JP2012018888A - 端子金具付き電線 - Google Patents

端子金具付き電線 Download PDF

Info

Publication number
JP2012018888A
JP2012018888A JP2010156973A JP2010156973A JP2012018888A JP 2012018888 A JP2012018888 A JP 2012018888A JP 2010156973 A JP2010156973 A JP 2010156973A JP 2010156973 A JP2010156973 A JP 2010156973A JP 2012018888 A JP2012018888 A JP 2012018888A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric wire
cap
core wire
terminal
recesses
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010156973A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5477650B2 (ja
Inventor
Hiroki Shimoda
洋樹 下田
Hiroki Hirai
宏樹 平井
Junichi Ono
純一 小野
Takuji Otsuka
拓次 大塚
Masaaki Tabata
正明 田端
Kazumasa Kobayashi
和将 小林
Satoshi Morikawa
悟史 森川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd, AutoNetworks Technologies Ltd, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP2010156973A priority Critical patent/JP5477650B2/ja
Publication of JP2012018888A publication Critical patent/JP2012018888A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5477650B2 publication Critical patent/JP5477650B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Connections Effected By Soldering, Adhesion, Or Permanent Deformation (AREA)

Abstract

【課題】電食の発生を防ぐことができ、かつ接触抵抗を十分に小さくすることが可能な端子金具付き電線を提供する。
【解決手段】端子金具14と同種の金属等の端子金具14との間で電食を生じさせない材料により、電線13の端末部において絶縁層12が除去されることで露出した芯線11の先端から絶縁層12の端末までを覆う形状に形成されたキャップ19と、キャップ19と露出した芯線11との間に配置され、芯線11と接触する側の面に複数の凹部21が並んで形成された金属製の中間部材20と、を有し、端子金具14の電線接続部16は、キャップ19を包囲するようにかしめ付けられ、中間部材20が芯線11に圧着している。
【選択図】図2

