JP6911323B2 - 感光性樹脂組成物、硬化膜、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品 - Google Patents

感光性樹脂組成物、硬化膜、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP6911323B2
JP6911323B2 JP2016203661A JP2016203661A JP6911323B2 JP 6911323 B2 JP6911323 B2 JP 6911323B2 JP 2016203661 A JP2016203661 A JP 2016203661A JP 2016203661 A JP2016203661 A JP 2016203661A JP 6911323 B2 JP6911323 B2 JP 6911323B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive resin
acid
group
resin composition
cured film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016203661A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018066786A (ja
Inventor
崇司 川守
崇司 川守
日高 敬浩
敬浩 日高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HD MicroSystems Ltd
Original Assignee
HD MicroSystems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HD MicroSystems Ltd filed Critical HD MicroSystems Ltd
Priority to JP2016203661A priority Critical patent/JP6911323B2/ja
Publication of JP2018066786A publication Critical patent/JP2018066786A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6911323B2 publication Critical patent/JP6911323B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

本発明は、感光性樹脂組成物に関し、特に、パターン形成性、現像速度に優れ、良好な形状のパターンが得られる感光性樹脂組成物に関する。本発明は、さらに、該感光性樹脂組成物を用いた、硬化膜、パターン硬化膜の製造方法、層間絶縁膜、表面保護膜及び電子部品に関する。
従来、半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜には、優れた耐熱性と電気特性、機械特性等を併せ持つポリイミドが用いられている。近年、ポリイミド自身に感光特性を付与した感光性ポリイミドが用いられており、これを用いるとパターン作製工程が簡略化でき、煩雑な製造工程が短縮できるという特徴を有する。
感光性ポリイミドは、現像の際にN−メチルピロリドン等の有機溶剤が用いられてきたが、最近では、アルカリ水溶液で現像ができるポジ型感光性ポリイミドの提案がなされている。ポジ型感光性ポリイミドとしては、ポリイミド又はポリイミド前駆体に感光剤としてナフトキノンジアジド化合物を混合する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、最近では、アルカリ水溶液で現像できるポジ型感光性樹脂として、ポリベンゾオキサゾール又はポリベンゾオキサゾール前駆体が提案されている。ポリベンゾオキサゾール又はポリベンゾオキサゾール前駆体は、溶解調整剤や溶解阻害剤を用いることで、露光部と未露光部の溶解速度のコントラストを大きくすることができるため、精密なパターンを形成することが可能である(例えば、特許文献3)。特に露光部と未露光部の溶解速度のコントラストをつけるための溶解阻害剤としてヨードニウム塩等が推奨されている(例えば特許文献3、4参照)。
特開昭64−60630号公報 米国特許第4395482号明細書 特開2009−265520号公報 特開2013−250429号公報
一方、近年、半導体素子の高集積化及び小型化が進み、微細な解像度が求められていると共に、製造速度の向上のため、微細な解像度を短時間の現像で形成する必要がある。特許文献3、4に記載されているヨードニウム塩は溶解阻害効果が高いものの、露光部の溶解速度も低下するため、高精細のパターンを形成するためには現像時間が長くなるという問題があった。
本発明の目的は、現像時間が短く、高精細のパターンを形成できる感光性樹脂組成物及びこの感光性樹脂組成物を用いた硬化膜を提供することである。また、本発明の目的は、微細化構成に優れたパターン硬化膜の製造方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、信頼性の高い、層間絶縁膜又は表面保護膜を有する電子部品を提供することである。
本発明によれば、以下の感光性樹脂組成物等が提供される。
(1)(a)アルカリ可溶性樹脂と、
(b)感光剤と、
(c)溶剤と、
(d)加熱により架橋又は重合し得る架橋剤と、
(e)溶解阻害剤
とを含み、前記(e)溶解阻害剤が、下記式(1)で示される構造を有するアンモニウム塩、又は下記式(2)で示される構造を有するホスホニウム塩である感光性樹脂組成物。
Figure 0006911323
(式中、R〜Rは各々独立に1価の有機基であり、同じでも異なってもよい。Xは対陰イオンである。)
Figure 0006911323
(式中、R〜Rは各々独立に1価の有機基であり、同じでも異なってもよい。Xは対陰イオンである。)
(2)前記(e)溶解阻害剤のアンモニウム塩が、下記式(3)で示される構造を有するアンモニウム塩である(1)に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 0006911323
(式中、R〜Rは各々独立に1価の有機基であり、同じでも異なってもよい。Xは対陰イオンである。)
(3)前記(a)アルカリ可溶性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド酸、ポリベンゾオキサゾール、又はポリヒドロキシアミドを含む(1)又は(2)に記載の感光性樹脂組成物。
(4)前記(a)アルカリ可溶性樹脂が、下記式(4)又は(5)で示される構造単位を有する(1)〜(3)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
Figure 0006911323
(式中、Uは2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、Vは2価の有機基を示し、Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるか、又はUが主鎖を構成する炭素数が2〜30の脂肪族構造を含む基である。)
Figure 0006911323
(式中、U’及びV’は各々独立に2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−である。)
(5)前記(b)感光剤が、光により酸を発生する感光剤である(1)〜(4)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(6)前記(d)架橋剤が、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物である(1)〜(5)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(7)さらに、(f)加熱により酸を発生し得る熱酸発生剤を含む(1)〜(6)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化膜。
(9)パターン化されている請求項8に記載の硬化膜。
(10)(1)〜(7)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥し、感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜を所定のパターンに露光し、パターン樹脂膜を形成する工程と、
前記パターン樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像し、加熱処理する工程
とを含む、パターン硬化膜の製造方法。
(11)前記加熱処理工程において、加熱処理温度が250℃以下である(10)に記載のパターン硬化膜の製造方法。
(12)前記加熱処理工程において、加熱処理温度が200℃以下である(10)に記載のパターン硬化膜の製造方法。
(13)(8)又は(9)に記載の硬化膜を用いた、層間絶縁膜。
(14)(8)又は(9)に記載の硬化膜を用いた、表面保護膜。
