発生を抑制することが行われている。例えば、下記特許文献1では、樹脂モールド又はチューブ等からなる防水部で電線接続部全体を覆っている。
特開2003−297447号公報
しかしながら、上記のような構成とすると、銅電線に銅製の端子金具が取り付けられた従来の構成の端子付電線と比べて、電線接続部全体が防水部で覆われる分だけ、この部分が一回り大きく形成されてしまう。よって、このような端子付電線を、従来のハウジングの内部に形成されたキャビティに収容しようとすると、従来の端子付電線がほぼぴったり挿入されるサイズとされているキャビティの内壁と干渉してしまい、従来のハウジングをそのまま使用することができなかった。
本明細書に開示する技術は、上記事情に基づいて完成されたものであって、端子金具とは異種の金属製の芯線を有する電線を備えた端子付電線において、局部的な大径化を抑制しつつ電食の発生を防ぐことを目的とする。
本明細書が開示する端子付電線は、金属製の芯線を絶縁層で被覆してなる電線と、前記芯線とは異種の金属製とされた端子金具と、前記端子金具との間で電食を生じさせない導電性材料から形成され、前記電線の端末において前記絶縁層が除去されることにより露出された前記芯線を覆うように取り付けられる中間キャップと、筒状をなし、一端が前記中間キャップに水密に外嵌され、他端が前記絶縁層にまで水密に被さるように装着される防水性の弾性部材と、を備え、前記端子金具は、前記中間キャップに圧着される圧着部を有し、前記中間キャップを介して前記電線の端末に接続されている。
上記構成によれば、端子金具は、これと異なる金属で形成された芯線とではなく、これとの間で電食を生じさせない導電性材料で形成された中間キャップと接した状態で、電線の端末に接続される。よって、端子金具の圧着部が圧着された部分を封止しなくても、この部分において電食が発生することはない。一方、中間キャップと芯線との接触部分では、異種金属等が接することとなるが、この部分は中間キャップの内方に配される。そして、中間キャップと絶縁層との間が防水性の弾性部材で覆われることで、中間キャップの開口端から内方への水分の浸入が防止され、電食の発生が抑制される。このような構成によれば、端子金具の圧着部が圧着される部分と、異種金属等が接する部分への水分の浸入を防ぐために封止が必要とされる部分とを、電線の軸方向にずらして配することが可能となる。よって、端子付電線の局部的な大径化を抑制しつつ、電食の発生を防ぐことができる。この結果、端子金具とは異種の金属製の芯線を有する電線を備えた端子付電線にも、従来の大きさのキャビティを有する汎用のハウジングをそのまま使用可能となる。
本明細書が開示する端子付電線において、前記中間キャップは、筒状に形成され、前記芯線の外周に圧着された筒状部と、前記筒状部と同軸に配されて軸方向に突出する中実な突出部と、を有し、前記圧着部は、前記突出部を包囲するように圧着されていてもよい。
上記構成によれば、圧着部は中実な突出部に圧着されるため、被圧着部分とされる突出部を、芯線と同程度以下の径となるように形成することが可能である。これにより、従来の端子付電線と比較して、端子金具の圧着部分における外径を拡大させることなく、中間キャップと芯線との接触部分への水の浸入を有効に防止して、電食の発生を抑制することができる。
また、本明細書が開示する端子付電線において、前記中間キャップは金属製であって、前記筒状部の内周面にセレーションが形成されていてもよい。
上記構成によれば、中間キャップの筒状部内周に形成されたセレーションが芯線に食い込むことで、芯線の表面に付着している酸化被膜が破壊される。これにより、中間キャップと芯線との間の電気抵抗性能および固着力を向上させ、接続信頼性を高めることができる。
また、本明細書が開示する端子付電線において、前記筒状部は、その開口端を前記電線の端末において除去された前記絶縁層の端縁に向けた状態で前記芯線に圧着されており、この状態において、前記筒状部の外周面と前記絶縁層の外周面とが略同一面上に配されていてもよい。
上記構成によれば、中間キャップの筒状部の外周面から電線の絶縁層の外周面に亘って被さるように装着される弾性部材に、局所的な応力がかかるのを回避できる。これにより、弾性部材を薄くかつ両外周面に密着するように形成することが容易となり、弾性部材の装着による大径化を抑制できる。
