JP2019529422A - グリコール酸を製造するための方法 - Google Patents

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Abstract

グリコール酸又はその誘導体を製造するための方法は、硫黄触媒の存在下、グリコール酸が形成されるような適切な条件下で操作するカルボニル化反応器中でホルムアルデヒドを一酸化炭素及び水と反応させること;グリコール酸、不純物及び硫黄種を含む第1の生成物流をカルボニル化反応器中で回収すること;第一の生成物流を、エステル化を施されてアルキルグリコレートが形成されるエステル化反応器に通すことであって、エステル化が第一の生成物流で回収された硫黄種により触媒化される、第一の生成物流をエステル化反応器に通すこと;アルキルグリコレート、硫黄種及び不純物を含む第二の生成物流をエステル化反応器から回収すること;第二の生成物流から硫黄種を分離し、それを工程(a)においてカルボニル化反応器へ再循環して硫黄が減損した第二の生成物流を形成すること;蒸留ゾーンにおいて、硫黄が欠乏した第二の生成物流からアルキルグリコレートを分離すること;及びアルキルグリコレートを回収し、アルキルグリコレートをグリコール酸に変換することを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、ヒドロキシ酸、より具体的にはグリコール酸、又はその誘導体を製造するための方法に関する。より具体的には、本発明は、少なくとも約70%の純度を有するヒドロキシ酸、例えばグリコール酸、又はその誘導体を製造するための方法に関する。
強酸触媒を使用したホルムアルデヒドの一酸化炭素でのカルボニル化によりグリコール酸を形成するための反応はよく知られている。基本的な方法は、DuPontにより米国特許第2152852号において最初に開示された。その方法は、50から350℃の温度及び5から1500atmaの圧力で、均一酸触媒の存在の下、ホルムアルデヒド、水及び一酸化炭素を反応させることにより液相中でグリコール酸を調製することを目的とした。硫酸、塩酸、リン酸、フッ化ホウ素、ギ酸及びグリコール酸が適切な触媒として記載されている。
DuPontはグリコール酸の製造のためのさらなる特許、例えばグリコール酸をエチレングリコールへ水素化するための継続的な方法を開示している米国特許第2285444、及びホルムアルデヒドのカルボニル化のための継続的な方法を開示している米国特許第2443482を取得した。
エチレングリコールを製造するための方法は、エチレングリコールへのこのルートが競争力がなくなる1960年代後半まで、デュポンによって商業化され、操作された。その後、プラントは、200℃の温度及び400から700barの圧力で硫酸が触媒として使用されたグリコール酸の製造のために操作された。
これらの初期に記載された方法には、数多くの問題があった。これらの問題には、非常に高い圧力で作業する必要性に起因するものが含まれていた。加えて、選択性は低かった。腐食性の高い反応混合物と反応生成物からの硫酸のような均一酸触媒を除去する困難とに取り組む必要もあった。
これらの問題のいくつか又はすべてについて対処するために様々な示唆がなされてきた。例えば、米国特許第3859349号では、硫酸触媒を分離することに関連した問題に対処する示唆があり、炭酸カルシウムでの中和の代わりとしてイオン交換樹脂を使用することを示唆していた。しかしながら、イオン交換樹脂は、水性環境で限定された熱安定性を有しているため、酸性基の損失が生じる。
他の示唆は、粗グリコール酸の共沸蒸留がカルボニル化反応器への再循環中の含水量を減らし、それによって副生成物形成を最小にし、且つ供給ホルムアルデヒドからの収率を高める手段として示唆された米国特許第4431486号であった。
他のアプローチは、反応器の操作圧力を低下させる手段として代替の触媒系を検討することであった。米国特許第3911003号、米国特許第4016208号、米国特許第4087470号、米国特許第4136112号及び米国特許第4188494号では、フッ化水素が適切な触媒として示された。触媒として硫酸をフッ化水素の代わりに使用する方法は、1から275barの操作圧力を可能にすることが示されている。
さらに別の方法が米国特許第4052452号で開示され、そこでは、濃硫酸中のCu(I)又はAg塩が一酸化炭素の溶解度を増加させる手段として示唆されており、このことは操作圧力が0.1から30atmaに減少することを可能にすることが示唆されている。これは操作圧力の問題に対処し得るが、そのような系は水による被毒に非常に敏感であり、金属触媒の分離及び再循環は困難である。
GB1595231は、スルホン酸触媒を使用してグリコール酸を得るためにアルコールの存在下でホルムアルデヒド又はその線状若しくは環状ポリマーの一つを一酸化炭素と反応させるための方法を記載している。しかしながら、in situのエステル化に伴う問題は、過剰な副生成物の形成があるためにこの系が非効率的であるということである。例えば、アルコールがメタノールである場合、メトキシ酢酸が形成される。
一酸化炭素、水性ホルムアルデヒド、均一酸触媒及び3から6の炭素原子を含むカルボン酸が使用される米国特許公開第2013/261328号に、さらなるin situの方法が記載されている。また、カルボン酸の存在は、副生成物形成を伴う問題をもたらし得る。
米国特許第6376723号では、反応は、反応条件を緩和する手段としてスルホンの存在下、−1未満のpKa値を有する酸触媒を用いて実施される必要があることが示唆されている。不均一系触媒を使用することができるとの示唆もある。
