HCMVワクチンの欠如を考慮して、HCMV感染を予防及び/または治療するための、全ての患者集団において安全かつ有効であるワクチンに対する著しい必要性が存在する。特に、HCMVの重症度及び/または持続時間を予防または低減するための、免疫が低下したリスクのある妊婦、及び幼児患者にとって安全かつ有効であるワクチンに対する必要性が存在する。リボ核酸(RNA)(例えば、メッセンジャーRNA(mRNA))が身体の細胞機構を安全に指向して、天然タンパク質から抗体、及び細胞の内部及び外部で治療活性を有し得る他の完全に新規なタンパク質構築物まで、目的のほぼ全てのタンパク質を産生することができるという知識の上に構築されるRNAワクチンが、本明細書に提供される。本開示のHCMV RNAワクチンを使用して、DNAまたは弱毒化ウイルスワクチン接種に関連する多くのリスクなしに、細胞性免疫及び体液性免疫の両方を含む、ヒトサイトメガロウイルスに対するバランスの取れた免疫応答を誘導することができる。
RNAワクチンは、感染の有病率、または満たされていない医学的必要性の程度もしくはレベルに応じて、様々な状況で利用され得る。RNAワクチンは、様々な遺伝子型、株及び分離株のHCMVを治療及び/または予防するために利用され得る。RNAワクチンは、市販されている抗ウイルス療法治療よりもかなり大きな抗体価を生成し、かつより早い応答を生じるという点で優れた特性を有する。理論に縛られることは望まないが、mRNAポリヌクレオチドとしてのRNAワクチンは、RNAワクチンが天然の細胞機構を共用するために、翻訳時に適切なタンパク質高次構造を生成するようにより良く設計されていると考えられる。エクスビボで製造され、望ましくない細胞応答を誘発し得る伝統的ワクチンとは異なり、RNAワクチンは、より自然な様式で細胞系に提示される。
本開示に包含される様々なヒトサイトメガロウイルスアミノ酸配列は、以下の表2、6、7、8、及び9に示される。本明細書で提供されるRNAワクチンは、表2、6、7、8、もしくは9に提供されるHCMVタンパク質の少なくとも1つをコードする少なくとも1つのRNAポリヌクレオチド、または、その断片、ホモログ(例えば、少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、または99%の同一性)または誘導体を含み得る。
本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンを提供する。本開示のいくつかの実施形態は、2つ以上のHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンを提供する。本開示のいくつかの実施形態は、2つ以上のHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有する2つ以上のRNAポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンを提供する。1つ以上のHCMV抗原ポリペプチドは、単一RNAポリヌクレオチド上にコードされてもよく、または複数(例えば、2つ以上)のRNAポリヌクレオチドに個別にコードされてもよい。
いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV糖タンパク質である。例えば、HCMV糖タンパク質は、HCMV gH、gL、gB、gO、gN及びgM、ならびにその免疫原性断片またはエピトープから選択され得る。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gHポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gLポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gBポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gOポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gNポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gMポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HCMV切断型糖タンパク質は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、または配列番号6の核酸配列によってコードされる。
いくつかの実施形態では、HCMV糖タンパク質は、変異体gHポリペプチド、変異体gLポリペプチド、または変異体gBポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異体HCMV gH、gLまたはgBポリペプチドは、以下のドメイン配列の1つ以上を欠いている切断型ポリペプチドである:(1)疎水性膜近位ドメイン、(2)膜貫通ドメイン、及び(3)細胞質ドメイン。いくつかの実施形態では、切断型HCMV gH、gL、またはgBポリペプチドは、疎水性膜近位ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインを欠いている。いくつかの実施形態では、切断型HCMV gH、gL、またはgBポリペプチドは、細胞外ドメイン配列のみを含む。いくつかの実施形態では、HCMV切断型糖タンパク質は、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、または配列番号12の核酸配列によってコードされる。
いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、UL83、UL123、UL128、UL130、及びUL131Aまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択されるHCMVタンパク質である。いくつかの実施形態では、この抗原ポリペプチドは、HCMV UL83ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV UL123ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV UL128ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV UL130ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV UL131Aポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HCMVタンパク質は、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、または配列番号18の核酸配列によってコードされる。
いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、2つ以上のHCMVタンパク質、その断片、またはエピトープを含む。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、2つ以上の糖タンパク質、その断片、またはエピトープを含む。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、少なくとも1つのHCMV糖タンパク質、その断片またはエピトープ及び少なくとも1つの他のHCMVタンパク質、その断片またはエピトープを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、単一のRNAポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、2つ以上のRNAポリヌクレオチドによってコードされ、例えば、各HCMVポリペプチドは、別個のRNAポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMV糖タンパク質は、HCMV gH、gL、gB、gO、gN、及びgMポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の糖タンパク質は、HCMV gBと、gH、gL、gO、gN、及びgMポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択される1つ以上のHCMVポリペプチドとの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の糖タンパク質は、HCMV gHと、gL、gO、gN、及びgMポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択される1つ以上のHCMVポリペプチドとの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の糖タンパク質は、HCMV gLと、gB、gH、gO、gN、及びgMポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択される1つ以上のHCMVポリペプチドとの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMV糖タンパク質は、gB及びgHである。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMV糖タンパク質は、gB及びgLである。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMV糖タンパク質は、gH及びgLである。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMV糖タンパク質は、gB、gL及びgHである。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVタンパク質は、HCMV UL83、UL123、UL128、UL130、及びUL131Aのポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMV糖タンパク質は、UL123及びUL130である。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMV糖タンパク質は、UL123及び131Aである。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMV糖タンパク質は、UL130及び131Aである。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMV糖タンパク質は、UL128、UL130及び131Aである。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVタンパク質は、HCMV gB、gH、gL、gO、gM、gN、UL83、UL123、UL128、UL130、及びUL131Aポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の糖タンパク質は、HCMV gHとgL、UL128、UL130、及びUL131Aポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択される1つ以上のHCMVポリペプチドとの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の糖タンパク質は、HCMV gLと、gH、UL128、UL130、及びUL131Aポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択される1つ以上のHCMVポリペプチドとの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMV糖タンパク質は、gL、gH、UL128、UL130、及び131Aである。ワクチンが2つ以上のHCMVタンパク質を含むこれらの実施形態のいずれかにおいて、HCMV gHは、変異体gH、例えば、本明細書に開示される任意の変異体HCMV gH糖タンパク質、例えば、前出の段落に、及び実施例に開示された任意の変異体HCMVであってもよい。ワクチンが2つ以上のHCMVタンパク質を含むこれらの実施形態のいずれかにおいて、HCMV gBは、変異体gB、例えば、本明細書に開示される任意の変異体HCMV gB糖タンパク質、例えば、前出の段落に及び実施例に開示された任意の変異体HCMV gBであってもよい。ワクチンが2つ以上のHCMV gLタンパク質を含むこれらの実施形態のいずれかにおいて、HCMV gLは、変異体gL、例えば、本明細書に開示される任意の変異体HCMV gL糖タンパク質、例えば、前の段落及び実施例に開示されている任意の変異体HCMV gLであってもよい。
HCMVワクチンが、2つ以上のHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープ(単一RNAポリヌクレオチドによってコードされるか、または2つ以上のRNAポリヌクレオチドによってコードされるかのいずれか、例えば、個別のRNAポリヌクレオチドによってコードされる各々のタンパク質)をコードするオープンリーディングフレームを有する2つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む特定の実施形態では、2つ以上のHCMVタンパク質は、変異体gB、例えば、前の段落で本明細書に開示される任意の変異体gBポリペプチド、ならびにgH、gL、gO、gM、gN、UL128、UL130、及びUL131Aポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択されるHCMVタンパク質である。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVタンパク質は、変異体gH、例えば、前の段落において本明細書で開示された任意の変異体gHポリペプチド、ならびにgH、gL、gO、gM、gN、UL128、UL130、及びUL131Aポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択されるHCMVタンパク質である。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVタンパク質は、変異体gH、例えば、前の段落において本明細書で開示された任意の変異体gHポリペプチド、ならびにgH、gL、gO、gM、gN、UL128、UL130、及びUL131Aポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択されるHCMVタンパク質である。変異体HCMVタンパク質が変異体HCMV gB、変異体HCMV gL及び変異体HCMV gHであるいくつかの実施形態では、変異体HCMVポリペプチドは、以下の切断型ポリペプチドから選択される切断型ポリペプチドである:疎水性膜近位ドメインを欠く;膜貫通ドメインを欠く;細胞質ドメインを欠く;疎水性膜の近位、膜貫通、及び細胞質ドメインのうちの2つ以上を欠く;ならびに細胞外ドメインのみを含む。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有する多量体RNAポリヌクレオチドを含む。本開示のいくつかの実施形態は、HCMVワクチンであって、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含み、ここでRNAポリヌクレオチドの5’UTRは、パターン化されたUTRを含む、HCMVワクチンを提供する。いくつかの実施形態では、パターン化されたUTRは、ABABABまたはAABBAABBAABBまたはABCABCABCまたは1回、2回、もしくは3回以上反復されるその変異体などの反復パターンまたは交互パターンを有する。これらのパターンでは、各文字A、B、またはCは、ヌクレオチドレベルで異なるUTRを表す。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチド(例えば、第1の核酸)の5’UTRは、別のRNAポリヌクレオチド(第2の核酸)のUTRとの相補性の領域を有する。例えば、2つのUTRがハイブリダイズして多量体分子を形成するように、(例えば、多量体分子中の)結合しようとする2つのポリヌクレオチドのUTRヌクレオチド配列を、相補性の領域を含むように修飾してもよい。
いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチドの5’UTRは、多量体配列の形成を可能にするように修飾される。いくつかの実施形態では、UL128、UL130、UL131A1から選択されるHCMVタンパク質をコードするRNAポリヌクレオチドの5’UTRを修飾して、多量体配列の形成を可能にする。いくつかの実施形態では、HCMV糖タンパク質をコードするRNAポリヌクレオチドの5’UTRを修飾して、多量体配列の形成を可能にする。いくつかの実施形態では、gH、gL、gB、gO、gM及びgNから選択されるHCMV糖タンパク質をコードするRNAポリヌクレオチドの5’UTRは、多量体配列の形成を可能にするように修飾される。これらの実施形態のいずれかにおいて、多量体は、二量体、三量体、五量体、六量体、七量体、八量体、九量体、または十量体であってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、gH、gL、gB、gO、gM、gN、UL128、UL130、及びUL131A1から選択されるHCMVタンパク質をコードするRNAポリヌクレオチドの5’UTRは、二量体の形成を可能にするように修飾される。いくつかの実施形態では、gH、gL、gB、gO、gM、gN、UL128、UL130、及びUL131A1から選択されるHCMVタンパク質をコードするRNAポリヌクレオチドの5’UTRは、三量体の形成を可能にするように修飾される。いくつかの実施形態では、gH、gL、gB、gO、gM、gN、UL128、UL130、及びUL131A1から選択されるHCMVタンパク質をコードするRNAポリヌクレオチドの5’UTRは、五量体の形成を可能にするように修飾される。多量体分子(例えば、二量体、三量体、五量体など)の形成のための修飾された5’UTR配列を有する例示的なHCMV核酸は、配列番号19〜26を含む。
上記の任意の実施形態のいずれかでは、HCMV RNAポリヌクレオチドは、更なる配列、例えばFLAGタグ及びヒスチジンタグのような1つ以上のリンカー配列または1つ以上の配列タグを更に含み得る。
本開示のいくつかの実施形態は、2つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上)のHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープをコードする単一のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンを提供する。本開示のいくつかの実施形態は、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上のHCMV抗原ポリペプチドをコードする、2つ以上のオープンリーディングフレーム、例えば、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンを提供する。これらの実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、gH、gB、gL、gO、gM、gN、UL83、UL123、UL128、UL130、UL131A及びその断片またはエピトープから選択される2つ以上のHCMV抗原ポリペプチドをコードし得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、UL83及びUL123をコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、gH及びgLをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、UL128、UL130、及びUL131Aをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aをコードする。少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドが、2つ以上(例えば、2、3、4、5またはそれ以上)のHCMV抗原ポリペプチドをコードする単一のオープンリーディングフレームを有するいくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、更に、追加の配列、例えば、リンカー配列、またはHCMV RNA転写物またはポリペプチドのプロセシングを助ける配列、例えば切断部位配列を含む。いくつかの実施形態では、更なる配列は、フーリン配列のようなプロテアーゼ配列であってもよい。いくつかの実施形態では、追加の配列は、P2A、E2A、F2A、及びT2A配列などの自己切断2Aペプチドであってもよい。いくつかの実施形態では、リンカー配列及び切断部位配列は、HCMVポリペプチドをコードする配列の間に散在している。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30または配列番号31によってコードされる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号配列番号1〜31、58、60、62、64、66、68、70、72、76、及び84〜144のいずれかから選択される少なくとも1つの核酸配列、ならびに配列番号1〜31、58、60、62、64、66、68、70、72、76、及び84〜144から選択される核酸配列と少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%、98%、99%)の同一性を有するホモログによってコードされる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号1〜31、58、60、62、64、66、68、70、72、76、及び84〜144のいずれかから選択される少なくとも1つの核酸配列、ならびに配列番号1〜31、58、60、62、64、66、68、70、72、76、及び84〜144から選択される核酸配列と少なくとも90%(90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.8%、または99.9%)の同一性を有するホモログによってコードされる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号1〜31、58、60、62、64、66、68、70、72、76、及び84〜144のいずれかから選択される核酸配列の少なくとも1つの断片、ならびに配列番号1〜31、58、60、62、64、66、68、70、72、76、及び84〜144から選択される核酸配列と少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%、98%、99%)の同一性を有するホモログによってコードされる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、本明細書に開示される核酸配列のいずれかから選択される少なくとも1つの核酸配列、または本明細書に開示される核酸配列と少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%、98%、99%)の同一性を有するホモログによってコードされる。
前の段落における上記の実施形態のいずれかにおいて、HCMV RNAポリヌクレオチドは、更に、追加の配列、例えばFLAGタグ及びヒスチジンタグのような1つ以上のリンカー配列または1つ以上の配列タグを更に含んでもよい。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号32〜52のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号32〜52のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号32〜52のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも96%の同一性を有する抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号32〜52のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有する抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号32〜52のアミノ酸配列と少なくとも98%の同一性を有する抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号32〜52のアミノ酸配列と少なくとも99%の同一性を有する抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、HCMVポリペプチドがコードされるオープンリーディングは、コドン最適化される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号32の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドはコドン最適化mRNAである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号33の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドはコドン最適化mRNAである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号34の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドはコドン最適化mRNAである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号38の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドはコドン最適化mRNAである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号40の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドはコドン最適化mRNAである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号42の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドはコドン最適化mRNAである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号47の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドはコドン最適化mRNAである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号50の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドはコドン最適化mRNAである。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号32の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドは、野生型mRNA配列と80%未満の同一性を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号32の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドは、野生型mRNA配列と80%以上の同一性を有するが、野生型mRNA配列は含まない。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号33の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドは野生型mRNA配列と80%未満の同一性を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号33の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドは野生型mRNA配列と80%を超える同一性を有するが、野生型mRNA配列は含まない。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号34の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドは野生型mRNA配列と80%未満の同一性を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号34の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドは野生型mRNA配列と80%を超える同一性を有するが、野生型mRNA配列は含まない。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号38の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドは野生型mRNA配列と80%未満の同一性を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号38の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドは野生型mRNA配列と80%を超える同一性を有するが、野生型mRNA配列は含まない。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号40の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドは野生型mRNA配列と80%未満の同一性を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号40の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドは野生型mRNA配列と80%を超える同一性を有するが、野生型mRNA配列は含まない。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号42の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドは野生型mRNA配列と80%未満の同一性を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号42の抗原性タンパク質をコードし、RNAポリヌクレオチドは野生型mRNA配列と80%を超える同一性を有するが、野生型mRNA配列は含まない。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号1〜31及び84〜144から選択される配列によってコードされ、少なくとも1つの化学修飾を含む。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは多価である。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、VR1814、VR6952、VR3480B1(ガンシクロビル耐性)、VR4760(ガンシクロビル及びフォスカーネット耐性)、Towne、TB40/E、AD169、Merlin、及びToledoから選択されるウイルス株または分離株に由来するポリヌクレオチド配列を含む。
本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレーム及び少なくとも1つの5’末端キャップを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンを提供する。いくつかの実施形態では、5’末端キャップは7mG(5’)ppp(5’)NlmpNpである。
本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンであって、ここでこの少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドが少なくとも1つの化学修飾を有するHCMVワクチンを提供する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドは、第2の化学修飾を更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾を有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドは、5’末端キャップを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾は、シュードウリジン、N1−メチルシュードウリジン、N1−エチルシュードウリジン、N1−エチルシュードウリジン、2−チオウリジン、4’−チオウリジン、5−メチルシトシン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、4−チオ−シュードウリジン、5−アザ−ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5−メトキシウリジン、及び2’−O−メチルウリジンから選択される。
本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンを提供し、ここで、オープンリーディングフレーム中のウラシルの少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%、98%、99%、100%)が化学修飾を有し、必要に応じてこのワクチンは脂質ナノ粒子中に製剤化される。いくつかの実施形態では、オープンリーディングフレーム中のウラシルの100%が化学修飾を有する。いくつかの実施形態では、化学修飾は、ウラシルの5位にある。いくつかの実施形態では、化学修飾は、N1−メチルシュードウリジンである。
本開示のいくつかの実施形態は、カチオン性脂質ナノ粒子(本明細書ではイオン化可能なカチオン性脂質ナノ粒子、イオン化可能な脂質ナノ粒子、及び脂質ナノ粒子とも呼ばれ、これらは互換的に使用される)中に製剤化されるHCMVワクチンを提供する。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質、PEG修飾脂質、ステロール、及び非カチオン性脂質を含む。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、イオン化可能なカチオン性脂質であり、非カチオン性脂質は中性脂質であり、ステロールはコレステロールである。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約20〜60%のカチオン性脂質、約5〜25%の非カチオン性脂質、約25〜55%のステロール、及び約0.5〜15%のPEG修飾脂質というモル比を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、0.4未満の多分散性値を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、中性pHで正味中性電荷を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、50〜200nmの平均直径を有する。
本開示のいくつかの実施形態は、抗原特異的免疫応答を生じるのに有効な量のHCMV RNAワクチンを対象に投与することを含む、対象において抗原特異的免疫応答を誘導する方法を提供する。いくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答は、T細胞応答またはB細胞応答を含む。いくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答は、T細胞応答及びB細胞応答を含む。いくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答を生成する方法は、ワクチンの単回投与を含む。いくつかの実施形態では、この方法は更に、ブースター用量のワクチンを対象に投与することを更に包含する。いくつかの実施形態では、このワクチンは、皮内または筋肉内注射によって対象に投与される。
対象において抗原特異的免疫応答を誘導する方法であって、抗原特異的免疫応答を生じさせるのに有効な量で対象にワクチンを投与することを含む方法において使用するためのHCMV RNAワクチンもまた提供される。
本明細書に更に提供されるのは、対象において抗原特異的免疫応答を誘導する方法であって、抗原特異的免疫応答を生じさせるのに有効な量のワクチンを対象に投与することを含む方法において使用するための医薬の製造におけるHCMV RNAワクチンの使用である。
更に、本開示のワクチンを対象に投与することを含む、HCMV感染を予防または治療する方法が提供される。
本明細書に開示されるHCMVワクチンは、対象において抗原特異的免疫応答を生じさせるのに有効な量で製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも1対数増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して1〜3対数増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも2倍増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも5倍増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも10倍増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して2〜10倍増加する。
いくつかの実施形態では、対照は、HCMVワクチンを投与されていない対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。
いくつかの実施形態では、対照は、生弱毒化または不活性化HCMVワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。
いくつかの実施形態では、上記対照は、組み換えまたは精製HCMVタンパク質ワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。
いくつかの実施形態では、上記有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも2倍の低減と等しい用量であり、かつ上記対象で産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価が、組み換えもしくは精製HCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも4倍の低減と等しい用量であり、対象で産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量の少なくとも10倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも100倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも1000倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量の2〜1000倍の低減に等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、50〜1000μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量は100μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される25μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される100μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される400μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される500μgの用量である。
本開示の他の態様は、対象において抗原特異的免疫応答を生じるのに有効な量で本明細書に開示されるHCMVワクチンを対象に投与することを含む、対象における抗原特異的免疫応答を誘導する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも1対数増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して1〜3対数増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも2倍増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも5倍増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも10倍増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して2〜10倍増加する。
いくつかの実施形態では、対照は、HCMVワクチンを投与されていない対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。
いくつかの実施形態では、対照は、生弱毒化または不活性化HCMVワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。
いくつかの実施形態では、上記対照は、組み換えまたは精製HCMVタンパク質ワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。
いくつかの実施形態では、上記有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも2倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも4倍の低減と等しい用量であり、対象で産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量の少なくとも10倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも100倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも1000倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量の2〜1000倍の低減に等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、50〜1000μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量は100μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される25μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される100μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される400μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される500μgの用量である。
本開示の他の態様は、HCMV抗原ポリペプチドに連結されたシグナルペプチドを含むHCMVワクチンを提供する。
いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドは、HCMV糖タンパク質またはその抗原性断片である。いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドは、HCMV gB、gM、gN、gH、gL、gO、UL83、UL123、UL128、UL130またはUL131Aタンパク質またはその抗原性断片もしくはエピトープである。いくつかの実施形態では、HCMV糖タンパク質は、HCMV gB、gM、gN、gH、gL及びgOから選択される。
いくつかの実施形態では、HCMV糖タンパク質は、HCMV gHである。いくつかの実施形態では、HCMV糖タンパク質は、HCMV gLである。いくつかの実施形態では、HCMV糖タンパク質は、HCMV gBである。いくつかの実施形態では、HCMVタンパク質は、HCMV UL128である。いくつかの実施形態では、HCMVタンパク質は、HCMV UL130である。いくつかの実施形態では、HCMVタンパク質は、HCMV UL131Aである。いくつかの実施形態では、HCMVタンパク質は、HCMV UL83である。いくつかの実施形態では、HCMVタンパク質は、HCMV UL123である。いくつかの実施形態では、HCMV糖タンパク質は、変異体HCMV gHポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HCMV糖タンパク質は、変異体HCMV gLポリペプチドである。いくつかの実施形態では、HCMV糖タンパク質は、変異体HCMV gBポリペプチドである。
いくつかの実施形態では、シグナルペプチドはIgEシグナルペプチドである。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、IgE HC(Ig重鎖イプシロン−1)シグナルペプチドである。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、アミノ酸配列MDWTWILFLVAAATRVHS(配列番号53)を有する。
いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、IgGκシグナルペプチドである。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、アミノ酸配列METPAQLLFLLLLWLPDTTG(配列番号54)を有する。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードする少なくとも1つのRNAポリヌクレオチド、及びgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードする少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む。
本明細書では更に、先天性HCMV感染を予防するためのHCMVワクチンの使用が、提供される。更に、本明細書では、出産適齢期の女性にHCMVワクチンを投与する方法が提供される。
本発明の態様は、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)ワクチンであって、i)HCMV抗原ポリペプチドgH、gL、UL128、UL130、及び/またはUL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドと、ii)HCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、iii)HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、iv)薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、ワクチンに関する。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、HCMV抗原ポリペプチドgHまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドgLまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドUL128またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドUL130またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;及びHCMV抗原ポリペプチドUL131Aまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、2つ以上のHCMV抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のオープンリーディングフレームがコドン最適化される。いくつかの実施形態では、pp65ポリペプチドは、アミノ酸435〜438の欠失を含有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号58、60、62、64、66、68、70、及び84〜144から選択される少なくとも1つの核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドの少なくとも1つは、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、及び80〜83のアミノ酸配列のいずれかと少なくとも90%の同一性を有する抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドの少なくとも1つは、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、及び80〜83のアミノ酸配列のいずれかと少なくとも95%の同一性を有する抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドの少なくとも1つは、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、及び80〜83のアミノ酸配列のいずれかと少なくとも96%の同一性を有する抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、及び80〜83のアミノ酸配列のいずれかと少なくとも97%の同一性。いくつかの実施形態では、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、及び80〜83のアミノ酸配列のいずれかと少なくとも98%の同一性。いくつかの実施形態では、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、及び80〜83のアミノ酸配列のいずれかと少なくとも99%の同一性。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号59、61、63、65、または67の抗原性タンパク質をコードし、ここでこのRNAポリヌクレオチドは、野生型mRNA配列と80%未満の同一性を有するか、または野生型mRNA配列と80%超の同一性を有するが、野生型mRNA配列は含まない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号69の抗原性タンパク質をコードし、ここでこのRNAポリヌクレオチドは、野生型mRNA配列と80%未満の同一性を有するか、または野生型mRNA配列と80%超の同一性を有するが、野生型mRNA配列は含まない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号71の抗原性タンパク質をコードし、ここでこのRNAポリヌクレオチドは、野生型mRNA配列と80%未満の同一性を有するか、または野生型mRNA配列と80%超の同一性を有するが、野生型mRNA配列は含まない。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは多価である。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、VR1814、VR6952、VR3480B1、VR4760、Towne、TB40/E、AD169、Merlin、及びToledoから選択されるウイルス株または分離株に由来するポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、第2の化学修飾を更に含む。
いくつかの実施形態では、化学修飾は、シュードウリジン、N1−メチルシュードウリジン、N1−エチルシュードウリジン、2−チオウリジン、4’−チオウリジン、5−メチルシトシン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、4−チオ−シュードウリジン、5−アザ−ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5−メトキシウリジン、及び2’−O−メチルウリジンからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、オープンリーディングフレーム中のウラシルの80%が化学修飾を有する。いくつかの実施形態では、オープンリーディングフレーム中のウラシルの100%が化学修飾を有する。いくつかの実施形態では、この化学修飾は、ウラシルの5位にある。いくつかの実施形態では、化学修飾は、N1−メチルシュードウリジン、N1−エチルシュードウリジンである。いくつかの実施形態では、ワクチンは、脂質ナノ粒子内に製剤化される。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質、PEG修飾脂質、ステロール、及び非カチオン性脂質を含む。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、イオン化可能なカチオン性脂質であり、非カチオン性脂質は中性脂質であり、ステロールはコレステロールである。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約20〜60%のカチオン性脂質、約5〜25%の非カチオン性脂質、約25〜55%のステロール、及び約0.5〜15%のPEG修飾脂質というモル比を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、0.4未満の多分散性値を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、中性pHで正味中性電荷を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、50〜200nmの平均直径を有する。
本発明の態様は、対象に抗原特異的免疫応答を誘導する方法であって、本明細書に記載のワクチンのいずれかを抗原特異的免疫応答を生じるのに有効な量で対象に投与することを含む方法に関する。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答は、T細胞応答を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答は、B細胞応答を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答は、T細胞応答及びB細胞応答を含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答を生成する方法は、ワクチンの単回投与を包含する。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、方法は、ブースター用量のワクチンを投与することを更に含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、ワクチンは、皮内または筋肉内注射によって対象に投与される。
本発明の態様は、対象に抗原特異的免疫応答を誘導する方法において使用するための、HCMVワクチンに関し、この方法は、抗原特異的免疫応答を生じさせるのに有効な量でこの対象にワクチンを投与することを含む。
本発明の態様は、対象において抗原特異的免疫応答を誘導する方法において使用するための医薬の製造における、本明細書に記載のHCMVワクチンの使用に関し、この方法は、このワクチンを、抗原特異的免疫応答を生じるのに有効な量で対象に投与することを含む。
本発明の態様は、本明細書に記載のワクチンのいずれかを対象に投与することを含む、HCMV感染を予防または治療する方法に関する。
本発明の態様は、対象において抗原特異的免疫応答を生じさせるのに有効な量で製剤化されたHCMVワクチンに関する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも1対数、または対照と比較して1〜3対数増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも2倍、対照と比較して少なくとも5倍、対照と比較して少なくとも10倍、または対照と比較して2〜10倍増加する。
いくつかの実施形態では、対照は、HCMVワクチンを投与されていない対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。いくつかの実施形態では、対照は、生弱毒化または不活性化HCMVワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。いくつかの実施形態では、上記対照は、組み換えまたは精製HCMVタンパク質ワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。
いくつかの実施形態では、上記有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも2倍の低減と等しい用量であり、かつ上記対象で産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価が、組み換えもしくは精製HCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも4倍の低減と等しい用量であり、対象で産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量の少なくとも10倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも100倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも1000倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量の2〜1000倍の低減に等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量は、50〜1000μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量は100μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される25μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される100μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される400μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される500μgの用量である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも1対数、または対照と比較して1〜3対数増加する。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、対象において産生される抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも2倍、対照と比較して少なくとも5倍、対照と比較して少なくとも10倍、または対照と比較して2〜10倍増加する。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、対照は、HCMVワクチンを投与されていない対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、対照は、生弱毒化または不活性化HCMVワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、対照は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも2倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも4倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えもしくは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも10倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えもしくは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも100倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えもしくは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも1000倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えもしくは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における2〜1000倍の低減と等しい用量であり、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えもしくは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、有効量は50〜1000μgの総用量である。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、有効量は、100μgの総用量である。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される25μgの用量である。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される100μgの用量である。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される400μgの用量である。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計で2回投与される500μgの用量である。
本発明の態様は、HCMVワクチンであって、i)HCMV抗原ポリペプチドgH、gL、UL128、UL130、及び/またはUL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープと、ii)HCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープと、iii)HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープとを含む、ワクチンに関する。
いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドの1つ以上は、HCMV抗原ポリペプチドに連結されたシグナル配列を含み、任意で、シグナルペプチドが、IgEシグナルペプチドである。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、IgE HC(Ig重鎖イプシロン−1)シグナルペプチドである。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、アミノ酸配列MDWTWILFLVAAATRVHS(配列番号53)を有する。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、IgGκシグナルペプチドである。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、アミノ酸配列METPAQLLFLLLLWLPDTTG(配列番号54)を有する。いくつかの実施形態では、pp65ポリペプチドは、アミノ酸435〜438の欠失を含有する。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、対象は、免疫が低下した臓器移植レシピエントである。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、移植レシピエントは、造血細胞移植レシピエントまたは実質臓器移植レシピエントである。
本発明の態様は、サイトメガロウイルス(CMV)感染を有する免疫が低下した臓器移植レシピエント対象を治療する方法に関し、治療有効量のヒトサイトメガロウイルス(HCMV)ワクチンを対象に投与することを含み、HCMVワクチンが、i)HCMV抗原ポリペプチドgH、gL、UL128、UL130、及び/またはUL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドと、ii)HCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、iii)HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、iv)薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、方法に関する。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、ワクチンは、HCMV抗原ポリペプチドgHまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドgLまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドUL128またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドUL130またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;及びHCMV抗原ポリペプチドUL131Aまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、2つ以上のHCMV抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のオープンリーディングフレームがコドン最適化される。本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、pp65ポリペプチドは、アミノ酸435〜438の欠失を含有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸ワクチンは、化学的に修飾される。他の実施形態では、核酸ワクチンは非修飾である。
更に他の態様は、第1の抗原ポリペプチドまたは鎖状体ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを対象に投与することを含む、対象にワクチン接種するための組成物及びワクチン接種方法を提供し、ここで上記RNAポリヌクレオチドは、安定化エレメントを含まず、かつここで、アジュバントは、ワクチンと同時製剤化されていないか、または同時投与されない。
他の態様では、本発明は、対象にワクチン接種するための組成物または方法であって、この方法は、対象に、第1の抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを投与することを含み、ここでは10ug/kg〜400ug/kgの投与量の核酸ワクチンを対象に投与する。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドの投与量は、1用量あたり1〜5ug、5〜10ug、10〜15ug、15〜20ug、10〜25ug、20〜25ug、20〜50ug、30〜50ug、40〜50ug、40〜60ug、60〜80ug、60〜100ug、50〜100ug、80〜120ug、40〜120ug、40〜150ug、50〜150ug、50〜200ug、80〜200ug、100〜200ug、120〜250ug、150〜250ug、180〜280ug、200〜300ug、50〜300ug、80〜300ug、100〜300ug、40〜300ug、50〜350ug、100〜350ug、200〜350ug、300〜350ug、320〜400ug、40〜380ug、40〜100ug、100〜400ug、200〜400ug、または300〜400ugである。いくつかの実施形態では、核酸ワクチンは、皮内または筋肉内注射によって対象に投与される。いくつかの実施形態では、核酸ワクチンは、0日目に対象に投与される。いくつかの実施形態では、核酸ワクチンの第2の用量は、21日目に対象に投与される。
いくつかの実施形態では、25マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの用量が、対象に投与される核酸ワクチンに含まれる。いくつかの実施形態では、100マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの投与量が、対象に投与される核酸ワクチンに含まれる。いくつかの実施形態では、50マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの投与量が、対象に投与される核酸ワクチンに含まれる。いくつかの実施形態では、75マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの投与量が、対象に投与される核酸ワクチンに含まれる。いくつかの実施形態では、150マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの投与量が、対象に投与される核酸ワクチンに含まれる。いくつかの実施形態では、400マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの投与量が、対象に投与される核酸ワクチンに含まれる。いくつかの実施形態では、200マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの投与量が、対象に投与される核酸ワクチンに含まれる。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、遠位リンパ節と比較して局所リンパ節において100倍高いレベルで蓄積する。他の実施形態では、核酸ワクチンは、化学的に修飾され、他の実施形態では、核酸ワクチンは化学的に修飾されていない。
本発明の態様は、第1の抗原ポリペプチドまたは鎖状体ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つ以上のRNAポリヌクレオチド(このRNAポリヌクレオチドは安定化エレメントを含まない)及び薬学的に許容される担体または賦形剤(アジュバントはワクチンに含まれない)を含む核酸ワクチンを提供する。いくつかの実施形態では、この安定化エレメントは、ヒストンステムループである。いくつかの実施形態では、安定化エレメントは、野生型配列に対して増加したGC含量を有する核酸配列である。
本発明の態様は、第1の抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを提供し、このRNAポリヌクレオチドは、宿主へのインビボ投与のための製剤中に存在し、ヒト対象の許容可能なパーセンテージについて第1の抗原に対する抗体保有率の基準を上回る抗体価を付与する。いくつかの実施形態では、本発明のmRNAワクチンにより産生される抗体価は、中和抗体価である。いくつかの実施形態では、中和抗体価は、タンパク質ワクチンよりも大きい。他の実施形態では、本発明のmRNAワクチンによって産生される中和抗体価は、アジュバント添加タンパク質ワクチンよりも大きい。更に他の実施形態では、本発明のmRNAワクチンによって産生される中和抗体価は、1,000〜10,000、1,200〜10,000、1,400〜10,000、1,500〜10,000、1,000〜5,000,1,000〜4,000,1,800〜10,000、2,000〜10,000、2,000〜5,000、2,000〜3,000、2,000〜4,000、3,000〜5,000、3,000〜4,000、または2,000〜2,500である。中和力価は、典型的には、プラーク数の50%の低減を達成するために必要とされる最も高い血清希釈として表される。
好ましい態様において、本発明のワクチン(例えば、LNP−カプセル化mRNAワクチン)は、ワクチン接種された対象の血液または血清中の抗原特異的抗体の予防的及び/または治療的に有効なレベル、濃度及び/または力価を生じる。本明細書で定義するように、抗体価という用語は、対象、例えばヒト対象において産生された抗原特異的抗体の量を指す。例示的な実施形態では、抗体価は、依然として陽性結果を与える最大希釈度の逆数(段階希釈で)として表される。例示的な実施形態では、抗体価は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって決定または測定される。例示的な実施形態では、抗体価は、中和アッセイによって、例えば、マイクロ中和アッセイによって決定または測定される。特定の態様において、抗体価測定は、1:40、1:100などのような比として表される。
本発明の例示的な実施形態では、有効なワクチンは、1:40超、1:100超、1:400超、1:1000超、1:2000超、1:3000超、1:4000超、1:500超、1:6000超、1:7500超、1:10000超という抗体価を生じる。例示的な実施形態では、抗体価は、ワクチン接種後10日まで、ワクチン接種後20日まで、ワクチン接種後30日まで、ワクチン接種後40日まで、またはワクチン接種後50日以上までに産生または到達される。例示的な実施形態では、力価は、対象に投与されるワクチンの単回用量に続いて産生されるかまたは到達される。他の実施形態では、力価は、例えば、第1及び第2の用量(例えば、ブースター用量)に続いて、複数の用量に続いて生成または到達される。
本発明の例示的な態様において、抗原特異的抗体は、μg/mlという単位で測定されるか、またはIU/L(1リットルあたりの国際単位)もしくはmIU/ml(1mlあたりのミリ国際単位)という単位で測定される。本発明の例示的な実施形態では、有効なワクチンは、>0.5μg/ml、>0.1μg/ml、>0.2μg/ml、>0.35μg/ml、>0.5μg/ml、>1μg/ml、>2μg/ml、>5μg/mlまたは>10μg/mlを生じる。本発明の例示的な実施形態では、有効なワクチンは>10mIU/ml、>20mIU/ml、>50mIU/ml、>100mIU/ml、>200mIU/ml、>500mIU/ml、または>1000mIU/mlを生じる。例示的な実施形態では、抗体レベルまたは濃度は、ワクチン接種後10日後まで、ワクチン接種後20日まで、ワクチン接種後30日まで、ワクチン接種後40日まで、またはワクチン接種後50日以上までに生成または到達される。例示的な実施形態では、対象に投与されるワクチンの単回投与後に、このレベルまたは濃度が生成されるかまたは到達される。他の実施形態では、レベルまたは濃度は、例えば、第1及び第2の用量(例えば、ブースター用量)に続いて、複数の用量に続いて生成または到達される。例示的な実施形態では、抗体レベルまたは濃度は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって決定または測定される。例示的な実施形態では、抗体レベルまたは濃度は、中和アッセイによって、例えば、マイクロ中和アッセイによって決定または測定される。
第1の抗原ポリペプチドまたは鎖状体ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンも提供され、ここでこのRNAポリヌクレオチドは、安定化エレメントを有するか、またはアジュバントとともに製剤化され、第1の抗原ポリペプチドをコードするmRNAワクチンによって誘発される抗体価よりも長時間持続する高い抗体価を誘発するための宿主に対するインビボ投与のための製剤中に存在する。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、単回の投与の1週間以内に中和抗体を産生するように製剤化される。いくつかの実施形態では、アジュバントは、カチオン性ペプチド及び免疫刺激性核酸から選択される。いくつかの実施形態では、カチオン性ペプチドはプロタミンである。
態様は、少なくとも1つの化学修飾を含むかまたは必要に応じてヌクレオチド修飾を含まないオープンリーディングフレームを有する1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを提供し、このオープンリーディングフレームは、第1の抗原ポリペプチドまたは鎖状体ポリペプチドをコードし、ここでこのRNAポリヌクレオチドは、宿主における抗原発現のレベルが、安定化エレメントを有するか、またはアジュバントとともに製剤化され、第1の抗原ポリペプチドをコードするmRNAワクチンによって産生される抗原発現のレベルを顕著に超えるように、宿主に対するインビボ投与のための製剤中に存在する。
他の態様は、少なくとも1つの化学修飾を含むか、または必要に応じてヌクレオチド修飾を含まないオープンリーディングフレームを有する1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを提供し、このオープンリーディングフレームは、第1の抗原ポリペプチドまたは鎖状体ポリペプチドをコードし、ここで、このワクチンは、等価な抗体価を産生するための非修飾mRNAワクチンに必要なRNAポリヌクレオチドより少なくとも10倍少ない。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、25〜100マイクログラムの用量で存在する。
本発明の態様はまた、少なくとも1つの化学修飾を含むかまたは必要に応じてヌクレオチド修飾を含まないオープンリーディングフレームを有する10ugと400ugの間の1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含み、このオープンリーディングフレームは第1の抗原ポリペプチドまたは鎖状体ポリペプチドをコードしており、ならびにヒト対象への送達のために製剤化された薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、1単位の使用のワクチンを提供する。いくつかの実施形態では、ワクチンは、脂質ナノ粒子を更に含む。
本発明の態様は、個体または個体の集団におけるウイルスへの抗原記憶を作製、維持または回復する方法を提供し、この方法は、(a)少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドであって、このようなポリヌクレオチドが、少なくとも1つの化学修飾を含んでいるか、または必要に応じてヌクレオチド修飾を含んでおらず、2つ以上のコドン最適化オープンリーディングフレームを含む、このようなオープンリーディングフレームは1セットの参照抗原ポリペプチドをコードする、RNAポリヌクレオチド、ならびに(b)必要に応じて薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、抗原性記憶ブースター核酸ワクチンを、上記個体または集団に投与することを含む。いくつかの実施形態では、このワクチンは、筋肉内投与、皮内投与及び皮下投与からなる群から選択される経路によって個体に投与される。いくつかの実施形態では、投与ステップは、対象の筋肉組織を組成物の注射に適したデバイスと接触させることを包含する。いくつかの実施形態では、投与ステップは、対象の筋肉組織を、エレクトロポレーションと組み合わせた組成物の注射に適したデバイスと接触させることを包含する。