また、本明細書が開示する端子付電線において、前記端子金具は、インシュレーションバレル片を有し、このインシュレーションバレル片は、その端縁を前記弾性部材の一端縁に当接させた状態で、前記絶縁層を包囲するように加締められていてもよい。
上記構成によれば、弾性部材の位置ずれを防止することができる。これにより、中間キャップと絶縁層との間が確実に覆われることで、中間キャップと芯線とが接触する部分への水分の浸入が防止され、電食の発生を抑制できる。
また、本明細書が開示する端子付電線において、前記弾性部材は、シリコーンゴム製であってもよい。
上記構成によれば、弾性部材を、薄くかつ高強度に形成できる。これにより、弾性部材の装着による大径化を抑制しながら、中間キャップと芯線とが接触する部分への水分の浸入を防止して、電食の発生を抑制できる。
また、本明細書が開示する端子付電線において、前記芯線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製であり、前記端子金具および前記中間キャップは、銅または銅合金製であってもよい。
上記構成によれば、汎用の銅製端子金具と、軽量なアルミニウム電線とを備え、電食が発生する可能性の高い端子付電線に、本技術を効果的に適用することができる。
本明細書が記載する技術によれば、端子金具とは異種の金属製の芯線を備えた端子付電線において、局部的な大径化を抑制しつつ電食の発生を防ぐことができる。
第1実施形態にかかる端子付電線の斜視図 端子金具の斜視図 中間キャップを斜め前方から見た斜視図 中間キャップを斜め後方から見た斜視図 中間キャップの断面図 電線の端末に弾性部材を挿通させた状態の斜視図 電線の端末に中間キャップを取り付けて芯線に圧着した状態の斜視図 弾性部材を正規位置に移動させた状態の斜視図 図8の断面図 中間キャップおよび弾性部材を取り付けた電線の端末を、端子金具上に載置した状態の斜視図 図1の断面図 第2実施形態にかかる中間キャップの断面図 中間キャップの後面図 第3実施形態にかかる中間キャップの断面図
<第1実施形態>
以下、第1実施形態にかかる端子付電線1について、図1ないし図11を参照しつつ説明する。以下の説明では、図1における紙面手前左側を前、上側を上とする。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略することがある。
本実施形態にかかる端子付電線1は、図1に示すように、電線10の端末が端子金具20に接続されたものである。電線10の端末には中間キャップ30が取り付けられており、この中間キャップ30から電線10の外周に被さるように、筒状の弾性部材40が外嵌されている。
電線10は、複数の細いアルミ線を撚り合わせてなる芯線11を樹脂製の絶縁層12で被覆したものであり、図6もしくは図9等に表されているように、その端末において、絶縁層12が剥き取られて芯線11が露出されている。
端子金具20は、銅製板材からなり、図2に示すように、全体として前後方向に細長い形状をなしている。端子金具20は雌型のものであって、前寄りの部分には、前後方向に開口する角筒状の端子接続部21が形成され、前方の開口から雄端子(図示せず)を受け入れて、内部に設けられた図示しない弾性接触片と、端子接続部21の内面との間に雄端子を挟持することで、端子金具20と雄端子とが導通可能に接続されるようになっている。この端子接続部21の後方、端子金具20の後寄りの部分には、電線10が載置される載置部26を備えた電線接続部25が形成されている。電線接続部25の左右両側縁からは、オープンバレル形式の一対のワイヤバレル片(圧着部)27が突設されている。また、ワイヤバレル片27から所定の間隔を空けた後端部には、同じくオープンバレル形式の一対のインシュレーションバレル片28が突設されている。
本実施形態において、ワイヤバレル片27の後端縁とインシュレーションバレル片28の前端縁との間隔は、後述する中間キャップ30の環状突部33の突出幅(軸方向の長さ寸法)と弾性部材40の軸方向の長さ寸法の和と、ほぼ等しくなるように設定されている。
電線10の端末において露出された芯線11には、上記端子金具20と同種の銅からなる中間キャップ30が取り付けられる。中間キャップ30は、図3ないし図5に示す形状に形成され、図3における紙面手前左側、図4の紙面奥左側、図5の左側が前方となるように電線10に取り付けられる。中間キャップ30の後寄りの部分には、前端側が閉塞して後端が開口する筒状に形成された筒状部32が、前寄りの部分には、筒状部32の閉塞端側から中実な円柱形に突出する突出部31が設けられている。
