JP2020001243A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、実施例1における電子写真方式の画像形成装置の構成を示す概略断面図である。図1に示す画像形成装置は、スキャナ機能とプリンタ機能を備える複合機(MFP)であり、スキャナ部100、作像部103、定着部104、給紙/搬送部105、及びこれらを制御するプリンタ制御部(不図示)から構成される。スキャナ部100は、原稿台に置かれた原稿に照明を当てて原稿画像を光学的に読み取り、読み取った画像を電気信号に変換して画像データを作成する。
次に、感光ドラム102に露光を行う露光ヘッド106について、図2を参照して説明する。図2(a)は、露光ヘッド106と感光ドラム102との位置関係を示す斜視図であり、図2(b)は、露光ヘッド106の内部構成と、露光ヘッド106からの光束がロッドレンズアレイ203により感光ドラム102に集光される様子を説明する図である。図2(a)に示すように、露光ヘッド106は、矢印方向に回転する感光ドラム102の上部の、感光ドラム102に対向する位置に、取付け部材(不図示)によって画像形成装置に取り付けられている(図1)。
図3は、面発光素子アレイ素子群201を説明する図である。図3(a)は、駆動基板202の面発光素子アレイ素子群201が実装された面の構成を示す模式図であり、図3(b)は、駆動基板202の面発光素子アレイ素子群201が実装された面(第1面)とは反対側の面(第2面)の構成を示す模式図である。
図4は、画像データを処理し、露光ヘッド106の駆動基板202に出力する制御基板415と、制御基板415から入力された画像データに基づいて、感光ドラム102を露光する露光ヘッド106の駆動基板202の制御ブロック図である。駆動基板202については、図4に示す駆動部303aにより制御される面発光素子アレイチップ1〜15について説明する。なお、駆動部303b(図4には不図示)により制御される面発光素子アレイチップ16〜29も、駆動部303aにより制御される面発光素子アレイチップ1〜15と同様の動作を行う。また、説明を簡便にするために、ここでは1つの色の画像処理について説明するが、本実施例の画像形成装置では、同様の処理を4色同時に並列処理される。図4に示す制御基板415は、露光ヘッド106を制御する信号を駆動基板202に送信するためのコネクタ416を有している。コネクタ416からは、駆動基板202のコネクタ305に接続されたケーブル417、418、419を介して、それぞれ画像データ、後述するLine同期信号、制御基板415のCPU400からの制御信号が送信される。
制御部である制御基板415では、CPU400により、画像データの処理と印刷タイミングの処理が行われる。制御基板415は、画像データ生成部401、ラインデータシフト部402、解像度変換部403、画像調整部404、チップデータ変換部407、チップデータシフト部408、データ送信部409の機能ブロックを有している。更に、制御基板415は、画像調整値格納部405、同期信号生成部406の機能ブロックを有している。以下、制御基板415での画像データが処理される順に、各機能ブロックでの処理について説明する。
生成手段である画像データ生成部401は、スキャナ部100又は画像形成装置に接続された外部コンピュータから受信した入力画像データに対し、CPU400から指示された解像度でディザリング処理を行い、画像データを生成する。本実施例では、画像データ生成部401は、第2の解像度相当である2400dpiの解像度でディザリング処理を行うものとする。すなわち、画像データ生成部401が生成する画像データは、2400dpi相当の画素データである。本実施例の2400dpi相当の画素データは1ビットであるものとするが、複数ビットで1画素を表現しても良い。画像データ生成部401が生成する画素データは、副走査方向(感光ドラム102の回転方向でもあり、記録紙の搬送方向でもある)の2400dpi相当のラインに対応するラインデータである。そして、画像データ生成部401は、解像度が2400dpi相当の各画素に対応する画素データを当該画素の主走査方向(露光ヘッド106の長手方向)における位置と関連付けて生成される。
CPU400は、光学センサ113により検知された色ずれ量に基づいて、主走査方向、副走査方向の画像シフト量を2400dpi単位で各々決定する。画像シフト量は、例えば、光学センサ113による色ずれ検出用パターン画像の検知結果に基づいて算出される色間の相対的な色ずれ量に基づいて、CPU400によって決定される。そして、CPU400は、ずれ補正手段であるラインデータシフト部402に画像シフト量を指示する。ラインデータシフト部402では、CPU400から指示された画像シフト量を基に、記録紙1ページ内の画像領域全域に対して、画像データ生成部401から入力された画像データ(ラインデータともいう)を2400dpi単位でシフト処理を行う。シフト処理により、画像の形成位置の補正が行われる。なお、ラインデータシフト部402は、記録紙1ページ内の画像領域を複数に分割し、分割された複数の画像領域毎にシフト処理を実行するようにしても良い。
変換手段である解像度変換部403では、ラインデータシフト部402から出力された画像データに対して、主走査方向のフィルタ処理による補間処理を行い、主走査方向の解像度を2400dpiから1200dpiに変換する。図5は、解像度変換部403でのフィルタ処理の様子を説明する図である。図5において、D1〜D9は、面発光素子アレイチップの画像データ(2400dpiの入力データ)を示す。ここで、画像データD1〜D8は、該当の面発光素子アレイチップの画像データであり、画像データD9は、隣接する面発光素子アレイチップの最端部の画素データである。D1’〜D4’は、解像度変換部403のフィルタ処理を行った後の画像データ(1200dpiの出力データ)を示している。出力データの解像度(1200dpi)は、入力データの解像度(2400dpi)の2分の1であり、各画素の画像データの算出式は、以下の(式1)で表される。
Dn’=D(2×n−1)×K2+D(2×n)×K1+D(2×n+1)×K2・・・(式1)
発光量調整手段である画像調整部404は、画像調整値格納部405に格納された画像調整値に基づいて、画像情報である画像データの調整を行い、面発光素子の発光量補正を行う。詳細は後述する。記憶部である画像調整値格納部405は、画像調整部404で行われる画像処理の画像調整値を格納する。画像調整値の詳細は、後述する。
同期信号生成部406は、感光ドラム102の回転速度に同期した信号で、感光ドラム102の回転方向の1ライン分の周期信号(以下、Line同期信号という)を生成する。CPU400は、同期信号生成部406にLine同期信号の周期、すなわち予め定められた感光ドラム102の回転速度に対して、感光ドラム102表面が回転方向(副走査方向)に2400dpiの画素サイズ(約10.5μm)移動する時間を指示する。例えば、副走査方向に200mm/秒の速度で印刷する場合には、CPU400は、Line同期信号の周期(副走査方向1ライン分の周期)を約52.9μs(≒(25.4mm/2400ドット)/200mm)として、同期信号生成部406に指示する。画像形成装置が感光ドラム102の回転速度を検知する検知部を有している場合、CPU400は、検知部の検知結果(エンコーダが出力する信号の発生周期)に基づいて、副走査方向の感光ドラム102の回転速度を算出する。そして、CPU400は、当該算出結果に基づいてLine同期信号の周期を決定する。ここでの検知部は、例えば感光ドラムの回転軸に設置したエンコーダである。一方、画像形成装置が感光ドラム102の回転速度を検知する検知部を有していない場合、次のような情報に基づいて、感光ドラム102の回転速度を算出する。すなわち、CPU400は、ユーザが操作部から入力するシートの坪量(g/cm2)やシートサイズなどの紙の種類の情報に基づいて、Line同期信号の周期を決定する。
チップデータ変換部407は、Line同期信号に同期して、画像調整部404より、感光ドラム102の副走査方向の1ライン分ずつ、ラインデータの読み出しを行う。そして、チップデータ変換部407は、読み出したラインデータをチップ毎のラインデータに分割するデータ処理を実行する。
ずれ補正手段であるチップデータシフト部408は、次のような制御を行う。すなわち、CPU400から予め指示された面発光素子アレイチップ毎の副走査方向の画像シフト量に関するデータ(2400dpi単位)に基づいて、メモリ601〜629からのラインデータの相対的な読み出しタイミングを制御する。以下、チップデータシフト部408が実行する副走査方向の画像シフト処理について具体的に説明する。
