JP2020002161A - ヒドロホルミル化プロセス - Google Patents

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JP2020002161A JP2019161930A JP2019161930A JP2020002161A JP 2020002161 A JP2020002161 A JP 2020002161A JP 2019161930 A JP2019161930 A JP 2019161930A JP 2019161930 A JP2019161930 A JP 2019161930A JP 2020002161 A JP2020002161 A JP 2020002161A
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C Eisenschmid Thomas
モルテザ・モータルザデ
Mokhtarzadeh Morteza
クロイド・アール・スミス・サード
R Smith Cloid Iii
マイケル・シー・ベッカー
Michael C Becker
ジョージ・アール・フィリップス
R Phillips George
マイケイル・エイ・ブラマー
A Brammer Michael
グレン・エイ・ミラー
A Miller Glenn
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B Watson Rick
アーヴィン・ビー・コックス
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エドワード・エイ・ロード
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マーティン・シュミット
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Abstract

【課題】資本の節約をもたらし、同時に堅牢な動作安定性を示す、ヒドロホルミル化プロセスの提供。【解決手段】第1の反応器トレーン3で、ヒドロホルミル化条件のもと、触媒の存在下、COと、H2と、オレフィンを含む第1の供給流とを接触させること、追加の反応器トレーン6で、ヒドロホルミル化条件のもと、触媒の存在下、COと、H2と、オレフィンを含む追加の供給流とを接触させ、追加の反応器トレーンは、第1のトレーンに並行して操作され、反応流体を含む流出流を各トレーンから取り除き、流出流を少なくとも2つの反応器トレーンから共通の生成物−触媒分離領域7に通過させ、第1の供給流中のオレフィン組成は、追加の供給流中のオレフィン組成とは異なり、第1の反応器トレーンにおけるヒドロホルミル化条件が、追加の反応器トレーンにおけるヒドロホルミル化条件とは異なるものである、ヒドロホルミル化プロセス。【選択図】図1

Description

本発明は、アルデヒドを生成するためのオレフィンのヒドロホルミル化プロセスに関す
る。
2つ以上のオレフィンを同じヒドロホルミル化装置に供給することが望ましいことが多
い。一部の事例では、いずれのオレフィンも、同じ反応器に供給される。このプロセスは
、一般に、「共供給(co−feed)」プロセスと称され、各オレフィンに対して別個
の完全な生成トレーンを有することと比較して資本を節約できる。共供給プロセスは、ヒ
ドロホルミル化反応器及び生成物−触媒分離装置を共有し、その後で、下流での精製によ
り、生成物をさらなる処理のために分離させる。このプロセスの例は、欧州特許第0 0
52 999号、英国特許第1,120,277号、国際公開第1980/001691
号、米国特許第4,262,142号、同第4,400,547号の実施例13、及び同
第5,312,996号に開示されている。
2つの別個の反応器トレーンを用いる操作と比較して、共供給操作に固有の問題は、一
方の供給量が減少する場合等、供給量が変動する反応器のバランスをとること、及び生成
物の異性体比を維持することである。第1の事例では、より反応性の高いオレフィン、例
えば、エチレンの量の減少は熱の発生に多大な影響を及ぼし、これにより反応器が不安定
になる場合がある。対照的に、反応性の低いオレフィンの量が減ると、第1の反応器には
反応性の高いオレフィンが増え、反応器の冷却器は安定した状態での動作を維持すること
ができなくなる場合がある。供給物の組成の変化もまた、反応器の安定性及び触媒の性能
に影響を及ぼし得る。例えば、1つの供給物に含まれる阻害剤が、生成システム全体の性
能に影響を及ぼすことになる。
共供給操作に伴う別の問題は、2つの別個の反応トレーンを用いる操作と比較して、よ
り反応性のオレフィンの生成物が占有する反応器の容積が生産的ではなく、生成物が反応
器中に長時間存在することにより、重質物の形成及び配位子の分解といった副反応が促さ
れる。供給物の質及び利用可能性における急激な変化は、非常に極端な濃度をもたらし得
、これが設備全体の安定性に影響を及ぼし得る。
一般にN:I比と称される、直鎖アルデヒド異性体と分岐アルデヒド異性体との生成物
の比は、通常は配位子とロジウムとの比として定義される配位子の同一性及び濃度、温度
、ならびにCO及びHの分圧を含む、多数の要因に依存することが周知である。共供給
システムにおいて、これらの条件は、両方の反応オレフィンで同じであるが、2つの生成
物の所望されるN:I生成物比は、大幅に異なることがあり、結果として、条件は、各生
成物にとって何が最適であるかではなく、妥協案となる。
これらの懸念に基づいて、追加の資本がかかるにも関わらず、各オレフィンに別個の生
成トレーンを設置することが慣習となっている。共通の生成物−触媒分離領域、例えば、
蒸発器を用いて動作する、多重反応トレーンヒドロホルミル化プロセスを有することが望
ましく、これは、資本の節約をもたらし、同時に堅牢な動作安定性を示すことになるため
である。
本発明は、
第1の反応器トレーンにおいて、少なくとも1つのアルデヒド生成物を形成するのに十
分なヒドロホルミル化条件のもと、反応流体中のヒドロホルミル化触媒の存在下で、CO
と、Hと、オレフィンを含む第1の供給流とを接触させることと、
少なくとも1つの追加の反応器トレーンにおいて、少なくとも1つのアルデヒド生成物
を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件のもと、反応流体中のヒドロホルミル化触媒
の存在下で、COと、Hと、オレフィンを含む少なくとも1つの追加の供給流とを接触
させることであって、前記追加の反応器トレーンは、前記第1のトレーンに並行して操作
されることと、
反応流体を含む流出流を各トレーンから取り除き、流出流を少なくとも2つの反応器ト
レーンから共通の生成物−触媒分離領域に通過させることと、を含む、そのようなプロセ
スである。
驚くべきことに、共通の生成物−触媒分離領域及び下流の装置を共有する別個のトレー
ンにオレフィンを供給するプロセスにより、従来的な共供給システムの所望される資本削
減の大半を実現し、同時にその思わぬ困難を回避することができる。
共通の生成物−触媒分離領域、例えば、薄膜型蒸発器を用いる、ヒドロホルミル化プロセスのスキーム図である。 プロセス変化に応答したロジウム濃度及び触媒分割比のプロットである。 有効な流れ制御による改善されたロジウム制御を示す、プロセス変化に応答したロジウム濃度及び触媒分割比のプロットである。 オンラインロジウム分析による改善されたロジウム制御を示す、プロセス変化に応答したロジウム濃度及び触媒分割比のプロットである。 共通の生成物−触媒分離領域、例えば、薄膜型蒸発器を用いる、ヒドロホルミル化プロセスのスキーム図である。 共通の生成物−触媒分離領域、例えば、薄膜型蒸発器を用いる、ヒドロホルミル化プロセスのスキーム図である。 共通の生成物−触媒分離領域、例えば、薄膜型蒸発器を用いる、ヒドロホルミル化プロセスのスキーム図である。 共通の生成物−触媒分離領域、例えば、薄膜型蒸発器を用いる、ヒドロホルミル化プロセスのスキーム図である。
開示されるプロセスは、成分として遷移金属及び有機リン配位子を含む触媒の存在下で
、少なくとも1つのアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件のもと
、CO、H、及び少なくとも1つのオレフィンを接触させることを含む。
元素周期表及びその中の種々の族への全ての言及は、CRC Handbook of
Chemistry and Physics,72nd Ed.(1991−199
2)CRC Press,at page I−10に所載の版に対するものである。
反対の記述、または文脈からの暗示がない限り、全ての部及び百分率は重量基準であり
、全ての試験方法は、本願の出願日時点で最新のものである。米国特許実務のために、参
照されるあらゆる特許、特許出願、または公開の内容は、その全体が参照により組み込ま
れるか、または、その相当する米国版が、同じように参照により組み込まれ、特に、本開
示において具体的に示されるいかなる定義とも矛盾しない程度に、定義の開示、及び当技
術分野における一般知識に関して、参照により組み込まれる。
本明細書で使用する「1つ(a)」、「1つ(an)」、「その(the)」、「少な
くとも1つ」、及び「1つ以上」は、同義に使用される。用語「含む(comprise
)」、「含む(include)」、及びこれらの変形は、これらの用語が本明細書及び
特許請求の範囲内に現れる場合、限定的な意味を持たない。したがって、例えば、「1つ
の(a)」疎水性ポリマーの粒子を含む水性組成物は、この組成物が、「1つ以上の」疎
水性ポリマーの粒子を含むことを意味すると解釈することができる。
また本明細書において、端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される全ての
数を含み、例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等を含
む。本発明の目的のために、数値範囲は、当業者の理解と同様に、その範囲内に含まれる
全ての可能な部分範囲を含み、補助することを意図していることが理解されよう。例えば
、1〜100の範囲は、1.01〜100、1〜99.99、1.01〜99.99、4
0〜60、1〜55等を示唆することを意図している。また本明細書において、数値範囲
及び/または数値の列挙は、特許請求の範囲におけるこのような列挙を含めて、用語「約
(about)」を含むように読み取ることができる。このような場合には、用語「約」
は、本明細書で記述されたものと実質的に同じ数値範囲及び/または数値を意味する。
本明細書で使用する用語「ppmw」は、重量比で100万分の1部を意味する。
本発明の目的のために、用語「炭化水素」は、少なくとも1つの水素原子及び少なくと
も1つの炭素原子を有する全ての許容可能な化合物を含むことが意図されている。また、
このような許容可能な化合物は、1つ以上のヘテロ原子を有してもよい。広範な態様にお
いて、許容可能な炭化水素としては、非環式(ヘテロ原子を有するまたは有さない)及び
環式、分岐状及び非分岐状、炭素環式及び複素環式、芳香族ならびに非芳香族の有機化合
物が挙げられ、これらは、置換されていても、非置換であってもよい。
本明細書で使用する用語「置換」は、別途示されない限り、有機化合物の全ての許容可
能な置換基を含むことが企図される。広範な態様において、許容可能な置換基としては、
有機化合物の非環式及び環式、分岐状及び非分岐状、炭素環式及び複素環式、芳香族、な
らびに非芳香族の置換基が挙げられる。例示的な置換基としては、例えば、炭素数が1〜
20個またはそれ以上、好ましくは1〜12の範囲であり得る、アルキル、アルキルオキ
シ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ならびにヒドロ
キシ、ハロ、及びアミノが挙げられる。許容可能な置換基は、1つ以上であってもよく、
同じかまたは適切な有機化合物の場合には異なっていてもよい。本発明は、決して、有機
化合物の許容可能な置換基により限定されることを意図するものではない。
本明細書で使用する用語「ヒドロホルミル化」は、1つ以上の置換もしくは非置換オレ
フィン化合物、または1つ以上の置換もしくは非置換オレフィン化合物を含む反応混合物
を、1つ以上の置換もしくは非置換アルデヒド、または1つ以上の置換もしくは非置換ア
ルデヒドを含む反応混合物に転化することを伴う全てのヒドロホルミル化プロセスを含む
ことを意図しているが、これらに限定されない。アルデヒドは、不斉または非不斉であっ
てもよい。
用語「反応流体」、「反応媒体」、及び「触媒溶液」は、本明細書では同義に使用され
、(a)金属−有機リン配位子錯体触媒、(b)遊離有機リン配位子、(c)反応中に形
成されたアルデヒド生成物、(d)未反応反応物質、(e)該金属−有機リン配位子錯体
触媒及び該遊離有機リン配位子の溶媒、ならびに任意選択で(f)反応中に形成された溶
解及び/または懸濁させることができる1つ以上のリン酸化合物を含む混合物を含み得る
が、これらに限定されない。反応流体は、(a)反応器中の流体、(b)分離領域に向か
う途中の流体流、(c)分離領域中の流体、(d)再循環流、(e)反応領域または分離
領域から回収された流体、(f)抽出器または他の不混和流体接触システムといった酸除
去システムで処理されている回収された流体、(g)反応領域または分離領域に戻された
処理済または未処理流体、(h)外部冷却器中の流体、ならびに(i)配位子分解生成物
、及び酸化物、硫化物、塩、オリゴマー等といったそれらに由来する成分を包含し得るが
、これらに限定されない。
反応器トレーンの流出物中の生成物と触媒とを分離するための任意の好適な技法を用い
ることができる。生成物−触媒分離領域での使用に好適な単位操作は、当業者に周知であ
り、例えば、溶媒抽出、膜分離、結晶化、相分離、またはデカント、濾過、蒸留等、及び
これらの任意の組み合わせを含むことができる。蒸留の例としては、洗浄、ワイプトフィ
ルム蒸発、流下薄膜型蒸発、薄膜型蒸発、及び任意の他の種類の従来の蒸留装置での蒸留
が挙げられる。膜分離プロセスの例は、米国特許第5,430,194号及び同第5,6
81,473号に開示されている。本発明の目的のために、用語「蒸発」とは、これらの
単位操作を包含するために使用され、用語「蒸発器」とは、「生成物−触媒分離領域」と
同意語として使用される。
「加水分解性有機リン配位子」は、少なくとも1つのP−Z結合を含有する三価のリン
配位子であり、Zは酸素、窒素、塩素、フッ素、または臭素である。例としては、ホスフ
ァイト、ホスフィノ−ホスファイト、ビスホスファイト、ホスホナイト、ビスホスホナイ
ト、ホスフィナイト、ホスホロアミダイト、ホスフィノ−ホスホロアミダイト、ビスホス
ホロアミダイト、フルオロホスファイト等が挙げられるが、これらに限定されない。配位
子はキレート構造を含んでもよい、ならびに/またはポリホスファイト、ポリホスホロア
ミダイト等のように複数のP−Z部分、及びホスファイト−ホスホロアミダイト、フルオ
ロホスファイト−ホスファイト等のように混合P−Z部分を含有してもよい。
用語「遊離配位子」とは、金属、例えば錯体触媒の金属原子と錯化しない、結び付かな
い、または結合しない、配位子を意味する。
本プロセスには、水素及び一酸化炭素が必要とされる。これらは、石油分解法及び精製
操作を含めた任意の好適な供給源から得ることができる。シンガス混合物が、水素及びC
Oの供給源として好ましい。
(合成ガスに由来する)シンガスとは様々な量のCO及びHを含有するガス混合物に
付与される名称である。生成方法は周知であり、例えば、(1)天然ガスまたは液体炭化
水素の水蒸気改質及び部分酸化、ならびに(2)石炭及び/またはバイオマスのガス化が
挙げられる。典型的には、水素及びCOがシンガスの主成分であるが、シンガスは、二酸
化炭素、ならびにN及びAr等の不活性ガスを含有してもよい。HとCOとのモル比
は大きく変動するが、概して、1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1
の範囲である。シンガスは市販されており、燃料源として、または他の化学物質を生成す
るための中間体として多用される。化学的生成に最も好ましいH:COのモル比は、3
:1〜1:3であり、通常、ほとんどのヒドロホルミル化用途では約1:2〜2:1にす
ることが目標とされる。
各反応器トレーンは、独自のオレフィン供給流を有する。供給流は、同じかまたは異な
ってもよい。本発明の一実施形態において、第1及び第2の供給流は、異なるオレフィン
組成物を含む。例えば、第1の供給流は、第1のオレフィンとしてエチレン及び/または
プロピレンを含み得、第2の供給流は、少なくとも1つの高級オレフィンを含み得る。本
発明の目的で、高級オレフィンは、3つ以上の炭素原子を有するオレフィンである。実際
の問題として、高級オレフィンは、少量のエチレンを含有し得る。本発明の一実施形態に
おいて、高級オレフィンは、40重量パーセント未満のエチレンを含む。本発明の別の実
施形態において、高級オレフィンは、2重量パーセント未満のエチレンを含む。
ヒドロホルミル化プロセスで用いることができる置換または非置換オレフィン不飽和出
発物質反応物質としては、2〜40個、好ましくは3〜20個の炭素原子を含有する、光
学活性(プロキラル及びキラル)ならびに非光学活性(アキラル)オレフィン不飽和化合
物の両方が挙げられる。このようなオレフィン不飽和化合物は、末端または内部で不飽和
であってもよく、直鎖、分岐鎖、または環状であってもよい。オレフィン混合物、例えば
、プロペン、ブテン、イソブテン等のオリゴマー化から得られるもの、例えば、米国特許
第4,518,809号及び同第4,528,403号に開示される、いわゆる二量体、
三量体、または四量体プロピレン等を用いてもよい。さらに、このようなオレフィン化合
物は、1つ以上の追加のエチレン不飽和基をさらに含有してもよく、所望される場合、2
つ以上の異なるオレフィン不飽和化合物の混合物をヒドロホルミル化出発物質として用い
てもよい。例えば、4個以上の炭素原子を含有する市販のαオレフィンは、ある量の対応
する内部オレフィン及び/もしくは三置換オレフィンならびに/またはそれらの対応する
飽和炭化水素を含有してもよく、また、このような市販のオレフィンは、ヒドロホルミル
化される前に、必ずしも精製する必要はない。ヒドロホルミル化反応に用いることができ
る例示的なオレフィン出発物質の混合物としては、混合ブテン、例えば、ラフィネートI
及びIIが挙げられる。さらに、このようなオレフィン不飽和化合物及びそれらに由来す
る対応するアルデヒド生成物はまた、例えば、米国特許第3,527,809号及び同第
4,769,498号等に記載のような、ヒドロホルミル化プロセスまたは本発明のプロ
セスに過度に悪影響を与えない1つ以上の基または置換基を含有してもよい。
最も好ましくは、本発明は、2〜30個、好ましくは3〜20個の炭素原子を含有する
アキラルαオレフィン及び4〜20個の炭素原子を含有するアキラル内部オレフィンなら
びにこのようなαオレフィンと内部オレフィンとの出発物質混合物をヒドロホルミル化す
ることによる非光学活性アルデヒドの生成に特に有用である。
例示的なαオレフィン及び内部オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1
−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、
1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコ
セン、2−ブテン、2−メチルプロペン(イソブチレン)、2−メチルブテン、2−ペン
テン、2−ヘキセン、3−ヘキサン、2−ヘプテン、2−オクテン、シクロヘキセン、プ
ロピレン二量体、プロピレン三量体、プロピレン四量体、ブタジエン、ピペリレン、イソ
プレン、2−エチル−1−ヘキセン、スチレン、4−メチルスチレン、4−イソプロピル
スチレン、4−tert−ブチルスチレン、アルファ−メチルスチレン、4−tert−
ブチルアルファメチルスチレン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、3−フェニル−1
−プロペン、1、4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、3−シクロヘキシル−1−
ブテン、ならびに1、3−ジエン、ブタジエン、アルキルアルケノエート、例えば、メチ
ルペンテノエート、アルケニルアルカノエート、アルケニルアルキルエーテル、アルケノ
ール、例えば、ペンテノール、アルケナール、例えば、ペンテナール、アリルアルコール
、アリルブチレート、ヘキサ−1−エン−4−オール、オクタ−1−エン−4−オール、
ビニルアセテート、アリルアセテート、3−ブテニルアセテート、ビニルプロピオネート
、アリルプロピオネート、メチルメタクリレート、ビニルエチルエーテル、ビニルメチル
エーテル、アリルエチルエーテル、n−プロピル−7−オクテノエート、3−ブテンニト
リル、5−ヘキセンアミド、オイゲノール、イソオイゲノール、サフロール、イソサフロ
ール、アネトール、4−アリルアニソール、インデン、リモネン、ベータピネン、ジシク
ロペンタジエン、シクロオクタジエン、カンフェン、リナロオール等が挙げられる。
エナンチオマーアルデヒド混合物を生成するために用いることができる不斉ヒドロホル
ミル化に有用なプロキラル及びキラルオレフィンには、式:
Figure 2020002161
によって表されるものが含まれ、式中、R、R、R、及びRは、同じかまたは
異なり(ただし、RがRと異なるか、またはRがRと異なる)、水素;アルキル
;置換アルキルであって、該置換がベンジルアミノ及びジベンジルアミノ等のジアルキル
アミノ、メトキシ及びエトキシ等のアルコキシ、アセトキシ等のアシルオキシ、ハロ、ニ
トロ、ニトリル、チオ、カルボニル、カルボキサミド、カルボキシアルデヒド、カルボキ
シル、カルボン酸エステルから選択される、置換アルキル;フェニルを含むアリール;フ
ェニルを含む置換アリールであって、該置換がアルキル、ベンジルアミノ及びジベンジル
アミノ等のアルキルアミノ及びジアルキルアミノを含むアミノ、ヒドロキシ、メトキシ及
びエトキシ等のアルコキシ、アセトキシ等のアシルオキシ、ハロ、ニトリル、ニトロ、カ
ルボキシル、カルボキシアルデヒド、カルボン酸エステル、カルボニル、及びチオから選
択される、置換アリール;アセトキシ等のアシルオキシ;メトキシ及びエトキシ等のアル
コキシ;ベンジルアミノ及びジベンジルアミノ等のアルキルアミノ及びジアルキルアミノ
を含むアミノ;アセチルベンジルアミノ及びジアセチルアミノ等のアシルアミノ及びジア
シルアミノ;ニトロ;カルボニル;ニトリル;カルボキシル;カルボキサミド;カルボキ
シアルデヒド;カルボン酸エステル;ならびにメチルメルカプト等のアルキルメルカプト
から選択される。本定義のプロキラル及びキラルオレフィンは、R基が結合して環式化合
物、例えば、3−メチル−1−シクロヘキセン等を形成する、上記一般式の分子も含まれ
ることが理解される。
不斉ヒドロホルミル化に有用な例示的な光学活性またはプロキラルオレフィン化合物と
しては、例えば、p−イソブチルスチレン、2−ビニル−6−メトキシ−2−ナフチレン
、3−エテニルフェニルフェニルケトン、4−エテニルフェニル−2−チエニルケトン、
4−エテニル−2−フルオロビフェニル、4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−
イソインドール−2−イル)スチレン、2−エテニル−5−ベンゾイルチオフェン、3−
エテニルフェニルフェニルエーテル、プロペニルベンゼン、イソブチル−4−プロペニル
ベンゼン、フェニルビニルエーテル等が挙げられる。他のオレフィン化合物としては、例
えば、米国特許第4,329,507号、同第5,360,938号、及び同第5,49
1,266号に記載の置換アリールエチレンが挙げられる。
有利なことに、ヒドロホルミル化プロセスでは溶媒が用いられる。過度にヒドロホルミ
ル化プロセスに干渉しない任意の好適な溶媒を使用することができる。実例として、ロジ
ウム触媒ヒドロホルミル化プロセスに好適な溶媒としては、例えば、米国特許第3,52
7,809号、同第4,148,830号、同第5,312,996号、及び同第5,9
29,289号に開示されるものが挙げられる。好適な溶媒の非限定的な例としては、飽
和炭化水素(アルカン)、芳香族炭化水素、水、エーテル、ポリエーテル、アルキル化ポ
リエーテル、アルデヒド、ケトン、ニトリル、アルコール、エステル、及びアルデヒド縮
合生成物が挙げられる。溶媒の具体的な例としては、テトラグリム、ペンタン、シクロヘ
キサン、ヘプタン、ベンゼン、キシレン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ブチルアルデヒド、及びベンゾニトリルが挙げられる。また、有機溶媒は、飽和限
界まで溶存水を含有することができる。一般に、アキラル(非光学活性)アルデヒドの生
成に関しては、当技術分野でよく行われるように、生成しようとする所望のアルデヒド生
成物に対応するアルデヒド化合物、及び/またはより高沸点のアルデヒド液体縮合副生成
物を主有機溶媒として用いるのが好ましい。また、このようなアルデヒド縮合副生成物は
、所望される場合予備形成し、適宜使用することができる。アルデヒドの生成に利用可能
な例示的な好ましい溶媒としては、ケトン、例えば、アセトン及びメチルエチルケトン、
エステル、例えば、酢酸エチル、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、炭化水素、例えばトルエン、ニ
トロ炭化水素、例えばニトロベンゼン、エーテル、例えばテトラヒドロフラン(THF)
、ならびにスルホランが挙げられる。ロジウム触媒ヒドロホルミル化プロセスでは、一次
溶媒として、生成しようとする所望のアルデヒド生成物に対応するアルデヒド化合物、及
び/またはより高沸点のアルデヒド液体縮合副生成物、例えば、米国特許第4,148,
380号及び同第4,247,486号に記載のように、ヒドロホルミル化プロセス中に
インサイチュで生成され得るようなものを用いるのが好ましい場合がある。実際、所望さ
れる場合、連続プロセスの開始時に任意の好適な溶媒を用いることができるが、一次溶媒
は、通常、連続プロセスという性質のため、アルデヒド生成物及びより高沸点のアルデヒ
ド液体縮合副生成物(「重質物」)の両方を最終的に含むことになる。溶媒量は、特に重
要ではなく、必要なことは、反応媒体に所望な程度の遷移金属濃度を付与するのに十分で
あればよい。典型的には、溶媒量は、反応流体の総重量に基づいて、約5重量パーセント
〜約95重量パーセントの範囲である。また、2つ以上の溶媒の混合物を用いてもよい。
ヒドロホルミル化プロセスに有用な触媒は、触媒金属を含む。触媒金属としては、ロジ
ウム(Rh)、コバルト(Co)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe
)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)選択さ
れる、第8、第9、及び第10族金属、ならびにこれらの混合物を挙げることができ、好
ましい金属は、ロジウム、コバルト、イリジウム、及びルテニウムであり、より好ましく
はロジウム、コバルト、及びルテニウムであり、とりわけロジウムである。
このような金属上の利用可能な配位部位の数は、当技術分野において周知である。した
がって、触媒種は、錯体触媒混合物が含まれてもよく、単量体、二量体、またはさらに高
核性の形態を含み得、これらは、好ましくは、金属、例えばロジウム1分子当たり少なく
とも1つの錯化した有機リン含有分子によって特徴付けられる。例えば、ヒドロホルミル
化反応に用いられる好ましい触媒の触媒種は、ヒドロホルミル化反応で用いられるのが一
酸化炭素及び水素ガスであるという点から、有機リン配位子に加えて一酸化炭素及び水素
と錯化することができると考えられる。