本実施形態において、突出部31の外周は、図5に表されているように、筒状部32の外周よりも小径となるように、また図9に表されているように、電線10の芯線11とほぼ同じ径を有するように、設定されている。また、筒状部32の周壁32Aは、図9に表されているように、電線10の絶縁層12と同程度の厚みを有するものとされ、その内周面が、電線10の端末において露出された芯線11の外周に沿う径寸法と、露出された芯線11を全長に亘って覆うことが可能な長さ寸法(本実施形態では、芯線11の露出長よりも僅かに大きな長さ寸法)とを有する空洞を画成するように、形成されている。突出部31の後端における筒状部32との境界部の外周面には、環状に突出する環状突部33が形成されており、この環状突部33の突出長(径方向の厚さ寸法)は、図9に表されているように、後述する弾性部材40の厚みとほぼ同じとなるように設定されている。
電線10の端末に取り付けられた中間キャップ30の筒状部32には、絶縁層12の外周にまで被さるように弾性部材40が外嵌される。弾性部材40は、筒状をなす防水性の部材であり、本実施形態では、高耐熱性シリコーンゴム(耐熱温度100℃以上)を、内径および外径が一定であるような簡素な円筒状に形成している。弾性部材40は、筒状部32よりも長い長さ寸法と、筒状部32および電線10の絶縁層12の外周面に水密に外嵌される内径寸法を有するように設定されている。
続いて、本実施形態にかかる端子付電線1の製造工程の一例について、図1並びに図6ないし図11を参照しつつ説明する。
まず、端末において絶縁層12が皮剥きされて芯線11が露出された電線10に、図6に示すように、弾性部材40を挿通させる。このとき、弾性部材40は、最終的に嵌着される位置よりも後方にずらしておく。
次いで、図7に示すように、露出された芯線11全体を覆うように、前方から中間キャップ30を取り付ける。具体的には、筒状部32内の空洞に芯線11を挿入し、中間キャップ30の後端縁が、皮剥きされた絶縁層12の前端縁に当接するまで押し込む。この状態で、筒状部32の外方から力を加えて、周壁32Aの内周を芯線11の外周に圧着させる。
次に、後方にずらしていた弾性部材40を前方にスライドさせ、図8に示すように、その前端縁を環状突部33の後端縁に当接させる。このとき、周壁32Aの寸法形状が前述のように設定されていることで、図9に示すように、中間キャップ30の周壁32Aと電線10の絶縁層12とは、その内周および外周においてほぼ段差なく連なり、筒状部32の空洞内に前方に若干の隙間を空けて芯線11が保持される。そして、周壁32Aと絶縁層12との接続部分を覆うように弾性部材40が外嵌されるのであるが、弾性部材40の寸法形状が前述のように設定されていることで、弾性部材40は、その前端が筒状部32に、後端が絶縁層12に、それぞれ水密に密着するのみならず、内周面全体が筒状部32および絶縁層12に密着する。さらに、環状突部33の寸法形状が前述のように設定されていることで、弾性部材40の前端において、この外周面と環状突部33の外周面とがほぼ面一となる。
次いで、上記のように中間キャップ30および弾性部材40が取り付けられた電線10の端末を、図10に示すように、端子金具20の電線接続部25の載置部26上に載置する。このとき、ワイヤバレル片27とインシュレーションバレル片28との間隔が前述のように設定されていることで、図に表されているように、中間キャップ30の環状突部33の前端縁を、ワイヤバレル片27の後端縁に突き当てるようにして電線10を配置すると、弾性部材40の後端縁がインシュレーションバレル片28の前端縁にちょうど当接する。この状態で、中間キャップ30の突出部31を包囲するようにワイヤバレル片27を、電線10の絶縁層12を包囲するようにインシュレーションバレル片28を、それぞれ加締めて圧着固定する。
以上のようにして、図1および図11に示すような電線10と端子金具20とを備えた端子付電線の作製が完了し、電線10の芯線11と端子金具20とが中間キャップ30を介して電気的に導通される。
続いて、本実施形態の作用および効果について説明する。
