JP2018531290A6 - 性感染症ワクチン - Google Patents

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Abstract

本開示は、性感染症リボ核酸ワクチン及び混合ワクチン、ならびに、ワクチン及びワクチンを含む組成物の使用方法に関する。本発明は、例えば、性感染症(STD)ワクチンであって、少なくとも1つのSTD抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含み、カチオン性脂質ナノ粒子で製剤化された、前記性感染症(STD)ワクチンを提供する。一実施形態では、前記抗原ポリペプチドは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)及びChlamydia trachomatis抗原ポリペプチドから選択される。
【選択図】図4

Description

関連出願
本出願は、2015年10月22日出願の米国仮出願番号62/244,884、2015年10月28日出願の米国仮出願番号62/247,418、2015年10月22日出願の米国仮出願番号62/244,822、及び、2015年10月28日出願の米国仮出願番号62/247,374に対する米国特許法119(e)条に基づく利益を主張するものであり、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願はまた、2015年10月22日出願の米国仮出願番号62/245,031に対する米国特許法119(e)条に基づく利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
性感染症(STD)は、数百万人の男性、女性及び子供に重大な医学的及び心理学的影響を与える、急性疾患、不妊症、長期にわたる障害及び死亡の世界的な主原因である(Hafner L.et al.Mucosal Immunology(2008)1,116−130)。
ヒトパピローマウイルス(HPV)とは、パピローマウイルスファミリーに由来する170種超の小さなDNAウイルス群である。最も一般的な性感染症であり、またほとんどのHPV感染症が無症状であるその一方で、HPVは、頸部癌の原因物質であり、世界中の癌罹患女性全体における死亡率の2番目に大きな原因となっている。HPV関連癌は世界中の癌診断症例全体の5%超を占めており、その罹患率は発展途上国においてより高く、HPV症例は年間約500,000件と推定されている。HPVへの高濃度曝露及び健康への影響により、HPVに対する安全なワクチン候補の開発が重要となっている。
Chlamydia感染症は、Chlamydia trachomatis(C.trachomatis)細菌によって引き起こされる。Chlamydia感染症は世界中で最も一般的な性感染症であり、全世界で約215百万人が罹患している。米国では、毎年約2.8百万件の新たなChlamydia症例が存在している。Chlamydia trachomatisはまた、失明を招き得る疾患であるChlamydia結膜炎またはトラコーマの原因となる場合がある。世界中で約80百万人が活動性感染を有しており、ほぼ2.2百万人が視覚障害及び失明となっている。Chlamydiaに関連する世界的な健康への影響が、Chlamydiaに対する効果的かつ安全なワクチン候補開発の重要性を例示している。
単純ヘルペスウイルス(HSV)は、Herpesviridaeファミリーにおける二本鎖直鎖状DNAウイルスである。単純ヘルペスウイルスファミリーのうち2つのメンバーはヒトに感染し、HSV−1及びHSV−2として知られている。HSV感染の症状としては、口腔の皮膚または粘膜、唇、及び/または、生殖器における疱疹形成が挙げられる。HSVは、感染個体においてウイルス再活性化による散発性の再発エピソードを引き起こし得る神経浸潤ウイルスである。HSVは、ウイルスの活性化期間中、皮膚の感染領域と接触することにより伝染する。
デオキシリボ核酸(DNA)ワクチン接種は、HPV抗原、HSV抗原及び/またはChlamydia抗原などの外来抗原に対する体液性及び細胞性の免疫応答を刺激するために使用される一種の技術である。遺伝子操作されたDNA(例えば、裸のプラスミドDNA)を生存宿主に直接注射することにより、少数の細胞から抗原を直接産生し、防御性の免疫応答を生じさせる。しかしながら、この技術には、癌遺伝子の活性化または腫瘍抑制遺伝子の阻害をもたらし得る挿入変異誘発の可能性を含めた潜在的な問題がある。
Hafner L.et al.Mucosal Immunology(2008)1,116−130
本明細書で提供するリボ核酸(RNA)ワクチンは、RNA(例えば、メッセンジャーRNA(mRNA))によって身体の細胞機構を安全に誘導し、天然タンパク質から抗体、さらには細胞内外で治療活性を有することができる他の全く新しいタンパク質構築物まで、ほぼいかなる目的とするタンパク質をも産生できるという知見に基づいている。本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンを使用すると、例えば、挿入変異誘発のリスクを冒さずに、細胞性免疫と体液性免疫の両方を含む、HPV、HSV及び/またはChlamydia(例えば、C.trachomatis)に対するバランスのとれた免疫応答を誘導することができる。本明細書においては、HPV、HSV及び/またはChlamydiaのことを「性感染症(STD)」と呼ぶ。それゆえ、用語「STD RNAワクチン」及び「HPV、HSV及び/またはChlamydia」は、HPV RNAワクチン、HSV RNAワクチン、Chlamydia RNAワクチン、ならびに、少なくとも1つのHPV RNAワクチン及び少なくとも1つのHSV RNAワクチン、少なくとも1つのHPV RNAワクチン及び少なくとも1つのChlamydia RNAワクチン、及び、少なくとも1つのHPV RNAワクチン、少なくとも1つのHSV RNAワクチン及び少なくとも1つのChlamydia RNAワクチンを含む混合ワクチンを包含する。
本RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、感染の蔓延、またはアンメットメディカルニーズの程度もしくはレベルに応じて様々な状況で利用することができる。RNA(例えば、mRNA)ワクチンを利用して、様々な遺伝子型、株、及び分離株のHPV、HSV及び/またはChlamydiaを治療及び/または予防することができる。RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、市販の抗ウイルス治療薬よりもはるかに高い抗体価を生じさせ、より早く応答を引き起こすという点で優れた特性を有している。理論に束縛されるものではないが、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは天然の細胞機構を取り入れているため、mRNAポリヌクレオチドであるRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、翻訳時に適切なタンパク質の立体構造を生成するように良好に設計されると考えられる。ex vivoで製造され、望ましくない細胞応答を誘発する可能性のある従来型ワクチンとは異なり、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、より自然な方法で細胞系に提示される。
驚くべきことに、フラジェリンアジュバントと組み合わせる際に、特に、1つまたは複数の抗原コードmRNAをフラジェリンコードmRNAと組み合わせる際に、mRNAワクチンの効果が有意に向上し得ることが分かっている。フラジェリンアジュバント(例えば、mRNAコードフラジェリンアジュバント)と組み合わせたRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、市販のワクチン製剤よりもはるかに高い抗体価を生じさせ、より早く応答を引き起こし得るという点で優れた特性を有している。
本開示におけるいくつかの実施形態は、少なくとも1つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、抗原ポリペプチドに対する免疫応答を誘導可能な免疫原性断片)をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチド、及び、フラジェリンアジュバントをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNAポリヌクレオチド)を含む、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを提供する。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフラジェリンポリペプチド(例えば、コードされたフラジェリンポリペプチド)はフラジェリンタンパク質である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフラジェリンポリペプチド(例えば、コードされたフラジェリンポリペプチド)は免疫原性フラジェリン断片である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフラジェリンポリペプチド及び少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、単一RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドによりコードされる。その他の実施形態では、少なくとも1つのフラジェリンポリペプチド及び少なくとも1つの抗原ポリペプチドはそれぞれ、別のRNAポリヌクレオチドによりコードされる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフラジェリンポリペプチドは、配列番号:301〜303の配列を有するフラジェリンポリペプチドに対して、少なくとも80%の、少なくとも85%の、少なくとも90%の、または、少なくとも95%の同一性を有する。
本明細書におけるいくつかの実施形態では、少なくとも1つの(例えば、少なくとも2、3、4または5つの)HPV、HSV及び/またはChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチド、または上記抗原ポリペプチドのうち2つまたはそれ以上の任意の組み合わせをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つの(例えば、少なくとも2、3、4または5つの)RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含むリボ核酸(RNA)(例えば、mRNA)ワクチンを提供する。本明細書において、用語「抗原ポリペプチド」の使用は、特に明記しない限り、抗原ポリペプチドの免疫原性断片(HPV、HSV及び/またはChlamydia(例えば、C.trachomatis)に対する免疫応答を誘導する(または誘導可能な)免疫原性断片)を包含する。
本明細書におけるいくつかの実施形態ではまた、シグナルペプチドに結合した少なくとも1つの(例えば、少なくとも2、3、4または5つの)HPV、HSV及び/またはChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つの(例えば、少なくとも2、3、4または5つの)RNAポリヌクレオチドを含むRNA(例えば、mRNA)ワクチンを提供する。
本明細書におけるいくつかの実施形態ではさらに、少なくとも1つの(例えば、少なくとも2、3、4または5つの)HPV、HSV及び/またはChlamydia(例えば、C.trachomatis)RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドをコードする核酸(例えば、DNA)を提供する。
本明細書におけるいくつかの実施形態では、またさらに、対象内の免疫応答を誘導するための方法を提供し、その方法は、少なくとも1つの(例えば、少なくとも2、3、4または5つの)HPV、HSV及び/またはChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチド、または上記抗原ポリペプチドのうち2つまたはそれ以上の任意の組み合わせをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つの(例えば、少なくとも2、3、4または5つの)RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含むワクチンを対象に投与することを含む。
HPV
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、HPVに対する免疫応答を誘導可能な免疫原性断片)をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、E1、E2、E4、E5、E6、E7、L1及びL2から選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、E1、E2、E4、E5、E6及びE7から選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、E6、E7、またはE6及びE7の組み合わせである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、L1、L2、またはL1及びL2の組み合わせである。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドはL1である。いくつかの実施形態では、L1タンパク質は、HPV血清型6、11、16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73または82から得られる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、L1、L2、またはL1及びL2の組み合わせ、ならびに、E6、E7、またはE6及びE7の組み合わせである。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、HPV株HPV型16(HPV16)、HPV型18(HPV18)、HPV型26(HPV26)、HPV型31(HPV31)、HPV型33(HPV33)、HPV型35(HPV35)、HPV型45(HPV45)、HPV型51(HPV51)、HPV型52(HPV52)、HPV型53(HPV53)、HPV型56(HPV56)、HPV型58(HPV58)、HPV型59(HPV59)、HPV型66(HPV66)、HPV型68(HPV68)、HPV型82(HPV82)、またはこれらの組み合わせに由来する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、HPV株HPV16、HPV18、またはこれらの組み合わせに由来する。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、HPV株HPV型6(HPV6)、HPV型11(HPV11)、HPV型13(HPV13)、HPV型40(HPV40)、HPV型42(HPV42)、HPV型43(HPV43)、HPV型44(HPV44)、HPV型54(HPV54)、HPV型61(HPV61)、HPV型70(HPV70)、HPV型72(HPV72)、HPV型81(HPV81)、HPV型89(HPV89)、またはこれらの組み合わせに由来する。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、HPV株HPV型30(HPV30)、HPV型34(HPV34)、HPV型55(HPV55)、HPV型62(HPV62)、HPV型64(HPV64)、HPV型67(HPV67)、HPV型69(HPV69)、HPV型71(HPV71)、HPV型73(HPV73)、HPV型74(HPV74)、HPV型83(HPV83)、HPV型84(HPV84)、HPV型85(HPV85)、またはこれらの組み合わせに由来する。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、HPVから得た少なくとも1つの(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8つの)E1、E2、E4、E5、E6、E7、L1及びL2タンパク質、またはこれらの組み合わせをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、HPVから得たE1、E2、E4、E5、E6及びE7タンパク質、またはこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの(例えば、1、2、3、4、5または6つの)ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、HPVから得たE6及びE7タンパク質、またはこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、HPVから得たL1及びL2タンパク質、またはこれらの組み合わせから選択されるポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、感染細胞を構造的に修飾する抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、HPVウイルスカプシドの一部または全体を形成する抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、ウイルス様粒子へと自己組織化可能な抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、感染細胞へのHPVの結合に影響を与える抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、網膜芽細胞腫タンパク質(pRb)と相互作用する抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、p53と相互作用する抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜59のアミノ酸配列(表2)を含む。いくつかの実施形態では、HPV抗原ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号:31〜59のアミノ酸配列(表2)であるか、配列番号:31〜59のアミノ酸配列(表2)の断片であるか、または、配列番号:31〜59のアミノ酸配列(表2)に対して少なくとも80%の(例えば、85%、90%、95%、98%、99%の)同一性を有するホモログまたは変異体である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチドは、配列番号:1〜28(表1)のいずれか1つにより識別される核酸配列によりコードされる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのHPV RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドは、配列番号:1〜28(表1)のいずれか1つにより識別される核酸配列、または、配列番号:1〜28(表1)のいずれか1つにより識別されるヌクレオチド配列の断片によりコードされる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのHPV RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドは、配列番号:431〜461(表1)のいずれか1つにより識別される核酸配列、または、配列番号:431〜461(表1)のいずれか1つにより識別されるヌクレオチド配列の断片を含む。
Chlamydia
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、Chlamydia、例えば、C.trachomatisに対する免疫応答を誘導可能な免疫原性断片)をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、主要外膜タンパク質(MOMPまたはOmpA)またはその免疫原性断片である。MOMPは、Chlamydia trachomatis血清型(serovar)(血清型(serotype))H、F、E、D、I、G、JまたはK由来であってもよい。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、毒性関連外膜タンパク質ファミリー(OmpA、OmpL、OmpF、OprFなど)またはその免疫原性断片由来である。OMPは、Chlamydia trachomatisまたは任意のグラム陰性菌(例えば、Pseudomonas aeruginosa)由来であってもよい。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのChlamydia抗原ポリペプチドは、配列番号:65〜72または73〜183(表5または表7)のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Chlamydia抗原ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号:65〜72または73〜183のアミノ酸配列(表5または表7)であるか、配列番号:65〜72または73〜183のアミノ酸配列(表5または表7)の断片であるか、または、配列番号:65〜72または73〜183のアミノ酸配列(表5または表7)に対して少なくとも80%の(例えば、85%、90%、95%、98%、99%の)同一性を有するホモログまたは変異体である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのChlamydia抗原ポリペプチドは、配列番号:62〜64または184〜294(表4または表8)のいずれか1つにより識別される核酸配列によりコードされる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのChlamydia RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドは、配列番号:317〜319または320〜430(表4または表8)のいずれか1つにより識別される核酸配列、または、配列番号:317〜319または320〜430(表4または表8)のいずれか1つにより識別されるヌクレオチド配列の断片を含む。
HSV
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、少なくとも1つの単純ヘルペスウイルス(HSV)抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、HSVに対する免疫応答を誘導可能な免疫原性断片)をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質B、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質C、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質D、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質E、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質Iである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質B、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質C、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質D、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質E、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質I、または、HSV(HSV−1またはHSV−2)ICP4タンパク質に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を有する。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、非グリコーゲン性のポリペプチド、限定するわけではないが例えば、HSV(HSV−1またはHSV−2)ICP4タンパク質、HSV(HSV−1またはHSV−2)ICP0タンパク質、またはその免疫原性断片である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質B、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質C、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質D、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質E、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質I、または、HSV(HSV−1またはHSV−2)ICP4タンパク質に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%を有する。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質C、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質D、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質C及びHSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質Dの組み合わせ、またはその免疫原性断片である。
いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質Dをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、筋肉内注射用に製剤化される。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンのオープンリーディングフレームはコドン最適化されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号:31〜59、65〜72または73〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列(表2、表5または表7;表3及び表6のアミノ酸配列もまた参照されたい)を含む少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードし、コドン最適化mRNAである。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、アジュバントをさらに含む。
表3及び表6に、目的の国立生物工学情報センター(NCBI)アクセッション番号を記載する。語句「表3及び表6のアミノ酸配列」は、表3及び表6に記載した1つまたは複数のNCBIアクセッション番号により識別されるアミノ酸配列のことを意味すると理解すべきである。表3及び表6のアクセッション番号に包含されるアミノ酸配列のそれぞれ、及びアミノ酸配列のそれぞれに対して95%超の同一性または98%超の同一性を有する変異体は、本開示の構築物(ポリヌクレオチド/ポリペプチド)の範囲に含まれる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのmRNAポリヌクレオチドは、配列番号:1〜28、62〜64または184〜294(表1、表4及び表8)のいずれか1つにより識別される配列を含み、野生型mRNA配列に対して80%未満の同一性を有する核酸によりコードされる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのmRNAポリヌクレオチドは、配列番号:1〜28、62〜64または184〜294(表1、表4及び表8)のいずれか1つにより識別される配列を含み、野生型mRNA配列に対して75%、85%または95%未満の同一性を有する核酸によりコードされる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのmRNAポリヌクレオチドは、配列番号:1〜28、62〜64または184〜294(表1、表4及び表8)のいずれか1つにより識別される配列を含み、野生型mRNA配列に対して50〜80%、60〜80%、40〜80%、30〜80%、70〜80%、75〜80%または78〜80%未満の同一性を有する核酸によりコードされる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのmRNAポリヌクレオチドは、配列番号:1〜28、62〜64または184〜294(表1、表4及び表8)のいずれか1つにより識別される配列を含み、野生型mRNA配列に対して40〜85%、50〜85%、60〜85%、30〜85%、70〜85%、75〜85%または80〜85%未満の同一性を有する核酸によりコードされる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのmRNAポリヌクレオチドは、配列番号:1〜28、62〜64または184〜294(表1、表4及び表8)のいずれか1つにより識別される配列を含み、野生型mRNA配列に対して40〜90%、50〜90%、60〜90%、30〜90%、70〜90%、75〜90%、80〜90%または85〜90%未満の同一性を有する核酸によりコードされる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号:31〜59、65〜72または73〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列(表2、表5または表7;表3及び表6のアミノ酸配列もまた参照されたい)を含み、野生型mRNA配列に対して少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%、98%、99%)の同一性を有するが野生型mRNA配列を含まない、少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号:31〜59、65〜72または73〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列(表2、表5または表7;表3及び表6のアミノ酸配列もまた参照されたい)を含み、野生型mRNA配列に対して95%、90%、85%、80%または75%未満の同一性を有する少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号:31〜59、65〜72または73〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列(表2、表5または表7;表3及び表6のアミノ酸配列もまた参照されたい)を含み、野生型mRNA配列に対して30〜80%、40〜80%、50〜80%、60〜80%、70〜80%、75〜80%、78〜80%、30〜85%、40〜85%、50〜805%、60〜85%、70〜85%、75〜85%、78〜85%、30〜90%、40〜90%、50〜90%、60〜90%、70〜90%、75〜90%、80〜90%または85〜90%の同一性を有する少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号:31〜59、65〜72または73〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列(表2、表5または表7;表3及び表6のアミノ酸配列もまた参照されたい)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有する少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号:31〜59、65〜72または73〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列(表2、表5または表7;表3及び表6のアミノ酸配列もまた参照されたい)に対して95%〜99%の同一性を有する少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号:31〜59、65〜72または73〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列(表2、表5または表7;表3及び表6のアミノ酸配列もまた参照されたい)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有し、膜融合活性を有する少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号:31〜59、65〜72または73〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列(表2、表5または表7;表3及び表6のアミノ酸配列もまた参照されたい)に対して95%〜99%の同一性を有し、膜融合活性を有する少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、細胞受容体に結合する少なくとも1つの抗原ポリペプチド(例えば、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチド)をコードする。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす少なくとも1つの抗原ポリペプチド(例えば、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチド)をコードする。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、感染細胞へのウイルスの結合に影響を与える少なくとも1つの抗原ポリペプチド(例えば、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチド)をコードする。
本開示におけるいくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチド(例えば、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチド)、少なくとも1つの5´末端キャップ及び少なくとも1つの化学修飾をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含み、脂質ナノ粒子内部に製剤化されたワクチンを提供する。
いくつかの実施形態では、5´末端キャップは7mG(5´)ppp(5´)NlmpNpである。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの化学修飾は、シュードウリジン、N1−メチルシュードウリジン、N1−エチルシュードウリジン、2−チオウリジン、4’−チオウリジン、5−メチルシトシン、5−メチルウリジン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、4−チオ−シュードウリジン、5−アザ−ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5−メトキシウリジン及び2’−O−メチルウリジンから選択される。いくつかの実施形態では、化学修飾はウラシルの5位にある。いくつかの実施形態では、化学修飾はN1−メチルシュードウリジンである。いくつかの実施形態では、化学修飾はN1−エチルシュードウリジンである。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質、PEG修飾脂質、ステロール及び非カチオン性脂質を含む。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質はイオン化カチオン性脂質であり、非カチオン性脂質は中性脂質であり、ステロールはコレステロールである。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、ジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)、(12Z,15Z)−N,N−ジメチル−2−ノニルヘンイコサ−12,15−ジエン−1−アミン(L608)、及びN,N−ジメチル−1−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ヘプタデカン−8−アミン(L530)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、脂質は、
である。
いくつかの実施形態では、脂質は、
である。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、以下に記載する式(I)及び/または式(II)の化合物を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、以下に記載する化合物3、18、20、25、26、29、30、60、108〜112または122を含む。
本開示におけるいくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチド(例えば、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチド)をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含むワクチンを提供し、オープンリーディングフレーム内におけるウラシルの少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%、98%、99%)は化学修飾を有し、任意選択的に、ワクチンは脂質ナノ粒子で製剤化される(例えば、脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質、PEG修飾脂質、ステロール及び非カチオン性脂質を含む)。
いくつかの実施形態では、オープンリーディングフレーム内におけるウラシルの100%は、化学修飾を有する。いくつかの実施形態では、化学修飾はウラシルの5位にある。いくつかの実施形態では、化学修飾はN1−メチルシュードウリジンである。いくつかの実施形態では、オープンリーディングフレーム内におけるウラシルの100%は、ウラシルの5位にN1−メチルシュードウリジンを有する。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドのオープンリーディングフレームは、少なくとも2つの抗原ポリペプチド(例えば、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチド)をコードする。いくつかの実施形態では、オープンリーディングフレームは、少なくとも5つのまたは少なくとも10の抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、オープンリーディングフレームは、少なくとも100の抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、オープンリーディングフレームは、2〜100の抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、少なくとも1つの抗原ポリペプチド(例えば、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチド)をコードするオープンリーディングフレームをそれぞれが有する少なくとも2つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、少なくとも1つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームをそれぞれが有する少なくとも5つのまたは少なくとも10のRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームをそれぞれが有する少なくとも100のRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームをそれぞれが有する2〜100のRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチド(例えば、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチド)は、シグナルペプチドに融合する。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、HuIgGkシグナルペプチド(METPAQLLFLLLLWLPDTTG;配列番号:304)、IgE重鎖イプシロン−1シグナルペプチド(MDWTWILFLVAAATRVHS;配列番号:305)、日本脳炎PRMシグナル配列(MLGSNSGQRVVFTILLLLVAPAYS;配列番号:306)、VSVgタンパク質シグナル配列(MKCLLYLAFLFIGVNCA;配列番号:307)、及び、日本脳炎JEVシグナル配列(MWLVSLAIVTACAGA;配列番号:308)から選択される。
いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、少なくとも1つの抗原ポリペプチドのN末端に融合する。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、少なくとも1つの抗原ポリペプチドのC末端に融合する。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの抗原ポリペプチド(例えば、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチド)は、変異N−結合型グリコシル化部位を含む。
本明細書ではさらに、上記段落(例えば、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチド)のいずれか1つに記載の、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子)で製剤化されたRNA(例えば、mRNA)ワクチンを提供する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、50〜200nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は脂質ナノ粒子である。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質、PEG修飾脂質、ステロール及び非カチオン性脂質を含む。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約20〜60%のカチオン性脂質、0.5〜15%のPEG修飾脂質、25〜55%のステロール、及び25%の非カチオン性脂質のモル比を含む。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質はイオン化カチオン性脂質であり、非カチオン性脂質は中性脂質であり、ステロールはコレステロールである。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、以下に記載する式(I)及び/または式(II)の化合物を含む。
いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、以下に記載する化合物3、18、20、25、26、29、30、60、108〜112及び122から選択される化合物を含む脂質ナノ粒子で製剤化される。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、0.4未満(例えば、0.3、0.2または0.1未満)の多分散度の値を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、中性pH値に正味の中性電荷を有する。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは多価である。
本開示におけるいくつかの実施形態では、本明細書で提供するRNA(例えば、mRNA)ワクチンのいずれかを、抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効な量で対象に投与することを含む、対象内の抗原特異的免疫応答を誘導するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、HPVワクチン、HSVワクチンまたはChlamydia(例えば、C.trachomatis)ワクチンである。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、HPVワクチン、HSVワクチン及びChlamydia(例えば、C.trachomatis)ワクチンの組み合わせを含む混合ワクチンである。
いくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答は、T細胞応答またはB細胞応答を含む。
いくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答を引き起こすための方法は、本開示の単回用量(ブースター用量ではない)のRNA(例えば、mRNA)ワクチンを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、HPVワクチン、HSVワクチン及び/またはChlamydia(例えば、C.trachomatis)ワクチンである。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、上記ワクチンの任意の2つまたはそれ以上の組み合わせを含む混合ワクチンである。
いくつかの実施形態では、方法は、第2の(ブースター)用量のRNA(例えば、mRNA)ワクチンを対象に投与することをさらに含む。追加用量のRNA(例えば、mRNA)ワクチンを投与してもよい。
いくつかの実施形態では、対象は、第1の用量のワクチンまたは第2の(ブースター)用量のワクチンの投与後、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%)の抗体陽転率を示す。抗体陽転とは、血中において特定の抗体が発現する及び検出可能となる期間のことである。抗体陽転が起こった後では、抗体の血液検査でウイルスを検出することが可能となる。感染または免疫中、抗原が血中に入ると、免疫系が応答して抗体を産生する。抗体陽転前において、抗原自体は検出可能であってもなくてもよいが、抗体は存在しないと考えられている。抗体陽転中において、抗体は、存在しているがまだ検出可能ではない。抗体陽転後の任意の時点においては、抗体が血中において検出可能となり、感染前または感染中であることを示す。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、皮内注射で、筋肉内注射で、または鼻腔内投与で、対象へと投与される。
本開示におけるいくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを、対象内の抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効な量で対象に投与することを含む、対象内の抗原特異的免疫応答を誘導するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンのいずれかを対象に投与した後に、抗体価(HPV抗原ポリペプチド、HSV抗原ポリペプチド、及び/または、Chlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチドに結合する抗体の力価)をアッセイすることによって、対象内の抗原特異的免疫応答を測定してもよい。いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも1対数だけ増加する。いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して1〜3対数だけ増加する。
いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも2倍増加する。いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも5倍増加する。いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも10倍増加する。いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して2〜10倍増加する。
いくつかの実施形態では、対照は、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンを投与されていない対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価である。いくつかの実施形態では、対照は、弱毒生または不活化のHPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチン(例えば、Ren J.et al.J of Gen.Virol.2015;96:1515−1520を参照のこと)を投与されている対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価であり、または、対照は、組換えまたは精製のHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンを投与されている対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価である。いくつかの実施形態では、対照は、HPV、HSV及び/またはChlamydiaウイルス様粒子(VLP)ワクチン(例えば、Cox RG et al.,J Virol.2014 Jun;88(11):6368−6379を参照のこと)を投与されている対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価である。
本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、有効量(免疫応答を誘導するのに有効な量)で対象に投与される。いくつかの実施形態では、有効量は、標準治療用量の組換えHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンの少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも10倍、少なくとも100倍、少なくとも1000倍少ない用量に相当する用量であり、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、標準治療用量の、組換えHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチン、精製HPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチン、弱毒生HPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチン、不活化HPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチン、または、HPV、HSV及び/またはChlamydia VLPワクチンを投与した対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価と同等である。いくつかの実施形態では、有効量は、標準治療用量の組換えHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンの2〜1000倍少ない用量に相当する用量であり、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、標準治療用量の、組換えHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチン、精製HPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチン、弱毒生HPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチン、不活化HPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチン、または、HPV、HSV及び/またはChlamydia VLPワクチンを投与した対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価と同等である。
いくつかの実施形態では、対照は、HPV、HSV及び/またはChlamydiaの構造タンパク質を含むウイルス様粒子(VLP)ワクチンを投与されている対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価である。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、対象内の抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効な量で製剤化される。
いくつかの実施形態では、有効量は、25μg〜1000μgまたは50μg〜1000μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、100μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計2回で投与される25μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計2回で投与される100μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計2回で投与される400μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計2回で投与される500μgの用量である。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンの効果(または有効性)は60%超である。いくつかの実施形態では、ワクチンのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチドである。
標準的な解析法を用いてワクチン効果を評価してもよい(例えば、Weinberg et al.,J Infect Dis.2010 Jun 1;201(11):1607−10を参照のこと)。例えば、二重盲検無作為臨床比較試験でワクチン効果を評価してもよい。以下の式を用いて、ワクチン効果を、ワクチン非接種(ARU)研究コホートとワクチン接種(ARV)研究コホートとの間の疾患発病率(AR)の減少比率として表してもよく、ワクチン接種群における疾患の相対リスク(RR)から計算することができる。
効果 = (ARU−ARV)/ARU x 100、及び
効果 = (1−RR) x 100
同様に、標準的な解析法を用いてワクチン有効性を評価してもよい(例えば、Weinberg et al.,J Infect Dis.2010 Jun 1;201(11):1607−10を参照のこと)。ワクチン有効性とは、ワクチン(高いワクチン効果を有することが既に判明していてもよい)が集団内における疾患をどの程度抑制するかを評価することである。この指標を用いて、ワクチン自体だけでなく、ワクチン接種プログラムにおける効果と副作用との正味のバランスを評価することができる(コントロールされた臨床試験においてではなく自然条件下で)。ワクチン有効性は、ワクチン効果(力価)に比例するが、集団内における標的群がいかに良好に免疫されるかに加え、入院期間、通院回数または費用という「実際の」結果に影響するその他非ワクチン関連因子にもまた影響を受ける。例えば、感染症例及び適切な対照の集合におけるワクチン接種比率を比較する後ろ向き症例対照解析を用いてもよい。ワクチン接種にも関わらず感染を発症するオッズ比(OR)を用いて、ワクチン有効性を比率差として表してもよい。
有効性 = (1−OR) x 100
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンの効果(または有効性)は、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%または少なくとも90%である。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、対象をHPV、HSV抗原ポリペプチド及び/またはChlamydia(例えば、C.trachomatis)に対して最大2年間免疫する。いくつかの実施形態では、ワクチンは、対象をHPV、HSV及び/またはChlamydia(例えば、C.trachomatis)に対して2年間超、3年間超、4年間超または5〜10年間免疫する。
いくつかの実施形態では、対象は、約5歳またはそれより若い。例えば、対象は、約1年〜約5年の年齢(例えば、約1、2、3、5または5年)、または、約6ヶ月〜約1年の年齢(例えば、約6、7、8、9、10、11または12ヶ月)であってもよい。いくつかの実施形態では、対象は、約12ヶ月またはそれより若い(例えば、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2ヶ月または1ヶ月)。いくつかの実施形態では、対象は、約6ヶ月またはそれより若い。
いくつかの実施形態では、対象は、満期(例えば、約37〜42週間)で生まれた。いくつかの実施形態では、対象は、早産で、例えば、妊娠約36週またはそれより早期(例えば、約36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26または25週)に生まれた。例えば、対象は、妊娠約32週またはそれより早期に生まれてもよい。いくつかの実施形態では、対象は、妊娠約32週〜約36週に早産で生まれた。このような対象に対しては、生後しばらくしてから、例えば、約6ヶ月〜約5年の年齢またはそれより歳をとってから、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを投与してもよい。
いくつかの実施形態では、対象は、約20歳〜約50歳(例えば、約20、25、30、35、40、45または50歳)の年齢の若年成人である。
いくつかの実施形態では、対象は、約60歳、約70歳またはそれより歳をとった(例えば、約60、65、70、75、80、85または90歳)高齢の対象である。
いくつかの実施形態では、対象は、HPV、HSV及び/またはChlamydia(例えば、C.trachomatis)に曝されており、対象は、HPV、HSV及び/またはChlamydia(例えば、C.trachomatis)に感染しており、または、対象は、HPV、HSV及び/またはChlamydia(例えば、C.trachomatis)に感染するリスクがある。
いくつかの実施形態では、対象は免疫不全状態である(免疫系に障害がある、例えば、免疫異常または自己免疫異常を有する)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸ワクチンは化学修飾される。その他の実施形態では、核酸ワクチンは非修飾である。
さらなるその他の態様では、第1の呼吸器ウイルス抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを対象に投与することを含む、対象にワクチン接種を行うための組成物及び方法を提供し、RNAポリヌクレオチドは安定化要素を含まず、アジュバントはワクチンと合剤とされないかまたは共投与されない。
本発明のその他の態様は、第1の抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを対象に投与することを含む、対象にワクチン接種を行うための組成物または方法であり、10μg/kg〜400μg/kg用量の核酸ワクチンを対象に投与する。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドの用量は、投与あたり、1〜5μg、5〜10μg、10〜15μg、15〜20μg、10〜25μg、20〜25μg、20〜50μg、30〜50μg、40〜50μg、40〜60μg、60〜80μg、60〜100μg、50〜100μg、80〜120μg、40〜120μg、40〜150μg、50〜150μg、50〜200μg、80〜200μg、100〜200μg、120〜250μg、150〜250μg、180〜280μg、200〜300μg、50〜300μg、80〜300μg、100〜300μg、40〜300μg、50〜350μg、100〜350μg、200〜350μg、300〜350μg、320〜400μg、40〜380μg、40〜100μg、100〜400μg、200〜400μgまたは300〜400μgである。いくつかの実施形態では、核酸ワクチンは、皮内注射または筋肉内注射で対象へと投与される。いくつかの実施形態では、核酸ワクチンは、0日目に対象に投与される。いくつかの実施形態では、核酸ワクチンの第2の用量は、21日目に対象に投与される。
いくつかの実施形態では、25マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの用量は、対象に投与される核酸ワクチン中に含まれる。いくつかの実施形態では、100マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの用量は、対象に投与される核酸ワクチン中に含まれる。いくつかの実施形態では、50マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの用量は、対象に投与される核酸ワクチン中に含まれる。いくつかの実施形態では、75マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの用量は、対象に投与される核酸ワクチン中に含まれる。いくつかの実施形態では、150マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの用量は、対象に投与される核酸ワクチン中に含まれる。いくつかの実施形態では、400マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの用量は、対象に投与される核酸ワクチン中に含まれる。いくつかの実施形態では、200マイクログラムのRNAポリヌクレオチドの用量は、対象に投与される核酸ワクチン中に含まれる。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、遠位リンパ節と比較して、局所リンパ節に100倍以上の濃度で蓄積する。その他の実施形態では、核酸ワクチンは化学修飾され、その他の実施形態では、核酸ワクチンは化学修飾されない。
本発明の態様では、第1の抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを提供し、RNAポリヌクレオチドは安定化要素及び医薬的に許容される担体または添加剤を含まず、アジュバントはワクチンに含まれない。いくつかの実施形態では、安定化要素はヒストンステムループである。いくつかの実施形態では、安定化要素は、野生型配列と比較してGC含有量が多い核酸配列である。
本発明の態様では、第1の抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを提供し、RNAポリヌクレオチドは宿主へのインビボ投与用製剤中に存在し、ヒト対象に許容される割合の第1の抗原に、セロプロテクション基準よりも優れた抗体価を付与する。いくつかの実施形態では、本発明のmRNAワクチンにより生じる抗体価は、中和抗体価である。いくつかの実施形態では、中和抗体価は、タンパク質ワクチンよりも高い。その他の実施形態では、本発明のmRNAワクチンにより生じる中和抗体価は、アジュバントを加えたタンパク質ワクチンよりも高い。さらにその他の実施形態では、本発明のmRNAワクチンにより生じる中和抗体価は、1,000〜10,000、1,200〜10,000、1,400〜10,000、1,500〜10,000、1,000〜5,000、1,000〜4,000、1,800〜10,000、2000〜10,000、2,000〜5,000、2,000〜3,000、2,000〜4,000、3,000〜5,000、3,000〜4,000または2,000〜2,500である。中和力価は通常、血小板数を50%減少させるのに必要な血清希釈の最高倍率として表される。
第1の抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンもまた提供し、RNAポリヌクレオチドは、安定化要素を有するかまたはアジュバントを加えて製剤化されて第1の抗原ポリペプチドをコードするmRNAワクチンにより誘導された抗体価と比較して、より長く持続する高抗体価を誘導させるために、宿主へのインビボ投与用製剤中に存在する。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、単回投与の1週間以内に中和抗体を生じさせるために製剤化される。いくつかの実施形態では、アジュバントは、カチオン性ペプチド及び免疫刺激性核酸から選択される。いくつかの実施形態では、カチオン性ペプチドはプロタミンである。
態様は、少なくとも1つの化学修飾を含むまたは任意選択的に化学修飾を含まないオープンリーディングフレームを有する1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを提供し、オープンリーディングフレームは第1の抗原ポリペプチドをコードし、RNAポリヌクレオチドは、宿主内における抗原発現レベルが、安定化要素を有するかまたはアジュバントを加えて製剤化されて第1の抗原ポリペプチドをコードするmRNAワクチンにより生じる抗原発現レベルを著しく上回るように、宿主へのインビボ投与用製剤中に存在する。
その他の態様は、少なくとも1つの化学修飾を含むまたは任意選択的に化学修飾を含まないオープンリーディングフレームを有する1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを提供し、オープンリーディングフレームは第1の抗原ポリペプチドをコードし、ワクチンは、非修飾mRNAワクチンが同等の抗体価を生じさせるのに必要とするよりも少なくとも10倍少ないRNAポリヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、25〜100マイクログラムの用量中に存在する。
本発明の態様はまた、少なくとも1つの化学修飾を含むまたは任意選択的に化学修飾を含まないオープンリーディングフレームを有する10ug〜400ugの1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む使用単位ワクチンを提供し、オープンリーディングフレームは第1の抗原ポリペプチドをコードし、ヒト対象に送達するために配合された薬学的に許容される担体または添加剤を提供する。いくつかの実施形態では、ワクチンは、カチオン性脂質ナノ粒子をさらに含む。