Description

本発明は、端子金具付き電線に関する。
近年、自動車の軽量化を図るために、銅合金製の従来の芯線に変えてアルミ製の芯線を使用することが増えてきている。一方、電線の芯線に圧着される端子金具は、強度等の問題から銅合金製の端子金具を使用することが多い。
そして、電線の芯線と端子金具とが異種の金属によって形成されている場合には、両者の接続部分に水分が介在すると両金属が水中にイオンとして溶け込み、電気化学的反応によって腐食が進行する電食が発生することが知られている。
そこで、芯線に、端子金具と同種の金属材料からなる金属キャップを被覆し、この金属キャップの外側に端子金具を圧着することが知られている(例えば特許文献1)。このような構成にすることで、電線の芯線と金属キャップとの接続部分に水分が介在することを防ぎ、電食の発生を防止することができるのである。
特開2007−311369号公報
ところで、芯線を構成する金属には、芯線表面に絶縁性の金属酸化物層が形成されやすいため、芯線と端子金具との接続部分の接触抵抗が大きくなることがある。特にアルミニウム等によって製造された芯線では、非常に硬い酸化アルミニウムの皮膜が容易に形成され、端子金具との接触抵抗を高くしてしまうことが問題視されている。
そこで、芯線と端子金具との間の接触抵抗を小さくするために、端子金具のうち電線の芯線をかしめ付ける電線接続部に溝を設けることが知られている。この溝が、電線接続部をかしめ付ける際に金属酸化物層と擦れ合って金属酸化物層に亀裂を入れ、芯線の金属新生面を露出させるので、電線接続部が金属新生面に接触するのである。
しかし、芯線に金属キャップを被覆した場合には、芯線に対して電線接続部を直接かしめ付ける場合に比べて、芯線表面の金属酸化物層に亀裂が十分に入りにくく、金属酸化物層の下にある金属と端子金具とを十分に接触させて、接触抵抗を小さくすることが難しいという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電食の発生を防ぐことができ、かつ接触抵抗を十分に小さくすることが可能な端子金具付き電線を提供することを目的とする。
本発明の端子金具付き電線は、金属製の芯線に絶縁層を被覆してなる電線の端末部に、前記芯線とは異種の金属によって形成された端子金具が接続されてなる端子金具付き電線であって、前記端子金具と同種の金属の前記端子金具との間で電食を生じさせない材料により、前記電線の端末部において前記絶縁層が除去されることで露出した前記芯線の先端から前記絶縁層の端末までを覆う形状に形成されたキャップと、前記キャップと前記露出した芯線との間に配置され、前記芯線と接触する側の面に複数の凹部が並んで形成された金属製の中間部材と、を有し、前記端子金具の電線接続部は、前記キャップを包囲するようにかしめ付けられ、前記中間部材が前記芯線に圧着しているものである。
このような構成によれば、中間部材と芯線との間には水分が入り込まないから、電食の発生を防止することができる。また、中間部材に形成された凹部の口縁が、端子金具の電線接続部をかしめ付ける際に芯線の金属酸化物層と擦れ合って金属酸化物層に亀裂を入れて金属新生面を露出させ、この金属新生面に中間部材が圧着される。すなわち本発明の構成によれば、電食の発生を防ぐことができ、かつ接触抵抗を十分に小さくすることができる。
また、前記凹部の口縁は、ほぼ同じ形状及び同じ大きさの四角形状に形成され、前記複数の凹部は、隣り合う前記凹部の間隔が、前記凹部の口縁のうちこの隣り合う前記凹部間で向き合って配される縁の長さ寸法よりも小さくなる位置に配置されているものとしてもよい。
ここで、凹部が、従来のように単純な溝状をなすものである場合には、金属酸化物層と擦れ合うのはその延び方向に沿う一対の縁のみであるのに対し、本発明の構成によれば、金属酸化物層と擦れ合う縁の長さ寸法はそれよりも大きいものとなる。したがって、露出する金属新生面の面積が従来よりも増えるから、芯線の金属酸化物層の下にある金属と端子金具との接触が十分となり、接触抵抗を十分に小さくすることができる。
また、前記中間部材には、前記芯線の軸線方向に対して交差方向に隣り合う前記凹部の間の位置であって、この位置よりも前記芯線の軸線方向にずれた位置に、前記交差方向に隣り合う前記凹部とは別の前記凹部が配される位置関係で、前記複数の凹部が形成されているものとしてもよい。
このような構成によれば、中間部材の芯線と接触する側の面に、芯線の軸線方向に沿って延びる平坦面(口縁が形成されない面)が形成されないから、芯線の抜け出しを防止することができる。
また、前記凹部の口縁は、平行四辺形状をなすものであって、前記複数の凹部は、一の前記凹部の口縁のうち対向する一対の縁と、この一の前記凹部と隣り合う他の前記凹部の口縁のうち対向する一対の縁とが、それぞれ直線状をなす位置関係で形成されているものとしてもよい。