本実施形態かかる端子付電線1では、銅製の端子金具20は、アルミニウム製の芯線11ではなく、これと同種の銅で形成された中間キャップ30と接した状態で、電線10の端末に接続される。よって、ワイヤバレル片27の圧着部分が露出されて水分に触れることがあっても、この部分において電食が発生することはない。一方、銅製の中間キャップ30と、これと異種金属であるアルミニウムからなる芯線11との接触部分は、筒状部32の内方に配され、その周壁32Aの開口縁が防水性の弾性部材40で水密に覆われることで、筒状部32内への水分の浸入が防止され、電食の発生が抑制される。このような構成によれば、弾性部材40は、電線10に対し、ワイヤバレル片27が圧着される部分から軸方向(後方)にシフトした位置に外嵌される。よって、端子付電線1の局部的な大径化を抑制しつつ、異種金属同士が接触する筒状部32内方への水分の浸入を防止して、電食の発生を防ぐことができる。この結果、本実施形態にかかる端子付電線1は、銅製の端子金具20と、異種金属であるアルミニウム製の芯線を有する電線10とを備えたものでありながら、従来の大きさのキャビティを有する汎用のハウジング内にそのまま収容できるものとなっている。
本実施形態にかかる端子付電線1において、端子金具20のワイヤバレル片27は、中間キャップ30の突出部31を包囲するように圧着されている。ここで、端子金具20のワイヤバレル片27が圧着される被圧着部分は、強く押圧されることで変形する。例えば、芯線11に取り付けられた中間部材にワイヤバレル片27を圧着する場合、被圧着部分が内部に空洞を有する筒状に形成されていると、その周壁が変形して亀裂が生じることがある。そうすると、この亀裂から空洞の内部に水分が侵入し、空洞の内部に保持された芯線11にまで達して電食が発生する虞がある。このため、芯線11を包囲する周壁を薄く形成して、圧着部分を小径化しつつ、電食の発生を抑制することは困難である。
これに対し、本実施形態にかかる端子付電線1の構成によれば、ワイヤバレル片27が強く押圧されて被圧着部分である突出部31が変形しても、その後方で芯線11を保持する筒状部32の空洞に達するような亀裂が生じる可能性は低い。そこで、本実施形態では、前述のように、突出部31を芯線11とほぼ同じ径を有するように形成し、ワイヤバレル片27が、芯線11に直接圧着した場合と同程度の径をもって中間キャップ30に圧着されている。これにより、銅電線に銅製の端子金具を接続した従来の端子付電線と比べても、局部的な大径化を要することなく、異種金属同士の接触部分への水の浸入が有効に防止され、電食の発生が防がれる。なお、ワイヤバレル片27が圧着される突出部31は、中間キャップ30の一部として、その後方において芯線11に圧着された筒状部32と一体に形成されており、電線10と端子金具20との接続信頼性も確保されている。
本実施形態にかかる端子付電線1において、中間キャップ30の筒状部32は、芯線11に圧着され、この外周面と絶縁層12の外周面とは略同一面上に配されている。このような構成によれば、弾性部材40に局所的な応力がかかるのを回避できる。これにより、弾性部材40を両外周面に密着するようにごく薄く形成でき、弾性部材40の装着による大径化が抑制されている。
本実施形態において、弾性部材40は、一定の内径および外径を有する簡素な形状に形成されており、低コストで製造することができる。また、弾性部材40は、その内周面全体を筒状部32および絶縁層12の外周面に密着させた状態で外嵌されるため、筒状部32および絶縁層12を確実に保護するとともに、弾性部材40自体が破損したり位置ずれしたりする可能性が低減されている。
本実施形態にかかる端子付電線1において、端子金具20は、電線接続部25に形成されたインシュレーションバレル片28を有し、このインシュレーションバレル片28は、前端縁を弾性部材40の後端縁に突き当てた状態で、電線10の絶縁層12を包囲するように加締められている。これにより、弾性部材40の後方への位置ずれが防止される。これにより、中間キャップ30の開口を確実に覆って、異種金属が接触する筒状部の内方への水分の浸入を防止し、電食の発生を防ぐことができる。
本実施形態において、弾性部材40は、前端縁が中間キャップ30の環状突部33の後端縁に当接した状態で配されるため、前方への位置ずれも防止される。さらに、弾性部材40の外周面と環状突部33の外周面とがほぼ面一となるように設定されているため、この前端縁に意図せぬ外力が働くことによるめくれや破損等が抑制される。
本実施形態にかかる端子付電線1において、弾性部材40は、シリコーンゴム製である。これにより、弾性部材40を、薄くかつ高強度に形成できるため、異種金属が接触する部分を確実に覆って水分の浸入を防止し、電食の発生を抑制できる。