本発明の態様では、個体または個体集団における呼吸器ウイルス株に対する抗原メモリーを作製、維持または再生させるための方法を提供し、方法は、(a)少なくとも1つのRNAポリヌクレオチド及び(b)任意選択的に薬学的に許容される担体または添加剤を含む抗原メモリーブースター核酸ワクチンを、上記個体または集団に投与することを含み、上記ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含むまたは任意選択的に化学修飾を含まず、また2つまたはそれ以上のコドン最適化オープンリーディングフレームを含み、上記オープンリーディングフレームは、一対の参照抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、筋肉内投与、皮膚内投与及び皮下投与からなる群から選択される経路を介して、ワクチンを個体に投与する。いくつかの実施形態では、投与工程は、対象の筋組織に、組成物を注入するのに好適な器具を接触させることを含む。いくつかの実施形態では、投与工程は、エレクトロポレーションと組み合わせて、対象の筋組織に、組成物を注入するのに好適な器具を接触させることを含む。
本発明の態様では、第1の抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む25ug/kg〜400ug/kgの単回用量核酸ワクチンを、対象にワクチン接種を行うのに有効な量で対象に投与することを含む、対象にワクチン接種を行うための方法を提供する。
その他の態様は、少なくとも1つの化学修飾を含むオープンリーディングフレームを有する1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを提供し、オープンリーディングフレームは第1の抗原ポリペプチドをコードし、ワクチンは、非修飾mRNAワクチンが同等の抗体価を生じさせるのに必要とするよりも少なくとも10倍少ないRNAポリヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、25〜100マイクログラムの用量中に存在する。
その他の態様は、修飾を含まない(非修飾)オープンリーディングフレームを有するLNP製剤化RNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを提供し、オープンリーディングフレームは第1の抗原ポリペプチドをコードし、ワクチンは、LNPで製剤化されていない非修飾mRNAワクチンが同等の抗体価を生じさせるのに必要とするよりも少なくとも10倍少ないRNAポリヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、25〜100マイクログラムの用量中に存在する。
実施例において提供するデータは、本発明の製剤を用いることで免疫応答が有意に向上することを示している。データは、本発明における化学修飾RNAワクチン及び化学非修飾RNAワクチンの両方の有効性を示している。驚くべきことに、担体で製剤化された化学非修飾mRNAをワクチン製造に用いることが好ましいと報告している従来技術とは対照的に、本発明において、非修飾mRNAと比較して化学修飾mRNA−LNPワクチンがはるかに少ない有効mRNA用量を必要とすること、すなわち、LNP以外の担体で製剤化する際に、非修飾mRNAの10倍未満を必要とすることが発見された。本発明における化学修飾RNAワクチン及び化学非修飾RNAワクチンの両方は、異なる脂質担体で製剤化されたmRNAワクチンよりも優れた免疫応答を生じさせる。
本発明のその他の態様は、呼吸器ウイルス抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを、対象にワクチン接種を行うのに有効な量で対象に投与することを含む、60歳またはそれより歳をとった高齢の対象を治療するための方法を包含する。
本発明のその他の態様は、呼吸器ウイルス抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを、対象にワクチン接種を行うのに有効な量で対象に投与することを含む、17歳またはそれより若い若年の対象を治療するための方法を包含する。
本発明のその他の態様は、呼吸器ウイルス抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する1つまたは複数のRNAポリヌクレオチドを含む核酸ワクチンを、対象にワクチン接種を行うのに有効な量で対象に投与することを含む、成人対象を治療するための方法を包含する。
本発明のいくつかの態様は、呼吸器抗原をコードする少なくとも2つの核酸配列を含む混合ワクチンを用いて、対象にワクチン接種を行うための方法であり、ワクチンの用量は混合治療用量であり、抗原をコードする個々の核酸それぞれの用量は治療量以下の用量である。いくつかの実施形態では、混合用量は、対象に投与される核酸ワクチン中における25マイクログラムのRNAポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、混合用量は、対象に投与される核酸ワクチン中における100マイクログラムのRNAポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、混合用量は、対象に投与される核酸ワクチン中における50マイクログラムのRNAポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、混合用量は、対象に投与される核酸ワクチン中における75マイクログラムのRNAポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、混合用量は、対象に投与される核酸ワクチン中における150マイクログラムのRNAポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、混合用量は、対象に投与される核酸ワクチン中における400マイクログラムのRNAポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、抗原をコードする個々の核酸それぞれにおける治療量以下の用量は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20マイクログラムである。その他の実施形態では、核酸ワクチンは化学修飾され、その他の実施形態では、核酸ワクチンは化学修飾されない。
RNAポリヌクレオチドは、配列番号:1〜28、62〜64、184〜294、431〜461のうちの1つであり、少なくとも1つの化学修飾を含む。その他の実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、配列番号:1〜28、62〜64、184〜294、431〜461のうちの1つであり、ヌクレオチド修飾を何ら含まないかまたは非修飾である。さらにその他の実施形態では、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、配列番号:31〜59、65〜72または73〜183のいずれかの抗原タンパク質をコードし、少なくとも1つの化学修飾を含む。その他の実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、配列番号:31〜59、65〜72または73〜183のいずれかの抗原タンパク質をコードし、ヌクレオチド修飾を何ら含まないかまたは非修飾である。
好ましい態様では、本発明のワクチン(例えば、LNP封入mRNAワクチン)は、ワクチン接種を行った対象の血液または血清中における抗原特異的抗体の予防的及び/または治療的に有効なレベル、濃度及び/または力価をもたらす。本明細書で定義するとおり、用語「抗体価」とは、対象、例えばヒト対象内において産生される抗原特異的抗体の量のことを意味する。例示的な実施形態では、抗体価は、陽性結果がなおも認められる最大希釈(系列希釈法による)の逆数として表される。例示的な実施形態では、抗体価は、酵素免疫測定法(ELISA)により決定または測定される。例示的な実施形態では、抗体価は、中和アッセイ、例えば、マイクロ中和アッセイにより決定または測定される。特定の態様では、抗体価の測定値は、例えば、1:40、1:100などの比率として表される。
本発明における例示的な実施形態では、有効なワクチンは、1:40より大きい、1:100より大きい、1:400より大きい、1:1000より大きい、1:2000より大きい、1:3000より大きい、1:4000より大きい、1:500より大きい、1:6000より大きい、1:7500より大きい、1:10000より大きい抗体価をもたらす。例示的な実施形態では、ワクチン接種の10日後までに、ワクチン接種の20日後までに、ワクチン接種の30日後までに、ワクチン接種の40日後までに、またはワクチン接種の50日後以降までに、抗体価がもたらされるかまたは抗体価に達する。例示的な実施形態では、対象に単回用量のワクチンを投与した後に、力価がもたらされるかまたは力価に達する。その他の実施形態では、複数回用量後に、例えば、第1の用量及び第2の用量(例えば、ブースター用量)の後に、力価がもたらされるかまたは力価に達する。
本発明における例示的な態様では、抗原特異的抗体は、μg/ml単位で、IU/L(リットルあたりの国際単位)単位で、または、mIU/ml(mlあたりのミリ国際単位)単位で測定される。本発明における例示的な実施形態では、有効なワクチンは、>0.5μg/ml、>0.1μg/ml、>0.2μg/ml、>0.35μg/ml、>0.5μg/ml、>1μg/ml、>2μg/ml、>5μg/mlまたは>10μg/mlをもたらす。本発明における例示的な実施形態では、有効なワクチンは、>10mIU/ml、>20mIU/ml、>50mIU/ml、>100mIU/ml、>200mIU/ml、>500mIU/mlまたは>1000mIU/mlをもたらす。例示的な実施形態では、ワクチン接種の10日後までに、ワクチン接種の20日後までに、ワクチン接種の30日後までに、ワクチン接種の40日後までに、またはワクチン接種の50日後以降までに、抗体レベルまたは濃度がもたらされるかまたは抗体レベルまたは濃度に達する。例示的な実施形態では、対象に単回用量のワクチンを投与した後に、レベルまたは濃度がもたらされるかまたはレベルまたは濃度に達する。その他の実施形態では、複数回用量後に、例えば、第1の用量及び第2の用量(例えば、ブースター用量)の後に、レベルまたは濃度がもたらされるかまたはレベルまたは濃度に達する。例示的な実施形態では、抗体レベルまたは濃度は、酵素免疫測定法(ELISA)により決定または測定される。例示的な実施形態では、抗体レベルまたは濃度は、中和アッセイ、例えば、マイクロ中和アッセイにより決定または測定される。
本開示における様々な実施形態の詳細については、以下の説明で記載する。本開示のその他の特徴、目的及び利点は、「発明を実施するための形態」及び「特許請求の範囲」により明らかとなるであろう。
図1Aは、候補mRNAワクチンがコードするChlamydia trachomatis抗原(Ct089、Ct858及びCt875)のインビトロ発現を示すウェスタンブロット図である。 図1Bは、候補mRNAワクチンがコードするChlamydia trachomatis抗原(Ct089、Ct858及びCt875)のインビトロ発現を示すウェスタンブロット図である。 図2Aは、HEK293K細胞の濃縮または希釈上清におけるこれら抗原の発現を示す図である。Ct875及びCt089の発現が上清に検出された。候補mRNAワクチンがコードするChlamydia trachomatis抗原のインビトロ発現を示すウェスタンブロット図である。試験した全ての抗原は、HEK293F細胞内で発現した。HEK293K細胞の濃縮上清におけるPmPG_pd、Ct460及びCt622の発現を示す。 図2Bは、HEK293F細胞溶解物におけるこれら抗原の発現を示す図である。Ct858及びCt089の発現が細胞溶解物に検出された。候補mRNAワクチンがコードするChlamydia trachomatis抗原のインビトロ発現を示すウェスタンブロット図である。試験した全ての抗原は、HEK293F細胞内で発現した。HEK293F細胞溶解物におけるCta1の発現を示す。 候補mRNAワクチンがコードするChlamydia trachomatis抗原(Ct443及びCt812pd_D)のインビトロ発現を示すウェスタンブロット図である。Ct443及びCt812pd_Dの発現が細胞溶解物に検出された。 Ct089mRNA、Ct089NGM mRNAまたはrCt089の投与後、21日目に採血したマウス(プライム後、左のグラフ)及び35日目に採血したマウス(ブースト後、右のグラフ)から血清を採取し、E.coli内で産生したrCt089を抗原として用いてCt089に対するIgG抗体価を解析したELISAデータを示す図である。
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原ポリペプチド、単純ヘルペスウイルス(HSV)抗原ポリペプチド、及び/または、Chlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチドをコードするRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含むワクチンを提供する。いくつかの実施形態では、本開示はまた、HPV抗原ポリペプチド、HSV抗原ポリペプチド、及び、Chlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチドから選択される少なくとも2つの抗原ポリペプチドをコードする少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む混合ワクチンを提供する。本明細書はまた、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを投与するための方法、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを製造するための方法、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを含む組成物(例えば、医薬組成物)、及び、RNA(例えば、mRNA)ワクチンをコードする核酸(例えば、DNA)を提供する。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、本明細書で提供するフラジェリンアジュバントなどのアジュバントを含む。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチン(例えば、HPV、HSV及び/またはChlamydiaRNAワクチン)を用いて、DNAワクチン接種に関連するリスクの多くを伴わずに、細胞性免疫及び体液性免疫の両方を含むバランスのとれた免疫応答を誘導してもよい。
国際出願番号PCT/US2015/02740の全内容は、参照として本明細書に組み込まれる。
ヒトパピローマウイルス(HPV)
主要カプシドタンパク質L1は、T=7対称性及び50nmの直径を有する正二十面体のカプシドを形成する。カプシドは、ジスルフィド結合で互いに結合した72個の五量体で構成され、L2タンパク質と結合している。HPVカプシドタンパク質は、標的細胞の基底膜上のヘパラン硫酸プロテオグリカンに結合して、標的細胞への初期ビリオン吸着をもたらす。基底膜は上皮外傷後にのみ露出される。さらに、β1インテグリンまたはβ4インテグリンのいずれか一方と複合体を形成したα6インテグリンは、L1が認識する共受容体として機能する。一旦結合すると、ビリオンは、クラスリン介在性エンドサイトーシスにより宿主細胞内へと入り、宿主核へとゲノムDNAを放出する。ビリオンの集合は細胞核内部で生じる。L1タンパク質は、L2タンパク質と共にゲノムDNAを封入する。
HPVワクチンは、例えば、配列番号:35〜59(表2)により識別される少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含んでいてもよい。
HPVワクチンは、例えば、配列番号:1〜28(表1)により識別される核酸(例えば、DNA)によりコードされる少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含んでいてもよい。
本開示は特定のHPV株に限定されない。ワクチンに用いるHPV株は、任意のHPV株であってもよい。HPV株の非限定例については、本明細書の他の箇所で提供する。
いくつかの実施形態では、HPVワクチンは、HPV L1活性またはHPV L2活性と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一の活性を有し、HPV L1活性またはHPV L2活性をそれぞれ有するHPV抗原ポリペプチドをコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
例えば、タンパク質が基底膜上のヘパラン硫酸プロテオグリカンに結合し、標的細胞への初期ビリオン吸着をもたらす場合、そのタンパク質は、HPV L1タンパク質活性を有するとみなされる。
Chlamydia
本開示の実施形態は、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むRNA(例えば、mRNA)ワクチンを提供する。Chlamydia trachomatis(偏性細胞内ヒト病原体)は、Chlamydia属の4つの細菌種のうちの1つである。Chlamydia trachomatisはグラム陰性細菌であり、卵形である。Chlamydia trachomatisは、3つのヒト次亜種(変異原核細胞株)、(1)血清型(serovars)(または血清型(serotypes))Ab、B、Ba及びC(眼のトラコーマ感染症を引き起こし、失明につながり得る)、(2)血清型D〜K(尿道炎、骨盤炎症性疾患、子宮外妊娠、新生児肺炎及び新生児結膜炎を引き起こす)、及び(3)血清型L1、L2及びL3(性病性リンパ肉芽腫症を引き起こす)を含む。
主要外膜タンパク質(MOMP)は細菌の主要表面タンパク質(外膜の総タンパク質質量の60%を占める)であり、5つの定常ドメインの間に点在する4つの可変ドメインから構成される。4つの可変ドメインは血清型特異的エピトープを含有し、5つの定常ドメインは異なる血清型間で高く保存されており、いくつかの保存CD4T細胞エピトープ及びCD8T細胞エピトープを含んでいる。
MOMPは、その天然の三量体構造が保存されている場合、動物にChlamydia感染に対する保護をもたらす(Kari L et al.The Journal of Immunology 2009;182:8063−70)。
したがって、いくつかの実施形態では、本開示のChlamydia(例えば、C.trachomatis)RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、MOMP血清型H、F、E、D、I、G、J及びKのいずれか1つまたはそれらのうち少なくとも2つの任意の組み合わせをコードするRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のChlamydia(例えば、C.trachomatis)RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、主要外膜タンパク質(MOMP)、血清型Hをコードする少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のChlamydia(例えば、C.trachomatis)RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、MOMP血清型Fをコードする少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のChlamydia(例えば、C.trachomatis)RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、MOMP血清型Eをコードする少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のChlamydia(例えば、C.trachomatis)RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、MOMP血清型Dをコードする少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のChlamydia(例えば、C.trachomatis)RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、MOMP血清型Iをコードする少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のChlamydia(例えば、C.trachomatis)RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、MOMP血清型Gをコードする少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のChlamydia(例えば、C.trachomatis)RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、MOMP血清型Jをコードする少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、本開示のChlamydia(例えば、C.trachomatis)RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、MOMP血清型Kをコードする少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、Chlamydia(例えば、C.trachomatis)ワクチンは、例えば、配列番号:62〜64または184〜294(表4または表8)により識別される核酸配列によりコードされる、または、配列番号:62〜64または184〜294(表4または表8)により識別される核酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するその変異体によりコードされる、少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、Chlamydia trachomatisワクチンは、例えば、配列番号:65〜183(表5または表7)のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列をコードする、または、配列番号:65〜183(表5または表7)のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するその変異体をコードする、少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)を含んでいてもよい。
Chlamydiaの特定の株または血清型に本開示が限定されることを意図するものではないと理解すべきである。本明細書で提供し用いるChlamydiaの株または血清型は、Chlamydiaの任意の株または血清型であってもよく、例えば、Chlamydia trachomatisが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示のChlamydia(例えば、C.trachomatis)RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、Chlamydia(例えば、C.trachomatis)MOMPの可変ドメインをコードするRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、本開示のChlamydia(例えば、C.trachomatis)RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、Chlamydia(例えば、C.trachomatis)MOMPの可変ドメインの血清型特異的エピトープをコードするRNAポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、Chlamydiaワクチンは、Chlamydia(例えば、C.trachomatis)MOMP血清型H、F、E、D、I、G、J及びKに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性、及び、Chlamydia trachomatis MOMP血清型H、F、E、D、I、G、J及びK活性をそれぞれ有するChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチドをコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
例えば、タンパク質がポーリン形成を促進し、外膜の構造剛性を維持する場合、そのタンパク質は主要外膜タンパク質(MOMP)活性を有するとみなされる。MOMPは、細胞内網様体膜を介した特定の溶質拡散を可能とする。基本小体(EB、感染段階、宿主細胞外で生存可能)において、MOMPは、小さなシステインリッチタンパク質及び大きなシステインリッチペリプラズムタンパク質とのジスルフィド架橋により、外側エンベロープの構造的完全性をもたらす。Chlamydia trachomatisでは、タンパク質は、対称的に間隔をおいて配置された4つの可変ドメイン(VD I〜IV)を含む。MOMP分子及びその他構成成分の内部、及び、MOMP分子とその他構成成分との間のジスルフィド結合相互作用により、基本殻の高分子量オリゴマーが形成される。タンパク質により異なる血清型が決まり、機能的に同等のペプチドグリカンとして機能する。
単純ヘルペスウイルス
HSVは、Herpesviridaeにおける二本鎖、直鎖状DNAウイルスである。単純ヘルペスウイルスファミリーのうち2つのメンバーはヒトに感染し、HSV−1及びHSV−2として知られている。HSV感染の症状としては、口腔の皮膚または粘膜、唇、及び/または、生殖器における疱疹形成が挙げられる。HSVは、感染個体においてウイルス再活性化による散発性の再発エピソードを引き起こし得る神経浸潤ウイルスである。HSVは、ウイルスの活性化期間中、皮膚の感染領域と接触することにより伝染する。HSVは、最も一般的には、口腔粘膜または生殖器粘膜を介して感染し、層状扁平上皮内で複製され、その後、層状扁平上皮内部の分枝した無髄知覚神経内へと取り込まれる。ウイルスはそれから、脊髄神経節内のニューロンの細胞体へと輸送され、潜伏性の細胞感染を持続させる(Cunningham AL et al.J Infect Dis.(2006)194(Supplement 1):S11−S18)。
単純ヘルペスウイルス(HSV−1及びHSV−2)のゲノムには、HSVが少なくとも85の固有タンパク質を産生可能なように、約85のオープンリーディングフレームが含まれている。これらの遺伝子は、4つの主要クラスタンパク質、(1)HSVの最も外側の脂質二重層(エンベロープ)に結合するタンパク質、(2)内側のタンパク質外殻(カプシド)、(3)エンベロープをカプシド外殻と結合させる中間複合体(外被)、及び(4)複製及び感染を担うタンパク質をコードする。
エンベロープタンパク質の例としては、UL1(gL)、UL10(gM)、UL20、UL22、UL27(gB)、UL43、UL44(gC)、UL45、UL49A、UL53(gK)、US4(gG)、US5(gJ)、US6(gD)、US7(gI)、US8(gE)及びUS10が挙げられる。カプシドタンパク質の例としては、UL6、UL18、UL19、UL35及びUL38が挙げられる。外被タンパク質としては、UL11、UL13、UL21、UL36、UL37、UL41、UL45、UL46、UL47、UL48、UL49、US9及びUS10が挙げられる。その他のHSVタンパク質としては、UL2、UL3、UL4、UL5、UL7、UL8、UL9、UL12、UL14、UL15、UL16、UL17、UL23、UL24、UL25、UL26、UL26.5、UL28、UL29、UL30、UL31、UL32、UL33、UL34、UL39、UL40、UL42、UL50、UL51、UL52、UL54、UL55、UL56、US1、US2、US3、US81、US11、US12、ICP0及びICP4が挙げられる。
エンベロープ(HSV粒子の最も外側の部分)が最初に標的細胞に遭遇するため、本開示は、免疫原性物質としてエンベロープに結合する抗原ポリペプチドを包含する。端的に言えば、表面タンパク質及び膜タンパク質(糖タンパク質D(gD)、糖タンパク質B(gB)、糖タンパク質H(gH)、糖タンパク質L(gL))を、単独抗原として、または、アジュバントと組み合わせてまたは組み合わせずに、HSVワクチン抗原として使用してもよい。
いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質DをコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質BをコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質D及び糖タンパク質CをコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質D及び糖タンパク質E(または糖タンパク質I)をコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質B及び糖タンパク質CをコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質B及び糖タンパク質E(または糖タンパク質I)をコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質Dに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有し、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質D活性を有するHSV(HSV−1またはHSV−2)抗原ポリペプチドをコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質Cに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有し、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質C活性を有するHSV(HSV−1またはHSV−2)抗原ポリペプチドをコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質Bに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有し、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質B活性を有するHSV(HSV−1またはHSV−2)抗原ポリペプチドをコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質Eに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有し、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質E活性を有するHSV(HSV−1またはHSV−2)抗原ポリペプチドをコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、HSVワクチンは、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質Iに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有し、HSV(HSV−1またはHSV−2)糖タンパク質I活性を有するHSV(HSV−1またはHSV−2)抗原ポリペプチドをコードするRNA(例えば、mRNA)を含む。
本開示の糖タンパク質「活性」については、以下で説明する。
糖タンパク質C(gC)は、宿主細胞へのウイルス吸着に関与する糖タンパク質であり、例えば、宿主の接着受容体(すなわち、細胞表面ヘパラン硫酸及び/または細胞表面コンドロイチン硫酸)へのHSV−2ウイルス結合を媒介する吸着タンパク質として機能する。gCは、宿主の補体カスケードの活性化を阻害することにより、宿主免疫逃避(別名、ウイルス免疫逃避)における役割を果たす。特に、gCは、宿主の補対成分C3bに結合、及び/または、C3bと相互作用し、この相互作用が、補体カスケードを逆抑制することにより、宿主の免疫応答を阻害する(例えば、宿主の補体C3bに結合してウイルスの中和を妨げる)。
糖タンパク質D(gD)は、細胞表面受容体に結合する、及び/または、ウイルス侵入を促進するポリオウイルス受容体関連タンパク質及び/またはヘルペスウイルス侵入仲介因子を介した細胞吸着に関与するエンベロープ糖タンパク質である。gDは、潜在的な宿主細胞侵入受容体(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー14(TNFRSF14)/ヘルペスウイルス侵入仲介因子(HVEM)、ポリオウイルス受容体関連タンパク質1(PVRL1)、及び/または、ポリオウイルス受容体関連タンパク質2(PVRL2))と結合して、例えば、gB及びgH/gLで構成される融合機構を動員することにより、宿主膜との融合誘導を引き起こす。gDは、宿主細胞受容体TNFRSF14及び/またはPVRL1及び/またはPVRL2と相互作用し、(1)プロフュージョンドメイン(profusion domain)を介してgBと相互作用し(関連HSV糖タンパク質、例えば、gH及び/またはgLの不在下で生じ得る相互作用)、(2)gDは、プロフュージョンドメインを介してgH/gLヘテロ二量体と相互作用する(gBの不在下で生じ得る相互作用)。このように、gDは、gB−gH/gL−gD複合体と結合する。gDはまた、C末端を介してUL11外被タンパク質と相互作用する。
糖タンパク質B(gB)は、単純ヘルペスウイルス(HSV)のウイルス細胞活性に関与するウイルス糖タンパク質であり、HSVエンベロープが細胞膜と融合するのに必要となる。糖タンパク質Bは、全ての表面糖タンパク質のうち最も高く保存されているものであり、主に融合タンパク質(中心的な融合機構を構成する)として機能する。gB(クラスIII膜融合糖タンパク質)は、5つの構造ドメインからなる1型膜貫通タンパク質三量体である。ドメインIは、2つの内部融合ループを含み、ウイルス−細胞融合中に細胞膜を貫通する。ドメインIIは融合プロセス中にgH/gLと相互作用すると思われ、ドメインIIIは細長いαヘリックスを含み、ドメインIVは細胞受容体と相互作用する。
上皮細胞において、新生ビリオンを細胞間結合部に局在化させることで細胞から細胞へとウイルスを拡散させるのに、ヘテロ二量体糖タンパク質E/糖タンパク質I(gE/gI)が必要となる。一旦ウイルスが細胞間結合部に到達すると、ウイルス粒子は、これら結合部に集積する細胞受容体との相互作用により、隣接細胞へと極めて急速に拡散することが可能となる。類似性としては、分極細胞における基底外側拡散に関係している。神経細胞において、gE/gIは、宿主神経系全体にわたり感染が順行性拡散するのに不可欠である。US9と共に、ヘテロ二量体gE/gIは、ウイルス構成成分を軸索先端部へと局在化及び輸送することに関与する。ヘテロ二量体gE/gIは、宿主IgGのFc部分の受容体として機能する。IgGからのgE/gIの解離は酸性pHで起こるため、抗HSV抗体の双極性架橋、それに続く細胞内におけるエンドサイトーシス及び分解に関与し、それにより宿主のIgG介在性免疫応答に干渉し得る。gE/gIは、C末端を介してVP22外被タンパク質と相互作用する(この相互作用は、VP22のゴルジ体への動員及びビリオンへのVP22のパッケージングに必須である)。
混合ワクチン
本開示の実施形態はまた、混合RNA(例えば、mRNA)ワクチンを提供する。本開示の「混合RNA(例えば、mRNA)ワクチン」とは、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド(例えば、E1、E2、E4、E5、E6、E7、L1及びL2から選択される)、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド(例えば、糖タンパク質D、糖タンパク質B、糖タンパク質C及び糖タンパク質Eから選択される)、少なくとも1つのChlamydia抗原ポリペプチド(例えば、MOMP血清型H、F、E、D、I、G、J及びKから選択される)の組み合わせ、または、上記抗原ポリペプチドのうち2つまたはそれ以上の任意の組み合わせをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つの(例えば、少なくとも2、3、4または5つの)RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含むワクチンのことを意味する。
本明細書に記載のmRNAワクチンは、いくつかの方式において従来型ワクチンよりも優れていることが発見されている。第一に、脂質ナノ粒子(LNP)送達は、文献に記載されているプロタミンベース手法を含むその他の製剤よりも優れており、追加のアジュバントを必要としない。LNPを用いることにより、化学修飾mRNAワクチンまたは化学非修飾mRNAワクチンの効果的な送達が可能となる。さらに、本明細書において、修飾及び非修飾の両方のLNP製剤化mRNAワクチンが、従来型ワクチンよりもかなりの程度優れていたことが示されている。いくつかの実施形態では、本発明のmRNAワクチンは、従来型ワクチンよりも少なくとも10倍、20倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1,000倍優れている。
mRNAワクチン及び自己複製RNAワクチンを含む機能的RNAワクチンを製造するための試みが行われてきたが、これらRNAワクチンの治療効果はまだ完全には確立されていない。実に驚くべきことに、本発明者は、本発明の態様に従い、mRNAワクチンをインビボで送達するための製剤の部類が、著しく向上し、多くの点において、高い抗原産生、及び中和能を有する機能的抗体の産生を含む免疫応答に対して相乗的となることを発見した。その他脂質ベース製剤の部類に用いるmRNA用量と比較して極めて少ない用量のmRNAを投与する場合であったとしても、これらの効果を得ることができる。本発明の製剤は、予防薬及び治療薬としての機能的mRNAワクチンの効果を確立するのに十分な、極めて予想外なインビボ免疫応答を示している。さらに、自己複製RNAワクチンは、十分な量のRNAを細胞へと送達して免疫原性応答を引き起こすためのウイルス複製経路に依存する。本発明の製剤は、十分な量のタンパク質を産生して強い免疫応答をもたらすためのウイルス複製を必要としない。それゆえ、本発明のmRNAは、自己複製RNAではなく、ウイルス複製に必要な構成成分を含まない。
いくつかの態様において本発明は、脂質ナノ粒子(LNP)製剤が、化学修飾mRNAワクチン及び化学非修飾mRNAワクチンを含むmRNAワクチンの有効性を著しく向上させるという驚くべき発見を含む。LNPで製剤化されたmRNAワクチンの効果について、いくつかの異なる抗原を用いてインビボで試験した。本明細書で提供する結果は、その他の市販ワクチンと比較して、LNPで製剤化されたmRNAワクチンが予想外に優れた効果を有することを示している。
高い免疫応答を提供することに加えて、本発明の製剤は、試験したその他のワクチンよりも少ない用量でより急速な免疫応答を引き起こす。本発明のmRNA−LNP製剤はまた、異なる担体で製剤化されたワクチンと比較して、量的及び質的により優れた免疫応答をもたらす。
本明細書に記載の研究に用いたLNPは、様々な動物モデルに加えてヒトにおいて、siRNAを送達するために以前から用いられている。LNP製剤によるsiRNA送達と関連させて行われた観察を考慮すると、LNPがワクチンにおいて有用であるという事実は実に驚くべきことである。LNPで製剤化されたsiRNAの治療的送達により、一過性のIgM応答に関連し、通常は抗原産生の低下及び免疫応答障害をもたらす望ましくない炎症反応が生じるということが観察された。siRNAにおいて観察された発見とは対照的に、本発明のLNP−mRNA製剤は、本明細書において、一過性のIgM応答ではなく、予防法及び治療法に十分な高濃度のIgGが生じることを示している。
核酸/ポリヌクレオチド
本明細書で提供するSTDワクチンは、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つの(1つまたは複数の)リボ核酸(RNA)(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。用語「核酸」は、ヌクレオチド(ヌクレオチドモノマー)のポリマーを含む任意の化合物及び/または物質を含む。これらポリマーはポリヌクレオチドと呼ばれる。それゆえ、用語「核酸」及び「ポリヌクレオチド」は同じ意味で用いられる。
核酸は、例えば、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA、β−D−リボ配置を有するLNA、α−L−リボ配置を有するα−LNA(LNAのジアステレオマー)、2’−アミノ官能基を有する2’−アミノ−LNA、及び、2’−アミノ官能基を有する2’−アミノ−α−LNAを含む)、エチレン核酸(ENA)、シクロヘキセニル核酸(CeNA)、またはこれらのキメラもしくはこれらの組み合わせであってもよく、または、含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、メッセンジャーRNA(mRNA)として機能する。「メッセンジャーRNA」(mRNA)とは、(少なくとも1つの)ポリペプチド(天然の、非天然の、または、修飾した、アミノ酸のポリマー)をコードし、翻訳されて、コードされたポリペプチドをインビトロ、インビボ、in situまたはex vivoで産生可能な任意のポリヌクレオチドのことを意味する。別途明記する場合を除いて、本出願に記載のポリヌクレオチド配列は代表的なDNA配列における「T」を示すが、RNA(例えば、mRNA)を表す配列の場合、「T」は「U」に置き換えられるということを当業者は理解するであろう。それゆえ、特定の配列識別番号により識別されるDNAがコードするRNAポリヌクレオチドのいずれかはまた、DNAによりコードされる対応するRNA(例えば、mRNA)配列を含んでいてもよく、DNA配列におけるそれぞれの「T」は「U」に置き換えられる。
mRNA分子の基本構成要素としては通常、少なくとも1つのコード領域、5´非翻訳領域(UTR)、3´UTR、5´キャップ、及びポリA尾部が挙げられる。本開示のポリヌクレオチドは、mRNAとして機能してもよいが、それらの機能的設計及び/または構造的設計の特徴から野生型mRNAと区別することができ、核酸ベース医薬品を用いた効果的なポリペプチド発現に関する従来の課題の克服に貢献する。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンのRNAポリヌクレオチドは、2〜10、2〜9、2〜8、2〜7、2〜6、2〜5、2〜4、2〜3、3〜10、3〜9、3〜8、3〜7、3〜6、3〜5、3〜4、4〜10、4〜9、4〜8、4〜7、4〜6、4〜5、5〜10、5〜9、5〜8、5〜7、5〜6、6〜10、6〜9、6〜8、6〜7、7〜10、7〜9、7〜8、8〜10、8〜9または9〜10の抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、STDワクチンのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドは、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90または100の抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、STDワクチンのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドは、少なくとも100または少なくとも200の抗原ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、STDワクチンのRNAポリヌクレオチドは、1〜10、5〜15、10〜20、15〜25、20〜30、25〜35、30〜40、35〜45、40〜50、1〜50、1〜100、2〜50または2〜100の抗原ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドはコドン最適化されている。コドン最適化法は当技術分野において周知であり、本明細書で提供するように用いてもよい。いくつかの実施形態では、標的生物及び宿主生物のコドン頻度を揃えて適切なフォールディングを確保するために、GC含有量にバイアスをかけてmRNA安定性を高めるまたは二次構造を縮小するために、遺伝子合成または遺伝子発現を低下させ得るタンデムリピートコドンまたは塩基配列を最小限とするために、転写制御領域及び翻訳制御領域をカスタマイズするために、タンパク質輸送配列を挿入または除去するために、コードされたタンパク質内の翻訳後修飾部位(例えば、グリコシル化部位)を除去/付加するために、タンパク質ドメインを付加、除去または再編成させるために、制限部位を挿入または欠失させるために、リボソーム結合部位及びmRNA分解部位を修飾するために、翻訳速度を調節してタンパク質の様々なドメインが適切に折り畳まれるように、または、ポリヌクレオチドの二次構造の課題を減少または解消するために、コドン最適化を用いてもよい。コドン最適化用のツール、アルゴリズム及びサービスは、当技術分野において周知であり、非限定例としては、GeneArt(Life Technologies)、DNA2.0(Menlo Park CA)が提供するサービス、及び/または、所有権のある方法が挙げられる。いくつかの実施形態では、オープンリーディングフレーム(ORF)配列は、最適化アルゴリズムを用いて最適化される。
いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然配列または野生型配列(例えば、目的のポリペプチドまたはタンパク質(例えば、抗原タンパク質または抗原ポリペプチド)をコードする天然mRNA配列または野生型mRNA配列)に対して95%未満の配列同一性、90%未満の配列同一性、85%未満の配列同一性、80%未満の配列同一性または75%未満の配列同一性を共有する。
いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然配列または野生型配列(例えば、目的のポリペプチドまたはタンパク質(例えば、抗原タンパク質または抗原ポリペプチド)をコードする天然mRNA配列または野生型mRNA配列)に対して、65%〜85%(例えば、約67%〜約85%または約67%〜約80%)の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、コドン最適化配列は、天然配列または野生型配列(例えば、目的のポリペプチドまたはタンパク質(例えば、抗原タンパク質または抗原ポリペプチド)をコードする天然mRNA配列または野生型mRNA配列)に対して、65%〜75%、または約80%の配列同一性を共有する。
いくつかの実施形態では、コドン最適化RNA(例えば、mRNA)は、例えば、G/Cの濃度が高いRNA(例えば、mRNA)であってもよい。核酸分子のG/C含有量は、RNAの安定性に影響を与え得る。大量のグアニン(G)残基及び/またはシトシン(C)残基を有するRNAは、大量のアデニン(A)ヌクレオチド及びチミン(T)ヌクレオチドまたはウラシル(U)ヌクレオチドを含む核酸と比較して、機能的により安定であってもよい。WO02/098443は、翻訳領域の配列を修飾することで安定化させたmRNAを含有する医薬組成物について開示している。遺伝子コードの縮重により、得られるアミノ酸を変化させることなくより高いRNA安定性を促進する修飾のため、従来のコドンを置換することによって修飾が機能する。この手法は、RNAのコード領域に限定される。
抗原/抗原ポリペプチド
いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチド(例えば、HPV、HSV及び/またはChlamydia抗原ポリペプチド)は、25アミノ酸よりも長く、50アミノ酸よりも短い。ポリペプチドとしては、遺伝子産物、天然ポリペプチド、合成ポリペプチド、ホモログ、オルソログ、パラログ、断片及びその他の等価物、変異体、ならびに、上記の類似体が挙げられる。ポリペプチドは、単一分子であってもよく、または、二量体、三量体または四量体など複数分子からなる複合体であってもよい。ポリペプチドはまた、単鎖ポリペプチド、または、抗体またはインスリンなどの多連鎖ポリペプチドを含んでいてもよく、互いに結合または連結していてもよい。最も一般的には、ジスルフィド結合が多連鎖ポリペプチド内に見られる。用語「ポリペプチド」をまた、少なくとも1つのアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の合成化学類似体であるアミノ酸ポリマーに対して用いてもよい。
「ポリペプチド変異体」とは、天然配列または参照配列と比較してそのアミノ酸配列が異なる分子である。アミノ酸配列変異体は、天然配列または参照配列と比較して、アミノ酸配列内の特定の位置に、置換、欠失、挿入、または前述のうちいずれか2つまたは3つの組み合わせを有していてもよい。通常、変異体は、天然配列または参照配列に対して少なくとも50%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、変異体は、天然配列または参照配列に対して少なくとも80%の同一性または少なくとも90%の同一性を共有する。
いくつかの実施形態では、「変異模倣体」を提供する。「変異模倣体」は、活性化配列を模倣する少なくとも1つのアミノ酸を含有する。例えば、グルタミン酸は、ホスホロ−スレオニン及び/またはホスホロ−セリンの模倣体として機能する。あるいは、変異模倣体は、脱活性化をもたらすか、または、模倣体を含有する不活性産物となる場合がある。例えば、フェニルアラニンは、チロシンの不活性置換基として機能する場合があり、アラニンは、セリンの不活性置換基として機能する場合がある。
「オルソログ」とは、種分化により共通の先祖遺伝子から進化した異なる種の遺伝子のことを意味する。通常、オルソログは、進化の過程において同一機能を保持している。オルソログの同定は、新たにシークエンスしたゲノムの遺伝子機能の確実な予測にとって重要である。
「類似体」とは、1つまたは複数のアミノ酸改変(例えば、親ポリペプチドまたは出発ポリペプチドの1つまたは複数の性質をなおも維持するアミノ酸残基の置換、付加または欠失)が異なる、ポリペプチド変異体を含むことを意味する。
本開示は、変異体及び誘導体を含むポリヌクレオチドベースまたはポリペプチドベースである、いくつかのタイプの組成物を提供する。これらとしては、例えば、置換の、挿入の、欠失の及び共有結合の、変異体及び誘導体が挙げられる。用語「誘導体」は用語「変異体」と同義であり、通常は、参照分子または出発分子に対して任意の方法で修飾及び/または改変を行った分子のことを意味する。
したがって、参照配列に対して置換、挿入及び/または付加、欠失ならびに共有結合修飾を含むペプチドまたはポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、特に、本明細書にて開示したポリペプチド配列は、本開示の範囲内に含まれる。例えば、配列タグまたはアミノ酸、例えば、1つまたは複数のリジンなどを、ペプチド配列(例えば、N末端またはC末端)に付加することができる。配列タグをペプチドの検出、精製または局在に用いることができる。リジンを用いて、ペプチドの溶解性を高めてもよく、または、ビオチン化させてもよい。あるいは、ペプチドまたはタンパク質におけるアミノ酸配列のカルボキシ及びアミノ末端領域に位置するアミノ酸残基を任意選択的に欠失させて、トランケート配列を提供してもよい。配列の用途に応じて、例えば、可溶性であるかまたは固体支持体に結合した長い配列の一部としての配列の発現用に、特定のアミノ酸(例えば、C末端残基またはN末端残基)を代わりに欠失させてもよい。
ポリペプチドに言及する場合、「置換変異体」とは、天然配列または出発配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を除去して、異なるアミノ酸をその同一位置に挿入したようなものである。置換は、単一であってもよく(分子内における1個のみのアミノ酸が置換されている)、または、複数であってもよい(同一分子内における2つまたはそれ以上(例えば、3、4または5)のアミノ酸が置換されている)。
本明細書で使用する場合、用語「保存的アミノ酸置換」とは、サイズ、電荷または極性が同一である異なるアミノ酸を有する配列中に通常は存在するアミノ酸の置換のことを意味する。保存的置換の例としては、非極性(疎水性)残基、例えば、イソロイシン、バリン及びロイシンなどを別の非極性残基に置換することを含む。同様に、保存的置換の例としては、ある極性(親水性)残基を、別の残基に置換すること、例えば、アルギニンとリジンとの間で、グルタミンとアスパラギンとの間で、及び、グリシンとセリンとの間で置換することを含む。さらに、1つの塩基性残基(例えば、リジン、アルギニンまたはヒスチジンなど)を別の塩基性残基に置換すること、または、1つの酸性残基(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸など)を別の酸性残基に置換することは、保存的置換の追加例である。非保存的置換の例としては、非極性(疎水性)アミノ酸残基、例えば、イソロイシン、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニンなどを、極性(親水性)残基、例えば、システイン、グルタミン、グルタミン酸またはリジンなどに置換すること、及び/または、極性残基を非極性残基に置換することを含む。
ポリペプチドまたはポリヌクレオチドに言及する場合、「特徴」とは、異なるアミノ酸配列ベースの分子構成要素またはヌクレオチドベースの分子構成要素としてそれぞれ定義される。ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの特徴としては、表面発現、局所的なコンホメーション形状、フォールディング、ループ、ハーフループ、ドメイン、ハーフドメイン、部位、末端、及びこれらの任意の組み合わせ(複数可)が挙げられる。
本明細書で使用しポリペプチドに言及する場合、用語「ドメイン」とは、1つまたは複数の識別可能な構造的または機能的な特徴または性質(例えば、タンパク質−タンパク質相互作用において部位に働く結合能)を有するポリペプチドのモチーフのことを意味する。
本明細書で使用しポリペプチドに言及する場合、アミノ酸ベースの実施形態に関する用語「部位」は、「アミノ酸残基」及び「アミノ酸側鎖」の同意語として使用される。本明細書で使用しポリヌクレオチドに言及する場合、ヌクレオチドベースの実施形態に関する用語「部位」は、「ヌクレオチド」の同意語として使用される。部位とは、ポリペプチドベースの分子またはポリヌクレオチドベースの分子内において修飾、操作、改変、誘導体化または変更され得る、ペプチド、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド内における位置を表す。
本明細書で使用しポリペプチドまたはポリヌクレオチドに言及する場合、用語「末端(termini)」または「末端(terminus)」とは、ポリペプチドの先端またはポリヌクレオチドの先端のことをそれぞれ意味する。このような先端は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの最初の部位または最後の部位のみに限定されず、末端領域における別のアミノ酸またはヌクレオチドを含んでいてもよい。ポリペプチドベースの分子は、N末端(遊離アミノ基(NH2)を有するアミノ酸で末端処理)及びC末端(遊離カルボキシル基(COOH)を有するアミノ酸で末端処理)の両方を有することを特徴としていてもよい。いくつかの例において、タンパク質は、複数のポリペプチド鎖がジスルフィド結合または非共有結合力により共に結合して形成されている(多量体、オリゴマー)。これらのタンパク質は、複数のN末端及びC末端を有している。あるいは、臨機応変に、非ポリペプチドベースの部分(有機複合体など)で始まるまたは終わるように、ポリペプチドの末端を修飾してもよい。
当業者は理解するであろうが、タンパク質断片、機能性タンパク質ドメイン、及び相同タンパク質もまた目的のポリペプチドの範囲内とみなされる。例えば、本明細書では、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100の長さの、または100よりも長いアミノ酸を有する参照タンパク質における任意のタンパク質断片(参照ポリペプチド配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸残基分短いか、あるいは同一なポリペプチド配列のことを意味する)を提供する。別の例においては、本明細書に記載の配列のいずれかに対して40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%同一な20、30、40、50または100の(隣接)アミノ酸のストレッチを含む任意のタンパク質を、本開示に従い利用することができる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、本明細書で提供または参照する配列のいずれかに示すように、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の変異体を含む。別の例においては、本明細書に記載の配列のいずれかに対して80%超、90%超、95%超または100%同一な20、30、40、50または100のアミノ酸のストレッチを含む任意のタンパク質を、本開示に従い利用することができる(タンパク質は、本明細書に記載の配列のいずれかに対して80%未満、75%未満、70%未満、65%〜60%同一な5、10、15、20、25または30のアミノ酸のストレッチを有している)。
本開示のポリペプチド分子またはポリヌクレオチド分子は、参照分子(例えば、参照ポリペプチドまたは参照ポリヌクレオチド)、例えば、技術分野における分子(例えば、遺伝子操作または設計した分子、または野生型分子)に対してある程度の配列類似性または配列同一性を共有していてもよい。用語「同一性」とは、当該技術分野において周知のとおり、配列同士を比較することで測定した、2つまたはそれ以上のポリペプチドまたはポリヌクレオチドの間の関係性を意味する。当該技術分野において、同一性はまた、2つまたはそれ以上のアミノ酸残基または核酸残基の配列間のマッチ数を測定した、2つの配列間における配列の相関度合いのことを意味する。同一性とは、特定の数学的モデルまたはコンピュータプログラム(例えば、「アルゴリズム」)を用いて、ギャップアライメント(ある場合)を有する2つまたはそれ以上の短い配列間における同一マッチ率を測定することである。関連ペプチドの同一性については、周知の方法を用いて容易に計算することができる。ポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列に対して用いる場合の「%同一性」は、配列をアラインしてギャップを導入した後において、第2の配列のアミノ酸配列または核酸配列中の残基と同一である候補アミノ酸配列または核酸配列中の残基(アミノ酸残基または核酸残基)の割合として定義され、必要に応じて、最大のパーセント同一性を得てもよい。アライメント用の方法及びコンピュータプログラムは、当該技術分野において周知である。同一性はパーセント同一性の計算によって決まるが、計算に導入したギャップ及びペナルティにより数値が異なっていてもよい。一般に、特定のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は、本明細書に記載及び当業者に周知の配列アライメントプログラム及びパラメータを用いて測定する際、特定の参照ポリヌクレオチドまたは参照ポリペプチドに対して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%であるが100%未満の配列同一性を有している。アライメントに用いるこのようなツールとしては、BLAST suiteのようなツールが挙げられる(Stephen F.Altschul,et al.(1997).「Gapped BLAST and PSI−BLAST:a new generation of protein database search programs」Nucleic Acids Res.25:3389−3402)。別の一般的なローカルアライメント技術は、Smith−Watermanアルゴリズムに基づいている(Smith,T.F.& Waterman,M.S.(1981)「Identification of common molecular subsequences」J.Mol.Biol.147:195−197)。ダイナミックプログラミングに基づいた一般的なグローバルアライメント技術は、Needleman−Wunschアルゴリズムである(Needleman,S.B.& Wunsch,C.D.(1970)「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequences of two proteins」J.Mol.Biol.48:443−453)。ごく最近では、Needleman−Wunschアルゴリズムを含むその他の最適なグローバルアライメント法よりも速く、ヌクレオチド配列及びタンパク質配列のグローバルアライメントを作成するといわれている、Fast Optimal Global Sequence Alignment Algorithm(FOGSAA)が開発された。その他のツールについては、特に、本明細書における以下、「同一性」の定義において説明する。
本明細書で使用する場合、用語「相同性」とは、ポリマー分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間における、及び/または、ポリペプチド分子間における全体の相関性のことを意味する。マッチ残基のアライメントにより測定した、閾値レベルの類似性または同一性を共有するポリマー分子(例えば、核酸分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)及び/またはポリペプチド分子)は、相同といわれる。相同性とは、分子間の関係を説明する定性的な用語であり、定量的な類似性または同一性に基づいていてもよい。類似性または同一性とは、2つの比較配列間における配列のマッチ度合いを定義する定量的な用語である。いくつかの実施形態では、ポリマー分子は、それらの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%同一または類似している場合、互いに「相同」であるとみなされる。用語「相同」とは、必然的に、少なくとも2つの配列(ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列)間の比較を意味する。2つのポリヌクレオチド配列は、それらがコードするポリペプチドが、少なくとも20アミノ酸の少なくとも1つのストレッチに対して、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%またはさらに99%である場合、相同であるとみなされる。いくつかの実施形態では、相同ポリヌクレオチド配列は、少なくとも4〜5の固有に特定されたアミノ酸のストレッチをコードする機能を特徴とする。長さが60ヌクレオチド未満のポリヌクレオチド配列において、相同性は、少なくとも4〜5の固有に特定されたアミノ酸のストレッチをコードする機能により測定される。2つのタンパク質配列は、それらタンパク質が、少なくとも20アミノ酸の少なくとも1つのストレッチに対して、少なくとも50%、60%、70%、80%または90%同一である場合、相同であるとみなされる。
相同性は、比較配列が、進化において共通の起源から分岐したことを意味している。用語「ホモログ」とは、第1のアミノ酸配列または核酸配列(例えば、遺伝子(DNAまたはRNA)配列またはタンパク質配列)が、共通の先祖配列から遺伝していることから、第2のアミノ酸配列または核酸配列と関連していることを意味する。用語「ホモログ」を、種分化現象によって分岐した遺伝子間及び/またはタンパク質間の関係性に対して用いてもよく、または、遺伝的複製現象によって分岐した遺伝子間及び/またはタンパク質間の関係性に対して用いてもよい。「オルソログ」とは、種分化により共通の先祖遺伝子(またはタンパク質)から進化した異なる種の遺伝子(またはタンパク質)のことである。通常、オルソログは、進化の過程において同一機能を保持している。「パラログ」とは、ゲノム内部の複製により関連している遺伝子(またはタンパク質)のことである。オルソログは、進化の過程において同一機能を保持しているが、それに対してパラログは、新たな機能を進化させている(これらの機能が起源の機能と関連していたとしても)。
用語「同一性」とは、ポリマー分子間、例えば、ポリヌクレオチド分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間における、及び/または、ポリペプチド分子間における全体の相関性のことを意味する。2つのポリ核酸配列におけるパーセント同一性の計算は、例えば、最適比較目的で2つの配列をアラインすることにより行うことができる(例えば、最適アライメントのために第1の核酸配列及び第2の核酸配列の一方または両方にギャップを導入してもよく、比較目的で同一でない配列を無視してもよい)。特定の実施形態では、比較目的でアラインした配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%である。それから、対応するヌクレオチド位置におけるヌクレオチドを比較する。第1の配列内の位置に、第2の配列内の対応する位置にあるものと同じヌクレオチドが存在する場合、その分子はその位置において同一である。2つの配列間のパーセント同一性は、ギャップ数及び各ギャップの長さを考慮して、配列により共有される同一位置の数の関数であり、2つの配列の最適なアライメントを導くのに必要である。配列の比較及び2つの配列間のパーセント同一性測定については、数学的アルゴリズムを用いて実施することができる。例えば、2つの核酸配列間のパーセント同一性は、Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University Press,New York,1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,Academic Press,New York,1993;Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje, G.,Academic Press,1987;Computer Analysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,New Jersey,1994;及び、Sequence Analysis Primer,Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.,M Stockton Press,New York,1991;に記載されるような方法を用いて測定することができる(それぞれの内容は参照として本明細書に組み込まれる)。例えば、2つの核酸配列間のパーセント同一性は、Meyers and Miller(CABIOS,1989,4:11−17)のアルゴリズムを用いて測定することができ、そのアルゴリズムは、PAM120重み付け残基テーブル、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を用いるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。あるいは、2つの核酸配列間のパーセント同一性は、NWSgapdna.CMPマトリックスを用いるGCGソフトウェアパッケージ内のGAPプログラムを用いて測定することができる。配列間のパーセント同一性を測定するために通常用いられる方法としては、Carillo,H.,and Lipman,D.,SIAM J Applied Math.,48:1073(1988)に開示されている方法が挙げられるがこれらに限定されない(参照として本明細書に組み込まれる)。同一性を測定するための技術は、一般に利用可能なコンピュータプログラムに分類されている。2つの配列間の相同性を測定するための例示的なコンピュータソフトウェアとしては、GCGプログラムパッケージ、Devereux,J.,et al.,Nucleic Acids Research,12,387(1984)、BLASTP、BLASTN、及びFASTA Altschul,S.F.et al.,J.Molec.Biol.,215,403(1990)が挙げられるがこれらに限定されない。