このような構成によれば、中間部材のうち凹部を除く部分(凹部に対して突出する部分)は直線状をなすから、金型には、直線状をなす溝を複数形成すればよい。したがって、このような金型の凹凸を不規則に形成しなければならない場合に比べて、金型制作にかかるコストを安くすることができる。
また、前記キャップの前記絶縁層側の端部と前記絶縁層の外周面とを覆って、前記キャップと前記絶縁層との間をシールするシール部材が備えられているものとしてもよい。これにより、キャップと絶縁層との間のシール性をより高めることができる。
また、前記電線接続部は、前記電線の芯線をかしめ付けるワイヤバレルと、前記絶縁層をかしめ付けるインシュレーションバレルとを有するものであり、前記キャップの前記絶縁層側の端部が、前記インシュレーションバレルの内側に位置するものとしてもよい。このような構成によれば、インシュレーションバレルによりキャップの端部がかしめ付けられるから、キャップ内のシール性をより高めることができる。
また、前記電線が、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の芯線を備えたアルミ電線である一方、前記端子金具が銅合金製であるものとしてもよい。
本発明によれば、電食の発生を防ぐことができ、かつ接触抵抗を十分に小さくすることが可能な端子金具付き電線を提供することができる。
本実施形態にかかる端子金具付き電線であって、電線の端末部に端子金具を接続する前の状態を示す斜視図 電線の端末部の構成であって、熱収縮チューブ、中間部材、およびキャップを装着する前の状態を示す斜視図 中間部材であって、折り曲げる前の状態を示す平面図 中間部材であって、折り曲げた後の状態を示す斜視図 電線の端末部の構成であって、熱収縮チューブ、中間部材、およびキャップを装着した後の状態を示す斜視図 端子金具付き電線の側面図 端子金具付き電線であって、電線の端末部と端子金具との接続にかかる構成を示す断面図
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図7を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態における端子金具付き電線10は、金属製の芯線11に絶縁層12を被覆してなる電線13の端末部に、芯線11とは異種の金属によって形成された端子金具14が接続されてなるものである。なお、本実施形態では、電線13が、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の芯線11を備えたアルミ電線である一方、端子金具14が銅合金製である場合について説明する。
電線13は、図2に示すように、複数の細いアルミ線を撚り合わせてなる芯線11を、樹脂製の絶縁層12で被覆したものであり、その端末部においては、絶縁層12が剥き取られて芯線11が露出されている。
端子金具14は、銅合金製の板材をプレス加工することで形成され、全体として前後方向に細長い形状をなしている(図1参照)。
端子金具14の前端部は、図示しない相手側の端子金具14と接続する、略角筒形をなす本体部15とされている。
端子金具14のうち本体部15よりも後側の部分は、電線13にかしめ付けられる電線接続部16とされている。電線接続部16は、電線13の芯線11にかしめ付けられるワイヤバレル16Aと、絶縁層12にかしめ付けられるインシュレーションバレル16Bとを有してなるものである。
ワイヤバレル16Aは、オープンバレル形式、すなわち底板17の左右両側縁から一対のカシメ片18Aを立ち上げた形態をなし、インシュレーションバレル16Bも、ワイヤバレル16Aと同様、オープンバレル形式とされ、底板17の左右両側縁から一対のカシメ片18Bを立ち上げた形態をなしている。ワイヤバレル16Aのカシメ片18Aは、インシュレーションバレル16Bのカシメ片18Bよりも底板17からの立ち上がり寸法が小さく、またインシュレーションバレル16Bのカシメ片18Bよりも幅寸法(前後方向の長さ寸法)が大きいものとされている。なお、ワイヤバレル16Aのカシメ片18A、およびインシュレーションバレル16Bのカシメ片18Bは、それぞれ対向するカシメ片18A,18B同士がほぼ同じ高さ寸法、および同じ幅寸法をなしている。また、ワイヤバレル16Aの内面には、複数のセレーション25が形成されている。
電線13の端末部には、端子金具14と同種の銅合金製であるキャップ19が被せられている。キャップ19は銅合金製の板材を深絞り加工する等によって形成され、一方側が閉じられた筒状をなしている。キャップ19は、電線13の端末部の露出した芯線11を覆い、その外側からワイヤバレル16Aにかしめ付けられる(図6参照)。