本発明の態様は、対象にワクチン接種する方法であって、対象にワクチン接種するのに有効な量で、第1の抗原ポリペプチドまたは鎖状体ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを25ug/kg〜400ug/kgの間の単回投与量で、対象に投与することを含む、方法を提供する。
他の態様は、少なくとも1つの化学修飾を含むオープンリーディングフレームを有する1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを提供し、このオープンリーディングフレームは、第1の抗原ポリペプチドまたは鎖状体ポリペプチドをコードし、ここで、このワクチンは、等価な抗体価を産生するための非修飾mRNAワクチンに必要なRNAポリヌクレオチドより少なくとも10倍少ない。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、25〜100マイクログラムの用量で存在する。
他の態様は、ヌクレオチド修飾(未改変)を含まないオープンリーディングフレームを有するLNP製剤化RNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンであって、このオープンリーディングフレームは、第1の抗原ポリペプチドまたは鎖状体ポリペプチドをコードし、ここでこのワクチンは、等価な抗体価を産生するためにLNP中に製剤化されていない未修飾のmRNAワクチンに必要とされるよりも少なくとも10倍少ないRNAポリヌクレオチドを有する、核酸ワクチンを提供する。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、25〜100マイクログラムの用量で存在する。
実施例に示されたデータは、本発明の製剤を用いて顕著に増強された免疫応答を示す。驚くべきことに、先行技術の報告とは対照的に、ワクチンの製造のために担体に製剤化された化学的に修飾されていないmRNAを使用することが好ましく、化学修飾されたmRNA−LNPワクチンは、非修飾mRNAよりも必要とする有効なmRNA用量がかなり低く、すなわち、LNP以外の担体中に製剤化した場合、非修飾mRNAの10分の1未満であることが本明細書に記載される。本発明の化学的に修飾されたRNAワクチン及び非修飾のRNAワクチンの両方は、異なる脂質キャリアに製剤化されたmRNAワクチンよりも良好な免疫応答を生じる。
他の態様では、本発明は、対象にワクチン接種するのに有効な量で、抗原ポリペプチドまたは鎖状体ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを対象に投与することを含む、60歳以上の高齢の対象を治療する方法を包含する。
他の態様では、本発明は、対象にワクチン接種するのに有効な量で、抗原ポリペプチドまたは鎖状体ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを対象に投与することを含む、17歳以下の若年の対象を治療する方法を包含する。
他の態様では、本発明は、対象にワクチン接種するのに有効な量で、抗原ポリペプチドまたは鎖状体ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを対象に投与することを含む成人対象を治療する方法を包含する。
いくつかの態様では、本発明は、抗原をコードする少なくとも2つの核酸配列を含む混合ワクチンを対象にワクチン接種する方法であって、ここでこのワクチンの投与量が、併用治療用量であり、ここで抗原をコードする各々の個々の核酸の投与量が、治療用量未満である方法である。いくつかの実施形態では、併用投与量は、対象に投与される核酸ワクチン中の25マイクログラムのRNAポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、併用投与量は、対象に投与される核酸ワクチン中のRNAポリヌクレオチド100マイクログラムである。いくつかの実施形態では、併用投与量は、対象に投与される核酸ワクチン中の50マイクログラムのRNAポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、併用投与量は、対象に投与される核酸ワクチン中の75マイクログラムのRNAポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、併用投与量は、対象に投与される核酸ワクチン中のRNAポリヌクレオチドの150マイクログラムである。いくつかの実施形態では、併用投与量は、対象に投与される核酸ワクチン中のRNAポリヌクレオチド400マイクログラムである。いくつかの実施形態では、抗原をコードする各々の個々の核酸の治療用量未満とは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20マイクログラムである。他の実施形態では、核酸ワクチンは、化学的に修飾され、他の実施形態では、核酸ワクチンは化学的に修飾されていない。
RNAポリヌクレオチドは、配列番号58、60、62、64、66、68、70、及び84〜144の1つであり、かつ少なくとも1つの化学修飾を含む。他の実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、配列番号1 58、60、62、64、66、68、70、及び84〜144の1つであり、任意のヌクレオチド修飾を含まないか、または修飾されていない。
本発明の更なる態様は、HCMV感染を予防または治療する方法であって、治療有効量の、(i)HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む、第1のHCMVワクチン、ならびに(ii)HCMV抗原ポリペプチドgH、gL、UL128、UL130、及び/またはUL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドとを含む、第2のHCMVワクチンを対象に投与することを含む、方法に関する。
本発明の更なる態様は、サイトメガロウイルス(CMV)感染を有する免疫が低下した臓器移植レシピエント対象を治療する方法であって、治療有効量の、(i)HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む、第1のHCMVワクチン、ならびに(ii)HCMV抗原ポリペプチドgH、gL、UL128、UL130、及び/またはUL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドとを含む、第2のHCMVワクチンを対象に投与することを含む、方法に関する。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、第1のHCMVワクチンは、第2のHCMVワクチンを投与する少なくとも1週間、少なくとも2週間、または少なくとも3週間前に投与される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、pp65ポリペプチドは、アミノ酸435〜438の欠失を含有する。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、第2のHCMVワクチンは、HCMV抗原ポリペプチドgHまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドgLまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドUL128またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、HCMV抗原ポリペプチドUL130またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドUL131Aまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドとを含む。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、第1及び/または第2のHCMVワクチン中のRNAポリヌクレオチドの1つ以上が、コドン最適化されている。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号77、及び配列番号80〜83のアミノ酸配列のいずれかと少なくとも90%の同一性を有する抗原ポリペプチドをコードする。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドの1つ以上は、少なくとも1つの化学修飾を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾は、シュードウリジン、N1−メチルシュードウリジン、N1−エチルシュードウリジン、2−チオウリジン、4’−チオウリジン、5−メチルシトシン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、4−チオ−シュードウリジン、5−アザ−ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5−メトキシウリジン、及び2’−O−メチルウリジンからなる群から選択される。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、第1及び/または第2のHCMVワクチンは、脂質ナノ粒子中に製剤化される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子(複数可)は、20〜60%のイオン化可能なカチオン性脂質、5〜25%の非カチオン性脂質、25〜55%のステロール、及び0.5〜15%のPEG修飾脂質のモル比を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、第1及び/または第2のHCMVワクチンは、薬学的に許容される担体または賦形剤を更に含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、移植レシピエントは、造血細胞移植レシピエントまたは実質臓器移植レシピエントである。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’末端キャップ、7mG(5’)ppp(5’)NlmpNpを更にコードする。
本発明の更なる態様は、キットであって、(i)HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む、第1のHCMVワクチン、ならびに(ii)HCMV抗原ポリペプチドgH、gL、UL128、UL130、及び/またはUL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドとを含む、第2のHCMVワクチンを含む、キットに関する。
本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、第1のHCMVワクチンは、第2のHCMVワクチンを投与する少なくとも1週間、少なくとも2週間、または少なくとも3週間前に投与される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、pp65ポリペプチドは、アミノ酸435〜438の欠失を含有する。
本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、第2のHCMVワクチンは、HCMV抗原ポリペプチドgHまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドgLまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドUL128またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、HCMV抗原ポリペプチドUL130またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドUL131Aまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドとを含む。
本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、第1及び/または第2のHCMVワクチン中のRNAポリヌクレオチドの1つ以上が、コドン最適化されている。本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号77、及び配列番号80〜83のアミノ酸配列のいずれかと少なくとも90%の同一性を有する抗原ポリペプチドをコードする。
本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドの1つ以上は、少なくとも1つの化学修飾を含む。本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾は、シュードウリジン、N1−メチルシュードウリジン、N1−エチルシュードウリジン、2−チオウリジン、4’−チオウリジン、5−メチルシトシン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、4−チオ−シュードウリジン、5−アザ−ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5−メトキシウリジン、及び2’−O−メチルウリジンからなる群から選択される。
本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、第1及び/または第2のHCMVワクチンは、脂質ナノ粒子中に製剤化される。本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子(複数可)は、20〜60%のイオン化可能なカチオン性脂質、5〜25%の非カチオン性脂質、25〜55%のステロール、及び0.5〜15%のPEG修飾脂質のモル比を含む。本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される。
本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、第1及び/または第2のHCMVワクチンは、薬学的に許容される担体または賦形剤を更に含む。本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’末端キャップ、7mG(5’)ppp(5’)NlmpNpを更にコードする。
本明細書に記載のキットは、HCMV感染の予防または治療に使用するためのものである。本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、対象は、免疫が低下した臓器移植レシピエントである。本明細書に記載のキットのいくつかの実施形態では、移植レシピエントは、造血細胞移植レシピエントまたは実質臓器移植レシピエントである。
本発明の更なる態様は、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)ワクチンであって、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、ワクチンに関する。
いくつかの実施形態では、pp65ポリペプチドは、アミノ酸435〜438の欠失を含有する。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、コドン最適化されている。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、配列番号71または配列番号82と少なくとも90%の同一性を有する抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾は、シュードウリジン、N1−メチルシュードウリジン、N1−エチルシュードウリジン、2−チオウリジン、4’−チオウリジン、5−メチルシトシン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、4−チオ−シュードウリジン、5−アザ−ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5−メトキシウリジン、及び2’−O−メチルウリジンからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、脂質ナノ粒子内に製剤化される。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子(複数可)は、20〜60%のイオン化可能なカチオン性脂質、5〜25%の非カチオン性脂質、25〜55%のステロール、及び0.5〜15%のPEG修飾脂質というモル比を含む。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5’末端キャップ、7mG(5’)ppp(5’)NlmpNpを更にコードする。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、対象におけるHCMV感染の予防または治療に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、対象は、免疫が低下した臓器移植レシピエントである。いくつかの実施形態では、移植レシピエントは、造血細胞移植レシピエントまたは実質臓器移植レシピエントである。
本発明の態様は、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)ワクチンであって、脂質ナノ粒子中に製剤化された、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むmRNAを含み、脂質ナノ粒子が、イオン化可能な脂質、PEG修飾脂質、ステロール、及び非カチオン性脂質を含む、ワクチンに関する。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aから選択される1つ以上のHCMV抗原ポリペプチド、またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするORFを含むmRNAを更に含む。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aから選択される2つのHCMV抗原ポリペプチド、またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードする2つのORFを含むmRNAを更に含む。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aから選択される3つのHCMV抗原ポリペプチド、またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードする3つのORFを含むmRNAを更に含む。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aから選択される4つのHCMV抗原ポリペプチド、またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードする4つのORFを含むmRNAを更に含む。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、HCMV抗原ポリペプチドgH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aまたはその抗原性断片もしくはエピトープの各々をコードするORFを含むmRNAを更に含む。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、1つ以上のmRNAを更に含み、各mRNAは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aから選択されるHCMV抗原ポリペプチド、またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするORFを含む。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、2つのmRNAを更に含み、各mRNAは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aから選択されるHCMV抗原ポリペプチド、またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードする異なるORFを含む。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、3つのmRNAを更に含み、各mRNAは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aから選択されるHCMV抗原ポリペプチド、またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードする異なるORFを含む。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、4つのmRNAを更に含み、各mRNAは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aから選択されるHCMV抗原ポリペプチド、またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードする異なるORFを含む。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、5つのmRNAを更に含み、各mRNAは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aから選択されるHCMV抗原ポリペプチド、またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードする異なるORFを含む。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンは、HCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするORFを含むmRNAを更に含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約20〜60%のイオン化可能な脂質、約5〜25%の非カチオン性脂質、約25〜55%のステロール、及び約0.5〜15%のPEG修飾脂質というモル比を有する。いくつかの実施形態では、イオン化可能な脂質は、化合物25、その塩もしくは立体異性体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、各mRNAは、別個のナノ粒子中に製剤化される。いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドpp65をコードするORFを含むmRNAは、他方のmRNAとは別個のナノ粒子中にある。いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドpp65をコードするORFを含むmRNA以外のmRNAの全ては、同じナノ粒子中に製剤化される。
いくつかの実施形態では、mRNAは、化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、化学修飾は、N1−メチルシュードウリジン(m1ψ)である。いくつかの実施形態では、mRNA中の各Uは、N1−メチルシュードウリジン(m1ψ)である。
いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドをコードするORFは、以下の核酸配列、gH:配列番号87、gL:配列番号90、UL128:配列番号89、UL130:配列番号91、UL131A:配列番号144、gB:配列番号86、及びpp65:配列番号92によってコードされる。
いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドは、以下のアミノ酸配列、gH:配列番号59、gL:配列番号3、UL128:配列番号63、UL130:配列番号65、UL131A:配列番号67、gB:配列番号69、及びpp65:配列番号71を有する。
いくつかの実施形態では、mRNAは、配列番号146及び/または配列番号147によってコードされるUTRを更に含む。
いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して1〜3対数増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して2〜10倍増加する。いくつかの実施形態では、対照は、HCMVワクチンを投与されていない対象、生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンを投与された対象、または組み換えもしくは精製HCMVタンパク質ワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。
いくつかの実施形態では、mRNAは、50〜1000μg、35〜100μg、または25〜50μgから選択される総用量で脂質ナノ粒子中に存在する。
いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドをコードするORFは、以下の核酸配列、gH:配列番号87と少なくとも90%、95%、または98%の同一性を含む配列、gL:配列番号90と少なくとも90%、95%、または98%の同一性を含む配列、UL128:配列番号89と少なくとも90%、95%、または98%の同一性を含む配列、UL130:配列番号91と少なくとも90%、95%、または98%の同一性を含む配列、UL131A:配列番号144と少なくとも90%、95%、または98%の同一性を含む配列、gB:配列番号86と少なくとも90%、95%、または98%の同一性を含む配列、及びpp65:配列番号92と少なくとも90%、95%、または98%の同一性を含む配列によってコードされる。
本発明の限界の各々は、本発明の様々な実施形態を包含し得る。したがって、任意の1つのエレメントまたはエレメントの組み合わせを含む本発明の各限界が、本発明の各態様に含まれ得ることが予期される。本発明は、その適用において、以下の説明に記載されるかまたは図面に示される構成要素の構成及び配置の詳細に限定されない。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施されることも、実行されることも可能である。
添付の図面は一定の縮尺で描く意図ではない。この図面において、様々な図に示されている各々の同一またはほぼ同一の構成要素は、同様の番号で表されている。わかりやすくするために、各図面には全ての構成要素に表示をしていない場合がある。以下が図面である。
本開示の実施形態は、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)抗原をコードするポリヌクレオチドを含むRNA(例えば、mRNA)ワクチンを提供する。
広範かつ耐久性のある中和抗体ならびに堅固なT細胞応答を誘発するHCMVワクチンが、本明細書に示される。ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)は、ヘルペスウイルス科に属する遍在性二本鎖DNAウイルスである。HCMVは、DNAコア、外側のキャプシドで構成され、ウイルス特異的糖タンパク質を取り込んだ脂質膜(エンベロープ)で覆われている。直径は約150〜200nmである。ゲノムは、約200kbの長さの線状及び非セグメントである。ウイルス複製は核であり、溶原性である。複製は、dsDNA双方向複製である。
HCMVは、広範囲の哺乳動物細胞に感染することができ、これは、ほとんどの器官及び組織を感染させるその能力と相関する。宿主細胞への進入は、エンドサイトーシスを媒介する宿主細胞受容体へのウイルス糖タンパク質の付着によって達成される。HCMVは、内皮細胞、上皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、白血球、及び樹状細胞などのいくつかの細胞型に感染する能力を有する、広範な宿主細胞範囲を示す。この広い細胞指向性によって、HCMVが多数の受容体または共通の表面分子に結合し得ることが示唆される。
HCMVは、ウイルス付着及び異なる細胞型への進入にとって重要であるいくつかの表面糖タンパク質をコードする。線維芽細胞内への進入は、gBを含むコアヘルペスウイルス融合機構及びgH/gL/gO三元複合体によって媒介される(参照により本明細書に組み込まれる、Vanarsdall and Johnson、2012、Vanarsdallら、2008)。gH/gL/UL128/UL130/UL131Aから構成される五量体複合体(PC)(参照により本明細書に組み込まれる、Hahnら、2004、Ryckmanら、2008、Wang and Shenk、2005b)は、内皮細胞、上皮細胞、及び骨髄細胞内への進入を媒介する。中和抗体のほとんどは、エンベロープ糖タンパク質に対して指向されている(参照により本明細書に組み込まれる、Brittら、1990、Foutsら、2012、Macagnoら、2010、Marshallら、1992)が、堅固なT細胞応答は、テグメントタンパク質pp65ならびにIE1及びIE2などの非構造的タンパク質に対して指向されている(参照により本明細書に組み込まれる、Blanco−Loboら、2016、Borysiewiczら、1988、Kernら、2002)。
HCMVのエンベロープは非常に複雑であり、20を超える糖タンパク質を含み、これがHCMVの広い細胞指向性の理由であり得る。HCMV粒子は、ヘパリン硫酸プロテオグリカン及びおそらく他の表面受容体への結合を介して細胞表面との最初の相互作用を必要とするHCMV感染に全てが関与する、少なくとも4つの主要な糖タンパク質複合体を含む。
gCI複合体は、糖タンパク質gBの二量体分子から構成される。160kDaの各モノマーを切断して、ジスルフィド結合によって55kDaの膜貫通成分に連結された116kDaの表面単位を生成する。gBに免疫特異的ないくつかの抗体は、ビリオンの細胞への付着を阻害するが、他のものは感染細胞の融合を阻害し、このことはgBタンパク質が、感染の開始時に複数の機能を発揮し得ることを示唆する。研究により、糖タンパク質B(gB)は、受容体に結合し、膜融合を媒介することにより、HCMVの細胞への進入を容易にすることが確認されている。いくつかの細胞膜タンパク質は、gBと相互作用し、その相互作用はおそらく進入を容易にし、細胞シグナル伝達経路を活性化する。
gCII複合体は、糖タンパク質複合体の中で最も豊富であり、糖タンパク質gM及びgNからなるヘテロ二量体である。この複合体は、ヘパラン硫酸プロテオグリカンと結合し、このことは、ビリオンと細胞表面との最初の相互作用に寄与している可能性を示唆している。それはまた、いくつかのα−ヘルペスウイルスに見出されるgM−gN複合体と同様に、ビリオン組み立て/エンベロープ化中に構造的役割を果たすこともできる。
gCIII複合体は、ジスルフィド結合によって共有結合される糖タンパク質gH、gL、gOからなる三量体である。全ての既知のヘルペスウイルスは、ビリオンエンベロープと細胞膜との融合を媒介するgH−gLヘテロ二量体をコードする。ヒトCMV gHに特異的な抗体は、ウイルス付着に影響を与えないが、浸透及び細胞間伝達を遮断する。HCMVのgO欠損突然変異体(株AD169)は、顕著な増殖欠損を示す。
HCMVタンパク質UL128、UL130、及びUL131Aは、gHタンパク質及びgLタンパク質とともに組み立てられて、HCMVの表面に見られる異種五量体複合体(gH/gL/UL128−131Aと命名)を形成する。天然の変異体ならびに欠失及び突然変異分析は、例えば、内皮細胞、上皮細胞及び白血球を含む特定の細胞型を感染させる能力を有するgH/gL/UL128−131A複合体のタンパク質を意味している。
HCMVは、原形質膜(線維芽細胞)またはエンドソーム膜(上皮細胞及び内皮細胞)のいずれかとそのエンベロープを融合することによって細胞に入る。HCMVは、エンベロープ糖タンパク質M(gM)またはgBを用いて細胞表面ヘパラン硫酸プロテオグリカンに結合することによって細胞進入を開始する。このステップの後に、細胞内シグナル伝達の進入を誘発または開始させる細胞表面レセプターとの相互作用が続く。進入受容体機能は、gH/gL糖タンパク質複合体によって提供される。異なるgH/gL複合体は、上皮細胞、内皮細胞、または線維芽細胞への進入を容易にすることが公知である。例えば、線維芽細胞への進入は、gH/gLヘテロ二量体を必要とするが、上皮細胞及び内皮細胞への進入には、gH/gLに加えて、五量体複合体gH/gL/UL128/UL130/UL131が必要である。したがって、異なるgH/gL複合体は、上皮/内皮細胞及び線維芽細胞上の異なる進入受容体に係合する。受容体の係合に続いて、gB及びgH/gLによって媒介されるプロセスである膜融合が行われる。初期の抗体研究は、HCMV進入におけるgB及びgH/gLの両方にとって重要な役割を支持してきた。gBは、進入及び細胞拡散に必須である。gB及びgH/gLは、細胞融合に必要かつ十分であり、したがって、他のヘルペスウイルスの中で保存されているHCMVの「核融合機構」を構成する。
したがって、4つの糖タンパク質複合体は、ウイルス付着、結合、融合及び宿主細胞への進入において決定的な役割を果たす。
gH/gL/UL128−131A複合体を含む研究によって、HCMV糖タンパク質gB、gH、gL、gM及びgN、ならびにUL128、UL130、及びUL131Aタンパク質が抗原性であり、かつ様々な細胞型における免疫刺激応答に関与することが示された。更に、UL128、UL130、及びUL131A遺伝子は、HCMV分離株の間で比較的保存されており、したがってワクチン接種の魅力的な標的である。更に、最近の研究では、五量体gH/gL/UL128−131複合体内のエピトープに対する抗体が、内皮細胞、上皮細胞及び他の細胞型への進入を中和し、したがってHCMVがいくつかの細胞型に感染する能力を遮断することが示されている。
HCMVエンベロープ糖タンパク質複合体(gCI、II、III、gH/gL/UL128−131A)は、抗ウイルス免疫応答の主要な抗原標的である。本開示の実施形態は、HCMV抗原、特にHCMV糖タンパク質複合体の1つ由来のHCMV抗原をコードするポリヌクレオチドを含むRNA(例えば、mRNA)ワクチンを提供する。本開示の実施形態は、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むRNA(例えば、mRNA)ワクチンを提供する。本明細書で提供されるHCMV RNAワクチンは、DNAワクチン及び生弱毒化ワクチンに関連する多くのリスクなしに、細胞性免疫及び体液性免疫の両方を含む、バランスのとれた免疫応答を誘導するために使用され得る。
「核酸ワクチン」と題する国際出願第PCT/US2015/027400号(WO2015/164674)の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
移植患者のためのHCMVワクチン
HCMV感染は、ほとんどの健康な成人において良性であるが、それは時には、免疫低下患者、例えば、臓器移植レシピエントにおいて網膜炎などの重大な疾患をもたらし得る。「免疫低下患者」は、免疫系の傷害または低下のために感染に正常に応答する能力を有しない患者を指す。疾病及び疾患(例えば、いくつかの実施形態では、糖尿病、HIV)を含むいくつかの病態、栄養障害、ならびに薬物によって、このように感染と戦うことができなくなる可能性がある。
免疫低下患者、例えば、適応免疫系を抑制するための免疫抑制薬を受けている臓器移植レシピエントにおけるHCMV感染の制御は、細胞免疫応答、例えば、CD4+、CD8+、及びNK T細胞に関与するT細胞応答の保存に関連する(Riddell et al.,Semin.Respir.Infect.10:199−208,1995)。T細胞応答(例えば、CD8+応答)を誘発するHCMV抗原には、主要テグメントタンパク質pp65、及び最初期タンパク質(IE1など)が含まれるが、これらに限定されない(例えば、Khan et al.,J.Infect.Dis.185,1025−1034,2002)。いくつかの例では、糖タンパク質gBに特異的なT細胞応答が誘発され得る(Borysiewicz et al.,J.Exp.Med.168,919−931,1988)。CD4+応答は、ほとんど全てのHCMVに感染した個体において存在する。(Kern,F.,et al.,J.Infect.Dis.185:1709−1716(2002))。
いくつかの実施形態では、免疫低下患者は、臓器移植レシピエントである。「臓器移植レシピエント」は、臓器移植を受けたか、または受ける予定である対象を指す。本明細書で使用される場合、「臓器移植」は、ドナーからレシピエントへの器官または組織の移動を指す。いくつかの実施形態では、ドナー及びレシピエントは、異なる対象である。他の実施形態では、ドナー及びレシピエントは、同じ対象である。ドナー及びレシピエントは、ヒトまたは非ヒト対象であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ドナー及びレシピエントは、ともにヒト対象である。他の実施形態では、ドナーは非ヒト対象であり、レシピエント対象はヒト対象である。他の実施形態では、ドナーはヒト対象であり、レシピエントは非ヒト対象である。他の実施形態では、ドナー及びレシピエントは、ともに非ヒト対象である。
いくつかの実施形態では、臓器移植レシピエントは、実質臓器移植(SOT)レシピエントである。移植され得る実質臓器/組織には、心臓、腎臓、肝臓、肺、膵臓、腸、胸腺、骨、腱、角膜、皮膚、心臓弁、神経、及び静脈が含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、臓器移植レシピエントは、造血細胞移植(HCT)レシピエントである。「造血細胞移植(HCT)」は、レシピエントに対する造血細胞の静脈内注入を指す。造血細胞は、例えば、骨髄、末梢血、羊水、及び臍帯血に由来し得る。骨髄移植は、一般的な種類の造血幹細胞移植である。造血細胞は、ドナーからレシピエントへと移植され得る。ドナー及びレシピエントは、同じ対象であっても異なる対象であってもよい。
移植のドナーまたはレシピエントは、HCMV血清陽性または血清陰性であり得る。「血清陽性」は、個体(例えば、移植ドナー及び/またはレシピエント)が過去にHCMVに感染しており、個体の血液中にHCMV IgGが検出され得ることを意味する。「血清陽性」であることは、必ずしも生存し、複製しているHCMVが対象の血液中に存在することを意味しない。過去にHCMVに感染していない個体は、個体の血液中にHCMV特異的IgGを有しないため、「血清陰性」である。
適切な予防的手段なしでは、血清陽性ドナー由来の器官の血清陰性レシピエントは、CMV疾患を発症するリスクが高く(>60%)あり得る。ドナーは一般に、完全な体液性応答を有するので、IgG検出を使用して、ドナーの血清陽性を診断することができる。いくつかの実施形態では、レシピエントは血清陽性であるが、HCMVは潜在性であり、HCMVは移植後に再活性化される。
「潜在性の」または「潜在性」は、初期感染後にウイルス粒子の増殖が停止する、特定のウイルスの生活環における相を指す。しかしながら、ウイルスゲノムは完全には根絶されていない。結果として、ウイルスは再活性化し、宿主が新たな外部ウイルスに感染することなく、大量のウイルス子孫の産生を開始し得る。ウイルスは、永久に宿主内に留まる可能性がある。いくつかの例では、潜在性のウイルスが外部活性化因子(すなわち、日光、ストレス)によって再活性化されて、急性感染を引き起こし得る。
本明細書に開示される移植レシピエントには、免疫が低下している対象及び免疫が低下していない対象が含まれる。臓器移植レシピエントにおけるHCMV関連疾患は、身体のほとんどの器官に影響を及ぼし得、例えば、発熱、肺炎、肝炎、脳炎、脊髄炎、大腸炎、ブドウ膜炎、網膜炎、神経障害、ギラン・バレー症候群、髄膜脳炎、心膜炎、心筋炎、血小板減少症、溶血性貧血、致命的な間質性肺炎、食道炎、白血球減少症、感染症、及び臓器移植における合併症をもたらし得る。
本開示の態様は、免疫が低下した臓器移植レシピエントを含む対象をHCMV感染に対して防御するための、安全かつ効果的なHCMVワクチン及び方法を提供する。本明細書に開示されるHCMVワクチンには、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするRNAワクチン(例えば、mRNAワクチン)が含まれる。いくつかの実施形態では、本開示のHCMV RNAワクチン(例えば、mRNAワクチン)によってコードされる抗原ポリペプチドまたは免疫原性断片は、gB、gH、gL、gO、gM、gN、UL83、UL123、UL128、UL130、UL131A、pp65、及びIE1抗原から選択される。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチン(例えば、mRNAワクチン)は、gH、gL、UL128、UL130、及び/またはUL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチン(例えば、mRNAワクチン)は、gB、gH、gL、UL128、UL130、及び/またはUL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチン(例えば、mRNAワクチン)は、gB、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を含み、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を更に含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチン(例えば、mRNAワクチン)は、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を含む。いくつかの実施形態では、pp65ポリペプチド配列は、アミノ酸435〜438の欠失を含有する。いくつかの実施形態では、第1のHCMVワクチン及び第2のHCMVワクチンが投与される。第1のHCMVワクチンは、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含み得る一方で、第2のHCMVワクチンは、HCMV抗原ポリペプチドgH、gL、UL128、UL130、及び/またはUL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドとを含み得る。
本明細書に記載のHCMVワクチンにおいて、様々な構成要素が一緒または別個に製剤化され得る。いくつかの実施形態では、gB、gH、gL、UL128、UL130、UL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードするRNAポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、1つのHCMVワクチン組成物中に製剤化することができ、等しい比(例えば、1:1:1:1:1の比)で製剤化されても、異なる比で製剤化されてもよい。いくつかの実施形態では、pp65、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードするRNAポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、別個のHCMVワクチン組成物中に製剤化される。他の実施形態では、gB、gH、gL、UL128、UL130、UL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードするRNAポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、pp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするRNAポリヌクレオチド(例えば、mRNA)ともに製剤化される。
本明細書に記載のHCMVワクチンは、臓器移植のドナー及び/またはレシピエントに投与され得る。ドナー及び/またはレシピエントは、血清陰性または血清陽性であり得る。いくつかの実施形態では、本開示のHCMV mRNAワクチンは、血清陽性ドナーから移植を受ける血清陰性レシピエント、血清陰性ドナーから移植を受ける血清陰性レシピエント、または血清陽性もしくは血清陰性ドナーから移植を受ける血清陽性レシピエントに投与される。本開示のHCMV mRNAワクチンはまた、HCMVを予防または治療するために、血清陰性または血清陽性のいずれかの移植ドナーにも投与され得る。
本明細書に記載のHCMV mRNAワクチンは、移植前または移植後に移植レシピエントまたはドナーに投与され得る。移植前に与えられる場合、それは、例えば、移植の1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月前、またはそれ以上前に与えることができる。移植後に与えられる場合、それは、例えば、移植の1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月後、またはそれ以上後に与えることができる。HCMV mRNAワクチンの投与量には、本明細書に記載の投与量のいずれかが含まれ得る。1回または2回の初回用量後に、ブースター用量もまた与えられ得る。いくつかの実施形態では、2回の初回用量が0及び1ヶ月目に与えられ、ブースター用量が6ヶ月目に与えられる。
2つのHCMVワクチンが投与されるいくつかの実施形態では、2つのHCMVワクチンは、同時または連続的に投与され得る。例えば、いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む第1のHCMVワクチンは、HCMV抗原ポリペプチドgH、gL、UL128、UL130、及び/またはUL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドとを含む第2のHCMVワクチンの前に投与される。例えば、第1のHCMVワクチンは、第2のワクチンの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60日前に投与され得る。いくつかの実施形態では、第1のHCMVワクチンは、第2のHCMVワクチンの少なくとも1、2、3、または4週間前に投与される。いくつかの実施形態では、第1のHCMVワクチンは、第2のHCMVワクチンの少なくとも1、2、または3週間前に投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のHCMV mRNAワクチンは、他の抗ウイルス薬、例えば、ガンシクロビル及び誘導体、CMV−CTL、HCMV特異的抗体、ブリンシドホビル、またはレテルモビルと組み合わせて与えることができる。
本明細書に記載のmRNAワクチンは、現在のワクチンよりもいくつかの点で優れていることが発見されている。第一に、脂質ナノ粒子(LNP)送達は、文献に記載されているリポソームまたはプロタミンに基づくアプローチを含む他の製剤より優れており、追加のアジュバントは必要ではない。LNPの使用は、化学修飾または非修飾(ヌクレオチド修飾なし)mRNAワクチンの効果的な送達を可能にする。修飾及び非修飾LNP製剤化mRNAワクチンの両方が、従来のワクチンよりも顕著な程度優れている。いくつかの実施形態では、本発明のmRNAワクチンは、従来のワクチンより少なくとも10倍、20倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1,000倍優れている。
mRNAワクチン及び自己複製RNAワクチンを含む機能性RNAワクチンの製造が試みられているが、これらのRNAワクチンの治療効果はまだ完全に確立されていない。かなり驚くべきことに、本発明者らは、本発明の態様によって、中和能力を有する増強された抗原生成及び機能的抗体産生を含む、顕著に増強され、多くの点で相乗的な免疫応答を生じる、インビボでmRNAワクチンを送達するための製剤のクラスを発見した。これらの結果は、他のクラスの脂質ベースの製剤で使用されるmRNA用量と比較して、著しく低い用量のmRNAが投与された場合でも達成され得る。本発明の製剤は、予防剤及び治療剤としての機能的なmRNAワクチンの有効性を確立するのに十分な重大な予想外の免疫応答を示した。更に、自己複製RNAワクチンは、ウイルス複製経路に依存して細胞に十分なRNAを送達し、免疫原性応答を生じさせる。本発明の製剤は、強力な免疫応答をもたらすのに十分なタンパク質を産生するためにウイルス複製を必要としない。したがって、本発明のmRNAは、自己複製RNAではなく、ウイルス複製に必要な成分を含まない。
核酸/ポリヌクレオチド
本明細書で提供されるヒトサイトメガロウイルス(HCMV)ワクチンは、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つの(1つ以上の)リボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含む。最も広い意味での用語「核酸」は、ヌクレオチドのポリマーを含む任意の化合物及び/または物質を含む。これらのポリマーは、ポリヌクレオチドと呼ばれる。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンの少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号1〜31、58、60、62、64、66、68、70、及び80〜83のいずれかから選択される少なくとも1つの核酸配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、HCMVワクチンの少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号1〜31、58、60、62、64、66、68、70、及び80〜83のいずれかから選択される核酸配列の少なくとも1つの断片によってコードされる。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、配列番号58によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号60によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号62によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号64によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号66によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド、及び配列番号68によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、RNAワクチンはまた、配列番号70、またはその抗原性断片もしくはエピトープによってコードされるオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドも含む。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、配列番号90によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号91によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号144によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号87によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号89によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号86によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;及び/あるいは配列番号92によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチドを含む。
オープンリーディングフレーム配列は、非翻訳領域(UTR)などの複数の異なる調節配列と組み合わせることができることが理解されるべきである。本明細書に記載のORFは、異なるUTRに連結することができる。いくつかの実施形態では、5’UTR配列は、配列番号146を含む。いくつかの実施形態では、3’UTR配列は、配列番号147を含む。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、5’UTR配列が配列番号146を含み、かつ/または3’UTR配列が配列番号147を含んで、配列番号90によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;5’UTR配列が配列番号146を含み、かつ/または3’UTR配列が配列番号147を含んで、配列番号91によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;5’UTR配列が配列番号146を含み、かつ/または3’UTR配列が配列番号147を含んで、配列番号144によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;5’UTR配列が配列番号146を含み、かつ/または3’UTR配列が配列番号147を含んで、配列番号87によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;5’UTR配列が配列番号146を含み、かつ/または3’UTR配列が配列番号147を含んで、配列番号89によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;5’UTR配列が配列番号146を含み、かつ/または3’UTR配列が配列番号147を含んで、配列番号86によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;ならびに/あるいは5’UTR配列が配列番号146を含み、かつ/または3’UTR配列が配列番号147を含んで、配列番号92によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、移植ドナーまたはレシピエントは、配列番号58によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号60によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号62によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号64によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;配列番号66によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド、及び配列番号68によってコードされるオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチドを含む、RNAワクチン組成物を投与される。いくつかの実施形態では、移植ドナーまたはレシピエントはまた、配列番号70、またはその抗原性断片もしくはエピトープによってコードされるオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドも投与される。配列番号70、またはその抗原性断片もしくはエピトープによってコードされるオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドは、移植ドナーまたはレシピエントに投与される他のRNAポリヌクレオチドと一緒または別個に製剤化することができ、移植ドナーまたはレシピエントに投与される他のRNAポリヌクレオチドと一緒または別個のいずれかで投与することができる。
いくつかの実施形態では、移植ドナーまたはレシピエントは、配列番号70、またはその抗原性断片もしくはエピトープによってコードされるオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドのみを投与される。
核酸(ポリヌクレオチドとも呼ばれる)は、例えば、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA、β−D−リボ立体配置を有するLNA、α−L−リボ立体配置(LNAのジアステレオマー)を有するα−LNA、2’−アミノ官能化を有する2’−アミノ−LNA、及び2’−アミノ官能化を有する2’−アミノ−α−LNA)、エチレン核酸(ENA)、シクロヘキセニル核酸(CeNA)またはそれらのキメラもしくは組み合わせであっても、またはそれらを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、メッセンジャーRNA(mRNA)として機能する。「メッセンジャーRNA」(mRNA)は、(少なくとも1つの)ポリペプチド(天然に存在するか、天然に存在しないか、またはアミノ酸の修飾されたポリマー)をコードする任意のポリヌクレオチドを指し、これは、翻訳されて、コードされたポリペプチドを、インビトロで、インビボで、インサイチュで、またはエキソビボで産生し得る。いくつかの好ましい実施形態において、mRNAは、インビボで翻訳される。当業者であれば、別段注記しない限り、本出願に記載のポリヌクレオチド配列は、代表的なDNA配列では「T」を挙げるが、この配列がRNA(例えば、mRNA)を表す場合、「T」は、「U」で置き換えられることを理解する。したがって、特定の配列識別番号によって特定されるDNAによってコードされるRNAポリヌクレオチドのいずれも、DNAによってコードされる対応するRNA(例えば、mRNA)配列を含んでもよく、DNA配列の各「T」は「U」で置き換えられる。当業者であれば、対応するDNA配列に基づいてmRNA配列を特定する方法を理解するであろう。
典型的には、mRNA分子の基本成分は、少なくとも1つのコード領域、5’非翻訳領域(UTR)、3’UTR、5’キャップ及びポリA尾部を含む。本開示のポリヌクレオチドは、mRNAとして機能し得るが、核酸ベースの治療法を用いた有効なポリペプチド発現の既存の問題を克服するのに役立つその機能的及び/または構造的デザインの特徴において、野生型mRNAと区別され得る。
本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンを提供する。本開示のいくつかの実施形態は、2つ以上のHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンを提供する。本開示のいくつかの実施形態は、2つ以上のHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有する2つ以上のRNAポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンを提供する。1つ以上のHCMV抗原ポリペプチドは、単一RNAポリヌクレオチド上にコードされてもよく、または複数(例えば、2つ以上)のRNAポリヌクレオチドに個別にコードされてもよい。
本開示のいくつかの実施形態は、2つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上)のHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープをコードする単一のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンを提供する。本開示のいくつかの実施形態は、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上のHCMV抗原ポリペプチドをコードする、2つ以上のオープンリーディングフレーム、例えば、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含むHCMVワクチンを提供する。これらの実施形態のいずれかにおいて、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、gH、gB、gL、gO、gM、gN、UL83、UL123、UL128、UL130、UL131A及びその断片またはエピトープから選択される2つ以上のHCMV抗原ポリペプチドをコードし得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、UL83及びUL123をコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、gH及びgLをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、UL128、UL130、及びUL131Aをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aをコードする。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、HCMV抗原ポリペプチドgHまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドgLまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドUL128またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドUL130またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドUL131Aをコードするオープンリーディングフレームまたはその抗原性断片もしくはエピトープを有するRNAポリヌクレオチド;及びHCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンはまた、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその免疫原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドも含む。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドによってコードされるpp65ポリペプチドは、アミノ酸435〜438の欠失を含有する。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドによってコードされるpp65ポリペプチドは、配列番号71を含む。いくつかの実施形態では、pp65ポリペプチドは、融合タンパク質の一部である。いくつかの実施形態では、pp65ポリペプチドまたはその断片は、IE1またはその断片に融合される。
少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドが、2つ以上(例えば、2、3、4、5またはそれ以上)のHCMV抗原ポリペプチドをコードする単一のオープンリーディングフレームを有するいくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、更に追加の配列、例えば、リンカー配列、またはHCMV RNA転写物またはポリペプチドのプロセシングを助ける配列、例えば切断部位配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、更なる配列は、フーリン配列のようなプロテアーゼ配列であってもよい。フーリンはまた、PACE(対合塩基性アミノ酸切断酵素)とも呼ばれ、対になった塩基性アミノ酸プロセッシング部位で、前駆体タンパク質を生物学的に活性な産物に切断するカルシウム依存性セリンエンドプロテアーゼである。その基質のいくつかとしては、プロ副甲状腺ホルモン、トランスフォーミング成長因子ベータ1前駆体、プロアルブミン、プロベータセクレターゼ、膜1型マトリクスメタロプロテイナーゼ、神経成長促進因子のβサブユニット、及びフォンビルブラント因子が挙げられる。特定のウイルスのエンベロープタンパク質は、完全に機能的になるためにフーリンによって切断されなければならないが、いくつかのウイルスは、宿主細胞への進入中にフーリン処理を必要とする。T細胞は、末梢免疫寛容を維持するためにフーリンを必要とする。いくつかの実施形態では、追加の配列は、P2A、E2A、F2A、及びT2A配列などの自己切断2Aペプチドであってもよい。いくつかの実施形態では、リンカー配列及び切断部位配列は、HCMVポリペプチドをコードする配列の間に散在している。2Aペプチドは、約18〜22アミノ酸長の「自己切断」小ペプチドである。リボソームは、2AペプチドのC末端でグリシル−プロリルペプチド結合の合成をスキップし、2Aペプチド及びその直ぐ下流のペプチドの切断をもたらす。それらは、単一のプラスミドを用いて細胞内に2つ以上の遺伝子を同時に発現させるために、生物医学研究において頻繁に使用されている。以下を含む多くの2Aペプチドが存在する:口蹄疫ウイルス(FMDV)2A(F2A)、ウマ鼻炎Aウイルス(ERAV)2A(E2A)、ブタテスコウイルス−1 2A(P2A)、及びThoseaasignaウイルス2A(T2A)。T2Aは、最も高い切断効率(100%に近い)を有し、E2A、P2A及びF2Aが続く。アミノ酸配列は、以下のとおりである:P2A:(GSG)ATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号153);T2A:(GSG)EGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号154);E2A:(GSG)QCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号155);F2A:(GSG)VKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号156)。いくつかの実施形態では、リンカー配列及び切断部位配列は、HCMVポリペプチドをコードする配列の間に散在している。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30または配列番号31によってコードされる。
いくつかの実施形態では、HCMVワクチンのRNAポリヌクレオチドは、2〜10、2〜9、2〜8、2〜7、2〜6、2〜5、2〜4、2〜3、3〜10、3〜9、3〜8、3〜7、3〜6、3〜5、3〜4、4〜10、4〜9、4〜8、4〜7、4〜6、4〜5、5〜10、5〜9、5〜8、5〜7、5〜6、6〜10、6〜9、6〜8、6〜7、7〜10、7〜9、7〜8、8〜10、8〜9、または9〜10の抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、HCMVワクチンのRNAポリヌクレオチドは、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100個の抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、HCMVワクチンのRNAポリヌクレオチドは、少なくとも100個または少なくとも200個の抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、HCMVワクチンのRNAポリヌクレオチドは、1〜10、5〜15、10〜20、15〜25、20〜30、25〜35、30〜40、35〜45、40〜50、1〜50、1〜100、2〜50、または2〜100の抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コドン最適化されている。コドン最適化法は、当該技術分野で公知であり、本明細書で提供されるように使用してもよい。コドン最適化は、いくつかの実施形態では、標的生物及び宿主生物におけるコドン頻度を一致させて、適切な折りたたみを確実にするために;GC含量をバイアスして、mRNA安定性を増加させるか、または二次構造を低減するために;遺伝子の構築または発現を損なう可能性のあるタンデムリピートコドンまたはベースランを最小化するために;転写及び翻訳制御領域をカスタマイズするために;タンパク質トラフィッキング配列を挿入または除去するために;コードされたタンパク質(例えばグリコシル化部位)中の翻訳後修飾部位を除去/付加するために;タンパク質ドメインの追加、除去またはシャッフルのために;制限サイトを挿入または削除するために;リボソーム結合部位及びmRNA分解部位を修飾するために;タンパク質の様々なドメインが適切に折り畳まれることを可能にするように翻訳速度を調節するために;またはポリヌクレオチド内の問題の二次構造を低減もしくは排除するために使用してもよい。コドン最適化ツール、アルゴリズム及びサービスが当該技術分野で公知であり−その非限定的な例としては、GeneArt(Life Technologies)によるサービス、DNA2.0(Menlo Park CA)及び/または独自の方法が挙げられる。いくつかの実施形態では、オープンリーディングフレーム(ORF)配列は、最適化アルゴリズムを使用して最適化される。
いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在する配列または野生型配列(例えば、目的のポリペプチドまたはタンパク質(例えば、抗原性のタンパク質またはポリペプチド)をコードする天然または野生型mRNA配列に対して95%未満の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在する配列または野生型配列(例えば、目的のポリペプチドまたはタンパク質をコードする天然に存在するかまたは野生型mRNA配列(例えば、抗原性タンパク質またはポリペプチド)に対して90%未満の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在する配列または野生型配列(例えば、目的のポリペプチドまたはタンパク質(例えば、抗原性タンパク質またはポリペプチド)をコードする天然に存在するかまたは野生型のmRNA配列)に対して85%未満の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在する配列または野生型配列(例えば、目的のポリペプチドまたはタンパク質をコードする天然に存在するかまたは野生型のmRNA配列(例えば、抗原性タンパク質またはポリペプチド)に対して80%未満の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在する配列または野生型配列(例えば、目的のポリペプチドまたはタンパク質をコードする天然に存在するかまたは野生型のmRNA配列(例えば、抗原性タンパク質またはポリペプチド)に対して75%未満の配列同一性を共有する。
いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在する配列または野生型配列(例えば、目的のポリペプチドまたはタンパク質(例えば、抗原性タンパク質またはポリペプチド)をコードする天然に存在するかまたは野性型のmRNA配列)に対して65%〜85%(例えば、約67%〜約85%または約67%〜約80%)の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然に存在する配列または野生型配列(例えば、目的のポリペプチドまたはタンパク質(例えば、抗原性タンパク質またはポリペプチド)をコードする天然に存在するかまたは野性型のmRNA配列)に対して65%〜75%または約80%の配列同一性を共有する。
当業者であれば、特に明記しない限り、本出願に記載のポリヌクレオチド配列は、代表的なDNA配列において「T」を挙げるが、その配列がRNAである場合、「T」は「U」で置き換えられることが理解される。
抗原/抗原ポリペプチド
いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV糖タンパク質である。例えば、HCMV糖タンパク質は、HCMV gB、gH、gL、gO、gNもしくはgMまたはその免疫原性断片もしくはエピトープであり得る。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gHポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gLポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gBポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gOポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gNポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gMポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gCポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gNポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV gMポリペプチドである。
いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、UL83、UL123、UL128、UL130、及びUL131Aから選択されるHCMVタンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープである。いくつかの実施形態では、この抗原ポリペプチドは、HCMV UL83ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV UL123ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV UL128ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV UL130ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドは、HCMV UL131Aポリペプチドである。
いくつかの実施形態では、抗原性HCMVポリペプチドは、2つ以上のHCMVポリペプチドを含む。2つ以上のHCMVポリペプチドは、単一RNAポリヌクレオチドによってコードされてもよいし、または2つ以上のRNAポリヌクレオチドによってコードされてもよく、例えば、各糖タンパク質は別個のRNAポリヌクレオチドによってコードされてもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、HCMV gH、gL、gB、gO、gN、gM、UL83、UL123、UL128、UL130、及びUL131Aポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、HCMV gH、ならびにgL、gB、gO、gN、gM、UL83、UL123、UL128、UL130、及びUL131Aのポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択されるポリペプチドとの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、HCMV gBと、gH、gL、gO、gN、gM、UL83、UL123、UL128、UL130、及びUL131Aのポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択されるポリペプチドとの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、HCMV gLと、gH、gB、gO、gN、gM、UL83、UL123、UL128、UL130、及びUL131Aのポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択されるポリペプチドとの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、HCMV gH、gLと、gB、gO、gN、gM、UL83、UL123、UL128、UL130、及びUL131Aのポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択されるポリペプチドとの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、HCMV gH、gLと、gB、gH、gK、gL、gC、gN及びgMのポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択される糖タンパク質との任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、HCMV gH、gLと、UL83、UL123、UL128、UL130、及びUL131Aポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはエピトープから選択されるポリペプチドとの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、UL128、UL130、及びUL131Aである。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、gH及びgLである。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aである。いくつかの実施形態では、2つ以上のHCMVポリペプチドは、gB、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aである。
本明細書に記載のHCMVワクチンは、HCMVテグメントタンパク質pp65を更に含み得る。このタンパク質は、HCMV特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答の標的抗原である。(Mclaughlin−Taylor et al.,J.Med.Virol.43:103−110(1994))。
Pp65は、細胞外ウイルス粒子の主要な構成物であり、HCMV感染中の宿主細胞免疫応答の調節/回避に関与する主要なテグメントタンパク質である(例えば、McLaughlin−Taylor et al.,J Med Virol1994,43:103−110)。更に、pp65は、HCMV感染中の自然及び適応免疫応答の両方への対抗に関連するとされている(例えば、Kalejta et al.,J Gen Virol 2006,87:1763−1779)。免疫回避におけるpp65の役割は、それが体液性及び細胞性免疫の両方を標的化すること、ならびに細胞傷害性Tリンパ球の主要な標的抗原として役立つことに大きく起因し得る(例えば、McLaughlin−Taylor et al.,J Med Virol1994,43:103−110)。更に、pp65は、感染初期に豊富に産生されるウイルス最初期タンパク質(IE)のリン酸化を媒介し、これは、主要な組織適合性複合体クラスI分子に対するそれらの提示を遮断する(Gilbert et al.,Nature,383:720−722,1996)。pp65はまた、ナチュラルキラー細胞の細胞傷害性の阻害(例えば、Arnon et al.,Nat Immunol2005,6:515−523)及び/またはインターフェロン応答の減衰(例えば、Abate et al.,J Virol 2004,78:10995−11006)によって、HCMV感染中の免疫回避においても役割を果たす。pp65−IE1融合タンパク質は、HCMVに対する細胞性及び体液性免疫応答の両方を誘導することができることもまた示されている(Reap et al.,Clin Vaccine Immunol,vol.14no.6748−755,2007、Lilja et al.,Vaccine,Nov 19;30(49),2002)。