米国特許第4140866号は、ホルムアルデヒドのカルボニル化により生成されたグリコール酸から硫酸触媒を除去することに関連する問題を考察している。提案された解決法は、最初に反応混合物をアルカリ金属水酸化物で処理して溶解硫酸塩を形成し、次いでこれをグリコール酸とエチレン二酸化物とのエステル化及び水の除去の際に沈殿させることである。
反応混合物から均一系触媒を分離することに関連する問題を克服するために広く採用されている戦略は、容易に機械的に分離することができる不均一系触媒で均一系触媒を置き換えることである。ホルムアルデヒドのカルボニル化反応に使用するのに適した触媒として、いくつかの固体酸材料が提案されている。これらには、スルホン酸イオン交換樹脂、アルミノシリケートゼオライト、ポリオキソメタレート塩及びアルキルスルホン酸ポリシロキサンが含まれる。
グラム当たり0.1ミリ当量を超える水素イオン交換容量を有する固体の不溶性粒状酸性触媒の使用は、GB1499245に最初に記載された。スルホン酸系イオン交換樹脂、酸性粘土及びゼオライトが、ホルムアルデヒドのカルボニル化に適した触媒として挙げられている。これらには、スルホン酸イオン交換樹脂、アルミノシリケートゼオライト、ポリオキソメタレート塩及びアルキルスルホン酸ポリシロキサンが含まれる。
グラム当たり0.1ミリ当量を超える水素イオン交換容量を有する固体の不溶性粒状酸性触媒の使用は、GB1499245に最初に記載された。スルホン酸系イオン交換樹脂、酸性粘土及びゼオライトが、適した触媒として挙げられている。酢酸のような反応溶媒中の強酸性カチオン交換樹脂は特開昭56−073042に示唆されており、FZ−1及びZSM型ゼオライトの使用はEP0114657に示唆されている。
グリコール酸又はそのエステルの調製のための別の方法がDE3133353C2に開示されている。この方法では、二つの反応工程において、ホルムアルデヒドは不活性希釈剤中で一酸化炭素及び水又はアルコールと反応する。第一の工程では、ホルムアルデヒドは、酸性で固体の不溶性の細かく分布した触媒を使用して、1:1から5:1の触媒の水素イオン交換容量のホルムアルデヒドのモル量に対する比、30℃から200℃の温度、及び10から325barの圧力で一酸化炭素と反応する。第二の工程では、水又は1から20個の炭素原子を有するアルコールが、20℃から200℃の温度及び1から325barの圧力で追加される。続いて、触媒は反応媒体から機械的に分離される。
KR19950013078B1は、水溶性の不活性溶媒中でIB族の一価金属と5−40 wt%イオン交換されたポリマー強酸触媒である不均一固体触媒を使用して水又は水−メタノール混合物の存在下でホルムアルデヒドと一酸化炭素が反応するグリコール酸を製造するための方法に関する。ジオキサンが水溶性の不活性溶媒として使用される。
ホルムアルデヒド及び一酸化炭素が、水溶性の不活性溶媒中でポリマー強酸触媒を使用して、水又は水−メタノール混合物の存在下で反応するKR19950013079B1に、同様の方法が記載されている。
ホルムアルデヒド、酸化炭素及びメタノールからメチルグリコレートを継続して製造するための方法が、KR19950009480B1に記載されており、ここではポリマー強酸触媒で満たされたフロー反応器が使用されている。ホルムアルデヒド、水及び不活性溶媒の一酸化炭素との反応混合物は、反応器の上部で供給され、メタノールは下部で供給される。反応器の上部では、酸触媒作用を介してグリコール酸が製造される。反応器の下部では、メタノール及び形成されたグリコール酸からメチルグリコレートが調製される。一酸化炭素の圧力は500から6,000psigであり、温度は80から200℃である。この一工程手順の提案された選択性は比較的高い。
KR0124821B1は、メチルグリコレートを酸性溶液から分離することに関する。この場合、カルボニル化反応及びエステル化反応によって形成された反応溶液は、メチルグリコレート、ジオキサン、水、メタノール及び水素イオンを含有する。この反応溶液は、中和反応器へ送られ、アルカリの添加によって中和され、塩が生じる。塩を含有する反応溶液は蒸留されて、メタノール、水及びジオキサンと、メチルグリコレート、塩及びジオキサンとが分離される。ジオキサンから分離されたメタノールは、カルボニル化反応器へ再循環される。蒸留塔の下部から分離された溶液は、メチルグリコレート、塩及びジオキサンを含有する。これは、固体−液体分離器へ送られ、溶媒からメチルグリコレートが分離される。
メチルグリコレートの製造のためのさらなる方法がKR19950011114B1に記載されている。この方法では、ホルムアルデヒドは一酸化炭素と反応し、グリコール酸が生成される。その後、グリコール酸はメタノールと反応して、メチルグリコレートが生成される。その後、残りのホルムアルデヒドはメタノールと反応して、メチラールが生成される。メチルグリコレート及びメチラールはその後、蒸留によって分離される。メチラールは、Fe−Mo触媒と反応して、それをホルムアルデヒドに戻し、その後、それは再循環される前に回収及び濃縮される。
ホルムアルデヒドのカルボニル化反応のための別の不均一酸触媒が米国特許第6376723号に記載されている。Amberlyst 38W及びNafion SAC13のようなスルホン酸系イオン交換樹脂が、適切な市販の触媒として挙げられる。Deloxan ASP 1/9、アルカリスルホン酸ポリシロキサン、も適切な触媒として記載されている。この材料は、プロピル(3−スルホン酸)シロキサン及びSiOの共重縮合によって形成される。
