JP6756957B2 - ポジ型感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜及び電子部品 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜及び電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、それを用いたパターン硬化膜の製造方法、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜及び電子部品に関する。
従来、半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜には、優れた耐熱性と電気特性、機械特性等を併せ持つポリイミドが用いられている。近年、ポリイミド自身に感光特性を付与した感光性ポリイミドが用いられており、これを用いるとパターン硬化膜の製造工程が簡略化でき、煩雑な製造工程を短縮できる。
パターン硬化膜の製造工程において、現像工程ではN−メチルピロリドン等の有機溶剤が用いられてきたが、環境への配慮から、ポリイミド又はポリイミド前駆体に感光剤としてナフトキノンジアジド化合物を混合する方法により、アルカリ水溶液で現像可能な樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
ところで、近年、コンピュータの高性能化を支えてきたトランジスタの微細化は、スケーリング則の限界に来ており、さらなる高性能化や高速化のために半導体素子を3次元的に積層する技術が必須と考えられている。このような背景のもと、TSV(Through Silicon Via)を用いた3次元パッケージ、インターポーザを用いた2.5次元パッケージ、又は2.1次元パッケージが提案されており、これらに代表される積層デバイス構造が注目を集めている(例えば、非特許文献1参照)。
積層デバイス構造の中でも、マルチダイファンアウトウエハレベルパッケージ(Multi−die Fanout Wafer Level Packaging)は、一つのパッケージの中に複数のダイを一括封止して製造するパッケージであり、従来から提案されているファンアウトウエハレベルパッケージ(一つのパッケージの中に一つのダイを封止して製造する)よりも低コスト化、高性能化が期待できるので、非常に注目を集めている。
しかし、マルチダイファンアウトウエハレベルパッケージに代表される積層デバイス構造の作製においては、最外層部分に必要なライン&スペース部の開口に加えて、ウエハのダイシング時に必要となるスクライブライン部も開口させる必要がある。
従来のファンアウトウエハレベルパッケージでは、層間絶縁膜の厚さが約15μm以下であったのに対し、マルチダイファンアウトウエハレベルパッケージでは、再配線の取り回しが複雑になり層間絶縁膜の積層数が増えるために、層間絶縁膜の厚さが20μm以上となる。このとき、スクライブライン部についても、厚さが20μm以上になる。
層間絶縁膜の最外層として感光性樹脂組成物を塗布する際には、既に作製していた層間絶縁膜上に約10〜20μmの塗布膜を形成するが、同時にスクライブライン部にも樹脂が充填されるため、スクライブライン部の樹脂厚みは20〜30μmとなる。
特開2009−265520号公報 国際公開WO2014/115233号公報
"半導体技術年鑑 2013 パッケージング/実装 編",日経BP社,p41−p50.
それにも関わらず、プロセスの簡略化、低コスト化のために、最外層のライン&スペース部を露光、現像して開口させる際に、同時にスクライブライン部も開口させる必要がある。このような多段膜厚パターニング(厚みが異なる複数箇所の一括同時現像)は非常に難しく、層間絶縁膜形成用の樹脂組成物にとっては非常に難易度が高く、従来の樹脂組成物では溶解コントラストが低く、上記プロセスには対応できなかった。
本発明の目的は、マルチダイファンアウトウエハレベルパッケージに代表される積層デバイス構造の作製において、多段膜厚パターニングを実現できるポジ型感光性樹脂組成物、それを用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品を提供することである。
本発明者らは、ポリベンゾオキサゾール前駆体とナフトキノンジアジド化合物を組み合わせたポジ型感光性樹脂組成物を用いて、積層デバイス作製用途での感光特性評価を行った。
その結果、特定のナフトキノンジアジド化合物と、アルカリ可溶性樹脂を組み合わせた感光性樹脂組成物では、特にスクライブライン部での充分なアルカリ溶解速度が得られず、実用範囲内での現像時間においては開口部が得られなかった。
加えて、スクライブライン部のアルカリ溶解速度を高くするためには実用範囲外の高い露光量が必要となることが判明した。
そこで本発明者らは、上記問題を鑑み、更なる検討を重ねた結果、驚くべきことに、特定のナフトキノンジアジド化合物と、ポリベンゾオキサゾール前駆体とを組み合わせた感光性樹脂組成物を用いることで、積層デバイス作製用途にも実用可能な現像時間、露光量において多段膜厚パターニングができることを見出した。
本発明によれば、以下のポジ型感光性樹脂組成物等が提供される。
<1> (a)ポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)感光剤と、(c)溶剤と、(d)架橋剤とを含有し、前記(b)成分が下記一般式(1)で表される化合物を含む多段膜厚パターニング用のポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 0006756957
(一般式(1)中、Xはヒドロキシ化合物又はアミノ化合物の残基を示す)