多タンパク質ワクチン及び多成分ワクチン
本開示は、それぞれが単一の抗原ポリペプチドをコードする複数のRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含むSTDワクチンに加え、複数の抗原ポリペプチド(例えば、融合ポリペプチドとして)をコードする単一のRNAポリヌクレオチドを含むSTDワクチンを包含する。それゆえ、第1の抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有するRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチド、及び、第2の抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有するRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含むワクチン組成物は、(a)第1の抗原ポリペプチドをコードする第1のRNAポリヌクレオチド、及び、第2の抗原ポリペプチドをコードする第2のRNAポリヌクレオチドを含むワクチン、及び、(b)第1及び第2の抗原ポリペプチド(例えば、融合ポリペプチドとして)をコードする単一のRNAポリヌクレオチドを含むワクチンを包含する。いくつかの実施形態では、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、そのそれぞれが異なる抗原ポリペプチド(または、2〜10またはそれ以上の異なる抗原ポリペプチドをコードする単一のRNAポリヌクレオチド)をコードするオープンリーディングフレームを有する2〜10(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)、またはそれ以上のRNAポリヌクレオチドを含む。抗原ポリペプチドは、HPV抗原ポリペプチド、HSV抗原ポリペプチド及びChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチドから選択してもよい。
いくつかの実施形態では、STDワクチンは、ウイルスカプシドタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチド、ウイルス前駆膜タンパク質/膜タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチド、及び、ウイルスエンベロープタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、STDワクチンは、ウイルス融合(F)タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチド、及び、ウイルス主要表面糖タンパク質(Gタンパク質)をコードするオープンリーディングフレームを有するRNAポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、ウイルスFタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、ウイルスGタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、HNタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有するRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、多成分ワクチンは、シグナルペプチド(例えば、配列番号:304〜307)に融合した少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードする少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。シグナルペプチドは、抗原ポリペプチドのN末端またはC末端に融合してもよい。シグナルペプチドに融合した抗原ポリペプチドは、HPV抗原ポリペプチド、HSV抗原ポリペプチド及びChlamydia(例えば、C.trachomatis)抗原ポリペプチドから選択してもよい。
シグナルペプチド及びリーダー配列
いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドによりコードされる抗原ポリペプチドは、シグナルペプチドを含む。シグナルペプチド(タンパク質のN末端15〜60アミノ酸を含む)は通常、分泌経路上の膜を介した移行に必要なものであるため、真核生物及び原核生物の両方において、ほとんどのタンパク質の分泌経路への進入を広く制御する。シグナルペプチドは通常、3つの領域、異なる長さのN末端領域(通常、正に荷電したアミノ酸を含む)、疎水性領域、及び、短いカルボキシ末端ペプチド領域を含む。真核生物において、新生前駆体タンパク質(プレタンパク質)のシグナルペプチドは、リボソームを粗面小胞体(ER)膜へと向かわせ、成長ペプチド鎖の輸送(プロセシングのために小胞体を通過)を開始させる。ERプロセシングにより成熟タンパク質が産生され、通常は、宿主細胞のER常在性シグナルペプチダーゼにより前駆体タンパク質からシグナルペプチドが開裂するか、または、シグナルペプチドは、開裂せずに膜アンカーとして機能する。シグナルペプチドはまた、細胞膜へのタンパク質のターゲティングを促進してもよい。しかしながら、シグナルペプチドは、成熟タンパク質の最終目的地に影響を与えない。自身の配列内に追加のアドレスタグがない分泌タンパク質は、デフォルトで外部環境へと分泌される。近年では、シグナルペプチドに関するより進んだ見方が発展しており、特定のシグナルペプチドにおける機能及び免疫優性が、これまで予想されていたよりはるかに多機能であることを示している。
いくつかの実施形態では、Chlamydia抗原ポリペプチドは、抗原ポリペプチドの細胞表面発現を促進させるためのリーダー配列を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、Chlamydia trachomatis MOMP抗原ポリペプチドは、MOMPの細胞表面発現を促進させるリーダー配列を含む。例えば、Jones HM,et al.Gene.2000,258:173−181;及び、Findlay HE,et al.BMC Microbiology.2005,5:5を参照されたい。いくつかの実施形態では、Chlamydia trachomatis抗原ポリペプチド(例えば、MOMP抗原ポリペプチド)は、配列番号:301〜316のいずれか1つにより識別されるアミノ酸を含むリーダー配列を含む(に結合する)。本明細書で提供する任意の抗原ポリペプチド(例えば、HPV、HSV及び/またはChlamydia抗原ポリペプチド)はリーダー配列を含んでいてもよいということを理解すべきである。
本開示のSTDワクチンは、例えば、合成シグナルペプチドをコードするRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含んでいてもよく、シグナルペプチドコード配列は、抗原ポリペプチドのコード配列と機能的に連結し、また抗原ポリペプチドのコード配列とインフレームである。それゆえ、いくつかの実施形態では、本開示のSTDワクチンは、シグナルペプチドに融合した抗原ポリペプチド(例えば、HPV抗原ポリペプチド、HSV抗原ポリペプチド及び/またはChlamydia抗原ポリペプチド)を産生する。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、抗原ポリペプチドのN末端に融合する。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、抗原ポリペプチドのC末端に融合する。
いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドに融合したシグナルペプチドは、合成シグナルペプチドである。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンによりコードされる抗原ポリペプチドに融合した合成シグナルペプチドは、免疫グロブリンタンパク質、例えば、IgEシグナルペプチドまたはIgGシグナルペプチドから得られる。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンによりコードされる抗原ポリペプチドに融合したシグナルペプチドは、MDWTWILFLVAAATRVHS;配列番号:305の配列を有するIg重鎖イプシロン−1シグナルペプチド(IgE HC SP)である。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンによりコードされる抗原ポリペプチドに融合したシグナルペプチドは、METPAQLLFLLLLWLPDTTG;配列番号:304の配列を有するIgGk鎖V−III領域HAHシグナルペプチド(IgGk SP)である。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、日本脳炎PRMシグナル配列(MLGSNSGQRVVFTILLLLVAPAYS;配列番号:306)、VSVgタンパク質シグナル配列(MKCLLYLAFLFIGVNCA;配列番号:307)、及び、日本脳炎JEVシグナル配列(MWLVSLAIVTACAGA;配列番号:308)から選択される。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンによりコードされる抗原ポリペプチドは、−19(表8)のいずれか1つにより識別されるシグナルペプチドに融合した8、12〜14、24〜34、47〜50または54〜56(表3、表6、表11、表14または表17;表4、表7、表12または表15のアミノ酸配列もまた参照されたい)のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列を含む。本明細書で開示した例は限定を意図したものではなく、プロセシングのためのERへのタンパク質のターゲティング、及び/または、細胞膜へのタンパク質のターゲティングを促進する当該技術分野において周知のあらゆるシグナルペプチドを、本開示に従い用いてもよい。
シグナルペプチドは、15〜60アミノ酸の長さを有していてもよい。例えば、シグナルペプチドは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59または60アミノ酸の長さを有していてもよい。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、20〜60、25〜60、30〜60、35〜60、40〜60、45〜60、50〜60、55〜60、15〜55、20〜55、25〜55、30〜55、35〜55、40〜55、45〜55、50〜55、15〜50、20〜50、25〜50、30〜50、35〜50、40〜50、45〜50、15〜45、20〜45、25〜45、30〜45、35〜45、40〜45、15〜40、20〜40、25〜40、30〜40、35〜40、15〜35、20〜35、25〜35、30〜35、15〜30、20〜30、25〜30、15〜25、20〜25または15〜20アミノ酸の長さを有する。
シグナルペプチドは通常、ERプロセシング中、開裂ジャンクションにおいて新生ポリペプチドから開裂する。本開示のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンにより産生される成熟抗原ポリペプチドは通常、シグナルペプチドを含まない。
化学修飾
いくつかの実施形態では、本開示のSTDワクチンは、少なくとも1つの化学修飾を含む少なくとも1つの抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくともRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含む。
用語「化学修飾(chemical modification)」及び「化学修飾(chemically modified)」とは、アデノシン(A)、グアノシン(G)、ウリジン(U)、チミジン(T)またはシチジン(C)リボヌクレオシドまたはデオキシリボヌクレオシドに対する修飾(それらの位置、型、割合または群のうち少なくとも1つにおける)のことを意味する。通常、これらの用語は、天然5´末端mRNAキャップ部分におけるリボヌクレオチド修飾のことを意味しない。ポリペプチドに関し、用語「修飾」とは、標準的な20種のアミノ酸セットに対する修飾のことを意味する。本明細書で提供するポリペプチドはまた、アミノ酸置換、アミノ酸挿入、または、置換及び挿入の組み合わせを含んで「修飾」されるとみなされる。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、様々な(複数の)異なる修飾を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの特定の領域は、1つの、2つのまたはそれ以上の(任意選択的に、異なる)ヌクレオシド修飾またはヌクレオチド修飾を含む。いくつかの実施形態では、細胞または生物に導入された修飾RNAポリヌクレオチド(例えば、修飾mRNAポリヌクレオチド)は、非修飾ポリヌクレオチドと比較して、細胞または生物内それぞれにおいて分解抑制を示す。いくつかの実施形態では、細胞または生物に導入された修飾RNAポリヌクレオチド(例えば、修飾mRNAポリヌクレオチド)は、細胞または生物内それぞれにおいて免疫原性抑制(例えば、生得的反応抑制)を示してもよい。
ポリヌクレオチドの修飾としては、本明細書に記載の修飾が挙げられるがこれらに限定されない。ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、天然または非天然の修飾を含んでいてもよく、または、ポリヌクレオチドは、天然修飾及び非天然修飾の組み合わせを含んでいてもよい。ポリヌクレオチドは、任意の有用な修飾、例えば、糖による修飾、核酸塩基による修飾、または、ヌクレオシド間結合部(例えば、リン酸エステル結合部、ホスホジエステル結合部、または、ホスホジエステル主鎖への)による修飾を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、所望の機能または性質を得るためのポリヌクレオチド合成中または合成後に導入される非天然修飾ヌクレオチドを含む。修飾は、ヌクレオチド間結合部上、プリン塩基もしくはピリミジン塩基上、または、糖上に存在していてもよい。化学合成またはポリメラーゼ酵素を用いて、分子鎖末端または分子鎖中の他の箇所に修飾を導入してもよい。ポリヌクレオチド領域のいずれかは、化学修飾されていてもよい。
本開示は、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)の修飾ヌクレオシド及び修飾ヌクレオチドを提供する。「ヌクレオシド」とは、有機塩基(例えば、プリンまたはピリミジン)またはその誘導体(本明細書ではまた、「核酸塩基」と呼ぶ)と組み合わせた、糖分子(例えば、ペントースまたはリボース)またはその誘導体を含有する化合物のことを意味する。「ヌクレオチド」とは、ヌクレオシドのことを意味し、リン酸基を含む。任意の有用な方法、例えば、化学的方法、酵素的方法または組換え方法などを用いて、1つ又は複数の修飾ヌクレオシドまたは非天然ヌクレオシドを含むように修飾ヌクレオチドを合成してもよい。ポリヌクレオチドは、ヌクレオシドが結合した1つの領域または複数の領域を含んでいてもよい。このような領域は、調節可能な主鎖結合を有していてもよい。結合は標準的なホスホジエステル結合であってもよく、その場合、ポリヌクレオチドはヌクレオチド領域を含む。
修飾ヌクレオチド塩基対は、標準的なアデノシン−チミン塩基対、アデノシン−ウラシル塩基対、またはグアノシン−シトシン塩基対だけでなく、非標準的な塩基または修飾塩基を含むヌクレオチド及び/または修飾ヌクレオチド間で形成された塩基対もまた包含し、水素結合供与体及び水素結合受容体の配置により、非標準的な塩基と標準的な塩基との間、または、2つの相補的で非標準的な塩基構造間の水素結合が可能となる。このような非標準的な塩基対における1つの例は、修飾ヌクレオチド、イノシン及びアデニン、シトシンまたはウラシル間の塩基対である。塩基/糖またはリンカーの任意の組み合わせを、本開示のポリヌクレオチドに組み込んでもよい。
本開示のワクチンに有用なポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)の修飾としては、以下、2−メチルチオ−N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2−メチルチオ−N6−メチルアデノシン、2−メチルチオ−N6−スレオニルカルバモイルアデノシン、N6−グリシニルカルバモイルアデノシン、N6−イソペンテニルアデノシン、N6−メチルアデノシン、N6−スレオニルカルバモイルアデノシン、1,2’−O−ジメチルアデノシン、1−メチルアデノシン、2’−O−メチルアデノシン、2’−O−リボシルアデノシン(ホスフェート)、2−メチルアデノシン、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデノシン、2−メチルチオ−N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン、2'−O−メチルアデノシン、2'−O−リボシルアデノシン(ホスフェート)、イソペンテニルアデノシン、N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6,2'−O−ジメチルアデノシン、N6,2'−O−ジメチルアデノシン、N6,N6,2'−O−トリメチルアデノシン、N6,N6−ジメチルアデノシン、N6−アセチルアデノシン、N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン、N6−メチル−N6−スレオニルカルバモイルアデノシン、2−メチルアデノシン、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデノシン、7−デアザ−アデノシン、N1−メチル−アデノシン、N6,N6(ジメチル)アデニン、N6−シス−ヒドロキシ−イソペンテニル−アデノシン、α−チオ−アデノシン、2(アミノ)アデニン、2(アミノプロピル)アデニン、2(メチルチオ)N6(イソペンテニル)アデニン、2−(アルキル)アデニン、2−(アミノアルキル)アデニン、2−(アミノプロピル)アデニン、2−(ハロ)アデニン、2−(ハロ)アデニン、2−(プロピル)アデニン、2'−アミノ−2'−デオキシ−ATP、2'−アジド−2'−デオキシ−ATP、2'−デオキシ−2'−α−アミノアデノシンTP、2'−デオキシ−2’−α−アジドアデノシンTP、6(アルキル)アデニン、6(メチル)アデニン、6−(アルキル)アデニン、6−(メチル)アデニン、7(デアザ)アデニン、8(アルケニル)アデニン、8(アルキニル)アデニン、8(アミノ)アデニン、8(チオアルキル)アデニン、8−(アルケニル)アデニン、8−(アルキル)アデニン、8−(アルキニル)アデニン、8−(アミノ)アデニン、8−(ハロ)アデニン、8−(ヒドロキシル)アデニン、8−(チオアルキル)アデニン、8−(チオール)アデニン、8−アジド−アデノシン、アザアデニン、デアザアデニン、N6(メチル)アデニン、N6−(イソペンチル)アデニン、7−デアザ−8−アザ−アデノシン、7−メチルアデニン、1−デアザアデノシンTP、2'フルオロ−N6−Bz−デオキシアデノシンTP、2'−OMe−2−アミノ−ATP、2'O−メチル−N6−Bz−デオキシアデノシンTP、2'ーα−エチニルアデノシンTP、2−アミノアデニン、2−アミノアデノシンTP、2−アミノ−ATP、2'−α−トリフルオロメチルアデノシンTP、2−アジドアデノシンTP、2'−β−エチニルアデノシンTP、2−ブロモアデノシンTP、2'−β−トリフルオロメチルアデノシンTP、2−クロロアデノシンTP、2'−デオキシ−2',2'−ジフルオロアデノシンTP、2'−デオキシ−2'−α−メルカプトアデノシンTP、2'−デオキシ−2'−α−チオメトキシアデノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−アミノアデノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−アジドアデノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−ブロモアデノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−クロロアデノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−フルオロアデノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−ヨードアデノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−メルカプトアデノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−チオメトキシアデノシンTP、2−フルオロアデノシンTP、2−ヨードアデノシンTP、2−メルカプトアデノシンTP、2−メトキシ−アデニン、2−メチルチオ−アデニン、2−トリフルオロメチルアデノシンTP、3−デアザ−3−ブロモアデノシンTP、3−デアザ−3−クロロアデノシンTP、3−デアザ−3−フルオロアデノシンTP、3−デアザ−3−ヨードアデノシンTP、3−デアザアデノシンTP、4'−アジドアデノシンTP、4'−炭素環式アデノシンTP、4’−エチニルアデノシンTP、5'−ホモ−アデノシンTP、8−アザ−ATP、8−ブロモ−アデノシンTP、8−トリフルオロメチルアデノシンTP、9−デアザアデノシンTP、2−アミノプリン、7−デアザ−2,6−ジアミノプリン、7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノプリン、7−デアザ−8−アザ−2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、7−デアザ−8−アザ−アデニン、7−デアザ−2−アミノプリン、2−チオシチジン、3−メチルシチジン、5−ホルミルシチジン、5−ヒドロキシメチルシチジン、5−メチルシチジン、N4−アセチルシチジン、2'−O−メチルシチジン、2'−O−メチルシチジン、5,2'−O−ジメチルシチジン、5−ホルミル−2'−O−メチルシチジン、リシジン、N4,2’−O−ジメチルシチジン、N4−アセチル−2'−O−メチルシチジン、N4−メチルシチジン、N4,N4−ジメチル−2'−OMe−シチジンTP、4−メチルシチジン、5−アザ−シチジン、シュード−イソ−シチジン、ピロロ−シチジン、α−チオ−シチジン、2−(チオ)シトシン、2'−アミノ−2'−デオキシ−CTP、2'−アジド−2'−デオキシ−CTP、2'−デオキシ−2'−α−アミノシチジンTP、2'−デオキシ−2'−α−アジドシチジンTP、3(デアザ)5(アザ)シトシン、3(メチル)シトシン、3−(アルキル)シトシン、3−(デアザ)5(アザ)シトシン、3−(メチル)シチジン、4,2'−O−ジメチルシチジン、5(ハロ)シトシン、5(メチル)シトシン、5(プロピニル)シトシン、5(トリフルオロメチル)シトシン、5−(アルキル)シトシン、5−(アルキニル)シトシン、5−(ハロ)シトシン、5−(プロピニル)シトシン、5−(トリフルオロメチル)シトシン、5−ブロモ−シチジン、5−ヨード−シチジン、5−プロピニルシトシン、6−(アゾ)シトシン、6−アザ−シチジン、アザシトシン、デアザシトシン、N4(アセチル)シトシン、1−メチル−1−デアザ−シュードイソシチジン、1−メチル−シュードイソシチジン、2−メトキシ−5−メチル−シチジン、2−メトキシ−シチジン、2−チオ−5−メチル−シチジン、4−メトキシ−1−メチル−シュードイソシチジン、4−メトキシ−シュードイソシチジン、4−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードイソシチジン、4−チオ−1−メチル−シュードイソシチジン、4−チオ−シュードイソシチジン、5−アザ−ゼブラリン、5−メチル−ゼブラリン、ピロロ−シュードイソシチジン、ゼブラリン、(E)−5−(2−ブロモ−ビニル)シチジンTP、2,2'−無水−シチジンTPヒドロクロリド、2'フルオロ−N4−Bz−シチジンTP、2'フルオロ−N4−アセチル−シチジンTP、2'−O−メチル−N4−アセチル−シチジンTP、2'O−メチル−N4−Bz−シチジンTP、2'−α−エチニルシチジンTP、2'−α−トリフルオロメチルシチジンTP、2'−β−エチニルシチジンTP、2'−β−トリフルオロメチルシチジンTP、2'−デオキシ−2',2'−ジフルオロシチジンTP、2'−デオキシ−2'−α−メルカプトシチジンTP、2'−デオキシ−2'−α−チオメトキシシチジンTP、2'−デオキシ−2'−β−アミノシチジンTP、2'−デオキシ−2'−β−アジドシチジンTP、2'−デオキシ−2'−β−ブロモシチジンTP、2'−デオキシ−2'−β−クロロシチジンTP、2'−デオキシ−2'−β−フルオロシチジンTP、2'−デオキシ−2'−β−ヨードシチジンTP、2'−デオキシ−2'−β−メルカプトシチジンTP、2'−デオキシ−2'−β−チオメトキシシチジンTP、2'−O−メチル−5−(1−プロピニル)シチジンTP、3’−エチニルシチジンTP、4'−アジドシチジンTP、4'−炭素環式シチジンTP、4’−エチニルシチジンTP、5−(1−プロピニル)アラ−シチジンTP、5−(2−クロロフェニル)−2−チオシチジンTP、5−(4−アミノフェニル)−2−チオシチジンTP、5−アミノアリル−CTP、5−シアノシチジンTP、5−エチニルアラ−シチジンTP、5−エチニルシチジンTP、5'−ホモ−シチジンTP、5−メトキシシチジンTP、5−トリフルオロメチル−シチジンTP、N4−アミノ−シチジンTP、N4−ベンゾイル−シチジンTP、シュードイソシチジン、7−メチルグアノシン、N2,2’−O−ジメチルグアノシン、N2−メチルグアノシン、ワイオシン、1,2'−O−ジメチルグアノシン、1−メチルグアノシン、2'−O−メチルグアノシン、2'−O−リボシルグアノシン(ホスフェート)、2'−O−メチルグアノシン、2'−O−リボシルグアノシン(ホスフェート)、7−アミノメチル−7−デアザグアノシン、7−シアノ−7−デアザグアノシン、アルカエオシン、メチルワイオシン、N2,7−ジメチルグアノシン、N2,N2,2’−O−トリメチルグアノシン、N2,N2,7−トリメチルグアノシン、N2,N2−ジメチルグアノシン、N2,7,2'−O−トリメチルグアノシン、6−チオ−グアノシン、7−デアザ−グアノシン、8−オキソ−グアノシン、N1−メチル−グアノシン、α−チオ−グアノシン、2(プロピル)グアニン、2−(アルキル)グアニン、2'−アミノ−2'−デオキシ−GTP、2'−アジド−2'−デオキシ−GTP、2'−デオキシ−2'−α−アミノグアノシンTP、2'−デオキシ−2'−α−アジドグアノシンTP、6(メチル)グアニン、6−(アルキル)グアニン、6−(メチル)グアニン、6−メチル−グアノシン、7(アルキル)グアニン、7(デアザ)グアニン、7(メチル)グアニン、7−(アルキル)グアニン、7−(デアザ)グアニン、7−(メチル)グアニン、8(アルキル)グアニン、8(アルキニル)グアニン、8(ハロ)グアニン、8(チオアルキル)グアニン、8−(アルケニル)グアニン、8−(アルキル)グアニン、8−(アルキニル)グアニン、8−(アミノ)グアニン、8−(ハロ)グアニン、8−(ヒドロキシル)グアニン、8−(チオアルキル)グアニン、8−(チオール)グアニン、アザグアニン、デアザグアニン、N(メチル)グアニン、N−(メチル)グアニン、1−メチル−6チオグアノシン、6−メトキシ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−8−アザ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−グアノシン、6−チオ−7−メチル−グアノシン、7−デアザ−8−アザ−グアノシン、7−メチル−8−オキソ−グアノシン、N2,N2−ジメチル−6−チオ−グアノシン、N2−メチル−6−チオ−グアノシン、1−Me−GTP、2'フルオロ−N2−イソブチル−グアノシンTP、2'O−メチル−N2−イソブチル−グアノシンTP、2'−α−エチニルグアノシンTP、2'−α−トリフルオロメチルグアノシンTP、2'−β−エチニルグアノシンTP、2'−β−トリフルオロメチルグアノシンTP、2'−デオキシ−2',2'−ジフルオログアノシンTP、2'−デオキシ−2'−α−メルカプトグアノシンTP、2'−デオキシ−2'−α−チオメトキシグアノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−アミノグアノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−アジドグアノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−ブロモグアノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−クロログアノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−フルオログアノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−ヨードグアノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−メルカプトグアノシンTP、2'−デオキシ−2'−β−チオメトキシグアノシンTP、4'−アジドグアノシンTP、4'−炭素環式グアノシンTP、4’−エチニルグアノシンTP、5'−ホモ−グアノシンTP、8−ブロモ−グアノシンTP、9−デアザグアノシンTP、N2−イソブチ



ル−グアノシンTP、1−メチルイノシン、イノシン、1,2'−O−ジメチルイノシン、2'−O−メチルイノシン、7−メチルイノシン、2'−O−メチルイノシン、エポキシクエオシン、ガラクトシル−クエオシン、マンノシルクエオシン、クエオシン、アリルアミノチミジン、アザチミジン、デアザチミジン、デオキシチミジン、2'−O−メチルウリジン、2−チオウリジン、3−メチルウリジン、5−カルボキシメチルウリジン、5−ヒドロキシウリジン、5−メチルウリジン、5−タウリノメチル−2−チオウリジン、5−タウリノメチルウリジン、ジヒドロウリジン、シュードウリジン、(3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ウリジン、1−メチル−3−(3−アミノ−5−カルボキシプロピル)シュードウリジン、1−メチルシュードウリジン、1−メチル−シュードウリジン、2'−O−メチルウリジン、2'−O−メチルシュードウリジン、2'−O−メチルウリジン、2−チオ−2'−O−メチルウリジン、3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ウリジン、3,2'−O−ジメチルウリジン、3−メチル−シュード−ウリジンTP、4−チオウリジン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジンメチルエステル、5,2'−O−ジメチルウリジン、5,6−ジヒドロ−ウリジン、5−アミノメチル−2−チオウリジン、5−カルバモイルメチル−2'−O−メチルウリジン、5−カルバモイルメチルウリジン、5−カルボキシヒドロキシメチルウリジン、5−カルボキシヒドロキシメチルウリジンメチルエステル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2'−O−メチルウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウリジン、5−カルバモイルメチルウリジンTP、5−メトキシカルボニルメチル−2'−O−メチルウリジン、5−メトキシカルボニルメチル−2−チオウリジン、5−メトキシカルボニルメチルウリジン、5−メトキシウリジン、5−メチル−2−チオウリジン、5−メチルアミノメチル−2−セレノウリジン、5−メチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−メチルアミノメチルウリジン、5−メチルジヒドロウリジン、5−オキシ酢酸−ウリジンTP、5−オキシ酢酸−メチルエステル−ウリジンTP、N1−メチル−シュードウリジン、ウリジン5−オキシ酢酸、ウリジン5−オキシ酢酸メチルエステル、3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)−ウリジンTP、5−(イソ−ペンテニルアミノメチル)−2−チオウリジンTP、5−(イソ−ペンテニルアミノメチル)−2'−O−メチルウリジンTP、5−(イソ−ペンテニルアミノメチル)ウリジンTP、5−プロピニルウラシル、α−チオ−ウリジン、1(アミノアルキルアミノ−カルボニルエチレニル)−2(チオ)−シュードウラシル、1(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)−2,4−(ジチオ)シュードウラシル、1(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)−4(チオ)シュードウラシル、1(アミノアルキルアミノカルボニルエチレニル)−シュードウラシル、1(アミノカルボニルエチレニル)−2(チオ)−シュードウラシル、1(アミノカルボニルエチレニル)−2,4−(ジチオ)シュードウラシル、1(アミノカルボニルエチレニル)−4(チオ)シュードウラシル、1(アミノカルボニルエチレニル)−シュードウラシル、1置換2(チオ)−シュードウラシル、1置換2,4−(ジチオ)シュードウラシル、1置換4(チオ)シュードウラシル、1置換シュードウラシル、1−(アミノアルキルアミノ−カルボニルエチレニル)−2−(チオ)−シュードウラシル、1−メチル−3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)シュードウリジンTP、1−メチル−3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)シュード−UTP、1−メチル−シュード−UTP、2(チオ)シュードウラシル、2’デオキシウリジン、2’フルオロウリジン、2−(チオ)ウラシル、2,4−(ジチオ)シュードウラシル、2’メチル,2'アミノ,2'アジド,2'フルオロ−グアノシン、2'−アミノ−2'−デオキシ−UTP、2'−アジド−2'−デオキシ−UTP、2'−アジド−デオキシウリジンTP、2'−O−メチルシュードウリジン、2’デオキシウリジン、2’フルオロウリジン、2'−デオキシ−2'−α−アミノウリジンTP、2'−デオキシ−2'−α−アジドウリジンTP、2−メチルシュードウリジン、3(3アミノ−3カルボキシプロピル)ウラシル、4(チオ)シュードウラシル、4−(チオ)シュードウラシル、4−(チオ)ウラシル、4−チオウラシル、5(1,3−ジアゾール−1−アルキル)ウラシル、5(2−アミノプロピル)ウラシル、5(アミノアルキル)ウラシル、5(ジメチルアミノアルキル)ウラシル、5(グアニジウムアルキル)ウラシル、5(メトキシカルボニルメチル)−2−(チオ)ウラシル、5(メトキシカルボニル−メチル)ウラシル、5(メチル)2(チオ)ウラシル、5(メチル)2,4(ジチオ)ウラシル、5(メチル)4(チオ)ウラシル、5(メチルアミノメチル)−2(チオ)ウラシル、5(メチルアミノメチル)−2,4(ジチオ)ウラシル、5(メチルアミノメチル)−4(チオ)ウラシル、5(プロピニル)ウラシル、5(トリフルオロメチル)ウラシル、5−(2−アミノプロピル)ウラシル、5−(アルキル)−2−(チオ)シュードウラシル、5−(アルキル)−2,4(ジチオ)シュードウラシル、5−(アルキル)−4(チオ)シュードウラシル、5−(アルキル)シュードウラシル、5−(アルキル)ウラシル、5−(アルキニル)ウラシル、5−(アリルアミノ)ウラシル、5−(シアノアルキル)ウラシル、5−(ジアルキルアミノアルキル)ウラシル、5−(ジメチルアミノアルキル)ウラシル、5−(グアニジウムアルキル)ウラシル、5−(ハロ)ウラシル、5−(1,3−ジアゾール−l−アルキル)ウラシル、5−(メトキシ)ウラシル、5−(メトキシカルボニルメチル)−2−(チオ)ウラシル、5−(メトキシカルボニル−メチル)ウラシル、5−(メチル)2(チオ)ウラシル、5−(メチル)2,4(ジチオ)ウラシル、5−(メチル)4(チオ)ウラシル、5−(メチル)−2−(チオ)シュードウラシル、5−(メチル)−2,4(ジチオ)シュードウラシル、5−(メチル)−4(チオ)シュードウラシル、5−(メチル)シュードウラシル、5−(メチルアミノメチル)−2(チオ)ウラシル、5−(メチルアミノメチル)−2,4(ジチオ)ウラシル、5−(メチルアミノメチル)−4−(チオ)ウラシル、5−(プロピニル)ウラシル、5−(トリフルオロメチル)ウラシル、5−アミノアリル−ウリジン、5−ブロモ−ウリジン、5−ヨード−ウリジン、5−ウラシル、6(アゾ)ウラシル、6−(アゾ)ウラシル、6−アザ−ウリジン、アリルアミノウラシル、アザウラシル、デアザウラシル、N3(メチル)ウラシル、シュード−UTP−1−2−エタン酸、シュードウラシル、4−チオ−シュード−UTP、1−カルボキシルメチル−シュードウリジン、1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、1−プロピニル−ウリジン、1−タウリノメチル−1−メチル−ウリジン、1−タウリノメチル−4チオ−ウリジン、1−タウリノメチル−シュードウリジン、2−メトキシ−4チオ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−2チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、4−チオ−シュードウリジン、5−アザ−ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、(±)1−(2−ヒドロキシプロピル)シュードウリジンTP、(2R)−1−(2−ヒドロキシプロピル)シュードウリジンTP、(2S)−1−(2−ヒドロキシプロピル)シュードウリジンTP、(E)−5−(2−ブロモ−ビニル)アラ−ウリジンTP、(E)−5−(2−ブロモ−ビニル)ウリジンTP、(Z)−5−(2−ブロモ−ビニル)アラ−ウリジンTP、(Z)−5−(2−ブロモ−ビニル)ウリジンTP、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−シュード−UTP、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)シュードウリジンTP、1−(2,2−ジエトキシエチル)シュードウリジンTP、1−(2,4,6−トリメチルベンジル)シュードウリジンTP、1−(2,4,6−トリメチル−ベンジル)シュード−UTP、1−(2,4,6−トリメチル−フェニル)シュード−UTP、1−(2−アミノ−2−カルボキシエチル)シュード−UTP、1−(2−アミノエチル)シュード−UTP、1−(2−ヒドロキシエチル)シュードウリジンTP、1−(2−メトキシエチル)シュードウリジンTP、1−(3,4−ビス−トリフルオロメトキシベンジル)シュードウリジンTP、1−(3,4−ジメトキシベンジル)シュードウリジンTP、1−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)シュード−UTP、1−(3−アミノプロピル)シュード−UTP、1−(3−シクロプロピル−プロプ−2−イニル)シュードウリジンTP、1−(4−アミノ−4−カルボキシブチル)シュード−UTP、1−(4−アミノベンジル)シュード−UTP、1−(4−アミノ−ブチル)シュード−UTP、1−(4−アミノフェニル)シュード−UTP、1−(4−アジドベンジル)シュードウリジンTP、1−(4−ブロモベンジル)シュードウリジンTP、1−(4−クロロベンジル)シュードウリジンTP、1−(4−フルオロベンジル)シュードウリジンTP、1−(4−ヨードベンジル)シュードウリジンTP、1−(4−メタンスルホニルベンジル)シュードウリジンTP、1−(4−メトキシベンジル)シュードウリジンTP、1−(4−メトキシベンジル)シュード−UTP、1−(4−メトキシフェニル)シュード−UTP、1−(4−メチルベンジル)シュードウリジンTP、1−(4−メチルベンジル)シュード−UTP、1−(4−ニトロベンジル)シュードウリジンTP、1−(4−ニトロ−ベンジル)シュード−UTP、1(4−ニトロ−フェニル)シュード−UTP、1−(4−チオメトキシベンジル)シュードウリジンTP、1−(4−トリフルオロメトキシベンジル)シュードウリジンTP、1−(4−トリフルオロメチルベンジル)シュードウリジンTP、1−(5−アミノ−ペンチル)シュード−UTP、1−(6−アミノ−ヘキシル)シュード−UTP、1,6−ジメチル−シュード−UTP、1−[3−(2−{2−[2−(2−アミノエトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−プロピオニル]シュードウリジンTP、1−{3−[2−(2−アミノエトキシ)−エトキシ]−プロピオニル}シュードウリジンTP、1−アセチルシュードウリジンTP、1−アルキル−6−(1−プロピニル)−シュード−UTP、1−アルキル−6−(2−プロピニル)−シュード−UTP、1−アルキル−6−アリルシュード−UTP、1−アルキル−6−エチニルシュード−UTP、1−アルキル−6−ホモアリルシュード−UTP、1−アルキル−6−ビニルシュード−UTP、1−アリルシュードウリジンTP、1−アミノメチル−シュード−UTP、1−ベンゾイルシュードウリジンTP、1−ベンジルオキシメチルシュードウリジンTP、1−ベンジル−シュード−UTP、1−ビオチニル−PEG2−シュードウリジンTP、1−ビオチニルシュードウリジンTP、1−ブチル−シュード−UTP、1−シアノメチルシュードウリジンTP、1−シクロブチルメチル−シュード−UTP、1−シクロブチル−シュード−UTP、1−シクロヘプチルメチル−シュード−UTP、1−シクロヘプチル−シュード−UTP、1−シクロヘキシルメチル−シュード−UTP、1−シクロヘキシル−シュード−UTP、1−シクロオクチルメチル



−シュード−UTP、1−シクロオクチル−シュード−UTP、1−シクロペンチルメチル−シュード−UTP、1−シクロペンチル−シュード−UTP、1−シクロプロピルメチル−シュード−UTP、1−シクロプロピル−シュード−UTP、1−エチル−シュード−UTP、1−ヘキシル−シュード−UTP、1−ホモアリルシュードウリジンTP、1−ヒドロキシメチルシュードウリジンTP、1−イソ−プロピル−シュード−UTP、1−Me−2−チオ−シュード−UTP、1−Me−4−チオ−シュード−UTP、1−Me−α−チオ−シュード−UTP、1−メタンスルホニルメチルシュードウリジンTP、1−メトキシメチルシュードウリジンTP、1−メチル−6−(2,2,2−トリフルオロエチル)シュード−UTP、1−メチル−6−(4−モルホリノ)−シュード−UTP、1−メチル−6−(4−チオモルホリノ)−シュード−UTP、1−メチル−6−(置換フェニル)シュード−UTP、1−メチル−6−アミノシュード−UTP、1−メチル−6−アジドシュード−UTP、1−メチル−6−ブロモシュード−UTP、1−メチル−6−ブチルシュード−UTP、1−メチル−6−クロロシュード−UTP、1−メチル−6−シアノシュード−UTP、1−メチル−6−ジメチルアミノシュード−UTP、1−メチル−6−エトキシシュード−UTP、1−メチル−6−エチルカルボキシレートシュード−UTP、1−メチル−6−エチルシュード−UTP、1−メチル−6−フルオロシュード−UTP、1−メチル−6−ホルミルシュード−UTP、1−メチル−6−ヒドロキシアミノ−シュード−UTP、1−メチル−6−ヒドロキシシュード−UTP、1−メチル−6−ヨードシュード−UTP、1−メチル−6−イソ−プロピルシュード−UTP、1−メチル−6−メトキシシュード−UTP、1−メチル−6−メチルアミノシュード−UTP、1−メチル−6−フェニルシュード−UTP、1−メチル−6−プロピルシュード−UTP、1−メチル−6−tert−ブチルシュード−UTP、1−メチル−6−トリフルオロメトキシシュード−UTP、1−メチル−6−トリフルオロメチルシュード−UTP、1−モルホリノメチルシュードウリジンTP、1−ペンチル−シュード−UTP、1−フェニル−シュード−UTP、1−ピバロイルシュードウリジンTP、1−プロパルギルシュードウリジンTP、1−プロピル−シュード−UTP、1−プロピニル−シュードウリジン、1−p−トリル−シュード−UTP、1−tert−ブチル−シュード−UTP、1−チオメトキシメチルシュードウリジンTP、1−チオモルホリノメチルシュードウリジンTP、1−トリフルオロアセチルシュードウリジンTP、1−トリフルオロメチル−シュード−UTP、1−ビニルシュードウリジンTP、2,2'−無水−ウリジンTP、2'−ブロモ−デオキシウリジンTP、2'−F−5−メチル−2'−デオキシ−UTP、2'−OMe−5−Me−UTP、2'−OMe−シュード−UTP、2'−α−エチニルウリジンTP、2'−α−トリフルオロメチルウリジンTP、2'−β−エチニルウリジンTP、2'−β−トリフルオロメチルウリジンTP、2'−デオキシ−2',2'−ジフルオロウリジンTP、2'−デオキシ−2'−α−メルカプトウリジンTP、2'−デオキシ−2'−α−チオメトキシウリジンTP、2'−デオキシ−2'−β−アミノールイジンTP、2'−デオキシ−2'−β−アジドウリジンTP、2'−デオキシ−2'−β−ブロモウリジンTP、2'−デオキシ−2'−β−クロロウリジンTP、2'−デオキシ−2'−β−フルオロウリジンTP、2'−デオキシ−2'−β−ヨードウリジンTP、2'−デオキシ−2'−β−メルカプトウリジンTP、2'−デオキシ−2'−β−チオメトキシウリジンTP、2−メトキシ−4チオウリジン、2−メトキシウリジン、2'−O−メチル−5−(1−プロピニル)ウリジンTP、3−アルキル−シュード−UTP、4'−アジドウリジンTP、4'−炭素環式ウリジンTP、4’−エチニルウリジンTP、5−(1−プロピニル)アラ−ウリジンTP、5−(2−フラニル)ウリジンTP、5−シアノウリジンTP、5−ジメチルアミノウリジンTP、5'−ホモ−ウリジンTP、5−ヨード−2'−フルオロ−デオキシウリジンTP、5−フェニルエチニルウリジンTP、5−トリジュウテロメチル−6−ジュウテロウリジンTP、5−トリフルオロメチル−ウリジンTP、5−ビニルアラウリジンTP、6−(2,2,2−トリフルオロエチル)−シュード−UTP、6−(4−モルホリノ)−シュード−UTP、6−(4−チオモルホリノ)−シュード−UTP、6−(置換−フェニル)−シュード−UTP、6−アミノ−シュード−UTP、6−アジド−シュード−UTP、6−ブロモシュード−UTP、6−ブチル−シュード−UTP、6−クロロ−シュード−UTP、6−シアノ−シュード−UTP、6−ジメチルアミノ−シュード−UTP、6−エトキシ−シュード−UTP、6−エチルカルボキシレート−シュード−UTP、6−エチル−シュード−UTP、6−フルオロ−シュード−UTP、6−ホルミル−シュード−UTP、6−ヒドロキシアミノ−シュード−UTP、6−ヒドロキシ−シュード−UTP、6−ヨード−シュード−UTP、6−イソ−プロピル−シュード−UTP、6−メトキシ−シュード−UTP、6−メチルアミノ−シュード−UTP、6−メチル−シュード−UTP、6−フェニル−シュード−UTP、6−フェニル−シュード−UTP、6−プロピル−シュード−UTP、6−tert−ブチル−シュード−UTP、6−トリフルオロメトキシ−シュード−UTP、6−トリフルオロメチル−シュード−UTP、α−チオ−シュード−UTP、シュードウリジン1−(4−メチルベンゼンスルホン酸)TP、シュードウリジン1−(4−メチル安息香酸)TP、シュードウリジンTP1−[3−(2−エトキシ)]プロピオン酸、シュードウリジンTP1−[3−{2−(2−[2−(2−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ}]プロピオン酸、シュードウリジンTP1−[3−{2−(2−[2−{2(2−エトキシ)−エトキシ}−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ}]プロピオン酸、シュードウリジンTP1−[3−{2−(2−[2−エトキシ]−エトキシ)−エトキシ}]プロピオン酸、シュードウリジンTP1−[3−{2−(2−エトキシ)−エトキシ}]プロピオン酸、シュードウリジンTP1−メチルホスホン酸、シュードウリジンTP1−メチルホスホン酸ジエチルエステル、シュード−UTP−N1−3−プロピオン酸、シュード−UTP−N1−4−ブタン酸、シュード−UTP−N1−5−ペンタン酸、シュード−UTP−N1−6−ヘキサン酸、シュード−UTP−N1−7−ヘプタン酸、シュード−UTP−N1−メチル−p−安息香酸、シュード−UTP−N1−p−安息香酸、ワイブトシン、ヒドロキシワイブトシン、イソワイオシン、ペルオキシワイブトシン、未修飾ヒドロキシワイブトシン、4−脱メチルワイオシン、2,6−(ジアミノ)プリン、1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル、1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェニルチアジン−1−イル、1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル、1,3,5−(トリアザ)−2,6−(ジオキサ)−ナフタレン、2(アミノ)プリン、2,4,5−(トリメチル)フェニル、2'メチル,2'アミノ,2'アジド,2'フルオロ−シチジン、2'メチル,2'アミノ,2'アジド,2'フルオロ−アデニン、2'メチル,2'アミノ,2'アジド,2'フルオロ−ウリジン、2'−アミノ−2'−デオキシリボース、2−アミノ−6−クロロ−プリン、2−アザ−イノシニル、2'−アジド−2'−デオキシリボース、2'フルオロ−2'−デオキシリボース、2'−フルオロ−修飾塩基、2'−O−メチル−リボース、2−オキソ−7−アミノピリドピリミジン−3−イル、2−オキソ−ピリドピリミジン−3−イル、2−ピリジノン、3ニトロピロール、3−(メチル)−7−(プロピニル)イソカルボスチリル、3−(メチル)イソカルボスチリル、4−(フルオロ)−6−(メチル)ベンゾイミダゾール、4−(メチル)ベンゾイミダゾール、4−(メチル)インドリル、4,6−(ジメチル)インドリル、5ニトロインドール、5置換ピリミジン、5−(メチル)イソカルボスチリル、5−ニトロインドール、6−(アザ)ピリミジン、6−(アゾ)チミン、6−(メチル)−7−(アザ)インドリル、6−クロロ−プリン、6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2ーオン−3−イル、7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3、−(アザ)−フェノチアジン−1−イル、7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル、7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル、7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノチアジン−1−イル、7−(アミノアルキルヒドロキシ)−1,3(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル、7−(アザ)インドリル、7−(グアニジウムアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−イル、7−(グアニジウムアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノチアジン−1−イル、7−(グアニジウムアルキルヒドロキシ)−1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル、7−(グアニジウムアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル、7−(グアニジウムアルキルヒドロキシ)−1,3(ジアザ)−2(オキソ)−フェノチアジン−1−イル、7−(グアニジウムアルキルヒドロキシ)−1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル、7−(プロピニル)イソカルボスチリル、7−(プロピニル)イソカルボスチリル、プロピニル−7−(アザ)インドリル、7−デアザ−イノシニル、7−置換1−(アザ)−2−(チオ)−3−(アザ)−フェノキサジン−1−イル、7−置換1,3−(ジアザ)−2−(オキソ)−フェノキサジン−1−イル、9−(メチル)−イミジゾピリジニル、アミノインドリル、アントラセニル、ビス−オルト−(アミノアルキルヒドロキシ)−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル、ビス−オルト−置換−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル、ジフルオロトリル、ヒポキサンチン、イミジゾピリジニル、イノシニル、イソカルボスチリル、イソグアニジン、N2−置換プリン、N6−メチル−2−アミノプリン、N6−置換プリン、N−アルキル化誘導体、ナフタレニル、ニトロベンズイミダゾリル、ニトロイミダゾリル、ニトロインダゾリル、ニトロピラゾリル、ヌブラリン、O6−置換プリン、O−アルキル化誘導体、オルト−(アミノアルキルヒドロキシ)−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル、オルト−置換−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル、オキソフォルマイシンTP、パラ−(アミノアルキルヒドロキシ)−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2ーオン−3−イル、パラ−置換−6−フェニル−ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル、ペンタセニル、フェナントラセニル、フェニル、プロピニル−7−(アザ)インドリル、ピレニル、ピリドピリミジン−3−イル、ピリドピリミジン−3−イル、2−オキソ−7−アミノ−ピリドピリミジン−3−イル、ピロロ−ピリミジン−2−オン−3−イル、ピロロピリミジニル、ピロロピリジニル、スチルベンジル、置換1,2,4−トリアゾール、テトラセニル、ツベルシジン、キサンチン、キサントシン−5'−TP、2−チオ−ゼブラリン、5−アザ−2チオゼブラリン、7−デアザ−2−アミノプリン、ピリジン−4−オンリボヌクレオシド、2−アミノ−リボシド−TP、ホルマイシンATP、ホルマイシンBTP、ピロロシンTP、2'−OH−アラ−アデ



ノシンTP、2'−OH−アラ−シチジンTP、2'−OH−アラ−ウリジンTP、2'−OH−アラ−グアノシンTP、5−(2−カルボメトキシビニル)ウリジンTP、及びN6−(19−アミノ−ペンタオキサノナデシル)アデノシンTPが挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)としては、上記修飾核酸塩基の少なくとも2つ(例えば、2、3、4つまたはそれ以上)の組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)内の修飾核酸塩基は、シュードウリジン(ψ)、N1−メチルシュードウリジン(mψ)、N1−エチルシュードウリジン、2−チオウリジン、4’−チオウリジン、5−メチルシトシン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、4−チオ−シュードウリジン、5−アザ−ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5−メトキシウリジン及び2’−O−メチルウリジンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)としては、上記修飾核酸塩基の少なくとも2つ(例えば、2、3、4つまたはそれ以上)の組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)内の修飾核酸塩基は、1−メチル−シュードウリジン(mψ)、5−メトキシ−ウリジン(moU)、5−メチル−シチジン(mC)、シュードウリジン(ψ)、α−チオ−グアノシン及びα−チオ−アデノシンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドとしては、上記修飾核酸塩基の少なくとも2つ(例えば、2、3、4つまたはそれ以上)の組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、シュードウリジン(ψ)及び5−メチル−シチジン(mC)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、1−メチル−シュードウリジン(mψ)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、1−メチル−シュードウリジン(mψ)及び5−メチル−シチジン(mC)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、2−チオウリジン(sU)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、2−チオウリジン及び5−メチル−シチジン(mC)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、メトキシ−ウリジン(moU)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、5−メトキシ−ウリジン(moU)及び5−メチル−シチジン(mC)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、2’−O−メチルウリジンを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、2’−O−メチルウリジン及び5−メチル−シチジン(mC)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、N6−メチル−アデノシン(mA)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、N6−メチル−アデノシン(mA)及び5−メチル−シチジン(mC)を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、特定の修飾のため均一に修飾(例えば、完全に修飾、全配列にわたり修飾)される。例えば、ポリヌクレオチドは5−メチル−シチジン(mC)で均一に修飾することができ、それは、mRNA配列中の全てのシトシン残基が5−メチル−シチジン(mC)で置換されることを意味する。同様に、ポリヌクレオチドは、上記したような修飾残基で置換することにより、配列中に存在する任意の型のヌクレオシド残基で均一に修飾することができる。
修飾シトシンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、N4−アセチル−シチジン(ac4C)、5−メチル−シチジン(mC)、5−ハロ−シチジン(例えば、5−ヨード−シチジン)、5−ヒドロキシメチル−シチジン(hm5C)、1−メチル−シュードイソシチジン、2−チオ−シチジン(s2C)及び2−チオ−5−メチル−シチジンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾ウリジンである。いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾シトシンである。修飾ウリジンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、5−シアノウリジン及び4’−チオウリジンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾アデニンである。修飾アデニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、7−デアザ−アデニン、1−メチル−アデノシン(m1A)、2−メチル−アデニン(m2A)及びN6−メチル−アデノシン(m6A)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾グアニンである。修飾グアニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、イノシン(I)、1−メチル−イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7−デアザ−グアノシン、7−シアノ−7−デアザ−グアノシン(preQ0)、7−アミノメチル−7−デアザ−グアノシン(preQ1)、7−メチル−グアノシン(m7G)、1−メチル−グアノシン(m1G)、8−オキソ−グアノシン、7−メチル−8−オキソ−グアノシンが挙げられる。
本開示のポリヌクレオチドは、分子の全長にわたり部分的にまたは完全に修飾されてもよい。例えば、1つもしくは複数のもしくは全てのまたは任意の型のヌクレオチド(例えば、プリンもしくはピリミジン、または、A、G、U、Cのうち任意の1つもしくは複数種もしくはその全て)は、本開示のポリヌクレオチドまたはその任意の所定配列領域(例えば、ポリA尾部を含むまたは除くmRNA内)において均一に修飾されてもよい。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチド内における(またはその任意の配列領域内における)全てのヌクレオチドXは、修飾ヌクレオチドであり、Xは、ヌクレオチドA、G、U、Cのいずれかであってもよく、または、A+G、A+U、A+C、G+U、G+C、U+C、A+G+U、A+G+C、G+U+CまたはA+G+Cの組み合わせのいずれかであってもよい。
ポリヌクレオチドは、約1%〜約100%の修飾ヌクレオチド(全ヌクレオチド含有量に対して、または、1つまたは複数のヌクレオチド、すなわち、A、G、UまたはCのいずれか1つまたは複数に対してのいずれか)、または、任意の間の割合(例えば、1%〜20%、1%〜25%、1%〜50%、1%〜60%、1%〜70%、1%〜80%、1%〜90%、1%〜95%、10%〜20%、10%〜25%、10%〜50%、10%〜60%、10%〜70%、10%〜80%、10%〜90%、10%〜95%、10%〜100%、20%〜25%、20%〜50%、20%〜60%、20%〜70%、20%〜80%、20%〜90%、20%〜95%、20%〜100%、50%〜60%、50%〜70%、50%〜80%、50%〜90%、50%〜95%、50%〜100%、70%〜80%、70%〜90%、70%〜95%、70%〜100%、80%〜90%、80%〜95%、80%〜100%、90%〜95%、90%〜100%及び95%〜100%)を含んでいてもよい。任意の残りの割合は、非修飾A、G、UまたはCの存在により占められる。
ポリヌクレオチドは、最低1%〜最大100%の修飾ヌクレオチド、または、任意の間の割合、例えば、少なくとも5%の修飾ヌクレオチド、少なくとも10%の修飾ヌクレオチド、少なくとも25%の修飾ヌクレオチド、少なくとも50%の修飾ヌクレオチド、少なくとも80%の修飾ヌクレオチドまたは少なくとも90%の修飾ヌクレオチドなどを含んでいてもよい。例えば、ポリヌクレオチドは、修飾ウラシルまたは修飾シトシンなどの修飾ピリミジンを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド内のウラシルの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%は、修飾ウラシル(例えば、5−置換ウラシル)で置換される。単一の固有構造を有する化合物で修飾ウラシルを置換することも可能であり、または、別々の構造(例えば、2、3、4つまたはそれ以上の固有構造)を有する複数の化合物で修飾ウラシルを置換することも可能である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド内のシトシンの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%は、修飾シトシン(例えば、5−置換シトシン)で置換される。単一の固有構造を有する化合物で修飾シトシンを置換することも可能であり、または、別々の構造(例えば、2、3、4つまたはそれ以上の固有構造)を有する複数の化合物で修飾シトシンを置換することも可能である。
したがって、いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、5’UTRエレメント、任意選択的にコドン最適化オープンリーディングフレーム、3’UTRエレメント、ポリ(A)配列及び/またはポリアデニル化シグナルを含み、RNAは化学修飾されない。