He et al., Catalysis Today, 51(1999), 127-134は、ホルムアルデヒドとギ酸メチルの縮合のための均一系触媒としてのヘテロポリ酸の使用を開示している。
さらなる方法が、特許公報第2503178号に開示されている。この方法では、グリコール酸は、固体のヘテロポリ酸の存在下でホルムアルデヒドと一酸化炭素から生成されたポリグリコリドの加水分解によって形成される。
国際公開第2009/140787号、同第2009/140788号及び同第2009/140850号は、不溶性のポリオキソメタレート化合物を使用する方法に関する。これらの化合物は、一酸化炭素及びホルムアルデヒドからグリコール酸を製造するために、特定の酸特性を有するか、又は固体酸触媒として、ゼオライトケージ内に封入されている。しかしながら、金属塩は、金属成分の浸出を起こしやすく、それは活性酸部位の数を減少させるであろう。ポリオキソメタレート塩を含浸させたゼオライトの場合、酸浸出はゼオライト基質と塩それ自体の両方に影響を与えるであろう。
様々な置換オルガノポリシロキサン化合物及びそれらの使用に関する数多くの事例も存在する。これらの事例は、ポリシロキサン化合物の異なるクラスを網羅する5つのファミリーに分類することができる。5つのグループ化は、以下:EP1360222、EP1786850、国際公開第2006/013080号、同第2007/090676号及び米国特許公開第2010/0290962によって分類することができ、これらは化合物の様々なファミリーを開示している。これらの文献は、化合物がカルボニル化反応に有用であり得るが、これらの化合物が、一般にカルボニル化反応においてどのように使用することができるか、又はこれらがホルムアルデヒドのカルボニル化にどのように使用できるかについて、詳細に教示していない。
不均一系触媒の使用が反応系の腐食を減少させるであろうことが示唆されてきた。先行技術において提案された不均一系触媒のいずれも商業的に採用されていない。
ホルムアルデヒドのカルボニル化により形成されるグリコール酸からのエチレングリコールの製造に関する数多くの特許及び出版物が存在するが、確立された工業生産ルートと経済的に競合することができる改良された方法に対する必要性が依然として存在する。
反応に関連する問題の解決を試みる様々なアプローチは、二つのカテゴリーにまとめることができる。第一のアプローチは、以前に達成可能であったものよりも低い圧力及び低い酸濃度で操作する均一系触媒系の調査に関する。
第二のアプローチは、触媒のより容易な分離及び反応器の腐食の減少から利益を得るため、不均一固体酸触媒の調査に関する。しかしながら、今日までに提案された固体触媒はまた、いくつかの欠点を有することが証明されており、そして商業的に採用されていない。これらの触媒は、一般的に、厳しい反応条件に耐えるために必要とされる熱的及び化学的安定性を欠いている。
例えば、アルミニウムが構造から浸出してそれを崩壊させるため、アルミノシリケートゼオライトは、強酸性条件下で安定していない。これは、活性の損失をもたらし、やがて触媒の崩壊を完了させる(Pan et al, 1994, Studies in Surface Science and Catalysis)。この問題を回避することを視野に入れると、EP0114657では、形成される酸の量が制限されるが、これは反応器の効率を低減し、分離の問題を悪化させるように反応が操作されるべきであることが提案されている。
スルホン酸系イオン交換樹脂は、水性環境で限定された熱安定性を有しているため、酸性基の損失が生じることがよく知られている。さらに、ホルムアルデヒドは、スチレン/ジビニルベンゼン系樹脂内の芳香環を攻撃し、膨張及びさらなる酸性基の損失がもたらされることが発見された。
置換オルガノポリシロキサン化合物、例えばDeloxan ASP 1/9、QuadraSil−SA及びSilicycle(SCX−2)と、アルキルスルホン酸ポリシロキサンを使用することができるが、これらは効果的なプロセス条件下で触媒性能を迅速に失うことが発見されたことが示されている。これは、加水分解による係留有機酸性基の損失によるものであった。
したがって、採算の合うグリコール酸の製造のための方法を提供する必要性が依然として存在する。
ホルムアルデヒドのカルボニル化環境における固体酸触媒の安定性の問題の調査において、数多くの材料が試験されてきた。この試験の過程で、官能性触媒シリカ材料の初期活性が経時的に低下することが観察された。「官能性」とは、シリカ材料が、シリカ担体に係留酸性基、例えばアルキルスルホン酸基を有することを意味する。活性の低下は係留官能基の除去の機能であることが発見された。
カルボン酸又はその誘導体を形成するためのアルデヒドのカルボニル化のための別の触媒及び方法が、国際公開第2016/162663号に記載されている。そこで開示される触媒は、均一系酸触媒成分及び多孔質固体成分を含む。
グリコール酸を製造するための別の改善された方法が、国際公開第2016/162662号に記載されている。この方法は、反応が少量の均一なアルキルシリルスルホン酸の存在下で行われるときに、シリカ材料の活性の減少を回復又は回避することができるという発見に関する。いくつかの状況では、増強された活性が達成され得る。よって、国際公開第2016/162662号は、シリカ触媒の存在下で、ホルムアルデヒドと一酸化炭素及び水を反応させることを含む、ホルムアルデヒドからグリコール酸又はその誘導体を製造するための方法に関し、ここでは、約200から約1000ppmのアルキルシリルスルホン酸が反応に供給される。