<2> (a)ポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)感光剤と、(c)溶剤と、(d)架橋剤とを含有し、前記(b)成分が下記一般式(1)で表される化合物を含み、積層部とスクライブライン部とを有する基板上の、前記積層部の最外層部及び前記スクライブライン部に塗布し、前記最外層部にパターン硬化膜を形成するために用いるポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 0006756957
(一般式(1)中、Xはヒドロキシ化合物又はアミノ化合物の残基を示す)
<3> 前記(b)成分が下記一般式(b−1)、下記一般式(b−2)又は下記一般式(b−3)で表される化合物を含む請求項1又は2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 0006756957
Figure 0006756957
Figure 0006756957
(一般式(b−1)、(b−2)及び(b−3)中、Rはそれぞれ独立に下記式で表される基又は水素原子であり、各化合物の全てのRが水素原子であることはない。)
Figure 0006756957
<4> 前記(a)成分が、下記一般式(a−1)で表される化合物である<1>〜<3>のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 0006756957
(式中、Uは2価の有機基、単結合、−O−、又は、−SO−であり、Vは2価の有機基を示す。但し、V又はUのどちらか一方は炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基である。)
<5> 前記(d)成分が、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物である<1>〜<4>のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
<6> <1>〜<5>のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜を所定のパターンに露光する工程と、露光後の前記樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像しパターン樹脂膜を形成する工程と、前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含むパターン硬化膜の製造方法。
<7> 前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程において、加熱処理温度が250℃以下である<6>に記載のパターン硬化膜の製造方法。
<8> <1>〜<5>のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物のパターン硬化膜を用いた、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
<9> <8>に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を有する電子部品。
本発明によれば、ライン&スペース部とスクライブライン部にある異なる膜厚の樹脂層を同時にパターニング可能なポジ型感光性樹脂組成物を提供できる。本発明のポジ型感光性樹脂組成物は特に積層デバイス作製用途に好適に用いることができる。
本発明の方法の一実施形態による、多段膜厚パターニングを用いた積層デバイス構造の製造工程を示す図である。
以下に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物、それを用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品の実施の形態を詳細に説明する。尚、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
本明細書において、「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。また、以下で例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
[樹脂組成物]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(a)ポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)感光剤と、(c)溶剤と、(d)架橋剤とを含有し、前記(b)成分が下記一般式(1)で表される化合物を含む。
Figure 0006756957
(一般式(1)中、Xはヒドロキシ化合物又はアミノ化合物の残基を示す)
以下、各成分について説明する。それぞれ単に(a)成分、(b)成分、(c)成分、及び(d)成分と記す場合がある。
((a)成分:ポリベンゾオキサゾール前駆体)
ポリベンゾオキサゾール前駆体としては、特に制限はないが、パターニング時に使用する光源であるi線における透過率が高いものが好ましい。そのため、ポリベンゾオキサゾール前駆体は、下記一般式(a−1)で表される構造単位を有することが好ましい。
Figure 0006756957
(式中、Uは2価の有機基、単結合、−O−、又は、−SO−であり、Vは2価の有機基を示す。但し、V又はUのどちらか一方は炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基である。)