キャップ19は、ワイヤバレル16Aにかしめ付けられる前の段階では、長手方向にわたってその断面形状がほぼ同じ大きさをなす円筒状に形成されている。キャップ19は、電線13の端末部において絶縁層12が除去されることで露出した芯線11の先端から絶縁層12の端末(先端部)までを覆うことが可能な長さ寸法を有している(図7参照)。言い換えると、キャップ19の長さ寸法は、端子金具14の電線接続部16の前後方向の長さ寸法と同等であって、先端がワイヤバレル16Aよりも前方に突出し、かつ後端(開口端)がインシュレーションバレル16Bの前後方向の略中央に位置する長さ寸法に設定されている。
キャップ19と芯線11との間には、端子金具14と同種の銅合金製である中間部材20が配置されている。中間部材20は、略矩形状をなす金属板(銅合金からなる金属板に錫メッキが施されたもの)を、略円筒状に折り曲げてなるものである(図3および図4参照)。中間部材20は、その短辺同士が接近するように折り曲げられ、短辺同士の間には、わずかな隙間が形成されている。中間部材20は、ワイヤバレル16Aにかしめ付けられる前の状態では、その内径寸法は芯線11の外径寸法よりも大きく、かつ外径寸法はキャップ19の内径寸法よりも小さいものとされている(図2参照)。中間部材20の断面形状は、軸線方向の全長にわたり略一定とされ、その両端は開口している。
中間部材20の板面には、複数の凹部21が並んで形成されている。複数の凹部21は、中間部材20の表裏両面のうち芯線11と接触する側の面(以後、接触面22と称する)、すなわち略筒状に巻かれた状態で内側に配される側の面に形成されている。この複数の凹部21は、中間部材20の芯線11への圧着に伴って、芯線11に食い込むセレーションを構成している。
次に、この複数の凹部21について、中間部材20を折り曲げる前の平面視した形状を説明する。
各凹部21は、図3に示すように、その口縁23がほぼ同じ形状及び同じ大きさの平行四辺形状をなすように形成されている。なお、各凹部21の深さ寸法(凹み寸法)は、すべての凹部21についてほぼ同じ寸法とされている。
各凹部21の口縁23は、中間部材20の長辺方向に沿う方向に延びて互いに対向する一対の縁(第一縁23Aと称する)と、中間部材20の長辺方向に対して斜め方向に延びて互いに対向する一対の縁(第二縁23Bと称する)とにより構成されている。第一縁23Aと第二縁23Bとは、ほぼ同じ長さ寸法を有している。
複数の凹部21は、芯線11の軸線方向に対して略直交方向(中間部材20の長辺方向に沿う方向、図3の上下方向)に一列に並ぶとともに、この列が、芯線11の軸線方向(図3の左右方向)に複数列(本実施形態では7列)、並んで形成されている。そして、図3の上下方向に1列に並んで配された凹部21の列(以後、横列と称する)を、図3の左側から順に、第一横列、第二横列、第三横列、第四横列、第五横列、第六横列、第七横列、と称して説明すると、第一横列と第二横列の凹部21、第二横列と第三横列の凹部21、第三横列と第四横列の凹部21、第四横列と第五横列の凹部21、第五横列と第六横列の凹部21、第六横列と第七横列の凹部21とは、それぞれ中間部材20の長辺方向に沿う方向にずれて配置されている。この凹部21の位置ずれ量は、すべての横列間において一定とされ、一の横列の凹部21と、これと隣り合う他の横列の凹部21とは、軸線方向に対して斜め方向に列(以後、縦斜列と称する)をなして並んで配されている。この縦斜列の並び方向は、各凹部21の第二縁23Bの延び方向と一致している。そして、各横列において隣り合う凹部21の間の位置(芯線11の軸線方向に対して交差方向に隣り合う凹部21の間の位置)の後方(芯線11の軸線方向にずれた位置)に、次の横列の凹部21(交差方向に隣り合う凹部21とは別の凹部21)が位置している。
複数の凹部21は、隣り合う凹部21の間の間隔が、その口縁23のうち隣り合う凹部21間で向き合って配される縁の長さ寸法よりも小さくなる位置に配置されている。具体的には、横列において隣り合う凹部21の間の間隔が、第二縁23Bの長さ寸法よりも小さく、かつ縦斜列において隣り合う凹部21の間の間隔が、第一縁23Aの長さ寸法よりも小さくなる位置に配置されている。
凹部21の第一縁23Aは、中間部材20の長辺方向に沿って一直線上に並び、第二縁23Bは、芯線11の軸線方向に対して斜め方向に一直線上に並んでいる。隣り合う凹部21における第一縁23Aと第一縁23Aとの間の間隔、および第二縁23Bと第二縁23Bとの間の間隔はほぼ等しく、また一定間隔とされている。また、一の横列の凹部21の第一縁23Aと、他の横列の凹部21の第一縁23Aとは略平行をなして配され、一の縦斜列の凹部21の第二縁23Bと、他の縦斜列の凹部21の第二縁23Bとは略平行をなして配されている。
