この出願は、電子デバイスの分野に関し、より詳細には、熱放散パネル、熱放散装置、及び電子デバイスに関する。
ノートブックコンピュータ等の携帯型電子デバイスの熱発生問題は、電子デバイスの正常な動作に影響する主要な要因である。電子機器内部で発生する熱は、主に、中央処理装置(Central Processor Unit, CPU)、メインボードチップ、及びグラフィックカードから発生する。したがって、システム温度が過度に高いときに、クラッシュさえも起こる場合がある。このことは、ユーザの使用経験を低下させるのみならず、チップの動作性能及び寿命にも深刻な影響を与える。
従来技術においては、ノートブックコンピュータ等の多くの電子デバイスの熱放散は、主に、空冷に依存している。具体的には、ノートブックコンピュータの内側にファンを設置し、そして、そのファンを使用することによって空気の流れを加速して、ノートブックコンピュータの内側の熱放射要素の表面温度を下げる。しかしながら、その熱放散方式は、ノイズ及びダスト等の一連の問題を引き起こし、熱放散効果が低く、かつ、熱放散効率が低い。携帯型電子デバイスの発展に伴い、チップの集積レベル、パッケージ密度、及び動作周波数は、継続的に増加し、単一チップのエネルギー消費を増加させる。デバイス構造の密集した設計は、空冷熱放散をより困難にする。加えて、(例えば、フレキシブルディスプレイを有するモバイルフォン等の)折り曲げ可能な電子デバイスの登場は、熱放散に対する新たな課題を提起している。その結果、従来の熱放散方式は、新たなタイプの電子デバイスの熱放散要件をもはや満足することは不可能である。
この出願は、折り畳み可能な又は折り曲げ可能な電子デバイスに適用可能である熱放散パネル、熱放散装置、及び電子デバイスを提供する。
第1の態様によれば、熱放散装置が提供され、当該装置は、電子デバイスに適用され、前記電子デバイスの中に組み込まれている熱放散パネルを含み、前記熱放散パネルは、少なくとも、
第1の表面及び第2の表面を含む第1の熱伝導層であって、前記第1の熱伝導層が曲げられるときに、前記第1の表面は、外側に露出されている表面となり、前記第2の表面は、前記第1の表面とは反対にある表面となり、前記第1の熱伝導層の第1の領域は、熱放射構成要素が放出する熱を吸収し、そして、前記第1の熱伝導層の第2の領域に前記熱を伝導して、前記熱を放散させるのに使用される、第1の熱伝導層と、
第3の領域を含む第1の可撓性層であって、前記第3の領域は、曲げ領域に対応しているとともに前記第1の熱伝導層の前記第2の表面に存在する位置に付着している、第1の可撓性層と、を含む。
可撓性層は、熱伝導層の曲げ領域に付着しており、それによって、フィレットが、熱伝導材料の曲げ位置に形成される。熱伝導層が折り曲げられ又は折り畳まれるときに、損傷を受けることからその熱伝導層を保護するのにそのフィレットを使用することが可能であり、それにより、破損又は破砕を回避する。可撓性材料の高い可撓性により、熱放散パネルは、折り曲げられ又は折り畳まれるときに、破損又は破砕の傾向がより小さくなる。したがって、熱放散パネル全体としての信頼性を改善する。加えて、可撓性層を使用することによって、熱放散パネルの可撓性を改善し、熱伝導層を使用することによって、熱放散パネルの熱放散効率を改善する。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
選択的に、前記第1の可撓性層は、第4の領域をさらに含み、前記第4の領域は、前記曲げ領域を除く前記第1の熱伝導層の前記第2の表面の位置に付着しており、それによって、前記第3の領域及び前記第4の領域は、前記第1の熱伝導層の前記第2の表面を完全に覆う。
この構造の熱放散パネルは、より簡単にかつより便利に製造される。
選択的に、前記熱放散パネルは、第2の可撓性層をさらに含み、前記第2の可撓性層は、前記第1の熱伝導層の前記第1の表面に付着しており、前記第2の可撓性層は、前記第1の熱伝導層の前記第1の表面を部分的に又は完全に覆う。
可撓性層を使用することによって、熱伝導層の第1の表面と第2の表面をそれぞれ保護し、それによって、複数の異なる方向に折り曲げられるときに、可撓性層によって熱放散パネルを保護することが可能であり、折り曲げられ又は折り畳まれるときに、熱放散パネルは、破損又は破砕の傾向がより小さくなる。加えて、折り曲げられるときに、外部物体によって傷をつけられ又は切断されることから熱伝導層を保護することが可能であり、それにより、熱放散パネルの信頼性をさらに改善することが可能である。
選択的に、前記第1の領域の面積は、前記第2の領域の面積以下である。
比較的大きな熱放散領域を使用して、熱をより迅速に放散し、それにより、熱放散効率を改善する。
選択的に、当該熱放散装置は、ファンをさらに含み、前記ファンは、前記電子デバイスの高温領域の中に位置して、前記高温領域と低温領域との間で空気が流れることを可能にし、それによって、前記熱は、前記熱伝導層の前記第1の領域から前記第2の領域に伝導され、前記高温領域は、前記電子デバイスの前記熱放射構成要素に近い領域であり、前記低温領域は、前記電子デバイスの中の前記熱放射構成要素から離れた領域である。
ファン及び熱放散パネルは、協働して使用される。ファンは、高温領域と低温領域との間の空気の流れを加速し、それによって、第1領域から第2領域へと熱を迅速に伝導し、その結果、熱放散効率をさらに改善する。
選択的に、当該熱放散装置は、前記熱放散パネルの下面に配置されているシールドカバーをさらに含み、前記シールドカバー及び前記電子デバイスの中にあらかじめ配置されているシールドベースは、シールドケースを形成し、前記シールドケースは、チップをシールドするように構成され、前記熱放散パネルの前記下面は、前記熱放射構成要素と対向している前記熱放散パネルの表面である。
選択的に、前記シールドカバーは、前記熱放散パネルの材料の下側層に組み込まれ、材料の前記下側層は、前記熱放射構成要素に最も近い前記熱放散パネルの材料層である。
選択的に、前記シールドカバーは、前記熱放散パネルの前記下面に固着される。
シールドカバー及び電子デバイスにあらかじめ配置されているシールドベースは、シールドケースを形成し、それによって、チップ等の熱放射構成要素をシールドすることが可能であり、その結果、そのチップへの外部の干渉を低減するとともに、そのチップへの汚染を低減する。
選択的に、当該熱放散装置は、強化プレートをさらに含み、前記強化プレートは、前記曲げ領域に対応しているとともに前記熱放散パネルの上面及び/又は前記熱放散パネルの前記下面に存在する位置に固着されており、前記熱放散パネルの前記下面は、前記熱放射構成要素に対向している前記熱放散パネルの表面であり、前記熱放散パネルの前記上面は、前記下面とは反対に存在している前記熱放散パネルの表面である。
熱放散パネルの上面及び下面に強化プレートを付加し、損傷することから内部の熱放散パネルを保護するのみならず、折り畳まれる位置における強度を改善し、それにより、局所的な曲げを強化するとともに信頼性を向上させる。
選択的に、前記強化プレートは、取り付けられたステンレス鋼シート又は銅合金シートを含む。
選択的に、前記第1の熱伝導層は、複数の分離されたストリップ形状の熱パッドを含み、前記複数の分離されたストリップ形状の熱パッドは、前記曲げ領域の上に平行に配置され、各々のストリップ形状の熱パッドは、熱伝導方向に平行であるか、又は、ほぼ平行である。
回転軸位置に良好な可撓性を有するストリップ形状の熱伝導材料を使用して、熱伝導材料の曲げ抵抗性能をさらに改善し、それにより、信頼性を改善する。
選択的に、前記熱伝導層は、熱伝導係数が第1のあらかじめ設定された閾値以上である熱伝導材料で構成され、前記第1のあらかじめ設定された閾値は、50ワット/(メートル-ケルビン)である。
選択的に、前記熱伝導層は、前記熱伝導材料で構成され、前記熱伝導材料は、グラファイト、銅箔、又はアルミニウム箔を含む。
選択的に、前記可撓性層は、可撓性材料で構成され、前記可撓性材料は、ポリイミド又はポリアミドを含む。
第2の態様によれば、第1の熱伝導層であって、前記第1の熱伝導層は、シート形状であるとともに、熱伝導材料で構成され、そして、第1の表面及び第2の表面を含み、前記第1の熱伝導層が曲げられるときに、前記第1の表面は、外側に露出されている表面となり、前記第2の表面は、前記第1の表面とは反対にある表面となる、第1の熱伝導層と、
第1の可撓性層であって、前記第1の可撓性層は、シート形状であるとともに、可撓性材料で構成され、前記第1の可撓性層は、第3の領域を含み、前記第3の領域は、曲げ領域に対応しているとともに前記第1の熱伝導層の前記第2の表面に存在する位置に付着している、第1の可撓性層と、を含む、熱放散パネルが提供される。
可撓性層は、熱伝導層の曲げ領域に付着しており、それによって、フィレットが、熱伝導材料の曲げ位置に形成される。熱伝導層が折り曲げられ又は折り畳まれるときに、損傷を受けることからその熱伝導層を保護するのにそのフィレットを使用することが可能であり、それにより、破損又は破砕を回避する。可撓性材料の高い可撓性により、熱放散パネルは、折り曲げられ又は折り畳まれるときに、破損又は破砕の傾向がより小さくなる。したがって、熱放散パネル全体としての信頼性を改善する。加えて、可撓性層を使用することによって、熱放散パネルの可撓性を改善し、熱伝導層を使用することによって、熱放散パネルの熱放散効率を改善する。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
選択的に、前記第1の可撓性層は、第4の領域をさらに含み、前記第4の領域は、前記曲げ領域を除く前記第1の熱伝導層の前記第2の表面の位置に付着しており、それによって、前記第3の領域及び前記第4の領域は、前記第1の熱伝導層の前記第2の表面を完全に覆う。
この構造の熱放散パネルは、より簡単にかつより便利に製造される。
選択的に、前記熱放散パネルは、第2の可撓性層をさらに含み、前記第2の可撓性層は、シート形状であるとともに、熱伝導材料で構成され、前記第2の可撓性層は、前記第1の熱伝導層の前記第1の表面に付着しており、前記第2の可撓性層は、前記第1の熱伝導層の前記第1の表面を部分的に又は完全に覆う。
可撓性層を使用することによって、熱伝導層の第1の表面と第2の表面をそれぞれ保護し、それによって、複数の異なる方向に折り曲げられるときに、可撓性層によって熱放散パネルを保護することが可能であり、折り曲げられ又は折り畳まれるときに、熱放散パネルは、破損又は破砕の傾向がより小さくなる。加えて、折り曲げられるときに、外部物体によって傷をつけられ又は切断されることから熱伝導層を保護することが可能であり、それにより、熱放散パネルの信頼性をさらに改善することが可能である。
選択的に、前記熱伝導層は、熱伝導係数が第1のあらかじめ設定された閾値以上である熱伝導材料で構成され、前記第1のあらかじめ設定された閾値は、50ワット/(メートル-ケルビン)である。
選択的に、前記熱伝導材料は、グラファイト、銅箔、又はアルミニウム箔を含む。
選択的に、前記可撓性材料は、ポリイミド又はポリアミドを含む。
第3の態様によれば、電子デバイスであって、
熱放射構成要素と、
第1の態様のいずれかの可能な実装における熱放散装置と、を含む、電子デバイスが提供される。
この出願によって提供される熱放散パネル及び熱放散装置は、さまざまな折り畳まれていない、折りたたみ可能な、又は、折り曲げ可能な電子デバイスに適用可能である。可撓性層を使用することによって、熱放散パネルの可撓性を改善し、熱伝導材料を使用することによって、熱放散パネルの熱放散効率を改善する。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願の他の実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願の他の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願の他の実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった熱放散装置の概略的な構造図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願の他の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願の他の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
以下の記載は、複数の添付の図面を参照して、この出願における複数の技術的解決方法を説明する。
図1及び図2は、この出願のある1つの実施形態にしたがった熱放散パネル10の概略的な構造図である。図1に示されているように、熱放散パネル10は、少なくとも第1の熱伝導層11及び第1の可撓性層12を含む。第1の熱伝導層は、シート形状であり、熱伝導率が第1のあらかじめ設定されたしきい値以上である熱伝導材料で構成される。第1の可撓性層は、シート形状であり、可撓性材料で構成される。
具体的には、熱放散パネルは、可撓性材料の少なくとも1つの層と熱伝導材料の少なくとも1つの層とを組み合わせることによって取得することが可能である。熱伝導材料は、比較的大きな熱伝導係数を有し、急速な熱伝導を実装するのに使用される。可撓性材料は、高い可撓性を有し、変形可能でかつ折り畳み可能である。熱伝導材料と可撓性材料とを組み合わせることによって取得される熱放散パネルは、可撓性材料の可撓性及び熱伝導材料の熱伝導率の双方を有し、それによって、熱放散パネルは、例えば、折り畳み式携帯電話及び2つ折りのノートブックコンピュータ等の携帯型電子デバイス、及び、可撓性ディスプレイ、仮想現実(Virtual Reality, VR)、及び拡張現実(Augmented Reality, AR)等のウェアラブルデバイス等の様々な折り畳み可能な電子デバイス又は折り曲げ可能な電子デバイスの熱放散装置に適用可能である。
限定ではなく、ある1つの例として、第1のあらかじめ設定されたしきい値は、50ワット/(メートル・ケルビン)(W/(m・K))である。
限定ではなく、ある1つの例として、可撓性材料は、ポリイミド(Polyimide, PI)又はポリアミド(Polyamide, PA、又はナイロンと称される)を含む。熱伝導材料は、グラファイト、アルミニウム箔、又は銅箔を含む。ある1つの実施形態において、熱放散パネルは、PI及びグラファイトで構成される。
例えば、PIの熱伝導係数は、300W/(m・K)以上である。