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾ウラシルである。修飾ウラシルを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、シュードウリジン(ψ)、ピリジン−4−オンリボヌクレオシド、5−アザ−ウリジン、6−アザ−ウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ウリジン(sU)、4−チオ−ウリジン(sU)、4−チオ−シュードウリジン、2−チオ−シュードウリジン、5−ヒドロキシ−ウリジン(hoU)、5−アミノアリル−ウリジン、5−ハロ−ウリジン(例えば、5−ヨード−ウリジンまたは5−ブロモ−ウリジン)、3−メチル−ウリジン(mU)、5−メトキシ−ウリジン(moU)、ウリジン5−オキシ酢酸(cmoU)、ウリジン5−オキシ酢酸メチルエステル(mcmoU)、5−カルボキシメチル−ウリジン(cmU)、1−カルボキシメチル−シュードウリジン、5−カルボキシヒドロキシメチル−ウリジン(chmU)、5−カルボキシヒドロキシメチル−ウリジンメチルエステル(mchmU)、5−メトキシカルボニルメチル−ウリジン(mcmU)、5−メトキシカルボニルメチル−2−チオ−ウリジン(mcmU)、5−アミノメチル−2−チオ−ウリジン(nmU)、5−メチルアミノメチル−ウリジン(mnmU)、5−メチルアミノメチル−2−チオ−ウリジン(mnmU)、5−メチルアミノメチル−2−セレノ−ウリジン(mnmseU)、5−カルバモイルメチル−ウリジン(ncmU)、5−カルボキシメチルアミノメチル−ウリジン(cmnmU)、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオ−ウリジン(cmnmU)、5−プロピニル−ウリジン、1−プロピニル−シュードウリジン、5−タウリノメチル−ウリジン(τmU)、1−タウリノメチル−シュードウリジン、5−タウリノメチル−2−チオ−ウリジン(τmU)、1−タウリノメチル−4−チオ−シュードウリジン、5−メチル−ウリジン(mU、すなわち、核酸塩基デオキシチミンを有する)、1−メチル−シュードウリジン(mψ)、5−メチル−2−チオ−ウリジン(mU)、1−メチル−4−チオ−シュードウリジン(mψ)、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、3−メチル−シュードウリジン(mψ)、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、ジヒドロウリジン(D)、ジヒドロシュードウリジン、5,6−ジヒドロウリジン、5−メチル−ジヒドロウリジン(mD)、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−メトキシ−ウリジン、2−メトキシ−4−チオ−ウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、N1−メチル−シュードウリジン、3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ウリジン(acpU)、1−メチル−3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)シュードウリジン(acpψ)、5−(イソペンテニルアミノメチル)ウリジン(inmU)、5−(イソペンテニルアミノメチル)−2−チオ−ウリジン(inmU)、α−チオ−ウリジン、2’−O−メチル−ウリジン(Um)、5,2’−O−ジメチル−ウリジン(mUm)、2’−O−メチル−シュードウリジン(ψm)、2−チオ−2’−O−メチル−ウリジン(sUm)、5−メトキシカルボニルメチル−2’−O−メチル−ウリジン(mcmUm)、5−カルバモイルメチル−2’−O−メチル−ウリジン(ncmUm)、5−カルボキシメチルアミノメチル−2’−O−メチル−ウリジン(cmnmUm)、3,2’−O−ジメチル−ウリジン(mUm)、及び、5−(イソペンテニルアミノメチル)−2’−O−メチル−ウリジン(inmUm)、1−チオ−ウリジン、デオキシチミジン、2’−F−アラ−ウリジン、2’−F−ウリジン、2’−OH−アラ−ウリジン、5−(2−カルボメトキシビニル)ウリジン、ならびに、5−[3−(1−E−プロペニルアミノ)]ウリジンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾シトシンである。修飾シトシンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、5−アザ−シチジン、6−アザ−シチジン、シュードイソシチジン、3−メチル−シチジン(mC)、N4−アセチル−シチジン(acC)、5−ホルミル−シチジン(fC)、N4−メチル−シチジン(mC)、5−メチル−シチジン(mC)、5−ハロ−シチジン(例えば、5−ヨード−シチジン)、5−ヒドロキシメチル−シチジン(hmC)、1−メチル−シュードイソシチジン、ピロロ−シチジン、ピロロ−シュードイソシチジン、2−チオ−シチジン(sC)、2−チオ−5−メチル−シチジン、4−チオ−シュードイソシチジン、4−チオ−1−メチル−シュードイソシチジン、4−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードイソシチジン、1−メチル−1−デアザ−シュードイソシチジン、ゼブラリン、5−アザ−ゼブラリン、5−メチル−ゼブラリン、5−アザ−2−チオ−ゼブラリン、2−チオ−ゼブラリン、2−メトキシ−シチジン、2−メトキシ−5−メチル−シチジン、4−メトキシ−シュードイソシチジン、4−メトキシ−1−メチル−シュードイソシチジン、リシジン(kC)、α−チオ−シチジン、2’−O−メチル−シチジン(Cm)、5,2’−O−ジメチル−シチジン(mCm)、N4−アセチル−2’−O−メチル−シチジン(acCm)、N4,2’−O−ジメチル−シチジン(mCm)、5−ホルミル−2’−O−メチル−シチジン(fCm)、N4,N4,2’−O−トリメチル−シチジン(m Cm)、1−チオ−シチジン、2’−F−アラ−シチジン、2’−F−シチジン、及び2’−OH−アラ−シチジンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾アデニンである。修飾アデニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、2−アミノ−プリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−ハロ−プリン(例えば、2−アミノ−6−クロロ−プリン)、6−ハロ−プリン(例えば、6−クロロ−プリン)、2−アミノ−6−メチル−プリン、8−アジド−アデノシン、7−デアザ−アデニン、7−デアザ−8−アザ−アデニン、7−デアザ−2−アミノ−プリン、7−デアザ−8−アザ−2−アミノ−プリン、7−デアザ−2,6−ジアミノプリン、7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノプリン、1−メチル−アデノシン(mA)、2−メチル−アデニン(mA)、N6−メチル−アデノシン(mA)、2−メチルチオ−N6−メチル−アデノシン(msA)、N6−イソペンテニル−アデノシン(iA)、2−メチルチオ−N6−イソペンテニル−アデノシン(msA)、N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(ioA)、2−メチルチオ−N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(msioA)、N6−グリシニルカルバモイル−アデノシン(gA)、N6−スレオニルカルバモイル−アデノシン(tA)、N6−メチル−N6−スレオニルカルバモイル−アデノシン(mA)、2−メチルチオ−N6−スレオニルカルバモイル−アデノシン(msA)、N6,N6−ジメチル−アデノシン(m A)、N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイル−アデノシン(hnA)、2−メチルチオ−N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイル−アデノシン(mshnA)、N6−アセチル−アデノシン(acA)、7−メチル−アデニン、2−メチルチオ−アデニン、2−メトキシ−アデニン、α−チオ−アデノシン、2’−O−メチル−アデノシン(Am)、N6,2’−O−ジメチル−アデノシン(mAm)、N6,N6,2’−O−トリメチル−アデノシン(m Am)、1,2’−O−ジメチル−アデノシン(mAm)、2’−O−リボシルアデノシン(ホスフェート)(Ar(p))、2−アミノ−N6−メチル−プリン、1−チオ−アデノシン、8−アジド−アデノシン、2’−F−アラ−アデノシン、2’−F−アデノシン、2’−OH−アラ−アデノシン、及びN6−(19−アミノ−ペンタオキサノナデシル)−アデノシンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾グアニンである。修飾グアニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとしては、イノシン(I)、1−メチル−イノシン(mI)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、4−脱メチル−ワイオシン(imG−14)、イソワイオシン(imG2)、ワイブトシン(yW)、ペルオキシワイブトシン(oyW)、ヒドロキシワイブトシン(OhyW)、未修飾ヒドロキシワイブトシン(OhyW)、7−デアザ−グアノシン、クエウオシン(Q)、エポキシクエウオシン(oQ)、ガラクトシル−クエウオシン(galQ)、マンノシル−クエウオシン(manQ)、7−シアノ−7−デアザ−グアノシン(preQ)、7−アミノメチル−7−デアザ−グアノシン(preQ)、アルカエオシン(G)、7−デアザ−8−アザ−グアノシン、6−チオ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−8−アザ−グアノシン、7−メチル−グアノシン(mG)、6−チオ−7−メチル−グアノシン、7−メチル−イノシン、6−メトキシ−グアノシン、1−メチル−グアノシン(mG)、N2−メチル−グアノシン(mG)、N2,N2−ジメチル−グアノシン(m G)、N2,7−ジメチル−グアノシン(m2,7G)、N2,N2,7−ジメチル−グアノシン(m2,2,7G)、8−オキソ−グアノシン、7−メチル−8−オキソ−グアノシン、1−メチル−6−チオ−グアノシン、N2−メチル−6−チオ−グアノシン、N2,N2−ジメチル−6−チオ−グアノシン、α−チオ−グアノシン、2’−O−メチル−グアノシン(Gm)、N2−メチル−2’−O−メチル−グアノシン(mGm)、N2,N2−ジメチル−2’−O−メチル−グアノシン(m Gm)、1−メチル−2’−O−メチル−グアノシン(mGm)、N2,7−ジメチル−2’−O−メチル−グアノシン(m2,7Gm)、2’−O−メチル−イノシン(Im)、1,2’−O−ジメチル−イノシン(mIm)、2’−O−リボシルグアノシン(ホスフェート)(Gr(p))、1−チオ−グアノシン、O6−メチル−グアノシン、2’−F−アラ−グアノシン、及び2’−F−グアノシンが挙げられる。
N−結合型グリコシル化部位変異体
ウイルスタンパク質のN−結合型グリカンは、免疫応答の調節に重要な役割を果たす。グリカンは、適切な抗原構造の維持及び潜在的中和エピトープの遮蔽に重要となる場合があり、またタンパク質のタンパク質分解感受性を変化させ得る。いくつかのウイルスは、推定上のN−結合型グリコシル化部位を有している。N−結合型グリコシル化部位の欠失または修飾により、免疫応答が高まる場合がある。それゆえ、いくつかの実施形態では、本開示は、1つまたは複数のN−結合型グリコシル化部位の欠失または修飾を含む抗原ポリペプチドをコードする核酸(例えば、mRNA)を含むRNA(例えば、mRNA)ワクチンを提供する。
RNA(例えば、mRNA)のインビトロ転写
本開示のSTDワクチンは、少なくとも1つのRNAポリヌクレオチド、例えば、mRNA(例えば、修飾mRNA)などを含む。例えば、mRNAは、「インビトロ転写鋳型」と呼ばれる鋳型DNAからインビトロで転写される。いくつかの実施形態では、インビトロ転写鋳型は5´非翻訳(UTR)領域をコードし、オープンリーディングフレームを含み、また3´UTR及びポリA尾部をコードする。特定の核酸配列組成物及びインビトロ転写鋳型の長さは、その鋳型によりコードされるmRNAによって決まる。
「5´非翻訳領域」(5´UTR)とは、ポリペプチドをコードしない開始コドン(すなわち、リボソームにより翻訳されたmRNA転写物の第1コドン)のすぐ上流(すなわち、5´)にあるmRNAの領域のことを意味する。
「3´非翻訳領域」(3´UTR)とは、ポリペプチドをコードしない終止コドン(すなわち、翻訳の終了を指示するmRNA転写物のコドン)のすぐ下流(すなわち、3´)にあるmRNAの領域のことを意味する。
「オープンリーディングフレーム」は、開始コドン(例えば、メチオニン(ATG))で始まり終止コドン(例えば、TAA、TAGまたはTGA)で終わるDNAの連続ストレッチであり、ポリペプチドをコードする。
「ポリA尾部」は、複数の連続したアデノシン一リン酸を含む3´UTRの下流、例えば、すぐ下流(すなわち、3´)にあるmRNAの領域である。ポリA尾部は、10〜300個のアデノシン一リン酸を含んでいてもよい。例えば、ポリA尾部は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290または300個のアデノシン一リン酸を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ポリA尾部は、50〜250個のアデノシン一リン酸を含む。適切な生物学的状況(例えば、細胞内、インビボ)において、ポリ(A)尾部は、例えば細胞質内において、mRNAを酵素分解から保護するように機能し、転写終了、mRNAの核外輸送、及び翻訳に役立つ。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、200〜3,000個のヌクレオチドを含む。例えば、ポリヌクレオチドは、200〜500、200〜1000、200〜1500、200〜3000、500〜1000、500〜1500、500〜2000、500〜3000、1000〜1500、1000〜2000、1000〜3000、1500〜3000または2000〜3000個のヌクレオチドを含んでいてもよい。
フラジェリンアジュバント
フラジェリンは、重合して細菌運動に関わる鞭毛を形成する、約500アミノ酸の単量体タンパク質である。フラジェリンは、様々な有鞭毛細菌(例えば、Salmonella typhimurium)に加え無鞭毛細菌(Escherichia coliなど)において発現する。自然免疫系細胞(樹状細胞、マクロファージなど)によるフラジェリンの認識には、Toll様受容体5(TLR5)に加えNod様受容体(NLR)Ipaf及びNaip5が関与している。TLR及びNLRは、自然免疫応答及び適応免疫応答の活性化に役割を果たしていることが確認されている。それゆえ、フラジェリンは、ワクチンにアジュバント効果をもたらす。
既知のフラジェリンポリペプチドをコードするヌクレオチド及びアミノ酸配列は、NCBI GenBankデータベースにおいて一般に利用可能である。とりわけ、S.Typhimurium、H.Pylori、V.Cholera、S.marcesens、S.flexneri、T.Pallidum、L.pneumophila、B.burgdorferei、C.difficile、R.meliloti、A.tumefaciens、R.lupini、B.clarridgeiae、P.Mirabilis、B.subtilus、L.monocytogenes、P.aeruginosa及びE.coli由来のフラジェリン配列が周知である。
本明細書で使用する場合、フラジェリンポリペプチドとは、全長フラジェリンタンパク質、その免疫原性断片、及び、フラジェリンタンパク質またはその免疫原性断片に対して少なくとも50%の配列同一性を有するペプチドのことを意味する。例示的なフラジェリンタンパク質としては、Salmonella typhi(UniPro登録番号:Q56086)、Salmonella typhimurium(A0A0C9DG09)、Salmonella enteritidis(A0A0C9BAB7)及びSalmonella choleraesuis(Q6V2X8)、ならびに、−56(表17)由来のフラジェリンが挙げられる。いくつかの実施形態では、フラジェリンポリペプチドは、フラジェリンタンパク質またはその免疫原性断片に対して、少なくとも60%、70%、75%、80%、90%、95%、97%、98%または99%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、フラジェリンポリペプチドは免疫原性断片である。免疫原性断片は、免疫応答を誘導するフラジェリンタンパク質の一部である。いくつかの実施形態では、免疫応答はTLR5免疫応答である。免疫原性断片の1つの例は、ヒンジ領域の全てまたは一部が欠失しているかまたはその他のアミノ酸に置換されているフラジェリンタンパク質である。例えば、抗原ポリペプチドは、ヒンジ領域内に挿入されていてもよい。ヒンジ領域は、フラジェリンの超可変領域である。フラジェリンのヒンジ領域はまた、「D3ドメインまたはD3領域」、「プロペラドメインまたはプロペラ領域」、「超可変ドメインまたは超可変領域」及び「可変ドメインまたは可変領域」とも呼ばれる。本明細書で使用する場合、「ヒンジ領域の少なくとも一部」とは、フラジェリンのヒンジ領域における任意の一部、または、ヒンジ領域の全体のことを意味する。その他の実施形態では、フラジェリンの免疫原性断片は、フラジェリンの20、25、30、35または40アミノ酸C末端断片である。
フラジェリン単量体は、ドメインD0〜D3により形成される。D0及びD1(幹を形成)は、タンデム状の長いアルファへリックスで構成されており、異なる細菌にわたり高く保存されている。D1ドメインは、TLR5の活性化に有用なアミノ酸のいくつかのストレッチを含む。完全なD1ドメイン、または、ドメイン内における1つまたは複数の活性化領域は、フラジェリンの免疫原性断片である。D1ドメイン内における免疫原性領域の例としては、残基88〜114及び残基411〜431(Salmonella typhimurium FliCフラジェリン内)が挙げられる。88〜100領域内の13アミノ酸において、TLR5活性化をなおも保存しているSalmonellaフラジェリンとその他フラジェリンとの間に少なくとも6つの置換が許容される。それゆえ、フラジェリンの免疫原性断片としては、TLR5を活性化させ、また、FliCの88〜100内のSalmonella配列(LQRVRELAVQSAN;配列番号:462)に対して53%またはそれ以上同一である13アミノ酸モチーフを含む、フラジェリン様配列が挙げられる。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、フラジェリン及び1つまたは複数の抗原ポリペプチドの融合タンパク質をコードするRNAを含む。本明細書で使用する場合、「融合タンパク質」とは、構築物の2つの構成成分の結合のことを意味する。いくつかの実施形態では、抗原ポリペプチドのカルボキシ末端は、フラジェリンポリペプチドのアミノ末端に融合または結合する。その他の実施形態では、抗原ポリペプチドのアミノ末端は、フラジェリンポリペプチドのカルボキシ末端に融合または結合する。融合タンパク質としては、例えば、1、2、3、4、5、6個またはそれ以上の抗原ポリペプチドに結合した1、2、3、4、5、6個またはそれ以上のフラジェリンポリペプチドが挙げられる。2個またはそれ以上のフラジェリンポリペプチド及び/または2個またはそれ以上の抗原ポリペプチドは結合し、このような構築物は「多量体」と呼ばれることもある。
融合タンパク質の構成成分のそれぞれは、互いに直接結合してもよく、または、リンカーを介して結合してもよい。例えば、リンカーはアミノ酸リンカーであってもよい。RNA(例えば、mRNA)ワクチンによりコードされる、融合タンパク質の構成成分を結合させるためのアミノ酸リンカーとしては、例えば、リジン残基、グルタミン酸残基、セリン残基及びアルギニン残基からなる群から選択される少なくとも1つの構成要素を挙げてもよい。いくつかの実施形態では、リンカーは、1〜30、1〜25、1〜25、5〜10、5、15または5〜20アミノ酸長である。
その他の実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、一方は1つまたは複数の抗原ポリペプチドをコードし、もう一方はフラジェリンポリペプチドをコードする、少なくとも2つの別々のRNAポリヌクレオチドを含む。少なくとも2つのRNAポリヌクレオチドを、脂質ナノ粒子などの担体で合剤としてもよい。
広域スペクトルRNA(例えば、mRNA)ワクチン
状況によっては、HPV株、HSV株及び/またはChlamydia株の複数に人が感染する危険性に曝される場合がある。RNA(例えば、mRNA)治療用ワクチンは、混合ワクチン接種方法に特に適しているが、これは、製造の迅速性、認識された地理的脅威に適応するようにワクチンを迅速に調整できることなどを含むが、これらに限定されない多数の要因を理由とする。さらに、RNAワクチンは人体を利用して抗原タンパク質を産生するため、ヒト対象において適切な折り畳み、表面発現、抗原提示などが可能である、大型で、より複雑な抗原タンパク質の産生に適している。HPV株、HSV株及び/またはChlamydia株の複数から防御するため、第1のSTDウイルスの少なくとも1つの抗原ポリペプチドタンパク質(またはその抗原部分)をコードするRNA(例えば、mRNA)を含み、第2のSTDウイルスの少なくとも1つの抗原ポリペプチドタンパク質(またはその抗原部分)をコードするRNAをさらに含む混合ワクチンを投与することができる。RNA(例えば、mRNA)は、例えば、単一の脂質ナノ粒子(LNP)中で合剤にすることも、または別々のLNPで製剤化して共投与することもできる。
治療方法
本明細書では、ヒト及びその他哺乳動物におけるSTDを予防及び/または治療するための組成物(例えば、医薬組成物)、方法、キット及び試薬を提供する。STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを、単独でまたはその他のワクチン(複数可)と組み合わせて、治療薬または予防薬として用いてもよい。STDを予防及び/または治療するための薬物に、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを用いてもよい。例示的な態様では、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンを用いて、HPV、HSV及び/またはChlamydiaに対する予防的防御を提供する。本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンの投与後に、HPV、HSV及び/またはChlamydiaに対する予防的防御を得ることができる。本開示のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを用いて、2つまたはそれ以上のSTD感染を含むウイルス「重感染」を治療または予防してもよい。ワクチンを1回、2回、3回、4回またはそれ以上の回数で投与してもよいが、ワクチンの投与は1回(任意選択的に、続けて単回のブースター)で十分であると考えられる。あまり望ましいことではないが、感染個体にワクチンを投与して治療応答を得ることも可能である。適宜、投与量の調整が必要となる場合がある。
本開示の態様では、HPV、HSV及び/またはChlamydiaに対する対象内の免疫応答を誘導するための方法を提供する。方法は、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、HSV抗原ポリペプチド、及び/または、少なくとも1つのChlamydia抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含むSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを対象に投与することにより、対象内に、HPV、HSV及び/またはChlamydia抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片に特異的な免疫応答を誘導することを含み、ワクチン接種後、HPV、HSV及び/またはChlamydiaに対する予防的有効量の従来型ワクチンを接種した対象内の抗抗原ポリペプチド抗体価と比較して、対象内の抗抗原ポリペプチド抗体価は増加する。「抗抗原ポリペプチド抗体」は、抗原ポリペプチドに対して特異的に結合する血清抗体である。
いくつかの実施形態では、免疫応答を誘導可能なRNA(例えば、mRNA)ワクチン(例えば、HPV RNAワクチン、HSV RNAワクチン、または、Chlamydia RNAワクチン)を、式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)または(IIe)の化合物(例えば、化合物3、18、20、25、26、29、30、60、108〜112、または122)を含む組成物を介して、筋肉内投与または鼻腔内投与する。
予防的有効量とは、臨床的に許容されるレベルでウイルス感染を予防する治療的有効量のことである。いくつかの実施形態では、治療的有効量とは、ワクチンの添付文書に記載した用量のことである。本発明で使用する場合、「従来型ワクチン」とは、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチン以外のワクチンのことを意味する。例えば、従来型ワクチンとしては、生/弱毒微生物ワクチン、死菌/不活化微生物ワクチン、サブユニットワクチン、タンパク質抗原ワクチン、DNAワクチン、VLPワクチンなどが挙げられるがこれらに限定されない。例示的な実施形態では、従来型ワクチンとは、規制認可を受けた、及び/または、国内の薬物規制機関、例えば、米国内の食品医薬品局(FDA)または欧州医薬品庁(EMA)に登録されているワクチンである。
いくつかの実施形態では、対象内の抗抗原ポリペプチド抗体価は、ワクチン接種後、HPV、HSV及び/またはChlamydiaに対する予防的有効量の従来型ワクチンを接種した対象内の抗抗原ポリペプチド抗体価と比較して、1対数〜10対数増加する。
いくつかの実施形態では、対象内の抗抗原ポリペプチド抗体価は、ワクチン接種後、HPV、HSV及び/またはChlamydiaに対する予防的有効量の従来型ワクチンを接種した対象内の抗抗原ポリペプチド抗体価と比較して、1対数、2対数、3対数、5対数または10対数増加する。
本開示のその他の態様では、HPV、HSV及び/またはChlamydiaに対する対象内の免疫応答を誘導するための方法を提供する。方法は、少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチド、HSV抗原ポリペプチド、及び/または、Chlamydia抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含むSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを対象に投与することにより、対象内に、HPV抗原ポリペプチド、HSV抗原ポリペプチド、及び/または、Chlamydia抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片に特異的な免疫応答を誘導することを含み、対象内の免疫応答は、RNA(例えば、mRNA)ワクチンと比較して2倍〜100倍の投与濃度で、HPV、HSV及び/またはChlamydiaに対する従来型ワクチンを用いてワクチン接種を行った対象内の免疫応答と同等である。
いくつかの実施形態では、対象内の免疫応答は、HPV、HSV及び/またはChlamydiaRNA(例えば、mRNA)ワクチンと比較して2、3、4、5、10、50、100倍の投与濃度で、従来型ワクチンを用いてワクチン接種を行った対象内の免疫応答と同等である。
いくつかの実施形態では、対象内の免疫応答は、HPV、HSV及び/またはChlamydiaRNA(例えば、mRNA)ワクチンと比較して10〜100倍または100〜1000倍の投与濃度で、従来型ワクチンを用いてワクチン接種を行った対象内の免疫応答と同等である。
いくつかの実施形態では、対象内の[タンパク質]抗体価を測定することにより免疫応答を評価する。
本開示のいくつかの態様は、少なくとも1つのHPV、HSV及び/またはChlamydia抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含むSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを対象に投与することにより、対象内に、抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片に特異的な免疫応答を誘導して、HPV、HSV及び/またはChlamydiaRNA(例えば、mRNA)ワクチンと比較して2、3、4、5、10、50、100倍の投与濃度で従来型ワクチンを用いてワクチン接種を行った対象内の免疫応答と同等である、対象内の免疫応答を誘導するための方法を提供し、対象内の免疫応答は、HPV、HSV及び/またはChlamydiaに対する予防的有効量の従来型ワクチンを用いてワクチン接種を行った対象内に誘導された免疫応答と比較して、2日〜10週早く誘導される。いくつかの実施形態では、対象内の免疫応答は、RNA(例えば、mRNA)ワクチンと比較して2倍〜100倍の投与濃度で、予防的有効量の従来型ワクチンを用いてワクチン接種を行った対象内において誘導される。
いくつかの実施形態では、対象内の免疫応答は、予防的有効量の従来型ワクチンを用いてワクチン接種を行った対象内に誘導された免疫応答と比較して、2日早くまたは3日早く誘導される。
いくつかの実施形態では、対象内の免疫応答は、予防的有効量の従来型ワクチンを用いてワクチン接種を行った対象内に誘導された免疫応答と比較して、1週、2週、3週、5週または10週早く誘導される。
本明細書ではまた、第1の抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有するSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを対象に投与することにより、HPV、HSV及び/またはChlamydiaに対する対象内の免疫応答を誘導するための方法を提供し、RNAポリヌクレオチドは安定化要素を含まず、アジュバントはワクチンと合剤とされないかまたは共投与されない。
治療組成物及び予防組成物
本明細書では、例えば、ヒト及びその他哺乳動物におけるHPV、HSV及び/またはChlamydiaを予防、治療または診断するための組成物(例えば、医薬組成物)、方法、キット及び試薬を提供する。STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを治療薬または予防薬として用いてもよい。感染症を予防及び/または治療するための薬物に、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを用いてもよい。いくつかの実施形態では、本開示の呼吸器RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、免疫エフェクター細胞の初回免疫を行うために、例えば、末梢血単核球(PBMC)をex vivoで活性化させるために用いられる(その後、対象内へと注入(再注入)される)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを含有するSTDワクチンを対象(例えば、哺乳動物の対象、例えば、ヒト対象など)に投与して、RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドをインビボで翻訳し抗原ポリペプチドを産生させてもよい。
細胞、組織または生物内のポリペプチド(例えば、抗原または免疫原)を翻訳するために、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを誘導してもよい。このような翻訳はex vivo、培地またはインビトロで生じ得るが、いくつかの実施形態では、このような翻訳はインビボで生じる。いくつかの実施形態では、細胞、組織または生物を、抗原ポリペプチドをコードする少なくとも1つの翻訳可能領域を有するポリヌクレオチドを含有するSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを含有する有効量の組成物と接触させる。
標的組織、標的細胞型、投与方法、ポリヌクレオチドの物理的特性(例えば、修飾ヌクレオシドのサイズ及び長さ)、及びワクチンのその他構成成分、ならびに、その他の決定因子の少なくとも一部に基づいた、「有効量」のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを提供する。通常、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチン組成物は、好ましくは、同一抗原またはペプチド抗原をコードする対応する非修飾ポリヌクレオチドを含有する組成物よりも効率的に、細胞内の抗原を産生する役割を果たす誘導免疫応答またはブースター免疫応答をもたらす。細胞トランスフェクションの向上(RNA(例えば、mRNA)ワクチンにトランスフェクションした細胞の割合)、ポリヌクレオチドからのタンパク質翻訳の増加、核酸分解の抑制(例えば、修飾ポリヌクレオチドからのタンパク質翻訳の期間増加により実証される)、または宿主細胞の抗原特異的免疫応答の変化により、抗原産生の亢進を実証してもよい。
いくつかの実施形態では、本開示によるRNA(例えば、mRNA)ワクチン(そのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む)を、HPV、HSV及び/またはChlamydiaの治療に用いてもよい。
能動免疫法の一部として、健康な個体に、または、培養期間中の、または症状発症後、活動性感染中の感染初期段階の個体に、呼吸器RNA(例えば、mRNA)ワクチンを予防的または治療的に投与してもよい。いくつかの実施形態では、細胞、組織または対象に提供する本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンの量は、免疫予防に有効な量であってもよい。
その他の予防用化合物または治療用化合物と共に、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを投与してもよい。非限定例として、予防用化合物または治療用化合物は、アジュバントまたはブースターであってもよい。本明細書で使用し、ワクチンなどの予防用組成物に言及する場合、用語「ブースター」とは、予防用(ワクチン)組成物の追加投与のことを意味する。最初に予防用組成物を投与した後に、ブースター(またはブースターワクチン)を投与してもよい。最初の予防用組成物投与とブースター投与との間の投与間隔は、限定するわけではないが、1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、15分間、20分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日間、36時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、10日間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間、18ヶ月間、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間、7年間、8年間、9年間、10年間、11年間、12年間、13年間、14年間、15年間、16年間、17年間、18年間、19年間、20年間、25年間、30年間、35年間、40年間、45年間、50年間、55年間、60年間、65年間、70年間、75年間、80年間、85年間、90年間、95年間または99年間以上であってもよい。いくつかの実施形態では、最初の予防用組成物投与とブースター投与との間の投与間隔は、限定するわけではないが、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間または1年間であってもよい。
いくつかの実施形態では、当該技術分野において周知の不活化ワクチンの投与と同様、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを、筋肉内に、皮膚内にまたは鼻腔内に投与してもよい。
STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、感染の蔓延、またはアンメットメディカルニーズの程度もしくはレベルに応じて様々な状況で利用することができる。非限定例として、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを利用して、様々なSTDを治療及び/または予防してもよい。RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、市販の抗ウイルス薬/組成物よりもはるかに高い抗体価を生じさせ、より早く応答を引き起こすという点で優れた特性を有している。
本明細書では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチン、RNA(例えば、mRNA)ワクチン組成物、及び/または、任意選択的に1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤と組み合わせた複合体を含む医薬組成物を提供する。
HPV、HSV及び/またはChlamydia RNA(例えば、mRNA)ワクチンを製剤化してもよく、または、単剤でまたは1つまたは複数のその他構成成分と共に投与してもよい。例えば、HPV、HSV及び/またはChlamydia RNA(例えば、mRNA)ワクチン(ワクチン組成物)は、アジュバントを含むがこれらに限定されないその他構成成分を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、STD(例えば、mRNA)ワクチンはアジュバントを含まない(アジュバントフリー)。
STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを製剤化してもよく、または、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤と共に投与してもよい。いくつかの実施形態では、ワクチン組成物は、少なくとも1つの追加活性物質、例えば、治療用活性物質、予防用活性物質、または両者の組み合わせなどを含む。ワクチン組成物は、滅菌、発熱性物質非含有であってもよく、または、滅菌及び発熱性物質非含有の両方であってもよい。薬剤(ワクチン組成物など)の配合及び/または製造に関する一般的な検討については、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 21st ed.,Lippincott Williams & Wilkins,2005を参考にしてもよい(その全体は本明細書に参照として組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを、ヒト、ヒト患者またはヒト対象に投与する。本開示の目的において、語句「活性成分」とは通常、RNA(例えば、mRNA)ワクチンまたはその中に含まれるポリヌクレオチド、例えば、抗原ポリペプチドをコードするRNAポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチド)のことを意味する。
本明細書に記載のSTDワクチン組成物の製剤は、薬理学分野において周知の任意の方法または今後開発される方法を用いて調製することができる。通常、このような調製方法は、活性成分(例えば、mRNAポリヌクレオチド)を添加剤及び/または1つまたは複数のその他補助成分と結合させてから、必要に応じて及び/または望ましい場合、その生成物に対して分離、成形及び/または包装を施して所望の単回用量単位または複数回用量単位とする工程を含む。
本開示による医薬組成物中における活性成分、薬学的に許容される添加剤、及び/または、任意の追加成分の相対量は、治療する対象の個性、サイズ及び症状に応じて変化し、さらに、組成物の投与経路に応じて変化する。例として、組成物は、0.1%〜100%、例えば、0.5〜50%、1〜30%、5〜80%、少なくとも80%(重量/重量)の活性成分を含んでいてもよい。
安定性を向上させるために、細胞トランスフェクションを向上させるために、持続性放出または遅延放出(例えば、デポー製剤から)を可能とするために、体内分布(例えば、特定の組織または細胞型を標的とする)を変化させるために、コードされたタンパク質のインビボ翻訳を増加させるために、及び/または、コードされたタンパク質(抗原)のインビボ放出特性を変化させるために、1つまたは複数の添加剤を用いて、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを製剤化してもよい。全ての溶媒、分散媒、希釈剤またはその他液体溶媒、分散助剤または懸濁助剤、界面活性剤、等張化剤、増粘剤または乳化剤、防腐剤など通常の添加剤に加えて、添加剤としては、リピドイド、リポソーム、脂質ナノ粒子、ポリマー、リポプレックス、コアシェルナノ粒子、ペプチド、タンパク質、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンをトランスフェクションした細胞(例えば、対象に移植するための)、ヒアルロニダーゼ、ナノ粒子模倣体、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
安定化要素
真核細胞の天然mRNA分子は、その5´末端(5´UTR)及び/またはその3´末端(3´UTR)の非翻訳領域(UTR)に加え、その他の構造的特徴(5´キャップ構造または3´ポリ(A)尾部など)を含むがこれらに限定されない安定化要素を含むことが分かっている。5´UTR及び3´UTRの両方は通常、ゲノムDNAから転写され、また未成熟mRNAの要素である。成熟mRNAに固有な構造的特徴、例えば、5´キャップ及び3´ポリ(A)尾部などは通常、mRNAプロセシング中に転写(未成熟)mRNAへと付加される。3´ポリ(A)尾部とは通常、転写済みmRNAの3´末端に付加されたアデニンヌクレオチドのストレッチのことである。3´ポリ(A)尾部は、最大約400個のアデニンヌクレオチドを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、3´ポリ(A)尾部の長さは、個々のmRNAの安定性における不可欠な要素であってもよい。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、1つまたは複数の安定化要素を含んでいてもよい。安定化要素としては、例えば、ヒストンステムループを挙げてもよい。ステムループ結合タンパク質(SLBP)(32kDaのタンパク質)が同定されている。ステムループ結合タンパク質は、核内及び細胞質内の両方におけるヒストンメッセージの3´末端において、ヒストンステムループと結合している。ステムループ結合タンパク質の発現レベルは細胞周期により制御され、ヒストンmRNAレベルもまた上昇するS期中にピークに達する。ステムループ結合タンパク質は、U7 snRNPによる効率的な、ヒストンプレmRNAの3´末端プロセシングに不可欠であることが分かっている。SLBPはプロセシング後もステムループとの結合を維持し、その後、細胞質内において、成熟ヒストンmRNAのヒストンタンパク質への翻訳を促進する。SLBPのRNA結合ドメインは後生動物及び原生動物全体に保存されており、ヒストンステムループへのその結合性はループ構造によって決まる。最小の結合部位としては、ステムループに対して少なくとも3つのヌクレオチド5´及び2つのヌクレオチド3´が挙げられる。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、コード領域、少なくとも1つのヒストンステムループ、及び任意選択的に、ポリ(A)配列またはポリアデニル化シグナルを含む。ポリ(A)配列またはポリアデニル化シグナルは通常、コードされたタンパク質の発現レベルを高めるはずである。いくつかの実施形態では、コードされたタンパク質は、ヒストンタンパク質、レポータータンパク質(例えば、ルシフェラーゼ、GFP、EGFP、β−ガラクトシダーゼ)、または、マーカータンパク質もしくは選択タンパク質(例えば、α−グロビン、ガラクトキナーゼ及びキサンチン:グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(GPT))ではない。
いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列またはポリアデニル化シグナル、及び、少なくとも1つのヒストンステムループの組み合わせは、本質的に両方とも代替的な機構ではあるが、相乗的に作用して、個々の要素のいずれかにおいて観察されるレベル以上にタンパク質発現を増加させる。ポリ(A)及び少なくとも1つのヒストンステムループの組み合わせによる相乗効果はポリ(A)配列の要素順または長さに依存しないということが分かっている。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、ヒストン下流要素(HDE)を含まない。「ヒストン下流要素」(HDE)は、U7 snRNAの結合部位である、天然ステムループにおける約15〜20ヌクレオチド3´のプリンリッチなポリヌクレオチドストレッチを含み、ヒストンプレmRNAの成熟ヒストンmRNAへのプロセシングに関与する。理想的には、本発明の核酸はイントロンを含まない。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、エンハンサー配列及び/またはプロモーター配列を含んでいてもいなくてもよく、修飾されていても非修飾されていてもよく、または、活性化していても不活化していてもよい。いくつかの実施形態では、ヒストンステムループは通常、ヒストン遺伝子に由来しており、構造体のループを形成する短配列を含む(例えば、短配列からなる)スペーサーにより分離された、部分的または完全に逆相補である2本の隣接配列の分子内塩基対を含む。不対ループ領域は通常、ステムループ要素の一方と塩基対合することができない。ヒストンステムループは、RNAにおいてより頻繁に生じる(ほとんどのRNA二次構造における主要構成要素)が、一本鎖DNAにおいても同様に存在し得る。ステムループ構造の安定性は通常、長さ、ミスマッチまたはバルジの数、及び対領域の塩基組成に依存する。いくつかの実施形態では、ゆらぎ塩基対(非ワトソンクリック型塩基対)が生じ得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのヒストンステムループ配列は、15〜45ヌクレオチドの長さを含む。
その他の実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、1つまたは複数のAUリッチ配列を除去していてもよい。AURESと呼ばれることもあるこれらの配列は、3´UTR内に見られる不安定化配列である。RNA(例えば、mRNA)ワクチンからAURESを除去してもよい。あるいは、RNA(例えば、mRNA)ワクチン内にAURESを残しておいてもよい。
ナノ粒子製剤
いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、ナノ粒子で製剤化される。いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、脂質ナノ粒子で製剤化される。いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、カチオン性脂質ナノ粒子と呼ばれる脂質−ポリカチオン複合体で製剤化される。非限定例として、ポリカチオンとしては、カチオン性ペプチドまたはカチオン性ポリペプチド(限定するわけではないが例えば、ポリリジン、ポリオルニチン及び/またはポリアルギニンなど)を挙げてもよい。いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、非カチオン性脂質(限定するわけではないが例えば、コレステロールまたはジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)など)を含む脂質ナノ粒子で製剤化される。
脂質ナノ粒子製剤は、限定するわけではないが、カチオン性脂質構成成分の選択、カチオン性脂質の飽和度、PEG化の特性、全構成成分の比率、及び、生物物理パラメータ(サイズなど)に影響を受ける場合がある。Semple et al.(Nature Biotech.2010 28:172−176)による1つの例において、脂質ナノ粒子製剤は、57.1%のカチオン性脂質、7.1%のジパルミトイルホスファチジルコリン、34.3%のコレステロール、及び、1.4%のPEG−c−DMAで構成される。別の例においては、カチオン性脂質の組成物を変えることにより、様々な抗原提示細胞へとより効果的にsiRNAを送達することが可能となっている(Basha et al.Mol Ther.2011 19:2186−2200)。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、35〜45%のカチオン性脂質、40%〜50%のカチオン性脂質、50%〜60%のカチオン性脂質、及び/または、55%〜65%のカチオン性脂質を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子中における脂質とRNA(例えば、mRNA)の比率は、5:1〜20:1、10:1〜25:1、15:1〜30:1、及び/または、少なくとも30:1であってもよい。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤中におけるPEGの比率を増加または減少させてもよく、及び/または、PEG脂質の炭素鎖長をC14からC18に調節して脂質ナノ粒子製剤の薬物動態及び/または体内分布を変化させてもよい。非限定例として、脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質、DSPC及びコレステロールと比較して、0.5%〜3.0%、1.0%〜3.5%、1.5%〜4.0%、2.0%〜4.5%、2.5%〜5.0%及び/または3.0%〜6.0%の脂質モル比のPEG−c−DOMG(R−3−[(ω−メトキシ−ポリ(エチレングリコール)2000)カルバモイル)]−1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−アミン)(本明細書ではまた、PEG−DOMGと呼ぶ)を含有していてもよい。いくつかの実施形態では、PEG−c−DOMGをPEG脂質で、限定するわけではないが例えば、PEG−DSG(1、2−ジステアロイル−sn−グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)、PEG−DMG(1,2−ジミリストイル−sn−グリセロール)、及び/または、PEG−DPG(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)で置換してもよい。カチオン性脂質は、当該技術分野において周知の任意の脂質、限定するわけではないが例えば、DLin−MC3−DMA、DLin−DMA、C12−200及びDLin−KC2−DMAから選択してもよい。
いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチン製剤は、少なくとも1つの脂質を含むナノ粒子である。脂質は、限定するわけではないが、DLin−DMA、DLin−K−DMA、98N12−5、C12−200、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMA、DODMA、PLGA、PEG、PEG−DMG、PEG化脂質及びアミノアルコール脂質から選択してもよい。いくつかの実施形態では、脂質は、カチオン性脂質、限定するわけではないが例えば、DLin−DMA、DLin−D−DMA、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMA、DODMA及びアミノアルコール脂質であってもよい。アミノアルコールカチオン性脂質は、米国特許公開番号US20130150625に記載の脂質、及び/または、米国特許公開番号US20130150625に記載の方法で調製される脂質であってもよい(その全体は本明細書に参照として組み込まれる)。非限定例として、カチオン性脂質は、2−アミノ−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z,2Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(US20130150625の化合物1)、2−アミノ−3−[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(US20130150625の化合物2)、2−アミノ−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−[(オクチルオキシ)メチル]プロパン−1−オール(US20130150625の化合物3)、及び、2−(ジメチルアミノ)−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(US20130150625の化合物4)、または任意の薬学的に許容される塩もしくはその立体異性体であってもよい。
脂質ナノ粒子製剤は通常、脂質、特に、イオン化カチオン性脂質、例えば、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、または、ジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)を含み、さらに、中性脂質、ステロール、及び、粒子の凝集を緩和することができる分子、例えば、PEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、(i)2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される少なくとも1つの脂質、(ii)DSPC、DPPC、POPC、DOPE及びSMから選択される中性脂質、(iii)ステロール、例えば、コレステロール、及び、(iv)PEG脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMA、から本質的になる(20〜60%のカチオン性脂質、5〜25%の中性脂質、25〜55%のステロール、0.5〜15%のPEG脂質のモル比)。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される、モル基準で25%〜75%の、例えば、モル基準で35〜65%、45〜65%、60%、57.5%、50%または40%のカチオン性脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で0.5%〜15%の、例えば、モル基準で3〜12%、5〜10%、5〜15%、10%または7.5%の中性脂質を含む。中性脂質の例としては、DSPC、POPC、DPPC、DOPE及びSMが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、製剤は、モル基準で5%〜50%の、例えば、モル基準で15〜45%、20〜40%、40%、38.5%、35%または31%のステロールを含む。ステロールの非限定例はコレステロールである。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で0.5%〜20%の、例えば、モル基準で0.5〜10%、0.5〜5%、1.5%、0.5%、1.5%、3.5%または5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。いくつかの実施形態では、PEGまたはPEG修飾脂質は、平均分子量2,000DaのPEG分子を含む。いくつかの実施形態では、PEGまたはPEG修飾脂質は、平均分子量2,000未満の、例えば、約1,500Da、約1,000Daまたは約500DaのPEG分子を含む。PEG修飾脂質の非限定例としては、PEG−ジステアロイルグリセロール(PEG−DMG)(本明細書ではまた、PEG−C14またはC14−PEGと呼ぶ)、PEG−cDMA(Reyes et al.J.Controlled Release,107,276−287(2005)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)においてさらに記載されている)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される25〜75%のカチオン性脂質、0.5〜15%の中性脂質、5〜50%のステロール、及び、0.5〜20%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される35〜65%のカチオン性脂質、3〜12%の中性脂質、15〜45%のステロール、及び、0.5〜10%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される45〜65%のカチオン性脂質、5〜10%の中性脂質、25〜40%のステロール、及び、0.5〜10%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される60%のカチオン性脂質、7.5%の中性脂質、31%のステロール、及び、1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される50%のカチオン性脂質、10%の中性脂質、38.5%のステロール、及び、1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される50%のカチオン性脂質、10%の中性脂質、35%のステロール、4.5%または5%のPEGまたはPEG修飾脂質、及び、0.5%のターゲティング脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される40%のカチオン性脂質、15%の中性脂質、40%のステロール、及び、5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される57.2%のカチオン性脂質、7.1%の中性脂質、34.3%のステロール、及び、1.4%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で、PEG脂質、PEG−cDMA(PEG−cDMAは、Reyes et al.J.Controlled Release,107,276−287(2005)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)においてさらに記載されている)から選択される57.5%のカチオン性脂質、7.5%の中性脂質、31.5%のステロール、及び、3.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、20〜70%のカチオン性脂質、5〜45%の中性脂質、20%〜55%のコレステロール、0.5〜15%のPEG修飾脂質のモル比の脂質混合物から本質的になる。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、20〜60%のカチオン性脂質、5〜25%の中性脂質、25%〜55%のコレステロール、0.5〜15%のPEG修飾脂質のモル比の脂質混合物から本質的になる。
いくつかの実施形態では、脂質モル比は、50/10/38.5/1.5(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMG、PEG−DSGまたはPEG−DPG)、57.2/7.1134.3/1.4(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DPPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−cDMA)、40/15/40/5(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMG)、50/10/35/4.5/0.5(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DSG)、50/10/35/5(カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMG)、40/10/40/10(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMA)、35/15/40/10(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMA)、または、52/13/30/5(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMA)である。
脂質ナノ粒子組成物及びそれらの調製方法についての非限定例は、例えば、Semple et al.(2010)Nat.Biotechnol.28:172−176;Jayarama et al.(2012),Angew.Chem.Int.Ed.,51:8529−8533;及び、Maier et al.(2013)Molecular Therapy 21,1570−1578に記載されている(それぞれの内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質、PEG脂質及び構造脂質を含んでいてもよく、また任意選択的に、非カチオン性脂質を含んでいてもよい。非限定例として、脂質ナノ粒子は、40〜60%のカチオン性脂質、5〜15%の非カチオン性脂質、1〜2%のPEG脂質、及び、30〜50%の構造脂質を含んでいてもよい。別の非限定例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質、10%の非カチオン性脂質、1.5%のPEG脂質、及び、38.5%の構造脂質を含んでいてもよい。さらに別の非限定例として、脂質ナノ粒子は、55%のカチオン性脂質、10%の非カチオン性脂質、2.5%のPEG脂質、及び、32.5%の構造脂質を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、本明細書に記載する任意のカチオン性脂質、限定するわけではないが例えば、DLin−KC2−DMA、DLin−MC3−DMA及びL319であってもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子製剤は、4構成成分の脂質ナノ粒子であってもよい。脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質及び構造脂質を含んでいてもよい。非限定例として、脂質ナノ粒子は、40〜60%のカチオン性脂質、5〜15%の非カチオン性脂質、1〜2%のPEG脂質、及び、30〜50%の構造脂質を含んでいてもよい。別の非限定例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質、10%の非カチオン性脂質、1.5%のPEG脂質、及び、38.5%の構造脂質を含んでいてもよい。さらに別の非限定例として、脂質ナノ粒子は、55%のカチオン性脂質、10%の非カチオン性脂質、2.5%のPEG脂質、及び、32.5%の構造脂質を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、本明細書に記載する任意のカチオン性脂質、限定するわけではないが例えば、DLin−KC2−DMA、DLin−MC3−DMA及びL319であってもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質及び構造脂質を含んでいてもよい。非限定例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質DLin−KC2−DMA、10%の非カチオン性脂質DSPC、1.5%のPEG脂質PEG−DOMG、及び、38.5%の構造脂質コレステロールを含む。非限定例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質DLin−MC3−DMA、10%の非カチオン性脂質DSPC、1.5%のPEG脂質PEG−DOMG、及び、38.5%の構造脂質コレステロールを含む。非限定例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質DLin−MC3−DMA、10%の非カチオン性脂質DSPC、1.5%のPEG脂質PEG−DMG、及び、38.5%の構造脂質コレステロールを含む。さらに別の非限定例として、脂質ナノ粒子は、55%のカチオン性脂質L319、10%の非カチオン性脂質DSPC、2.5%のPEG脂質PEG−DMG、及び、32.5%の構造脂質コレステロールを含む。
ワクチン組成物中における活性成分、薬学的に許容される添加剤、及び/または、任意の追加成分の相対量は、治療する対象の個性、サイズ及び症状に応じて変化してもよく、さらに、組成物の投与経路に応じて変化してもよい。例えば、組成物は、0.1%〜99%(重量/重量)の活性成分を含んでいてもよい。例として、組成物は、0.1%〜100%、例えば、0.5〜50%、1〜30%、5〜80%、少なくとも80%(重量/重量)の活性成分を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチン組成物は、MC3、コレステロール、DSPC及びPEG2000−DMGを含む脂質ナノ粒子で製剤化された本明細書に記載のポリヌクレオチド、クエン酸三ナトリウム緩衝液、スクロース、ならびに、注射用蒸留水を含んでいてもよい。非限定例として、組成物は、2.0mg/mLの薬物、21.8mg/mLのMC3、10.1mg/mLのコレステロール、5.4mg/mLのDSPC、2.7mg/mLのPEG2000−DMG、5.16mg/mLのクエン酸三ナトリウム、71mg/mLのスクロース、及び、1.0mLの注射用蒸留水を含む。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子)は、10〜500nm、20〜400nm、30〜300nm、40〜200nmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子)は、50〜150nm、50〜200nm、80〜100nmまたは80〜200nmの平均粒径を有する。
リポソーム、リポプレックス及び脂質ナノ粒子
本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、1つまたは複数のリポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子を用いて製剤化することができる。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンの医薬組成物はリポソームを含む。リポソームは、主に脂質二重層で構成され得る人工的に調製されたベシクルであり、栄養素及び医薬品製剤を投与するための送達媒体として用いてもよい。リポソームは、異なるサイズであってもよく、限定するわけではないが例えば、マルチラメラベシクル(MLV)(直径数百ナノメートルであってもよく、狭い水性区画により隔てられた一連の同心二重層を含んでいてもよい)、スモールユニセルラーベシクル(SUV)(直径50nm未満であってもよい)、及び、ラージユニラメラベシクル(LUV)(直径50〜500nmであってもよい)であってもよい。リポソーム設計としては、限定するわけではないが、病的組織へのリポソーム吸着性を向上させるための、または、限定するわけではないが例えば、エンドサイトーシスなどの現象を活性化させるための、オプソニンまたはリガンドを挙げてもよい。リポソームは、医薬品製剤の送達を向上させるために、低pHまたは高pHを含んでいてもよい。
リポソームの形成は、物理化学的特性(限定するわけではないが例えば、取り込んだ医薬品製剤、及びリポソーム成分)、脂質ベシクルが分散する溶媒の性質、取り込んだ薬物の効果的な濃度及びその潜在的毒性、ベシクルの投与及び/または送達中に関わる任意の別のプロセス、目的用途におけるベシクルの最適化サイズ、多分散度及び有効期間、ならびに、安全かつ効率的なリポソーム製品におけるバッチ間再現性及び大量生産の実現性に依存し得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物としては、1,2−ジオレイルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DODMA)リポソーム、Marina Biotech(Bothell,WA)製のDiLa2リポソーム、1,2−ジリノレイルオキシ−3−ジメチルアミノプロパン(DLin−DMA)、2,2−ジリノレイル−4−(2−ジメチルアミノエチル)−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、及びMC3(US20100324120;その全体は本明細書に参照として組み込まれる)などから形成されるようなリポソーム、ならびに、小分子薬物を送達可能なリポソーム(限定するわけではないが例えば、Janssen Biotech,Inc.(Horsham,PA)製のDOXIL(登録商標))を挙げてもよいがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物としては、上で記載し、インビトロ及びインビボでのオリゴヌクレオチド送達に好適であることが分かっている安定化プラスミド−脂質粒子(SPLP)または安定化核酸脂質粒子(SNALP)の合成から形成されるようなリポソームを挙げてもよいがこれらに限定されない(Wheeler et al.Gene Therapy.1999 6:271−281;Zhang et al.Gene Therapy.1999 6:1438−1447;Jeffs et al.Pharm Res.2005 22:362−372;Morrissey et al.,Nat Biotechnol.2005 2:1002−1007;Zimmermann et al.,Nature.2006 441:111−114;Heyes et al.J Contr Rel.2005 107:276−287;Semple et al.Nature Biotech.2010 28:172−176;Judge et al.J Clin Invest.2009 119:661−673;deFougerolles Hum Gene Ther.2008 19:125−132;米国特許公開番号US20130122104を参照されたい(それら全体は参照として本明細書に組み込まれる))。Wheeler et al.による当初の製造方法は界面活性剤透析法であり、後にJeffs et al.により改良され、自発的ベシクル形成法と呼ばれている。リポソーム製剤は、3〜4種類の脂質構成成分に加えてポリヌクレオチドで構成される。1つの例として、限定するわけではないが、リポソームは、Jeffs et al.が記載しているように、55%のコレステロール、20%のジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、10%のPEG−S−DSG、及び、15%の1,2−ジオレイルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DODMA)を含んでいてもよい。別の例としては、特定のリポソーム製剤は、限定するわけではないが、48%のコレステロール、20%のDSPC、2%のPEG−c−DMA、及び、30%のカチオン性脂質を含んでいてもよく、カチオン性脂質は、Heyes et al.が記載しているように、1,2−ジステアロイルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DSDMA)、DODMA、DLin−DMA、または、1,2−ジリノレニルオキシ−3−ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)であってもよい。
いくつかの実施形態では、リポソーム製剤は、約25.0%のコレステロール〜約40.0%のコレステロール、約30.0%のコレステロール〜約45.0%のコレステロール、約35.0%のコレステロール〜約50.0%のコレステロール、及び/または、約48.5%のコレステロール〜約60%のコレステロールを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、製剤は、28.5%、31.5%、33.5%、36.5%、37.0%、38.5%、39.0%及び43.5%からなる群から選択されるコレステロールの割合を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、製剤は、約5.0%〜約10.0%のDSPC、及び/または、約7.0%〜約15.0%のDSPCを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチン医薬組成物は、限定するわけではないが例えば、DiLa2リポソーム(Marina Biotech,Bothell,WA)、SMARTICLES(登録商標)(Marina Biotech,Bothell,WA)、中性DOPC(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)ベースのリポソーム(例えば、卵巣癌用のsiRNA送達(Landen et al.Cancer Biology & Therapy 2006 5(12)1708−1713)(その全体は本明細書に参照として組み込まれる))、及び、ヒアルロナン被覆リポソーム(Quiet Therapeutics,Israel)などのリポソームで製剤化されてもよい。
いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、米国特許出願番号20130090372に記載されるもののような低分子量のカチオン性脂質であってもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは脂質ベシクルで製剤化されてもよく、その脂質ベシクルは官能化脂質二重層間に架橋を有していてもよい。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、脂質−ポリカチオン複合体で製剤化されてもよい。脂質−ポリカチオン複合体の形成は、当該技術分野において周知の方法、及び/または、米国公開番号20120178702に記載の方法を用いて実施されてもよい(その全体は本明細書に参照として組み込まれる)。非限定例として、ポリカチオンとしては、カチオン性ペプチドまたはカチオン性ポリペプチド(限定するわけではないが例えば、ポリリジン、ポリオルニチン及び/またはポリアルギニンなど)を挙げてもよい。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは脂質−ポリカチオン複合体で製剤化されてもよく、その脂質−ポリカチオン複合体は、限定するわけではないが例えば、コレステロールまたはジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)などの非カチオン性脂質をさらに含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子(LNP)製剤中におけるPEGの比率を増加または減少させてもよく、及び/または、PEG脂質の炭素鎖長をC14からC18に調節してLNP製剤の薬物動態及び/または体内分布を変化させてもよい。非限定例として、LNP製剤は、カチオン性脂質、DSPC及びコレステロールと比較して、約0.5%〜約3.0%、約1.0%〜約3.5%、約1.5%〜約4.0%、約2.0%〜約4.5%、約2.5%〜約5.0%、及び/または、約3.0%〜約6.0%の脂質モル比のPEG−c−DOMG(R−3−[(ω−メトキシ−ポリ(エチレングリコール)2000)カルバモイル)]−1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−アミン)(本明細書ではまた、PEG−DOMGと呼ぶ)を含有していてもよい。いくつかの実施形態では、PEG−c−DOMGをPEG脂質で、限定するわけではないが例えば、PEG−DSG(1、2−ジステアロイル−sn−グリセロール,メトキシポリエチレングリコール)、PEG−DMG(1,2−ジミリストイル−sn−グリセロール)、及び/または、PEG−DPG(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロール,メトキシポリエチレングリコール)で置換してもよい。カチオン性脂質は、当該技術分野において周知の任意の脂質、限定するわけではないが例えば、DLin−MC3−DMA、DLin−DMA、C12−200及びDLin−KC2−DMAから選択してもよい。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、脂質ナノ粒子で製剤化されてもよい。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドを含むRNA(例えば、mRNA)ワクチン製剤は、少なくとも1つの脂質を含み得るナノ粒子である。脂質は、限定するわけではないが、DLin−DMA、DLin−K−DMA、98N12−5、C12−200、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMA、DODMA、PLGA、PEG、PEG−DMG、PEG化脂質及びアミノアルコール脂質から選択してもよい。別の態様では、脂質は、カチオン性脂質、限定するわけではないが例えば、DLin−DMA、DLin−D−DMA、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMA、DODMA及びアミノアルコール脂質であってもよい。アミノアルコールカチオン性脂質は、米国特許公開番号US20130150625に記載の脂質、及び/または、米国特許公開番号US20130150625に記載の方法で調製される脂質であってもよい(その全体は本明細書に参照として組み込まれる)。非限定例として、カチオン性脂質は、2−アミノ−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z,2Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(US20130150625の化合物1)、2−アミノ−3−[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(US20130150625の化合物2)、2−アミノ−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−[(オクチルオキシ)メチル]プロパン−1−オール(US20130150625の化合物3)、及び、2−(ジメチルアミノ)−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−2−{[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]メチル}プロパン−1−オール(US20130150625の化合物4)、または任意の薬学的に許容される塩もしくはその立体異性体であってもよい。
脂質ナノ粒子製剤は通常、脂質、特に、イオン化カチオン性脂質、例えば、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、または、ジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)を含み、さらに、中性脂質、ステロール、及び、粒子の凝集を緩和することができる分子、例えば、PEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、(i)2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される少なくとも1つの脂質、(ii)DSPC、DPPC、POPC、DOPE及びSMから選択される中性脂質、(iii)ステロール、例えば、コレステロール、及び、(iv)PEG脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMA、から本質的になる(約20〜60%のカチオン性脂質、5〜25%の中性脂質、25〜55%のステロール、0.5〜15%のPEG脂質のモル比)。
いくつかの実施形態では、製剤は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される、モル基準で約25%〜約75%の、例えば、モル基準で約35〜約65%、約45〜約65%、約60%、約57.5%、約50%または約40%のカチオン性脂質を含む。
いくつかの実施形態では、製剤は、モル基準で約0.5%〜約15%の、例えば、モル基準で約3〜約12%、約5〜約10%、約5〜約15%、約10%または約7.5%の中性脂質を含む。中性脂質の例としては、DSPC、POPC、DPPC、DOPE及びSMが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、製剤は、モル基準で約5%〜約50%の、例えば、モル基準で約15〜約45%、約20〜約40%、約40%、約38.5%、約35%または約31%のステロールを含む。例示的なステロールはコレステロールである。いくつかの実施形態では、製剤は、モル基準で約0.5%〜約20%の、例えば、モル基準で約0.5〜約10%、約0.5〜約5%、約1.5%、約0.5%、約1.5%、約3.5%または約5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。いくつかの実施形態では、PEGまたはPEG修飾脂質は、平均分子量2,000DaのPEG分子を含む。その他の実施形態では、PEGまたはPEG修飾脂質は、平均分子量2,000未満の、例えば、約1,500Da、約1,000Daまたは約500DaのPEG分子を含む。PEG修飾脂質の例としては、PEG−ジステアロイルグリセロール(PEG−DMG)(本明細書ではまた、PEG−C14またはC14−PEGと呼ぶ)、PEG−cDMA(Reyes et al.J.Controlled Release,107,276−287(2005)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)においてさらに記載されている)が挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される25〜75%のカチオン性脂質、0.5〜15%の中性脂質、5〜50%のステロール、及び、0.5〜20%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される35〜65%のカチオン性脂質、3〜12%の中性脂質、15〜45%のステロール、及び、0.5〜10%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される45〜65%のカチオン性脂質、5〜10%の中性脂質、25〜40%のステロール、及び、0.5〜10%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約60%のカチオン性脂質、約7.5%の中性脂質、約31%のステロール、及び、約1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約50%のカチオン性脂質、約10%の中性脂質、約38.5%のステロール、及び、約1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約50%のカチオン性脂質、約10%の中性脂質、約35%のステロール、約4.5%または約5%のPEGまたはPEG修飾脂質、及び、約0.5%のターゲティング脂質を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約40%のカチオン性脂質、約15%の中性脂質、約40%のステロール、及び、約5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、モル基準で、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約57.2%のカチオン性脂質、約7.1%の中性脂質、約34.3%のステロール、及び、約1.4%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の製剤は、モル基準で、PEG脂質、PEG−cDMA(Reyes et al.J.Controlled Release,107,276−287(2005)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)においてさらに記載されている)から選択される約57.5%のカチオン性脂質、約7.5%の中性脂質、約31.5%のステロール、及び、約3.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、約20〜70%のカチオン性脂質、5〜45%の中性脂質、20〜55%のコレステロール、0.5〜15%のPEG修飾脂質のモル比の、より好ましくは、約20〜60%のカチオン性脂質、5〜25%の中性脂質、25〜55%のコレステロール、0.5〜15%のPEG修飾脂質のモル比の脂質混合物から本質的になる。
いくつかの実施形態では、脂質モル比は、概算で、50/10/38.5/1.5(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMG、PEG−DSGまたはPEG−DPG)、57.2/7.1134.3/1.4(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DPPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−cDMA)、40/15/40/5(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMG)、50/10/35/4.5/0.5(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DSG)、50/10/35/5(カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMG)、40/10/40/10(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMA)、35/15/40/10(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMA)、または、52/13/30/5(モル%、カチオン性脂質/中性脂質、例えば、DSPC/Chol/PEG修飾脂質、例えば、PEG−DMGまたはPEG−cDMA)である。
脂質ナノ粒子組成物及びそれらの調製方法についての例は、例えば、Semple et al.(2010)Nat.Biotechnol.28:172−176;Jayarama et al.(2012),Angew.Chem.Int.Ed.,51:8529−8533;及び、Maier et al.(2013)Molecular Therapy 21,1570−1578に記載されている(それぞれの内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質、PEG脂質及び構造脂質を含んでいてもよく、任意選択的に、非カチオン性脂質を含んでいてもよい。非限定例として、脂質ナノ粒子は、約40〜60%のカチオン性脂質、約5〜15%の非カチオン性脂質、約1〜2%のPEG脂質、及び、約30〜50%の構造脂質を含んでいてもよい。別の非限定例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質、約10%の非カチオン性脂質、約1.5%のPEG脂質、及び、約38.5%の構造脂質を含んでいてもよい。さらに別の非限定例として、脂質ナノ粒子は、約55%のカチオン性脂質、約10%の非カチオン性脂質、約2.5%のPEG脂質、及び、約32.5%の構造脂質を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、本明細書に記載する任意のカチオン性脂質、限定するわけではないが例えば、DLin−KC2−DMA、DLin−MC3−DMA及びL319であってもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子製剤は、4構成成分の脂質ナノ粒子であってもよい。脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質及び構造脂質を含んでいてもよい。非限定例として、脂質ナノ粒子は、約40〜60%のカチオン性脂質、約5〜15%の非カチオン性脂質、約1〜2%のPEG脂質、及び、約30〜50%の構造脂質を含んでいてもよい。別の非限定例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質、約10%の非カチオン性脂質、約1.5%のPEG脂質、及び、約38.5%の構造脂質を含んでいてもよい。さらに別の非限定例として、脂質ナノ粒子は、約55%のカチオン性脂質、約10%の非カチオン性脂質、約2.5%のPEG脂質、及び、約32.5%の構造脂質を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、本明細書に記載する任意のカチオン性脂質、限定するわけではないが例えば、DLin−KC2−DMA、DLin−MC3−DMA及びL319であってもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質及び構造脂質を含んでいてもよい。非限定例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質DLin−KC2−DMA、約10%の非カチオン性脂質DSPC、約1.5%のPEG脂質PEG−DOMG、及び、約38.5%の構造脂質コレステロールを含む。非限定例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質DLin−MC3−DMA、約10%の非カチオン性脂質DSPC、約1.5%のPEG脂質PEG−DOMG、及び、約38.5%の構造脂質コレステロールを含む。非限定例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質DLin−MC3−DMA、約10%の非カチオン性脂質DSPC、約1.5%のPEG脂質PEG−DMG、及び、約38.5%の構造脂質コレステロールを含む。さらに別の非限定例として、脂質ナノ粒子は、約55%のカチオン性脂質L319、約10%の非カチオン性脂質DSPC、約2.5%のPEG脂質PEG−DMG、及び、約32.5%の構造脂質コレステロールを含む。
非限定例として、カチオン性脂質は、(20Z,23Z)−N,N−ジメチルノナコサ−20,23−ジエン−10−アミン、(17Z,20Z)−N,N−ジメチルヘキサコサ−17,20−ジエン−9−アミン、(1Z,19Z)−N5N−ジメチルペンタコサ−16,19−ジエン−8−アミン、(13Z,16Z)−N,N−ジメチルドコサ−13,16−ジエン−5−アミン、(12Z,15Z)−N,N−ジメチルヘンイコサ−12,15−ジエン−4−アミン、(14Z,17Z)−N,N−ジメチルトリコサ−14,17−ジエン−6−アミン、(15Z,18Z)−N,N−ジメチルテトラコサ−15,18−ジエン−7−アミン、(18Z,21Z)−N,N−ジメチルヘプタコサ−18,21−ジエン−10−アミン、(15Ζ,18Ζ)−Ν,Ν−ジメチルテトラコサ−15,18−ジエン−5−アミン、(14Z,17Z)−N,N−ジメチルトリコサ−14,17−ジエン−4−アミン、(19Z,22Z)−N,N−ジメチルオクタコサ−19,22−ジエン−9−アミン、(18Z,21Z)−N,N−ジメチルヘプタコサ−18,21−ジエン−8−アミン、(17Z,20Z)−N,N−ジメチルヘキサコサ−17,20−ジエン−7−アミン、(16Z,19Z)−N,N−ジメチルペンタコサ−16,19−ジエン−6−アミン、(22Z,25Z)−N,N−ジメチルヘントリアコンタ−22,25−ジエン−10−アミン、(21Z,24Z)−N,N−ジメチルトリアコンタ−21,24−ジエン−9−アミン、(18Z)−N,N−ジメチルヘプタコス−18−エン−10−アミン、(17Z)−N,N−ジメチルヘキサコス−17−エン−9−アミン、(19Z,22Z)−N,N−ジメチルオクタコサ−19,22−ジエン−7−アミン、N,N−ジメチルヘプタコサン−10−アミン、(20Z,23Z)−N−エチル−N−メチルノナコサ−20,23−ジエン−10−アミン、1−[(11Z,14Z)−1−ノニルイコサ−11,14−ジエン−1−イル]ピロリジン、(20Z)−N,N−ジメチルヘプタコス−20−エン−10−アミン、(15Z)−N,N−ジメチルエプタコス−15−エン−10−アミン、(14Z)−N,N−ジメチルノナコス−14−エン−10−アミン、(17Z)−N,N−ジメチルノナコス−17−エン−10−アミン、(24Z)−N,N−ジメチルトリトリアコンタ−24−エン−10−アミン、(20Z)−N,N−ジメチルノナコス−20−エン−10−アミン、(22Z)−N,N−ジメチルヘントリアコンタ−22−エン−10−アミン、(16Z)−N,N−ジメチルペンタコサ−16−エン−8−アミン、(12Z,15Z)−N,N−ジメチル−2−ノニルヘンイコサ−12,15−ジエン−1−アミン、(13Z,16Z)−N,N−ジメチル−3−ノニルドコサ−13,16−ジエン−1−アミン、N,N−ジメチル−1−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]エプタデカン−8−アミン、1−[(1S,2R)−2−ヘキシルシクロプロピル]−N,N−ジメチルノナデカン−10−アミン、Ν,Ν−ジメチル−1−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ノナデカン−10−アミン、N,N−ジメチル−21−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ヘンイコサン−10−アミン,Ν,Ν−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−{[(1R,2R)−2−ペンチルシクロプロピル]メチル}シクロプロピル]ノナデカン−10−アミン,Ν,Ν−ジメチル−1−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ヘキサデカン−8−アミン、Ν,Ν−ジメチル−[(1R,2S)−2−ウンデシルシクロプロピル]テトラデカン−5−アミン、N,N−ジメチル−3−{7−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ヘプチル}ドデカン−1−アミン、1−[(1R,2S)−2−ヘプチルシクロプロピル]−Ν,Ν−ジメチルオクタデカン−9−アミン、1−[(1S,2R)−2−デシルシクロプロピル]−N,N−ジメチルペンタデカン−6−アミン、N,N−ジメチル−1−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ペンタデカン−8−アミン、R−N,N−ジメチル−1−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、S−N,N−ジメチル−1−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、1−{2−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−1−[(オクチルオキシ)メチル]エチル}ピロリジン、(2S)−N,N−ジメチル−1−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−3−[(5Z)−オクタ−5−エン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、1−{2−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−1−[(オクチルオキシ)メチル]エチル}アゼチジン、(2S)−1−(ヘキシルオキシ)−N,N−ジメチル−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、(2S)−1−(ヘプチルオキシ)−N,N−ジメチル−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、Ν,Ν−ジメチル−1−(ノニルオキシ)−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、Ν,Ν−ジメチル−1−[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2S)−N,N−ジメチル−1−[(6Z,9Z,12Z)−オクタデカ−6,9,12−トリエン−1−イルオキシ]−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2S)−1−[(11Z,14Z)−イコサ−11,14−ジエン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(ペンチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2S)−1−(ヘキシルオキシ)−3−[(11Z,14Z)−イコサ−11,14−ジエン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチルプロパン−2−アミン、1−[(11Z,14Z)−イコサ−11,14−ジエン−1−イルオキシ]−Ν,Ν−ジメチル−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、1−[(13Z,16Z)−ドコサ−13,16−ジエン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2S)−1−[(13Z,16Z)−ドコサ−13,16−ジエン−1−イルオキシ]−3−(ヘキシルオキシ)−N,N−ジメチルプロパン−2−アミン、(2S)−1−[(13Z)−ドコサ−13−エン−1−イルオキシ]−3−(ヘキシルオキシ)−N,N−ジメチルプロパン−2−アミン、1−[(13Z)−ドコサ−13−エン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、1−[(9Z)−ヘキサデカ−9−エン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2R)−N,N−ジメチル−H(1−メチルオクチル)オキシ]−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、(2R)−1−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]−N,N−ジメチル−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、N,N−ジメチル−1−(オクチルオキシ)−3−({8−[(1S,2S)−2−{[(1R,2R)−2−ペンチルシクロプロピル]メチル}シクロプロピル]オクチル}オキシ)プロパン−2−アミン、N,N−ジメチル−1−{[8−(2−オクチルシクロプロピル)オクチル]オキシ}−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、及び(11E,20Z,23Z)−N,N−ジメチルノナコサ−11,20,2−トリエン−10−アミン、または薬学的に許容される塩もしくはその立体異性体から選択してもよい。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンのLNP製剤は、3%の脂質モル比のPEG−c−DOMGを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンのLNP製剤は、1.5%の脂質モル比のPEG−c−DOMGを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンの医薬組成物は、国際公開番号WO2012099755に記載されているPEG化脂質のうち少なくとも1つを含んでいてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、LNP製剤は、PEG−DMG2000(1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、LNP製剤は、PEG−DMG2000、当該技術分野において周知のカチオン性脂質、及び、少なくとも1つのその他構成成分を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、LNP製剤は、PEG−DMG2000、当該技術分野において周知のカチオン性脂質、DSPC及びコレステロールを含んでいてもよい。非限定例として、LNP製剤は、PEG−DMG2000、DLin−DMA、DSPC及びコレステロールを含んでいてもよい。別の非限定例として、LNP製剤は、2:40:10:48のモル比で、PEG−DMG2000、DLin−DMA、DSPC及びコレステロールを含んでいてもよい(例えば、Geall et al.,Nonviral delivery of self−amplifying RNA(e.g.,mRNA)vaccines,PNAS 2012;PMID:22908294を参照のこと)(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
本明細書に記載の脂質ナノ粒子は、滅菌環境で製造されてもよい。
いくつかの実施形態では、LNP製剤は、核酸脂質粒子などのナノ粒子で製剤化されてもよい。非限定例として、脂質粒子は、1つまたは複数の活性薬または治療薬、粒子中に存在する総脂質の約50モル%〜約85モル%を含む1つまたは複数のカチオン性脂質、粒子中に存在する総脂質の約13モル%〜約49.5モル%を含む1つまたは複数の非カチオン性脂質、及び、粒子中に存在する総脂質の約0.5モル%〜約2モル%を含み粒子の凝集を阻害する1つまたは複数の脂質複合体を含んでいてもよい。
ナノ粒子製剤はリン酸複合体を含んでいてもよい。リン酸複合体は、インビボ循環時間を長くすることができ、及び/または、ナノ粒子の標的化送達を向上させることができる。非限定例として、リン酸複合体は、国際出願番号WO2013033438に記載されている式のいずれか1つの化合物を含んでいてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
ナノ粒子製剤はポリマー複合体を含んでいてもよい。ポリマー複合体は水溶性複合体であってもよい。ポリマー複合体は、米国特許出願番号20130059360に記載の構造を有していてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドを有するポリマー複合体は、米国特許出願番号20130072709に記載されている方法及び/またはセグメント化ポリマー試薬を用いて調製されてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、ポリマー複合体は、環部分を含むペンダント側鎖を有していてもよく、限定するわけではないが例えば、米国特許公開番号US20130196948に記載されているポリマー複合体を有していてもよい(その内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。
ナノ粒子製剤は、対象内において本開示のナノ粒子の送達を向上させるための複合体を含んでいてもよい。さらに、複合体は、対象内において、食細胞によるナノ粒子の除去を阻害することができる。1つの態様では、複合体は、ヒト膜タンパク質CD47から設計した「自己」ペプチド(例えば、Rodriguez et al.(Science 2013 339,971−975)に記載の「自己」粒子)であってもよい(その全体は本明細書に参照として組み込まれる)。Rodriguez et al.が示しているが、自己ペプチドは、マクロファージが介在するナノ粒子の除去を遅らせて、ナノ粒子の送達を向上させる。別の態様では、複合体は、膜タンパク質CD47であってもよい(例えば、Rodriguez et al.Science 2013 339,971−975を参照のこと)(その全体は本明細書に参照として組み込まれる)。Rodriguez et al.は、「自己」ペプチドと同様、スクランブルペプチド及びPEG被覆ナノ粒子と比較して、CD47が対象内における循環粒子比率を増加させ得ることを示している。
いくつかの実施形態では、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、対象内において本開示のナノ粒子の送達を向上させるための複合体を含むナノ粒子で製剤化される。複合体はCD47膜であってもよく、または、上記の「自己」ペプチドなどのCD47膜タンパク質から複合体を誘導してもよい。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、PEG、及び、CD47複合体、またはその誘導体を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、上記の「自己」ペプチド、及び、膜タンパク質CD47の両方を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のとおり、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンを送達するために、「自己」ペプチド及び/またはCD47タンパク質をウイルス様粒子またはシュードビリオンにコンジュゲートしてもよい。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチン医薬組成物は、本開示のポリヌクレオチド、及び、分解可能な結合部を有していてもよい複合体を含む。複合体の非限定例としては、イオン化水素原子、スペーサー部分及び水溶性ポリマーを含む芳香族部分が挙げられる。非限定例として、分解可能な結合部を有する複合体を含む医薬組成物、及び、このような医薬組成物を送達するための方法は、米国特許公開番号US20130184443に記載されている(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
ナノ粒子製剤は、炭水化物担体及びRNA(例えば、mRNA)ワクチンを含む炭水化物ナノ粒子であってもよい。非限定例として、炭水化物担体としては、限定するわけではないが、無水物修飾フィトグリコーゲンまたはグリコーゲン型物質、フィトグリコーゲンオクテニルサクシネート、フィトグリコーゲンベータ−デキストリン、無水物修飾フィトグリコーゲンベータ−デキストリンを挙げてもよい(例えば、国際公開番号WO2012109121を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
粒子の送達を向上させるために、本開示のナノ粒子製剤を界面活性剤またはポリマーで被覆してもよい。いくつかの実施形態では、限定するわけではないが例えば、PEGコーティング、及び/または、中性表面電荷を有するコーティングなどの親水性コーティングでナノ粒子を被覆してもよい。親水性コーティングは、大きなペイロード(限定するわけではないが例えば、RNA(例えば、mRNA)ワクチンなど)を含むナノ粒子を中枢神経系内部へと送達するのに役立ち得る。非限定例として、親水性コーティングを含むナノ粒子、及び、このようなナノ粒子を調製するための方法は、米国特許公開番号US20130183244に記載されている(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本開示の脂質ナノ粒子は親水性ポリマー粒子であってもよい。親水性ポリマー粒子及び親水性ポリマー粒子の調製方法に関する非限定例は、米国特許公開番号US20130210991に記載されている(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本開示の脂質ナノ粒子は疎水性ポリマー粒子であってもよい。
カチオン性脂質を生分解性のカチオン性脂質(急速排出性脂質ナノ粒子(reLNP)として周知)に置き換えることにより、脂質ナノ粒子製剤を改良してもよい。イオン化カチオン性脂質(限定するわけではないが例えば、DLinDMA、DLin−KC2−DMA及びDLin−MC3−DMA)は、血漿中及び組織中に徐々に蓄積することが分かっており、潜在的な毒性源となる場合がある。急速排出性脂質の急速な代謝により、忍容性を向上させることができ、また、ラットにおいて、脂質ナノ粒子の治療指数を1mg/kg用量〜10mg/kg用量オーダーだけ改善することができる。酵素的に分解するエステル結合を組み込むことにより、reLNP製剤の活性を維持させつつ、カチオン性構成成分の分解プロファイル及び代謝プロファイルを改善することができる。エステル結合は脂質鎖の内部に位置していてもよく、または、脂質鎖の末端に位置していてもよい。脂質鎖内において、内部エステル結合で任意の炭素を置換してもよい。
いくつかの実施形態では、内部エステル結合は、飽和炭素の片側上に位置していてもよい。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子、ポリマー及び免疫原を含んでいてもよい脂質ナノ粒子を送達することにより、免疫応答を誘導してもよい(米国公開番号20120189700及び国際公開番号WO2012099805)(それぞれの開示内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。ポリマーでナノ粒子を被包してもよく、または、ナノ粒子を部分的に被包してもよい。免疫原は、本明細書に記載の組換えタンパク質、修飾RNA及び/またはポリヌクレオチドであってもよい。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、限定するわけではないが例えば、病原体に対するワクチンに用いるために製剤化されてもよい。
脂質ナノ粒子が粘膜関門を貫通できるように、脂質ナノ粒子を設計して粒子の表面特性を変化させてもよい。粘液は、限定するわけではないが例えば、口腔(例えば、口内膜及び食道膜、ならびに、扁桃組織)、眼、胃腸(例えば、胃、小腸、大腸、結腸、直腸)、鼻、呼吸器(例えば、鼻膜、咽頭膜、気管膜及び気管支膜)、生殖器(例えば、膣膜、子宮頚膜及び尿道膜)などの粘膜組織上に存在する。薬物封入率が高く、幅広く様々な薬物の持続性送達を可能とするのに好ましい、10〜200nmより大きなナノ粒子は、粘膜関門を通過して急速に拡散するには大き過ぎると考えられている。ほとんどの捕捉粒子を数秒または数時間以内に粘膜組織から除去できるように、粘液は、連続的に分泌、流出、廃棄または消化及び再循環している。低分子量ポリエチレングリコール(PEG)で高密度に被覆した大きなポリマーナノ粒子(直径200nm〜500nm)は、水中に拡散する同一粒子と比較して、わずか4分の1〜6分の1だけ粘液を通過して拡散した(Lai et al.PNAS 2007 104:1482−487;Lai et al.Adv Drug Deliv Rev.2009 61:158−171)(それぞれの開示内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。浸透率及び/または蛍光顕微鏡技術(光退色後蛍光回復(FRAP)及び高解像度多粒子追跡(MPT)を含むがこれらに限定されない)を用いて、ナノ粒子の輸送を測定してもよい。非限定例として、粘膜関門を貫通できる組成物を、米国特許番号8,241,670または国際特許公開番号WO2013110028に記載されているとおりに調製してもよい(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
粘液を貫通するように設計した脂質ナノ粒子は、ポリマー物質(すなわち、ポリマーコア)及び/またはポリマー−ビタミン複合体及び/またはトリブロックコポリマーを含んでいてもよい。ポリマー物質としては、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルバメート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリ(スチレン)、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル及びポリアリレートを挙げてもよいがこれらに限定されない。ポリマー物質は、生分解性及び/または生体適合性であってもよい。生体適合性ポリマーの非限定例については、国際特許公開番号WO2013116804に記載されている(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。ポリマー物質に対して、さらに照射を行ってもよい。非限定例として、ポリマー物質に対してガンマ照射を行ってもよい(例えば、国際出願番号WO201282165を参照のこと)(その全体は本明細書に参照として組み込まれる)。特定ポリマーの非限定例としては、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、エチレンビニルアセテートポリマー(EVA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸−グリコール酸コポリマー)(PLGA)、ポリ(L−乳酸−グリコール酸コポリマー)(PLLGA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLA)、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド−カプロラクトンコポリマー)、ポリ(D,L−ラクチド−カプロラクトン−グリコリドコポリマー)、ポリ(D,L−ラクチド−PEO−D,L−ラクチドコポリマー)、ポリ(D,L−ラクチド−PPO−D,L−ラクチドコポリマー)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリウレタン、ポリ−L−リジン(PLL)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリエチレングリコール、ポリ−L−グルタミン酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリ(エステルアミド)、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリカーボネート、ポリアルキレン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンなど、ポリアルキレングリコール、例えば、ポリ(エチレン)グリコール(PEG)など、ポリアルキレンオキシド(PEO)、ポリアルキレンテレフタレート、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)など、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、例えば、ポリ(ビニルアセテート)など、ポリビニルハライド、例えば、ポリ(ビニルクロリド)(PVC)など、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、誘導体化セルロース、例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど、アクリル酸のポリマー、例えば、ポリ(メチル(メタ)アクリレート)(PMMA)、ポリ(エチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ヘキシル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソデシル(メタ)アクリレート)、ポリ(ラウリルメタ)アクリレート)、ポリ(フェニル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)及びコポリマーならびにこれらの混合物など、ポリジオキサノン及びそのコポリマー、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリプロピレンフマレート、ポリオキシメチレン、ポロキサマー、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−カプロラクトンコポリマー)、PEG−PLGA−PEG及びトリメチレンカーボネート、ポリビニルピロリドンが挙げられる。脂質ナノ粒子をコポリマーで、限定するわけではないが例えば、ブロックコポリマー(国際公開番号WO2013012476に記載の分枝ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマーなど)(その全体は本明細書に参照として組み込まれる)、及び、(ポリ(エチレングリコール))−(ポリ(プロピレンオキシド))−(ポリ(エチレングリコール))トリブロックコポリマー(例えば、米国公開20120121718、米国公開20100003337及び米国特許番号8,263,665を参照のこと)(それぞれの内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)で被覆または結合させてもよい。コポリマーはgenerally regarded as safe(GRAS)のポリマーであってもよく、脂質ナノ粒子の形成は新規化学成分が生成されないような方法でなされてもよい。例えば、脂質ナノ粒子は、なおもヒト粘液を急速に貫通可能であるが新規化学成分を形成しないポロキサマー被覆PLGAナノ粒子を含んでいてもよい(Yang et al.Angew.Chem.Int.Ed.2011 50:2597−2600)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。ヒト粘液を貫通可能なナノ粒子を調製するための非限定的でスケーラブルな方法については、Xu et al.が記載している(例えば、J Control Release 2013,170:279−86を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
ポリマー−ビタミン複合体のビタミンは、ビタミンEであってもよい。複合体のビタミン部分は、その他の好適な構成成分、限定するわけではないが例えば、ビタミンA、ビタミンE、その他のビタミン類、コレステロール、疎水性部分、または、その他界面活性剤の疎水性構成成分(例えば、ステロール鎖、脂肪酸、炭化水素鎖及びアルキレンオキシド鎖)で置換されてもよい。
粘液を貫通させるために設計した脂質ナノ粒子としては、表面改質剤、限定するわけではないが例えば、ポリヌクレオチド、アニオン性タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)、界面活性剤(例えば、カチオン性界面活性剤、例えば、ジメチルジオクタデシル−アンモニウムブロミドなど)、糖または糖誘導体(例えば、シクロデキストリン)、核酸、ポリマー(例えば、ヘパリン、ポリエチレングリコール及びポロキサマー)、粘液溶解剤(例えば、N−アセチルシステイン、ヨモギ、ブロメライン、パパイン、クレロデンドルム、アセチルシステイン、ブロムヘキシン、カルボシステイン、エプラジノン、メスナ、アンブロキソール、ソブレロール、ドミオドール、レトステイン、ステプロニン、チオプロニン、ゲルソリン、チモシンβ4ドルナーゼα、ネルテネキシン、エルドステイン)、及び、rhDNaseを含む様々なDNaseを挙げてもよい。粒子表面に表面改質剤を埋め込みまたはからませてもよく、または、脂質ナノ粒子の表面上に表面改質剤を配置してもよい(例えば、被覆、吸着、共有結合またはその他の処理によって)(例えば、米国公開20100215580、米国公開20080166414及びUS20130164343を参照のこと)(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、粘液貫通脂質ナノ粒子は、本明細書に記載の少なくとも1つのポリヌクレオチドを含んでいてもよい。ポリヌクレオチドを脂質ナノ粒子内部に封入してもよく、及び/または、粒子の表面上に配置してもよい。ポリヌクレオチドを脂質ナノ粒子と共有結合させてもよい。粘液貫通脂質ナノ粒子製剤は、複数のナノ粒子を含んでいてもよい。さらに、製剤は、粘液と相互作用し周囲粘液の構造特性及び/または粘着特性を変化させて粘膜付着を抑制させ得る粒子を含んでいてもよく、それにより、粘液貫通脂質ナノ粒子の粘膜組織への送達が向上し得る。
いくつかの実施形態では、粘液貫通脂質ナノ粒子は、粘膜貫通促進コーティング剤を含む低張製剤であってもよい。製剤は、製剤を送達する上皮に対して低張性であってもよい。低張製剤の非限定例については、国際特許公開番号WO2013110028に記載されている(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、粘膜関門を通過させる送達を向上させるために、RNA(例えば、mRNA)ワクチン製剤は低張液を含んでいてもよいか、または、低張液であってもよい。低張液は、粘液不活性粒子、限定するわけではないが例えば、粘液貫通粒子が膣上皮表面に到達可能となる比率を向上させることが分かっている(例えば、Ensign et al.Biomaterials 2013 34(28):6922−9を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを、リポプレックスとして、限定するわけではないが例えば、ATUPLEXTMシステム、DACCシステム、DBTCシステム、及び、Silence Therapeutics(London,United Kingdom)社のその他siRNA−リポプレックス技術、STEMGENT(登録商標)(Cambridge,MA)社のSTEMFECT(商標)、ならびに、ポリエチレンイミン(PEI)またはプロタミンをベースとした核酸の標的化送達及び非標的化送達として製剤化される(Aleku et al.Cancer Res. 2008 68:9788−9798;Strumberg et al.Int J Clin Pharmacol Ther 2012 50:76−78;Santel et al.,Gene Ther 2006 13:1222−1234;Santel et al.,Gene Ther 2006 13:1360−1370;Gutbier et al.,Pulm Pharmacol.Ther.2010 23:334−344;Kaufmann et al.Microvasc Res 2010 80:286−293Weide et al.J Immunother.2009 32:498−507;Weide et al.J Immunother.2008 31:180−188;Pascolo Expert Opin.Biol.Ther.4:1285−1294;Fotin−Mleczek et al.,2011 J.Immunother. 34:1−15;Song et al.,Nature Biotechnol.2005,23:709−717;Peer et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2007 6;104:4095−4100;deFougerolles Hum Gene Ther.2008 19:125−132)(それぞれの内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、このような製剤はまた、肝細胞、免疫細胞、腫瘍細胞、内皮細胞、抗原提示細胞及び白血球を含むがこれらに限定されない異なる細胞型へとインビボで製剤を受動的または能動的に向かわせるように、製造されてもよく、または、組成物を変化させてもよい(Akinc et al.Mol Ther.2010 18:1357−1364;Song et al.,Nat Biotechnol.2005 23:709−717;Judge et al.,J Clin Invest.2009 119:661−673;Kaufmann et al.,Microvasc Res 2010 80:286−293;Santel et al.,Gene Ther 2006 13:1222−1234;Santel et al.,Gene Ther 2006 13:1360−1370;Gutbier et al.,Pulm Pharmacol.Ther.2010 23:334−344;Basha et al.,Mol.Ther.2011 19:2186−2200;Fenske and Cullis,Expert Opin Drug Deliv.2008 5:25−44;Peer et al.,Science. 2008 319:627−630;Peer and Lieberman,Gene Ther.2011 18:1127−1133)(それぞれの内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。肝細胞への製剤の受動的ターゲティングにおける1つの例としては、DLin−DMA、DLin−KC2−DMA及びDLin−MC3−DMAベースの脂質ナノ粒子製剤が挙げられ、それら脂質ナノ粒子製剤は、インビボでアポリポタンパク質Eに結合して、これら製剤の肝細胞への結合及び取り込みを促進することが分かっている(Akinc et al.Mol Ther.2010 18:1357−1364)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。リガンド表面上における異なるリガンドの発現(限定するわけではないが例えば、フォレート、トランスフェリン、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc))により、また抗体標的化手法を用いて、製剤をまた選択的に標的化させることができる(Kolhatkar et al.,Curr Drug Discov Technol.2011 8:197−206;Musacchio and Torchilin,Front Biosci.2011 16:1388−1412; Yu et al.,Mol Membr Biol.2010 27:286−298;Patil et al.,Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.2008 25:1−61;Benoit et al.,Biomacromolecules.2011 12:2708−2714; Zhao et al.,Expert Opin Drug Deliv.2008 5:309−319;Akinc et al.,Mol Ther.2010 18:1357−1364;Srinivasan et al.,Methods Mol Biol.2012 820:105−116;Ben−Arie et al.,Methods Mol Biol.2012 757:497−507;Peer 2010 J Control Release.20:63−68;Peer et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2007 104:4095−4100;Kim et al.,Methods Mol Biol.2011 721:339−353;Subramanya et al.,Mol Ther.2010 18:2028−2037;Song et al.,Nat Biotechnol.2005 23:709−717;Peer et al.,Science.2008 319:627−630;Peer and Lieberman,Gene Ther.2011 18:1127−1133)(それぞれの内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、固体脂質ナノ粒子で製剤化される。固体脂質ナノ粒子(SLN)は、10〜1000nmの平均粒径を有する球形であってもよい。SLNは、親油性分子を溶解可能な固体脂質コアマトリックスを有しており、界面活性剤及び/または乳化剤により安定化させてもよい。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は自己組織化脂質−ポリマーナノ粒子であってもよい(Zhang et al.,ACS Nano,2008,2,pp 1696−1702を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。非限定例として、SLNは、国際特許公開番号WO2013105101に記載のSLNであってもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。別の非限定例として、SLNは、国際特許公開番号WO2013105101に記載の方法またはプロセスを用いて調製されてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
リポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子を用いて、これら製剤がRNA(例えば、mRNA)ワクチンによる細胞トランスフェクションを向上させること、及び/または、コードされたタンパク質の翻訳を増加させることが可能となり得るように、タンパク質産生を目的としたポリヌクレオチドの効果を向上させてもよい。このような例の1つは、ポリプレックスプラスミドDNAを効果的に全身送達可能とするための脂質封入の使用に関連している(Heyes et al.,Mol Ther.2007 15:713−720)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。リポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子をまた用いて、ポリヌクレオチドの安定性を向上させてもよい。
いくつかの実施形態では、制御放出及び/または標的化送達用に、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンを製剤化してもよい。本明細書で使用する場合、「制御放出」とは、治療効果をもたらすために特定の放出パターンに従った医薬組成物放出特性または医薬化合物放出特性のことを意味する。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを、制御放出及び/または標的化送達用として本明細書に記載の及び/または当該技術分野において周知の送達物質内に封入してもよい。本明細書で使用する場合、用語「封入する」とは、密閉する、囲むまたは包むことを意味する。本開示の化合物製剤に関して、封入は実質的に、完全または部分的であってもよい。用語「実質的に封入された」とは、本開示の医薬組成物または医薬化合物のうち、少なくとも50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9、99.99%超、または、99.999%超が、送達物質内に密閉され得る、囲まれ得るまたは包まれ得ることを意味する。「部分的な封入」とは、本開示の医薬組成物または医薬化合物のうち、10、10、20、30、40、50未満またはそれ以下が、送達物質内に密閉され得る、囲まれ得るまたは包まれ得ることを意味する。有利なことに、本開示の医薬組成物または医薬化合物の脱離または活性を、蛍光顕微鏡写真及び/または電子顕微鏡写真を用いて測定することにより、封入を同定することができる。例えば、本開示の医薬組成物または医薬化合物のうち、少なくとも1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9、99.99%超、または、99.999%超が、送達物質内に封入される。
いくつかの実施形態では、制御放出製剤は、トリブロックコポリマーを含んでいてもよいがこれらに限定されない。非限定例として、製剤は、2つの異なるタイプのトリブロックコポリマーを含んでいてもよい(国際公開番号WO2012131104及びWO2012131106)(それぞれの内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを、脂質ナノ粒子内または急速排出性脂質ナノ粒子内に封入してもよく、またそれから、脂質ナノ粒子または急速排出性脂質ナノ粒子を、本明細書に記載の及び/または当該技術分野において既知のポリマー内、ハイドロゲル内、及び/または、手術用シーラント内に封入してもよい。非限定例として、ポリマー、ハイドロゲルまたは手術用シーラントは、PLGA、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポロキサマー、GELSITE(登録商標)(Nanotherapeutics,Inc.Alachua,FL)、HYLENEX(登録商標)(Halozyme Therapeutics,San Diego CA)、手術用シーラント、例えば、フィブリノゲンポリマー(Ethicon Inc.Cornelia,GA)、TISSELL(登録商標)(Baxter International,Inc Deerfield,IL)、PEGベースのシーラント、及び、COSEAL(登録商標)(Baxter International,Inc Deerfield,IL)などであってもよい。
いくつかの実施形態では、対象内に注入する際にゲルを形成し得る、当該技術分野において周知の任意のポリマー内に、脂質ナノ粒子を封入してもよい。別の非限定例として、生分解性であり得るポリマーマトリックス内に、脂質ナノ粒子を封入してもよい。
いくつかの実施形態では、制御放出及び/または標的化送達用のRNA(例えば、mRNA)ワクチン製剤はまた、少なくとも1つの制御放出コーティング剤を含んでいてもよい。制御放出コーティング剤としては、OPADRY(登録商標)、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、EUDRAGIT RL(登録商標)、EUDRAGIT RS(登録商標)、及び、セルロース誘導体、例えば、エチルセルロース水性分散液(AQUACOAT(登録商標)及びSURELEASE(登録商標))などが挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチン制御放出及び/または標的化送達製剤は、ポリカチオン側鎖を含み得る少なくとも1つの分解性ポリエステルを含んでいてもよい。分解性ポリエステルとしては、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−L−リジンコポリマー)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、分解性ポリエステルは、PEG化ポリマーを形成するためのPEG複合体を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むRNA(例えば、mRNA)ワクチン制御放出及び/または標的化送達製剤は、米国特許番号8,404,222に記載の少なくとも1つのPEG及び/またはPEG関連ポリマー誘導体を含んでいてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むRNA(例えば、mRNA)ワクチン制御放出送達製剤は、US20130130348に記載の制御放出ポリマーシステムであってもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、治療用ナノ粒子内に封入されていてもよく、本明細書においては「治療用ナノ粒子RNA(例えば、mRNA)ワクチン」と呼ぶ。本明細書に記載の方法及び当該技術分野において周知の方法、限定するわけではないが例えば、国際公開番号WO2010005740、WO2010030763、WO2010005721、WO2010005723、WO2012054923、米国公開番号US20110262491、US20100104645、US20100087337、US20100068285、US20110274759、US20100068286、US20120288541、US20130123351及びUS20130230567、ならびに、米国特許番号8,206,747、8,293,276、8,318,208及び8,318,211を用いて、治療用ナノ粒子を製剤化してもよい(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、米国公開番号US20120140790に記載の方法を用いて、治療用ポリマーナノ粒子を同定してもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子RNA(例えば、mRNA)ワクチンを持続性放出用に製剤化してもよい。本明細書で使用するとき、「持続性放出」とは、特定の期間にわたりある放出速度に従った医薬組成物または医薬化合物のことを意味する。その期間としては、時間、日、週、月及び年を挙げてもよいがこれらに限定されない。非限定例として、持続放出ナノ粒子は、ポリマー及び治療薬、限定するわけではないが例えば、本開示のポリヌクレオチドを含んでいてもよい(国際公開番号2010075072、ならびに、米国公開番号US20100216804、US20110217377及びUS20120201859を参照のこと)(それぞれの内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。別の非限定的な例では、持続放出製剤は、持続的な生物学的利用能、限定するわけではないが例えば、結晶、高分子ゲル、及び/または、粒子懸濁液を可能とする物質を含んでいてもよい(米国特許公開番号US20130150295を参照のこと)(それぞれの内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子RNA(例えば、mRNA)ワクチンを特異的標的化となるように製剤化してもよい。非限定例として、治療用ナノ粒子はコルチコステロイドを含んでいてもよい(国際公開番号WO2011084518を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。非限定例として、国際公開番号WO2008121949、WO2010005726、WO2010005725、WO2011084521、ならびに、米国公開番号US20100069426、US20120004293及びUS20100104655に記載のナノ粒子で、治療用ナノ粒子を製剤化してもよい(それぞれの内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本開示のナノ粒子は、ポリマーマトリックスを含んでいてもよい。非限定例として、ナノ粒子は、2つまたはそれ以上のポリマー、限定するわけではないが例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフマレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリジン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−L−リジンコポリマー)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)、またはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子はジブロックコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ジブロックコポリマーとしては、限定するわけではないが例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフマレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリジン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−L−リジンコポリマー)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)、またはこれらの組み合わせなどのポリマーと組み合わせたPEGを挙げてもよい。さらに別の実施形態では、ジブロックコポリマーは、国際特許公開番号WO2013120052に記載されるもののような高Xジブロックコポリマーであってもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
非限定例として、治療用ナノ粒子はPLGA−PEGブロックコポリマーを含む(米国公開番号US20120004293及び米国特許番号8,236,330を参照のこと)(それぞれの開示内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。別の非限定的な例では、治療用ナノ粒子は、PEG及びPLAのジブロックコポリマーまたはPEG及びPLGAのジブロックコポリマーを含むステルスナノ粒子である(米国特許番号8,246,968及び国際公開番号WO2012166923を参照のこと)(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。さらに別の非限定例では、治療用ナノ粒子は、米国特許公開番号US20130172406に記載のステルスナノ粒子または標的特異的ステルスナノ粒子である(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子はマルチブロックコポリマーを含んでいてもよい(例えば、米国特許番号8,263,665及び8,287,910、ならびに、米国特許公開番号US20130195987を参照のこと)(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
さらに別の非限定例では、脂質ナノ粒子は、ブロックコポリマーPEG−PLGA−PEGを含む(例えば、the thermosensitive hydrogel(PEG−PLGA−PEG) was used as a TGF−beta1 gene delivery vehicle in Lee et al.Thermosensitive Hydrogel as a TGF−β1 Gene Delivery Vehicle Enhances Diabetic Wound Healing.Pharmaceutical Research,2003 20(12):1995−2000;as a controlled gene delivery system in Li et al.Controlled Gene Delivery System Based on Thermosensitive Biodegradable Hydrogel.Pharmaceutical Research 2003 20:884−888; and Chang et al.,Non−ionic amphiphilic biodegradable PEG−PLGA−PEG copolymer enhances gene delivery efficiency in rat skeletal muscle.J Controlled Release.2007 118:245−253を参照のこと)(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、PEG−PLGA−PEGブロックコポリマーを含む脂質ナノ粒子で製剤化されてもよい。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子はマルチブロックコポリマーを含んでいてもよい(例えば、米国特許番号8,263,665及び8,287,910、ならびに、米国特許公開番号US20130195987を参照のこと)(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のブロックコポリマーは、非高分子ミセル及びブロックコポリマーを含むポリイオンコンプレックス中に含まれてもよい(例えば、米国出願番号20120076836を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つのアクリルポリマーを含んでいてもよい。アクリルポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸及びメタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリシアノアクリレート、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つのポリ(ビニルエステル)ポリマーを含んでいてもよい。ポリ(ビニルエステル)ポリマーは、ランダムコポリマーなどのコポリマーであってもよい。非限定例として、ランダムコポリマーは、国際出願番号WO2013032829または米国特許公開番号US20130121954に記載されるもののような構造を有していてもよい(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、ポリ(ビニルエステル)ポリマーは、本明細書に記載のポリヌクレオチドにコンジュゲートしていてもよい。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つのジブロックコポリマーを含んでいてもよい。ジブロックコポリマーは、限定するわけではないが、ポリ(乳)酸−ポリ(エチレン)グリコールコポリマーであってもよい(例えば、国際特許公開番号WO2013044219を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。非限定例として、治療用ナノ粒子を用いて癌を治療してもよい(国際公開番号WO2013044219を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、本明細書に記載の及び/または当該技術分野において周知の少なくとも1つのカチオン性ポリマーを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つのアミン含有ポリマー、限定するわけではないが例えば、ポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリ(アミドアミン)デンドリマー、ポリ(ベータ−アミノエステル)、及びこれらの組み合わせを含んでいてもよい(例えば、米国特許番号8,287,849を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のナノ粒子は、国際特許出願番号WO2013059496に記載されるもののようなアミンカチオン性脂質を含んでいてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、アミノ−アミン部分またはアミノ−アミド部分を有していてもよい。
いくつかの実施形態では、治療用ナノ粒子は、ポリカチオン側鎖を有し得る少なくとも1つの分解性ポリエステルを含んでいてもよい。分解性ポリエステルとしては、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−L−リジン)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、分解性ポリエステルは、PEG化ポリマーを形成するためのPEG複合体を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、合成ナノ担体は、合成ナノ担体の送達によって免疫応答を高めるための免疫刺激物質を含んでいてもよい。非限定例として、合成ナノ担体はTh1免疫刺激物質を含んでいてもよく、そのTh1免疫刺激物質は免疫系のTh1系応答を高めてもよい(国際公開番号WO2010123569及び米国公開番号US20110223201を参照のこと)(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、合成ナノ担体は、標的化放出用に製剤化されてもよい。いくつかの実施形態では、合成ナノ担体は、特定のpHで及び/または所望の期間後にポリヌクレオチドを放出するように製剤化される。非限定例として、合成ナノ粒子は、24時間後及び/またはpH4.5でRNA(例えば、mRNA)ワクチンを放出するように製剤化されてもよい(国際公開番号WO2010138193及びWO2010138194、ならびに、米国公開番号US20110020388及びUS20110027217を参照のこと)(それぞれの内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、合成ナノ担体は、本明細書に記載するポリヌクレオチドの制御放出及び/または持続性放出用に製剤化されてもよい。非限定例として、持続性放出用の合成ナノ担体は、当該技術分野において周知の方法、本明細書に記載の方法、及び/または、国際公開番号WO2010138192及び米国公開番号20100303850に記載の方法を用いて製剤化されてもよい(それぞれの開示内容全体は本明細書に参照として組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、制御放出及び/または持続性放出用に製剤化されてもよく、その製剤は、結晶性側鎖(CYSC)ポリマーである少なくとも1つのポリマーを含む。CYSCポリマーについては、米国特許番号8,399,007に記載されている(その全体は本明細書に参照として組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、合成ナノ担体は、ワクチンとして用いるために製剤化されてもよい。いくつかの実施形態では、合成ナノ担体は、少なくとも1つの抗原をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを封入してもよい。非限定例として、合成ナノ担体は、少なくとも1つの抗原及びワクチン剤形用の賦形剤を含んでいてもよい(国際公開番号WO2011150264及び米国公開番号US20110293723を参照のこと)(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。別の非限定例として、ワクチン剤形としては、同一のまたは異なる抗原を含有する少なくとも2つの合成ナノ担体、及び、賦形剤を挙げてもよい(国際公開番号WO2011150249及び米国公開番号US20110293701を参照のこと)(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。本明細書に記載の方法、当該技術分野において周知の方法、及び/または、国際公開番号WO2011150258及び米国公開番号US20120027806に記載の方法を用いて、ワクチン剤形を選択してもよい(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、合成ナノ担体は、少なくとも1つのアジュバントをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含んでいてもよい。非限定例として、アジュバントは、ジメチルジオクタデシルアンモニウム−ブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウム−クロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウム−ホスフェートまたはジメチルジオクタデシルアンモニウム−アセテート(DDA)、及び、マイコバクテリウム脂質抽出物全体における無極性部分またはその無極性部分の一部を含んでいてもよい(例えば、米国特許番号8,241,610を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、合成ナノ担体は、少なくとも1つのポリヌクレオチド及びアジュバントを含んでいてもよい。非限定例として、含まれる合成ナノ担体、及び、アジュバントは、国際公開番号WO2011150240及び米国公開番号US20110293700に記載の方法を用いて製剤化されてもよい(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、合成ナノ担体は、ウイルス由来のペプチド、断片または領域をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを封入してもよい。非限定例として、合成ナノ担体としては、国際公開番号WO2012024621、WO201202629、WO2012024632、ならびに、米国公開番号US20120064110、US20120058153及びUS20120058154に記載されているナノ担体のいずれかを挙げてもよいがこれらに限定されない(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、体液性応答及び/または細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答を誘発可能なポリヌクレオチドに合成ナノ担体を結合させてもよい(例えば、国際公開番号WO2013019669を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを、両性イオン脂質内に封入してもよく、両性イオン脂質と結合してもよく、及び/または、両性イオン脂質と会合させてもよい。両性イオン脂質及び両性イオン脂質の使用方法に関する非限定例は、米国特許公開番号US20130216607に記載されている(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。いくつかの態様では、本明細書に記載のリポソーム及び脂質ナノ粒子に両性イオン脂質を使用してもよい。
いくつかの実施形態では、米国特許公開番号US20130197100に記載のコロイドナノ担体でRNA(例えば、mRNA)ワクチンを製剤化してもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子を経口投与用に最適化してもよい。ナノ粒子は、少なくとも1つのカチオン性バイオポリマー、限定するわけではないが例えば、キトサンまたはその誘導体を含んでいてもよい。非限定例として、ナノ粒子は、米国公開番号20120282343に記載の方法を用いて製剤化されてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、LNPは、脂質KL52(米国出願公開番号2012/0295832に開示されているアミノ脂質)を含む(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。このような脂質を組み込むことによって、LNP投与の活性及び/または安全性(例えば、ALT/AST、白血球数及びサイトカイン誘導の1つまたは複数を実施することにより測定)を向上させてもよい。KL52を含むLNPを静脈内投与してもよく、及び/または、1回または複数回の用量で投与してもよい。いくつかの実施形態では、KL52を含むLNPを投与することにより、MC3を含むLNPの場合と比較して、同等または向上したmRNA発現及び/またはタンパク質発現となる。
いくつかの実施形態では、より小さなLNPを用いてRNA(例えば、mRNA)ワクチンを送達してもよい。このような粒子は、例えば、限定するわけではないが、0.1um未満、1.0um未満、5um未満、10um未満、15um未満、20um未満、25um未満、30um未満、35um未満、40um未満、50um未満、55um未満、60um未満、65um未満、70um未満、75um未満、80um未満、85um未満、90um未満、95um未満、100um未満、125um未満、150um未満、175um未満、200um未満、225um未満、250um未満、275um未満、300um未満、325um未満、350um未満、375um未満、400um未満、425um未満、450um未満、475um未満、500um未満、525um未満、550um未満、575um未満、600um未満、625um未満、650um未満、675um未満、700um未満、725um未満、750um未満、775um未満、800um未満、825um未満、850um未満、875um未満、900um未満、925um未満、950um未満、975um未満または1000um未満など、最小0.1um〜最大100nmの粒径を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、より小さなLNPを用いてRNA(例えば、mRNA)ワクチンを送達してもよく、約1nm〜約100nm、約1nm〜約10nm、約1nm〜約20nm、約1nm〜約30nm、約1nm〜約40nm、約1nm〜約50nm、約1nm〜約60nm、約1nm〜約70nm、約1nm〜約80nm、約1nm〜約90nm、約5nm〜約100nm、約5nm〜約10nm、約5nm〜約20nm、約5nm〜約30nm、約5nm〜約40nm、約5nm〜約50nm、約5nm〜約60nm、約5nm〜約70nm、約5nm〜約80nm、約5nm〜約90nm、約10〜約50nm、約20〜約50nm、約30〜約50nm、約40〜約50nm、約20〜約60nm、約30〜約60nm、約40〜約60nm、約20〜約70nm、約30〜約70nm、約40〜約70nm、約50〜約70nm、約60〜約70nm、約20〜約80nm、約30〜約80nm、約40〜約80nm、約50〜約80nm、約60〜約80nm、約20〜約90nm、約30〜約90nm、約40〜約90nm、約50〜約90nm、約60〜約90nm及び/または約70〜約90nmの粒径を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、このようなLNPは、マイクロ流体ミキサーを含む方法を用いて合成される。マイクロ流体ミキサーの例としては、Microinnova(Allerheiligen bei Wildon,Austria)製のマイクロ流体ミキサー及び/またはスタガードヘリンボーンマイクロミキサー(SHM)を含むがこれらに限定されない、スリット型インターデジタルマイクロミキサーを挙げることができるがこれらに限定されない(Zhigaltsev,I.V.et al.,Bottom−up design and synthesis of limit size lipid nanoparticle systems with aqueous and triglyceride cores using millisecond microfluidic mixing have been published(Langmuir.2012.28:3633−40;Belliveau,N.M.et al.,Microfluidic synthesis of highly potent limit−size lipid nanoparticles for in vivo delivery of siRNA.Molecular Therapy−Nucleic Acids.2012.1:e37;Chen,D.et al.,Rapid discovery of potent siRNA−containing lipid nanoparticles enabled by controlled microfluidic formulation.J Am Chem Soc.2012.134(16):6948−51)(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、SHMを含むLNP生成方法は、少なくとも2つの入力ストリームの混合をさらに含み、混合は細構造誘導性カオス移流(MICA)により生じる。この方法によれば、流体ストリームは、回転流を発生させ流体を互いに巻き込むヘリンボーンパターン中に存在するチャネルを流れる。この方法はまた、流体を混合させるための表面を含んでいてもよく、その表面は、流体循環中にその方向を変化させる。SHMを用いてLNPを生成するための方法としては、米国出願公開番号2004/0262223及び2012/0276209に開示するようなものが挙げられる(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、限定するわけではないが例えば、Institut fur Mikrotechnik Mainz GmbH(Mainz Germany)製のSlit Interdigital Microstructured Mixer(SIMM−V2)、Standard Slit Interdigital Micro Mixer(SSIMM)、Caterpillar(CPMM)またはImpinging−jet(IJMM)などのマイクロミキサーを用いて生成した脂質ナノ粒子で製剤化されてもよい。
いくつかの実施形態では、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、マイクロ流体技術を用いて生成した脂質ナノ粒子で製剤化されてもよい(例えば、Whitesides,George M.The Origins and the Future of Microfluidics.Nature,2006 442:368−373;及び、Abraham et al.Chaotic Mixer for Microchannels.Science,2002 295:647−651を参照のこと)(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。非限定例として、制御マイクロ流体製剤は、低レイノルズ数のマイクロチャネル内を一定圧力で流れるストリームを混合するための受動的方法を含む(例えば、Abraham et al.Chaotic Mixer for Microchannels.Science,2002 295:647−651を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、マイクロミキサーチップ、限定するわけではないが例えば、Harvard Apparatus(Holliston,MA)製またはDolomite Microfluidics(Royston,UK)製のマイクロミキサーチップを用いて生成した脂質ナノ粒子で製剤化されてもよい。2つまたはそれ以上の流体ストリームを分割合流機構で急速混合させるために、マイクロミキサーチップを用いることができる。
いくつかの実施形態では、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、国際特許公開番号WO2013063468または米国特許番号8,440,614に記載の薬物封入微粒子を用いた送達用に製剤化されてもよい(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。微粒子は、国際特許公開番号WO2013063468に記載される、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物を含んでいてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、脂質(APPL)は、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンを細胞へと送達するのに有用である(国際特許公開番号WO2013063468を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、約10〜約100nm、限定するわけではないが例えば、約10〜約20nm、約10〜約30nm、約10〜約40nm、約10〜約50nm、約10〜約60nm、約10〜約70nm、約10〜約80nm、約10〜約90nm、約20〜約30nm、約20〜約40nm、約20〜約50nm、約20〜約60nm、約20〜約70nm、約20〜約80nm、約20〜約90nm、約20〜約100nm、約30〜約40nm、約30〜約50nm、約30〜約60nm、約30〜約70nm、約30〜約80nm、約30〜約90nm、約30〜約100nm、約40〜約50nm、約40〜約60nm、約40〜約70nm、約40〜約80nm、約40〜約90nm、約40〜約100nm、約50〜約60nm、約50〜約70nm、約50〜約80nm、約50〜約90nm、約50〜約100nm、約60〜約70nm、約60〜約80nm、約60〜約90nm、約60〜約100nm、約70〜約80nm、約70〜約90nm、約70〜約100nm、約80〜約90nm、約80〜約100nm及び/または約90〜約100nmの粒径を有する脂質ナノ粒子で製剤化されてもよい。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約10〜500nmの粒径を有していてもよい。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、100nm超、150nm超、200nm超、250nm超、300nm超、350nm超、400nm超、450nm超、500nm超、550nm超、600nm超、650nm超、700nm超、750nm超、800nm超、850nm超、900nm超、950nmまたは1000nm超の粒径を有していてもよい。
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、国際特許公開番号WO2013059922に記載の限界サイズ脂質ナノ粒子であってもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。限界サイズ脂質ナノ粒子は、水性コアまたは疎水性コアを取り囲む脂質二重層を含んでいてもよく、その脂質二重層は、リン脂質、限定するわけではないが例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、ジヒドロスフィンゴミエリン、ケファリン、セレブロシド、C8〜C20脂肪酸ジアシルホスファチジルコリン、及び、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルコリン(POPC)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、限界サイズ脂質ナノ粒子は、ポリエチレングリコール−脂質、限定するわけではないが例えば、DLPE−PEG、DMPE−PEG、DPPC−PEG及びDSPE−PEGを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、国際特許公開番号WO2013063530に記載の送達方法を用いて、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを特定の部位に送達、局在及び/または集中させてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。非限定例として、対象にRNA(例えば、mRNA)ワクチンを送達する前、送達すると同時、または、送達後に、空のポリマー粒子を対象に投与してもよい。空のポリマー粒子は一旦対象と接触すると容積が変化し、対象内の特定の部位に収容、埋め込み、固定または取り込まれる。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、活性物質放出システムで製剤化されてもよい(例えば、米国特許公開番号US20130102545を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。活性物質放出システムは、1)触媒的に活性な核酸とハイブリダイズしたオリゴヌクレオチド阻害剤ストランドに結合した少なくとも1つのナノ粒子、及び、2)治療的に活性な物質(例えば、本明細書に記載のポリヌクレオチド)に結合した少なくとも1つの基質分子に結合した化合物を含んでいてもよく、治療的に活性な物質は、触媒的に活性な核酸による基質分子開裂により放出される。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、非細胞物質を含む内部コア及び細胞膜を含む外部表面を含むナノ粒子で製剤化されてもよい。細胞膜は、細胞、または、ウイルス由来の膜から誘導してもよい。非限定例として、ナノ粒子は、国際特許公開番号WO2013052167に記載の方法を用いて調製されてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。別の非限定例として、国際特許公開番号WO2013052167に記載のナノ粒子を用いて、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)ワクチンを送達してもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、多孔性ナノ粒子で支持した脂質二重層(原細胞)で製剤化されてもよい。原細胞については、国際特許公開番号WO2013056132に記載されている(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、米国特許番号8,420,123及び8,518,963、ならびに、欧州特許番号EP2073848B1に記載のポリマーナノ粒子で、または、米国特許番号8,420,123及び8,518,963、ならびに、欧州特許番号EP2073848B1に記載の方法で調製されたポリマーナノ粒子で、製剤化されてもよい(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。非限定例として、ポリマーナノ粒子は、米国特許番号8,518,963に記載のナノ粒子、または、米国特許番号8,518,963に記載の方法を用いて調製されたナノ粒子などのような、高いガラス転移温度を有していてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。別の非限定例として、経口製剤及び非経口製剤用のポリマーナノ粒子は、欧州特許番号EP2073848B1に記載の方法を用いて調製されてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、イメージングに用いるナノ粒子で製剤化されてもよい。ナノ粒子は、米国特許公開番号US20130129636に記載されるもののようなリポソームナノ粒子であってもよい(その全体は本明細書に参照として組み込まれる)。非限定例として、リポソームは、ガドリニウム(III)2−{4,7−ビス−カルボキシメチル−10−[(N,N−ジステアリルアミドメチル)−N’−アミド−メチル]−1,4,7,10−テトラ−アザシクロドデカン−1−イル}酢酸、及び、中性で完全に飽和したリン脂質成分を含んでいてもよい(例えば、米国特許公開番号US20130129636を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本開示に用いてもよいナノ粒子は、米国特許出願番号US20130130348に記載の方法を用いて形成される(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
本開示のナノ粒子は、栄養素(限定するわけではないが例えば、その栄養素が欠乏すると貧血による健康障害、神経管欠損につながる恐れがある)をさらに含んでいてもよい(例えば、国際特許公開番号WO2013072929に記載のナノ粒子を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。非限定例として、栄養素は、鉄(II)塩、鉄(III)塩または元素鉄形態の鉄、ヨウ素、葉酸、ビタミンまたは微量栄養素であってもよい。
いくつかの実施形態では、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、膨潤性ナノ粒子で製剤化されてもよい。膨潤性ナノ粒子は、限定するわけではないが、米国特許番号8,440,231に記載されるようなものであってもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。非限定実施形態として、本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンを肺系へと送達するために、膨潤性ナノ粒子を用いてもよい(例えば、米国特許番号8,440,231を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
本開示のRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、ポリ無水物ナノ粒子、限定するわけではないが例えば、米国特許番号8,449,916に記載されるようなポリ無水物ナノ粒子で製剤化されてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
本開示のナノ粒子及びマイクロ粒子を幾何学的に設計して、マクロファージ及び/または免疫応答を調節してもよい。いくつかの実施形態では、幾何学的に設計した粒子は、本開示のポリヌクレオチドを取り込んで標的化送達、限定するわけではないが例えば、肺送達するための様々な形状、サイズ及び/または表面電荷を有していてもよい(例えば、国際公開番号WO2013082111を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。その他の物理的特徴に関して、幾何学的に設計した粒子は、限定するわけではないが、穿孔、角度のついたアーム、非対称性及び表面粗さ、細胞及び組織との相互作用を変化させ得る電荷を有していてもよい。非限定例として、本開示のナノ粒子は、国際公開番号WO2013082111に記載の方法を用いて調製されてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本開示のナノ粒子は、水溶性ナノ粒子、限定するわけではないが例えば、国際特許番号WO2013090601に記載されているような水溶性ナノ粒子であってもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。ナノ粒子は、良好な水溶性を示すためのコンパクトで両性イオン性のリガンドを有する無機ナノ粒子であってもよい。ナノ粒子はまた、小さな流体力学的直径(HD)、経時安定性、pH及び塩度、ならびに、低レベルの非特異的タンパク質結合を有していてもよい。
いくつかの実施形態では、本開示のナノ粒子は、米国特許公開番号US20130172406に記載の方法を用いて開発されてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本開示のナノ粒子は、ステルスナノ粒子または標的特異的ステルスナノ粒子、限定するわけではないが例えば、米国特許公開番号US20130172406に記載されているようなステルスナノ粒子または標的特異的ステルスナノ粒子である(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。本開示のナノ粒子は、米国特許公開番号US20130172406に記載の方法を用いて調製されてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、ステルスナノ粒子または標的特異的ステルスナノ粒子は、ポリマーマトリックスを含んでいてもよい。ポリマーマトリックスは、2つまたはそれ以上のポリマー、限定するわけではないが例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフマレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、またはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、高密度核酸層を有するナノ粒子−核酸ハイブリッド構造体であってもよい。非限定例として、ナノ粒子−核酸ハイブリッド構造体は、米国特許公開番号US20130171646に記載の方法を用いて調製されてもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。ナノ粒子は、核酸、限定するわけではないが例えば、本明細書に記載の及び/または当該技術分野において周知のポリヌクレオチドを含んでいてもよい。
本開示のナノ粒子の少なくとも1つは、コア内、ナノ構造体内に埋め込まれていてもよく、または、ナノ構造体の内部またはその表面上に少なくとも1つのペイロードを輸送または結合させることが可能な低密度の多孔性3D構造体またはコーティング剤で被覆されていてもよい。少なくとも1つのナノ粒子を含むナノ構造体の非限定例については、国際特許公開番号WO2013123523に記載されている(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを、カチオン性化合物またはポリカチオン性化合物(プロタミン、ヌクレオリン、スペルミンまたはスペルミジンを含む)、または、その他のカチオン性ペプチドもしくはカチオン性タンパク質、例えば、ポリ−L−リジン(PLL)、ポリアルギニン、塩基性ポリペプチド、細胞貫通ペプチド(CPP)(HIV結合ペプチド、HIV−1、Tat(HIV)、Tat由来ペプチド、ペネトラチン、VP22由来ペプチドまたは類似体ペプチド、ペスチウイルス、Erns、HSV、VP22(単純ヘルペス)、MAP、KALAまたはタンパク質トランスダクションドメイン(PTD)、PpT620、プロリンリッチペプチド、アルギニンリッチペプチド、リジンリッチペプチド、MPGペプチド(複数可)、Pep−1、L−オリゴマー、カルシトニンペプチド(複数可)、アンテナペディア由来ペプチド(特にショウジョウバエアンテナペディア由来)、pAntp、pIsl、FGF、ラクトフェリン、トランスポータン、ブフォリン−2、Bac715−24、SynB、SynB、pVEC、hCT由来ペプチド、SAP、ヒストンを含む)など、カチオン性多糖、例えば、キトサン、ポリブレン、カチオン性ポリマー、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、カチオン性脂質、例えば、DOTMA、[1−(2,3−シオレイルオキシ)プロピル)]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、DMRIE、ジ−C14−アミジン、DOTIM、SAINT、DC−Chol、BGTC、CTAP、DOPC、DODAP、DOPE:ジオレイルホスファチジルエタノール−アミン、DOSPA、DODAB、DOIC、DMEPC、DOGS:ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン、DIMRI:ジミリストオキシプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロミド、DOTAP:ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン、DC−6−14:O,O−ジテトラデカノイル−N−α−トリメチルアンモニオアセチル)ジエタノールアミンクロリド、CLIP 1:rac−[(2,3−ジオクタデシルオキシプロピル)(2−ヒドロキシエチル)]−ジメチルアンモニウムクロリド、CLIP6:rac−[2(2,3−ジヘキサデシルオキシプロピルオキシメチルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウム、CLIP9:rac−[2(2,3−ジヘキサデシルオキシプロピルオキシサクシニルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウム、オリゴフェクタミン、または、カチオン性ポリマーもしくはポリカチオン性ポリマー、例えば、修飾ポリアミノ酸、例えば、β−アミノ酸ポリマーまたは置換ポリアミドなど、修飾ポリエチレン、例えば、PVP(ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジニウムブロミド))など、修飾アクリレート、例えば、pDMAEMA(ポリ(ジメチルアミノエチルメチルアクリレート))など、修飾アミドアミン、例えば、pAMAM(ポリ(アミドアミン))など、修飾ポリβアミノエステル(PBAE)、例えば、ジアミン末端修飾1,4−ブタンジオールジアクリレート−co−5−アミノ−1−ペンタノールポリマーなど、デンドリマー、例えば、ポリプロピルアミンデンドリマーまたはpAMAMベースデンドリマーなど、ポリイミン(複数可)、例えば、PEI:ポリ(エチレンイミン)、ポリ(プロピレンイミン)など、ポリアリルアミン、糖主鎖ベースポリマー、例えば、シクロデキストリンベースポリマー、デキストランベースポリマー、キトサンなど、シラン主鎖ベースポリマー、例えば、PMOXA−PDMSコポリマーなど、1つまたは複数のカチオン性ブロック(例えば、上記カチオン性ポリマーから選択される)及び1つまたは複数の親水性ブロックまたは疎水性ブロック(例えば、ポリエチレングリコール)の組み合わせからなるブロックポリマーなどと結合させてもよい。
その他の実施形態では、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、カチオン性化合物またはポリカチオン性化合物と結合しない。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、式(I)の化合物、
、または塩もしくはその異性体を含み、式中、
は、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−R’’M’R’からなる群から選択され、
及びRは、H、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−ROR’’からなる群から独立して選択され、または、R及びRは、それらが結合している原子と共に複素環または炭素環を形成し、
は、C3−6炭素環、−(CHQ、−(CHCHQR、−CHQR、−CQ(R)及び非置換C1−6アルキルからなる群から選択され、式中、Qは、炭素環、複素環、−OR、−O(CHN(R)、−C(O)OR、−OC(O)R、−CX、−CXH、−CXH、−CN、−N(R)、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)N(R)、−N(R)C(S)N(R)、−N(R)R、−O(CHOR、−N(R)C(=NR)N(R)、−N(R)C(=CHR)N(R)、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、−N(OR)C(O)R、−N(OR)S(O)R、−N(OR)C(O)OR、−N(OR)C(O)N(R)、−N(OR)C(S)N(R)、−N(OR)C(=NR)N(R)、−N(OR)C(=CHR)N(R)、−C(=NR)N(R)、−C(=NR)R、−C(O)N(R)OR及び−C(R)N(R)C(O)ORから選択され、それぞれのnは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
は、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から選択され、
は、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
は、H、CN、NO、C1−6アルキル、−OR、−S(O)R、−S(O)N(R)、C2−6アルケニル、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのR’は、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−RYR’’、−YR’’及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのR’’は、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−12アルキル及びC2−12アルケニルからなる群から独立して選択され、
それぞれのYは、独立してC3−6炭素環であり、
それぞれのXは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物のサブセットは、Rが−(CHQ、−(CHCHQR、−CHQRまたは−CQ(R)であるとき、(i)nが1、2、3、4または5の場合、Qは−N(R)ではない化合物、または、(ii)nが1または2の場合、Qは5、6または7員環ヘテロシクロアルキルではない化合物を含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の別のサブセットは、化合物、
は、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−R’’M’R’からなる群から選択され、
及びRは、H、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−ROR’’からなる群から独立して選択され、または、R及びRは、それらが結合している原子と共に複素環または炭素環を形成し、
は、C3−6炭素環、−(CHQ、−(CHCHQR、−CHQR、−CQ(R)及び非置換C1−6アルキルからなる群から選択され、式中、Qは、C3−6炭素環、N、O及びSから選択される1個または複数個のヘテロ原子を有する5〜14員環ヘテロアリール、−OR、−O(CHN(R)、−C(O)OR、−OC(O)R、−CX、−CXH、−CXH、−CN、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)N(R)、−N(R)C(S)N(R)、−CRN(R)C(O)OR、−N(R)R、−O(CHOR、−N(R)C(=NR)N(R)、−N(R)C(=CHR)N(R)、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、−N(OR)C(O)R、−N(OR)S(O)R、−N(OR)C(O)OR、−N(OR)C(O)N(R)、−N(OR)C(S)N(R)、−N(OR)C(=NR)N(R)、−N(OR)C(=CHR)N(R)、−C(=NR)N(R)、−C(=NR)R、−C(O)N(R)OR、ならびに、オキソ(=O)、OH、アミノ、モノまたはジアルキルアミノ及びC1−3アルキルから選択される1個または複数個の置換基で置換されたN、O及びSから選択される1個または複数個のヘテロ原子を有する5〜14員環ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれのnは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
は、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から選択され、
は、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
は、H、CN、NO、C1−6アルキル、−OR、−S(O)R、−S(O)N(R)、C2−6アルケニル、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのR’は、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−RYR’’、−YR’’及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのR’’は、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−12アルキル及びC2−12アルケニルからなる群から独立して選択され、
それぞれのYは、独立してC3−6炭素環であり、
それぞれのXは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択され、
または塩もしくはその異性体を含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の別のサブセットは、化合物、
は、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−R’’M’R’からなる群から選択され、
及びRは、H、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−ROR’’からなる群から独立して選択され、または、R及びRは、それらが結合している原子と共に複素環または炭素環を形成し、
は、C3−6炭素環、−(CHQ、−(CHCHQR、−CHQR、−CQ(R)及び非置換C1−6アルキルからなる群から選択され、式中、Qは、C3−6炭素環、N、O及びSから選択される1個または複数個のヘテロ原子を有する5〜14員環複素環、−OR、−O(CHN(R)、−C(O)OR、−OC(O)R、−CX、−CXH、−CXH、−CN、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)N(R)、−N(R)C(S)N(R)、−CRN(R)C(O)OR、−N(R)R、−O(CHOR、−N(R)C(=NR)N(R)、−N(R)C(=CHR)N(R)、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、−N(OR)C(O)R、−N(OR)S(O)R、−N(OR)C(O)OR、−N(OR)C(O)N(R)、−N(OR)C(S)N(R)、−N(OR)C(=NR)N(R)、−N(OR)C(=CHR)N(R)、−C(=NR)R、−C(O)N(R)OR及び−C(=NR)N(R)から選択され、それぞれのnは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、Qが5〜14員環複素環、また(i)Rが、nは1または2である−(CHQ、(ii)Rが、nは1である−(CHCHQR、または(iii)Rが−CHQR及び−CQ(R)であるとき、Qは、5〜14員環ヘテロアリールまたは8〜14員環ヘテロシクロアルキルのいずれかであり、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
は、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から選択され、
は、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
は、H、CN、NO、C1−6アルキル、−OR、−S(O)R、−S(O)N(R)、C2−6アルケニル、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのR’は、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−RYR’’、−YR’’及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのR’’は、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−12アルキル及びC2−12アルケニルからなる群から独立して選択され、
それぞれのYは、独立してC3−6炭素環であり、
それぞれのXは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択され、
または塩もしくはその異性体を含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の別のサブセットは、化合物、
は、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−R’’M’R’からなる群から選択され、
及びRは、H、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−ROR’’からなる群から独立して選択され、または、R及びRは、それらが結合している原子と共に複素環または炭素環を形成し、
は、C3−6炭素環、−(CHQ、−(CHCHQR、−CHQR、−CQ(R)及び非置換C1−6アルキルからなる群から選択され、式中、Qは、C3−6炭素環、N、O及びSから選択される1個または複数個のヘテロ原子を有する5〜14員環ヘテロアリール、−OR、−O(CHN(R)、−C(O)OR、−OC(O)R、−CX、−CXH、−CXH、−CN、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)N(R)、−N(R)C(S)N(R)、−CRN(R)C(O)OR、−N(R)R、−O(CHOR、−N(R)C(=NR)N(R)、−N(R)C(=CHR)N(R)、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、−N(OR)C(O)R、−N(OR)S(O)R、−N(OR)C(O)OR、−N(OR)C(O)N(R)、−N(OR)C(S)N(R)、−N(OR)C(=NR)N(R)、−N(OR)C(=CHR)N(R)、−C(=NR)R、−C(O)N(R)OR及び−C(=NR)N(R)から選択され、それぞれのnは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
は、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から選択され、
は、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
は、H、CN、NO、C1−6アルキル、−OR、−S(O)R、−S(O)N(R)、C2−6アルケニル、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのR’は、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−RYR’’、−YR’’及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのR’’は、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−12アルキル及びC2−12アルケニルからなる群から独立して選択され、
それぞれのYは、独立してC3−6炭素環であり、
それぞれのXは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択され、
または塩もしくはその異性体を含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の別のサブセットは、化合物、
は、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−R’’M’R’からなる群から選択され、
及びRは、H、C2−14アルキル、C2−14アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−ROR’’からなる群から独立して選択され、または、R及びRは、それらが結合している原子と共に複素環または炭素環を形成し、
は、−(CHQまたは−(CHCHQRであり、式中、Qは−N(R)であり、nは、3、4及び5から選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
は、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのR’は、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−RYR’’、−YR’’及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのR’’は、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−12アルキル及びC1−12アルケニルからなる群から独立して選択され、
それぞれのYは、独立してC3−6炭素環であり、
それぞれのXは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択され、
または塩もしくはその異性体を含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の別のサブセットは、化合物、
は、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−R’’M’R’からなる群から選択され、
及びRは、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−ROR’’からなる群から独立して選択され、または、R及びRは、それらが結合している原子と共に複素環または炭素環を形成し、
は、−(CHQ、−(CHCHQR、−CHQR及び−CQ(R)からなる群から選択され、式中、Qは−N(R)であり、nは、1、2、3、4及び5から選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
は、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から選択され、
それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのR’は、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−RYR’’、−YR’’及びHからなる群から独立して選択され、
それぞれのR’’は、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から独立して選択され、
それぞれのRは、C1−12アルキル及びC1−12アルケニルからなる群から独立して選択され、
それぞれのYは、独立してC3−6炭素環であり、
それぞれのXは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択され、
または塩もしくはその異性体を含む。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物のサブセットは、式(IA)の化合物、
、または塩もしくはその異性体を含み、式中、lは、1、2、3、4及び5から選択され、mは、5、6、7、8及び9から選択され、Mは結合またはM’であり、Rは、非置換C1−3アルキルまたは−(CHQであり、式中、Qは、OH、−NHC(S)N(R)、−NHC(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)R、−N(R)R、−NHC(=NR)N(R)、−NHC(=CHR)N(R)、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり、M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−P(O)(OR’)O−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、R及びRは、H、C1−14アルキル及びC2−14アルケニルからなる群から独立して選択される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物のサブセットは、式(II)の化合物、
または塩もしくはその異性体を含み、式中、lは、1、2、3、4及び5から選択され、Mは結合またはM’であり、Rは、非置換C1−3アルキルまたは−(CHQであり、式中、nは、2、3または4であり、Qは、OH、−NHC(S)N(R)、−NHC(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)R、−N(R)R、−NHC(=NR)N(R)、−NHC(=CHR)N(R)、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり、M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−P(O)(OR’)O−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、R及びRは、H、C1−14アルキル及びC2−14アルケニルからなる群から独立して選択される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物のサブセットは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、または(IIe)の化合物、
、または塩もしくはその異性体を含み、式中、Rは、本明細書に記載のとおりである。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物のサブセットは、式(IId)の化合物、
、または塩もしくはその異性体を含み、式中、nは2、3または4であり、m、R’、R’’及びR〜Rは、本明細書に記載のとおりである。例えば、R及びRのそれぞれは、C5−14アルキル及びC5−14アルケニルからなる群から独立して選択されてもよい。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、
、からなる群から選択される。
さらなる実施形態では、式(I)の化合物は、
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、
、ならびに塩及びその異性体からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、以下の化合物、
または塩及びその異性体を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)または(IIe)の化合物)を含む脂質構成成分を含むナノ粒子組成物を特徴とする。
いくつかの実施形態では、本開示は、上記実施形態に従うナノ粒子組成物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を特徴とする。医薬組成物は例えば、保管及び/または輸送のために冷蔵または冷凍される(例えば、4℃以下の温度、例えば、約−150℃〜約0℃または約−80℃〜約−20℃の温度(例えば、約−5℃、−10℃、−15℃、−20℃、−25℃、−30℃、−40℃、−50℃、−60℃、−70℃、−80℃、−90℃、−130℃または−150℃)で保管される)。例えば、医薬組成物は、保管及び/または輸送のために、例えば、約−20℃、−30℃、−40℃、−50℃、−60℃、−70℃または−80℃で冷蔵される液剤である。
いくつかの実施形態では、本開示は、細胞(例えば、哺乳動物細胞)へと治療薬及び/または予防薬(例えば、mRNAなどのRNA)を送達するための方法を提供する。この方法は、(i)リン脂質(多価不飽和脂質など)、PEG脂質、構造脂質、及び、式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)または(IIe)の化合物を含む脂質構成成分、ならびに、(ii)治療薬及び/または予防薬を含むナノ粒子組成物を、対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物)に投与する工程を含み、投与することは、細胞をナノ粒子組成物と接触させることを含み、治療薬及び/または予防薬は細胞へと送達される。
いくつかの実施形態では、本開示は、細胞(例えば、哺乳動物細胞)内において目的のポリペプチドを産生するための方法を提供する。方法は、細胞を、(i)リン脂質(多価不飽和脂質など)、PEG脂質、構造脂質、及び、式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)または(IIe)の化合物を含む脂質構成成分、ならびに、(ii)目的のポリペプチドをコードするmRNAを含むナノ粒子組成物と接触させる工程を含み、mRNAを細胞内で翻訳してポリペプチドを産生させることが可能である。
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする哺乳動物(例えば、ヒト)における疾患または障害を治療するための方法を提供する。方法は、(i)リン脂質(多価不飽和脂質など)、PEG脂質、構造脂質、及び、式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)または(IIe)の化合物を含む脂質構成成分、ならびに、(ii)治療薬及び/または予防薬(例えば、mRNA)を含む治療有効量のナノ粒子組成物を、哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、機能不全タンパク質もしくは異常タンパク質、または、ポリペプチド活性によって特徴付けられる。例えば、疾患または障害は、希少疾患、感染症、癌及び増殖性疾患、遺伝性疾患(例えば、嚢胞性線維症)、自己免疫疾患、糖尿病、神経変性病、心血管疾患及び腎血管疾患、ならびに、代謝性疾患からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療薬及び/または予防薬を、哺乳動物の器官(例えば、肝臓、脾臓、肺または大腿骨)へと送達(例えば、特異的に送達)するための方法を提供する。この方法は、(i)リン脂質、PEG脂質、構造脂質、及び、式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)または(IIe)の化合物を含む脂質構成成分、ならびに、(ii)治療薬及び/または予防薬(例えば、mRNA)を含むナノ粒子組成物を、対象(例えば、哺乳動物)に投与する工程を含み、投与することは、細胞をナノ粒子組成物と接触させることを含み、治療薬及び/または予防薬は標的器官(例えば、肝臓、脾臓、肺または大腿骨)へと送達される。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療薬及び/または予防薬(例えば、mRNA)の標的組織(例えば、肝臓、脾臓、肺または大腿骨)への送達を向上させるための方法を特徴とする。この方法は、ナノ粒子組成物を対象(例えば、哺乳動物)に投与することを含み、組成物は、(i)式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)または(IIe)の化合物を含む脂質構成成分、リン脂質、構造脂質及びPEG脂質、ならびに、(ii)治療薬及び/または予防薬を含み、投与することは、標的組織をナノ粒子組成物と接触させることを含み、治療薬及び/または予防薬は標的組織へと送達される。
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示のナノ粒子組成物を細胞内へと導入することを含む、免疫原性を低下させるための方法を特徴とし、ナノ粒子組成物は、式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)または(IIe)の化合物の代わりに参照脂質を含む参照組成物により誘導された細胞内の細胞性免疫応答の誘導と比較して、ナノ粒子組成物に対する細胞の細胞性免疫応答の誘導を抑制する。例えば、細胞性免疫応答は、自然免疫応答、適応免疫応答、またはその両方である。
本開示はまた、式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)または(IIe)の化合物を合成するための方法、及び、式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)または(IIe)の化合物を含む脂質構成成分を含むナノ粒子組成物を調製するための方法を含む。
ワクチン投与方法
治療上有効な結果をもたらす任意の経路で、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを投与してもよい。これらの経路としては、皮膚内投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、及び/または皮下投与が挙げられるがこれらに限定されない。本開示は、RNA(例えば、mRNA)ワクチンを、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。必要とされる正確な量は対象間で異なり、対象の種、年齢及び全身状態、疾患の重症度、個々の組成物、その投与方法、その活性化様式などに依存する。STD RNA(例えば、mRNA)ワクチン組成物は通常、投与し易くかつ用量を均一とするために投与単位形態で製剤化される。しかしながら、RNA(例えば、mRNA)ワクチン組成物の総1日用量は、適切な医学的良識の範囲内において主治医が決定してもよいということが理解されるであろう。任意の個々の患者における個々の治療有効投与濃度、予防有効投与濃度または適切なイメージング投与濃度は、治療する疾患及びその疾患の重症度、用いる個々の化合物の活性、用いる個々の組成物、患者の年齢、体重、全身健康、性別及び栄養、用いる個々の化合物の投与期間、投与経路及び排出速度、治療期間、用いる個々の化合物と組み合わせてまたは同時に使用する薬物、ならびに、医学分野において周知の類似の因子を含む様々な因子によって決まる。
いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチン組成物は、所望の治療効果、診断効果、予防効果またはイメージング効果を得るために、1日1回、1日1回または複数回、週に1回、月に1回などで、対象の体重あたり0.0001mg/kg〜100mg/kg、0.001mg/kg〜0.05mg/kg、0.005mg/kg〜0.05mg/kg、0.001mg/kg〜0.005mg/kg、0.05mg/kg〜0.5mg/kg、0.01mg/kg〜50mg/kg、0.1mg/kg〜40mg/kg、0.5mg/kg〜30mg/kg、0.01mg/kg〜10mg/kg、0.1mg/kg〜10mg/kgまたは1mg/kg〜25mg/kgを送達するのに十分な投与濃度で投与されてもよい(例えば、国際公開番号WO2013078199に記載の単位用量範囲を参照のこと)(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。所望の用量は、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに、2日おきに、毎週、1週間おきに、2週間おきに、3週間おきに、1ヶ月おきに、2ヶ月おきに、5ヶ月おきになどで送達されてもよい。いくつかの実施形態では、所望の用量は、複数回投与(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14またはそれ以上の回数の投与)を用いて送達されてもよい。複数回投与を用いる場合、本明細書に記載するような分割投与レジメンを用いてもよい。例示的な実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチン組成物は、0.0005mg/kg〜0.01mg/kg、例えば、約0.0005mg/kg〜約0.0075mg/kg、例えば、約0.0005mg/kg、約0.001mg/kg、約0.002mg/kg、約0.003mg/kg、約0.004mg/kgまたは約0.005mg/kgを送達するのに十分な投与濃度で投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチン組成物は、0.025mg/kg〜0.250mg/kg、0.025mg/kg〜0.500mg/kg、0.025mg/kg〜0.750mg/kgまたは0.025mg/kg〜1.0mg/kgを送達するのに十分な投与濃度で、1回または2回(またはそれ以上)投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチン組成物は、0.0100mg、0.025mg、0.050mg、0.075mg、0.100mg、0.125mg、0.150mg、0.175mg、0.200mg、0.225mg、0.250mg、0.275mg、0.300mg、0.325mg、0.350mg、0.375mg、0.400mg、0.425mg、0.450mg、0.475mg、0.500mg、0.525mg、0.550mg、0.575mg、0.600mg、0.625mg、0.650mg、0.675mg、0.700mg、0.725mg、0.750mg、0.775mg、0.800mg、0.825mg、0.850mg、0.875mg、0.900mg、0.925mg、0.950mg、0.975mgまたは1.0mgの総用量で、または、上記総用量を送達するのに十分な投与濃度で、2回(例えば、0日目及び7日目、0日目及び14日目、0日目及び21日目、0日目及び28日目、0日目及び60日目、0日目及び90日目、0日目及び120日目、0日目及び150日目、0日目及び180日目、0日目及び3ヶ月後、0日目及び6ヶ月後、0日目及び9ヶ月後、0日目及び12ヶ月後、0日目及び18ヶ月後、0日目及び2年後、0日目及び5年後、または、0日目及び10年後)投与されてもよい。上記と比較した、高用量及び低用量ならびに高投与頻度及び低投与頻度は、本開示に包含される。例えば、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチン組成物は、3回または4回投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチン組成物は、0.010mg、0.025mg、0.100mgまたは0.400mgの総用量で、または、上記総用量を送達するのに十分な投与濃度で、2回(例えば、0日目及び7日目、0日目及び14日目、0日目及び21日目、0日目及び28日目、0日目及び60日目、0日目及び90日目、0日目及び120日目、0日目及び150日目、0日目及び180日目、0日目及び3ヶ月後、0日目及び6ヶ月後、0日目及び9ヶ月後、0日目及び12ヶ月後、0日目及び18ヶ月後、0日目及び2年後、0日目及び5年後、または、0日目及び10年後)投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、対象にワクチン接種を行うための方法に用いるSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、10μg/kg〜400μg/kgの単回用量核酸ワクチンで対象に投与される(対象にワクチン接種を行うのに有効な量で)。いくつかの実施形態では、対象にワクチン接種を行うための方法に用いるRNA(例えば、mRNA)ワクチンは、10μg〜400μgの単回用量核酸ワクチンで対象に投与される(対象にワクチン接種を行うのに有効な量で)。いくつかの実施形態では、対象にワクチン接種を行うための方法に用いるSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、25〜1000μgの単回用量(例えば、HPV、HSV及び/またはChlamydia抗原をコードする単回用量mRNA)で対象に投与される。いくつかの実施形態では、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、25、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1000μgの単回用量で対象に投与される。例えば、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、25〜100、25〜500、50〜100、50〜500、50〜1000、100〜500、100〜1000、250〜500、250〜1000、または、500〜1000μgの単回投与で対象に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、対象にワクチン接種を行うための方法に用いるSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、2回の用量で対象に投与され、それらの合計は、25〜1000μgのSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンに等しい。
本明細書に記載するSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチン医薬組成物は、本明細書に記載の剤形、例えば、鼻腔内用、気管内用または注射用など(例えば、静脈内、眼内、硝子体内、筋肉内、皮膚内、心腔内、腹腔内、鼻腔内及び皮下)で製剤化してもよい。
STD RNA(例えば、mRNA)ワクチン製剤及びその使用方法
本開示のいくつかの態様は、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンの製剤を提供し、RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、対象内の抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効な量で製剤化される(例えば、HPV、HSV及び/またはChlamydia抗原ポリペプチドに特異的な抗体の産生)。「有効量」とは、抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効なRNA(例えば、mRNA)ワクチンの用量のことである。本明細書ではまた、対象内の抗原特異的免疫応答を誘導するための方法を提供する。
いくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答は、本明細書で提供するSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを投与した対象内で生じる抗HPV、抗HSV及び/または抗Chlamydia抗原ポリペプチド抗体価を測定することにより特徴付けられる。抗体価とは、対象内における抗体量、例えば、特定の抗原(例えば、抗HPV、抗HSV及び/または抗Chlamydia抗原ポリペプチド)または抗原のエピトープに特異的な抗体量の測定値のことである。抗体価は通常、陽性結果をもたらす最大希釈の逆数として表される。酵素免疫測定法(ELISA)は、例えば、抗体価を測定するための一般的なアッセイである。
いくつかの実施形態では、対象が感染しているかどうかを評価するために、または、免疫化が必要であるかどうかを決定するために、抗体価を用いる。いくつかの実施形態では、自己免疫応答の強度を測定するために、ブースター免疫が必要であるかどうかを決定するために、先に投与したワクチンが有効であるかどうかを決定するために、及び、直近または以前の任意の感染を同定するために、抗体価を用いる。本開示に従い、STD RNA(例えば、mRNA)ワクチンにより対象内で生じた免疫応答の強度を測定するために、抗体価を用いてもよい。
いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド(例えば、抗HPV、HSV及び/またはChlamydia抗原ポリペプチド)抗体価は、対照と比較して少なくとも1対数だけ増加する。例えば、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5または少なくとも3対数だけ増加し得る。いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して1、1.5、2、2.5または3対数だけ増加する。いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して1〜3対数だけ増加する。例えば、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して1〜1.5、1〜2、1〜2.5、1〜3、1.5〜2、1.5〜2.5、1.5〜3、2〜2.5、2〜3、または、2.5〜3対数だけ増加し得る。
いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド(例えば、抗HPV、HSV及び/またはChlamydia抗原ポリペプチド)抗体価は、対照と比較して少なくとも2倍増加する。例えば、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または、少なくとも10倍増加し得る。いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して2、3、4、5、6、7、8、9または10倍増加する。いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して2〜10倍増加する。例えば、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して2〜10、2〜9、2〜8、2〜7、2〜6、2〜5、2〜4、2〜3、3〜10、3〜9、3〜8、3〜7、3〜6、3〜5、3〜4、4〜10、4〜9、4〜8、4〜7、4〜6、4〜5、5〜10、5〜9、5〜8、5〜7、5〜6、6〜10、6〜9、6〜8、6〜7、7〜10、7〜9、7〜8、8〜10、8〜9、または、9〜10倍増加し得る。
いくつかの実施形態では、対照は、本開示のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを投与されていない対象内で生じる抗抗原ポリペプチド(例えば、抗HPV、HSV及び/またはChlamydia抗原ポリペプチド)抗体価である。いくつかの実施形態では、対照は、弱毒生HPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチンを投与されている対象内で生じる抗抗原ポリペプチド(例えば、抗HPV、HSV及び/またはChlamydia抗原ポリペプチド)抗体価である。弱毒化ワクチンとは、生存ウイルス(生)の毒性を低下させて製造したワクチンのことである。弱毒化ウイルスとは、生存未変異ウイルスと比較して、無害または低毒性となるように変異させたウイルスのことである。いくつかの実施形態では、対照は、不活化HPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチンを投与された対象内で生じる抗抗原ポリペプチド(例えば、抗HPV、HSV及び/またはChlamydia抗原ポリペプチド)抗体価である。いくつかの実施形態では、対照は、組換えまたは精製のHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンを投与された対象内で生じる抗抗原ポリペプチド(例えば、抗HPV、HSV及び/またはChlamydia抗原ポリペプチド)抗体価である。組換えタンパク質ワクチンとしては通常、異種発現系(例えば、細菌または酵母菌)で産生したタンパク質抗原、または、大量の病原性微生物から精製したタンパク質抗原、のいずれかが挙げられる。いくつかの実施形態では、対照は、HPV、HSV及び/またはChlamydiaウイルス様粒子(VLP)ワクチンを投与されている対象内で生じる抗抗原ポリペプチド(例えば、抗HPV、HSV及び/またはChlamydia抗原ポリペプチド)抗体価である。
いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンとは、標準治療用量の組換えHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンと比較して、少ない用量のことである。本明細書で提供する場合、「標準治療」とは、医学的または心理的な治療ガイドラインのことを意味し、一般的なものまたは特別なものであってもよい。「標準治療」は、科学的根拠、及び、任意の病態の治療に関わる医療専門家間の共同研究に基づいた適切な治療を規定する。診断プロセス及び治療プロセスとは、特定タイプの患者、疾患または臨床環境において、医師/臨床医が従うべきプロセスのことである。本明細書で提供する場合、「標準治療用量」とは、HPV、HSV及び/またはChlamydiaまたは関連病態を治療または予防するための標準治療ガイドラインに従いながら、HPV、HSV及び/またはChlamydiaまたは関連病態を治療または予防するために、医師/臨床医またはその他医療専門家が対象に投与する、組換えまたは精製のHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンの用量、または、弱毒生または不活化のHPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチンの用量のことを意味する。
いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを投与された対象内で生じる抗抗原ポリペプチド(例えば、抗HPV、抗HSV、及び/または、抗Chlamydia抗原ポリペプチド)抗体価は、標準治療用量の、組換えまたは精製のHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチン、または、弱毒生または不活化のHPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチンを投与された対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド(例えば、抗HPV、抗HSV、及び/または抗Chlamydia抗原ポリペプチド)抗体価と同等である。
いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンとは、標準治療用量の組換えまたは精製のHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンに対して、少なくとも2倍少ない用量に相当する用量のことである。例えば、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、標準治療用量の組換えまたは精製のHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンに対して、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または、少なくとも10倍少ない用量に相当する用量であってもよい。いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンとは、標準治療用量の組換えまたは精製のHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンに対して、少なくとも100倍、少なくとも500倍、または、少なくとも1000倍少ない用量に相当する用量のことである。いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンとは、標準治療用量の組換えまたは精製のHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンに対して、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100、250、500または1000倍少ない用量に相当する用量のことである。いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンを投与された対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、標準治療用量の、組換えまたはタンパク質HPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチン、または、弱毒生または不活化のHPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチンを投与された対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価と同等である。いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、標準治療用量の組換えまたは精製のHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンに対して、2倍〜1000倍(例えば、2倍〜100倍、10倍〜1000倍)少ない用量に相当する用量であり、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、標準治療用量の、組換えまたは精製のHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチン、または、弱毒生または不活化のHPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチンを投与された対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価と同等である。
いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、標準治療用量の組換えHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンの、2〜1000、2〜900、2〜800、2〜700、2〜600、2〜500、2〜400、2〜300、2〜200、2〜100、2〜90、2〜80、2〜70、2〜60、2〜50、2〜40、2〜30、2〜20、2〜10、2〜9、2〜8、2〜7、2〜6、2〜5、2〜4、2〜3、3〜1000、3〜900、3〜800、3〜700、3〜600、3〜500、3〜400、3〜3〜00、3〜200、3〜100、3〜90、3〜80、3〜70、3〜60、3〜50、3〜40、3〜30、3〜20、3〜10、3〜9、3〜8、3〜7、3〜6、3〜5、3〜4、4〜1000、4〜900、4〜800、4〜700、4〜600、4〜500、4〜400、4〜4〜00、4〜200、4〜100、4〜90、4〜80、4〜70、4〜60、4〜50、4〜40、4〜30、4〜20、4〜10、4〜9、4〜8、4〜7、4〜6、4〜5、4〜4、5〜1000、5〜900、5〜800、5〜700、5〜600、5〜500、5〜400、5〜300、5〜200、5〜100、5〜90、5〜80、5〜70、5〜60、5〜50、5〜40、5〜30、5〜20、5〜10、5〜9、5〜8、5〜7、5〜6、6〜1000、6〜900、6〜800、6〜700、6〜600、6〜500、6〜400、6〜300、6〜200、6〜100、6〜90、6〜80、6〜70、6〜60、6〜50、6〜40、6〜30、6〜20、6〜10、6〜9、6〜8、6〜7、7〜1000、7〜900、7〜800、7〜700、7〜600、7〜500、7〜400、7〜300、7〜200、7〜100、7〜90、7〜80、7〜70、7〜60、7〜50、7〜40、7〜30、7〜20、7〜10、7〜9、7〜8、8〜1000、8〜900、8〜800、8〜700、8〜600、8〜500、8〜400、8〜300、8〜200、8〜100、8〜90、8〜80、8〜70、8〜60、8〜50、8〜40、8〜30、8〜20、8〜10、8〜9、9〜1000、9〜900、9〜800、9〜700、9〜600、9〜500、9〜400、9〜300、9〜200、9〜100、9〜90、9〜80、9〜70、9〜60、9〜50、9〜40、9〜30、9〜20、9〜10、10〜1000、10〜900、10〜800、10〜700、10〜600、10〜500、10〜400、10〜300、10〜200、10〜100、10〜90、10〜80、10〜70、10〜60、10〜50、10〜40、10〜30、10〜20、20〜1000、20〜900、20〜800、20〜700、20〜600、20〜500、20〜400、20〜300、20〜200、20〜100、20〜90、20〜80、20〜70、20〜60、20〜50、20〜40、20〜30、30〜1000、30〜900、30〜800、30〜700、30〜600、30〜500、30〜400、30〜300、30〜200、30〜100、30〜90、30〜80、30〜70、30〜60、30〜50、30〜40、40〜1000、40〜900、40〜800、40〜700、40〜600、40〜500、40〜400、40〜300、40〜200、40〜100、40〜90、40〜80、40〜70、40〜60、40〜50、50〜1000、50〜900、50〜800、50〜700、50〜600、50〜500、50〜400、50〜300、50〜200、50〜100、50〜90、50〜80、50〜70、50〜60、60〜1000、60〜900、60〜800、60〜700、60〜600、60〜500、60〜400、60〜300、60〜200、60〜100、60〜90、60〜80、60〜70、70〜1000、70〜900、70〜800、70〜700、70〜600、70〜500、70〜400、70〜300、70〜200、70〜100、70〜90、70〜80、80〜1000、80〜900、80〜800、80〜700、80〜600、80〜500、80〜400、80〜300、80〜200、80〜100、80〜90、90〜1000、90〜900、90〜800、90〜700、90〜600、90〜500、90〜400、90〜300、90〜200、90〜100、100〜1000、100〜900、100〜800、100〜700、100〜600、100〜500、100〜400、100〜300、100〜200、200〜1000、200〜900、200〜800、200〜700、200〜600、200〜500、200〜400、200〜300、300〜1000、300〜900、300〜800、300〜700、300〜600、300〜500、300〜400、400〜1000、400〜900、400〜800、400〜700、400〜600、400〜500、500〜1000、500〜900、500〜800、500〜700、500〜600、600〜1000、600〜900、600〜800、600〜700、700〜1000、700〜900、700〜800、800〜1000、800〜900、または、900〜1000倍少ない用量に相当する。いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、標準治療用量の、組換えまたは精製のHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチン、または、弱毒生または不活化のHPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチンを投与された対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価と同等である。いくつかの実施形態では、有効量とは、標準治療用量の組換えHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチンの、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、1280、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、5760、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990または1000倍少ない用量に相当する(または、に少なくとも相当する)用量のことである。いくつかの実施形態では、対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、標準治療用量の、組換えまたは精製のHPV、HSV及び/またはChlamydiaタンパク質ワクチン、または、弱毒生または不活化のHPV、HSV及び/またはChlamydiaワクチンを投与された対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価と同等である。
いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、50〜1000μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、50〜1000、50〜900、50〜800、50〜700、50〜600、50〜500、50〜400、50〜300、50〜200、50〜100、50〜90、50〜80、50〜70、50〜60、60〜1000、60〜900、60〜800、60〜700、60〜600、60〜500、60〜400、60〜300、60〜200、60〜100、60〜90、60〜80、60〜70、70〜1000、70〜900、70〜800、70〜700、70〜600、70〜500、70〜400、70〜300、70〜200、70〜100、70〜90、70〜80、80〜1000、80〜900、80〜800、80〜700、80〜600、80〜500、80〜400、80〜300、80〜200、80〜100、80〜90、90〜1000、90〜900、90〜800、90〜700、90〜600、90〜500、90〜400、90〜300、90〜200、90〜100、100〜1000、100〜900、100〜800、100〜700、100〜600、100〜500、100〜400、100〜300、100〜200、200〜1000、200〜900、200〜800、200〜700、200〜600、200〜500、200〜400、200〜300、300〜1000、300〜900、300〜800、300〜700、300〜600、300〜500、300〜400、400〜1000、400〜900、400〜800、400〜700、400〜600、400〜500、500〜1000、500〜900、500〜800、500〜700、500〜600、600〜1000、600〜900、600〜900、600〜700、700〜1000、700〜900、700〜800、800〜1000、800〜900、または、900〜1000μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1000μgの総用量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に合計2回で投与される25〜500μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、対象に合計2回で投与される25〜500、25〜400、25〜300、25〜200、25〜100、25〜50、50〜500、50〜400、50〜300、50〜200、50〜100、100〜500、100〜400、100〜300、100〜200、150〜500、150〜400、150〜300、150〜200、200〜500、200〜400、200〜300、250〜500、250〜400、250〜300、300〜500、300〜400、350〜500、350〜400、400〜500、または、450〜500μgの用量である。いくつかの実施形態では、有効量のSTD RNA(例えば、mRNA)ワクチンは、対象に合計2回で投与される25、50、100、150、200、250、300、350、400、450または500μgの総用量である。
別の実施形態
1.性感染症(STD)ワクチンであって、
少なくとも1つのヒトパピローマウイルス(HPV)抗原ポリペプチド及び少なくとも1つの単純ヘルペスウイルス(HSV)抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含み、任意選択的に、約20〜60%のカチオン性脂質、約5〜25%の非カチオン性脂質、約25〜55%のステロール、及び、約0.5〜15%のPEG修飾脂質のモル比を有するカチオン性脂質ナノ粒子で製剤化され、任意選択的に、前記少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含む、前記性感染症(STD)ワクチン。
2.性感染症(STD)ワクチンであって、
少なくとも1つのヒトパピローマウイルス(HPV)抗原ポリペプチド及び少なくとも1つのChlamydia trachomatis抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含み、任意選択的に、約20〜60%のカチオン性脂質、約5〜25%の非カチオン性脂質、約25〜55%のステロール、及び、約0.5〜15%のPEG修飾脂質のモル比を有するカチオン性脂質ナノ粒子で製剤化され、任意選択的に、前記少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含む、前記性感染症(STD)ワクチン。
3.性感染症(STD)ワクチンであって、
少なくとも1つの単純ヘルペスウイルス(HSV)抗原ポリペプチド及び少なくとも1つのChlamydia trachomatis抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含み、任意選択的に、約20〜60%のカチオン性脂質、約5〜25%の非カチオン性脂質、約25〜55%のステロール、及び、約0.5〜15%のPEG修飾脂質のモル比を有するカチオン性脂質ナノ粒子で製剤化され、任意選択的に、前記少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含む、前記性感染症(STD)ワクチン。
4.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、HPV E1タンパク質、HPV E2タンパク質、HPV E4タンパク質、HPV E5タンパク質、HPV E6タンパク質、HPV E7タンパク質、HPV L1タンパク質及びHPV L2タンパク質から選択され、任意選択的に、前記HPV血清型は、HPV血清型6、11、16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73及び82から選択される、条項1または条項2に記載のワクチン。
5.前記ワクチンは、HPV E1タンパク質、HPV E2タンパク質、HPV E4タンパク質、HPV E5タンパク質、HPV E6タンパク質、HPV E7タンパク質、HPV L1タンパク質及びHPV L2タンパク質から選択される少なくとも2つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む、条項1、条項2または条項4に記載のワクチン。
6.条項1、条項2、条項4または条項5に記載のワクチンであって、前記ワクチンは、HPV E1タンパク質、HPV E2タンパク質、HPV E4タンパク質、HPV E5タンパク質、HPV E6タンパク質、HPV E7タンパク質、HPV L1タンパク質及びHPV L2タンパク質から選択される少なくとも1つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームをそれぞれが有する少なくとも2つのRNAポリヌクレオチドを含み、前記オープンリーディングフレームの一方によりコードされる前記HPV抗原ポリペプチドは、前記オープンリーディングフレームの他方によりコードされる前記HPV抗原ポリペプチドとは異なる、前記ワクチン。
7.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列を含む、条項1、条項2または条項4から条項6のいずれか1項に記載のワクチン。
8.前記少なくとも1つのRNAポリペプチドは、配列番号:1〜30のいずれか1つにより識別される核酸配列によりコードされる、及び/または、前記少なくとも1つのRNAポリペプチドは、配列番号:431〜461のいずれか1つにより識別される核酸配列を含む、条項1、条項2または条項4から条項7のいずれか1項に記載のワクチン。
9.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、条項1、条項2または条項4から条項8のいずれか1項に記載のワクチン。
10.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列に対して95%〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、条項1、条項2または条項4から条項9のいずれか1項に記載のワクチン。
11.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、前記抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、細胞受容体に結合して、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす、及び/または、感染細胞への前記ウイルスの結合に影響を与える膜融合活性を有する、条項1、条項2または条項4から条項10のいずれか1項に記載のワクチン。
12.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61のアミノ酸配列に対して90%〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、前記抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、細胞受容体に結合して、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす、及び/または、感染細胞への前記ウイルスの結合に影響を与える膜融合活性を有する、条項1、条項2または条項4から条項11のいずれか1項に記載のワクチン。
13.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、主要外膜タンパク質(MOMP)またはその免疫原性断片であり、任意選択的に、血清型H、F、E、D、I、G、J及びKから選択されるChlamydia trachomatis血清型を有する、条項2から条項12のいずれか1項に記載のワクチン。
14.前記ワクチンは、血清型HのMOMP、血清型FのMOMP、血清型EのMOMP、血清型DのMOMP、血清型IのMOMP、血清型GのMOMP、血清型JのMOMP及び血清型KのMOMPから選択される少なくとも2つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む、条項2から条項13のいずれか1項に記載のワクチン。
15.前記ワクチンは、血清型HのMOMP、血清型FのMOMP、血清型EのMOMP、血清型DのMOMP、血清型IのMOMP、血清型GのMOMP、血清型JのMOMP及び血清型KのMOMPから選択される少なくとも1つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームをそれぞれが有する少なくとも2つのRNAポリヌクレオチドを含み、前記オープンリーディングフレームの一方によりコードされる前記抗原ポリペプチドは、前記オープンリーディングフレームの他方によりコードされる前記抗原ポリペプチドとは異なる、条項2から条項14のいずれか1項に記載のワクチン。
16.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:65〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列を含む、条項2から条項15のいずれか1項に記載のワクチン。
17.前記少なくとも1つのRNAポリペプチドは、配列番号:62〜64または184〜294のいずれか1つにより識別される核酸配列によりコードされる、及び/または、前記少なくとも1つのRNAポリペプチドは、配列番号:317〜430のいずれか1つにより識別される核酸配列を含む、条項2から条項16のいずれか1項に記載のワクチン。
18.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:65〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、条項2から条項17のいずれか1項に記載のワクチン。
19.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:65〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列に対して95%〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、条項2から条項18のいずれか1項に記載のワクチン。
20.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:65〜183のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、前記抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、細胞受容体に結合して、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす、及び/または、感染細胞への前記ウイルスの結合に影響を与える膜融合活性を有する、条項2から条項19のいずれか1項に記載のワクチン。
21.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:65〜183のアミノ酸配列に対して90%〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、前記抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、細胞受容体に結合して、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす、及び/または、感染細胞への前記ウイルスの結合に影響を与える膜融合活性を有する、条項2から条項20のいずれか1項に記載のワクチン。
22.前記少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、野生型mRNA配列に対して80%未満の同一性を有する、条項1から条項21のいずれか1項に記載のワクチン。
23.少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、野生型mRNA配列に対して少なくとも80%の同一性を有するが野生型mRNA配列を含まない、条項1から条項21のいずれか1項に記載のワクチン。
24.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、細胞受容体に結合して、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす、及び/または、感染細胞への前記ウイルスの結合に影響を与える膜融合活性を有する、条項1から条項23のいずれか1項に記載のワクチン。
25.前記少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含む、条項1から条項24のいずれか1項に記載のワクチン。
26.前記化学修飾は、シュードウリジン、N1−メチルシュードウリジン、N1−エチルシュードウリジン、2−チオウリジン、4’−チオウリジン、5−メチルシトシン、5−メチルウリジン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、4−チオ−シュードウリジン、5−アザ−ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5−メトキシウリジン及び2’−O−メチルウリジンから選択される、条項1から条項25に記載のワクチン。
27.前記化学修飾は、前記ウラシルの5位にある、条項1から条項26に記載のワクチン。
28.前記化学修飾は、N1−メチルシュードウリジンまたはN1−エチルシュードウリジンである、条項1から条項27のいずれか1項に記載のワクチン。
29.前記オープンリーディングフレーム内における前記ウラシルの少なくとも80%は、化学修飾を有する、条項1から条項28のいずれか1項に記載のワクチン。
30.前記オープンリーディングフレーム内における前記ウラシルの少なくとも90%は、化学修飾を有する、条項1から条項29のいずれか1項に記載のワクチン。
31.前記オープンリーディングフレーム内における前記ウラシルの100%は、化学修飾を有する、条項1から条項30のいずれか1項に記載のワクチン。
32.少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5´末端キャップをさらにコードする、条項1から条項31のいずれか1項に記載のワクチン。
33.前記5´末端キャップは7mG(5´)ppp(5´)NlmpNpである、条項32に記載のワクチン。
34.少なくとも1つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、HuIgGkシグナルペプチド(METPAQLLFLLLLWLPDTTG;配列番号:304)、IgE重鎖イプシロン−1シグナルペプチド(MDWTWILFLVAAATRVHS;配列番号:305)、日本脳炎PRMシグナル配列(MLGSNSGQRVVFTILLLLVAPAYS;配列番号:306)、VSVgタンパク質シグナル配列(MKCLLYLAFLFIGVNCA;配列番号:307)、及び、日本脳炎JEVシグナル配列(MWLVSLAIVTACAGA;配列番号:308)から選択されるシグナルペプチドに融合する、条項1から条項33のいずれか1項に記載のワクチン。
35.前記シグナルペプチドは、少なくとも1つの抗原ポリペプチドのN末端に融合する、条項34に記載のワクチン。
36.前記シグナルペプチドは、少なくとも1つの抗原ポリペプチドのC末端に融合する、条項34に記載のワクチン。
37.前記抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、変異N−結合型グリコシル化部位を含む、条項1から条項36のいずれか1項に記載のワクチン。
38.ナノ粒子で製剤化された、条項1から条項37のいずれか1項に記載のワクチン。
39.前記ナノ粒子は脂質ナノ粒子である、条項38に記載のワクチン。
40.前記ナノ粒子は、50〜200nmの平均粒径を有する、条項1から条項39のいずれか1項に記載のワクチン。
41.前記脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質、PEG修飾脂質、ステロール及び非カチオン性脂質を含む、条項1から条項40のいずれか1項に記載のワクチン。
42.前記脂質ナノ粒子担体は、約20〜60%のカチオン性脂質、0.5〜15%のPEG修飾脂質、25〜55%のステロール、及び25%の非カチオン性脂質のモル比を含む、条項41に記載のワクチン。
43.前記カチオン性脂質はイオン化カチオン性脂質であり、前記非カチオン性脂質は中性脂質であり、前記ステロールはコレステロールである、条項41または条項42に記載のワクチン。
44.前記カチオン性脂質は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される、条項41から条項43のいずれか1項に記載のワクチン。
45.前記脂質ナノ粒子は、式(I)の化合物、任意選択的に、3、18、20、25、26、29、30、60、108〜112、または122の化合物を含む、条項1から条項44のいずれか1項に記載のワクチン。
46.前記脂質ナノ粒子は式(II)の化合物を含む、条項1から条項45のいずれか1項に記載のワクチン。
47.前記ナノ粒子は、0.4未満の多分散度の値を有する、条項1から条項46のいずれか1項に記載のワクチン。
48.前記ナノ粒子は、中性pH値に正味の中性電荷を有する、条項1から条項47のいずれか1項に記載のワクチン。
49.アジュバントをさらに含む、条項1から条項48のいずれか1項に記載のワクチン。
50.前記アジュバントは、フラジェリンタンパク質またはフラジェリンペプチドである、条項49に記載のワクチン。
51.前記フラジェリンタンパク質またはフラジェリンペプチドは、配列番号:301〜303のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列を含む、条項50に記載のワクチン。
52.前記オープンリーディングフレームはコドン最適化されている、条項1から条項51のいずれか1項に記載のワクチン。
53.前記ワクチンは多価である、条項1から条項52のいずれか1項に記載のワクチン。
54.抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効な量で製剤化される、条項1から条項53のいずれか1項に記載のワクチン。
55.対象内の免疫応答を誘導するための方法であって、前記方法は、条項1から条項54のいずれか1項に記載の前記ワクチンを、前記対象内の抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効な量で前記対象に投与することを含む、前記方法。
56.前記抗原特異的免疫応答は、T細胞応答またはB細胞応答を含む、条項55に記載の方法。
57.前記対象は、単回用量の前記ワクチンを投与される、条項55または条項56に記載の方法。
58.前記対象は、ブースター用量の前記ワクチンを投与される、条項55または条項56に記載の方法。
59.前記ワクチンは、皮内注射または筋肉内注射により前記対象に投与される、条項55から条項58のいずれか1項に記載の方法。
60.前記対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも1対数だけ増加する、条項55から条項59のいずれか1項に記載の方法。
61.前記対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して1〜3対数だけ増加する、条項55から条項60のいずれか1項に記載の方法。
62.前記対象内で生じる前記抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも2倍増加する、条項55から条項61のいずれか1項に記載の方法。
63.前記対象内で生じる前記抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して2〜10倍増加する、条項55から条項62のいずれか1項に記載の方法。
64.前記対照は、前記ウイルスに対するワクチンを投与されていない対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価である、条項60から条項63のいずれか1項に記載の方法。
65.前記対照は、前記ウイルスに対する弱毒生ワクチンまたは不活化ワクチンを投与されている対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価である、条項60から条項63のいずれか1項に記載の方法。
66.前記対照は、前記ウイルスに対する組換えタンパク質ワクチンまたは精製タンパク質ワクチンを投与されている対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価である、条項60から条項63のいずれか1項に記載の方法。
67.前記対照は、前記ウイルスに対するVLPワクチンを投与されている対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価である、条項60から条項63のいずれか1項に記載の方法。
68.前記有効量は、前記ウイルスに対する標準治療用量の組換えタンパク質ワクチンまたは精製タンパク質ワクチンの少なくとも2倍少ない用量に相当する用量であり、前記対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、前記ウイルスに対する標準治療用量の組換えタンパク質ワクチンまたは精製タンパク質ワクチンをそれぞれ投与した対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価と同等である、条項55から条項67のいずれか1項に記載の方法。
69.前記有効量は、前記ウイルスに対する標準治療用量の弱毒生ワクチンまたは不活化ワクチンの少なくとも2倍少ない用量に相当する用量であり、前記対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、前記ウイルスに対する標準治療用量の弱毒生ワクチンまたは不活化ワクチンをそれぞれ投与した対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価と同等である、条項55から条項67のいずれか1項に記載の方法。
70.前記有効量は、前記ウイルスに対する標準治療用量のVLPワクチンの少なくとも2倍少ない用量に相当する用量であり、前記対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、前記ウイルスに対する標準治療用量のVLPワクチンを投与した対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価と同等である、条項55から条項67のいずれか1項に記載の方法。
71.前記有効量は、50μg〜1000μgの総用量である、条項55から条項70のいずれか1項に記載の方法。
72.前記有効量は、前記対象に合計2回で投与される、25μg、100μg、400μgまたは500μgの用量である、条項55から条項71に記載の方法。
73.前記ウイルスに対する前記ワクチンの効果は65%超である、条項55から条項72のいずれか1項に記載の方法。
74.前記ウイルスに対する前記ワクチンの効果は80%超である、条項55から条項73のいずれか1項に記載の方法。
75.前記ワクチンは、前記対象を前記ウイルスに対して最大2年間免疫する、条項55から条項74のいずれか1項に記載の方法。
76.前記ワクチンは、前記対象を前記ウイルスに対して2年間超免疫する、条項55から条項74のいずれか1項に記載の方法。
77.前記対象は約12歳〜約50歳の年齢である、条項55から条項76のいずれか1項に記載の方法。
78.前記対象は前記ウイルスに曝されている、前記対象は前記ウイルスに感染している、または、前記対象は前記ウイルスに感染するリスクがある、条項55から条項77のいずれか1項に記載の方法。
79.前記対象は免疫不全状態である、条項55から条項78のいずれか1項に記載の方法。
80.対象内の抗原特異的免疫応答を誘導するための方法に用いる条項1から条項54のいずれか1項に記載のワクチンであって、前記方法は、前記対象内の抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効な量で前記ワクチンを前記対象に投与することを含む、前記ワクチン。
81.対象内の抗原特異的免疫応答を誘導するための方法に用いる薬物の製造における条項1から条項54のいずれか1項に記載のワクチンの使用であって、前記方法は、前記対象内の抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効な量で前記ワクチンを前記対象に投与することを含む、前記使用。
82.条項1から条項54のいずれか1項に記載のワクチンの少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドをコードする遺伝子改変核酸。
83.熱帯病ワクチンであって、
5´末端キャップを有する少なくとも1つのメッセンジャーリボ核酸(mRNA)ポリヌクレオチド、少なくとも1つの熱帯病抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム、及び、3´ポリA尾部を含む、前記熱帯病ワクチン。
84.前記少なくとも1つのmRNAポリヌクレオチドは、配列番号:1〜28のいずれか1つにより識別される配列によりコードされる、条項1に記載のワクチン。
85.前記少なくとも1つのmRNAポリヌクレオチドは、配列番号:431〜461のいずれか1つにより識別される配列を含む、条項1に記載のワクチン。
86.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61のいずれか1つにより識別される配列を含む、条項1に記載のワクチン。
87.前記少なくとも1つのmRNAポリヌクレオチドは、配列番号:62〜64のいずれか1つにより識別される配列によりコードされる、条項1に記載のワクチン。
88.前記少なくとも1つのmRNAポリヌクレオチドは、配列番号:317〜319のいずれか1つにより識別される配列を含む、条項1に記載のワクチン。
89.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:65〜72のいずれか1つにより識別される配列を含む、条項1に記載のワクチン。
90.前記少なくとも1つのmRNAポリヌクレオチドは、配列番号:184〜294のいずれか1つにより識別される配列によりコードされる、条項1に記載のワクチン。
91.前記少なくとも1つのmRNAポリヌクレオチドは、配列番号:320〜430のいずれか1つにより識別される配列を含む、条項1に記載のワクチン。
92.前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:73〜183のいずれか1つにより識別される配列を含む、条項1に記載のワクチン。
93.前記5´末端キャップは、7mG(5´)ppp(5´)NlmpNpであるか、または、7mG(5´)ppp(5´)NlmpNpを含む、条項83から条項92のいずれか1項に記載のワクチン。
94.前記オープンリーディングフレーム内における前記ウラシルの100%は、修飾されて、前記ウラシルの5位にN1−メチルシュードウリジンを含む、条項83から条項93のいずれか1項に記載のワクチン。
95.前記ワクチンは、DLin−MC3−DMA、コレステロール、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、及び、ポリエチレングリコール(PEG)2000−DMGを含む脂質ナノ粒子で製剤化された、条項83から条項94のいずれか1項に記載のワクチン。
96.前記脂質ナノ粒子は、クエン酸三ナトリウム緩衝液、スクロース及び水をさらに含む、条項95に記載のワクチン。
97.性感染症(STD)ワクチンであって、
5´末端キャップ7mG(5´)ppp(5´)NlmpNp、配列番号:431〜461により識別される配列、及び3´ポリA尾部を有する少なくとも1つのメッセンジャーリボ核酸(mRNA)ポリヌクレオチドを含み、配列番号:431〜461により識別される前記配列の前記ウラシルヌクレオチドは、修飾されて、前記ウラシルヌクレオチドの5位にN1−メチルシュードウリジンを含む、前記性感染症(STD)ワクチン。
98.性感染症(STD)ワクチンであって、
5´末端キャップ7mG(5´)ppp(5´)NlmpNp、配列番号:317〜319により識別される配列、及び3´ポリA尾部を有する少なくとも1つのメッセンジャーリボ核酸(mRNA)ポリヌクレオチドを含み、配列番号:317〜319により識別される前記配列の前記ウラシルヌクレオチドは、修飾されて、前記ウラシルヌクレオチドの5位にN1−メチルシュードウリジンを含む、前記性感染症(STD)ワクチン。
99.性感染症(STD)ワクチンであって、
5´末端キャップ7mG(5´)ppp(5´)NlmpNp、配列番号:320〜430により識別される配列、及び3´ポリA尾部を有する少なくとも1つのメッセンジャーリボ核酸(mRNA)ポリヌクレオチドを含み、配列番号:320〜430により識別される前記配列の前記ウラシルヌクレオチドは、修飾されて、前記ウラシルヌクレオチドの5位にN1−メチルシュードウリジンを含む、前記性感染症(STD)ワクチン。
100.DLin−MC3−DMA、コレステロール、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、及びポリエチレングリコール(PEG)2000−DMGを含む、脂質ナノ粒子で製剤化された条項Xに記載のワクチン。
本開示はその適用において、以下の説明に記載するまたは図面に示す合成の詳細及び構成成分の配合に限定されない。本開示はその他の実施形態においても可能であり、また様々な方法で実施または実行可能である。同様に、本明細書で使用される表現及び専門用語は、説明を目的としたものであり、限定としてみなされるべきではない。本明細書において使用する、「including(含む)」、「comprising(含む)」、または「有する」、「containing(含む)」、「involving(含む)」及びその変形形態は、その後に列記される要素及びそれらの均等物、ならびにさらなる要素を包含することを意味する。
実施例1:ポリヌクレオチドの調製
本開示に従い、「Manufacturing Methods for Production of RNA Transcripts」と題されている国際公開WO2014/152027が教示する方法を利用して、ポリヌクレオチド及び/またはその部分または領域の調製を実施してもよい(その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
精製方法としては、国際公開WO2014/152030及び国際公開WO2014/152031において教示されているような方法を挙げてもよい(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
国際公開WO2014/144039において教示されているようなポリヌクレオチドの検出方法及びキャラクタリゼーション方法を実施してもよい(その全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
ポリヌクレオチドマッピング、逆転写酵素シークエンシング、電荷分布解析、RNA不純物の検出、または、上記2つまたはそれ以上の任意の組み合わせを用いて、本開示のポリヌクレオチドのキャラクタリゼーションを実施してもよい。「キャラクタライズ」は、例えば、RNA転写配列を決定すること、RNA転写物の純度を測定すること、または、RNA転写物の電荷不均一性を測定することを含む。このような方法は、例えば、国際公開WO2014/144711及び国際公開WO2014/144767において教示されている(それぞれの内容全体は参照として本明細書に組み込まれる)。
実施例2:キメラポリヌクレオチドの合成
本開示に従い、三リン酸化学反応を用いて、キメラポリヌクレオチドの2つの領域または部分を結合またはライゲートさせてもよい。100ヌクレオチド以下の第1の領域または部分を、例えば、5´一リン酸及び末端3´desOHまたは保護OHと化学合成する。領域が80ヌクレオチドよりも長い場合、ライゲーション用の2本のストランドとして合成してもよい。
インビトロ転写(IVT)を用いて、第1の領域または部分を非位置的に修飾した領域または部分として合成する場合、続けて、5´一リン酸を続く3´末端のキャッピングで変換してもよい。
一リン酸保護基は、当該技術分野において周知の保護基のいずれかから選択してもよい。
化学合成法またはIVT法の一方を用いて、キメラポリヌクレオチドの第2の領域または部分を合成してもよい。IVT法としては、修飾キャップ含有プライマーを利用できるRNAポリメラーゼを挙げてもよい。あるいは、最大130ヌクレオチドのキャップを化学合成してIVT領域または部分に結合させてもよい。
ライゲーション法では、DNAT4リガーゼでライゲーションを行い、続いてDNaseで処理することにより、速やかに連結を回避する必要がある。
全てのキメラポリヌクレオチドがリン酸−糖主鎖を有するように調製される必要はない。領域または部分の1つがポリペプチドをコードする場合、このような領域または部分は、リン酸−糖主鎖を含んでいてもよい。
それから、周知のクリックケミストリー、オルトクリックケミストリー、ソルリンクのいずれか、または、当業者に周知のその他バイオコンジュゲートケミストリーを用いて、ライゲーションを行う。
合成経路
キメラポリヌクレオチドは、一連の出発部分を用いて調製してもよい。このような部分としては、以下のものが挙げられる。
(a)通常の3´OHを含む、キャップ及び保護した5´部分(SEG.1)
(b)ポリペプチドのコード領域及び通常の3´OHを含み得る、5´三リン酸部分(SEG.2)
(c)コルジセピンを含むかまたは3´OHを含まないキメラポリヌクレオチドの3´末端(例えば、尾部)のための5´一リン酸部分(SEG.3)
合成(化学またはIVT)後、部分3(SEG.3)をコルジセピンに続いてピロホスファターゼで処理して、5´一リン酸を生成してもよい。
それから、RNAリガーゼを用いて、部分2(SEG.2)をSEG.3にライゲートしてもよい。その後、ライゲートしたポリヌクレオチドを精製してから、ピロホスファターゼで処理して二リン酸を開裂させる。続いて、処理したSEG.2−SEG.3構築物を精製し、SEG.1を5´末端にライゲートしてもよい。キメラポリヌクレオチドに対して、さらなる精製工程を行ってもよい。
キメラポリヌクレオチドがポリペプチドをコードする場合、ライゲートまたは結合した部分を、5´UTR(SEG.1)、オープンリーディングフレームまたはORF(SEG.2)、及び、3´UTR+ポリA(SEG.3)と表してもよい。
それぞれの工程における収率は、90〜95%ほどであってもよい。
実施例3:cDNA生成用PCR
Kapa Biosystems(Woburn,MA)製の2x KAPA HIFI(商標) HotStart ReadyMixを用いて、cDNA調製用PCR手順を実施してもよい。このシステムは、2x KAPA ReadyMix(12.5μl)、フォワードプライマー(10μM)(0.75μl)、リバースプライマー(10μM)(0.75μl)、鋳型cDNA(100ng)、及び、25.0μlまで希釈したdHOを含む。反応条件は、95℃で5分間であってもよい。98℃で20秒間、58℃で15秒間、72℃で45秒間、72℃で5分間を25サイクル行い反応させて、4℃で反応を停止させてもよい。
Invitrogen’s PURELINK(商標) PCR Micro Kit(Carlsbad,CA)を製造業者の取扱説明書に従って用い(最大5μg)、反応液を洗浄してもよい。より多い反応液を扱う歳には、大容量の製品を用いた洗浄が必要な場合がある。洗浄後、NANODROP(商標)を用いてcDNAを定量してもよく、また、cDNAが予想したサイズであることを確認するためにアガロースゲル電気泳動で解析してもよい。その後、インビトロ転写反応に進む前に、cDNAをシークエンシング解析にかけてもよい。
実施例4:インビトロ転写(IVT)
インビトロ転写反応によりRNAポリヌクレオチドを生成する。このようなポリヌクレオチドは、本開示のポリヌクレオチドの領域または部分を含んでいてもよく、例えば、化学修飾RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドが挙げられる。化学修飾RNAポリヌクレオチドは、均一に修飾されたポリヌクレオチドであってもよい。インビトロ転写反応では、ヌクレオチド三リン酸(NTP)のカスタム混合物を利用する。NTPは、化学修飾NTP、天然NTP及び化学修飾NTPの混合物、または、天然NTPを含んでいてもよい。
通常のインビトロ転写反応は以下のものを含む。
1)鋳型cDNA 1.0μg
2)10x転写緩衝液 2.0μl
(400mM トリス−HCl pH8.0、190mM
MgCl、50mM DTT、10mM スペルミジン)
3)カスタムNTP(それぞれ25mM) 0.2μl
4)RNase阻害剤 20U
5)T7 RNAポリメラーゼ 3000U
6)dHO 最大20.0μl、及び、
7)37℃で3時間〜5時間のインキュベーション
次の日に洗浄するために、粗IVT混合物を4℃で一晩保管してもよい。1UのRNaseフリーDNaseを用いてオリジナル鋳型を消化してもよい。37℃で15分間インキュベートした後、Ambion’s MEGACLEAR(商標) Kit(Austin,TX)を製造業者の取扱説明書に従い用いてmRNAを精製してもよい。このキットは、最大500μgのRNAを精製することができる。洗浄後、NanoDropを用いてRNAポリヌクレオチドを定量してもよく、また、RNAポリヌクレオチドが適度なサイズでありRNA分解が生じていないことを確認するためにアガロースゲル電気泳動で解析してもよい。
実施例5:酵素キャッピング
RNAポリヌクレオチドのキャッピングは以下のとおりに行う(混合物は、IVT RNA(60μg〜180μg)及びdHO(最大72μl)を含む)。混合物を65℃で5分間インキュベートしてRNAを変性させてから、すぐに氷上に移す。
プロトコルは、10xキャッピング緩衝液(0.5M トリス−HCl(pH8.0)、60mM KCl、12.5mM MgCl)(10.0μl)、20mM GTP(5.0μl)、20mM S−アデノシルメチオニン(2.5μl)、RNase阻害剤(100U)、2´−O−メチルトランスフェラーゼ(400U)、ワクシニアキャッピング酵素(グアニリルトランスフェラーゼ)(40U)、dHO(最大28μl)の混合、及び、60μgのRNAに対する37℃で30分間のインキュベーション、または、180μgのRNAに対する37℃で最大2時間のインキュベーションを含む。
その後、Ambion’s MEGACLEAR(商標) Kit(Austin,TX)を製造業者の取扱説明書に従い用いてRNAポリヌクレオチドを精製してもよい。洗浄後、NanoDrop(商標)(ThermoFisher,Waltham,MA)を用いてRNAを定量してもよく、また、RNAポリヌクレオチドが適度なサイズでありRNA分解が生じていないことを確認するためにアガロースゲル電気泳動で解析してもよい。逆転写PCRにかけてシークエンシング用のcDNAを生成することによって、RNAポリヌクレオチド産物をまたシークエンスしてもよい。
実施例6:ポリAテーリング反応
cDNA内にポリTがない場合、最終産物を洗浄する前にポリAテーリング反応を行う必要がある。この反応は、キャップIVT RNA(100μl)、RNase阻害剤(20U)、10xテーリング緩衝液(0.5M トリス−HCl(pH8.0)、2.5M NaCl、100mM MgCl)(12.0μl)、20mM ATP(6.0μl)、ポリAポリメラーゼ(20U)、dHO最大123.5μlを混合して、37℃で30分間インキュベートすることにより行われる。ポリA尾部が既に転写物内に存在する場合、テーリング反応をスキップして、Ambion’s MEGACLEAR(商標) kit(Austin,TX)(最大500μg)を用いた洗浄に直接進めてもよい。ポリAポリメラーゼは、酵母菌内で発現する組換え酵素であってもよい。
ポリAテーリング反応の進行性または結合性が常に厳密なサイズのポリA尾部をもたらすとは限らないということを理解すべきである。それゆえ、約40〜200、例えば、約40、50、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、150〜165、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164または165ヌクレオチドのポリA尾部は本開示の範囲内である。
実施例7:天然5´キャップ及び5´キャップ類似体
製造業者のプロトコルに従い5´グアノシンキャップ構造を生成するため、以下の化学RNAキャップ類似体、3´−O−Me−m7G(5´)ppp(5´)G[ARCAキャップ]、G(5´)ppp(5´)A、G(5´)ppp(5´)G、m7G(5´)ppp(5´)A、m7G(5´)ppp(5´)G(New England BioLabs,Ipswich,MA)を用いたインビトロ転写反応中に、ポリヌクレオチドの5´キャッピングを同時に完了させてもよい。「キャップ0」構造、m7G(5´)ppp(5´)G(New England BioLabs,Ipswich,MA)を生成するため、ワクシニアウイルスキャッピング酵素を用いた転写後に、修飾RNAの5´キャッピングを完了させてもよい。m7G(5´)ppp(5´)G−2’−O−メチルを生成するため、ワクシニアウイルスキャッピング酵素及び2´−O−メチルトランスフェラーゼの両方を用いて、キャップ1構造を生成してもよい。2´−O−メチルトランスフェラーゼを用いた5´末端から3番目のヌクレオチドにおける2´−O−メチル化に続き、キャップ1構造からキャップ2構造を生成してもよい。2´−O−メチルトランスフェラーゼを用いた5´末端から4番目のヌクレオチドにおける2´−O−メチル化に続き、キャップ2構造からキャップ3構造を生成してもよい。組換え源から酵素を誘導することが好ましい。
修飾mRNAは、哺乳動物細胞内にトランスフェクションする際、12〜18時間または18時間以上の安定性、例えば、24、36、48、60、72時間または72時間超の安定性を有する。
実施例8:キャッピングアッセイ
タンパク質発現アッセイ
本明細書で教示するキャップのいずれかを含有する、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を、等濃度で細胞内にトランスフェクションしてもよい。培地内へと分泌されたタンパク質の量を、トランスフェクションの6、12、24及び/または36時間後に、ELISAでアッセイしてもよい。高濃度のタンパク質を培地内へと分泌する合成ポリヌクレオチドは、翻訳能の高いキャップ構造を有する合成ポリヌクレオチドに相当する。
純度解析合成
変性アガロース−尿素ゲル電気泳動またはHPLC分析を用いて、本明細書で教示するキャップのいずれかを含有する、ポリペプチドをコードするRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドの純度を比較してもよい。電気泳動において単一で明瞭なバンドを示すRNAポリヌクレオチドは、複数のバンドまたはストリーキングバンドを示すポリヌクレオチドと比較して、高純度産物に相当する。単一HPLCピークを示す化学修飾RNAポリヌクレオチドもまた、高純度産物に相当する。より効率の高いキャッピング反応は、より純度の高いポリヌクレオチド群をもたらす。
サイトカイン解析
本明細書で教示するキャップのいずれかを含有する、ポリペプチドをコードするRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドを、複数の濃度で細胞内にトランスフェクションしてもよい。培地内へと分泌された炎症性サイトカイン(TNF−α及びIFN−βなど)の量を、トランスフェクションの6、12、24及び/または36時間後に、ELISAでアッセイしてもよい。培地内への高濃度炎症性サイトカインの分泌をもたらすRNAポリヌクレオチドは、免疫活性化キャップ構造を含有するポリヌクレオチドに相当する。
キャッピング反応効率
本明細書で教示するキャップのいずれかを含有する、ポリペプチドをコードするRNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドのキャッピング反応効率を、ヌクレアーゼ処理後にLC−MSで解析してもよい。キャップポリヌクレオチドのヌクレアーゼ処理により、LC−MSを用いて検出可能な、遊離ヌクレオチド及びキャップ5´−5三リン酸キャップ構造の混合物が生じる。LC−MSスペクトルにおけるキャップ産物の量は、反応による総ポリヌクレオチドに対する割合で表すことができ、キャッピング反応効率に相当する。LC−MSによると、キャッピング反応効率の高いキャップ構造がより多いキャップ産物を示している。
実施例9:修飾RNAまたはRT PCR産物のアガロースゲル電気泳動
製造業者のプロトコルに従い、個々のRNAポリヌクレオチド(20μl容量中200〜400ng)または逆転写PCR産物(200〜400ng)を非変性1.2% Agarose E−Gel(Invitrogen,Carlsbad,CA)上のウェル内へと充填して、12〜15分間泳動してもよい。
実施例10:Nanodropによる修飾RNAの定量及びUVスペクトルデータ
TE緩衝液(1μl)中の化学修飾RNAポリヌクレオチドをNanodrop UV吸光度計に用いて、化学合成またはインビトロ転写反応によるそれぞれのポリヌクレオチドの収量を定量する。
実施例11:リピドイドを用いた修飾mRNAの製剤化
RNA(例えば、mRNA)ポリヌクレオチドは、インビトロ実験で、細胞に加える前に、ポリヌクレオチドを一定の比率でリピドイドと混合することにより製剤化されてもよい。インビボ製剤化には、全身循環を促進させるための追加成分の添加が必要となり得る。これらリピドイドがインビボ効果に好適な粒子を形成する能力を試験するために、siRNA−リピドイド製剤に用いられる標準的な製剤化プロセスを基盤として用いてもよい。粒子の形成後、ポリヌクレオチドを加えて複合体を形成させる。標準的な色素排除アッセイを用いて封入効率を測定する。
実施例12:HPV免疫原性試験
本試験は、HPV血清型6、11、16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73または82から得たHPV L1タンパク質をコードする化学修飾または非修飾mRNAポリヌクレオチドを含む候補HPVワクチンのマウスにおける免疫原性を試験するために設計されている。
候補ワクチンを用い、静脈内(IV)、筋肉内(IM)または皮膚内(ID)でマウスを免疫する。最大3回の免疫処置を3週間のインターバル(すなわち、0、3、6及び9週目に)で行い、33〜51週までそれぞれの免疫処置後に血清を採取する。HPV L1タンパク質に対する血清抗体価をELISAで測定する。
実施例13:HPV誘発
本試験は、HPV血清型6、11、16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73または82から得たHPV L1タンパク質をコードする化学修飾または非修飾mRNAを含むHPVワクチンを用いた致死誘発に対する候補HPVワクチンのモルモットにおける効果を試験するために設計されている。致死量のHPVを用いて動物の免疫性試験を行う。
候補HPVワクチン(アジュバント含有及びアジュバント非含有)を用い、0週目及び3週目に、静脈内(IV)、筋肉内(IM)または皮膚内(ID)で動物を免疫する。その後、7週間目に、致死量のHPVを用いてIV、IMまたはIDで動物の免疫性試験を行う。エンドポイントを感染後13日、死亡または安楽死とする。>30%の体重減少、極度の昏睡または麻痺により確認される重篤な疾患を示す動物は安楽死させる。体温及び体重を毎日測定して記録する。
脂質ナノ粒子(LNP)製剤を用いる実験において、製剤は、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質及び構造脂質を50:10:1.5:38.5の比率で含んでいてもよい。例えば、カチオン性脂質はDLin−KC2−DMA(50モル%)またはDLin−MC3−DMA(50モル%)であり、非カチオン性脂質はDSPC(10モル%)であり、PEG脂質はPEG−DOMG(1.5モル%)であり、また構造脂質はコレステロール(38.5モル%)である。
HPV誘発に対するHPVワクチン候補の効果を、Gardasil(登録商標)(Human Papillomavirus Quadrivalent(Types 6,11,16,and 18)Vaccine,Recombinant,Merck)による動物のワクチン接種効果と比較する。
実施例14:Chlamydia免疫原性試験
本試験は、異なるChlamydia Ct089mRNAワクチンを投与したC57BL/6マウスの免疫原性を試験するために設計した。Ct089mRNAタンパク質、Ct089NGM mRNA(N−グリコシル化)タンパク質、または、rCt089タンパク質(Addvax中)と呼ばれる候補ワクチンを用い、筋肉内(IM)でマウス(n=10)を免疫した。0日目及び21日目(ブースト)に、50μl容量中の2μgまたは10μg用量をマウスに投与した。使用したMC3/mRNAの濃度は、10μg用量では0.2mg/ml、または、2μg用量では0.04mg/mlであった。血清を調製するため、3、21及び35日目にマウスの採血を行った。E.coli内で産生したrCt089を抗原として用いて、血清中の抗Ct089抗体価を測定した。21日目及び35日目に測定した抗体価を図4に示す。
天然Ct089mRNAにおいて、良好なIgG価が検出された(単回用量後に現れ、第2の用量後にブースト)。低用量免疫化による用量滴定が観察されたが、2μg及び10μg用量の両方で陽性価が認められた。10μg Ct089mRNA反応は、10μg rCt089タンパク質対照を上回った。
N−グリコシル化変異体Ct089(Ct089NGM)mRNAもまた免疫原性であったが、わずかに弱かった。
Ct089は、有望なCtワクチン抗原候補である。Ct089は、哺乳動物細胞内で発現する際、N−グリコシル化及びO−グリコシル化の両方を示した。Ct089に観察される一定の広範囲にわたるグリコシル化において、哺乳動物細胞内におけるmRNAコード細菌タンパク質の哺乳動物型グリコシル化は、免疫エピトープを遮蔽しない、または免疫原性を阻害しないと思われる。
実施例15:Chlamydia trachomatisげっ歯類誘発
本試験は、Chlamydia trachomatis血清型H、F、E、D、I、G、JまたはKから得たMOMPをコードする化学修飾または非修飾mRNAを含むChlamydiaワクチンを用いた致死誘発に対する候補Chlamydiaワクチンのモルモットにおける効果を試験するために設計されている。致死量のChlamydia trachomatisを用いてマウスの免疫性試験を行う。
候補Chlamydiaワクチン(アジュバント含有及びアジュバント非含有)を用い、0週目及び3週目に、膣内(IG)、筋肉内(IM)または皮膚内(ID)で動物を免疫する。その後、7週間目に、致死量のChlamydia trachomatisを用いてIG、IMまたはID経路で動物の免疫性試験を行う。エンドポイントを感染後13日、死亡または安楽死とする。>30%の体重減少、極度の昏睡または麻痺により確認される重篤な疾患を示す動物は安楽死させる。体温及び体重を毎日測定して記録する。
脂質ナノ粒子(LNP)製剤を用いる実験において、製剤は、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質及び構造脂質を50:10:1.5:38.5の比率で含んでいてもよい。例えば、カチオン性脂質はDLin−KC2−DMA(50モル%)であり、非カチオン性脂質はDSPC(10モル%)であり、PEG脂質はPEG−DOMG(1.5モル%)であり、また構造脂質はコレステロール(38.5モル%)である。
実施例16:候補mRNAワクチン由来Chlamydia trachomatis抗原のインビトロ発現
本試験は、候補mRNAワクチン由来Chlamydia trachomatis抗原のインビトロ発現を試験するために設計された。MOMP、Ct875、Ct858、Ct089、PmPG_pd、Ct460、Ct622、Cta1、Ct443またはCt812pd_Dをコードする候補mRNAワクチンについて試験を行った。MOMPをコードする候補mRNAワクチンをHela細胞にトランスフェクションした。マウス抗MOMP抗体を用いてトランスフェクションHela細胞を染色することで、Hela細胞内におけるMOMPの発現を免疫蛍光法で可視化した。蛍光顕微鏡画像は、抗MOMP抗体及びHela細胞の共存を示した(データは図示せず)。Ct875、Ct858、Ct089、PmPG_pd、Ct460、Ct622、Cta1、Ct443またはCt812pd_DをコードするmRNAワクチン構築物を、HEK293F細胞にトランスフェクションした。トランスフェクションから20時間後、細胞培養上清(濃縮または希釈)またはHEK293F細胞溶解物を回収して、抗原の発現をウェスタンブロットで解析した。Chlamydia trachomatis抗原をHisX6タグで標識した。マウス抗6XHis抗体を一次抗体として用い、抗マウスAl647抗体を二次抗体として用いた。細胞GAPDHもまた対照として検出した。ウサギ抗GAPDH抗体を一次抗体として用い、抗ウサギCy3抗体を二次抗体として用いた。ウェスタンブロットの結果を図1A〜図1B、図2A〜図2B、図3、及び表14に示す。
本明細書に記載の配列それぞれは、化学修飾配列、または、修飾を含まない非修飾配列を包含する。
全てのChlamydia mRNAワクチンは、標準的な5´UTR配列及び3´UTR配列ならびにG5キャップを含有する。
5´UTR:
TCAAGCTTTTGGACCCTCGTACAGAAGCTAATACGACTCACTATAGGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGAGCCACC(配列番号:295)
プロモーター配列を含まない5´UTR:
GGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGAGCCACC(配列番号:296)
3´UTR:
TGATAATAGGCTGGAGCCTCGGTGGCCATGCTTCTTGCCCCTTGGGCCTCCCCCCAGCCCCTCCTCCCCTTCCTGCACCCGTACCCCCGTGGTCTTTGAATAAAGTCTGAGTGGGCGGC(配列番号:297)
全てのChlamydia mRNAワクチンは、標準的な5´UTR配列及び3´UTR配列ならびにG5キャップを含有する。
5´UTR:
TCAAGCTTTTGGACCCTCGTACAGAAGCTAATACGACTCACTATAGGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGAGCCACC(配列番号:295)
プロモーター配列を含まない5´UTR:
GGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGAGCCACC(配列番号:296)
3´UTR:
TGATAATAGGCTGGAGCCTCGGTGGCCATGCTTCTTGCCCCTTGGGCCTCCCCCCAGCCCCTCCTCCCCTTCCTGCACCCGTACCCCCGTGGTCTTTGAATAAAGTCTGAGTGGGCGGC(配列番号:297)
等価物
本明細書に記載の本開示の具体的な実施形態に対する多くの等価物について、当業者は理解し、または、通常の実験を行うだけで確認することが可能であろう。このような等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されることを目的としている。
本明細書で開示する特許文献を含む全ての参照文献は、その全体が参照として組み込まれる。

Claims (103)

  1. 性感染症(STD)ワクチンであって、
    少なくとも1つのSTD抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含み、カチオン性脂質ナノ粒子で製剤化された、前記性感染症(STD)ワクチン。
  2. 前記抗原ポリペプチドは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)及びChlamydia trachomatis抗原ポリペプチドから選択される、請求項1に記載のSTDワクチン。
  3. ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンであって、
    少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含む、前記ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン。
  4. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、HPV E1タンパク質、HPV E2タンパク質、HPV E4タンパク質、HPV E5タンパク質、HPV E6タンパク質、HPV E7タンパク質、HPV L1タンパク質及びHPV L2タンパク質から選択され、任意選択的に、前記HPV血清型は、HPV血清型6、11、16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73及び82から選択される、請求項3に記載のワクチン。
  5. 前記ワクチンは、HPV E1タンパク質、HPV E2タンパク質、HPV E4タンパク質、HPV E5タンパク質、HPV E6タンパク質、HPV E7タンパク質、HPV L1タンパク質及びHPV L2タンパク質から選択される少なくとも2つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む、請求項3または請求項4に記載のワクチン。
  6. 前記ワクチンは、HPV E1タンパク質、HPV E2タンパク質、HPV E4タンパク質、HPV E5タンパク質、HPV E6タンパク質、HPV E7タンパク質、HPV L1タンパク質及びHPV L2タンパク質から選択される少なくとも1つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームをそれぞれが有する少なくとも2つのRNAポリヌクレオチドを含み、前記オープンリーディングフレームの一方によりコードされる前記HPV抗原ポリペプチドは、前記オープンリーディングフレームの他方によりコードされる前記HPV抗原ポリペプチドとは異なる、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のワクチン。
  7. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列を含む、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のワクチン。
  8. 前記少なくとも1つのRNAポリペプチドは、配列番号:1〜30のいずれか1つにより識別される核酸配列によりコードされる、及び/または、前記少なくとも1つのRNAポリペプチドは、配列番号:431〜461のいずれか1つにより識別される核酸配列を含む、請求項3から請求項7のいずれか1項に記載のワクチン。
  9. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項3から請求項8のいずれか1項に記載のワクチン。
  10. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列に対して95%〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項3から請求項9のいずれか1項に記載のワクチン。
  11. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、前記抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、細胞受容体に結合して、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす、及び/または、感染細胞への前記ウイルスの結合に影響を与える膜融合活性を有する、請求項3から請求項10のいずれか1項に記載のワクチン。
  12. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61のアミノ酸配列に対して90%〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、前記抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、細胞受容体に結合して、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす、及び/または、感染細胞への前記ウイルスの結合に影響を与える膜融合活性を有する、請求項3から請求項11のいずれか1項に記載のワクチン。
  13. Chlamydiaワクチンであって、
    少なくとも1つのChlamydia trachomatis抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含む、前記Chlamydiaワクチン。
  14. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、主要外膜タンパク質(MOMP)またはその免疫原性断片であり、任意選択的に、血清型H、F、E、D、I、G、J及びKから選択されるChlamydia trachomatis血清型を有する、請求項13に記載のワクチン。
  15. 前記ワクチンは、血清型HのMOMP、血清型FのMOMP、血清型EのMOMP、血清型DのMOMP、血清型IのMOMP、血清型GのMOMP、血清型JのMOMP及び血清型KのMOMPから選択される少なくとも2つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む、請求項13または請求項14に記載のワクチン。
  16. 前記ワクチンは、血清型HのMOMP、血清型FのMOMP、血清型EのMOMP、血清型DのMOMP、血清型IのMOMP、血清型GのMOMP、血清型JのMOMP及び血清型KのMOMPから選択される少なくとも1つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームをそれぞれが有する少なくとも2つのRNAポリヌクレオチドを含み、前記オープンリーディングフレームの一方によりコードされる前記抗原ポリペプチドは、前記オープンリーディングフレームの他方によりコードされる前記抗原ポリペプチドとは異なる、請求項13から請求項15のいずれか1項に記載のワクチン。
  17. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:65〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列を含む、請求項13から請求項16のいずれか1項に記載のワクチン。
  18. 前記少なくとも1つのRNAポリペプチドは、配列番号:62〜64または184〜294のいずれか1つにより識別される核酸配列によりコードされる、及び/または、前記少なくとも1つのRNAポリペプチドは、配列番号:317〜430のいずれか1つにより識別される核酸配列を含む、請求項13から請求項17のいずれか1項に記載のワクチン。
  19. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:65〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項13から請求項18のいずれか1項に記載のワクチン。
  20. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:65〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列に対して95%〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項13から請求項19のいずれか1項に記載のワクチン。
  21. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:65〜183のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、前記抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、細胞受容体に結合して、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす、及び/または、感染細胞への前記ウイルスの結合に影響を与える膜融合活性を有する、請求項13から請求項20のいずれか1項に記載のワクチン。
  22. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:65〜183のアミノ酸配列に対して90%〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、前記抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、細胞受容体に結合して、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす、及び/または、感染細胞への前記ウイルスの結合に影響を与える膜融合活性を有する、請求項13から請求項21のいずれか1項に記載のワクチン。
  23. 性感染症(STD)ワクチンであって、
    ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片、単純ヘルペスウイルス(HSV)抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片、及び、Chlamydia trachomatis抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片から選択される少なくとも2つの抗原ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのリボ核酸(RNA)ポリヌクレオチドを含む、前記性感染症(STD)ワクチン。
  24. 少なくとも1つのHPV抗原ポリペプチドは、HPV E1タンパク質、HPV E2タンパク質、HPV E4タンパク質、HPV E5タンパク質、HPV E6タンパク質、HPV E7タンパク質、HPV L1タンパク質及びHPV L2タンパク質から選択される、及び/または、少なくとも1つのHSV抗原ポリペプチドは、糖タンパク質B、HSV糖タンパク質C、HSV糖タンパク質D、HSV糖タンパク質E及びHSV(糖タンパク質I)から選択される、及び/または、少なくとも1つのChlamydia trachomatis抗原ポリペプチドは、MOMP抗原ポリペプチドである、請求項23に記載のワクチン。
  25. 前記ワクチンは、HPV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片、HSV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片、及び、Chlamydia trachomatis抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片から選択される少なくとも2つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームを有する少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドを含む、請求項23に記載のワクチン。
  26. 前記ワクチンは、HPV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片、HSV抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片、及び、Chlamydia trachomatis抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片から選択される少なくとも1つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするオープンリーディングフレームをそれぞれが有する少なくとも2つのRNAポリヌクレオチドを含み、前記オープンリーディングフレームの一方によりコードされる前記抗原ポリペプチドは、前記オープンリーディングフレームの他方によりコードされる前記抗原ポリペプチドとは異なる、請求項23から請求項25のいずれか1項に記載のワクチン。
  27. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61または65〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列を含む、請求項23から請求項26のいずれか1項に記載のワクチン。
  28. 前記少なくとも1つのRNAポリペプチドは、配列番号:1〜28、62〜64または184〜294のいずれか1つにより識別される核酸配列によりコードされる、及び/または、前記少なくとも1つのRNAポリペプチドは、配列番号:317〜319または320〜461のいずれか1つにより識別される核酸配列を含む、請求項23から請求項27のいずれか1項に記載のワクチン。
  29. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61または65〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項23から請求項25のいずれか1項に記載のワクチン。
  30. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61または65〜183のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列に対して95%〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項23から請求項25のいずれか1項に記載のワクチン。
  31. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61または65〜183のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、前記抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、細胞受容体に結合して、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす、及び/または、感染細胞への前記ウイルスの結合に影響を与える膜融合活性を有する、請求項23から請求項25のいずれか1項に記載のワクチン。
  32. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、配列番号:31〜61または65〜183のアミノ酸配列に対して90%〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、前記抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、細胞受容体に結合して、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす、及び/または、感染細胞への前記ウイルスの結合に影響を与える膜融合活性を有する、請求項23から請求項25のいずれか1項に記載のワクチン。
  33. 前記少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、野生型mRNA配列に対して80%未満の同一性を有する、請求項1から請求項32のいずれか1項に記載のワクチン。
  34. 少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、野生型mRNA配列に対して少なくとも80%の同一性を有するが野生型mRNA配列を含まない、請求項1から請求項32のいずれか1項に記載のワクチン。
  35. 前記少なくとも1つの抗原ポリペプチドは、細胞受容体に結合して、ウイルス膜と細胞膜の融合を引き起こす、及び/または、感染細胞への前記ウイルスの結合に影響を与える膜融合活性を有する、請求項1から請求項34のいずれか1項に記載のワクチン。
  36. 前記少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含む、請求項1から請求項35のいずれか1項に記載のワクチン。
  37. 前記化学修飾は、シュードウリジン、N1−メチルシュードウリジン、N1−エチルシュードウリジン、2−チオウリジン、4’−チオウリジン、5−メチルシトシン、5−メチルウリジン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、4−チオ−シュードウリジン、5−アザ−ウリジン、ジヒドロシュードウリジン、5−メトキシウリジン及び2’−O−メチルウリジンから選択される、請求項36に記載のワクチン。
  38. 前記化学修飾は、前記ウラシルの5位にある、請求項36または請求項37に記載のワクチン。
  39. 前記化学修飾は、N1−メチルシュードウリジンまたはN1−エチルシュードウリジンである、請求項36から請求項38のいずれか1項に記載のワクチン。
  40. 前記オープンリーディングフレーム内における前記ウラシルの少なくとも80%は、化学修飾を有する、請求項36から請求項39のいずれか1項に記載のワクチン。
  41. 前記オープンリーディングフレーム内における前記ウラシルの少なくとも90%は、化学修飾を有する、請求項40に記載のワクチン。
  42. 前記オープンリーディングフレーム内における前記ウラシルの100%は、化学修飾を有する、請求項41に記載のワクチン。
  43. 少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの5´末端キャップをさらにコードする、請求項1から請求項42のいずれか1項に記載のワクチン。
  44. 前記5´末端キャップは7mG(5´)ppp(5´)NlmpNpである、請求項43に記載のワクチン。
  45. 少なくとも1つの抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、HuIgGkシグナルペプチド(METPAQLLFLLLLWLPDTTG;配列番号:304)、IgE重鎖イプシロン−1シグナルペプチド(MDWTWILFLVAAATRVHS;配列番号:305)、日本脳炎PRMシグナル配列(MLGSNSGQRVVFTILLLLVAPAYS;配列番号:306)、VSVgタンパク質シグナル配列(MKCLLYLAFLFIGVNCA;配列番号:307)、及び、日本脳炎JEVシグナル配列(MWLVSLAIVTACAGA;配列番号:308)から選択されるシグナルペプチドに融合する、請求項1から請求項44のいずれか1項に記載のワクチン。
  46. 前記シグナルペプチドは、少なくとも1つの抗原ポリペプチドのN末端に融合する、請求項45に記載のワクチン。
  47. 前記シグナルペプチドは、少なくとも1つの抗原ポリペプチドのC末端に融合する、請求項45に記載のワクチン。
  48. 前記抗原ポリペプチドまたはその免疫原性断片は、変異N−結合型グリコシル化部位を含む、請求項1から請求項47のいずれか1項に記載のワクチン。
  49. ナノ粒子で製剤化された、請求項3から請求項48のいずれか1項に記載のワクチン。
  50. 前記ナノ粒子は脂質ナノ粒子である、請求項49に記載のワクチン。
  51. 前記ナノ粒子は50〜200nmの平均粒径を有する、請求項1、請求項2、請求項50または請求項51に記載のワクチン。
  52. 前記脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質、PEG修飾脂質、ステロール及び非カチオン性脂質を含む、請求項1、請求項2、請求項50または請求項51に記載のワクチン。
  53. 前記脂質ナノ粒子担体は、約20〜60%のカチオン性脂質、0.5〜15%のPEG修飾脂質、25〜55%のステロール、及び25%の非カチオン性脂質のモル比を含む、請求項52に記載のワクチン。
  54. 前記カチオン性脂質はイオン化カチオン性脂質であり、前記非カチオン性脂質は中性脂質であり、前記ステロールはコレステロールである、請求項52または請求項53に記載のワクチン。
  55. 前記カチオン性脂質は、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)、ジリノレイル−メチル−4−ジメチルアミノブチレート(DLin−MC3−DMA)、及びジ((Z)−ノン−2−エン−1−イル)9−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される、請求項53または請求項54のいずれか1項に記載のワクチン。
  56. 前記脂質ナノ粒子は、式(I)の化合物、任意選択的に、3、18、20、25、26、29、30、60、108〜112、または122の化合物を含む、請求項1、請求項2、請求項50から請求項55のいずれか1項に記載のワクチン。
  57. 前記脂質ナノ粒子は式(II)の化合物を含む、請求項1、請求項2、請求項50から請求項55のいずれか1項に記載のワクチン。
  58. 前記ナノ粒子は、0.4未満の多分散度の値を有する、請求項1から請求項57のいずれか1項に記載のワクチン。
  59. 前記ナノ粒子は、中性pH値に正味の中性電荷を有する、請求項1から請求項58のいずれか1項に記載のワクチン。
  60. アジュバントをさらに含む、請求項1から請求項59のいずれか1項に記載のワクチン。
  61. 前記アジュバントは、フラジェリンタンパク質またはフラジェリンペプチドである、請求項60に記載のワクチン。
  62. 前記フラジェリンタンパク質またはフラジェリンペプチドは、配列番号:301〜303のいずれか1つにより識別されるアミノ酸配列を含む、請求項61に記載のワクチン。
  63. 前記オープンリーディングフレームはコドン最適化されている、請求項1から請求項62のいずれか1項に記載のワクチン。
  64. 前記ワクチンは多価である、請求項1から請求項63のいずれか1項に記載のワクチン。
  65. 抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効な量で製剤化される、請求項1から請求項64のいずれか1項に記載のワクチン。
  66. 対象内の免疫応答を誘導するための方法であって、前記方法は、請求項1から請求項65のいずれか1項に記載の前記ワクチンを、前記対象内の抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効な量で前記対象に投与することを含む、前記方法。
  67. 前記抗原特異的免疫応答は、T細胞応答またはB細胞応答を含む、請求項66に記載の方法。
  68. 前記対象は、単回用量の前記ワクチンを投与される、請求項66または請求項67に記載の方法。
  69. 前記対象は、ブースター用量の前記ワクチンを投与される、請求項66または請求項67に記載の方法。
  70. 前記ワクチンは、皮内注射または筋肉内注射により前記対象に投与される、請求項66から請求項69のいずれか1項に記載の方法。
  71. 前記対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも1対数だけ増加する、請求項66から請求項70のいずれか1項に記載の方法。
  72. 前記対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して1〜3対数だけ増加する、請求項66から請求項71のいずれか1項に記載の方法。
  73. 前記対象内で生じる前記抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して少なくとも2倍増加する、請求項66から請求項72のいずれか1項に記載の方法。
  74. 前記対象内で生じる前記抗抗原ポリペプチド抗体価は、対照と比較して2〜10倍増加する、請求項66から請求項73のいずれか1項に記載の方法。
  75. 前記対照は、前記ウイルスに対するワクチンを投与されていない対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価である、請求項71から請求項74のいずれか1項に記載の方法。
  76. 前記対照は、前記ウイルスに対する弱毒生ワクチンまたは不活化ワクチンを投与されている対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価である、請求項71から請求項74のいずれか1項に記載の方法。
  77. 前記対照は、前記ウイルスに対する組換えタンパク質ワクチンまたは精製タンパク質ワクチンを投与されている対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価である、請求項71から請求項74のいずれか1項に記載の方法。
  78. 前記対照は、前記ウイルスに対するVLPワクチンを投与されている対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価である、請求項71から請求項74のいずれか1項に記載の方法。
  79. 前記有効量は、前記ウイルスに対する標準治療用量の組換えタンパク質ワクチンまたは精製タンパク質ワクチンの少なくとも2倍少ない用量に相当する用量であり、前記対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、前記ウイルスに対する標準治療用量の組換えタンパク質ワクチンまたは精製タンパク質ワクチンをそれぞれ投与した対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価と同等である、請求項66から請求項78のいずれか1項に記載の方法。
  80. 前記有効量は、前記ウイルスに対する標準治療用量の弱毒生ワクチンまたは不活化ワクチンの少なくとも2倍少ない用量に相当する用量であり、前記対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、前記ウイルスに対する標準治療用量の弱毒生ワクチンまたは不活化ワクチンをそれぞれ投与した対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価と同等である、請求項66から請求項78のいずれか1項に記載の方法。
  81. 前記有効量は、前記ウイルスに対する標準治療用量のVLPワクチンの少なくとも2倍少ない用量に相当する用量であり、前記対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価は、前記ウイルスに対する標準治療用量のVLPワクチンを投与した対照対象内で生じる抗抗原ポリペプチド抗体価と同等である、請求項66から請求項78のいずれか1項に記載の方法。
  82. 前記有効量は、50μg〜1000μgの総用量である、請求項66から請求項81のいずれか1項に記載の方法。
  83. 前記有効量は、前記対象に合計2回で投与される、25μg、100μg、400μgまたは500μgの用量である、請求項82に記載の方法。
  84. 前記ウイルスに対する前記ワクチンの効果は65%超である、請求項66から請求項83のいずれか1項に記載の方法。
  85. 前記ワクチンは、前記対象を前記ウイルスに対して最大2年間免疫する、請求項66から請求項84のいずれか1項に記載の方法。
  86. 前記ワクチンは、前記対象を前記ウイルスに対して2年間超免疫する、請求項66から請求項84のいずれか1項に記載の方法。
  87. 前記対象は約12歳〜約50歳の年齢である、請求項66から請求項86のいずれか1項に記載の方法。
  88. 前記対象は前記ウイルスに曝されている、前記対象は前記ウイルスに感染している、または、前記対象は前記ウイルスに感染するリスクがある、請求項66から請求項87のいずれか1項に記載の方法。
  89. 前記対象は免疫不全状態である、請求項66から請求項88のいずれか1項に記載の方法。
  90. 対象内の抗原特異的免疫応答を誘導するための方法に用いる請求項1から請求項65のいずれか1項に記載のワクチンであって、前記方法は、前記対象内の抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効な量で前記ワクチンを前記対象に投与することを含む、前記ワクチン。
  91. 対象内の抗原特異的免疫応答を誘導するための方法に用いる薬物の製造における請求項1から請求項65のいずれか1項に記載のワクチンの使用であって、前記方法は、前記対象内の抗原特異的免疫応答を引き起こすのに有効な量で前記ワクチンを前記対象に投与することを含む、前記使用。
  92. 請求項1から請求項65のいずれか1項に記載のワクチンの少なくとも1つのRNAポリヌクレオチドをコードする遺伝子改変核酸。
  93. 性感染症抗原をコードする有効量のmRNAを含む、対象のワクチン接種に用いる医薬組成物であって、
    前記有効量は、投与後1〜72時間における前記対象の血清を用いて測定する際、検出可能な抗原濃度をもたらすのに十分である、前記医薬組成物。
  94. 前記抗原のカットオフインデックスは1〜2である、請求項93に記載の組成物。
  95. 性感染症抗原をコードする有効量のmRNAを含む、対象のワクチン接種に用いる医薬組成物であって、
    前記有効量は、投与後1〜72時間における前記対象の血清を用いて測定する際、前記抗原に対する中和抗体によりもたらされる1,000〜10,000の中和力価を示すのに十分である、前記医薬組成物。
  96. 式(I)の化合物、
    、または塩もしくはその異性体を含む脂質ナノ粒子で製剤化された、性感染症抗原をコードするmRNAを含むワクチンであって、式中、
    は、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−R’’M’R’からなる群から選択され、
    及びRは、H、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−ROR’’からなる群から独立して選択され、または、R及びRは、それらが結合している原子と共に複素環または炭素環を形成し、
    は、C3−6炭素環、−(CHQ、−(CHCHQR、−CHQR、−CQ(R)及び非置換C1−6アルキルからなる群から選択され、式中、Qは、炭素環、複素環、−OR、−O(CHN(R)、−C(O)OR、−OC(O)R、−CX、−CXH、−CXH、−CN、−N(R)、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)N(R)、−N(R)C(S)N(R)、−N(R)R、−O(CHOR、−N(R)C(=NR)N(R)、−N(R)C(=CHR)N(R)、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、−N(OR)C(O)R、−N(OR)S(O)R、−N(OR)C(O)OR、−N(OR)C(O)N(R)、−N(OR)C(S)N(R)、−N(OR)C(=NR)N(R)、−N(OR)C(=CHR)N(R)、−C(=NR)N(R)、−C(=NR)R、−C(O)N(R)OR及び−C(R)N(R)C(O)ORから選択され、それぞれのnは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
    は、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から選択され、
    は、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
    は、H、CN、NO、C1−6アルキル、−OR、−S(O)R、−S(O)N(R)、C2−6アルケニル、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのR’は、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−RYR’’、−YR’’及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのR’’は、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−12アルキル及びC2−12アルケニルからなる群から独立して選択され、
    それぞれのYは、独立してC3−6炭素環であり、
    それぞれのXは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
    mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択される、
    前記ワクチン。
  97. 式(I)の化合物のサブセットは、Rが−(CHQ、−(CHCHQR、−CHQRまたは−CQ(R)であるとき、(i)nが1、2、3、4または5の場合、Qは−N(R)ではない化合物、または、(ii)nが1または2の場合、Qは5、6または7員環ヘテロシクロアルキルではない化合物を含む、請求項96に記載のワクチン。
  98. 式(I)の化合物のサブセットは、化合物、
    は、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−R’’M’R’からなる群から選択され、
    及びRは、H、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−ROR’’からなる群から独立して選択され、または、R及びRは、それらが結合している原子と共に複素環または炭素環を形成し、
    は、C3−6炭素環、−(CHQ、−(CHCHQR、−CHQR、−CQ(R)及び非置換C1−6アルキルからなる群から選択され、式中、Qは、C3−6炭素環、N、O及びSから選択される1個または複数個のヘテロ原子を有する5〜14員環ヘテロアリール、−OR、−O(CHN(R)、−C(O)OR、−OC(O)R、−CX、−CXH、−CXH、−CN、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)N(R)、−N(R)C(S)N(R)、−CRN(R)C(O)OR、−N(R)R、−O(CHOR、−N(R)C(=NR)N(R)、−N(R)C(=CHR)N(R)、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、−N(OR)C(O)R、−N(OR)S(O)R、−N(OR)C(O)OR、−N(OR)C(O)N(R)、−N(OR)C(S)N(R)、−N(OR)C(=NR)N(R)、−N(OR)C(=CHR)N(R)、−C(=NR)N(R)、−C(=NR)R、−C(O)N(R)OR、ならびに、オキソ(=O)、OH、アミノ、モノまたはジアルキルアミノ及びC1−3アルキルから選択される1個または複数個の置換基で置換されたN、O及びSから選択される1個または複数個のヘテロ原子を有する5〜14員環ヘテロシクロアルキルから選択され、それぞれのnは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
    は、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から選択され、
    は、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
    は、H、CN、NO、C1−6アルキル、−OR、−S(O)R、−S(O)N(R)、C2−6アルケニル、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのR’は、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−RYR’’、−YR’’及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのR’’は、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−12アルキル及びC2−12アルケニルからなる群から独立して選択され、
    それぞれのYは、独立してC3−6炭素環であり、
    それぞれのXは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
    mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択され、
    または塩もしくはその異性体を含む、請求項96に記載のワクチン。
  99. 式(I)の化合物のサブセットは、化合物、
    は、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−R’’M’R’からなる群から選択され、
    及びRは、H、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−ROR’’からなる群から独立して選択され、または、R及びRは、それらが結合している原子と共に複素環または炭素環を形成し、
    は、C3−6炭素環、−(CHQ、−(CHCHQR、−CHQR、−CQ(R)及び非置換C1−6アルキルからなる群から選択され、式中、Qは、C3−6炭素環、N、O及びSから選択される1個または複数個のヘテロ原子を有する5〜14員環複素環、−OR、−O(CHN(R)、−C(O)OR、−OC(O)R、−CX、−CXH、−CXH、−CN、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)N(R)、−N(R)C(S)N(R)、−CRN(R)C(O)OR、−N(R)R、−O(CHOR、−N(R)C(=NR)N(R)、−N(R)C(=CHR)N(R)、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、−N(OR)C(O)R、−N(OR)S(O)R、−N(OR)C(O)OR、−N(OR)C(O)N(R)、−N(OR)C(S)N(R)、−N(OR)C(=NR)N(R)、−N(OR)C(=CHR)N(R)、−C(=NR)R、−C(O)N(R)OR及び−C(=NR)N(R)から選択され、それぞれのnは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、Qが5〜14員環複素環、また(i)Rが、nは1または2である−(CHQ、(ii)Rが、nは1である−(CHCHQR、または(iii)Rが−CHQR及び−CQ(R)であるとき、Qは、5〜14員環ヘテロアリールまたは8〜14員環ヘテロシクロアルキルのいずれかであり、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
    は、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から選択され、
    は、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
    は、H、CN、NO、C1−6アルキル、−OR、−S(O)R、−S(O)N(R)、C2−6アルケニル、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのR’は、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−RYR’’、−YR’’及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのR’’は、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−12アルキル及びC2−12アルケニルからなる群から独立して選択され、
    それぞれのYは、独立してC3−6炭素環であり、
    それぞれのXは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
    mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択され、
    または塩もしくはその異性体を含む、請求項96に記載のワクチン。
  100. 式(I)の化合物のサブセットは、化合物、
    は、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−R’’M’R’からなる群から選択され、
    及びRは、H、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−ROR’’からなる群から独立して選択され、または、R及びRは、それらが結合している原子と共に複素環または炭素環を形成し、
    は、C3−6炭素環、−(CHQ、−(CHCHQR、−CHQR、−CQ(R)及び非置換C1−6アルキルからなる群から選択され、式中、Qは、C3−6炭素環、N、O及びSから選択される1個または複数個のヘテロ原子を有する5〜14員環ヘテロアリール、−OR、−O(CHN(R)、−C(O)OR、−OC(O)R、−CX、−CXH、−CXH、−CN、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)N(R)、−N(R)C(S)N(R)、−CRN(R)C(O)OR、−N(R)R、−O(CHOR、−N(R)C(=NR)N(R)、−N(R)C(=CHR)N(R)、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、−N(OR)C(O)R、−N(OR)S(O)R、−N(OR)C(O)OR、−N(OR)C(O)N(R)、−N(OR)C(S)N(R)、−N(OR)C(=NR)N(R)、−N(OR)C(=CHR)N(R)、−C(=NR)R、−C(O)N(R)OR及び−C(=NR)N(R)から選択され、それぞれのnは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
    は、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から選択され、
    は、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
    は、H、CN、NO、C1−6アルキル、−OR、−S(O)R、−S(O)N(R)、C2−6アルケニル、C3−6炭素環及び複素環からなる群から選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのR’は、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−RYR’’、−YR’’及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのR’’は、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−12アルキル及びC2−12アルケニルからなる群から独立して選択され、
    それぞれのYは、独立してC3−6炭素環であり、
    それぞれのXは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
    mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択され、
    または塩もしくはその異性体を含む、請求項96に記載のワクチン。
  101. 式(I)の化合物のサブセットは、化合物、
    は、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−R’’M’R’からなる群から選択され、
    及びRは、H、C2−14アルキル、C2−14アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−ROR’’からなる群から独立して選択され、または、R及びRは、それらが結合している原子と共に複素環または炭素環を形成し、
    は、−(CHQまたは−(CHCHQRであり、式中、Qは−N(R)であり、nは、3、4及び5から選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
    は、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのR’は、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−RYR’’、−YR’’及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのR’’は、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−12アルキル及びC1−12アルケニルからなる群から独立して選択され、
    それぞれのYは、独立してC3−6炭素環であり、
    それぞれのXは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
    mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択され、
    または塩もしくはその異性体を含む、請求項96に記載のワクチン。
  102. 式(I)の化合物のサブセットは、化合物、
    は、C5−30アルキル、C5−20アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−R’’M’R’からなる群から選択され、
    及びRは、C1−14アルキル、C2−14アルケニル、−RYR’’、−YR’’及び−ROR’’からなる群から独立して選択され、または、R及びRは、それらが結合している原子と共に複素環または炭素環を形成し、
    は、−(CHQ、−(CHCHQR、−CHQR及び−CQ(R)からなる群から選択され、式中、Qは−N(R)であり、nは、1、2、3、4及び5から選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(S)S−、−SC(S)−、−CH(OH)−、−P(O)(OR’)O−、−S(O)−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
    は、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から選択され、
    それぞれのRは、C1−3アルキル、C2−3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのR’は、C1−18アルキル、C2−18アルケニル、−RYR’’、−YR’’及びHからなる群から独立して選択され、
    それぞれのR’’は、C3−14アルキル及びC3−14アルケニルからなる群から独立して選択され、
    それぞれのRは、C1−12アルキル及びC1−12アルケニルからなる群から独立して選択され、
    それぞれのYは、独立してC3−6炭素環であり、
    それぞれのXは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
    mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択され、
    または塩もしくはその異性体を含む、請求項96に記載のワクチン。
  103. 式(I)の化合物のサブセットは、式(IA)の化合物、
    、または塩もしくはその異性体を含み、式中、lは、1、2、3、4及び5から選択され、mは、5、6、7、8及び9から選択され、Mは結合またはM’であり、Rは、非置換C1−3アルキルまたは−(CHQであり、式中、Qは、OH、−NHC(S)N(R)、−NHC(O)N(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)R、−N(R)R、−NHC(=NR)N(R)、−NHC(=CHR)N(R)、−OC(O)N(R)、−N(R)C(O)OR、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり、M及びM’は、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)N(R’)−、−P(O)(OR’)O−、−S−S−、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、R及びRは、H、C1−14アルキル及びC2−14アルケニルからなる群から独立して選択される、請求項96に記載のワクチン。
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