グリコール酸のような酸の製造のためにあらゆる方法が使用されようとも、不純物は最終生成物に導入される。例えば、酸触媒の存在下での水中のホルムアルデヒドのカルボニル化により得られたグリコール酸は、グリコール酸のエステル形成脱水縮合により形成されたグリコール酸ダイマー及び/又はオリゴマーを含有する。ジグリコール酸も存在し得る。さらに、触媒残留物も一般的に存在する。
これらの不純物からの所望のグリコール酸の分離は、酸が非揮発性であり、減圧下であっても容易に蒸発できないため、困難である。高温で自己エステル化反応が生じることがあり、ポリグリコリド及び水の形成をもたらすため、グリコール酸を加熱することも望ましくない。
従来、形成されたポリ酸は、70%のグリコール酸を水で希釈し約20%未満にし、還流させることによって達成される加水分解によって除去され得る。この加水分解の速度は、アルカリの添加によって改善することができる。この希釈手順はグリコール酸ダイマーをモノマーに転換するために使用することができるが、依然として他の不純物が存在するであろう。
したがって、採算が合い、且つ好ましくは商業環境で大希望に使用することができる改善された純度のグリコール酸又はその誘導体の製造のための方法を提供する必要性が依然として存在する。本方法はまた、カルボニル化反応による他の酸又はその誘導体の製造にも適し、これらの反応に関連する対応する問題に対処するであろう。
国際公開第2016/162662号に論じられているように、ヒドロキシカルボニル化反応のための触媒として使用されるいくつかのクラスの酸性ポリシロキサンは官能基の損失に対して不安定である。触媒の表面から遊離した種は、炭素鎖に結合したトリヒドロキシシリル基を有するスルホン酸である。この失活は水触媒作用であり得ると考えられる。
カルボニル化反応における硫黄種のこの損失は、その後のエステル化反応を触媒することにおいて利点を提供し得ることが今日見出されている。硫黄種は、エステル化反応器から除去され、カルボニル化反応器へ再循環される。エステルを形成することは、酸を分離することに関連する問題がエステルに適用されず、従って不純物からの分離がより容易に達成され得るため、不純物からより容易に分離され得る生成物を提供する。所望の生成物がエステルである場合、所望の生成物は容易に達成され得る。しかしながら、所望の生成物がグリコール酸であり得る酸である状況では、分離されそしてそれ故に精製されたエステルは容易に酸に加水分解されて所望の水準の純度を有する酸を提供することができる。
したがって、本発明によれば
(a)硫黄触媒の存在下、グリコール酸が形成されるような適切な条件下で操作するカルボニル化反応器中でホルムアルデヒドを一酸化炭素及び水と反応させること;
(b)グリコール酸、不純物及び硫黄種を含む第1の生成物流をカルボニル化反応器中で回収すること;
(c)第一の生成物流を、エステル化を施されてアルキルグリコレートが形成されるエステル化反応器に通すことであって、エステル化が第一の生成物流で回収された硫黄種により触媒化される、第一の生成物流をエステル化反応器に通すこと;
(d)アルキルグリコレート、硫黄種及び不純物を含む第二の生成物流をエステル化反応器から回収すること;
(e)第二の生成物流から硫黄種を分離し、それを工程(a)においてカルボニル化反応器へ再循環して硫黄が欠乏した第二の生成物流を形成すること;
(f)蒸留ゾーンにおいて、硫黄が減損した第二の生成物流からアルキルグリコレートを分離すること;及び
(g)アルキルグリコレートを回収し、アルキルグリコレートをグリコール酸に変換すること
を含むグリコール酸又はその誘導体を製造するための方法が提供される。
アルキルグリコレートのグリコール酸への変換は、好ましくは、加水分解反応器中で行われる。
本発明におけるグリコール酸からのアルキルグリコレートの形成は、不純物からのグリコール酸の分離に伴う欠点なしに効果的な分離を達成することができるようにエステルを不純物から分離するために蒸留を行うことを可能にする。特に、グリコール酸のヒドロキシル基がエステル化によって保護されている場合、蒸留中にダイマー又はオリゴマーを形成する能力は除去される。
エステル化反応が、工程(a)でのカルボニル化反応からの硫黄種によって触媒化されるため、追加の触媒を追加する必要はなく、よって、それに関連する費用は回避される。
エステル化反応が行われると、硫黄種はエステルから容易に分離され、カルボニル化反応器へ戻されることができ、そのため、エステル化における硫黄種の使用は系に対する損失を意味しない。硫黄種を第一のカルボニル化反応器へ戻すことは、その中で使用される触媒の活性を維持又はむしろ増強させることを可能にする。
アルコール及びカルボン酸は工程(a)には存在しないため、カルボニル化工程中の副生成物の形成に関連する問題は回避される。
工程(a)におけるホルムアルデヒドと一酸化炭素及び水との反応は、任意の適切な手段によって行われ得る。
水は任意の適切な量で存在してもよい。例えば、水は、化学量論的要件から4:1の水:ホルムアルデヒドのモル比までの量で存在することができる。
水は、カルボニル化反応のための溶媒として追加で作用し得る。溶媒として使用される場合、水は一般的に、上に詳述される比を超える量で使用される。水は、カルボニル化反応ゾーンへ別々に又は代わりに提供されてもよく、ホルムアルデヒド供給物中に及び/又は別の溶媒と共に供給されてもよい。
あるいは、水は反応に十分な量で存在してもよく、別個の溶媒が使用されてもよい。