可撓性材料は、可撓性を有し、適切な変形に耐えることが可能である材料として理解することが可能であるということに留意すべきである。可撓性は、剛性と相対するものであり、材料の物理的特性である。応力によって可撓性材料が変形した後であって、作用力が消失した後に、その材料は、自動的には元の形状に回復しなくてもよい。可撓性材料は、パフォーマンスを損なうことなく(例えば、膨張又は収縮、曲げ、ねじれ、押出し、又は変形等の)変形が可能である材料である。したがって、可撓性材料は、高い引張強度及び大きな伸び率を有する材料と称されてもよい。変形した可撓性材料の変形領域に破損が生じず、内部構造が露出しない。平滑な表面を有する可撓性材料を変形させた後に、変形領域は、依然として、平滑でかつ切れ目のない表面を呈する。加えて、可撓性材料は、複数の回数折り曲げられた後に、外力の下で元の形状に復帰することが可能であり、特定の耐用年数を有する。
図2を参照すると、第1の熱伝導層は、第1の表面及び第2の表面を含み、(図2に示されているように)第1の熱伝導層が曲げられたときに、第1の表面は、外部に露出されている表面となり、第1の可撓性層は、第1の熱伝導層の第2の表面の少なくとも曲げ領域に付着する。区別を容易にするために、曲げ領域に対応しているとともに第1の可撓性層に存在する領域は、第3の領域として示される。
可撓性層は、熱伝導層の曲げ領域に付着し、それによって、(図2に示されているように)フィレットが可撓性材料の曲げ位置に形成される。熱伝導層が折り曲げられ又は折り畳まれるときに、損傷を受けることからその熱伝導層を保護するのにそのフィレットを使用することが可能であり、その結果、破損又は破砕を回避する。可撓性材料の高い可撓性のため、熱放散パネルは、折り曲げられ又は折り畳まれるときに、破損又は破砕の傾向がより小さくなる。したがって、熱放散パネル全体としての信頼性を改善する。
本明細書においては、可撓性層は、熱伝導層の曲げ領域に付着しているため、フィレットが、可撓性層の曲げ位置に形成されるということに留意すべきである。そのような鮮明な描写は、理解を容易にするために提供される。この出願は、フィレットのサイズを特に限定することはない。言い換えると、熱伝導層を変形させるときに、フィレットは、可撓性層に付着している熱伝導層を折り畳み又は折り曲げるときに発生するフィレットの曲げ半径が、可撓性層に付着していない熱伝導層を折り畳み又は折り曲げるときに発生するフィレットの曲げ半径よりも必然的に大きくなる、という形態を有してもよい。したがって、熱伝導層を変形させるときに、フィレットは、損傷を受けることから、又は、破損し、そして、変形させられた位置にクラックを形成することから、又は、破砕されることから、熱伝導層を保護することが可能である。
この出願のこの実施形態において、熱放散プレートが配置される平面(区別及び説明を容易にするために、その平面は、第1の平面として示され、図1に示されているxoy平面となる)は、2次元の薄膜であり、(区別及び説明を容易にするために、第1の平面に垂直な方向が、第1の方向として示され、具体的には、図1に示されているoz方向である)第1の方向に、熱伝導材料の少なくとも1つの層及び可撓性材料の少なくとも1つの層を積み重ねることによって、熱放散パネルを取得することが可能であり、(例えば、両面粘着テープ等の)接着剤を使用することによって、材料のいずれかの2つの層を互いに固着させることが可能である。
選択的に、第1の可撓性層は、第4の領域をさらに含み、その第4の領域は、第1の熱伝導層の第2の表面に付着し、それによって、第3の領域及び第4の領域は、第1の熱伝導層の第2の表面を完全に覆う。
図3は、この出願の他の実施形態にしたがった熱放散パネル20の概略的な構造図である。図3に示されているように、熱放散パネル20は、図1に示されている第1の熱伝導層11及び第1の可撓性層12を含む。図1とは異なり、第1の可撓性層は、第1の熱伝導層を完全に覆ってもよく、言い換えると、第1の平面の上の第1の可撓性層の突出部は、第1の平面の上の第1の熱伝導層の突出部と完全に重なっていてもよい。図1に示されている構造と比較して、熱放散パネルは、2次元の薄膜構造を有するため、図3に示されている構造は、より簡単かつ便利に製造される。
選択的に、熱放散パネルは、第2の可撓性層をさらに含み、その第2の可撓性層は、第1の熱伝導層の第1の表面に付着し、第2の可撓性層は、第1の熱伝導層の第1の表面を部分的に又は完全に覆う。
図4は、この出願のさらに別の実施形態にしたがった熱放散パネル30の概略的な構造図である。図4に示されているように、図1に示されている第1の熱伝導層11及び第1の可撓性層12のほかに、熱放散パネル30は、第2の可撓性層13をさらに含む。第2の可撓性層は、第1の熱伝導層の第1の表面に付着する。第2の可撓性層は、第1の熱伝導層の曲げ領域のみに付着してもよく、又は、第1の熱伝導層の第1の表面を完全に覆ってもよい。
図4は、ある1つの例にすぎず、第1の可撓性層が第1の熱伝導層の第2の表面を完全に覆い、第2の可撓性層が第1の熱伝導層の第1の表面を完全に覆う場合を示しているということを理解すべきである。しかしながら、このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。例えば、第1の可撓性層及び第2の可撓性層のうちのいずれかの層は、第1の熱伝導層の曲げ領域のみに付着してもよく、それにより、熱伝導層が折り曲げられ又は折り畳まれるときに、損傷することから熱伝導層を保護するとともに、破損又は破砕を回避することが可能である。
説明を容易にするために、図4に示されている2つの可撓性層の間に熱伝導層を挟む構造は、"ABA"構造と称される。図4に示されている"ABA"構造は、熱放散パネルの典型的な構造に過ぎないということを理解すべきである。しかしながら、このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。この出願は、可撓性材料の層の数、熱伝導材料の層の数、及びそれらの層の間の順序を特に限定することはない。例えば、熱放散パネルは、可撓性材料の2つの層と熱伝導材料の2つの層とを組み合わせることによって取得されてもよく、熱伝導材料の2つの層は、可撓性材料の2つの層の間に位置して、"ABBA"構造を形成してもよい。
この出願のこの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層及び少なくとも1つの可撓性層を組み合わせる構造は、可撓性熱伝導材料と称され、可撓性熱伝導材料のうちの1つの層は、少なくとも、(図1、図3、及び図4に示されているように)1つの熱伝導層及び1つの可撓性層を含むということに留意すべきである。
上記で示されている可撓性材料の特定の内容及び熱伝導性材料の特定の内容は、例示的な説明に過ぎず、この出願に対するいかなる制限も構成しないということを理解すべきである。この出願は、上記の熱放散パネルと同一の機能を実装するために、上記の材料の代わりに、他の可撓性材料又は熱伝導材料を組み合わせることによって取得される熱放散パネルを除外するものではない。
例えば、熱伝導材料は、高い熱伝導係数を有する液体又は粒状材料であってもよい。例えば、熱伝導材料の熱伝導係数は、上記の第1のあらかじめ設定されたしきい値以上であってもよい。代替的に、材料の形態に基づいて熱伝導係数のしきい値を再定義し、それによって、その材料は、熱を迅速に伝導して、熱放散機能を実装する。
熱伝導材料が液体又は顆粒状材料であるときに、その熱伝導材料は、他の材料を使用することによって、閉じた空間の中に密閉されて、熱伝導材料の漏洩に起因して電子デバイスに対して引き起こされる汚染及び損傷を避ける必要があるということに留意すべきである。この場合には、熱伝導材料を密閉するのに使用される材料は、この出願によって提供される可撓性材料であってもよく、又は他の可撓性材料であってもよい。このことは、この出願においては、特に限定されることはない。
したがって、この出願のこの実施形態の熱放散パネルによれば、可撓性材料及び熱伝導性材料を組み合わせ、それによって、組み合わせられた材料は、比較的高い可撓性及び比較的高い熱伝導性を有し、そして、さまざまな折り曲げ可能な又は折り畳み可能な電子デバイスの熱放散装置に適用することが可能であり、その結果、信頼性を保証し、さらに、比較的良好な熱放散効果を提供する。
図5乃至図10は、この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図5乃至図10に示されているように、その電子デバイスは、ノートブックコンピュータであってもよい。図5は、ノートブックコンピュータのスクリーンを開くときの断面の概略的な図である。ノートブックコンピュータの中の熱放射構成要素は、ホストの中に存在するとともに回転軸に近くに存在する位置に配置され、特に、図5に示されている高温領域に位置するということを理解することが可能である。図5に示されているように、スクリーンの中の液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display, LCD)等の駆動構成要素は、ほとんど発熱せず、基板は、熱源を持たず、したがって、電子デバイスの低温領域となる。したがって、高温領域と低温領域は、同一平面の上にはない。このことは、熱放散パネルが熱を放散するときに、ノートブックコンピュータの回転軸位置に熱放散パネルを折り畳み、そして、さらに、繰り返し折り畳むことを必要とする。したがって、熱放散のための熱放散装置において、比較的高い可撓性及び比較的高い熱伝導率の双方を有する熱放散パネルを使用することが可能である。例えば、熱放散装置は、この出願の実施形態によって提供される熱放散パネルを含んでもよい。しかしながら、このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。この出願は、先行技術又は将来の技術において高い可撓性及び高い熱伝導率の双方を有する材料が存在する可能性を排除しない。例えば、可撓性熱伝導材料は、可撓性グラファイト又は可撓性VCであってもよい。
ノートブックコンピュータの繰り返しの開閉、すなわち、回転軸位置における繰り返しの折り曲げの特徴を考慮して、この出願の複数の実施形態によって提供される熱放散パネルを使用してもよい。図6及び図7は、熱放散パネルの断面図である。それらの図に示されているように、可撓性熱伝導材料の少なくとも1つの層を積み重ねることによって、熱放散パネルを取得することが可能である。具体的には、熱放散パネルは、第1の領域及び第2の領域を含み、第1の領域及び第2の領域は、2つの連続した領域であり、第1の領域は、ノートブックコンピュータの中の熱放射構成要素に近接するか又は熱放射構成要素に接触し、第2の領域は、ノートブックコンピュータの低温領域に位置している。第1の領域は、熱放射構成要素が放出した熱を吸収し、第2の領域にその熱を伝導して、その熱を放散するのに使用される。
図6及び図7に示されているように、熱放散パネルは、可撓性熱伝導材料の2つの層を含んでいてもよく、可撓性熱伝導材料の各々の層は、第1の可撓性層、第1の熱伝導層、及び第2の可撓性層を含んでいてもよい。第1の可撓性層及び第2の可撓性層は、それぞれ、(図6に示されているように)第1の熱伝導層の第2の表面及び第1の表面を完全に覆う。可撓性層は、熱放射構成要素に近接するか又は接触し、その熱放射構成要素が放出する熱を吸収し、そして、その熱を熱伝導層に伝導する。その次に、その熱伝導層は、第2の領域にその熱を伝導する。熱放散パネルは、厚さがミクロンレベルである薄膜材料で構成されているということを理解することが可能である。したがって、可撓性材料は、極めて小さい熱抵抗を有し、熱伝導材料層に容易に熱を伝達する。選択的に、可撓性層の厚さは、100ミクロン(μm)よりも小さい。例えば、可撓性層の厚さは、30[μm]又は70[μm]であってもよい。
代替的に、第2の可撓性層は、(図7に示されているように)第1の熱伝導層の第1の表面を部分的に覆ってもよく、それによって、その第1の熱伝導層は、熱放射構成要素に直接的に近接するか又は熱放射構成要素と接触して、その熱放射構成要素が放出する熱をより良好に吸収し、その結果、熱放散効率を改善することが可能である。
熱放散パネルに含まれる層及びそれらの層の間の相対的な位置関係は、図1乃至図4を参照して上記で詳細に説明されることを理解すべきである。簡潔にするために、本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
この出願のこの実施態様において、熱放散パネルが可撓性熱伝導材料の複数の層を含む場合に、可撓性熱伝導材料のいずれか2つの層は、接着剤を使用することによって、互いに固着されてもよい。選択的に、空隙は、(図6及び図7に示されているように)可撓性熱伝導材料のいずれか2つの層の間の接着位置に配置されてもよい。
熱放散パネルは、可撓性熱伝導材料の少なくとも1つの層を積み重ねることによって取得することが可能であるので、熱放散パネルを折り畳み又は折り曲げるときに、層の異なる曲げ半径に起因して、相互作用力を引き起こす場合がある。上記の空隙の導入は、相互作用力を減少させ、それにより、信頼性をさらに改善する。
図6及び図7に示されている熱放散パネルにおいて、空隙は、可撓性熱伝導材料の複数の層の間の接着位置に配置されてもよいということを理解すべきである。しかしながら、このことは、ある1つの可能な実装であるに過ぎず、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。図6及び図7に示されている熱放散装置において、可撓性熱伝導材料の複数の層は、接着剤を使用することによって、互いに完全に固着されてもよく、空隙は配置されない。
さらに、図6及び図7に示されている熱放散パネルの概略的な図は、例示的な説明に過ぎず、この出願に対するいかなる限定も構成しないということを理解すべきである。熱放散パネルは、可撓性熱伝導材料の1つ又は複数の層を含んでもよく、又は、可撓性熱伝導材料の各々の層は、"ABBA"構造を有してもよい。このことは、この出願においては特に限定されない。
それらの図に示されているノートブックコンピュータにおいて、回転軸は、曲げ位置に存在するため、回転軸のために、熱放散パネルにスルーホール又はブラインドホールを用意しておいてもよく、又は、熱放散パネルは、その回転軸をバイパスしてもよく、又は、回転軸は、バイパスされ、そして、熱放散材料の中に充填されてもよいということに留意すべきである。このことは、この出願においては特に限定されない。
選択的に、第1の領域の面積は、第2の領域の面積以下である。
特に、第2の領域の面積を増加させて、第1の領域の面積以上となるようにしてもよい。具体的には、熱放散面積を拡大して、より良好な温度平準化及び熱放散効果を達成するとともに、熱放散効率を改善する。