キャップ19の外周側には、熱収縮チューブ24(シール部材)が備えられている。熱収縮チューブ24は、収縮前の状態にあってはキャップ19よりも大径な円筒状をなし(図2参照)、キャップ19に対して遊嵌されるようになっている。また、熱収縮チューブ24は、キャップ19の後端部から絶縁層12のうちキャップ19の後方に位置する部分までを覆う長さ寸法を有している(図5参照)。熱収縮チューブ24は、キャップ19の開口端部から絶縁層12の外周に隙間なく密着し、キャップ19と絶縁層12との間をシールしている。
次に、本実施形態にかかる端子金具付き電線10の製造方法について説明する。
まず、電線13の芯線11に中間部材20を外嵌する。次いで、中間部材20の外側にキャップ19を被せ、芯線11および絶縁層12の端部までを覆うようにセットする。
そして、キャップ19の後端部(開口端部)から絶縁層12に至る範囲を覆うように熱収縮チューブ24を装着し、ドライヤー等の加熱手段によって加熱する。すると、熱収縮チューブ24は収縮し、キャップ19の後端部からキャップ19の後方に位置する絶縁層12の外周面の全体に亘って隙間なく密着する(図5参照)。
次に、キャップ19と熱収縮チューブ24とが被覆された電線13の端末部を、端子金具14の底板17上に載置する(図7参照)。このとき、熱収縮チューブ24の軸線方向略中央位置、言い換えると、キャップ19の開口端の位置がインシュレーションバレル16Bの前後方向略中央に位置するようにする。また、キャップ19の先端部がワイヤバレル16Aよりも前方に突出する位置、言い換えると、キャップ19の内側に配置された中間部材20の全体が、ワイヤバレル16Aの内側に位置するようにセットする。
そして、熱収縮チューブ24を包囲するようにインシュレーションバレル16Bのカシメ片18Bをカシメ付けて圧着固定し、またキャップ19を包囲するようにワイヤバレル16Aのカシメ片18Aをカシメ付けて圧着固定する。なお、かしめ付けに際しては、カシメ片18A,18Bの突出端をそれぞれ重ね合わせつつキャップ19および熱収縮チューブ24の外周を左右両側から抱き込むようにして、いわゆるオーバラップ型にかしめつける。
すると、かしめ付けられたキャップ19の開口端部が、絶縁層12に食い込むようにして密着するとともに、キャップ19の内側に配置された中間部材20の全体が芯線11に圧着される。このとき、芯線11の金属酸化物層と中間部材20の口縁23とが接触して擦れ合い、金属酸化物層に亀裂が入って芯線11の金属新生面が露出する。そして、中間部材20の接触面22が芯線11の金属新生面に接触した状態になる。
こうして、電線13の芯線11と端子金具14とは、中間部材20およびキャップ19を介して電気的に導通された状態となり、これにより電線13と端子金具14との接続が完了する。
上記接続状態にあっては、キャップ19の開口端が熱収縮チューブ24で覆われるとともに、絶縁層12に密着するようにかしめ付けられることで、キャップ19内は完全に密閉されている。したがって、電線13の芯線11と、中間部材20およびキャップ19とが異種金属であっても、水分が入り込んで電食が発生することが防止される。また、キャップ19と端子金具14とは、接続部分が露出された状態にあるが、両者は同種の金属によって形成されているため、水分に触れることがあっても電食は起こらない。
上記のように構成された本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態の端子金具付き電線10は、金属製の芯線11に絶縁層12を被覆してなる電線13の端末部に、芯線11とは異種の金属によって形成された端子金具14が接続されてなる端子金具付き電線10であって、端子金具14と同種の金属材料により、電線13の端末部において絶縁層12が除去されることで露出した芯線11の先端から絶縁層12の端末までを覆う形状に形成されたキャップ19と、キャップ19と露出した芯線11との間に配置され、芯線11と接触する側の面(接触面22)に複数の凹部21が並んで形成された金属製の中間部材20と、を有し、凹部21の口縁23は、ほぼ同じ形状及び同じ大きさの平行四辺形状に形成され、複数の凹部21は、隣り合う凹部21の間隔が、口縁23のうち隣り合う凹部21間で向き合って配される縁の長さ寸法よりも小さくなる位置に配置されており、端子金具14の電線接続部16は、キャップ19を包囲するようにかしめ付けられ、中間部材20が芯線11に圧着している。
