JP2018097210A - ポジ型感光性樹脂組成物、硬化パターンの製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物、硬化パターンの製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 Download PDF

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Tadamitsu Nakamura
惟允 中村
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崇司 川守
篤太郎 吉澤
Atsutaro Yoshizawa
篤太郎 吉澤
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Kohei Mizuno
康平 水野
拡子 四柳
Hiroko Yotsuyanagi
拡子 四柳
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Abstract

【課題】優れた耐薬品性、機械特性を有するポジ型感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】(a)下記式(1)を含むポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)下記式(2)を含む2種類以上の架橋剤、(c)感光剤、(d)溶剤とを含有するポジ型感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、それを用いた硬化パターンの製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜、及び電子部品に関する。
従来、半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜には、優れた耐熱性と電気特性、機械特性等を併せ持つポリイミドが用いられている。近年、ポリイミド自身に感光特性を付与した感光性ポリイミドが用いられており、これを用いると硬化パターンの製造工程が簡略化でき、煩雑な製造工程を短縮できる。
硬化パターンの製造工程において、現像工程ではN−メチルピロリドン等の有機溶剤が用いられてきたが、環境への配慮から、ポリイミド又はポリイミド前駆体に感光剤としてナフトキノンジアジド化合物を混合する方法により、アルカリ水溶液で現像可能な樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
ところで、近年、コンピュータの高性能化を支えてきたトランジスタの微細化は、スケーリング則の限界に直面しており、さらなる高性能化や高速化のために半導体素子を3次元的に積層する技術が必須と考えられている。このような背景のもと、TSV(Through Silicon Via)を用いた3次元パッケージ、インターポーザを用いた2.5次元パッケージ、又は2.1次元パッケージが提案されており、これらに代表される積層デバイス構造が注目を集めている(例えば、非特許文献1参照)。
積層デバイス構造の中でも、マルチダイファンアウトウエハレベルパッケージ(Multi−die Fanout Wafer Level Packaging)は、1つのパッケージの中に複数のダイを一括封止して製造するパッケージであり、1つのパッケージの中に1つのダイを封止して製造するファンアウトウエハレベルパッケージよりも低コスト化、高性能化が期待できるため注目を集めている。
特開2009−265520号公報 国際公開第2014/115233号パンフレット
「半導体技術年鑑2013 パッケージング/実装編」、株式会社日経BP、2012年12月、p.41−50
マルチダイファンアウトウエハレベルパッケージ等の積層デバイスの作製において、ダイシングしたチップを封止した後に再配線が行われるが、封止材の耐熱性が乏しいことから低温硬化可能な再配線用層間絶縁膜が求められている。しかしながら、ポリイミドやポリベンゾオキサゾールの硬化膜は、硬化温度を下げるほど耐薬品性が低下するという問題がある。
本発明者らは、従来の架橋剤を用いたポジ型感光性樹脂組成物を200℃で硬化し、得られた硬化膜の物性について評価を行った。その結果、当該条件下では、耐薬品性を向上するために架橋剤を増量すると、硬化膜の機械特性が悪化することが分かった。
本発明の目的は、200℃以下の低温で硬化を行った場合であっても、耐薬品性に優れ、かつ優れた機械特性を有する硬化膜が得られるポジ型感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の知見に基づいて検討を重ねた結果、特定の架橋剤を組み合わせることによって、ポジ型感光性樹脂組成物を200℃以下の低温で硬化した場合であっても硬化膜が優れた耐薬品性及び機械特性を有することを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、以下のポジ型感光性樹脂組成物等が提供される。
1.(a)ポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)2種類以上の架橋剤と、(c)感光剤と、(d)溶剤とを含有し、
前記(a)ポリベンゾオキサゾール前駆体が下記式(1)で表される構造単位を含み、
前記(b)2種類以上の架橋剤が、(b−1)下記式(2)で表される化合物、及び(b−2)環状エーテル構造を含有する化合物を含む
ポジ型感光性樹脂組成物。
Figure 2018097210
(式(1)中、Uは2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、Vは2価の有機基である。)
Figure 2018097210
(式(2)中、Rは、各々独立に、水素原子又は−CH−O−Rであり、複数のRの少なくとも1つは−CH−O−Rである。Rは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はブチル基である。)
2.前記(b)2種類以上の架橋剤のそれぞれの含有量が、前記(a)成分100質量部に対して1質量部以上である1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
3.前記(c)感光剤が、ジアゾナフトキノン化合物を含む1又は2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
4.前記式(1)において、Vが炭素数1〜30の脂肪族基である1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
5.1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光する工程と、
前記露光後の樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像して樹脂パターンを形成する工程と、
前記樹脂パターンを加熱処理する工程と、
を含む硬化パターンの製造方法。
6.前記加熱処理の温度が200℃以下である5に記載の硬化パターンの製造方法。
7.1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物。
8.7に記載の硬化物を用いて作製された層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
9.8に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を有する電子部品。
本発明によれば、200℃以下の低温で硬化を行った場合であっても、耐薬品性に優れ、かつ優れた機械特性を有する硬化膜が得られるポジ型感光性樹脂組成物が提供できる。
多層配線構造を有するファンアウトパッケージの製造工程の一部を説明する概略断面図である。 多層配線構造を有するファンアウトパッケージの製造工程の一部を説明する概略断面図である。 多層配線構造を有するファンアウトパッケージの製造工程の一部を説明する概略断面図である。 多層配線構造を有するファンアウトパッケージの製造工程の一部を説明する概略断面図である。 多層配線構造を有するファンアウトパッケージの製造工程の一部を説明する概略断面図である。 多層配線構造を有するファンアウトパッケージの製造工程の一部を説明する概略断面図である。 多層配線構造を有するファンアウトパッケージの製造工程の一部を説明する概略断面図である。 UBM(アンダーバンプメタル)フリーの構造を有するファンアウトパッケージの概略断面図である。
以下に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物、それを用いた硬化パターンの製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品の実施の形態を詳細に説明する。尚、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
本明細書において、「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。また、以下で例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、本明細書においてポジ型感光性樹脂組成物中の各成分の含有量は、ポジ型感光性樹脂組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、ポジ型感光性樹脂組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
[ポジ型感光性樹脂組成物]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(a)ポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)2種類以上の架橋剤と、(c)感光剤と、(d)溶剤とを含有する。
(a)ポリベンゾオキサゾール前駆体は下記式(1)で表される構造単位を含み、(b)2種類以上の架橋剤は、(b−1)下記式(2)で表される化合物、及び(b−2)環状エーテル構造を含有する化合物を含む。
Figure 2018097210
(式(1)中、Uは2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、Vは2価の有機基である。)
Figure 2018097210
(式(2)中、Rは、各々独立に、水素原子又は−CH−O−Rであり、複数のRの少なくとも1つは−CH−O−Rである。Rは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はブチル基である。)
以下、各成分について説明する。各成分を、それぞれ単に(a)成分、(b)成分、(b−1)成分、(b−2)成分、(c)成分、(d)成分と記す場合がある。
((a)成分:ポリベンゾオキサゾール前駆体)
ポリベンゾオキサゾール前駆体は、下記式(1)で表される構造単位を有する。式(1)で表される構造単位を有することにより、パターニング時に使用する光源であるi線における透過率を高くすることができる。
Figure 2018097210
(式(1)中、Uは2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、Vは2価の有機基である。)
Uの2価の有機基としては、炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基であることが好ましく、下記式(UV1)で表される構造を含む基であることがより好ましい。
Figure 2018097210
(式(UV1)中、R及びRは、各々独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフッ素化アルキル基であり、aは1〜30の整数である。)
及びRとして具体的には、メチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。ポリベンゾオキサゾール前駆体の透明性の観点からは、トリフルオロメチル基を用いることが好ましい。
aは1〜5の整数が好ましい。aが2以上の整数の場合、Rは同一でも異なってもよく、Rは同一でも異なってもよい。
Vは、炭素数1〜30の脂肪族基、又は下記式(V1)で表される基であると好ましい。
Figure 2018097210
炭素数1〜30の脂肪族基の脂肪族構造は脂肪族鎖状構造であると好ましく、脂肪族直鎖構造であるとより好ましい。また、当該脂肪族基の炭素数は、好ましくは5〜20であり、より好ましくは5〜15である。
Vの2価の有機基は、ジカルボン酸に由来する構造であることが好ましく、そのような原料ジカルボン酸としては、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
(a)成分のポリベンゾオキサゾール前駆体は、式(a−1)で示される構造単位を1種類のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。式(a−1)で示される構造単位を2種類含む場合、例えば、一方の構造単位中のVが炭素数1〜30の脂肪族基であり、他方の構造単位中のVが式(V1)で表される基であると好ましい。
ポリベンゾオキサゾール前駆体は、通常、アルカリ水溶液で現像する。そのため、アルカリ水溶液に可溶であることが好ましい。
アルカリ水溶液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液等の有機アンモニウム水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等が挙げられる。一般には、濃度が2.38質量%のTMAH水溶液を用いることが好ましい。よって、(a)成分はTMAH水溶液に対して可溶であることが好ましい。
尚、(a)成分がアルカリ水溶液に可溶であることの1つの基準を以下に説明する。(a)成分を任意の溶剤に溶かして溶液とした後、シリコンウエハ等の基板上にスピン塗布して膜厚5μm程度の樹脂膜を形成する。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液のいずれか一つに、20〜25℃において浸漬する。この結果、樹脂膜が溶解して溶液となったとき、用いた(a)成分はアルカリ水溶液に可溶であると判断する。
(a)成分の分子量は、ポリスチレン換算での重量平均分子量が10,000〜100,000であることが好ましく、15,000〜100,000であることがより好ましく、20,000〜85,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が10,000より小さいと、アルカリ現像液への溶解性が高くなりすぎる恐れがあり、100,000より大きいと、溶剤への溶解性が低下したり、溶液の粘度が増大して取り扱い性が低下したりする恐れがある。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によって測定することができ、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求めることができる。
上記のポリベンゾオキサゾール前駆体を脱水閉環することによって、対応するポリベンゾオキサゾールが得られる。
((b)成分:架橋剤)
(b)成分は、ポジ型感光性樹脂組成物を基板等に塗布し、露光し、現像して得られた樹脂パターンを加熱処理する工程において、ポリベンゾオキサゾール前駆体と反応(架橋反応)する、又は、架橋剤自身が重合することができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(b)成分として、式(2)で表される化合物((b−1)成分)、及び環状エーテル構造を含有する化合物((b−2)成分)を含む。
以下、(b−1)成分及び(b−2)成分について説明する。
((b−1)成分)
(b−1)成分は、下記式(2)で表される化合物である。
Figure 2018097210
(式(2)中、Rは、各々独立に、水素原子又は−CH−O−Rであり、複数のRの少なくとも1つは−CH−O−Rである。Rは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はブチル基である。)
当該化合物を含むことにより、ポジ型感光性樹脂組成物を比較的低い温度、例えば200℃以下で硬化した場合であっても、硬化膜に優れた接着性と耐薬品性を付与することができる。
式(2)中の複数のRのうち、2〜6つが−CH−O−Rであると好ましく、全てのRが−CH−O−Rであるとより好ましい。Rはメチル基が好ましい。
(b−1)成分としては、下記式(2’)で表される化合物が好ましい。
Figure 2018097210
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における(b−1)成分の含有量は、(a)成分100質量部に対して、通常、1質量部以上であり、3質量部以上が好ましく、例えば、3〜30質量部、5〜25質量部、5〜20質量部、10〜20質量部とすることができる。
((b−2)成分)
(b−2)成分は、環状エーテル構造を含有する化合物である。環状エーテルとしては、エチレンオキシド、オキセタン等が挙げられる。
(b−2)成分として、これら環状エーテルに由来する基(例えばエポキシ基、オキセタニル基)を有する化合物を用いることができる。
上記の環状エーテルに由来する基が、エーテル結合の酸素原子、エステル結合の酸素原子又は炭素原子、又はアミノ基の窒素原子に結合している構造を有する化合物が好ましい。
また、(b−2)成分は、環状エーテルと脂環式化合物が2個以上の原子を共有して結合した縮合環構造に由来する基を有していてもよい。脂環式化合物としては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
このような(b−2)成分として、エポキシシクロヘキシル基を有する化合物等が挙げられる。
上記の環状エーテルに由来する基、又は縮合環構造に由来する基が、フェノキシに結合した構造を有する化合物は、現像する際に露光部の溶解速度が増加して感度を向上できる点で好ましい。
良好な機械特性及びパターン形成後の感光性樹脂パターンの現像後の密着性を向上させる観点から、上記の環状エーテルに由来する基又は縮合環構造に由来する基がエーテル結合の酸素原子に結合している化合物が好ましい。
また、ポジ型感光性樹脂組成物を200℃以下の低温で硬化した場合に、優れた機械特性を有する硬化膜が得られる観点から、環状エーテルに由来する基又は縮合環構造に由来する基を2つ以上含む化合物が好ましい。
(b−2)成分を含むことにより、(b−1)成分の過剰な架橋反応を抑制することができるため、得られる硬化膜(硬化パターン)の脆さが改善され、硬化膜中のマイクロクラックに起因する破断が起こりにくくなり、機械特性、特に伸び性を向上することができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における(b−2)成分の含有量は、(a)成分100質量部に対して、通常、1質量部以上であり、3質量部以上が好ましく、例えば、3〜30質量部、5〜25質量部、5〜20質量部、10〜20質量部とすることができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における(b)成分の含有量((b−1)成分及び(b−2)成分の合計)は、(a)成分100質量部に対して2〜50質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましく、15〜30質量部がさらに好ましい。
((c)成分:感光剤)
本発明のポジ型感光性樹脂組成物において、(a)成分とともに感光剤((c)成分)を用いる。
(c)成分は、通常、光の照射部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有するものである。そのような感光剤としては、ジアゾナフトキノン化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられ、中でもジアゾナフトキノン化合物は感度が高く好ましい。
ジアゾナフトキノン化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類とヒドロキシ基含有化合物、又はアミノ基含有化合物等とを、脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えば、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が使用できる。
ヒドロキシ基含有化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使用できる。
アミノ基含有化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が使用できる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリド類とヒドロキシ基含有化合物又はアミノ基含有化合物とは、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類1モルに対して、ヒドロキシ基含有基とアミノ基含有基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリド類の好ましい割合は、0.95/1〜1/0.95(当量比)の範囲である。
好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間である。
上記反応の反応溶媒としては,ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等を用いることができる。
脱塩酸剤としては,炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等を用いることができる。
(c)成分は、好ましくは下記式(3)で表される基を含む化合物である。
Figure 2018097210
(c)成分としては、下記式(3’)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2018097210
(式(3’)中、Qは、各々独立に、水素原子又は上記式(3)で表される基である。少なくとも1つのQは上記式(3)で表される基である。)
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における(c)成分の配合量は、感光時の感度、解像度を良好とするために、(a)成分100質量部に対して、0.01〜50質量部とすることが好ましく、0.01〜20質量部とすることがより好ましく、0.5〜20質量部とすることがさらに好ましく、1〜20質量部、5〜15質量部としてもよい。
((d)成分:溶剤)
(d)成分としては、ポジ型感光性樹脂組成物中の成分を十分に溶解できるものであれば特に制限はないが、例えば、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン等を用いることができる。
中でも、各成分の溶解性と樹脂膜形成時の塗布性に優れる観点から、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、又はジメチルスルホキシドを用いることが好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における(d)成分の含有量に特に制限はないが、(a)成分100質量部に対して、50〜300質量部が好ましく、50〜250質量部がより好ましく、100〜200質量部がさらに好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の、例えば、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、99質量%以上、又は99.5質量%以上が、(a)〜(d)成分であってもよい。本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、本質的に(a)〜(d)成分からなってもよい。この場合、不可避不純物を含んでもよい。また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(a)〜(d)成分のみからなってもよい。
(他の成分)
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(a)〜(d)成分に加えて、必要に応じて、(1)カップリング剤((b)成分以外のもの)、(2)溶解阻害剤、(3)界面活性剤又はレベリング剤等を含有してもよい。
((1)カップリング剤)
カップリング剤は、通常、ポジ型感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後に加熱処理する工程において、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体と反応して架橋する、又は加熱処理する工程においてカップリング剤自身が重合すると考えられる。これにより、得られる硬化膜(硬化パターン)と基板との密着性をより向上させることができる。特に、分子内にウレア結合を有するシランカップリング剤を用いることにより、200℃以下の低温下で硬化を行った場合も基板との密着性をさらに高めることができる。
カップリング剤(例えば上記のシランカップリング剤)を用いる場合の含有量は、(a)成分100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、0.3〜10質量部がさらに好ましい。
((2)溶解阻害剤)
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(a)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物である溶解阻害剤を含有することができる。溶解阻害剤は、(a)成分の溶解性を阻害することによって残膜厚や現像時間を調整することができる。一方、発生する酸が揮発しやすいことから、(a)成分の環化脱水反応には関与しないと考えられる。
溶解阻害剤としては、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨーダイト等のジフェニルヨードニウム塩が好ましい。
溶解阻害剤を用いる場合の配合量は、感度及び現像時間の観点から、(a)成分100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、0.01〜30質量部がより好ましく、0.1〜20質量部がさらに好ましい。
((3)界面活性剤又はレベリング剤)
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、塗布性(例えばストリエーション(膜厚のムラ)の抑制)及び現像性の向上のために、界面活性剤又はレベリング剤を加えてもよい。
界面活性剤又はレベリング剤を用いる場合の含有量は、(a)成分100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.05〜3質量部がさらに好ましい。
[硬化パターンの製造方法]
本発明の硬化パターンの製造方法は、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥し、感光性樹脂膜を形成する工程と、得られた感光性樹脂膜をパターン露光する工程と、露光後の樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像して樹脂パターンを形成する工程と、樹脂パターンを加熱処理する工程とを含むことで、硬化パターンを製造することができる。
以下、各工程について説明する。
(樹脂膜形成工程)
基板としては、ガラス、半導体、TiO、SiO等の金属酸化物絶縁体、窒化ケイ素、銅、銅合金等が挙げられる。塗布方法に特に制限はないが、スピナー等を用いて行うことができる。
乾燥は、ホットプレート、オーブン等を用いて行うことができる。加熱温度は100〜150℃が好ましい。加熱時間は、30秒間〜5分間が好ましい。これにより、上述の樹脂組成物を膜状に形成した感光性樹脂膜を得ることができる。
感光性樹脂膜の膜厚は、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmがさらに好ましい。
(露光工程)
露光工程では、マスクを介して所定のパターンに露光することができる。照射する活性光線は、i線を含む紫外線、可視光線、放射線等が挙げられるが、i線であることが好ましい。露光装置としては、平行露光機、投影露光機、ステッパ、スキャナ露光機等を用いることができる。
(現像工程)
現像処理することで、パターン形成された樹脂膜(樹脂パターン)を得ることができる。一般的に、ポジ型感光性樹脂組成物を用いた場合には、露光部を現像液で除去する。
現像液として用いるアルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
アルカリ水溶液の濃度は、0.1〜10質量%が好ましい。
現像時間は、用いるポリマーの種類によっても異なるが、10秒間〜15分間であることが好ましく、10秒間〜5分間であることがより好ましく、生産性の観点からは、30秒間〜4分間であることがさらに好ましい。
上記現像液にアルコール類又は界面活性剤を添加してもよい。添加量としては、現像液100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
(加熱処理工程)
樹脂パターンを加熱処理することにより、(a)成分の官能基同士、又は、(a)成分と(b)成分間等に架橋構造を形成し、硬化パターンを得ることができる。(a)成分のポリベンゾオキサゾール前駆体は、加熱処理工程によって脱水閉環反応を起こし、対応するポリベンゾオキサゾールとすることができる。
加熱温度は、250℃以下が好ましく、120〜250℃がより好ましく、160〜230℃がさらに好ましい。
上記範囲内であることにより、基板やデバイスへのダメージを小さく抑えることができ、デバイスを歩留り良く生産することが可能となり、プロセスの省エネルギー化を実現することができる。また、上述したように、200℃以下の低温であっても硬化膜が優れた耐薬品性及び機械特性を発揮することができる。
加熱時間は、5時間以下が好ましく、30分間〜3時間がより好ましい。
上記範囲内であることにより、架橋反応又は脱水閉環反応を充分に進行することができる。また、加熱処理の雰囲気は大気中であっても、窒素等の不活性雰囲気中であってもよいが、樹脂パターンの酸化を防ぐことができる観点から、窒素雰囲気下が好ましい。
加熱処理工程に用いられる装置としては、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、マイクロ波硬化炉等が挙げられる。
[半導体装置の製造工程]
次に、本発明による硬化パターンの製造方法の一例として、半導体装置の製造工程を図面に基づいて説明する。図1〜図7は、多層配線構造を有するファンアウトパッケージの製造工程を説明する概略断面図であり、第1の工程から第7の工程へと一連の工程を表している。図8はUBM(Under Bump Metal)フリーの構造を有するファンアウトパッケージの概略断面図である。
これらの図において、回路素子(図示しない)を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されている。
半導体基板上にスピンコート法等で層間絶縁膜4としてのポリイミド樹脂等の膜が形成される(第1の工程、図1)。
次に、塩化ゴム系、フェノールノボラック系等の感光性樹脂層5が、前記層間絶縁膜4上にスピンコート法で形成され、これをマスクとして公知の方法によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられる(第2の工程、図2)。この窓6A部分に露出している層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bが形成される。次いで、窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5を除去できるエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5を除去する(第3の工程、図3)。
さらに、公知の方法を用いて、第2導体層7が形成され、第1導体層3との電気的接続が行われる(第4の工程、図4)。3層以上の多層配線構造を形成する場合は、前記の工程を繰り返して行い各層が形成される。
次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて表面保護膜8を以下のようにして形成する。即ち、本発明のポジ型感光性樹脂組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後、アルカリ水溶液にて現像して樹脂パターンを形成する。その後、この樹脂パターンを加熱して表面保護膜8(ポジ型感光性樹脂組成物の硬化パターン)とする(第5の工程、図5)。この表面保護膜8は、導体層を外部からの応力、α線等から保護する機能を担う。
さらに、通常、表面保護膜8の表面に、スパッタ処理によって金属薄膜を形成した後、めっきレジストを公知の方法を用いて窓6Cに合わせて形成し、露出している金属薄膜部にめっきによってUBM(Under Bump Metal)と呼ばれる金属層9を析出させる。そして、めっきレジストをはく離し、UBM9の形成領域以外の金属箔膜をエッチング除去してUBMを形成する(第6の工程、図6)。さらに、金属層9の表面にバンプと呼ばれる外部接続端子10が形成される(第7の工程、図7)。金属層9はバンプ10に作用する応力を緩和したり、電気的接続信頼性を向上させる目的で形成される。
しかし、近年、製造コスト低減の観点から、このような金属層9(UBM)の形成工程を省略するために、表面保護膜8に窓6Cを形成した後、バンプ10を直接形成するUBMフリー構造が提案されている。UBMフリー構造では、金属間化合物の生成による電気抵抗上昇を抑制するために、バンプ10と接続される第2導体層7を通常よりも厚く形成する必要がある。さらに、バンプ10に作用する応力を表面保護膜8のみで緩和する必要がある。このため、厚く形成された第2導体層7を被覆し、応力緩和能を高めるために、表面保護膜8を厚く形成する必要がある(図8)。
従って、UBMフリー構造では、先述した表面保護膜8に窓6Cを形成する際、樹脂膜をより厚く塗布し、露光、現像する必要がある。
[電子部品]
上述したように、本発明のポジ型感光性樹脂組成物から硬化膜(硬化パターン)を製造することができる。この硬化膜(硬化パターン)は、電子部品の層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜等として用いることができる。
上記の半導体装置は本発明の電子部品の一実施形態であるが、電子部品はこれに限定されず、様々な構造をとることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
合成例1
[(a)成分:ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成]
撹拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92g(38mmol)を添加し、撹拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、ドデカン二酸ジクロリド10.69g(40mmol)を10分間で滴下した後、フラスコ中の溶液を60分間撹拌した。上記溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収し、これを純水で3回洗浄した後、減圧してポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を得た(以下、ポリマーIとする)。ポリマーIの、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は33,100であり、分散度は2.0であった。
尚、GPC法による重量平均分子量の測定条件は以下のとおりである。ポリマー0.5mgに対して溶剤[テトラヒドロフラン(THF)/ジメチルホルムアミド(DMF)=1/1(容積比)]1mlの溶液を用いて測定した。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所社製L4000
UVポンプ:株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所社製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/l)、HPO(0.06mol/l)
流速:1.0ml/min
検出器:UV270nm
合成例2
[(a)成分:ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成]
撹拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92g(38mmol)を添加し、撹拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド11.86g(40mmol)を10分間で滴下した後、室温に戻しフラスコ中の溶液を3時間撹拌した。上記溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収し、これを純水で3回洗浄した後、減圧してポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIIとする)。ポリマーIIの重量平均分子量は22,400であり、分散度は3.2であった。
実施例1〜8、比較例1〜4
[ポジ型感光性樹脂組成物の調製]
表1に示す成分及び配合量にて、実施例1〜8及び比較例1〜4のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。表1の配合量は、(a)成分100質量部に対する、(b)成分及び(c)成分の各質量部である。(d)成分(溶剤)の配合量は、(a)成分に対して200質量部とした。
用いた各成分は以下の通りである。
[(a)成分:ポリベンゾオキサゾール前駆体]
・ポリマーI:合成例1で得られたポリマーI
・ポリマーII:合成例2で得られたポリマーII
[(b)成分:架橋剤]
・(b−1):下記構造を有する化合物
Figure 2018097210
・(b−2a):下記構造を有する化合物(株式会社阪本薬品工業製、商品名「SR−16HL」)
Figure 2018097210
・(b−2b):下記構造を有する化合物(株式会社ADEKA製、商品名「EP−3950S」)
Figure 2018097210
・(b−2c):下記構造を有する化合物(株式会社ダイセル製、商品名「セロキサイド8000」)
Figure 2018097210
・(b−2d):ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)修飾ε−カプロラクトン(株式会社ダイセル製、商品名「エポリード401」)
・(b−2e):下記構造を有する化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「X−40−2670」)
Figure 2018097210
[(c)成分:感光剤]
・(c−1):下記構造を有する化合物
Figure 2018097210
[(d)成分:溶剤]
・γ−ブチロラクトン
[ポジ型感光性樹脂組成物の評価]
上記で得られたポジ型感光性樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<機械特性(伸び)>
塗布装置(東京エレクトロン株式会社製、商品名:CLEAN TRACK ACT8)を用いて、ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハ上にスピンコートし、110℃で3分間乾燥して樹脂膜を形成した。得られた樹脂膜に、ブロードバンドアライナー(SUSS製、商品名:MA−8)を用いて露光を行い、現像後膜厚が12μmとなるように現像し、樹脂パターンを得た。得られた樹脂パターンを縦型拡散炉μ−TF(光洋サーモシステム株式会社製)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱し、硬化パターンを得た。得られた硬化パターンについて、オートグラフAGS−X 100N(株式会社島津製作所製)を用いて伸びを評価した(引張試験)。引張試験の試験条件は、チャック間距離20mm、引張速度5mm・min−1、測定温度18〜23℃とした。
<耐薬品性>
塗布装置(東京エレクトロン株式会社製、商品名:CLEAN TRACK ACT8)を用いて、ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハ上にスピンコートして、110℃で3分間乾燥して乾燥膜厚が12μmの樹脂膜を形成した。得られた樹脂膜に、i線ステッパ(キヤノン株式会社製、商品名:FPA−3000iW)を用いて露光を行い、未露光部の残膜率が75%となるように現像し、樹脂パターンを得た。得られた樹脂パターンを縦型拡散炉μ−TF(光洋サーモシステム株式会社製)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱し、硬化パターンを得た。得られた硬化パターンをレジスト剥離液(Dynaloy社製、商品名:Dynastrip7700)中に70℃で30分間浸漬した後、硬化パターン表面を光学顕微鏡で観察した。
浸漬後に外観の変化がないもの又はほとんどないものを○、パターン部にレジスト剥離液がしみ込んだものやパターンが剥離したものを×と評価した。
Figure 2018097210
表1より、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて得られた硬化パターンは、耐薬品性に優れ、かつ機械特性(伸び性)に優れることが分かる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等の電子部品の製造に使用できる。
1 半導体基板
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜
5 感光性樹脂層
6A、6B、6C 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜
9 金属層(UBM)
10 バンプ

Claims (9)

  1. (a)ポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)2種類以上の架橋剤と、(c)感光剤と、(d)溶剤とを含有し、
    前記(a)ポリベンゾオキサゾール前駆体が下記式(1)で表される構造単位を含み、
    前記(b)2種類以上の架橋剤が、(b−1)下記式(2)で表される化合物、及び(b−2)環状エーテル構造を含有する化合物を含む
    ポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2018097210
    (式(1)中、Uは2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、Vは2価の有機基である。)
    Figure 2018097210
    (式(2)中、Rは、各々独立に、水素原子又は−CH−O−Rであり、複数のRの少なくとも1つは−CH−O−Rである。Rは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はブチル基である。)
  2. 前記(b)2種類以上の架橋剤のそれぞれの含有量が、前記(a)成分100質量部に対して1質量部以上である請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記(c)感光剤が、ジアゾナフトキノン化合物を含む請求項1又は2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 前記式(1)において、Vが炭素数1〜30の脂肪族基である請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
    前記感光性樹脂膜をパターン露光する工程と、
    前記露光後の樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像して樹脂パターンを形成する工程と、
    前記樹脂パターンを加熱処理する工程と、
    を含む硬化パターンの製造方法。
  6. 前記加熱処理の温度が200℃以下である請求項5に記載の硬化パターンの製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物。
  8. 請求項7に記載の硬化物を用いて作製された層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
  9. 請求項8に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を有する電子部品。
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