本発明により包含されるこのようなヒドロホルミル化反応に利用可能な例示的な金属−
有機リン配位子錯体の例としては、金属−有機リン配位子錯体触媒が挙げられる。触媒な
らびにそれらの調製方法は、当該技術分野において周知であり、上述の特許に開示される
ものが含まれる。一般に、このような触媒は、かかる参考文献に記載されるように予備形
成またはインサイチュで形成でき、有機リン配位子と錯体結合している金属から本質的に
なる。一酸化炭素もまた存在し、活性種の金属と錯化することが考えられる。活性種は、
金属に直接結合する水素を含有することもできる。金属−有機リン配位子錯体触媒は、光
学活性または非光学活性であり得る。
金属−有機リン配位子錯体及び遊離有機リン配位子を構成する許容可能な有機リン配位
子としては、トリアリールホスフィン、モノ−、ジ−、トリ−、及び高級ポリオルガノホ
スファイトが挙げられる。このような配位子の混合物を、所望される場合、金属−有機リ
ン配位子錯体触媒及び/または遊離配位子において用いることができ、このような混合物
は同じかまたは異なってもよい。本発明は、決して、許容可能な有機リン配位子またはこ
れらの混合物により限定されることを意図するものではない。本発明の好結果の実施は、
金属−有機リン配位子錯体種の正確な構造に依存するものではなく、また金属−有機リン
配位子錯体種の正確な構造に基づくものでもなく、それらの単核性、複核性、及び/また
は高核性形態で存在してもよいことに留意するべきである。実際、正確な構造は分かって
いない。いかなる理論または機械的な議論に拘束されることも意図しないが、触媒種は、
その最も単純な形態として、有機リン配位子ならびに一酸化炭素及び/または水素と錯体
結合している金属から本質的になり得ることが明らかである。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語「錯体」は、1つ以上の独立して存在可
能な電子に富む分子または原子と、同様に独立して存在可能な1つ以上の電子不足の分子
または原子との結合により形成される配位化合物を意味する。例えば、本明細書に利用可
能な有機リン配位子は、1つ以上のリンドナー原子を持つことができ、このそれぞれは、
独立して、または可能な場合は金属と共同して、例えばキレート化により、それぞれが配
位結合を形成できる1つの利用可能な、または非共有の電子対を有する。金属−有機リン
配位子錯体触媒の配位子として機能し得る有機リン配位子には、フルオロホスファイト、
ホスフィナイト、ホスフィノ−ホスホロアミダイト、モノオルガノホスファイト、ジオル
ガノホスファイト、トリオルガノホスファイト、オルガノポリホスファイト、ホスホロア
ミダイト、オルガノモノホスホロアミダイト、及びオルガノポリホスホロアミダイト化合
物がある。このような有機リン配位子及び/またはそれらの調製方法は、当技術分野にお
いて周知である。また、上記の配位子の混合物を使用することもできる。同様に配位子と
して適正に分類される一酸化炭素もまた存在し、金属と錯化し得る。錯体触媒の最終的組
成物はまた、金属の配位部位または核電荷を満たす追加の配位子、例えば、水素またはア
ニオンを含有してもよい。例示的な追加の配位子としては、例えば、ハロゲン(Cl、B
r、I)、アルキル、アリール、置換アリール、アシル、CF、C、CN、(
R)PO、及びRP(O)(OH)O(式中、各Rは、同じかまたは異なり、置換もし
くは非置換炭化水素ラジカル、例えば、アルキルまたはアリールである)、アセテート、
アチルアセトネート、SO、PF、PF、NO、NO、CH、CH=CH
CH、CHCH=CHCH、CCN、CHCN、NH、ピリジン、(C
N、モノオレフィン、ジオレフィン、及びトリオレフィン、テトラヒドロフラ
ン等が挙げられる。錯体種は、触媒を失活させるかまたは触媒性能に過度の悪影響を及ぼ
すおそれがある、いずれの追加の有機配位子またはアニオンも含まないことが好ましいこ
とを理解されたい。金属−有機リン配位子錯体触媒のヒドロホルミル化反応においては、
活性触媒が金属に直接結合したハロゲン及び硫黄を含まないこと好ましいが、こうしたこ
とを絶対に必要としなくてもよい。
金属−有機リン配位子錯体触媒の配位子及び/または遊離配位子として機能し得る有機
リン化合物は、アキラル(光学不活性)またはキラル(光学活性)タイプであってもよく
、当技術分野において周知である。アキラル有機リン配位子が好ましい。
代表的なモノオルガノホスファイトとしては、式:
Figure 2020002161
を有するものを挙げることができ、式中、R10は、4〜40個またはそれ以上の炭素
原子を含有する置換または非置換の三価炭化水素ラジカル、例えば、三価非環式及び三価
環式ラジカル、例えば、三価アルキレンラジカル、例えば、1,2,2−トリメチロール
プロパン等に由来するもの、または三価シクロアルキレンラジカル、例えば、1,3,5
−トリヒドロキシシクロヘキサン等に由来するものを表す。このようなモノオルガノホス
ファイトは、例えば、米国特許第4,567,306号においてさらに詳細な記載を見つ
けることができる。
代表的なジオルガノホスファイトとしては、式:
Figure 2020002161
を有するものを挙げることができ、式中、R20は、4〜40個またはそれ以上の炭素
原子を含有する置換または非置換の二価炭化水素ラジカルを表し、Wは、1〜18個また
はそれ以上の炭素原子を含有する置換または非置換の一価炭化水素ラジカルを表す。
上記式(II)においてWで表される代表的な置換及び非置換の一価炭化水素ラジカル
としては、アルキル及びアリールラジカルが挙げられ、一方で、R20によって表される
代表的な置換及び非置換の二価炭化水素ラジカルとしては、二価非環式ラジカル及び二価
芳香族ラジカルが挙げられる。例示的な二価非環式ラジカルには、例えば、アルキレン、
アルキレン−オキシ−アルキレン、アルキレン−S−アルキレン、シクロアルキレンラジ
カル、及びアルキレン−NR24−アルキレンが挙げられ、式中、R24は、水素または
置換もしくは非置換の一価炭化水素ラジカル、例えば、1〜4個の炭素原子を有するアル
キルラジカルである。より好ましい二価非環式ラジカルは、例えば、米国特許第3,41
5,906号及び同第4,567,302号等により詳細に開示されているような二価ア
ルキレンラジカルである。例示的な二価芳香族ラジカルには、例えば、アリーレン、ビス
アリーレン、アリーレン−アルキレン、アリーレン−アルキレン−アリーレン、アリーレ
ン−オキシ−アリーレン、アリーレン−NR24−アリーレン(式中、R24は、上記に
定義したとおりである)、アリーレン−S−アリーレン、及びアリーレン−S−アルキレ
ン等が挙げられる。より好ましくは、R20は、例えば米国特許第4,599,206号
、同第4,717,775号、及び同第4,835,299号等により詳細に開示されて
いるような二価芳香族ラジカルである。
代表的なより好ましいクラスのジオルガノホスファイトは、式:
Figure 2020002161
のものであり、式中、Wは、上記に定義したとおりであり、各Arは、同じかまたは異
なり、かつ置換または非置換アリールラジカルを表し、各yは、同じかまたは異なり、か
つ0または1の値であり、Qは、−C(R33−、−O−、−S−、−NR24−、
Si(R35、及び−CO−から選択される二価架橋基を表し、各R33は、同じか
または異なり、かつ水素、1〜12個の炭素原子を有するアルキルラジカル、フェニル、
トリル、及びアニシルを表し、R24は上記に定義される通りであり、各R35は、同じ
かまたは異なり、かつ水素またはメチルラジカルを表し、mは0または1の値を有する。
このようなジオルガノホスファイトは、例えば、米国特許第4,599,206号、同第
4,717,775号、及び同第4,835,299号においてより詳細に記載されてい
る。
代表的なトリオルガノホスファイトとしては、式:
Figure 2020002161
を有するものを挙げることができ、式中、各R46は、同じかまたは異なり、かつ置換
もしくは非置換の一価炭化水素ラジカル、例えば、1〜24個の炭素原子を含有し得る、
アルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリル、及びアラルキルラジカルである。こ
のようなトリオルガノホスファイトは、例えば米国特許第3,527,809号及び同第
5,277,532号においてより詳細に記載されている。
代表的なオルガノポリホスファイトは、2個以上の第三級(三価)リン原子を含有し、
これには、式:
Figure 2020002161
を有するものを挙げることができ、式中、Xは、2〜40個の炭素原子を含有する置換
または非置換のn価有機架橋ラジカルを表し、各R57は、同じかまたは異なり、かつ4
〜40個の炭素原子を含有する二価有機ラジカルを表し、各R58は、同じかまたは異な
り、かつ1〜24個の炭素原子を含有する置換または非置換一価炭化水素ラジカルを表し
、a及びbは、同じかまたは異なってもよく、かつそれぞれが、0〜6の値を有するが、
ただし、a+bの合計が、2〜6であり、nがa+bに等しいことを条件とする。aが2
以上の値を有するとき、各R57ラジカルは、同じかまたは異なってもよいことを理解さ
れたい。各R58ラジカルはまた、任意の所与の化合物において、同じかまたは異なって
もよい。
上記でXによって表される代表的なn価(好ましくは、二価)有機架橋ラジカル、及び
57によって表される代表的な二価有機ラジカルとしては、非環式ラジカル及び芳香族
ラジカルの両方、例えば、アルキレン−Q−アルキレン、シクロアルキレン、アリーレ
ン、ビスアリーレン、アリーレン−アルキレン、及びアリーレン−(CH−Q
(CH−アリーレン等が挙げられ、式中、各Q、y、及びmは、上記の式(III
)で定義される通りである。上記X及びR57で表されるより好ましい非環式ラジカルは
、二価アルキレンラジカルであり、一方で上記X及びR57で表されるより好ましい芳香
族ラジカルは、例えば、米国特許第4,769,498号、同第4,774,361号、
同第4,885,401号、同第5,179,055号、同第5,113,022号、同
第5,202,297号、同第5,235,113号、同第5,264,616号、同第
5,364,950号、及び同第5,527,950号でより詳細に開示されているよう
な、二価アリーレン及びビスアリーレンラジカルである。上記の各R58ラジカルで表さ
れる代表的な好ましい一価炭化水素ラジカルとしては、アルキル及び芳香族ラジカルが挙
げられる。
例示的な好ましいオルガノポリホスファイトには、以下の式(VI)〜(VIII):
Figure 2020002161
のものといった、ビスホスファイトを挙げることができ、式中、式(VI)〜(VII
I)の各R57、R58、及びXは、式(V)に関して上記で定義されたものと同じであ
る。好ましくは、R57及びXはそれぞれ、アルキレン、アリーレン、アリーレン−アル
キレン−アリーレン、及びビスアリーレンから選択される二価炭化水素ラジカルを表し、
一方で各R58ラジカルは、アルキル及びアリールラジカルから選択される一価炭化水素
ラジカルを表す。このような式(V)〜(VIII)のオルガノホスファイト配位子は、
例えば、米国特許第4,668,651号、同第4,748,261号、同第4,769
,498号、同第4,774,361号、同第4,885,401号、同第5,113,
022号、同第5,179,055号、同第5,202,297号、同第5,235,1
13号、同第5,254,741号、同第5,264,616号、同第5,312,99
6号、同第5,364,950号、及び同第5,391,801号の開示に見ることがで
きる。
式(VI)〜(VIII)中のR10、R20、R46、R57、R58、Ar、Q、
X、m、及びyは、上記に定義される通りである。最も好ましくは、Xは、二価アリール
−(CH−(Q)−−(CH)y−アリールラジカルを表し、ここで、各yは
、それぞれ、0または1の値を有し、mは、0または1の値を有し、Qは、−O−、−S
−、または−C(R35−であり、各R35は、同じかまたは異なり、かつ水素また
はメチルラジカルを表す。より好ましくは、上記に定義されるR基の各アルキルラジカ
ルは、1〜24個の炭素原子を含有し得、上記に定義される上記式(VI)〜(VII)
のAr、X、R57、及びR58基は、6〜18個の炭素原子を含有し得、該ラジカルは
、同じかまたは異なってもよいが、好ましいXのアルキレンラジカルは、2〜18個の炭
素原子を含有し得、好ましいR57のアルキレンラジカルは、5〜18個の炭素原子を含
有し得る。加えて、好ましくは、上記式のXの二価Arラジカル及び二価アリールラジカ
ルは、フェニレンラジカルであり、ここで、−(CH−(Q)−(CH
によって表される架橋基は、フェニレンラジカルを式のそれらのリン原子に結合する式の
酸素原子に対してオルト位で、該フェニレンラジカルに結合する。また、このようなフェ
ニレンラジカルに存在する場合、任意の置換ラジカルがそのリン原子に所与の置換フェニ
レンラジカルを結合する酸素原子に対して、フェニレンラジカルのパラ及び/またはオル
ト位で結合することも好ましい。
上記式(I)〜(VIII)のこのようなオルガノホスファイトのR10、R20、R
57、R58、W、X、Q、及びArラジカルのいずれも、所望される場合、本発明のプ
ロセスの所望される結果に過度に悪影響を及ぼさない1〜30個の炭素原子を含有する任
意の好適な置換基で置換され得る。アルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、及び
シクロヘキシル置換基等の対応する炭化水素ラジカルに加えて、該ラジカル上に存在し得
る置換基としては、例えば、−−Si(R35等のシリルラジカル;−N(R15
等のアミノラジカル;−アリール−P(R15ホスフィンラジカル;−C(O)R
15アシルオキシラジカル等のアシルラジカル、−OC(O)R15等のアシルオキシラ
ジカル;−−CON(R15及び−N(R15)COR15等のアミドラジカル;−