(15)(13)に記載の層間絶縁膜又は(14)に記載の表面保護膜を有する電子部品。
本発明によれば、現像時間が短く、高精細のパターンを形成できる感光性樹脂組成物及びその硬化膜を提供することができる。
また、本発明のパターン硬化膜の製造方法によれば、該感光性樹脂組成物を用いることにより、微細化構成に優れたパターン硬化膜が得られる。さらに、本発明によれば、該硬化膜又はパターン硬化膜を用いた層間絶縁膜及び表面保護膜を有することにより、信頼性の高い電子部品を提供することができる。
本発明の実施形態である再配線構造を有する半導体装置の概略断面図である。
以下に、本発明の感光性樹脂組成物等の実施の形態を詳細に説明する。尚、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
[感光性樹脂組成物]
まず、本発明による感光性樹脂組成物について説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は(a)アルカリ可溶性樹脂と、(b)感光剤と、(c)溶剤と、(d)加熱により架橋又は重合し得る架橋剤と、(e)溶解阻害剤を含有する。
本明細書において、それぞれ単に(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び(e)成分と記す場合がある。以下、各成分について説明する。
((a)成分:アルカリ可溶性樹脂)
(a)成分は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等のアルカリ性の溶液に可溶な樹脂である。一般には、濃度が2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が用いられるので、(a)成分は、この水溶液に対して可溶性であることが好ましい。
ここで、本発明の感光性樹脂組成物がアルカリ性の溶液に可溶であることの1つの基準を以下に説明する。(a)成分単独と任意の溶剤から得られた樹脂溶液を、シリコンウエハ等の基板上にスピン塗布して膜厚5μm程度の樹脂膜を形成する。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液及び有機アミン水溶液のいずれか1つに、20〜25℃において10分間浸漬する。この結果、均一な溶液として溶解し得るとき、用いた(a)成分はアルカリ水溶液に可溶であると判断する。
(a)成分としては、耐熱性に優れているという観点から、ポリイミド、ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)、ポリベンゾオキサゾール、又はポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を含むことが好ましい。また、アルカリ水溶液への溶解性の観点から、分子内にフェノール性水酸基、カルボキシル基、又はスルホン酸基を有する化合物であることが好ましい。さらに、耐熱性(ガラス転移温度(Tg)等により評価できる)及びアルカリ性の溶液への溶解性を両立させるという観点から、ポリアミド酸、ポリヒドロキシアミド、フェノール性水酸基を有するポリイミド、又はカルボキシル基を有するポリイミドを用いることがより好ましい。また、耐熱性及びアルカリ水溶液への溶解性がより優れているという観点から、ポリヒドロキシアミドを用いることが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、良好な機械特性及び耐熱性を発現できる観点から、(a)成分として下記式(4)で示される構造単位を有する化合物を含有することが好ましい。
Figure 0006911323
(式中、Uは2価の有機基、単結合、−O−、又は−SO−であり、Vは2価の有機基を示し、Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるか、又はUが主鎖を構成する炭素数が2〜30の脂肪族構造を含む基である。)
Uの2価の有機基としては、例えば、炭素数2〜30の脂肪族構造を含む基が挙げられる。Vの2価の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基が挙げられる。
炭素数1〜30又は炭素数2〜30の脂肪族構造としては、例えば、直鎖、分岐又は環状の脂肪族化合物(アルカン、アルケン、アルキン)が挙げられる。上記の脂肪族構造は置換基により置換されていてもよく、置換基としては、ハロゲン原子等が挙げられる。
置換もしくは無置換の脂肪族構造としては、例えば、後述するポリベンゾオキサゾール前駆体原料であるジカルボン酸類、ジアミン類の残基が挙げられる。
Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるとき、Uは任意の2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−でよい。Uが主鎖を構成する炭素数2〜30の脂肪族構造を含む基であるとき、Vは任意の2価の有機基でよい。また、Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であり、かつ、Uが主鎖を構成する炭素数が2〜30の脂肪族構造を含む基であってもよい。
また、250℃以下での加熱によって脱水閉環率が高く、得られた硬化物が良好な耐熱性及び機械特性を示し、紫外及び可視光領域での高い透明性を示す観点から、(a)成分は下記式(4−1)で示される構造単位を有する化合物であることがより好ましい。
Figure 0006911323
(式中、Uは式(4)と同じである。R’及びR’’は各々独立に水素、フッ素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1〜30の整数である。)
炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基等が挙げられる。
式(4−1)において、nは7〜30の整数であることが好ましい。nが7〜30の整数であると、本発明の効果をより発現できると共に、得られたパターン硬化膜の弾性率を低くでき、破断伸びが良好なものとなる。また、樹脂組成物がN−メチル−2−ピロリドン以外の溶剤(例えば、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)に容易に溶解し、保存安定性が向上する。
また、低温で硬化した場合に、より良好な機械特性を発現する観点から、下記式(5)で示される構造単位を有する化合物であることが好ましい。
Figure 0006911323
(式中、U’及びV’は各々独立に2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−である。)
U’及びV’の2価の有機基は、上記式(4)のUの2価の有機基と同じである。
式(4)、(4−1)又は(5)で示される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体は、一般的に、ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体類(以下、ジカルボン酸類という)と、ジヒドロキシ基を有するジアミン類を用いて、後述する合成法により合成できる。この場合、式(4)、(4−1)及び(5)において、U及びU’はジアミン類の残基の一部であり、V、−(CR’R’’)−及びV’はジカルボン酸類の残基又はその一部である。
上記のジアミン類としては、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
また、ジアミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミン化合物が挙げられる。さらに、シリコーン基を有するジアミン化合物として、「LP−7100」、「X−22−161AS」、「X−22−161A」、「X−22−161B」、「X−22−161C」及び「X−22−161E」(いずれも信越化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。
ジアミン類は上記の化合物に限定されるものではない。
ジアミン類は、上記の化合物を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ジカルボン酸類としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