送信手段であるデータ送信部409は、露光ヘッド106の駆動基板202に対して、上述した一連のラインデータに対するデータ処理を実行した後のラインデータを送信する。前述した図6(b)を参照して、画像データの送信タイミングについて説明する。図3(a)に示すように、面発光素子アレイチップのうち、奇数番目の面発光素子アレイチップ1、3、5、・・・29は、副走査方向の上流側に配置され、偶数番目の面発光素子アレイチップ2、4、6、・・・28は、副走査方向の下流側に配置されている。図6(b)に示すタイムチャートでは、奇数番目の面発光素子アレイチップ1、3、・・・29に対応するメモリ601、メモリ603、・・・メモリ629への画像データの書き込みは、最初のLine同期信号の期間(図中、TL1)で行われる。そして、次のLine同期信号の期間(図中、TL2)で、奇数番目の面発光素子アレイチップ1、・・・29に対応するメモリ601、・・・メモリ629から、副走査方向1ライン目のデータの読み出しが行われる。同様に、更に次のLine同期信号の期間では、奇数番目の面発光素子アレイチップ1、・・・29に対応するメモリ601、・・・メモリ629から、副走査方向2ライン目のデータの読み出しが行われる。そして、10番目のLine同期信号の期間(図中、TL10)で、奇数番目の面発光素子アレイチップ1、・・・29に対応するメモリ601、・・・メモリ629から、副走査方向9ライン目のデータの読み出しが行われる。また、偶数番目の面発光素子アレイチップ2に対応するメモリ602は、メモリ602への画像データの書き込みが行われた期間TL1から、Line同期信号9パルス後の期間(図中、TL10)で、メモリ602から画像データの読み出しが行われる。
次に、露光ヘッド106の駆動基板202に実装された駆動部303a内部の処理について説明する。駆動部303aは、データ受信部410、LUT411、PWM信号生成部412、タイミング制御部413、制御信号生成部422、駆動電圧生成部414、駆動電流設定部421の機能ブロックを有している。また、駆動基板202は、電流設定値格納部420、及び上述したメモリ424を有している。以下、駆動部303aでの画像データが処理される順に各機能ブロックの処理について説明する。
受信手段である駆動部303aのデータ受信部410は、制御基板415のデータ送信部409から送信された信号を受信する。ここで、データ受信部410、データ送信部409は、Line同期信号に同期して、ライン単位で画像データ(ラインデータ)を受信、送信するものとする。前述したように、チップデータ変換部407では面発光素子アレイチップ1〜29毎にラインデータの配列を行い、以降の処理ブロックは面発光素子アレイチップ1〜29のラインデータを並列処理する構成となっている。駆動部303aでは、面発光素子アレイチップ1〜15に対応した画像データを受信し、面発光素子アレイチップ毎に並列に処理可能な回路を有するものとする。
光量補正手段であるLUT411は、面発光素子アレイチップの発光素子に対応する画素毎の画像データ値(濃度データ値)をルックアップテーブル(Look Up Table)を用いて、光量値データへの変換を行う。LUT411では、面発光素子アレイチップの発光時間の応答特性より、パルス発光させたときの積算光量が所定の値となるように、画素毎のデータ値の変換を行う。例えば、面発光素子アレイチップの発光時間の応答が遅く、積算光量が目標値より小さい場合は、データ値が増えるようにデータ変換を行う。本実施例では、CPU400は画像形成を開始する前に、ルックアップテーブルに設定される変換テーブルの値を、実験的に得られた発光素子アレイチップの応答特性に基づいた所定の値に、設定するものとする。
続くPWM信号生成部412では、LUT411で調整された画素毎のデータ値に応じて面発光素子アレイチップが1画素区間内で発光する発光時間に対応したパルス幅信号(以下、PWM信号という)を生成する。PWM信号を出力するタイミングは、タイミング制御部413により制御される。タイミング制御部413は、制御基板415の同期信号生成部406で生成されたLine同期信号より、各画素の画素区間に対応した同期信号を生成し、PWM信号生成部412に出力する。駆動電圧生成部414は、PWM信号に同期して、面発光素子アレイチップを駆動する駆動電圧を生成する。なお、駆動電圧生成部414は、CPU400によって所定の光量となるように、出力信号の電圧レベルを5V中心に調整可能な構成とする。