Uの2価の基としては、炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基であることが好ましく、炭素数1〜10の脂肪族鎖状構造を含む基であることがより好ましく、炭素数1〜6の脂肪族鎖状構造を含む基であることが特に好ましい。また、下記式(UV1)で表される構造を含む基であることがさらに好ましい。
Figure 0006756957
(式(UV1)中、R及びRは各々独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフッ素化アルキル基であり、aは1〜30の整数である。)
及びRは、メチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。ポリベンゾオキサゾール前駆体の透明性の観点からは、トリフルオロメチル基を用いることが好ましい。
aは1〜5の整数が好ましい。
Vの2価の基は、ジカルボン酸に由来する構造であることが好ましく、そのような原料ジカルボン酸としては、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
上記のポリベンゾオキサゾール前駆体からポリベンゾオキサゾールが得られる。本ポリベンゾオキサゾール前駆体は、通常、アルカリ水溶液で現像する。そのため、アルカリ水溶液に可溶であることが好ましい。
アルカリ水溶液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液等の有機アンモニウム水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等が挙げられる。一般には、濃度が2.38重量%のTMAH水溶液を用いることが好ましい。よって、(a)成分はTMAH水溶液に対して可溶であることが好ましい。
尚、(a)成分がアルカリ水溶液に可溶であることの1つの基準を以下に説明する。(a)成分を任意の溶剤に溶かして溶液とした後、シリコンウエハ等の基板上にスピン塗布して膜厚5μm程度の樹脂膜を形成する。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液のいずれか一つに、20〜25℃において浸漬する。この結果、溶解して溶液となったとき、用いた(a)成分はアルカリ水溶液に可溶であると判断する。
(a)成分のポリマーの分子量は、ポリスチレン換算での重量平均分子量が10,000〜100,000であることが好ましく、15,000〜100,000であることがより好ましく、20,000〜85,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が10,000以上であると、アルカリ現像液への溶解性が高くなりすぎることが抑制される傾向にある。100,000以下であると、溶剤への良好な溶解性が得られる傾向にある。また、溶液の粘度の増加が抑制され、取り扱い性が良好となる傾向にある。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によって測定することができ、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求めることができる。
((b)成分:感光剤)
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は(b)成分として、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
Figure 0006756957
(一般式(1)中、Xはヒドロキシ化合物又はアミノ化合物の残基を示す)
上記一般式(1)で表される化合物は、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物又はアミノ化合物等とを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。
前記ヒドロキシ化合物としては、特に制限はないが、未露光部の溶解阻害効果を高める観点から、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、又はトリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
前記アミノ化合物としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が使用できる。
前記1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物又はアミノ化合物との配合割合としては、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリドの好ましい割合は、0.95/1〜1/0.95の範囲である。好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間とされる。
上記反応の反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等の溶媒が用いられる。脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等があげられる。
これらのうち、多段膜厚パターニングのための高溶解コントラスト化の観点から、(b)成分としては、下記式(b−1)、下記式(b−2)又は下記式(b−3)で表される化合物を用いることが特に好ましい。尚、下記式(b−1)、下記式(b−2)又は下記式(b−3)中のRは一部水素原子でもよい。
Figure 0006756957
Figure 0006756957
Figure 0006756957