式(4)のVが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基である場合、ジカルボン酸類としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、イソプロピルマロン酸、ジ−n−ブチルマロン酸、スクシン酸、テトラフルオロスクシン酸、メチルスクシン酸、2,2−ジメチルスクシン酸、2,3−ジメチルスクシン酸、ジメチルメチルスクシン酸、グルタル酸、ヘキサフルオログルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−エチル−3−メチルグルタル酸、アジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、3−メチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2,6,6−テトラメチルピメリン酸、スベリン酸、ドデカフルオロスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、1,9−ノナン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン二酸、ドコサン二酸、トリコサン二酸、テトラコサン二酸、ペンタコサン二酸、ヘキサコサン二酸、ヘプタコサン二酸、オクタコサン二酸、ノナコサン二酸、トリアコンタン二酸ヘントリアコンタン二酸、ドトリアコンタン二酸、ジグリコール酸や、下記式で示されるジカルボン酸等が挙げられる。
Figure 0006911323
(式中、Zは炭素数1〜6の炭化水素基であり、m’は1〜6の整数である。)
ジカルボン酸類は上記の化合物に限定されるものではない。
ジカルボン酸類は、上記の化合物を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(a)成分の分子量は、重量平均分子量で3,000〜200,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。具体的には、実施例に記載の方法により重量平均分子量を測定できる。
(a)成分のポリベンゾオキサゾール前駆体の製造方法には特に制限はなく、一般的にジカルボン酸類と、水酸基を有するジアミン類から合成できる。ジカルボン酸類、ジアミン類は上述したものと同様である。
具体的には、ジカルボン酸類をジハライド誘導体に変換後、ジアミン類との反応を行うことにより合成できる。ジハライド誘導体としては、ジクロリド誘導体が好ましい。
ジクロリド誘導体は、ジカルボン酸類とハロゲン化剤を溶媒中で反応させるか、過剰のハロゲン化剤中で反応を行った後、過剰分を留去する方法で合成できる。ハロゲン化剤としては通常のカルボン酸の酸クロリド化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用できる。反応溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン等が使用できる。
ハロゲン化剤の使用量は、溶媒中で反応させる場合は、ジカルボン酸誘導体に対して、1.5〜3.0モルが好ましく、1.7〜2.5モルがより好ましく、ハロゲン化剤中で反応させる場合は、4.0〜50モルが好ましく、5.0〜20モルがより好ましい。反応温度は、−10〜70℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
ジクロリド誘導体とジアミン類との反応は、脱ハロゲン化水素剤の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。脱ハロゲン化水素剤としては、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基を用いることができる。また、有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。反応温度は、−10〜30℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
また、ポリアミド酸は、一般的に、有機溶媒中でテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体とジアミン類との反応を行うことにより合成できる。有機溶媒としては、前記ポリヒドロキシアミドの合成に用いられる物と同様のものを用いることができる。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等の芳香族系テトラカルボン酸二酸無水物などが挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ジアミン類としては、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミンが挙げられる。具体的には、2,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)メチレン、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)エーテル、4,4−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ジメチルビフェニル、1,3−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−5−ヒドロキシベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,1,3,3,−テトラメチル1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、ポリ(プロピレングリコール)ジアミン等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
((b)成分:感光剤)
感光剤とは、感光性樹脂組成物を基板上に塗布して形成した感光性樹脂膜に光を照射した場合に、光に反応して、照射部と未照射部の現像液に対する溶解性に差異を付与する機能を有するものである。本発明において(b)成分として用いられる感光剤は特に制限はないが、光により酸を発生するもの(光酸発生剤)であることが好ましい。
光酸発生剤は、光の照射により酸を発生し、光の照射部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有するものである。そのような光酸発生剤としてはo−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられ、良好な感度を発現するという観点から、o−キノンジアジド化合物を用いることが好ましい。
o−キノンジアジド化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物又はアミノ化合物等を脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドとしては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等を用いることができる。
ヒドロキシ化合物としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等を用いることができる。
アミノ化合物としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等を用いることができる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物又はアミノ化合物との反応は、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基及びアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合(モル比)は、0.95/1〜1/0.95の範囲である。好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間である。
上記反応の反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等の溶媒が用いられる。脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(b)成分の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差と、感度の観点から、(a)成分100質量部に対して5〜100質量部が好ましく、8〜40質量部がより好ましい。
((c)成分:溶剤)
(c)成分としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン等が挙げられ、通常、感光性樹脂組成物中の他の成分を充分に溶解できるものであれば特に制限はない。この中でも各成分の溶解性と樹脂膜形成時の塗布性に優れる観点から、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミドを用いることが好ましい。
これらの溶剤は単独で又は2種以上併用して用いることができる。また、(c)成分の含有量は特に制限はないが、一般に感光性樹脂組成物中の(c)成分の割合が20〜90質量%である。また、(a)成分100質量部に対して30〜800質量部(例えば50〜500質量部)が好ましい。
((d)成分:加熱により架橋又は重合し得る架橋剤)
(d)成分は、感光性樹脂組成物を塗布、露光及び現像後にパターン樹脂膜を加熱処理する工程において、ポリベンゾオキサゾール前駆体又はポリベンゾオキサゾールと反応(架橋反応)するものであり、又は架橋剤自身が重合する。これにより、感光性樹脂組成物を比較的低い温度、例えば250℃以下で硬化した場合も、良好な機械特性、薬液耐性及びフラックス耐性を付与させることができる。
(d)成分は、加熱処理する工程において架橋又は重合する化合物であれば特に制限はないが、分子内にメチロール基、アルコキシメチル基等の例えば炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、エポキシ基、オキセタニル基又はビニルエーテル基を有する化合物が好ましい。
これらの基がベンゼン環に結合している化合物、N位がメチロール基又はアルコキシメチル基で置換されたメラミン樹脂又は尿素樹脂が好ましい。また、これらの基がフェノール性水酸基を有するベンゼン環に結合している化合物は、現像する際に露光部の溶解速度が増加して感度が向上させることができる点でより好ましい。
中でも感度及びワニスの安定性が良好で、パターン形成後の感光性樹脂膜の硬化時に感光性樹脂膜の溶融を防ぐことができるという観点から、分子内に2個以上のメチロール基又はアルコキシメチル基を有する化合物がより好ましい。
(d)架橋剤としては、例えば、下記式(X)〜(XIV)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006911323
(式中、X’は単結合、−O−、−SO−又は1〜4価の有機基であり、R11は水素原子又は1価の有機基であり、R12は1価の有機基である。n’’は1〜4の整数であり、pは1〜4の整数であり、qは0〜3の整数である。)
Figure 0006911323
(式中、Y’は各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、その炭素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基、その炭素原子の一部がヒドロキシ基で置換されたヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基であり、R13及びR14は各々独立に1価の有機基を示し、R15及びR16は各々独立に水素原子又は1価の有機基であり、r及びtは各々独立に1〜3の整数であり、s及びuは各々独立に0〜3の整数である。)
Figure 0006911323
(式中、R17及びR18は各々独立に水素原子又は1価の有機基であり、R18は互いが結合することで環構造となっていてもよい。)
Figure 0006911323
(式中、R19〜R24は各々独立に水素原子、メチロール基、アルコキシ基(好ましくは炭素数が1〜14、より好ましくは1〜6)又はアルコキシメチル基(好ましくは炭素数が2〜15、より好ましくは2〜7)である。)
式(X)〜(XIV)において、1価の有機基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルコキシ基、それらの炭素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されたものが好ましいものとして挙げられる。
式(X)〜(XIV)の中でも、式(XIV)で示される化合物を用いると、感光性樹脂組成物を250℃以下の低温で硬化した場合に優れた薬液耐性を有する硬化膜が得られるため好ましい。また、式(XIII)で示される化合物を用いると、得られる硬化物が耐熱性に優れるため好ましい。
式(X)〜(XIV)で示される化合物として、より具体的には以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物を、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 0006911323
上記の化合物のうち、より薬液耐性及びフラックス耐性に優れる点から、(d)成分として下記の化合物を用いることがより好ましい。
Figure 0006911323
本発明の感光性樹脂組成物において、(d)成分の含有量は、現像時間、感度、及び硬化膜物性の点から、(a)成分100質量部に対して1〜50質量部が好ましい。また、感光性樹脂組成物を250℃以下で硬化した場合の硬化膜の良好な薬液耐性及びフラックス耐性を発現させる観点から、15〜50質量部であることがより好ましく、20〜50質量部であることがさらに好ましい。
((e)溶解阻害剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)成分であるアルカリ可溶性樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物である(e)成分を含有する。(e)成分は(a)成分の溶解性を阻害することで、残膜厚や現像時間を調整するのに役立つ。
本発明で用いる(e)成分は下記式(1)で示される構造を有するアンモニウム塩又は下記式(2)で示される構造を有するホスホニウム塩である。
Figure 0006911323
(式中、R〜Rは各々独立に1価の有機基であり、同じでも異なってもよい。Xは対陰イオンである。)
Figure 0006911323
(式中、R〜Rは各々独立に1価の有機基であり、同じでも異なってもよい。Xは対陰イオンである。)
1価の有機基としては、炭素数1〜15(好ましくは1〜10、より好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜25(好ましくは7〜20、より好ましくは炭素数7〜16)のアラアルキル基等が好ましい。
対陰イオンとしては、硝酸イオン、スルホン酸イオン、ヨウ素イオン、臭素イオン、塩素イオン、ホウ素イオン等が好ましい。
式(1)で示される構造を有するアンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、トチメチルフェニルアンモニウム塩、トリエチルフェニルアンモニウム塩、トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリメチルオクチルアンモニウム塩等がある。
特に露光部と未露光部のコントラスト向上のため、また、硬化後の薬液耐性向上のために下記式(3)で示される構造を有するアンモニウム塩を用いることがより好ましい。
Figure 0006911323
(式中、R〜Rは各々独立に1価の有機基であり、同じでも異なってもよい。Xは対陰イオンである。)
式(3)で示される構造を有するアンモニウム塩としては、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩等がある。
また、式(2)で示される構造を有するホスホニウム塩としては、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ブチルトリフェニルホスホニウム塩、テトラエチルホスホニウム塩、トリブチルメチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウム塩、トリブチルn−オクチルホスホニウム塩、テトラn−オクチルホスホニウム塩等がある。その中でも、露光部と未露光部のコントラスト向上のため、また、硬化後の薬液耐性を向上するホスホニウム塩としてテトラブチルホスホニウム塩、テトラn−オクチルホスホニウム塩が好ましい。
(e)成分の含有量は、感度及び現像時間の観点から、(a)成分100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましく、1〜20質量部がさらに好ましい。
((f)成分:加熱により酸を発生し得る熱酸発生剤)
感光性樹脂組成物は、さらに、(f)成分として加熱により酸を発生し得る熱酸発生剤(熱潜在酸発生剤)を含むことができる。熱酸発生剤を使用すると、ポリベンゾオキサゾール前駆体のフェノール性水酸基含有ポリアミド構造が脱水反応を起こして環化する際の触媒として効率的に働くので好ましい。また、(a)成分として約280℃以下での脱水閉環率が高い樹脂を用いたとき、酸熱発生剤を併用することにより、脱水環化反応をさらに低温化できるので、低温での硬化でも硬化後の膜の物性が、高温で硬化したものと遜色ない性能が得られる。
(f)成分から発生する酸としては、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸、硝酸等の酸性度の弱い酸よりも、強酸が好ましく、具体的には、例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸のようなアリールスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸のようなパーフルオロアルキルスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸のようなアルキルスルホン酸等が好ましい。これらの酸は、ポリベンゾオキサゾール前駆体のフェノール性水酸基含有ポリアミド構造が脱水反応を起こして環化する際の触媒として効率的に働く。
(f)成分は、オニウム塩としての塩の形やイミドスルホナートのような共有結合の形で感光性樹脂組成物に添加される。