本開示の実施形態は、CMV感染に対する防御免疫を誘発するための、HCMV構造タンパク質、例えば、pp65、またはpp65−IE1融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むRNA(例えば、mRNA)ワクチンを提供する。表8及び9は、pp65及びpp65を包含する融合タンパク質の核酸及びタンパク質配列を提供する。いくつかの実施形態では、pp65 RNAポリヌクレオチドは、表8、表9、または表13にある配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、pp65 RNAポリヌクレオチドは、配列番号70または配列番号93によってコードされる。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、表8または表9に提供されるpp65タンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、pp65タンパク質は、配列番号71を含む。いくつかの実施形態では、pp65ポリペプチドは、融合タンパク質の一部である。いくつかの実施形態では、pp65ポリペプチドまたはその断片は、IE1またはその断片に融合される。
本開示は、変異体HCMV抗原ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、変異体HCMV抗原ポリペプチドは、変異体pp65ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異体pp65ポリペプチドは、野生型pp65配列と比較してアミノ酸435〜438の欠失を含有する。変異体pp65ポリペプチドは、配列番号71を含み得る。アミノ酸435〜438の欠失を有するpp65タンパク質はまた、本明細書では「pp65mut」、「pp65ΔP」とも呼ばれる。いくつかの実施形態では、pp65mutは、配列番号92のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの実施形態では、変異体pp65ポリペプチドは、融合タンパク質の一部である。いくつかの実施形態では、変異体pp65ポリペプチドまたはその断片は、IE1またはその断片に融合される。
ワクチン組成物中でのpp65の変異形態を含むpp65の使用は、7,387,782、7,025,969、6,133,433、6,207,161、6,074,645、6,251,399、6,727,093、6,726,910、6,843,992、6,544,521、6,951,651、8,580,276、7,163,685、6,242,567、6,835,383、6,156,317、6,562,345、8,673,317、8,278,093、7,888,112、9,180,162、7,410,795、6,579,970、7,202,331、8,029,796、8,425,898、US2015−0335732、US2016−0213771、WO2015/047901、US2012−0213818、US2014−0127216、7,041,442、8,617,560、7,976,845、US2015−0273051、US2015−0174237、6,448,389、WO2015/082570、7,419,674、US2014−0308308、及びUS2013−0202708に記載されており、それらから参照により組み込まれ、これらの全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、変異体HCMV抗原ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、変異体HCMV抗原ポリペプチドは、変異体HCMV gHポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異体HCMV抗原ポリペプチドは、変異体HCMV gLポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異体HCMV抗原ポリペプチドは、変異体HCMV gBポリペプチドである。変異体HCMVポリペプチドは、ER/ゴルジを通じた抗原ポリペプチドの通過を促進し、抗原の表面発現の増加をもたらすように設計される。いくつかの実施形態では、変異体HCMVポリペプチドは、以下のドメイン:疎水性膜近位ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞質ドメインの1つ以上を欠失させるために切断される。いくつかの実施形態では、変異体HCMVポリペプチドは、細胞外ドメイン配列のみを含むように切断される。例えば、変異体HCMVポリペプチドは、少なくともアミノ酸1〜124、例としては、例えば、アミノ酸1〜124、1〜140、1〜160、1〜200、1〜250、1〜300、1〜350、1〜360、1〜400、1〜450、1〜500、1〜511、1〜550、及び1〜561、ならびに列挙されたサイズ範囲内の断片サイズを有するポリペプチド断片を含む、切断型HCMV gHポリペプチド、切断型HCMV gBポリペプチド、または切断型HCMV gLポリペプチドであってもよい。
いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドは、25アミノ酸より長く、50アミノ酸より短い。したがって、ポリペプチドには、遺伝子産物、天然に存在するポリペプチド、合成ポリペプチド、ホモログ、オルソログ、パラログ、断片及び他の等価物、変異体及び前述の類似体が含まれる。ポリペプチドは単一分子であってもよく、または二量体、三量体もしくは四量体のような多分子複合体であってもよい。ポリペプチドはまた、抗体またはインスリンのような一本鎖または多鎖ポリペプチドを含んでもよく、会合または連結されてもよい。最も一般的には、ジスルフィド結合は、多価ポリペプチドに見出される。ポリペプチドという用語はまた、少なくとも1つのアミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人工的な化学的類似体であるアミノ酸ポリマーにも適用され得る。
「ポリペプチド変異体」という用語は、それらのアミノ酸配列が天然または参照配列と異なる分子を指す。アミノ酸配列変異体は、天然または参照配列と比較して、アミノ酸配列内の特定の位置に置換、欠失及び/または挿入を有していてもよい。通常、変異体は、天然または参照配列と少なくとも50%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、変異体は、天然または参照配列と少なくとも80%、または少なくとも90%の同一性を共有する。
いくつかの実施形態では、「変異体模倣体」が提供される。本明細書で使用される場合、「変異体模倣体」という用語は、活性化配列を模倣する少なくとも1つのアミノ酸を含むものである。例えば、グルタメートは、ホスホロ−スレオニン及び/またはホスホロ−セリンの模倣体として役立ち得る。あるいは、変異体模倣体は、失活を生じる場合もあるし、または模倣体を含有する不活性化生成物を生じる場合もあり、例えば、フェニルアラニンは、チロシンの不活性化置換として作用し得る;またはアラニンはセリンの不活性化置換として作用し得る。
「オルソログ」とは、異なる種の遺伝子であって、種分化によって共通の祖先遺伝子から進化したものを指す。通常、オルソログは進化の過程で同じ機能を保持している。オルソログの特定は、新たに配列決定されたゲノムにおける遺伝子機能の信頼できる予測にとって重要である。
「類似体」とは、親ポリペプチドまたは開始ポリペプチドの1つ以上の特性を依然として維持するアミノ酸残基の1つ以上のアミノ酸変化、例えば置換、付加または欠失によって異なる、ポリペプチド変異体を含むことを意味する。
本開示は、変異体及び誘導体を含む、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドベースである、いくつかの種類の組成物を提供する。これらとしては、例えば、置換、挿入、欠失及び共有結合の変異体及び誘導体が挙げられる。「誘導体」という用語は、「変異体」という用語と同義で使用されるが、一般に、参照分子または出発分子に対して任意の方法で修飾及び/または変更された分子を指す。
このように、参照配列、特に本明細書に開示されるポリペプチド配列に関して置換、挿入及び/または付加、欠失及び共有結合修飾を含むペプチドまたはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、本開示の範囲内に含まれる。例えば、配列タグまたはアミノ酸、例えば、1つ以上のリジンを、ペプチド配列(例えば、N末端またはC末端の末端)に付加してもよい。配列タグは、ペプチドの検出、精製または局在化に使用してもよい。リジンは、ペプチド溶解性を増加させるために、またはビオチン化を可能にするために使用してもよい。あるいは、ペプチドまたはタンパク質のアミノ酸配列のカルボキシ及びアミノ末端領域に位置するアミノ酸残基を必要に応じて欠失させて、切断型配列を提供してもよい。特定のアミノ酸(例えば、C末端またはN末端残基)は、代替的に、配列の使用に応じて、例えば、可溶性であるかまたは固体に連結されたより大きい配列の一部としての配列の発現として欠失されてもよい。
ポリペプチドに言及する場合の「置換変異体」とは、天然または開始配列中の少なくとも1個のアミノ酸残基が除去され、異なるアミノ酸が同じ位置でその場所に挿入されたものである。置換は、分子中の1個のアミノ酸のみが置換されている単一置換であってもよく、または同一分子内で2個以上のアミノ酸が置換されている複数置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、「保存的アミノ酸置換」という用語は、配列中に通常存在するアミノ酸の、類似のサイズ、電荷または極性の異なるアミノ酸による置換を指す。保存的置換の例としては、イソロイシン、バリン及びロイシンなどの非極性(疎水性)残基の別の非極性残基の置換が挙げられる。同様に、保存的置換の例としては、アルギニンとリジンの間、グルタミンとアスパラギンの間、及びグリシンとセリンとの間など、ある極性(親水性)残基の別のものへの置換が挙げられる。更に、リジン、アルギニンもしくはヒスチジンのような塩基性残基の別のものでの置換、またはアスパラギン酸もしくはグルタミン酸のような1つの酸性残基の別の酸性残基への置換は、保存的置換の更なる例である。非保存的置換の例としては、イソロイシン、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニンなどの非極性(疎水性)アミノ酸残基の、システイン、グルタミン、グルタミン酸、もしくはリジンなどの極性(親水性)残基の置換、及び/または極性残基の、非極性残基での置換が挙げられる。
ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを指す場合の「特徴」とは、それぞれ、ある分子の別個のアミノ酸配列ベースまたはヌクレオチドベースの成分として定義される。ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの特徴としては、表面顕在性、局所高次構造の形状、折り畳み、ループ、ハーフループ、ドメイン、ハーフドメイン、部位、末端、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
本明細書においてポリペプチドを指す場合、「ドメイン」という用語は、1つ以上の特定可能な構造的または機能的な特徴または特性(例えば、タンパク質−タンパク質相互作用の部位として働く結合能力)を有するポリペプチドのモチーフを指す。
ポリペプチドに言及するとき本明細書で使用される場合、アミノ酸に基づく実施形態に関連する「部位」という用語は、「アミノ酸残基」及び「アミノ酸側鎖」と同義的に使用される。本明細書で用いる場合、ポリヌクレオチドについて「部位」という用語は、それがヌクレオチドベースの実施形態に関与する場合、「ヌクレオチド」と同義に用いられる。部位とは、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドベースの分子内で修飾、操作、改変、誘導体化または変化され得るペプチドまたはポリペプチドまたはポリヌクレオチド内の位置を表す。
本明細書で使用される場合、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドに言及する場合、「末端(複数可)」という用語は、それぞれ、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの末端を指す。そのような末端は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの第1部位または最終部位だけでなく、末端領域に更なるアミノ酸またはヌクレオチドを含んでもよい。ポリペプチドベースの分子は、N末端(遊離アミノ基(NH2)を有するアミノ酸によって終結される)及びC末端(遊離カルボキシル基(COOH)を有するアミノ酸によって終結される)の両方を有すると特徴付けられ得る。タンパク質は、場合によっては、ジスルフィド結合または非共有結合力(多量体、オリゴマー)によって一緒にされた複数のポリペプチド鎖で構成されている。これらのタンパク質は、複数のN末端及びC末端を有する。あるいは、ポリペプチドの末端は、場合によっては、ポリペプチドに基づかない部分(例えば、有機コンジュゲート)で開始または終了するように修飾されてもよい。
当業者に認識されるように、タンパク質断片、機能的タンパク質ドメイン、及び相同タンパク質も、目的のポリペプチドの範囲内にあると考えられる。例えば、本明細書で提供されるのは、参照タンパク質10、20、30、40、50、60、70、80、90、100または100アミノ酸を超える長さの(参照ポリペプチド配列よりも短いが、それ以外は同一の少なくとも1つのアミノ酸残基のポリペプチド配列を意味する)任意のタンパク質断片である。別の例では、本明細書に記載の配列のいずれかに対して40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%同一性である20、30、40、50、または100個のアミノ酸のストレッチを含む任意のタンパク質は、本開示に従って利用され得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、本明細書で提供または参照される配列のいずれかに示されるように、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の変異を含む。
本開示のポリペプチドまたはポリヌクレオチド分子は、例えば、当該技術分野において記載されている分子(例えば、操作された分子または設計された分子または野生型分子)によって、参照分子(例えば、参照ポリペプチドまたは参照ポリヌクレオチド)とある程度の配列類似性または同一性を共有し得る。当該技術分野で知られている「同一性」という用語は、配列を比較することによって決定される、2つ以上のポリペプチドまたはポリヌクレオチドの配列間の関係を指す。当該技術分野において、同一性とはまた、2つ以上のアミノ酸残基または核酸残基のストリング間の一致の数によって決定される、それらの間の配列関連性の程度も意味する。同一性とは、特定の数学的モデルまたはコンピュータプログラム(例えば、「アルゴリズム」)によって対処されるギャップアライメント(もしあれば)との小さい2つ以上の配列間の同一マッチのパーセントを測定する。関連するペプチドの同一性は、公知の方法によって容易に計算することができる。「同一性%」とは、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列に適用される場合、必要に応じて、最大同一性パーセントを達成するために配列を整列させ、ギャップを導入した後、第二の配列のアミノ酸配列または核酸配列中の残基と同一である候補アミノ酸または核酸配列中の残基(アミノ酸残基または核酸残基)のパーセンテージとして定義される。アライメントのための方法及びコンピュータプログラムは、当該技術分野において周知である。同一性は、同一性パーセントの計算に依存するが、計算に導入されたギャップ及びペナルティのせいで値が異なる可能性があることが理解される。一般に、特定のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は、本明細書に記載され、当業者に公知の配列アライメントプログラム及びパラメータによって決定される、その特定の参照ポリヌクレオチドまたはポリペプチドに対して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、ただし100%未満の配列同一性を有する。そのようなアライメントのためのツールには、BLASTスイート(Stephen F.Altschul,et al(1997),“Gapped BLAST and PSI−BLAST:a new generation of protein database search programs”,Nucleic Acids Res.25:3389−3402)のツールが含まれる。別の一般的な局所アライメント技術は、Smith−Watermanアルゴリズム(Smith,T.F.&Waterman,M.S.(1981)“Identification of common molecular subsequences”J.Mol.Biol.147:195−197.)に基づいている。動的なプログラミングに基づく、一般的なグローバルアライメント技術は、Needleman−Wunschアルゴリズムである(Needleman,S.B. &Wunsch,C.D. (1970)“A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequences of two proteins.”J.Mol.Biol.48:443−453.)。更に最近、Needleman−Wunschアルゴリズムを含む他の最適なグローバルアライメント方法よりも迅速にヌクレオチド及びタンパク質配列のグローバルアライメントを意図的に生成する高速最適グローバル配列アライメントアルゴリズム(Fast Optimal Global Sequence Alignment Algorithm:FOGSAA)が開発された。本明細書では、特に以下の「同一性」の定義に他のツールが記載されている。
本明細書において、「相同性」という用語は、ポリマー分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間及び/またはポリペプチド分子間の全体的な関連性を指す。マッチする残基のアライメントによって決定される類似性または同一性の閾値レベルを共有するポリマー分子(例えば、核酸分子(例えばDNA分子及び/またはRNA分子)及び/またはポリペプチド分子)は、相同的と呼ばれる。相同性とは、分子間の関係を記述し、定量的な類似性または同一性に基づくことができる定性的用語である。類似性または同一性は、2つの比較された配列間の配列一致の程度を定義する定量的な用語である。いくつかの実施形態では、ポリマー分子は、それらの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一または類似である場合、お互いに対して「相同性」であるとみなす。「相同」という用語は、必然的に、少なくとも2つの配列(ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列)の間の比較を指す。2つのポリヌクレオチド配列は、それらがコードするポリペプチドが少なくとも20アミノ酸の少なくとも1つのストレッチに対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、または更には99%であれば相同であるとみなされる。いくつかの実施形態では、相同ポリヌクレオチド配列は、少なくとも4〜5個の独自に特定されるアミノ酸のストレッチをコードする能力によって特徴付けられる。長さが60ヌクレオチド未満のポリヌクレオチド配列の場合、相同性は、少なくとも4〜5個の独自に特定されるアミノ酸のストレッチをコードする能力によって決定される。2つのタンパク質配列が少なくとも20アミノ酸の少なくとも1つのストレッチについて少なくとも50%、60%、70%、80%、または90%同一である場合、その2つのタンパク質配列は相同であるとみなされる。
相同性は、比較された配列が進化において共通の起点から分岐したことを意味する。「ホモログ」という用語は、共通の祖先配列に由来する第2のアミノ酸配列または核酸配列に関連する、第1のアミノ酸配列または核酸配列(例えば、遺伝子(DNAまたはRNA)またはタンパク質配列)を指す。「ホモログ」という用語は、種分化の事象によって分離された遺伝子及び/もしくはタンパク質間の関係、または遺伝子複製の事象によって分離された遺伝子及び/またはタンパク質間の関係に適用され得る。「オルソログ」とは、異なる種の遺伝子(またはタンパク質)であり、種分化によって共通の祖先遺伝子(またはタンパク質)から進化したものである。典型的には、オルソログは、進化の過程で同じ機能を保持する。「パラログ」は、ゲノム内での複製によって関連する遺伝子(またはタンパク質)である。オルソログは、進化の過程で同じ機能を保持するが、一方パラログは、元のものと関連していても新しい機能を進化させる。
「同一性」という用語は、ポリマー分子間、例えば、ポリヌクレオチド分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間及び/またはポリペプチド分子間の全体的な関連性を指す。例えば、2つのポリ核酸配列の同一性パーセントの計算は、最適な比較目的のために2つの配列をアライメントさせることによって行うことができる(例えば、最適なアライメントのために第1及び第2の核酸配列の一方または両方にギャップを導入してもよく、非同一配列は、比較目的に関しては無視することができる)。特定の実施形態では、比較目的のためにアライメントされた配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%である。次いで、対応するヌクレオチド位置のヌクレオチドを比較する。第1の配列における位置が、第2の配列における対応する位置と同じヌクレオチドによって占有されるならば、その分子はその位置で同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアライメントのために導入される必要があるギャップの数及び各ギャップの長さを考慮に入れて、配列によって共有される同一位置の数の関数である。配列の比較及び2つの配列間の同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。例えば、2つの核酸配列間の同一性パーセントは、Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University Press,New York,1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,Academic Press,New York、1993;Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,G.,Academic Press,1987;Computer Analysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,New Jersey,1994;及びSequence Analysis Primer,Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.,M Stockton Press,New York、1991(これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような方法を用いて決定することができる。例えば、2つの核酸配列間の同一性パーセントは、PAM120重量残基表、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を用いて、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれているMeyers及びMiller(CABIOS、1989,4:11−17)のアルゴリズムを用いて決定することができる。2つの核酸配列間の同一性パーセントは、NWSgapdna.CMPマトリクスを用いたGCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを用いて、代替的に決定してもよい。配列間の同一性パーセントを決定するために一般的に使用される方法としては、限定するものではないが、参照により本明細書に組み込まれる、Carillo,H.and Lipman,D.,SIAM J Applied Math.,48:1073(1988)に開示されている方法が挙げられるが、これに限定されない。同一性を決定する技術は、公的に利用可能なコンピュータプログラムにまとめられている。2つの配列間の相同性を決定するための例示的なコンピュータソフトウェアとしては、限定するものではないが、GCGプログラムパッケージ、Devereux,J.et al.,Nucleic Acids Research,12(1),387(1984)),BLASTP、BLASTN、及びFASTA Altschul,S.F.et al.,J.Molec.Biol.,215,403(1990))が挙げられる。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、更なる配列または機能的ドメインを更に含む。例えば、本開示のHCMVポリペプチドは、1つ以上のリンカー配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本発明のHCMVは、ポリペプチドタグ、例えば、アフィニティータグ(キチン結合タンパク質(CBP)、マルトース結合タンパク質(MBP)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、SBP−タグ、Strep−タグ、AviTag、カルモジュリン−タグ);可溶化タグ;クロマトグラフィータグ(FLAGタグのようなポリアニオン性アミノ酸タグ);エピトープタグ(V5タグ、Mycタグ、VSVタグ、Xpressタグ、Eタグ、Sタグ、及びHAタグなどの高親和性抗体に結合する短いペプチド配列);蛍光タグ(例えば、GFP)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本発明のHCMVは、ポリペプチド配列(例えば、N末端またはC末端)に付加することができる1つ以上のリジン、ヒスチジンまたはグルタミン酸などのアミノ酸タグを含んでもよい。リジンは、ペプチド溶解性を増加させるために、またはビオチン化を可能にするために使用してもよい。タンパク質及びアミノ酸タグは、組み換えタンパク質に遺伝的にグラフトされたペプチド配列である。配列タグは、例えば、アフィニティー精製、タンパク質アレイ、ウェスタンブロッティング、免疫蛍光、及び免疫沈降を含む様々な用途における使用のために、様々な目的、例えば、ペプチド精製、特定または局在化のためにタンパク質に付着される。そのようなタグは、その後、化学的薬剤によって、または特異的タンパク質分解もしくはインテインスプライシングなどの酵素的手段によって除去可能である。
あるいは、ペプチドまたはタンパク質のアミノ酸配列のカルボキシ及びアミノ末端領域に位置するアミノ酸残基を必要に応じて欠失させて、切断型配列を提供してもよい。特定のアミノ酸(例えば、C末端またはN末端残基)は、代替的に、配列の使用に応じて、例えば、可溶性であるかまたは固体に連結されたより大きい配列の一部としての配列の発現として欠失されてもよい。
多タンパク質及び多成分ワクチン
本開示は、HCMVワクチン、例えば、単一の抗原ポリペプチドを各々がコードする複数のRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む、ヒトサイトメガロウイルスに対するワクチン、及び2つ以上の抗原ポリペプチド(例えば、融合ポリペプチドとして)をコードする単一RNAポリヌクレオチドを包含するHCMVワクチンを包含する。したがって、第1のHCMV抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、及び第2のHCMV抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含むワクチン組成物は、(a)第1のHCMV抗原ポリペプチドをコードする第1のRNAポリヌクレオチド、及び第二のHCMV抗原ポリペプチドをコードする第二のRNAポリヌクレオチドを含むワクチン、ならびに(b)第1及び第2のHCMV抗原ポリペプチド(例えば、融合ポリペプチドとして)をコードする単一のRNAポリヌクレオチドを含むワクチンを含むことが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、本開示のHCMV RNAワクチンは、各々が、異なるHCMV抗原ポリペプチドをコードする、オープンリーディングフレームを有する2〜10(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)以上のRNAポリヌクレオチド(または、2〜10個以上の異なるHCMV抗原ポリペプチドをコードする単一のRNAポリヌクレオチド)を含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、HCMV糖タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、HCMV糖タンパク質B(gB)をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、HCMV糖タンパク質M(gM)をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、HCMV糖タンパク質N(gN)をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、HCMV糖タンパク質H(gH)をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、HCMV糖タンパク質L(gL)をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、及びHCMV糖タンパク質O(gO)をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、HCMV gBタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、HCMV UL128タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、HCMV UL130タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、HCMV UL131タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、HCMV pp65タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、pp65タンパク質は、アミノ酸435〜438の欠失を含有する。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、HCMV gMタンパク質及びgNタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、HCMV gH、gL及びgOタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、HCMV gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、HCMV UL83、UL128、UL123、UL130、またはUL131Aタンパク質をコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6または7)のHCMVタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを更に含む。
いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、HCMV gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aタンパク質、またはその断片、ならびにHCMV gBタンパク質またはその断片をコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、gHタンパク質またはその断片をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、gLタンパク質またはその断片をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、UL128タンパク質またはその断片をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、UL130タンパク質またはその断片をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、UL131Aタンパク質またはその断片をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド、及びgBタンパク質またはその断片をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンはまた、pp65タンパク質またはその断片をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドも含む。いくつかの実施形態では、pp65ポリペプチドは、アミノ酸435〜438の欠失を含有する。
いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、シグナルペプチド(例えば、配列番号53または54)に融合されたHCMV抗原ポリペプチドをコードする。シグナルペプチドは、抗原ポリペプチドのN末端またはC末端で融合されてもよい。
シグナルペプチド
いくつかの実施形態では、HCMV核酸によってコードされる抗原ポリペプチドは、シグナルペプチドを含む。タンパク質のN末端15〜60アミノ酸を含むシグナルペプチドは、典型的には、分泌経路上の膜を横切る移行に必要であり、したがって、真核生物及び原核生物の両方における大部分のタンパク質の分泌経路への進入を普遍的に制御する。シグナルペプチドは一般に、3つの領域:すなわち正に帯電したアミノ酸、疎水性領域及び短いカルボキシ末端ペプチド領域を通常は含む、異なる長さのN末端領域を含む。真核生物では、新生前駆体タンパク質(プレタンパク質)のシグナルペプチドは、リボソームを粗い小胞体(ER)膜に向かわせ、それを横切って成長するペプチド鎖の輸送を開始する。しかしながら、シグナルペプチドは、成熟タンパク質の最終的な目的地に関与しない。それらの配列中に更なるアドレスタグがない分泌タンパク質は、デフォルトでは外部環境に分泌される。シグナルペプチドは、小胞体(ER)に存在するシグナルペプチダーゼによって前駆体タンパク質から切断されるか、または未切断のままであり、膜アンカーとして機能する。近年、シグナルペプチドのより高度な見方が進化しており、特定のシグナルペプチドの機能及び免疫優性は、以前予想されていたよりもずっと融通性があることが示されている。
本開示のHCMVワクチンは、例えば、人工シグナルペプチドをコードするRNAポリヌクレオチドを含み得、シグナルペプチドコード配列は、HCMV抗原ポリペプチドのコード配列と作動可能に連結され、それとインフレームである。したがって、いくつかの実施形態では、本開示のHCMVワクチンは、シグナルペプチドに融合されたHCMV抗原ポリペプチドを含む抗原ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、HCMV抗原ポリペプチドのN末端に融合される。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、HCMV抗原ポリペプチドのC末端に融合される。
いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドに融合されたシグナルペプチドは、人工シグナルペプチドである。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンによってコードされるHCMV抗原ポリペプチドに融合された人工シグナルペプチドは、免疫グロブリンタンパク質、例えば、IgEシグナルペプチドまたはIgGシグナルペプチドから得られる。いくつかの実施形態では、HCMV mRNAワクチンによりコードされるHCMV抗原ポリペプチドに融合されるシグナルペプチドは、以下の配列を有するIg重鎖イプシロン−1シグナルペプチド(IgE HC SP)である:MDWTWILFLVAAATRVHS(配列番号53)。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンによってコードされるHCMV抗原ポリペプチドに融合されたシグナルペプチドは、METPAQLLFLLLLWLPDTTG(配列番号54)の配列を有するIgGk鎖V−III領域HAHシグナルペプチド(IgGkSP)である。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンによってコードされるHCMV抗原ポリペプチドに融合されたシグナルペプチドは、配列番号53または配列番号54に示されるアミノ酸配列を有する。本明細書に開示される実施例は、限定されることは意味しておらず、タンパク質の細胞膜へのプロセシング及び/または標的化のための、タンパク質のERへの標的化を容易にすることが当該技術分野で公知である任意のシグナルペプチドを、本開示に従って、使用してもよい。
シグナルペプチドは、15〜60アミノ酸長を有し得る。例えば、シグナルペプチドは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60アミノ酸長を有してもよい。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、20〜60、25〜60、30〜60、35〜60、40〜60、45〜60、50〜60、55〜60、15〜55、20〜55、25〜55、30〜55、35〜55、40〜55、45〜55、50〜55、15〜50、20〜50、25〜50、30〜50、35〜50、40〜50、45〜50、15〜45、20〜45、25〜45、30〜45、35〜45、40〜45、15〜40、20〜40、25〜40、30〜40、35〜40、15〜35、20〜35、25〜35、30〜35、15〜30、20〜30、25〜30、15〜25、20〜25、または15〜20アミノ酸長を有してもよい。
本開示のHCMV RNAワクチンによってコードされるシグナルペプチドに融合されたHCMV抗原ポリペプチドの非限定的な例は、表2の配列番号32〜52に見出され得る。
シグナルペプチドは、典型的には、ERプロセシング中に切断接合部で新生ポリペプチドから切断される。本開示のHCMV RNAワクチンによって産生される成熟HCMV抗原ポリペプチドは、典型的には、シグナルペプチドを含まない。
化学修飾
本開示のHCMV RNAワクチンは、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾を含む、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含む。
「化学修飾」及び「化学修飾された」という用語は、アデノシン(A)、グアノシン(G)、ウリジン(U)、チミジン(T)、またはシチジン(C)リボヌクレオシドまたはデオキシリボヌクレオシドに関する修飾であって、それらの位置、パターン、パーセントまたは集団のうちの少なくとも1つにおける修飾を指す。一般に、これらの用語は、天然に存在する5’末端mRNAキャップ部分のリボヌクレオチド修飾を指すものではない。ポリペプチドに関して、「修飾」という用語は、正準のセットの20アミノ酸に対する修飾を指す。本明細書で提供されるポリペプチドはまた、アミノ酸の置換、挿入または置換及び挿入の組み合わせを含むそれらの「修飾されたもの」と考えられる。
ポリヌクレオチド(例えば、RNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、いくつかの実施形態では、様々な(2つ以上の)異なる修飾を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの特定の領域は、1、2、またはそれ以上の(必要に応じて異なる)ヌクレオシドまたはヌクレオチド修飾を含む。いくつかの実施形態では、細胞または生物に導入された修飾RNAポリヌクレオチド(例えば、修飾mRNAポリヌクレオチド)は、それぞれ、非変性ポリヌクレオチドと比較して、細胞または生物において低減した分解を示す。いくつかの実施形態では、細胞または生物に導入された修飾RNAポリヌクレオチド(例えば、修飾されたmRNAポリヌクレオチド)は、それぞれ、細胞または生物において低減した免疫原性(例えば、生得的反応の低減)を呈し得る。
ポリヌクレオチドの修飾には、本明細書に記載のものが含まれるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチド(例えば、RNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)は、天然に存在するか、天然に存在しない修飾を含んでもよいし、またはポリヌクレオチドは、天然に存在する修飾と天然に存在しない修飾との組み合わせを含んでもよい。ポリヌクレオチドは、例えば、糖、核酸塩基、またはヌクレオシド間結合(例えば、連結リン酸基、ホスホジエステル結合またはホスホジエステル骨格に対する)の任意の有用な修飾を含んでもよい。
ポリヌクレオチド(例えば、RNAポリヌクレオチド、例えば、mRNAポリヌクレオチド)は、いくつかの実施形態では、所望の機能または特性を達成するためにポリヌクレオチドの合成または合成後に導入される非天然修飾ヌクレオチドを含む。この修飾は、ヌクレオチド間結合、プリンもしくはピリミジン塩基、または糖に存在し得る。修飾は、化学合成または鎖の末端または鎖の他の場所のポリメラーゼ酵素を用いて導入されてもよい。ポリヌクレオチドの任意の領域が、化学的に修飾されてもよい。
本開示は、ポリヌクレオチドの修飾ヌクレオシド及びヌクレオチド(例えば、RNAポリヌクレオチド、例えばmRNAポリヌクレオチド)を提供する。「ヌクレオシド」は、有機塩基(例えば、プリンまたはピリミジン)またはその誘導体(本明細書では「核酸塩基」とも呼ばれる)と組み合わせた、糖分子(例えば、ペントースまたはリボース)またはその誘導体を含む化合物を指す。「ヌクレオチド」とは、リン酸基を含むヌクレオシドをいう。修飾されたヌクレオチドは、例えば、化学的、酵素的、または組み換え的などの任意の有用な方法によって合成され、1つ以上の修飾または非天然ヌクレオシドを含んでもよい。ポリヌクレオチドは、連結されたヌクレオシドの1つ以上の領域を含んでもよい。このような領域は、可変の骨格結合を有してもよい。結合は、標準的なホスホジエステル結合であってもよく、その場合、ポリヌクレオチドは、ヌクレオチドの領域を含むであろう。
修飾ヌクレオチド塩基対形成は、標準的なアデノシン−チミン、アデノシン−ウラシル、またはグアノシン−シトシン塩基対だけでなく、ヌクレオチド及び/もしくは修飾ヌクレオチド(非標準または修飾塩基を含む)間に形成された塩基対も包含し、ここで水素結合供与体及び水素結合受容体の配置は、非標準塩基と標準塩基の間、または2つの相補的非標準塩基構造の間の水素結合を可能にする。そのような非標準塩基対形成の一例は、修飾されたヌクレオチドイノシンとアデニン、シトシンまたはウラシルとの間の塩基対形成である。塩基/糖またはリンカーの任意の組み合わせを、本開示のポリヌクレオチドに組み込んでもよい。
本開示のワクチンにおいて有用なポリヌクレオチド(例えば、RNAポリヌクレオチド、例えば、mRNAポリヌクレオチド)の修飾には、限定するものではないが、2−メチルチオ−N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン;2−メチルチオ−N6−メチルアデノシン;2−メチルチオ−N6−トレオニルカルバモイルアデノシン;N6−グリシニルカルバモイルアデノシン;N6−イソペンテニルアデノシン;N6−メチルアデノシン;N6−トレオニルカルバモイルアデノシン;1,2’−O−ジメチルアデノシン;1−メチルアデノシン;2’−O−メチルアデノシン;2’−O−リボシルアデノシン(リン酸);2−メチルアデノシン;2−メチルチオ−N6イソペンテニルアデノシン;2−メチルチオ−N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン;2’−O−メチルアデノシン;2’−O−リボシルアデノシン(リン酸塩);イソペンテニルアデノシン;N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン;N6,2’−O−ジメチルアデノシン;N6,2’−O−ジメチルアデノシン;N6,N6,2’−O−トリメチルアデノシン;N6,N6−ジメチルアデノシン;N6−アセチルアデノシン;N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン;N6−メチル−N6−トレオニルカルバモイルアデノシン;2−メチルアデノシン;2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデノシン;7−デアザ−アデノシン;N1−メチル−アデノシン;N6,N6(ジメチル)アデニン;N6−シス−ヒドロキシ−イソペンテニル−アデノシン;α−チオ−アデノシン;2(アミノ)アデニン;2(アミノプロピル)アデニン;2(メチルチオ)N6(イソペンテニル)アデニン;2−(アルキル)アデニン;2−(アミノアルキル)アデニン;2−(アミノプロピル)アデニン;2−(ハロ)アデニン;2−(ハロ)アデニン;2−(プロピル)アデニン;2’−アミノ−2’−デオキシ−ATP;2’−アジド−2’−デオキシ−ATP;2’−デオキシ−2’−a−アミノアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−アジドアデノシンTP;6(アルキル)アデニン;6(メチル)アデニン;6−(アルキル)アデニン;6−(メチル)アデニン;7(デアザ)アデニン;8(アルケニル)アデニン;8(アルキニル)アデニン;8(アミノ)アデニン;8(チオアルキル)アデニン;8−(アルケニル)アデニン;8−(アルキル)アデニン;8−(アルキニル)アデニン;8−(アミノ)アデニン;8−(ハロ)アデニン;8−(ヒドロキシル)アデニン;8−(チオアルキル)アデニン;8−(チオール)アデニン;8−アジド−アデノシン;アザアデニン;デアザアデニン;N6(メチル)アデニン;N6−(イソペンチル)アデニン;7−デアザ−8−アザ−アデノシン;7−メチルアデニン;1−デアザアデノシンTP;2’フルオロ−N6−Bz−デオキシアデノシンTP;2’−OMe−2−アミノ−ATP;2’O−メチル−N6−Bz−デオキシアデノシンTP;2’−a−エチニルアデノシンTP;2−アミノアデニン;2−アミノアデノシンTP;2−アミノ−ATP;2’−a−トリフルオロメチルアデノシンTP;2−アジドアデノシンTP;2’−b−エチニルアデノシンTP;2−ブロモアデノシンTP;2’−b−トリフルオロメチルアデノシンTP;2−クロロアデノシンTP;2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−a−メルカプトアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−a−チオメトキシアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−アミノアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−アジドアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−ブロモアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−クロロアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−フルオロアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−ヨードアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−メルカプトアデノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−チオメトキシアデノシンTP;2−フルオロアデノシンTP;2−ヨードアデノシンTP;2−メルカプトアデノシンTP;2−メトキシ−アデニン;2−メチルチオ−アデニン;2−トリフルオロメチルアデノシンTP;3−デアザ−3−ブロモアデノシンTP;3−デアザ−3−クロロアデノシンTP;3−デアザ−3−フルオロアデノシンTP;3−デアザ−3−ヨードアデノシンTP;3−デアザアデノシンTP;4’−アジドアデノシンTP;4’−炭素環アデノシンTP;4’−エチニルアデノシンTP;5’−ホモ−アデノシンTP;8−アザ−ATP;8−ブロモ−アデノシンTP;8−トリフルオロメチルアデノシンTP;9−デアザアデノシンTP;2−アミノプリン;7−デアザ−2,6−ジアミノプリン;7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノプリン;7−デアザ−8−アザ−2−アミノプリン;2,6−ジアミノプリン;7−デアザ−8−アザ−アデニン、7−デアザ−2−アミノプリン;2−チオシチジン;3−メチルシチジン;5−ホルミルシチジン;5−ヒドロキシメチルシチジン;5−メチルシチジン;N4−アセチルシチジン;2’−O−メチルシチジン;2’−O−メチルシチジン;5,2’−O−ジメチルシチジン;5−ホルミル−2’−O−メチルシチジン;リジン;N4,2’−O−ジメチルシチジン;N4−アセチル−2’−O−メチルシチジン;N4−メチルシチジン;N4,N4−ジメチル−2’−OMe−シチジンTP;4−メチルシチジン;5−アザ−シチジン;シュード−イソ−シチジン;ピロロ−シチジン;α−チオ−シチジン;2−(チオ)シトシン;2’−アミノ−2’−デオキシ−CTP;2’−アジド−2’−デオキシ−CTP;2’−デオキシ−2’−a−アミノシチジンTP;2’−デオキシ−2’−α−アジドシチジンTP;3(デアザ)5(アザ)シトシン;3(メチル)シトシン;3−(アルキル)シトシン;3−(デアザ)5(アザ)シトシン;3−(メチル)シチジン;4,2’−O−ジメチルシチジン;5(ハロ)シトシン;5(メチル)シトシン;5(プロピニル)シトシン;5(トリフルオロメチル)シトシン;5−(アルキル)シトシン;5−(アルキニル)シトシン;5−(ハロ)シトシン;5−(プロピニル)シトシン;5−(トリフルオロメチル)シトシン;5−ブロモ−シチジン;5−ヨード−シチジン;5−プロピニルシトシン;6−(アゾ)シトシン;6−アザ−シチジン;アザシトシン;デアザシトシン;N4(アセチル)シトシン;1−メチル−1−デアザ−シュードイソシチジン;1−メチル−シュードイソシチジン;2−メトキシ−5−メチル−シチジン;2−メトキシ−シチジン;2−チオ−5−メチル−シチジン;4−メトキシ−1−メチル−シュードイソシチジン;4−メトキシ−シュードイソシチジン;4−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードイソシチジン;4−チオ−1−メチル−シュードイソシチジン;4−チオ−シュードイソシチジン;5−アザ−ゼブラリン;5−メチル−ゼブラリン;ピロロ−シュードイソシチジン;ゼブラリン;(E)−5−(2−ブロモ−ビニル)シチジンTP;2,2’−アンヒドロ−シチジンTP塩酸塩;2’フルオロ−N4−Bz−シチジンTP;2’フルオロ−N4−アセチル−シチジンTP;2’−O−メチル−N4−アセチル−シチジンTP;2’O−メチル−N4−Bz−シチジンTP;2’−a−エチニルシチジンTP;2’−a−トリフルオロメチルシチジンTP;2’−b−エチニルシチジンTP;2’−b−トリフルオロメチルシチジンTP;2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンTP;2’−デオキシ−2’−a−メルカプトシチジンTP;2’−デオキシ−2’−a−チオメトキシシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−アミノシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−アジドシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−ブロモシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−クロロシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−フルオロシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−ヨードシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−メルカプトシチジンTP;2’−デオキシ−2’−b−チオメトキシシチジンTP;2’−O−メチル−5−(1−プロピニル)シチジンTP;3’−エチニルシチジンTP;4’−アジドシチジンTP;4’−炭素環シチジンTP;4’−エチニルシチジンTP;5−(1−プロピニル)アラ−シチジンTP;5−(2−クロロ−フェニル)−2−チオシチジンTP;5−(4−アミノ−フェニル)−2−チオシチジンTP;5−アミノアリル−CTP;5−シアノシチジンTP;5−エチニルアラ−シチジンTP;5−エチニルシチジンTP;5’−ホモ−シチジンTP;5−メトキシシチジンTP;5−トリフルオロメチル−シチジンTP;N4−アミノシチジンTP;N4−ベンゾイル−シチジンTP;シュードイソシチジン;7−メチルグアノシン;N2,2’−O−ジメチルグアノシン;N2−メチルグアノシン;ワイオシン;1,2’−O−ジメチルグアノシン;1−メチルグアノシン;2’−O−メチルグアノシン;2’−O−リボシルグアノシン(リン酸);2’−O−メチルグアノシン;2’−O−リボシルグアノシン(リン酸);7−アミノメチル−7−デアザグアノシン;7−シアノ−7−デアザグアノシン;アルカエオシン;メチルワイオシン;N2,7−ジメチルグアノシン;N2,N2,2’−O−トリメチルグアノシン;N2,N2,7−トリメチルグアノシン;N2,N2−ジメチルグアノシン;N2,7,2’−O−トリメチルグアノシン;6−チオ−グアノシン;7−デアザ−グアノシン;8−オキソ−グアノシン;N1−メチル−グアノシン;α−チオ−グアノシン;2(プロピル)グアニン;2−(アルキル)グアニン;2’−アミノ−2’−デオキシ−GTP;2’−アジド−2’−デオキシ−GTP;2’−デオキシ−2’−α−アミノグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−a−アジドグアノシンTP;6(メチル)グアニン;6−(アルキル)グアニン;6−(メチル)グアニン;6−メチル−グアノシン;7(アルキル)グアニン;7(デアザ)グアニン;7(メチル)グアニン;7−(アルキル)グアニン;7−(デアザ)グアニン;7−(メチル)グアニン;8(アルキル)グアニン;8(アルキニル)グアニン;8(ハロ)グアニン;8(チオアルキル)グアニン;8−(アルケニル)グアニン;8−(アルキル)グアニン;8−(アルキニル)グアニン;8−(アミノ)グアニン;8−(ハロ)グアニン;8−(ヒドロキシル)グアニン;8−(チオアルキル)グアニン;8−(チオール)グアニン;アザグアニン;デアザグアニン;N(メチル)グアニン;N−(メチル)グアニン;1−メチル−6−チオ−グアノシン;6−メトキシ−グアノシン;6−チオ−7−デアザ−8−アザ−グアノシン;6−チオ−7−デアザ−グアノシン;6−チオ−7−メチル−グアノシン;7−デアザ−8−アザ−グアノシン;7−メチル−8−オキソ−グアノシン;N2,N2−ジメチル−6−チオ−グアノシン;N2−メチル−6−チオ−グアノシン;1−Me−GTP;2’−フルオロ−N2−イソブチル−グアノシンTP;2’O−メチル−N2−イソブチル−グアノシンTP;2’−a−エチニルグアノシンTP;2’−a−トリフルオロメチルグアノシンTP;2’−b−エチニルグアノシンTP;2’−b−トリフルオロメチルグアノシンTP;2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオログアノシンTP;2’−デオキシ−2’−a−メルカプトグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−a−チオメトキシグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−アミノグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−アジドグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−ブロモグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−クロログアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−フルオログアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−ヨードグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−メルカプトグアノシンTP;2’−デオキシ−2’−b−チオメトキシグアノシンTP;4’−アジドグアノシンTP;4’−炭素環グ
アノシンTP;4’−エチニルグアノシンTP;5’−ホモ−グアノシンTP;8−ブロモ−グアノシンTP;9−デアザグアノシンTP;N2−イソブチル−グアノシンTP;1−メチルイノシン;イノシン;1,2’−O−ジメチルイノシン;2’−O−メチルイノシン;7−メチルイノシン;2’−O−メチルイノシン;エポキシクエオシン;ガラクトシル−クエオシン;マンノシルクエオシン;クエオシン;アリルアミノ−チミジン;アザチミジン;デアザチミジン;デオキシ−チミジン;2’−O−メチルウリジン;2−チオウリジン;3−メチルウリジン;5−カルボキシメチルウリジン;5−ヒドロキシウリジン;5−メチルウリジン;5−タウリノメチル−2−チオウリジン;5−タウリノメチルウリジン;ジヒドロウリジン;シュードウリジン;(3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ウリジン;1−メチル−3−(3−アミノ−5−カルボキシプロピル)シュードウリジン;1−メチルシュードウリジン;1−メチル−シュードウリジン;2’−O−メチルウリジン;2’−O−メチルシュードウリジン;2’−O−メチルウリジン;2−チオ−2’−O−メチルウリジン;3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ウリジン;3,2’−O−ジメチルウリジン;3−メチル−シュード−ウリジンTP;4−チオウリジン;5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン;5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジンメチルエステル;5,2’−O−ジメチルウリジン;5,6−ジヒドロ−ウリジン;5−アミノメチル−2−チオウリジン;5−カルバモイルメチル−2’−O−メチルウリジン;5−カルバモイルメチルウリジン;5−カルボキシヒドロキシメチルウリジン;5−カルボキシヒドロキシメチルウリジンメチルエステル;5−カルボキシメチルアミノメチル−2’−O−メチルウリジン;5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン;5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン;5−カルボキシメチルアミノメチルウリジン;5−カルボキシメチルアミノメチルウリジン;5−カルバモイルメチルウリジンTP;5−メトキシカルボニルメチル−2’−O−メチルウリジン;5−メトキシカルボニルメチル−2−チオウリジン;5−メトキシカルボニルメチルウリジン;5−メトキシウリジン;5−メチル−2−チオウリジン;5−メチルアミノメチル−2−セレノウリジン;5−メチルアミノメチル−2−チオウリジン;5−メチルアミノメチルウリジン;5−メチルジヒドロウリジン;5−オキシ酢酸−ウリジンTP;5−オキシ酢酸−メチルエステル−ウリジンTP;N1−メチル−シュード−ウリジン;N1−エチル−シュード−ウリジン;ウリジン5−オキシ酢酸;ウリジン5−オキシ酢酸メチルエステル;3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)−ウリジンTP;5−(イソ−ペンテニルアミノメチル)−2−チオウリジンTP;5−(イソ−ペンテニルアミノメチル)−2’−O−メチルウリジンTP;5−(イソ−ペンテニルアミノメチル)ウリジンTP;5−プロピニルウラシル;α−チオ−ウリジン;1(アミノアルキルアミノ−カルボニルエチレニル)−2(チオ)−シュードウラシル;1(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)−2,4−(ジチオ)シュードウラシル;1(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)−4(チオ)シュードウラシル;1(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)−シュードウラシル;1(アミノカルボニルエチレニル)−2(チオ)−シュードウラシル;1(アミノカルボニルエチレニル)−2,4−(ジチオ)シュードウラシル;1(アミノカルボニルエチレニル)−4(チオ)シュードウラシル;1(アミノカルボニルエチレニル)−シュードウラシル;1置換2(チオ)−シュードウラシル;1置換2,4−(ジチオ)シュードウラシル;1置換4(チオ)シュードウラシル;1置換シュードウラシル;1−(アミノアルキルアミノ−カルボニルエチレニル)−2−(チオ)−シュードウラシル;1−メチル−3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)シュードウリジンTP;1−メチル−3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)シュード−UTP;1−メチル−シュード−UTP;2(チオ)シュードウラシル;2’デオキシウリジン;2’フルオロウリジン;2−(チオ)ウラシル;2,4−(ジチオ)シュードウラシル;2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルオロ−グアノシン;2’−アミノ−2’−デオキシ−UTP;2’−アジド−2’−デオキシ−UTP;2’−アジド−デオキシウリジンTP;2’−O−メチルシュードウリジン;2’デオキシウリジン;2’フルオロウリジン;2’−デオキシ−2’−a−アミノウリジンTP;2’−デオキシ−2’−アジドウリジンTP;2−メチルシュードウリジン;3(3アミノ−3−カルボキシプロピル)ウラシル;4(チオ)シュードウラシル;4−(チオ)シュードウラシル;4−(チオ)ウラシル;4−チオウラシル;5(1,3−ジアゾール−1−アルキル)ウラシル;5(2−アミノプロピル)ウラシル;5(アミノアルキル)ウラシル;5(ジメチルアミノアルキル)ウラシル;5(グアニジニウムアルキル)ウラシル;5(メトキシカルボニルメチル)−2−(チオ)ウラシル;5(メトキシカルボニル−メチル)ウラシル;5(メチル)2(チオ)ウラシル;5(メチル)2,4(ジチオ)ウラシル;5(メチル)4(チオ)ウラシル;5(メチルアミノメチル)−2(チオ)ウラシル;5(メチルアミノメチル)−2,4(ジチオ)ウラシル;5(メチルアミノメチル)−4(チオ)ウラシル;5(プロピニル)ウラシル;5(トリフルオロメチル)ウラシル;5−(2−アミノプロピル)ウラシル;5−(アルキル)−2−(チオ)シュードウラシル;5−(アルキル)−2,4(ジチオ)シュードウラシル;5−(アルキル)−4(チオ)シュードウラシル;5−(アルキル)シュードウラシル;5−(アルキル)ウラシル;5−(アルキニル)ウラシル;5−(アリルアミノ)ウラシル;5−(シアノアルキル)ウラシル;5−(ジアルキルアミノアルキル)ウラシル;5−(ジメチルアミノアルキル)ウラシル;5−(グアニジニウムアルキル)ウラシル;5−(ハロ)ウラシル;5−(1,3−ジアゾール−1−アルキル)ウラシル;5−(メトキシ)ウラシル;5−(メトキシカルボニルメチル)−2−(チオ)ウラシル;5−(メトキシカルボニル−メチル)ウラシル;5−(メチル)2(チオ)ウラシル;5−(メチル)2,4(ジチオ)ウラシル;5−(メチル)4(チオ)ウラシル;5−(メチル)−2−(チオ)シュードウラシル;5−(メチル)−2,4(ジチオ)シュードウラシル;5−(メチル)−4(チオ)シュードウラシル;5−(メチル)シュードウラシル;5−(メチルアミノメチル)−2(チオ)ウラシル;5−(メチルアミノメチル)−2,4(ジチオ)ウラシル;5−(メチルアミノメチル)−4−(チオ)ウラシル;5−(プロピニル)ウラシル;5−(トリフルオロメチル)ウラシル;5−アミノアリル−ウリジン;5−ブロモ−ウリジン;5−ヨード−ウリジン;5−ウラシル;6(アゾ)ウラシル;6−(アゾ)ウラシル;6−アザ−ウリジン;アリルアミノ−ウラシル;アザウラシル;デアザウラシル;N3(メチル)ウラシル;シュード−UTP−1−2−エタン酸;シュードウラシル;4−チオ−シュード−UTP;1−カルボキシメチル−シュードウリジン;1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン;1−プロピニル−ウリジン;1−タウリノメチル−1−メチル−ウリジン;1−タウリノメチル−4−チオ−ウリジン;1−タウリノメチル−シュードウリジン;2−メトキシ−4−チオ−シュードウリジン;2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン;2−チオ−1−メチル−シュードウリジン;2−チオ−5−アザ−ウリジン;2−チオ−ジヒドロシュードウリジン;2−チオ−ジヒドロウリジン;2−チオ−シュードウリジン;4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン;4−メトキシ−シュードウリジン;4−チオ−1−メチル−シュードウリジン;4−チオ−シュードウリジン;5−アザ−ウリジン;ジヒドロシュードウリジン;(±)1−(2−ヒドロキシプロピル)シュードウリジンTP;(2R)−1−(2−ヒドロキシプロピル)シュードウリジンTP;(2S)−1−(2−ヒドロキシプロピル)シュードウリジンTP;(E)−5−(2−ブロモ−ビニル)アラ−ウリジンTP;(E)−5−(2−ブロモ−ビニル)ウリジンTP;(Z)−5−(2−ブロモ−ビニル)アラ−ウリジンTP;(Z)−5−(2−ブロモ−ビニル)ウリジンTP;1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−シュード−UTP;1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)シュードウリジンTP;1−(2,2−ジエトキシエチル)シュードウリジンTP;1−(2,4,6−トリメチルベンジル)シュードウリジンTP;1−(2,4,6−トリメチル−ベンジル)シュードUTP;1−(2,4,6−トリメチル−フェニル)シュードUTP;1−(2−アミノ−2−カルボキシエチル)シュードUTP;1−(2−アミノ−エチル)シュードUTP;1−(2−ヒドロキシエチル)シュードウリジンTP;1−(2−メトキシエチル)シュードウリジンTP;1−(3,4−ビス−トリフルオロメトキシベンジル)シュードウリジンTP;1−(3,4−ジメトキシベンジル)シュードウリジンTP;1−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)シュード−UTP;1−(3−アミノ−プロピル)シュード−UTP;1−(3−シクロプロピル−プロパ−2−イニル)シュードウリジンTP;1−(4−アミノ−4−カルボキシブチル)シュード−UTP;1−(4−アミノ−ベンジル)シュード−UTP;1−(4−アミノ−ブチル)シュード−UTP;1−(4−アミノ−フェニル)シュード−UTP;1−(4−アジドベンジル)シュードウリジンTP;1−(4−ブロモベンジル)シュードウリジンTP;1−(4−クロロベンジル)シュードウリジンTP;1−(4−フルオロベンジル)シュードウリジンTP;1−(4−ヨードベンジル)シュードウリジンTP;1−(4−メタンスルホニルベンジル)シュードウリジンTP;1−(4−メトキシベンジル)シュードウリジンTP;1−(4−メトキシ−ベンジル)シュード−UTP;1−(4−メトキシ−フェニル)シュード−UTP;1−(4−メチルベンジル)シュードウリジンTP;1−(4−メチル−ベンジル)シュード−UTP;1−(4−ニトロベンジル)シュードウリジンTP;1−(4−ニトロ−ベンジル)シュード−UTP;1(4−ニトロ−フェニル)シュード−UTP;1−(4−チオメトキシベンジル)シュードウリジンTP;1−(4−トリフルオロメトキシベンジル)シュードウリジンTP;1−(4−トリフルオロメチルベンジル)シュードウリジンTP;1−(5−アミノ−ペンチル)シュード−UTP;1−(6−アミノ−ヘキシル)シュード−UTP;1,6−ジメチル−シュード−UTP;1−[3−(2−{2−[2−(2−アミノエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−プロピオニル]シュードウリジンTP;1−{3−[2−(2−アミノエトキシ)−エトキシ]−プロピオニル}シュードウリジンTP;1−アセチルシュードウリジンTP;1−アルキル−6−(1−プロピニル)−シュード−UTP;1−アルキル−6−(2−プロピニル)−シュード−UTP;1−アルキル−6−アリル−シュード−UTP;1−アルキル−6−エチニル−シュード−UTP;1−アルキル−6−ホモアリル−シュード−UTP;1−アルキル−6−ビニル−シュード−UTP;1−アリルシュードウリジンTP;1−アミノメチル−シュード−UTP;1−ベンゾイルシュードウリジンTP;1−ベンジルオキシメチルシュードウリジンTP;1−ベンジル−シュード−UTP;1−ビオチニル−PEG2−シュードウリジンTP;1−ビオチニルシュードウリジンTP;1−ブチル−シュード−UTP;1−シアノメチルシュードウリジンTP;1−シクロブチルメチル
−シュード−UTP;1−シクロブチル−シュード−UTP;1−シクロヘプチルメチル−シュード−UTP;1−シクロヘプチル−シュード−UTP;1−シクロヘキシルメチル−シュード−UTP;1−シクロヘキシル−シュード−UTP;1−シクロオクチルメチル−シュード−UTP;1−シクロオクチル−シュード−UTP;1−シクロペンチルメチル−シュード−UTP;1−シクロペンチル−シュード−UTP;1−シクロプロピルメチル−シュード−UTP;1−シクロプロピル−シュード−UTP;1−エチル−シュード−UTP;1−ヘキシル−シュード−UTP;1−ホモアリルシュードウリジンTP;1−ヒドロキシメチルシュードウリジンTP;1−イソ−プロピル−シュード−UTP;1−Me−2−チオ−シュード−UTP;1−Me−4−チオ−シュード−UTP;1−Me−アルファ−チオ−シュード−UTP;1−メタンスルホニルメチルシュードウリジンTP;1−メトキシメチルシュードウリジンTP;1−メチル−6−(2,2,2−トリフルオロエチル)シュード−UTP;1−メチル−6−(4−モルホリノ)−シュード−UTP;1−メチル−6−(4−チオモルホリノ)−シュード−UTP;1−メチル−6−(置換フェニル)シュード−UTP;1−メチル−6−アミノ−シュード−UTP;1−メチル−6−アジド−シュード−UTP;1−メチル−6−ブロモ−シュード−UTP;1−メチル−6−ブチル−シュード−UTP;1−メチル−6−クロロ−シュード−UTP;1−メチル−6−シアノ−シュード−UTP;1−メチル−6−ジメチルアミノ−シュード−UTP;1−メチル−6−エトキシ−シュード−UTP;1−メチル−6−エチルカルボキシレート−シュード−UTP;1−メチル−6−エチル−シュード−UTP;1−メチル−6−フルオロ−シュード−UTP;1−メチル−6−ホルミル−シュード−UTP;1−メチル−6−ヒドロキシアミノ−シュード−UTP;1−メチル−6−ヒドロキシ−シュード−UTP;1−メチル−6−ヨード−シュード−UTP;1−メチル−6−イソ−プロピル−シュード−UTP;1−メチル−6−メトキシ−シュード−UTP;1−メチル−6−メチルアミノ−シュード−UTP;1−メチル−6−フェニル−シュード−UTP;1−メチル−6−プロピル−シュード−UTP;1−メチル−6−tert−ブチル−シュード−UTP;1−メチル−6−トリフルオロメトキシ−シュード−UTP;1−メチル−6−トリフルオロメチル−シュード−UTP;1−モルホリノメチルシュードウリジンTP;1−ペンチル−シュード−UTP;1−フェニル−シュード−UTP;1−ピバロイルシュードウリジンTP;1−プロパルギルシュードウリジンTP;1−プロピル−シュード−UTP;1−プロピニル−シュードウリジン;1−p−トリル−シュード−UTP;1−tert−ブチル−シュード−UTP;1−チオメトキシメチルシュードウリジンTP;1−チオモルホリノメチルシュードウリジンTP;1−トリフルオロアセチルシュードウリジンTP;1−トリフルオロメチル−シュード−UTP;1−ビニルシュードウリジンTP;2,2’−アンヒドロ−ウリジンTP;2’−ブロモ−デオキシウリジンTP;2’−F−5−メチル−2’−デオキシ−UTP;2’−OMe−5−Me−UTP;2’−OMe−シュード−UTP;2’−a−エチニルウリジンTP;2’−a−トリフルオロメチルウリジンTP;2’−b−エチニルウリジンTP;2’−b−トリフルオロメチルウリジンTP;2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロウリジンTP;2’−デオキシ−2’−a−メルカプトウリジンTP;2’−デオキシ−2’−a−チオメトキシウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−アミノウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−アジドウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−ブロモウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−クロロウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−フルオロウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−ヨードウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−メルカプトウリジンTP;2’−デオキシ−2’−b−チオメトキシウリジンTP;2−メトキシ−4−チオ−ウリジン;2−メトキシウリジン;2’−O−メチル−5−(1−プロピニル)ウリジンTP;3−アルキル−シュード−UTP;4’−アジドウリジンTP;4’−炭素環ウリジンTP;4’−エチニルウリジンTP;5−(1−プロピニル)アラ−ウリジンTP;5−(2−フラニル)ウリジンTP;5−シアノウリジンTP;5−ジメチルアミノウリジンTP;5’−ホモ−ウリジンTP;5−ヨード−2’−フルオロ−デオキシウリジンTP;5−フェニルエチニルウリジンTP;5−トリデューテロメチル−6−デューテロウリジンTP;5−トリフルオロメチル−ウリジンTP;5−ビニルアラウリジンTP;6−(2,2,2−トリフルオロエチル)−シュード−UTP;6−(4−モルホリノ)−シュード−UTP;6−(4−チオモルホリノ)−シュード−UTP;6−(置換フェニル)−シュード−UTP;6−アミノ−シュード−UTP;6−アジド−シュード−UTP;6−ブロモ−シュード−UTP;6−ブチル−シュード−UTP;6−クロロ−シュード−UTP;6−シアノ−シュード−UTP;6−ジメチルアミノ−シュード−UTP;6−エトキシ−シュード−UTP;6−エチルカルボキシレート−シュード−UTP;6−エチル−シュード−UTP;6−フルオロ−シュード−UTP;6−ホルミル−シュード−UTP;6−ヒドロキシアミノ−シュード−UTP;6−ヒドロキシ−シュード−UTP;6−ヨード−シュード−UTP;6−イソ−プロピル−シュード−UTP;6−メトキシ−シュード−UTP;6−メチルアミノ−シュード−UTP;6−メチル−シュード−UTP;6−フェニル−シュード−UTP;6−フェニル−シュード−UTP;6−プロピル−シュード−UTP;6−tert−ブチル−シュード−UTP;6−トリフルオロメトキシ−シュード−UTP;6−トリフルオロメチル−シュード−UTP;アルファ−チオ−シュード−UTP;シュードウリジン1−(4−メチルベンゼンスルホン酸)TP;シュードウリジン1−(4−メチル安息香酸)TP;シュードウリジンTP1−〔3−(2−エトキシ)〕プロピオン酸;シュードウリジンTP1−[3−{2−(2−[2−(2−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ}]プロピオン酸;シュードウリジンTP1−[3−{2−(2−[2−(2−エトキシ)−エトキシ}−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ}]プロピオン酸;シュードウリジンTP1−[3−{2−(2−エトキシ)−エトキシ)−エトキシ}]プロピオン酸;シュードウリジンTP1−〔3−{2−(2−エトキシ)−エトキシ}〕プロピオン酸;シュードウリジンTP1−メチルホスホン酸;シュードウリジンTP1−メチルホスホン酸ジエチルエステル;シュード−UTP−N1−3−プロピオン酸;シュード−UTP−N1−4−ブタン酸;シュード−UTP−N1−5−ペンタン酸;シュード−UTP−N1−6−ヘキサン酸;シュード−UTP−N1−7−ヘプタン酸;シュード−UTP−N1−メチル−p−安息香酸;シュード−UTP−N1−p−安息香酸;ワイブトシン;ヒドロキシワイブトシン;イソワイオシン;ペルオキシワイブトシン;未修飾ヒドロキシワイブトシン;4−デメチルワイオシン;2,6−(ジアミノ)プリン;1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル:1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェンチアジン−1−イル;1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル;1,3,5−(トリアザ)−2,6−(ジオキサ)−ナフタレン;2(アミノ)プリン;2,4,5−(トリメチル)フェニル;2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルロ−シチジン;2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルロ−アデニン;2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルロ−ウリジン;2’−アミノ−2’−デオキシリボース;2−アミノ−6−クロロ−プリン;2−アザ−イノシニル;2’−アジド−2’−デオキシリボース;2’フルオロ−2’−デオキシリボース;2’−フルオロ−修飾塩基;2’−O−メチル−リボース;2−オキソ−7−アミノピリドピリミジン−3−イル;2−オキソ−ピリドピリミジン−3−イル;2−ピリジノン;3ニトロピロール;3−(メチル)−7−(プロピニル)イソカルボスチリリル;3−(メチル)イソカルボスチリリル;4−(フルオロ)−6−(メチル)ベンズイミダゾール;4−(メチル)ベンズイミダゾール;4−(メチル)インドリル;4,6−(ジメチル)インドリル;5ニトロインドール;5置換ピリミジン;5−(メチル)イソカルボスチリリル;5−ニトロインドール;6−(アザ)ピリミジン;6−(アゾ)チミン;6−(メチル)−7−(アザ)インドリル;6−クロロ−プリン;6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェンチアジン−1−イル;7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル;7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル;7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノチアジン−1−イル;7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル;7−(アザ)インドリル;7−(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン1−イル;7−(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェンチアジン−1−イル;7−(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル;7−(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル;7−(グアニジニウムアルキル−ヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノチアジン−1−イル;7−(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル;7−(プロピニル)イソカルボスチリリル;7−(プロピニル)イソカルボスチリリル、プロピニル−7−(アザ)インドリル;7−デアザ−イノシニル;7−置換1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル;7−置換1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル;9−(メチル)−イミジゾピリジニル;アミノインドリル;アントラセニル;ビス−オルト−(アミノアルキルヒドロキシ)−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;ビス−オルト置換−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;ジフルオロトリル;ヒポキサンチン;イミジゾピリジニル;イノシニル;イソカルボスチリリル;イソグアニジン;N2置換プリン;N6−メチル−2−アミノ−プリン;N6−置換プリン;N−アルキル化誘導体;ナフタレニル;ニトロベンズイミダゾリル;ニトロイミダゾリル;ニトロインダリル;ニトロピラゾリル;ヌブラリン;O6−置換プリン;O−アルキル化誘導体;オルト−(アミノアルキルヒドロキシ)−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;オルト−置換−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;オキソホルマイシンTP;パラ−(アミノアルキルヒドロキシ)−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;パラ−置換−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル;ペンタセニル;フェナントラセニル;フェニル;プロピニル−7−(アザ)インドリル;ピレニル;ピリドピリミジン−3−イル;ピリドピリミジン−3−イル、2−オキソ−7−アミノ−ピリドピリミジン−3−イル;ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−