ジアゾナフトキノン化合物の配合量は、溶解コントラスト等を考慮して適宜調整することができる。例えば、厚膜の場合、開口パターンの形成性を良好とする観点から、ジアゾナフトキノン化合物の配合量は、(a)成分100質量部に対し、1〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましく、5〜15質量部がさらに好ましい。上記の配合量であれば、膜の底部までi線が到達し、ジアゾナフトキノン化合物への露光が充分となる傾向にある。
また、(b)成分は、(a)成分と相溶性の高いものであることが好ましい。
((c)成分:溶剤)
(c)成分としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン等が挙げられる。通常、ポジ型感光性樹脂組成物中の他の成分を充分に溶解できるものであれば特に制限はない。
この中でも、各成分の溶解性と樹脂膜形成時の塗布性に優れる観点から、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドを用いることが好ましい。
(c)成分の配合量に、特に制限はないが、(a)成分100質量部に対して、50〜300質量部が好ましく、100〜200質量部がより好ましい。
((d)成分:架橋剤)
(d)成分は、ポジ型感光性樹脂組成物を塗布、露光及び現像後にパターン樹脂膜を加熱処理する工程において、ポリベンゾオキサゾール前駆体と反応(架橋反応)する、又は、架橋剤自身が重合することができる。これにより、樹脂組成物を比較的低い温度、例えば250℃以下で硬化した場合も、良好な機械特性、薬品耐性及びフラックス耐性を付与させることができる。
特に制限はないが、メチロール基、アルコキシメチル基等のアルコキシアルキル基、エポキシ基、オキセタニル基又はビニルエーテル基を有する化合物であることが好ましい。
これらの基がベンゼン環に結合している化合物、N位がメチロール基若しくはアルコキシメチル基で置換されたメラミン樹脂又は尿素樹脂が好ましい。また、これらの基がフェノール性水酸基を有するベンゼン環に結合している化合物は、現像する際に露光部の溶解速度が増加して感度が向上させることが出来る点でより好ましい。
中でも良好な感度及びワニスの安定性、及び、パターン形成後の感光性樹脂膜の硬化時に、感光性樹脂膜の溶融を防ぐことができるという観点から、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物が好ましく、2個以上のメチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物がより好ましい。
(d)成分としては、樹脂組成物を250℃以下の低温で硬化した場合に、優れた耐薬品性を有する硬化膜が得られるため、下記式(d−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006756957
(式中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜30のアルキル基である。)
また、(d)成分としては、以下の化合物を用いることも好ましい。
Figure 0006756957
(d)成分の配合量は、(a)成分100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、良好な機械特性の確保のために5〜40質量部がより好ましく、機械特性と感光特性の両立の観点から、10〜30質量部がさらに好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、必要に応じて、カップリング剤、溶解促進剤、溶解阻害剤、界面活性剤、レベリング剤等を含有してもよい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、本質的に、(a)〜(d)成分からなってもよい。本発明の組成物の、例えば、80重量%以上、90重量%以上、又は95重量%以上が、(a)〜(d)成分であってもよい。
[パターン硬化膜の製造方法]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を硬化させて硬化膜(パターン硬化膜等)を得ることができる。
本発明の製造方法では、上述のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥し、感光性樹脂膜を形成する工程と、得られた感光性樹脂膜を所定のパターンに露光する工程と、露光した樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像して、パターン樹脂膜を得る工程と、パターン樹脂膜を加熱処理する工程とを含むことで、パターン硬化膜を製造することができる。
(感光性樹脂膜形成工程)
基板としては、ガラス、半導体、TiO、SiO等の金属酸化物絶縁体、窒化ケイ素、銅、銅合金等が挙げられる。塗布方法に特に制限はないが、スピナー等を用いて行うことができる。
乾燥は、ホットプレート、オーブン等を用いて行うことができる。加熱温度は100〜150℃であることが好ましい。加熱時間は、30秒間〜5分間が好ましい。これにより、上述のポジ型感光性樹脂組成物を膜状に形成した感光性樹脂膜を得ることができる。
感光性樹脂膜の膜厚は、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmがさらに好ましい。
(露光工程)
露光工程では、マスクを介して所定のパターンに露光することができる。照射する活性光線は、i線を含む紫外線、可視光線、放射線等が挙げられるが、i線であることが好ましい。露光装置としては、平行露光機、投影露光機、ステッパ、スキャナ露光機等を用いることができる。
(現像工程)