溶媒が使用される場合、反応器ではグリコール酸が形成され得るか、又は別個の溶媒が存在し得る。適切な別個の溶媒には、カルボン酸又はスルホンが含まれる。適切な溶媒には、プロピオン酸又はスルホンが含まれる。2,3,4,5−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドが適切なスルホンであり得る。
ホルムアルデヒドは水中の溶液として供給されてもよく、又はカルボニル化反応ゾーン内でin−situで生成されてもよい。例えば、一構成では、パラホルムアルデヒドが反応物して使用され得る。パラホルムアルデヒドはホルムアルデヒドのポリマーであり、これは、極性分子、例えば水又はアルコール溶媒の存在下でモノマーホルムアルデヒドに戻る。
一酸化炭素は、純粋な一酸化炭素源であってもよく、任意選択的には少量の不純物、例えば一又は複数の低級アルカン、二酸化炭素又は水素を含む。あるいは、一酸化炭素源は、水素と一酸化炭素の混合物であるガス状混合物、例えば合成ガスの成分であり得る。
任意の適切な硫黄触媒が使用されてもよい。触媒は、均一系又は不均一系であり得る。触媒が不均一系触媒である場合、第一の生成物流に存在する硫黄種は、触媒の分解により形成される硫黄種であり得る。
一実施例では、硫黄触媒は硫酸であり得る。
別の構成では、酸性ポリシロキサン触媒が使用され得る。適切な触媒には、EP1360222、EP1786850、国際公開第2006/013080号、国際公開第2007/090676号及び米国特許公開第2010/0290962号に詳述されるものが含まれ、それらの内容は参照により本明細書に援用される。置換オルガノポリシロキサン化合物、例えばDeloxan ASP 1/9, QuadraSil−SA及びSilicycle(SCX−2)、並びにアルキルスルホン酸ポリシロキサンが使用され得る。
ポリシロキサン触媒は、単独で又はそれ自体がカルボニル化反応のための触媒として機能し得るか若しくはポリシロキサン触媒の安定化を助けるために存在し得る他の化合物と組み合わせて使用することができる。一構成では、硫酸が共触媒として追加で使用されてもよい。
さらなる構成では、触媒は国際公開第2016/162663号に記載される触媒系であってもよく、その内容は参照により本明細書に援用される。特に、触媒系は、均一系酸触媒成分及び多孔質固体成分を含み得る。
任意の適切な均一系酸触媒は、触媒系の成分としてこの系で使用することができる。例としては、硫酸、トリフリン酸、スルホン酸、例えばメチルスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びペルフルオロオクタンスルホン酸、並びにホスホン及びエチルホスホン酸などのリン系酸が挙げられる。さらに、固体成分との相互作用を増強するために基で修飾された組成物を使用することができる。例としては、トリヒドロキシシリルプロパンスルホン酸、アルキルホスホン酸、及びトリヒドロキシシリルエチルスルホン酸が含まれる。別の構成では、ギ酸が使用され得る。
任意の適当な固体成分は、多孔質であり且つ反応環境に対して安定であるならば、触媒系に使用することができる。任意の適切な孔サイズを使用することができる。一構成では、孔サイズは約250から約900m/gの表面積を有し得る。約400から約750m/g又は約500から約600m/gの表面積が使用されてもよい。触媒系は、約0.2から1.2cc/gの孔容積を有し得る。一構成では、約0.5から約1.0cc/gの孔容積が使用され得る。
固体成分は均一系成分の不存在下でいくらかの触媒活性を有するように選択され得るが、固体成分と均一系触媒との組み合わされた触媒効果は、成分から個別に予測されたものよりも驚くほど大きいであろう。
この系の一構成では、固体成分は非官能性であり得る。「非官能性」とは、表面が活性触媒部分を表面に添加するように特に修飾されていないことを意味する。一構成では、非官能性固体成分は、その表面に位置するヒドロキシル基を有し得る。
この系の別の構成では、固体成分は、官能性材料であり得る。「官能性」とは、材料が増強した活性を有するように修飾されていることを意味する。一構成では、官能化は、アルキルスルホン酸基、ヒドロキシル基又はアルキルスルホン酸基とヒドロキシル基の両方を、材料の表面、固体成分の孔中又は表面上と孔中の両方に添加することであり得る。
適切な固体成分の例には、シリカ、活性化炭素、秩序メソ多孔性炭素、ナノ多孔性炭素、いくつかのチタニア及びジルコニアが含まれる。シリカは、SA、TA、AP若しくはMPを含むJohnson Matthey QuadraSilのラインナップのもの又はSigma AldrichのQuadraSil PHIであり得る。他の適切な担体には、鋳型としてのMCM−41、MCM−48、SBA−51、KIT−6及びIITM−56のような秩序シリカ骨格を有する合成秩序メソ多孔性(又はナノ多孔性)炭素が含まれる。
任意の適量の均一系酸触媒が触媒系に存在してもよい。一構成では、その量は、約10ppmから約25wt%;約50ppmから約20wt%;約1wt%から約15wt%;又は約2wt%から約10wt%であり得る。溶液中のppmは、酸のppm重量である。
使用され得る別の触媒系は、国際公開第2016/162662号に記載される触媒であり、その内容は参照により本明細書に援用される。この構成では、反応は、シリカ触媒、及び約200から約5000ppmのアルキルシリルスルホン酸の存在下で行われる。