上記オニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウム塩等のジアリールヨードニウム塩、ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩等のジ(アルキルアリール)ヨードニウム塩、トリメチルスルホニウム塩等のトリアルキルスルホニウム塩、ジメチルフェニルスルホニウム塩等のジアルキルモノアリールスルホニウム塩、ジフェニルメチルスルホニウム塩等のジアリールモノアルキルヨードニウム塩などが好ましい。これらが好ましいのは、分解開始温度が150〜250℃の範囲にあり、280℃以下でのポリベンゾオキサゾール前駆体の環化脱水反応に際して効率的に分解するためである。
以上の点から、(f)成分として好適なオニウム塩としては、例えば、アリールスルホン酸、カンファースルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸又はアルキルスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、ジ(アルキルアリール)ヨードニウム塩、トリアルキルスルホニウム塩、ジアルキルモノアリールスルホニウム塩又はジアリールモノアルキルヨードニウム塩が挙げられる。これらは、保存安定性、現像性の点から好ましい。さらに具体的には、パラトルエンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩(1%重量減少温度180℃、5%重量減少温度185℃)、トリフルオロメタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩(1%重量減少温度151℃、5%重量減少温度173℃)、トリフルオロメタンスルホン酸のトリメチルスルホニウム塩(1%重量減少温度255℃、5%重量減少温度278℃)、トリフルオロメタンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩(1%重量減少温度186℃、5%重量減少温度214℃)、トリフルオロメタンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩(1%重量減少温度154℃、5%重量減少温度179℃)、ノナフルオロブタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、カンファースルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、エタンスルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、ベンゼンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩、トルエンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩等を好ましいものとして挙げることができる。
上記イミドスルホナートとしては、ナフトイルイミドスルホナートが望ましい。ナフトイルイミドスルホナートの具体例としては、例えば、1,8−ナフトイルイミドトリフルオロメチルスルホナート(1%重量減少温度189℃、5%重量減少温度227℃)、2,3−ナフトイルイミドトリフルオロメチルスルホナート(1%重量減少温度185℃、5%重量減少温度216℃)等を好ましいものとして挙げることができる。
さらに、(f)成分として、下記式に示すようなRC=N−O−SO−Rの構造を有する化合物(1%重量減少温度204℃、5%重量減少温度235℃)を用いることもできる。ここで、Rとしては、例えば、p−メチルフェニル基、フェニル基等のアリール基、メチル基、エチル基、イソプロピル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基等のパーフルオロアルキル基などが挙げられる。また、Rとしては、例えば、シアノ基、Rとしては、例えば、メトキシフェニル基、フェニル基等が挙げられる。
Figure 0006911323
また、(f)成分として、下記式に示すようなアミド構造−HN−SO−Rを有する化合物(1%重量減少温度104℃、5%重量減少温度270℃)を用いることもできる。ここでRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、メチルフェニル基、フェニル基等のアリール基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル等のパーフルオロアルキル基などが挙げられる。また、−HN−SO−Rが結合する基としては、2,2,−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンや2,2,−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等が挙げられる。
Figure 0006911323
(f)成分としては、オニウム塩以外の強酸と塩基から形成された塩を用いることもできる。このような強酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等のアリールスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸等のパーフルオロアルキルスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸が好ましい。塩基としては、例えば、ピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン等のアルキルピリジン、2−クロロ−N−メチルピリジン等のN−アルキルピリジン、ハロゲン化−N−アルキルピリジンが好ましい。さらに具体的には、p−トルエンスルホン酸のピリジン塩(1%重量減少温度147℃、5%重量減少温度190℃)、p−トルエンスルホン酸のL−アスパラギン酸ジベンジルエステル塩(1%重量減少温度202℃、5%重量減少温度218℃)、p−トルエンスルホン酸の2,4,6−トリメチルピリジン塩、p−トルエンスルホン酸の1,4−ジメチルピリジン塩等が保存安定性、現像性の点から好ましいものとして挙げられる。
これらも280℃以下でのポリベンゾオキサゾール前駆体の環化脱水反応に際して分解し、触媒として働くことができる。
(f)成分の含有量は、(a)成分100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部がさらに好ましい。
(その他の成分)
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(a)〜(f)成分に加えて、さらに必要に応じて(1)シランカップリング剤、(2)溶解促進剤、(3)界面活性剤又はレベリング剤等のその他の成分を含んでもよい。
((1)シランカップリング剤)
通常、シランカップリング剤は、感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後に加熱処理する工程において、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体と反応して架橋する、又は加熱処理する工程においてシランカップリング剤自身が重合すると推定される。これにより、得られる硬化膜と基板との密着性をより向上させることができる。特に分子内にウレア結合を有するシランカップリング剤を用いることにより、250℃以下の低温下で硬化を行った場合も基板との密着性をさらに高めることができる。
好ましいシランカップリング剤としては、ウレア結合(−NH−CO−NH−)を有する化合物が挙げられ、低温での硬化を行った際の密着性の発現に優れる点で、下記式(XV)で示される化合物がより好ましい。
Figure 0006911323
(式中、R31及びR32は、各々独立に炭素数1〜5のアルキル基である。aは1〜10の整数であり、bは1〜3の整数である。)
式(XV)で示される化合物の具体例としては、ウレイドメチルトリメトキシシラン、ウレイドメチルトリエトキシシラン、2−ウレイドエチルトリメトキシシラン、2−ウレイドエチルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、4−ウレイドブチルトリメトキシシラン、4−ウレイドブチルトリエトキシシラン等が挙げられ、好ましくは3−ウレイドプロピルトリエトキシシランである。
さらに上記分子内にウレア結合を有するシランカップリング剤に加えてヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤を併用すると、さらに低温硬化時の硬化膜の基板への密着性向上に効果がある。
ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤としては、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼンや、下記式(XVI)で表わされる化合物等が挙げられる。
Figure 0006911323
(式中、R33はヒドロキシ基又はグリシジル基を有する1価の有機基、R34及びR35は各々独立に炭素数1〜5のアルキル基である。cは1〜10の整数、dは0〜2の整数である。)
上記の化合物のうち、特に、式(XVI)で示される化合物が、基板との密着性をより向上させるため、好ましい。このようなシランカップリング剤としては、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤は、ヒドロキシ基又はグリシジル基と共に、さらに、窒素原子を含む基、具体的にはアミノ基やアミド結合を有することが好ましい。アミノ基を有するシランカップリング剤としては、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−グリシドキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。アミド結合を有するシランカップリング剤としては、X−(CH−CO−NH−(CH−Si(OR)(式中、Xはヒドロキシ基又はグリシジル基であり、e及びfは各々独立に1〜3の整数であり、Rはメチル基、エチル基又はプロピル基である)で示される化合物等が挙げられる。
シランカップリング剤を用いる場合の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、0.3〜10質量部であることがさらに好ましい。
((2)溶解促進剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)成分であるポリベンゾオキサゾール前駆体のアルカリ水溶液に対する溶解性をより促進させるために、溶解促進剤を含んでもよい。溶解促進剤としては、例えばフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。フェノール性水酸基を有する化合物は、感光性樹脂組成物に加えることで、アルカリ水溶液を用いて現像する際に露光部の溶解速度が増加し感度が上がり、また、パターン形成後の樹脂膜の硬化時に樹脂膜の溶融を防ぐことができる。
フェノール性水酸基を有する化合物に特に制限はないが、比較的分子量の小さい化合物が好ましい。このような化合物としては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、ビスフェノールA、B、C、E、F及びG、4,4’,4’’−メチリジントリスフェノール、2,6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’−[1−[4−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4’’−エチリジントリスフェノール、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−エトキシフェノール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、2,2’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、2,2’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3,6−トリメチルフェノール]、4−[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3−メチルフェノール]、4,4’,4’’−(3−メチル−1−プロパニル−3−イリジン)トリスフェノール、4,4’,4’’,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリジン)テトラキスフェノール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ビス[(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェニル]−フェニル]エチリデン]ビス[2,6−ビス(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェノール等が挙げられる。
溶解促進剤を用いる場合の含有量は、現像時間及び感度の点から、(a)成分100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、3〜25質量部がより好ましい。
((3)界面活性剤又はレベリング剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、塗布性(例えばストリエーション(膜厚のムラ)の抑制)、及び現像性の向上のために、界面活性剤又はレベリング剤を含んでもよい。
このような界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテルが挙げられ、市販品としては、商品名「メガファックスF171」、「F173」、「R−08」(以上、DIC株式会社製)、商品名「フロラードFC430」、「FC431」(以上、住友スリーエム株式会社製)、商品名「オルガノシロキサンポリマーKP341」、「KBM303」、「KBM403」、「KBM803」(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤又はレベリング剤を用いる場合の含有量は、(a)成分100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.05〜3質量部がさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)〜(e)成分を含めばよく、(a)〜(e)成分から本質的になってもよい。ここで「本質的になる」とは、例えば(a)〜(e)成分が90質量%以上、95質量%以上、又は98質量%以上であることを意味する。
また、本発明の樹脂組成物は、(a)〜(f)成分から本質的になってもよい。ここで「本質的になる」とは、例えば(a)〜(f)成分が90質量%以上、95質量%以上、又は98質量%以上であることを意味する。
本発明の感光性樹脂組成物は、現像時間を短くして、良好なパターンを得ることができる。また、250℃以下の低温で加熱処理を行っても、硬化膜は薬液耐性を有する。
[硬化膜及びパターン硬化膜の製造方法]
本発明の硬化膜は、本発明の感光性樹脂組成物の硬化膜である。本発明の硬化膜は、本発明の感光性樹脂組成物を硬化させることで得られる。
本発明の硬化膜は、パターン化されていてもよい(以下、パターン化された硬化膜を「パターン硬化膜」とも呼ぶ)。
また、本発明のパターン硬化膜の製造方法は、上述の感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥し、感光性樹脂膜を形成する工程と、前記感光性樹脂膜を所定のパターンに露光し、パターン樹脂膜を形成する工程と、前記パターン樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像し、加熱処理する工程とを含む。
感光性樹脂組成物を基材上に塗布する方法としては、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、スピンコート法等が挙げられる。基材としては、シリコンウエハ、金属基板、セラミック基板等が挙げられる。
露光の際、i線露光が好適であるが、照射する活性光線としては、紫外線、遠紫外線、可視光線、電子線、X線等を用いることができる。
現像液としては、特に制限はないが、1,1,1−トリクロロエタン等の難燃性溶媒、炭酸ナトリウム水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液等のアルカリ水溶液、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、酢酸エステル類等の良溶媒、これら良溶媒と低級アルコール、水、芳香族炭化水素等の貧溶媒との混合溶媒などが用いられる。現像後は必要に応じて貧溶媒等でリンス洗浄を行う。
加熱処理における温度は、通常、80〜300℃又は150〜300℃である。80℃以上であるとイミド化が充分に進行し、良好な耐熱性が得られる傾向にある。また、300℃以下であると、半導体素子へダメージが小さい傾向にある。加熱処理温度は好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。加熱時間は5〜300分間であることが好ましい。
図1は、本発明の一実施形態である再配線構造を有する半導体装置の概略断面図である。
本実施形態の半導体装置は、多層配線構造を有している。層間絶縁層1の上にはA1配線層2が形成され、その上部にはさらに絶縁層3(例えばP−SiN層)が形成され、さらに素子の表面保護膜4が形成されている。配線層2のパット部5からは再配線層6が形成され、外部接続端子であるハンダ、金等で形成された導電性ボール7との接続部分である、コア8の上部まで伸びている。さらに表面保護層4の上には、カバーコート層9が形成されている。再配線層6は、バリアメタル10を介して導電性ボール7に接続されているが、この導電性ボール7を保持するためには、カラー11が設けられている。このような構造のパッケージを実装する際には、さらに応力を緩和するために、アンダーフィル12を介することもある。
本発明の硬化膜又はパターン硬化膜は、上記実施形態のカバーコート材、再配線用コア材、ハンダ等のボール用カラー材、アンダーフィル材などに使用することができる。
[電子部品]
本発明の電子部品は、上述した感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜又はパターン硬化膜を有するため信頼性が高い。電子部品としては、半導体装置、多層配線板等の各種電子デバイスなどを含む。
本発明の硬化膜又はパターン硬化膜は、具体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等に使用することができる。本発明による電子部品は、前記感光性樹脂組成物を用いて形成される表面保護膜、層間絶縁膜等を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成]
合成例1
攪拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92g(38mmol)を添加し、攪拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、セバシン酸ジクロリド9.56g(40mmol)を10分間で滴下した後、60分間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収し、これを純水で3回洗浄した後、減圧してポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を得た(以下、ポリマーIとする)。ポリマーIのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は31,600、分散度は2.0であった。
尚、GPC法による重量平均分子量の測定条件は以下のとおりである。ポリマー0.5mgに対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mlの溶液を用いて測定した。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所社製L4000 UV
ポンプ :株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所社製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液 :THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/l)、HPO(0.06mol/l)
流速 :1.0ml/min、検出器:UV270nm
合成例2
合成例1で使用したセバシン酸ジクロリドを、ドデカン二酸ジクロリドとした以外は、合成例1と同様に合成を行い、ポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIIとする)。合成例1と同様に標準ポリスチレン換算により求めたポリマーIIの重量平均分子量は33,100、分散度は2.0であった。
合成例3
攪拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92g(38mmol)を添加し、攪拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド11.86g(40mmol)を10分間で滴下した後、室温に戻し3時間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収し、これを純水で3回洗浄した後、減圧してポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIIIとする)。合成例1と同様にGPC法標準ポリスチレン換算により求めたポリマーIIIの重量平均分子量は22,400、分散度は3.2であった。
実施例1〜18及び比較例1〜6
表1,2に示した成分及び配合量にて感光性樹脂組成物を調製した。表1,2の配合量は、(a)成分であるポリマー100質量部に対する、(b)〜(f)成分の質量部である。
尚、用いた各成分は以下の通りである。
(b)成分:
Figure 0006911323
(c)成分:
BLO:γ−ブチロラクトン
EL:乳酸エチル
NMP:N−メチルピロリドン
(d)成分:
D1:ニカラックMW−390(商品名)((株)三和ケミカル製)
D2:ニカラックMX−280(商品名)((株)三和ケミカル製)
Figure 0006911323
溶解阻害剤((e)成分):
Figure 0006911323
E1:テトラブチルホスホニウムブロミド
E2:テトラブチルホスホニウムクロリド
E3:ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド
E4:トリメチルフェニルアンモニウムブロミド
E5:ジフェニルヨードニウムニトラート
尚、E5は本発明の(e)成分ではない。
(f)成分:
F1:2,4,6−トリメチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート
評価1
実施例1〜13及び比較例1〜5で調製した感光性樹脂組成物について、感光特性を評価した。具体的には、各例で調製した感光性樹脂組成物を、それぞれシリコン基板上にスピンコートして乾燥膜厚が7〜12μmの感光性樹脂膜を形成した。得られた感光性樹脂膜に、プロキシミティ露光機(ウシオ電機株式会社製,UX−1000SM−XJ01)を用いて、i線換算で100〜1000mJ/cm照射して、露光を行った。露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液にて露光部のシリコン基板が露出するまで現像した後、水でリンスして、パターン樹脂膜を得た。
得られたパターン樹脂膜について、以下の評価を実施した。結果を表1,2に示す。尚、評価後、パターン樹脂膜は200℃で硬化した。
(1)パターニング性の評価
上記で作製したパターン樹脂膜を顕微鏡で観察した。ライン幅/スペース幅=5μm/5μmのパターンが得られたものをA、パターンが得られなかったものをBと評価した。
(2)現像時間の評価
上記で作製したパターン樹脂膜でライン幅/スペース幅=5μm/5μmのパターンが得られた時間を評価した。
評価2
実施例1〜13及び比較例1〜5で調製した感光性樹脂組成物について、感光性樹脂膜を成膜、硬化し、得られた硬化膜の薬液耐性を評価した。具体的には、各例で調製した感光性樹脂組成物を、それぞれシリコン基板上にスピンコートして、乾燥膜厚が7〜12μmの感光性樹脂膜を形成した。続いて、感光性樹脂膜付きシリコン基板を、光洋サーモシステム社製イナートガスオーブン(INH−9CD−S)を用いて窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱して硬化膜(硬化後膜厚5〜10μm)を得た。得られた硬化膜について、以下の評価を実施した。結果を表1,2に示す。
(1)薬液耐性
上記のようにして得られた硬化膜を薬液(アセトン、N−メチルピロリドン)中に23℃で10分間浸漬した後、硬化膜表面を光学顕微鏡で観察した。薬液に浸漬する前後の膜厚の差から、浸漬による膜厚変化が1μm以内のものをA(特に良好)、2μm以内のものをB(良好)、浸漬により硬化膜表面にクラックが発生したものをC(実用レベルである)、浸漬により全て溶解したものをD(実用レベルではない)と示した。
Figure 0006911323
Figure 0006911323
表1,2から、実施例1〜13では、溶解阻害剤としてE5を用いた比較例1〜3、5と比較して、パターン形成のための現像速度が速いことが確認できた。一方、溶解阻害剤を用いなかった比較例4では、パターンが形成できなかった。また、200℃という低温で硬化した際も、良好又は実用可能な薬液耐性を示した。
本発明の感光性樹脂組成物は、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等の電子部品に使用できる。
1 層間絶縁層
2 Al配線層
3 絶縁層
4 表面保護層
5 配線層のパット部
6 再配線層
7 導電性ボール
8 コア
9 カバーコート層
10 バリアメタル
11 カラー
12 アンダーフィル

Claims (14)

  1. (a)アルカリ可溶性樹脂と、
    (b)感光剤と、
    (c)溶剤と、
    (d)加熱により架橋又は重合し得る架橋剤と、
    (e)溶解阻害剤
    とを含み、
    前記(a)アルカリ可溶性樹脂が、ポリベンゾオキサゾール、又はポリヒドロキシアミドを含み、
    前記(e)溶解阻害剤が、下記式(1)で示される構造を有するアンモニウム塩である感光性樹脂組成物。
    Figure 0006911323
    (式中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜15のアルキル基であり、同じでも異なってもよい。Rは炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数7〜25のアラアルキル基である。Xは対陰イオンである。
  2. 前記(e)溶解阻害剤のアンモニウム塩が、下記式(3)で示される構造を有するアンモニウム塩である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0006911323
    (式中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜15のアルキル基であり、同じでも異なってもよい。Xは対陰イオンである。)
  3. 前記(a)アルカリ可溶性樹脂が、下記式(4)又は(5)で示される構造単位を有する請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0006911323
    (式中、Uは2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−であり、Vは2価の有機基を示し、Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるか、又はUが主鎖を構成する炭素数が2〜30の脂肪族構造を含む基である。)
    Figure 0006911323
    (式中、U’及びV’は各々独立に2価の有機基、単結合、−O−又は−SO−である。)
  4. 前記(b)感光剤が、光により酸を発生する感光剤である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(d)架橋剤が、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. さらに、(f)加熱により酸を発生し得る熱酸発生剤を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化膜。
  8. パターン化されている請求項7に記載の硬化膜。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥し、感光性樹脂膜を形成する工程と、
    前記感光性樹脂膜を所定のパターンに露光し、パターン樹脂膜を形成する工程と、
    前記パターン樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像し、加熱処理する工程
    とを含む、パターン硬化膜の製造方法。
  10. 前記加熱処理工程において、加熱処理温度が250℃以下である請求項9に記載のパターン硬化膜の製造方法。
  11. 前記加熱処理工程において、加熱処理温度が200℃以下である請求項9に記載のパターン硬化膜の製造方法。
  12. 請求項7又は8に記載の硬化膜を用いた、層間絶縁膜。
  13. 請求項7又は8に記載の硬化膜を用いた、表面保護膜。
  14. 請求項12に記載の層間絶縁膜又は請求項13に記載の表面保護膜を有する電子部品。
JP2016203661A 2016-10-17 2016-10-17 感光性樹脂組成物、硬化膜、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品 Active JP6911323B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016203661A JP6911323B2 (ja) 2016-10-17 2016-10-17 感光性樹脂組成物、硬化膜、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016203661A JP6911323B2 (ja) 2016-10-17 2016-10-17 感光性樹脂組成物、硬化膜、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018066786A JP2018066786A (ja) 2018-04-26
JP6911323B2 true JP6911323B2 (ja) 2021-07-28

Family

ID=62085938

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016203661A Active JP6911323B2 (ja) 2016-10-17 2016-10-17 感光性樹脂組成物、硬化膜、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6911323B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5233526B2 (ja) * 2008-09-05 2013-07-10 東レ株式会社 感光性組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子
JP5736718B2 (ja) * 2010-10-18 2015-06-17 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、硬化膜及びその形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018066786A (ja) 2018-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5434588B2 (ja) 感光性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP5920345B2 (ja) 感光性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP5736993B2 (ja) 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP5386781B2 (ja) 感光性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP5577688B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、それを用いた硬化膜及び電子部品
JP2013015701A (ja) 感光性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP6225585B2 (ja) 耐熱性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品
KR101452604B1 (ko) 감광성 중합체 조성물, 패턴의 제조방법 및 전자부품
JP5515399B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP2011053458A (ja) 感光性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP5136079B2 (ja) 低温硬化用のポジ型感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP5136179B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP2013256603A (ja) 樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP5387750B2 (ja) 感光性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP5625549B2 (ja) 感光性重合体組成物、パターンの製造方法及び電子部品
KR101122446B1 (ko) 감광성 중합체 조성물, 패턴의 제조법 및 전자부품
JP5029386B2 (ja) ポジ型感光性樹脂前駆体組成物、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP6911323B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP2011128359A (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、それを用いた硬化膜及び電子部品
JP5029385B2 (ja) ポジ型感光性樹脂前駆体組成物、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品
KR101488070B1 (ko) 감광성 중합체 조성물, 패턴의 제조방법 및 전자부품
JP2013250429A (ja) 感光性樹脂組成物
JP5741641B2 (ja) 感光性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品
JP2005215436A (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、パターンの製造法及び電子部品
JP2018151527A (ja) 感光性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190819

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210621

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6911323

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150