JP3886057B2 - 焼成食品及びその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、小麦粉、油脂、蛋白質、食物繊維等を含有するビスケット等の非発酵焼成食品及びその製法に関し、更に詳しくは、蛋白質や食物繊維等の保水性の高い原料を多量に含有していても、火の通りがよく、食感の良好な非発酵焼成食品及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、焼成食品としては、例えば、ビスケット、クッキー、クラッカー等が知られており、これらは、特に消化吸収性に優れていることから、病院食、離乳食、給食等にも広く利用されている。
しかしながら、上記焼成食品は、炭水化物と脂質とが主体であり、蛋白質は2〜6重量%(以下「%」と記す)程度、食物繊維は1〜3%程度と低含量であるため、栄養バランスの点で改善の余地があった。
特に、最近は消費者の健康に対する意識が高く、三大栄養素の一つである蛋白質、食物繊維、ミネラル等の摂取が重要視されている。
そこで、最近では、特に蛋白質や食物繊維等の強化を行い、「栄養バランス食品」や「カロリー管理食品」と称したビスケット等の焼成食品も各種上市されている。
しかしながら、蛋白質や食物繊維は、特に水を取り込んでゲル化しやすい性質(保水性)を有しているため、焼成食品において、蛋白質や食物繊維を増量すると、焼成食品生地を調製する際に、蛋白質や食物繊維が生地中の水分を吸収してしまい、生地がぱさついてまとまりにくく、成形性が悪くなったり、焼成時に生地中心部の水分が蒸発しにくく、表面だけが固く焼けて中心部が生焼けとなる問題がある。
このため、上記焼成食品に蛋白質や食物繊維を多量に添加する場合には、生焼け防止方法として、▲1▼一般焼成食品の焼成条件(160〜230℃、5〜30分)よりも低温長時間(150℃以下、1時間以上)に変更して焼成する、▲2▼蛋白質や食物繊維の添加量を低減する、▲3▼蛋白質や食物繊維を焼成後に施与する、▲4▼蛋白質や食物繊維の粒状加工物を食品生地中に分散させる、等の方法が用いられている。
しかしながら、上記▲1▼の場合、焼成時間は焼成設備により限定されるため、更に焼成時間を延ばす場合には、設備増設や、特殊設備の導入が必要となり、生産効率も悪い。▲2▼の場合には、蛋白質や食物繊維の含有量が低いと、1日の栄養所容量を満たすために、食品を多量に摂取する必要が生じる。▲3▼の場合には、焼成食品本来の香ばしい風味や食感が損なわれたり、製造工程が煩雑になる等の問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、蛋白質や食物繊維等の保水性の高い原料を多量に含有していても、生地の成形性が良好で、焼成時の火の通りがよく、サクサクとした食感が均一に感じられる風味良好な非発酵焼成食品及びその製法を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、小麦粉と油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とカゼインとを含有する焼成食品であって、該油脂で被覆された蛋白質(但し、カゼインを除く)が、カゼイン含有小麦粉生地中に分散され、カゼインと蛋白質を非発酵焼成食品全体重量中7重量%以上含有してなる非発酵焼成食品、及び、小麦粉と油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とカゼインとを含有する焼成食品であって、該油脂で被覆された蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とが、カゼイン含有小麦粉生地中に分散され、カゼインと蛋白質を非発酵焼成食品全体重量中7重量%以上含有してなる非発酵焼成食品によって達成される。
また、上記非発酵焼成食品の製法は、該油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)とを予備混練したのち、小麦粉と食物繊維とカゼインとを混合することを特徴とする、もしくは、該油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とを予備混練したのち、小麦粉とカゼインとを混合することを特徴とするものである。
【0005】
すなわち本発明者らは、非発酵焼成食品(以下、焼成食品という)生地を調製する際の、蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維の吸水を防ぐ方法について検討を行った。