本実施例では、各面発光素子アレイチップは、同時に4つの発光素子を独立して駆動できる構成となっている。駆動電圧生成部414は、面発光素子アレイチップ1〜15毎に駆動信号4ライン、駆動部303a全体では、千鳥状構成の1ライン(15チップ)×4=60ラインに駆動信号を供給する。各面発光素子アレイチップに供給される駆動信号は、ΦW1〜ΦW4とする。一方、本実施例におけるシフトサイリスタ動作により、順次、面発光素子アレイチップが駆動される。制御信号生成部422は、タイミング制御部413で生成された画素区間に対応する同期信号より、画素毎にシフトサイリスタを転送するための制御信号Φs、Φ1、Φ2を生成する。
第1の記憶部である電流設定値格納部420は、面発光素子アレイチップ1〜29毎の電流設定値を格納する。電流設定値の詳細は後述する。第1の発光量制御手段である駆動電流設定部421は、電流設定値格納部420に格納されている電流設定値に基づいて、駆動部303aの面発光素子アレイチップ1〜15毎に駆動電流を設定する。詳細は後述する。
次に、本実施例における発光量補正について説明する。面発光素子アレイチップは、一般的な半導体チップと同様に、ウェハー上に複数形成され、1つずつに切り分けて製造される。このように製造された半導体チップの特性は、ウェハー上の形成位置に依存する。図7は、露光ヘッド106に実装されている面発光素子アレイチップ1〜29の面発光素子の光量を示すグラフである。縦軸は光量を示し、横軸は主走査座標、すなわち面発光素子アレイチップ1〜29の面発光素子0〜14963の位置を示している。図7に示すように、Δp1、Δp2、・・・Δp29は、ウェハー上での形成位置が隣接している、同じ面発光素子アレイチップ内の面発光素子間の発光量のばらつきを示している。以下、発光量バラツキΔp1、Δp2、・・・Δp29という。一方、ΔPは、ウェハー上での形成位置が異なる面発光素子アレイチップにおける面発光素子間の発光量ばらつきを示している。以下、発光量バラツキΔPという。発光量バラツキΔp1、Δp2、・・・Δp29は、発光量バラツキΔPよりも小さくなる傾向がある。そこで、本実施例では、面発光素子アレイチップ単位での発光量補正は駆動電流調整で行い、各面発光素子アレイチップ内の面発光素子間の発光量補正を画像調整で行うこととする。
図8は、駆動電流調整を説明する図である。図8(a)は、露光ヘッド106の面発光素子アレイチップ1〜29のすべての面発光素子0〜14963を、面発光素子の発光量が目標光量Ptgtとなるような、同じ電流設定値で点灯させたときの面発光素子の発光量を示すグラフである。図8(a)の縦軸は光量を示し、横軸は面発光素子アレイチップ(AC1、AC2、・・・AC29)の面発光素子(0〜14963)で示される主走査方向の座標である主走査座標を示す。図8(a)に示すように、同じ電流設定値で面発光素子アレイチップ(AC)1〜29の面発光素子を発光させても、その発光量にはばらつきが生じる。そこで、本実施例では、図8(a)に示す各面発光素子アレイチップ(AC)1〜29において、最も発光量の小さい面発光素子の発光量が目標光量Ptgtとなるように、電流設定値を変更する。すなわち、図8(a)において、縦方向の矢印で示す面発光素子アレイチップAC1、AC2、・・・AC29で最も光量が小さい面発光素子の発光量を目標光量Ptgtとなるように、電流設定値を変更する。例えば、面発光素子アレイチップAC1では、矢印αの面発光素子の発光量が最も低く、面発光素子アレイチップAC2では、矢印βの面発光素子の発光量が最も低い。また、面発光素子アレイチップAC29では、矢印γの面発光素子の発光量が最も低い。図8(b)は、各面発光素子アレイチップ(AC)1〜29において、最小発光量であった面発光素子の発光量を目標光量Ptgtとなるように、面発光素子アレイチップ毎に駆動電流調整を行った結果を示すグラフである。例えば、図8(a)では、面発光素子アレイチップAC1では、矢印αの面発光素子の発光量が最も低い。このことから、面発光素子アレイチップAC1の矢印αの面発光素子の発光量が目標光量Ptgtとなるように駆動電流の調整を行う。同様に、面発光素子アレイチップAC2では、矢印βの面発光素子の発光量が最も低く、面発光素子アレイチップAC29では、矢印γの面発光素子の発光量が最も低い。このことから、面発光素子アレイチップAC2では矢印βの面発光素子の発光量が、面発光素子アレイチップAC29では矢印γの面発光素子の発光量が、それぞれ目標光量Ptgtとなるように駆動電流の調整を行う。図8(b)に示すように、面発光素子アレイチップ1〜29のすべての面発光素子の発光量は、目標光量Ptgt以上(目標光量以上)となる。すなわち、最小発光量であった面発光素子の発光量は目標光量Ptgtとなり、最小発光量よりも光量が大きい面発光素子の発光量は目標光量Ptgtを超え、目標光量Ptgtを超えた分が黒塗りされた発光量となる。
