JP2013256603A - 樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品 - Google Patents

樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品 Download PDF

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Shigeki Katogi
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Abstract

【課題】樹脂組成物製造直後と、常温放置後で塗膜の膜厚や感光特性(最小露光量、感度等)に変化を生じさせることなく、低温での脱水閉環率を向上することができる、樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(a)下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体、(b)架橋剤、(c)下記一般式(2)で表される芳香族スルホン酸エステル、及び(d)溶剤、を含有する樹脂組成物。
Figure 2013256603

【選択図】図1

Description

本発明は、ポリベンゾオキサゾール前駆体を含有する樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品に関し、特に200℃以下の低温硬化時においても、優れた耐熱性と機械特性を実現できる樹脂組成物及び感光性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品に関するものである。
ポリベンゾオキサゾールを用いたパターン硬化膜は、優れた耐熱性及び良好な機械特性を有するため、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜用途に好適である。例えば、ポリベンゾオキサゾール前駆体とジアゾナフトキノン化合物を含有する樹脂組成物を半導体素子表面に塗布し乾燥した後、露光及び現像工程を経て加熱硬化することによってパターン硬化膜を得る方法が広く用いられている。前記加熱硬化において、ポリベンゾオキサゾール前駆体をポリベンゾオキサゾールへ脱水環化を進行させる必要があるため、パターン硬化膜を得るためには(高い環化率を実現するためには)、300℃以上での加熱が必要である(例えば、非特許文献1参照)。
一方、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のリフレッシュ不良の低減のためにもちいられる材料や、次世代メモリとして注目されているMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)に用いられている材料は、耐熱性が低いため、製造工程において高温に曝すことができない。また、ファンアウト型ウエハレベルパッケージのような新規半導体パッケージにおいて、ポリベンゾオキサゾールを再配線層形成材料として適用する検討が進んでいるが、封止材等の周辺材料の耐熱性が低いため、300℃以上でパターン硬化膜を形成することは困難である。そのため、表面保護膜又は層間絶縁膜として用いられるパターン硬化膜を得るための加熱硬化は、低温(例えば200℃以下)で行なうことが望まれている。
WO2009/022732号公報 特開2007−304125号公報 特開2010−229210号公報 特開2011−197362号公報
J.Photopolym.Sci.Technol.,vol.17,207−213
このような材料として、これまでに、特定の構造を有するポリベンゾオキサゾールを用いたもの(例えば特許文献1、2)、反応性官能基を有するポリベンゾオキサゾール前駆体を用いたもの(例えば特許文献3)、特定の架橋剤を用いたもの(例えば特許文献4)等が提案されている。
パターン硬化膜を得るための加熱硬化を低温で行うためには、樹脂組成物中のポリマーの低温での脱水閉環率を向上させる方法が挙げられる。しかし、特許文献1〜4に記載の樹脂組成物では、200℃以下の低温で十分な脱水閉環率にすることは困難であった。また、低温での脱水閉環率を向上させようとすると、樹脂組成物製造直後と、製造後に常温で放置した時とで、塗膜の膜厚や感光特性(最小露光量、感度等)に変化が生じる傾向あった。
そこで、本発明では、樹脂組成物製造直後と、常温放置後で塗膜の膜厚や感光特性(最小露光量、感度等)に変化を生じさせることなく、低温での脱水閉環率を向上することができる、樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と芳香族スルホン酸エステル及び架橋剤を組み合わせることによって、樹脂組成物製造直後と、常温放置後で膜厚や感光特性(最小露光量、感度等)に変化を生じさせることなく、低温での脱水閉環率を向上することができる、樹脂組成物を見出した。
本発明によれば、以下の樹脂組成物等が提供される。
1.(a)下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体、
(b)架橋剤、
(c)下記一般式(2)で表される芳香族スルホン酸エステル、及び
(d)溶剤、を含有する樹脂組成物。
Figure 2013256603
(式中、U及びVは各々独立に2価の有機基を示し、U及びVの少なくとも一方が脂肪族鎖状構造を含む基である。)
Figure 2013256603
(式中、RからRは各々独立に水素、フッ素、又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R及びRは各々独立に炭素数1〜6のアルキル基である。また、RとRは互いに結合して、1以上の炭素数1〜6のアルキル基で置換又は無置換の炭素数3以上の環構造を形成していてもよい。)
2.前記(a)成分が下記一般式(3)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体である1に記載の樹脂組成物。
Figure 2013256603
(式中、R及びRは各々独立に水素、フッ素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Uは2価の有機基であり、nは2〜30の整数である。)
3.前記(a)成分が下記一般式(4)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体の共重合体である1又は2に記載の樹脂組成物。
Figure 2013256603
(式中、U、V、W及びXは各々独立に2価の有機基を示し、U及びVの少なくとも一方が脂肪族鎖状構造を含む基であり、j及びkはそれぞれ構造単位Aと構造単位Bのモル分率であって、j及びkの和は100モル%であり、j及びkは0〜100モル%である。)
4.さらに(e)成分として光照射によって酸又はラジカルを発生する化合物を含む1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
5.1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程と、前記樹脂膜を加熱処理して硬化膜を得る加熱処理工程とを含む硬化膜の製造方法。
6.前記加熱処理工程の、加熱処理温度が200℃以下である5に記載の硬化膜の製造方法。
7.1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程と、前記樹脂膜を所定のパターンに露光する露光工程と、前記露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像してパターン樹脂膜を得る現像工程と、前記パターン樹脂膜を加熱処理してパターン硬化膜を得る加熱処理工程とを含むパターン硬化膜の製造方法。
8.前記加熱処理工程の、加熱処理温度が200℃以下である7に記載のパターン硬化膜の製造方法。
9.1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化させた硬化膜。
10.前記硬化膜がパターン化されている9に記載の硬化膜。
11.9又は10に記載の硬化膜を用いた層間絶縁膜。
12.9又は10に記載の硬化膜を用いた表面保護膜。
13.11に記載の層間絶縁膜、又は12に記載の表面保護膜を有する電子部品。
本発明によれば樹脂組成物製造直後と、常温放置後で塗膜の膜厚や感光特性(最小露光量、感度等)に変化を生じさせることなく、低温での脱水閉環率を向上することができる、樹脂組成物を提供することが可能となる。
また、本発明の硬化膜又はパターン硬化膜は、低温硬化条件で製造しても、優れた耐熱性と機械特性を示すパターン硬化膜を形成することができる。
さらに、本発明の電子部品は、その構成要素である硬化膜を本発明の樹脂組成物を用いて低温硬化条件で形成することから、電子部品への熱的ダメージの低減が可能となり、その製造歩留まりも高いという利点を有する。