これにより、異種の金属同士の接合部分である中間部材20と芯線11との間には水分が入り込まないから、電食の発生を防止することができる。また、中間部材20に形成された凹部21の口縁23が、端子金具14の電線接続部16をかしめ付ける際に芯線11の金属酸化物層と擦れ合って金属酸化物層に亀裂を入れて金属新生面を露出させ、この金属新生面に中間部材20が圧着される。ここで、凹部が、従来のように溝状をなすものである場合には、金属酸化物層と擦れ合うのはその延び方向に沿う一対の縁のみであるけれども、本実施形態によれば、金属酸化物層と擦れ合う縁の長さ寸法はそれよりも大きいものとなる。例えば、軸線方向とは交差方向に直線状に延びる溝状のセレーションと本実施形態とを比較すると、溝状のセレーションの両側縁を加算した長さ寸法よりも、本実施形態の横列の凹部21の口縁23の加算した長さ寸法のほうが大きいので、金属酸化物層と擦れ合う縁の長さ寸法は従来よりも大きいものとなるのである。したがって、中間部材20と接触する金属新生面の面積が従来よりも増えるから、芯線11の金属酸化物層の下にある金属と端子金具14との接触が十分となり、接触抵抗を十分に小さくすることができる。
すなわち本実施形態によれば、電食の発生を防ぐことができ、かつ接触抵抗を十分に小さくすることができる。
また、中間部材20には、芯線11の軸線方向に対して交差方向に隣り合う凹部21の間の位置であって、この位置よりも芯線11の軸線方向にずれた位置に、交差方向に隣り合う凹部21とは別の凹部21が配される位置関係で、複数の凹部21が形成されている。ここで、例えば複数の凹部を、芯線11の軸線方向に一列に並べるとともに、その列を軸線方向に対して交差方向に複数、配置する場合には、中間部材には凹部の列の間に軸線方向に沿って平坦な面が形成される。しかしながら、本実施形態では、中間部材20の接触面22に、このような平坦面(口縁23が形成されない面)が形成されないから、芯線11の引き抜きを阻止する力が増し、芯線11の抜け出しを防止することができる。
また、凹部21の口縁23は、平行四辺形状をなすものであって、隣り合う一の凹部21の口縁23のうち対向する一対の縁(第一縁23A,第二縁23B)と、他の凹部21の口縁23のうち対向する一対の縁(第一縁23A,第二縁23B)とが、それぞれ直線状をなす位置関係で形成されている。ここで、中間部材20に凹部21を形成するための金型は、凹部21に対応する部分を突出させ、それ以外の部分を凹ませた形状に形成する必要がある。本実施形態では、中間部材20の凹部21を除く部分は直線状をなすから、金型には、直線状をなす溝を複数交差させて形成すればよい。したがって、金型の凹凸を不規則に形成しなければならない場合に比べて、金型制作にかかるコストを安くすることができる。
また、キャップ19の後端部(絶縁層12側の端部)と絶縁層12の外周面とを覆って、キャップ19と絶縁層12との間をシールする熱収縮チューブ24が備えられている。これにより、キャップ19と絶縁層12との間のシール性を高めることができる。
また、電線接続部16は、電線13の芯線11をかしめ付けるワイヤバレル16Aと、絶縁層12をかしめ付けるインシュレーションバレル16Bとを有するものであり、キャップ19の後端部(絶縁層12側の端部)が、インシュレーションバレル16Bの内側に位置している。これにより、インシュレーションバレル16Bによってキャップ19の開口端部がかしめ付けられるから、キャップ19内のシール性をより高めることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、中間部材20に形成された凹部21の口縁23は平行四辺形状をなすものとされているが、これに限らず、たとえば正方形、長方形、また台形等であってもよい。
(2)上記実施形態では、キャップ19の後端部(絶縁層12側の端部)と絶縁層12の外周面とを覆う熱収縮チューブ24が備えられているが、この熱収縮チューブ24に替えて、例えばキャップ19の後端部から絶縁層12の外周面にわたる範囲にテープを巻き付けるようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、電線接続部16は、いわゆるオーバラップ型にかしめつけられるオープンバレル型とされているが、これに限らず、かしめ前に予め筒形に形成されたクローズドバレル型であってもよい。
(4)上記実施形態では、電線13の端末に接続する端子金具14として雌型の端子金具14を例示したが、例えば雄タブを備えた雄型の端子金具、あるいは目玉状の接続部を有するLA端子等の他の端子金具であってもよい。
(5)本発明は、上記実施形態に例示したアルミ電線13に銅合金製の端子金具14を接続する場合に限らず、電線の芯線とこれに接続される端子金具とが異種の金属によって形成されている場合の全般に広く適用することが可能である。
10…端子金具付き電線
11…芯線
12…絶縁層
13…電線
14…端子金具
16…電線接続部
16A…ワイヤバレル
16B…インシュレーションバレル
19…キャップ
20…中間部材
21…凹部
22…接触面(芯線と接触する側の面)
23…口縁
23A…第一縁(対向する一対の縁)
23B…第二縁(対向する一対の縁)
24…熱収縮チューブ(シール部材)

Claims (7)

  1. 金属製の芯線に絶縁層を被覆してなる電線の端末部に、前記芯線とは異種の金属によって形成された端子金具が接続されてなる端子金具付き電線であって、
    前記端子金具と同種の金属の前記端子金具との間で電食を生じさせない材料により、前記電線の端末部において前記絶縁層が除去されることで露出した前記芯線の先端から前記絶縁層の端末までを覆う形状に形成されたキャップと、
    前記キャップと前記露出した芯線との間に配置され、前記芯線と接触する側の面に複数の凹部が並んで形成された金属製の中間部材と、を有し、
    前記端子金具の電線接続部は、前記キャップを包囲するようにかしめ付けられ、前記中間部材が前記芯線に圧着している端子金具付き電線。
  2. 前記凹部の口縁は、ほぼ同じ形状及び同じ大きさの四角形状に形成され、
    前記複数の凹部は、隣り合う前記凹部の間隔が、前記凹部の口縁のうちこの隣り合う前記凹部間で向き合って配される縁の長さ寸法よりも小さくなる位置に配置されている請求項1に記載の端子金具付き電線。
  3. 前記中間部材には、前記芯線の軸線方向に対して交差方向に隣り合う前記凹部の間の位置であって、この位置よりも前記芯線の軸線方向にずれた位置に、前記交差方向に隣り合う前記凹部とは別の前記凹部が配される位置関係で、前記複数の凹部が形成されている請求項1または請求項2に記載の端子金具付き電線。
  4. 前記凹部の口縁は、平行四辺形状をなすものであって、
    前記複数の凹部は、一の前記凹部の口縁のうち対向する一対の縁と、この一の前記凹部と隣り合う他の前記凹部の口縁のうち対向する一対の縁とが、それぞれ直線状をなす位置関係で形成されている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の端子金具付き電線。
  5. 前記キャップの前記絶縁層側の端部と前記絶縁層の外周面とを覆って、前記キャップと前記絶縁層との間をシールするシール部材が備えられている請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の端子金具付き電線。
  6. 前記電線接続部は、前記電線の芯線をかしめ付けるワイヤバレルと、前記絶縁層をかしめ付けるインシュレーションバレルとを有するものであり、
    前記キャップの前記絶縁層側の端部が、前記インシュレーションバレルの内側に位置する請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の端子金具付き電線。
  7. 前記電線が、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の芯線を備えたアルミ電線である一方、前記端子金具が銅合金製である請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の端子金具付き電線。
JP2010156973A 2010-07-09 2010-07-09 端子金具付き電線 Expired - Fee Related JP5477650B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010156973A JP5477650B2 (ja) 2010-07-09 2010-07-09 端子金具付き電線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010156973A JP5477650B2 (ja) 2010-07-09 2010-07-09 端子金具付き電線