その結果、蛋白質(但し、カゼインを除く)、もしくは蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とを予め油脂と共に混練したのち、小麦粉や水やカゼイン等のその他原料を添加混合することにより、蛋白質(但し、カゼインを除く)や食物繊維を油脂により被覆された状態でカゼイン含有小麦粉生地中に分散させ、カゼインと蛋白質非発酵焼成食品全体重量中7重量%以上含有させると、蛋白質(但し、カゼインを除く)や食物繊維の吸水を防止することができ、生地のぱさつきや生焼けが生じず、外観と食感に優れた焼成食品が得られることを見出し本発明に到達した。
【0006】
次に本発明を詳しく説明する。
本発明の焼成食品は、小麦粉と油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とカゼインとを含有する。
まず、小麦粉としては、薄力粉、中力粉、強力粉等の各種小麦粒を粉体化したものが挙げられる。これらは単独でも数種組み合わせて用いてもよい。また、小麦粉の添加量は、焼成食品の品質に合わせ適宜設定すればよいが、例えばロータリーモールド成形等の場合には、小麦粉由来の蛋白質の含有量が、焼成食品の生地中、4重量%(以下%と記す)以下となるよう添加することが生地の成形性や焼成時の生焼け防止の点で好ましい。
また、蛋白質や食物繊維の含有量の多い生地を、シート状成形等を用いて、型抜きした後に生じるくず生地を、再度成形して利用する場合には、生地を再利用するたびに、生地の伸び強度が低下し、シート生地が裂けたり、切れ易くなる傾向にある。そこで、生地の伸び強度を高め、かつその強度を保持するためには、強力粉、中力粉等のグルテン強度の高い小麦粉を主体とし、小麦粉由来の蛋白質の含有量が焼成食品の生地中、4%以上となることが望ましい。上記グルテン強度の高い小麦粉を用いると、噛みごたえのあるサクサク感を焼成食品に付与することができる。
【0007】
次に、油脂は、通常食品に使用されるものを、単独もしくは組み合わせて用いればよく、例えば、バター,ラード,ヘッド等の動物性油脂、もしくはこれらの加工油脂や、例えば、マーガリン,ショートニング,サラダ油,カカオバター,種実油等の植物油脂、もしくはこれらを加工したカカオ同等脂、中鎖トリグリセライド等を適宜選択して用いればよい。
また、油脂の添加量は、焼成食品の品質に合わせ適宜設定すればよいが、焼成食品生地中、重量比で、後述する蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維との合計量1に対して、油脂が0.3以上、更に好ましくは0.5以上に設定されていることが望ましい。
油脂が0.3未満であると、蛋白質(但し、カゼインを除く)や食物繊維を充分被覆することができないため、蛋白質(但し、カゼインを除く)や食物繊維が吸水しやすくなり、生地がぱさついて成形性が悪くなったり、焼成時に生焼けになりやすい傾向にある。
【0008】
次に蛋白質としては、例えば、各種グルテンや、乾燥卵白やキューピー(株)製の「卵白ペプタイドEPシリーズ」,「卵白プロテインUHシリーズ」等の卵白加工品、フジピュリナプロテイン(株)製の「フジプロ」,「サンラバー」,「SUPRO」,「プロテナー」,「フジソフト」,「ニュースリーミー」,「ニュープロプラス」等の名称を冠したシリーズの大豆蛋白等や、各種ペプチド、ゼラチン、アルブミン等が用いられ、これらは単独で使用しても数種併用してもよい。
特に、大豆蛋白等の吸水性の大きい蛋白質を用いる場合、大豆蛋白と共に、カゼインを用いると、生地の伸び強度が高まり、成形後のくず生地を再利用しても生地の伸び強度が保持される点で好適である。
カゼインとしては、酸カゼイン,レンネットカゼイン,共沈カゼイン,バターミルクカゼイン,粒状カードカゼイン,加熱カードカゼイン等や、これらのアルカリ塩,アンモニウム塩,カルシウム塩等が挙げられる。特に、水溶性の高いカゼインは好適であり、例えば「カゼインナトリウムEM−HV」(ジョー・ウェリー社製)や「カゼインナトリウム」(日成共益社製)等のカゼインナトリウム等が挙げられる。その他、特開平7−23737号公報に記載の水溶性カゼインカルシウムを用いてもよい。
【0009】
次に、食物繊維としては、例えば、日本食品化工(株)製の「日食セルファー」,「日食セルエース」等の難消化性デキストリンや、結晶セルロース、ペクチン、海藻粉末、プルラン等の各種食物繊維等が用いられる。
また、その他に、ポリデキストロース、ヘミセルロース、寒天等を用いてもよい。