図9は、駆動電流設定部421の内部構成を示すブロック図である。駆動電流設定部421は、面発光素子アレイチップ1〜15と接続された、15個のDA(デジタル−アナログ)変換器DAC1〜15と、各DA変換器DAC1〜15のデジタル入力設定値を格納する15個のレジスタ1〜15を備えている。CPU400は、露光ヘッド106の駆動基板202の電流設定値格納部420から、各面発光素子アレイチップ1〜15用の駆動電流設定値を読出し、レジスタ1〜15に設定する。DA変換器DAC1〜DAC15は、レジスタ1〜15に設定されたデジタル入力設定値に応じたアナログ信号を各面発光素子アレイチップ1〜15に出力する。
次に、各面発光素子アレイチップ1〜29を駆動する駆動電流の電流設定値の決定方法について説明する。電流設定値は、露光ヘッド106製造時の調整工程で決定される。本実施例の電流設定値は、面発光素子アレイチップ1〜29毎に決定され、それぞれIref[1]〜Iref[29]として、電流設定値格納部420に格納される。ここで、主走査座標xに位置する面発光素子を点灯させたときの発光量をP[x]とし、最大濃度(ベタ画像)を表す画像データ値に対応する光量を目標光量Ptgtとする。
図10は、本実施例の画像調整を説明する図である。図10(c)は、上述したLUT411により調整された画像データ(濃度値)と光量との関係を示すグラフである。本実施例においては、LUT411によって、画像データと光量とは概ね比例する関係に調整されているものとする。本実施例における画像データは、符号なしの8ビット(bit)の濃度値で表すものとし、最大濃度値を表す画像データ値Dmax=255に対応する光量が目標光量Ptgtとなるように、駆動電流調整が行われている。なお、画像データの8ビットによる表現は一例であり、8ビット以外のビット数であってもよいし、輝度値で表現してもよい。
次に、制御基板415の画像調整値格納部405に格納する画像調整値の決定方法について説明する。上述した駆動電流設定値と同様に、画像調整値も露光ヘッド106製造時の調整工程で決定される。本実施例の画像調整値は、各面発光素子アレイチップ1〜29内の面発光素子毎、すなわち主走査方向の各画素毎に決定される調整値であり、ここでは、主走査座標xにおける画像調整値をK[x](x=0〜14963)と表す。画像調整値K[x]は、上述した駆動電流設定値Iref[1]〜Iref[29]を用いて、各面発光素子アレイチップ1〜29内の各面発光素子を点灯させて測定した発光量P[x]、目標光量Ptgtとしたとき、次の(式2)により求めることができる。
次に、制御基板415の画像調整部404における画像調整による発光量補正について説明する。本実施例では、画像調整値K[x]を上述した(式2)で算出した場合には、次の(式5)を用いて出力画像データ値を算出する。ここで、(式5)において、主走査座標xにおける入力画像データD[x]に対して、画像調整値格納部405に格納された画像調整値K[x]を乗じた値を出力画像データD’[x]とする。
図11は、本実施例の制御基板415の制御ブロック図である。実施例1の図4と異なる点は、画像調整部404とチップデータ変換部407の間に、擬似中間調処理部1100を設けた点である。制御基板415のその他の構成については、実施例1と同様であり、ここでの説明は省略する。なお、駆動基板202の構成についても、実施例1と同様であるため、図11では省略している。
(駆動電流調整)
図12は、駆動電流調整を説明する図である。図12(a)は、すべての面発光素子を、面発光素子の発光量が目標光量Ptgtとなるような、同じ電流設定値で点灯させたときの面発光素子アレイチップ1の面発光素子の発光量を示すグラフである。図12(a)の縦軸は光量を示し、横軸は、面発光素子アレイチップ1(AC1)内の面発光素子(0〜515)で示される主走査座標を示す。また、T0〜T128は、面発光素子4個から構成される面発光素子群を指している。図12(b)は、図12(a)に示す各面発光素子の発光量を、面発光素子群毎の平均発光量で表示したグラフである。本実施例では、駆動電流調整の対象を、図12(a)に示す各面発光素子アレイチップ内で最小発光量となる面発光素子の発光量ではなく、図12(b)に示す面発光素子4個から成る発光素子群T0〜T128の内の最小平均発光量とする。すなわち、面発光素子4個から構成される面発光素子群T0〜T128毎の平均発光量Pave[n](n=0〜128)を算出する。そして、平均発光量Paveが最小となる面発光素子群nminの平均発光量Pave[nmin]が目標光量Ptgtとなるように、面発光素子アレイチップ1〜29毎に駆動電流調整を行う。例えば、図12(b)では、平均発光量Pave[0]が最小となる。なお、本実施例では、各面発光素子群の構成を面発光素子4個としたが、これに限定されるものではなく、例えば8個や16個といった個数であってもよい。
次に、本実施例での各面発光素子アレイチップ1〜29を駆動する駆動電流の電流設定値の決定方法について説明する。電流設定値は、露光ヘッド106製造時の調整工程で決定される。本実施例の電流設定値は、面発光素子アレイチップ1〜29毎に決定され、それぞれIref[1]〜Iref[29]として、電流設定値格納部420に格納される。ここで、主走査座標xに位置する面発光素子を点灯させたときの発光量をP[x]とし、最大濃度(ベタ画像)を表す画像データ値に対応する光量を目標光量Ptgtとする。
図13は、本実施例の画像調整を説明する図である。図13(c)は、上述したLUT411により調整された画像データ(濃度値)と光量との関係を示すグラフである。本実施例においては、LUT411によって、画像データと光量とは概ね比例する関係に調整されているものとする。本実施例における画像データは、符号なしの8ビットの濃度値で表すものとし、最大濃度値を表す画像データ値Dmax=255に対応する光量が目標光量Ptgtとなるように、駆動電流調整が行われている。なお、ここでは、画像データは8ビットで表されているが、これは一例であり、8ビット以外のビット数であってもよいし、輝度値で表現してもよい。
次に、制御基板415の画像調整値格納部405に格納する画像調整値の決定方法について説明する。上述した駆動電流設定値と同様に、画像調整値も露光ヘッド106製造時の調整工程で決定される。本実施例の画像調整値は、各面発光素子アレイチップ1〜29内の面発光素子毎、すなわち主走査方向の各画素毎に決定される調整値であり、ここでは、主走査座標xにおける画像調整値をK[x](x=0〜14963)と表す。ここで、各面発光素子アレイチップ1〜29内の各面発光素子を点灯させて測定した発光量P[x]、目標光量Ptgtとする。画像調整値K[x]は、上述した駆動電流設定値Iref[1]〜Iref[29]を用いて、次の(式9)、(式10)により求めることができる。
106 露光ヘッド
303 駆動部
404 画像調整部
415 制御基板
421 駆動電流設定部
Claims (12)
- 感光体と、複数の面発光素子を有し、前記複数の面発光素子により前記感光体を露光する露光部と、画像情報を前記露光部に出力し、画像形成を制御する制御部と、を備える画像形成装置であって、
前記露光部は、前記感光体を露光する複数の前記面発光素子を有する複数の面発光素子アレイチップと、前記面発光素子を画像情報に応じて点灯させる駆動手段と、前記駆動手段に供給する駆動電流値を前記面発光素子アレイチップ毎に調整して、前記面発光素子アレイチップの前記面発光素子の発光量を制御する第1の発光量制御手段と、を有し、
前記制御部は、前記面発光素子を発光させる前記画像情報を調整して、前記面発光素子の発光量を制御する第2の発光量制御手段を有し、
前記第1の発光量制御手段は、前記面発光素子アレイチップ毎に、前記面発光素子アレイチップ内の前記面発光素子の発光量に基づいて基準となる発光量を出力する面発光素子の発光量と目標光量との差分が小さくなるように前記駆動電流値を調整して、前記面発光素子の発光量を制御し、
前記第2の発光量制御手段は、第1の発光量制御手段で調整した前記駆動電流値で各前記面発光素子アレイチップ内の前記面発光素子を点灯させたときの各面発光素子の発光量と前記目標光量との差分が小さくなるように、前記画像情報を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記基準となる発光量は、所定の駆動電流値で前記面発光素子アレイチップ内の前記面発光素子を点灯させたときの最小の発光量であり、
前記基準となる発光量を出力する面発光素子は、発光量が前記最小の発光量である面発光素子であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記目標光量は、前記画像情報がベタ画像のときの前記面発光素子の発光量であり、
前記第1の発光量制御手段は、発光量が前記最小の発光量である面発光素子の前記ベタ画像に対する発光量が、前記目標光量との差分が小さくなるように前記駆動電流値を制御することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記駆動手段が前記第1の発光量制御手段により調整した前記駆動電流値に応じて前記面発光素子アレイチップの前記面発光素子を発光させたときの各面発光素子の光量は、前記目標光量以上であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記第2の発光量制御手段は、前記駆動手段が前記第1の発光量制御手段により調整した前記駆動電流値に応じて前記面発光素子アレイチップの前記面発光素子を発光させたときの各面発光素子の光量と前記目標光量とに基づいて、前記各面発光素子の光量が前記目標光量と略等しくなるように前記画像情報を調整する調整値を求め、前記調整値に応じて、前記画像情報を補正することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記基準となる発光量は、所定の駆動電流値で前記面発光素子アレイチップ内の連続する複数の前記面発光素子を有する複数の面発光素子群を点灯させたときの各面発光素子群の平均発光量のうちの最小の平均発光量であり、
前記基準となる発光量を出力する面発光素子は、平均発光量が前記最小の平均発光量である前記面発光素子群であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記目標光量は、前記画像情報がベタ画像のときの前記面発光素子の発光量であり、
前記第1の発光量制御手段は、平均発光量が前記最小の平均発光量である面発光素子群の前記ベタ画像に対する発光量が、前記目標光量との差分が小さくなるように前記駆動電流値を制御することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記駆動手段が前記第1の発光量制御手段により調整した前記駆動電流値に応じて前記面発光素子アレイチップの前記面発光素子を発光させたとき、前記面発光素子の中には、発光量が前記目標光量未満の面発光素子が含まれることがあることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記第2の発光量制御手段は、前記駆動手段が前記第1の発光量制御手段により調整した前記駆動電流値に応じて前記面発光素子アレイチップの前記面発光素子を発光させたときの各面発光素子の光量と前記目標光量とに基づいて、前記各面発光素子の光量が前記目標光量よりも大きい場合には前記各面発光素子の光量が前記目標光量と等しくなるように前記画像情報を調整する調整値を求め、前記各面発光素子の光量が前記目標光量よりも小さい場合には前記各面発光素子の光量がそのまま出力されるように前記画像情報を調整する調整値を求め、求めた前記調整値に応じて、前記画像情報を制御することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記露光部は、前記駆動電流値を記憶する第1の記憶部を有し、
前記駆動電流値は、予め前記第1の発光量制御手段により調整され、前記面発光素子アレイチップ毎に記憶されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記調整値を記憶する第2の記憶部を有し、
前記調整値は、予め前記第2の発光量制御手段により調整され、前記面発光素子アレイチップの前記面発光素子毎に記憶されていることを特徴とする請求項5又は請求項9に記載の画像形成装置。 - 前記画像情報は、画像の濃度値であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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