図8乃至図10は、ノートブックコンピュータ及び熱放散パネルのスクリーン前面から見た概略的な図である。熱放散パネルは、複数の異なる形状を有して、熱放射構成要素の位置(すなわち、高温領域の位置)、低温領域の位置、及びノートブックコンピュータの構造と協働してもよい。例えば、図8に示されているように、熱放射構成要素がホストの中心に近い位置に配置されている場合に、熱放散パネルは、熱放射構成要素の位置(すなわち、高温領域の位置)、低温領域の位置、及びノートブックコンピュータの構造と協働する"T"形状を有してもよい。他の例では、図9に示されているように、熱放射構成要素がホストの両側におけるエッジ位置に比較的近い場合に、熱放散パネルは、"H"形状を有してもよい。他の例では、図10に示されているように、熱放射構成要素がホストの一方の側におけるエッジ位置にのみ近い場合に、熱放散パネルは、"U"形状、又は低温領域に熱を伝導することが可能である他の形状を有してもよい。
図5乃至図10における複数の例においては、熱放散パネルの形状及び電子デバイスの中に熱放散パネルを配置する方式は、例示的な説明に過ぎず、この出願に対していかなる限定も構成するものではないということを理解すべきである。熱放散パネルは、代替的に、熱放散器又は熱放散パネル等の熱放散機能を有する他の装置と協働して使用されてもよい。例えば、熱放散パネルの中の熱伝導層の第2の領域は、熱放散器に拡張されて、熱放散を加速してもよい。
したがって、この出願によって提供される熱放散装置は、さまざまな折り畳み可能な又は折り曲げ可能な電子デバイスに適用することが可能である。可撓性材料を使用することによって、熱放散パネルの可撓性を改善し、熱伝導材料を使用することによって、熱放散パネルの熱放散効率を改善する。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
選択的に、熱放散装置は、強化プレートをさらに含んでもよい。強化プレートは、曲げ領域に対応しているとともに熱放散パネルの上面及び/又は熱放散パネルの下面に存在する位置に固着される。熱放散パネルの下面は、熱放射構成要素と対向する熱放散パネルの表面であり、熱放散パネルの上面は、熱放散パネルの下面とは反対にある表面である。
図11は、この出願のある1つの実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。図11に示されているように、熱放散装置は、熱放散パネル及び強化プレートを含み、その強化プレートは、熱放散パネルの上面及び/又は下面に固着される。熱放散パネルの下面は、熱放射構成要素の外側表面に対向する表面であり、熱放散パネルの上面は、面とは反対にある表面、言い換えると、熱放射構成要素から離れた表面である。上面及び下面は、熱放散パネルの双方の露出されている表面であるので、上面及び下面は、他の硬い物体によって傷をつけられ、切断され、又は穿孔される傾向がある。したがって、状況に応じて、上面及び/又は下面に強化プレートの層を貼り付け、それによって、損傷することから内部の熱放散パネルを保護するのみならず、折りたたまれる位置における強度を改善し、その結果、部分的な曲げを強化するとともに信頼性を改善する。
限定ではなく、ある1つの例として、強化プレートは、取り付けられたステンレス鋼シート又は銅合金シート等の金属シートであってもよい。
この出願のこの実施態様において、1つ又は複数の強化プレートが存在してもよい。このことは、この出願においては限定されない。加えて、強化プレートが、可撓性及び熱伝導性の双方を有する金属シートであるときに、強化プレートは、熱放散パネルに直接的に適用されてもよい。
選択的に、熱放散装置は、熱放散パネルの下面に配置されているシールドカバーをさらに含む。そのシールドカバー及び電子デバイスの中にあらかじめ配置されているシールドベースは、シールドケースを形成する。シールドケースは、チップをシールドするように構成される。
チップは、電子デバイスの中の主要な熱放射構成要素である。(例えば、ノートブックコンピュータ等の)同じ電子デバイスの中にアンテナモジュールをさらに構成して、信号を受信し及び送信してもよい。アンテナモジュールのチップへの干渉を避けるために、チップは、金属構造を使用することによってシールドされてもよい。図12は、この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図12に示されているように、熱放散装置は、熱放散パネル及びシールドカバーを含む。通常は、シールドベースは、電子デバイスのプリント回路基板(Printed Circuit Broad, PCB)の上にあらかじめ配置される。シールドケースは、シールドベースの位置に基づいて、熱放散装置の熱放散パネルにおける対応する位置に配置されてもよい。シールドカバーの位置は、チップに対応し、具体的には、シールドカバーは、熱放散パネルの第1の領域に位置するということを理解することが可能である。
ある1つの可能な実装において、シールドカバーは、熱放散パネルの下面に固着されてもよい。図13は、熱放散パネルの他の例を示している。図13に示されているように、金属シールドカバーは、熱放散パネルの下面に固着される。シールドカバー及び下側シールドベースは、シールドケースを形成して、チップをシールドする。
他の可能な実装において、シールドカバーは、熱放散パネルの材料の下側層の中に組み込まれていてもよい。材料の下側層は、熱放射構成要素に最も近い熱放散パネルの材料層である。図14は、熱放散パネルの他の例を示している。図14に示されているように、金属シールドカバーは、熱放散パネルの材料の下側層の中に組み込まれている。可撓性材料の下側層に露出されているシールドカバーの表面及び下側シールドベースは、シールドケースを形成して、チップをシールドする。
図12乃至図14に示されている熱放散パネルは、例であるにすぎず、この出願に対するいかなる限定も構成するべきではないということを理解すべきである。シールドカバーは、シールドベースに対応する位置に他の方式で配置されて、シールドケースを形成してもよく、それにより、チップをシールドし、そして、電子デバイスの中の(例えば、アンテナモジュール等の)他のモジュールのチップへの干渉を低減する。
選択的に、熱放散装置は、ファンをさらに含む。ファンは、電子デバイスの高温領域に位置して、高温領域と低温領域との間で空気が流れることを可能とし、それによって、第1の領域から第2の領域に熱を伝導させる。
図15及び図16は、この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図15に示されているように、電子デバイスは、ノート型コンピュータであってもよく、熱放散装置は、熱放散パネル及びファンを含んでいる。ファンは、ノートブックコンピュータの中の熱放射構成要素、すなわち、高温領域の近くに位置していてもよい。具体的には、ファンは、熱放散パネルの(図16に示されている)熱伝導方向のソースの近くに配置されていてもよい。図16は、ファンが空気の流れを加速するということを示す概略的な図である。その図の中の矢印は、熱い空気の伝導方向を模式的に示している。ファン及び熱放散パネルは、熱放散装置の中で協働して使用され、ファンは、高温領域と低温領域との間の空気の流れを加速し、それによって、第1領域から第2領域に熱を速やかに伝導させ、その結果、熱放散効率をさらに改善するということを理解することが可能である。
1つ又は複数のファンが存在してもよいということを理解すべきであり、このことは、この出願において特に限定されない。
選択的に、第1の熱伝導層は、複数の分離されたストリップ形状の熱パッドを含み、それらの複数の分離されたストリップ形状の熱パッドは、曲げ領域において平行に配列され、各々のストリップ形状の熱パッドは、熱伝導方向に平行であるか又は熱伝導方向にほぼ平行である。
図17は、この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図17に示されているように、電子デバイスは、ノートブックコンピュータであってもよい。図17に示されている方向に沿って、ノートブックコンピュータの中に熱放散装置を配置してもよい。第1の領域は、高温領域に位置し、第2の領域は、低温領域に位置する。ストリップ形状の熱パッドは、熱放散パネルの曲げ領域に(すなわち、ストリップ形状の熱パッドは、図17の中の40に対応していてもよく、ノートブックコンピュータの回転軸位置に)配置され、そして、曲げ領域において平行に配列されて、束構造を形成する。回転軸位置において、グラファイトファイバ等のストリップ形状の熱伝導材料が使用される。薄膜の形態のグラファイトと比較して、グラファイトファイバは、より可撓性があり、それにより、可撓性材料の曲げ耐性能力をさらに増加させ、そして、信頼性を改善する。加えて、各々のストリップ形状の熱パッドは、熱伝導方向に平行であるか又は熱伝導方向にほぼ平行であり、それにより、熱伝導を容易にする、すなわち、熱放散を容易にする。
図18は、この出願のさらに別の実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。具体的には、図18は、第1の可撓性層及びA-A断面の概略的な構造図を除いた曲げ領域40の上面図である。図18に示されているように、熱放散パネルの中の少なくとも1つの熱伝導層は、曲げ領域に平行に配列された束構造を表していてもよい。理解を容易にするために、図18は、A-A断面の概略的な構造図をさらに示している。熱放散パネルは、(図4に示されているように)上記で説明されている第1の熱伝導層11、第1の可撓性層12、及び第2の可撓性層13を含んでいてもよい。A-A断面は、複数の位置における第1の熱伝導層のストリップ形状の熱パッドの断面を表している。
図18に示されている熱放散パネルは、ある1つの例であるにすぎないということを理解すべきである。熱放散パネルに含まれている少なくとも1つの熱伝導層において、1つ又は複数の熱伝導層は、図18に示されている束構造となるように設計されてもよい。加えて、選択的に、その束構造は、熱伝導方向で熱放散パネルを貫通してもよい。このことは、この出願においては特に限定されない。
上記で説明されているこの実施形態において、ノートブックコンピュータに、この出願の複数の実施形態における熱放散装置を適用する事例を示している。このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。この出願の複数の実施形態における熱放散装置は、さまざまな折り畳み可能な又は折り曲げ可能な電子デバイスに適用することが可能である。加えて、この出願の複数の実施形態における熱放散装置は、また、例えば、タブレットコンピュータ等のタブレット型電子デバイスに適用することが可能である。
図19は、この出願の他の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図19に示されているように、電子デバイスは、タブレットコンピュータであってもよい。そのタブレットコンピュータの中の熱放射構成要素は、(図19に示されているように)タブレットコンピュータの下部に位置し、そのテーブルコンピュータの背面の近くに存在するということを仮定する。図19は、タブレットコンピュータの前面及び断面の構造を概略的に示している。熱放散装置は、タブレットの形態で電子デバイスの中に配置されてもよい。具体的には、熱放散装置は、熱伝導材料の1つ又は複数の層を組み合わせることによって取得される熱放散パネルを含んでもよい。代替的に、熱放散装置は、可撓性熱伝導材料の1つ又は複数の層を組み合わせることによって取得される熱放散パネルを含んでもよい。熱伝導材料は、上記の列記されている熱伝導材料のうちのいずれかの1つ又は複数の材料であってもよく、又は、熱伝導材料は、比較的高い熱伝導率を有する他の材料であってもよい。可撓性熱伝導材料は、この出願によって提供される可撓性熱伝導材料であってもよく、又は、比較的高い可撓性及び比較的高い熱伝導率の双方を有する他の材料であってもよい。
図19は、タブレットコンピュータの中に(図19において黒色の重い実線及び黒色の太い破線を使用することによって示されている)熱放散パネルを配置する概略的な図である。熱放散パネルは、2つの連続する領域、すなわち、(図19において灰色の破線を使用することによって示されている領域Aである)第1の領域及び(図19において灰色の破線によって示されている領域Bである)第2の領域に分割されてもよいということを理解することが可能である。第1の領域は、熱放射構成要素に近い領域であり、第2の領域は、第1の領域から電子デバイスの低温領域へと、すなわち、熱放射構成要素から離れた領域へと延在している領域である。第2領域の面積は、低温領域に拡張される。具体的には、第1の領域から伝導される熱は、第2の領域を使用することによって低温領域に効果的に放散され、それにより、急速な熱放散を容易にすることが可能である。したがって、従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
選択的に、第1の領域の面積は、第2の領域の面積以下である。
特に、第2の領域の面積を増加させて、第1の領域の面積以上となるようにしてもよい。具体的には、熱放散面積を拡大して、より良好な温度平準化及び熱放散効果を達成するとともに、熱放散効率を改善する。
この出願のこの実施態様において、熱放散パネルが、タブレットコンピュータの背面に並列に配置され、折り畳まれないか又は折り曲げられない場合に、熱放散パネルは、熱伝導材料のみを含んでもよく、又は、可撓性熱放散パネルであってもよい。熱放散パネルが、タブレットコンピュータの熱を放散させるのに使用されるときに、折り曲げられ又は折り畳まれる場合に、熱放散パネルは、可撓性熱放散パネルであってもよい。
図20及び図21は、この出願の他の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図20に示されているように、電子デバイスは、依然として、上記で説明されているタブレットコンピュータであってもよい。テーブルコンピュータの中の熱放射要素の特定の位置は、図19に示されているタブレットコンピュータの中の熱放射構成要素の特定の位置と同様であってもよい。図19に示されている熱放散パネルとは異なり、図20に示されている熱放散パネルは、折り曲げられている。したがって、熱放散パネルは、比較的高い可撓性及び比較的高い熱伝導率の双方を有する可撓性熱伝導材料を使用してもよい。例えば、熱放散パネルは、この出願によって提供される可撓性熱伝導材料、すなわち、図1乃至図4を参照して説明されている熱放散パネルを使用してもよい。しかしながら、このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。この出願は、先行技術又は将来的な技術において高い可撓性及び高い熱伝導率の双方を有する材料を除外するものではない。例えば、材料は、可撓性グラファイト又は可撓性蒸気チャンバ(Vapor Chamber, VC)であってもよい。