特に、食物繊維として、難消化性デキストリンを用いると、焼成食品生地の成形性が向上するとともに、焼成時の火の通りが良くなるため、サクサクとした食感が更に均一化し、口当たりが一層軽くなる点で好適である。
従って、食物繊維として、難消化性デキストリンを一部乃至全量使用すると上記のように効果が更に向上するので好適である。
なお、難消化性デキストリンとは、澱粉を加熱酵素処理して得られるもので、食物繊維部分の平均分子量が500〜2,000、グルコース残基がα−1,4、α−1,6並びにβ−1,2、β−1,3およびβ−1,6−グルコシド結合し、還元末端の一部はレボグルコサン(1,6−アンヒドログルコース)である分岐構造の発達したデキストリンである。難消化性デキストリンの具体例としては、例えば、松谷化学工業(株)製の「パインファイバー」シリーズ、「ファイバーソル」シリーズ、不二製油(株)製の「ソヤファイブ」シリーズ(分子量105〜107主体)等が挙げられ、これらは単独でも数種併用してもよい。
また、プルランを食物繊維の一部ないし全量使用すると、生地の伸展性を改善する点で好適である。
【0010】
本発明の焼成食品において、カゼインと蛋白質を食品全体中7%以上とすると、また、食物繊維含有量を食品全体中4%以上とすると、栄養成分強化の点で好適であり、しかも、外観、食感も良好である。
【0011】
また、上記主要原料の他に、副原料として、例えば、糖類、澱粉、そば粉等の穀粉類、デキストリンやα化穀粉類等の加工澱粉、卵、乳製品、膨張剤、香料、着色料、乳化剤、安定剤、塩類、品質改良剤、調味料、酸味料、各種微量栄養成分、粉末茶類、種実類、粒状食品等を必要に応じ、適宜添加すればよい。
多糖類を添加する場合は、マンナン、ムコ多糖類、タマリンド種子多糖類、カラギナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム等を用いてもよい。また、糖類として、糖アルコール(ソルビット,マルチトール,エリスリトール,キシリット,ラクチトール,パラチニット,還元澱粉糖化物等)、砂糖の誘導体(カップリングシュガー,パラチノース)、澱粉分解物(粉末水飴等)等を用いてもよい。
また、糖類として蜂蜜、ぶどう糖、果糖等を用いる場合には、予め乳化剤と混練してから添加すると、焼成時の焦げやすさを防止する点で好適である。
更に、デキストリンを用いる場合には、DE値が13以下のものを用いると、生地の成形適性を改良する点で、より好適である。
上記副原料は、単独でも数種併用してもよく、その添加量は、焼成食品の品質に合わせ適宜設定すればよい。
【0012】
次に、上記原料を用いて本発明の焼成食品は、例えば次のようにして製造される。
まず、油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)とを混練し、油脂で蛋白質(但し、カゼインを除く)を被覆する。
混練手段は特に限定されず、例えば、エクストルーダー、ケーキミキサー、ニーダー等の混練手段を、単独または複数組み合わせて用いればよい。
混練条件は、蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維と油脂との比率、副原料の比率、混練手段等によっても様々に異なるが、蛋白質(但し、カゼインを除く)と油脂との混練物が、均一かつ塑性を呈するようになるまで混練すると、蛋白質(但し、カゼインを除く)が油脂により充分被覆される点で望ましい。
また、油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とを、上記と同じ要領で混練してもよく、この場合、生地成形性と火通りの一層の向上の点で好適である。
そして、このとき食物繊維として難消化性デキストリンを用いると、生地成形性と火通りの向上の点でより好結果が得られる。
なお、混練時に乳化剤、安定剤等を添加するようにしてもよい
た、上記油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)、または油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とを混練した後、好ましくは1時間以上、更に好ましくは6〜24時間程度エージングを行うと、生地成形性と火通りが一層向上し、好適である。
【0013】
次に、油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)の混練物の場合は、食物繊維、小麦粉、カゼイン、副原料等を添加し、また、油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維との混練物の場合は、小麦粉、カゼイン、副原料等を添加して、略均一になるまで混合し、必要に応じて水分を添加して混練し、焼成食品生地を得る。特にカゼインは大豆蛋白等の吸水性の高い原料とともに混練しておくと、生地の伸び強度をより高める。
このとき、混練の程度は、焼成食品の成形方法等にあわせて、適宜調節すればよいが、例えば、食感の固い焼成食品に仕上げる場合には、混練時間を長くしたり、40℃以上に加温する等の処理を行えばよい。
また、水分は、単なる水でよいが、牛乳、果汁、スープ等の高水分原料を用いてもよく、あるいは、微量栄養素、塩類、調味料、色素等の原料を溶解した水溶液を用いてもよい。添加量は、生地の物性や焼成食品の品質にあわせて適宜設定すればよい。
更に、必要に応じて、焼成食品生地を適当な温度や湿度にてエージングし、生地物性の安定化を行ってもよい。
【0014】
次に、上記焼成食品生地を成形する。
成形方法は特に限定するものではなく、例えば、デポジット成形,ロータリーモールド成形,シート成形,押出成形,絞り出し成形等、生地の物性や焼成食品の品質に合わせ適宜設定すればよい。
また、成形時に、例えば種実類,アラザン,スプレー類、乾果類等を振りかけたり、混合するようにしてもよく、更に、配合、色調、風味の異なる生地を複数組合せて成形するようにしてもよい。
【0015】
次に、成形生地を焼成する。焼成装置としては、例えば、オーブン,マイクロ波加熱装置.ホイロ,二軸エクストルーダー等、従来用いられているものを適宜選択して用いればよい。また焼成条件は、焼成装置の機種や焼成食品の配合、水分、品質等に合わせて適宜設定すればよい。
【0016】
上記のようにして得られた焼成食品は、均一かつ充分に膨化しており、口当たりが軽く、サクサクとした食感が均一に感じられるものである。
この焼成食品は、例えば、クッキー,ビスケット,クラッカー,スナック菓子,ラスク様食品,ケーキ等の各種食品に用いられ、特に、水分10%以下の低水分食品や膨化率の低い(1.1〜2.3程度)食品に好適に用いられる。
また、本願の焼成食品は、例えば油脂含有量が食品全体の16%以下であっても充分に焼成、膨化するため、所謂「カロリー調整食品」としても好適に用いられる。
なお、本発明の焼成食品には、必要に応じ、粉糖等の粉末状食品や、ジャム,ソース,生クリーム,チョコレート等のペースト状食品を塗布したり、サンドしたり、飾りつけする等の様々な加工を施してもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、本発明の焼成食品は、油脂で被覆された蛋白質(但し、カゼインを除く)、もしくは、油脂で被覆された蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とがカゼイン含有小麦粉生地中に分散され、カゼインと蛋白質非発酵焼成食品全体重量中7重量%以上含有してなるものである。
また、その製造方法として、油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)、もしくは油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とを予め混練して、油脂で蛋白質(但し、カゼインを除く)、もしくは蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とを被覆したのち、小麦粉や水やカゼイン等を混合している。
従って、焼成食品生地の調製時に、蛋白質(但し、カゼインを除く)や食物繊維の表面に形成された油脂被膜によって、蛋白質(但し、カゼインを除く)や食物繊維の吸水を防ぐことができ、生地の成形性を向上させ、また焼成時の生焼けを防止することができる。
その結果、焼成食品に蛋白質や食物繊維を多量に添加することが可能となり、栄養成分を強化しながらも、外観良好で、しかも焼成食品本来の香ばしい風味や、サクサクとした口当たりの軽い食感の焼成食品を得ることができる。
また、本発明の焼成食品は、特殊設備や製造条件を用いることなく、通常の焼成食品と同様の設備で簡便に製造することができる。
【0018】
次に本発明の焼成食品の製法を、実施例に基づき具体的に説明する。
参考例1〜8〉
表1及び表2に示す組成で、油脂と蛋白質を20分間ケーキミキサーで混練し、混練物を得た。次に、食物繊維と小麦粉と副原料と水とを加えて均一になるまで更に混練し、40℃で10分間放置した。
その後、生地を縦5×横5×厚み4mmになるようシート状成形し、180℃20分間オーブンで焼成し、ビスケット様焼成食品を得た。
参考例9〜1
油脂と蛋白質と食物繊維を混練した後、小麦粉と副原料と水とを加えた他は、参考例1と同様にしてビスケット様焼成食品を得た。
〈実施例1〜3〉
油脂と蛋白質と食物繊維を混練した後、小麦粉とカゼインと副原料と水とを加えた他は、参考例1と同様にしてビスケット様焼成食品を得た。
〈比較例〉
原料を全て一括混合する他は、実施例と同様にした。
上記実施例及び比較例の焼成食品生地について、成形工程における成形性(生地のまとまりやすさ、形状の安定性)について評価した。
また、焼成後のビスケット様焼成食品5gを粉体化し、ケット水分計にて98℃で恒量に達するまで水分量を測定した。更に、得られたビスケット様焼成食品について、火通り、食感について専門パネラー20名にて評価した。
また、成形した生地を一旦丸めて再度成形する操作を10回繰り返したときの生地の伸び強度について「生地の再利用強度」として評価した。
なお、上記実施例及び比較例のビスケット様焼成食品に用いた具体的原料は次の通りである。
小麦粉:(参考例1〜10、実施例1〜、及び比較例)日清製粉(株)製「フラワー」蛋白質7.7%。(実施例)日清製粉(株)製「オーション」蛋白質13%。
大豆蛋白:フジピュリナプロテイン(株)製「プロテナー200」蛋白質89.5%。
卵白プロテイン:キューピー(株)製「卵白プロテインUHA」蛋白質82.5%。
難消化性デキストリン:松谷化学工業(株)製「ファイバーソル#2」食物繊維90%。
大豆食物繊維:不二製油(株)製「ソヤファイブS」食物繊維60%。
デキストリン(DE10〜12):松谷化学工業(株)製「パインデックス#2」。
デキストリン(DE2〜5):松谷化学工業(株)製「パインデックス#100」。
以上の結果を表1及び表2に併せて示す。
【0019】
【表1】
Figure 0003886057
【0020】
【表2】
Figure 0003886057
【0021】
表1及び表2の結果より、実施例の焼成食品は、生地の成形性、火通りともに良好であり、サクサクとした軽い食感の焼成食品であった。
また、カゼインナトリウムを併用した実施例は、生地を再利用しても伸び強度が保持されていた。更に小麦粉として強力粉を用い、カゼインナトリウムを併用した実施例は、成形性と生地の再利用時の伸び強度とが、ともに大変良好であり、噛みごたえのあるサクサク感を有していた。
これに対し、比較例の焼成食品は、製造中に生地のまとまりが悪く、焼成時に実施例品より長時間(180℃×20分間及び160℃×20分間)焼成したにもかかわらず、焼成後のビスケット様焼成食品中に、実施例の約2倍量の水分が残存していることからも明らかなように、火通りが悪く、生焼けとなっていた。

Claims (4)

  1. 小麦粉と油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とカゼインとを含有する焼成食品であって、該油脂で被覆された蛋白質(但し、カゼインを除く)が、カゼイン含有小麦粉生地中に分散され、カゼインと蛋白質非発酵焼成食品全体重量中7重量%以上含有してなる非発酵焼成食品。
  2. 小麦粉と油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とカゼインとを含有する焼成食品であって、該油脂で被覆された蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とが、カゼイン含有小麦粉生地中に分散され、カゼインと蛋白質非発酵焼成食品全体重量中7重量%以上含有してなる非発酵焼成食品。
  3. 小麦粉と油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とカゼインとを含有する焼成食品を製造するに際し、該油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)とを予備混練したのち、小麦粉と食物繊維とカゼインとを混合することを特徴とする請求項1記載の非発酵焼成食品の製法。
  4. 小麦粉と油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とカゼインとを含有する焼成食品を製造するに際し、該油脂と蛋白質(但し、カゼインを除く)と食物繊維とを予備混練したのち、小麦粉とカゼインとを混合することを特徴とする請求項2記載の非発酵焼成食品の製法。
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