SO15等のスルホニルラジカル、−OR15等のアルコキシラジカル;−SOR
15等のスルフィニルラジカル、−P(O)(R15等のホスホニルラジカル、なら
びにハロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシラジカル等を挙げることが
でき、各R15ラジカルは、それぞれ、1〜18個の炭素原子を有する同じかまたは異な
る一価炭化水素ラジカル、例えば、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、及び
シクロヘキシルラジカルを表すが、ただし、−N(R15等のアミノ置換基では、一
緒になった各R15はまた、窒素原子と複素環式ラジカルを形成する二価架橋基を表し得
、−C(O)N(R15及び−N(R15)COR15等のアミド置換基では、Nに
結合した各R15はまた、水素であってもよいことを条件とする。特定の所与のオルガノ
ホスファイトを構成する任意の置換または非置換炭化水素ラジカル基は、同じかまたは異
なっていてもよいことを理解されたい。
さらなる選択肢として、任意のオルガノモノホスホロアミダイトまたはオルガノポリホ
スホロアミダイト配位子は、そのものとしてまたは他の任意の有機リン配位子と組み合わ
せて使用することができる。オルガノホスホロアミダイト配位子は既知であり、それらは
オルガノホスファイト配位子と同様に使用される。代表的なオルガノホスホロアミダイト
配位子は、式IX〜XIのものである。
Figure 2020002161
オルガノホスホロアミダイトは、米国特許第7,615,645号にさらに記載されて
いる。
本開示のプロセスにおいて用いることができるトリアリールホスフィンは、3個のアリ
ールもしくはアリールアルキルラジカルまたはそれらの組み合わせに共有結合した少なく
とも1個のリン原子を含む、任意の有機化合物を含む。トリアリールホスフィン配位子の
混合物も用いることができる。代表的なオルガノモノホスフィンとしては、式:
Figure 2020002161
を有するものが挙げられ、式中、各R29、R30、及びR31は、同じかまたは異な
ってもよく、かつ4〜40個またはそれ以上の炭素原子を含有する置換または非置換アリ
ールラジカルを表す。このようなトリアリールホスフィンは、例えば、米国特許第3,5
27,809号により詳細に記載されているのを見ることができ、その開示は、参照とし
て本明細書に組み込まれる。例示的なトリアリールホスフィン配位子は、トリフェニルホ
スフィン、トリナフチルフィン(trinaphthylphine)、トリトリルホス
フィン、トリ(p−ビフェニル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェニル)ホスフィン
、トリ(m−クロロフェニル)ホスフィン、p−N,N−ジメチルアミノフェニルビス−
フェニルホスフィン等である。トリフェニルホスフィン、すなわち、各R29、R30
及びR31がフェニルである式Iの化合物は、好ましいオルガノモノホスフィン配位子の
例である。ヒドロホルミル化反応は、過剰量の遊離トリアリールホスフィンを含む液体中
で選択的に行われる。
本発明に好適な別の好ましいクラスの配位子は、国際公開第2007/078859号
、米国特許第4,694,109号、及び同第5,332,846号に記載されるもの等
、多座配位子である。
上記のように、金属−有機リン配位子錯体触媒は、当技術分野において既知の方法で形
成することができる。金属−有機リン配位子錯体触媒は、均質または不均質形態であって
もよい。例えば、予備形成されたロジウムヒドリド−カルボニル−有機リン配位子触媒を
調製し、ヒドロホルミル化プロセスの反応混合物に導入してもよい。より好ましくは、ロ
ジウム−有機リン配位子錯体触媒は、活性触媒をインサイチュで形成するために反応媒体
に導入することができるロジウム触媒前駆体から誘導することができる。例えば、ロジウ
ム触媒前駆体、例えばロジウムジカルボニルアセチルアセトネート、Rh、Rh
(CO)12、Rh(CO)16、Rh(NO等は、活性触媒をインサイチュで
形成するために、有機リン配位子とともに反応混合物に導入され得る。本発明の好ましい
実施形態において、ロジウムジカルボニルアセチルアセトネートは、ロジウム前駆体とし
て用いられ、有機リン配位子を含む溶媒の存在下で反応して、活性触媒をインサイチュ形
成するために過剰量の(遊離)有機リン配位子とともに反応器に導入される触媒のロジウ
ム−有機リン配位子錯体前駆体を形成する。いずれにしても、一酸化炭素、水素、及び有
機リン配位子化合物は全て金属と錯化可能な配位子であり、ヒドロホルミル化反応で使わ
れる条件下で反応混合物中に活性金属−有機リン配位子触媒が存在することは、本発明の
目的としては十分である。初期のロジウムとまったく錯化しない場合であっても、カルボ
ニル及び有機リン配位子は、ヒドロホルミル化プロセスの前またはヒドロホルミル化プロ
セス中にインサイチュでのいずれかにおいてロジウムと錯化することができる。
実例として、好ましい触媒前駆体組成物は、可溶性ロジウムカルボニルオルガノホスフ
ァイト配位子錯体前駆体、溶媒、及び任意選択的に、遊離オルガノホスファイト配位子か
ら本質的になる。好ましい触媒前駆体組成物は、ロジウムジカルボニルアセチルアセトネ
ート、有機溶媒、及びオルガノホスファイト配位子の溶液を形成することによって、調製
することができる。オルガノホスファイト配位子は、一酸化炭素ガスの発生により証明さ
れるように、室温でロジウムアセチルアセトネート錯体前駆体のカルボニル配位子のうち
の1つを容易に置き換える。この置換反応は、所望される場合、溶液を加熱することによ
って容易に行うことができる。ロジウムジカルボニルアセチルアセトネート錯体前駆体及
びロジウムオルガノホスファイト配位子錯体前駆体がいずれも可溶性である任意の好適な
有機溶媒を用いることができる。ロジウム錯体触媒前駆体、有機溶媒、及びオルガノホス
ファイト、ならびにこのような触媒前駆体組成物中に存在するそれらの好ましい実施形態
の量は、本発明のヒドロホルミル化プロセスで用いることができるそれらの量に明らかに
相当し得る。経験の示すところによれば、上述したように、ヒドロホルミル化プロセスが
開始された後、前駆体触媒のアセチルアセトネート配位子が異なる配位子、例えば、水素
、一酸化炭素、またはオルガノホスファイト配位子で置き換えられて、活性錯体触媒が形
成される。ヒドロホルミル化条件下において前駆体触媒を含まないアセチルアセトンは、
生成物アルデヒドを有する反応媒体から取り除かれるため、ヒドロホルミル化プロセスに
対して少しも有害ではない。このような好ましいロジウム錯体触媒前駆体組成物の使用は
、ロジウム前駆体及びヒドロホルミル化の開始を操作する簡易で経済的、かつ効果的な方
法を提供する。
したがって、本発明のプロセスに使用される金属−オルガノホスファイト配位子錯体触
媒は、一酸化炭素及びオルガノホスファイト配位子と錯化する金属から本質的になり、該
配位子は、キレート化及び/または非キレート化様式で金属に結合する(錯化する)。ま
た、本明細書で使用する場合、用語「本質的になる」は、一酸化炭素及びオルガノホスフ
ァイト配位子に加えて金属と錯化する水素を除外するのではなく、むしろ含む。さらに、
このような用語は、同様に金属と錯化する可能性がある他の有機配位子及び/またはアニ
オンの可能性を除外しない。触媒を不都合なことに過度に失活させる、または触媒を過度
に非活性化する量の材料は望ましくなく、最も望ましい触媒としては、金属に結合したハ
ロゲン(例えば塩素等)などの汚染物質を含まないことであるが、このことは絶対に必要
なわけではない。活性金属−オルガノホスファイト配位子錯体触媒の水素及び/もしくは
カルボニル配位子は、前駆体触媒に結合する配位子である結果として、かつ/またはイン
サイチュ形成、例えば、ヒドロホルミル化プロセスで用いられる水素及び一酸化炭素ガス
による結果として、存在してもよい。
上述のように、本発明のヒドロホルミル化プロセスは、本明細書に記載の金属−有機リ
ン配位子錯体触媒の使用を含む。所望される場合、このような触媒の混合物も用いること
ができる。本発明により包含される所与のヒドロホルミル化プロセスの反応流体中に存在
する金属−有機リン配位子錯体触媒の量は、用いられる所望の所与の金属濃度をもたらし
、例えば上述の特許に開示されるもの等、少なくとも関与する特定のヒドロホルミル化プ
ロセスを触媒するのに必要な金属触媒量を基準に供給するのに必要な最小限の量とするだ
けでよい。一般に、反応媒体中の遊離金属として計算して、10ppmw〜1000pp
mwの範囲の触媒金属、例えばロジウムの濃度が、大抵のプロセスには十分なはずである
が、通常、好ましくは10〜500ppmwの金属、より好ましくは、25〜350pp
mwの金属が用いられる。
金属−有機リン配位子錯体触媒に加えて、反応媒体中に遊離有機リン配位子、すなわち
、金属と錯化していない配位子もまた存在し得る。遊離有機リン配位子は、本明細書で使
用可能なものとして上記で考察し、上記で定義した任意の有機リン配位子に相当し得る。
遊離有機リン配位子は、用いられる金属−有機リン配位子錯体触媒の有機リン配位子と同
じであることが好ましい。しかしながら、このような配位子は、すべての所与のプロセス
において同じである必要はない。ヒドロホルミル化プロセスには、反応媒体中の金属1モ
ル当たり0.1モル以下〜100モル以上の遊離有機リン配位子が関与し得る。好ましく
は、ヒドロホルミル化プロセスは、反応媒体中に存在する金属1モル当たり1〜50モル
の有機リン配位子の存在下で実行される。より好ましくは、オルガノポリホスファイトに
ついて、金属1モル当たり1.1〜4モルのオルガノポリホスファイト配位子が用いられ
る。該有機リン配位子の量は、存在する金属に結合(錯化)する有機リン配位子の量と、
存在する遊離(非錯化)有機リン配位子の量との合計である。アキラルオレフィンをヒド
ロホルミル化することによって非光学活性アルデヒドを生成することがより好ましいこと
から、より好ましい有機リン配位子は、アキラル型有機リン配位子であり、特に上記式(
V)により包含されるもの、より好ましくは、上記式(VI)、(VII)、及び(VI
II)のものである。所望される場合、例えば、反応媒体中の所定濃度の遊離配位子を維
持するために、ヒドロホルミル化プロセスの反応媒体に、随時、任意の好適な方法で補充
または追加の有機リン配位子を供給してもよい。
上述のように、反応中及び/または生成物分離中、ヒドロホルミル化触媒は不均質形態
であってもよい。このような触媒は、特にオレフィンのヒドロホルミル化において、高沸
点または熱感受性アルデヒドを生成するのに有利であり、その結果、低温で濾過またはデ
カンテーションによって生成物から触媒を分離することができる。例えば、触媒が、ヒド
ロホルミル化段階及び分離段階のいずれの間もその固体形態を保持するか、または高温に
おいて液体反応媒体中に可溶性であり、その後、冷却により沈殿するように、ロジウム触
媒を担体に付着させてもよい。
オルガノホスファイト配位子の加水分解による分解及び金属−オルガノホスファイト配
位子錯体の失活を防止及び/または小さくするために、水抽出系の使用、好ましくは緩衝
溶液を用いることは周知であり、例えば米国特許第5,741,942号及び同第5,7
41,944号において開示されている。このような緩衝系及び/またはそれらの調製方
法は、当技術分野において周知である。緩衝液の混合物を用いてもよい。
加水分解による分解を受ける可能性がある例示的な金属−有機リン配位子錯体触媒ヒド
ロホルミル化プロセスとしては、例えば、米国特許第4,148,830号、同第4,5
93,127号、同第4,769,498号、同第4,717,775号、同第4,77
4,361号、同第4,885,401号、同第5,264,616号、同第5,288
,918号、同第5,360,938号、同第5,364,950号、同第5,491,
266、及び同第7,196,230号に記載のプロセスが挙げられる。加水分解による
分解を受けると思われるP−Z含有化学種としては、例えば、国際公開特許第2008/
071508号、同第2005/042458号、及び米国特許第5,710,344号
、同第6,265,620号、同第6,440,891号、同第7,009,068号、
同第7,145,042号、同第7,586,010号、同第7,674,937号、及
び同第7,872,156号に記載のオルガノホスホナイト、ホスホロアミダイト、フル
オロホスホナイト等が挙げられる。これらの化学種は、米国特許第5,744,649号
及び同第5,741,944号に開示される技術の使用により除去できる種々の酸性及び
/または極性の分解生成物を生成する。したがって、本明細書に開示される本発明で有利
に用いられるヒドロホルミル化処理技術は、既知のあらゆる処理技法に対応することがで
きる。好ましいヒドロホルミル化プロセスは、触媒液の再循環を伴うものである。
抽出接触条件は、大きく変動してもよく、このような条件の任意の好適な組み合わせを
本明細書で用いることができる。例えば、このような条件のうちの1つの低下を他の条件
の1つ以上を増加することによって補うことができ、その逆の場合も同様である。一般に
、10℃〜120℃、好ましくは20℃〜80℃、より好ましくは25℃〜60℃の範囲
の液体温度が、大抵の場合において好適なはずであるが、所望される場合、より低いかま
たはより高い温度を用いてもよい。有利なことに、大気圧から反応圧力の範囲の圧力で処
理が行われ、接触時間は、ほんの数秒または数分から数時間以上まで変動してもよい。
反応流体からのリン酸化合物の除去の成功は、ヒドロホルミル化反応媒体中に存在する
有機リン配位子の分解(消費)速度を測定することにより判定することができる。消費速
度は、広範囲にわたって、例えば、1日当たり<0.6〜5グラム/リットルで変動して
もよく、自己触媒レベル未満の加水分解を保持するために、配位子のコストと処理頻度と
の最善の妥協点により決定される。好ましくは、水性緩衝溶液処理は、ヒドロホルミル化
反応媒体中に存在する所望の有機リン配位子の消費が許容可能な速度、例えば、1日当た
り<0.5グラムの配位子/リットル、より好ましくは1日当たり<0.1グラムの配位
子/リットル、及び、最も好ましくは1日当たり<0.06グラムの配位子/リットルで
維持されるような方式で行われる。リン酸化合物の水性緩衝液中への中和及び抽出が進行
するにつれて、緩衝液のpHは、ゆっくりと低下する。
少なくともある量のリン酸化合物、例えば、HPO、HPO、アルデヒド酸、
例えばヒドロキシアルキルホスホン酸、例えばヒドロキシルブチルホスホン酸及びヒドロ
キシルペンチルホスホン酸等をヒドロホルミル化系から除去することにより、ヒドロホル
ミル化反応媒体の酸性度の制御が可能となり、これにより、その加水分解変質を防止また
は低減することにより、有用な有機リン配位子が安定化される。
オルガノホスファイト配位子に促進される金属触媒が、蒸発によるアルデヒドの回収と
いった過酷な条件を伴うプロセスに用いられるときには、触媒活性の緩徐な損失が観察さ
れている。
必要に応じて、例えば米国特許第4,567,306号で教示されるように、有機リン
配位子の加水分解時に形成される酸性加水分解副生成物を取り除くために、有機窒素化合
物をヒドロホルミル化反応流体に添加してもよい。このような有機窒素化合物を使用して
、酸性化合物と反応させ、これらとの転化生成物塩を形成することによってそれを中和す
ることができ、これにより、触媒金属が酸性加水分解副生成物と錯化することを防止し、
したがって、反応条件下で反応領域中に存在する間、触媒の活性を保護することを助ける
ことができる。
リン酸化合物を取り除くのに有用な好ましい有機窒素化合物は、米国特許第5,731
,472号に開示されているもの等、ジアゾール、トリアゾール、ジアジン、及びトリア
ジンからなる群から選択される複素環式化合物である。ベンゾイミダゾール及びベンゾト
リアゾールが好ましい。反応流体中に存在し得る有機窒素化合物の量は、通常、反応流体
1リットル当たり少なくとも0.0001モルの遊離有機窒素化合物の濃度をもたらすの
に十分である。一般に、有機窒素化合物と全有機リン配位子(結合しているか、または遊
離有機リン配位子として存在しているかに関わらない)との比率は、少なくとも0.1:
1、さらにより好ましくは、少なくとも0.5:1である。1:1〜5:1の有機窒素化
合物と有機リン配位子とのモル比が、大抵の目的においては十分なはずである。
水性緩衝溶液処理は、遊離リン酸化合物を金属−有機リン配位子錯体触媒含有反応流体
から除去するばかりではなく、有機窒素化合物除去剤(用いた場合)の使用により形成さ
れた転化生成物塩のリン酸材料も除去する、すなわち、該転化生成物塩のリン酸は、水性
緩衝溶液中に残るが、処理された反応流体は、再活性化された(遊離)有機窒素化合物と
ともに反応領域に戻される。
加水分解性配位子を使用する場合、酸触媒による自己触媒配位子分解を回避するために
プロセスから配位子分解生成物を取り除く手段を用いることが好ましい。これらの分解生
成物を制御及び/または除去するために抽出器、アミン添加剤、エポキシド、及び他の手
段を使用することが知られている。例えば、米国特許第5,741,942号、同第5,
741,944号、日本特許第3864668号、米国特許第5,648,554号、同
第5,731,473号、同第5,744,649号、同第5,789,625号、同第
6,846,960号、及び同第6,995,292号を参照されたい。これらの分解生
成物制御手段は、触媒再循環流に有利に実施され、蒸発器の後の再循環流が分割される前
後に位置することができる。
本発明のプロセスは、少なくとも2つの反応器トレーンを用い、これらのそれぞれは、
トレーンの第1の反応領域への独自のオレフィン供給流を有し、各供給流は、互いに同一
であってもよく、または異なってもよい。本発明の目的のために、用語「反応器トレーン
」とは、液体流出物の少なくとも一部を、生成物−触媒分離領域に供給する、少なくとも
1つの反応器を備える装置系を意味する。反応器トレーンは、並列、直列、またはその両
方で配置される複数の反応器を有し得る。本発明の一実施形態において、プロセスは、2
つの反応器トレーンを用いる。好ましくは、トレーンは、並列で操作されるが、他の操作
モードも可能である。簡潔さの目的で、本明細書に後述されるプロセスは、2つの反応器
トレーンを有するシステムを指す。用語「第1の反応器」は、第1の反応器トレーン内の
第1の反応器を指す。用語「並列に」とは、図5、6、及び8に示されるもの等の構成を
含むことが意図される。
各反応器容器は、例えば米国特許第5,728,893号に記載される、単一反応領域
または多重反応領域を備えてもよい。本発明の種々の実施形態において、2つまたは3つ
の反応領域が、単一の反応器容器内に存在する。
各オレフィン供給流は、そのそれぞれのトレーンにおいてヒドロホルミル化に供される
。第1の反応器トレーンは、構造によって、例えば、エチレン>プロピレン>1−オレフ
ィン>2−オレフィン、または濃度のいずれかによって、より反応性の高いオレフィン供
給物を有することにより特徴付けられ、不活性なものはより低い反応性となる。「反応性
」は、生成物のkg−モル/時間/ロジウムのkg−モル、またはkJ/時間/反応容器
体積リットルとして定義され得る。相当な反応熱を発生させる、高度に反応性の供給物は
、あまり反応性でない供給物よりも厳密に制御しなければならない。
反応器トレーンまたは反応器内では、反応領域が直列または並列に配置され得る。ヒド
ロホルミル化プロセスは、細長い管状の領域または一連のそのような領域において行うこ
とができる。
単一トレーンのヒドロホルミル化設計の例は、欧州特許第1 008 580号、米国
特許第5,105,018号、同第7,615,645号、同第7,329,783号、
及び中国特許第101293818号に開示されている。一実施形態において、ヒドロホ
ルミル化プロセスは、例えば、米国特許第5,728,893号に記載されるような、多
重領域反応器または多段階反応器において行われ得る。そのような多段階反応器は、容器
1つ当たり2つ以上の反応領域または理論的反応段階を形成する内部の物理的バリアを備
えるように設計することができる。実際に、単一の連続撹拌式槽型反応器容器の内部には
多数の反応器領域が含まれる。複数の反応領域を単一の容器に入れることは、反応器容器
の容量のコスト効率の良い使用方法であり、通常なら同じ結果を実現するのに必要となる
はずの容器の数を大幅に低減させる。容器をより少なくすることにより、必要とされる全
体的な資本が減少し、別個の容器及び撹拌器を有することに関連したメンテナンス問題が
減少する。
ヒドロホルミル化プロセスは、1つ以上の好適な反応器タイプ、例えば、管型反応器、
バブルカラム反応器、または連続撹拌式槽型反応器(CSTR)等を用いて行うことがで
きる。反応領域は、温度変動を制御するため及び起こり得るあらゆる「制御不能の」反応
温度を防ぐために、1つ以上の内部及び/または外部熱交換器を備えていてもよい。
当業者はプロセス装置に好適な構成材料を容易に選択することができる。用いられる材
料は、出発物質及び反応混合物に対して実質的に不活性であるべきであり、プロセス装置
は、反応温度及び圧力に耐えることができなければならない。例えば、ヒドロホルミル化
プロセスは、ガラスライニング、ステンレス鋼、または類似のタイプの反応装置において
行うことができる。
反応の過程で、バッチ式、半連続式、または連続方式で反応領域へ導入される出発物質
または原料を導入する、及び/またはその量を調節する手段を、プロセスで都合よく用い
ることができ、このような手段は出発物質の所望されるモル比を維持するために有用であ
る。反応ステップは、出発物質のうち1つを残りに漸増的に添加することにより行うこと
ができる。
本発明のヒドロホルミル化プロセスは、各トレーン内の1つ以上の領域または段階にお
いて行うことができる。当業者には既知のように、反応領域または段階の数を含む、反応
トレーンの正確な構成は、資本と、高い触媒選択性、活性、寿命、及び操作の容易さ、な
らびに問題となる出発物質の本質的な反応性、出発物質及び所望される反応生成物(複数
可)の各トレーン内での反応条件に対する安定性との間の最良の妥協点によって決まるこ
とになる。
一実施形態において、一方のトレーンからの1つ以上の流出流が、他方の反応器トレー
ンに供給される。例えば、追加の反応器トレーンからの流出流は、第1の反応器トレーン
の第2の反応領域に添加されてもよく、結果として、両方のトレーンにおける反応の大半
が既に発生済みとなる。第1の反応領域の後の反応温度及びN:I比の厳密な制御の必要
性は、あまり重要ではなく、少量の残りのオレフィン(複数可)の転化の改善が、主な問
題である。実際には、この構成は、第1の反応領域の後の反応領域を、他方の反応器トレ
ーンの「研磨」反応領域として用いる。このフロースキームでは、トレーンの流出物が生
成物−触媒分離領域の上流のトレーンのうちの1つにおいてある程度混合されると言って
も、共通の生成物−触媒分離領域が、両方のトレーンからの出力を処理している。この構
成の実施形態を、図5、6、及び8に示す。
本発明の一実施形態において、第1の反応器中の触媒金属濃度は、当業者に周知の方法
に従って、間接的に測定される。例えば、アルデヒド重質物、配位子、配位子分解生成物
(酸化物等)、またはロジウムに相関する他のマーカーの相対濃度は、ガスクロマトグラ
フィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、UV−VisまたはIR分光法、及
び他の周知の技法によって分析することができる。触媒金属濃度が高過ぎるかまたは低過
ぎる場合、第1の反応器トレーンにおける触媒金属濃度に所望の変化をもたらすために、
蒸発器からの全触媒再循環質量の割合を、それぞれ下げるかまたは上げることができる。
第1の反応器中の触媒金属の濃度は、(a)第1の反応器に供給される未使用のオレフ
ィンと、(b)全ての反応器トレーンに供給される未使用のオレフィンの合計量との質量
比に相関し得る。この比に基づいて、第1の反応器中の金属濃度は、反応器トレーンに供
給される触媒再循環流の質量比を変化させることによって制御される。関連する流量は、
質量流量計を使用して測定することができる。あるいは、触媒再循環流の質量比は、直接
測定してもよい。
エチレン及びプロピレンのヒドロホルミル化反応速度論は、高級オレフィンの速度論よ
りも、動力学的変数の変化に対してより応答性である。したがって、1つの好ましい制御
スキームは、第1の反応器トレーンの触媒金属濃度を制御し、第2の反応トレーンの触媒
金属濃度が変化または「変動」することを可能にするであろう。当業者に既知の手段によ
り制御することができる第2の反応器トレーンの温度は、所望される場合、第2の反応器
トレーンの設計触媒金属濃度よりも高いことによる任意の作用を補正するように低減する
ことができる。
反応器中のオレフィン分圧をモニタすることによって、反応器中の触媒金属の濃度を制
御することができる。所与の温度及びCO分圧では、オレフィン分圧は、一般に、触媒金
属含有量の関数であり、よって、オレフィン分圧が所望範囲外である場合、オレフィン分
圧を既知の触媒反応速度論に基づいて所望範囲内に保つように触媒再循環流を調節するこ
とができる。この「推定制御」には、市販のモニタリングシステムを用いることができる
一実施形態において、特に第1の反応器におけるさらなる温度制御のために、米国特許
第4,593,127号に記載されるように、H分圧を化学量論要件よりも大幅に低く
保つことが好ましい。これは、Hの供給がすぐに消費され、反応が停止することになる
ため、「制御不能の」反応を停止させるための本質的なブレーキとして機能する。必要と
されるHは、反応に利用可能なオレフィンが少ないために制御不能の反応の可能性があ
まりない下流の反応器に添加することができる。
ヒドロホルミル化の生成物は、不斉、非不斉、またはそれらの組み合わせであり得、好
ましい生成物は非不斉である。プロセスは、任意のバッチ、連続、または半連続様式で行
うことができ、任意の所望される触媒液循環操作を伴い得る。一般に、連続的にヒドロホ
ルミル化プロセスを実施することが好ましい。連続的なヒドロホルミル化プロセスは、当
技術分野において周知である。
各反応器トレーン内でのヒドロホルミル化プロセスの反応条件は、光学活性及び/また
は非光学活性アルデヒドを生成するのにこれまで用いられたあらゆる好適なタイプのヒド
ロホルミル化条件を含んでもよい。例えば、ヒドロホルミル化プロセスの水素、一酸化炭
素、及びオレフィン出発化合物の全ガス圧は、100〜69,000kPaの範囲であっ
てもよい。しかしながら、一般には、プロセスは、14,000kPa未満、より好まし
くは3,400kPa未満の水素、一酸化炭素、及びオレフィン出発化合物の全ガス圧で
操作されるのが好ましい。最小全圧は、主に、所望の反応速度を得るのに必要な反応物質
の量により限定される。より具体的には、ヒドロホルミル化プロセスにおける一酸化炭素
の分圧は、好ましくは1〜6,900kPa、より好ましくは21〜5,500kPaで
あり、一方で水素の分圧は、好ましくは34〜3,400kPa、より好ましくは69〜
2,100kPaである。一般に、水素ガスと一酸化炭素とのモル比(H:CO)は、
1:10〜100:1以上であり得、より好ましい水素と一酸化炭素とのモル比は、1:
10〜10:1の範囲である。
一般に、ヒドロホルミル化プロセスは、任意の操作可能な反応温度で行うことができる
。有利なことに、ヒドロホルミル化プロセスは、−25℃〜200℃の反応温度で行われ
る。一般に、全てのタイプのオレフィン出発物質に対して、50℃〜120℃のヒドロホ
ルミル化反応温度が好ましい。当業者には既知のように、用いられるヒドロホルミル化反
応条件は、所望されるアルデヒド生成物のタイプにより決定される。
直鎖アルデヒド異性体と分岐アルデヒド異性体との生成物のN:I比は、通常は配位子
とロジウムとの比として定義される配位子の同一性及び濃度、温度、ならびにCO及びH
の分圧を含む、多数の要因に依存することが周知である。N:I比を制御するための既
知の方法を、本発明のプロセスに用いることができる。例えば、各トレーンは、異なるR
h濃度、CO及びHの分圧、ならびに温度を有してもよい。両方のトレーンが同じオレ
フィンを用いるか、または反応性がほぼ等しい2つのオレフィンを用いる場合、これらの
パラメータの変動により、生成物のN:Iも同様に変動させることができる。
一実施形態において、2つのトレーンの温度ならびにCO及びH分圧は、各トレーン
内での各オレフィンの転化及びN:I比を最適化するように、同じかまたは異なってもよ
い。加えて、各トレーン内の異なる反応器中の温度及び分圧は、各オレフィンの最適な条
件に応じて別個に最適化することができる。各反応器トレーン内で、CO及びHの分圧
は、触媒再循環率及びロジウム濃度の変化をもたらし得るロジウム温度及び滞留時間の変
化を調節するために、独立して最適化及び変更することができる。これにより、反応器の
安定性及び生成物のN:I比の制御の改善が可能となる。
一実施形態において、1つのトレーンは、米国特許第7,615,645号に教示され
るような「異性化条件」下で作動させてもよい。これらの条件は、所望される生成物混合
物に応じて、一方のオレフィン供給には望ましいが、他方には望ましくない場合がある。
さらに別の実施形態において、別個のトレーンへの供給量が変化すると、各トレーン内
での滞留時間が変化することになり、したがって、各トレーン内での反応器温度(複数可
)を、他方のトレーンに影響を及ぼすことなくさらに最適化することができる。例えば、
第1のトレーンへの供給量が減少すると、第1の反応器トレーン内での滞留時間が増加す
ることになる。転化率が既に100%に近い場合、このより長い滞留時間は生成には寄与
せず、配位子分解及び重質物の形成をより高くする一因となるだけである。したがって、
有意なオレフィン転化率を損なうことなく、反応器温度を低下させて、これらの損失を低
減させてもよい。
反応速度は、様々な要素の中でも、温度と触媒濃度との関数であることは周知である。
転化率は、主に、各反応器トレーン中の反応質量の温度及び触媒の濃度を制御することに
よって制御される。一実施形態において、第1の反応器トレーン中の触媒の濃度を制御す
るために、触媒再循環流のうちの少なくとも1つの流量が制御される。本発明の一実施形
態において、この制御は、第1の反応器トレーンに対する所望の触媒金属濃度を設定する
ことによって実行される。本発明の一実施形態において、第1の反応器中の触媒金属濃度
は、分析法により直接測定され、これは、オンラインまたはオフラインで行われ得る。直
接的な分析法の例としては、誘導結合プラズマ質量分析法、原子吸光分析法(atomi
c absorption spectrosocopy)、HPLC、及びX線蛍光が
挙げられる。
所与の温度では、その他全てが等しい場合、ヒドロホルミル化反応速度は、触媒金属濃
度に正比例する。各反応器トレーンの触媒金属濃度は、各再循環流の質量流量及び触媒金
属濃度に関連する。このように、ヒドロホルミル化反応速度は、再循環流における再循環
質量流量と触媒金属触媒濃度との関数である。
本発明のプロセスは、共通の生成物−触媒分離領域を用いる、すなわち、各反応器トレ
ーンからの流出物の少なくとも一部分が、直接的または間接的に、共有の生成物−触媒分
離領域に送られ、そこで流出物が、主に生成物を含む流れと、溶液中に相対的に多くの触
媒を含む流れ、すなわち触媒再循環流とに分離される。生成物流は、有利なことに、さら
なる処理、例えば、精製に送られる。触媒再循環流は、直接的または間接的に反応器トレ
ーンに再循環して戻される。本発明の一実施形態において、触媒再循環流は、分離領域を
出て、直接的に反応器トレーン間で分割される。本発明の目的のために、用語「生成物−
触媒分離領域」とは、生成物と触媒溶液との混合物からアルデヒド生成物の実質的な部分
を分離させるためのあらゆる手段を意味する。有利なことに、プロセスから除去される全
生成物の90%超、より好ましくは95%超が、生成物−触媒分離領域において触媒から
分離されるが、比較的少量の生成物が、例えばベントノックアウトポット等の他の装置に
よって収集されてもよい。
生成物−触媒分離の1つの好ましい従来的な方法は、必要に応じて常圧、減圧、または
高圧下での1つ以上の段階における、蒸留、好ましくは、流下薄膜型蒸留器におけるもの
であり、非揮発性金属触媒含有残留物は反応器トレーンに再循環される。例えば、単一ト
レーンの分離及び触媒再循環は、米国特許第5,288,918号に示されており、そこ
で用いられる分離技法を本発明のプロセスで用いてもよい。
好ましくは、第1の反応器トレーンからの流出物は、直接的または間接的に蒸留器に供
給される。同様に、本発明の一実施形態において、第2の反応器トレーンからの流出物は
、同じ蒸留器に、例えば図1、5、及び7に示されるように直接供給されるか、または例
えば図6及び8に示されるように間接的に供給される。共通の蒸発器からの蒸発していな
い液体流出物は、第1及び第2の反応器トレーンに分割され、再循環される。蒸発器から
の蒸気流出生成物流は、例えば、それを精製ステップに送ることといった、従来的な手段
で処理してもよい。
共通の蒸発器は、例えば、中国特許第102826969号に示されるように、高圧及
び低圧蒸発器等、複数の蒸発ユニットを直列に備え得る。例えば、各トレーンは、専用の
高圧蒸発器を有してもよく、高圧蒸発器からのそれぞれの非揮発性流は、共通の低圧蒸発
器に供給される。これにより、加圧された軽質物、例えば、プロピレンまたはブタンが、
高圧蒸発器から各トレーンに再循環することが可能となり、最終的な生成物−触媒分離は
、共通の低圧蒸発器で行われる。いずれの場合であっても、共通の最終触媒再循環流は、
蒸発器でか、またはその後で分割され、反応器トレーンに送り戻される。
上述のように、所望されるアルデヒドを、反応混合物から回収することができる。例え
ば、米国特許第4,166,773号、同第4,148,830号、及び同第4,247
,486号に開示される回収技法を用いることができる。連続的液体触媒再循環プロセス
では、反応器トレーンから取り出されたアルデヒド生成物、触媒等を含有する液体反応混
合物の一部分、すなわち、反応流体を、生成物−触媒分離領域、例えば、蒸発器/分離器
に通過させてもよく、ここで、所望されるアルデヒド生成物が、常圧、減圧、または高圧
下で1つ以上の段階で蒸留によって液体反応流体から分離された後、生成物受容器で凝縮
及び収集され、所望される場合はさらに精製または浄化され得る。残りの非揮発性触媒含
有液体反応混合物を反応器トレーンに再循環させてもよく、同様に、任意の他の揮発性材
料、例えば、未反応オレフィンを、任意の水素及び一酸化炭素と一緒に、凝縮アルデヒド
生成物から分離させた後に再循環させてもよい。一般に、有機リン配位子及び反応生成物
の起こり得る分解を避けるために、所望のアルデヒドを減圧下及び低温で触媒含有反応混
合物から分離することが好ましい。
より具体的には、金属−有機リン錯体触媒含有反応流体からの所望のアルデヒド生成物
の蒸留は、所望される任意の好適な温度で行うことができる。一般に、このような蒸留は
、比較的低温、例えば、150℃未満、より好ましくは50℃〜140℃の範囲の温度で
行われるのが好ましい。通常、このようなアルデヒド蒸留は、低沸点アルデヒド、例えば
〜Cが含まれる場合は、ヒドロホルミル化中に用いられる全ガス圧より低い全ガス
圧下で、または高沸点アルデヒド、例えばC以上が含まれる場合は、真空下で行われる
ことが好ましい。一般に、真空から最大で340kPa(49.3psia)の全ガス圧
までの範囲の蒸留圧力が、ほとんどの目的に対して十分である。
液体媒体中に溶解した未反応ガスの実質的な部分を揮発させるために、生成物−触媒分
離領域の前に、ヒドロホルミル化反応器から取り出された液体反応生成物媒体を脱気する
ことが、慣習となっている。所望される場合、これらの未反応ガスは、再循環させてもよ
い。
別個の蒸発器と比較して、共通の蒸発器を使用する1つの驚くべき利点は、第1の反応
器トレーン中のオレフィンが、他の反応器トレーンのオレフィンよりも軽質である場合に
、高流量の軽質成分の存在(第1の反応器トレーンから)が、蒸発器から出た第2のトレ
ーンで生成された高分子量の成分、特に、自然な副反応として形成されるアルドール重質
物を「除去(strip)」することを補助するように機能することである。これにより
、蒸発をより低い平均温度で実行し、それによって重質物の形成及び配位子の分解を低減
させることが可能となる。米国特許第4,148,830号に記載されているこれらの重
質物は、時間とともに増大し、触媒の寿命を制限する可能性がある。蒸発器の操作条件、
特に温度は、好ましくは、配位子分解を回避するか、または最小化するように制御される
。配位子分解は、国際公開第2010/003073号に詳述されている。
一実施形態において、各反応トレーンに送られる触媒再循環流は、国際公開第2011
/087690号に教示されるように、各トレーン内でのN:I比を制御するために、各
トレーン内の2つ以上の異なる反応器間で分割してもよい。これにより、高温でも触媒の
平均滞留時間が減少し、その結果、重質物の形成及び配位子の分解も減少する。
再循環手順は、一般に、ヒドロホルミル化反応器トレーンのうちの少なくとも1つから
触媒及びアルデヒド生成物を含有する液体反応媒体の一部分を連続的または断続的のいず
れかで取り出し、生成物−触媒分離領域を使用してそこからアルデヒド生成物を回収する
ことを伴う。典型的には揮発性材料の縮合、ならびにその分離及び例えば蒸留によるその
さらなる精製によって取り出されたアルデヒド生成物の収集は、任意の従来的な方法で行
うことができ、粗アルデヒド生成物は、所望される場合、さらなる精製及び異性体分離へ
と送ってもよく、任意の回収された反応物質、例えばオレフィン出発物質及びシンガスは
、任意の所望の方法でヒドロホルミル化領域(反応器)へ再循環させてもよい。アルデヒ
ド生成物を、多段階蒸留を含む蒸留によって精製して、未反応材料を取り除き、精製生成
物を回収することができる。回収された未反応反応物質は、場合によっては、後続の処理
ありまたはなしのいずれかで、反応系への再循環のために濃縮されてもよい。そのような
分離により回収された非揮発性金属触媒含有残留物は、所望される任意の従来的な方法で
、ヒドロホルミル化反応器トレーンのうちの1つ以上に再循環させることができる。
様々な種類の再循環手順は、当技術分野において既知であり、例えば米国特許第4,1
48,830号に開示される、所望されるアルデヒド反応生成物(複数可)から分離され
た金属−有機リン錯体触媒流体の液体再循環を伴い得る。連続的液体触媒再循環プロセス
が好ましい。好適な液体触媒再循環手順の例は、米国特許第4,668,651号、同第
4,774,361号、同第5,102,505号、及び同第5,110,990号に開
示されている。
結果として得られる生成物流は、従来的な手段によって処理することができる。例えば
、アルデヒド生成物を分離し、水素化またはアルドール化/水素化によって別個に処理し
てアルコールにすることができる。あるいは、アルデヒド生成物は分離するのではなく、
一緒に処理する。例えば、アルデヒド混合物を水素化してもよく、個々のアルコールを水
素化の後に分離してもよい。別の可能性としては、アルドール化/水素化によりアルコー
ルと高級アルコールとの混合物にした後、蒸留によって個々のアルコールを単離すること
を伴う。このような多重処理スキームの例は、国際公開第2012/008717号に記
載されている。
上述の抽出器を使用することにより種々のレベルの水を触媒再循環流に導入することが
でき、それによって反応器トレーンに導入することができる。国際公開特許第2012/
064586号及び特開2006/306815号公報に教示されるように、ヒドロホル
ミル化反応器中の水の存在は、反応器の付着物を軽減するために重要となり得る。この水
の主な供給源は抽出器からであり、水を取り除く主な手段は蒸発器によってである。触媒
再循環率の変化は各トレーンに送出される水量を必然的に変化させ、水を各トレーンに独
立して添加する補助手段を有することが望ましい場合がある。あるいは、米国特許第7,
262,330号に教示されるように、配位子の加水分解を軽減するために1つのトレー
ンを「ドライ」に保つことが望ましい場合がある。このように、より耐性の高いトレーン
から分解酸を取り除くために、1つの触媒再循環流を処理するだけが望ましい場合がある
。用いる場合、抽出プロセスは、単一の容器を含んでもよく、または2つ以上の慎重な容
器を含んでもよい。
本発明のヒドロホルミル化プロセスは、所望される場合、消費されなかった触媒及び非
触媒出発物質の再循環を伴って行われ得る。完全な転化が所望されないか、または得られ
ない場合、出発物質は、例えば蒸留によって生成物から分離され、次いで、出発物質は反
応領域に再循環し戻され得る。
例示的な非光学活性アルデヒド生成物としては、例えば、プロピオンアルデヒド、n−
ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−メチル1−ブチ
ルアルデヒド、ヘキサナール、ヒドロキシヘキサナール、2−メチルバレルアルデヒド、
ヘプタナール、2−メチル1−ヘキサナール、オクタナール、2−メチル1−ヘプタナー
ル、ノナナール、2−メチル−1−オクタナール、2−エチル1−ヘプタナール、3−プ
ロピル1−ヘキサナール、デカナール、アジプアルデヒド、2−メチルグルタルアルデヒ
ド、2−メチルアジプアルデヒド、3−メチルアジプアルデヒド、3−ヒドロキシプロピ
オンアルデヒド、6−ヒドロキシヘキサナール、アルケナール、例えば、2−、3−、及
び4−ペンテナール、アルキル5−ホルミルバレラート、2−メチル−1−ノナナール、
ウンデカナール、2−メチル1−デカナール、ドデカナール、2−メチル1−ウンデカナ
ール、トリデカナール、2−メチル1−トリデカナール、2−エチル、1−ドデカナール
、3−プロピル−1−ウンデカナール、ペンタデカナール、2−メチル−1−テトラデカ
ナール、ヘキサデカナール、2−メチル−1−ペンタデカナール、ヘプタデカナール、2
−メチル−1−ヘキサデカナール、オクタデカナール、2−メチル−1−ヘプタデカナー
ル、ナノデカナール、2−メチル−1−オクタデカナール、2−エチル1−ヘプタデカナ
ール、3−プロピル−1−ヘキサデカナール、エイコサナール、2−メチル−1−ノナデ
カナール、ヘンエイコサナール、2−メチル−1−エイコサナール、トリコサナール、シ
クロヘキサン−ジアルデヒド、2−メチル−1−ドコサナール、テトラコサナール、2−
メチル−1−トリコサナール、ペンタコサナール、2−メチル−1−テトラコサナール、
2−エチル1−トリコサナール、3−プロピル−1−ドコサナール、ヘプタコサナール、
2−メチル−1−オクタコサナール、ノナコサナール、2−メチル−1−オクタコサナー
ル、ヘントリアコンタナール、2−メチル−1−トリアコンタナール等が挙げられる。
例示的な光学活性アルデヒド生成物の例としては、本発明の不斉ヒドロホルミル化プロ
セスにより調製された(エナンチオマー)アルデヒド化合物、例えば、S−2−(p−イ
ソブチルフェニル)−プロピオンアルデヒド、S−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)
プロピオンアルデヒド、S−2−(3−ベンゾイルフェニル)−プロピオンアルデヒド、
S−2−(p−チエノイルフェニル)プロピオンアルデヒド、S−2−(3−フルオロ−
4−フェニル)フェニルプロピオンアルデヒド、S−2−[4−(1,3−ジヒドロ−1
−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)フェニル]プロピオンアルデヒド、S−2
−(2−メチルアセトアルデヒド)−5−ベンゾイルチオフェン等が挙げられる。
プロセスの種々の実施形態を図1及び5〜8に示す。
図1において、プロピレン(1)及びシンガス(2)が、反応器(3)で表される第1
のトレーンに供給される。Cラフィネート(4)及びシンガス(5)が、反応器(6)
で表される第2のトレーンに供給される。反応器(3)及び(4)からの流出物は、生成
物−触媒分離領域(7)に供給され、ここで生成物(流れ(8))が触媒再循環(流れ(
9))から分離される。(流れ(8))は、コンデンサ(10)によって凝縮されて、混
合アルデヒド(11)が得られ、これが、次いで、蒸留等の従来的な手段により分離され
る。軽質物(12)は、適宜パージまたは再循環され得る。各反応器トレーンは、任意の
排出流(13)を有してもよく、各排気の一部分は所望される場合再循環され得る。触媒
、過剰量の配位子、溶媒(通常、アルデヒド重質物)、残留アルデヒド生成物、及び未反
応反応物質を含む再循環(流れ(9))は、(流れ(14)及び(15))を介して2つ
の反応器トレーンに戻される。
図5を参照すると、一方のトレーン内の1つ以上の反応器からの排出流(流れ(13a
))の少なくとも一部分が、ライン(18)を介して他方のトレーンの反応器のうちの1
つ以上に供給され得る。好ましくは、第2のトレーンの最後の反応器からの排出流(流れ
(18))が、第1の反応器トレーンに、最も好ましくは、第1のトレーンの最後の反応
器(3b)に送られる。排出ライン(13a)は、凝縮可能な化合物、例えば、アルデヒ
ド生成物を収集するためのノックアウトポットを有してもよく、非縮合オレフィン及びシ
ンガスは、ライン(18)を介して他のトレーンに送られる。
図6を参照すると、一方のトレーンからの1つ以上の反応器からの液体出力(流れ(1
7))の少なくとも一部分が、ライン(19)を介して他方のトレーンの反応器のうちの
1つ以上に供給され得る。好ましくは、第2のトレーンの最後の反応器(6)からの出力
が、ライン(19)を介して第1の反応器トレーンに、最も好ましくは、第1のトレーン
の最後の反応器に送られる。結果として得られる、両方のトレーンからの出力を含む第1
のトレーンの最後の反応器からの合わさった出力(16)は、次いで、共通の生成物−触
媒分離領域(7)へと送られる。ライン(20)は、流れのバランスを取るために使用さ
れてもよく、または第1のトレーンが利用可能でない場合、もしくはいずれかのトレーン
が低下した量で動作している場合に使用することができる。
図7を参照すると、触媒再循環(流れ(14))の一部分は、1つのトレーン内で複数
の反応器間に分割される。一部分(流れ(14))は、ライン(21)を介して後続の反
応器(3b)へと送られる。本発明の一実施形態において、第1の反応器(3a)または
後続の反応器(3b)のいずれかにおけるロジウム濃度が制御される。好ましくは、第1
のトレーンの第1の反応器(3a)におけるロジウム濃度が制御され、第1のトレーンの
下流の反応器(3b)では変動することが可能となる。好ましくは、第1のトレーンの最
後の反応器(3b)における全体的なロジウム濃度もまた、例えば、(流れ(16))に
おいてモニタされて、(流れ(14))と(流れ(15))の分割比、すなわち触媒分割
比が決定される。国際公開第2011/087690号に教示されるように、(流れ(2
1))の流量を使用して第1のトレーンの反応器内のロジウム濃度を制御して、N:I比
を制御してもよい。
図8において、2つのトレーンは、実質的に並列の方式で操作される。第1のトレーン
の触媒供給は、少なくとも部分的に、分離領域からだけではなく第2のトレーンからの出
力の一部分(流れ(19))によって供給される。触媒再循環は、実質的に全てがライン
(9)を介して第2のトレーンに送られる。このスキームは、第1のトレーンのロジウム
要件が第2のトレーンのものよりも実質的に低い場合に用いることができる。例えば、第
2のトレーンが300ppmのRhで動作し、第1のトレーンが100ppmで動作する
場合、(流れ(17))における出力濃度は、第1のトレーンに必要とされる触媒を供給
するのには十分すぎる。第1のトレーンのロジウム濃度は、図1の(流れ(14)と(1
5)との)比ではなく、(流れ(19)と(22)との)比によって制御される。両方の
トレーンからの合わさった出力(流れ(16)及び(22))は、次いで、同じ分離領域
(7)に供給される。場合によっては、第2のトレーンがダウンしている場合、またはい
ずれかのトレーンが低下した生成率で動作している場合に、操作を可能にするために、ラ
イン(23)が使用されてもよい。
本発明の一実施形態において、(流れ(19))の流量は、図1の対応する(流れ(1
4))よりも高い。したがって、バルブの性能のわずかな変動が、第1のトレーンにおけ
るロジウム濃度のごくわずかな割合の変動をもたらすことになる。
本発明の特定の実施形態
以下の実施例における全ての部及び割合は、別途示されない限り、重量基準である。圧
力は、別途示されない限り、絶対圧力として提供される。
実施例1
ASPEN Plus Dynamics(商標)プロセスシミュレーションソフトウ
ェアを使用して、図1のプロセスのオキソ反応系プロセス制御モデルを展開する。触媒は
、米国特許第4,668,651号に記載されるような典型的なRh−ビスホスファイト
触媒であり、反応条件は、ブテン−1ではなくラフィネート流を用いたこと、プロピレン
トレーンの初期の標的ロジウム濃度が72ppm Rhであること、及びラフィネートト
レーンについてはロジウム濃度設計標的が260ppmロジウムであり、配位子:いずれ
のトレーンもRhの比が>1になることことを除き、プロピレンに関してはその特許の実
施例9のもの、ブテン−1に関してはその特許の実施例5のものである。これらは、2つ
の完全に別個のトレーンを有する従来的な設備で使用される効率的なレベルであり、各ト
レーンの設計率で高反応速度、高転化率、及び低配位子消費率をもたらす。
反応器制御系をモデリングする基準は、以下の通りである。
1)オキソ反応速度は、一定温度でロジウム濃度に正比例する。
2)各反応器トレーンのロジウム濃度は、各反応トレーンに供給される再循環触媒質量
流量と再循環ロジウム濃度との関数である。各反応器の液体容量は一定である。
3)再循環ロジウム濃度は、2つの触媒トレーンのオレフィン供給量と、各トレーンの
ロジウムの濃度、したがって、共通の蒸発器に供給されている各トレーンの出力の比率と
の関数である。
4)項目1及び2の効果を合わせると、オキソ反応速度は、再循環触媒供給量と再循環
触媒ロジウム濃度との関数である。
5)エチレン及びプロピレンのヒドロホルミル化反応速度論は、ラフィネート反応速度
論よりも動力学的変数の変化に応答性であるため、制御スキームは、プロピレン反応器の
ロジウム濃度を制御するように、また反応器(3)の温度を一定に保つように設計され、
ラフィネート反応トレーンにおけるロジウム濃度を必要に応じて変化させる。ラフィネー
ト反応器温度は、設計のロジウム濃度よりも高いものを補正するように下げることができ
る。
結果は、それぞれが専用の生成物−触媒分離領域を有する2つの並列トレーンを作動さ
せるプロセスのものに匹敵する転化率及び効率性を示す。再循環流の変化によって生じる
ロジウム濃度の変化に起因する温度の変化は、数時間程度と遅い。したがって、反応器の
温度制御は、内部冷却コイル、外部熱交換器、またはその両方といった、従来的な冷却技
法を用いて行われる。
本発明のプロセスにより、ロジウム濃度プロファイルの良好な制御が可能となる。これ
により、良好な原料効率、反応器温度の良好な制御、及び低い配位子使用量/コストがも
たらされる。
実施例2
一連のASPEN Plus Dynamics(商標)プロセスシミュレーションを
、実施例1のプロセスを用いて行って、商業的な操作において典型的に観察される反応器
の挙動に対するプロセス障害の影響を示す。これらは、いずれか一方の供給の低下を伴う
プロセス供給障害の流れは、以下の通りである。
・まず、プロピレン及びラフィネート供給流量を設計流量にする。
・4時間の時点で、ラフィネート供給流量を、6時間の勾配期間にわたって設計流量の
半分になるように減らし始める。
・10時間の時点で、ラフィネートの供給流を設計量の50%で維持する。
・40時間の時点で、ラフィネート供給流量を、6時間で設計量に戻るように増加させ
始める。
・46時間の時点で、ラフィネートを設計流量で維持する。
・75時間の時点で、プロピレン供給流量を、10時間かけて50%になるように勾配
をつけて減らし始める。
・85時間の時点で、プロピレン供給を設計流量の50%で維持する。
・103時間の時点で、プロピレン供給流量を、10時間の勾配で設計流量に戻し始め
る。
・113時間の時点で、プロピレン供給流量を、シミュレーション操作の完了まで設計
流量で維持する。
図2は、ロジウム濃度及び触媒分割比の経時的な変化を示し、これは、(流れ(14)
)の質量流量を蒸発器のテール流(流れ(9))の質量流量で除したものである。図2は
、上述のプロセス障害からのもたらされるロジウム濃度プロファイルを示す。反応器3及
び6への触媒質量流量は、初めは設計値で設定される。障害シーケンス全体を通じて、反
応器3への触媒流は、設計量で維持され、反応器6への流量は、材料のバランスによって
決定されるように変動し得る。本明細書に例示される供給流量の変化といった、反応系に
おいて生じるプロセスの変動に応答するように触媒再循環流量を調節するためのプロセス
制御は、存在していない。
点線は、初期の目標ロジウム濃度(72ppm)であり、実線は、反応器(3)におけ
る実際のロジウム濃度であり、破線は、触媒分割比である。反応器3への一定な設計再循
環触媒流量(流れ(14))で、触媒分割比は、蒸発器テールの流量変動に伴って変化す
る。一定の割合の合わさった反応器の流出物が、生成物として蒸発器(7)から取り出さ
れ、そのようにして、一定の割合の流出物が(流れ(9))へと進む。反応物質の供給量
の変化に伴い、流出物の流量が変化し、それに応じて(流れ(9))の流れが変化する。
各反応器トレーンからの蒸発器供給の割合が変化し、2つのトレーンが大幅に異なるロジ
ウム濃度で動作すると考えると、ロジウム濃度もまた変化する。これらの変化に伴い、反
応器(3)のロジウム濃度は、それに応じて、広範に変動する。図2が示すように、反応
器(3)のロジウム濃度は、−12ppm〜+30ppmの設計設定点で変動し、反応器
の性能の低下をもたらす。特に、プロピレン供給が変化しない20〜40時間の期間の間
に、ロジウム濃度は17%転化し、これにより、反応器の効率が相当な量で低下する。ラ
フィネートトレーンの障害は、プロピレントレーンに劇的な影響を有しており、これは、
驚くべきことである。したがって、プロピレン供給量が最低となる75〜113時間の間
では、プロピレントレーンのロジウム濃度は最高となり、ラフィネートトレーンと比較し
てそれが必要でない場合、効果的に、ロジウム濃度ラフィネート流では低下する。
実施例3
以下のように、異なる制御スキームを用いたことを除き、実施例2を繰り返す。
プロピレン反応器である反応器(3)を、一定の温度で維持し、触媒の再循環質量流量
(流れ(14))を所望のロジウム濃度を達成するように変化させる。制御スキームの目
的は、プロピレン反応器である、反応器(3)を一定の反応性で維持し、触媒の再循環質
量流量(流れ(14))を所望のロジウム濃度を達成するように変化させることである。
このアプローチは、全体的な材料のバランスならびにオキソ反応系の物理的体積及び幾何
に基づいて、制御変化が決定される反応器(3)のロジウム濃度を「推定」するためのも
のである。ロジウムの総貯蔵量は既知であり、固定であるため、各反応器トレーンの操作
における変化の影響を用いて性能を予測することができる。各反応トレーンの主な変数は
、オレフィン供給、すなわち、それぞれ、反応器(3)及び(6)のプロピレン及びラフ
ィネートである。
制御スキームは、反応器(3)に再循環される触媒供給(流れ(14))を設定するた
めに2つのフィードフォワードコントローラを組み込むことからなる。第1のコントロー
ラは、プロピレン供給測定を行い、それをゲイン係数で乗じ、設定バイアスを加えて、必
要とされる再循環触媒供給流量を計算する。これにより、プロピレン供給が測定された量
低下すると、触媒再循環供給流量が所定の比例量で低下することがもたらされる。第2の
コントローラは、ラフィネート供給流測定を行い、それを第2のゲイン係数で乗じ、バイ
アスを加えて、係数を計算し、それを第1のコントローラの結果に乗ずる。この乗数は、
ラフィネート供給が低下しているときに、プロピレン反応器へと進む再循環反応器流の量
を増加させる。このアルゴリズムの出力が、第1のプロピレン反応器(3)への再循環触
媒供給を制御するように、従来的なフィードバック型流れコントローラの設定点に送られ
る。
スキームの性能を図3に示す。ラフィネート供給が50%低下した後、設計流量まで回
復させることが示される。これに続いて、プロピレン供給が50%低下した後、設計量ま
で回復させる。コントローラ係数を、生成物形成の希釈効果に起因して、プロセスロジウ
ム濃度に対する供給量の主要な効果に基づいて計算した。二次/相互作用的効果が含まれ
ていた場合、反応器のロジウム変化はより少なくなったであろう。しかしながら、ロジウ
ム濃度を下げるためのプロピレン低下の効果は、より低い生成速度では必要となるロジウ
ムがより少ないため、有利であると見られる。
反応器(3)のロジウム濃度を、シミュレーションの前半では±4ppm以内で制御す
る。80時間後にプロピレン供給量を減らすことによるロジウム濃度の低下は、同じ転化
率を達成するのに必要とされるロジウムがより少ないため、有利である。これは、ロジウ
ムレベルが反応器(3)において高いレベルに増加し、また高いロジウムレベルに利点が
ない、実施例2とは対照的である。特に、約100%の転化の後では、ロジウムを追加す
ることから得られる利点がないことから、反応器(3)での長い接触時間により、より高
いロジウムレベルに対する必要性が排除される。103時間で、プロピレン供給が元の値
に徐々に戻り始め、反応器(3)におけるロジウム濃度は、元のロジウム濃度設定点に比
例的に増加して戻る。触媒分割比を制御することは、プロピレン供給に対する適正な反応
器(3)ロジウム濃度を維持するために重要である。これにより、最も感受性の高い反応
器トレーンで最良の性能が得られる。
実施例4
異なる制御スキームを用いたことを除き、実施例2を繰り返す。制御スキームは、反応
器(3)の液体排出口(流れ(16))のサンプルを取る、オンラインロジウム分析器を
用いる。この分析器により、反応器(3)において所望されるロジウム濃度を維持するよ
うに触媒再循環流(流れ(14))を調節するために使用されるロジウム濃度値が得られ
る。結果を図4に示す。
上の図4は、プロピレン及びラフィネートの供給量範囲についての必要とされる触媒分
割比を時間に対して示す。ロジウム分析器は、当業者に既知の方法に従って、手作業で研
究室分析により較正され、周期的に更新される、信頼性のあるオンストリームの分析器で
ある。図4は、ロジウム濃度を反応器(3)において±2ppm以内で制御することがで
きることを示す。ロジウム濃度は設計レベルで維持されるため、両方のトレーンが最適な
ロジウム濃度を有する。ロジウム濃度は反応器(3)では一定であるため、プロピレン供
給量が低下すれば滞留時間が長くなるため、所望される場合には、より低い反応温度をプ
ロピレントレーンに使用して、転化率を損なうことなく配位子の分解及びアルデヒド重質
物の形成率を低下させることができる。同様に、実際のオレフィン供給量に基づいて、必
要とされる反応速度を維持するために、ラフィネート反応トレーン(反応器6)の反応器
操作温度を下げてもよい。
これらの実施例は、別個のトレーンを使用する従来的なプロセスと比較して、本発明が
、典型的なプロセスの不調に応答することができると同時に、相当な性能で安定して実行
することができる。
本発明は、以下の利点を提供する。
1)ロジウム濃度が各反応トレーンにおいて最適化されるように、オレフィン供給量を
一致させるためにロジウムを1つの反応器から別のものに(数時間にわたって)移動させ
ることができる。この特徴はまた、開始時または新しいロジウム触媒充填が必要となった
ときにはいつでも有利であり、これは、1つのロジウム触媒濃度だけが触媒充填に必要と
されるからである。反応器トレーンの任意の所望されるロジウム濃度は、単純に、触媒を
反応器及び蒸発器に数時間循環させている間に、(流れ14と15の間での)再循環触媒
の分割を調節することによって、達成することができる。
2)本プロセスは、ロジウム濃度及び動作温度の良好な制御を可能にし、これにより配
位子の消費及び重質物の形成が最小化される。
3)各トレーン内でのCO及びHの分圧は、独立して、N:Iを最適化し、副反応、
例えば、オレフィンの水素化、配位子の分解を回避するように制御することができ、ここ
で、最適な条件は、各オレフィンで異なってもよい。
4)合わさった触媒再循環流は、別個であるが並列したトレーンで生じるであろう付着
物を軽減することを補助し得る、両方のトレーンからの残留成分を含有することになる。
例えば、第1のトレーンからのより軽質な残留成分は、第2のトレーンに付着する傾向に
ある材料に対してより良好な可溶性を表し、したがって、完全に別個のトレーンにおいて
生じるであろう操作上の問題を防ぐことができる。

本発明の例として以下のものが挙げられる。
[1] ヒドロホルミル化プロセスであって、
第1の反応器トレーンにおいて、少なくとも1つのアルデヒド生成物を形成するのに十
分なヒドロホルミル化条件のもと、反応流体中のヒドロホルミル化触媒の存在下で、CO
と、Hと、オレフィンを含む第1の供給流とを接触させることと、
少なくとも1つの追加の反応器トレーンにおいて、少なくとも1つのアルデヒド生成物
を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件のもと、反応流体中のヒドロホルミル化触媒
の存在下で、COと、Hと、オレフィンを含む少なくとも1つの追加の供給流とを接触
させることであって、前記追加の反応器トレーンは、前記第1のトレーンに並行して操作
されることと、
前記反応流体を含む流出流を各トレーンから取り除き、前記流出流を少なくとも2つの
反応器トレーンから共通の生成物−触媒分離領域に通過させることと、を含む、前記プロ
セス。
[2] 前記分離領域で分離を行って、生成物流と触媒を含有する液体再循環流とを生成す
ることと、前記再循環流を第1の再循環流と第2の再循環流とに分割することと、前記第
1の再循環流を少なくとも部分的に1つの反応トレーンに戻し、前記第2の再循環流を少
なくとも部分的に別の反応トレーンに戻すことと、をさらに含む、[1]に記載の前記プロ
セス。
[3] 前記液体再循環流の少なくとも一部分は、前記第2のトレーンに送られ、前記第2
のトレーンからの前記液体流出流は、少なくとも部分的に前記第1のトレーンに送られ、
少なくとも部分的に生成物−触媒分離領域に送られる、[2]に記載の前記プロセス。
[4] 前記共通の生成物−触媒分離領域での前記分離は、蒸発を含む、[1]〜[3]のいず
れかに記載の前記プロセス。
[5] 少なくとも一方のトレーンが少なくとも1つのプロセス流または流出流を生成し、
前記プロセス流または流出流の少なくとも一部が他方のトレーンの少なくとも1つの反応
器に追加される、[1]〜[4]のいずれかに記載の前記プロセス。
[6] 前記第2のトレーンは少なくとも1つの蒸気流を生成し、その少なくとも一部が、
前記第1のトレーンの少なくとも1つの反応器に送られる、[1]〜[5]のいずれかに記載
の前記プロセス。
[7] 前記第2のトレーンからの前記流出流は、前記第1のトレーンの前記第1の反応領
域の下流にある、前記第1のトレーン内の反応領域に送られる、[1]〜[6]のいずれかに
記載の前記プロセス。
[8] 前記第1の供給流中の前記オレフィンは、プロピレン、エチレン、及びそれらの混
合物からなる群から選択される、[1]〜[7]のいずれかに記載の前記プロセス。
[9] 前記第1の供給流中の前記組成物は、少なくとも1つの追加の供給流中の前記組成
物とは異なる、[1]〜[8]のいずれかに記載の前記プロセス。
[10] 前記第1の供給流中の前記オレフィンは、プロピレンを含み、前記第2の供給流
中の前記オレフィンは、ブタンを含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の前記プロセス。
[11] 各トレーンの少なくとも1つの反応領域の反応温度は、前記オレフィンの供給量
、オレフィンの濃度、及びそれぞれの関連領域の触媒金属の濃度の組み合わせに応じて制
御される、[1]〜[10]のいずれかに記載の前記プロセス。
[12] 各トレーン内の前記触媒の前記濃度は、いずれかのトレーンに対する前記オレフ
ィンの供給量の変化に応じて変化する、[1]〜[11]のいずれかに記載の前記プロセス。
[13] 前記触媒は、Rh、Co、Ir、Ru、Fe、Ni、Os、Pt、またはPdか
ら選択される触媒金属と、有機リン配位子とを含み、前記第1の反応器トレーン内の触媒
金属の濃度は、少なくとも1つの反応器内及び/または前記再循環流のうちの少なくとも
1つの触媒金属の濃度を測定し、少なくとも1つの再循環流の流量を制御することによっ
て、制御される、[1]〜[12]のいずれかに記載の前記プロセス。
[14] 前記触媒金属の濃度は、原子吸光、X線蛍光、もしくは誘導結合プラズマ質量分
析、ならびに/またはGC、UV−vis、及び/もしくはHPLCにより少なくとも1
つの再循環流においてロジウム金属濃度と相関する触媒の構成成分を測定することによっ
て、測定される、[13]に記載の前記プロセス。
[15] 前記第2の再循環流に対する前記第1の再循環流の量は、観察された反応器温度
、オレフィン及びCOの分圧、ならびに全圧に基づく推定手段によって、前記オレフィン
の分圧を所望の範囲内に制御するように決定される、[2]に記載の前記プロセス。

Claims (10)

  1. ヒドロホルミル化プロセスであって、
    第1の反応器トレーンにおいて、少なくとも1つのアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件のもと、反応流体中のヒドロホルミル化触媒の存在下で、COと、H2と、オレフィンを含む第1の供給流とを接触させることと、
    少なくとも1つの追加の反応器トレーンにおいて、少なくとも1つのアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件のもと、反応流体中のヒドロホルミル化触媒の存在下で、COと、H2と、オレフィンを含む少なくとも1つの追加の供給流とを接触させることであって、前記追加の反応器トレーンは、前記第1のトレーンに並行して操作されることと、
    前記反応流体を含む流出流を各トレーンから取り除き、前記流出流を少なくとも2つの反応器トレーンから共通の生成物−触媒分離領域に通過させることと、を含み、
    前記第1の供給流中の前記オレフィン組成は、少なくとも1つの追加の供給流中の前記オレフィン組成とは異なり、前記第1の反応器トレーンにおけるヒドロホルミル化条件が、前記少なくとも1つの追加の反応器トレーンにおけるヒドロホルミル化条件とは異なるものである、前記プロセス。
  2. 前記分離領域で分離を行って、生成物流と触媒を含有する液体再循環流とを生成することと、前記再循環流を第1の再循環流と第2の再循環流とに分割することと、前記第1の再循環流を少なくとも部分的に1つの反応トレーンに戻し、前記第2の再循環流を少なくとも部分的に別の反応トレーンに戻すことと、をさらに含む、請求項1に記載の前記プロセス。
  3. 前記液体再循環流の少なくとも一部分は、前記第2のトレーンに送られ、前記第2のトレーンからの前記液体流出流は、少なくとも部分的に前記第1のトレーンに送られ、少なくとも部分的に生成物−触媒分離領域に送られる、請求項2に記載の前記プロセス。
  4. 少なくとも一方のトレーンが少なくとも1つのプロセス流または流出流を生成し、前記プロセス流または流出流の少なくとも一部が他方のトレーンの少なくとも1つの反応器に追加される、請求項1〜3のいずれかに記載の前記プロセス。
  5. 前記第2のトレーンからの前記流出流は、前記第1のトレーンの前記第1の反応領域の下流にある、前記第1のトレーン内の反応領域に送られる、請求項1〜4のいずれかに記載の前記プロセス。
  6. 前記第1の反応器トレーン中の前記オレフィンは、前記少なくとも1つの追加の反応器トレーンの前記オレフィンよりも軽質であり、前記第1の供給流中の前記オレフィンは、プロピレン、エチレン、及びそれらの混合物からなる群から選択され、前記第2の流れの前記オレフィンは、ブテンを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の前記プロセス。
  7. 各トレーンの少なくとも1つの反応領域の反応温度は、前記オレフィンの供給量、オレフィンの濃度、及びそれぞれの関連領域の触媒金属の濃度の組み合わせに応じて制御される、請求項1〜6のいずれかに記載の前記プロセス。
  8. 各トレーン内の前記触媒の前記濃度は、いずれかのトレーンに対する前記オレフィンの供給量の変化に応じて変化する、請求項1〜7のいずれかに記載の前記プロセス。
  9. 前記触媒は、Rh、Co、Ir、Ru、Fe、Ni、Os、Pt、またはPdから選択される触媒金属と、有機リン配位子とを含み、前記第1の反応器トレーン内の触媒金属の濃度は、少なくとも1つの反応器内及び/または前記再循環流のうちの少なくとも1つの触媒金属の濃度を測定し、少なくとも1つの再循環流の流量を制御することによって、制御される、請求項1〜8のいずれかに記載の前記プロセス。
  10. 前記第2の再循環流に対する前記第1の再循環流の量は、観察された反応器温度、オレフィン及びCOの分圧、ならびに全圧に基づく推定手段によって、前記オレフィンの分圧を所望の範囲内に制御するように決定される、請求項2に記載の前記プロセス。
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