本発明の樹脂組成物を用いた半導体装置(電子部品)の製造工程の一例を示す図である。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、(a)下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体、(b)架橋剤、(c)下記一般式(2)で表される芳香族スルホン酸エステル、及び(d)溶剤を含有する。
Figure 2013256603
(式中、U及びVは各々独立に2価の有機基を示し、U及びVの少なくとも一方が、脂肪族鎖状構造を含む基である。)
Figure 2013256603
(式中、RからRは各々独立に水素、フッ素、又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R及びRは各々独立に炭素数1〜6のアルキル基である。また、RとRは互いに結合して、1以上の炭素数1〜6のアルキル基で置換又は無置換の炭素数3以上の環構造を形成していてもよい。)
[(a)ポリベンゾオキサゾール前駆体]
本発明の樹脂組成物は、(a)一般式(1)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体を含有する。
Figure 2013256603
(式中、U及びVは各々独立に2価の有機基を示し、U及びVの少なくとも一方が脂肪族鎖状構造を含む基である。)
脂肪族鎖状構造とは、主鎖を構成する炭素数が2以上(好ましくは2〜30)の脂肪族構造である。
Uが脂肪族鎖状構造である場合のUの炭素数は2〜30であることが好ましく、2〜25であることがより好ましく、5〜20であることがさらに好ましい。Vが脂肪族鎖状構造である場合のVの炭素数は1〜30であることが好ましく、2〜25であることがより好ましく、5〜20であることがさらに好ましく、8〜15であることが特に好ましい。
U及びVの少なくとも一方が脂肪族鎖状構造を含む基であることで、低温で硬化した際も、良好な耐熱性、機械特性を有する硬化膜を与えることができる。
(a)成分は、耐熱性、紫外及び可視光量域での高い透明性を有し、250℃の以下での脱水閉環率が高い点で優れる点から、一般式(3)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体であることが好ましい。
Figure 2013256603
(式中、R及びRは各々独立に水素、フッ素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Uは2価の有機基であり、nは2〜30の整数である。)
また(a)成分として、一般式(3)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾールを、後述する(c)一般式(2)で表される芳香族スルホン酸エステルと組合せて用いることで、脱水閉環率をより向上することができる。
一般式(3)中のnは5〜30であることがより好ましく、7〜20であることがさらに好ましい。nが7〜30であると本発明の効果をより発現できると共に、N−メチル−2−ピロリドン以外の溶剤(γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)にも易溶となり、保存安定性も高い。さらにnが7〜30であると、弾性率が低くかつ破断伸びが高い硬化膜が得られる。
また、(a)成分は、共重合体である、以下に示す一般式(4)で示される構造単位A,Bを有するポリベンゾオキサゾール前駆体であってもよい。
Figure 2013256603
(式中、U、V、W及びXは各々独立に2価の有機基を示し、U及びVの少なくとも一方が脂肪族鎖状構造を含む基であり、j及びkはそれぞれ構造単位Aと構造単位Bのモル分率であって、j及びkの和は100モル%であり、j及びkは0〜100モル%である。)
一般式(4)中のj及びkのモル分率は、j=5〜90モル%、k=15〜95モル%であることがパターン性、機械特性、耐熱性及び耐薬品性の観点からより好ましい。また、j=50〜90モル%であることがより好ましく、70〜85モル%であることがさらに好ましい。
好ましくは、W及びXの少なくとも一方も脂肪族鎖状構造を含む基である。
一般式(1)及び一般式(4)においてU及びWで表される2価の有機基とは、一般にポリベンゾオキサゾール前駆体の合成に用いられるジアミン類の残基中の一部であり、V及びXで表される2価の有機基とは、一般にポリベンゾオキサゾール前駆体の合成に用いられる、ジカルボン酸類の残基である。
尚、一般式(1)及び一般式(4)に含まれるフェノール性水酸基を含有するアミド結合(アミドユニット)は、硬化膜を形成する際の加熱工程における脱水閉環により、耐熱性、機械特性、電気特性に優れるベンゾオキサゾール(ポリベンゾオキサゾールユニット)に変換される。
本発明において、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体は、一般式(1),(3),(4)で表される繰り返し単位を一部含んでいれば特に制限はなく、例えば、前記一般式(1),(3),(4)以外のポリアミドの構造、ポリベンゾオキサゾールの構造、ポリイミドの構造、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸やポリアミド酸エステル)の構造を、一般式(1),(3)や、共重合体である一般式(4)と共に有していても良い。
尚、(a)成分は現像性の観点から、アルカリ水溶液に可溶であることが好ましい。ここでいうアルカリ水溶液とは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等のアルカリ性の水溶液を示す。
本発明で用いる(a)成分がアルカリ水溶液に可溶であることの1つの基準は、以下のとおりである。(a)成分を任意の溶媒に溶かして溶液とした後、シリコンウエハ等の基板上にスピン塗布/ベーク(溶媒の除去工程:120℃/3分間)を行い、5μm程度の塗膜を作製する。この基板を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液のいずれか一つに20〜25℃において、浸漬する。この処理により、塗膜が全て溶解しうるとき、用いた(a)成分はアルカリ溶液に可溶である。
本発明で用いる(a)成分のアルカリ水溶液への可溶性はフェノール性水酸基に由来していることから、前記一般式(1),(3)又は一般式(4)が、60モル%以上含まれていることが好ましく、例えば、90モル%以上、95モル%以上又は100モル%とできる。
また、(a)成分は、一般式(5)及び(6)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体であってもよい。一般式(5)及び(6)で表される(a)成分は、アルカリ水溶液への可溶性が良好である。
Figure 2013256603
(式中、U、V、Y及びZは各々独立に2価の有機基を示し、U及びVの少なくとも一方が脂肪族鎖状構造を含む基である。j及びlはそれぞれ構造単位C及び構造単位Eのモル分率であり、jとlの和は100モル%であり、jが60〜100モル%、lが0〜40モル%である。)
ここで、式中のjとlのモル分率は、j=80〜100モル%、l=0〜20モル%であることがより好ましい。
Figure 2013256603
(式中、U、V、W、X、Y及びZは各々独立に2価の有機基を示し、U及びVの少なくとも一方が脂肪族鎖状構造を含む基である。j、k及びlは、それぞれの構造単位F、構造単位G及び構造単位Hのモル分率を示し、j、k及びlの和は100モル%であり、j及びkの和:j+kが60〜100モル%、lが0〜40モル%である。)
ここで、式中のj、k及びlのモル分率は、j+k=80〜100モル%、l=0〜20モル%であることがより好ましい。
尚、上記一般式(5)及び(6)において、Yは、構造単位C、構造単位F及び構造単位G中のアミン残基構造とは異なるものであり、一般には、フェノール性水酸基を含まないジアミンの残基である。
(a)成分である前駆体は、前記一般式(5)又は一般式(6)の構造単位を含んでいればよく、例えば、これら構造単位90モル%以上、95モル%以上又は100モル%で構成できる。
(a)成分の分子量は、重量平均分子量で3,000〜200,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。ここで分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
本発明において、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体の製造方法に特に制限はなく、例えば前記一般式(1)及び(3)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体は、一般的にジカルボン酸誘導体とヒドロキシ基含有ジアミン類とから合成できる。具体的には、ジカルボン酸誘導体をジハライド誘導体に変換後、前記ジアミン類との反応を行うことにより合成できる。ジハライド誘導体としては、ジクロリド誘導体が好ましい。
ジクロリド誘導体は、ジカルボン酸誘導体にハロゲン化剤を作用させて合成することができる。ハロゲン化剤としては通常のカルボン酸の酸クロリド化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用できる。
ジクロリド誘導体を合成する方法としては、ジカルボン酸誘導体と上記ハロゲン化剤を溶媒中で反応させるか、過剰のハロゲン化剤中で反応を行った後、過剰分を留去する方法で合成できる。反応溶媒としは、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン等が使用できる。
これらのハロゲン化剤の使用量は、溶媒中で反応させる場合は、ジカルボン酸誘導体に対して、1.5〜3.0モルが好ましく、1.7〜2.5モルがより好ましく、ハロゲン化剤中で反応させる場合は、4.0〜50モルが好ましく、5.0〜20モルがより好ましい。反応温度は、−10〜70℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
ジクロリド誘導体とジアミン類との反応は、脱ハロゲン化水素剤の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。脱ハロゲン化水素剤としては、通常、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が使用される。また、有機溶媒としは、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が使用できる。反応温度は、−10〜30℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
一般式(1)、(3)、(4)、(5)及び(6)中のUが脂肪族鎖状構造を含む基である場合、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体の合成には、脂肪族鎖状構造を含むジアミン類が用いられる。このようなジアミン類としては、例えば下記一般式で表されるジアミン類が挙げられる。
Figure 2013256603
(式中nは1〜6の整数である。)
さらに、一般式(1)、(3)、(4)、(5)及び(6)中のU又はWが脂肪族鎖状構造を含む基以外の2価の有機基である場合、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体の合成に用いられるジアミン類としては、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等の芳香族系のジアミン類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのジアミン類は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
一般式(1)、(3)、(4)、(5)及び(6)中のVが脂肪族鎖状構造を含む基である場合、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体の合成には、脂肪族鎖状構造を含むジカルボン酸が用いられる。脂肪族鎖状構造を含むジカルボン酸類として、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、イソプロピルマロン酸、ジ−n−ブチルマロン酸、スクシン酸、テトラフルオロスクシン酸、メチルスクシン酸、2,2−ジメチルスクシン酸、2,3−ジメチルスクシン酸、ジメチルメチルスクシン酸、グルタル酸、ヘキサフルオログルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−エチル−3−メチルグルタル酸、アジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、3−メチルアジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、ピメリン酸、2,2,6,6−テトラメチルピメリン酸、スベリン酸、ドデカフルオロスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、1,9−ノナン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン二酸、ドコサン二酸、トリコサン二酸、テトラコサン二酸、ペンタコサン二酸、ヘキサコサン二酸、ヘプタコサン二酸、オクタコサン二酸、ノナコサン二酸、トリアコンタン二酸ヘントリアコンタン二酸、ドトリアコンタン二酸、ジグリコール酸、さらに下記一般式で表されるジカルボン酸等が挙げられる。
Figure 2013256603
(式中Zは炭素数1〜6の炭化水素基、式中nは1〜6の整数である。)
さらに、一般式(1)、(3)、(4)、(5)及び(6)中のV、Z、又はXが脂肪族鎖状構造を含む基以外の2価の有機基である場合、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体の合成に用いられるジカルボン酸類としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
尚、一般式(5)及び(6)で示されるポリベンゾオキサゾール前駆体を用いる場合、Yで表される2価の有機基を与えるジアミン類は、本発明の効果が損なわれない程度に併用することが可能である。Yで表される2価の有機基とは、一般に、ジカルボン酸と反応してポリアミド構造を形成する、ジアミン類由来の残基(但し前記Uを形成するジヒドロキシジアミンとは異なる基)である。Yとしては2価の芳香族基又は脂肪族基が好ましく、炭素原子数としては4〜40のものが好ましく、炭素原子数4〜40の2価の芳香族基がより好ましい。
一般式(5)及び(6)中のYで表される2価の有機基を与えるジアミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジシン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミン化合物、シリコーン基の入ったジアミンの市販品である商品名「LP−7100」、「X−22−161AS」、「X−22−161A」、「X−22−161B」、「X−22−161C」及び「X−22−161E」(いずれも信越化学工業株式会社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
[(b)架橋剤]
本発明の樹脂組成物は、(b)成分として架橋剤を含む。架橋剤は、硬化膜を形成する際の加熱工程において、ポリベンゾオキサゾール前駆体と反応し、架橋構造を形成することできる。また、(b)架橋剤同士も加熱工程によって重合することができる。基板上に形成した樹脂膜を低温(例えば200℃以下)で加熱すると硬化膜が脆くなる傾向があるが、(b)成分の反応を用いることで硬化膜が脆くなることを防ぎ、耐熱性、機械特性及び薬品耐性を向上させることができる。
(b)成分である架橋剤としては、加熱工程において架橋又は重合する化合物である以外に特に制限はないが、分子内にメチロール基、アルコキシメチル基、エポキシ基、オキセタニル基又はビニルエーテル基を有する化合物であると好ましい。これらの基がベンゼン環に結合している化合物、あるいはN位がメチロール基及び/又はアルコキシメチル基で置換されたメラミン樹脂、尿素樹脂が好ましい。また、特に感光性樹脂組成物とした場合に、これらの基がフェノール性水酸基を有するベンゼン環に結合している化合物は、現像する際に露光部の溶解速度が増加して感度が向上させることが出来る点でより好ましい。中でも感度とワニスの安定性、加えてパターン形成後の膜の硬化時に、膜の溶融を防ぐことができる点で、分子内に2個以上のメチロール基又はアルコキシメチル基を有する化合物がより好ましい。
(b)成分として用いることができる化合物としては、下記一般式(7)、(8)及び(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013256603
(式中、X’は単結合又は1〜4価の有機基を示し、R10は水素原子又は一価の有機基を示し、R11は一価の有機基を示す。nは1〜4の整数であり、pは1〜4の整数であり、qは0〜3の整数である。)
Figure 2013256603
(式中、Y’は各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基、その水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基、その水素原子の一部がヒドロキシル基で置換されたヒドロキシアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、R12及びR13は一価の有機基を示し、R14及びR15は水素原子又は一価の有機基を示す。m及びnは各々独立に1〜3の整数であり、p及びqは各々独立に0〜3の整数である。)
Figure 2013256603