任意の適切な触媒がこの触媒系で使用されてもよい。該触媒は非多孔性であっても多孔性であってもよい。触媒が多孔性である一構成では、該触媒は、約250から約500m/gの表面積及び約0.2から1.2cc/gの孔容積を有し得る。約0.5から約1.0cc/gの孔容積が使用され得る。反応器中に供給される際、該触媒は官能性であっても非官能性であってもよい。適切なシリカの例には、SA、TA、AP若しくはMPを含むJohnson Matthey QuadraSilのラインナップのもの又はSigma AldrichのQuadraSil PHIが含まれる。
この系の一構成では、固体成分は非官能性であり得る。「非官能性」とは、表面が活性触媒部分を表面に添加するように特に修飾されていないことを意味する。
第二の構成では、固体成分は、官能性材料であり得る。「官能性」とは、材料が増強した活性を有するように修飾されていることを意味する。一構成では、官能化は、アルキルシリルスルホン酸基、ヒドロキシル基又はアルキルシリルスルホン酸基とヒドロキシル基の両方を、材料の表面に添加することであり得る。
任意の適切なアルキルシリルスルホン酸がこの触媒系で使用されてもよい。適切な酸には、トリヒドロキシシリルアルキルスルホン酸、例えばトリヒドロキシシリルプロピルスルホン酸、又はトリヒドロキシシリルエチルスルホン酸が含まれる。
アルキルシリルスルホン酸は、フレッシュなアルキルシリルスルホン酸であってもよく、又はその添加は、アルキルシリルスルホン酸を含むであろう反応器から回収された生成物流の一部を再循環することによって達成されてもよい。
カルボニル化反応器は、典型的には、約50℃から約400℃の範囲、例えば約100℃から約250℃の範囲の温度で操作される。反応器は、典型的には、約1から約1000bara(約0.1から約100MPa)の範囲、例えば10から200bara(約0.1から約20MPa)の範囲の圧力で操作される。
カルボニル化反応は、任意の適切な方法で行うことができる。一構成では、カルボニル化反応は、一酸化炭素、水、ホルムアルデヒド、及び任意の溶媒が、予備混合され又は別個に、生成されたグリコール酸が反応器から継続して取り出すことができるように、酸性ポリシロキサン触媒を含有するカルボニル化反応器、固定ベッド又はスラリー反応器へ導入される継続した流れ構造において、実施され得る。反応は、単一又は異なる種類であり得る多数の反応器で生じ得る。反応器は、直列に又は平行に配置することができる。反応が進むにつれて、一又は複数の原料が、単一時点で又は連続して添加されてもよい。
別の一構成では、反応はバッチ式で行われ得る。これには、溶媒及びホルムアルデヒドを含む液体反応組成物中で触媒を懸濁及び撹拌することが含まれ、圧力下で一酸化炭素が反応器に供給される。得られる生成物組成物は、その後、第一の生成物流として反応器から周期的に除去され得る。
どのように形成されても、形成されたグリコール酸は、第一の生成物流でカルボニル化反応器から除去されるであろう。この第一の生成物流は、その後、処理されて、一又は複数のいわゆる「軽質物」が分離され得る。「軽質物」は、グリコール酸よりも低い沸点を有する化合物である。これらの軽質物には、溶媒、未反応ホルムアルデヒド、及び未反応一酸化炭素の一つ又は複数が含まれ得る。よって、一構成では、第一の生成物流は、軽質物分離ゾーンへ移され得る。ギ酸アルキル、例えばギ酸メチル、及びジアルコキシメタン、例えばメチラールとしても知られるジメトキシメタンのような他の不純物は、この分離で除去することができる。
第一の生成物流は、一又は複数のいわゆる「重質物」と共に硫黄種も追加で含むであろう。これらは、グリコール酸よりも高い沸点を有する化合物である。カルボニル化反応器で形成し得るグリコール酸の任意のダイマー及びオリゴマーは、これらの重質物に含まれるであろう。
以下で詳述するように、エステル化の後に回収される流れは、カルボニル化反応器へ再循環されてもよい。この再循環は、一般的に、硫黄種を実質的に含むが、少量のグリコール酸エステル、及び/又はエステル化反応器で形成され得る、カルボニル化反応器で形成される重質物とそれらの反応生成物も存在する場合は含み得る。エステル及び任意のエステル化反応生成物は、その後、第一の生成物流でカルボニル化反応器から除去され、重質物の一部が形成されるであろう。
軽質物の分離は、任意の適切な手段で行うことができるが、軽質物分離ゾーンは、一般的にはフラッシュカラムであろう。分離されるのは軽質成分のみであるため、軽質物分離ゾーンの温度は、上記のグリコール酸の蒸留に関連する不都合が生じない十分に低く保つことができる。
軽質物分離ゾーンは、結果を達成する任意の適切な温度で操作されるであろう。一構成では、軽質物分離ゾーンは、約140℃から約160℃、又は約150℃のリボイラー温度、及び約75℃から約85℃、又は約80℃のオーバーヘッド温度、及び1.8baraから約2.2bara、又は約2baraの圧力で操作され得る。これらの条件では、オーバーヘッド中の水の重大な損失は回避することができる。
第一の生成物流は、軽質物分離ゾーン中の適切な位置に供給され得る。軽質物分離ゾーンがフラッシュカラムを含む場合、第一の生成物流はフラッシュカラムの頂部セクションに供給され得る。
低沸点アルカノール、例えばメタノールが、分離を容易にするために軽質物分離ゾーンに供給されてもよい。アルカノールは、バッテリーリミットから使用することができる。これは、軽質物分離ゾーン中の適切な位置に供給され得る。軽質物分離ゾーンがフラッシュカラムを含む場合、アルカノールはカラムの底部セクションに供給され得る。
このカラムの主要な機能は、未反応ホルムアルデヒド及び副生成物ギ酸を第一の生成物流と分離することである。アルカノール、例えばメタノールは、ホルムアルデヒドと反応して、ジアルコキシメタン、例えばジメトキシメタンを形成し、ギ酸はアルカノール、例えばメタノールと反応して、ギ酸アルキル、例えばギ酸メチルを形成する。
軽質物は、軽質物分離ゾーンからオーバーヘッドで除去され、且つギ酸アルキル、アルカノール及びジアルコキシメタンを含み得る。よって、アルカノールがメタノールである場合、軽質物分離ゾーンからのオーバーヘッドは、主に、ギ酸メチル、メタノール及びジアルコキシメタンを含み得る。軽質物分離ゾーンは、オーバーヘッド中の水の重大な損失を防止するために操作されるが、いくらかの水は、オーバーヘッド流に依然として存在するであろう。したがって、このオーバーヘッド流は、一般的に存在する水が底部生成物として分離される水分離カラムである水分離ゾーンへ移される。
水分離カラムからのオーバーヘッドは、一般的に、ギ酸アルキル、アルカノール及びジアルコキシメタンを含む。よって、アルカノールがメタノールである場合、オーバーヘッドは、ギ酸メチル、メタノール及びジメトキシメタンを含む。水分離カラムからのオーバーヘッドは、ホルムアルデヒド分離カラムに供給され得る。このカラムでは、ギ酸アルキル、アルカノール及びジアルコキシメタンは分離されたオーバーヘッドであり、その一方、アルカノールは底部で回収される。オーバーヘッド流は、一般的に、供給流としてホルムアルデヒドが生成されるホルムアルデヒドプラントに供給され、一方、底部アルカノール流は、アルカノールがエステル化のために使用されるエステル化反応器へのアルカノール供給物として使用され得る。
別の一構成では、オーバーヘッド流は、ギ酸アルキル及びジアルコキシメタンの一方又は両方を分離及び回収することができるように処理され得る。
軽質物分離ゾーン中のグリコール酸の一部は、アルカノールと反応して、アルキルエステル、例えばメチルグリコレートを形成することが可能である。したがって、軽質物分離ゾーンは、一般的に、メチルグリコレートオーバーヘッドの損失を防止するために十分なステージを含有する。
軽質物分離ゾーンが存在する場合、軽質物が欠乏した第一の生成物流は軽質物分離ゾーンから回収される。この回収は、軽質物分離ゾーン中の任意の適切な位置で生じうるが、一般的に、特に軽質物分離ゾーンがフラッシュカラムである場合、底部で又は底部近くで行われる。
第一の生成物流は、又は第一の生成物流が軽質物分離ゾーンに通される場合は軽質物が減損した第一の生成物流は、それがグリコール酸エステルが形成されるように反応するエステル化反応器へ移される。
一般的に、エステル化反応器に供給される流れは、アルカノールと接触してエステル化を実行する。任意の適切なアルカノールがエステル化のために使用され得る。適切なアルカノールには、メタノール、エタノール、プロパノール又はブタノールが含まれる。しかしながら、一般的にはメタノールが使用される。
別の一構成では、エステル化反応器に供給される流れはジオールと接触する。任意の適切なジオールがエステル化のために使用され得る。一つの適切なジオールは、エチレングリコールである。
エステル化反応器に提供されるアルカノール又はジオールは、一般的に、モル換算で、グリコール酸を実質的に完全にエステル化してアルキルグリコレートを形成するために十分な量で提供される。さらに、十分なアルカノール又はジオールは、第一の生成物流に存在していたかもしれないが軽質物分離ゾーンから除去されない任意のギ酸を追加でエステル化するために提供され得る。さらなる十分なアルカノール又はジオールは、一般的に、エステル化反応器への供給物中に存在し得る任意の残留するホルムアルデヒドと反応させてジアルコキシメタンを形成するために提供される。
エステル化は、任意の適切な反応器中で行うことができる。しかしながら、一般的には栓流反応器が使用されるが、撹拌タンク反応器又は反応カラムが使用されてもよい。このエステル化は、第一の生成物流で回収された硫黄種によって触媒化される。エステル化反応では水も生成されることが理解されよう。
エステル化は、任意の適切な温度及び圧力で行うことができる。一構成では、反応は、約90℃から約150℃、約100℃から約140℃、約115℃から約130℃又は約120℃から約125℃の温度で生じる。エステル化反応器は、約3baraから約7bara、又は約4baraから約6baraで操作することができ、約5baraで操作することもできる。
アルキルグリコレートを形成するための所望のエステル化に加えて、さらなるエステル化及びトランス−エステル化反応が生じて、より重質のエステルが生成され得る。
エステル化反応器で生じる反応は平衡反応であるため、第二の生成物流は、硫黄種及び他の不純物に加えて、一般的に、アルキルグリコレート、他のエステル、グリコール酸及び水を含むであろう。第二の生成物流はまた、任意の未反応エステル化剤含むであろう。よって、エステル化がアルカノールを用いて行われる場合、第二の生成物流はアルカノールを含むであろう。同様に、エステル化がジオールを用いて行われる場合、第二の生成物流はジオールを含むであろう。
その後、第二の生成物流は処理されて、硫黄種が除去される。一構成では、硫黄種は、アルキルグリコレートが分離されるのと同時に分離され得る。別の一構成では、硫黄種は、硫黄種が減損した第二の生成物流が処理されてアルキルグリコレートが回収される前に、除去され得る。