イル;ピロロピリミジニル;ピロロピリジニル;スチルベンジル;置換1,2,4−トリアゾール;テトラセニル;ツベルシジン;キサンチン;キサントシン−5’−TP;2−チオ−ゼブラリン;5−アザ−2−チオ−ゼブラリン;7−デアザ−2−アミノ−プリン;ピリジン−4−オンリボヌクレオシド;2−アミノ−リボシド−TP;ホルマイシンATP;ホルマイシンBTP;ピロロジンTP;2’−OH−アラ−アデノシンTP;2’−OH−アラ−シチジンTP;2’−OH−アラ−ウリジンTP;2’−OH−アラ−グアノシンTP;5−(2−カルボメトキシビニル)ウリジンTP;及びN6−(19−アミノ−ペンタオキサノナデシル)アデノシンTPが挙げられる。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)は、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の上述の修飾核酸塩基の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)における修飾核酸塩基は、シュードウリジン(ψ)、N1−メチルシュードウリジン(m1ψ)、N1−エチルシュードウリジン、2−チオウリジン、4’−チオウリジン、5−メチルシトシン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオシュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、4−チオ−シュードウリジン、5−アザ−ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5−メトキシウリジン及び2’−O−メチルウリジンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)は、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の上述の修飾核酸塩基の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)中の修飾された核酸塩基は、1−メチル−シュードウリジン(m1ψ)、5−メトキシ−ウリジン(mo5U)、5−メチル−シチジン(m5C)、シュードウリジン(ψ)、α−チオ−グアノシン及びα−チオ−アデノシンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の上述の修飾核酸塩基の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、シュードウリジン(ψ)及び5−メチル−シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)は、1−メチル−シュードウリジン(m1ψ)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、1−メチル−シュードウリジン(m1ψ)及び5−メチル−シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)は2−チオウリジン(s2U)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)は、2−チオウリジン及び5−メチル−シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)は、メトキシ−ウリジン(mo5U)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)は、5−メトキシ−ウリジン(mo5U)及び5−メチル−シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)は、2’−O−メチルウリジンを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)は、2’−O−メチルウリジン及び5−メチル−シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)は、N6−メチル−アデノシン(m6A)を含むいくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)は、N6−メチル−アデノシン(m6A)及び5−メチル−シチジン(m5C)を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドのようなRNAポリヌクレオチド)は、特定の修飾のために一様に修飾される(例えば、完全に修飾され、全配列にわたって修飾される)。例えば、ポリヌクレオチドは、5−メチル−シチジン(m5C)で均一に修飾されてもよく、これはmRNA配列中の全てのシトシン残基が、5−メチル−シチジン(m5C)で置換されていることを意味する。同様に、ポリヌクレオチドは、配列中に存在する任意の種類のヌクレオシド残基について、上述したような修飾された残基で置換することによって、均一に修飾されてもよい。
例示的な修飾シトシンを有する核酸塩基及びヌクレオシドとしては、N4−アセチル−シチジン(ac4C)、5−メチル−シチジン(m5C)、5−ハロ−シチジン(例えば5−ヨード−シチジン)、5−ヒドロキシメチル−シチジン(hm5C)、1−メチル−シュードイソシチジン、2−チオ−シチジン(s2C)、及び2−チオ−5−メチル−シチジンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾ウリジンである。例示的な核酸塩基及びいくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾されたシトシンである。修飾されたウリジンを有するヌクレオシドには、5−シアノウリジン及び4’−チオウリジンが含まれる。
いくつかの実施形態では、修飾された核酸塩基は、修飾されたアデニンである。修飾されたアデニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、7−デアザ−アデニン、1−メチル−アデノシン(m1A)、2−メチル−アデニン(m2A)、及びN6−メチル−アデノシン(m6A)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾グアニンである。修飾されたグアニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、イノシン(I)、1−メチル−イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7−デアザ−グアノシン、7−シアノ−7−デアザ−グアノシン(preQ0)、7−アミノメチル−7−デアザ−グアノシン(preQ1)、7−メチル−グアノシン(m7G)、1−メチル−グアノシン(m1G)、8−オキソ−グアノシン、7−メチル−8−オキソ−グアノシンが挙げられる。
本開示のポリヌクレオチドは、分子の全長に沿って部分的に修飾されても、または完全に修飾されてもよい。例えば、1つ以上のまたは全てのまたは所定の種類のヌクレオチド(例えば、プリンもしくはピリミジン、またはA、G、U、Cのいずれか1つまたは全て)を、本発明のポリヌクレオチドにおいて、またはその所定の事前決定された配列領域中で均一に修飾してもよい(例えば、ポリA尾部を含むかまたは除外するmRNA中)。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド中(またはその所定の配列領域中)の全てのヌクレオチドXは、修飾ヌクレオチドであり、ここでXは、ヌクレオチドA、G、U、Cのいずれか1つまたは組み合わせA+G、A+U、A+C、G+U、G+C、U+C、A+G+U、A+G+C、G+U+C、またはA+G+Cのうちのいずれか1つであってもよい。
ポリヌクレオチドは、約1%〜約100%の修飾されたヌクレオチド(全体的なヌクレオチド含有量に関して、または1つ以上の種類のヌクレオチド、すなわちA、G、UまたはCのいずれか1つ以上に関して)または任意の介在するパーセント(例えば、1%〜20%、1%〜25%、1%〜50%、1%〜60%、1%〜70%、1%〜80%、1%〜90%、1%〜95%、10%〜20%、10%〜25%、10%〜50%、10%〜60%、10%〜70%、10%〜80%、10%〜90%、10%〜95%、10%〜100%、20%〜25%、20%〜50%、20%〜60%、20%〜70%、20%〜80%、20%〜90%、20%〜95%、20%〜100%、50%〜60%、50%〜70%、50%〜80%、50%〜90%、50%〜95%、50%〜100%、70%〜80%、70%〜90%、70%〜95%、70%〜100%、80%〜90%、80%〜95%、80%〜100%、90%〜95%、90%〜100%、及び95%〜100%)を含んでもよい。残りのパーセンテージは、非修飾A、G、U、またはCの存在によって説明されることが理解される。
ポリヌクレオチドは、最初1%及び最大100%の修飾ヌクレオチド、または任意の介在するパーセンテージ、例えば、少なくとも5%の修飾ヌクレオチド、少なくとも10%の修飾ヌクレオチド、少なくとも25%の修飾ヌクレオチド、少なくとも50%の修飾ヌクレオチド、少なくとも80%の修飾ヌクレオチド、または少なくとも90%の修飾ヌクレオチドを含んでもよい。例えば、ポリヌクレオチドは、修飾されたウラシルまたはシトシンなどの修飾されたピリミジンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド中のウラシルの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%が、修飾されたウラシル(例えば、5−置換ウラシル)で置換されてもよい。修飾されたウラシルは、単一の固有の構造を有する化合物で置き換えられてもよく、または異なる構造(例えば、2、3、4またはそれ以上の固有の構造)を有する複数の化合物で置き換えられてもよい。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド中のシトシンの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%が、修飾されたシトシン(例えば、5−置換シトシン)で置き換えられる。修飾されたシトシンは、単一の固有の構造を有する化合物で置き換えられてもよく、または異なる構造(例えば、2、3、4またはそれ以上の固有の構造)を有する複数の化合物で置き換えられてもよい。いくつかの実施形態では、コドン最適化RNAは、例えば、G/Cのレベルが増強されたものであってもよい。核酸分子のG/C含量は、RNAの安定性に影響を及ぼし得る。増加した量のグアニン(G)及び/またはシトシン(C)残基を有するRNAは、大量のアデニン(A)及びチミン(T)またはウラシル(U)ヌクレオチドを含む核酸よりも機能的により安定であり得る。WO02/098443は、翻訳領域における配列改変により安定化されたmRNAを含有する薬学的組成物を開示している。遺伝暗号の縮重のために、この修飾は、得られたアミノ酸を変更することなく、より大きなRNA安定性を促進するもののために既存のコドンを置換することによって機能する。このアプローチは、RNAのコード領域に限定される。
したがって、いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、5’UTRエレメント、必要に応じてコドン最適化オープンリーディングフレーム、及び3’UTRエレメント、ポリ(A)配列及び/またはポリアデニル化シグナル(RNAは化学修飾されていない)を含む。
いくつかの実施形態では、修飾された核酸塩基は、修飾ウラシルである。修飾されたウラシルを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、シュードウリジン(ψ)、ピリジン−4−オンリボヌクレオシド、5−アザ−ウリジン、6−アザ−ウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ウリジン(s2U)、4−チオ−ウリジン(s4U)、4−チオ−シュードウリジン、2−チオ−シュードウリジン、5−ヒドロキシ−ウリジン(ho5U)、5−アミノアリル−ウリジン、5−ハロ−ウリジン(例えば、5−ヨード−ウリジンまたは5−ブロモ−ウリジン)、3−メチル−ウリジン(m3U)、5−メトキシ−ウリジン(mo5U)、ウリジン−5−オキシ酢酸(cmo5U)、ウリジン5−オキシ酢酸メチルエステル(mcmo5U)、5−カルボキシメチル−ウリジン(cm5U)、1−カルボキシメチル−1−シュードウリジン、5−カルボキシヒドロキシメチル−ウリジン(chm5U)、5−カルボキシヒドロキシメチル−ウリジンメチルエステル(mchm5U)、5−メトキシカルボニルメチル−ウリジン(mcm5U)、5−メトキシカルボニルメチル−2−チオ−ウリジン(mcm5s2U)、5−アミノメチル−2−チオ−ウリジン(nm5s2U)、5−メチルアミノメチル−ウリジン(mnm5U)、5−メチルアミノメチル−2−チオ−ウリジン(mnm5s2U)、5−メチルアミノメチル−2−セレノ−ウリジン(mnm5se2U)、5−カルバモイルメチル−ウリジン(ncm5U)、5−カルボキシメチルアミノメチル−ウリジン(cmnm5U)、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオ−ウリジン(cmnm5s2U)、5−プロピニル−ウリジン、1−プロピニル−シュードウリジン、5−タウリノメチル−ウリジン(τm5U)、1−タウリノメチル−シュードウリジン、5−タウリノメチル−2−チオ−ウリジン(τm5s2U)、1−タウリノメチル−4−チオ−シュードウリジン、5−メチル−ウリジン(m5U、すなわち核酸塩基デオキシチミンを有する)、1−メチル−シュードウリジン(m1ψ)、5−メチル−2−チオ−ウリジン(m5s2U)、1−メチル−4−チオ−ジュードウリジン(m1s4ψ)、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、3−メチル−シュードウリジン(m3ψ)、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、ジヒドロウリジン(D)、ジヒドロシュードウリジン、5,6−ジヒドロウリジン、5−メチル−ジヒドロウリジン(m5D)、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−メトキシ−ウリジン、2−メトキシ−4−チオ−ウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、N1−メチル−シュードウリジン、N1−エチル−シュードウリジン3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ウリジン(acp3U)、1−メチル−3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)シュードウリジン(acp3ψ)、5−(イソペンテニルアミノメチル)ウリジン(inm5U)、5−(イソペンテニルアミノメチル)−2−チオ−ウリジン(inm5s2U)、α−チオ−ウリジン、2’−O−メチル−ウリジン(Um)、5,2’−O−ジメチル−ウリジン(m5Um)、2’−O−メチル−シュードウリジン(ψm)、2−チオ−2’−O−メチル−ウリジン(s2Um)、5−メトキシカルボニルメチル−2’−O−メチル−ウリジン(mcm5Um)、5−カルバモイルメチル−2’−O−メチル−ウリジン(ncm5Um)、5−カルボキシメチルアミノメチル−2’−O−メチル−ウリジン(cmnm5Um)、3,2’−O−ジメチル−ウリジン(m3Um)、及び5−(イソペンテニルアミノメチル)−2’−O−メチル−ウリジン(inm5Um)、1−チオ−ウリジン、デオキシチミジン、2’−F−アラ−ウリジン、2’−F−ウリジン、2’−OH−アラ−ウリジン、5−(2−カルボメトキシビニル)ウリジン、及び5−[3−(1−E−プロペニルアミノ)]ウリジンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾シトシンである。修飾シトシンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、5−アザ−シチジン、6−アザ−シチジン、シュードイソシチジン、3−メチル−シチジン(m3C)、N4−アセチル−シチジン(ac4C)、5−ホルミル−シチジン(f5C)、N4−メチル−シチジン(m4C)、5−メチル−シチジン(m5C)、5−ハロ−シチジン(例えば、5−ヨード−シチジン)、5−ヒドロキシメチル−シチジン(hm5C)、1−メチル−シュードイソシチジン、ピロロ−シチジン、ピロロ−シュードイソシチジン、2−チオ−シチジン(s2C)、2−チオ−5−メチル−シチジン、4−チオ−シュードイソシチジン、4−チオ−1−メチル−シュードイソシチジン、4−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードイソシチジン、1−メチル−1−デアザ−シュードイソチチジン、ゼブラリン、5−アザ−ゼブラリン、5−メチル−ゼブラリン、5−アザ−2−チオ−ゼブラリン、2−チオ−ゼブラリン、2−メトキシ−シチジン、2−メトキシ−5−メチル−シチジン、4−メトキシ−シュードイソシチジン、4−メトキシ−1−メチル−シュードイソシチジン、リジン(k2C)、α−チオ−シチジン、2’−O−メチル−シチジン(Cm)、5,2’−O−ジメチル−シチジン(m5Cm)、N4−アセチル−2’−O−メチル−シチジン(ac4Cm)、N4,2’−O−ジメチル−シチジン(m4Cm)、5−ホルミル−2’−O−メチル−シチジン(f5Cm)、N4,N4,2’−O−トリメチル−シチジン(m42Cm)、1−チオ−シチジン、2’−F−アラ−シチジン、2’−F−シチジン、及び2’−OH−アラ−シチジンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾された核酸塩基は、修飾されたアデニンである。修飾されたアデニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、2−アミノ−プリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−ハロ−プリン(例えば、2−アミノ−6−クロロ−プリン)、6−ハロ−プリン(例えば、6−クロロ−プリン)、2−アミノ−6−メチル−プリン、8−アジド−アデノシン、7−デアザ−アデニン、7−デアザ−8−アザ−アデニン、7−デアザ−2−アミノ−プリン、7−デアザ−8−アザ−2−アミノ−プリン、7−デアザ−2,6−ジアミノプリン、7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノプリン、1−メチル−アデノシン(m1A)、2−メチル−アデニン(m2A)、N6−メチル−アデニン(m6A)、2−メチルチオ−N6−メチル−アデノシン(ms2m6A)、N6−イソペンテニル−アデノシン(i6A)、2−メチルチオ−N6−イソペンテニル−アデノシン(ms2i6A)、N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(io6A)、2−メチルチオ−N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(ms2io6A)、N6−グリシニルカルバモイル−アデノシン(g6A)、N6−トレオニルカルバモイル−アデノシン(t6A)、N6−メチル−N6−トレオニルカルバモイル−アデノシン(m6t6A)、2−メチルチオ−N6−トレオニルカルバモイル−アデノシン(ms2g6A)、N6,N6−ジメチル−アデノシン(m62A)、N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイル−アデノシン(hn6A)、2−メチルチオ−N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイル−アデノシン(ms2hn6A)、N6−アセチル−アデノシン(ac6A)、7−メチル−アデニン、2−メチルチオ−アデニン、2−メトキシ−アデニン、α−チオ−アデノシン、2’−O−メチル−アデノシン(Am)、N6,2’−O−ジメチル−アデノシン(m6Am)、N6,N6,2’−O−トリメチル−アデノシン(m62Am)、1,2’−O−ジメチル−アデノシン(m1Am)、2’−O−リボシルアデノシン(リン酸)(Ar(p))、2−アミノ−N6−メチル−プリン、1−チオ−アデノシン、8−アジド−アデノシン、2’−F−アラ−アデノシン、2’−F−アデノシン、2’−OH−アラ−アデノシン、及びN6−(19−アミノ−ペンタオキサノナデシル)−アデノシンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾グアニンである。修飾グアニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、イノシン(I)、1−メチル−イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、4−デメチル−ワイオシン(imG−14)、イソワイオシン(imG2)、ワイブトシン(yW)、ペルオキシワイブトシン(o2yW)、ヒドロキシワイブトシン(OhyW)、非修飾ヒドロキシワイブトシン(OhyW*)、7−デアザ−グアノシン、クエオシン(Q)、エポキシクエオシン(oQ)、ガラクトシル−クエオシン(galQ)、マンノシル−クエオシン(manQ)、7−シアノ−7−デアザ−グアノシン(preQ0)、7−アミノメチル−7−デアザ−グアノシン(preQ1)、アルカエオシン(G+)、7−デアザ−8−アザ−グアノシン、6−チオ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−8−アザ−グアノシン、7−メチル−グアノシン(m7G)、6−チオ−7−メチル−グアノシン、7−メチル−イノシン、6−メトキシ−グアノシン、1−メチル−グアノシン(m1G)、N2−メチル−グアノシン(m2G)、N2,N2−ジメチル−グアノシン(m22G)、N2,7−ジメチル−グアノシン(m2,7G)、N2,N2,7−ジメチル−グアノシン(m2,2,7G)、8−オキソ−グアノシン、7−メチル−8−オキソ−グアノシン、1−メチル−6−チオ−グアノシン、N2−メチル−6−チオ−グアノシン、N2,N2−ジメチル−6−チオ−グアノシン、α−チオ−グアノシン、2’−O−メチル−グアノシン(Gm)、N2−メチル−2’−O−メチル−グアノシン(m2Gm)、N2,N2−ジメチル−2’−O−メチル−グアノシン(m22Gm)、1−メチル−2’−O−メチル−グアノシン(m1Gm)、N2,7−ジメチル−2’−O−メチル−グアノシン(m2,7Gm)、2’−O−メチル−イノシン(Im)、1,2’−O−ジメチル−イノシン(m1Im)、2’−O−リボシルグアノシン(リン酸)(Gr(p))、1−チオ−グアノシン、O6−メチル−グアノシン、2’−F−アラ−グアノシン、及び2’−F−グアノシンが挙げられる。
インビトロにおけるRNA(例えば、mRNA)の転写
本開示のHCMVワクチンは、mRNA(例えば、修飾mRNA)などの少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む。mRNAは例えば、「インビトロ転写鋳型」と呼ばれる、鋳型DNAからインビトロで転写される。いくつかの実施形態では、インビトロ転写鋳型は、5’非翻訳(UTR)領域をコードし、オープンリーディングフレームを含み、そして3’UTR及びポリA尾部をコードする。インビトロ転写鋳型の特定の核酸配列組成及び長さは、鋳型によってコードされるmRNAに依存する。
「5’非翻訳領域」(UTR)は、ポリペプチドをコードしていない開始コドン(すなわち、リボソームによって翻訳されたmRNA転写物の最初のコドン)から直接上流(すなわち、5’側)にあるmRNAの領域を指す。
「3’非翻訳領域」(UTR)は、ポリペプチドをコードしていない終止コドン(すなわち、翻訳終結をシグナル伝達するmRNA転写物のコドン)から直接下流(すなわち、3’側)にあるmRNAの領域を指す。
「オープンリーディングフレーム」は、開始コドン(例えば、メチオニン(ATG))で始まり、終止コドン(例えば、TAA、TAGまたはTGA)で終わるDNAの連続ストレッチであり、ポリペプチドをコードする。
「ポリA尾部」は、複数の連続するアデノシン一リン酸を含む3’UTRから下流、例えば、直接下流(すなわち、3’)にあるmRNAの領域である。ポリA尾部は、10〜300個のアデノシン一リン酸を含んでもよい。例えば、ポリA尾部は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、または300のアデノシン一リン酸を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリA尾部は、50〜250のアデノシン一リン酸塩を含む。関連する生物学的環境(例えば、細胞内、インビボ)において、ポリ(A)尾部は、mRNAを酵素分解から(例えば、細胞質において)防御し、転写終結において、核からのmRNAの輸送及び翻訳を補助するように機能する。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、200〜3000ヌクレオチドを含む。例えば、ポリヌクレオチドは、200〜500、200〜1000、200〜1500、200〜3000、500〜1000、500〜1500、500〜2000、500〜3000、1000〜1500、1000〜2000、1000〜3000、1500〜3000、または2000〜3000ヌクレオチド)を含んでもよい。
治療方法
本明細書では、ヒト及び他の哺乳動物におけるHCMVの予防及び/または治療のための組成物(例えば、薬学的組成物)、方法、キット及び試薬が提供される。HCMV RNAワクチンは、治療薬または予防薬として使用することができる。それらは、感染症の予防及び/または治療のために医薬において使用され得る。例示的な態様において、本発明のHCMV RNAワクチンは、ヒトサイトメガロウイルス感染からの予防的防御を提供するために使用され、サイトメガロウイルス感染の臨床徴候の重症度及び/または期間を予防または低減するために、免疫不全患者及び幼児患者の予防及び/または治療に特に有用であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のワクチンは、母親から子供へのHCMVの先天性伝染を低減または防止する。
広域スペクトルワクチン
HCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、治療薬または予防薬として使用してもよい。ヒトが2つ以上のベータコロナウイルスの感染のリスクがある(例えば、HCMVに感染するリスクがある)状況が存在し得ることが想定される。RNA(例えば、mRNA)治療用ワクチンは、製造速度、知覚される地理的脅威に適応するためのワクチンを迅速に調整する能力などを含むが、これらに限定されない多数の因子に起因して、混合ワクチン接種アプローチに特に適している。更に、ワクチンは、人体を利用して、抗原性タンパク質を産生するので、ワクチンは、より大きく、より複雑な抗原性タンパク質の産生に適しており、適切な折りたたみ、表面発現、抗原提示などをヒト対象において可能にする。2つ以上のHCMV株を防御するために、第1のHCMVの少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードするRNAを含み、更に第2のHCMVの少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードするRNAを含む混合ワクチンを投与してもよい。RNA(mRNA)は、例えば、単一のLNP中で同時に製剤化してもよいし、または同時投与が予定されている個別のLNPに製剤化してもよい。
対象においてHCMVに対する免疫応答を誘発する方法は、本発明の態様において提供される。この方法は、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含むHCMV RNAワクチンを対象に投与し、それによりその対象にHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片に特異的な免疫応答を誘導することを伴い、ここでこの対象における抗抗原ポリペプチド抗体価は、HCMVに対する予防有効量の伝統的ワクチンでワクチン接種された対象における抗抗原ポリペプチド抗体価に対して、ワクチン接種後に増加する。「抗抗原ポリペプチド抗体」とは、抗原ポリペプチドに特異的に結合する血清抗体である。
予防有効用量は、臨床的に許容可能なレベルでウイルスによる感染を予防する治療上有効な用量である。いくつかの実施形態では、治療上有効な用量は、ワクチンの添付文書に列挙された用量である。本明細書で使用される伝統的ワクチンは、本発明のmRNAワクチン以外のワクチンを指す。例えば、伝統的ワクチンとしては、限定するものではないが、生存微生物ワクチン、死菌微生物ワクチン、サブユニットワクチン、タンパク質抗原ワクチン、DNAワクチンなどが挙げられる。例示的な実施形態では、伝統的ワクチンとは、規制認可を得ているか、及び/または国の医薬品規制機関、例えば、米国の食品医薬品局(FDA)または欧州医薬品庁(EMA)によって登録されているワクチンである。
いくつかの実施形態では、対象における抗抗原ポリペプチド抗体価は、HCMVに対する予防有効量の伝統的ワクチンでワクチン接種された対象における抗抗原ポリペプチド抗体価と比較してワクチン接種後に1対数〜10対数増加する。
いくつかの実施形態では、対象における抗抗原ポリペプチド抗体価は、HCMVに対する予防有効量の伝統的ワクチンでワクチン接種された対象における抗抗原ポリペプチド抗体価と比較して、ワクチン接種後に1対数増加する。
いくつかの実施形態では、対象における抗抗原ポリペプチド抗体価は、HCMVに対する予防有効量の伝統的ワクチンでワクチン接種された対象における抗抗原ポリペプチド抗体価と比較してワクチン接種後に2対数増加する。
いくつかの実施形態では、対象における抗抗原ポリペプチド抗体価は、HCMVに対する予防有効量の伝統的ワクチンでワクチン接種された対象における抗抗原ポリペプチド抗体価と比較してワクチン接種後に3対数増加する。
いくつかの実施形態では、対象における抗抗原ポリペプチド抗体価は、HCMVに対する予防有効量の伝統的ワクチンでワクチン接種された対象における抗抗原ポリペプチド抗体価と比較してワクチン接種後に5対数増加する。
いくつかの実施形態では、対象における抗抗原ポリペプチド抗体価は、HCMVに対する予防有効量の伝統的ワクチンでワクチン接種された対象における抗抗原ポリペプチド抗体価と比較してワクチン接種後に10対数増加する。
対象においてHCMVに対する免疫応答を誘発する方法は、本発明の他の態様において提供される。この方法は、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含むHCMV RNAワクチンを対象に投与すること、それによりその対象にHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片に特異的な免疫応答を誘導することを伴い、ここで対象における免疫応答は、RNAワクチンと比較して用量レベルの2倍〜100倍でHCMVに対する伝統的ワクチンでワクチン接種された対象における免疫応答と等しい。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、HCMV RNAワクチンと比較して2倍の用量レベルで、伝統的ワクチンでワクチン接種された対象における免疫応答と等しい。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、HCMV RNAワクチンと比較して3倍の用量レベルで、伝統的ワクチンでワクチン接種された対象における免疫応答と等しい。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、HCMV RNAワクチンと比較して4倍の用量レベルで伝統的ワクチンをワクチン接種された対象における免疫応答と等しい。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、HCMV RNAワクチンと比較して5倍の用量レベルで伝統的ワクチン接種を受けた対象における免疫応答と等しい。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、HCMV RNAワクチンと比較して10倍の用量レベルで伝統的ワクチン接種を受けた対象における免疫応答と等しい。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、HCMV RNAワクチンと比較して50倍の用量レベルで伝統的ワクチンをワクチン接種された対象における免疫応答と等しい。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、HCMV RNAワクチンと比較して100倍の用量レベルで伝統的なワクチンをワクチン接種された対象における免疫応答と等しい。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、HCMV RNAワクチンと比較して10倍〜1000倍の用量レベルで伝統的ワクチンをワクチン接種された対象における免疫応答と等価である。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、HCMV RNAワクチンと比較して100倍〜1000倍の用量レベルで伝統的ワクチンでワクチン接種された対象における免疫応答と等しい。
他の実施形態では、免疫応答は、対象において抗抗原ポリペプチド抗体価を測定することによって評価される。
他の態様では、本発明は、少なくとも1つのHCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含むHCMV RNAワクチンを対象に投与することによって、HCMVに対して対象における免疫応答を誘発し、それによって、HCMV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片に特異的な免疫応答をその対象において誘発する方法であって、対象における免疫応答が、HCMVに対する伝統的なワクチンの予防有効量でワクチン接種された対象において誘導される免疫応答に対して2〜10週間早く誘導される方法である。いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、予防有効量の伝統的なワクチンをRNAワクチンと比較して2倍から100倍の用量でワクチン接種された対象において誘導される。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、予防有効量の伝統的ワクチンでワクチン接種された対象において誘導される免疫応答と比較して2日早く誘導される。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、伝統的なワクチンの予防有効量をワクチン接種された対象において誘導される免疫応答と比較して3日早く誘導される。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、予防有効量の伝統的なワクチンでワクチン接種された対象において誘導される免疫応答と比較して1週間早く誘導される。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、予防有効量の伝統的ワクチンでワクチン接種された対象において誘導される免疫応答と比較して2週間早く誘導される。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、予防有効量の伝統的ワクチンでワクチン接種された対象において誘導される免疫応答と比較して3週間早く誘導される。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、予防有効量の伝統的ワクチンでワクチン接種された対象において誘導される免疫応答と比較して、5週間早く誘導される。
いくつかの実施形態では、対象における免疫応答は、予防有効量の伝統的ワクチンでワクチン接種された対象において誘導される免疫応答と比較して10週間早く誘導される。
第1の抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有するHCMV RNAワクチンを対象に投与することによってHCMVに対して対象の免疫応答を誘発する方法であって、RNAポリヌクレオチドが安定化エレメントを含まず、アジュバントが、ワクチンと同時製剤化もされず、または同時投与もされない方法も本明細書に提供される。
CMVの予防及び治療のためのケアの標準
免疫戦略を含む、CMVを予防及び/または治療するための様々なアプローチが以前に追求されているか、または現在進行中であり、そのうちのいくつかを以下に要約する。しかしながら、これらのアプローチの全てには欠点及び限界がある。(Schleiss et al.(2008),Curr Top Microbiol Immunol.325:361−382)。
ガンシクロビル及びバルガンシクロビル
いくつかの実施形態では、ガンシクロビルまたはバルガンシクロビルは、CMV感染の治療または予防のためのケア療法の標準である(Reusser P.et al.(2000);130(4):101−12;Biron et al.(2006)Antiviral Research71:154−163)。
ガンシクロビル(CYTOVENE(登録商標)及びZIRGAN(登録商標)として販売)及びバルガンシクロビル(VALCYTE(登録商標)として市販されているGanciclovirのプロドラッグ型)は、CMV感染を治療するためにHoffmann−La Rocheによって開発された抗ウイルス薬である。これらは2’−デオキシ−グアノシンの類似体であり、これはDNAへのdGTPの組み込み、次いでウイルス複製を競合的に阻害する(Sugawara M et al.,J Pharm Sci.2000;89(6):781−9)。CYTOVENE−IV(注射用ガンシクロビルナトリウム)は、「免疫不全患者におけるサイトメガロウイルス(CMV)網膜炎の治療及びCMV疾患のリスクのある移植患者におけるCMV疾患の予防における使用に限って」FDAが承認している(FDA Label,1/31/2006,page1)。
正常な腎機能を有する患者のCMV網膜炎の治療のためのCYTOVENE−IVの推奨投与レジメンは、14〜21日間、12時間ごとに5mg/kgの誘導期(1時間にわたって静脈内投与)、続いて5mg/kg(1時間にわたって静脈内投与)という維持期、1週間に7日、1日1回または6mg/kgを1日1回、週5日を含む。(同上、22頁)。正常腎機能を有する移植患者のCMV予防のために、推奨される用量レジメンは、7〜14日間12時間ごとに5mg/kg(1時間にわたって静脈内投与される);次いで5mg/kgを1日1回、週に7日、または6mg/kgを1日1回、週5日を含む。(同上)。
移植後120日目の心臓移植患者を対象とした研究では、血清陽性対象におけるCMVの発生率は、プラセボを与えられた対象の46%と比較して、治療を受けた対象では9%であった。(Biron et al.(2006)Antiviral Research71:154−163,page157.)骨髄移植対象に関する研究では、移植後100日で、治療された対象におけるCMVの発生率は、プラセボで治療した対象における43%と比較して3%であった。(同上)。
Bausch and Lomb(ZIRGAN(登録商標))によって販売されているガンシクロビルの1つの形態は、急性ヘルペス性角膜炎(樹枝状潰瘍)の治療についてFDAが承認する眼科用ゲルの形態である(FDAラベル、9/15/2009,page4;Wilhelmus KR et al.,2010,Cochrane Database Syst Rev12:CD002898)。
錠剤型のVALCYTE(登録商標)(塩酸バルガンシクロビル)は、後天性免疫不全症候群(AIDS)患者のCMV網膜炎の治療及び高リスクの腎臓、心臓、及び腎臓−膵臓移植患者のCMV疾患の予防について、成人患者でFDAが承認している。(FDAラベル、2015年4月23日、1頁)VALCYTE(登録商標)の投与レジメンは、2015年4月23日付けのFDAラベルに示されているとおり、以下の表に示す。
ガンシクロビルの経口型は、バイオアベイラビリティが低いことが見出された。(Biron et al.(2006)Antiviral Research71:154−163)。バルガンシクロビルは、ガンシクロビルよりも良好なバイオアベイラビリティを有することが報告されている。(Pescovitz MD et al.,Antimicrob Agents Chemother.2000;44(10):2811−5、Biron et al.(2006)Antiviral Research71:154−163)。
ガンシクロビル及びバルガンシクロビルに伴う有害な副作用としては:発熱、発疹、下痢、及び血液学的影響(好中球減少症、貧血及び血小板減少症など)、ならびに潜在的な生殖毒性が挙げられる。ガンシクロビルは、動物試験で妊孕性に影響を与え、発癌性及び催奇性に影響することも判明した。(Biron et al.(2006)Antiviral Research71:154−163)。
ガンシクロビルまたはバルガンシクロビルによるCMV感染の治療を含む第3相臨床試験には、以下の臨床試験政府識別番号に関連する試験が含まれる:NCT00000143、NCT00000136、NCT00000134、NCT00497796、NCT00227370、NCT00466817、及びNCT00294515。ガンシクロビルまたはバルガンシクロビルを含む臨床試験の結果は、Biron et al.(2006)Antiviral Research71:154−163(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に要約されている。
CMVの開発における実験的ワクチン
TransVax(商標)(ASP0113及びVCL−CB01としても公知)
TransVax(商標)は、Vical Incorporated及びAstellas Pharma Inc.(Smith et al.(2013)Vaccines1(4):398−414)によって開発されているCMVワクチンである。TransVax(商標)は、CRL1005ポロキサマー及びベンザルコニウム中で製剤化された、CMV pp65及びgB抗原をコードするプラスミドを含む二価DNAワクチンである。(同上;Kharfan−Dabaja et al.(2012)Lancet Infect Dis12:290−99)。pp65抗原は、細胞傷害性T細胞応答を誘発し、細胞性免疫を与えるが、gB抗原は、細胞性免疫及び抗原特異的抗体産生の両方を誘発する。したがって、ワクチンは、細胞性免疫応答及び体液性免疫応答の両方を誘導することを意図している。pp65及びgB配列は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Smith et al.(2013)Vaccines1(4):398−414の402〜403頁に記載されているように、野生型タンパク質配列から欠失及びコドン最適化によって修飾されている。
TransVax(商標)は、骨髄移植及び固形臓器移植(SOT)患者などの造血幹細胞移植(HSCT)について、米国及び欧州でオーファンドラッグ指定を受けている。
第1相臨床試験では、ワクチンの1mg及び5mgをそれぞれ投与されたCMV対象の37.5%及び50%が、抗体またはT細胞応答を示した。(Smith et al.(2013)Vaccines1(4):398−414の406頁)。同種異系造血幹細胞移植を受けている患者で第2相臨床試験(ClinicalTrials.gov識別番号NCT00285259)を実施した(Kharfan−Dabaja et al.(2012)Lancet Infect Dis12:290−99)。移植患者は、移植前に1回を含む4回、実験ワクチンを受けた。(同上、292頁)。移植前の用量は、移植の3〜5日前に投与されたが、移植後の用量は、移植の21〜42日後、及び移植の84及び196日後に投与された。(同上)。エンドポイントには、サイトメガロウイルスのウイルス血症の安全性及び低下の評価が含まれていた。(同上)。サイトメガロウイルスのウイルス血症の発生率は、プラセボと比較して、ワクチンを受けた患者では低いことが判明した(61.8%(プラセボ)と比較して32.5%(ワクチン群);Kharfan−Dabaja et al.の294頁の表2)。このワクチンはまた、耐容性が高く、安全であると報告されている。(同上、295頁)。しかしながら、ワクチン治療後、抗ウイルス治療を必要とするウイルス血症の発生率は、プラセボ対照のそれに似ていた。(同上、296頁)。
TransVax(商標)は現在、ClinicalTrials.gov識別番号NCT01877655に基づいて、造血細胞移植(HCT)患者の治療の第3相臨床試験で試験されている。試験のエンドポイントは、移植後1年目の死亡率及び末梢器疾患(EOD)である。推定登録は500であり、ワクチンは筋肉内注射によって投与される。TransVax(商標)は現在、ClinicalTrials.gov識別番号NCT01974206に基づいて、CMV血清陽性ドナー由来の臓器を与えられているCMV血清陰性腎臓移植レシピエントにおける第2相臨床試験でも試験されている。この試験で測定される主な転帰は、薬物の最初の投与の1年後のCMVウイルス血症の発生率である。登録は150であり、ワクチンは、筋肉内注射によって投与される。試験に参加した対象は、移植の10日以内に無作為化してガンシクロビルまたはバルガンシクロビルを投与された。
TransVax(商標)を含む臨床試験は、ClinicalTrials.govのWebサイトで、次のClinicalTrials.gov識別番号:NCT02103426、NCT01877655、NCT01974206、及びNCT01903928として見出される。
Vical Inc.に譲渡され、CMVに関連する米国特許及び公開出願には、以下が挙げられる:参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第8,673,317号、同第9,180,162号、同第8,278,093号、同第7,888,112号、同第7,410,795号。
City of Hope/米国国立がん研究所/Helocyteによる開発中の実験的ワクチン
いくつかの実験的CMVワクチンが、City of Hope及びそのライセンシーであるHelocyteによって開発中である。City of Hopeに譲渡され、CMVに関連する米国特許及び公開出願としては以下が挙げられる:米国特許7,387,782号、同第7,025,969号、同第6,133,433号、同第6,207,161号、同第6,074,645号、同第6,251,399号、同第6,727,093号、同第6,726,910号、同第6,843,992号、同第6,544,521号、同第6,951,651号、同第8,580,276号、同第7,163,685号、同第6,242,567号、同第6,835,383号、同第6,156,317号、同第6,562,345号、同第2014−0065181号、及び同第2015−0216965号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
i)CMVPepVax
CMVPepVaxは、City of Hopeメディカルセンター、米国国立がん研究所、及びHelocyte,Incによって開発中の実験用ワクチンである。このワクチンは、pp65 T細胞エピトープ及び破傷風Tヘルパーエピトープをキメラペプチドの形態で含み、またアジュバントPF03512676も含む。(Nakamura R et al.,Lancet Heamatology(2016)Feb;3(2):e87−98)。
CMVPepVaxは、造血幹細胞移植(HCT)を受けているCMV血清陽性患者の第1b相臨床試験で試験した。(同上)。このワクチンは、28日目及び56日目に皮下投与により投与された。(同上)。ワクチンを投与された患者は、無再発生存期間の改善を示したことが報告された。(同上)。この臨床試験には、ClinicalTrials.gov識別番号NCT01588015が与えられた。CMVPepVaxは現在、第2相臨床試験中であり、ClinicalTrials.gov識別番号NCT02396134に準拠した、ドナー幹細胞移植を受けた血液悪性腫瘍患者におけるサイトメガロウイルス事象の頻度を低減する有効性を測定するために試験中である。
ii)CMV−MVAトリプレックス
CMV−MVA−トリプレックスは、City of Hopeメディカルセンター、米国国立がん研究所及びHelocyte、Inc.(以前のDiaVax Biosciences)によって開発中の実験的なCMVワクチンである。このワクチンは、CMV抗原UL83(pp65)、UL123(IE1)及びUL122(IE2)をコードする不活性化改変ワクシニア・アンカラ(MVA)ウイルスベクターからなる。(NCI Drug Dictionary。)
CMV−MVAトリプレックスは、以前にCMVに感染し、ドナー造血細胞移植を受けている患者のCMV合併症を低減する有効性を検討する第2相臨床試験で現在試験中である。この試験には、ClinicalTrials.gov識別番号NCT02506933が付与されている。以前にCMVに曝露されているかまたはしていない健康なボランティアの第1相臨床試験も進行中である(ClinicalTrials.gov識別番号NCT01941056)。
iii)五量体
City of Hope及びHelocyte、Inc.はまた、5つのCMV五量体サブユニットをコードする改変ワクシニア・アンカラ(MVA)ウイルスベクターを用いて五量体ワクチンを追求している。このワクチンはまだ前臨床開発中である。(Wussow et al.(2014)PLoS Pathog10(11):e1004524.doi:10.1371/journal.ppat.1004524)。
gB/MF59
この実験ワクチンは、もともと1990年代に開発されたもので、gB抗原とMF59アジュバントを組み合わせている。(Pass et al.(2009)J Clin Virol46(Suppl4):S73−S76)。1990年代に行われたChiron Corporationが支援したいくつかの臨床試験で、このワクチンが安全であることが示された。(同上、2頁)。Sanofi Pasteurは後にこのワクチンの権利を取得した。(同上)。
第2相臨床試験は、CMV感染までの終点を使用して、1999年に開始した産後の女性(2006年に登録完了した)で実施した(同上、3頁)。対象に0、1、及び6ヶ月でワクチンを投与した。(Rieder et al.(2014)Clin Microbiol Infect20(Suppl.5):95−102,page98)。CMVの感染は、プラセボ治療対象の14%(それぞれ43%の有効性に相当)と比較して、ワクチン治療対象の8%で診断された。結果によって、ワクチンで治療された対象におけるCMV感染率の50%の低下が示された(プラセボ治療対象における6.6%と比較して試験対象における3.3%)。(同上;Pass et al.(2009)J Clin Virol46(Suppl4):S73−S76.,page4.)。CMV感染率の50%低下は、「臨床的観点から望むよりも低い」と記載されている(Rieder et al.(2014)Clin Microbiol Infect20(Suppl.5):95−102,page98)。
腎臓移植患者及び肝臓移植患者において、第2相臨床試験がまた、gB/MF59で行われている(同上、100頁)。「高gB抗体価は、ウイルス血症の持続時間が短いことと相関している」ということ、及び「ウイルス血症の期間及びガンシクロビル治療の日数は低減した」ということが報告された(同上)。
gB/MF59を対象とした臨床試験は、ClinicalTrials.govのウェブサイトで、次のClinicalTrials.gov識別番号:NCT00133497、NCT00815165、及びNCT00125502で見出される。
Sanofi Pasteur SAに譲渡された米国特許出願第2009−0104227号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
gB/AS01
Glaxo SmithKlineは、AS01アジュバントと組み合わせたgB抗原を含む実験的ワクチンを開発中である。(McVoy(2013)Clinical Infectious Diseases57(S4):S196−9,pageS197)。このワクチンは、GSK1492903Aと呼ばれる。GSK1492903Aを対象とした臨床試験は、ClinicalTrials.govのWebサイトで、以下のClinicalTrials.gov識別番号:NCT00435396及びNCT01357915で見出される。
GlaxoSmithKline Biologicals SAによって出願されたWO2016/067239及びWO2015/181142は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
Towneワクチン
CMVのTowneワクチンは生弱毒化ワクチンである。(McVoy(2013)Clinical Infectious Diseases57(S4):S196−9,pageS197)。このワクチンは、少なくとも低用量で投与された場合、一次的な母系感染からの保護に成功しなかった。(同上)。腎臓移植対象を対象とした試験では、このワクチンを用いた治療は、軽度の疾患に与える影響を最小限に抑えながら、重度の疾患の軽減をもたらした。(Plotkin et al.(1994)Transplantation58(11):1176−8)。
Towneゲノムの切片が他の「低継代」株からの配列で置換された生弱毒化ワクチンも開発されており、これは「Towne−Toledoキメラ」と呼ばれ、第1相臨床試験で耐容性が高いことが判明した。(McVoy(2013)Clinical Infectious Diseases57(S4):S196−9,pageS197、Heineman et al.(2006)The Journal of Infectious Diseases193:1350−60)。Towneゲノムの一部を含むキメラウイルスゲノムは、その全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,204,990号に記載され、かつ参照により組み込まれる。
研究されている別のアプローチは、Towneワクチンを、アジュバント組み換えインターロイキン−12(rhIL−12)と同時投与することを伴う(Jacobson et al.(2006)Vaccine24:5311−9)。
CMV−CTL
CMV標的化T細胞プログラム(CMV−CTL)は、Atara Biotherapeuticsによって開発されている細胞性免疫療法アプローチである。
第1相臨床試験では、CMV pp65またはpp65/IE1ペプチド混合物を用いて単球をパルスしてCMV CTLを拡大させ、免疫学的効果を調べた。(Bao et al.(2012)J Immunother35(3):293−298)。CTLを受けた対象の約70%において、CMV特異的免疫応答が観察された。(同上、5頁)。
同種造血幹細胞移植後のCMV感染または持続性CMVウイルス血症の治療のための第三者ドナー由来のCMVpp65特異的T細胞を調べる第2相臨床試験が現在進行中である。この試験には、ClinicalTrials.gov識別番号NCT02136797を割り当てた。第2相臨床試験も進行中であり、同種造血幹細胞移植後のCMV感染または持続性CMVウイルス血症の治療のための初代移植ドナー由来CMVpp65特異的T細胞を検討している。この試験には、ClinicalTrials.gov識別番号NCT01646645を割り当てた。
モノクローナルAb
Novartis
Novartisによって開発されているCSJ148は、gB及びCMV五量体複合体を標的とする2つのモノクローナル抗体の組み合わせである。(Dole et al.(2016)Antimicrob Agents Chemother.Apr22;60(5):2881−7)。2つの抗体は、LJP538及びLJP539として公知である。(同上)。LJP538、LJP539、及びCSJ148は、健康なボランティアに静脈内投与された場合に安全であることが見出され、IgGの予想薬物動態を明らかにした(同上)。CSJ148は現在、幹細胞移植患者(ClinicalTrials.gov識別番号NCT02268526)の有効性と安全性を調査する第2相臨床試験中である。
Theraclone
TCN−202は、TheracloneによってCMV感染の治療のために開発されている完全ヒトモノクローナル抗体である。TCN−202は、第1相臨床試験(ClinicalTrial.gov識別番号NCT01594437)において安全で許容性が高いことが判明した。腎臓移植レシピエントの有効性を調査するため、第2相試験が2013年に開始された。(Theracloneプレスリリース、2013年9月10日)。
ブリンシドホビル
ブリンシドホビル(CMX001)は、CMVを含むDNAウイルスの治療のために、Chimerix、Durham、N.C.によって開発されている実験的な脂質−ヌクレオチドコンジュゲートである。ブリンシドホビルは、FDAからCMVについてファスト・トラック指定を受けた。
造血細胞移植(HCT)を受けている対象におけるCMV予防を検討する第3相臨床試験(「SUPPRESS」と呼ばれる)の結果は、2016年2月に発表された。(Chimerix Press Release,February20,2016)。この試験では、24週でCMVを予防するという主要エンドポイントに達しなかったが、治療段階で抗ウイルス効果が観察されたことが報告された。(同上)。この試験には、HCTを受けている対象452人が参加し、週に2回ブリンシドホビルを最大14週間まで投与された。(同上)。ブリンシドホビルによる治療後、移植片対宿主病(GVHD)の治療のためのコルチコステロイドなどの免疫ステロイドの使用が増加したことが、試験の主要エンドポイントに達しなかったことに寄与した可能性があると推測された。(同上)。他の第3相試験は、SUPPRESS試験の結果に基づいて終了したが、Chimerixは、腎臓移植を受けた対象において、第2相試験を更に進める意向であることを示した。(同上)。
ブリンシドホビルに関連する臨床試験に関する情報は、以下の識別番号を含み、ClinicalTrials.govのウェブサイトに見出される:NCT02087306、NCT02271347、NCT02167685、NCT02596997、NCT02439970、NCT00793598、NCT01769170、NCT00780182、NCT01241344、NCT00942305、NCT02420080、NCT02439957、NCT01143181、及びNCT01610765。
V160
V160は、弱毒化AD169株に基づく、Merckによって開発中の実験的なCMVワクチンである。V160は現在、健康な成人の複数の製剤を試験する3回投与レジメンを評価する第1相臨床試験で試験されている。この試験には、ClinicalTrials.gov識別番号NCT01986010を割り当てた。
Merckはまた、CMV五量体複合体を標的とするワクチンを追求している(Loughney et al.(2015)jbc.M115.652230)。Merck Sharp&Dohme Corpに譲渡された米国特許及び公開出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第2014−0220062号及び米国特許第2015−0307850号を含む。
レテルモビル
レテルモビル(AIC246)は、CMV感染の治療のためにMerckによって開発中の抗ウイルス薬である(Chemaly et al.(2014)New England Journal of Medicine,370;19,May8,2014、Verghese et al.(2013)Drugs Future.May;38(5):291−298)。レテルモビルは、ClinicalTrials.gov識別番号NCT01063829に対応する、HSCTレシピエントにおけるCMVの予防を検討する第IIb相臨床試験で試験され、移植対象におけるCMV感染の発生率を低下させることが判明した。
Redvax GmbH/Pfizer
CMVを標的とする前臨床候補は、Redbiotec AGからの独立企業であるRedvax GmbHによって開発された。この候補は、現在、Pfizerによって追求されている。
Redvax GmbHまたはPfizerに譲渡され、CMVに関連する特許及び特許刊行物としては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる、US2015−0322115、WO2015/170287、US2015−0359879、及びWO2014/068001が挙げられる。
治療的及び予防的組成物
本明細書では、ヒトにおけるHCMVの予防、治療または診断のための組成物(例えば、薬学的組成物)、方法、キット及び試薬が提供される。HCMV RNAワクチンは、治療薬または予防薬として使用することができる。それらは、感染症の予防及び/または治療のために医薬において使用され得る。いくつかの実施形態では、本発明のHCMVワクチンは、例えばエキソビボで末梢血単核細胞(PBMC)を活性化する、免疫エフェクター細胞のプライミングに使用され、次いで対象に注入(再注入)されることが想定され得る。
例示的な実施形態では、本明細書に記載のRNAポリヌクレオチドを含有する1つ以上のHCMVワクチンは、対象(例えば、ヒト対象などの哺乳動物対象)に投与してもよく、RNAポリヌクレオチドは、インビボで翻訳されて抗原ポリペプチドが産生される。いくつかの実施形態では、対象は、臓器ドナーまたは臓器レシピエントである。例えば、対象は、免疫が低下した臓器移植レシピエントであり得る。いくつかの実施形態では、移植レシピエントは、造血細胞移植レシピエントまたは実質臓器移植レシピエントである。いくつかの実施形態では、対象は、出産適齢期の女性である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のワクチンは、母親から子供へのHCMVの先天性伝染を低減または防止する。(Pass et al.(2014)J Ped Infect Dis3(suppl1):S2−S6)。
HCMV RNAワクチンは、細胞、組織または生物体におけるポリペプチド(例えば、抗原または免疫原)の翻訳のために誘導され得る。例示的な実施形態では、このような翻訳は、インビボで生じるが、このような翻訳がエキソビボ、培養またはインビトロで起こる実施形態が想定され得る。例示的な実施形態では、細胞、組織または生物は、抗原ポリペプチドをコードする少なくとも1つの翻訳可能領域を有するポリヌクレオチドを含むHCMV RNAワクチンを含む有効量の組成物と接触される。
1つ以上のHCMV RNAワクチンの「有効量」は、標的組織、標的細胞型、投与手段、ポリヌクレオチドの物理的特性(例えば、修飾されたヌクレオシドのサイズ及び程度)及びHCMV RNAワクチンの他の成分、及び他の決定因子に少なくとも部分的に基づいて提供される。一般に、有効量の1つ以上のHCMV RNAワクチン組成物は、細胞内の抗原産生の関数として、好ましくは同じ抗原またはペプチド抗原をコードする対応する非修飾ポリヌクレオチドを含有する組成物よりも効率的な、誘発または増強された免疫応答を提供する。抗原産生の増加は、細胞トランスフェクト(RNAワクチンでトランスフェクトされた細胞のパーセンテージ)の増加、ポリヌクレオチドからのタンパク質翻訳の増加、核酸分解の減少(示されるように、例えば、修飾されたポリヌクレオチドからのタンパク質翻訳の増加した持続時間)、または宿主細胞の抗原特異的免疫応答の変化によって実証され得る。
いくつかの実施形態では、本開示によるRNAワクチン(ポリヌクレオチドをコードするポリペプチドを含む)をHCMVの治療に使用してもよい。
HCMV RNAワクチンは、健康な個体への活性免疫スキームの一部として予防的にもしくは治療的に投与されてもよく、または感染の初期にインキュベーション段階中もしくは症状発現後の活性感染中に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、細胞、組織または対象に提供される本開示のRNAワクチンの量は、免疫予防に有効な量であってもよい。
HCMV RNAワクチンは、他の予防または治療化合物とともに投与してもよい。非限定的な例として、予防的または治療的化合物は、アジュバントまたはブースターであってもよい。本明細書で使用される場合、ワクチンなどの予防組成物を指す場合、「ブースター免疫」という用語は、予防(ワクチン)組成物の余分な投与を指す。ブースター(またはブースターワクチン)は、予防組成物のより早期の投与後に与えられてもよい。予防組成物の初期投与とブースター投与との間の投与時間は限定するものではないが、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分、20分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日、36時間、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、10日、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、18ヶ月、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、11年、12年、13年、14年、15年、16年、17年、18年、19年、20年、25年、30年、35年、40年、45年、50年、55年、60年、65年、70年、75年、80年、85年、90年、95年または99年超であってもよい。例示的な実施形態では、予防組成物の初期投与とブースターとの間の投与時間は、限定するものではないが、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、または1年であり得る。
いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、当該技術分野で公知の不活性化ワクチンの投与と同様に、筋肉内または皮内に投与され得る。
HCMV RNAワクチンは、感染の有病率、または満たされていない医学的必要性の程度もしくはレベルに応じて、様々な状況で利用することができる。非限定的な例として、RNAワクチンは、様々な感染症を治療及び/または予防するために利用され得る。RNAワクチンは、より大きな抗体価を生成し、市販の抗ウイルス剤よりも早く応答を生成する点で優れた特性を有する。
HCMV RNAワクチン及びRNAワクチン組成物及び/または複合体を必要に応じて1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む薬学的組成物が本明細書で提供される。
HCMV RNAワクチンは、単独で、または1つ以上の他の成分と組み合わせて製剤化されても、または投与されてもよい。例えば、HCMV RNAワクチン(ワクチン組成物)は、アジュバントを含むがこれに限定されない他の成分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンはアジュバントを含まない(それらはアジュバントフリーである)。
HCMV RNAワクチンは、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて製剤化されても、または投与されてもよい。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、少なくとも1つの追加の活性物質、例えば治療上有効な物質、予防的に有効な物質、またはその両方の組み合わせを含む。ワクチン組成物は、滅菌であっても、発熱物質フリーであっても、または滅菌されかつ発熱物質フリーであってもよい。ワクチン組成物などの医薬品の製剤化及び/または製造における一般的な考察は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy21st ed.,Lippincott Williams&Wilkins,2005(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に見出され得る。
いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、ヒト、ヒト患者または対象に投与される。本開示の目的のために、「活性成分」という語句は、一般にRNAワクチンまたはその中に含まれるポリヌクレオチド、例えば抗原ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド(例えばmRNAポリヌクレオチド)をいう。
本明細書に記載のワクチン組成物の製剤は、薬理学の分野で知られているかまたは今後開発される任意の方法によって調製することができる。一般に、このような調製方法は、活性成分(例えば、mRNAポリヌクレオチド)を賦形剤及び/または1つ以上の他の補助成分と会合させること、次いで、必要であれば及び/または望ましい場合には、所望の単回投与単位または複数回投与単位に製品を分割、形成及び/または包装することを含む。
本開示による薬学的組成物中の有効成分、医薬的に許容される賦形剤及び/または任意の追加の成分の相対量は、治療される対象の同一性、サイズ及び/または状態に依存して、更に組成物が投与される経路に依存して変化する。一例として、この組成物は、0.1〜100%、例えば0.5〜50%、1〜30%、5〜80%、少なくとも80%(w/w)の活性成分を含んでもよい。
HCMV RNAワクチンは、(1)安定性を増加させるために;(2)細胞トランスフェクトを増加させるために;(3)持続放出または遅延放出(例えば、デポー製剤から)を可能にするために;(4)生体内分布を変えるために(例えば、標的を特定の組織または細胞型に標的する);(5)インビボでコードされたタンパク質の翻訳を増加させるために;及び/または(6)インビボでコードされたタンパク質(抗原)の放出プロファイルを変更するために、1つ以上の賦形剤を用いて製剤化してもよい。任意のかつ全ての溶媒、分散媒質、希釈剤または他の液体ビヒクルなどの伝統的な賦形剤に加えて、分散剤または懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、防腐剤、賦形剤は、限定されるものではないが、リピドイド、リポソーム、脂質ナノ粒子、ポリマー、リポプレックス、コア−シェルナノ粒子、ペプチド、タンパク質、HCMV RNAワクチンでトランスフェクトされた細胞(例えば、対象への移植のため)、ヒアルロニダーゼ、ナノ粒子模倣体、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。
安定化エレメント
天然に存在する真核生物mRNA分子は、5’−キャップ構造または3’−ポリ(A)尾部のような他の構造的特徴に加えて、その5’末端(5’UTR)及び/またはその3’末端(3’UTR)に非翻訳領域(UTR)を含むがこれらに限定されない安定化エレメントを含むことが見出されている。5’UTR及び3’UTRの両方とも、典型的には、ゲノムDNAから転写され、早期mRNAのエレメントである。成熟mRNAの特徴的な構造的特徴、例えば5’−キャップ及び3’−ポリ(A)尾部は、通常、mRNAプロセシング中に、転写された(早期)mRNAに付加される。3’−ポリ(A)尾部は、典型的には、転写されたmRNAの3’末端に付加されたアデニンヌクレオチドのストレッチである。これは約400までのアデニンヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、3’−ポリ(A)尾部の長さは、個々のmRNAの安定性に関して必須の要素であり得る。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、1つ以上の安定化エレメントを含んでもよい。安定化エレメントとしては、例えば、ヒストンステムループを挙げてもよい。32kDaタンパク質であるステムループ結合タンパク質(SLBP)が特定されている。これは、核及び細胞質の両方におけるヒストンメッセージの3’末端でヒストンステムループと会合している。その発現レベルは、細胞周期によって調節される;これは、S期の間にピークになり、この時、ヒストンmRNAレベルもまた上昇する。このタンパク質は、U7 snRNPによるヒストンプレmRNAの効率的な3’末端プロセシングに必須であることが示されている。SLBPは、プロセシング後にステムループと関連し続け、次いで細胞質中での成熟ヒストンmRNAのヒストンタンパク質への翻訳を刺激する。SLBPのRNA結合ドメインは、後生動物及び原生動物にわたって保存されており、ヒストンステムループへのその結合は、そのループの構造に依存する。最小結合部位は、ステムループに対して少なくとも3つのヌクレオチド5’及び2つのヌクレオチド3’を含む。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、コード領域、少なくとも1つのヒストンステムループ、及び必要に応じてポリ(A)配列またはポリアデニル化シグナルを含む。ポリ(A)配列またはポリアデニル化シグナルは、一般に、コードされたタンパク質の発現レベルを増強すべきである。コードされたタンパク質は、いくつかの実施形態では、ヒストンタンパク質、レポータータンパク質(例えば、ルシフェラーゼ、GFP、EGFP、β−ガラクトシダーゼ、EGFP)でも、またはマーカーもしくは選択タンパク質(例えば、α−グロビン、ガラクトキナーゼ及びキサンチン:グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(GPT))でもない。
いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列またはポリアデニル化シグナルと少なくとも1つのヒストンステムループとの組み合わせは、たとえ両者が本質的に代替的機構を示すとしても、相乗的に作用して、個々のエレメントのいずれかで観察されるレベルを超えてタンパク質発現を増加する。ポリ(A)と少なくとも1つのヒストンステムループとの組み合わせの相乗効果は、そのエレメントの順序にも、ポリ(A)配列の長さにも依存しないことが見出されている。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、ヒストン下流エレメント(HDE)を含まない。「ヒストン下流エレメント」(HDE)は、ヒストンプレ−mRNAの成熟ヒストンmRNAへのプロセシングに関与する、U7 snRNAの結合部位を表す、天然に存在するステムループの約15〜20ヌクレオチド3’のプリンリッチなポリヌクレオチドストレッチを含む。理想的には、本発明の核酸はイントロンを含まない。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、エンハンサー及び/またはプロモーター配列を含んでも含まなくてもよく、この配列は、修飾されていても修飾されていなくてもよく、または活性化されても不活性化されていてもよい。いくつかの実施形態では、ヒストンステムループは一般に、ヒストン遺伝子に由来し、構造のループを形成する短い配列からなる、スペーサーによって分離された2つの隣接する部分的にまたは完全に逆相補的な配列の分子内塩基対形成を含む。対形成されていないループ領域は、通常は、いずれかのステムループエレメントと塩基対を形成することができない。これは、多くのRNA二次構造の重要な構成要素であるので、RNAにおいてより頻繁に起こるが、同様に一本鎖DNA中にも存在し得る。ステムループ構造の安定性は、一般に、長さ、ミスマッチまたはバルジの数、及び対形成領域の塩基組成に依存する。いくつかの実施形態では、ウォブル塩基対形成(非ワトソン−クリック塩基対形成)が生じる場合がある。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのヒストンステムループ配列は、15〜45ヌクレオチドの長さを含む。
他の実施形態では、RNAワクチンは、1つ以上のAUリッチ配列が除去されてもよい。時にはAURESと呼ばれるこれらの配列は、3’UTRに見られる不安定化配列である。AURESは、RNAワクチンから除去されてもよい。あるいは、AURESはRNAワクチン中に残っていてもよい。
ナノ粒子製剤
いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、ナノ粒子中に製剤化される。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、脂質ナノ粒子中に製剤化される。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、脂質ナノ粒子と呼ばれる脂質−ポリカチオン複合体中に製剤化される。脂質ナノ粒子の形成は、当該技術分野で公知の方法により達成されてもよいし、及び/またはその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第20120178702号に記載されるように達成されてもよい。非限定的な例として、ポリカチオンとしては、カチオン性ペプチドまたはポリペプチド、例えば、限定するものではないが、ポリリジン、ポリオルニチン、及び/またはポリアルギニン、ならびに国際公開第WO2012013326号または米国特許公開第US20130142818号(その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のカチオン性ペプチドが挙げられる。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンは、限定されないが、コレステロールまたはジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)のような非カチオン性脂質を含む脂質ナノ粒子中に製剤化される。
脂質ナノ粒子製剤は、限定するものではないが、イオン化可能な脂質成分の選択、イオン化可能な脂質飽和度、PEG化の性質、全ての成分の比及び生物学的パラメータ、例えばサイズなどの影響を受ける場合がある。Sempleらによる一例では(Nature Biotech、2010 28:172−176;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、脂質ナノ粒子製剤は、57.1%のカチオン性脂質、7.1%のジパルミトイルホスファチジルコリン、34.3%のコレステロール及び1.4%のPEG−c−DMAから構成される。別の例として、カチオン性脂質の組成を変化させることにより、様々な抗原提示細胞にsiRNAをより効果的に送達することができる(Basha et al.Mol Ther.2011 19:2186−2200、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、35〜45%のイオン化可能なカチオン性脂質、40〜50%のイオン化可能なカチオン性脂質、50〜60%のイオン化可能なカチオン性脂質、及び/または55〜65%のイオン化可能なカチオン性脂質を含んでもよい。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子中の脂質対RNA(例えば、mRNA)の比は、5:1〜20:1、10:1〜25:1、15:1〜30:1及び/または少なくとも30:1であってもよい。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤中のPEGの比を増加もしくは減少させるか、及び/またはPEG脂質の炭素鎖長をC14からC18に改変して、その脂質ナノ粒子製剤の薬物動態及び/または生体内分布を変更してもよい。非限定的な例として、脂質ナノ粒子製剤は、0.5%〜3.0%、1.0%〜3.5%、1.5%〜4.0%、2.0%〜4.5%、2.5%〜5.0%及び/または3.0%〜6.0%という脂質モル比のPEG−c−DOMG(R−3−[(ω−メトキシ−ポリ(エチレングリコール)2000)カルバモイル]]−1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−アミン(本明細書ではPEG−DOMGとも呼ぶ)を、カチオン性脂質、DSPC及びコレステロールと比較して含んでもよい。いくつかの実施形態では、PEG−c−DOMGは、PEG脂質、例えば、限定するものではないが、PEG−DSG(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)、PEG−DMG(1,2−ジミリストイル−sn−グリセロール)及び/またはPEG−DPG(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)で置き換えられてもよい。カチオン性脂質は、限定するものではないが、DLin−MC3−DMA、DLin−DMA、C12−200及びDLin−KC2−DMAのような当該技術分野で公知の任意の脂質から選択してもよい。
いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチン製剤は、少なくとも1つの脂質を含むナノ粒子である。脂質は、限定するものではないが、DLin−DMA、DLin−K−DMA、98N12−5、C12−200、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMA、DODMA、PLGA、PEG、PEG−DMG、PEG化脂質、及びアミノアルコール脂質から選択され得る。いくつかの実施形態では、脂質は、限定するものではないが、DLin−DMA、DLin−D−DMA、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMA、DODMA、及びアミノアルコール脂質などのカチオン性脂質であってもよい。このアミノアルコールカチオン性脂質は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第US20130150625号に記載されるか、及び/または記載の方法によって製造された脂質であってもよい。非限定的な例として、カチオン性脂質は、2−アミノ−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z,2Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(US20130150625の化合物1);2−アミノ−3−[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(US20130150625の化合物2);2−アミノ−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−[(オクチルオキシ)メチル]プロパン−1−オール(US20130150625の化合物3);及び2−(ジメチルアミノ)−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(US20130150625の化合物4);またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体であってもよい。
脂質ナノ粒子製剤は、典型的には、脂質、特にイオン化可能なカチオン性脂質、例えば2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメトルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)、またはジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)を含み、更に中性脂質、ステロール及び粒子凝集を低減することができる分子、例えばPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、(i)2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される少なくとも1つの脂質;(ii)DSPC、DPPC、POPC、DOPE及びSMから選択される中性脂質;(iii)ステロール、例えば、コレステロール;ならびに(iv)PEG−脂質、例えば、20〜60%のイオン化可能なカチオン性脂質:5〜25%の中性脂質:25〜55%のステロール;0.5〜15%のPEG−脂質というモル比でのPEG−DMGまたはPEG−cDMAから本質的になる。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で25%〜75%の2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質を、例えば、モル基準で35〜65%、45〜65%、60%、57.5%、50%または40%含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で0.5〜15%、例えば、モル基準で、3〜12%、5〜10%もしくは15%、10%、または7.5%の中性脂質を含む。中性脂質の例としては、限定するものではないが、DSPC、POPC、DPPC、DOPE及びSMが挙げられる。いくつかの実施形態では、製剤は、モル基準で5%〜50%のステロール(例えば、15〜45%、20〜40%、40%、38.5%、35%、または31%)をモル基準で含む。ステロールの非限定的な例は、コレステロールである。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で0.5%〜20%のPEGまたはPEG修飾脂質(例えば、モル基準で0.5〜10%、0.5〜5%、1.5%、0.5%、1.5%、3.5%、または5%)を含む。いくつかの実施形態では、PEGまたはPEG修飾脂質は、2,000Daの平均分子量のPEG分子を含む。いくつかの実施形態では、PEGまたはPEG修飾脂質は、平均分子重量2,000未満、例えば、約1,500Da、約1,000Da、または約500DaのPEG分子を含む。PEG修飾脂質の非限定的な例としては、PEG−ジステアロイルグリセロール(PEG−DMG)(本明細書ではまた、PEG−C14またはC14−PEGとも呼ばれる)、PEG−cDMA(その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれるReyes et al.,J.Controlled Release,107,276−287(2005)において更に考察されている)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、25〜75%の2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、0.5〜15%の中性脂質、5〜50%のステロール、ならびに0.5〜20%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、35〜65%の、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、3〜12%の中性脂質、15〜45%のステロール、ならびに0.5〜10%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、45〜65%の、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、5〜10%の中性脂質、25〜40%のステロール、ならびに0.5〜10%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、60%の、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、7.5%の中性脂質、31%のステロール、ならびに1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、50%の2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質、10%の中性脂質、38.5%のステロール、ならびに1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される50%のカチオン性脂質、10%の中性脂質、35%のステロール、4.5%または5%のPEGまたはPEG修飾脂質、ならびに0.5%の標的化脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される40%のカチオン性脂質、15%の中性脂質、40%のステロール、ならびに5%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される57.2%のカチオン性脂質、7.1%の中性脂質、34.3%のステロール、及び1.4%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、PEG−cDMAであるPEG脂質(PEG−cDMAは、Reyes et al.(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、J.Controlled Release、107,276−287(2005)に更に考察される)から選択される57.5%のカチオン性脂質、7.5%の中性脂質、31.5%のステロール、及び3.5%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、20〜70%のイオン化可能なカチオン性脂質:5〜45%の中性脂質:20〜55%のコレステロール:0.5〜15%のPEG修飾脂質というモル比の脂質混合物から本質的になる。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、20〜60%のイオン化可能なカチオン性脂質:5〜25%の中性脂質:25〜55%のコレステロール:0.5〜15%のPEG修飾脂質というモル比の脂質混合物から本質的になる。
いくつかの実施形態では、モル脂質比は、50/10/38.5/1.5(イオン化可能なカチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えば、DSPC/Chol/PEG−修飾脂質、例えば、PEG−DMG、PEG−DSGまたはPEG−DPG)、57.2/7.1134.3/1.4(イオン化可能なカチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えばDPPC/Chol/PEG修飾脂質、例えばPEG−cDMA)、40/15/40/5(イオン化可能なカチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMG)、50/10/35/4.5/0.5(イオン化可能なカチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えばDSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えばPEG−DSG)、50/10/35/5(イオン化可能なカチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMG)、40/10/40/10(イオン化可能なカチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えばDSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えばPEG−DMGまたはPEG−cDMA)、35/15/40/10(イオン化可能なカチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えばDSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMA)、または52/13/30/5(イオン化可能なカチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDNA)。
脂質ナノ粒子組成物の非限定的な例及びそれらの作製方法は、例えば、Semple et al.(2010)Nat.Biotechnol.28:172−176、Jayarama et al.(2012),Angew.Chem.Int.Ed.,51:8529−8533、及びMaier et al.(2013)Molecular Therapy21,1570−1578(これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、イオン化可能なカチオン性脂質、PEG脂質、及び構造脂質を含み、必要に応じて非カチオン性脂質を含んでもよい。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、40〜60%のイオン化可能なカチオン性脂質、5〜15%の非カチオン性脂質、1〜2%のPEG脂質、及び30〜50%の構造脂質を含んでもよい。別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、50%のイオン化可能なカチオン性脂質、10%の非カチオン性脂質、1.5%のPEG脂質、及び38.5%の構造脂質を含んでもよい。更に別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、55%のイオン化可能なカチオン性脂質、10%の非カチオン性脂質、2.5%のPEG脂質、及び32.5%の構造脂質を含んでもよい。いくつかの実施形態では、イオン化可能なカチオン性脂質は、本明細書に記載の任意のカチオン性脂質、例えば、限定するものではないが、DLin−KC2−DMA、DLin−MC3−DMA及びL319であってもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子製剤は、4成分の脂質ナノ粒子であってもよい。脂質ナノ粒子は、イオン化可能なカチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質、及び構造脂質を含んでもよい。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、40〜60%のイオン化可能なカチオン性脂質、5〜15%の非カチオン性脂質、1〜2%のPEG脂質、及び30〜50%の構造脂質を含んでもよい。別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、50%のイオン化可能なカチオン性脂質、10%の非カチオン性脂質、1.5%のPEG脂質、及び38.5%の構造脂質を含んでもよい。更に別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、55%のイオン化可能なカチオン性脂質、10%の非カチオン性脂質、2.5%のPEG脂質、及び32.5%の構造脂質を含んでもよい。いくつかの実施形態では、イオン化可能なカチオン性脂質は、本明細書に記載の任意のカチオン性脂質、例えば、限定するものではないが、DLin−KC2−DMA、DLin−MC3−DMA及びL319であってもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子製剤は、イオン化可能なカチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質、及び構造脂質を含んでもよい。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質DLin−KC2−DMA、10%の非カチオン性脂質DSPC、1.5%のPEG脂質PEG−DOMG、及び38.5%の構造脂質コレステロールを含む。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質DLin−MC3−DMA、10%の非カチオン性脂質DSPC、1.5%のPEG脂質PEG−DOMG、及び38.5%の構造脂質コレステロールを含む。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質DLin−MC3−DMA、10%の非カチオン性脂質DSPC、1.5%のPEG脂質PEG−DMG、及び38.5%の構造脂質コレステロールを含む。更に別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、55%のカチオン性脂質L319、10%の非カチオン性脂質DSPC、2.5%のPEG脂質PEG−DMG、及び32.5%の構造脂質コレステロールを含む。
ワクチン組成物中の活性成分、薬学的に許容される賦形剤及び/または任意の追加の成分の相対量は、治療される対象の同一性、サイズ、及び/または病態に依存して、更に、組成物を投与する経路に依存して、変化し得る。例えば、組成物は、0.1%〜99%(w/w)の活性成分を含んでもよい。一例として、組成物は、0.1%〜100%、例えば、0.5〜50%、1〜30%、5〜80%、少なくとも80%(w/w)の活性成分を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチン組成物は、MC3、コレステロール、DSPC及びPEG2000−DMGを含む脂質ナノ粒子、緩衝液クエン酸三ナトリウム、スクロース及び注射用水中に製剤化された、本明細書に記載のポリヌクレオチドを含んでもよい。非限定的な例として、組成物は、以下を含む:2.0mg/mLの薬物(例えば、H10N8インフルエンザウイルスをコードするポリヌクレオチド)、21.8mg/mLのMC3、10.1mg/mLのコレステロール、5.4mg/mLのDSPC、2.7mg/mLのPEG2000−DMG、5.16mg/mLのクエン酸三ナトリウム、71mg/mLのスクロース、及び1.0mLの注射用水。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子)は、10〜500nm、20〜400nm、30〜300nm、40〜200nmの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子)は、50〜150nm、50〜200nm、80〜100nmまたは80〜200nmの平均直径を有する。
リポソーム、リポプレックス及び脂質ナノ粒子
本発明のRNAワクチンは、1種以上のリポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子を用いて製剤化してもよい。いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、HCMV抗原ポリペプチドgB、gH、gL、UL128、UL130、UL131、及びpp65の1つ以上をコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを含む1つ以上のRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンのRNAポリヌクレオチド成分の全てが、同じリポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子中に製剤化される。他の実施形態では、ワクチンのRNAポリヌクレオチド成分のうち1つ以上が、異なるリポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子に製剤化される。他の実施形態では、ワクチンのRNAポリヌクレオチド成分の各々は、異なるリポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子中に製剤化される。いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、gB、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131をコードするRNAポリヌクレオチドを含む。gB、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131をコードするRNAポリヌクレオチドは、1つ以上のリポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子中に製剤化してもよい。特定の実施形態では、gB、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131をコードするRNAポリヌクレオチドは、全て同じリポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子中に含まれる。いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、pp65をコードするRNAポリヌクレオチドを更に含む。いくつかの実施形態では、pp65ポリペプチドは、アミノ酸435〜438の欠失を含有する。pp65をコードするRNAポリヌクレオチドは、ワクチンの他のRNA構成要素とともに製剤化しても、ワクチンの他のRNA構成要素とは別個に製剤化してもよい。いくつかの実施形態では、pp65をコードするRNAポリヌクレオチドは、別個のワクチン中に製剤化される。いくつかの実施形態では、gB、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131をコードするRNAポリヌクレオチドは、全て同じリポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子中に含まれる一方で、pp65をコードするRNAポリヌクレオチドは、別個のリポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子中に製剤化される。RNAポリヌクレオチドが別個のリポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子中に製剤化される場合、それらは、一緒または別個に投与され得る。いくつかの実施形態では、pp65をコードするRNAポリヌクレオチドを含むリポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子は、gB、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131をコードするRNAポリヌクレオチドを含むリポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子よりも前に投与される。いくつかの実施形態では、pp65をコードするRNAポリヌクレオチドを含むリポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子は、gB、gH、gL、UL128、UL130、UL131、及びpp65をコードするRNAポリヌクレオチドを含むリポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子よりも前に投与される。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンの薬学的組成物にはリポソームが含まれる。リポソームは、人工的に調製された小胞であり、主に脂質二重層から構成され、栄養素及び医薬製剤の投与のための送達媒体として使用され得る。リポソームは、限定するものではないが、直径が数百ナノメートルであってもよく、狭い水性区画によって分離された一連の同心の二重層を含んでいてもよい多層小胞(MLV)、直径が50nmより小さくてもよい小さな単細胞小胞(SUV)、直径が50〜500nmであってもよい、大きな単層小胞(LUV)などの異なるサイズであってもよい。リポソーム設計は、限定するものではないが、リポソームの不健康な組織への付着を改善するため、または限定するものではないが、エンドサイトーシスなどの事象を活性化するために、オプソニンまたはリガンドを含んでもよい。リポソームは、医薬製剤の送達を改善するために、低pHを含んでも、または高pHを含んでもよい。
リポソームの形成は、物理化学的特性、例えば、限定するものではないが、封入された医薬製剤及びリポソーム成分、脂質小胞が分散されている媒体の性質、封入された物質の有効濃度及びその潜在毒性、小胞の適用及び/または送達中に関与する任意の追加のプロセス、意図される用途のための小胞の最適化サイズ、多分散性及び有効期間、ならびに安全かつ効率的なリポソーム生成物のバッチ間の再現性及び大規模生産の可能性に依存し得る。
非限定的な例として、合成膜小胞のようなリポソームは、その各々の内容が、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開第US20130177638号、同第US20130177637号、同第US20130177636号、同第US20130177635号、同第US20130177634号、同第US20130177633号、同第US20130183375号、同第US20130183373号、及び同第US20130183372に記載される方法、装置及びデバイスによって調製され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の薬学的組成物は、限定するものではないが、リポソーム、例えば、1,2−ジオレイルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DODMA)リポソームから形成されたリポソーム、Marina Biotech(Bothell、WA)のDiLa2リポソーム、1,2−ジリノレイルオキシ−3−ジメチルアミノプロパン(DLin−DMA)、2,2−ジリノレイル−4−(2−ジメチルアミノエチル)−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、及びMC3(US20100324120;参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)及び限定するものではないが、Janssen Biotech、Inc.(Horsham、PA)のDOXIL(登録商標)などの小分子薬物を送達し得るリポソームを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の薬学的組成物は、限定するものではないが、インビトロ及びインビボでのオリゴヌクレオチド送達について、以前に記載され、適切であることが示されている安定化プラスミド−脂質粒子(SPLP)または安定化核酸脂質粒子(SNALP)の合成から形成されるリポソームなどのリポソームを含んでもよい(Wheeler et al.Gene Therapy.1999 6:271−281、Zhang et al.Gene Therapy.1999 6:1438−1447、Jeffs et al.Pharm Res.2005 22:362−372、Morrissey et al.,Nat Biotechnol.2005 2:1002−1007、Zimmermann et al.,Nature.2006 441:111−114、Heyes et al.J Contr Rel.2005 107:276−287、Semple et al.Nature Biotech.2010 28:172−176、Judge et al.J Clin Invest.2009 119:661−673、deFougerolles Hum Gene Ther.2008 19:125−132、米国特許公開第US20130122104号(これらは全てその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。Wheelerらによるオリジナルの製造方法は、界面活性剤透析法であり、これは後にJeffsらによって改良され、自発的小胞形成法と呼ばれる。リポソーム製剤は、ポリヌクレオチドに加えて3〜4個の脂質成分から構成される。例として、リポソームは、限定するものではないが、55%コレステロール、20%ジステロイルホスファチジルコリン(DSPC)、10%PEG−S−DSG、及び15%の1,2−ジオレイルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DODMA)をJeffsらが記載のとおり含んでもよい。別の例として、特定のリポソーム製剤は、限定するものではないが、48%コレステロール、20%DSPC、2%PEG−c−DMA、及び30%カチオン性脂質を含んでもよく、このカチオン性脂質は1,2−ジステアリルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DSDMA)、DODMA、DLin−DMA、または1,2−ジリノレニルオキシ−3−ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)をHeyesらが記載するように含んでもよい。
いくつかの実施形態では、リポソーム製剤は、約25.0%のコレステロール〜約40.0%のコレステロール、約30.0%のコレステロール〜約45.0%のコレステロール、約35.0%のコレステロール〜約50.0%のコレステロール、及び/または約48.5%のコレステロール〜約60%のコレステロールを含んでもよい。好ましい実施形態では、製剤は、28.5%、31.5%、33.5%、36.5%、37.0%、38.5%、39.0%、及び43.5%からなる群から選択されるパーセンテージのコレステロールを含んでもよい。いくつかの実施形態では、製剤は、約5.0%〜約10.0%のDSPC及び/または約7.0%〜約15.0%のDSPCを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、少なくとも1つの免疫原(抗原)または任意の他の目的のポリペプチドをコードし得るポリヌクレオチドを送達するように形成され得る、リポソームを含んでもよい。RNAワクチンは、リポソームによってカプセル化されてもよく、及び/またはリポソームによって後にカプセル化され得る、水性コアに含有されてもよい(国際公開第WO2012031046号、同第WO2012031043号、同第WO201203090号、及び同第WO2012006378号、ならびに米国特許公開第US20130189351号、同第US20130195969号、及び同第US20130202684号(これらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
別の実施形態では、標的送達のためにリポソームを製剤化してもよい。非限定的な例として、リポソームは、肝臓への標的送達のために製剤化してもよい。標的送達のために使用されるリポソームとしては、限定するものではないが、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開第US20130195967号に記載されているリポソーム及び記載されているリポソームの製造方法が挙げられ得る。
別の実施形態では、免疫原(抗原)をコードし得るポリヌクレオチドは、カチオン性水中油エマルジョン中に製剤化され得、ここでは、エマルジョン粒子は、油コア及びエマルジョン粒子に分子を固定するポリヌクレオチドと相互作用し得るカチオン性脂質を含む(国際公開第WO2012006380号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、親水性相が分散されている連続疎水性相を含む油中水型エマルジョン中に製剤化されてもよい。非限定的な例として、エマルジョンは、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第WO201087791号に記載されている方法によって製造してもよい。
別の実施形態では、脂質製剤は、少なくともカチオン性脂質、トランスフェクトを増強することができる脂質、及び脂質部分に結合した親水性頭部基を含む少なくとも1種の脂質を含んでもよい(国際公開第WO2011076807号及び米国公開第20110200582号;これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。別の実施形態では、免疫原をコードするポリヌクレオチドは、機能化脂質二重層の間に架橋を有し得る脂質小胞に製剤化されてもよい(その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国公開第20120177724号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際出願第WO2013086526号に記載されているように、リポソーム中に製剤化してもよい。RNAワクチンは、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第WO2013086526号に記載されているような逆pH勾配及び/または最適化された内部緩衝液組成物を用いてリポソーム中に封入されてもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチン薬学的組成物は、限定するものではないが、DiLa2リポソーム(Marina Biotech、Bothell、WA)、SMARTICLES(登録商標)(Marina Biotech、Bothell、WA)、中性DOPC(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)ベースのリポソーム(例えば、卵巣がんのためのsiRNA送達)(Landen et al.,Cancer Biology&Therapy2006 5(12)1708−1713);その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及びヒアルロナンコーティングされたリポソーム(Quiet Therapeutics、Israel)などのリポソーム中に製剤化されてもよい。
いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第20130090372号に記載されているような低分子量カチオン性脂質であってもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、機能化脂質二重層の間に架橋を有し得る脂質小胞に製剤化されてもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、カチオン性脂質を含むリポソーム中に製剤化されてもよい。リポソームは、その全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO2013006825号に記載されているように、カチオン性脂質中の窒素原子とRNA中のリン酸塩(N:P比)とのモル比が1:1〜20:1であってもよい。別の実施形態では、リポソームは、20:1よりも大きいかまたは1:1より小さいN:P比を有してもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、脂質−ポリカチオン複合体中に製剤化されてもよい。脂質−ポリカチオン複合体の形成は、当該技術分野で公知の方法により、及び/またはその全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国公開第20120178702号に記載されるように達成されてもよい。非限定的な例として、ポリカチオンとしては、カチオン性ペプチドまたはポリペプチド、例えば、限定するものではないが、ポリリジン、ポリオルニチン、及び/またはポリアルギニン、ならびに国際公開第WO2012013326号または米国特許公開第US20130142818号(その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のカチオン性ペプチドが挙げられる。別の実施形態では、RNAワクチンは、限定するものではないが、コレステロールまたはジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)などの非カチオン性脂質を更に含んでもよい、脂質−ポリカチオン複合体中に製剤化してもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、アミノアルコールリピドイド中に製剤化されてもよい。本発明で使用することができるアミノアルコールリピドイドは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,450,298号に記載の方法によって調製してもよい。
リポソーム製剤は、限定するものではないが、カチオン性脂質成分の選択、カチオン性脂質飽和の程度、PEG化の性質、全ての成分の比、及びサイズなどの生物物理学的パラメータによって影響され得る。Sempleらによる一例では(Semple et al.,Nature Biotech.2010 28:172−176;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、リポソーム製剤は、57.1%のカチオン性脂質、7.1%のジパルミトイルホスファチジルコリン、34.3%のコレステロール及び1.4%のPEG−DMAから構成された。別の例として、カチオン性脂質の組成を変化させることにより、様々な抗原提示細胞にsiRNAをより効果的に送達することができる(Basha et al.Mol Ther.2011 19:2186−2200、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、リポソーム製剤は、約35〜約45%のカチオン性脂質、約40%〜約50%のカチオン性脂質、約50%〜約60%のカチオン性脂質及び/または約55%〜約65%のカチオン性脂質を含んでもよい。いくつかの実施形態では、リポソーム中の脂質対mRNAの比は、約5:1〜約20:1、約10:1〜約25:1、約15:1〜約30:1及び/または少なくとも30:1であってもよい。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子(LNP)製剤中のPEGの比を増加または減少させてもよく、及び/またはPEG脂質の炭素鎖長をC14からC18に改変して、LNP製剤の薬物動態及び/または生体内分布を変更してもよい。非限定的な例として、LNP製剤は、約0.5%〜約3.0%、約1.0%〜約3.5%、約1.5%〜約4.0%、約2.0%〜約4.5%、約2.5%〜約5.0%及び/または約3.0%〜6.0%という脂質モル比のPEG−c−DOMG(R−3−[(ω−メトキシ−ポリ(エチレングリコール)2000)カルバモイル)]−1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−アミン)(本明細書ではPEG−DOMGとも呼ばれる)を、カチオン性脂質、DSPC及びコレステロールと比較して含んでもよい。別の実施形態では、PEG−c−DOMGは、PEG脂質、例えば、限定するものではないが、PEG−DSG(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)、PEG−DMG(1,2−ジミリストイル−sn−グリセロール)及び/またはPEG−DPG(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)で置き換えられてもよい。カチオン性脂質は、限定するものではないが、DLin−MC3−DMA、DLin−DMA、C12−200及びDLin−KC2−DMAのような当該技術分野で公知の任意の脂質から選択してもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第WO2012170930号に記載されているような脂質ナノ粒子中に製剤化してもよい。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドを含むRNAワクチン製剤は、少なくとも1つの脂質を含み得るナノ粒子である。脂質は、限定するものではないが、DLin−DMA、DLin−K−DMA、98N12−5、C12−200、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMA、DODMA、PLGA、PEG、PEG−DMG、PEG化脂質、及びアミノアルコール脂質から選択され得る。別の態様では、脂質は、カチオン性脂質、例えば、限定するものではないが、DLin−DMA、DLin−D−DMA、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMA、DODMA、及びアミノアルコール脂質であってもよい。このアミノアルコールカチオン性脂質は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第US20130150625号に記載されるか、及び/または記載の方法によって製造された脂質であってもよい。非限定的な例として、カチオン性脂質は、2−アミノ−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z,2Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(US20130150625の化合物1);2−アミノ−3−[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(US20130150625の化合物2);2−アミノ−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−[(オクチルオキシ)メチル]プロパン−1−オール(US20130150625の化合物3);及び2−(ジメチルアミノ)−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(US20130150625の化合物4);またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体であってもよい。
脂質ナノ粒子製剤は、典型的には、脂質、特にイオン化可能なカチオン性脂質、例えば2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメトルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)、またはジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)を含み、更に中性脂質、ステロール及び粒子凝集を低減することができる分子、例えばPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、本質的に(i)2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される少なくとも1つの脂質;(ii)DSPC、DPPC、POPC、DOPE及びSMから選択される中性脂質;(iii)ステロール、例えば、コレステロール;ならびに(iv)PEG−脂質、例えばPEG−DMGまたはPEG−cDMA(約20〜60%のカチオン性脂質:5〜25%の中性脂質:25〜55%のステロール;0.5〜15%のPEG−脂質というモル比で)からなる。
いくつかの実施形態では、製剤は、モル基準で約25%〜約75%、例えばモル基準で約35〜約65%、約45〜約65%、約60%、約57.5%、約50%または約40%の2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質を含む。
いくつかの実施形態では、製剤は、モル基準で約0.5%〜約15%、例えば、約3〜約12%、約5〜約10%もしくは約15%、約10%、または約7.5%の中性脂質を含む。例示的な中性脂質としては、限定するものではないが、DSPC、POPC、DPPC、DOPE及びSMが挙げられる。いくつかの実施形態では、製剤は、モル基準で約5%〜約50%のステロール(例えば、約15〜約45%、約20〜約40%、約40%、約38.5%、約35%、または約31%)をモル基準で含む。例示的なステロールはコレステロールである。いくつかの実施形態では、製剤は、モル基準で約0.5%〜約20%のPEGまたはPEG修飾脂質(例えば、モル基準で約0.5〜約10%、約0.5〜約5%、約1.5%、約0.5%、約1.5%、約3.5%、または約5%をモル基準で)を含む。いくつかの実施形態では、PEGまたはPEG修飾脂質は、平均分子量2,000DaのPEG分子を含む。他の実施形態では、PEGまたはPEG修飾脂質は、2,000未満、例えば約1,500Da、約1,000Da、または約500Daの平均分子量のPEG分子を含む。例示的なPEG−修飾脂質としては、限定するものではないが、PEG−ジステアロイルグリセロール(PEG−DMG)(本明細書ではPEG−C14またはC14−PEGとも呼ばれる)、PEG−cDMAが挙げられる(更に、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれるReyes et al.J.Controlled Release,107,276−287(2005)で考察される)。
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される25〜75%のカチオン性脂質、0.5〜15%の中性脂質、5〜50%のステロール、及び0.5〜20%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される35〜65%のカチオン性脂質、3〜12%の中性脂質、15〜45%のステロール、及び0.5〜10%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される45〜65%のカチオン性脂質、5〜10%の中性脂質、25〜40%のステロール、及び0.5〜10%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される60%のカチオン性脂質、約7.5%の中性脂質、約31%のステロール、及び1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約50%のカチオン性脂質、約10%の中性脂質、約38.5%のステロール、及び約1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約50%のカチオン性脂質、約10%の中性脂質、約35%のステロール、約4.5%または約5%のPEGまたはPEG修飾脂質、ならびに約0.5%の標的化脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約40%のカチオン性脂質、約15%の中性脂質、約40%のステロール、ならびに約5%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチラート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノナ−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約57.2%のカチオン性脂質、約7.1%の中性脂質、約34.3%のステロール、ならびに約1.4%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、PEG−cDMAであるPEG脂質(PEG−cDMAは、Reyes et al.(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、J.Controlled Release,107,276−287(2005)に更に考察される)から選択される約57.5%のカチオン性脂質、7.5%の中性脂質、31.5%のステロール、及び3.5%のPEGまたはPEG修飾脂質をモル基準で含む。
好ましい実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は本質的に、約20〜70%のイオン化可能なカチオン性脂質:5〜45%の中性脂質:20〜55%のコレステロール:0.5〜15%のPEG修飾脂質というモル比であり;より好ましくは約20〜60%のイオン化可能なカチオン性脂質:5〜25%の中性脂質:25〜55%のコレステロール:0.5〜15%のPEG修飾脂質というモル比である脂質混合物からなる。
特定の実施形態では、モル脂質比は、約50/10/38.5/1.5(カチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えばDSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMG、PEG−DSGまたはPEG−DPG)、57.2/7.1134.3/1.4(カチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えばDPPC/Chol/PEG修飾脂質、例えばPEG−cDMA)、40/15/40/5(カチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えばDSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えばPEG−DMG)、50/10/35/4.5/0.5(カチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えばDSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えばPEG−DMG)、50/10/35/5(カチオン性脂質/中性脂質、例えばDSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えばPEG−DMG)、40/10/40/10(カチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えばDSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えばPEG−DMGまたはPEG−cDMA)、35/15/40/10(カチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えばPEG−DMGまたはPEG−cDMA)、または52/13/30/5(カチオン性脂質/中性脂質のモル%、例えばDSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えばPEG−DMGまたはPEG−cDMA)である。
例示的な脂質ナノ粒子組成物及びその製造方法は、例えば、Semple et al.(2010)Nat.Biotechnol.28:172−176、Jayarama et al.(2012),Angew.Chem.Int.Ed.,51:8529−8533、及びMaier et al.(2013)Molecular Therapy21,1570−1578(これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子製剤は、イオン化可能なカチオン性脂質、PEG脂質、及び構造脂質を含んでもよく、必要に応じて非カチオン性脂質を含んでもよい。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約40〜60%のイオン化可能なカチオン性脂質、約5〜15%の非カチオン性脂質、約1〜2%のPEG脂質、及び約30〜50%の構造脂質を含んでもよい。別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のイオン化可能なカチオン性脂質、約10%の非カチオン性脂質、約1.5%のPEG脂質、及び約38.5%の構造脂質を含んでもよい。更に別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約55%のイオン化可能なカチオン性脂質、約10%の非カチオン性脂質、約2.5%のPEG脂質、及び約32.5%の構造脂質を含んでもよい。いくつかの実施形態では、イオン化可能なカチオン性脂質は、本明細書に記載の任意のカチオン性脂質、例えば、限定するものではないが、DLin−KC2−DMA、DLin−MC3−DMA及びL319であってもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子製剤は、4成分の脂質ナノ粒子であってもよい。脂質ナノ粒子は、イオン化可能なカチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質、及び構造脂質を含んでもよい。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約40〜60%のカチオン性脂質、約5〜15%の非カチオン性脂質、約1〜2%のPEG脂質及び約30〜50%の構造脂質を含んでもよい。別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質、約10%の非カチオン性脂質、約1.5%のPEG脂質及び約38.5%の構造脂質を含んでもよい。更に別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約55%のカチオン性脂質、約10%の非カチオン性脂質、約2.5%のPEG脂質及び約32.5%の構造脂質を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、本明細書に記載の任意のカチオン性脂質、例えば、限定するものではないが、DLin−KC2−DMA、DLin−MC3−DMA及びL319であってもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質及び構造脂質を含んでもよい。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質DLin−KC2−DMA、約10%の非カチオン性脂質DSPC、約1.5%のPEG脂質PEG−DOMG及び約38.5%の構造脂質コレステロールを含む。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質DLin−MC3−DMA、約10%の非カチオン性脂質DSPC、約1.5%のPEG脂質PEG−DOMG及び約38.5%の構造脂質コレステロールを含む。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質DLin−MC3−DMA、約10%の非カチオン性脂質DSPC、約1.5%のPEG脂質PEG−DMG、及び約38.5%の構造脂質コレステロールを含む。更に別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約55%のカチオン性脂質L319、約10%の非カチオン性脂質DSPC、約2.5%のPEG脂質PEG−DMG及び約32.5%の構造脂質コレステロールを含む。
いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、限定するものではないが、国際公開第WO2012040184号、同第WO2011153120号、同第WO2011149733号、同第WO2011090965号、同第WO2011043913号、同第WO2011022460号、同第WO2012061259号、同第WO2012054365号、同第WO2012044638号、同第WO2010080724号、同第WO201021865号、同第WO2008103276号、同第WO2013086373号、及び同第WO2013086354号、米国特許第7,893,302号、同第7,404,969号、同第8,283,333号、及び同第8,466,122号、ならびに米国特許公開第US20100036115号、同第US20120202871号、同第US20130064894号、同第US20130129785号、同第US20130150625号、同第US20130178541号、及び同第US20130225836号(これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるカチオン性脂質から選択され得る。別の実施形態において、カチオン性脂質は、限定されるものではないが、国際公開第WO2012040184号、同第WO2011153120号、同第WO2011149733号、同第WO2011090965号、同第WO2011043913号、同第WO2011022460号、同第WO2012061259号、同第WO2012054365号、同第WO2012044638号、及び同第WO2013116126号、または米国特許公開第US20130178541号及び同第US20130225836号(これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載される式Aから選択され得る。更に別の実施形態において、カチオン性脂質は、限定されるものではないが、国際公開第号WO2008103276の式CLI〜CLXXIX、米国特許第7,893,302号の式CLI〜CLXXIX、米国特許第7,404,969号の式CLI〜CLXXXXII、及び米国特許公開第US20100036115号の式I〜VI、米国特許公開第US20130123338号の式(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)から選択され得る。非限定的な例として、カチオン性脂質は、(20Z,23Z)−N,N−ジメチルノナコサ−20,23−ジエン−10−アミン、(17Z,20Z)−N,N−ジメチルヘキサコサ−17,20−ジエン−9−アミン、(1Z,19Z)−N5N−ジメチルペンタコサ−16,19−ジエン−8−アミン、(13Z,16Z)−N,N−ジメチルドコサ−13,16−ジエン−5−アミン、(12Z,15Z)−N,N−ジメチルヘニコサ−12,15−ジエン−4−アミン、(14Z,17Z)−N,N−ジメチルトリコサ−14,17−ジエン−6−アミン、(15Z,18Z)−N,N−ジメチルテトラコサ−15,18−ジエン−7−アミン、(18Z,21Z)−N,N−ジメチルヘプタコサ−18,21−ジエン−10−アミン、(15Z,18Z)−N,N−ジメチルテトラコサ−15,18−ジエン−5−アミン、(14Z,17Z)−N,N−ジメチルトリコサ−14,17−ジエン−4−アミン、(19Z,22Z)−N,N−ジメチロオクタコサ−19,22−ジエン−9−アミン、(18Z,21Z)−N,N−ジメチルヘプタコサ−18,21−ジエン−8−アミン、(17Z,20Z)−N,N−ジメチルヘキサコサ−17,20−ジエン−7−アミン、(16Z,19Z)−N,N−ジメチルペンタコサ−16,19−ジエン−6−アミン、(22Z,25Z)−N,N−ジメチルヘントリアコンタ−22,25−ジエン−10−アミン、(21Z,24Z)−N,N−ジメチルトリアコンタ−21,24−ジエン−9−アミン、(18Z)−N,N−ジメチルヘプタコス−18−エン−10−アミン、(17Z)−N,N−ジメチルヘキサコス−17−エン−9−アミン、(19Z,22Z)−N,N−ジメチルオクタコサ−19,22−ジエン−7−アミン、N,N−ジメチルヘプタコサン−10−アミン、(20Z,23Z)−N−エチル−N−メチルノナコサ−20,23−ジエン−10−アミン、1−[(11Z,14Z)−1−ノニルイコサ−11,14−ジエン−1−イル]ピロリジン、(20Z)−N,N−ジメチルヘプタコス−20−エン−10−アミン、(15Z)−N,N−ジメチルエプタコス−15−エン−10−アミン、(14Z)−N,N−ジメチルノナコス−14−エン−10−アミン、(17Z)−N,N−ジメチルノナコス−17−エン−10−アミン、(24Z)−N,N−ジメチルトリトリアコント−24−エン−10−アミン、(20Z)−N,N−ジメチルノナコス−20−エン−10−アミン、(22Z)−N,N−ジメチルヘントリアコント−22−エン−10−アミン、(16Z)−N,N−ジメチルペンタコス−16−エン−8−アミン、(12Z,15Z)−N,N−ジメチル−2−ノニルヘニコサ−12,15−ジエン−1−アミン、(13Z,16Z)−N,N−ジメチル−3−ノニルドコサ−13,16−ジエン−1−アミン、N,N−ジメチル−1−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]エプタデカン−8−アミン、1−[(1S、2R)−2−ヘキシルシクロプロピル]−N,N−ジメチルノナデカン−10−アミン、N,N−ジメチル−1−[(1S、2R)−2−オクチルシクロプロピル]ノナデカン−10−アミン、N,N−ジメチル−21−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ヘニコサン−10−アミン、N,N−ジメチル−1−[(1S、2S)−2−{[(1R,2R)−2−ペンチルシクロプロピル]メチル}シクロプロピル]ノナデカン−10−アミン、N,N−ジメチル−1−[(1S、2R)−2−オクチルシクロプロピル]ヘキサデカン−8−アミン、N,N−ジメチル−[(1R、2S)−2−ウンデシルシクロプロピル]テトラデカン−5−アミン、N,N−ジメチル−3−{7−[(1S、2R)−2−オクチルシクロプロピル]ヘプチル}ドデカン−1−アミン、1−[(1R、2S)−2−ヘプチルシクロプロピル]−N,N−ジメチルオクタデカン−9−アミン、1−[(1S,2R)−2−デシルシクロプロピル]−N,N−ジメチルペンタデカン−6−アミン、N,N−ジメチル−1−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ペンタデカン−8−アミン、R−N,N−ジメチル−1−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、S−N,N−ジメチル−1−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、1−{2−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−1−[(オクチルオキシ)メチル]エチル}ピロリジン、(2S)−N,N−ジメチル−1−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−3−[(5Z)−オクト−5−エン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、1−{2−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−1−[(オクチルオキシ)メチル]エチル}アゼチジン、(2S)−1−(ヘキシルオキシ)−N,N−ジメチル−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、(2S)−1−(ヘプチルオキシ)−N,N−ジメチル−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、N,N−ジメチル−1−(ノニルオキシ)−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、N,N−ジメチル−1−[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン;(2S)−N,N−ジメチル−1−[(6Z,9Z,12Z)−オクタデカ−6,9,12−トリエン−1−イルオキシ]−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2S)−1−[(11Z,14Z)−イコサ−11,14−ジエン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(ペンチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2S)−1−(ヘキシルオキシ)−3−[(11Z,14Z)−イコサ−11,14−ジエン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチルプロパン−2−アミン、1−[(11Z,14Z)−イコサ−11,14−ジエン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、1−[(13Z,16Z)−ドコサ−13,16−ジエン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2S)−1−[(13Z,16Z)−ドコサ−13,16−ジエン−1−イルオキシ]−3−(ヘキシルオキシ)−N,N−ジメチルプロパン−2−アミン、(2S)−1−[(13Z)−ドコス−13−エン−1−イルオキシ]−3−(ヘキシルオキシ)−N,N−ジメチルプロパン−2−アミン、1−[(13Z)−ドコス−13−エン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、1−[(9Z)−ヘキサデカ−9−エン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2R)−N,N−ジメチル−H(1−メチルオクチル)オキシ]−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシプロパン−2−アミン、(2R)−1−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]−N,N−ジメチル−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、N,N−ジメチル−1−(オクチルオキシ)−3−({8−[(1S、2S)−2−{[(1R、2R)−2−ペンチルシクロプロピル]メチル}シクロプロピル]オクチル}オキシ)プロパン−2−アミン、N,N−ジメチル−1−{[8−(2−オクチルシクロプロピル)オクチル]オキシ}−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン及び(11E,20Z,23Z)−N,N−ジメチルノナコサ−11,20,2−トリエン−10−アミンまたはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体から選択され得る。
いくつかの実施形態では、脂質は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第WO2012170889号に記載されるような切断可能な脂質であってもよい。
別の実施形態では、脂質は、カチオン性脂質、例えば、限定するものではないが、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第US20130064894号の式(I)であってもよい。
カチオン性脂質は、当該技術分野で公知であるか、及び/または国際公開第WO2012040184号、同第WO2011153120号、同第WO2011149733号、同第WO2011090965号、同第WO2011043913号、同第WO2011022460号、同第WO2012061259号、同第WO2012054365号、同第WO2012044638号、同第WO2010080724号、同第WO201021865号、同第WO2013086373号、及び同第WO2013086354号(これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載の方法によって合成されてもよい。
別の実施形態では、カチオン性脂質は、トリアルキルカチオン性脂質であってもよい。トリアルキルカチオン性脂質の非限定的な例及びトリアルキルカチオン性脂質の作製及び使用の方法は、国際公開第WO2013126803号に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンのLNP製剤は、3%脂質モル比でPEG−c−DOMGを含んでもよい。別の実施形態では、LNP製剤RRNAワクチンは、1.5%脂質モル比でPEG−c−DOMGを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンの薬学的組成物は、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第WO2012099755号に記載されているPEG化脂質の少なくとも1つを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、LNP製剤は、PEG−DMG2000(1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、LNP製剤は、PEG−DMG2000、当該技術分野で公知のカチオン性脂質及び少なくとも1つの他の成分を含んでもよい。別の実施形態では、LNP製剤は、PEG−DMG 2000、当該技術分野で公知のカチオン性脂質、DSPC及びコレステロールを含んでもよい。非限定的な例として、LNP製剤は、PEG−DMG2000、DLin−DMA、DSPC及びコレステロールを含んでもよい。別の非限定的な例として、LNP製剤は、2:40:10:48のモル比でPEG−DMG 2000、DLin−DMA、DSPC及びコレステロールを含んでもよい(例えば、Geall et al.,Nonviral delivery of self−amplifying RNA vaccines,PNAS2012;PMID:22908294(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、LNP製剤は、その各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第WO2011127255号または同第WO2008103276号に記載されている方法によって製剤化され得る。非限定的な例として、本明細書に記載のRNAワクチンは、WO2011127255及び/またはWO2008103276(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようなLNP製剤にカプセル化してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAワクチンは、米国特許出願公開公開第US20120207845号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)によって記載されるような経口経路で送達されるナノ粒子中に製剤化されてもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、米国特許公開第US20130156845号または国際公開第WO2013093648号もしくは同第WO2012024526号(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載された方法によって製造された脂質ナノ粒子中に製剤化してもよい。
本明細書に記載の脂質ナノ粒子は、米国特許公開第US20130164400号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているシステム及び/または方法によって滅菌環境で作製され得る。
いくつかの実施形態では、LNP製剤は、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,492,359号に記載されている核酸−脂質粒子のようなナノ粒子に製剤化してもよい。非限定的な例として、脂質粒子は、1つ以上の活性剤または治療剤;粒子中に存在する全脂質の約50モル%〜約85モル%を含む1種以上のカチオン性脂質;粒子中に存在する総脂質の約13モル%〜約49.5モル%を含む1種以上の非カチオン性脂質;及び粒子中に存在する全脂質の約0.5モル%〜約2モル%を含む粒子の凝集を阻害する1種以上の複合脂質を含んでもよい。ナノ粒子中の核酸は、本明細書に記載のポリヌクレオチドであってもよく、及び/または当該技術分野で公知である。
いくつかの実施形態では、LNP製剤は、その各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第WO2011127255号または同第WO2008103276号に記載されている方法によって製剤化され得る。非限定的な例として、本明細書に記載の修飾RNAは、WO2011127255及び/またはWO2008103276(これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようにLNP製剤に封入されてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のLNP製剤は、ポリカチオン性組成物を含んでもよい。非限定的な例として、ポリカチオン性組成物は、米国特許公開第US20050222064号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の式1〜60から選択してもよい。別の実施形態では、ポリカチオン性組成物を含むLNP製剤は、本明細書に記載の修飾RNAの送達のためにインビボ及び/またはインビトロで使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のLNP製剤は、更に、透過性エンハンサー分子を含んでもよい。非限定的な透過性エンハンサー分子は、米国特許公開第US20050222064号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
いくつかの実施形態では、RNAワクチン薬学的組成物は、限定するものではないが、DiLa2リポソーム(Marina Biotech、Bothell、WA)、SMARTICLES(登録商標)(Marina Biotech、Bothell、WA)、中性DOPC(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)ベースのリポソーム(例えば、卵巣がんのためのsiRNA送達)(Landen et al.,Cancer Biology&Therapy2006 5(12)1708−1713);その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及びヒアルロナンコーティングされたリポソーム(Quiet Therapeutics、Israel)などのリポソーム中に製剤化されてもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第US2012060293号に記載されるように、凍結乾燥ゲル相リポソーム組成物中に製剤化されてもよい。
ナノ粒子製剤は、リン酸コンジュゲートを含んでもよい。リン酸コンジュゲートは、ナノ粒子のインビボ循環時間を増加させ得るか、及び/またはナノ粒子の標的送達を増加させ得る。本発明での使用のためのリン酸コンジュゲートは、その各々の内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際出願第WO2013033438号、または米国特許公開第US20130196948号に記載されている方法によって製造してもよい。非限定的な例として、リン酸コンジュゲートは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際出願第WO2013033438号に記載されている式のいずれか1つの化合物を含んでもよい。
ナノ粒子製剤は、ポリマーコンジュゲートを含んでもよい。ポリマーコンジュゲートは、水溶性コンジュゲートであってもよい。ポリマーコンジュゲートは、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第20130059360号に記載されているような構造を有してもよい。一態様では、本発明のポリヌクレオチドとのポリマーコンジュゲートは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第20130072709号に記載されている方法及び/またはセグメント化ポリマー試薬を用いて作製してもよい。別の態様では、ポリマーコンジュゲートは、限定するものではないが、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第US20130196948号に記載されているポリマーコンジュゲートのような環部分を含むペンダント側基を有してもよい。
ナノ粒子製剤は、対象における本発明のナノ粒子の送達を増強するコンジュゲートを含んでもよい。更に、コンジュゲートは、対象におけるナノ粒子の食作用クリアランスを阻害し得る。一態様では、コンジュゲートは、ヒト膜タンパク質CD47(例えば、Rodriguezら(Science2013 339,971−975;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって記載された「自己」粒子)から設計された「自己」ペプチドであってもよい。Rodriguezらが示すとおり、自己ペプチドは、ナノ粒子のマクロファージ媒介クリアランスを遅延させ、これがナノ粒子の送達を増強した。別の態様では、コンジュゲートは、膜タンパク質CD47であってもよい(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Rodriguez et al.,Science2013 339,971−975を参照されたい)。Rodriguezらは、「自己」ペプチドと同様に、CD47が、スクランブルされたペプチド及びPEGでコーティングされたナノ粒子と比較して、対象における循環粒子比を増加し得ることを示した。