(式中、R16及びR17は各々独立に水素原子又は一価の有機基を示し、互いが結合することで環構造となっていてもよい。)
17が互いに結合して環構造を形成した化合物として以下を例示できる。
Figure 2013256603
(式中、R16及びR17は各々独立に水素原子又は一価の有機基を示す。)
尚、一般式(7)、(8)及び(9)において、一価の有機基としては、炭素原子数1〜10の、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基、それらの水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されたものが好ましいものとして挙げられる。この中でも一般式(9)で表される化合物は、200℃以下の低温で硬化しても耐薬品性が高い硬化膜が得られ、好ましい。
上述の架橋剤として、例えば、下記一般式で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物を、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2013256603
(b)成分である架橋剤の含有量は、現像時間と、未露光部残膜率の許容幅、及び硬化膜物性(機械特性及び耐熱性)の点から、(a)成分100質量部に対して1〜50質量部が好ましい。一方、低温(230℃以下)で硬化して得られた硬化膜の耐薬品性及びフラックス耐性の観点から、5〜40質量部であることがより好ましく、5〜35質量部であることがさらに好ましい。
[(c)芳香族スルホン酸エステル]
本発明の樹脂組成物は、(c)成分として、下記一般式(2)で表される芳香族スルホン酸エステルを含む。
Figure 2013256603
(式中、RからRは各々独立に水素、フッ素、又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R及びRは各々独立に炭素数1〜6のアルキル基である。また、RとRは互いに結合して、1以上の炭素数1〜6のアルキル基で置換又は無置換の炭素数3以上の環構造を形成していてもよい。)
炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。
とRが互いに結合して形成される炭素数3以上の環構造としては、シクロへキシル基、置換基を有するシクロへキシル基が挙げられる。置換基としては炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。
樹脂組成物が上記一般式(2)で示される芳香族スルホン酸エステルを含有することで、200℃以下の低温で硬化した場合も、優れた脱水閉環率を示すことができる。
また、一般に、低温での脱水閉環率を向上させようとすると、パターン樹脂膜形成直後と、パターン樹脂膜形成後に常温で放置した時とで、膜厚や感光特性(最小露光量、感度等)に変化が生じる傾向があるが、芳香族スルホン酸エステルを用いることで、膜厚や感光特性(最小露光量、感度等)に変化を生じさせることなく、脱水閉環率を向上することができる。
さらに、上記の芳香族スルホン酸エステルを用いた場合、パターン樹脂膜を乾燥させる工程における加熱温度の違いによる、溶解速度の変化を小さくすることができる。一方、スルホン酸塩を用いた場合は、パターン樹脂膜を乾燥させる工程における加熱温度の違いによる、溶解速度の変化が生じやすい。これは、イオン結合を有するスルホン酸塩が、(a)成分中のフェノール性水酸基と相互作用の強弱により、溶解速度に差が出るのに対し、スルホン酸エステルでは、そのような相互作用が発生しにくいためと考えられる。
また、上記芳香族スルホン酸エステルは、(b)成分である架橋剤の架橋反応を促進する触媒としても作用していると考えられる。そのため、(b)成分である架橋剤と(c)成分を組合せて用いることで、パターン硬化膜により良好な機械特性を与えることができる。
上記芳香族スルホン酸エステルは加熱によって熱分解して芳香族スルホン酸を発生し、ポリベンゾオキサゾール前駆体のフェノール性水酸基を含有するアミドユニットが脱水環化してベンゾオキサゾールユニットに変換される際の触媒として作用する。
(c)成分である芳香族スルホン酸エステルとしては、例えば、p−トルエンスルホン酸イソプロピル、p−トルエンスルホン酸(2−ブチル)、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシル、p−トルエンスルホン酸(5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物を、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記芳香族スルホン酸エステルの1%重量減少温度及び5%重量減少温度を熱分解挙動の指標とすると、1%重量減少温度及び5%重量減少温度が100〜200℃であることが望ましく、100〜150℃であることがより望ましい。100℃より低い温度であると、保存安定性が低下する恐れがあり、200℃より高い温度であると、200℃以下での低温硬化時の触媒としての効果が低下する恐れがある。
尚、1%重量減少温度及び5%重量減少温度はそれぞれ、セイコーインスツルメンツ社製示差熱熱重量同時測定装置TG/DTA6300を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minの条件で測定することができる。
(c)成分である芳香族スルホン酸エステルの含有量としては、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.3〜8質量部であることがより好ましく、0.5〜5質量部であることがさらに好ましい。0.1質量部より少ないと、脱水閉環する際の触媒として有効に作用しない恐れがあり、10質量部を超えると樹脂組成物の保存安定性が低下する恐れがある。
[(d)溶剤]
本発明の樹脂組成物に使用される(d)成分である溶剤としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン等が挙げられ、本発明の樹脂組成物を構成する他の成分を充分に溶解できるものであれば特に制限はない。
これらの溶剤は単独で又は2種以上併用して用いることができる。また、使用する溶剤の量は特に制限はないが、一般に樹脂組成物中溶剤の含有量が20〜90質量%となるように調整されることが好ましい。
[(e)光照射によって酸又はラジカルを発生する化合物]
本発明の樹脂組成物は(e)成分として、光照射によって酸又はラジカルを発生する化合物含有し、感光性樹脂組成物としてもよい。このような化合物を配合することによって、樹脂膜に光を照射した場合に、光に反応して、照射部と未照射部の現像液に対する溶解性に差異を発現させる機能を付与することが可能となる。
ポジ型の感光性樹脂組成物とする場合、(e)成分は、光照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)であることがより好ましい。光酸発生剤は、光の照射により酸を発生し、光照射部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有するものである。そのような光酸発生剤としてはo−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられ、o−キノンジアジド化合物は樹脂組成物の感度が高くなるため好ましい。
上記o−キノンジアジド化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類とヒドロキシ化合物、アミノ化合物等とを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。前記o−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が使用できる。
前記ヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使用できる。
前記アミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が使用できる。
前記o−キノンジアジドスルホニルクロリドとヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物とは、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合は、0.95/1〜1/0.95の範囲である。好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間とされる。
上記反応の反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等の溶媒が用いられる。脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等があげられる。
また、一般式(1)、(4)、(5)及び(6)中のV、X、Y及びZで示される構造においてアクリロイル基、メタクリロイル基等の光架橋性基を有する基がある場合は、(e)成分として光照射によって、ラジカルを発生する化合物(光重合開始剤)を用いることでネガ型感光性樹脂組成物とすることもできる。光重合開始剤としては、各種過酸化物やアゾ化合物等既知のものを使用することができきる。このネガ型感光性樹脂組成物は、光の照射による架橋反応によって光照射部のアルカリ水溶液への可溶性を低下させる機能を有するものである。
本発明の樹脂組成物において、(e)成分である光照射によって酸又はラジカルを発生する化合物の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差と、感度の許容幅の点から、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体100質量部に対して5〜100質量部が好ましく、8〜40質量部がより好ましい。
[その他の成分]
本発明の熱硬化性樹脂組成物及び樹脂組成物には、上記(a)〜(e)成分に加えて、さらに必要に応じて(1)シランカップリング剤、(2)溶解促進剤、(3)溶解阻害剤、(4)界面活性剤又はレベリング剤、(5)防錆剤等の成分を含有しても良い。
(1)シランカップリング剤
通常、シランカップリング剤は、樹脂組成物を塗布、露光、現像後に加熱処理する工程において、ポリマーと反応して橋架けをする、又は加熱処理する工程において自身が重合すると推定される。これにより、得られる硬化膜と基板との密着性を向上させることができる。特に本発明において、分子内にウレア結合を有するシランカップリング剤を、本発明の組成に加えて用いることにより、250℃以下の低温下での硬化においても基板との密着性をさらに高めることが出来る。
好ましいシランカップリング剤としては、ウレア結合(−NH−CO−NH−)を有する化合物が挙げられるが、低温下での硬化の際の密着性発現に優れる点で、下記式(10)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2013256603
(式中、R18及びR19は、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基である。pは、1〜10の整数であり、rは、1〜3の整数である。)
式(10)で表される化合物の具体例としては、ウレイドメチルトリメトキシシラン、ウレイドメチルトリエトキシシラン、2−ウレイドエチルトリメトキシシラン、2−ウレイドエチルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、4−ウレイドブチルトリメトキシシラン、4−ウレイドブチルトリエトキシシラン等が挙げられ、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランを用いることが好ましい。
さらに上記分子内にウレア結合を有するシランカップリング剤に加えてヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング化合物を併用するとさらに低温で硬化膜を形成した場合の硬化膜の基板への密着性が向上する傾向がある。
ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング化合物としては、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン等や、下記一般式(1)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2013256603
(式(11)中、qは1〜10の整数、R20はヒドロキシ基又はグリシジル基を有する1価の有機基、R21及びR23は各々独立の炭素数1〜5のアルキル基を示す。rは0〜2の整数を示す。)
上記の化合物のうち、特に一般式(11)で示される化合物が、硬化膜の基板への密着性を向上できる観点から好ましい。
このようなシランカップリング剤としては、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、化合物中にヒドロキシ基又はグリシジル基と共に、窒素原子を含む基、具体的にはアミノ基やアミド結合を含むシランカップリング剤も好ましく、このようなものとしては、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−グリシドキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤、式 X−(CH)m−CO−NH−(CH)n−Si(OR)(但し、Xは水酸基又はグリシジル基であり、m及びnは各々独立に1〜3の整数を表し、Rはメチル基、エチル基又はプロピル基である)で示される化合物等のアミド結合を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤を含有する場合の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部とすることが好ましく、0.3〜10質量部とすることがより好ましく、1〜10質量%であることがさらに好ましい。
(2)溶解促進剤
本発明の樹脂組成物は、さらに(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体のアルカリ水溶液に対する溶解性を促進させるために、溶解促進剤、例えばフェノール性水酸基を有する化合物を含有してもよい。フェノール性水酸基を有する化合物を加えることによって、アルカリ水溶液を用いて現像する際に露光部の溶解速度が増加して感度が向上し、また、パターン形成後の膜の硬化時に、膜の溶融を防ぐことができる。
本発明に使用することのできるフェノール性水酸基を有する化合物に特に制限はないが、フェノール性水酸基を有する低分子化合物としては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、ビスフェノールA、B、C、E、F及びG、4,4’,4’’−メチリジントリスフェノール、2,6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’−[1−[4−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4’’−エチリジントリスフェノール、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−エトキシフェノール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、2,2’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、2,2’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3,6−トリメチルフェノール]、4−[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3−メチルフェノール]、4,4’,4’’−(3−メチル−1−プロパニル−3−イリジン)トリスフェノール、4,4’,4’’,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリジン)テトラキスフェノール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ビス[(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェニル]−フェニル]エチリデン]ビス[2,6−ビス(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェノール等挙げることができる。
溶解促進剤を含有する場合の含有量は、現像時間と、未露光部残膜率の許容幅の点から、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、3〜25質量部がより好ましい。
(3)溶解阻害剤
本発明の樹脂組成物は、さらに(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物である溶解阻害剤を含有してもよい。具体的には、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨーダイト等のジフェニルヨードニウム塩が好ましい物としてあげられる。
これらは、発生する酸が揮発し易いこともあり、ポリベンゾオキサゾール前駆体の環化脱水反応には関与しない。しかし、効果的に溶解阻害を起こし、残膜厚や現像時間をコントロールするのに役立つ。溶解阻害剤を含有する場合の含有量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、0.01〜30質量部がより好ましく、0.1〜20質量部がさらに好ましい。
(4)界面活性剤又はレベリング剤
