JP2020000202A - 成形食品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
加熱時間は、成形製品の種類及び加熱手法等に応じて適宜設定すればよい。成分を混ぜ合わせた後に加熱して、クッキー、煎餅、ビスケット、クラッカー等を製造する場合には、例えば3〜15分程度とすることができる。一方、成分を加熱混錬してスナック等を製造する場合には、例えば10秒〜10分程度とすることができる。
寒天1:伊那寒天S−7(伊那食品工業社製)
寒天2:伊那寒天ZR(伊那食品工業社製)
寒天3:ウルトラ寒天UX−30(伊那食品工業社製)
寒天4:伊那寒天UP−37(伊那食品工業社製)
寒天5:伊那寒天大和(伊那食品工業社製)
不溶性セルロース1:アビセルFD101(旭化成社製)
不溶性セルロース2:アップルファイバー(三昌社製)
不溶性セルロース3:大豆ファイバー(みすずコーポレーション社製)
不溶性セルロース4:オーツ麦ファイバー(三昌社製)
小豆粉末A:未洗浄の小豆を粉砕機(気流式)で粉砕した(平均粒子径106μm)
小豆粉末B:未洗浄の小豆をハンマー型粉砕機で粉砕した(平均粒子径150μm)
黒糖:伊勢喜社製
和三盆糖:伊勢喜社製
三温糖:大日本明治製糖社製
白糖:三井製糖社製
αサイクロデキストリン:シクロケム社製
βサイクロデキストリン:シクロケム社製
サイクロデキストリン:シクロケム社製
クラスターデキストリン:グリコ社製
アラビアガム:アラビアガムA(伊那食品工業社製)
特に明記しない限り、%表示は質量%である。
(香り)
AA:喫食した直後に小豆の良い香りを特に感じ、Aよりも良い。
A:喫食した直後に小豆の良い香りを感じる。
B:Aより劣るが良い香りを感じる。
C:Bより劣り、良い香りを感じにくくなり、逆に嫌な香りを感じる。
D:Cより劣り、嫌な香りを感じる。
(渋味)
AA:喫食しても渋味を感じない。
口の中に長時間あっても渋味を感じることはなく、Aよりも良い。
A:喫食しても渋味を感じない。
B:Aに比べ若干渋味を感じる。
C:渋味を感じる。
D:Cより渋味を感じる。
(食感)
AA:Aよりサクサクしてより美味しい。
A:サクサクしていて美味しい。
B:Aより劣るがサクサク感を感じる。
C:少し硬く感じる
D:硬く感じる。
成形食品は、粉砕して分析試料とする。約0.6gの分析試料を100ml容のメスフラスコに収容し、水を加えて定容する。調製された懸濁液を、10mlずつ4本のフラスコに分取して、37℃の恒温水槽中に載置する。2本のフラスコには、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液2mlを加えて小豆をα化させる。
α化度(%)=(VA−VB)/(VC−VD)×100
ここで、VA,VB,VC及びVDは、それぞれ以下の通りである。
VA:検液Aのチオ硫酸ナトリウム溶液消費量(mL)
VB:検液Bのチオ硫酸ナトリウム溶液消費量(mL)
VC:検液Cのチオ硫酸ナトリウム溶液消費量(mL)
VD:検液Dのチオ硫酸ナトリウム溶液消費量(mL)
成形食品として、小豆クッキーを製造する。下記表1に示す成分を用いて、湿潤組成物を調製した。無塩バターに食塩及び三温糖を加えて混ぜ合わせた後、卵黄を加えてさらに混ぜ合わせた。これに小豆粉末A、薄力粉を加え混ぜ合わせ、最後に生クリームを加えた。寒天及び/又は不溶性セルロースを用いる場合には、小豆粉末A、薄力粉とともに混ぜ合わせた。得られた湿潤組成物は、小豆クッキーの生地である。
<渋味の分析>
実施例の成形食品の粉末から溶出液を調製した。まず、実施例2の小豆クッキー5gを乳鉢で粉砕し、篩分けを行って、無処理小豆粉末(小豆粉末A)と同等の平均粒子径の試料粉末を得た。
(溶出液サンプル1)
試料粉末を、95gの蒸留水に浸漬し、15秒後に直ちにろ過して、溶出液サンプル1を得た。
(溶出液サンプル2,3)
浸漬時間を30秒、60秒に変更した以外は前述と同様にして、溶出液サンプル2、3を得た。
(溶出液サンプル4〜6)
試料粉末中に含まれる小豆粉末Aと同量となる小豆粉末Aを、試料粉末の代わりに用いて蒸留水に浸漬した。この点を変更した以外は溶出液サンプル1〜3と同様にして、溶出液サンプル4〜6を得た。
フェノール類量を指標として、各溶出液サンプル中の渋味のレベルを比較した。フェノール類量は、フォーリンチオカルト法により測定した。90μLの溶出液サンプルに、450μLの50%フォーリンチオカルト溶液を添加して、攪拌した。これを3分静置した後、炭酸ナトリウム水溶液(0.4M)を450μL添加した後、55℃で5分間反応させた。
反応後30分間放冷し、分光光度計にて765nmにおける吸光度を測定した。検量線は、エピカテキン溶液を用いて作成した。フェノール類量は、小豆5g相当量から蒸留水95gに溶出されたエピカテキン相当量(mg−エピカテキン相当量)として、各溶出液サンプル中のフェノール類量を求めた。
得られた結果を、下記表3にまとめる。
(気体サンプル1)
実施例2の小豆クッキー5gを容器に収容して密閉し、90℃に加温した。加温開始から60分経過後、デッドスペース内の気体を回収して、気体サンプル1とした。
(気体サンプル2)
小豆クッキーを小豆粉末Aに変更した以外は気体サンプル1の場合と同様の手法により、気体サンプル2を得た。
(不快臭の測定方法)
n−ヘキサナール、3−メチルブタノール、及び3−ヘキセンー1−オールを指標として、各気体検体サンプル中の不快臭のレベルを比較した。不快臭成分は、ガスクロマトグラフマススペクトロメーター法により測定した。測定された成分量を、下記表4に相対値で示す。
成形食品として、小豆スナックを製造する。下記表5に示す成分を加熱混錬して、小豆スナックの生地となる湿潤組成物を調製した。加熱混錬には、エクストルーダー(TEX−32F,日本製鋼所社製)を使用し、回転数170rpm,加熱温度125℃の条件で、約1分程度行った。混錬物は、エクストルーダーの長方形状のダイス(縦5mm、横1.5mm)から吐出された。
成形食品として、小豆煎餅を製造する。下記表7に示す成分を用いて、小豆煎餅の生地となる湿潤組成物を調製した。湿潤組成物の調製にあたっては、まず、食塩以外の成分を水とともに煉り合せた。
成形食品として、小豆スナックを製造する。下記表9に示す成分を加熱混錬して、小豆スナックの生地となる湿潤組成物を調製した。加熱混錬には、エクストルーダー(TEX−32F,日本製鋼所社製)を使用し、回転数170rpm,加熱温度125℃の条件で、約1分程度行った。混錬物は、エクストルーダーの長方形状のダイス(縦5mm、横1.5mm)から吐出された。
成形食品として、小豆ビスケットを製造する。下記表11に示す成分を用いて、湿潤組成物を調製した。マーガリン及び牛乳以外の成分を混合した後、マーガリン及び牛乳を混ぜ合わせた。得られた湿潤組成物は、小豆ビスケットの生地である。
成形食品として、小豆クラッカーを製造する。下記表13に示す成分を用いて、小豆クラッカーの生地となる湿潤組成物を調製した。湿潤組成物の調製にあたっては、まず、無塩バターに和三盆糖を加え、更に食塩を加えて滑らか混ぜ合わせた。次いで、小豆粉末B、薄力粉及び水を加えて混ぜ合わせた。そこに、ベーキングパウダー、寒天、及び不溶性セルロースを加えて混ぜ合わせた。
下記表13に示す成分を用いて、実施例17〜21と同様の手法により小豆クラッカーを製造した。
成形食品として、小豆スナックを製造する。下記表17に示す成分を加熱混錬して、小豆スナックの生地となる湿潤組成物を調製した。加熱混錬には、エクストルーダー(TEX−32F,日本製鋼所社製)を使用し、回転数250rpm,加熱温度110℃の条件で、約1.5分程度行った。混錬物は、エクストルーダーの長方形状のダイス(縦5mm、横1.5mm)から吐出された。
Claims (6)
- 寒天とともに加熱された小豆を含有し、α化度が60%以上であることを特徴とする成形食品。
- 水分含有量が20質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の成形食品。
- 不溶性セルロースをさらに含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の成形食品。
- 渋切りを行わず、小豆粉末及び寒天を含有する湿潤組成物を加熱する工程を含むことを特徴とする成形食品の製造方法。
- 前記加熱は、前記湿潤組成物を混錬しつつ行うことを特徴とする請求項4に記載の成形食品の製造方法。
- 前記加熱は、エクストルーダー又はドラムドライヤーで行うことを特徴とする請求項5に記載の成形食品の製造方法。
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