本実施形態では、耐熱温度が100℃以上の高耐熱性シリコーンゴムにより弾性部材40を形成しているため、樹脂封止材(通常、耐熱温度80℃程度)を使用した、銅製端子金具とアルミニウム電線とを備える端子付電線と比較して、耐熱性が向上されている。
本実施形態にかかる端子付電線1では、汎用されている銅製の端子金具20と、軽量なアルミニウム電線10とを備え、電食が発生する可能性の高い端子付電線1において、本技術を効果的に適用することで、オープンバレル型の端子を使用することが可能となった。よって、クローズドバレル型の端子金具を使用する場合と比較して、コストを低減することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態について、図12および図13を参照しつつ説明する。第2実施形態にかかる端子付金具は、中間キャップ230の構造のみが、第1実施形態と相違している。以下、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して、説明を省略する(第3実施形態においても同様とする)。
本実施形態にかかる中間キャップ230は、筒状部232の周壁232Aの内周にセレーションが形成されている点において、第1実施形態にかかる中間キャップ30と異なっている。本実施形態では、図12および図13に示すように、周壁232Aの全内周に亘って、軸方向に延出する断面鋸歯状に形成された複数の平行溝(セレーション)235が形成されている。なお、中間キャップ230は、筒状部232の閉塞端側から中実な円柱形に突出する第1実施形態と同様の突出部31と、これらの境界部の外周面には、環状に突出する第1実施形態と同様の環状突部33とを含んで形成されている。
中間キャップ230は、第1実施形態にかかる中間キャップ30と同様に、電線10の端末に取り付けられる。すなわち、周壁232Aの内周が芯線11の外周に圧着され、筒状部232から電線10の絶縁層12に被さるように弾性部材40が水密に外嵌された状態で、端子金具20のワイヤバレル片27が突出部31に加締められて圧着固定される。
電線10の芯線11に用いられているアルミニウムは活性が高いため、絶縁層12が皮剥きされて芯線11が露出されると、この表面が外気に曝されて酸化され、酸化アルミニウムからなる被膜が形成されることが知られている。この酸化被膜は、絶縁性で、かつ硬質であるため、通常の方法で金属との圧着を行って電気的接続を行った場合には、これが残存して介在し、電気抵抗が増大することが知られている。
本実施形態によれば、周壁232Aが圧着されて平行溝235のエッジが芯線11に食い込むことにより、芯線11の表面に付着している酸化被膜が破壊される。また、複数の細いアルミ線を撚り合わせてなる芯線11が、これとほぼ平行に延出する平行溝235に入り込んだ状態となって圧着されることにより、中間キャップ30と芯線11との間の電気抵抗性能および固着力を一層向上させ、接続信頼性を高めることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態について、図14を参照しつつ説明する。第3実施形態にかかる端子付金具も、中間キャップ330の構造のみが、第1実施形態と相違している。
本実施形態にかかる中間キャップ330では、図14に示すように、筒状部332の周壁332Aの全内周に亘って、螺旋状に形成された巻回溝(セレーション)335が形成されている。なお、中間キャップ330は、第1実施形態と同様の突出部31および環状突部33とを含んで形成されている。この中間キャップ330は、第1実施形態にかかる中間キャップ30および第2実施形態にかかる中間キャップ230と同様に、電線10の端末に取り付けられる。
本実施形態でも、周壁332Aが圧着されて巻回溝335のエッジが芯線11に食い込むことにより、芯線11の表面に付着している酸化被膜が破壊される。これにより、中間キャップ30と芯線11との間の電気抵抗性能および固着力を向上させ、接続信頼性を高めることができる。
<他の実施形態>
本明細書に開示される技術は、上記記述および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、中間キャップ30,230,330を、端子金具20と同種の金属である銅で形成したが、これに限らず、例えば導電性樹脂あるいは導電性ゴム等、水中にイオン化し難い合金等から形成してもよい。
(2)上記実施形態では、中間キャップ30,230,330は、筒状部32,232,332の後端縁が皮剥きされた絶縁層12の前端縁に突き当てられるような寸法形状としたが、絶縁層12の前端部が筒状部32,232,332の内方に入り込んだ状態で取り付けられるようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、中間キャップ30,230,330は、筒状部32,232,332が露出された芯線11を全長に亘って包囲する寸法形状としたが、露出された芯線11の一部のみを包囲するようにしてもよい。防水性の弾性部材40の一端が中間キャップ30の筒状部32に、他端が電線10の絶縁層12に、水密に外嵌されることにより、露出された芯線11が保護されるとともに、筒状部32内の空洞への水分の浸入も防止される。
(4)中間キャップの筒状部の周壁にセレーションを形成する場合、セレーションの形状は上記実施形態に記載されたものに限定されず、例えば軸方向に垂直な方向に形成された複数の独立した環状溝を有するように形成してもよい。このように形成すれば、万一、開口縁に水分が付着した場合でも、筒状部の内方へと水分が浸入しにくくなり、電食の発生を最低限に抑えることができる。
1…端子付電線
10…電線
11…芯線
12…絶縁層
20…端子金具
25…電線接続部
26…載置部
27…ワイヤバレル片(圧着部)
28…インシュレーションバレル片
30,230,330…中間キャップ
31…突出部
32,232,332…筒状部
32A,232A,332A…周壁
33…環状突部
40…弾性部材
235…平行溝(セレーション)
335…巻回溝(セレーション)

Claims (7)

  1. 金属製の芯線を絶縁層で被覆してなる電線と、
    前記芯線とは異種の金属製とされた端子金具と、
    前記端子金具との間で電食を生じさせない導電性材料から形成され、前記電線の端末において前記絶縁層が除去されることにより露出された前記芯線を覆うように取り付けられる中間キャップと、
    筒状をなし、一端が前記中間キャップに水密に外嵌され、他端が前記絶縁層に水密に被さるように装着される防水性の弾性部材と、を備え、
    前記端子金具は、前記中間キャップに圧着される圧着部を有し、前記中間キャップを介して前記電線の端末に接続されている端子付電線。
  2. 前記中間キャップは、
    筒状に形成され、前記芯線の外周に圧着された筒状部と、
    前記筒状部と同軸に配されて軸方向に突出する中実な突出部と、を有し、
    前記圧着部は、前記突出部を包囲するように圧着される請求項1に記載の端子付電線。
  3. 前記中間キャップは金属製であって、前記筒状部の内周面にセレーションが形成されている請求項2に記載の端子付電線。
  4. 前記筒状部は、その開口端を前記電線の端末において除去された前記絶縁層の端縁に向けた状態で前記芯線に圧着されており、この状態において、前記筒状部の外周面と前記絶縁層の外周面とが略同一面上に配される請求項2または請求項3に記載の端子付電線。
  5. 前記端子金具は、インシュレーションバレル片を有し、このインシュレーションバレル片は、その端縁を前記弾性部材の一端縁に当接させた状態で、前記絶縁層を包囲するように加締められる請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の端子付電線。
  6. 前記弾性部材は、シリコーンゴム製である請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の端子付電線。
  7. 前記芯線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製であり、前記端子金具および前記中間キャップは、銅または銅合金製である請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の端子付電線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021190209A (ja) * 2020-05-27 2021-12-13 矢崎総業株式会社 端子接続構造

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