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012018888A true JP2012018888A (ja) 2012-01-26
JP5477650B2 JP5477650B2 (ja) 2014-04-23

Family

ID=45603992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010156973A Expired - Fee Related JP5477650B2 (ja) 2010-07-09 2010-07-09 端子金具付き電線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5477650B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013122843A (ja) * 2011-12-09 2013-06-20 Yazaki Corp 端子接続構造
JP2018067426A (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 株式会社ティー・ピー・エス 接続端子付き電線およびその製造方法
JP2019003869A (ja) * 2017-06-16 2019-01-10 田淵電機株式会社 電線束と端子との接続構造及び接続方法
JP2019114568A (ja) * 2019-04-19 2019-07-11 株式会社ティー・ピー・エス 接続端子付き電線およびその製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS531687U (ja) * 1976-06-25 1978-01-09
JPS55150569A (en) * 1979-05-07 1980-11-22 Bendix Corp Caulked electric terminal for aluminum wire
JP2007311369A (ja) * 2007-08-31 2007-11-29 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 電線と端子金具との接続構造

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS531687U (ja) * 1976-06-25 1978-01-09
JPS55150569A (en) * 1979-05-07 1980-11-22 Bendix Corp Caulked electric terminal for aluminum wire
JP2007311369A (ja) * 2007-08-31 2007-11-29 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 電線と端子金具との接続構造

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013122843A (ja) * 2011-12-09 2013-06-20 Yazaki Corp 端子接続構造
JP2018067426A (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 株式会社ティー・ピー・エス 接続端子付き電線およびその製造方法
JP2019003869A (ja) * 2017-06-16 2019-01-10 田淵電機株式会社 電線束と端子との接続構造及び接続方法
JP2019114568A (ja) * 2019-04-19 2019-07-11 株式会社ティー・ピー・エス 接続端子付き電線およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5477650B2 (ja) 2014-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5375687B2 (ja) 端子金具、及び端子金具付き電線
US9543689B2 (en) Terminal crimped wire
JP5737590B2 (ja) 端子付き電線及び端子
JP5789136B2 (ja) 電気接続端子
KR101629125B1 (ko) 단자 피팅
JP6454062B2 (ja) 圧着端子
JP5418332B2 (ja) 端子金具付き電線
WO2013051480A1 (ja) 圧着端子
JP2014187021A (ja) 端子、ワイヤハーネス、ワイヤハーネス構造体および端子と被覆導線の接続方法
JP5814711B2 (ja) 接続構造体
JP5477650B2 (ja) 端子金具付き電線
JP5387477B2 (ja) 電線付き端子金具
JP5684425B1 (ja) ワイヤハーネス、端子と被覆導線の接続方法、ワイヤハーネス構造体
JP2010061906A (ja) 端子金具付き電線
JP2013211208A (ja) 接続端子
JP2010010001A (ja) 端子金具及び端子付き電線
JP5902414B2 (ja) 端子圧着電線の製造方法
JP5257671B2 (ja) 端子金具及び電線と端子金具との接続構造
JP2015222737A (ja) 接続構造体
JP6279043B2 (ja) 接続構造体
JP2015220144A (ja) 圧着端子、圧着端子の製造方法およびワイヤハーネス
JP2018092781A (ja) 端子付電線
JP5749136B2 (ja) 端子圧着電線
JP2021005454A (ja) 端子付き電線
JP4821690B2 (ja) ゴム栓及び防水コネクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5477650

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees