JP2013250429A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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大作 松川
Takashi Ono
敬司 小野
Tetsuya Enomoto
哲也 榎本
Shigeki Katogi
茂樹 加藤木
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Abstract

【課題】金属配線上のパターニング開口部に発生する残渣を抑制して変色を抑制でき、250℃以下の低温で加熱処理を行っても、高温高湿条件下での基板への密着性が良好なパターン硬化膜を与える樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(a)ポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)感光剤と、(c)溶剤と、(d)架橋剤と、(e)アルキルアミン誘導体とを含有する樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物、それを用いたパターン硬化膜の製造方法、その製造方法によって得られたパターン硬化膜を用いた層間絶縁膜及び表面保護膜、それらを含む電子部品に関する。
従来、半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜には、優れた耐熱性と電気特性、機械特性等を併せ持つポリイミドが用いられている。近年、ポリイミド自身に感光特性を付与した感光性ポリイミドが用いられており、これを用いるとパターン硬化膜の製造工程が簡略化でき、煩雑な製造工程を短縮できる。
感光性ポリイミドを用いたパターン硬化膜の製造工程について説明する。ウエハ上に感光性ポリイミド(又は感光性ポリイミドを含む樹脂組成物)を塗布、乾燥し、樹脂膜を形成する。その樹脂膜にステッパ等の露光装置を用いてマスクの上から化学線を露光することで、露光された部分(露光部)と露光されていない部分(未露光部)ができる。
得られた露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、露光部を溶解除去することでパターン化された樹脂膜(パターン樹脂膜)が形成できる。このパターン樹脂膜を加熱し、硬化することでパターン硬化膜が得られる。このパターン硬化膜は半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜に用いられる。
感光性ポリイミドを用いたパターン硬化膜の製造において、現像の際はN−メチルピロリドン等の有機溶剤が用いられてきたが、最近では、環境への配慮から、アルカリ水溶液で現像ができる樹脂組成物が提案されている。アルカリ水溶液で現像ができる樹脂組成物としては、例えばポリイミド又はポリイミド前駆体に感光剤としてナフトキノンジアジド化合物を混合する方法(例えば、特許文献1、2)が提案されている。
また、最近では、アルカリ水溶液で現像できる樹脂組成物として、ポリベンゾオキサゾール又はポリベンゾオキサゾール前駆体を含有する樹脂組成物が提案されている。ポリベンゾオキサゾール又はポリベンゾオキサゾール前駆体は、ポリイミド又はポリイミド前駆体よりも、露光部と未露光部の溶解速度のコントラストが大きいため、より精密なパターンを形成することが可能である(例えば、特許文献3、非特許文献1)。
また、近年、半導体素子の高集積化及び小型化が進み、パッケージ基板の薄膜化、小型化等が求められている。それに伴い、薄膜化した基板の損傷(反りや割れ)を抑制するために、低温で表面保護膜及び層間絶縁膜を形成することが望まれている。
しかしながら、非特許文献1に記載されているポリベンゾオキサゾール前駆体を含む樹脂組成物は、パターン硬化膜を作製する際の加熱処理工程において、250℃超の高温で脱水閉環を行う必要があった。
また、非特許文献1の樹脂組成物を250℃以下の低温で脱水閉環すると、耐薬品性や基板との密着性等のパターン硬化膜の特性が低下する傾向があった。特に、樹脂組成物を用いた層間絶縁膜及び表面保護膜は、高温高湿条件下での基板との密着性が求められているが、低温での脱水閉環では、高温高湿条件下において十分な基板との密着性を与えることが困難であった。
さらに、従来のポリベンゾオキサゾール前駆体を含む樹脂組成物は、金属配線上でパターンを作製するときに、金属配線との相互作用によりアルカリ溶解性が低下し、現像後に露光部(パターニング開口部)に樹脂組成物が残り(残渣)、変色が発生する傾向があった。この残渣は抵抗率の変化を引き起こす傾向があり、半導体装置、表示装置の信頼性に影響を及ぼすと考えられる。
特開昭64−60630号公報 米国特許第4395482号公報 特開2009−265520号公報
J.Photopolym.Sci.Technol.,vol.17,207−213.
上記問題に鑑み、本発明は、金属配線上のパターニング開口部に発生する残渣を抑制して変色を抑制でき、250℃以下の低温で加熱処理を行っても、高温高湿条件下での基板への密着性が良好なパターン硬化膜を与える樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の樹脂組成物等が提供される。
1.(a)ポリベンゾオキサゾール前駆体と、
(b)感光剤と、
(c)溶剤と、
(d)架橋剤と、
(e)アルキルアミン誘導体と、
を含有する樹脂組成物。
2.前記(a)成分が、下記式(I)で表される構造単位を有する1に記載の樹脂組成物。
Figure 2013250429
(式中、Uは2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、Vは2価の有機基を示す。少なくとも、Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるか、又はUが炭素数2〜30の脂肪族構造を含む基である。)
3.前記(e)成分が下記式(II)で表される化合物である1又は2に記載の樹脂組成物。
Figure 2013250429
(式中、R〜Rは各々独立に水素原子又は炭素数1〜18の有機基である。R〜Rのうち1つ以上が置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基である。)
4.前記(e)成分が水酸基を1つ以上有する化合物である3に記載の樹脂組成物。
5.前記(e)成分が下記式(III)、(IV)及び(V)で表される化合物から選択される1以上である1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
Figure 2013250429
(式中、Rは各々独立に水素原子又はメチル基であり、R、R及びRは各々独立にイソブチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基又は1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基である。)
6.前記(d)成分がメチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物である1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
7.前記(b)成分が光により酸又はラジカルを発生する化合物である1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
8.1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物から得られる硬化膜。
9.1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を支持基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜を所定のパターンに露光する工程と、前記露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像する工程と、前記現像工程により得られるパターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含むパターン硬化膜の製造方法。
10.前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程において、加熱処理温度を250℃以下とする9に記載のパターン硬化膜の製造方法。
11.8に記載の硬化膜を用いた層間絶縁膜。
12.8に記載の硬化膜を用いた表面保護膜。
13.11又は12に記載の層間絶縁膜又は表面保護膜を有する電子部品。
本発明の樹脂組成物を用いることで、金属配線上のパターニング開口部に発生する残渣を抑制して変色を抑制できる。また、250℃以下で加熱処理を行っても、高温高湿条件下での基板への密着性を有するパターン硬化膜を形成することが可能である。また、本発明の感光性樹脂組成物は、250℃以下で加熱処理を行っても、高温で加熱処理したものと遜色ない十分な感度を有する。
本発明の一実施形態である、再配線構造を有する半導体装置の概略断面図である。
以下、本発明の樹脂組成物等の実施の形態を詳細に説明する。尚、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物(感光性樹脂組成物)は、(a)ポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)感光剤と、(c)溶剤と、(d)架橋剤と、(e)アルキルアミン誘導体とを含有する。