また、本発明の樹脂組成物は、塗布性、例えばストリエーション(膜厚のムラ)を防いだり、現像性を向上させたりするために、適当な界面活性剤又はレベリング剤を添加してもよい。
このような界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等があり、市販品としては、商品名「メガファックスF171」、「F173」、「R−08」(以上、大日本インキ化学工業株式会社製)、商品名「フロラードFC430」、「FC431」(以上、住友スリーエム株式会社製)、商品名「オルガノシロキサンポリマーKP341」、「KBM303」、「KBM403」、「KBM803」(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤又はレベリング剤を含有する場合の含有量は、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.05〜3質量部がさらに好ましい。
(5)防錆剤
本発明の樹脂組成物は防錆剤を含有してもよい。防錆剤とは、本発明の樹脂組成物と配線に用いられる金属、特に銅及び銅合金との腐食を防ぎ、かつこれらとの密着性を向上させるために用いられるものである。密着性以外の具体的な効果の一つとして、メタルマイグレーションの抑制や銅配線上と他の金属上で樹脂組成物の溶解速度が変化する現象の緩和等が挙げられる。
防錆剤としては、複素環化合物が好適に用いられ、複素環化合物としては、トリアゾール環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、2H−ピラン環及び6H−ピラン環、トリアジン環を有する化合物等が挙げられ、中でも炭素原子と窒素原子を含むイミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環を有する化合物が、防錆効果が高く、銅との密着性に優れ好ましい。これらの化合物は単独で用いてもよく、2種類以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
防錆剤を含有する場合の含有量は、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好ましく、0.2〜5重量部であることがより好ましい。0.1重量部未満であると金属層への密着性の向上効果を十分に発現できない傾向があり、10重量部を超えるとそれ以上含有しても密着性の大きな向上が見込まれない。
[硬化膜の製造方法]
本発明による硬化膜の製造方法について説明する。本発明の硬化膜は樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程と、前記樹脂膜を加熱処理して硬化膜を得る加熱処理工程により得られる。樹脂膜形成工程及び加熱処理工程の詳細な方法は、下記パターン硬化膜の製造方法と同様である。
[パターン硬化膜の製造方法]
次に、本発明によるパターン硬化膜の製造方法について説明する。本発明のパターン硬化膜の製造方法は、上述した樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程、前記樹脂膜を所定のパターンに露光する露光工程、前記露光後の樹脂膜を現像してパターン樹脂膜を得る現像工程、及び前記パターン樹脂膜を加熱処理してパターン硬化膜を得る加熱処理工程を経て、ポリベンゾオキサゾールのパターン硬化膜を得ることができる。以下、各工程について説明する。
(樹脂膜形成工程)
まず、この工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO、SiO等)、窒化ケイ素等の支持基板上に、前記本発明の樹脂組成物をスピンナー等を用いて回転塗布後、ホットプレート、オーブン等を用いて乾燥する。これにより、樹脂組成物の被膜である樹脂膜が得られる。本発明の樹脂膜は感度、解像度が良好である。
(露光工程)
次に、露光工程では、支持基板上で被膜となった樹脂膜に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射することにより露光を行う。本発明では活性光線としてi線を用いることが好ましい。
(現像工程)
現像工程では、活性光線が露光した樹脂膜の露光部を現像液で除去することによりパターン樹脂膜が得られる。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ水溶液が好ましいものとして挙げられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10質量%であることが好ましい。さらに上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。アルコール類や界面活性剤を添加する場合は、現像液100質量部に対して、0.01〜10質量部含有することが好ましく、0.1〜5質量部含有することがより好ましい。
(加熱処理工程)
次いで、加熱処理工程では、現像後に得られたパターン樹脂膜を加熱処理することにより、オキサゾール環及び他の官能基を有するのポリオキサゾールのパターン硬化膜を形成することができる。加熱処理工程における加熱温度は、好ましくは250℃以下、より好ましくは120〜250℃、さらに好ましくは150〜250℃、特に好ましくは150〜200℃である。
また、加熱処理は、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、及びマイクロ波硬化炉等を用いて行う。また、大気中、又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することもできるが、窒素下で行う方が樹脂膜の酸化を防ぐことができるので好ましい。上記加熱温度範囲は従来の加熱温度よりも低いため、支持基板やデバイスへのダメージを小さく抑えることができる。従って、本発明のパターンの製造方法を用いることによって、デバイスが歩留り良く製造できる。また、プロセスの省エネルギー化につながる。
また、本発明の加熱処理としては、通常の窒素置換されたオーブンを用いる以外に、マイクロ波硬化装置や周波数可変マイクロ波硬化装置を用いることもできる。これらを用いることにより、基板やデバイスの温度は例えば220℃以下に保ったままで、樹脂膜のみを効果的に加熱することが可能である。マイクロ波を用いる場合は周波数を変化させながらマイクロ波をパルス状に照射すことが好ましい。
本発明において脱水閉環する温度は、250℃以下が好ましく、235℃以下がさらに好ましく、225℃以下がより好ましく、200℃以下が最も好ましい。尚、基材の温度は赤外線やGaAs等の熱電対といった公知の方法で測定する。また、本発明の樹脂組成物を用いた場合、200℃以下で脱水閉環して得られた硬化膜でも、優れた耐熱性、機械特性を有する硬化膜を得ることができる。
本発明の樹脂組成物中のポリベンゾオキサゾール前駆体を脱水閉環させる時間は、脱水閉環反応が十分進行するまでの時間であるが、作業効率との兼ね合いから概ね5時間以下である。また、脱水閉環の雰囲気は大気中、又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することができる。
[半導体装置]
本発明のパターン硬化膜は、表面保護膜や層間絶縁膜として、多層配線板等の電子部品に使用することができる。本発明の半導体装置は、前記組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
本発明の樹脂組成物を用いた半導体装置(電子部品)の製造工程の一例を以下に説明する。図1は、多層配線構造を有する半導体装置の製造工程図である。
図1において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されている。前記半導体基板上にスピンコート法等で層間絶縁膜としてのポリイミド樹脂等の層間絶縁膜層4が形成される(工程(a))。
次に塩化ゴム系又はフェノールノボラック系の樹脂層5が前記層間絶縁膜層4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜層4が露出するように窓6Aが設けられている(工程(b))。前記窓6Aにより露出した層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、層間絶縁膜4のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて層間絶縁膜4が完全に除去される(工程(c))。
さらに、公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
次に表面保護膜層8が形成される(工程(e))。本例では、この表面保護膜層を前記樹脂組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、加熱して耐熱性高分子膜とする。この耐熱性高分子膜は、導体層を外部からの応力、α線等から保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。尚、上記例において、層間絶縁膜層を本発明の樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
[電子部品]
次に、本発明による電子部品について説明する。本発明による電子部品は、上述した樹脂組成物を用いて形成される硬化膜又はパターン硬化膜を、表面保護層又は層間絶縁膜として有する。ここで、電子部品としては、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等を含む。
また、上記硬化膜又はパターン硬化膜は、具体的には、半導体装置等電子部品の表面保護層や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等に使用することができる。本発明による電子部品は、本発明の樹脂組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
攪拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92g(38mmol)を添加し、攪拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、ドデカン二酸ジクロリド8.55g(32mmol)と4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド2.36g(8mmol)をそれぞれ10分間ずつかけて加えた後、室温に戻し3時間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収し、これを純水で3回洗浄した後、減圧してポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を得た(以下、ポリマー1とする)。以下の測定条件でGPC法標準ポリスチレン換算により求めた、ポリマー1の重量平均分子量は39,500、分散度は1.9であった。
(GPC法による重量平均分子量の測定条件)
測定装置:検出器 株式会社日立製作所社製L4000 UV
ポンプ:株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所社製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5 x2本
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/l)、HPO(0.06mol/l)
流速:1.0ml/min、検出器:UV270nm
ポリマー0.5mgに対して溶媒1mlの溶液を用いた。
(合成例2)
合成例1において、ドデカン二酸ジクロリド8.55g(32mmol)を、セバシン酸ジクロリド5.86g(32mmol)に代えた以外はすべて同様に操作を行い、ポリマー2を得た。合成例1と同じ測定方法で求めたポリマー2の重量平均分子量は35000、分散度は2.0であった。
(合成例3)
合成例1において、ドデカン二酸ジクロリド8.55g(32mmol)と4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド2.36g(8mmol)を、ドデカン二酸ジクロリド7.48g(28mmol)とジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド3.54g(8mmol)に代えた以外はすべて同様に操作を行い、ポリマー3を得た。合成例1と同じ測定方法で求めたポリマー3の重量平均分子量は25000、分散度は1.9であった。
(合成例4)
合成例1において、ドデカン二酸ジクロリドを用いずに、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド11.80g(40mmol)のみを用いた以外はすべて同様に走査を行い、ポリマー4を得た。合成例1と同じ測定方法で求めたポリマー4の重量平均分子量は16,900であり、分散度は1.7であった。
(実施例1〜16及び比較例1〜9)
[樹脂組成物の製造]
実施例1〜16及び比較例1〜9を表1,2に示す組成で配合し、それぞれ樹脂組成物を得た。表中の数字は質量部を表し、BLOはγ−ブチロラクトン、ELは乳酸エチル、NMPはN−メチルピロリドンを表す。
[硬化膜の脱水閉環率の測定]
配合した樹脂組成物をシリコンウエハ上にスピンコートして、120℃で3分間乾燥し、膜厚10μmの塗膜(A)を得た。この塗膜を光洋サーモシステム社製イナートガスオーブン中、窒素雰囲気下、100℃で1時間加熱した後、さらに200℃で1時間又は320℃で1時間加熱して硬化膜(それぞれ、200℃で加熱した硬化膜(B)、320℃で加熱した硬化膜(C)とする)を得た。
硬化膜(B)の脱水閉環率を以下のようにして求めた。
上記の塗膜(A)及び硬化膜(B)、(C)の赤外吸収スペクトルを、以下の測定条件で測定し、1540cm−1付近のC−N伸縮振動に起因するピークの吸光度を求めた。赤外吸収スペクトルの測定は、測定装置としてFTIR‐8300(株式会社島津製作所製)を使用した。
(赤外吸収スペクトル測定条件)
測定装置:DIGILAB社製赤外分光器FTS−3000
測定方法:キャストフィルム法
塗膜(A)の脱水閉環率を0%、硬化膜(C)の脱水閉環率を100%として、次の式から硬化膜(B)の脱水閉環率を算出した。
(脱水閉環率算出式)
Figure 2013256603
Figure 2013256603
Figure 2013256603
実施例及び比較例で用いた各成分は、以下の通りである。尚、(c)成分のTd1及びTd5は窒素雰囲気下、昇温速度毎分5℃の条件で測定した1%及び5%重量減少温度を示す。
(b)成分
Figure 2013256603
(c)成分
Figure 2013256603
脂肪族鎖状構造を有するポリマー1〜3と一般式(2)で表される芳香族スルホン酸エステルであるC1〜C3を組み合わせた実施例1〜16では200℃硬化において、いずれも70%以上の高い脱水閉環率を示した。一方、(c)成分を含まない比較例1では約20%という低い脱水閉環率であり、(c)成分として、C4〜C8を含む比較例2〜8では200℃での脱水閉環率が約30〜60%であり、実施例1〜15と比較すると低い脱水閉環率となった。また、脂肪族鎖状構造を有さないポリベンゾオキサゾール前駆体であるポリマー4を用いた比較例9では、(c)成分として一般式(2)で表される芳香族スルホン酸エステルC1を組み合わせても10%以下の低い脱水閉環率となった。
(実施例17〜19及び比較例10〜12)
[樹脂組成物の製造]
実施例17〜19及び比較例10〜12では、(e)成分として下記の化合物E1を用いて表3に示す組成で樹脂組成物を作製した。
Figure 2013256603
[硬化膜の脱水閉環率の測定]
樹脂組成物について、実施例1と同様に200℃での硬化膜の脱水閉環率を測定した。
[樹脂膜の感光特性及び樹脂組成物の保存安定性の評価]
上記で調製した樹脂組成物を、それぞれシリコンウエハ上にスピンコートして、乾燥温度120℃で3分間加熱処理を行い、樹脂膜厚が10〜12μmの塗膜を形成した。
得られた塗膜に、キヤノン株式会社製i線ステッパーFPA−3000iWを用いて、100〜1000mJ/cmのi線を所定のパターンに照射して、露光を行った。露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液にて未露光部の残膜率(現像前後の膜厚の比)が80%となる時間で現像を行い、水でリンスしてパターン樹脂膜を得た。
その際に露光部のパターンが開口するのに必要な最小露光量を求めた。最小露光量については、200mJ/cm以下のものをA、200mJ/cmより大きく、300mJ/cm以下のものをB、300mJ/cmより大きいものをCとした。
解像度については、最小開口パターンが5μm以下のものをA、5μmより大きく、7μm以下のものをB、7μmより大きいものをCとした。
尚、上記露光は100mJ/cmから10mJ/cm刻みで露光量を上げてパターン照射を行った。最小露光量は、現像後の開口パターンを顕微鏡で観察しながら判断した。
さらに、室温で1ヶ月放置した樹脂組成物についても、初期と同様の条件でスピンコート、乾燥して露光現像前に膜厚を測定し、初期との膜厚変化を評価するとともに、感光特性を評価した。初期膜厚からの膜厚変化率が±10%以内のものをA、±10%より大きいものをBとした。
上記の結果を表3に示す。表中、※は、ゲル化のため、測定できなかったことを示す。
Figure 2013256603
(c)成分として芳香族スルホン酸2級エステルであるC1を用いた実施例17〜19は、比較例10〜12と比較して感光特性の低下は見られない。また、一般的には、低温での脱水閉環率を向上させると、室温放置後に膜厚及び感光特性(最小露光量、解像度)に変化が見られる傾向があるが、本発明の樹脂組成物を用いた場合、室温放置1ヵ月後においても、膜厚の変化及び感光特性(最小露光量、解像度)の低下は見られず、良好な保存安定性を示した。つまり、本発明の樹脂組成物は、室温放置後の保存安定性を低下させることなく、200℃硬化での脱水閉環率を向上することができるという、優れた効果を有する。
[未露光部溶解速度と露光部溶解速度の評価]
実施例17及び比較例11で調製した樹脂組成物を、それぞれシリコンウエハ上にスピンコートし、乾燥温度を90、100、110、120、130℃と変えて、各温度で3分間乾燥処理を行ったものを準備した。
次に、各シリコンウエハを2分割して、一方のウエハに対して、ウシオ電機株式会社製プロキシミティ露光装置UX−1000SM−XJ01を用いて、i線換算で500mJ/cmの露光量で露光を行った。
露光したウエハをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液に浸漬して、シリコンウエハ上に形成した塗膜が完全に溶解するまでの時間を計測し、初期膜厚を完全に溶解するまでの時間で除することによって露光部の溶解速度を算出した。結果を表4に示す。
さらに、露光していないウエハをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液に80秒間浸漬して、浸漬前後の膜厚変化量を浸漬時間である80秒で除することによって、未露光部溶解速度を算出した。結果を表4に示す。
Figure 2013256603
表4に示すように、実施例17では、乾燥温度を変えても、未露光部及び露光部の溶解速度の変化率が比較例11よりも小さい。このように、本発明の樹脂組成物を用いた場合、プロセス条件(乾燥温度)の変動に対する裕度が向上していると考えられる。
[硬化膜の特性の評価]
次に実施例17〜19及び比較例10〜12の樹脂組成物の各溶液をシリコンウエハ上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚15μmの塗膜を形成した。樹脂膜付きウエハを縦型拡散炉μ−TF(光洋サーモシステム社製)を用いて窒素雰囲気下、100℃で1時間加熱した後、さらに170℃、又は200℃で1時間加熱して硬化膜(硬化後膜厚10〜12μm)をそれぞれ得た。
次に4.9%フッ酸水溶液を用いて、この硬化膜を剥離し、水洗、乾燥した後、以下の方法で、熱膨張係数、ガラス転移点(Tg)、破断伸び、5%重量減少温度について評価した。結果を表5に示す。
熱膨張係数は、硬化膜をカッターを用いて、幅2mm、長さ25mmの大きさに切り出し、セイコーインスツルメンツ社製TMA/SS6000を用いて、空気雰囲気下、チャック間距離10mm、昇温速度5℃/minにて測定を行い、100〜150℃の温度範囲において算出し、80×10−6/℃以下のものをA、80×10−6/℃より大きく100×10−6/℃以下のものをB、100×10−6/℃より大きいものをCとした。
Tgは熱膨張係数測定において得られた温度―変位曲線の変曲点から求め、225℃以上のものをA、200℃以上225℃未満のものをB、200℃未満のものをCとした。
破断伸びは、硬化膜をカッターを用いて幅1cm、長さ10cmの大きさに切り出し、島津製作所社製オートグラフAGS−100NHを用いて。チャック間距離2cm、引っ張り速度毎分5mmの条件で引っ張り試験を行い、最大伸びが60%以上のものをA、40%以上60%未満のものをB、40%未満のものをCとした。
5%重量減少温度はセイコーインスツルメンツ社製示差熱熱重量同時測定装置TG/DTA6300を用いて、空気雰囲気下、昇温速度10℃/minの条件で測定し、300℃以上のものをA、275℃以上300℃未満のものをB、275℃未満のものをCとした。
さらに、実施例17〜19及び比較例10〜12の樹脂組成物について、前記と同様の方法で、(320℃で1時間加熱した硬化膜の脱水閉環率を100%として)170℃及び200℃での硬化膜の脱水閉環率をそれぞれ測定し、80%以上のものをA、65%より大きく80%未満のものをB、65%以下のものをCとした。結果を表5に示す。
Figure 2013256603
実施例17〜19では比較例11〜12と比較して、170℃硬化においても、高い脱水環化率と良好な耐熱性及び機械特性を両立することができる。
本発明による樹脂組成物は、特定の構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と特定の芳香族スルホン酸エステルを組み合わせることによって、200℃以下の低温硬化条件でも高い脱水閉環率を達成することが可能となる。また、容易に樹脂組成物とすることができ、良好な感光特性を示すとともに、硬化後の膜の物性が高温で硬化したものと遜色ない性能が得られる。また、本発明のパターン硬化膜の製造方法によれば、前記樹脂組成物の使用により、感度、解像度、密着性に優れ、さらに低温硬化プロセスでも耐熱性に優れ、吸水率の低い、良好な形状のパターン硬化膜が得られる。本発明の樹脂組成物から得られるパターン硬化膜は、良好な形状と密着性、耐熱性に優れ、さらには低温プロセスで硬化できることにより、デバイスへのダメージが避けられ、信頼性の高い電子部品が得られる。
1 半導体基板
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜層
5 感光樹脂層
6A、6B、6C 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜層

Claims (13)

  1. (a)下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体、
    (b)架橋剤、
    (c)下記一般式(2)で表される芳香族スルホン酸エステル、及び
    (d)溶剤、を含有する樹脂組成物。
    Figure 2013256603
    (式中、U及びVは各々独立に2価の有機基を示し、U及びVの少なくとも一方が脂肪族鎖状構造を含む基である。)
    Figure 2013256603
    (式中、RからRは各々独立に水素、フッ素、又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R及びRは各々独立に炭素数1〜6のアルキル基である。また、RとRは互いに結合して、1以上の炭素数1〜6のアルキル基で置換又は無置換の炭素数3以上の環構造を形成していてもよい。)
  2. 前記(a)成分が下記一般式(3)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体である請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2013256603
    (式中、R及びRは各々独立に水素、フッ素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Uは2価の有機基であり、nは2〜30の整数である。)
  3. 前記(a)成分が下記一般式(4)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体の共重合体である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2013256603
    (式中、U、V、W及びXは各々独立に2価の有機基を示し、U及びVの少なくとも一方が脂肪族鎖状構造を含む基であり、j及びkはそれぞれ構造単位Aと構造単位Bのモル分率であって、j及びkの和は100モル%であり、j及びkは0〜100モル%である。)
  4. さらに(e)成分として光照射によって酸又はラジカルを発生する化合物を含む請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程と、前記樹脂膜を加熱処理して硬化膜を得る加熱処理工程とを含む硬化膜の製造方法。
  6. 前記加熱処理工程の、加熱処理温度が200℃以下である請求項5に記載の硬化膜の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程と、前記樹脂膜を所定のパターンに露光する露光工程と、前記露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像してパターン樹脂膜を得る現像工程と、前記パターン樹脂膜を加熱処理してパターン硬化膜を得る加熱処理工程とを含むパターン硬化膜の製造方法。
  8. 前記加熱処理工程の、加熱処理温度が200℃以下である請求項7に記載のパターン硬化膜の製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化させた硬化膜。
  10. 前記硬化膜がパターン化されている請求項9に記載の硬化膜。
  11. 請求項9又は10に記載の硬化膜を用いた層間絶縁膜。
  12. 請求項9又は10に記載の硬化膜を用いた表面保護膜。
  13. 請求項11に記載の層間絶縁膜、又は請求項12に記載の表面保護膜を有する電子部品。
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