JP4707857B2 - ベーキング食品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はベーキング食品に関する。詳細には、サクサクとした軽い食感が付与され、香ばしい風味が付与されたベーキング食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プレッツェルやクッキー等のベーキング工程を経て製造されるベーキング食品の中には、生地を固くしっかりとさせ、カリカリ感を出す工夫等がなされているものがある。その例として、通常のゲル強度の乳清蛋白質をクッキー等に使用することは従来からなされており、文献にもあげられている(21世紀の天然・生体高分子材料、株式会社シーエムシー、1998年6月15日発行、233頁)。しかし、近年の傾向としては、カリカリと固い食感ではなく、サクサクとした軽い食感が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、サクサクとした軽い食感や香ばしい風味が付与されたベーキング食品を提供する事を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、低ゲル強度の乳清蛋白質を使用することにより、出来上がったベーキング食品は、サクサクとした軽い食感となり、香ばしい風味が付与されることを見つけた。
本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明は、低ゲル強度の乳清蛋白質を含むことを特徴とする、食感及び風味の改善されたベーキング食品に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のベーキング食品は、低ゲル強度の乳清蛋白質を含むことを特徴とする。
本発明で、低ゲル強度の乳清蛋白質とは、ゲル化力の低い乳清蛋白質であって、乳清蛋白質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で4N/cm2以下、より好ましくは2N/cm2以下のものをいう。カード値が4N/cm2以下の乳清蛋白質を使用することにより、ベーキング食品にサクサクとした軽い食感や香ばしい風味を付与することができる。
【0006】
具体的なゲル強度の測定方法は例えば、次の掲げるものが挙げられる。乳清蛋白質30gを170mlのイオン交換水に添加し、1400〜1500rpmで3分間攪拌、溶液の泡を除去し、無通気性のケーシングチューブに充填し、80℃40分間ボイル後、4℃で一晩静置したものを約3センチの厚さに切断し、カードメーターにて測定(重り200g、プランジャー φ3mm)カード値を測定する方法等である。
【0007】
本発明で用いる低ゲル強度の乳清蛋白質は、上記低ゲル強度の乳清蛋白質であるが、乾物換算で蛋白質含有量が80%以上のものがより好ましい。例えば、乳清蛋白質濃縮物(WPC)、乳清蛋白質単離物(WPI)等が挙げられるが、簡便には商業的に入手することができ、かかるものとして、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のミルプロLG、ミルプロL−1等を挙げることができる。
【0008】
本発明においてベーキング食品とは、焼成処理を経て調製される食品を広く包含するものであるが、好適には、プレッツェル、スナック菓子、クッキー、クラッカー、ウエハース、温泉煎餅、コーンカップ、ラスク、フランクフルトや天ぷら等の衣、ホットケーキ、スポンジケーキ、バームクーヘン、パン、マフィン、和菓子(どら焼き、人形焼き等)、饅頭、中華まんじゅう、蒸しケーキ、蒸しカステラ等の蒸しもの、ドーナツなど、サクサクとした軽い食感や香ばしい風味が好まれるもので、主に小麦粉等の穀粉を主原料とする生地を膨脹させて調製する食品を挙げることができる。
【0009】
上記ベーキング食品は、低ゲル強度の乳清蛋白質の存在下で焼成工程に供されることによって調製することができる。焼成工程の具体的な条件は、対象とするベーキング食品に応じて定められた慣用方法に従うことができるが、適宜調製することもできる。
【0010】
本発明において、低ゲル強度の乳清蛋白質は、他の原料を含む全原料を一緒に混合してよいし、ベーキング食品に使用される原料とは、低ゲル強度の乳清蛋白質の他に、穀粉、砂糖、食塩、増粘多糖類、ショートニング、イースト、イーストフード、膨脹剤、アルカリ性塩類、調味料、香辛料、色素、香料、日持ち向上剤等が挙げられる。
【0011】
本発明で使用する低ゲル強度の乳清蛋白質の添加量については、ベーキング食品の種類により添加量が変わるため、特に限定されるものではないが、ベーキング食品に対し、0.5〜10重量%、好ましくは、1〜5%が望ましい。0.5%よりも少ないと充分な効果が発揮されず、10%を越えると製造時、生地がだれる等作業性が困難になったり、焼成時のボリュームが劣る等の問題があるからである。なお、本発明にかかるベーキング食品の製造方法については、常法により行えばよく、特に制限されるものではない。
本発明により得られたベーキング食品は、サクサクとした軽い食感や香ばしい風味を有するようになった。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。特に記載のない限り、「部」は「重量部」、文中「*」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製とする。
【0013】
実施例1 プレッツェルの調製
下記の処方に従い、万能混合機のボールに水を秤量し、生イースト及びモルトエキスを分散させた後、ショートニング、準強力粉、上白糖、膨脹剤及び低ゲル強度の乳清蛋白質を添加し、フックにて630rpm、8分間混合後、30℃、75%RHで3時間発酵させる。発酵後の生地をパスタマシーンで幅5mmにカットし、4%の重曹溶液に通した後、網の上に乗せ、上下200℃のオーブンで13分間焼成し、プレッツェルを調製した。
【0014】
処方 部
準強力粉 100
上白糖 3.5
ショートニング 10.0
生イースト 0.2
モルトエキス 0.5
膨脹剤(サンオーバーO−62*) 1.0
低ゲル強度の乳清蛋白質(ミルプロLG*) 3.0
水 46.0
【0015】
比較例として、低ゲル強度の乳清蛋白質に代えて、通常のゲル強度の乳清蛋白質(ミルプロWG−900*,ゲル強度7.84N/cm2以上)を同量用いた以外は同様にして比較例のプレッツェルを調製した。
実施例のプレッツェルは、サクサクとした軽い食感であったが、比較例のプレッツェルはカリッとした固い食感であった。
【0016】
実施例2 クッキーの調製
下記の処方に従い、万能混合機のボールにマーガリン及び香料を秤量し、ビーターを用いて126rpm、90秒間攪拌混合後、上白糖を加えて、さらに3分間混合し、更に、混合しながら、卵黄を少しずつ加え乳化させる。それに、薄力粉、膨脹剤及び低ゲル強度の乳清蛋白質の粉体混合物を添加し、さっくりと混ぜた生地を厚さ5mmに延ばし、型抜き後天板を二枚に重ね、上下170℃のオーブンで15〜20分間焼成し、クッキーを調製した。できあがったクッキーは、サクサクとした軽い食感で非常に良好であった。
【0017】
処方 部
薄力粉 200
上白糖 90
無着色マーガリン 100
卵黄 20
膨脹剤(サンオーバーO−62*) 1.2
低ゲル強度の乳清蛋白質(ミルプロLG*) 8.0
香料(クックドバターオイルFB−1105*) 0.8
【0018】
実施例3 クラッカーの調製
下記の処方のうち、強力粉、イーストフード及び低ゲル強度の乳清蛋白質を粉体混合し、水にドライイーストを混合したもの及びショートニング▲1▼をあわせて万能攪拌機でフックを用いて、63rpm、5分間混合し、ホイロにて40℃、13時間発酵させる。発酵後の生地に薄力粉、砂糖、食塩、重曹を粉体混合したもの及びショートニング▲2▼を加え、63rpm、7分間混合し、圧延、3つ折の工程を3回繰り返した後、厚さ2mm、3×4cmに成型し、上下270℃のオー分にて天板2枚重ねで3分間焼成して、クラッカーを調製した。
【0019】
処方 部
強力粉 100
ショートニング▲1▼ 8.0
ドライイースト 0.12
イーストフード 0.12
水 44.0
薄力粉 50.0
ショートニング▲2▼ 8.0
砂糖 1.2
食塩 2.0
重曹 1.0
低ゲル強度の乳清蛋白質 2.5
(ミルプロLG*)
【0020】
実施例4 食パンの調製
下記の処方通り秤量し、スパイラルの攪拌棒を用いて、63rpm、10分間混合する(こね上げ温度27.5℃)。出来上がった生地を、醗酵(100分、28.5℃、85%RH)、焙炉(37℃、35分)後、成型し、200℃のオーブンで45〜50分焼成し、食パンを調製した。
【0021】
処方 部
強力粉 15.4
準強力粉 6.6
砂糖 0.8
食塩 0.44
ショートニング 0.88
イースト 0.44
イーストフード 0.1
低ゲル強度の乳清蛋白質 0.66
(ミルプロLG*)
水 13.64
【0022】
比較例として、低ゲル強度の乳清蛋白質を添加しなかった以外は同様にして食パンを調製したが、比較例の無添加品と比べて、実施例の添加品は、外皮の色と質が優れ、香ばしい香気を有し、また、食感もソフトな食感であった。
Claims (2)
- 低ゲル強度の乳清蛋白質をベーキング食品に対し、0.5〜10重量%添加することを特徴とする、ベーキング食品にサクサクとした軽い食感を付与する方法。
- 乳清蛋白質の蛋白質含有量が乾物換算で80%以上である、請求項1に記載のベーキング食品にサクサクとした軽い食感を付与する方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001080808A JP4707857B2 (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | ベーキング食品 |
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JP2002272358A JP2002272358A (ja) | 2002-09-24 |
JP4707857B2 true JP4707857B2 (ja) | 2011-06-22 |
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ID=18937019
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001080808A Expired - Lifetime JP4707857B2 (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | ベーキング食品 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4707857B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2001
- 2001-03-21 JP JP2001080808A patent/JP4707857B2/ja not_active Expired - Lifetime
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