いくつかの実施形態では、本発明のRNAワクチンは、対象における本発明のナノ粒子の送達を増強するコンジュゲートを含むナノ粒子中に製剤化される。コンジュゲートは、CD47膜であってもよく、またはコンジュゲートは、CD47膜タンパク質、例えば先に記載された「自己」ペプチドに由来してもよい。別の態様において、ナノ粒子は、PEG及びCD47またはその誘導体のコンジュゲートを含んでもよい。更に別の態様において、ナノ粒子は、上記の「自己」ペプチド及び膜タンパク質CD47の両方を含んでもよい。
別の態様において、「自己」ペプチド及び/またはCD47タンパク質は、本発明のRNAワクチンの送達のために、本明細書に記載されるように、ウイルス様粒子または偽ウイルス粒子にコンジュゲートされてもよい。
別の実施形態では、RNAワクチン薬学的組成物は、本発明のポリヌクレオチド及び分解可能な結合を有し得るコンジュゲートを含む。コンジュゲートの非限定的な例としては、イオン化可能な水素原子、スペーサー部分、及び水溶性ポリマーを含む芳香族部分が含まれる。非限定的な例として、分解可能な結合を有するコンジュゲートを含む薬学的組成物及びそのような薬学的組成物を送達するための方法は、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第US20130184443号に記載されている。
ナノ粒子製剤は、炭水化物担体及びRNAワクチンを含む炭水化物ナノ粒子であってもよい。非限定的な例として、炭水化物担体は、無水物修飾フィトグリコーゲンまたはグリコーゲン型物質、フィトグリコーゲンオクテニルスクシネート、フィトグリコーゲンベータ−デキストリン、無水物修飾フィトグリコーゲンベータ−デキストリンを含むことができるが、これらに限定されない(例えば、国際公開第WO2012109121号を参照(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
本発明のナノ粒子製剤は、粒子の送達を改善するために、界面活性剤またはポリマーでコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、限定されるものではないが、PEGコーティング及び/または中性表面電荷を有するコーティングのような親水性コーティングでコーティングされてもよい。親水性コーティングは、中枢神経系内のRNAワクチン(これに限定されるものではない)のようなより大きなペイロードを有するナノ粒子を送達するのを助ける場合がある。非限定的な例として、親水性コーティングを含むナノ粒子及びこのようなナノ粒子を作製する方法は、米国特許公開第US20130183244号に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本発明の脂質ナノ粒子は、親水性ポリマー粒子であってもよい。親水性ポリマー粒子及び親水性ポリマー粒子を作製する方法の非限定的な例は、米国特許公開第US20130210991号に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
別の実施形態では、本発明の脂質ナノ粒子は、疎水性ポリマー粒子であってもよい。
脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質を、急速に除去された脂質ナノ粒子(rapidly eliminated lipid nanoparticle:reLNP)として知られている生分解性カチオン性脂質で置き換えることによって改善され得る。限定されるものではないが、DLinDMA、DLin−KC2−DMA、及びDLin−MC3−DMAなどのイオン化可能なカチオン性脂質は、時間の経過とともに血漿及び組織中に蓄積することが示されており、潜在的な毒性源であり得る。急速に排除された脂質の迅速な代謝は、ラットにおける1mg/kg用量から10mg/kg用量までの1ケタで、脂質ナノ粒子の耐容性及び治療指数を改善し得る。酵素的に分解されたエステル結合を含めることにより、カチオン性成分の分解及び代謝プロファイルを改善し得、それと同時にreLNP製剤の活性を依然として維持する。エステル結合は、脂質鎖の内部に位置していてもよいし、または脂質鎖の末端に、末端に位置していてもよい。内部エステル結合は、脂質鎖中の任意の炭素を置き換えてもよい。
いくつかの実施形態では、内部エステル結合は、飽和炭素のいずれの側に位置していてもよい。
いくつかの実施形態では、免疫応答は、ナノ種、ポリマー及び免疫原を含み得る脂質ナノ粒子を送達することによって誘発され得る。(米国公開第20120189700号及び国際公開第WO2012099805号;それぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。ポリマーは、ナノ種をカプセル化してもよく、またはナノ種を部分的にカプセル化してもよい。免疫原は、本明細書に記載の組み換えタンパク質であっても、修飾RNAであっても、及び/またはポリヌクレオチドであってもよい。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、限定されるものではないが、病原体などのワクチンにおける使用のために製剤化してもよい。
脂質ナノ粒子は、粒子の表面特性を変化させるように操作して、それによって脂質ナノ粒子が粘膜バリアに浸透するように操作してもよい。粘液は、限定するものではないが、口腔(例えば、頬側及び食道の膜及び扁桃組織)、眼科、胃腸(例えば、胃、小腸、大腸、結腸、直腸)、鼻、呼吸器(例えば、鼻、咽頭、気管及び気管支の膜)、生殖器(例えば、膣、頸部及び尿道の膜)などの粘膜組織上に位置する。より高い薬物封入効率及び広い範囲の薬物の持続的送達を提供する能力のために好ましい、10〜200nmより大きいナノ粒子は、粘膜障壁を通って迅速に拡散するには大きすぎると考えられてきた。粘液は、連続的に分泌されるか、出てくるか、捨てられるか、または消化されて再利用されるので、捕捉された粒子の大部分は、数秒以内または数時間以内に粘膜組織から除去され得る。低分子量ポリエチレングリコール(PEG)で高密度にコーティングされた大きな高分子ナノ粒子(直径200nm〜500nm)は、水中で拡散する同じ粒子よりわずかに4〜6倍低く粘膜を通じて拡散した(Lai et al.,PNAS2007 104(5):1482−487;Lai et al.,Adv Drug Deliv Rev.2009 61(2):158−171;これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。ナノ粒子の輸送は、光漂白(FRAP)後の蛍光回復及び高分解能複数粒子追跡(MPT)を含むがこれらに限定されない透過速度及び/または蛍光顕微鏡技術を用いて決定され得る。非限定的な例として、粘膜バリアを貫通し得る組成物は、米国特許第8,241,670号または国際特許公開第WO2013110028号に記載されており、その各々の内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
粘液に浸透するように操作された脂質ナノ粒子は、ポリマー材料(すなわち、ポリマーコア)及び/またはポリマー−ビタミンコンジュゲート及び/またはトリブロックコポリマーを含んでもよい。ポリマー材料としては、限定するものではないが、ポリアミド類、ポリエーテル類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーバメート類、ポリ尿素類、ポリカーボネート類、ポリ(スチレン類)、ポリイミド類、ポリスルホン類、ポリウレタン類、ポリアセチレン類、ポリエチレン類、ポリエチレンイミン類、ポリイソシアネート類、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリアクリロニトリル類、及びポリアリレート類が挙げられる。ポリマー材料は、生分解性であっても、及び/または生体適合性であってもよい。生体適合性ポリマーの非限定的な例は、国際公開第WO2013116804号に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ポリマー材料を更に照射してもよい。非限定的な例として、ポリマー材料をガンマ線照射してもよい(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際出願第WO201282165号を参照されたい)。特定のポリマーの非限定的な例としては、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、エチレン酢酸ビニルポリマー(EVA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリ(L−乳酸−co−グリコール酸)(PLLGA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLA)、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−PEO−co−D,L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−PPO−co−D,L−ラクチド)、ポリアルキルシアノアクラレート、ポリウレタン、ポリ−L−リジン(PLL)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリエチレングリコール、ポリ−L−グルタミン酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリ(エステルアミド)、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリカーボネート、ポリアルキレン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン、ポリアルキレングリコール、例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリアルキレンオキシド(PEO)、ポリアルキレンテレフタレート、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、例えば、ポリ(ビニルアセテート)、ポリハロゲン化ビニル、例えば、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、誘導体化セルロース、例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸のポリマー、例えば、ポリ(メチル(メタ)アクリレート)(PMMA)、ポリ(エチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ヘキシル(メタ)アクリレート、ポリ(イソデシル(メタ)アクリレート)、ポリ(ラウリル(メタ)アクリレート)、ポリ(フェニル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)ならびにそれらのコポリマー及び混合物、ポリジオキサノン及びそのコポリマー、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリプロピレンフマレート、ポリオキシメチレン、ポロキサマー、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、PEG−PLGA−PEG及びトリメチレンカーボネート、ポリビニルピロリドンが挙げられる。脂質ナノ粒子は、限定されるものではないが、ブロックコポリマー(その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第WO2013012476号に記載されている分岐ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマーなど)、及び(ポリ(エチレングリコール))−(ポリ(プロピレンオキシド))−(ポリ(エチレングリコール))トリブロックコポリマー(例えば、米国公開第20120121718号及び米国公開第20100003337号、米国特許第8,263,665号(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)などのコポリマーでコーティングされてもまたはそれらと会合されてもよい。このコポリマーは、一般に安全とみなされる(GRAS)ポリマーであってもよく、脂質ナノ粒子の形成は、新しい化学物質が生成されないような方法であり得る。例えば、脂質ナノ粒子は、ヒト粘液にやはり迅速に浸透することができる新しい化学物質を形成することなく、PLGAナノ粒子をコーティングするポロキサマーを含んでもよい(Yang et al.,Angew.Chem.Int.Ed.2011 50:2597−2600;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。ヒト粘液に浸透することができるナノ粒子を製造するための非限定的な拡張性のある方法は、Xu et al.(例えば、J Control Release2013、170(2):279−86(その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)に記載されている。
ポリマー−ビタミンコンジュゲートのビタミンは、ビタミンEであってもよい。コンジュゲートのビタミン部分は、他の適切な成分、例えば、限定するものではないが、ビタミンA、ビタミンE、他のビタミン、コレステロール、疎水性部分、または他の界面活性剤の疎水性成分(例えば、ステロール鎖、脂肪酸、炭化水素鎖及びアルキレンオキシド鎖)で置き換えられてもよい。
粘液に浸透するように操作された脂質ナノ粒子は、表面改変剤、例えば、限定するものではないが、ポリヌクレオチド、アニオン性タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)、界面活性剤(例えば、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミドなどのカチオン性界面活性剤)、糖または糖誘導体(例えば、シクロデキストリン)、核酸、ポリマー(例えば、ヘパリン、ポリエチレングリコール、及びポロキサマー)、粘液溶解剤(例えば、N−アセチルシステイン、ムグワルト、ブロメライン、パパイン、シクロデンドロン、アセチルシステイン、ブロモヘキシン、カルボシステイン、エプラジノン、メスナ、アムブロキソール、ソブレロール、ドミオドール、レトステイン、ステプロニン、チオプロニン、ゲルゾリン、チモシンβ4ドルナーゼアルファ、ネルテキシン、エルドステイン)及びrhDNアーゼを含む様々なDNアーゼを含み得る。表面改変剤は、粒子表面に埋め込まれてもよいし、もしくは取り込まれてもよいし、または脂質ナノ粒子の表面に(例えば、コーティング、吸着、共有結合、または他のプロセスによって)配置されてもよい。(例えば、米国公開20100215580号及び米国公開20080166414及びUS20130164343を参照;その各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、粘液浸透脂質ナノ粒子は、本明細書に記載の少なくとも1つのポリヌクレオチドを含んでもよい。ポリヌクレオチドは、脂質ナノ粒子に封入されてもよく、及び/または粒子の表面に配置されてもよい。ポリヌクレオチドは、脂質ナノ粒子に共有結合されてもよい。粘液浸透脂質ナノ粒子の製剤は、複数のナノ粒子を含んでもよい。更に、製剤は、粘液と相互作用し得、周囲の粘液の構造的及び/または接着特性を変化させて、粘膜浸透性脂質ナノ粒子の粘膜組織への送達を増加させ得る粘膜付着を減少し得る粒子を含んでもよい。
別の実施形態では、粘液浸透脂質ナノ粒子は、粘膜浸透促進コーティングを含む低張性製剤であってもよい。製剤は、それが送達される上皮に対して低張性であり得る。低張性製剤の非限定的な例は、国際特許公開第WO2013110028号に見出すことができ、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、粘膜バリアを介する送達を増強するために、RNAワクチン製剤は、低張溶液を含んでもよいし、または低張性溶液であってもよい。低張性溶液は、限定するものではないが、粘液浸透性粒子などの粘液透過性粒子が、膣上皮表面に到達できる速度を増加させることが見出された(例えば、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Ensign et al.,Biomaterials2013 34(28):6922−9を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、リポプレックスとして、例えば、限定されないが、ATUPLEX(商標)システム、DACCシステム、DBTCシステム及びSilence Therapeutics(London、United Kingdom)の他のsiRNA−リポプレックス技術、STEMGENT(登録商標)(CAmbridge、MA)のSTEMFECTTM、及びポリエチレンイミン(PEI)またはプロタミンベースの標的及び非標的化送達の核酸酸として製剤化される(Aleku et al.Cancer Res.2008 68:9788−9798、Strumberg et al.Int J Clin Pharmacol Ther2012 50:76−78、Santel et al.,Gene Ther2006 13:1222−1234、Santel et al.,Gene Ther2006 13:1360−1370、Gutbier et al.,Pulm Pharmacol.Ther.2010 23:334−344、Kaufmann et al.Microvasc Res2010 80:286−293Weide et al.J Immunother.2009 32:498−507、Weide et al.J Immunother.2008 31:180−188、Pascolo Expert Opin.Biol.Ther.4:1285−1294、Fotin−Mleczek et al.,2011J.Immunother.34:1−15、Song et al.,Nature Biotechnol.2005,23:709−717、Peer et al.,Proc Natl Acad Sci USA.20076;104:4095−4100、deFougerolles Hum Gene Ther.2008 19:125−132;これらの全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、このような製剤はまた、肝細胞、免疫細胞、腫瘍細胞、内皮細胞、抗原提示細胞、及び白血球を含むがそれらに限定されない、インビボで異なる細胞型に受動的または能動的に向けられるように、構築されてもよいし、またはそのように変更される組成物であってもよい(Akinc et al.Mol Ther.2010 18:1357−1364、Song et al.,Nat Biotechnol.2005 23:709−717、Judge et al.,J Clin Invest.2009 119:661−673、Kaufmann et al.,Microvasc Res2010 80:286−293、Santel et al.,Gene Ther2006 13:1222−1234、Santel et al.,Gene Ther2006 13:1360−1370、Gutbier et al.,Pulm Pharmacol.Ther.2010 23:334−344、Basha et al.,Mol.Ther.2011 19:2186−2200、Fenske and Cullis,Expert Opin Drug Deliv.2008 5:25−44、Peer et al.,Science.2008 319:627−630、Peer and Lieberman,Gene Ther.2011 18:1127−1133;これらの全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。肝細胞への製剤の受動的標的化の一例は、アポリポタンパク質Eに結合し、これらの製剤の肝細胞への結合及び取り込みをインビボで促進することが示されているDLin−DMA、DLin−KC2−DMA及びDLin−MC3−DMAベースの脂質ナノ粒子製剤を含む(Akinc et al.Mol Ther.2010 18:1357−1364;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。製剤はまた、限定するものではないが、葉酸、トランスフェリン、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)及び抗体標的化アプローチによって例示されるように、その表面上の異なるリガンドの発現を介して選択的に標的化されてもよい(Kolhatkar et al.,Curr Drug Discov Technol.2011 8:197−206、Musacchio and Torchilin,Front Biosci.2011 16:1388−1412、Yu et al.,Mol Membr Biol.2010 27:286−298、Patil et al.,Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.2008 25:1−61、Benoit et al.,Biomacromolecules.2011 12:2708−2714、Zhao et al.,Expert Opin Drug Deliv.2008 5:309−319、Akinc et al.,Mol Ther.2010 18:1357−1364、Srinivasan et al.,Methods Mol Biol.2012 820:105−116、Ben−Arie et al.,Methods Mol Biol.2012 757:497−507、Peer2010J Control Release.20:63−68、Peer et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2007 104:4095−4100、Kim et al.,Methods Mol Biol.2011 721:339−353、Subramanya et al.,Mol Ther.2010 18:2028−2037、Song et al.,Nat Biotechnol.2005 23:709−717、Peer et al.,Science.2008 319:627−630、Peer and Lieberman,Gene Ther.2011 18:1127−1133;これらの全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、固体脂質ナノ粒子として製剤化される。固体脂質ナノ粒子(SLN)は、平均直径が10〜1000nmの球形であってもよい。SLNは、親油性分子を可溶化し得、界面活性剤及び/または乳化剤で安定化され得る固体脂質コアマトリクスを保有する。更なる実施形態では、脂質ナノ粒子は、自己組織化脂質−ポリマーナノ粒子であってもよい(Zhang et al.,ACS Nano,2008,2(8),pp1696−1702(その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。非限定的な例として、SLNは、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際特許公開第WO2013105101号に記載されたSLNであってもよい。別の非限定的な例として、SLNは、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際特許公開第WO2013105101号に記載される方法またはプロセスによって作製され得る。
リポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子を用いて、タンパク質産物を指向するポリヌクレオチドの有効性を改善してもよい、なぜならこれらの製剤はRNAワクチンによる細胞トランスフェクトを増加し得るか;及び/またはコードされたタンパク質の翻訳を増加し得るからである。そのような1つの例は、ポリプレックスプラスミドDNAの有効な全身送達を可能にする脂質カプセル化の使用を含む(Heyes et al.,Mol Ther.2007 15:713−720;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。リポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子はまた、ポリヌクレオチドの安定性を増加させるために使用され得る。
いくつかの実施形態では、本発明のRNAワクチンは、制御放出及び/または標的送達のために製剤化されてもよい。本明細書で使用される場合「制御放出」とは、治療結果を達成するために放出の特定のパターンに適合する薬学的組成物または化合物の放出プロファイルを指す。いくつかの実施形態では、RRNAワクチンは、制御された放出及び/または標的送達のために、本明細書に記載されるか、及び/または当該技術分野で公知の送達剤にカプセル化されてもよい。本明細書で使用される場合、「カプセル化する」という用語は、囲む、包囲するまたは包むことを意味する。本発明の化合物の製剤化に関連する場合、カプセル化は、実質的であっても、完全であってもまたは部分的であってもよい。「実質的にカプセル化された」という用語は、本発明の薬学的組成物または化合物の少なくとも50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9、99.9、または99.999%超が送達剤内に封入され、包囲され、または封入され得ることを意味する。「部分的封入」とは、10、10、20、30、40、50、またはそれ未満の本発明の薬学的組成物または化合物を、送達剤の中に封入し、包囲し、または封入してもよいことを意味する。有利には、カプセル化は、蛍光及び/または電子顕微鏡写真を用いて、本発明の薬学的組成物または化合物の脱出または活性を測定することによって決定され得る。例えば、本明細書の薬学的組成物または化合物のうち少なくとも1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9、99.99、または99.99%超は、送達剤中にカプセル化される。
いくつかの実施形態では、制御放出製剤としては、限定するものではないが、トリブロックコポリマーを含んでもよい。非限定的な例として、製剤は、2つの異なるタイプのトリブロックコポリマー(国際公開第WO2012131104号及び同第WO2012131106号;その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を含んでもよい。
別の実施形態では、RNAワクチンは、脂質ナノ粒子または急速に除去された脂質ナノ粒子にカプセル化されてもよく、次いで、この脂質ナノ粒子または急速に除去される脂質ナノ粒子は、本明細書に記載されるか及び/もしくは当該技術分野で公知のポリマー、ヒドロゲル及び/または外科用シーラントにカプセル化されてもよい。非限定的な例として、ポリマー、ヒドロゲルまたは外科用シーラントは、PLGA、エチレン酢酸ビニル(EVAc)、ポロキサマー、GELSITE(登録商標)(Nanotherapeutics,Inc.Alachua,FL)、HYLENEX(登録商標)(Halozyme Therapeutics,San Diego CA)、外科用シーラント、例えば、フィブリノゲンポリマー(Ethicon Inc.Cornelia,GA)、TISSELL(登録商標)(Baxter International,Inc Deerfield,IL)、PEGベースのシーラント、及びCOSEAL(登録商標)(Baxter International,Inc Deerfield,IL)であってもよい。
別の実施形態では、脂質ナノ粒子は、対象に注入されたときにゲルを形成し得る当該技術分野で公知の任意のポリマーにカプセル化され得る。別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、生分解性であり得るポリマーマトリクスにカプセル化されてもよい。
いくつかの実施形態では、制御放出及び/または標的送達のためのRNAワクチン製剤はまた、少なくとも1つの制御放出コーティングを含んでもよい。制御放出コーティングとしては、限定するものではないが、OPADRY(登録商標)、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、EUDRAGIT RL(登録商標)、EUDRAGIT RS(登録商標)及びセルロース誘導体、例えば、エチルセルロース水性分散液(AQUACOAT(登録商標)及びSURELEASE(登録商標))も挙げられる。
いくつかの実施形態では、RNAワクチン制御放出及び/または標的送達製剤は、ポリカチオン性側鎖を含有し得る少なくとも1つの分解性ポリエステルを含んでもよい。分解性ポリエステルとしては、限定するものではないが、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−co−L−リジン)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。別の実施形態では、分解性ポリエステルは、PEG化ポリマーを形成するためのPEGコンジュゲーションを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むRNAワクチン制御放出及び/または標的送達製剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8404222号に記載されるような少なくとも1つのPEG及び/またはPEG関連ポリマー誘導体を含んでもよい。
別の実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むRNAワクチン制御放出送達製剤は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、US20130130348に記載される制御放出ポリマー系であってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明のRNAワクチンは、本明細書中で「治療用ナノ粒子RRNAワクチン」と呼ばれる治療用ナノ粒子にカプセル化されてもよい。治療用ナノ粒子は、限定するものではないが、国際公開第WO2010005740号、同第WO2010030763号、同第WO2010005721号、同第WO2010005723号、同第WO2012054923号、米国公開第US20110262491号、同第US20100104645号、同第US20100087337号、同第US20100068285号、同第US20110274759号、同第US20100068286号、同第US20120288541号、同第US20130123351号、及び同第US20130230567号、ならびに米国特許第8,206,747号、同第8,293,276号、同第8,318,208号及び同第8,318,211号(これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)などの本明細書で記載され、かつ当該技術分野で公知の方法によって製剤化され得る。別の実施形態では、治療用ポリマーナノ粒子は、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第US20120140790号に記載されている方法によって特定され得る。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子RNAワクチンは、持続放出のために製剤化され得る。本明細書で使用する「持続放出」は、特定の期間にわたる放出速度に適合する薬学的組成物または化合物を指す。期間としては、限定するものではないが、時間、日、週、月及び年が挙げられる。非限定的な例として、徐放性ナノ粒子は、ポリマー及び治療剤、例えば、限定するものではないが、本発明のポリヌクレオチド(例えば、国際出願第2010075072号及び米国公開第US20100216804号、同第US20110217377号、及び同第US20120201859号、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を含む。別の非限定的な例において、徐放性製剤は、限定するものではないが、結晶、巨大分子ゲル及び/または微粒子懸濁液などの持続的なバイオアベイラビリティを可能にする剤を含んでもよい(その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第US20130150295号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子RNAワクチンは、標的特異的であるように製剤化され得る。非限定的な例として、治療用ナノ粒子は、コルチコステロイドを含んでもよい(国際公開第WO2011084518号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。非限定的な例として、治療用ナノ粒子は、国際公開第WO2008121949号、同第WO2010005726号、同第WO2010005725号、同第WO2011084521号、ならびに米国公開第US20100069426号、同第US20120004293号、及び同第US20100104655号(その各々が、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているナノ粒子に製剤化してもよい。
いくつかの実施形態では、本発明のナノ粒子はポリマーマトリクスを含んでもよい。非限定的な例として、ナノ粒子は、2つ以上のポリマー、例えば、限定するものではないが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフマレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリウレア、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリジン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−co−L−リジン)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、ジブロックコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーは、PEGを、ポリマー、例えば、限定するものではないが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフマレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリウレア、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリジン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−co−L−リジン)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)またはそれらの組み合わせと組み合わせて含んでもよい。別の実施形態では、ジブロックコポリマーは、欧州特許公開番号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているジブロックコポリマーを含んでもよい。更に別の実施形態では、ジブロックコポリマーは、国際特許公開第WO2013120052号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているような高Xジブロックコポリマーであってもよい。
非限定的な例として、治療用ナノ粒子は、PLGA−PEGブロックコポリマーを含む(その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国公開第US20120004293号及び米国特許第8,236,330号を参照されたい)。別の非限定的な例において、治療用ナノ粒子は、PEGとPLAまたはPEGとPLGAとのジブロックコポリマーを含むステルスナノ粒子である(それらの各々の内容が、その全体として参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,246,968号及び国際公開第WO2012166923号を参照されたい)。更に別の非限定的な例において、治療用ナノ粒子は、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第US20130172406号に記載されているようなステルスナノ粒子または標的特異的ステルスナノ粒子である。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、マルチブロックコポリマーを含んでもよい(例えば、米国特許第8,263,665号及び第8,287,910号ならびに米国特許公開第US20130195987号を参照;その各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
更に別の非限定的な例において、脂質ナノ粒子は、ブロックコポリマーPEG−PLGA−PEGを含む(例えば、熱感受性ヒドロゲル(PEG−PLGA−PEG)は、Lee et al.Thermosensitive Hydrogel as a Tgf−β1 Gene Delivery Vehicle Enhances Diabetic Wound Healing.Pharmaceutical Research,2003 20(12):1995−2000におけるTGF−ベータ1遺伝子送達ビヒクルとして;Li et al.Controlled Gene Delivery System Based on Thermosensitive Biodegradable Hydrogel.Pharmaceutical Research2003 20(6):884−888;ならびにChang et al.,Non−ionic amphiphilic biodegradable PEG−PLGA−PEG copolymer enhances gene delivery efficiency in rat skeletal muscle.J Controlled Release.2007 118:245−253(その全体が参照により本明細書に組み入れられる)の制御された遺伝子送達ビヒクルとして用いられた)。本発明のRNAワクチンは、PEG−PLGA−PEGブロックコポリマーを含む脂質ナノ粒子中に製剤化してもよい。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、マルチブロックコポリマーを含んでもよい(例えば、米国特許第8,263,665号及び第8,287,910号ならびに米国特許公開第US20130195987号を参照;その各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のブロックコポリマーは、非ポリマーミセル及びブロックコポリマーを含むポリイオン複合体に含まれてもよい。(例えば、米国公開第20120076836号を参照されたい;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1種のアクリルポリマーを含んでもよい。アクリルポリマーとしては、限定するものではないが、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリシアノアクリレート及びそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つのポリ(ビニルエステル)ポリマーを含んでもよい。ポリ(ビニルエステル)ポリマーは、ランダムコポリマーなどのコポリマーであってもよい。非限定的な例として、ランダムコポリマーは、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際出願第WO2013032829号または米国特許公開第US20130121954号に記載されているような構造を有してもよい。一態様では、ポリ(ビニルエステル)ポリマーは、本明細書に記載のポリヌクレオチドにコンジュゲートされてもよい。別の態様では、本発明で使用され得るポリ(ビニルエステル)ポリマーは、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものに記載されているポリマーであってもよい。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つのジブロックコポリマーを含んでもよい。ジブロックコポリマーは、限定するものではないが、ポリ(乳酸)酸−ポリ(エチレン)グリコールコポリマー(例えば、国際特許公開WO2013044219参照(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)であり得る。非限定的な例として、治療用ナノ粒子は、がんを治療するために使用され得る(国際公開第WO2013044219号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、本明細書に記載されるか、及び/または当該技術分野で公知の少なくとも1つのカチオンポリマーを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、限定するものではないが、ポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリ(アミドアミン)デンドリマー、ポリ(ベータ−アミノエステル)(例えば、米国特許第8,287,849号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)及びそれらの組み合わせなどの少なくとも1つのアミノ酸含有ポリマーを含んでもよい。
別の実施形態では、本明細書に記載のナノ粒子は、国際特許出願第WO2013059496号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているようなアミンカチオン性脂質を含んでもよい。一態様では、カチオン性脂質は、アミノ−アミン部分を有してもまたはアミノ−アミド部分を有してもよい。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、ポリカチオン側鎖を含み得る少なくとも1つの分解性ポリエステルを含んでもよい。分解性ポリエステルとしては、限定するものではないが、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−co−L−リジン)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。別の実施形態では、分解性ポリエステルは、PEG化ポリマーを形成するためのPEGコンジュゲーションを含んでもよい。
別の実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つの標的化リガンドのコンジュゲーションを含んでもよい。標的リガンドは、限定するものではないが、モノクローナル抗体のような当該技術分野で公知の任意のリガンドであってもよい。(Kirpotin et al,Cancer Res.2006 66:6732−6740;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、癌を標的化するために使用され得る水溶液中に製剤化され得る(その各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO2011084513号及び米国公開第US20110294717号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子RNAワクチン、例えば、少なくとも1つのRNAワクチンを含む治療用ナノ粒子は、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、Podobinskiらの米国特許第8,404,799号に記載された方法を用いて製剤化してもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、合成ナノキャリアにカプセル化されても、連結されても、及び/または会合されてもよい。合成ナノキャリアとしては、限定するものではないが、国際公開第WO2010005740号、同第WO2010030763号、同第WO201213501号、同第WO2012149252号、同第WO2012149255号、同第WO2012149259号、同第WO2012149265号、同第WO2012149268号、同第WO2012149282号、同第WO2012149301号、同第WO2012149393号、同第WO2012149405号、同第WO2012149411号、同第WO2012149454号、及び同第WO2013019669、ならびに米国公開第US20110262491号、同第US20100104645号、同第US20100087337号、及び同第US20120244222号(これらの各々の全体が、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げられる。合成ナノキャリアは、当該技術分野で公知の方法及び/または本明細書に記載の方法を用いて製剤化してもよい。非限定的な例として、合成ナノキャリアは、それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第WO2010005740号、同第WO2010030763号、及び同第WO201213501号、ならびに米国公開第US20110262491号、同第US20100104645号、同第US20100087337号、及び同第US2012024422号に記載される方法によって製剤化してもよい。別の実施形態では、合成ナノキャリア製剤は、国際公開第WO2011072218号及び米国特許第8,211,473号(これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載の方法によって凍結乾燥してもよい。更に別の実施形態では、限定するものではないが、合成ナノキャリアを含む本発明の製剤は、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第US20130230568号に記載されている方法によって凍結乾燥されても、または再構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアは、本明細書に記載のポリヌクレオチドを放出する反応基を含んでもよい(それらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第WO20120952552号及び米国特許公開第US20120171229号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアは、その合成ナノキャリアの送達からの免疫応答を増強する免疫刺激剤を含んでもよい。非限定的な例として、合成ナノキャリアは、免疫系のTh1ベースの応答を増強し得るTh1免疫刺激剤を含んでもよい(それらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第WO2010123569号及び米国特許公開第US20110223201号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアは、標的放出のために製剤化され得る。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアは、ポリヌクレオチドを特定のpH及び/または所望の時間間隔後に放出するように製剤化される。非限定的な例として、合成ナノ粒子は、RNAワクチンを24時間後及び/またはpH4.5で放出するように製剤化され得る(国際公開第WO2010138193号及び同第WO2010138194号、ならびに米国公開第US20110020388号及び同第US20110027217号(これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアは、本明細書に記載のポリヌクレオチドの制御放出及び/または持続放出のために製剤化され得る。非限定的な例として、持続放出のための合成ナノキャリアは、当該技術分野で公知であるか、本明細書に記載されるか、及び/または国際公開第WO2010138192号及び米国公開第20100303850号(これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている方法によって製剤化されてもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、製剤が結晶性側鎖(CYSC)ポリマーである少なくとも1つのポリマーを含む、制御放出及び/または持続放出用に製剤化してもよい。CYSCポリマーは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,399,007号に記載されている。
いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアは、ワクチンとしての使用のために製剤化され得る。いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアは、少なくとも1つの抗原をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドをカプセル化してもよい。非限定的な例として、合成ナノキャリアは、ワクチン剤形のための少なくとも1つの抗原及び賦形剤を含んでもよい(国際公開第WO2011150264号及び米国公開第US20110293723号(その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。別の非限定的な例として、ワクチン剤形は、同じまたは異なる抗原及び賦形剤を有する少なくとも2つの合成ナノキャリアを含んでもよい(国際公開第WO2011150249号及び米国公開第US20110293701号(その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。ワクチン剤形は、本明細書に記載されるか、当該技術分野で公知であるか、及び/または国際公開第WO2011150258号及び米国公開第US20120027806号(その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている方法によって選択してもよい。
いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアは、少なくとも1つのアジュバントをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含んでもよい。非限定的な例として、アジュバントは、ジメチルジオクタデシルアンモニウム−ブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウム−クロライド、ジメチルジオクタデシルアンモニウム−ホスフェートまたはジメチルジオクタデシルアンモニウム−アセテート(DDA)及びマイコバクテリアの総脂質抽出物の無極性画分またはその無極性画分の一部を含んでもよい(例えば、米国特許第8,241,610号(その全体が参照により本明細書に組み入れられる)を参照されたい)。別の実施形態では、合成ナノキャリアは、少なくとも1つのポリヌクレオチド及びアジュバントを含んでもよい。非限定的な例として、合成ナノキャリア及びアジュバントは、国際公開第WO2011150240号及び米国公開第US20110293700号(その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている方法によって製剤化してもよい。
いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアは、ウイルス由来のペプチド、断片または領域をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドをカプセル化し得る。非限定的な例として、合成ナノキャリアは、限定するものではないが、それらの各々が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第WO2012024621号、同第WO201202629号、同第WO2012024632号、ならびに米国公開第US20120064110号、同第US20120058153号、及び同第US20120058154号に記載されているナノキャリアを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、合成ナノキャリアは、体液性及び/または細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答を引き起こすことができるポリヌクレオチドに結合され得る(例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられる国際公開第WO2013019669号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、双性イオン性脂質にカプセル化されてもよいし、結合されてもよいし、及び/または会合されてもよい。双性イオン性脂質の非限定的な例及び双性イオン性脂質を使用する方法は、米国特許公開第US20130216607号に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。一態様では、双性イオン性脂質は、本明細書に記載のリポソーム及び脂質ナノ粒子に使用してもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第US20130197100号に記載されているようにコロイドナノキャリア中に製剤化してもよい。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、経口投与のために最適化され得る。ナノ粒子は、限定されるものではないが、キトサンまたはその誘導体などの少なくとも1つのカチオン性バイオポリマーを含んでもよい。非限定的な例として、ナノ粒子は、米国公開第20120282343号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載の方法によって製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、LNPは、脂質KL52(その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる米国出願公開第2012/0295832号に開示されているアミノ脂質)を含む。LNP投与の活性及び/または安全性(ALT/AST、白血球数及びサイトカイン誘導の1つ以上を調べることによって測定される)は、このような脂質の取り込みによって、改善することができる。KL52を含むLNPは、静脈内及び/または1回以上の用量で投与することができる。いくつかの実施形態では、KL52を含むLNPの投与は、MC3を含むLNPと比較して同等または改善されたmRNA及び/またはタンパク質発現をもたらす。
いくつかの実施形態では、より小さいLNPを用いてRNAワクチンを送達してもよい。このような粒子は、0.1um未満から100nmまでの直径、例えば、限定するものではないが、0.1um未満、1.0um未満、5um未満、10um未満、15um未満、20um未満、25um未満、30um未満、35um未満、40um未満、50um未満、55um未満、60um未満、65um未満、70um未満、75um未満、80um未満、85um未満、90um未満、95um未満、100um未満、125um未満、150um未満、175um未満、200um未満、225um未満、250um未満、275um未満、300um未満、325um未満、350um未満、375um未満、400um未満、425um未満、450um未満、475um未満、500um未満、525um未満、550um未満、575um未満、600um未満、625um未満、650um未満、675um未満、700um未満、725um未満、750um未満、775um未満、800um未満、825um未満、850um未満、875um未満、900um未満、925um未満、950um未満、及び975um未満の直径を含んでもよい。
別の実施形態では、RNAワクチンは、約1nm〜約100nm、約1nm〜約10nm、約1nm〜約20nm、約1nm〜約30nm、約1nm〜約40nm、約1nm〜約50nm、約1nm〜約60nm、約1nm〜約70nm、約1nm〜約80nm、約1nm〜約90nm、約5nm〜約100nm、約5nm〜約10nm、約5nm〜約20nm、約5nm〜約30nm、約5nm〜約40nm、約5nm〜約50nm、約5nm〜約60nm、約5nm〜約70nm、約5nm〜約80nm、約5nm〜約90nm、約10nm〜約50nm、約20〜約50nm、約30〜約50nm、約40〜約50nm、約20〜約60nm、約30〜約60nm、約40〜約60nm、約20〜約70nm、約30〜約70nm、約40〜約70nm、約50〜約70nm、約60〜約70nm、約20〜約80nm、約30〜約80nm、約40〜約80nm、約50〜約80nm、約60〜約80nm、約20〜約90nm、約30〜約90nm、約40〜約90nm、約50〜約90nm、約60〜約90nm及び/または約70〜約90nmの直径を含み得る、より小さいLNPを用いて送達されてもよい。
いくつかの実施形態では、そのようなLNPは、マイクロ流体ミキサーを含む方法を用いて合成される。例示的なマイクロ流体ミキサーとしては、限定するものではないが、slit interdigitial micromixerが挙げられ得、これには、限定するものではないが、Microinnova(Allerheiligen bei Wildon,Austria)が製造するもの、及び/またはスタガードヘリンボーンマイクロミキサー(staggered herringbone micromixer:SHM)(Zhigaltsev,IV et al.,Bottom−up design and synthesis of limit size lipid nanoparticle systems with aqueous and triglyceride cores using millisecond microfluidic mixing have been published(Langmuir.2012.28:3633−40;Belliveau,N.M.et al.,Microfluidic synthesis of highly potent limit−size lipid nanoparticles for in vivo delivery of siRNA.Molecular Therapy−Nucleic Acids.2012.1:e37;Chen,D.et al.,Rapid discovery of potent siRNA−containing lipid nanoparticles enabled by controlled microfluidic formulation.J Am Chem Soc.2012.134(16):6948−51(その各々は、全体が参照により本明細書に組み込まれる)が挙げられる。いくつかの実施形態では、SHMを含むLNP生成の方法は、少なくとも2つの入力ストリームを混合することを更に包含し、ここで、混合は、微細構造誘起カオス移流(MICA)によって起こる。この方法によれば、流体ストリームは、ヘリングボーンパターン内に存在するチャネルを通って流れ、回転流を引き起こし、流体を互いに折り畳む。この方法はまた、流体混合のための表面を備えてもよく、この表面が流体の循環中に向きを変える。SHMを用いてLNPを生成する方法には、米国出願公開第2004/0262223号及び同第2012/0276209号(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる)に開示されているものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本発明のRNAワクチンは、限定するものではないが、Slit Interdigital Microstructured Mixer(SIMM−V2)またはStandard Slit Interdigital Micro Mixer(SSIMM)、またはInstitut fur Mikrotechnik Mainz GmbH,Mainz GermanyのCaterpillar(CPMM)もしくはImpinging−jet(IJMM)などのマイクロミキサーを使用して作製された脂質ナノ粒子に製剤化してもよい。
いくつかの実施形態では、本発明のRNAワクチンは、マイクロ流体技術を用いて作製された脂質ナノ粒子中に製剤化してもよい(Whitesides,George M.The Origins and Future of Microfluidics.Nature,2006 442:368−373;及びAbraham et al.Chaotic Mixer for Microchannels,Science,2002 295:647−651(これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。非限定的な例として、制御されたマイクロ流体製剤は、低レイノルズ数でマイクロチャネル内の定常圧力駆動流のストリームを混合するための受動的方法を含む(例えば、Abraham et al.,Chaotic Mixer for Microchannels.Science,2002 295:647−651(これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本発明のRNAワクチンは、限定するものではないが、Harvard Apparatus(Holliston、MA)またはDolomite Microfluidics(Royston、UK)などのマイクロミキサーチップを用いて作製された脂質ナノ粒子に製剤化してもよい。マイクロミキサーチップは、2つ以上の流動ストリームを分割再結合機構で迅速に混合するために使用してもよい。
いくつかの実施形態では、本発明のRNAワクチンは、各々が、本明細書にその全体が参照により組み込まれる、国際特許公開第WO2013063468号または米国特許第8,440,614号に記載されている薬物カプセル化マイクロスフェアを使用して送達するために製剤化してもよい。マイクロスフェアは、国際特許公開第WO2013063468号(この内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物を含んでもよい。別の態様では、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、脂質(APPL)は、本発明のRNAワクチンを細胞に送達するのに有用である(国際特許公開第WO2013063468号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本発明のRNAワクチンは、約10〜約100nm、例えば、限定するものではないが、約10〜約20nm、約10〜約30nm、約10〜約40、約10〜約50nm、約10〜約60nm、約10〜約70nm、約10〜約80nm、約10〜約90nm、約20〜約30nm、約20〜約40nm、約20〜約50nm、約20〜約60nm、約20〜約70nm、約20〜約80nm、約20〜約90nm、約20〜約100nm、約30〜約40nm、約30〜約50nm、約30〜約60nm、約30〜約70nm、約30〜約80nm、約30〜約90nm、約30〜約100nm、約40〜約50nm、約40〜約60nm、約40〜約70nm、約40〜約80nm、約40〜約90nm、約40〜約100nm、約50〜約60nm、約50〜約70nm、約50〜約80nm、約50〜約90nm、約50〜約100nm、約60〜約70nm、約60〜約80nm、約60〜約90nm、約60〜約100nm、約70〜約80nm、約70〜約90nm、約70〜約100nm、約80〜約90nm、約80〜約100nm、及び/または約90〜約100nmの直径を有する脂質ナノ粒子中に製剤化されてもよい。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約10〜500nmの直径を有し得る。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、100nm超、150nm超、200nm超、250nm超、300nm超、350nm超、400nm超、450nm超、500nm超、550nm超、600nm超、650nm超、700nm超、750nm超、800nm超、850nm超、900nm超、950nm超または1000nmより大きい直径を有してもよい。
一態様では、脂質ナノ粒子は、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際特許公開第WO2013059922号に記載されている限界サイズの脂質ナノ粒子であってもよい。限界サイズの脂質ナノ粒子は、水性コアまたは疎水性コアを取り囲む脂質二重層を含んでもよく;ここで脂質二重層は、限定するものではないが、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、ジヒドロスフィンゴミエリン、セファリン、セレブロシド、C8−C20脂肪酸ジアシルホスファチジルコリン及び1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルコリン(POPC)のようなリン脂質を含んでもよい。別の態様では、限界サイズ脂質ナノ粒子は、限定するものではないが、DLPE−PEG、DMPE−PEG、DPPC−PEG及びDSPE−PEGなどのポリエチレングリコール−脂質を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、国際特許公開第WO2013063530号(その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている送達方法を用いてRNAワクチンを特定の位置に送達、局在化、及び/または濃縮してもよい。非限定的な例として、RNAワクチンを対象に送達する前に、それと同時に、またはその後に、空のポリマー粒子を対象に投与してもよい。空のポリマー粒子は、対象と接触したときに一度は容積の変化を受け、対象の特定の位置に固定されるか、埋め込まれるか、固定されるか、または閉じ込められるようになる。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、活性物質放出系(例えば、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第US20130102545号を参照されたい)において製剤化されてもよい。活性物質放出系は、1)触媒的に活性な核酸とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド阻害剤鎖に結合した少なくとも1つのナノ粒子、及び2)治療的に活性な物質に結合した少なくとも1つの基質分子に結合した化合物(例えば、本明細書に記載のポリヌクレオチド)を含んでもよく、この場合、治療的に活性な物質は、触媒的に活性な核酸による基質分子の切断によって放出される。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、非細胞材料を含む内部コア及び細胞膜を含む外部表面を備えるナノ粒子中に製剤化してもよい。細胞膜は、細胞に由来してもよいし、またはウイルスに由来する膜に由来してもよい。非限定的な例として、ナノ粒子は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際特許公開第WO2013052167号に記載された方法によって製造してもよい。別の非限定的な例として、本明細書にその全体が参考として組み込まれる、国際特許公開第WO2013052167号に記載のナノ粒子を用いて、本明細書に記載のRNAワクチンを送達してもよい。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、多孔質ナノ粒子支持脂質二重層(プロトセル)中に製剤化され得る。プロトセルは、国際特許公開第WO2013056132号に記載されており、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAワクチンは、米国特許第8,420,123号及び同第8,518,963号、ならびに欧州特許第EP2073848B1号(その各々の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているかまたは記載されている方法によって製造されたポリマーナノ粒子に製剤化してもよい。非限定的な例として、ポリマーナノ粒子は、米国特許第8,518,963号(その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されたナノ粒子、または記載された方法によって製造されたナノ粒子のように高いガラス転移温度を有し得る。別の非限定的な例として、経口及び非経口製剤用のポリマーナノ粒子は、欧州特許第EP2073848B1号(その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている方法によって製造してもよい。
別の実施形態では、本明細書に記載のRNAワクチンは、画像化に使用されるナノ粒子に製剤化されてもよい。ナノ粒子は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第US20130129636号に記載されているようなリポソームナノ粒子であってもよい。非限定的な例として、リポソームは、ガドリニウム(III)2−{4,7−ビス−カルボキシメチル−10−[(N,N−ジステアリルアミドメチル−N’−アミド−メチル]1,4,7,10−テトラ−アザシクロドデカ−1−イル}−酢酸及び中性の完全に飽和したリン脂質成分を含んでもよい(例えば、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第US20130129636号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本発明で使用することができるナノ粒子は、米国特許出願第US20130130348号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される方法によって形成される。
本発明のナノ粒子は、限定するものではないが、その欠乏が貧血から神経管欠損への健康上の危険につながる可能性のある栄養素などの栄養素を更に含んでもよい(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際特許公開第WO2013072929号に記載されているナノ粒子を参照されたい)。非限定的な例として、栄養素は、第一鉄、第二鉄塩または元素鉄、ヨウ素、葉酸、ビタミンまたは微量栄養素の形態の鉄であってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明のRNAワクチンは、膨潤性ナノ粒子中に製剤化されてもよい。膨潤性ナノ粒子は、限定するものではないが、米国特許第8,440,231号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されたものであってもよい。非限定的な実施形態として、膨潤性ナノ粒子は、肺系への本発明のRNAワクチンの送達に使用され得る(例えば、米国特許第8,440,231号(その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
本発明のRNAワクチンは、限定するものではないが、米国特許第8,449,916号(その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているものなどのポリ酸無水物ナノ粒子に製剤化してもよい。
本発明のナノ粒子及び微粒子は、マクロファージ及び/または免疫応答を調節するために幾何学的に操作され得る。1つの態様において、幾何学的に操作された粒子は、限定されるものではないが肺送達のような標的送達のために本発明のポリヌクレオチドを取り込むために、様々な形状、サイズ及び/または表面電荷を有し得る(例えば、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第WO2013082111号を参照されたい)。幾何学的に操作した粒子の他の物理的特徴としては、限定するものではないが、開窓、角度付きアーム、非対称性及び表面粗さ、細胞及び組織との相互作用を変化させることができる電荷が挙げられ得る。非限定的な例として、本発明のナノ粒子は、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第WO2013082111号に記載されている方法によって製造してもよい。
いくつかの実施形態では、本発明のナノ粒子は、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO2013090601号に記載されているような水溶性ナノ粒子であってもよい。ナノ粒子は、良好な水溶性を示すために、小型でかつ双性イオン性のリガンドを有する無機ナノ粒子であってもよい。ナノ粒子はまた、小さな流体力学的直径(HD)、時間、pH、及び塩分に対する安定性、ならびに低レベルの非特異的タンパク質結合を有し得る。
いくつかの実施形態では、本発明のナノ粒子は、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第US20130172406号に記載されている方法によって開発してもよい。
いくつかの実施形態では、本発明のナノ粒子は、限定するものではないが、米国特許公開第US20130172406号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているようなステルスナノ粒子または標的特異的ステルスナノ粒子である。本発明のナノ粒子は、米国特許公開第US20130172406号(その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載の方法によって作製することができる。
別の実施形態では、ステルスまたは標的特異的ステルスナノ粒子は、ポリマーマトリクスを含んでもよい。ポリマーマトリクスは、2つ以上のポリマー、例えば、限定するものではないが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフマレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリウレア、ポリスチレン、ポリアミン、ポリエステル、ポリ無水物、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリメタアクリレート、ポリアクリレート、ポリシアノアクリレートまたはこれらの組み合わせを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、高密度核酸層を有するナノ粒子−核酸ハイブリッド構造であってもよい。非限定的な例として、ナノ粒子−核酸ハイブリッド構造は、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第US20130171646号に記載される方法によって作製され得る。ナノ粒子は、限定されるものではないが、本明細書に記載されるか、及び/または当該技術分野で公知のポリヌクレオチドなどの核酸を含んでもよい。
本発明のナノ粒子の少なくとも1つは、コアのナノ構造に埋め込まれていてもよく、またはそのナノ構造の内部もしくは表面上に少なくとも1つのペイロードを担持または会合させることができる低密度の多孔質3−D構造またはコーティングでコーティングされてもよい。少なくとも1つのナノ粒子を含むナノ構造の非限定的な例は、国際特許公開第WO2013123523号に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、カチオン性もしくはポリカチオン性化合物、例としては、プロタミン、ヌクレオリン、スペルミンもしくはスペルミジン、または他のカチオン性ペプチドもしくはタンパク質、例えば、ポリ−L−リジン(PLL)、ポリアルギニン、塩基性ポリペプチド、細胞浸透性ペプチド(CPP)、例としては、HIV−結合ペプチド、HIV−1 Tat(HIV)、Tat由来ペプチド、ペネトラチン、VP22由来または類似体ペプチド、ペスチウイルスErns、HSV、VP22(単純ヘルペス)、MAP、KALAまたはタンパク質導入ドメイン(PTD)、PpT620、プロリンリッチペプチド、アルギニンリッチペプチド、リジンリッチペプチド、MPG−ペプチド(複数可)、Pep−1、L−オリゴマー、カルシトニンペプチド(複数可)、アンテナペディア由来ペプチド(特にDrosophila antennapedia由来)、pAntp、pIsl、FGF、ラクトフェリン、トランスポータン、ブフォリン−2、Bac715−24、SynB、SynB(1)、pVEC、hCT由来ペプチド、SAP、ヒストン、カチオン性多糖類、例えばキトサン、ポリブレン、カチオン性ポリマー、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、カチオン性脂質、例えば、DOTMA:[1−(2,3−シオレイルオキシ)プロピル]]−N,N、N−トリメチルアンモニウムクロライド、DMRIE、ジ−C14−アミジン、DOTIM、SAINT、DC−Chol、BGTC、CTAP、DOPC、DODAP、DOPE:ジオレイルホスファチジルエタノール−アミン、DOSPA、DODAB、DOIC、DMEPC、DOGS:ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン、DIMRI:ジミリストオキシプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロマイド、DOTAP:ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン、DC−6−14:O,O−ジテトラデカノイル−N−アルファ−トリメチルアンモニオアセチル)ジエタノールアミンクロライド、CLIP1:rac−[(2,3−ジオクタデシルオキシプロピル)(2−ヒドロキシオキシエチル)]−ジメチルアンモニウムクロライド、CLIP6:rac−[2(2,3−ジヘキサデシルオキシプロピルオキシメチルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウム、CLIP9:rac−[2(2,3−ジヘキサデシルオキシプロピルオキシスクシニリルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウム、オリゴフェクタミン、またはカチオン性もしくはポリカチオン性ポリマー、例えば、変性ポリアミノ酸、例えば、ベータ−アミノ酸ポリマーもしくは逆ポリアミドなど、変性ポリエチレン、例えば、PVP(ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジニウムブロマイド))など、変性アクリレート、例えば、pDMAEMA(ポリ(ジメチルアミノエチル)メチルアクリレート))など、変性アミドアミン、例えば、pAMAM(ポリ(アミドアミン))など、変性ポリベータアミノエステル(PBAE)、例えば、ジアミン末端修飾1,4−ブタンジオールジアクリレート−co−5−アミノ−1−ペンタノールポリマーなど、デンドリマー、例えば、ポリプロピルアミンデンドリマーまたはpAMAMベースのデンドリマーなど、ポリイミン(複数可)、例えば、PEI:ポリ(エチレンイミン)、ポリ(プロピレンイミン)など、ポリアリルアミン、糖骨格ベースのポリマー、例えば、シクロデキストリンベースのポリマー、デキストランベースのポリマー、キトサンなど、シラン骨格系のポリマー、例えば、PMOXA−PDMSコポリマーなど、1つ以上のカチオン性ブロック(例えば、上記のカチオン性ポリマーから選択される)と1つ以上の親水性または疎水性ブロック(例えば、ポリエチレングリコール)との組み合わせからなるブロックポリマー、などと会合されてもよい。
他の実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、カチオン性またはポリカチオン性の化合物と会合していない。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、式(I)の化合物:
またはその塩もしくは異性体を含み、式中、
R1が、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−R*YR”、−YR”、及び−R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3が独立して、H、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−R*YR”、−YR”、及び−R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3が、それらが付着している原子と一緒になって、複素環もしくは炭素環を形成し、
R4が、C3−6炭素環、−(CH2)nQ、−(CH2)nCHQR、
−CHQR、−CQ(R)2、及び非置換のC1−6アルキルからなる群から選択され、ここでQが、炭素環、複素環、−OR、−O(CH2)nN(R)2、−C(O)OR、−OC(O)R、−CX3、−CX2H、−CXH2、−CN、−N(R)2、−C(O)N(R)2、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)2R、−N(R)C(O)N(R)2、−N(R)C(S)N(R)2、−N(R)R8、−O(CH2)nOR、−N(R)C(=NR9)N(R)2、−N(R)C(=CHR9)N(R)2、−OC(O)N(R)2、−N(R)C(O)OR、−N(OR)C(O)R、−N(OR)S(O)2R、−N(OR)C(O)OR、−N(OR)C(O)N(R)2、−N(OR)C(S)N(R)2、−N(OR)C(=NR9)N(R)2、−N(OR)C(=CHR9)N(R)2、−C(=NR9)N(R)2、−C(=NR9)R、−C(O)N(R)OR、及び−C(R)N(R)2C(O)ORから選択され、各nが独立して、1、2、3、4、及び5から選択され、
各R5が独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R6が独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
M及びM’が独立して、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、
−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)2−、−S−S−、アリール基、及びヘテロアリール基から選択され、
R7が、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
R8が、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
R9が、H、CN、NO2、C1−6アルキル、−OR、−S(O)2R、−S(O)2N(R)2、C2−6アルケニル、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
各Rが独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R’が独立して、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−R*YR”、−YR”、及びHからなる群から選択され、
各R”が独立して、C3−14アルキル及び
C3−14アルケニルからなる群から選択され、
各R*が独立して、C1−12アルキル及び
C2−12アルケニルからなる群から選択され、
各Yが独立して、C3−6炭素環であり、
各Xが独立して、F、Cl、Br、及びIからなる群から選択され、
mが、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13から選択される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物のサブセットは、R4が−(CH2)nQ、−(CH2)nCHQR、−CHQR、もしくは−CQ(R)2である場合、(i)Qは、nが1、2、3、4、もしくは5である場合、−N(R)2ではなく、または(ii)Qは、nが1もしくは2である場合、Qが5、6、もしくは7員のヘテロシクロアルキルではないものを含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の別のサブセットは、
R1が、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−R*YR”、−YR”、及び−R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3が独立して、H、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−R*YR”、−YR”、及び−R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3が、それらが付着している原子と一緒になって、複素環もしくは炭素環を形成し、
R4が、C3−6炭素環、−(CH2)nQ、−(CH2)nCHQR、−CHQR、−CQ(R)2、及び非置換のC1−6アルキルからなる群から選択され、ここでQが、C3−6炭素環、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5〜14員のヘテロアリール、−OR、−O(CH2)nN(R)2、−C(O)OR、−OC(O)R、−CX3、−CX2H、−CXH2、−CN、−C(O)N(R)2、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)2R、−N(R)C(O)N(R)2、−N(R)C(S)N(R)2、−CRN(R)2C(O)OR、−N(R)R8、−O(CH2)nOR、−N(R)C(=NR9)N(R)2、−N(R)C(=CHR9)N(R)2、−OC(O)N(R)2、−N(R)C(O)OR、−N(OR)C(O)R、−N(OR)S(O)2R、−N(OR)C(O)OR、−N(OR)C(O)N(R)2、−N(OR)C(S)N(R)2、−N(OR)C(=NR9)N(R)2、−N(OR)C(=CHR9)N(R)2、−C(=NR9)N(R)2、−C(=NR9)R、−C(O)N(R)OR、ならびにN、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5〜14員のヘテロシクロアルキルから選択され、これは、オキソ(=O)、OH、アミノ、モノ−またはジ−アルキルアミノ、及びC1−3アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されており、各nが独立して、1、2、3、4、及び5から選択され、
各R5が独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R6が独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
M及びM’が独立して、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)2−、−S−S−、及びアリール基、及びヘテロアリール基からなる群から選択され、
R7が、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
R8が、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
R9が、H、CN、NO2、C1−6アルキル、−OR、−S(O)2R、−S(O)2N(R)2、C2−6アルケニル、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
各Rが独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R’が独立して、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−R*YR”、−YR”、及びHからなる群から選択され、
各R”が独立して、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から選択され、
各R*が独立して、C1−12アルキル及びC2−12アルケニルからなる群から選択され、
各Yが独立して、C3−6炭素環であり、
各Xが独立して、F、Cl、Br、及びIからなる群から選択され、
mが、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13から選択されるもの、
またはその塩もしくは異性体を含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の別のサブセットは、
R1が、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−R*YR”、−YR”、及び−R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3が独立して、H、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−R*YR”、−YR”、及び−R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3が、それらが付着している原子と一緒になって、複素環もしくは炭素環を形成し、
R4が、C3−6炭素環、−(CH2)nQ、−(CH2)nCHQR、−CHQR、−CQ(R)2、及び非置換のC1−6アルキルからなる群から選択され、ここでQが、C3−6炭素環、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5〜14員の複素環、−OR、−O(CH2)nN(R)2、−C(O)OR、−OC(O)R、−CX3、−CX2H、−CXH2、−CN、−C(O)N(R)2、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)2R、−N(R)C(O)N(R)2、−N(R)C(S)N(R)2、−CRN(R)2C(O)OR、−N(R)R8、−O(CH2)nOR、−N(R)C(=NR9)N(R)2、−N(R)C(=CHR9)N(R)2、−OC(O)N(R)2、−N(R)C(O)OR、−N(OR)C(O)R、−N(OR)S(O)2R、−N(OR)C(O)OR、−N(OR)C(O)N(R)2、−N(OR)C(S)N(R)2、−N(OR)C(=NR9)N(R)2、−N(OR)C(=CHR9)N(R)2、−C(=NR9)R、−C(O)N(R)OR、及び−C(=NR9)N(R)2から選択され、各nが独立して、1、2、3、4、及び5から選択され、かつQが、5〜14員の複素環であり、かつ(i)R4が−(CH2)nQであり、ここでnは、1もしくは2であるか、または(ii)R4が−(CH2)nCHQRであり、ここでnは、1であるか、または(iii)R4が、−CHQR及び−CQ(R)2である場合、Qが5〜14員のヘテロアリールまたは8〜14員のヘテロシクロアルキルのいずれかであり、
各R5が独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R6が独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
M及びM’が独立して、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)2−、−S−S−、及びアリール基、及びヘテロアリール基からなる群から選択され、
R7が、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
R8が、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
R9が、H、CN、NO2、C1−6アルキル、−OR、−S(O)2R、−S(O)2N(R)2、C2−6アルケニル、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
各Rが独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R’が独立して、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−R*YR”、−YR”、及びHからなる群から選択され、
各R”が独立して、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から選択され、
各R*が独立して、C1−12アルキル及びC2−12アルケニルからなる群から選択され、
各Yが独立して、C3−6炭素環であり、
各Xが独立して、F、Cl、Br、及びIからなる群から選択され、
mが、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13から選択されるもの、
またはその塩もしくは異性体を含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の別のサブセットは、
R1が、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−R*YR”、−YR”、及び−R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3が独立して、H、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−R*YR”、−YR”、及び−R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3が、それらが付着している原子と一緒になって、複素環もしくは炭素環を形成し、
R4が、C3−6炭素環、−(CH2)nQ、−(CH2)nCHQR、−CHQR、−CQ(R)2、及び非置換のC1−6アルキルからなる群から選択され、ここでQが、C3−6炭素環、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5〜14員のヘテロアリール、−OR、−O(CH2)nN(R)2、−C(O)OR、−OC(O)R、−CX3、−CX2H、−CXH2、−CN、−C(O)N(R)2、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)2R、−N(R)C(O)N(R)2、−N(R)C(S)N(R)2、−CRN(R)2C(O)OR、−N(R)R8、−O(CH2)nOR、−N(R)C(=NR9)N(R)2、−N(R)C(=CHR9)N(R)2、−OC(O)N(R)2、−N(R)C(O)OR、−N(OR)C(O)R、−N(OR)S(O)2R、−N(OR)C(O)OR、−N(OR)C(O)N(R)2、−N(OR)C(S)N(R)2、−N(OR)C(=NR9)N(R)2、−N(OR)C(=CHR9)N(R)2、−C(=NR9)R、−C(O)N(R)OR、ならびにC(=NR9)N(R)2から選択され、各nが独立して、1、2、3、4、及び5から選択され、
各R5が独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R6が独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
M及びM’が独立して、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)2−、−S−S−、及びアリール基、及びヘテロアリール基からなる群から選択され、
R7が、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
R8が、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
R9が、H、CN、NO2、C1−6アルキル、−OR、−S(O)2R、−S(O)2N(R)2、C2−6アルケニル、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
各Rが独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R’が独立して、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−R*YR”、−YR”、及びHからなる群から選択され、
各R”が独立して、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から選択され、
各R*が独立して、C1−12アルキル及びC2−12アルケニルからなる群から選択され、
各Yが独立して、C3−6炭素環であり、
各Xが独立して、F、Cl、Br、及びIからなる群から選択され、
mが、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13から選択されるもの、
またはその塩もしくは異性体を含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の別のサブセットは、
R1が、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−R*YR”、−YR”、及び−R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3が独立して、H、C2−14アルキル、C2−14アルケニル、−R*YR”、−YR”、及び−R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3が、それらが付着している原子と一緒になって、複素環もしくは炭素環を形成し、
R4が、−(CH2)nQまたは−(CH2)nCHQRから選択され、ここでQが、−N(R)2であり、かつnが、3、4、及び5から選択され、
各R5が独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R6が独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
M及びM’が独立して、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)2−、−S−S−、及びアリール基、及びヘテロアリール基からなる群から選択され、
R7が、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各Rが独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R’が独立して、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−R*YR”、−YR”、及びHからなる群から選択され、
各R”が独立して、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から選択され、
各R*が独立して、C1−12アルキル及びC1−12アルケニルからなる群から選択され、
各Yが独立して、C3−6炭素環であり、
各Xが独立して、F、Cl、Br、及びIからなる群から選択され、
mが、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13から選択されるもの、
またはその塩もしくは異性体を含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の別のサブセットは、
R1が、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−R*YR”、−YR”、及び−R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3が独立して、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−R*YR”、−YR”、及び−R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3が、それらが付着している原子と一緒になって、複素環もしくは炭素環を形成し、
R4が、−(CH2)nQ、−(CH2)nCHQR、−CHQR、及び−CQ(R)2からなる群から選択され、ここでQが、−N(R)2であり、かつnが、1、2、3、4、及び5から選択され、
各R5が独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R6が独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
M及びM’が独立して、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)2−、−S−S−、及びアリール基、及びヘテロアリール基からなる群から選択され、
R7が、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各Rが独立して、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R’が独立して、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−R*YR”、−YR”、及びHからなる群から選択され、
各R”が独立して、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から選択され、
各R*が独立して、C1−12アルキル及びC1−12アルケニルからなる群から選択され、
各Yが独立して、C3−6炭素環であり、
各Xが独立して、F、Cl、Br、及びIからなる群から選択され、
mが、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13から選択されるもの、
またはその塩もしくは異性体を含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物のサブセットは、式(IA)のもの:
またはその塩もしくは異性体を含み、ここでlが、1、2、3、4、及び5から選択され、mが、5、6、7、8、及び9から選択され;M1が、結合またはM’であり、R4が、非置換のC1−3アルキル、または−(CH2)nQであり、ここでQが、OH、−NHC(S)N(R)2、−NHC(O)N(R)2、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)2R、−N(R)R8、−NHC(=NR9)N(R)2、−NHC(=CHR9)N(R)2、−OC(O)N(R)2、−N(R)C(O)OR、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり、M及びM’が独立して、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−P(O)(OR’)O−、−S−S−、アリール基、及びヘテロアリール基から選択され、R2及びR3が独立して、H、C1−14アルキル、及びC2−14アルケニルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物のサブセットは式(II)のもの:
またはその塩もしくは異性体を含み、ここでlが、1、2、3、4、及び5から選択され、M1が、結合またはM’であり、R4が、非置換のC1−3アルキル、または−(CH2)nQであり、ここでnが、2、3、または4であり、Qが、OH、−NHC(S)N(R)2、−NHC(O)N(R)2、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)2R、−N(R)R8、−NHC(=NR9)N(R)2、−NHC(=CHR9)N(R)2、−OC(O)N(R)2、−N(R)C(O)OR、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり、M及びM’が独立して、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−P(O)(OR’)O−、−S−S−、アリール基、及びヘテロアリール基から選択され、R2及びR3が独立して、H、C1−14アルキル、及びC2−14アルケニルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物のサブセットは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、または(IIe)のもの:
またはその塩もしくは異性体を含み、ここでR4は、本明細書に記載のとおりである。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物のサブセットは、式(IId)のもの:
またはその塩もしくは異性体を含み、ここでnは、2、3、または4であり、かつm、R’、R”、及びR2〜R6は本明細書に記載のとおりである。例えば、R2及びR3の各々は独立して、C5−14アルキル及びC5−14アルケニルからなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物のサブセットは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、または(IIe)のもの:
またはその塩もしくは異性体を含み、ここでR4は、本明細書に記載のとおりである。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物のサブセットは、式(IId)のもの:
またはその塩もしくは異性体を含み、ここでnは、2、3、または4であり、かつm、R’、R”、及びR2〜R6は本明細書に記載のとおりである。例えば、R2及びR3の各々は独立して、C5−14アルキル及びC5−14アルケニルからなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、以下からなる群から選択される:
更なる実施形態では、式(I)の化合物は、以下からなる群から選択される:
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、以下からなる群から選択される:
ならびにそれらの塩及び異性体。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、以下の化合物を含む:
またはそれらの塩及び異性体。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、または(IIe))を含む脂質成分を含むナノ粒子組成物を特徴とする。
いくつかの実施形態では、カチオン性脂質はイオン化可能なカチオン性脂質であり、非カチオン性脂質は中性脂質であり、ステロールはコレステロールである。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、ジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオアート(L319)、(12Z,15Z)−N,N−ジメチル−2−ノニルヘニコサ−12,15−ジエン−1−アミン(L608)、及びN,N−ジメチル−1−[(1S、2R)−2−オクチルシクロプロピル]ヘプタデカン−8−アミン(L530)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、この脂質は、
である。
いくつかの実施形態では、この脂質は、
である。
マルチマー複合体
本明細書に記載のRNAワクチンは、mRNA分子間に非共有結合(例えば、水素結合)結合を有する多量体複合体として組み立てることができる。これらのタイプの多量体構造によって、治療用組成物中のmRNAの均一な分布が可能になる。RNAなどの複数の核酸が、例えば、脂質ベースの製剤中で製剤化される場合、その製剤による全核酸の比較的均一な分布が達成され得る。しかしながら、混合物中の他の核酸に対する特定の核酸の分布は、均一ではない。例えば、核酸混合物が2つの別個のmRNA配列から構成される場合、脂質粒子または他の製剤のいくつかは、単一のmRNA配列を収容し、他のものは他のmRNA配列を収容し、少数がmRNA配列の両方を収容する。治療上の状況では、このmRNAの不均一な分布は、患者に送達されるmRNAの投与量が投与によって異なるため望ましくない。極めて驚くべきことに、本明細書に記載の多量体構造によって、製剤全体にわたって均一な分布を有する核酸を有する製剤の製造を可能になった。個々の核酸間の非共有結合相互作用が、製剤中の核酸のそのような均一な分布を生じ得ることは驚くべきことであった。更に、多量体核酸複合体は、mRNA発現活性などの活性を妨害しない。
いくつかの実施形態では、ワクチンを構成するRNAポリヌクレオチドの多量体構造は、脂質ナノ粒子などの組成物全体に均一に分布している。均一に分布しているとは、本明細書で複数の核酸(それぞれ固有のヌクレオチド配列を有する)の文脈で使用される場合、その製剤中の各核酸のお互いに対する分布を指す。製剤中の核酸の分布は、当該技術分野で公知の方法を用いて評価することができる。核酸が、製剤の特定領域内で他の核酸と約1:1の比で近接して会合する場合、核酸は別の核酸に対して均一に分布している。いくつかの実施形態では、核酸が製剤の特定の領域内で他の核酸に対して約1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、または1:2の比で位置する場合、その核酸は別の核酸に対して均一に分布している。
本明細書で使用する多量体構造は、互いに連結して多量体構造を形成する一連の少なくとも核酸である。いくつかの実施形態では、多量体構造は、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上の核酸から構成される。他の実施形態では、多量体構造は、1000以下、900以下、500以下、100以下、75以下、50以下、40以下、30以下、20以下または100以下の核酸から構成される。更に他の実施形態では、多量体構造は、3〜100、5〜100、10〜100、15〜100、20〜100、25〜100、30〜100、35〜100、40〜100、45〜100、50〜100、55〜100、60〜100、65〜100、70〜100、75〜100、80〜100、90〜100、5〜50、10〜50、15〜50、20〜50、25〜50、30〜50、35〜50、40〜50、45〜50、100〜150、100〜200、100〜300、100〜400、100〜500、50〜500、50〜800、50〜1,000、または100〜1,000の核酸を有する。好ましい実施形態では、多量体構造は3〜5個の核酸から構成される。
いくつかの実施形態では、多量体構造中の核酸数の上限は、二量体化可能領域の長さに依存する。mRNA間の20ヌクレオチド超の空間は、下流のプロセシングのためにマルチmRNA複合体を完全に保つための特異性及び十分な力を提供し得、したがっていくつかの実施形態では好ましい。いくつかの実施形態では、多量体構造の4〜5個の核酸がワクチンに望ましい場合がある。
多量体構造は、部分A及び部分Bから構成される第1の連結領域を有する第1のmRNA、ならびに部分C及び部分Dから構成される第2の連結領域を有する第2のmRNAから構成される自己組織化多量体mRNA構造であってもよく、ここで、第1の連結領域の少なくとも部分A及び第2の連結領域の少なくとも部分Cは、互いに対して相補的である。好ましくは、核酸は、連結領域中の非共有結合を介して互いに連結される。以下は例示的な連結領域であり、Xは0〜100ヌクレオチドのいずれかの核酸配列であり、A及びBは1つ以上の他の核酸に相補的な相補的部分である。
本明細書中で使用される場合、連結領域とは、他の連結領域の1つ以上の領域に相補的な1つ以上の領域または部分を有する核酸配列を指す。1つの相補的領域をそれぞれが有する一対の連結領域は、互いに少なくとも70%相補的であり得る。いくつかの実施形態では、一対の連結領域は、互いに少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%相補的である。連結領域は、場合によっては部分A、B、C、D、...と呼ばれる小部分から構成されてもよく...、これは、この小部分が他の小部分と相補的であり得るように互いの間で相補性の更に短い領域を有する。例えば、2つのmRNAの単純な多量体構造は、それぞれ相補性の単一の領域を有する連結領域を有し得る。2つの連結領域は、塩基対形成を介して互いに非共有結合相互作用を形成し得る。各核酸の連結領域が少なくとも2つの部分を有し、各部分が別の核酸連結領域上の部分と相補性を有する、より複雑な多量体構造も考えられる。異なる相補性を有する複数の部分を有する連結領域は、3、4、5またはそれ以上の核酸のより大きな多量体複合体の生成を可能にする。
いくつかの実施形態における連結領域は、5〜100ヌクレオチド長である。他の実施形態では、連結領域は10〜25ヌクレオチド長である。
本明細書で使用する「相補性領域」という用語は、第2の核酸鎖上の第2の領域と実質的に相補的な第1の核酸鎖上の領域を指す。一般に、相補性領域を共有する2つの核酸は、適切な条件の下で(例えば、核酸塩基対形成を介して)ハイブリダイズして二本鎖構造を形成し得る。相補性の領域は、サイズが変化し得る。いくつかの実施形態では、相補性領域は、長さが約2塩基対〜約100塩基対の範囲である。いくつかの実施形態では、相補性領域は、約5塩基対〜約75塩基対の長さの範囲である。いくつかの実施形態では、相補性の領域は、約10塩基対〜約50塩基対の長さの範囲である。いくつかの実施形態では、相補性領域は、長さが約20塩基対〜約30塩基対の範囲である。
相補性領域にわたる2つの核酸間で共有される核酸塩基の数は変化し得る。いくつかの実施形態では、2つの核酸は、相補性領域にわたって100%の相補塩基対(例えば、ミスマッチなし)を共有する。いくつかの実施形態では、2つの核酸は、相補性領域にわたって、少なくとも99.9%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、または少なくとも70%の相補性塩基対を共有する。いくつかの実施形態では、2つの核酸間で共有される相補性領域は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の塩基対のミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、2つの核酸間で共有される相補性領域には、10を超える塩基対ミスマッチが含まれる。
本明細書で使用する場合、「非共有結合」という用語は、電子の共有を伴わない分子間の化学的相互作用(例えば、結合)を指す。一般に、非共有結合は、荷電した分子間の電磁相互作用によって形成される。非共有結合の例としては、限定するものではないが、イオン結合、水素結合、ハロゲン結合、ファンデルワールス力(例えば双極子−双極子相互作用、ロンドン分散力など)、π−効果(π−π相互作用、カチオン−π相互作用、アニオン−π相互作用)、及び疎水性効果が挙げられる。
いくつかの実施形態では、多量体分子の核酸分子(例えば、mRNA分子)間に形成される少なくとも1つの非共有結合は、ワトソン−クリック塩基対形成の結果である。「ワトソン−クリック塩基対形成」または「塩基対形成」という用語は、ヌクレオチド塩基の特定の対(「相補塩基対」)間の水素結合の形成を指す。例えば、アデニン(A)とウラシル(U)との間に2つの水素結合が形成され、グアニン(G)とシトシン(C)の間に3つの水素結合が形成される。2つのポリヌクレオチド間の結合の強さを評価する1つの方法は、2つのポリヌクレオチドのグアニン塩基とシトシン塩基との間に形成される結合の割合(「GC含量」)を定量することによる。いくつかの実施形態では、多量体分子(例えば、多量体mRNA分子)の2つの核酸間の結合のGC含量は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%である。いくつかの実施形態では、多量体分子(例えば、多量体mRNA分子)の2つの核酸間の結合のGC含量は、10%〜70%、約20%〜約60%、または約30%〜約60%である。相補的塩基対の結合による核酸二重鎖の形成はまた、「ハイブリダイゼーション」と呼んでもよい。
いくつかの実施形態では、2つの核酸分子(例えば、mRNA分子)がハイブリダイズして多量体分子を形成する。ハイブリダイゼーションは、2つのポリヌクレオチド(例えば、mRNA分子)の間の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の非共有結合の形成から生じ得る。いくつかの実施形態では、約2つの非共有結合と約10の非共有結合との間が2つの核酸分子の間に形成される。いくつかの実施形態では、約5〜約15の非共有結合が2つの核酸分子の間に形成される。いくつかの実施形態では、約10〜約20の非共有結合が2つの核酸分子の間に形成される。いくつかの実施形態では、約15〜約30の非共有結合が、2つの核酸分子の間に形成される。いくつかの実施形態では、約20〜約50の非共有結合が2つの核酸分子の間に形成される。いくつかの実施形態では、2つの核酸分子(例えば、mRNA分子)の間に形成される非共有結合の数は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50の非共有結合である。
いくつかの実施形態では、自己組織化多量体mRNA構造は、少なくとも2〜100のmRNAから構成され、各mRNAは、連結領域及び安定化核酸を有し、ここでこの安定化核酸は、各連結領域に相補的な領域を有する、ヌクレオチド配列を有する。本明細書に用いられる安定化核酸は、複数の連結領域を有し、かつ少なくとも2、ただし更に好ましくは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50の他の核酸との非共有相互作用を形成し得る任意の核酸である。例えば、安定化核酸は、以下の構造を有してもよい:
L
1X
1L
2X
2L
3X
3L
4X
4L
5X
5L
6X
6、ここで、Lは連結領域に相補的な核酸配列であり、xは0〜50ヌクレオチド長の任意の核酸配列である。そのような構造は以下のように見える場合がある。
いくつかの実施形態では、多量体mRNA分子は、第1のmRNA及び第2のmRNAを含み、ここで第1のmRNA及び第2のmRNAは、スプリントを通じてお互いに非共有結合されている。本明細書で使用する「スプリント」という用語は、第1の核酸との相補性の第1領域、及び第2の核酸との相補性の第2の領域を有するオリゴヌクレオチドを指す。スプリントは、DNAオリゴヌクレオチドであっても、またはRNAオリゴヌクレオチドであってもよい。いくつかの実施形態では、スプリントは、1つ以上の修飾オリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、スプリントは、mRNAの5’UTRに非共有結合している。いくつかの実施形態では、スプリントは、mRNAの3’UTRに非共有結合している。
いくつかの実施形態では、核酸分子(例えば、mRNA分子)間の非共有結合は、各分子の非コード領域において形成される。本明細書で使用する「非コード領域」という用語は、タンパク質に翻訳されないポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の位置を指す。非コード領域の例は、調節領域(例えば、DNA結合ドメイン、プロモーター配列、エンハンサー配列)及び非翻訳領域(例えば、5’UTR、3’UTR)を含む。いくつかの実施形態では、非コード領域は非翻訳領域(UTR)である。
定義上、遺伝子の野生型非翻訳領域(UTR)は転写されるが翻訳されない。mRNAにおいて、5’UTRは転写開始部位で開始し、開始コドンまで続くが開始コドンを含まない;一方、3’UTRは終止コドンのすぐ後に始まり、転写終結シグナルまで続く。
天然の5’UTRは、翻訳開始において役割を果たす特徴を有する。それらは、リボソームが多くの遺伝子の翻訳を開始する過程に関与することが一般的に知られているKozak配列のような特徴を保持している。コザック配列は、コンセンサスCCR(A/G)CCAUGGを有し、ここでRは、開始コドン(AUG)の3塩基上流のプリン(アデニンまたはグアニン)であり、その後に別の’G’が続く。5’UTRも、伸長因子結合に関与する二次構造を形成することが知られている。
任意の遺伝子由来の任意のUTRをポリヌクレオチドの領域に組み込んでもよいことができることを理解すべきである。更に、任意の既知遺伝子の複数の野生型UTRを利用してもよい。野生型領域の変異体ではない人工UTRを提供することも、本発明の範囲内である。これらのUTRまたはその一部分は、それらが選択された転写物と同じ向きに配置されてもよいし、または向きもしくは位置が変更されてもよい。したがって、5’または3’UTRは、1つ以上の他の5’UTRまたは3’UTRで逆転、短縮、延長、作製されてもよい。本明細書で使用される場合、「改変された」という用語は、UTR配列に関するものであり、UTRが参照配列に関して何らかの形で変化したことを意味する。例えば、3’または5’UTRは、上記で教示したように、向きもしくは位置の変化によって野生型もしくは天然のUTRに対して改変されてもよく、または追加のヌクレオチドの包含、ヌクレオチドの欠失、ヌクレオチドのスワッピングもしくは転位によって改変されてもよい。「改変された」UTR(3’または5’のいずれか)を産生する任意のこれらの変化は変異体UTRを含む。
いくつかの実施形態では、5’または3’UTRなどの二重、三重または四重のUTRが使用され得る。本明細書で使用する「二重」UTRとは、同じUTRの2つのコピーが直列または実質的に直列にコード化されているものである。
パターン化されたUTRを有することも本発明の範囲内である。本明細書で使用される「パターン化UTR」とは、ABABABもしくはAABBAABBAABBもしくはABCABCABCまたはその変異体が1回、2回、または3回以上反復されるような反復パターンまたは交互パターンを反映するUTRである。これらのパターンでは、各文字A、B、またはCは、ヌクレオチドレベルで異なるUTRを表す。
いくつかの実施形態では、隣接領域は、そのタンパク質が共通の機能、構造、特性の特徴を共有する転写物のファミリーから選択される。例えば、目的のポリペプチドは、特定の細胞、組織または発達中のある時期に発現されるタンパク質のファミリーに属する場合がある。これらの遺伝子のいずれかに由来するUTRは、同じまたは異なるファミリーのタンパク質の任意の他のUTRとスワッピングして、新しいポリヌクレオチドを作製してもよい。本明細書で使用される場合、「タンパク質のファミリー」とは、最も広い意味において使用され、少なくとも1つの機能、構造、特徴、局在、起点または発現パターンを共有する2つ以上の目的のポリペプチドの群を指す。非翻訳領域は、翻訳エンハンサーエレメント(TEE)も含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本発明のポリヌクレオチド(例えば、第1の核酸)のUTRは、別のポリヌクレオチド(第2の核酸)のUTRとの相補性の領域を有するように操作または修飾される。例えば、2つのUTRがハイブリダイズして多量体分子を形成するように、(例えば、多量体分子中の)結合しようとする2つのポリヌクレオチドのUTRヌクレオチド配列を、相補性の領域を含むように修飾してもよい。
いくつかの実施形態では、HCMV抗原ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチドの5’UTRは、多量体配列の形成を可能にするように修飾される。いくつかの実施形態では、gH、gL、gB、gO、gM、gM、UL128、UL130、UL131A1から選択されるHCMVタンパク質をコードするRNAポリヌクレオチドの5’UTRは、多量体配列の形成を可能にするように修飾される。いくつかの実施形態では、UL128、UL130、UL131A1から選択されるHCMVタンパク質をコードするRNAポリヌクレオチドの5’UTRを修飾して、多量体配列の形成を可能にする。いくつかの実施形態では、HCMV糖タンパク質をコードするRNAポリヌクレオチドの5’UTRを修飾して、多量体配列の形成を可能にする。いくつかの実施形態では、gH、gL、gB、gO、gM及びgMから選択されるHCMV糖タンパク質をコードするRNAポリヌクレオチドの5’UTRを修飾して、多量体配列の形成を可能にする。これらの実施形態のいずれかにおいて、多量体は、二量体、三量体、五量体、六量体、七量体、八量体、九量体、または十量体であってもよい。これらの実施形態のいずれにおいても、多量体は均一な多量体であってもよく、すなわち、同じHCMV抗原ポリペプチドをコードする配列を有する二量体、三量体、五量体などを含んでもよい。これらの実施形態のいずれかにおいて、多量体は、異なるHCMV抗原ポリペプチド、例えば2つの異なる抗原ポリペプチド、3つの異なる抗原ポリペプチド、4つの異なる抗原ポリペプチド、5つの異なる抗原ポリペプチド、などをコードする配列を有する二量体、三量体、五量体などを含む異種多量体であってもよい。多量体分子(例えば、二量体、三量体、五量体など)の形成のための修飾された5’UTR配列を有する例示的なHCMV核酸は、配列番号19〜26を含む。
いくつかの実施形態では、RNAワクチンは、カチオン性もしくはポリカチオン性化合物、例としては、プロタミン、ヌクレオリン、スペルミンもしくはスペルミジン、または他のカチオン性ペプチドもしくはタンパク質、例えば、ポリ−L−リジン(PLL)、ポリアルギニン、塩基性ポリペプチド、細胞浸透性ペプチド(CPP)、例としては、HIV−結合ペプチド、HIV−1 Tat(HIV)、Tat由来ペプチド、ペネトラチン、VP22由来または類似体ペプチド、ペスチウイルスErns、HSV、VP22(単純ヘルペス)、MAP、KALAまたはタンパク質導入ドメイン(PTD)、PpT620、プロリンリッチペプチド、アルギニンリッチペプチド、リジンリッチペプチド、MPG−ペプチド(複数可)、Pep−1、L−オリゴマー、カルシトニンペプチド(複数可)、アンテナペディア由来ペプチド(特にDrosophila antennapedia由来)、pAntp、pIsl、FGF、ラクトフェリン、トランスポータン、ブフォリン−2、Bac715−24、SynB、SynB(1)、pVEC、hCT由来ペプチド、SAP、ヒストン、カチオン性多糖類、例えばキトサン、ポリブレン、カチオン性ポリマー、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、カチオン性脂質、例えば、DOTMA:[1−(2,3−シオレイルオキシ)プロピル]]−N,N、N−トリメチルアンモニウムクロライド、DMRIE、ジ−C14−アミジン、DOTIM、SAINT、DC−Chol、BGTC、CTAP、DOPC、DODAP、DOPE:ジオレイルホスファチジルエタノール−アミン、DOSPA、DODAB、DOIC、DMEPC、DOGS:ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン、DIMRI:ジミリストオキシプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロマイド、DOTAP:ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン、DC−6−14:O,O−ジテトラデカノイル−N−アルファ−トリメチルアンモニオアセチル)ジエタノールアミンクロライド、CLIP1:rac−[(2,3−ジオクタデシルオキシプロピル)(2−ヒドロキシオキシエチル)]−ジメチルアンモニウムクロライド、CLIP6:rac−[2(2,3−ジヘキサデシルオキシプロピルオキシメチルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウム、CLIP9:rac−[2(2,3−ジヘキサデシルオキシプロピルオキシスクシニリルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウム、オリゴフェクタミン、またはカチオン性もしくはポリカチオン性ポリマー、例えば、変性ポリアミノ酸、例えば、ベータ−アミノ酸ポリマーもしくは逆ポリアミドなど、変性ポリエチレン、例えば、PVP(ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジニウムブロマイド))など、変性アクリレート、例えば、pDMAEMA(ポリ(ジメチルアミノエチル)メチルアクリレート))など、変性アミドアミン、例えば、pAMAM(ポリ(アミドアミン))など、変性ポリベータアミノエステル(PBAE)、例えば、ジアミン末端修飾1,4−ブタンジオールジアクリレート−co−5−アミノ−1−ペンタノールポリマーなど、デンドリマー、例えば、ポリプロピルアミンデンドリマーまたはpAMAMベースのデンドリマーなど、ポリイミン(複数可)、例えば、PEI:ポリ(エチレンイミン)、ポリ(プロピレンイミン)など、ポリアリルアミン、糖骨格ベースのポリマー、例えば、シクロデキストリンベースのポリマー、デキストランベースのポリマー、キトサンなど、シラン骨格系のポリマー、例えば、PMOXA−PDMSコポリマーなど、1つ以上のカチオン性ブロック(例えば、上記のカチオン性ポリマーから選択される)と1つ以上の親水性または疎水性ブロック(例えば、ポリエチレングリコール)との組み合わせからなるブロックポリマー、などと会合されてもよい。
他の実施形態では、RNAワクチンは、カチオン性またはポリカチオン性化合物と会合されていない。
ワクチン投与の形式
HCMV RNAワクチンは、治療上有効な結果をもたらす任意の経路によって投与され得る。これらとしては、限定するものではないが、皮内、筋肉内及び/または皮下投与が挙げられる。本開示は、RNAワクチンを、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢、及び一般的な状態、疾患の重症度、特定の組成物、その投与様式、その活性様式などに依存して、対象によって異なるであろう。HCMV RNAワクチン組成物は、典型的には、投与の容易さ及び投与量の均一性のために、単位投与形態で製剤化される。しかしながら、HCMV RNAワクチン組成物の1日総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定され得ることが理解されるであろう。任意の特定の患者についての特定の治療上有効な、予防的に有効な、または適切な画像化用量レベルは、治療される障害及び障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別及び食事;投与時間、投与経路、及び使用される特定の化合物の排泄速度;治療の持続時間;使用される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;医学分野で周知の同様の要因を含む様々な要因に依存する。
いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチン組成物は、所望の治療、診断、予防または画像化効果を得るために、1日あたり、1日1回以上、1週あたり、1か月あたりなど、対象の体重あたり、0.0001mg/kg〜100mg/kg、0.001mg/kg〜0.05mg/kg、0.005mg/kg〜0.05mg/kg、0.001mg/kg〜0.005mg/kg、0.05mg/kg〜0.5mg/kg、0.01mg/kg〜50mg/kg、0.1mg/kg〜40mg/kg、0.5mg/kg〜30mg/kg、0.01mg/kg〜10mg/kg、0.1mg/kg〜10mg/kg、または1mg/kg〜25mg/kgなどを送達するのに十分な投与レベルで投与してもよい(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO2013078199号に記載されている単位用量の範囲を参照されたい)。所望の投与量は、1日3回、1日2回、1日1回、1日おき、3日毎、毎週、2週毎、3週毎、4週毎、2カ月毎、3カ月毎、6ヶ月毎、などで送達されてもよい。特定の実施形態では、所望の投与量は、複数回投与(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14またはそれ以上の投与)を用いて送達してもよい。複数の投与が使用される場合、本明細書に記載されているような分割投薬レジメンを使用してもよい。例示的な実施形態では、HCMV RNAワクチン組成物は、0.0005mg/kg〜0.01mg/kg、例えば、約0.0005mg/kg〜約0.0075mg/kg、例えば、約0.0005mg/kg、約0.001mg/kg、約0.002mg/kg、約0.003mg/kg、約0.004mg/kgまたは約0.005mg/kgを送達するために十分な投与レベルで投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチン組成物は、0.025mg/kg〜0.250mg/kg、0.025mg/kg〜0.500mg/kg、0.025mg/kg〜0.750mg/kg、または0.025mg/kg〜1.0mg/kgを送達するのに十分な投与量レベルで1回または2回(またはそれ以上)投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチン組成物は、2回(例えば、0日目及び7日目、0日目及び14日目、0日目及び21日目、0日目及び28日目、0日目及び60日目、0日目及び90日目、0日目及び120日目、0日目及び150日目、0日目及び180日目、0日目及び3カ月後、0日目及び6カ月後、0日目及び9カ月後、0日目及び12カ月後、0日目及び18カ月後、0日目及び2年後、0日目及び5年後、または0日目及び10年後)に、0.0100mg、0.025mg、0.050mg、0.075mg、0.100mg、0.125mg、0.150mg、0.175mg、0.200mg、0.225mg、0.250mg、0.275mg、0.300mg、0.325mg、0.350mg、0.375mg、0.400mg、0.425mg、0.450mg、0.475mg、0.500mg、0.525mg、0.550mg、0.575mg、0.600mg、0.625mg、0.650mg、0.675mg、0.700mg、0.725mg、0.750mg、0.775mg、0.800mg、0.825mg、0.850mg、0.875mg、0.900mg、0.925mg、0.950mg、0.975mg、または1.0mgという総用量または総用量を送達するのに十分な投与レベルで投与されてもよい。より高い及びより低い投与量及び投与頻度が、本開示によって包含される。例えば、HCMV RNAワクチン組成物は、3回投与されても、または4回投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチン組成物は、2回(例えば、0日目及び7日目、0日目及び14日目、0日目及び21日目、0日目及び28日目、0日目及び60日目、0日目及び90日目、0日目及び120日目、0日目及び150日目、0日目及び180日目、0日及び3カ月後、0日及び6カ月後、0日及び9カ月後、0日目及び12カ月後、0日目及び18カ月後、0日目及び2年後、0日目及び5年後、または0日目及び10年後)に、0.010mg、0.025mg、0.100mgまたは0.400mgという総用量で、またはその総用量を送達するのに十分な用量レベルで、投与され得る。
いくつかの実施形態では、対象にワクチン接種する方法で使用するRNAワクチンは、対象にワクチン接種するのに有効な量で、10μg/kg〜400μg/kgの核酸ワクチンの単回投与で対象に投与される。いくつかの実施形態では、対象にワクチン接種する方法で使用するRNAワクチンは、対象にワクチン接種するのに有効な量で10μg〜400μgの核酸ワクチンの単回投与で対象に投与される。いくつかの実施形態では、対象にワクチン接種する方法において使用するためのHCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、10μgの単回投与で対象に投与される。いくつかの実施形態では、対象にワクチン接種する方法において使用するためのHCMV RNAワクチンは、2μgの単回用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、対象にワクチン接種する方法において使用するためのHCMV RNAワクチンは、10μgの2つの投与量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、対象にワクチン接種する方法において使用するためのHCMV RNAワクチンは、対象に2μgの2投与量を投与される。
本明細書に記載のHCMVワクチンは、複数のRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。RNAポリヌクレオチドは、ワクチン中に等しい量で存在しても、または異なる量で存在してもよい。例えば、ワクチンは、HCMV抗原ポリペプチドgHまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドgL、またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドUL128またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドUL130、またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;HCMV抗原ポリペプチドUL131Aまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチド;及び/またはHCMV抗原ポリペプチドgB、またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、gH−gL−UL128−UL130−UL131Aの比は、約1:1:1:1:1である。他の実施形態では、gH−gL−UL128−UL130−UL131Aの比は、約4:2:1:1:1である。いくつかの実施形態では、gB−gH−gL−UL128−UL130−UL131Aの比は、約1:1:1:1:1:1である。いくつかの実施形態では、ワクチンは、等モル濃度のgH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、等モル濃度のgB、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、等しい質量のgH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、等しい質量のgB、gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aを含む。
本明細書に記載のHCMV RNAワクチン薬学的組成物は、鼻腔内、気管内または注射(例えば、静脈内、眼内、硝子体内、筋肉内、皮内、心臓内、腹腔内及び皮下)のような、本明細書に記載の投与形態に製剤化されてもよい。
HCMV RNAワクチン製剤及び使用方法
本開示のいくつかの態様は、HCMV RNAワクチンが、対象において抗原特異的免疫応答を生成(例えば、抗HCMV抗原ポリペプチドに特異的な抗体の産生)するのに有効な量で製剤化される1つ以上のHCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンの製剤を提供する。「有効量」とは、抗原特異的免疫応答を生じさせるのに有効なHCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンの用量である。対象において抗原特異的免疫応答を誘導する方法も本明細書に提供される。
いくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答は、本明細書で提供されるHCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価を測定することによって特徴付けられる。抗体価とは、対象内の抗体、例えば特定の抗原(例えば、抗HCMV抗原ポリペプチド)または抗原のエピトープに特異的な抗体の量の測定値である。抗体価は、典型的には、陽性の結果をもたらす最大希釈の逆数として表される。酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)は、例えば、抗体価を決定するための一般的なアッセイである。
いくつかの実施形態では、抗体価を用いて、対象が感染したか否かを評価するか、または免疫が必要であるかどうかを決定する。いくつかの実施形態では、抗体価は、自己免疫応答の強さを決定するため、ブースター免疫が必要であるかどうかを決定するため、以前のワクチンが有効であったかどうかを決定するため、任意の最近のまたは以前の感染を特定するために用いられる。本開示によれば、抗体価を使用して、HCMV RNAワクチンによって対象において誘導される免疫応答の強度を決定してもよい。
いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも1対数増加する。例えば、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、または少なくとも3対数増加され得る。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して1、1.5、2、2.5または3対数増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して1〜3対数増加する。例えば、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して1〜1.5、1〜2、1〜2.5、1〜3、1.5〜2、1.5〜2.5、1.5〜3、2〜2.5、2〜3、または2.5〜3対数増加され得る。
いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも2倍増加する。例えば、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍増加され得る。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して2、3、4、5、6、7、8、9または10倍増加する。いくつかの実施形態では、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して2〜10倍増加する。例えば、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して2〜10、2〜9、2〜8、2〜7、2〜6、2〜5、2〜4、2〜3、3〜10、3〜9、3〜8、3〜7、3〜6、3〜5、3〜4、4〜10、4〜9、4〜8、4〜7、4〜6、4〜5、5〜10、5〜9、5〜8、5〜7、5〜6、6〜10、6〜9、6〜8、6〜7、7〜10、7〜9、7〜8、8〜10、8〜9、または9〜10倍増加され得る。
対照は、いくつかの実施形態では、HCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンを投与されていない対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。いくつかの実施形態では、対照は、生弱毒化HCMVワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。弱毒化ワクチンは、生存可能な(生存している)病原体の病原性を低減することによって産生されるワクチンである。弱毒化されたウイルスは、生存している未改変のウイルスに比べてそれを無害化するか、または弱毒化するように変更される。いくつかの実施形態では、対照は、不活性化HCMVワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。いくつかの実施形態では、対照は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価である。組み換えタンパク質ワクチンは、典型的には、異種発現系(例えば、細菌または酵母)で産生されたタンパク質抗原、または大量の病原性生物から精製されたタンパク質抗原を含む。
いくつかの実施形態では、HCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンの有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量と比較して低減される用量である。本明細書で提供される「ケアの標準」は、医学的または心理学的治療ガイドラインを指し、一般的であっても、または特定的であってもよい。「ケアの標準」は、所定の病態の治療に関わる医療専門家間の科学的証拠及び協力に基づいた適切な治療を規定している。これは、特定の種類の患者、病気または臨床環境について医師/臨床医が従うべき診断及び治療プロセスである。本明細書で提供される「ケア用量の標準」とは、医師/臨床医または他の医療専門家が、HCMVまたはHCMVに関連する状態を治療または予防するためのケアガイドラインの標準に従いながら、対象に投与して、HCMVまたはHCMV関連状態を治療または予防する、組み換えもしくは精製されたHCMVタンパク質ワクチン、または生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの用量を指す。
いくつかの実施形態では、有効量のHCMV RNAワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量のHCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、組み換えまたは精製されたHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量の少なくとも2倍の低減と等しい用量である。例えば、有効量のHCMV RNAワクチンは、組み換えまたは精製HCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍の低下に対して等しい用量であり得る。いくつかの実施形態では、HCMV RNAワクチンの有効量は、組み換えまたは精製HCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における少なくとも100倍、少なくとも500倍または少なくとも1000倍の低減に等しい用量である。いくつかの実施形態では、有効量のHCMV RNAワクチンは、組み換えまたは精製HCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100、250、500または1000倍の低減に等しい用量である。いくつかの実施形態では、有効量のHCMV RNAワクチンを投与された対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたはタンパク質HCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照の対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価に対して等しい。いくつかの実施形態では、有効量のHCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、組み換えまたは精製HCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量において、2倍〜1000倍(例えば、2倍〜100倍、10倍〜1000倍)の低減に等しい用量であり、ここでこの対象で産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製HCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照の対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、有効量のHCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンとは、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における、2〜1000倍、2〜900倍、2〜800倍、2〜700倍、2〜600倍、2〜500倍、2〜400倍、2〜300倍、2〜200倍、2〜100倍、2〜90倍、2〜80倍、2〜70倍、2〜60倍、2〜50倍、2〜40倍、2〜30倍、2〜20倍、2〜10倍、2〜9倍、2〜8倍、2〜7倍、2〜6倍、2〜5倍、2〜4倍、2〜3倍、3〜1000倍、3〜900倍、3〜800倍、3〜700倍、3〜600倍、3〜500倍、3〜400倍、3〜300倍、3〜200倍、3〜100倍、3〜90倍、3〜80倍、3〜70倍、3〜60倍、3〜50倍、3〜40倍、3〜30倍、3〜20倍、3〜10倍、3〜9倍、3〜8倍、3〜7倍、3〜6倍、3〜5倍、3〜4倍、4〜1000倍、4〜900倍、4〜800倍、4〜700倍、4〜600倍、4〜500倍、4〜400倍、4〜300倍、4〜200倍、4〜100倍、4〜90倍、4〜80倍、4〜70倍、4〜60倍、4〜50倍、4〜40倍、4〜30倍、4〜20倍、4〜10倍、4〜9倍、4〜8倍、4〜7倍、4〜6倍、4〜5倍、4〜4倍、5〜1000倍、5〜900倍、5〜800倍、5〜700倍、5〜600倍、5〜500倍、5〜400倍、5〜300倍、5〜200倍、5〜100倍、5〜90倍、5〜80倍、5〜70倍、5〜60倍、5〜50倍、5〜40倍、5〜30倍、5〜20倍、5〜10倍、5〜9倍、5〜8倍、5〜7倍、5〜6倍、6〜1000倍、6〜900倍、6〜800倍、6〜700倍、6〜600倍、6〜500倍、6〜400倍、6〜300倍、6〜200倍、6〜100倍、6〜90倍、6〜80倍、6〜70倍、6〜60倍、6〜50倍、6〜40倍、6〜30倍、6〜20倍、6〜10倍、6〜9倍、6〜8倍、6〜7倍、7〜1000倍、7〜900倍、7〜800倍、7〜700倍、7〜600倍、7〜500倍、7〜400倍、7〜300倍、7〜200倍、7〜100倍、7〜90倍、7〜80倍、7〜70倍、7〜60倍、7〜50倍、7〜40倍、7〜30倍、7〜20倍、7〜10倍、7〜9倍、7〜8倍、8〜1000倍、8〜900倍、8〜800倍、8〜700倍、8〜600倍、8〜500倍、8〜400倍、8〜300倍、8〜200倍、8〜100倍、8〜90倍、8〜80倍、8〜70倍、8〜60倍、8〜50倍、8〜40倍、8〜30倍、8〜20倍、8〜10倍、8〜9倍、9〜1000倍、9〜900倍、9〜800倍、9〜700倍、9〜600倍、9〜500倍、9〜400倍、9〜300倍、9〜200倍、9〜100倍、9〜90倍、9〜80倍、9〜70倍、9〜60倍、9〜50倍、9〜40倍、9〜30倍、9〜20倍、9〜10倍、10〜1000倍、10〜900倍、10〜800倍、10〜700倍、10〜600倍、10〜500倍、10〜400倍、10〜300倍、10〜200倍、10〜100倍、10〜90倍、10〜80倍、10〜70倍、10〜60倍、10〜50倍、10〜40倍、10〜30倍、10〜20倍、20〜1000倍、20〜900倍、20〜800倍、20〜700倍、20〜600倍、20〜500倍、20〜400倍、20〜300倍、20〜200倍、20〜100倍、20〜90倍、20〜80倍、20〜70倍、20〜60倍、20〜50倍、20〜40倍、20〜30倍、30〜1000倍、30〜900倍、30〜800倍、30〜700倍、30〜600倍、30〜500倍、30〜400倍、30〜300倍、30〜200倍、30〜100倍、30〜90倍、30〜80倍、30〜70倍、30〜60倍、30〜50倍、30〜40倍、40〜1000倍、40〜900倍、40〜800倍、40〜700倍、40〜600倍、40〜500倍、40〜400倍、40〜300倍、40〜200倍、40〜100倍、40〜90倍、40〜80倍、40〜70倍、40〜60倍、40〜50倍、50〜1000倍、50〜900倍、50〜800倍、50〜700倍、50〜600倍、50〜500倍、50〜400倍、50〜300倍、50〜200倍、50〜100倍、50〜90倍、50〜80倍、50〜70倍、50〜60倍、60〜1000倍、60〜900倍、60〜800倍、60〜700倍、60〜600倍、60〜500倍、60〜400倍、60〜300倍、60〜200倍、60〜100倍、60〜90倍、60〜80倍、60〜70倍、70〜1000倍、70〜900倍、70〜800倍、70〜700倍、70〜600倍、70〜500倍、70〜400倍、70〜300倍、70〜200倍、70〜100倍、70〜90倍、70〜80倍、80〜1000倍、80〜900倍、80〜800倍、80〜700倍、80〜600倍、80〜500倍、80〜400倍、80〜300倍、80〜200倍、80〜100倍、80〜90倍、90〜1000倍、90〜900倍、90〜800倍、90〜700倍、90〜600倍、90〜500倍、90〜400倍、90〜300倍、90〜200倍、90〜100倍、100〜1000倍、100〜900倍、100〜800倍、100〜700倍、100〜600倍、100〜500倍、100〜400倍、100〜300倍、100〜200倍、200〜1000倍、200〜900倍、200〜800倍、200〜700倍、200〜600倍、200〜500倍、200〜400倍、200〜300倍、300〜1000倍、300〜900倍、300〜800倍、300〜700倍、300〜600倍、300〜500倍、300〜400倍、400〜1000倍、400〜900倍、400〜800倍、400〜700倍、400〜600倍、400〜500倍、500〜1000倍、500〜900倍、500〜800倍、500〜700倍、500〜600倍、600〜1000倍、600〜900倍、600〜800倍、600〜700倍、700〜1000倍、700〜900倍、700〜800倍、800〜1000倍、800〜900倍、または900〜1000倍の低下と等しい用量である。いくつかの実施形態では、上記のように、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製HCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照の対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。いくつかの実施形態では、有効量は、組み換えHCMVタンパク質ワクチンの標準のケア用量における2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、110倍、120倍、130倍、140倍、150倍、160倍、170倍、180倍、190倍、200倍、210倍、220倍、230倍、240倍、250倍、260倍、270倍、280倍、290倍、300倍、310倍、320倍、330倍、340倍、350倍、360倍、370倍、380倍、390倍、400倍、410倍、420倍、430倍、440倍、450倍、460倍、470倍、480倍、490倍、500倍、510倍、520倍、530倍、540倍、550倍、560倍、570倍、580倍、590倍、600倍、610倍、620倍、630倍、640倍、650倍、660倍、670倍、680倍、690倍、700倍、710倍、720倍、730倍、740倍、750倍、760倍、770倍、780倍、790倍、800倍、810倍、820倍、830倍、840倍、850倍、860倍、870倍、880倍、890倍、900倍、910倍、920倍、930倍、940倍、950倍、960倍、970倍、980倍、990倍、または1000倍の低下と等しい(または少なくとも等しい)用量である。いくつかの実施形態では、上記のように、対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価は、組み換えまたは精製HCMVタンパク質ワクチンまたは生弱毒化もしくは不活性化HCMVワクチンの標準のケア用量を投与された対照の対象において産生された抗HCMV抗原ポリペプチド抗体価と等しい。
いくつかの実施形態では、HCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンの有効量とは、50〜1000μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量のHCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、50〜1000、50〜900、50〜800、50〜700、50〜600、50〜500、50〜400、50〜300、50〜200、50〜100、50〜90、50〜80、50〜70、50〜60、60〜1000、60〜900、60〜800、60〜700、60〜600、60〜500、60〜400、60〜300、60〜200、60〜100、60〜90、60〜80、60〜70、70〜1000、70〜900、70〜800、70〜700、70〜600、70〜500、70〜400、70〜300、70〜200、70〜100、70〜90、70〜80、80〜1000、80〜900、80〜800、80〜700、80〜600、80〜500、80〜400、80〜300、80〜200、80〜100、80〜90、90〜1000、90〜900、90〜800、90〜700、90〜600、90〜500、90〜400、90〜300、90〜200、90〜100、100〜1000、100〜900、100〜800、100〜700、100〜600、100〜500、100〜400、100〜300、100〜200、200〜1000、200〜900、200〜800、200〜700、200〜600、200〜500、200〜400、200〜300、300〜1000、300〜900、300〜800、300〜700、300〜600、300〜500、300〜400、400〜1000、400〜900、400〜800、400〜700、400〜600、400〜500、500〜1000、500〜900、500〜800、500〜700、500〜600、600〜1000、600〜900、600〜900、600〜700、700〜1000、700〜900、700〜800、800〜1000、800〜900、または900〜1000μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量のHCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1000μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、合計で2回対象に投与される25〜500μgの用量である。いくつかの実施形態では、HCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンの有効量とは、合計で2回対象に投与される25〜500、25〜400、25〜300、25〜200、25〜100、25〜50、50〜500、50〜400、50〜300、50〜200、50〜100、100〜500、100〜400、100〜300、100〜200、150〜500、150〜400、150〜300、150〜200、200〜500、200〜400、200〜300、250〜500、250〜400、250〜300、300〜500、300〜400、350〜500、350〜400、400〜500または450〜500μgの用量である。いくつかの実施形態では、HCMV RNA(例えば、mRNA)ワクチンの有効量とは、合計で2回対象に投与される25、50、100、150、200、250、300、350、400、450、または500μgの総用量である。
いくつかの実施形態では、対象においてHCMV RNAワクチンによって誘導される抗原特異的免疫応答は、抗HCMV抗原ポリペプチドに特異的な抗体の産生である。いくつかの実施形態では、このような抗体は、感染した宿主においてHCMVを中和し得る。いくつかの実施形態では、対象におけるHCMV RNAワクチンによって誘導される抗原特異的免疫応答は、抗原特異的T細胞応答である。このようなT細胞応答は、HCMV感染に対して免疫された動物(例えば、マウスまたはヒト)に免疫を提供し得る。
キット
本開示はまた、上記の組成物のいずれかをキットにおいて提供する。本開示の態様は、1つ以上のHCMVワクチンを含むキットに関する。いくつかの態様において、キットは、(i)HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含むHCMVワクチン、ならびに/あるいは(ii)HCMV抗原ポリペプチドgH、gL、UL128、UL130、及び/またはUL131A、またはそれらの抗原性断片もしくはエピトープをコードする1つ以上のオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドgBまたはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドと、HCMV抗原ポリペプチドpp65またはその抗原性断片もしくはエピトープをコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドとを含むHCMVワクチンを含む。
特定の実施形態では、1つ以上のHCMVワクチンを投与するための説明書が提供される。キットは、本明細書に開示される任意の生物学的または化学的機構に関与する組成物(複数可)の使用についての説明を含み得る。キットは、病態の症状ではなく、その病理を治療する上での病態の活性についての説明を更に含み得る。すなわち、キットは、本明細書に考察される組成物の使用についての説明を含み得る。キットはまた、2つ以上の本発明の組成物の組み合わせの使用のための説明書、または本発明の組成物と他の製品との組み合わせの使用のための説明書も含み得る。先に記載された任意の好適な技術によって組成物を投与するための説明書もまた提供され得る。
本明細書に記載のキットはまた、組成物及び先に記載された他の成分を含有し得る、1つ以上の容器も含有し得る。キットはまた、場合によっては、本発明の組成物を混合、希釈、及び/または投与もしくは適用するための説明書も含有し得る。キットの組成物は、任意の好適な形態として提供され得る。
本発明は、その適用において、以下の説明に記載されるかまたは図面に示される構成要素の構成及び配置の詳細に限定されない。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施されることも、実行されることも可能である。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明のためのものであり、限定的であると見なされるべきではない。「including(含む、包含する)」、「comprising(含む、包含する)」、または「有する」、「containing(含む、含有する)」、「involving(包含する、含む)」、及びそれらの変形の使用は、その後に列挙された項目及びその等価物ならびに追加の項目を包含することを意味する。
実施例1:ポリヌクレオチドの製造
本開示によれば、ポリヌクレオチド及び/またはその部分もしくは領域の製造は、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Manufacturing Methods for Production of RNA Transcripts」と題された国際出願WO2014/152027に教示された方法を利用して達成され得る。
精製方法には、その各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際出願WO2014/152030及びWO2014/152031に教示されている方法が挙げられ得る。
ポリヌクレオチドの検出及び特徴付け方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、WO2014/144039に教示されるように実施してもよい。
本開示のポリヌクレオチドの特徴付けは、ポリヌクレオチドマッピング、逆転写酵素配列決定、電荷分布分析、及びRNA不純物の検出からなる群から選択される手順を用いて達成され得、ここで特徴付けは、RNA転写配列の決定、RNA転写物の純度の決定、またはRNA転写物の電荷異種性の決定を包含する。そのような方法は、その各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、例えば、WO2014/144711及びWO2014/144767に教示されている。
実施例2:キメラポリヌクレオチド合成
序
本開示によれば、キメラポリヌクレオチドの2つの領域または部分は、三リン酸化学結合を用いて結合されても、または連結されてもよい。
この方法によれば、第1の領域または100ヌクレオチド以下の部分は、5’一リン酸及び末端3’desOHまたは遮断されたOHと化学的に合成される。その領域が80ヌクレオチドより長い場合、それはライゲーションのために2つの鎖として合成され得る。
第1の領域または部分が、インビトロ転写(IVT)を用いて非位置的に修飾された領域または部分として合成される場合、5’一リン酸塩の変換に続き、3’末端のキャッピングが続く場合がある。
一リン酸塩防御基は、当該技術分野で公知の任意のいずれから選択されてもよい。
キメラポリヌクレオチドの第2の領域または一部は、化学合成法またはIVT法のいずれを用いて合成してもよい。IVT法は、修飾されたキャップを有するプライマーを利用し得るRNAポリメラーゼを含んでもよい。あるいは、最大130ヌクレオチドまでのキャップを化学的に合成し、IVT領域または一部に連結してもよい。
ライゲーション法の場合、DNA T4リガーゼとのライゲーション、続いてDNAseによる処理は、連結をただちに回避すべきであることに留意のこと。
キメラポリヌクレオチド全体は、リン酸−糖骨格で製造される必要はない。領域または部分の1つがポリペプチドをコードする場合、そのような領域または部分はリン酸−糖骨格を含むことが好ましい。
次いで、任意の公知のクリックケミストリー、オルトクリックケミストリー、ソリュリンク、または当業者に公知であるその他のバイオコンジュゲートケミストリーを使用して、ライゲーションを行う。
合成経路
キメラポリヌクレオチドは、一連の出発セグメントを使用して作製される。このようなセグメントとしては、
(a)正常3’OHを含んでいる、キャッピングされ保護された5’セグメント(SEG.1)、
(b)ポリペプチドのコード領域を含んでもよく、正常3’OHを含んでいる、5’三リン酸セグメント(SEG.2)、
(c)コルジセピンを含んでおりまたは3’OHを含まない、キメラポリヌクレオチドの3’末端(例えば尾部)のための5’一リン酸セグメント(SEG.3)が挙げられる。
合成(化学的またはIVT)後、セグメント3(SEG.3)は、コルジセピン、次にピロホスファターゼで処理して、5’一リン酸が生成される。
次にRNAリガーゼを使用して、セグメント2(SEG.2)がSEG.3にライゲートされる。次にライゲートされたポリヌクレオチドを精製して、ピロホスファターゼで処理して、二リン酸を切断する。次に処理されたSEG.2−SEG.3構築物を精製して、SEG.1が5’末端にライゲートされる。キメラポリヌクレオチドの更なる精製ステップを実施してもよい。
キメラポリヌクレオチドがポリペプチドをコードする場合、ライゲートされるか、または結合されたセグメントは、5’UTR(SEG.1)、オープンリーディングフレームまたはORF(SEG.2)、及び3’UTR+ポリA(SEG.3)として表されてもよい。
各ステップの収率は、90〜95%程度であってもよい。
実施例3.cDNA生成のためのPCR
cDNA調製のためのPCR手順は、Kapa Biosystems(Woburn,MA)の2×KAPA HIFI(商標)ホットスタート・レディミックスを使用して実施される。このシステムは、2×KAPAレディミックス12.5μl;フォワードプライマー(10μM)0.75μl;リバースプライマー(10μM)0.75μl;鋳型cDNA−100ng;及び25.0μlに希釈されたdH20を含む。反応条件は、95℃で5分間、98℃で20秒間を25サイクル、次に58℃で15秒間、次に72℃で45秒間、次に72℃で5分間、次に4℃で終結する。
反応物は、InvitrogenのPURELINK(商標)PCRマイクロキット(Carlsbad、CA)を使用して、製造業者の説明書に従って清浄にされる(最高5μg)。より大規模の反応では、より大容量の製品を使用した清浄化が必要になる。清浄化に続いて、NANODROP(商標)を使用してcDNAを定量化し、アガロースゲル電気泳動法によって分析して、cDNAが予想サイズであることを確認する。次に、インビトロ転写反応に進む前に、cDNAを配列解析に供する。
実施例4.インビトロ転写(IVT)
インビトロ転写反応は、均一に修飾されたポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを生じる。このような均一に修飾されたポリヌクレオチドは、本開示のポリヌクレオチドの領域または部分を含んでもよい。投入するヌクレオチド三リン酸(NTP)混合物は、天然及び非天然NTPを使用して自社で作製する。
典型的なインビトロ転写反応物は、以下を含む:
1 鋳型cDNA 1.0μg
2 10×転写緩衝液(400mMのTris−HCl(pH8.0)、190mMのMgCl2、50mMのDTT、10mMのスペルミジン) 2.0μl
3 カスタムNTP(各25mM) 7.2μl
4 RNase阻害剤 20U
5 T7 RNAポリメラーゼ 3000U
6 dH20 最大20.0μl.及び
7 37℃で3〜5時間インキュベーション。
粗製IVT混合物は、翌日の清浄化のために4℃で一晩保存されてもよい。次に1UのRNase非含有DNaseを使用して、元の鋳型を消化する。37℃で15分間のインキュベーション後、mRNAは、AmbionのMEGACLEAR(商標)キット(Austin、TX)を使用して、製造業者の説明書に従って精製する。このキットは、最大500μgまでのRNAを精製し得る。清浄化に続いて、RNAはNanoDropを使用して定量化し、アガロースゲル電気泳動法によって分析して、RNAが適切なサイズであり、RNA分解が起きていないことを確認する。
実施例5:酵素的キャッピング
ポリヌクレオチドのキャッピングは、以下のようにして実施され、ここで混合物は、60μg〜180μgのIVT RNA及び最大72μlのdH20を含む。混合物を65℃で5分間インキュベートし、RNAを変性して、次に即座に氷に移動する。
次にプロトコールは、10×キャッピング緩衝液(0.5MTris−HCl(pH8.0)、60mMのKCl、12.5mMのMgCl2)(10.0μl);20mMのGTP(5.0μl);20mMのS−アデノシルメチオニン(2.5μl);RNase阻害剤(100U);2’−O−メチルトランスフェラーゼ(400U);ワクシニアキャッピング酵素(グアニリルトランスフェラーゼ)(40U);dH20(28μlまで)を混合すること;及び60μgのRNAでは37℃で30分間、または180μgのRNAでは最大2時間のインキュベーションを含む。
次にポリヌクレオチドは、AmbionのMEGACLEAR(商標)キット(Austin、TX)を使用して、製造業者の説明書に従って精製される。清浄化に続いて、RNAは、NANODROP(商標)(ThermoFisher、Waltham、MA)を使用して定量化し、アガロースゲル電気泳動法によって分析して、RNAが適切なサイズであり、RNA分解が起きていないことを確認する。RNA生成物はまた、逆転転写PCRを実施して、配列決定のためのcDNAを生成することで、配列決定してもよい。
実施例6.ポリAテーリング反応
cDNA中のポリ−Tなしでは、最終生成物の浄化前に、ポリ−Aテーリング反応を実施しなくてはならない。これは、Capped IVT RNA(100μl);RNase阻害剤(20U);10×テーリング緩衝液(0.5MのTris−HCl(pH8.0)、2.5MのNaCl、100mMのMgCl2)(12.0μl);20mMのATP(6.0μl);ポリAポリメラーゼ(20U);最大123.5μlのdH20を混合し、37℃で30分間インキュベートすることによって実施する。ポリA尾部が、転写物中に既にあれば、次にテーリング反応をスキップして、AmbionのMEGACLEAR(商標)キット(Austin、TX)による清浄化に、直接進めてもよい(最大500μg)。ポリAポリメラーゼは、好ましくは、酵母中で発現される組み換え酵素である。
ポリAテーリング反応の処理能力または完全性が、常に正確なサイズのポリA尾部をもたらすとは限らないことを理解すべきである。したがって、約40〜200ヌクレオチド、例えば、約40、50、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、150〜165、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164または、165というポリA尾部は、本発明の範囲内である。
実施例7.天然5’キャップ及び5’キャップ類似体
ポリヌクレオチドの5’キャッピングは、以下の化学的RNAキャップ類似体を使用するインビトロ転写反応中に同時に完了して、製造業者のプロトコールに従って、5’−グアノシンキャップ構造を生成してもよい:3’−O−Me−m7G(5’)ppp(5’)G[theARCAcap];G(5’)ppp(5’)A;G(5’)ppp(5’)G;m7G(5’)ppp(5’)A;m7G(5’)ppp(5’)G(New England BioLabs,Ipswich,MA)。修飾RNAの5’キャッピングは、ワクシニアウイルスキャッピング酵素を使用して、転写後に完了されて、「キャップ0」構造:m7G(5’)ppp(5’)Gを生成してもよい(New England BioLabs,Ipswich,MA)。キャップ1構造は、ワクシニアウイルスキャッピング酵素及び2’−Oメチル−トランスフェラーゼの両方を使用して:m7G(5’)ppp(5’)G−2’−O−メチルを生成してもよい。キャップ2構造は、キャップ1構造から生成されてもよく、2’−Oメチル−トランスフェラーゼを使用する5’末端から3番目のヌクレオチドの2’−O−メチル化がそれに続く。キャップ3構造は、キャップ2構造から生成されてもよく、2’−Oメチル−トランスフェラーゼを使用し、5’末端から4番目のヌクレオチドの2’−O−メチル化がそれに続く。酵素は、好ましくは、組み換え源に由来する。
哺乳類細胞にトランスフェクトされる場合、修飾mRNAは、12〜18時間にわたり、または例えば、24、36、48、60、72または72時間を超えるなど、18時間を超えて安定性を有する。
実施例8.キャッピングアッセイ
A.タンパク質発現アッセイ
本明細書に教示される任意のキャップを含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、等濃度で細胞にトランスフェクトされてもよい。トランスフェクションの6、12、24、及び36時間後に、培養培地中に分泌されるタンパク質量は、ELISAによってアッセイされ得る。培地中により高レベルのタンパク質を分泌する合成ポリヌクレオチドは、より高い翻訳能力があるキャップ構造がある合成ポリヌクレオチドに相当する。
B.純度解析合成
本明細書に教示される任意のキャップを含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、変性アガロース−尿素ゲル電気泳動またはHPLC分析を使用して、純度について比較され得る。電気泳動による単一の統合されたバンドがあるポリヌクレオチドは、複数バンドまたは縞のバンドがあるポリヌクレオチドと比較して、より高純度の生成物に相当する。単一HPLCピークがある合成ポリヌクレオチドもまた、より高純度の生成物に相当する。キャッピング反応が高効率であるほど、更に純粋なポリヌクレオチド集団が得られる。
C.サイトカイン解析
本明細書に教示されるキャップのいずれかを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、複数濃度で細胞にトランスフェクトされ得る。トランスフェクションの6、12、24、及び36時間後、培養培地中に分泌されるTNF−アルファ及びIFN−ベータなどの炎症促進性サイトカインの量は、ELISAによってアッセイされ得る。培地中へのより高レベルの炎症促進性サイトカイン分泌をもたらすポリヌクレオチドは、免疫活性化キャップ構造を含むポリヌクレオチドに相当する。
D.キャッピング反応効率
本明細書に教示される任意のキャップを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、ヌクレアーゼ処理後に、LC−MSによってキャッピング反応効率について分析され得る。キャッピングされたポリヌクレオチドのヌクレアーゼ処理によって、LC−MSによって検出可能である遊離ヌクレオチド及びキャッピングされた5’−5三リン酸キャップ構造の混合をもたらす。LC−MSスペクトル上のキャッピングされた生成物の量は、反応からの全ポリヌクレオチドのパーセントとして表され得、キャッピング反応効率に対応する。キャップ構造の反応効率が高いほど、LC−MSによればキャッピングされた生成物の量が更に高くなる。
実施例9.修飾RNAまたはRT PCR生成物のアガロースゲル電気泳動
個々のポリヌクレオチド(20μl容量中の200〜400ng)または逆転写PCR生成物(200〜400ng)を、非変性1.2%アガロースE−ゲル(Invitrogen、Carlsbad、CA)上のウェルに負荷して、製造業者のプロトコールに従って12〜15分間泳動する。
実施例10.Nanodrop修飾RNA定量化及びUVスペクトルデータ
TE緩衝液(1μl)中の修飾ポリヌクレオチドを、Nanodrop UV吸光度読み取りのために使用して、化学合成またはインビトロ転写反応からの各ポリヌクレオチドの収率を定量する。
実施例11.リピドイドを使用する修飾mRNAの製剤
ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドとリピドイドとを設定比率で混合することで、インビトロ実験のために製剤化した後に細胞に添加する。インビボ製剤は、身体全体にわたる循環を促進するための追加の成分の添加を必要とし得る。これらのリピドイドが、インビボ研究に適した粒子を形成する能力を試験するために、siRNA−リピドイド製剤のための標準製剤過程を、出発点として使用してもよい。粒子形成後、ポリヌクレオチドを添加して、複合体と一体化させる。カプセル化効率は、標準色素排除アッセイを使用して決定する。
実施例12.hCMVワクチン−hCMV糖タンパク質配列
hCMVワクチンは、例えば、以下の配列の少なくとも1つによって、または以下の配列の少なくとも1つの断片もしくはエピトープによってコードされる少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、hCMVワクチンは、以下に列挙するmRNA配列のうちの1つまたは以下に列挙する配列のうちの1つの断片を含む少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。
本明細書に記載の実施例の全てを通して、本明細書に記載の配列の各々は、化学修飾された配列またはヌクレオチドの修飾を含まない非修飾の配列であってもよい。
本明細書に記載の実施例の全てを通して、オープンリーディングフレーム配列は、異なる5’及び3’UTRに連結されてもよい。
UTR配列の例には、
5’UTRコード配列:TCAAGCTTTTGGACCCTCGTACAGAAGCTAATACGACTCACTATAGGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGAGCCACC(配列番号145)
5’UTR(プロモーターなし)コード配列:GGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGAGCCACC(配列番号146)
3’UTRコード配列:
TGATAATAGGCTGGAGCCTCGGTGGCCATGCTTCTTGCCCCTTGGGCCTCCCCCCAGCCCCTCCTCCCCTTCCTGCACCCGTACCCCCGTGGTCTTTGAATAAAGTCTGAGTGGGCGGC(配列番号147)が挙げられる。
5’UTRは太字である。
3’UTRは下線を付す。
hCMV−gH:hCMV、糖タンパク質H(Merlin株)
hCMV−gH:hCMV、糖タンパク質H(Merlin株)mRNA
hCMV−gHFLAG、hCMV糖タンパク質H−FLAGタグ
hCMV−gHFLAG、hCMV糖タンパク質H−FLAGタグmRNA
hCMV−gL、hCMV糖タンパク質L
hCMV−gL、hCMV糖タンパク質L mRNA
hCMV−gLFLAG、糖タンパク質L−FLAG
hCMV−gLFLAG、糖タンパク質L−FLAG mRNA
hCMV_gB、hCMV糖タンパク質B
hCMV_gB、hCMV糖タンパク質B mRNA
hCMV_gBFLAG、hCMV糖タンパク質B−FLAG
hCMV_gBFLAG、hCMV糖タンパク質B−FLAG mRNA
実施例13:hCMVワクチン−hCMV変異体糖タンパク質配列
hCMVワクチンは、例えば、以下の配列の少なくとも1つによって、または以下の配列の少なくとも1つの断片もしくはエピトープによってコードされる少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、hCMVワクチンは、以下に列挙するmRNA配列の少なくとも1つまたは以下に列挙するmRNA配列の少なくとも1つの断片を含む少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。
hCMV−gHtrunc、hCMV糖タンパク質H(細胞外ドメイン)
hCMV−gHtrunc、hCMV糖タンパク質H(細胞外ドメイン)mRNA
hCMV−gHtruncFLAG、糖タンパク質H細胞外ドメイン
hCMV−gHtruncFLAG、糖タンパク質H細胞外ドメインmRNA
hCMVgHtrunc6XHis、糖タンパク質H細胞外ドメイン−6XHisタグ
hCMVgHtrunc6XHis、糖タンパク質H細胞外ドメイン−6XHisタグmRNA
hCMV_TrgB、糖タンパク質B(細胞外ドメイン)
hCMV_TrgB、糖タンパク質B(細胞外ドメイン)mRNA
hCMV_TrgBFLAG、hCMV糖タンパク質B細胞外ドメイン−FLAG
hCMV_TrgBFLAG、hCMV糖タンパク質B細胞外ドメイン−FLAG mRNA
hCMV−TrgB6XHis、hCMV糖タンパク質細胞外ドメイン−6XHisタグ
hCMV−TrgB6XHis、hCMV糖タンパク質細胞外ドメイン−6XHisタグmRNA
実施例14:hCMVワクチン−hCMV UL配列
hCMVワクチンは、例えば、以下の配列の少なくとも1つによって、または以下の配列の少なくとも1つの断片もしくはエピトープによってコードされる少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、hCMVワクチンは、以下に列挙するmRNA配列の少なくとも1つまたは以下に列挙するmRNA配列の少なくとも1つの断片を含む少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。
hCMV_UL128
hCMV_UL128 mRNA
hCMV−128FLAG、UL128−FLAGタグ
hCMV−128FLAG、UL128−FLAGタグmRNA
hCMV−UL130
hCMV−UL130 mRNA
hCMV−UL130FLAG、UL130−FLAGタグ
hCMV−UL130FLAG、UL130−FLAGタグmRNA
hCMV−UL131A
hCMV−UL131A mRNA
hCMV−UL131AFLAG、UL131A−FLAG
hCMV−UL131AFLAG、UL131A−FLAG mRNA
実施例15:hCMVワクチン−hCMV UL多量体配列
hCMVワクチンは、例えば、以下の配列の少なくとも1つによって、または以下の配列の少なくとも1つの断片もしくはエピトープによってコードされる少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、hCMVワクチンは、以下に列挙するmRNA配列の少なくとも1つまたは以下に列挙するmRNA配列の少なくとも1つの断片を含む少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。
(配列番号19)
hCMV gHペンタmRNA
hCMV gLペンタ
hCMV gLペンタmRNA
hCMV gL二量体
hCMV gL二量体mRNA
hCMV UL128ペンタ
hCMV UL128ペンタmRNA
hCMV−UL130ペンタ
hCMV−UL130ペンタmRNA
hCMVUL130三量体
hCMVUL130三量体mRNA
hCMV−UL131Aペンタ
hCMV−UL131AペンタmRNA
hCMVUL131A三量体
hCMVUL131A三量体mRNA
実施例16:hCMVワクチン−hCMV UL融合配列
hCMVワクチンは、例えば、以下の配列の少なくとも1つによって、または以下の配列の少なくとも1つの断片もしくはエピトープによってコードされる少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、hCMVワクチンは、以下に列挙するmRNA配列の少なくとも1つまたは以下に列挙するmRNA配列の少なくとも1つの断片を含む少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。
hCMV_pp65−IE1、hCMV UL83−UL123融合
hCMV_pp65−IE1、hCMV UL83−UL123融合mRNA
hCMV_pp65−IE1FLAG、hCMV UL83−UL123 FLAGタグ
hCMV_pp65−IE1、hCMV UL83−UL123融合mRNA
実施例17:hCMVワクチン−hCMVコンカテマー配列
hCMVワクチンは、例えば、以下の配列の少なくとも1つによって、または以下の配列の少なくとも1つの断片もしくはエピトープによってコードされる少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、hCMVワクチンは、以下に列挙するmRNA配列の少なくとも1つまたは以下に列挙するmRNA配列の少なくとも1つの断片を含む少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい。
実施例18:免疫原性研究
本研究は、MCMVから得られたgH及びgL糖タンパク質またはUL128、UL130、及びUL131AポリペプチドをコードするmRNAポリヌクレオチドを含む候補CMVワクチンのマウスにおける免疫原性を試験するように設計されている。
マウスは、筋肉内(IM)経路または皮内(ID)経路を介して0及び4週目にワクチン接種される。1つの群は未接種のままであり、1つは不活性化MCMVを投与される。1週間、3週間(投与前)及び5週間に各マウスから血清を採取する。個々の採血物を、抗gH及び抗gL活性または抗UL128、抗UL130、及び抗UL131Aについて、ELISAアッセイによって、3つの時点全てから試験し、5週目からプールしたサンプルのみを、不活性化MCMVを用いたウェスタンブロットによって試験する。
ELISAイムノアッセイ
抗体産生は、ELISAによってサンプル中で測定される。適切に希釈したサンプルを、抗体のエピトープに対して指向される捕捉抗体でプレコーティングした96ウェルプレートに入れた。典型的には、血清サンプルをアッセイのために1:100に希釈した。インキュベーション及び洗浄プロトコールは、慣用的な方法を用いて行った。データは波長450nmで読み取られる。データを報告し、プロットする。
実施例19:MCMV負荷
この研究は、gH及びgLまたはUL128、UL130、及びUL131AをコードするmRNAを含むマウスCMVワクチンを使用して、致死の抗原投与に対する候補CMVワクチンのマウスにおける有効性を試験するように設計されている。CMV感染の厳密な種特異性のために、HCMV感染及び免疫の研究に利用可能な動物モデルはない。マウスサイトメガロウイルス(MCMV)感染は、HCMV感染をシミュレートする最も広く使用されるマウスモデルである。現在の研究では、MCMV gH、gL、UL128、UL130、UL131A抗原の免疫原性及び防御効力が研究されている。
BALB/cマウスを無作為に群に分ける。その群を、(1)10μgのgB(陽性対照)、(2)10μgのgH及びgL mRNA(別々の配列の組み合わせ)、(3)10μgのgH−gLコンカテマーmRNA(単一配列)、(4)10μgのUL128、UL130、UL131A mRNA(別々の配列の組み合わせ)、(5)10μgのUL128−UL130−UL131AコンカテマーmRNA(単一配列)、(6)10μgのgH−gL−UL128−UL130−UL131AコンカテマーmRNA(単一配列)及び(7)PBS、を用いてそれぞれ免疫する。マウスを右大腿四頭筋への注射(IM)または皮内投与(ID)により2回(28日目に第2の用量)免疫し、腹腔内注射により、致死量(5×LD50、200μl/マウス)のSG−MCMV(Smith株、105PFU)を抗原投与する。この感染は、マウスにおいて全身性ウイルス複製を引き起こし、負荷後1週間以内に全てのワクチン接種を受けていないマウスを死滅させる。
エンドポイントは、感染後5日目、死亡または安楽死である。>30%の体重減少、極度の嗜眠または麻痺によって決定される重症病状を示す動物は安楽死させる。DNAワクチンの防御効果は、体温、体重減少、及び生存の感染症状を総合的に用いて評価する。マウスを秤量し、毎日評価して、体重減少、見かけの身体状態(逆立った毛と傷ついた皮膚)、体温、行動をモニターする。動物の苦痛を最小化または回避するために、全ての場合において、クロロホルム(過剰吸入)後に頸部脱臼によってマウスを人道的に安楽死させる。
実施例20:MCMV中和アッセイ
マウスを、実施例18の方法に従って免疫する。マウス血清サンプルを、2回目の免疫の3週間後に収集する。血清サンプルは、使用するまで−20℃で保存する。MCMVに対して指向される中和抗体は、例えば、Geoffroy F et al.,Murine cytomegalovirus inactivated by sodium periodate is innocuous and immunogenic in mice and protects them against death and infection.Vaccine.1996;14:1686−1694に記載されているように、プラーク減少アッセイによって決定する。補体除去血清(30μl)をMEMで2倍に段階希釈する。各希釈液を30μlのMEM中100PFUのMCMVと混合し、次いで4℃で1時間、37℃で1時間インキュベートする。混合物を3T3単層上に重層し、PFUを標準プラークアッセイによって計算する。中和力価は、プラーク数の50%の低減を達成するために必要とされる最も高い血清希釈として表す。
実施例21:IFN−γ ELISPOTアッセイ
マウスをgHもしくはgLで免疫するか、またはgH/gL mRNAを用いて2回(0日目及び28日目)、IMで10μgの用量で同時免疫する。2回目の免疫の2週間後、ELISPOTアッセイのために脾細胞を単離する。イムノスポットを、製造業者の説明書に従ってラット抗マウスIFN−γmAbでコーティングし、4℃で一晩インキュベートし、次いで200μlの遮断溶液で遮断する。続いて、2×105個のリンパ球を三連でウェルに添加し、10μg/mlの対応するgHもしくはgLペプチドまたはgH/gLポリペプチド混合物(同時免疫群用)で刺激する。18時間後、リンパ球を捨て、ビオチン標識抗マウスIFN−γAb抗体を各ウェルに添加し、37℃で1時間インキュベートする。次に、希釈したストレプトアビジン−HRPコンジュゲート溶液を添加し、室温で2時間インキュベートする。最後に、プレートを100μlのAEC基質溶液で処理し、暗所で、室温で20分間インキュベートする。非物質化水で洗浄することにより反応を停止させる。スポットは、ELISPOTリーダーによって定量化する。
表2:ヒトサイトメガロウイルス配列
実施例22:HeLa細胞におけるhCMV五量体複合体をコードするmRNAワクチン構築物の発現
gH、gL、UL128、UL130、及びUL131Aを含むhCMV五量体複合体のサブユニットをコードするmRNAワクチン構築物の発現を試験した(図1B)。各サブユニットをコードするmRNAを、4:2:1:1:1のgH:gL:UL128:UL130:UL131A比で混合した。HeLa細胞をトランスフェクトするために使用したmRNAの総量は2μgであった。トランスフェクトされたHeLa細胞を、24時間インキュベートした後、五量体複合体サブユニット及び完全な五量体の表面発現のためフローサイトメーター上で蛍光活性化細胞選別(FACS)を用いて分析した(図2A〜2D)。gH、UL128、UL128/130/131A複合体、または完全な五量体に特異的な抗体を、タンパク質の表面発現の検出に使用した。HeLa細胞では、gH、UL128、UL128/130/131A複合体、及び完全な五量体複合体の表面発現を検出した(図2A〜2D)。
五量体構成要素を等質量比でトランスフェクトしたときに、同様の結果が観察された(図43A〜43B)。
五量体サブユニットをコードするmRNAの異なる組み合わせも試験して、コアサブユニットの全てが完全な五量体複合体の表面発現を必要とするか否かを決定した(図3A〜3B)。示されたmRNAの組み合わせを用いて上記のように実験を実施した。完全な五量体複合体に特異的な抗体を使用した(8I21)。結果によって、五量体複合体がUL128、UL130、またはUL131Aのいずれの非存在下でも細胞表面上に発現しないことが示される。
次に、gLを含むまたは含まないgH糖タンパク質の表面発現を試験した。実験は、gH、gH及びgLをコードするmRNA構築物、または五量体複合体をコードする構築物を用いて上記のように実施した。gH(3G16)に特異的な抗体を使用した。結果は、gH単独の発現は、細胞表面上でgH発現を導かないことを示した。しかしながら、gHがgLと複合体を形成する場合、五量体複合体中の全てのサブユニットが発現されるときと同様に、HeLa細胞の表面上に同様のレベルのgHが検出された(図4A〜4B)。
gBの細胞内発現及び表面発現も、gBに特異的な抗体を用いて試験した。図5A及び42Aは、細胞内gB発現を示す。gBの表面発現をフローサイトメーターでFACSにより測定し、gBの表面発現を検出した(図5B及び42B)。gB表面発現の定量化を図5C、42A、及び42Bに示す。更に、gBをコードするmRNA構築物でトランスフェクトされたHeLa細胞由来の細胞溶解物に対して行ったイムノブロットを図5D及び42Cに示す。トランスフェクトされていないHeLa細胞溶解物を陰性対照として使用し、再構成された全長gBタンパク質を陽性対照として使用した。図5Dの中間レーンまたは図42Cの右レーンに示すように、タンパク質分解切断後の全長のgB(前駆体)及び成熟gBの両方が検出された。
実施例23:hCMV五量体複合体mRNAワクチン構築物による免疫後の高力価の抗五量体抗体
五量体複合体サブユニット及び/またはgB抗原をコードする候補hCMV mRNAワクチン構築物の免疫原性をマウスで試験した。免疫スケジュール及びmRNA製剤は、以下の表4に示す。
マウスを群(5匹のマウス/群)に分け、筋肉内(IM)経路を介して0日目、21日目及び42日目にワクチン接種した。1群のマウスに対照としての空の脂質ナノ粒子(LNP)をワクチン接種した。他の群のマウスには、五量体複合体、gB抗原、五量体複合体及びgB抗原の両方、または五量体タンパク質複合体もしくはMF59と組み合わせたgBタンパク質抗原のいずれかをコードするhCMV mRNAワクチン構築物を与えた。mRNAワクチン構築物が与えられた場合、異なる調製手順を用いた。「プレミックス」mRNAをプレミックスし、次いで製剤化するが、「ポストミックス」mRNAは個別に製剤化し、次いで混合した。五量体複合体の全てのサブユニットをコードするmRNAを、表4に示されるように異なる比で製剤化した:gH−gL−UL128−UL130−UL131Aは、4:2:1:1:1または1:1:1:1:1であった。gB+五量体を1:1:1:1:1:1で製剤化した。使用される用量スケジュールを表4に示す。
マウス血清を−1日目(投与前)、20、41、62、及び84日目に各マウスから採取した。全ての時点からの個々の採血を、hCMV五量体でコーティングしたプレート上で実施したELISAアッセイによって試験した。典型的には、血清サンプルをアッセイのために1:100に希釈した。インキュベーション及び洗浄プロトコールは、慣用的な方法を用いて行った。データは450nmの波長で読み取った。データを報告し、プロットした(図6及び7)。図6は、抗五量体特異的IgGが、hCMV mRNAワクチン構築物によって誘導されたことを示す。しかしながら、3回目の免疫の後には、ブースター効果はほとんどまたは全く観察されなかった。IgG応答は、一回の免疫後6〜9週間維持された。五量体複合体サブユニットをコードするmRNAにgBをコードするmRNAを追加することは、抗五量体IgG産生に干渉しなかった。異なる五量体複合体サブユニットをコードする、異なるモル比のmRNAは、異なるIgG誘導レベルを生じなかった。図7によって、gBをコードするmRNAワクチン構築物が、抗gB IgG応答を誘導したことが示される。IgG力価は、3回の免疫の後、10μg用量でgBタンパク質/MF59と比較して、gB mRNAについて同様であった。ブースト応答が、gB mRNAまたは抗原の3回目の免疫後に観察された。gBをコードするmRNAに五量体複合体サブユニットをコードするmRNAを加えることは、抗gB IgG産生を干渉しなかった。
一実施形態では、図44Aに示されるレジメンを使用してマウスを免疫し、図44Aのスケジュールに従ってマウス血清を回収した。五量体複合体(PC)及びgBに対する抗体応答を、ELISAによって評価した。用量レベルの増加とともに、両方の抗原に対する抗体価の増加が観察され、これは、ワクチンの第2または第3の用量後にブーストされた(図45A〜45B)。注目すべきことに、抗PC及び抗gB抗体価には、対抗する抗原の存在による影響がなく、これは、同じLNP中で2つの異なる抗原を組み合わせることによる妨害の欠如を示した(図45A〜45B)。
これらの抗体がインビトロで上皮及び線維芽細胞のCMV感染を遮断する能力を評価した。マイクロ中和アッセイは、両方の細胞型に対する強力かつ耐久性のある中和抗体を示した(図44B及び44C)。CMV mRNAワクチンによって誘発される中和抗体の効能を評価するために、CMV感染予防のために臨床的に使用されているCytogamを対照として使用した。直接的な比較を可能にするために、Cytogamを投薬後のヒト血清中での最大濃度に近づけるように希釈した。結果は、1μg超の用量レベルで試験した全てのワクチン群について、中和抗体価がCytogamよりも高いか、またはそれに類似していることを示した(図44B及び44C)。
CMV mRNAワクチンによって生成された抗体の特異性を決定するために、上皮または線維芽細胞に対してマイクロ中和アッセイを行う前に、マウス免疫血清を精製gB、gH/gL、またはPCタンパク質とともにインキュベートした。上皮細胞感染に対する中和活性は、精製PCによっては完全に遮断されたが、試験した他のヒトCMV抗原によっては完全に遮断されなかった(図44D)。線維芽細胞内、PC+gBで免疫したマウス由来の血清の中和活性には、gH/gL及びPCタンパク質が部分的に競合したが、gBタンパク質は競合しなかった(図44E)。これは、PCでの免疫が抗gH/gL抗体も生成すること、及びgH/gLがPCの一部であるときにgH/gL中の同じ中和エピトープもまた曝露されることを示唆する。
実施例24:hCMV五量体複合体mRNAによる免疫は、マウスにおいて非常に強力な中和抗体を誘発する
中和アッセイは、hCMV臨床分離株VR1814に感染した上皮細胞株ARPE−19において行われた。マウスは、実施例23の方法に従って免疫した。マウス血清サンプルを2回目の免疫の3週間後(41日目)に収集した。3μgのhCMV mRNA五量体ワクチン構築物で免疫したマウスから採取したマウス血清を希釈し(1:25600)、感染細胞に添加した。細胞を、hCMV IE1タンパク質について染色した(細胞におけるhCMVの存在の指標として)。結果によって、3μgのhCMV五量体mRNAワクチン構築物で免疫したマウスからの血清は、ARPE−19細胞のhCMVを中和することができたが、ヒト血清陽性血清または血清なしの対照はARPE−19細胞のhCMVを中和しなかったことが示された(図8)。
臨床hCMV分離株VR1814に感染したARPE−19細胞で測定したマウス血清のhCMV中和力価を図9及び表5に示す。
実施例25:第2世代hCMV五量体複合体mRNAワクチン構築物
hCMV五量体複合体mRNAワクチン構築物を修飾して、第二世代mRNA構築物を産生した。第2世代mRNA構築物のヌクレオチド配列及びコードされたアミノ酸配列を表6に提供する。第2世代hCMV mRNAワクチン構築物の発現を、ウェスタンブロットによって確認した(図11A〜13E)。更に、第2世代のmRNAワクチン構築物を用いてhCMV五量体の表面発現を試験するために、HeLa細胞を、1.25μgの各mRNAワクチン構築物(gH−gL−Ul128−UL130−UL131Aを1:1:1:1:1)を用いてトランスフェクトした。次いでトランスフェクトされたHeLa細胞を、五量体特異的抗体で染色し、蛍光活性化細胞選別(FACS)で分析した。蛍光細胞集団は、hCMV五量体の表面発現を示す(図10)。
五量体及びgBをコードする第二世代のhCMV mRNAワクチンもまた、化合物25脂質と共に製剤化し、製剤の免疫原性を試験した(図20A〜20B)。マウスを、4.2μgまたは1.4μgのmRNAワクチンの総用量で免疫した。免疫後20日目及び40日目にマウスの血清サンプルを採取し、血清IgG力価を、五量体コーティングプレートまたはgBコーティングプレートで評価した。第2世代hCMV mRNAワクチンは、高レベルの五量体特異的抗体(図20A)及びgB特異的(図20B)抗体を誘導した。
HCMVワクチンは、例えば、以下の配列の少なくとも1つによって、または以下の配列の少なくとも1つの断片もしくはエピトープによってコードされる少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含んでもよい:
本明細書に記載の配列の各々は、化学修飾された配列またはヌクレオチドの修飾を含まない非修飾の配列を包含する。
表6に示されるヌクレオチド配列は、5’及び3’UTRの非限定的な例に連結されたオープンリーディングフレーム配列を含む。同じオープンリーディングフレームはまた、異なる5’及び3’UTR配列にも連結され得ることが理解されるべきである。
UTR配列の例には、
5’UTRコード配列:TCAAGCTTTTGGACCCTCGTACAGAAGCTAATACGACTCACTATAGGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGAGCCACC(配列番号145)
5’UTR(プロモーターなし)コード配列:GGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGAGCCACC(配列番号146)
3’UTRコード配列:
TGATAATAGGCTGGAGCCTCGGTGGCCATGCTTCTTGCCCCTTGGGCCTCCCCCCAGCCCCTCCTCCCCTTCCTGCACCCGTACCCCCGTGGTCTTTGAATAAAGTCTGAGTGGGCGGC(配列番号147)が挙げられる。
実施例26:2Aペプチド連結五量体サブユニット
hCMV五量体のサブユニット(gH、gL、UL128、UL130、及びUL131A)をコードする多価mRNAワクチン構築物を設計した。多価mRNAでコードされた五量体サブユニットは、2A自己切断ペプチドと連結されており(図15)、これによって連結サブユニットが個々のサブユニットにプロセシングすることが可能になる。2Aペプチド連結gH−gLをコードするmRNAワクチン構築物1μgを、293T細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後に細胞を採取し、ウェスタンブロッティングを用いて個々のgHまたはgLサブユニットを検出することにより、2Aペプチドの切断を分析した。個々のgH及びgLを検出することにより、構築物の首尾よい発現及び2Aペプチドの切断が示された(図16)。更に、プロセシングされたgHまたはgLは、HeLa細胞で発現され、二量体化され、Hela細胞を2A結合gH−gLをコードする0.5μgのmRNAでトランスフェクトした24時間後に細胞表面に転位した(図17)。
実施例27:等モル対等質量の五量体の比較
等モル濃度の五量体サブユニットmRNAを含有する五量体製剤を、等質量の五量体サブユニットmRNAを含有する五量体製剤と比較した。図18は、マウスにおける抗五量体結合抗体及び中和抗体の高力価及び持続力価を示す。図18Aは、抗五量体抗体価を示すグラフを示す。五量体mRNAの等モル及び等質量の製剤が等しく有効であることが判明した。図18Bは、hCMV株VR1814に感染したARPE19上皮細胞で測定した中和力価を示すグラフを示す。五量体mRNAの等モル及び等質量の製剤を比較し、等しく有効であることが判明した。中和力価は、CytoGam(登録商標)より約25倍高いことが判明した。
実施例28:中和活性は、抗五量体抗体に依存する
中和データを評価し、CytoGam(登録商標)と比較した。図19によって、上皮細胞感染に対する中和活性が、抗五量体抗体に依存することが示される。図19Aによって、枯渇タンパク質が五量体またはgH/gL二量体のいずれかであったことが示される。図19B及び図19Cは、中和を示すグラフを示す。図19Bは、五量体またはgH/gL二量体で免疫したマウスからの血清による中和を示す。図19Cは、五量体またはgH/gLと組み合わせたCytoGam(登録商標)による中和を示す。
実施例29:第1相臨床試験
第1相臨床試験を実施し、ヒトにおける五量体複合体(gH、gL、UL128、UL130、及びUL131A)+gBをコードするhCMV mRNAワクチンの安全性を評価し、hCMV mRNAワクチンが免疫応答を誘導する能力を評価する。18〜49歳の間の120人のボランティア(女性と男性の両方)が臨床試験に登録されている。ボランティアを、臨床試験の開始前にCMVについて試験する。健常ボランティアのうち60人はCMV+であるが、残りの60人はCMV−である。
健康なボランティアを、3つの用量群に分け、各用量群には、異なる用量のhCMV mRNAワクチン(例えば、低、中、または高)を与える。各投与群(n=40)について、hCMV mRNAワクチンを、筋肉内(IM、n=20)または静脈内(IV、n=20)に投与する。したがって、120人のボランティアを:低用量−IM(n=20)、低用量−IV(n=20)、中用量−IM(n=20)、中用量−IV(n=20)、高用量−IM(n=20)、高用量−IV(n=20)という6群(「投与群」と呼ばれる)に配置する。各投与群において、ボランティアは、安全コホート(n=4、2名はワクチン接種、及び2名はプラセボ投与);及び拡大コホート(n=16、13名はワクチン投与、及び3名はプラセボ投与)の2つのコホートに分ける。拡張コホートにおけるボランティアの免疫は、安全コホートの最後の健康なボランティアを免疫してから7日後に開始する。
hCMVワクチンまたはプラセボは、1日目、31日目、及び61日目に6投与群のボランティアに与えられる。これは二重盲検臨床試験である。ボランティアは最大1年まで追跡される。最初の免疫後1日目、8日目、22日目、30日目、44日目、6ヶ月目、及び1年目に血液サンプルを採取する。
血液サンプル中の中和hCMV抗体価を、酵素結合イムノスポット(ELISPOT)アッセイを用いるか、または低サイトメトリー細胞内サイトカイン染色(ICS)アッセイを用いて測定する。hCMV mRNAワクチンを12ヶ月間投与したボランティアでは、持続中和抗体価及び強力な既往応答が期待される。hCMV mRNAワクチンによって誘導されるIgGのレベルは、ベースライン(臨床的エンドポイント)の少なくとも4倍上であると予想される。上皮細胞及び線維芽細胞の両方で、プラーク減少中和試験(PRNT50)で測定したhCMV mRNAワクチンを受けたボランティアの血液サンプル中の中和抗体価は、CytoGam(登録商標)の中和抗体価(臨床エンドポイント)よりも高いと予想される。有効性の早期シグナル(ESOE)は、ボランティアの尿及び唾液中のウイルス負荷を、1日、6ヶ月及び12ヶ月のPCRで測定することによっても示され得る。
ワクチンの安全性を示すパラメータを測定する。免疫されたボランティアを、hCMV感染の臨床徴候(臨床エンドポイント)について評価する。生化学的アッセイを実施して、C反応性タンパク質(CRP)の凝固パラメータ及び血中濃度を評価する。hCMV mRNAワクチンは安全であると予想される。
いったん安全性及び免疫原性が実証されると、第2相臨床試験において標的集団間で試験を行う。いくつかの実施形態では、第1相試験から選択される適切な用量レベルを第2相試験で使用する。
実施例30:第2相臨床試験
第2相試験は、標的集団、例えば、血清陽性ドナーから実質臓器移植(SOT、例えば、腎臓移植)を受けている血清陰性移植患者、及び/または血清陰性ドナーから造血幹細胞移植(HCT)を受けている血清陽性患者、及び/または血清陽性ドナーから実質臓器移植(SOT、例えば、腎臓移植)を受けている血清陽性移植患者において、hCMV mRNAワクチンを評価するように設計されている。
400人の患者が第2相臨床試験に登録され、実施例28に記載の第1相臨床試験に記載のようにグループ分けされる。全ての患者を同じ投与量のhCMV mRNAワクチンで免疫する。患者は、免疫抑制療法の開始の2〜4週間前の1日目にワクチンの初回用量を受け、移植後1、3、及び6ヶ月目にブースター免疫を受ける。これは二重盲検臨床試験である。患者は最大1年まで経過観察される。最初の免疫後1日目、8日目、22日目、30日目、44日目、6ヶ月目、及び1年目に血液サンプルを採取する。
ワクチンの安全性及び免疫原性を、実施例28に記載の第1相試験に記載の方法を用いて評価する。少なくとも70%のワクチン効力が期待される。第2相試験の1つのエンドポイントは、中心PCRアッセイによるCMVウイルス血症の発生である。血漿ウイルス負荷が試験開始の12ヶ月以内に1000IU/mlを超える場合、患者はウイルス血症を有すると決定され得、試験から除かれ得る。他のエンドポイントには、(i)血漿ウイルス負荷≧LLOQ(定量化下限)として定義される、中心PCRアッセイによるCMVウイルス血症の発生、(ii)CMV疾患の発生、(iii)CMV移植片生着の治療の抗ウイルス療法の発生の宣告、及び(iv)pp65特異的DC4/CS8応答の生成が含まれる。
hCMV mRNAワクチンは、免疫応答を誘導し、中和抗体を生成すると予想される。安全性プロファイルも高いと予想される。
実施例31:第3相臨床試験
第3相試験の標的集団は、実質臓器移植(SOT)または造血幹細胞移植(HCT)を受けている患者である。登録前にCMVスクリーニングは行われない。
実施例32:筋肉内ワクチン接種後の体液性及び細胞性免疫の評価
Balb/cマウスを、表7に記載のように、示される時点、示される投与量で、筋肉内投与によって、pp65−IE1で免疫するか、またはgB/pp65−IE1 mRNAワクチン構築物で同時免疫した。T細胞(CD4及びCD8)IFNγ応答分析のために、脾細胞を単離した。マウス脾細胞をpp65−IE1ペプチドプールで刺激し、INFγの誘導をFACSによってフローサイトメーターで測定した(図21A及び22A)。PMA+イオノマイシンを使用して、非特異的T細胞IFNγ応答を刺激した(図20A及び21A、右パネル)。結果は、pp65−IE1 mRNAワクチンで免疫したマウス由来の脾細胞が、pp65−IE1ペプチドプール刺激時にIFNγを産生する一方で、空のMC3脂質ナノ粒子で免疫したマウス由来の脾細胞が、pp65−IE1ペプチドプール刺激時にIFNγを産生しないことを示し、これは、pp65−IE1 mRNAでの免疫が、hCMVに対する免疫をもたらすことを示した。mRNAワクチン構築物の異なる製剤で免疫したマウスから単離した脾細胞内でのIFNγの誘導を、Kapil Bahl−ICSプロトコールを使用して(図21B及び22B)、または背景差分後の棒グラフとしてプロットした(図21C及び22C)。
実施例33:hCMV五量体複合体mRNAワクチンと他の抗原をコードするmRNA構築物との組み合わせ
Balb/cマウスを免疫するために、hCMV五量体mRNA構築物を、gB及び他のhCMV抗原(例えば、pp65及び/またはpp65−IE1、配列を表8及び9に示す)をコードするmRNA構築物と組み合わせた。免疫後41日目にマウス血清を採取し、五量体特異的IgG力価の評価のために、五量体コーティングプレート上でアッセイした。他の抗原をコードするmRNA構築物の添加は、五量体特異的IgGの誘導に影響を及ぼさなかった(図23及び図26)。同様に、マウス血清をgBでコーティングしたプレート上でアッセイした場合、結果は、五量体及びpp65−IE1をコードするmRNAの添加がgB特異的IgGの誘導に影響を及ぼさないことを示した(図24及び図27)。hCMV五量体、gB、及びpp65−IE1をコードするmRNAワクチン構築物によって誘導された中和抗体のレベルもまた、図15〜16に示されるように評価した。五量体、gB、及びpp65−IE1をコードするmRNA構築物の組み合わせは、hCMV感染に対する高い中和抗体価を誘導した(図28)。異なる比のgB:五量体もまた試験した(表10)。
次に、hCMV五量体、gB、及びpp65−IE1をコードするhCMV mRNAワクチンで免疫したBalb/cマウスの脾臓リンパ球における抗原特異的T細胞応答を評価した。脾臓リンパ球を、五量体ペプチドライブラリまたはpp65−IE1ペプチドプールで刺激した。マウスの免疫に使用されるmRNAワクチンが五量体(5μg):gB(5μg):pp65−IE1(2μg)である場合、五量体ペプチドライブラリによって堅固なCD8応答が刺激された(図25A)。マウスの免疫に使用されるmRNAワクチンが五量体(1μg):gB(1μg):pp65−IE1(1μg)である場合、pp65−IE1ペプチドプールによってCD8(左パネル)及びCD4(右パネル)T細胞応答が誘導された(図25B)。要約すると、hCMV五量体をコードするmRNAワクチン構築物での免疫は、堅固なT細胞応答を誘発した。ワクチン中の等濃度の全てのmRNAが、予防的ワクチンとして有効である可能性が高い。
本明細書に記載の配列の各々は、化学修飾された配列またはヌクレオチドの修飾を含まない非修飾の配列を包含する。
実施例34:化合物25脂質ナノ粒子中に製剤化されたhCMV mRNAワクチンの免疫原性研究
異なる脂質ナノ粒子製剤(例えば、カチオン性脂質製剤)を、hCMV mRNAワクチンの送達について試験した。Cynomolgus macaqueを免疫するために、五量体、gB、及びpp65−IE1をコードするhCMV mRNAワクチン構築物を、化合物25またはMC3脂質ナノ粒子中に製剤化した。投与量及び免疫レジメンは、表11に示されるとおりである。この研究の全ての動物は、CynomolgusCMVに自然に感染しており、低いが異なる力価の抗カニクイザルCMV抗体を有した。hCMV mRNAワクチンでの免疫時、全ての用量について、化合物25またはMC3製剤のいずれにおいても注射部位の相互作用は観察されなかった(ドレーズスコア0)。いずれかの製剤で合計100μgのmRNAワクチンを受けたCynomolgus macaqueを6ヶ月間監視して、mRNAワクチンの免疫原性及び抗体応答の持続時間を評価した。
免疫後0、21、及び42日目に、免疫した動物から血清サンプルを採取した。血清五量体特異的IgG力価を五量体コーティングプレート上でアッセイした。化合物25及びMC3製剤は、高用量で匹敵するIgG力価を誘導した(図24)。異なる脂質中に製剤化されたhCMV mRNAワクチンもまた、それらがCynomolgusにおいてhCMVに対する中和抗体を誘導する能力について試験した。0及び42日目に中和アッセイにおける分析のために血清サンプルを採取した。hCMV臨床分離VR1814株に感染したARPE−19上皮細胞上(図25A)、またはhCMV AS169株に感染したHEL299線維芽細胞上(図25B)で中和アッセイを行った。結果は、いずれかの脂質中に製剤化された100μgの総用量のhCMV五量体mRNAワクチンが、hCMVの予防のために臨床的に使用される過免疫血清であるCytoGam(登録商標)に匹敵する中和抗体価を誘導することを示した。
更に、化合物25脂質を使用して、異なる立体配置の多価hCMV mRNAワクチン製剤を試験した(図36A〜36B)。結果は、異なる製剤がマウスにおいてpp65または五量体に対して同様のT細胞応答を誘発することを示した。図36は、多価mRNAワクチンが、五量体に対する堅固なT細胞応答を誘導したことを示す。
一実施形態では、図46Aの投薬レジメンに従って、五量体複合体、gB、及びpp65とIE1との融合(pp65−IE1と称される)、または対照として非翻訳因子IX mRNA(NTFIX)をコードするmRNA構築物を含有する示される用量の2つの異なるLNP(MC3及び化合物25)製剤をcynomolgus macaque(カニクイザル)にワクチン接種した(図46B)。この研究に使用した全てのサルは、カニクイザルCMV(cyCMV)に自然に曝露されており、免疫前、ほとんどが、CMVによる上皮感染に対して非常に低い(NT50<500)中和力価を有したが、線維芽細胞感染に対しては有しなかった。ELISA結果は、ワクチン接種後に高い力価の抗PC及び抗gB抗体を示した(図47A及び47B)。第2のワクチン接種の3週間後、中和抗体の用量依存的な増加が観察された。中和力価は、全ての用量のワクチンで、上皮及び線維芽細胞のそれぞれにおいてCytogamよりも高いか、それと等しかった(図46B及び46C)。
100μgの用量を受けたカニクイザルを、第2の用量のワクチン接種後、更に6ヶ月間監視した。第2の用量後、上皮及び線維芽細胞感染に対する中和力価は、最初にそれぞれ3及び8倍低下したが、その後更に4ヶ月間持続した(図46B及び46C)。全体として、MC3及び化合物25中に製剤化されたmRNAでのワクチン接種は、等しい中和力価を誘発し、したがって更なる研究は化合物25を利用した。
マウス免疫血清について行ったものと同様の抗体枯渇実験を行うことによって、これらの抗体の特異性を更に評価した。精製PC及びgBタンパク質は、以前の観察と一貫して、上皮及び線維芽細胞においてそれぞれNHP免疫血清及びCytogamの中和活性と競合した(図46D及び46E)(Chandramouliら、2015)。これらの結果は、CMV mRNA抗原でのワクチン接種が、CMV血清陽性個体において観察される抗体特異性と同様の抗体特異性を誘発することを示す。
実施例35:化学修飾を有するかまたは有しない、異なる脂質製剤中のhCMV mRNAワクチン構築物の免疫原性の評価
化学修飾を有するかまたは有しない、異なる脂質製剤中のhCMV mRNAワクチン構築物の免疫原性を評価した。hCMV五量体(5μg)及びgB(1μg)をコードするhCMV mRNAワクチン、またはhCMV五量体(5μg)、gB(1μg)、及びpp65mut(2μg)をコードする構築物を、MC3脂質粒子中または化合物25脂質粒子中のいずれかに製剤化した。Balb/Cマウスを2回の用量(1回の初回用量及び初回用量の21日後の1回のブースター用量)で免疫し、初回用量の21及び43日後に血清を回収した。
血清を、hCMV五量体及びgBに対する抗体価について(図37A、37B、38A、及び38B)ならびに線維芽細胞内(図39A)または上皮細胞内(図39B)でのhCMV感染に対する中和抗体価について分析した。N1−メチルシュードウリジン化学修飾を有する(C2)または有しない(C1)hCMV mRNAワクチン構築物は、五量体またはgBに対する抗体を誘発することができた。hCMV感染に対する中和抗体もまた誘発された。
hCMV五量体、gB、及びpp65mutをコードするhCMV mRNAワクチン構築物で免疫したマウスについて、T細胞応答(サイトカイン分泌によって示されるCD4+及びCD8+T細胞応答)もまた評価した。結果は、MC3脂質粒子中に製剤化したN1−メチルシュードウリジン(C2)化学修飾を含有するhCMV mRNA構築物がpp65に対するCD4+及びCD8+T細胞応答を誘発した(図40B)一方で、化合物25脂質粒子中に製剤化した非修飾mRNA構築物がpp65に対するCD4+及びCD8+T細胞応答を誘発した(図41B)ことを示す。非修飾hCMV mRNA構築物、またはMC3中もしくは化合物25脂質粒子中のいずれかに製剤化したN1−メチルシュードウリジン(C2)化学修飾を含有するmRNA構築物の両方が、五量体に対するT細胞応答を誘発した(図40A及び図41A)。
実施例36 連続的免疫によるpp65に対する強力なT細胞応答の維持
CMVタンパク質pp65及びIE1は、CMV血清陽性個体における高い抗原特異的T細胞前駆体頻度のために魅力的なワクチン抗原として出現している。細胞内染色アッセイ(ICS)を使用して、マウスにおけるpp65−IE1に対するT細胞応答を評価した。pp65及びIE1の選択免疫優性ペプチドを含むペプチドプールで脾細胞を刺激し(Reapら、2007)、IFNγ産生T細胞をフローサイトメトリーによって測定した。pp65−IE1のみで免疫したマウスにおいて、CD4及びCD8T細胞内の両方でIFNγ産生が検出された(図48A及び48B)。それがPC及びgB mRNAと同時製剤化された場合、pp65−IE1特異的T細胞応答の低減が観察された(図48A及び48B)。免疫原性を保持するが、生物学的活性の低減を示すことが報告されているpp65のリン酸化変異体(pp65ΔP)をコードするmRNA構築物を合成した(Zaiaら、2009)。pp65ΔPに対するT細胞応答を評価し、同じ変異を保持するpp65−IE1免疫と比較した。フローサイトメトリーによって評価されるCD4及びCD8T細胞を産生する、pp65及びIFNγの重複ペプチドライブラリで、脾細胞を刺激した。この実施形態では、全体的なT細胞応答は、pp65ΔP−IE1を受けるマウスと比較して、pp65ΔPを受けるマウスにおいてより高かった(図50A及び50B)。したがって、pp65ΔPをワクチン製剤に使用した。
次に、他のCMV抗原の存在下でpp65に対するT細胞応答が阻止されるかを評価した。pp65を単独カプセル化するかpp65+PC+gBをカプセル化するLNPのいずれかで、マウスを免疫した。pp65の重複ペプチドライブラリで脾細胞を刺激し、抗原特異的多機能性T細胞応答をICSによって分析した。pp65単独で免疫したマウスにおいて堅固なT細胞応答が見られ、T細胞のほとんどがIFNγ及びTNF−α(図48C及び48D)ならびにより少ない程度でIL−2(図51A)を産生した。しかしながら、この実施形態では、他のCMV抗原の存在下では、pp65特異的T細胞応答は低減した(図48C及び48D)。
pp65特異的T細胞応答が多価ワクチン中に存在する他の優位な抗原によって阻止されたかどうかを決定するために、PC及びgBに対する抗原特異的T細胞応答をICSによって評価した。PCに対する強力な多機能性T細胞応答(図48E及び48D)ならびにわずか〜中程度のgB特異的T細胞応答(図51C及び51D)が観察された。これらのPC特異的T細胞のほとんどは、IFNγ及びTNFα(図5E〜5F)ならびに少ない程度でIL−2(図51B)を分泌した。これらの結果は、pp65に対するT細胞応答の阻害が、PC中に存在する優位なエピトープによるエピトープ競合に由来することを示唆する。
エピトープ競合は、LNP(pp65)の用量、その後にLNP(PC+gB+pp65)の用量が続く異種プライム/ブーストレジメンによって解決されることが見出された。図49Aに示される投薬レジメンに従って、LNP(PC+gB+pp65)の相同的プライム/ブーストレジメンまたはLNP(pp65)の相同的プライム/ブーストレジメンで、対照マウスを免疫した。初回用量のpp65を単独で、その後に3つ全ての抗原を受けたマウスにおいて、T細胞応答は、2回の用量のpp65を単独で受けるマウスのレベルに匹敵するレベルまで回復した(図49B及び49C)。予想どおり、2回の用量のLNP(PC+gB+pp65)を受けたマウスは、堅固なPC特異的T細胞応答、及びpp65に対する無視できる応答を示した(図49D及び49E)。これらの結果は、エピトープ競合が異種かつ連続的プライム/ブーストワクチンレジメンによって解決され得ることを示す。
実施例37 実施例22〜28、31〜33、35、及び38の材料及び方法
動物研究
生後8〜10週間の雌のBALB/cマウス(Charles River Laboratories International,Inc.,Wilmington,MA)を、50μlの示されるLNP/mRNA製剤または空のLNPで筋肉内注射によって免疫した。全てのマウス研究は、Animal Care and Use Committee at Moderna Therapeutics(Cambridge,MA)によって承認された。
非ヒト霊長類実験
NHP研究は、Southern Research Institute(Frederick,MD)で実施した。体重3kg〜6kgの2〜5歳のカニクイザルを、CMV五量体、gB、及びpp65−IE1抗原をコードするmRNA構築物を含有する、異なる用量の2つの異なるLNP製剤(MC3及び化合物25)で2回免疫した。注射は、0.5mlの容積で筋肉内に与えた。全てのサルをcyCMVについてスクリーニングし、CMVに対する中和力価に基づいて研究に含めた。動物プロトコールは、Institutional Animal Care and Use Committee(IACUC)at Southern Research Instituteによって承認された。
細胞及びウイルス
HEK293、HeLa、HEL299、及びARPE−19細胞を、American Type Culture Collection(ATCC)から得た。10%のウシ胎仔血清(FBS)ならびに1%のペニシリン及びストレプトマイシンを有するダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で、全ての細胞を培養した。内皮細胞成長培地中で、HUVEC細胞(ATCC)を培養した。CMV株AD169(ATCC)をMRC−5細胞上で増殖させ、VR1814(G.Gerna,Fondazione IRCCS Policlinico San Matteo、Pavia,Italy)をHUVEC細胞上で増殖させた。細胞の90%が細胞傷害効果を示した後、10日目に、浄化した上清を回収した。20%の最終濃度になるまでFBSを添加することによって、ウイルスストックを生成した。
ウェスタンブロット及び免疫沈降
Trans IT(登録商標)−mRNA Transfection Kit(Mirus Bio LLC)を製造業者の推奨に従って使用して、gH、gL、UL128、UL130、UL131A、またはgBをコードするmRNAで、HEK293細胞を一時的にトランスフェクトした。トランスフェクション後24時間の時点で、Complete mini−EDTA freeプロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤(ThermoFisher Scientific)を補充したRIPA緩衝液(Boston BioProducts)中に細胞を溶解した。事前に透明化した溶解物を、Novexの4%〜12%のBis−Trisゲル(Invitrogen)で分解し、gH、gL、UL128、UL130、またはUL131Aのウサギポリクローナル抗体(D.Johnson,OHSU、Portland,OR)及びマウス抗βアクチン(Cell Signaling Technology)でブロットした。Alexa Fluor488ヤギ抗ウサギIgGまたはAlexa Fluor680ヤギ抗マウスIgG(ThermoFisher Scientific)を二次抗体として使用した。全ての画像を、ChemiDoc MP Imaging System(Bio−Rad Laboratories)で撮像した。免疫沈降のために、まず溶解物をタンパク質Gアガロースビーズ(ThermoFisher Scientific)で事前に透明化し、抗gBモノクローナル抗体(クローンCH28、Santa Cruz Biotechnology)を使用してgBを免疫沈降した。免疫沈降物をNovexの4%〜12%のBis−Trisゲル(Invitrogen)で分解し、マウス抗gB抗体で探索し、その後、天然マウスIgGを認識するHRPにコンジュゲートしたラット抗マウスIgG(Mouse TrueBlot(登録商標)Western Blot Kit、Rockland Inc)とともにインキュベートした。TrueBlot基質(Rockland Inc.)を使用してイムノブロットを展開し、ChemiDoc MP Imaging System(Bio−Rad Laboratories,Inc.)で可視化した。
フローサイトメトリー
CMV PC(gH/gL/UL128/UL130/UL131A)の様々なサブユニットのmRNA、またはサブユニットの1つまたはgBを欠いている組み合わせで、HeLa細胞を一時的にトランスフェクトした。24時間後、細胞を採取し、FACS緩衝液(1×PBS、3%のFBS、0.05%のアジ化ナトリウム)中に再懸濁した。表面PC発現またはPCの構成要素を検出するために、ヒトモノクローナル抗体8I21(PC)、3G16(gH)、15D8var1(UL128)、及び7I13(UL128/UL130/UL131A)で細胞を染色した(Macagnoら、2010)。上記全てのヒトモノクローナル抗体は、ThermoFisherによって、それぞれの重鎖及び軽鎖抗体のコドン最適化配列をコードする発現プラスミドでトランスフェクトされたExpi293細胞からカスタム合成された。表面gBは、マウスモノクローナル抗gB(Santa Cruz Biotechnology,Inc.)によって検出した。細胞内gBを検出するために、細胞を1×Cytofix/Cytoperm(商標)(BD Biosciences)で透過処理し、マウスモノクローナル抗gB(Santa Cruz Biotechnology,Inc.)で染色した。Alexaflour647ヤギ抗ヒトIgG(SouthernBiotech)またはAlexafluor647ヤギ抗マウスIgG(SouthernBiotech)を二次抗体として使用した。細胞は、BD LSRII Fortessa機器(BD Biosciences)で取得し、FlowJoソフトウェアv10(Tree Star,Inc.)によって分析した。
細胞内サイトカイン染色
gH、gL、UL128、UL130、UL131A(5個のアミノ酸だけ重複する15アミノ酸長)及びgB(11個のアミノ酸だけ重複する15アミノ酸長)の重複ペプチドライブラリは、Genscript(Piscataway,NJ)によって合成された。複合体の5つの異なる構成要素のペプチドプールを予め混合することによって、PCのペプチドライブラリを生成した。pp65ペプチドライブラリ(11個のアミノ酸だけ重複する15アミノ酸長)は、JPT Inc.によった。BD GolgiStop(商標)及びGolgiPlug(商標)(BD Biosciences)の存在下、37℃で、脾細胞を、10μg/mlのPC、gB、及びpp65のペプチドプールで5時間刺激した。未刺激またはPMA/イオノマイシン(Cell Stimulation Cocktail,eBioscience)を、それぞれ陰性及び陽性対照として使用した。刺激後、細胞を、生死判別染料としてのFcR遮断抗体2.4G2及びeFluor(商標)506(eBioscience)存在下、FACS緩衝液中で表面染色した。表面染色に使用した抗体クローンは、抗CD4(GK1.5)、抗CD8(53.6.7)、抗CD44(IM7)、抗CD62L(MEL14)、及び抗TCRβ(H57−59)であった。BD Cytofix/Cytoperm及びBD Perm/Wash(商標)緩衝液(BD Biosciences)で、細胞内染色を実施した。細胞内染色に使用した抗体クローンは、抗IFNγ(XMG1.2)、抗IL2(JES6−5H4)、及び抗TNFα(MP6−XT22)であった。サンプルは、BD LSRII Fortessa(BD Biosciences)で取得し、FlowJoソフトウェア(TreeStar,Inc.)によって分析した。背景差分後に、サイトカイン分泌T細胞をプロットした。
修飾CMV mRNAワクチン構築物及び製剤の生成
株MerlinからのCMV抗原gH、gL、UL128、UL130、UL131A、及びgBをコードするmRNAの生成は、以前に記載されたように、5’及び3’非翻訳領域(UTR)ならびにポリ(A)尾部を含む線状DNA鋳型から、T7ポリメラーゼを使用して、インビトロ転写によって行った(Richnerら、2017b)。アミノ酸435〜438(RKRK)を欠失させることによって、pp65のリン酸化変異体(pp65ΔP)をコードするmRNAを生成した。終止コドンを欠いているpp65遺伝子の配列を、開始コドンを有しないIE1遺伝子とタンデムで組み立てて、インフレームの融合遺伝子を生成することによって、pp65/IE1融合mRNAを構築した。S−アデノシルメチオニンを、メチル化されキャッピングされたRNA(cap1)に添加して、mRNA翻訳効率を増加させた。同様に、pp665のアミノ酸435〜438を欠いているpp65ΔP−IE1 mRNA構築物もまた生成した。以前に記載されているように、LNPを製剤化した(Chenら、2016)。簡潔には、50:10:38.5:1.5(イオン化可能な脂質:DSPC:コレステロール:PEG脂質)のモル比で、脂質をエタノール中に溶解した。異なるイオン化可能な脂質を有する2つの異なるLNP(それぞれMC3及び化合物25と称される)を開発した。mRNAを脂質混合物と組み合わせ、透析し、以前に記載されているように濃縮した(Richnerら、2017b)。mRNAを欠いている空のLNPもまた、対照として生成した。全ての製剤は、80nm〜100nmの範囲の粒径を有し、90%超のカプセル化及び<1EU/mlのエンドトキシンを有した。
ELISA
一晩、96ウェルのマイクロタイタープレートを1μg/mlのPC(Native Antigen Company)またはgB(Sino Biological)タンパク質でコーティングした。血清の段階希釈物を添加し、結合した抗体をHRPにコンジュゲートしたヤギ抗マウスIgG(Southern Biotech)で検出し、その後、TMB基質(KPL)とともにインキュベートした。吸光度をOD(450nm)で測定した。GraphPad Prism(GraphPad Software,Inc.)にフィットさせた4つのパラメータロジスティック曲線を使用して力価を決定し、約OD(450nm)=0.6(各プレートの標準に対して正規化)での逆数の血清希釈として定義した。
中和アッセイ
血清サンプルを56℃で30分間熱失活させ、完全培地中で1:50に希釈した。Cytogamを10mg/mlに希釈した。その後、サンプルを2倍のステップで段階希釈し、10%のモルモット補体(Cedarlane Laboratories Ltd)を補充した無血清培地中、等体積のVR1814またはAD169ウイルスと混合し、37℃、5%のCO2で4時間インキュベートした。その後、ウイルス/血清混合物を、96ウェルの組織培養プレート中、ARPE−19またはMRC−5細胞に添加し、37℃、5%のCO2で17〜20時間インキュベートした。細胞を200プルーフのエタノールで固定し、Superblock(Sigma−Aldrich)で遮断し、PBS/0.05%のTween−20で洗浄し、CMV IE1に対するマウスモノクローナル抗体(Millipore)、その後、ペルオキシダーゼAffiniPureヤギ抗マウスIgG(Jackson ImmunoResearch Laboratories)で染色し、HistoMark(登録商標)TrueBlue(商標)ペルオキシダーゼ基質(SeraCare)で展開した。CTL ImmunoSpot(登録商標)分析機(Cellular Technology Limited)を使用して、CMV IE1陽性細胞を計数した。GraphPad Prism(GraphPad Software,Inc.)にフィットさせた4つのパラメータロジスティック曲線を使用して中和力価(NT50)を決定し、感染した細胞数の50%の低減をもたらす血清希釈の逆数として定義した。全ての実験において、Cytogam(CSL Behring)の力価は、投薬後のヒト血清中での適切な最大濃度(2mg/ml)のために示され、これは、70kgの平均体重に基づいて計算した。
統計分析
クラスカル・ウォリス検定及びダン多重比較検定を使用して、またはマン・ホイットニーの両側U検定によって、データをPrism7(GraphPad Software)で分析した。<0.05のp値は、統計学的に有意な差異を示した。
*表13に示されるヌクレオチド配列は、5’UTR及び3’UTRをコードする配列に連結され得るオープンリーディングフレーム配列である。
5’UTRコード配列:TCAAGCTTTTGGACCCTCGTACAGAAGCTAATACGACTCACTATAGGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGAGCCACC(配列番号145)
5’UTR(プロモーターを有しない)コード配列:GGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGAGCCACC(配列番号146)
3’UTRコード配列:
TGATAATAGGCTGGAGCCTCGGTGGCCATGCTTCTTGCCCCTTGGGCCTCCCCCCAGCCCCTCCTCCCCTTCCTGCACCCGTACCCCCGTGGTCTTTGAATAAAGTCTGAGTGGGCGGC(配列番号147)
C1:化学修飾なし
C2:N1−メチルシュードウリジン化学修飾
実施例38 コドン最適化mRNA変異体構築物からのgBの発現
HEK293細胞内または細胞表面上のHCMV糖タンパク質B(gB)発現レベルを、コドン最適化gB mRNA変異体(変異体番号1〜変異体番号10、それぞれ配列番号94、157、及び95〜102、表13を参照されたい)について試験した。Trans IT(登録商標)−mRNA Transfection Kit(Mirus Bio LLC)を製造業者の推奨に従って使用して、コドン最適化gB mRNA変異体をコードするmRNAで、HEK293細胞を一時的にトランスフェクトした。トランスフェクション後24時間の時点で、Complete mini−EDTA freeプロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤(ThermoFisher Scientific)を補充した1%のジギトニン緩衝液中に細胞を溶解した。事前に透明化した溶解物を、Novexの4〜12%のBis−Trisゲル(Invitrogen)で分解し、抗gBマウスモノクローナル抗体(クローンCH28、Santa Cruz Biotechnology)及びマウス抗βアクチン(Cell Signaling Technology)でブロットした。Alexa Fluor680ヤギ抗マウスIgG(ThermoFisher Scientific)を二次抗体として使用した。全ての画像を、ChemiDoc MP Imaging System(Bio−Rad Laboratories)で撮像した。
結果は、コドン最適化変異体の全てが発現したことを示す。野生型gB mRNAと比較して、コドン最適化した変異体のいくつか(変異体番号1〜変異体番号4、変異体番号9、及び変異体番号10)は、HEK293細胞内の発現の増強を示し、中でも変異体番号4は、最も高い発現レベルを示した(図52)。
等価物
当業者は、本明細書に記載された本開示の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または慣用的な実験より少ない実験を用いて確認することができるであろう。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
本明細書に開示される特許文献を含む全ての参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。本出願は、「ヒトサイトメガロウイルスワクチン」と題された2016年10月21日出願のPCT出願第PCT/US2016/058310号の全ての図面及び明細書の全ての部分(アミノ酸/ポリヌクレオチド配列の配列表を含む)を含む内容全体を参照により組み込む。