本明細書において、それぞれ単に(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び(e)成分と記す場合がある。以下、各成分について説明する。
((a)成分:ポリベンゾオキサゾール前駆体)
(a)成分のポリベンゾオキサゾール前駆体は、ポリベンゾオキサゾールの前段階のポリマーであり、例えば加熱して脱水閉環することによりポリベンゾオキサゾールとなる。
ポリベンゾオキサゾールとは、ベンゾオキサゾールを繰り返し単位中に含むポリマーであり、他の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。
また、ポリベンゾオキサゾール前駆体は、ベンゾオキサゾール単位を与える構成単位を含むポリマーであり、他の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。
本発明の樹脂組成物は、通常アルカリ水溶液で現像するので、ポリベンゾオキサゾール前駆体は、アルカリ水溶液可溶性であることが好ましい。
アルカリ水溶液とは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等のアルカリ性の水溶液である。一般には、濃度が2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が用いられるので、(a)成分は、この水溶液に対して可溶であることがより好ましい。
尚、(a)成分がアルカリ水溶液に可溶であることの1つの基準を以下に説明する。(a)成分を任意の溶剤に溶かして溶液とした後、シリコンウエハ等の基板上にスピン塗布して膜厚5μm程度の樹脂膜を形成する。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液のいずれか一つに、20〜25℃において浸漬する。この結果、均一な溶液として溶解し得るとき、用いた(a)成分はアルカリ水溶液に可溶であると判断する。
本発明の樹脂組成物は、良好な機械特性及び耐熱性を発現できる観点から、(a)成分として下記式(I)で表される構造単位を有する化合物を含有することが好ましい。
Figure 2013250429
(式中、Uは2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、Vは2価の有機基を示す。少なくとも、Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるか、又はUが炭素数2〜30の脂肪族構造を含む基である。)
式(I)の構造単位において同一のベンゼン環上に結合しているヒドロキシ基とアミド基は、加熱による脱水閉環により、耐熱性、機械特性及び電気特性に優れるオキサゾール環に変換される。式(I)の構造単位を有する化合物は、低温で硬化した場合も、脱水閉環率が高いため、低温で硬化した場合の耐熱性、機械特性に優れる。
尚、同一のベンゼン環上に結合しているヒドロキシ基とアミド基において、これらが結合する炭素原子は隣接していることが好ましい。
Uの2価の有機基としては、炭素数2〜30の脂肪族構造を含む基が挙げられる。Vの2価の有機基としては、炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基が挙げられる。
炭素数1〜30又は炭素数2〜30の脂肪族構造としては、直鎖、分岐又は環状の脂肪族化合物(アルカン、アルケン、アルキン)が挙げられる。上記の脂肪族構造は置換基により置換されていてもよく、置換基としては、ハロゲン原子等が挙げられる。
置換もしくは無置換の脂肪族構造としては、例えば、後述するポリベンゾオキサゾール前駆体原料であるジカルボン酸類、ジアミン類の残基が挙げられる。
Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるとき、Uは任意の2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−でよく、Uが炭素数2〜30の脂肪族構造を含む基であるとき、Vは任意の2価の有機基でよく、Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であり、かつ、Uが炭素数が2〜30の脂肪族構造を含む基であってもよい。
また、250℃以下での加熱によって脱水閉環率が高く、得られた硬化物が良好な耐熱性及び機械特性を示し、紫外及び可視光領域での高い透明性を示す観点から、(a)成分は下記式(VI)で表される構造単位を有する化合物であることがより好ましい。
Figure 2013250429
(式中、Uは2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、R’及びR''は各々独立に水素、フッ素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1〜30の整数である。)
Uの2価の有機基は、上記式(I)と同様である。
炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基等が挙げられる。
式(VI)において、nは7〜30の整数であることが好ましい。nが7〜30の整数であると、本発明の効果をより発現できると共に、得られたパターン硬化膜の弾性率を低くでき、破断伸びが良好なものとなる。また、樹脂組成物がN−メチル−2−ピロリドン以外の溶剤(例えば、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)に容易に溶解し、保存安定性が向上する。
また、低温で硬化した場合に、より良好な機械特性を発現する観点から、上記式(VI)で示される化合物と、下記式(I’)で表される化合物を併用することが好ましい。
Figure 2013250429
(式中、U’、V’は各々独立に2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−である。)
U’及びV’の2価の有機基は、上記式(I)のUと同様である。
式(VI)で示される化合物と、式(I’)で表される化合物は、各構造を有する共重合体となっていてもよく、また、各構造を有する化合物を混合したものであってもよい。
式(I)、(VI)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体は、一般的に、ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体類(以下、ジカルボン酸類という)と、ジヒドロキシ基を有するジアミン類を用いて、後述する合成法により合成できる。この場合、式(I)、(VI)において、Uはジアミン類の残基であり、V、−(CR’R'’)−はジカルボン酸類の残基である。
上記のジアミン類としては、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらジアミン類は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
式(I)、(VI)において、Uが炭素数が2〜30の脂肪族構造を含む基である場合、ポリベンゾオキサゾール前駆体を与えるジアミン類としては、炭素数が2〜30の脂肪族構造を含むジアミン類が用いられる。例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2013250429
(式中、mは1〜6の整数である。)
ジカルボン酸類としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらジカルボン酸類は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
式(I)で表される構造単位において、Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基である場合、ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成に用いられるジカルボン酸類としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、イソプロピルマロン酸、ジ−n−ブチルマロン酸、スクシン酸、テトラフルオロスクシン酸、メチルスクシン酸、2,2−ジメチルスクシン酸、2,3−ジメチルスクシン酸、ジメチルメチルスクシン酸、グルタル酸、ヘキサフルオログルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−エチル−3−メチルグルタル酸、アジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、3−メチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2,6,6−テトラメチルピメリン酸、スベリン酸、ドデカフルオロスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、1,9−ノナン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン二酸、ドコサン二酸、トリコサン二酸、テトラコサン二酸、ペンタコサン二酸、ヘキサコサン二酸、ヘプタコサン二酸、オクタコサン二酸、ノナコサン二酸、トリアコンタン二酸ヘントリアコンタン二酸、ドトリアコンタン二酸、ジグリコール酸や、下記式で示されるジカルボン酸等が挙げられる。
Figure 2013250429
(式中、Zは炭素数1〜6の炭化水素基であり、m’は1〜6の整数である。)
(a)成分が式(VI)で表される構造単位を有する化合物である場合も、これらの化合物をジカルボン酸類として用いることができる。
上述した通り、式(I)の構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体は共重合体であってもよい。例えば、下記式(VII)で示される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体を使用することができる。
Figure 2013250429
(式中、U及びWは各々独立に2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、V及びXは各々独立に2価の有機基である。U,Vについて、少なくともVが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるか、又はUが炭素数2〜30の脂肪族構造を含む基である。また、W,Xについて、少なくともXが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるか、又はWが炭素数2〜30の脂肪族構造を含む基である。
j及びkはそれぞれ構造単位A及びBのモル分率であり、0〜100モル%であり、j及びkの和は100モル%である。)
U、V、W及びXの2価の有機基は上記式(I)と同様である。
式(VII)において、j=5〜85モル%、k=15〜95モル%であると、パターン性、機械特性、耐熱性及び耐薬品性の観点からより好ましい。
式(VII)において、同一のベンゼン環に結合するヒドロキシ基及びアミド基は、加熱工程における脱水閉環により、機械特性、耐熱性及び電気特性に優れるオキサゾールに変換される。
尚、共重合体は、ブロック共重合体でもランダム共重合体でもよい。式(VII)は共重合体の構成単位及び構造単位間の結合を示したものであり、ブロック共重合体を記載したものではない。後述する式(VIII)又は(IX)についても同様である。
また、式(I)の構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体として、下記式(VIII)又は(IX)で示される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体を使用することもできる。
式(VIII)又は(IX)で示される構造単位は、式(I)の構造単位以外のポリベンゾオキサゾールの構造単位、ポリイミド又はポリイミド前駆体(ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル等)の構造単位等を有する。
Figure 2013250429
(式中、U及びYは各々独立に2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、V及びZは各々独立に2価の有機基である。少なくとも、Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるか、又はUが炭素数2〜30の脂肪族構造を含む基である。
j及びlはそれぞれ構造単位C及びDのモル分率であり、jとlの和は100モル%であり、jが60〜99.9モル%、lが0.1〜40モル%である。)
U、V、Y及びZの2価の有機基は上記式(I)と同様である。
ポリベンゾオキサゾール前駆体のアルカリ水溶液に対する可溶性は、ベンゼン環に結合する水酸基(一般にはフェノール性水酸基)に依存するため、jとlのモル分率は、j=80〜99.9モル%、l=0.1〜20モル%であることが好ましい。
Figure 2013250429
(式中、U、W及びYは各々独立に2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、V、X及びZは各々独立に2価の有機基を示す。U及びVについて、少なくとも、Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるか、又はUが炭素数が2〜30の脂肪族構造を含む基である。
j、k及びlは、それぞれの構造単位のモル分率を示し、j、k及びlの和は100モル%であり、j及びkの和:j+kが60〜99.9モル%、lが0.1〜40モル%である。)
U、V、W、X、Y及びZの2価の有機基は上記式(I)と同様である。
ポリベンゾオキサゾール前駆体のアルカリ水溶液に対する可溶性は、ベンゼン環に結合するヒドロキシ基(一般にはフェノール性水酸基)に依存するため、j、k及びlのモル分率は、j+k=80〜99.9モル%、l=0.1〜20モル%であることがより好ましい。
尚、上記式(VIII)及び(IX)において、Yは、好ましくはU及びWとは異なるものであり、例えば、フェノール性水酸基を含まないジアミン類の残基である。
式(VII)、(VIII)及び(IX)の構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体の製造において、上述したジカルボン酸類とジアミン類を用いる場合、式(VII)、(VIII)及び(IX)のU及びWは、上記ジアミン類の残基であり、V、X及びZで示される2価の有機基は、上記ジカルボン酸類の残基である。
式(VIII)、(IX)のYは、2価の芳香族基又は脂肪族基であることが好ましく、炭素数が4〜40のものが好ましく、炭素数が4〜40の芳香族基であることがより好ましい。
式(VIII)、(IX)のYは、Yである2価の有機基を含むジアミンを用いて、導入することができる。
Yの2価の有機基を与えるジアミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミン化合物が挙げられる。また、シリコーン基を有するジアミン化合物として、「LP−7100」、「X−22−161AS」、「X−22−161A」、「X−22−161B」、「X−22−161C」及び「X−22−161E」(いずれも信越化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。
Yの2価の有機基を与えるジアミン類は、これらに限定されるものではない。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(a)成分の分子量は、重量平均分子量で3,000〜200,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。具体的には、実施例に記載の方法により重量平均分子量を測定できる。
(a)成分のポリベンゾオキサゾール前駆体の製造方法には特に制限はなく、一般的にジカルボン酸類と、水酸基を有するジアミン類から合成できる。ジカルボン酸類、ジアミン類は上述したものと同様である。
具体的には、ジカルボン酸類をジハライド誘導体に変換後、ジアミン類との反応を行うことにより合成できる。ジハライド誘導体としては、ジクロリド誘導体が好ましい。
ジクロリド誘導体は、ジカルボン酸類とハロゲン化剤を溶媒中で反応させるか、過剰のハロゲン化剤中で反応を行った後、過剰分を留去する方法で合成できる。
ハロゲン化剤としては通常のカルボン酸の酸クロリド化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用できる。
反応溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン等が使用できる。
ハロゲン化剤の使用量は、溶媒中で反応させる場合は、ジカルボン酸誘導体に対して、1.5〜3.0モルが好ましく、1.7〜2.5モルがより好ましく、ハロゲン化剤中で反応させる場合は、4.0〜50モルが好ましく、5.0〜20モルがより好ましい。
反応温度は、−10〜70℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
ジクロリド誘導体とジアミン類との反応は、脱ハロゲン化水素剤の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。
脱ハロゲン化水素剤としては、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基を用いることができる。有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
反応温度は、−10〜30℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
((b)成分:感光剤)
感光剤とは、樹脂組成物を基板上に塗布して形成した樹脂膜に光を照射した場合に、光に反応して、照射部と未照射部の現像液に対する溶解性に差異を付与する機能を有するものである。
本発明において(b)成分として用いられる感光剤は特に制限はないが、光により酸又はラジカルを発生するものであることが好ましい。
本発明の樹脂組成物をポジ型感光性樹脂組成物として用いる場合、(b)感光剤は、光により酸を発生するもの(光酸発生剤)であることがより好ましい。
光酸発生剤は、光の照射により酸を発生し、光の照射部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有するものである。そのような光酸発生剤としてはo−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられ、良好な感度を発現するという観点から、o−キノンジアジド化合物を用いることが好ましい。
o−キノンジアジド化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物又はアミノ化合物等を脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドとしては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等を用いることができる。
ヒドロキシ化合物としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等を用いることができる。
アミノ化合物としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等を用いることができる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物又はアミノ化合物との反応は、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基及びアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。
脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合(モル比)は、0.95/1〜1/0.95の範囲である。
好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間である。
上記反応の反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等の溶媒が用いられる。
脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。
また、上記式(I)、(VII)、(VIII)及び(IX)中のV、X、Y及びZで示される構造が、アクリロイル基、メタクリロイル基等の光架橋性基を有する基を含む場合は、(b)成分(感光剤)として、ラジカルを発生するもの(光重合開始剤)を用いることが好ましい。
(b)成分として光重合開始剤を用いると、本発明の樹脂組成物をネガ型感光性樹脂組成物として用いることができる。ネガ型感光性樹脂組成物における(b)成分は、光の照射による架橋反応によって、照射部のアルカリ水溶液への可溶性を低下させる機能を有するものである。
光重合開始剤としては、アセトフェノン誘導体、アシルフォフィンオキサイド類、オキシム類、ベンゾフェノン誘導体、チタノセン等既知のものを使用することができる。
アセトフェノン誘導体としてはベンジルジメチルケタール等のベンジルケタール類、α,α,α−ヒドロキシジメチルアセトフェノン等のα−ヒドロキシアセトフェノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル等のα−アミノアセトフェノン等が挙げられる。
アシルフォフィンオキサイド類としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシム類としては1−[4−(フェニルチオ)フェニル)−1,2−オクタンジオン2−(o−ベンゾイルオキシム)やo−アセチル−1−[6−(2−メチルベンゾイル)−9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンオキシム等が挙げられる。
ベンゾフェノン誘導体としては、ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
チタノセンとしては、ビス(η−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピル−1−イル)]フェニルチタニウム等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物において、(b)成分(感光剤)の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差と、感度の観点から、(a)成分100質量部に対して5〜100質量部が好ましく、8〜40質量部がより好ましい。
((c)成分:溶剤)
(c)成分(溶剤)としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン等が挙げられ、通常、感光性樹脂組成物中の他の成分を充分に溶解できるものであれば特に制限はない。
この中でも各成分の溶解性と樹脂膜形成時の塗布性に優れる観点から、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミドを用いることが好ましい。
これらの溶剤は単独で又は2種以上併用して用いることができる。また、使用する溶剤の量は特に制限はないが、一般に感光性樹脂組成物中の溶剤の割合が20〜90質量%となるように調整されることが好ましい。
((d)成分:架橋剤)
(d)成分(架橋剤)は、樹脂組成物を塗布、露光及び現像後にパターン樹脂膜を加熱処理する工程において、ポリベンゾオキサゾール前駆体又はポリベンゾオキサゾールと反応(架橋反応)するものであり、又は、架橋剤自身が重合する。これにより、樹脂組成物を比較的低い温度、例えば250℃以下で硬化した場合も、良好な機械特性、薬品耐性及びフラックス耐性を付与させることができる。
(d)成分は、加熱処理する工程において架橋又は重合する化合物であれば特に制限はないが、分子内にメチロール基、アルコキシメチル基等の例えば炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、エポキシ基、オキセタニル基又はビニルエーテル基を有する化合物であると好ましい。
これらの基がベンゼン環に結合している化合物、N位がメチロール基又はアルコキシメチル基で置換されたメラミン樹脂又は尿素樹脂が好ましい。また、これらの基がフェノール性水酸基を有するベンゼン環に結合している化合物は、現像する際に露光部の溶解速度が増加して感度が向上させることができる点でより好ましい。
中でも感度及びワニスの安定性が良好で、パターン形成後の感光性樹脂膜の硬化時に感光性樹脂膜の溶融を防ぐことができるという観点から、分子内に2個以上のメチロール基又はアルコキシメチル基を有する化合物がより好ましい。
(d)架橋剤としては、下記式(X)〜(XIV)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2013250429
(式中、X’は単結合、−O−、−SO−又は1〜4価の有機基を示し、R11は水素原子又は1価の有機基を示し、R12は1価の有機基を示す。n''は1〜4の整数であり、pは1〜4の整数であり、qは0〜3の整数である。)
Figure 2013250429
(式中、Y’は各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、その炭素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基、その炭素原子の一部がヒドロキシ基で置換されたヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基であり、R13及びR14は各々独立に1価の有機基を示し、R15及びR16は各々独立に水素原子又は1価の有機基を示し、r及びtは各々独立に1〜3の整数であり、s及びuは各々独立に0〜3の整数である。)
Figure 2013250429
(式中、R17及びR18は各々独立に水素原子又は1価の有機基を示し、R18は互いが結合することで環構造となっていてもよい。)
Figure 2013250429
(式中、R19〜R24は各々独立に水素原子、メチロール基又はアルコキシメチル基を示す。)
式(X)〜(XIV)において、1価の有機基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルコキシ基、それらの炭素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されたものが好ましいものとして挙げられる。
式(X)〜(XIV)の中でも、式(XII)又は(XIII)で表される化合物を用いると、樹脂組成物を250℃以下の低温で硬化した場合に優れた耐薬品性を有する硬化膜が得られるため好ましい。また、式(XIII)で表される化合物を用いると、得られる硬化物が耐熱性に優れるため好ましい。
式(X)〜(XIV)で表される化合物として、より具体的には以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物を、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2013250429
上記の化合物のうち、より耐薬品性及びフラックス耐性に優れる点から、(d)成分として下記の化合物を用いることがより好ましい。
Figure 2013250429
本発明の感光性樹脂組成物において、(d)成分の含有量は、現像時間、感度、及び硬化膜物性の点から、(a)成分100質量部に対して1〜50質量部が好ましい。また、感光性樹脂組成物を250℃以下で硬化した場合の硬化膜の良好な薬品耐性及びフラックス耐性を発現させる観点から、15〜50質量部であることがより好ましく、20〜50質量部であることがさらに好ましい。
((e)成分:アルキルアミン誘導体)
(e)成分(アルキルアミン誘導体)は、銅及び銅合金等の金属との密着性を向上させる効果を有する。また、樹脂組成物と、配線及び基板に用いられる、銅及び銅合金等の金属の腐食を防ぐ効果を有する。さらに、パターニング開口部における、樹脂組成物の残渣発生による基板の変色を防ぐ効果を有する。加えて、感光性樹脂組成物をシリコン基板に塗布した場合と、他の基板の上に塗布した場合との、溶解速度の差の緩和をする効果や、メタルマイグレーションを抑制する効果を有する。ここで、メタルマイグレーションとは、バイアス(電圧)をかけた際に、対向する電極間を金属(例えば銅)イオンが移動し、還元析出して、結果的に配線間を繋いでショートを起こす現象である。
これらの効果は特に感光性樹脂組成物を低温(例えば250℃以下)で硬化した際に顕著に発現する。一般的にポリベンゾオキサゾール前駆体を含む樹脂組成物を低温で硬化すると、硬化膜の密着性及び機械特性が不十分となる傾向があるが、本発明は(a)ポリベンゾオキサゾール前駆体と、(e)成分とを併せて用いることで、低温での硬化を行うことができ、かつ低温で硬化した場合も、変色を起こさず、密着性、機械物性等の膜物性を十分に発現する感光性樹脂組成物を得ることができる。
また、上記の好ましい(d)成分である式(XII)又は(XIII)で表される化合物は、一般的に、優れた耐薬品性を与える反面、基板との密着性が低下する可能性がある。
しかし、本発明の(e)成分と組合せることで、優れた耐薬品性を維持しつつ、高温高湿条件下において、基板への十分な密着性を発現することができる。従って、本発明の感光性樹脂組成物は、耐薬品性と基板への密着性を両立することができるという観点から、(e)成分と、式(XII)又は(XIII)で表される化合物を組合せて用いることがより好ましい。
アルキルアミン誘導体とは、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンのいずれかの化合物を指す。アルキルアミン誘導体は、好ましくは下記式(II)で表される。
Figure 2013250429
(式中、R〜Rは各々独立に水素又は炭素数1〜18の有機基であり、R〜Rのうち少なくとも1つは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基である。)
アルキルアミン誘導体は、銅基板の表面と配位結合を形成し、高密度で均一な有機皮膜を銅表面に形成するため、樹脂組成物と銅基板との優れた密着性を発現すると考えられる。配位結合形成の観点から、(e)成分は、水酸基(ヒドロキシ基)を少なくとも1つ有するアルキルアミン誘導体であることが好ましい。
炭素数1〜18の有機基としては、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、アルキルエーテル基が挙げられる。
炭素数1〜18のアルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましい。アルキル基の置換基としては、ヒドロキシ基、メルカプト基、エポキシ基、フェニル基、カルボニル基等が挙げられる。
置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基としては、本発明の効果をより発現できる観点から、イソブチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基が好ましい。
アルキルアミン誘導体は、下記式(III)〜(V)で表される化合物のいずれかであることがより好ましい。
Figure 2013250429
(式中、Rは各々独立に水素原子又はメチル基であり、R、R及びRは各々独立にイソブチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基又は1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基である。)
式(III)〜(V)で表される化合物は、本発明で用いられる(a)成分又は(a)成分が脱水閉環により環化したポリベンゾオキサゾール樹脂と組合せることで、高温高湿条件下での基板及び配線との密着性をより向上させることができる。これは、(a)成分又は(a)成分が脱水閉環により環化したポリベンゾオキサゾール樹脂と(e)成分とが、水素結合又はファンデルワールス力による結合を形成することで、強い相互作用を発現するためと考えられる。これにより、250℃以下の低温で硬化したパターン硬化膜であっても実用上良好な密着性を得ることができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
式(III)〜(V)で示される化合物としては、具体的には、1−アミノ−2−ブタノール、1−エチルアミノ−2−プロパノール、N−(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリイソブチルアミン、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラ−2−プロパノール等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂と基板との密着性向上及び本発明の効果をより発現する観点から、ジイソプロパノールアミン又はトリイソプロパノールアミンを用いることが好ましい。
また、(e)アルキルアミン誘導体は、沸点が130℃以上であることが好ましい。沸点が130℃以上であると、パターン硬化膜を形成するための加熱工程で、アルキルアミン誘導体が揮発しにくく、基板との密着性をより向上させることができる。
本発明の(e)成分の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。0.1〜10質量部であることで、基板への良好な密着性を発現することができる。さらに、残渣による変色防止の観点から、0.1〜5質量部の範囲であることがより好ましく、0.5〜5質量部であることがさらに好ましい。
本発明の組成物は、例えば、90%重量以上、95重量%以上、98重量%以上、100重量%が、上記(a)〜(e)成分からなってもよい。
(その他の成分)
本発明の樹脂組成物において、上記(a)〜(e)成分に加えて、さらに必要に応じて(1)シランカップリング剤、(2)溶解促進剤、(3)溶解阻害剤、(4)界面活性剤又はレベリング剤等の成分を配合してもよい。
((1)シランカップリング剤)
通常、シランカップリング剤は、感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後に加熱処理する工程において、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体と反応して架橋する、又は加熱処理する工程においてシランカップリング剤自身が重合すると推定される。これにより、得られる硬化膜と基板との密着性をより向上させることができる。特に本発明において、分子内にウレア結合を有するシランカップリング剤を、本発明の組成に加えて用いることにより、250℃以下の低温下で硬化を行った場合も基板との密着性をさらに高めることができる。
好ましいシランカップリング剤としては、ウレア結合(−NH−CO−NH−)を有する化合物が挙げられ、低温での硬化を行った際の密着性の発現に優れる点で、下記式(XV)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2013250429
(式中、R31及びR32は、各々独立に炭素数1〜5のアルキル基である。aは1〜10の整数であり、bは1〜3の整数である。)
式(XV)で表される化合物の具体例としては、ウレイドメチルトリメトキシシラン、ウレイドメチルトリエトキシシラン、2−ウレイドエチルトリメトキシシラン、2−ウレイドエチルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、4−ウレイドブチルトリメトキシシラン、4−ウレイドブチルトリエトキシシラン等が挙げられ、好ましくは3−ウレイドプロピルトリエトキシシランである。
さらに上記分子内にウレア結合を有するシランカップリング剤に加えてヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤を併用すると、さらに低温硬化時の硬化膜の基板への密着性向上に効果がある。
ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤としては、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン等や、下記式(XVI)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2013250429
(式中、R33はヒドロキシ基又はグリシジル基を有する1価の有機基、R34及びR35は各々独立に炭素数1〜5のアルキル基である。cは1〜10の整数、dは0〜2の整数である。)
上記の化合物のうち、特に、式(XVI)で示される化合物が、基板との密着性をより向上させるため、好ましい。
このようなシランカップリング剤としては、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤は、ヒドロキシ基又はグリシジル基と共に、さらに、窒素原子を含む基、具体的にはアミノ基やアミド結合を有するシランカップリング剤であることが好ましい。アミノ基を有するシランカップリング剤としては、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−グリシドキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。アミド結合を有するシランカップリング剤としては、式X−(CH−CO−NH−(CH−Si(OR)(但し、Xはヒドロキシ基又はグリシジル基であり、e及びfは各々独立に1〜3の整数であり、Rはメチル基、エチル基又はプロピル基である)で示される化合物等のアミド結合を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤を用いる場合の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、0.3〜10質量部であることがさらに好ましい。
((2)溶解促進剤)
本発明においては、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体のアルカリ水溶液に対する溶解性をより促進させるために、溶解促進剤を加えてもよい。溶解促進剤としては、例えばフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。フェノール性水酸基を有する化合物は、感光性樹脂組成物に加えることで、アルカリ水溶液を用いて現像する際に露光部の溶解速度が増加し感度が上がり、また、パターン形成後の感光性樹脂膜の硬化時に、感光性樹脂膜の溶融を防ぐことができる。
フェノール性水酸基を有する化合物に特に制限はないが、比較的分子量の小さい化合物が好ましい。このような化合物としては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、ビスフェノールA、B、C、E、F及びG、4,4’,4''−メチリジントリスフェノール、2,6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’−[1−[4−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4''−エチリジントリスフェノール、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−エトキシフェノール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、2,2’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、2,2’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3,6−トリメチルフェノール]、4−[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3−メチルフェノール]、4,4’,4''−(3−メチル−1−プロパニル−3−イリジン)トリスフェノール、4,4’,4'',4'''−(1,4−フェニレンジメチリジン)テトラキスフェノール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ビス[(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェニル]−フェニル]エチリデン]ビス[2,6−ビス(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェノール等が挙げられる。
溶解促進剤を用いる場合の含有量は、現像時間及び感度の点から、(a)成分100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、3〜25質量部がより好ましい。
((3)溶解阻害剤)
本発明においては、(a)成分であるポリベンゾオキサゾールのアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物である溶解阻害剤を含有させることができる。溶解阻害剤は(a)成分の溶解性を阻害することで、残膜厚や現像時間を調整するのに役立つ。一方、発生する酸が揮発し易いことから、ポリベンゾオキサゾール前駆体の環化脱水反応には関与しないと考えられる。
溶解阻害剤として用いることのできる化合物としては、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨーダイト等のジフェニルヨードニウム塩が好ましい物として挙げられる。
溶解阻害剤を用いる場合の配合量は、感度及び現像時間の観点から、(a)成分100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、0.01〜30質量部がより好ましく、0.1〜20質量部がさらに好ましい。
((4)界面活性剤又はレベリング剤)
また、本発明の感光性樹脂組成物は、塗布性(例えばストリエーション(膜厚のムラ)の抑制)、及び現像性の向上のために、界面活性剤又はレベリング剤を加えてもよい。
このような界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等が挙げられ、市販品としては、商品名「メガファックスF171」、「F173」、「R−08」(以上、大日本インキ化学工業株式会社製)、商品名「フロラードFC430」、「FC431」(以上、住友スリーエム株式会社製)、商品名「オルガノシロキサンポリマーKP341」、「KBM303」、「KBM403」、「KBM803」(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤又はレベリング剤を用いる場合の含有量は、(a)成分100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.05〜3質量部がさらに好ましい。
このように、本発明により、金属配線上のパターニング開口部に発生する残渣を抑制して変色を抑制でき、250℃以下の低温で加熱処理を行っても、高温高湿条件下での基板への密着性が良好なパターン硬化膜を与える樹脂組成物を提供することができる。また、本発明の樹脂組成物は、基板間の溶解速度差が小さいため、どのような基板を用いた場合も(例えば、シリコン、銅等)、良好なパターンを形成することができる。また、本発明の樹脂組成物は感度に優れる。
[パターン硬化膜の製造方法]
次に、本発明のパターン硬化膜の製造方法について説明する。本発明のパターン硬化膜の製造方法は、樹脂組成物を支持基板上に塗布、乾燥し、樹脂膜を形成する工程と、塗布、乾燥工程により得られた樹脂膜を所定のパターンに露光する工程と、露光後の樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像する工程と、現像工程により得られたパターン樹脂膜を加熱処理する工程を含む。
(樹脂膜形成工程)
まず、本工程では、ガラス、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO、SiO等)、窒化ケイ素、銅、銅合金等の基板上に、本発明の樹脂組成物を、スピナー等を用いて回転塗布し、次に、ホットプレート、オーブン等を用いて乾燥する。
この際の加熱温度は100〜150℃であることが好ましい。これにより、樹脂組成物を膜状に形成した樹脂膜が得られる。
(露光工程)
次に、露光工程では、支持基板上で被膜となった樹脂膜に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射することにより露光を行う。露光装置としては例えば平行露光機、投影露光機、ステッパ、スキャナ露光機を用いることができる。
(現像工程)
現像工程は、露光工程後の樹脂膜を現像液で処理することによりパターン形成された樹脂膜(パターン樹脂膜)を得る工程である。一般的に、ポジ型感光性樹脂組成物を用いた場合には、露光部を現像液で除去し、ネガ型感光性樹脂組成物を用いた場合には、未露光部を現像液で除去する。
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ水溶液が好ましいものとして挙げられ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いることが好ましい。
これらの水溶液の濃度は、0.1〜10質量%とされることが好ましい。さらに、上記現像液にアルコール類又は界面活性剤を添加して使用することもできる。
これらはそれぞれ、現像液100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で配合することができる。
(加熱処理工程)
次いで、加熱処理工程では、現像工程で得られたパターン形成されたパターン樹脂膜を加熱処理することにより、(a)成分のポリベンゾオキサゾール前駆体を脱水閉環しオキサゾール環を与えると同時に、(a)成分の官能基同士、又は、(a)成分と(d)成分間等に架橋構造等を形成し、パターン硬化膜を形成することができる。
加熱処理工程における加熱温度は、好ましくは280℃以下、より好ましくは120〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃、特に好ましくは160〜200℃である。
加熱処理工程に用いられる装置としては、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、及びマイクロ波硬化炉等が挙げられる。また、大気中、又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することもできるが、窒素下で行う方がパターン樹脂膜の酸化を防ぐことができるので好ましい。上記加熱温度範囲は従来の加熱温度よりも低いため、支持基板やデバイスへのダメージを小さく抑えることができる。従って、本発明のパターンの製造方法を用いることによって、デバイスが歩留り良く製造できる。また、プロセスの省エネルギー化につながる。
また、加熱処理としては、通常の窒素置換されたオーブンを用いる以外に、マイクロ波硬化装置又は周波数可変マイクロ波硬化装置を用いることもできる。これらを用いることにより、基板やデバイスの温度は例えば220℃以下に保ったままで、パターン樹脂膜のみを効果的に加熱することが可能である(例えば、特許第2587148号公報参照)。マイクロ波を用いて硬化を行う場合、周波数を変化させながらマイクロ波をパルス状に照射すると、定在波を防ぐことができ、基板面を均一に加熱することができるため、好ましい。
さらに基板として電子部品のように金属配線を含む場合は、周波数を変化させながらマイクロ波をパルス状に照射すると金属からの放電等の発生を防ぐことができ、電子部品を破壊から守ることができる点で好ましい。
また、マイクロ波をパルス状に照射すると、設定した加熱温度を保持することができ、パターン樹脂膜や基板へのダメージを避けることができる点で好ましい。
本発明の樹脂組成物中のポリベンゾオキサゾール前駆体を脱水閉環させる時間は、脱水閉環反応が十分進行するまでの時間であるが、作業効率との兼ね合いから概ね5時間以下である。また、脱水閉環の雰囲気は大気中、又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することができる。
[半導体装置の製造工程]
次に、本発明によるパターン硬化膜の製造方法の一例として、半導体装置の製造工程を図面に基づいて説明する。
図1は、再配線構造を有する半導体装置の概略断面図である。この半導体装置は多層配線構造を有している。層間絶縁層(層間絶縁膜)1の上にはAl配線層2が形成され、その上部にはさらに絶縁層(絶縁膜)3(例えばP−SiN層)が形成され、さらに素子の表面保護層(表面保護膜)4が形成されている。配線層2のパット部5からは再配線層6が形成され、外部接続端子であるハンダ、金等で形成された導電性ボール7との接続部分である、コア8の上部まで伸びている。さらに表面保護層4の上には、カバーコート層9が形成されている。再配線層6は、バリアメタル10を介して導電性ボール7に接続されているが、この導電性ボール7を保持するために、カラー11が設けられている。このような構造のパッケージを実装する際には、さらに応力を緩和するために、アンダーフィル12を介することもある。
この図において、本発明の樹脂組成物は、層間絶縁層及び表面保護層だけではなく、その優れた特性故、カバーコート層、コア、カラー、アンダーフィル等の材料として非常に適している。本発明の樹脂組成物を用いたパターン硬化膜は、メタル層や封止剤等との接着性に優れ、応力緩和効果も高いため、カバーコート層、コア、カラー、アンダーフィル等に用いた半導体素子は、極めて信頼性に優れるものとなる。
上記図1のような本発明の半導体装置は、本発明の樹脂組成物を用いて形成される層間絶縁層、表面保護層、カバーコート、再配線用コア、半田等のボール用カラー、又はアンダーフィル等を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
本発明の樹脂組成物によれば、従来は350℃前後の高温を必要としていたパターン硬化膜を形成する加熱工程において、250℃以下の低温の加熱を用いて硬化が可能である。250℃以下の硬化においても、本発明の樹脂組成物は環化脱水反応が十分に起きることから、その膜物性(伸び、吸水率、重量減少温度、アウトガス等)が300℃以上で硬化したときに比べて物性変化は小さいものとなる。従って、プロセスが低温化できることから、デバイスの熱による欠陥を低減でき、信頼性に優れた半導体装置(電子部品)を高収率で得ることができる。さらに200℃以下の硬化においても、十分な膜物性を有する。
[電子部品]
次に、本発明の電子部品について説明する。本発明の電子部品は、上述した感光性樹脂組成物を用いて上記製造方法によって形成されるパターン硬化膜を有するため信頼性が高い。ここで、電子部品としては、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等を含む。
また、上記パターン硬化膜は、具体的には、半導体装置等電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜等、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。本発明による電子部品は、前記樹脂組成物を用いて形成される表面保護膜、層間絶縁膜等を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成]
合成例1
攪拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92g(38mmol)を添加し、攪拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、セバシン二酸ジクロリド9.56g(40mmol)を10分間で滴下した後、60分間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収し、これを純水で3回洗浄した後、減圧してポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を得た(以下、ポリマーIとする)。ポリマーIのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は31,600、分散度は2.0であった。
尚、GPC法による重量平均分子量の測定条件は以下のとおりである。ポリマー0.5mgに対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mlの溶液を用いて測定した。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所社製L4000 UV
ポンプ :株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所社製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液 :THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/l)、HPO(0.06mol/l)
流速 :1.0ml/min、検出器:UV270nm
合成例2
合成例1で使用したセバシン二酸ジクロリドを、ドデカン二酸ジクロリドとした以外は、合成例1と同様に合成を行い、ポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIIとする)。合成例1と同様に標準ポリスチレン換算により求めたポリマーIIの重量平均分子量は33,100、分散度は2.0であった。
合成例3
攪拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92g(38mmol)を添加し、攪拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド11.86g(40mmol)を10分間で滴下した後、室温に戻し3時間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収し、これを純水で3回洗浄した後、減圧してポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIIIとする)。合成例1と同様にGPC法標準ポリスチレン換算により求めたポリマーIIIの重量平均分子量は22,400、分散度は3.2であった。
実施例1〜18及び比較例1〜6
表1に示した成分及び配合量にて感光性樹脂組成物を調製した。表1の配合量は、(a)成分である各ポリマー100質量部に対する、(b)〜(e)成分の質量部である。
尚、反応に用いた各成分は以下の通りである。
(b)成分:
Figure 2013250429
(c)成分:
BLO:γ−ブチロラクトン
EL:乳酸エチル
NMP:N−メチルピロリドン
(d)成分:
D1:1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコウリル
D2:ニカラックMX−280(商品名)((株)三和ケミカル製)
D3:1,3−ビス(メトキシメチル)尿素
Figure 2013250429
(e)成分又は(e)成分に対応する成分:
Figure 2013250429
E1:ジイソプロパノールアミン(東京化成工業(株)製)
E2:ジイソブチルアミン(東京化成工業(株)製)
E3:1−アミノ−2−ブタノール(和光純薬工業(株)製)
E4:トリイソプロパノールアミン(和光純薬工業(株)製)
E5:アデカスタブLA−29(商品名)(2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(株)ADEKA製)
尚、E5は本発明の(e)成分ではない。
評価例1
実施例1〜18及び比較例1〜7で調製した感光性樹脂組成物について、パターン樹脂膜を成膜する際の基板の変色及び溶解速度を評価した。
具体的に、各例で調製した感光性樹脂組成物を、それぞれシリコン基板と銅基板上にスピンコートして、乾燥膜厚が7〜12μmの樹脂膜を形成した。得られた樹脂膜に、超高圧水銀灯を用いて、干渉フィルターを介して、ウシオ電機社製プロキシミティ露光装置UX−1000SM−XJ01を用いて、100〜1000mJ/cmのi線を所定のパターンに照射して、露光を行った。
露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液にて露光部のシリコン基板又は銅基板が露出するまで現像した後、水でリンスして、パターン樹脂膜を得た。
得られたパターン樹脂膜について、以下の評価を実施した。
(1)基板の変色
得られたパターン樹脂膜に対し、さらにTMAHにて現像を行い、未露光部についてもシリコン基板又は銅基板が露出するまで現像した。得られた基板を顕微鏡(KEYENCE社製デジタルマイクロスコープVHX−100F)により観察し、全く変色していないものをA、銅基板上観察部の5割未満が変色したものをB、銅基板上観察部の5割以上が変色したものをCと示した。結果を表1に示す。
(2)基板の違いによる溶解速度差
シリコン基板上及び銅基板上のパターン樹脂膜形成において、それぞれ、現像に要した時間をもとに、未露光部の溶解速度を求めた。溶解速度は所定時間内に溶解した膜厚(現像前の膜厚−現像後の膜厚)を時間で除すること((溶解した膜厚)÷(溶解時間))で求められる。
シリコン基板上のパターン樹脂膜形成における溶解速度を基準とし、シリコン基板上のパターン樹脂膜形成における溶解速度と銅基板上のパターン樹脂膜における溶解速度の基板間の差が10%未満であったものをA(特に良好)、10〜20%のものをB(良好)、20%よりも大きかった物をC(実用レベルではない)で示した。結果を表1に示す。
(3)感度の評価
シリコン基板上のパターン樹脂膜形成において、未露光部の残膜率(現像前後の膜厚の比)が80%となる時の、露光部のパターンが開口するのに必要な最小露光量(感度)を求めた。尚、露光は100mJ/cmから10mJ/cm刻みで露光量を上げていきながらパターン照射して現像を行い、最小露光量は、開口パターンを顕微鏡(KEYENCE社製デジタルマイクロスコープVHX−100F)で観察して判断し、500mJ/cm未満のものをA、500mJ/cm以上のものをBで示した。結果を表1に示す。
評価例2
上記評価1で作製したパターン樹脂膜からパターン硬化膜を製造し、密着性と硬化膜の物性を評価した。具体的には、パターン樹脂膜付きシリコン基板及びパターン樹脂膜付き銅基板を縦型拡散炉μ−TF(光洋サーモシステム社製)を用いて窒素雰囲気下230℃で1時間加熱してパターン硬化膜(硬化後膜厚5〜10μm)を得た。
得られたパターン硬化膜について、以下の評価を実施した。
(1)密着性の評価
製造したパターン硬化膜付き銅基板を用いて、スタッドプル法で評価した。具体的には、高温高湿条件(131℃/85RH%)で100時間処理したパターン硬化膜付き銅基板のパターン硬化膜上に、エポキシ系樹脂のついたアルミ製のピンを立て、オーブンで150℃/1時間加熱してエポキシ樹脂のついたスタッドピンを硬化膜に接着させた。このピンを、ROMULUS(Quad Group Inc.社製)を用いて引っ張り、剥がれたときの剥離状態を目視で観察した。
接着強度が700kg/cm以上のものをA、接着強度は700kg/cm未満であるが、硬化膜とエポキシ樹脂の界面、又はエポキシ樹脂とアルミ製ピンの界面から剥離した場合をB、銅基板と硬化膜の界面で剥離した場合をCと評価した。
また、同様に、高温高湿条件での処理時間を200時間、300時間、500時間とした場合も評価した。結果を表1に示す。
(2)ガラス転移温度の評価
評価例2で作製した硬化膜を4.9%フッ酸水溶液に浸漬して剥離した。得られた硬化膜を用いて、セイコーインスツルメンツ製TMA/SS6000を用い,荷重10g、昇温速度5℃・min−1にてガラス転移温度の測定を行った。評価に用いた硬化膜の膜厚は概ね10μmとした。ガラス転移温度が200℃以上のものをA、200℃未満のものをBと評価した。結果を表1に示す。
(3)硬化膜の破断伸びの評価
評価例2で作製した硬化膜を4.9%フッ酸水溶液に浸漬して剥離した。得られた硬化膜を用いて島津製作所製オートグラフAGS−X 100Nに引張り試験を行った。チャック間距離20mm、引張速度5mm・min−1、測定温度18〜23℃とし、サンプル毎に5回測定し、最大値を示した。伸びが40%超のものをA、35〜40%のものをB、35%未満のものをCと評価した。結果を表1に示す。
Figure 2013250429
実施例1〜18では、いずれも基板の変色及び基板の違いによる溶解速度差が現れず、良好であることが確認できた。また、230℃という低温で硬化した際も、良好な基板密着性を示した。
一方、(e)成分として、E5を用いた比較例1、2、4〜6、及び(e)成分を用いなかった比較例7では、基板の違いによる溶解速度差が大きかった。また、比較例1〜7では基板の激しい変色が起こった。また、比較例1〜6では(e)成分が紫外線を吸収するため、感度が劣った。比較例1、2、4〜6では、230℃で硬化を行った際の基板への密着性が低下した。
本発明の樹脂組成物は、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等の電子部品に使用できる。
1 層間絶縁層
2 Al配線層
3 絶縁層
4 表面保護層
5 配線層のパット部
6 再配線層
7 導電性ボール
8 コア
9 カバーコート層
10 バリアメタル
11 カラー
12 アンダーフィル

Claims (13)

  1. (a)ポリベンゾオキサゾール前駆体と、
    (b)感光剤と、
    (c)溶剤と、
    (d)架橋剤と、
    (e)アルキルアミン誘導体と、
    を含有する樹脂組成物。
  2. 前記(a)成分が、下記式(I)で表される構造単位を有する請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2013250429
    (式中、Uは2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、Vは2価の有機基を示す。少なくとも、Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるか、又はUが炭素数2〜30の脂肪族構造を含む基である。)
  3. 前記(e)成分が下記式(II)で表される化合物である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2013250429
    (式中、R〜Rは各々独立に水素原子又は炭素数1〜18の有機基である。R〜Rのうち1つ以上が置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基である。)
  4. 前記(e)成分が水酸基を1つ以上有する化合物である請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記(e)成分が下記式(III)、(IV)及び(V)で表される化合物から選択される1以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
    Figure 2013250429
    (式中、Rは各々独立に水素原子又はメチル基であり、R、R及びRは各々独立にイソブチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基又は1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基である。)
  6. 前記(d)成分がメチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記(b)成分が光により酸又はラジカルを発生する化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物から得られる硬化膜。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を支持基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜を所定のパターンに露光する工程と、前記露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像する工程と、前記現像工程により得られるパターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含むパターン硬化膜の製造方法。
  10. 前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程において、加熱処理温度を250℃以下とする請求項9に記載のパターン硬化膜の製造方法。
  11. 請求項8に記載の硬化膜を用いた層間絶縁膜。
  12. 請求項8に記載の硬化膜を用いた表面保護膜。
  13. 請求項11又は12に記載の層間絶縁膜又は表面保護膜を有する電子部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016079340A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 旭化成イーマテリアルズ株式会社 樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置
US10365559B2 (en) 2015-03-04 2019-07-30 Toray Industries, Inc. Photosensitive resin composition, method for manufacturing cured resin film, and semiconductor device

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