現像処理することで、パターン形成された樹脂膜(パターン樹脂膜)を得ることができる。一般的に、ポジ型感光性樹脂組成物を用いた場合には、露光部を現像液で除去する。
現像液として用いるアルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
アルカリ水溶液の濃度は、0.1〜10質量%が好ましい。
現像時間は、用いるポリマーの種類によっても異なるが、10秒間〜15分間であることが好ましく、10秒間〜5分間であることがより好ましく、生産性の観点からは、30秒間〜4分間であることがさらに好ましい。
上記現像液にアルコール類又は界面活性剤を添加してもよい。添加量としては、現像液100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
(加熱処理工程)
パターン樹脂膜を加熱処理することにより、(a)成分の官能基同士、又は、(a)成分と(d)成分間等に架橋構造を形成し、パターン硬化膜を得ることができる。また、(a)成分はポリベンゾオキサゾール前駆体であるので、加熱処理工程によって、脱水閉環反応を起こし、対応するポリベンゾオキサゾールとすることができる。
加熱温度は、250℃以下が好ましく、120〜250℃がより好ましく、160〜230℃がさらに好ましい。
上記範囲内であることにより、基板やデバイスへのダメージを小さく抑えることができ、デバイスを歩留り良く生産することが可能となり、プロセスの省エネルギー化を実現することができる。
加熱時間は、5時間以下が好ましく、30分間〜3時間がより好ましい。
上記範囲内であることにより、架橋反応又は脱水閉環反応を充分に進行することができる。また、加熱処理の雰囲気は大気中であっても、窒素等の不活性雰囲気中であってもよいが、パターン樹脂膜の酸化を防ぐことができる観点から、窒素雰囲気下が好ましい。
加熱処理工程に用いられる装置としては、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、マイクロ波硬化炉等が挙げられる。
[電子部品]
上記方法により製造したパターン硬化膜は、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜として用いることができる。
上記層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜等を用いて、信頼性の高い、半導体装置、多層配線板、各種電子デバイス等の電子部品を製造することができる。
[半導体装置の製造工程]
本発明の方法を用いて、半導体装置、特に多段膜厚パターニングが必要となる積層デバイス構造を有する装置を製造することができる。多段膜厚パターニングを用いた積層デバイス構造の製造工程を図1に例示する。
再配線層20、層間絶縁膜30、スクライブライン部40を有する基板10上に(1−1)、上記のポジ型感光性樹脂組成物50を塗布、乾燥し、感光性樹脂膜を形成し(1−2)、得られた感光性樹脂膜50を所定のパターンに露光する。露光後の樹脂膜を、現像液を用いて現像し(1−3)、現像により得られたパターン樹脂膜を加熱処理した後、導電性バンプ60を搭載することで(1−4)、多段膜厚パターニングを用いて積層デバイス構造を有するパッケージを製造することができる。尚、図1では、再配線層20、及び層間絶縁膜30を積層部としているが、他の積層部としては、PoP構造等が挙げられる。
本パッケージでは導電性バンプと再配線の接続部位にUBM(アンダーバンプメタル)を使用しても使用なくともよい。UBMを使用しない場合、最外層のパターン樹脂膜がバンプを補強することで信頼性を確保するため、最外層の厚みを、従来の膜厚(7μm以下)から厚くすることが好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いることで、導電性バンプを実装するための開口部とスクライブライン部とを、一度の現像で同時に開口することができるので、複雑な形成プロセスを必要とすることなく、半導体装置を製造することができる。
上記半導体装置は、本発明の電子部品の一実施形態であるが、上記に限定されず、様々な構造をとることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[(a)成分:ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成]
<合成例1>
攪拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92g(38mmol)を添加し、攪拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、ドデカン二酸ジクロリド10.69g(40mmol)を10分間で滴下した後、フラスコ中の溶液を60分間攪拌した。上記溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収し、これを純水で3回洗浄した後、減圧してポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を得た(以下、ポリマーIとする)。ポリマーIの重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法標準ポリスチレン換算により求めた)は33,100、分散度は2.0であった。
尚、GPC法による重量平均分子量の測定条件は以下のとおりである。ポリマー0.5mgに対して溶剤[テトラヒドロフラン(THF)/ジメチルホルムアミド(DMF)=1/1(容積比)]1mlの溶液を用いて測定した。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所社製L4000 UV
ポンプ :株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所社製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液 :THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/l)、HPO(0.06mol/l)
流速 :1.0ml/min、検出器:UV270nm
<合成例2>
攪拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92g(38mmol)を添加し、攪拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド11.86g(40mmol)を10分間で滴下した後、室温に戻しフラスコ中の溶液を3時間攪拌した。上記溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収し、これを純水で3回洗浄した後、減圧してポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIIとする)。ポリマーIIの重量平均分子量は22,400、分散度は3.2であった。
<合成例3>
合成例1で使用したドデカン二酸ジクロリド10.69g(40mmol)を、ドデカン二酸ジクロリド7.48g(28mmol)及び4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド3.56g(12mmol)に置き換えた以外は、合成例1と同様に合成を行い、ポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIIIとする)。ポリマーIIIの重量平均分子量は41,800、分散度は2.0であった。
<実施例1〜14及び比較例1〜11>
表1及び2に示した成分及び配合量にて、実施例1〜14及び比較例1〜11のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。表1及び2の配合量は、ポリベンゾオキサゾール(PBO)前駆体100質量部に対する、各成分の質量部である。
尚、用いた各成分は以下の通りである。
[ポリベンゾオキサゾール前駆体]
ポリマーI:合成例1で得られたポリマーI((a)成分)
ポリマーII:合成例2で得られたポリマーII((a)成分)
ポリマーIII:合成例3で得られたポリマーIII((a)成分)
[感光剤]
(b−1):下記構造を有する化合物(ダイトーケミックス株式会社製、商品名「TPPA428」)((b)成分)
Figure 0006756957
(b−2):下記構造を有する化合物(ダイトーケミックス株式会社製、商品名「HA4−200」)((b)成分)
Figure 0006756957
(b−3):下記構造を有する化合物(ダイトーケミックス株式会社製、商品名「TKP4−400」)((b)成分)
Figure 0006756957
(b−4):下記構造を有する化合物(ダイトーケミックス株式会社製、商品名「TPPA528」)
Figure 0006756957
[溶剤]
BLO:γ−ブチロラクトン((c)成分)
NMP:N−メチルピロリドン((c)成分)
[架橋剤]
(d−1):下記構造を有する1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコウリル(株式会社三和ケミカル製、商品名「MX−270」)((d)成分)
Figure 0006756957
(d−2):下記構造を有する「ニカラックMX−280」(株式会社三和ケミカル製、商品名)((d)成分)
Figure 0006756957
<溶解速度及び溶解コントラスト評価>
表1に示した成分及び配合量にて、実施例1〜12及び比較例1〜7のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。それぞれのポジ型感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートし、120℃で3分間乾燥して、乾燥後膜厚が10μmの感光性樹脂膜を形成した。得られた感光性樹脂膜に、干渉フィルターを介して、プロキシミティ露光装置(ウシオ電機株式会社製、商品名「UX−1000SM−XJ01」)を用いて露光を行い、600mJ/cmのi線を所定のパターンに照射した。
露光後、TMAHの2.38質量%水溶液にて、23℃で、露光部のシリコン基板が露出するまで現像(各例において要した現像時間をそれぞれの現像時間とする)した後、水でリンスして、パターン樹脂膜を得た。
乾燥後膜厚を現像時間で除した値を、露光部溶解速度とした。
露光部溶解速度(nm/s)=乾燥後膜厚/現像時間
露光部溶解速度が100nm/s以上の場合をA、100nm/sより遅い場合をBとした。
また、現像後の未露光部膜厚を測定し、乾燥後膜厚から現像後の未露光部膜厚を引いたものを、現像時間で除すことで、未露光部溶解速度を求めた。
未露光部溶解速度(nm/s)=(乾燥後膜厚−現像後の未露光部膜厚)/現像時間
未露光部溶解速度が20nm/s以下の場合をA、20nm/sより速く50nm/s以下の場合をB、50nm/sより速い場合をCとした。
また、溶解コントラストは、露光部溶解速度を未露光部溶解速度で除することで求めた。
溶解コントラスト=露光部溶解速度/未露光部溶解速度
溶解コントラストが8以上をA、5以上8より小さい場合をB、5より小さい場合をCとした。
結果を表1に示す。
Figure 0006756957
上記パターン樹脂膜をそれぞれ200℃で1時間加熱処理したところ、良好なパターン硬化膜が得られた。
<12μm膜厚部の解像度評価>
表2に示した成分及び配合量にて、実施例13、14、及び比較例8〜11のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。それぞれのポジ型感光性樹脂組成物を用いて、乾燥後膜厚を12μmとし、露光量を800mJ/cmとし、現像時間をそれぞれの未露光部残膜率が約75%となるように設定し、露光、現像を行うことで、パターン樹脂膜の解像度を評価した。
未露光部残膜率(%)=現像後の膜厚(μm)/現像前の膜厚(μm)×100
上記パターン樹脂膜において、線幅20μmのラインアンドスペースパターンをデジタルマイクロスコープ(KEYENCE株式会社製、商品名「VHX−100F」)で観察して、スカムの有無を確認した。スカムなくパターニングできた場合をA、スカムがあった場合をBとした。結果を表2に示す。
<スクライブライン相当部の開口評価>
乾燥後膜厚を20μmとし、露光量を800mJ/cmとし、12μm膜厚部の解像度評価で用いた現像時間と同じ現像時間で露光、現像を行うことで、膜厚20μmにおけるスクライブライン相当部の開口評価を行った。
上記パターン樹脂膜において、線幅100μmのスクライブライン部をデジタルマイクロスコープ(KEYENCE株式会社製、商品名「VHX−100F」)で観察して、スカムの有無を確認した。スカムなくパターニングできた場合をA、スカムがあった場合をBとした。結果を表2に示す。
Figure 0006756957
上記パターン樹脂膜をそれぞれ200℃で1時間加熱処理したところ、良好なパターン硬化膜が得られた。
本発明の感光性樹脂組成物は、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等の電子部品に使用できる。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献及び本願のパリ優先の基礎となる日本出願明細書の内容を全てここに援用する。

Claims (8)

  1. (a)下記一般式(a−1)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)感光剤と、(c)溶剤と、(d)架橋剤とを含有し、前記(b)成分が下記一般式(1)で表される化合物を含む多段膜厚パターニング用のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0006756957
    (式中、Uは2価の有機基、単結合、−O−、又は、−SO −であり、Vは炭素数1〜30の脂肪族基を示す。)
    Figure 0006756957
    (一般式(1)中、Xはヒドロキシ化合物又はアミノ化合物の残基を示す)
  2. (a)下記一般式(a−1)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)感光剤と、(c)溶剤と、(d)架橋剤とを含有し、前記(b)成分が下記一般式(1)で表される化合物を含み、積層部とスクライブライン部とを有する基板上の、前記積層部の最外層部及び前記スクライブライン部に塗布し、前記最外層部にパターン硬化膜を形成するために用いるポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0006756957
    (式中、Uは2価の有機基、単結合、−O−、又は、−SO −であり、Vは炭素数1〜30の脂肪族基を示す。)
    Figure 0006756957
    (一般式(1)中、Xはヒドロキシ化合物又はアミノ化合物の残基を示す)
  3. 前記(b)成分が下記一般式(b−1)、下記一般式(b−2)又は下記一般式(b−3)で表される化合物を含む請求項1又は2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0006756957
    Figure 0006756957
    Figure 0006756957
    (一般式(b−1)、(b−2)及び(b−3)中、Rはそれぞれ独立に下記式で表される基又は水素原子であり、各化合物の全てのRが水素原子であることはない。)
    Figure 0006756957
  4. 前記(d)成分が、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物である請求項1〜のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
    前記感光性樹脂膜を所定のパターンに露光する工程と、
    露光後の前記樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像しパターン樹脂膜を形成する工程と、
    前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、
    を含むパターン硬化膜の製造方法。
  6. 前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程において、加熱処理温度が250℃以下である請求項に記載のパターン硬化膜の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物のパターン硬化膜を用いた、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
  8. 請求項に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を有する電子部品。
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