図20は、タブレットコンピュータの中に(図20において黒色の太い実線及び黒色の太い破線を使用することによって示されている)熱放散パネルを配置する概略的な図である。その熱放散パネルは、2つの連続した部分、すなわち、第1の領域及び第2の領域に分割されてもよいということを理解することが可能である。タブレットコンピュータの中の熱放射構成要素は、ある特定の厚さを有していてもよいので、第1領域の第1表面は、熱放射構成要素の外側表面と対向しているということを断面から理解することが可能である。熱放射構成要素は、タブレットコンピュータの(図20において灰色の破線を使用することによって示されている領域Aである)下側部分に位置しているので、第2の領域は、タブレットコンピュータの背面に近い(図20において灰色の破線を使用することによって示されている領域Bである)上側部分まで延ばされ、熱をより良好に放散する。したがって、第1の領域と第2の領域との間の中間領域は、曲げられてもよい。
したがって、この出願のこの実施形態において、第2領域の面積は、低温領域に拡張される。具体的には、第1の領域から伝導される熱は、第2の領域を使用することによって低温領域に効果的に放散され、それにより、急速な熱放散を容易にすることが可能である。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
選択的に、第1の領域の面積は、第2の領域の面積以下である。
特に、第2の領域の面積を増加させて、第1の領域の面積以上となるようにしてもよい。具体的には、熱放散面積を拡大して、より良好な温度平準化及び熱放散効果を達成するとともに、熱放散効率を改善する。
図21は、熱放散パネルの断面の概略的な図である。熱放散パネルは、この出願によって提供される可撓性熱伝導性材料で作ることが可能である。具体的には、熱放散パネルは、少なくとも1つの可撓性層及び少なくとも1つの熱伝導層を含んでもよい。可撓性層は、熱放散パネルの外側部分に位置し、熱伝導層は、熱放散パネルの内側部分に位置するということを断面から理解することが可能である。図21に示されている熱放散パネルによれば、熱放散パネルを折り曲げ又は折り畳む必要があるときに、可撓性材料は、熱伝導材料の2つの表面(すなわち、第1の表面及び第2の表面)に固着するので、フィレットは、折り曲げられ又は折り畳まれる位置に形成される。熱伝導材料を折り畳むときに、損傷を受けることからその熱伝導材料を保護し、そして、破損又は破砕を避けるのにそのフィレットを使用する。可撓性材料の高い可撓性により、熱放散パネルは、折り曲げられ又は折り畳まれるときに、破損又は破砕の傾向がより小さくなる。したがって、熱放散パネル全体としての信頼性を改善する。
図20において熱放散パネルの中間領域を折り曲げる場合は、例示的な説明に過ぎず、この出願に対するいかなる限定をも構成すべきではないということを理解すべきである。いくつかの可能なシナリオにおいて、熱放射構成要素の表面は不均一であってもよい。この出願によって提供される熱放散パネルを使用するときに、第1の領域を折り曲げてもよい。この出願によって提供される熱放散パネルによれば、可撓性材料の高い可撓性により、熱放散パネルの信頼性を保証することが可能である。
図22は、この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図22に示されているように、電子デバイスは、依然として、上記で説明されているタブレットコンピュータであってもよい。テーブルコンピュータの中の熱放射要素の特定の位置は、図19及び図20に示されているタブレットコンピュータの中の熱放射構成要素の特定の位置と同様であってもよい。図19及び図20に示されている熱放散パネルとは異なり、図22に示されている熱放散パネルは、折り畳まれている。したがって、熱放散パネルは、比較的高い可撓性及び比較的高い熱伝導率の双方を有する熱放散パネルを使用してもよい。例えば、熱放散パネルは、この出願によって提供される可撓性熱伝導材料で作られてもよい。しかしながら、このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。この出願は、先行技術又は将来的な技術において高い可撓性及び高い熱伝導率の双方を有する材料を除外するものではない。例えば、その材料は、可撓性グラファイト又は可撓性VCであってもよい。
図22は、タブレットコンピュータの中に(図22において黒色の太い実線及び黒色の太い破線を使用することによって示されている)熱放散パネルを配置する概略的な図である。その熱放散パネルは、2つの連続した部分、すなわち、第1の領域及び第2の領域に分割されてもよいということを理解することが可能である。タブレットコンピュータの中の熱放射構成要素は、ある特定の厚さを有していてもよいので、第1領域の第1表面は、熱放射構成要素の外側表面と対向しているということを断面から理解することが可能である。熱放射構成要素は、タブレットコンピュータの(図22において灰色の破線を使用することによって示されている領域Aである)下側部分に位置しているので、第2の領域は、テーブルコンピュータの外側領域まで延ばされていてもよく、具体的には、タブレットコンピュータの背面にある(図22において灰色の破線によって示されている領域Bである)上側領域に位置し、熱をより良好に放散する。
したがって、この出願のこの実施形態において、第2領域の面積は、低温領域に拡張される。具体的には、第1の領域から伝導される熱は、第2の領域を使用することによって低温領域に効果的に放散され、それにより、急速な熱放散を容易にすることが可能である。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
選択的に、第1の領域の面積は、第2の領域の面積以下である。
特に、第2の領域の面積は、第1の領域の面積と同じであるか又はより大きい。具体的には、熱放散面積を拡大して、より良好な温度平準化及び熱放散効果を達成するとともに、熱放散効率を改善する。
選択的に、タブレットコンピュータの外側部分に位置する第2の領域は、例えば、空冷方式又は水冷方式等の他の方式で熱放散をさらに加速することが可能である。このことは、この出願においては特に限定されない。
図22は、さらに、熱放散パネルの断面の概略的な図を示している。第2の領域は、タブレットコンピュータの外側領域に拡張されるので、第1の領域と第2の領域との間の領域は、折り畳まれてもよい。したがって、熱放散パネルは、この出願によって提供される可撓性熱伝導材料で作ることが可能である。具体的には、熱放散パネルは、少なくとも1つの可撓性層及び少なくとも1つの熱伝導層を含んでもよい。可撓性材料は、熱放散パネルの外側部分に位置し、熱伝導材料は、熱放散パネルの内側部分に位置するということを断面から理解することが可能である。可撓性材料の高い可撓性により、熱放散パネルは、中間領域の折り畳み位置において折り畳まれるときに破損の傾向がより小さくなり、それにより、熱放散パネルの信頼性を改善する。
図22において熱放散パネルの中間領域を折り畳む場合は、例示的な説明であるに過ぎず、この出願に対するいかなる制限も構成するべきではないということを理解するべきである。いくつかの可能なシナリオにおいて、熱放射構成要素の表面は、同じ平面に位置しなくてもよい。この出願によって提供される熱放散パネルを使用するときに、第1の領域は、熱放射部分が放出する熱をより良好に吸収するために折り畳まれる必要がある場合がある。この出願によって提供される熱放散パネルによれば、可撓性材料の高い可撓性により、熱放散パネルの信頼性が保証される。
さらに、上記の記載は、複数の添付の図面を参照して、熱放散パネル及び熱放散装置の複数の可能な概略的な図を示しているということを理解すべきである。しかしながら、このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。熱放散パネルは、図1乃至図4に示されているいずれかの熱放散パネルであってもよい。図1乃至図4に示されているいずれかの熱放散パネルのほかに、熱放散装置は、(図11に示されているような)強化プレート、(図12乃至図14に示されているような)シールドカバー、(図15及び図16に示されているような)ファン、及び(図17及び図18に示されているような)ストリップ形状の熱パッドのうちの1つ又は複数をさらに含んでもよい。このことは、この出願においては特に限定されない。
上記の複数の実施形態によれば、この出願によって提供される熱放散パネル及び熱放散装置は、さまざまな折り畳まれていない電子デバイス、折り畳み可能な電子デバイス、又は、折り曲げ可能な電子デバイスに適用することが可能である。可撓性材料を使用することによって熱放散パネルの可撓性を改善し、熱伝導材料を使用することによって熱放散パネルの熱放散効率を改善する。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
この出願は、さらに、電子デバイスを提供する。電子デバイスは、電子デバイスの中の熱放射構成要素及び熱放散装置を含む。具体的には、熱放散装置は、上記の複数の実施形態において説明されている複数の熱放散装置のうちのいずれか1つであってもよい。
この出願の複数の実施形態において、電子デバイスに熱放散装置を適用して、熱を放散させるための熱放散パネル及び具体的な方法は、図5乃至図10、図12、図15乃至図17、図19、図20、及び図22を参照して上記で詳細に説明されているということを理解すべきである。簡潔さのために、本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
当業者は、電子ハードウェア、又は、コンピュータソフトウェア及び電子ハードウェアの組み合わせによって、本明細書に開示されている複数の実施形態を参照して説明されている複数の例におけるユニット及びアルゴリズムステップを実装することが可能であるということを認識することが可能である。機能がハードウェアによって実行されるか又はソフトウェアによって実行されるかは、複数の技術的解決方法の特定のアプリケーション及び設計上の制約条件によって決まる。当業者は、複数の異なる方法を使用して、各々の特定の用途について記載された機能を実装してもよいが、その実装がこの出願の範囲を超えていると解釈されるべきではない。
当業者は、利便性のある簡潔な説明のために、システム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについて、複数の方法の実施形態における対応するプロセスを参照してもよいということを明確に理解することが可能である。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
この出願によって提供されるいくつかの実施形態において、他の方式によって、それらの開示されているシステム、装置、及び方法を実装してもよいということを理解すべきである。例えば、説明されている装置の実施形態は、ある1つの例であるにすぎない。例えば、ユニットの分割は、論理機能的な分割にすぎず、実際の実装においては他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又は構成要素を組み合わ又は一体化して、他のシステムとしてもよく、或いは、いくつかの特徴を無視し、又は、実行しなくてもよい。加えて、示され又は議論された相互結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェイスを使用することによって実装されてもよい。複数の装置又はユニットの間の非直接的な結合又は通信接続は、電気的に、機械的に、又は他の形態で実装されてもよい。
複数の個別の部分として説明されるユニットは、物理的に分離されていてもよく、又は、物理的に分離されていなくてもよく、複数のユニットとして示されている部分は、複数の物理的なユニットであってもよく、又は、複数の物理的なユニットでなくてもよく、1つの位置に配置されていてもよく、又は、複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。複数の実施形態の解決方法の目的を達成するための実際の必要に応じて、それらの複数のユニットの一部又はすべてを選択してもよい。
加えて、この出願の複数の実施形態における複数の機能ユニットを一体化して、1つの処理ユニットとしてもよく、又は、それらの複数のユニットの各々は、物理的に単独で存在していてもよく、又は、2つ又はそれ以上のユニットを一体化して、1つのユニットとしてもよい。
複数の機能が、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売され又は使用されるときは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の中に、それらの複数の機能を格納してもよい。そのような理解に基づいて、この出願の複数の技術的解決方法は、本質的に、或いは、先行技術に寄与する部分又はそれらの技術的解決方法のうちのいくつかは、ソフトウェア製品の形態で実装されてもよい。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、複数の命令を含み、それらの複数の命令は、この出願の複数の実施形態において説明されている方法のステップのうちのすべて又は一部を実行するように、(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイス等であってもよい)コンピュータデバイスに指示する。上記の記憶媒体は、プログラムコードを格納することが可能であるUSBフラッシュドライブ、取り外し可能なハードディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory, ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory, RAM)、磁気ディスク、又は光ディスク等のいずれかの媒体を含む。
上記の説明は、この出願の特定の実装にすぎず、この出願の保護範囲を限定することを意図してはいない。この出願によって開示されている技術的範囲の中で当業者が容易に考え出すことが可能であるあらゆる変形又は置換は、この出願の保護範囲に属するものとする。したがって、この出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲にしたがうものとする。
この出願は、電子デバイスの分野に関し、より詳細には、熱放散パネル、熱放散装置、及び電子デバイスに関する。
ノートブックコンピュータ等の携帯型電子デバイスの熱発生問題は、電子デバイスの正常な動作に影響する主要な要因である。電子機器内部で発生する熱は、主に、中央処理装置(Central Processor Unit, CPU)、メインボードチップ、及びグラフィックカードから発生する。したがって、システム温度が過度に高いときに、クラッシュさえも起こる場合がある。このことは、ユーザの使用経験を低下させるのみならず、チップの動作性能及び寿命にも深刻な影響を与える。
従来技術においては、ノートブックコンピュータ等の多くの電子デバイスの熱放散は、主に、空冷に依存している。具体的には、ノートブックコンピュータの内側にファンを設置し、そして、そのファンを使用することによって空気の流れを加速して、ノートブックコンピュータの内側の熱放射要素の表面温度を下げる。しかしながら、その熱放散方式は、ノイズ及びダスト等の一連の問題を引き起こし、熱放散効果が低く、かつ、熱放散効率が低い。携帯型電子デバイスの発展に伴い、チップの集積レベル、パッケージ密度、及び動作周波数は、継続的に増加し、単一チップのエネルギー消費を増加させる。デバイス構造の密集した設計は、空冷熱放散をより困難にする。加えて、(例えば、フレキシブルディスプレイを有するモバイルフォン等の)折り曲げ可能な電子デバイスの登場は、熱放散に対する新たな課題を提起している。その結果、従来の熱放散方式は、新たなタイプの電子デバイスの熱放散要件をもはや満足することは不可能である。
この出願は、折り畳み可能な又は折り曲げ可能な電子デバイスに適用可能である熱放散パネル、熱放散装置、及び電子デバイスを提供する。
第1の態様によれば、熱放散装置が提供され、当該装置は、電子デバイスに適用され、前記電子デバイスの中に組み込まれている熱放散パネルを含み、前記熱放散パネルは、少なくとも、
第1の表面及び第2の表面を含む第1の熱伝導層であって、前記第1の熱伝導層が曲げられるときに、前記第1の表面は、外側に露出されている表面となり、前記第2の表面は、前記第1の表面とは反対にある表面となり、前記第1の熱伝導層の第1の領域は、熱放射構成要素が放出する熱を吸収し、そして、前記第1の熱伝導層の第2の領域に前記熱を伝導して、前記熱を放散させるのに使用される、第1の熱伝導層と、
第3の領域を含む第1の可撓性層であって、前記第3の領域は、曲げ領域に対応しているとともに前記第1の熱伝導層の前記第2の表面に存在する位置に付着している、第1の可撓性層と、を含む。
可撓性層は、熱伝導層の曲げ領域に付着しており、それによって、フィレットが、熱伝導材料の曲げ位置に形成される。熱伝導層が折り曲げられ又は折り畳まれるときに、損傷を受けることからその熱伝導層を保護するのにそのフィレットを使用することが可能であり、それにより、破損又は破砕を回避する。可撓性材料の高い可撓性により、熱放散パネルは、折り曲げられ又は折り畳まれるときに、破損又は破砕の傾向がより小さくなる。したがって、熱放散パネル全体としての信頼性を改善する。加えて、可撓性層を使用することによって、熱放散パネルの可撓性を改善し、熱伝導層を使用することによって、熱放散パネルの熱放散効率を改善する。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
選択的に、前記第1の可撓性層は、第4の領域をさらに含み、前記第4の領域は、前記曲げ領域を除く前記第1の熱伝導層の前記第2の表面の位置に付着しており、それによって、前記第3の領域及び前記第4の領域は、前記第1の熱伝導層の前記第2の表面を完全に覆う。
この構造の熱放散パネルは、より簡単にかつより便利に製造される。
選択的に、前記熱放散パネルは、第2の可撓性層をさらに含み、前記第2の可撓性層は、前記第1の熱伝導層の前記第1の表面に付着しており、前記第2の可撓性層は、前記第1の熱伝導層の前記第1の表面を部分的に又は完全に覆う。
可撓性層を使用することによって、熱伝導層の第1の表面と第2の表面をそれぞれ保護し、それによって、複数の異なる方向に折り曲げられるときに、可撓性層によって熱放散パネルを保護することが可能であり、折り曲げられ又は折り畳まれるときに、熱放散パネルは、破損又は破砕の傾向がより小さくなる。加えて、折り曲げられるときに、外部物体によって傷をつけられ又は切断されることから熱伝導層を保護することが可能であり、それにより、熱放散パネルの信頼性をさらに改善することが可能である。
選択的に、前記第1の領域の面積は、前記第2の領域の面積以下である。
比較的大きな熱放散領域を使用して、熱をより迅速に放散し、それにより、熱放散効率を改善する。
選択的に、当該熱放散装置は、ファンをさらに含み、前記ファンは、前記電子デバイスの高温領域の中に位置して、前記高温領域と低温領域との間で空気が流れることを可能にし、それによって、前記熱は、前記熱伝導層の前記第1の領域から前記第2の領域に伝導され、前記高温領域は、前記電子デバイスの前記熱放射構成要素に近い領域であり、前記低温領域は、前記電子デバイスの中の前記熱放射構成要素から離れた領域である。
ファン及び熱放散パネルは、協働して使用される。ファンは、高温領域と低温領域との間の空気の流れを加速し、それによって、第1領域から第2領域へと熱を迅速に伝導し、その結果、熱放散効率をさらに改善する。
選択的に、当該熱放散装置は、前記熱放散パネルの下面に配置されているシールドカバーをさらに含み、前記シールドカバー及び前記電子デバイスの中にあらかじめ配置されているシールドベースは、シールドケースを形成し、前記シールドケースは、チップをシールドするように構成され、前記熱放散パネルの前記下面は、前記熱放射構成要素と対向している前記熱放散パネルの表面である。
選択的に、前記シールドカバーは、前記熱放散パネルの材料の下側層に組み込まれ、材料の前記下側層は、前記熱放射構成要素に最も近い前記熱放散パネルの材料層である。
選択的に、前記シールドカバーは、前記熱放散パネルの前記下面に固着される。
シールドカバー及び電子デバイスにあらかじめ配置されているシールドベースは、シールドケースを形成し、それによって、チップ等の熱放射構成要素をシールドすることが可能であり、その結果、そのチップへの外部の干渉を低減するとともに、そのチップへの汚染を低減する。
選択的に、当該熱放散装置は、強化プレートをさらに含み、前記強化プレートは、前記曲げ領域に対応しているとともに前記熱放散パネルの上面及び/又は前記熱放散パネルの前記下面に存在する位置に固着されており、前記熱放散パネルの前記下面は、前記熱放射構成要素に対向している前記熱放散パネルの表面であり、前記熱放散パネルの前記上面は、前記下面とは反対に存在している前記熱放散パネルの表面である。
熱放散パネルの上面及び下面に強化プレートを付加し、損傷することから内部の熱放散パネルを保護するのみならず、折り畳まれる位置における強度を改善し、それにより、局所的な曲げを強化するとともに信頼性を向上させる。
選択的に、前記強化プレートは、取り付けられたステンレス鋼シート又は銅合金シートを含む。
選択的に、前記第1の熱伝導層は、複数の分離されたストリップ形状の熱パッドを含み、前記複数の分離されたストリップ形状の熱パッドは、前記曲げ領域の上に平行に配置され、各々のストリップ形状の熱パッドは、熱伝導方向に平行であるか、又は、ほぼ平行である。
回転軸位置に良好な可撓性を有するストリップ形状の熱伝導材料を使用して、熱伝導材料の曲げ抵抗性能をさらに改善し、それにより、信頼性を改善する。
選択的に、前記熱伝導層は、熱伝導係数が第1のあらかじめ設定された閾値以上である熱伝導材料で構成され、前記第1のあらかじめ設定された閾値は、50ワット/(メートル-ケルビン)である。
選択的に、前記熱伝導層は、前記熱伝導材料で構成され、前記熱伝導材料は、グラファイト、銅箔、又はアルミニウム箔を含む。
選択的に、前記可撓性層は、可撓性材料で構成され、前記可撓性材料は、ポリイミド又はポリアミドを含む。
第2の態様によれば、第1の熱伝導層であって、前記第1の熱伝導層は、シート形状であるとともに、熱伝導材料で構成され、そして、第1の表面及び第2の表面を含み、前記第1の熱伝導層が曲げられるときに、前記第1の表面は、外側に露出されている表面となり、前記第2の表面は、前記第1の表面とは反対にある表面となる、第1の熱伝導層と、
第1の可撓性層であって、前記第1の可撓性層は、シート形状であるとともに、可撓性材料で構成され、前記第1の可撓性層は、第3の領域を含み、前記第3の領域は、曲げ領域に対応しているとともに前記第1の熱伝導層の前記第2の表面に存在する位置に付着している、第1の可撓性層と、を含む、熱放散パネルが提供される。
可撓性層は、熱伝導層の曲げ領域に付着しており、それによって、フィレットが、熱伝導材料の曲げ位置に形成される。熱伝導層が折り曲げられ又は折り畳まれるときに、損傷を受けることからその熱伝導層を保護するのにそのフィレットを使用することが可能であり、それにより、破損又は破砕を回避する。可撓性材料の高い可撓性により、熱放散パネルは、折り曲げられ又は折り畳まれるときに、破損又は破砕の傾向がより小さくなる。したがって、熱放散パネル全体としての信頼性を改善する。加えて、可撓性層を使用することによって、熱放散パネルの可撓性を改善し、熱伝導層を使用することによって、熱放散パネルの熱放散効率を改善する。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
選択的に、前記第1の可撓性層は、第4の領域をさらに含み、前記第4の領域は、前記曲げ領域を除く前記第1の熱伝導層の前記第2の表面の位置に付着しており、それによって、前記第3の領域及び前記第4の領域は、前記第1の熱伝導層の前記第2の表面を完全に覆う。
この構造の熱放散パネルは、より簡単にかつより便利に製造される。
選択的に、前記熱放散パネルは、第2の可撓性層をさらに含み、前記第2の可撓性層は、シート形状であるとともに、熱伝導材料で構成され、前記第2の可撓性層は、前記第1の熱伝導層の前記第1の表面に付着しており、前記第2の可撓性層は、前記第1の熱伝導層の前記第1の表面を部分的に又は完全に覆う。
可撓性層を使用することによって、熱伝導層の第1の表面と第2の表面をそれぞれ保護し、それによって、複数の異なる方向に折り曲げられるときに、可撓性層によって熱放散パネルを保護することが可能であり、折り曲げられ又は折り畳まれるときに、熱放散パネルは、破損又は破砕の傾向がより小さくなる。加えて、折り曲げられるときに、外部物体によって傷をつけられ又は切断されることから熱伝導層を保護することが可能であり、それにより、熱放散パネルの信頼性をさらに改善することが可能である。
選択的に、前記熱伝導層は、熱伝導係数が第1のあらかじめ設定された閾値以上である熱伝導材料で構成され、前記第1のあらかじめ設定された閾値は、50ワット/(メートル-ケルビン)である。
選択的に、前記熱伝導材料は、グラファイト、銅箔、又はアルミニウム箔を含む。
選択的に、前記可撓性材料は、ポリイミド又はポリアミドを含む。
第3の態様によれば、電子デバイスであって、
熱放射構成要素と、
第1の態様のいずれかの可能な実装における熱放散装置と、を含む、電子デバイスが提供される。
この出願によって提供される熱放散パネル及び熱放散装置は、さまざまな折り畳まれていない、折りたたみ可能な、又は、折り曲げ可能な電子デバイスに適用可能である。可撓性層を使用することによって、熱放散パネルの可撓性を改善し、熱伝導材料を使用することによって、熱放散パネルの熱放散効率を改善する。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願の他の実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願の他の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願の他の実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった熱放散装置の概略的な構造図である。
この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願の他の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願の他の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。
以下の記載は、複数の添付の図面を参照して、この出願における複数の技術的解決方法を説明する。
図1及び図2は、この出願のある1つの実施形態にしたがった熱放散パネル10の概略的な構造図である。図1に示されているように、熱放散パネル10は、少なくとも第1の熱伝導層11及び第1の可撓性層12を含む。第1の熱伝導層は、シート形状であり、熱伝導率が第1のあらかじめ設定されたしきい値以上である熱伝導材料で構成される。第1の可撓性層は、シート形状であり、可撓性材料で構成される。
具体的には、熱放散パネルは、可撓性材料の少なくとも1つの層と熱伝導材料の少なくとも1つの層とを組み合わせることによって取得することが可能である。熱伝導材料は、比較的大きな熱伝導係数を有し、急速な熱伝導を実装するのに使用される。可撓性材料は、高い可撓性を有し、変形可能でかつ折り畳み可能である。熱伝導材料と可撓性材料とを組み合わせることによって取得される熱放散パネルは、可撓性材料の可撓性及び熱伝導材料の熱伝導率の双方を有し、それによって、熱放散パネルは、例えば、折り畳み式携帯電話及び2つ折りのノートブックコンピュータ等の携帯型電子デバイス、及び、可撓性ディスプレイ、仮想現実(Virtual Reality, VR)、及び拡張現実(Augmented Reality, AR)等のウェアラブルデバイス等の様々な折り畳み可能な電子デバイス又は折り曲げ可能な電子デバイスの熱放散装置に適用可能である。
限定ではなく、ある1つの例として、第1のあらかじめ設定されたしきい値は、50ワット/(メートル・ケルビン)(W/(m・K))である。
限定ではなく、ある1つの例として、可撓性材料は、ポリイミド(Polyimide, PI)又はポリアミド(Polyamide, PA、又はナイロンと称される)を含む。熱伝導材料は、グラファイト、アルミニウム箔、又は銅箔を含む。ある1つの実施形態において、熱放散パネルは、PI及びグラファイトで構成される。
例えば、PIの熱伝導係数は、300W/(m・K)以上である。
可撓性材料は、可撓性を有し、適切な変形に耐えることが可能である材料として理解することが可能であるということに留意すべきである。可撓性は、剛性と相対するものであり、材料の物理的特性である。応力によって可撓性材料が変形した後であって、作用力が消失した後に、その材料は、自動的には元の形状に回復しなくてもよい。可撓性材料は、パフォーマンスを損なうことなく(例えば、膨張又は収縮、曲げ、ねじれ、押出し、又は変形等の)変形が可能である材料である。したがって、可撓性材料は、高い引張強度及び大きな伸び率を有する材料と称されてもよい。変形した可撓性材料の変形領域に破損が生じず、内部構造が露出しない。平滑な表面を有する可撓性材料を変形させた後に、変形領域は、依然として、平滑でかつ切れ目のない表面を呈する。加えて、可撓性材料は、複数の回数折り曲げられた後に、外力の下で元の形状に復帰することが可能であり、特定の耐用年数を有する。
図2を参照すると、第1の熱伝導層は、第1の表面及び第2の表面を含み、(図2に示されているように)第1の熱伝導層が曲げられたときに、第1の表面は、外部に露出されている表面となり、第1の可撓性層は、第1の熱伝導層の第2の表面の少なくとも曲げ領域に付着する。区別を容易にするために、曲げ領域に対応しているとともに第1の可撓性層に存在する領域は、第3の領域として示される。
可撓性層は、熱伝導層の曲げ領域に付着し、それによって、(図2に示されているように)フィレットが可撓性材料の曲げ位置に形成される。熱伝導層が折り曲げられ又は折り畳まれるときに、損傷を受けることからその熱伝導層を保護するのにそのフィレットを使用することが可能であり、その結果、破損又は破砕を回避する。可撓性材料の高い可撓性のため、熱放散パネルは、折り曲げられ又は折り畳まれるときに、破損又は破砕の傾向がより小さくなる。したがって、熱放散パネル全体としての信頼性を改善する。
本明細書においては、可撓性層は、熱伝導層の曲げ領域に付着しているため、フィレットが、可撓性層の曲げ位置に形成されるということに留意すべきである。そのような鮮明な描写は、理解を容易にするために提供される。この出願は、フィレットのサイズを特に限定することはない。言い換えると、熱伝導層を変形させるときに、フィレットは、可撓性層に付着している熱伝導層を折り畳み又は折り曲げるときに発生するフィレットの曲げ半径が、可撓性層に付着していない熱伝導層を折り畳み又は折り曲げるときに発生するフィレットの曲げ半径よりも必然的に大きくなる、という形態を有してもよい。したがって、熱伝導層を変形させるときに、フィレットは、損傷を受けることから、又は、破損し、そして、変形させられた位置にクラックを形成することから、又は、破砕されることから、熱伝導層を保護することが可能である。
この出願のこの実施形態において、熱放散プレートが配置される平面(区別及び説明を容易にするために、その平面は、第1の平面として示され、図1に示されているxoy平面となる)は、2次元の薄膜であり、(区別及び説明を容易にするために、第1の平面に垂直な方向が、第1の方向として示され、具体的には、図1に示されているoz方向である)第1の方向に、熱伝導材料の少なくとも1つの層及び可撓性材料の少なくとも1つの層を積み重ねることによって、熱放散パネルを取得することが可能であり、(例えば、両面粘着テープ等の)接着剤を使用することによって、材料のいずれかの2つの層を互いに固着させることが可能である。
選択的に、第1の可撓性層は、第4の領域をさらに含み、その第4の領域は、第1の熱伝導層の第2の表面に付着し、それによって、第3の領域及び第4の領域は、第1の熱伝導層の第2の表面を完全に覆う。
図3は、この出願の他の実施形態にしたがった熱放散パネル20の概略的な構造図である。図3に示されているように、熱放散パネル20は、図1に示されている第1の熱伝導層11及び第1の可撓性層12を含む。図1とは異なり、第1の可撓性層は、第1の熱伝導層を完全に覆ってもよく、言い換えると、第1の平面の上の第1の可撓性層の突出部は、第1の平面の上の第1の熱伝導層の突出部と完全に重なっていてもよい。図1に示されている構造と比較して、熱放散パネルは、2次元の薄膜構造を有するため、図3に示されている構造は、より簡単かつ便利に製造される。
選択的に、熱放散パネルは、第2の可撓性層をさらに含み、その第2の可撓性層は、第1の熱伝導層の第1の表面に付着し、第2の可撓性層は、第1の熱伝導層の第1の表面を部分的に又は完全に覆う。
図4は、この出願のさらに別の実施形態にしたがった熱放散パネル30の概略的な構造図である。図4に示されているように、図1に示されている第1の熱伝導層11及び第1の可撓性層12のほかに、熱放散パネル30は、第2の可撓性層13をさらに含む。第2の可撓性層は、第1の熱伝導層の第1の表面に付着する。第2の可撓性層は、第1の熱伝導層の曲げ領域のみに付着してもよく、又は、第1の熱伝導層の第1の表面を完全に覆ってもよい。
図4は、ある1つの例にすぎず、第1の可撓性層が第1の熱伝導層の第2の表面を完全に覆い、第2の可撓性層が第1の熱伝導層の第1の表面を完全に覆う場合を示しているということを理解すべきである。しかしながら、このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。例えば、第1の可撓性層及び第2の可撓性層のうちのいずれかの層は、第1の熱伝導層の曲げ領域のみに付着してもよく、それにより、熱伝導層が折り曲げられ又は折り畳まれるときに、損傷することから熱伝導層を保護するとともに、破損又は破砕を回避することが可能である。
説明を容易にするために、図4に示されている2つの可撓性層の間に熱伝導層を挟む構造は、"ABA"構造と称される。図4に示されている"ABA"構造は、熱放散パネルの典型的な構造に過ぎないということを理解すべきである。しかしながら、このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。この出願は、可撓性材料の層の数、熱伝導材料の層の数、及びそれらの層の間の順序を特に限定することはない。例えば、熱放散パネルは、可撓性材料の2つの層と熱伝導材料の2つの層とを組み合わせることによって取得されてもよく、熱伝導材料の2つの層は、可撓性材料の2つの層の間に位置して、"ABBA"構造を形成してもよい。
この出願のこの実施形態において、少なくとも1つの熱伝導層及び少なくとも1つの可撓性層を組み合わせる構造は、可撓性熱伝導材料と称され、可撓性熱伝導材料のうちの1つの層は、少なくとも、(図1、図3、及び図4に示されているように)1つの熱伝導層及び1つの可撓性層を含むということに留意すべきである。
上記で示されている可撓性材料の特定の内容及び熱伝導性材料の特定の内容は、例示的な説明に過ぎず、この出願に対するいかなる制限も構成しないということを理解すべきである。この出願は、上記の熱放散パネルと同一の機能を実装するために、上記の材料の代わりに、他の可撓性材料又は熱伝導材料を組み合わせることによって取得される熱放散パネルを除外するものではない。
例えば、熱伝導材料は、高い熱伝導係数を有する液体又は粒状材料であってもよい。例えば、熱伝導材料の熱伝導係数は、上記の第1のあらかじめ設定されたしきい値以上であってもよい。代替的に、材料の形態に基づいて熱伝導係数のしきい値を再定義し、それによって、その材料は、熱を迅速に伝導して、熱放散機能を実装する。
熱伝導材料が液体又は顆粒状材料であるときに、その熱伝導材料は、他の材料を使用することによって、閉じた空間の中に密閉されて、熱伝導材料の漏洩に起因して電子デバイスに対して引き起こされる汚染及び損傷を避ける必要があるということに留意すべきである。この場合には、熱伝導材料を密閉するのに使用される材料は、この出願によって提供される可撓性材料であってもよく、又は他の可撓性材料であってもよい。このことは、この出願においては、特に限定されることはない。
したがって、この出願のこの実施形態の熱放散パネルによれば、可撓性材料及び熱伝導性材料を組み合わせ、それによって、組み合わせられた材料は、比較的高い可撓性及び比較的高い熱伝導性を有し、そして、さまざまな折り曲げ可能な又は折り畳み可能な電子デバイスの熱放散装置に適用することが可能であり、その結果、信頼性を保証し、さらに、比較的良好な熱放散効果を提供する。
図5乃至図10は、この出願のある1つの実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図5乃至図10に示されているように、その電子デバイスは、ノートブックコンピュータであってもよい。図5は、ノートブックコンピュータのスクリーンを開くときの断面の概略的な図である。ノートブックコンピュータの中の熱放射構成要素は、ホストの中に存在するとともに回転軸に近くに存在する位置に配置され、特に、図5に示されている高温領域に位置するということを理解することが可能である。図5に示されているように、スクリーンの中の液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display, LCD)等の駆動構成要素は、ほとんど発熱せず、基板は、熱源を持たず、したがって、電子デバイスの低温領域となる。したがって、高温領域と低温領域は、同一平面の上にはない。このことは、熱放散パネルが熱を放散するときに、ノートブックコンピュータの回転軸位置に熱放散パネルを折り畳み、そして、さらに、繰り返し折り畳むことを必要とする。したがって、熱放散のための熱放散装置において、比較的高い可撓性及び比較的高い熱伝導率の双方を有する熱放散パネルを使用することが可能である。例えば、熱放散装置は、この出願の実施形態によって提供される熱放散パネルを含んでもよい。しかしながら、このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。この出願は、先行技術又は将来の技術において高い可撓性及び高い熱伝導率の双方を有する材料が存在する可能性を排除しない。例えば、可撓性熱伝導材料は、可撓性グラファイト又は可撓性VCであってもよい。
ノートブックコンピュータの繰り返しの開閉、すなわち、回転軸位置における繰り返しの折り曲げの特徴を考慮して、この出願の複数の実施形態によって提供される熱放散パネルを使用してもよい。図6及び図7は、熱放散パネルの断面図である。それらの図に示されているように、可撓性熱伝導材料の少なくとも1つの層を積み重ねることによって、熱放散パネルを取得することが可能である。具体的には、熱放散パネルは、第1の領域及び第2の領域を含み、第1の領域及び第2の領域は、2つの連続した領域であり、第1の領域は、ノートブックコンピュータの中の熱放射構成要素に近接するか又は熱放射構成要素に接触し、第2の領域は、ノートブックコンピュータの低温領域に位置している。第1の領域は、熱放射構成要素が放出した熱を吸収し、第2の領域にその熱を伝導して、その熱を放散するのに使用される。
図6及び図7に示されているように、熱放散パネルは、可撓性熱伝導材料の2つの層を含んでいてもよく、可撓性熱伝導材料の各々の層は、第1の可撓性層、第1の熱伝導層、及び第2の可撓性層を含んでいてもよい。第1の可撓性層及び第2の可撓性層は、それぞれ、(図6に示されているように)第1の熱伝導層の第2の表面及び第1の表面を完全に覆う。可撓性層は、熱放射構成要素に近接するか又は接触し、その熱放射構成要素が放出する熱を吸収し、そして、その熱を熱伝導層に伝導する。その次に、その熱伝導層は、第2の領域にその熱を伝導する。熱放散パネルは、厚さがミクロンレベルである薄膜材料で構成されているということを理解することが可能である。したがって、可撓性材料は、極めて小さい熱抵抗を有し、熱伝導材料層に容易に熱を伝達する。選択的に、可撓性層の厚さは、100ミクロン(μm)よりも小さい。例えば、可撓性層の厚さは、30[μm]又は70[μm]であってもよい。
代替的に、第2の可撓性層は、(図7に示されているように)第1の熱伝導層の第1の表面を部分的に覆ってもよく、それによって、その第1の熱伝導層は、熱放射構成要素に直接的に近接するか又は熱放射構成要素と接触して、その熱放射構成要素が放出する熱をより良好に吸収し、その結果、熱放散効率を改善することが可能である。
熱放散パネルに含まれる層及びそれらの層の間の相対的な位置関係は、図1乃至図4を参照して上記で詳細に説明されることを理解すべきである。簡潔にするために、本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
この出願のこの実施態様において、熱放散パネルが可撓性熱伝導材料の複数の層を含む場合に、可撓性熱伝導材料のいずれか2つの層は、接着剤を使用することによって、互いに固着されてもよい。選択的に、空隙は、(図6及び図7に示されているように)可撓性熱伝導材料のいずれか2つの層の間の接着位置に配置されてもよい。
熱放散パネルは、可撓性熱伝導材料の少なくとも1つの層を積み重ねることによって取得することが可能であるので、熱放散パネルを折り畳み又は折り曲げるときに、層の異なる曲げ半径に起因して、相互作用力を引き起こす場合がある。上記の空隙の導入は、相互作用力を減少させ、それにより、信頼性をさらに改善する。
図6及び図7に示されている熱放散パネルにおいて、空隙は、可撓性熱伝導材料の複数の層の間の接着位置に配置されてもよいということを理解すべきである。しかしながら、このことは、ある1つの可能な実装であるに過ぎず、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。図6及び図7に示されている熱放散装置において、可撓性熱伝導材料の複数の層は、接着剤を使用することによって、互いに完全に固着されてもよく、空隙は配置されない。
さらに、図6及び図7に示されている熱放散パネルの概略的な図は、例示的な説明に過ぎず、この出願に対するいかなる限定も構成しないということを理解すべきである。熱放散パネルは、可撓性熱伝導材料の1つ又は複数の層を含んでもよく、又は、可撓性熱伝導材料の各々の層は、"ABBA"構造を有してもよい。このことは、この出願においては特に限定されない。
それらの図に示されているノートブックコンピュータにおいて、回転軸は、曲げ位置に存在するため、回転軸のために、熱放散パネルにスルーホール又はブラインドホールを用意しておいてもよく、又は、熱放散パネルは、その回転軸をバイパスしてもよく、又は、回転軸は、バイパスされ、そして、熱放散材料の中に充填されてもよいということに留意すべきである。このことは、この出願においては特に限定されない。
選択的に、第1の領域の面積は、第2の領域の面積以下である。
特に、第2の領域の面積を増加させて、第1の領域の面積以上となるようにしてもよい。具体的には、熱放散面積を拡大して、より良好な温度平準化及び熱放散効果を達成するとともに、熱放散効率を改善する。
図8乃至図10は、ノートブックコンピュータ及び熱放散パネルのスクリーン前面から見た概略的な図である。熱放散パネルは、複数の異なる形状を有して、熱放射構成要素の位置(すなわち、高温領域の位置)、低温領域の位置、及びノートブックコンピュータの構造と協働してもよい。例えば、図8に示されているように、熱放射構成要素がホストの中心に近い位置に配置されている場合に、熱放散パネルは、熱放射構成要素の位置(すなわち、高温領域の位置)、低温領域の位置、及びノートブックコンピュータの構造と協働する"T"形状を有してもよい。他の例では、図9に示されているように、熱放射構成要素がホストの両側におけるエッジ位置に比較的近い場合に、熱放散パネルは、"H"形状を有してもよい。他の例では、図10に示されているように、熱放射構成要素がホストの一方の側におけるエッジ位置にのみ近い場合に、熱放散パネルは、"U"形状、又は低温領域に熱を伝導することが可能である他の形状を有してもよい。
図5乃至図10における複数の例においては、熱放散パネルの形状及び電子デバイスの中に熱放散パネルを配置する方式は、例示的な説明に過ぎず、この出願に対していかなる限定も構成するものではないということを理解すべきである。熱放散パネルは、代替的に、熱放散器又は熱放散パネル等の熱放散機能を有する他の装置と協働して使用されてもよい。例えば、熱放散パネルの中の熱伝導層の第2の領域は、熱放散器に拡張されて、熱放散を加速してもよい。
したがって、この出願によって提供される熱放散装置は、さまざまな折り畳み可能な又は折り曲げ可能な電子デバイスに適用することが可能である。可撓性材料を使用することによって、熱放散パネルの可撓性を改善し、熱伝導材料を使用することによって、熱放散パネルの熱放散効率を改善する。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
選択的に、熱放散装置は、強化プレートをさらに含んでもよい。強化プレートは、曲げ領域に対応しているとともに熱放散パネルの上面及び/又は熱放散パネルの下面に存在する位置に固着される。熱放散パネルの下面は、熱放射構成要素と対向する熱放散パネルの表面であり、熱放散パネルの上面は、熱放散パネルの下面とは反対にある表面である。
図11は、この出願のある1つの実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。図11に示されているように、熱放散装置は、熱放散パネル及び強化プレートを含み、その強化プレートは、熱放散パネルの上面及び/又は下面に固着される。熱放散パネルの下面は、熱放射構成要素の外側表面に対向する表面であり、熱放散パネルの上面は、面とは反対にある表面、言い換えると、熱放射構成要素から離れた表面である。上面及び下面は、熱放散パネルの双方の露出されている表面であるので、上面及び下面は、他の硬い物体によって傷をつけられ、切断され、又は穿孔される傾向がある。したがって、状況に応じて、上面及び/又は下面に強化プレートの層を貼り付け、それによって、損傷することから内部の熱放散パネルを保護するのみならず、折りたたまれる位置における強度を改善し、その結果、部分的な曲げを強化するとともに信頼性を改善する。
限定ではなく、ある1つの例として、強化プレートは、取り付けられたステンレス鋼シート又は銅合金シート等の金属シートであってもよい。
この出願のこの実施態様において、1つ又は複数の強化プレートが存在してもよい。このことは、この出願においては限定されない。加えて、強化プレートが、可撓性及び熱伝導性の双方を有する金属シートであるときに、強化プレートは、熱放散パネルに直接的に適用されてもよい。
選択的に、熱放散装置は、熱放散パネルの下面に配置されているシールドカバーをさらに含む。そのシールドカバー及び電子デバイスの中にあらかじめ配置されているシールドベースは、シールドケースを形成する。シールドケースは、チップをシールドするように構成される。
チップは、電子デバイスの中の主要な熱放射構成要素である。(例えば、ノートブックコンピュータ等の)同じ電子デバイスの中にアンテナモジュールをさらに構成して、信号を受信し及び送信してもよい。アンテナモジュールのチップへの干渉を避けるために、チップは、金属構造を使用することによってシールドされてもよい。図12は、この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図12に示されているように、熱放散装置は、熱放散パネル及びシールドカバーを含む。通常は、シールドベースは、電子デバイスのプリント回路基板(Printed Circuit Broad, PCB)の上にあらかじめ配置される。シールドケースは、シールドベースの位置に基づいて、熱放散装置の熱放散パネルにおける対応する位置に配置されてもよい。シールドカバーの位置は、チップに対応し、具体的には、シールドカバーは、熱放散パネルの第1の領域に位置するということを理解することが可能である。
ある1つの可能な実装において、シールドカバーは、熱放散パネルの下面に固着されてもよい。図13は、熱放散パネルの他の例を示している。図13に示されているように、金属シールドカバーは、熱放散パネルの下面に固着される。シールドカバー及び下側シールドベースは、シールドケースを形成して、チップをシールドする。
他の可能な実装において、シールドカバーは、熱放散パネルの材料の下側層の中に組み込まれていてもよい。材料の下側層は、熱放射構成要素に最も近い熱放散パネルの材料層である。図14は、熱放散パネルの他の例を示している。図14に示されているように、金属シールドカバーは、熱放散パネルの材料の下側層の中に組み込まれている。可撓性材料の下側層に露出されているシールドカバーの表面及び下側シールドベースは、シールドケースを形成して、チップをシールドする。
図12乃至図14に示されている熱放散パネルは、例であるにすぎず、この出願に対するいかなる限定も構成するべきではないということを理解すべきである。シールドカバーは、シールドベースに対応する位置に他の方式で配置されて、シールドケースを形成してもよく、それにより、チップをシールドし、そして、電子デバイスの中の(例えば、アンテナモジュール等の)他のモジュールのチップへの干渉を低減する。
選択的に、熱放散装置は、ファンをさらに含む。ファンは、電子デバイスの高温領域に位置して、高温領域と低温領域との間で空気が流れることを可能とし、それによって、第1の領域から第2の領域に熱を伝導させる。
図15及び図16は、この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図15に示されているように、電子デバイスは、ノート型コンピュータであってもよく、熱放散装置は、熱放散パネル及びファンを含んでいる。ファンは、ノートブックコンピュータの中の熱放射構成要素、すなわち、高温領域の近くに位置していてもよい。具体的には、ファンは、熱放散パネルの(図16に示されている)熱伝導方向のソースの近くに配置されていてもよい。図16は、ファンが空気の流れを加速するということを示す概略的な図である。その図の中の矢印は、熱い空気の伝導方向を模式的に示している。ファン及び熱放散パネルは、熱放散装置の中で協働して使用され、ファンは、高温領域と低温領域との間の空気の流れを加速し、それによって、第1領域から第2領域に熱を速やかに伝導させ、その結果、熱放散効率をさらに改善するということを理解することが可能である。
1つ又は複数のファンが存在してもよいということを理解すべきであり、このことは、この出願において特に限定されない。
選択的に、第1の熱伝導層は、複数の分離されたストリップ形状の熱パッドを含み、それらの複数の分離されたストリップ形状の熱パッドは、曲げ領域において平行に配列され、各々のストリップ形状の熱パッドは、熱伝導方向に平行であるか又は熱伝導方向にほぼ平行である。
図17は、この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図17に示されているように、電子デバイスは、ノートブックコンピュータであってもよい。図17に示されている方向に沿って、ノートブックコンピュータの中に熱放散装置を配置してもよい。第1の領域は、高温領域に位置し、第2の領域は、低温領域に位置する。ストリップ形状の熱パッドは、熱放散パネルの曲げ領域に(すなわち、ストリップ形状の熱パッドは、図17の中の40に対応していてもよく、ノートブックコンピュータの回転軸位置に)配置され、そして、曲げ領域において平行に配列されて、束構造を形成する。回転軸位置において、グラファイトファイバ等のストリップ形状の熱伝導材料が使用される。薄膜の形態のグラファイトと比較して、グラファイトファイバは、より可撓性があり、それにより、可撓性材料の曲げ耐性能力をさらに増加させ、そして、信頼性を改善する。加えて、各々のストリップ形状の熱パッドは、熱伝導方向に平行であるか又は熱伝導方向にほぼ平行であり、それにより、熱伝導を容易にする、すなわち、熱放散を容易にする。
図18は、この出願のさらに別の実施形態にしたがった熱放散パネルの概略的な構造図である。具体的には、図18は、第1の可撓性層及びA-A断面の概略的な構造図を除いた曲げ領域40の上面図である。図18に示されているように、熱放散パネルの中の少なくとも1つの熱伝導層は、曲げ領域に平行に配列された束構造を表していてもよい。理解を容易にするために、図18は、A-A断面の概略的な構造図をさらに示している。熱放散パネルは、(図4に示されているように)上記で説明されている第1の熱伝導層11、第1の可撓性層12、及び第2の可撓性層13を含んでいてもよい。A-A断面は、複数の位置における第1の熱伝導層のストリップ形状の熱パッドの断面を表している。
図18に示されている熱放散パネルは、ある1つの例であるにすぎないということを理解すべきである。熱放散パネルに含まれている少なくとも1つの熱伝導層において、1つ又は複数の熱伝導層は、図18に示されている束構造となるように設計されてもよい。加えて、選択的に、その束構造は、熱伝導方向で熱放散パネルを貫通してもよい。このことは、この出願においては特に限定されない。
上記で説明されているこの実施形態において、ノートブックコンピュータに、この出願の複数の実施形態における熱放散装置を適用する事例を示している。このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。この出願の複数の実施形態における熱放散装置は、さまざまな折り畳み可能な又は折り曲げ可能な電子デバイスに適用することが可能である。加えて、この出願の複数の実施形態における熱放散装置は、また、例えば、タブレットコンピュータ等のタブレット型電子デバイスに適用することが可能である。
図19は、この出願の他の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図19に示されているように、電子デバイスは、タブレットコンピュータであってもよい。そのタブレットコンピュータの中の熱放射構成要素は、(図19に示されているように)タブレットコンピュータの下部に位置し、そのタブレットコンピュータの背面の近くに存在するということを仮定する。図19は、タブレットコンピュータの前面及び断面の構造を概略的に示している。熱放散装置は、タブレットの形態で電子デバイスの中に配置されてもよい。具体的には、熱放散装置は、熱伝導材料の1つ又は複数の層を組み合わせることによって取得される熱放散パネルを含んでもよい。代替的に、熱放散装置は、可撓性熱伝導材料の1つ又は複数の層を組み合わせることによって取得される熱放散パネルを含んでもよい。熱伝導材料は、上記の列記されている熱伝導材料のうちのいずれかの1つ又は複数の材料であってもよく、又は、熱伝導材料は、比較的高い熱伝導率を有する他の材料であってもよい。可撓性熱伝導材料は、この出願によって提供される可撓性熱伝導材料であってもよく、又は、比較的高い可撓性及び比較的高い熱伝導率の双方を有する他の材料であってもよい。
図19は、タブレットコンピュータの中に(図19において黒色の重い実線及び黒色の太い破線を使用することによって示されている)熱放散パネルを配置する概略的な図である。熱放散パネルは、2つの連続する領域、すなわち、(図19において灰色の破線を使用することによって示されている領域Aである)第1の領域及び(図19において灰色の破線によって示されている領域Bである)第2の領域に分割されてもよいということを理解することが可能である。第1の領域は、熱放射構成要素に近い領域であり、第2の領域は、第1の領域から電子デバイスの低温領域へと、すなわち、熱放射構成要素から離れた領域へと延在している領域である。第2領域の面積は、低温領域に拡張される。具体的には、第1の領域から伝導される熱は、第2の領域を使用することによって低温領域に効果的に放散され、それにより、急速な熱放散を容易にすることが可能である。したがって、従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
選択的に、第1の領域の面積は、第2の領域の面積以下である。
特に、第2の領域の面積を増加させて、第1の領域の面積以上となるようにしてもよい。具体的には、熱放散面積を拡大して、より良好な温度平準化及び熱放散効果を達成するとともに、熱放散効率を改善する。
この出願のこの実施態様において、熱放散パネルが、タブレットコンピュータの背面に並列に配置され、折り畳まれないか又は折り曲げられない場合に、熱放散パネルは、熱伝導材料のみを含んでもよく、又は、可撓性熱放散パネルであってもよい。熱放散パネルが、タブレットコンピュータの熱を放散させるのに使用されるときに、折り曲げられ又は折り畳まれる場合に、熱放散パネルは、可撓性熱放散パネルであってもよい。
図20及び図21は、この出願の他の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図20に示されているように、電子デバイスは、依然として、上記で説明されているタブレットコンピュータであってもよい。タブレットコンピュータの中の熱放射要素の特定の位置は、図19に示されているタブレットコンピュータの中の熱放射構成要素の特定の位置と同様であってもよい。図19に示されている熱放散パネルとは異なり、図20に示されている熱放散パネルは、折り曲げられている。したがって、熱放散パネルは、比較的高い可撓性及び比較的高い熱伝導率の双方を有する可撓性熱伝導材料を使用してもよい。例えば、熱放散パネルは、この出願によって提供される可撓性熱伝導材料、すなわち、図1乃至図4を参照して説明されている熱放散パネルを使用してもよい。しかしながら、このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。この出願は、先行技術又は将来的な技術において高い可撓性及び高い熱伝導率の双方を有する材料を除外するものではない。例えば、材料は、可撓性グラファイト又は可撓性蒸気チャンバ(Vapor Chamber, VC)であってもよい。
図20は、タブレットコンピュータの中に(図20において黒色の太い実線及び黒色の太い破線を使用することによって示されている)熱放散パネルを配置する概略的な図である。その熱放散パネルは、2つの連続した部分、すなわち、第1の領域及び第2の領域に分割されてもよいということを理解することが可能である。タブレットコンピュータの中の熱放射構成要素は、ある特定の厚さを有していてもよいので、第1領域の第1表面は、熱放射構成要素の外側表面と対向しているということを断面から理解することが可能である。熱放射構成要素は、タブレットコンピュータの(図20において灰色の破線を使用することによって示されている領域Aである)下側部分に位置しているので、第2の領域は、タブレットコンピュータの背面に近い(図20において灰色の破線を使用することによって示されている領域Bである)上側部分まで延ばされ、熱をより良好に放散する。したがって、第1の領域と第2の領域との間の中間領域は、曲げられてもよい。
したがって、この出願のこの実施形態において、第2領域の面積は、低温領域に拡張される。具体的には、第1の領域から伝導される熱は、第2の領域を使用することによって低温領域に効果的に放散され、それにより、急速な熱放散を容易にすることが可能である。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
選択的に、第1の領域の面積は、第2の領域の面積以下である。
特に、第2の領域の面積を増加させて、第1の領域の面積以上となるようにしてもよい。具体的には、熱放散面積を拡大して、より良好な温度平準化及び熱放散効果を達成するとともに、熱放散効率を改善する。
図21は、熱放散パネルの断面の概略的な図である。熱放散パネルは、この出願によって提供される可撓性熱伝導性材料で作ることが可能である。具体的には、熱放散パネルは、少なくとも1つの可撓性層及び少なくとも1つの熱伝導層を含んでもよい。可撓性層は、熱放散パネルの外側部分に位置し、熱伝導層は、熱放散パネルの内側部分に位置するということを断面から理解することが可能である。図21に示されている熱放散パネルによれば、熱放散パネルを折り曲げ又は折り畳む必要があるときに、可撓性材料は、熱伝導材料の2つの表面(すなわち、第1の表面及び第2の表面)に固着するので、フィレットは、折り曲げられ又は折り畳まれる位置に形成される。熱伝導材料を折り畳むときに、損傷を受けることからその熱伝導材料を保護し、そして、破損又は破砕を避けるのにそのフィレットを使用する。可撓性材料の高い可撓性により、熱放散パネルは、折り曲げられ又は折り畳まれるときに、破損又は破砕の傾向がより小さくなる。したがって、熱放散パネル全体としての信頼性を改善する。
図20において熱放散パネルの中間領域を折り曲げる場合は、例示的な説明に過ぎず、この出願に対するいかなる限定をも構成すべきではないということを理解すべきである。いくつかの可能なシナリオにおいて、熱放射構成要素の表面は不均一であってもよい。この出願によって提供される熱放散パネルを使用するときに、第1の領域を折り曲げてもよい。この出願によって提供される熱放散パネルによれば、可撓性材料の高い可撓性により、熱放散パネルの信頼性を保証することが可能である。
図22は、この出願のさらに別の実施形態にしたがった電子デバイスに熱放散装置を適用する概略的な図である。図22に示されているように、電子デバイスは、依然として、上記で説明されているタブレットコンピュータであってもよい。タブレットコンピュータの中の熱放射要素の特定の位置は、図19及び図20に示されているタブレットコンピュータの中の熱放射構成要素の特定の位置と同様であってもよい。図19及び図20に示されている熱放散パネルとは異なり、図22に示されている熱放散パネルは、折り畳まれている。したがって、熱放散パネルは、比較的高い可撓性及び比較的高い熱伝導率の双方を有する熱放散パネルを使用してもよい。例えば、熱放散パネルは、この出願によって提供される可撓性熱伝導材料で作られてもよい。しかしながら、このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。この出願は、先行技術又は将来的な技術において高い可撓性及び高い熱伝導率の双方を有する材料を除外するものではない。例えば、その材料は、可撓性グラファイト又は可撓性VCであってもよい。
図22は、タブレットコンピュータの中に(図22において黒色の太い実線及び黒色の太い破線を使用することによって示されている)熱放散パネルを配置する概略的な図である。その熱放散パネルは、2つの連続した部分、すなわち、第1の領域及び第2の領域に分割されてもよいということを理解することが可能である。タブレットコンピュータの中の熱放射構成要素は、ある特定の厚さを有していてもよいので、第1領域の第1表面は、熱放射構成要素の外側表面と対向しているということを断面から理解することが可能である。熱放射構成要素は、タブレットコンピュータの(図22において灰色の破線を使用することによって示されている領域Aである)下側部分に位置しているので、第2の領域は、タブレットコンピュータの外側領域まで延ばされていてもよく、具体的には、タブレットコンピュータの背面にある(図22において灰色の破線によって示されている領域Bである)上側領域に位置し、熱をより良好に放散する。
したがって、この出願のこの実施形態において、第2領域の面積は、低温領域に拡張される。具体的には、第1の領域から伝導される熱は、第2の領域を使用することによって低温領域に効果的に放散され、それにより、急速な熱放散を容易にすることが可能である。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
選択的に、第1の領域の面積は、第2の領域の面積以下である。
特に、第2の領域の面積は、第1の領域の面積と同じであるか又はより大きい。具体的には、熱放散面積を拡大して、より良好な温度平準化及び熱放散効果を達成するとともに、熱放散効率を改善する。
選択的に、タブレットコンピュータの外側部分に位置する第2の領域は、例えば、空冷方式又は水冷方式等の他の方式で熱放散をさらに加速することが可能である。このことは、この出願においては特に限定されない。
図22は、さらに、熱放散パネルの断面の概略的な図を示している。第2の領域は、タブレットコンピュータの外側領域に拡張されるので、第1の領域と第2の領域との間の領域は、折り畳まれてもよい。したがって、熱放散パネルは、この出願によって提供される可撓性熱伝導材料で作ることが可能である。具体的には、熱放散パネルは、少なくとも1つの可撓性層及び少なくとも1つの熱伝導層を含んでもよい。可撓性材料は、熱放散パネルの外側部分に位置し、熱伝導材料は、熱放散パネルの内側部分に位置するということを断面から理解することが可能である。可撓性材料の高い可撓性により、熱放散パネルは、中間領域の折り畳み位置において折り畳まれるときに破損の傾向がより小さくなり、それにより、熱放散パネルの信頼性を改善する。
図22において熱放散パネルの中間領域を折り畳む場合は、例示的な説明であるに過ぎず、この出願に対するいかなる制限も構成するべきではないということを理解するべきである。いくつかの可能なシナリオにおいて、熱放射構成要素の表面は、同じ平面に位置しなくてもよい。この出願によって提供される熱放散パネルを使用するときに、第1の領域は、熱放射部分が放出する熱をより良好に吸収するために折り畳まれる必要がある場合がある。この出願によって提供される熱放散パネルによれば、可撓性材料の高い可撓性により、熱放散パネルの信頼性が保証される。
さらに、上記の記載は、複数の添付の図面を参照して、熱放散パネル及び熱放散装置の複数の可能な概略的な図を示しているということを理解すべきである。しかしながら、このことは、この出願に対するいかなる限定をも構成するべきではない。熱放散パネルは、図1乃至図4に示されているいずれかの熱放散パネルであってもよい。図1乃至図4に示されているいずれかの熱放散パネルのほかに、熱放散装置は、(図11に示されているような)強化プレート、(図12乃至図14に示されているような)シールドカバー、(図15及び図16に示されているような)ファン、及び(図17及び図18に示されているような)ストリップ形状の熱パッドのうちの1つ又は複数をさらに含んでもよい。このことは、この出願においては特に限定されない。
上記の複数の実施形態によれば、この出願によって提供される熱放散パネル及び熱放散装置は、さまざまな折り畳まれていない電子デバイス、折り畳み可能な電子デバイス、又は、折り曲げ可能な電子デバイスに適用することが可能である。可撓性材料を使用することによって熱放散パネルの可撓性を改善し、熱伝導材料を使用することによって熱放散パネルの熱放散効率を改善する。従来技術の空冷式熱放散方式と比較して、熱放散装置が占有する空間を低減することが可能であり、熱放散装置の動作過程で発生するノイズ及びダストの問題を軽減することが可能である。
この出願は、さらに、電子デバイスを提供する。電子デバイスは、電子デバイスの中の熱放射構成要素及び熱放散装置を含む。具体的には、熱放散装置は、上記の複数の実施形態において説明されている複数の熱放散装置のうちのいずれか1つであってもよい。
この出願の複数の実施形態において、電子デバイスに熱放散装置を適用して、熱を放散させるための熱放散パネル及び具体的な方法は、図5乃至図10、図12、図15乃至図17、図19、図20、及び図22を参照して上記で詳細に説明されているということを理解すべきである。簡潔さのために、本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
当業者は、電子ハードウェア、又は、コンピュータソフトウェア及び電子ハードウェアの組み合わせによって、本明細書に開示されている複数の実施形態を参照して説明されている複数の例におけるユニット及びアルゴリズムステップを実装することが可能であるということを認識することが可能である。機能がハードウェアによって実行されるか又はソフトウェアによって実行されるかは、複数の技術的解決方法の特定のアプリケーション及び設計上の制約条件によって決まる。当業者は、複数の異なる方法を使用して、各々の特定の用途について記載された機能を実装してもよいが、その実装がこの出願の範囲を超えていると解釈されるべきではない。
当業者は、利便性のある簡潔な説明のために、システム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについて、複数の方法の実施形態における対応するプロセスを参照してもよいということを明確に理解することが可能である。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
この出願によって提供されるいくつかの実施形態において、他の方式によって、それらの開示されているシステム、装置、及び方法を実装してもよいということを理解すべきである。例えば、説明されている装置の実施形態は、ある1つの例であるにすぎない。例えば、ユニットの分割は、論理機能的な分割にすぎず、実際の実装においては他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又は構成要素を組み合わ又は一体化して、他のシステムとしてもよく、或いは、いくつかの特徴を無視し、又は、実行しなくてもよい。加えて、示され又は議論された相互結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェイスを使用することによって実装されてもよい。複数の装置又はユニットの間の非直接的な結合又は通信接続は、電気的に、機械的に、又は他の形態で実装されてもよい。
複数の個別の部分として説明されるユニットは、物理的に分離されていてもよく、又は、物理的に分離されていなくてもよく、複数のユニットとして示されている部分は、複数の物理的なユニットであってもよく、又は、複数の物理的なユニットでなくてもよく、1つの位置に配置されていてもよく、又は、複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。複数の実施形態の解決方法の目的を達成するための実際の必要に応じて、それらの複数のユニットの一部又はすべてを選択してもよい。
加えて、この出願の複数の実施形態における複数の機能ユニットを一体化して、1つの処理ユニットとしてもよく、又は、それらの複数のユニットの各々は、物理的に単独で存在していてもよく、又は、2つ又はそれ以上のユニットを一体化して、1つのユニットとしてもよい。
複数の機能が、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売され又は使用されるときは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の中に、それらの複数の機能を格納してもよい。そのような理解に基づいて、この出願の複数の技術的解決方法は、本質的に、或いは、先行技術に寄与する部分又はそれらの技術的解決方法のうちのいくつかは、ソフトウェア製品の形態で実装されてもよい。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、複数の命令を含み、それらの複数の命令は、この出願の複数の実施形態において説明されている方法のステップのうちのすべて又は一部を実行するように、(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイス等であってもよい)コンピュータデバイスに指示する。上記の記憶媒体は、プログラムコードを格納することが可能であるUSBフラッシュドライブ、取り外し可能なハードディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory, ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory, RAM)、磁気ディスク、又は光ディスク等のいずれかの媒体を含む。
上記の説明は、この出願の特定の実装にすぎず、この出願の保護範囲を限定することを意図してはいない。この出願によって開示されている技術的範囲の中で当業者が容易に考え出すことが可能であるあらゆる変形又は置換は、この出願の保護範囲に属するものとする。したがって、この出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲にしたがうものとする。