JP2020003699A - 感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 - Google Patents
感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】絶縁信頼性、接着性及びマイグレーションに優れた硬化物を形成できる感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品を提供する。【解決手段】(a)下記式(I)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)熱塩基発生剤と、(c)架橋剤と、(d)防錆剤と、(e)溶剤と、(f)感光剤と、を含有する感光性樹脂組成物。【選択図】図1
Description
本発明は、感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品に関する。
従来、半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜には、優れた耐熱性、電気特性、機械特性等を併せ持つポリベンゾオキサゾール等が用いられている。近年、これらの樹脂自身に感光特性を付与した感光性樹脂組成物が用いられており、これを用いるとパターン硬化物の製造工程が簡略化でき、煩雑な製造工程を短縮できる。
パターン硬化物の製造工程において、現像工程ではN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤が用いられてきたが、環境への配慮から、ポリベンゾオキサゾール前駆体等に感光剤としてナフトキノンジアジド化合物を混合する方法により、アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
ところで、近年、コンピュータの高性能化を支えてきたトランジスタの微細化は、スケーリング則の限界に来ており、さらなる高性能化や高速化のために半導体素子を3次元的に積層する積層デバイス構造が注目を集めている(例えば、非特許文献1参照)
積層デバイス構造の中でも、マルチダイファンアウトウエハレベルパッケージ(Multi−die Fanout Wafer Level Packaging)は、1つのパッケージの中に複数のダイを一括封止して製造するパッケージであり、従来から提案されているファンアウトウエハレベルパッケージ(一つのパッケージの中に一つのダイを封止して製造する)よりも低コスト化、高性能化が期待できるので、非常に注目を集めている。
また、これらの積層デバイスの作製方法については、各社各様であるものの、先に配線層を形成し、その上に半導体チップをフリップ・チップ搭載し、その後モールド封止を実施するRDL(ReDistribution Layer)ファースト工法が注目を集めている。
また、これらの積層デバイスの作製方法については、各社各様であるものの、先に配線層を形成し、その上に半導体チップをフリップ・チップ搭載し、その後モールド封止を実施するRDL(ReDistribution Layer)ファースト工法が注目を集めている。
しかし、RDLファースト工法においては、再配線の微細化が進んでおり、層間絶縁膜に必要とされる絶縁信頼性が従来よりも非常に高くなっている。
"半導体技術年鑑 2013 パッケージング/実装 編",日経BP社,p41−p50
本発明の目的は、絶縁信頼性、接着性及びマイグレーションに優れた硬化物を形成できる感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品を提供することである。
本発明者らは、微細化が進んだ基板において、従来の感光性樹脂組成物では、絶縁信頼性又はマイグレーションに問題が生じることを見つけ出した。
本発明者らは、上記問題を鑑み、さらなる検討を重ねた結果、感光性樹脂組成物に特定の成分の組み合わせを用いることで、絶縁信頼性及びマイグレーションを向上させることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の感光性樹脂組成物等が提供される。
1.(a)下記式(I)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と、
(b)熱塩基発生剤と、
(c)架橋剤と、
(d)防錆剤と、
(e)溶剤と、
(f)感光剤と、を含有する感光性樹脂組成物。
(式(I)中、Uは2価の有機基、単結合、−O−又は−SO2−であり、Vは2価の有機基を示す。)
2.前記(b)成分が、下記式(II)で表される化合物を含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
(式(II)中、Rは水素原子、炭素数1〜10の1〜4価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜10の1〜4価の芳香族炭化水素基である。nは1〜4の整数を表す。)
3.前記(c)成分が、メチロール基を1以上有する化合物又は炭素数2〜10のアルコキシアルキル基を1以上有する化合物を含む請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
4.前記(d)成分が、アゾール化合物及びオキサゾール化合物からなる群から選択される化合物を含む請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
5.前記(f)成分がO−キノンジアジド化合物を含む請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
6.請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、
パターン露光した樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像しパターン樹脂膜を形成する工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、
を含むパターン硬化物の製造方法。
7.前記加熱処理の温度が320℃以下である請求項6に記載のパターン硬化物の製造方法。
8.請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化物。
9.パターン硬化物である請求項8に記載の硬化物。
10.請求項8又は9に記載の硬化物を用いて作製した層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
11.請求項10に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を含む電子部品。
1.(a)下記式(I)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と、
(b)熱塩基発生剤と、
(c)架橋剤と、
(d)防錆剤と、
(e)溶剤と、
(f)感光剤と、を含有する感光性樹脂組成物。
2.前記(b)成分が、下記式(II)で表される化合物を含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
3.前記(c)成分が、メチロール基を1以上有する化合物又は炭素数2〜10のアルコキシアルキル基を1以上有する化合物を含む請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
4.前記(d)成分が、アゾール化合物及びオキサゾール化合物からなる群から選択される化合物を含む請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
5.前記(f)成分がO−キノンジアジド化合物を含む請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
6.請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、
パターン露光した樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像しパターン樹脂膜を形成する工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、
を含むパターン硬化物の製造方法。
7.前記加熱処理の温度が320℃以下である請求項6に記載のパターン硬化物の製造方法。
8.請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化物。
9.パターン硬化物である請求項8に記載の硬化物。
10.請求項8又は9に記載の硬化物を用いて作製した層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
11.請求項10に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を含む電子部品。
本発明によれば、絶縁信頼性、接着性及びマイグレーションに優れた硬化物を形成できる感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品が提供できる。
以下に、本発明の感光性樹脂組成物、それを用いたパターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品の実施の形態を詳細に説明する。尚、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
本明細書において「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。さらに、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。さらに、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)下記式(I)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体(以下、「(a)成分」ともいう。)と、(b)熱塩基発生剤(以下、「(b)成分」ともいう。)と、(c)架橋剤(以下、「(c)成分」ともいう。)と、(d)防錆剤(以下、「(d)成分」ともいう。)と、(e)溶剤(以下、「(e)成分」ともいう。)と、(f)感光剤(以下、「(f)成分」ともいう。)と、を含有する。
(式(I)中、Uは2価の有機基、単結合、−O−又は−SO2−であり、Vは2価の有機基を示す。)
これにより、絶縁信頼性、接着性(密着性)及びマイグレーションに優れた硬化物を形成できる。
また、任意の効果として、Cu絶縁信頼性、Cu接着性及びCuマイグレーションに優れた硬化物を形成できる。
任意の効果として、微細配線(例えば線幅2μm、間隔2μmの配線)において、絶縁信頼性を向上させた硬化物を形成できる。
また、任意の効果として、防錆性に優れた硬化物を得ることができる。
また、任意の効果として、Cu配線の腐食を抑制できる硬化物を得ることができる。
また、任意の効果として、Cu絶縁信頼性、Cu接着性及びCuマイグレーションに優れた硬化物を形成できる。
任意の効果として、微細配線(例えば線幅2μm、間隔2μmの配線)において、絶縁信頼性を向上させた硬化物を形成できる。
また、任意の効果として、防錆性に優れた硬化物を得ることができる。
また、任意の効果として、Cu配線の腐食を抑制できる硬化物を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組成物が好ましい。
(a)成分は、パターニングの観点から、i線における透過率が高いものが好ましい。
式(I)のUは、2価の有機基が好ましい。
式(I)のUの2価の有機基としては、置換基を有してもよい炭素数1〜30(好ましくは2〜30)の2価の脂肪族炭化水素基が好ましく、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよいエチレン基がより好ましい。
式(I)のUの置換基を有してもよい炭素数1〜30の2価の脂肪族炭化水素基は、鎖状でもよい。
置換基としては、メチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
式(I)のUの2価の有機基としては、置換基を有してもよい炭素数1〜30(好ましくは2〜30)の2価の脂肪族炭化水素基が好ましく、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよいエチレン基がより好ましい。
式(I)のUの置換基を有してもよい炭素数1〜30の2価の脂肪族炭化水素基は、鎖状でもよい。
置換基としては、メチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
式(UV1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフッ素化アルキル基であり、a1は1〜30の整数(好ましくは1〜10)である。
R1及びR2が2以上存在する場合、2以上のR1及びR2のそれぞれは、同一でもよく、異なっていてもよい。
式(UV1)のR1及びR2の炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のアルキル基としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。
式(UV1)のR1及びR2の炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のフッ素化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロブチル等が挙げられる。
式(UV1)のR1及びR2は、(a)成分の透明性の観点から、トリフルオロメチル基が好ましい。
式(UV1)のR1及びR2の炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のフッ素化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロブチル等が挙げられる。
式(UV1)のR1及びR2は、(a)成分の透明性の観点から、トリフルオロメチル基が好ましい。
式(I)のVの2価の有機基としては、ジカルボン酸から2つのカルボキシ基を除いた基等が挙げられる。
式(I)のVの2価の有機基としては、2価の脂肪族炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
また、式(I)のVの2価の有機基は、2つの2価の芳香族炭化水素基が、
単結合、
酸素原子、硫黄原子、窒素原子及び珪素原子等のヘテロ原子、
上述の式(UV1)で表される基、又は
ケトン基、エステル基及びアミド基等の有機基で結合された2価の基でもよい。
2価の脂肪族炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基は、置換基を有してもよい。置換基としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。
また、式(I)のVの2価の有機基は、2つの2価の芳香族炭化水素基が、
単結合、
酸素原子、硫黄原子、窒素原子及び珪素原子等のヘテロ原子、
上述の式(UV1)で表される基、又は
ケトン基、エステル基及びアミド基等の有機基で結合された2価の基でもよい。
2価の脂肪族炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基は、置換基を有してもよい。置換基としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは5〜18の)は、例えば、アルキレン基(例えば、デシレン基、ドデシレン基)、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基及び2価のビシクロ環等が挙げられる。
また、上記の2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜30)としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
Vのジカルボン酸としては、ドデカン二酸、デカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
(a)成分は、通常、本発明の感光性樹脂組成物をアルカリ水溶液で現像するため、アルカリ水溶液に可溶であることが好ましく、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に可溶であることがより好ましい。
(a)成分がアルカリ水溶液に可溶であることの1つの基準を、以下に説明する。(a)成分を任意の溶剤に溶かして溶液とした後、シリコンウエハ等の基板上にスピン塗布して膜厚5μm程度の樹脂膜を形成する。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液のいずれか1つに、20〜25℃において浸漬する。この結果、溶解して溶液となったとき、用いた(a)成分はアルカリ水溶液に可溶であると判断する。
(a)成分の分子量について、ポリスチレン換算での重量平均分子量が10,000〜100,000であることが好ましく、15,000〜100,000がより好ましく、20,000〜85,000がさらに好ましい。
上記範囲の場合、適切なアルカリ現像液への溶解性を保ち、感光性樹脂組成物の粘度を適切にすることができる。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によって測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求める。
また、重量平均分子量を数平均分子量で除した分散度は1.0〜4.0が好ましく、1.0〜3.5がより好ましい。
上記範囲の場合、適切なアルカリ現像液への溶解性を保ち、感光性樹脂組成物の粘度を適切にすることができる。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によって測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求める。
また、重量平均分子量を数平均分子量で除した分散度は1.0〜4.0が好ましく、1.0〜3.5がより好ましい。
(b)成分は、熱によって塩基を発生する化合物であり、通常、ルイス塩基とルイス酸の組み合わせである。通常、ルイス塩基のpKaは4〜13(8〜13が好ましく、マイグレーション抑制の観点から10〜12がより好ましい)であり、ルイス酸のpKaは3〜10(3〜8が好ましく、4〜7がより好ましい)である。
(b)成分のpkaの値は欧州バイオインフォマティクス研究所により管理運営されているChEMBL:https://www.ebi.ac.uk/chembl/の値(2018年5月10日)を使用する。
(b)成分としては、イオン型構造を有する化合物が好ましい。また、アニオンとカチオンとを含む化合物が好ましい。
(b)成分から発生する塩基は有機塩基であることが好ましく、1級アミン、2級アミン及び3級アミンがより好ましい。1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン‐7及びそのアンモニウムイオンは、塩基性の強さの観点から、さらに好ましい。
上記アニオンとしては、カルボン酸アニオン、フェノールアニオン、及びリン酸アニオンからなる群から選択されるアニオンが好ましい。分解温度の観点から、カルボン酸アニオンが最も好ましい。(b)成分はカルボン酸アニオンとの塩が好ましい。
アニオン中の官能基(例えば、カルボキシ基のアニオン、フェノール性水酸基のアニオン、リン酸基のアニオン及び硫酸基のアニオン)の数は、1つでもよく、2以上でもよい。
(b)成分は、Cuマイグレーションの抑制の観点から、下記式(II)で表される化合物を含むことが好ましい。
(式(II)中、Rは水素原子、炭素数1〜10(好ましくは5〜9)の1〜4価(好ましくは1価又は2価)の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜10(好ましくは6〜8)の1〜4価(好ましくは1価又は2価)の芳香族炭化水素基である。nは1〜4の整数(好ましくは1又は2)を表す。)
式(II)のRの炭素数1〜10の1〜4価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の1〜4価のアルキル基(例えば、1〜4価のメチル基、1〜4価のエチル基、1〜4価のn−ブチル基、1〜4価のイソプロピル基、1〜4価のエチルペンチル基(例えば、1価の1−エチルペンチル基)、1〜4価のエチルヘキシル基、1〜4価のオクチル基等)などが挙げられる。
式(II)のRの炭素数6〜10の1〜4価の芳香族炭化水素基としては、1〜4価のフェニル基(例えば、2価のフェニル基)、1〜4価のナフチル基等が挙げられる。
(b)成分の分解温度は、示差走査熱量(DSC)測定において、100℃〜200℃が好ましい。
また、(b)成分の分解温度は、200℃以下が好ましく、190℃以下がより好ましく、180℃以下がさらに好ましい。(b)成分の分解温度は、100℃以上が好ましく、プロセスマージン及び保存安定性確保の観点から、110℃以上がさらに好ましい。
また、(b)成分の分解温度は、200℃以下が好ましく、190℃以下がより好ましく、180℃以下がさらに好ましい。(b)成分の分解温度は、100℃以上が好ましく、プロセスマージン及び保存安定性確保の観点から、110℃以上がさらに好ましい。
(b)成分の分解温度は、示差走査熱量計を用いて測定する。
(b)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(b)成分の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜7質量部がより好ましく、さらに好ましくは2〜5質量部である。
上記範囲内である場合、プロセスマージン及びCuマイグレーションの抑制能力を担保できる。
上記範囲内である場合、プロセスマージン及びCuマイグレーションの抑制能力を担保できる。
(c)成分は、後述の加熱処理する工程において、架橋又は重合する化合物であれば特に制限はないが、例えば炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のヒドロキシアルキル基を1以上(好ましくは2〜6)有する化合物、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基(例えば、炭素数1〜5のアルコキシ基で置換された炭素数1〜5(好ましくは1〜3)のアルキル基)を1以上(好ましくは2〜6)有する化合物、エポキシ基を1以上(好ましくは2〜6)有する化合物、オキセタニル基を1以上(好ましくは2〜6)有する化合物又はビニルエーテル基を1以上(好ましくは2〜6)有する化合物が好ましい。
低温での硬化物特性の観点から、メチロール基を有する化合物、又は炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されたメチル基を有する化合物(例えばメトキシメチル基を有する化合物)が最も好ましい。
低温での硬化物特性の観点から、メチロール基を有する化合物、又は炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されたメチル基を有する化合物(例えばメトキシメチル基を有する化合物)が最も好ましい。
また、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、エポキシ基、オキセタニル基又はビニルエーテル基が、置換基を有してもよいベンゼン環に、1以上(好ましくは2〜6)結合した化合物、
N位において、1以上(好ましくは1〜3)のメチロール基で、又は1以上(好ましくは1〜3)の炭素数1〜5のアルコキシ基で、置換されたメチル基で、置換されたメラミン樹脂、又は
N位において、1以上(好ましくは1〜3)のメチロール基で、又は1以上(好ましくは1〜3)炭素数1〜5のアルコキシ基で、置換されたメチル基で置換された尿素樹脂が好ましい。
置換基としては、水酸基、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
N位において、1以上(好ましくは1〜3)のメチロール基で、又は1以上(好ましくは1〜3)の炭素数1〜5のアルコキシ基で、置換されたメチル基で、置換されたメラミン樹脂、又は
N位において、1以上(好ましくは1〜3)のメチロール基で、又は1以上(好ましくは1〜3)炭素数1〜5のアルコキシ基で、置換されたメチル基で置換された尿素樹脂が好ましい。
置換基としては、水酸基、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、エポキシ基、オキセタニル基又はビニルエーテル基が、水酸基を有するベンゼン環に、1以上(好ましくは2〜6)結合した化合物は、露光部の溶解速度の増加による感度の向上の観点から、好ましい。
(c)成分は、硬化物の特性の観点から、メチロール基を1以上有する化合物又は炭素数2〜10のアルコキシアルキル基を1以上有する化合物を含むことが好ましい。
感度及び感光性樹脂組成物の安定性が良好で、パターン形成後の感光性樹脂膜の硬化時に感光性樹脂膜の溶融を防ぐことができるため、2以上のメチロール基を有する化合物又は2以上の炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されたメチル基を有する化合物がより好ましい。
感度及び感光性樹脂組成物の安定性が良好で、パターン形成後の感光性樹脂膜の硬化時に感光性樹脂膜の溶融を防ぐことができるため、2以上のメチロール基を有する化合物又は2以上の炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されたメチル基を有する化合物がより好ましい。
(c)成分としては、例えば、下記式(X)〜(XIV)で表される化合物が挙げられる。
(式(X)中、X’は、水素原子、単結合、−O−、−S−、−SO2−又は1〜4価(好ましくは2価又は3価)の有機基を示し、R11は水素原子又は1価の有機基を示し、R12は1価の有機基を示す。n’’は1〜4(好ましくは2又は3)の整数であり、pは1〜4(好ましくは1〜3)の整数であり、qは0〜3(好ましくは0〜1)の整数である。)
式(X)のX’の1〜4価の有機基としては、−CH2−、−C(CF3)2−、−CH<、>C<、−C(CH3)<、2〜4価のフルオレン環、−C(CH3)2−(C6H4)−C(CH3)<等が挙げられる。
式(X)〜(XIII)のR11及びR15〜R17の1価の有機基としては、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキル基、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のヒドロキシアルキル基、一部又は全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキル基、及び一部又は全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のヒドロキシアルキル基が好ましい。
式(X)〜(XII)のR12〜R14及びR18の1価の有機基としては、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキル基、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルコキシ基、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のヒドロキシアルコキシ基、炭素数2〜10(好ましくは2〜5)のアルコキシアルキル基、一部又は全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキル基、一部又は全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルコキシ基、一部又は全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のヒドロキシアルキル基、一部又は全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のヒドロキシアルコキシ基、及び一部又は全部がハロゲン原子で置換された炭素数2〜10(好ましくは2〜5)のアルコキシアルキル基が好ましい。
式(XIV)のR19〜R24のアルコキシメチル基としては、炭素数1〜5(好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2)のアルコキシ基で置換されたメチル基が好ましく、メトキシメチル基等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。
炭素数1〜10のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基としては、メチロール基等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子等が挙げられる。
炭素数2〜10のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等が挙げられる。
炭素数1〜10のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基としては、メチロール基等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子等が挙げられる。
炭素数2〜10のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等が挙げられる。
式(XII)で表される化合物及び(XIII)で表される化合物が、250℃以下の低温で硬化した場合に優れた耐薬品性を有する硬化物が得られるため、好ましい。また、式(XIII)で表される化合物を用いると、得られる硬化物が耐熱性に優れるため、より好ましい。
(c)成分は、1種単独でも、2種以上を組み合わせてもよい。
(c)成分の含有量は、現像時間、感度及び硬化物物性の観点から、(a)成分100質量部に対して、1〜50質量部が好ましい。また、感光性樹脂組成物を320℃以下で硬化した硬化物が良好な機械特性を発現させるため、1〜30質量部がより好ましく、1〜15質量部がさらに好ましい。
(d)成分としては、複素環含有化合物が好ましい。
(d)成分の複素環含有化合物としては、5員環又は6員環の少なくとも1つの原子が、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子である環構造を有する化合物が好ましい。
(d)成分の複素環含有化合物としては、5員環又は6員環の少なくとも1つの原子が、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子である環構造を有する化合物が好ましい。
(d)成分は、例えば、チアゾール化合物、アゾール化合物及びオキサゾール化合物からなる群から選択される化合物が挙げられ、Cu配線への防錆効果の観点から、アゾール化合物及びオキサゾール化合物からなる群から選択される化合物を含むことが好ましい。
アゾール化合物としては、絶縁信頼性評価後のCu配線への防錆効果の観点から、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物が好ましく、イミダゾール化合物、テトラゾール化合物がより好ましい。
(d)成分は、具体的には、5−アミノ−1H−テトラゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、1,3−ジメチル−5−ピラゾロン、3,5−ジメチルピラゾール、5,5−ジメチルヒダントイン、3−メチル−5−ピラゾロン、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、2−メチルイミダゾール、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンズオキサゾール、メチルチオベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、メチルチオベンズイミダゾール、ベンズイミダゾール、フェニルメルカプトチアゾリン、メルカプトフェニルテトラゾール、及びメルカプトメチルテトラゾール等があげられる。
5−アミノ−1H−テトラゾール及びベンズイミダゾールが好ましい。
5−アミノ−1H−テトラゾール及びベンズイミダゾールが好ましい。
(d)成分は、1種単独でも、2種以上を組み合わせてもよい。
(c)成分の含有量は、硬化物の銅基板に対する接着性の観点、及び感光性樹脂組成物の安定性の観点から、(a)成分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
(e)成分としては、通常、他の成分を充分に溶解できるものであれば特に制限はないが、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン等が挙げられる。
中でも、各成分の溶解性の観点及び塗布性の観点から、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。
中でも、各成分の溶解性の観点及び塗布性の観点から、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。
(e)成分は、1種単独でも、2種以上を組み合わせてもよい。
(e)成分の含有量に、特に制限はないが、(a)成分100質量部に対して、通常1〜1000質量部であり、50〜300質量部が好ましく、100〜200質量部がより好ましい。
(f)成分は、感度、解像度等の感光特性の観点から、O−キノンジアジド化合物(例えば、ジアゾナフトキノン化合物)を含むことが好ましい。
(f)成分は、好ましくは下記式(B’)で表される化合物及び式(C’)で表される化合物からなる群から選択される化合物を含むことが好ましい。
(式(B’)及び(C’)中、n’は1〜4(好ましくは2又は3)の整数である。Xは、ヒドロキシ基含有化合物の1価〜4価(好ましくは2価又は3価)の残基、又はアミノ基含有化合物の1価〜4価(好ましくは2価又は3価)の残基である。)
ヒドロキシ基含有化合物の1価〜4価の残基とは、ヒドロキシ基含有化合物のヒドロキシ基の水素原子を、1〜4原子除いて得られる基をいう。アミノ基含有化合物の1価〜4価の残基とは、アミノ基含有化合物のアミノ基の水素原子を、1〜4原子除いて得られる基をいう。
式(B’)及び(C’)のXのヒドロキシ基含有化合物の1価〜4価の残基は、好ましくは下記式(D)で表される基である。
式(D)中、R31及びR32は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフッ素化アルキル基、又は下記式(E)で表される基である。
式(D)及び(E)中、*は、それぞれ独立に、水素原子、又は式(B’)若しくは(C’)の括弧内の基である。少なくとも1つ(好ましくは、全て)の*は、式(B’)若しくは(C’)の括弧内の基である。
R31〜R34の炭素数1〜6のアルキル基は、式(UV1)のR1及びR2の炭素数1〜6のアルキル基と同様のものが挙げられる。
R31〜R34の炭素数1〜6のフッ素化アルキル基は、式(UV1)のR1及びR2の炭素数1〜6のフッ素化アルキル基と同様のものが挙げられる。
R31〜R34の炭素数1〜6のフッ素化アルキル基は、式(UV1)のR1及びR2の炭素数1〜6のフッ素化アルキル基と同様のものが挙げられる。
式(B’)で表される化合物及び式(C’)で表される化合物は、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドと、ヒドロキシ基含有化合物又はアミノ基含有化合物とを、脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。
ヒドロキシ基含有化合物としては特に制限はないが、未露光部の溶解阻害効果を高める観点から、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、又は1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−{[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]フェニル}エタンが好ましい。
アミノ基含有化合物としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が使用できる。
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドと、ヒドロキシ基含有化合物又はアミノ基含有化合物とは、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基又はアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましく、0.9〜1モル当量がより好ましい。
脱塩酸剤と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとの好ましい割合(モル比)は、0.95/1〜1/0.95の範囲である。好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間である。
上記反応の反応溶剤としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。
脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができる。
脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができる。
(f)成分としては、高感度化と高解像度化の観点から、下記式(5)で表される化合物を用いることが特に好ましい。
(式(5)中、Qは、それぞれ独立に、水素原子、下記式(6)で表される基又は下記式(7)で表される基である。少なくとも1つ(好ましくは2又は3)のQは下記式(6)で表される基又は下記式(7)で表される基である。)
(f)成分は、1種単独でも、2種以上を組み合わせてもよい。
(f)成分の含有量は、溶解コントラスト等を考慮して適宜調整すればよいが、特に厚膜の場合、光透過性及び光反応性の観点から、(a)成分100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、シランカップリング剤、溶解促進剤、溶解阻害剤、界面活性剤及びレベリング剤等を含有してもよい。
シランカップリング剤(上記の(c)架橋剤とは異なる化合物)は、通常、後述の加熱処理する工程において、(a)成分と反応して架橋する、又は加熱処理する工程においてカップリング剤自身が重合すると推定される。これにより、得られる硬化物と基板との接着性をより向上させることができる。
ウレア結合(−NH−CO−NH−)を有するシランカップリング剤を用いることにより、320℃以下の低温下で硬化を行った場合も基板との接着性をさらに高めることができるため、好ましい。
低温での硬化を行った際の接着性に優れるため、下記式(7)で表される化合物がより好ましい。
(式(7)中、R5及びR6は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基である。aは、1〜10の整数であり、bは、1〜3の整数である。)
式(7)で表される化合物の具体例としては、ウレイドメチルトリメトキシシラン、ウレイドメチルトリエトキシシラン、2−ウレイドエチルトリメトキシシラン、2−ウレイドエチルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、4−ウレイドブチルトリメトキシシラン、4−ウレイドブチルトリエトキシシラン等が挙げられ、好ましくは3−ウレイドプロピルトリエトキシシランである。
上記ウレア結合を有するシランカップリング剤に加えて、ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤を併用すると、さらに低温硬化時の硬化物の基板への密着性を向上させるため、好ましい。
ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤としては、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン、及び下記式(8)で表わされる化合物等が挙げられる。中でも、特に、基板との接着性(密着性)をより向上させるため、式(8)で表される化合物が好ましい。
(式(8)中、R7はヒドロキシ基又はグリシジル基を有する1価の有機基であり、R8及びR9は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基である。cは1〜10の整数であり、dは0〜2の整数である。)
式(8)で表される化合物としては、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤は、さらに、窒素原子を有する基を含むことが好ましく、さらにアミノ基又はアミド結合を有するシランカップリング剤がより好ましい。
さらにアミノ基を有するシランカップリング剤としては、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−グリシドキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
さらにアミド結合を有するシランカップリング剤としては、下記式で表される化合物等が挙げられる。
X1−(CH2)e−CO−NH−(CH2)f−Si(OR10)3
(式中、X1はヒドロキシ基又はグリシジル基であり、e及びfは、それぞれ独立に1〜3の整数であり、R10は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はプロピル基である。)
X1−(CH2)e−CO−NH−(CH2)f−Si(OR10)3
(式中、X1はヒドロキシ基又はグリシジル基であり、e及びfは、それぞれ独立に1〜3の整数であり、R10は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はプロピル基である。)
シランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
シランカップリング剤を用いる場合、シランカップリング剤の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜10質量部がより好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。
溶解促進剤を含むことで、(a)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性をより促進させることができる。
溶解促進剤としては、例えばフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。これにより、アルカリ水溶液を用いて現像する場合に、露光部の溶解速度が増加し、感度を向上することができる。また、パターン形成後の樹脂膜の硬化時に、樹脂膜の溶融を防ぐことができる。
溶解促進剤としては、例えばフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。これにより、アルカリ水溶液を用いて現像する場合に、露光部の溶解速度が増加し、感度を向上することができる。また、パターン形成後の樹脂膜の硬化時に、樹脂膜の溶融を防ぐことができる。
フェノール性水酸基を有する化合物に特に制限はないが、比較的分子量の小さい化合物が好ましい。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールG、4,4’,4’’−メチリジントリスフェノール、2,6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’−[1−[4−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4’’−エチリジントリスフェノール、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−エトキシフェノール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、2,2’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、2,2’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3,6−トリメチルフェノール]、4−[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3−メチルフェノール]、4,4’,4’’−(3−メチル−1−プロパニル−3−イリジン)トリスフェノール、4,4’,4’’,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリジン)テトラキスフェノール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ビス[(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェニル]−フェニル]エチリデン]ビス[2,6−ビス(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェノール等が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールG、4,4’,4’’−メチリジントリスフェノール、2,6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’−[1−[4−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4’’−エチリジントリスフェノール、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−エトキシフェノール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、2,2’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、2,2’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3,6−トリメチルフェノール]、4−[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3−メチルフェノール]、4,4’,4’’−(3−メチル−1−プロパニル−3−イリジン)トリスフェノール、4,4’,4’’,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリジン)テトラキスフェノール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ビス[(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェニル]−フェニル]エチリデン]ビス[2,6−ビス(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェノール等が挙げられる。
溶解促進剤を含む場合、溶解促進剤の含有量は、現像時間及び感度の点から、(a)成分100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、3〜25質量部がより好ましい。
溶解阻害剤を含むことで、(a)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害し、残膜厚及び現像時間を調整することができる。また、溶解阻害剤が酸を発生する場合、発生する酸が揮発し易いことから、(a)成分の環化脱水反応には関与しにくい。
溶解阻害剤としては、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨーダイト等のジフェニルヨードニウム塩などが好ましい。
溶解阻害剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
溶解阻害剤を用いる場合、溶解阻害剤の配合量は、感度及び現像時間の観点から、(a)成分100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、0.01〜30質量部がより好ましく、0.1〜20質量部がさらに好ましい。
界面活性剤又はレベリング剤を含むことで、塗布性(例えばストリエーション(膜厚のムラ)の抑制)及び現像性を向上させることができる。
界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等が挙げられ、市販品としては、商品名「メガファックスF171」、「F173」、「R−08」(以上、DIC株式会社製)、商品名「フロラードFC430」、「FC431」(以上、住友スリーエム株式会社製)、商品名「オルガノシロキサンポリマーKP341」、「KBM303」、「KBM403」、「KBM803」(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤及びレベリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤又はレベリング剤を含む場合、界面活性剤又はレベリング剤の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.05〜3質量部がさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(e)成分を除いて、本質的に、(a)〜(d)成分及び(f)成分、並びに任意にシランカップリング剤、溶解促進剤、溶解阻害剤、界面活性剤及びレベリング剤からなっており(consisting essentially of)、本発明の効果を損なわない範囲で他に不可避不純物を含んでもよい。
本発明の感光性樹脂組成物の、例えば、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上又は100質量%が、(e)成分を除いて、
(a)〜(d)成分及び(f)成分、又は
(a)〜(d)成分及び(f)成分、並びに任意にシランカップリング剤、溶解促進剤、溶解阻害剤、界面活性剤及びレベリング剤からなっていてもよい(consisting of)。
本発明の感光性樹脂組成物の、例えば、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上又は100質量%が、(e)成分を除いて、
(a)〜(d)成分及び(f)成分、又は
(a)〜(d)成分及び(f)成分、並びに任意にシランカップリング剤、溶解促進剤、溶解阻害剤、界面活性剤及びレベリング剤からなっていてもよい(consisting of)。
本発明の感光性樹脂組成物は、RDL(ReDistribution Layer)ファースト用途であることが好ましい。
RDLファースト用途では、加熱処理の温度は、350℃以下が好ましく、機械特性、薬品耐性及びフラックス耐性の観点から、320℃以下がより好ましく、120〜300℃がより好ましく、160〜280℃がさらに好ましい。
RDLファースト用途では、加熱処理の温度は、350℃以下が好ましく、機械特性、薬品耐性及びフラックス耐性の観点から、320℃以下がより好ましく、120〜300℃がより好ましく、160〜280℃がさらに好ましい。
本発明の硬化物は、上述の感光性樹脂組成物の硬化することで得ることができる。
本発明の硬化物は、パターン硬化物として用いてもよく、パターンがない硬化物として用いてもよい。
本発明の硬化物の膜厚は、5〜30μmが好ましい。
本発明の硬化物は、パターン硬化物として用いてもよく、パターンがない硬化物として用いてもよい。
本発明の硬化物の膜厚は、5〜30μmが好ましい。
本発明のパターン硬化物の製造方法では、上述の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、パターン露光した樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像しパターン樹脂膜を形成する工程と、パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含む。
これにより、パターン硬化物を製造することができる。
これにより、パターン硬化物を製造することができる。
パターンがない硬化物を製造する方法は、例えば、上述の感光性樹脂膜を形成する工程と加熱処理する工程とを備える。さらに、露光する工程を備えてもよい。
基板としては、ガラス基板、シリコン基板(シリコンウエハ)等の半導体基板、TiO2基板、SiO2基板等の金属酸化物絶縁体基板、Cuめっきウエハ、窒化ケイ素基板、銅基板、銅合金基板などが挙げられる。
塗布方法に特に制限はないが、スピナー等を用いて行うことができる。
乾燥は、ホットプレート、オーブン等を用いて行うことができる。
乾燥温度は90〜150℃が好ましく、溶解コントラスト確保の観点から、100〜130℃がより好ましい。乾燥時間は、30秒間〜5分間が好ましい。
乾燥は、2回以上行ってもよい。これにより、上述の感光性樹脂組成物を膜状に形成した感光性樹脂膜を得ることができる。
乾燥温度は90〜150℃が好ましく、溶解コントラスト確保の観点から、100〜130℃がより好ましい。乾燥時間は、30秒間〜5分間が好ましい。
乾燥は、2回以上行ってもよい。これにより、上述の感光性樹脂組成物を膜状に形成した感光性樹脂膜を得ることができる。
感光性樹脂膜の膜厚は、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmがさらに好ましい。
パターン露光は、例えばフォトマスクを介して所定のパターンに露光する。
例えばフォトマスクを介さず、パターンなしで露光してもよい。
照射する活性光線は、i線等の紫外線、可視光線、放射線などが挙げられるが、i線であることが好ましい。
露光装置としては、平行露光機、投影露光機、ステッパ、スキャナ露光機、プロキシミティ露光機等を用いることができる。
例えばフォトマスクを介さず、パターンなしで露光してもよい。
照射する活性光線は、i線等の紫外線、可視光線、放射線などが挙げられるが、i線であることが好ましい。
露光装置としては、平行露光機、投影露光機、ステッパ、スキャナ露光機、プロキシミティ露光機等を用いることができる。
現像することで、パターン形成された樹脂膜(パターン樹脂膜)を得ることができる。一般的に、ポジ型感光性樹脂組成物を用いた場合には、露光部を現像液で除去する。
現像液として用いるアルカリ水溶液は、金属塩の水溶液、アンモニア水溶液、有機アンモニウム水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等が挙げられる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液等が挙げられ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液が好ましい。
アルカリ水溶液の濃度は、0.1〜10質量%が好ましい。
一般的には、濃度が2.38質量%のTMAH水溶液を用いることが好ましい。
現像液として用いるアルカリ水溶液は、金属塩の水溶液、アンモニア水溶液、有機アンモニウム水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等が挙げられる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液等が挙げられ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液が好ましい。
アルカリ水溶液の濃度は、0.1〜10質量%が好ましい。
一般的には、濃度が2.38質量%のTMAH水溶液を用いることが好ましい。
現像時間は、(a)成分によっても異なるが、10秒間〜15分間が好ましく、10秒間〜5分間がより好ましく、生産性の観点からは、30秒間〜4分間がさらに好ましい。
露光部の基板が露出するまで現像するとしてもよい。
露光部の基板が露出するまで現像するとしてもよい。
上記現像液にアルコール類又は界面活性剤を添加してもよい。添加量としては、現像液100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
パターン樹脂膜を加熱処理することにより、(a)成分の官能基同士、又は、(a)成分と(c)成分間等に架橋構造を形成し、また、(c)成分同士が重合し、パターン硬化物を得ることができる。
また、加熱処理によって(a)成分が脱水閉環反応を起こし、対応するポリベンゾオキサゾールとすることができる。
また、加熱処理によって(a)成分が脱水閉環反応を起こし、対応するポリベンゾオキサゾールとすることができる。
加熱処理の温度は、350℃以下が好ましく、機械特性、薬品耐性及びフラックス耐性の観点から、320℃以下がより好ましく、120〜300℃がより好ましく、160〜280℃がさらに好ましい。
上記範囲内であることにより、基板及びデバイスへのダメージを小さく抑えることができ、デバイスを歩留り良く生産することができる。また、プロセスの省エネルギー化を実現することができる。
上記範囲内であることにより、基板及びデバイスへのダメージを小さく抑えることができ、デバイスを歩留り良く生産することができる。また、プロセスの省エネルギー化を実現することができる。
加熱処理の時間は、5時間以下が好ましく、30分間〜3時間がより好ましい。
上記範囲内であることにより、架橋反応又は脱水閉環反応を充分に進行することができる。
加熱処理の雰囲気は大気中であっても、窒素等の不活性雰囲気中であってもよいが、パターン樹脂膜の酸化を防ぐことができる観点から、窒素雰囲気下が好ましい。
上記範囲内であることにより、架橋反応又は脱水閉環反応を充分に進行することができる。
加熱処理の雰囲気は大気中であっても、窒素等の不活性雰囲気中であってもよいが、パターン樹脂膜の酸化を防ぐことができる観点から、窒素雰囲気下が好ましい。
加熱処理に用いられる装置としては、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、マイクロ波硬化炉等が挙げられる。
本発明の硬化物は、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜として用いることができる。
上記層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜等からなる群から選択される1以上を用いて、信頼性の高い、半導体装置、多層配線板、各種電子デバイス等の電子部品などを製造することができる。
上記層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜等からなる群から選択される1以上を用いて、信頼性の高い、半導体装置、多層配線板、各種電子デバイス等の電子部品などを製造することができる。
本発明の層間絶縁膜及び表面保護膜を有する半導体装置の概略断面図を図1に示す。この半導体装置は多層配線構造を有している。層間絶縁層(層間絶縁膜)1の上にはAl配線層2が形成され、その上部にはさらに絶縁層(絶縁膜)3(例えばP−SiN層)が形成され、さらに素子の表面保護層(表面保護膜)4が形成されている。配線層のパット部5からは再配線層6が形成され、外部接続端子であるハンダ、金等で形成された導電性ボール7との接続部分である、コア8の上部まで伸びている。さらに表面保護層4の上には、カバーコート層9が形成されている。再配線層6は、バリアメタル10を介して導電性ボール7に接続されているが、この導電性ボール7を保持するために、カラー11が設けられている。このような構造のパッケージを実装する際には、さらに応力を緩和するために、アンダーフィル12を介することもある。
また、図1において、本発明の硬化物を、接着性、応力緩和及び信頼性の観点から、カバーコート層、コア、カラー、及びアンダーフィルからなる群から選択される1以上に用いてもよい。
図1のような半導体装置は、本発明の層間絶縁層、本発明の表面保護層、カバーコート層、コア、カラー、又はアンダーフィル等を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
合成例1(ポリマーIの合成)
攪拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチル−2−ピロリドン60gを入れ、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92g(38mmol)を添加し、攪拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド11.86g(40mmol)を10分間で滴下した後、室温に戻しフラスコ中の溶液を3時間攪拌した。攪拌後の溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収し、これを純水で3回洗浄した後、減圧してポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を得た(以下、ポリマーIとする)。ポリマーIのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は22,400、分散度は3.2であった。
攪拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチル−2−ピロリドン60gを入れ、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92g(38mmol)を添加し、攪拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド11.86g(40mmol)を10分間で滴下した後、室温に戻しフラスコ中の溶液を3時間攪拌した。攪拌後の溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収し、これを純水で3回洗浄した後、減圧してポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を得た(以下、ポリマーIとする)。ポリマーIのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は22,400、分散度は3.2であった。
GPC法による重量平均分子量の測定条件は以下のとおりである。ポリマー0.5mgに対して溶剤[THF(テトラヒドロフラン)/DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)=1/1(容積比)]1mlの溶液を用いて測定した。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所社製L4000 UV
ポンプ :株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所社製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液 :THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/l)、H3PO4(0.06mol/l)
流速 :1.0ml/min、検出器:UV270nm
ポンプ :株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所社製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液 :THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/l)、H3PO4(0.06mol/l)
流速 :1.0ml/min、検出器:UV270nm
実施例1〜10及び比較例1〜5
<感光性樹脂組成物の調製>
表1及び2に示した成分及び配合量にて、実施例1〜10及び比較例1〜5の感光性樹脂組成物を調製した。表1及び2の配合量は、(a)成分100質量部に対する、(b)〜(f)成分及び(b’)成分の質量部である。
<感光性樹脂組成物の調製>
表1及び2に示した成分及び配合量にて、実施例1〜10及び比較例1〜5の感光性樹脂組成物を調製した。表1及び2の配合量は、(a)成分100質量部に対する、(b)〜(f)成分及び(b’)成分の質量部である。
用いた各成分は以下の通りである。(a)成分として、合成例1で得られたポリマーIを用いた。
(b)成分:熱塩基発生剤
(b−1):下記構造を有する化合物(サンアプロ株式会社製、商品名「U−CAT SA810」、分解温度175℃)
(b−2):下記構造を有する化合物(サンアプロ株式会社製、商品名「U−CAT SA102」、分解温度175℃)
(b−3):下記構造を有する化合物(サンアプロ株式会社製、商品名「U−CAT SA603」、分解温度180℃)
(b−1):下記構造を有する化合物(サンアプロ株式会社製、商品名「U−CAT SA810」、分解温度175℃)
(b’)成分:熱酸発生剤
(b’−1):2,4,6−トリメチルピリジニウムp−トルエンスルホネート(分解温度180℃)
(b’−2):p−トルエンスルホン酸イソプロピル(下記式中、iPrはイソプロピル基)(分解温度140℃)
(b’−1):2,4,6−トリメチルピリジニウムp−トルエンスルホネート(分解温度180℃)
(c)成分:架橋剤
(c−1):下記構造を有する化合物(本州化学工業株式会社製、商品名「TML−BPAF」)
(c−2):下記構造を有する化合物(本州化学工業株式会社製、商品名「HMOMTPPA」)
(c−3):下記構造を有する化合物(三和ケミカル株式会社製、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコウリル、商品名「MX−270」)
(c−1):下記構造を有する化合物(本州化学工業株式会社製、商品名「TML−BPAF」)
(e)成分:溶剤
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BLO:γ−ブチロラクトン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BLO:γ−ブチロラクトン
(f)成分:感光剤
(f−1):下記構造式で表される化合物(ダイトーケミックス株式会社製、商品名:4C−PA280)
(f−2):下記構造式で表される化合物(ダイトーケミックス株式会社製、商品名:TPPA528)
(f−1):下記構造式で表される化合物(ダイトーケミックス株式会社製、商品名:4C−PA280)
<(b)成分及び(b’)成分の分解温度の測定>
(b)成分及び(b’)成分の分解温度を、示差走査熱量計DSC Q200(TA インスツルメント社製)を用いて、以下のように測定した。
(b)成分又は(b’)成分を金属パンにいれ、窒素雰囲気下にて、10℃/分で300℃まで加熱し、反応熱のピーク温度を検出した。検出した反応熱のピーク温度を分解温度とした。
(b)成分及び(b’)成分の分解温度を、示差走査熱量計DSC Q200(TA インスツルメント社製)を用いて、以下のように測定した。
(b)成分又は(b’)成分を金属パンにいれ、窒素雰囲気下にて、10℃/分で300℃まで加熱し、反応熱のピーク温度を検出した。検出した反応熱のピーク温度を分解温度とした。
<パターン硬化物の製造>
得られた感光性樹脂組成物を、シリコン基板上にスピンコートして、120℃3分間乾燥し、膜厚が12μmの感光性樹脂膜を形成した。
得られた感光性樹脂膜に、プロキシミティ露光機UX−1000SM−XJ01(ウシオ電機株式会社製)を用いて、所定のマスクを介して、i線換算で500mJ/cm2照射して、露光を行った。露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液にて露光部のシリコン基板が露出するまで現像した後、水でリンスして、パターン樹脂膜を得た。
得られた感光性樹脂組成物を、シリコン基板上にスピンコートして、120℃3分間乾燥し、膜厚が12μmの感光性樹脂膜を形成した。
得られた感光性樹脂膜に、プロキシミティ露光機UX−1000SM−XJ01(ウシオ電機株式会社製)を用いて、所定のマスクを介して、i線換算で500mJ/cm2照射して、露光を行った。露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液にて露光部のシリコン基板が露出するまで現像した後、水でリンスして、パターン樹脂膜を得た。
得られたパターン樹脂膜を、縦型拡散炉μ−TF(光洋サーモシステム株式会社製)を用いて窒素雰囲気下、250℃で1時間加熱してパターン硬化物(硬化後膜厚10μm)を得た。良好なパターン硬化物が得られた。
<絶縁信頼性評価>
biasHAST(高速加速寿命試験)用テスト基板(シリコンウエハ/SiO2層(1μm)/TiCuシード層(100nm)/Cu層(3.5μm)という層構成のウエハ、シリコンウエハ/SiO2層/TiCuシード層という層構成のウエハはアドバンストマテリアルテクノロジー株式会社製、TiCuシード層及びCu層は櫛歯パターン(櫛歯の線幅:2μm、歯の数:陽極9本、陰極9本、間隔:2μm)を有する)を用いた。
得られた感光性樹脂組成物を、biasHAST用テスト基板上にスピンコートし、120℃で3分間乾燥して、乾燥後膜厚が10μmの感光性樹脂膜を形成した。尚、biasHAST用テスト基板の表面にはパッド部分があり、塗布は、パッド部分に感光性樹脂組成物を塗布しないように、行った。
得られた感光性樹脂膜をμ−TFを用いて窒素雰囲気下、表1及び2に示す温度で1時間加熱し、硬化物(硬化後膜厚8μm)付きテスト基板を得た。その後、硬化物付きテスト基板のパッド部分について、はんだ付けして、マイグレーションテスタMIG−8600B(IMV株式会社製)に接続し、恒温槽HASTEST PC−R8D(株式会社平山製作所製)に、130℃、85%RH(relative humidity)、DC(Direct Current):3.3Vの条件で投入し、168時間まで導通確認をおこなった。
試験開始から168時間まで回路の短絡が起こらなかったものをAとした。試験開始から10時間超、168時間未満で回路の短絡が起こったものをBとした。試験開始から10時間以内に回路の短絡が起こったものをCとした。結果を表1及び2に示す。
biasHAST(高速加速寿命試験)用テスト基板(シリコンウエハ/SiO2層(1μm)/TiCuシード層(100nm)/Cu層(3.5μm)という層構成のウエハ、シリコンウエハ/SiO2層/TiCuシード層という層構成のウエハはアドバンストマテリアルテクノロジー株式会社製、TiCuシード層及びCu層は櫛歯パターン(櫛歯の線幅:2μm、歯の数:陽極9本、陰極9本、間隔:2μm)を有する)を用いた。
得られた感光性樹脂組成物を、biasHAST用テスト基板上にスピンコートし、120℃で3分間乾燥して、乾燥後膜厚が10μmの感光性樹脂膜を形成した。尚、biasHAST用テスト基板の表面にはパッド部分があり、塗布は、パッド部分に感光性樹脂組成物を塗布しないように、行った。
得られた感光性樹脂膜をμ−TFを用いて窒素雰囲気下、表1及び2に示す温度で1時間加熱し、硬化物(硬化後膜厚8μm)付きテスト基板を得た。その後、硬化物付きテスト基板のパッド部分について、はんだ付けして、マイグレーションテスタMIG−8600B(IMV株式会社製)に接続し、恒温槽HASTEST PC−R8D(株式会社平山製作所製)に、130℃、85%RH(relative humidity)、DC(Direct Current):3.3Vの条件で投入し、168時間まで導通確認をおこなった。
試験開始から168時間まで回路の短絡が起こらなかったものをAとした。試験開始から10時間超、168時間未満で回路の短絡が起こったものをBとした。試験開始から10時間以内に回路の短絡が起こったものをCとした。結果を表1及び2に示す。
<Cu接着性評価>
上記の絶縁信頼性評価後の硬化物付きテスト基板について、断面観察を走査型電子顕微鏡(SEM)IM4000(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて行った。Cu層と硬化物との界面で、はく離がみられなかったものをAとした。はく離がみられたものをBとした。結果を表1及び2に示す。
上記の絶縁信頼性評価後の硬化物付きテスト基板について、断面観察を走査型電子顕微鏡(SEM)IM4000(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて行った。Cu層と硬化物との界面で、はく離がみられなかったものをAとした。はく離がみられたものをBとした。結果を表1及び2に示す。
<Cuマイグレーション評価>
上記の絶縁信頼性評価後の硬化物付きテスト基板について、ショットキ―電界放出形走査電子顕微鏡JSM−7800F−prime(日本電子株式会社製)を用いて、SEM−EDX(エネルギー分散型X線分光法)分析を行った。櫛歯パターンの陰極と陽極との間にCuの溶出が検出されなかったものをAとした。Cuの溶出が検出されたものをBとした。結果を表1及び2に示す。
上記の絶縁信頼性評価後の硬化物付きテスト基板について、ショットキ―電界放出形走査電子顕微鏡JSM−7800F−prime(日本電子株式会社製)を用いて、SEM−EDX(エネルギー分散型X線分光法)分析を行った。櫛歯パターンの陰極と陽極との間にCuの溶出が検出されなかったものをAとした。Cuの溶出が検出されたものをBとした。結果を表1及び2に示す。
具体的には、上記の絶縁信頼性評価後の硬化物付きテスト基板を、Ptスパッタし、JSM−7800F−primeに配置した。加速電圧2kVにて電流値:ビーム16(2.7nA)条件にて1時間かけて測定した。
本発明の感光性樹脂組成物は、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜等に用いることができ、本発明の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜は、電子部品等に用いることができる。
1 層間絶縁層
2 Al配線層
3 絶縁層
4 表面保護層
5 配線層のパット部
6 再配線層
7 導電性ボール
8 コア
9 カバーコート層
10 バリアメタル
11 カラー
12 アンダーフィル
2 Al配線層
3 絶縁層
4 表面保護層
5 配線層のパット部
6 再配線層
7 導電性ボール
8 コア
9 カバーコート層
10 バリアメタル
11 カラー
12 アンダーフィル
Claims (11)
- 前記(c)成分が、メチロール基を1以上有する化合物又は炭素数2〜10のアルコキシアルキル基を1以上有する化合物を含む請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(d)成分が、アゾール化合物及びオキサゾール化合物からなる群から選択される化合物を含む請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(f)成分がO−キノンジアジド化合物を含む請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、
パターン露光した樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像しパターン樹脂膜を形成する工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、
を含むパターン硬化物の製造方法。 - 前記加熱処理の温度が320℃以下である請求項6に記載のパターン硬化物の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化物。
- パターン硬化物である請求項8に記載の硬化物。
- 請求項8又は9に記載の硬化物を用いて作製した層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
- 請求項10に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を含む電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018124406A JP2020003699A (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | 感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 |
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JP2018124406A JP2020003699A (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | 感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 |
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JP2018124406A Pending JP2020003699A (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | 感光性樹脂組成物、パターン硬化物の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 |
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JP (1) | JP2020003699A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022210226A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 | 富士フイルム株式会社 | 樹脂組成物、硬化物、積層体、硬化物の製造方法、及び、半導体デバイス、並びに、化合物 |
-
2018
- 2018-06-29 JP JP2018124406A patent/JP2020003699A/ja active Pending
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WO2022210226A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 | 富士フイルム株式会社 | 樹脂組成物、硬化物、積層体、硬化物の製造方法、及び、半導体デバイス、並びに、化合物 |
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