硫黄種がアルキルグリコレートの回収前に分離される場合、任意の適切な分離手段が使用され得る。一構成では、硫黄種分離手段は、エステル化フラッシュドラムである。エステル化フラッシュドラムは、任意の適切な条件で操作することができる。一構成では、フラッシュドラムは、大気圧のすぐ上で操作される。例えば、フラッシュドラムは、約140℃から約160℃、又は約145℃から約155℃、又は約150℃の温度で、且つ約1.5から約2.0bara、又は約1.7baraから約1.8baraの圧力で操作され得る。
硫黄種は、一般的に、エステル化フラッシュドラムの基部で、又はその近くで回収され、カルボニル化反応器へ再循環される。エステル化フラッシュドラムの基部から回収された流れは、いくつかの重質グリコレート種を含み得る。
この硫黄種流は、再循環カラムへ移される。再循環カラムの目的は、アルキルグリコレートがカルボニル化反応器へ再循環される際に、アルカノール、例えばメタノールを防ぐことである。再循環カラムが存在する場合、再循環カラムの底部近くに水が添加添加されてもよい。水の目的は、任意のアルキルグリコレートをアルカノールとグリコール酸に加水分解すること及びグリコール酸がオリゴマー化して粘着質になるか又は固体になるのを防ぐことである。再循環カラムで分離される任意のグリコール酸は回収され得る。主にアルカノール、例えばメタノールを含むであろう再循環カラムからのオーバーヘッド流は、存在する水分離カラムへ戻すことができる。いくらかのグリコール酸、水及び硫黄種を含むであろう再循環カラムからの底部流は、カルボニル化が生じる反応器へ再循環され得る。
第二の生成物流は、又は硫黄種が除去されている場合は硫黄が欠乏した第二の生成物流は、エステル蒸留カラムへ移される。蒸留は、任意の適切な温度及び圧力で行うことができる。しかしながら、グリコール酸の蒸留のために使用することができるものよりも高い温度を使用することができることが理解されよう。一構成では、約0.2baraから約0.4bara、又は約0.3baraでの反応性真空蒸留が使用され得る。この構成では、オーバーヘッド温度は、約60℃から約65℃、又は約62℃であってもよく、底部温度は約130℃から約140℃、又は約134℃から約135℃であってもよい。エステル蒸留カラムでは、第二の生成物流が分離される。所望のアルキルグリコレート、例えばメチルグリコレートは、エステル蒸留カラムの底部又は底部近くからサイドドローとして回収され得る。アルキルグリコレートよりも高い沸点を有する重質不純物、例えばジアルキルジグリコレートは、アルキルグリコレートを除去するためにサイドドローの位置より下にあることを条件として、一般的に、エステル蒸留カラムの底部又は底部近くから除去される。アルキルグリコレートよりも低い沸点を有する軽質不純物、例えば水、アルカノール及び他の軽質副生成物は、一般的に、エステル蒸留カラムの頂部又は頂部近くから除去されるであろう。
アルキルグリコレートは、使用のため又は後続のグリコール酸への変換のための生成物として回収することができるが、加水分解反応器へ移されることによって、グリコール酸へ変換することができる。任意の適切な加水分解反応器を使用することができる。一般的に、アルキルグリコレートは水と接触して加水分解に作用する。水は、一般的に、分離流として供給される。加水分解が行われると、グリコール酸は、一般的に、水及び形成されるアルカノールに分離される。
一構成では、加水分解反応器は反応性蒸留カラムであり得る。この構成では、グリコール酸は、底部生成物として回収することができ、水及びアルカノールは軽質オーバーヘッド流として除去することができる。軽質オーバーヘッド流は、上流の処理へ再循環されてもよい。
反応性蒸留カラムが加水分解のために使用される場合、該カラムは任意の適切な条件で操作され得る。一構成では、カラムは、約1.0baraから約1.5bara、又は約1.2baraの圧力で操作される。この構成では、オーバーヘッド温度は、約75℃から約85℃、又は約79℃から約80℃であってもよく、底部温度は約130℃から約140℃、又は約134℃から約135℃であってもよい。
加水分解が反応性蒸留カラムで行われる場合、触媒が必要とされ得る。一構成では、グリコール酸は触媒として作用し得る。しかしながら、追加の触媒が使用されてもよい。触媒が使用される場合、それは均一系触媒、例えば硫酸であってもよく、又はカラム内のトレイ上に位置するであろう適切な固体触媒であってもよい。均一系触媒が使用される場合、該触媒はグリコール酸生成物から除去される必要がある。
別の一構成では、加水分解反応器はイオン交換反応器によって行われ得る。任意の適切な装置又はイオン交換材料が使用されてもよい。
グリコール酸は、約70重量%の所望のレベルの純度を有し得る。任意選択的に、加水分解反応器から回収されたグリコール酸は、例えばイオン交換精製系に通されて任意の残留硫酸を除去することによって、さらに精製され得る。加水分解がイオン交換によって行われる場合、このさらなる精製工程は必要とされないことがある。
本発明を、実施例によって、添付図を参照しながら以下に説明する。
本発明の方法の概略図である。 本発明の別の構成の概略図である。
図面は線図であること及びフィードストックドラム、ポンプ、真空ポンプ、圧縮器、ガス再循環圧縮器、温度センサ、圧力センサ、圧力安全バルブ、コントロールバルブ、流量制御器、レベル制御器、貯蔵タンク、保管タンク等の設備のさらなる品目が商業プラントで必要とされ得ることが当業者により理解されよう。そのような補助設備の提供は、本発明の一部を形成せず、従来の化学工学の慣例に従っている。
本発明は、メチルグリコレートの形成のために特定の参照とともに記載される。しかしながら、他のアルキルエステルが使用されてもよいことが理解されよう。
図1に示されるように、ホルムアルデヒド、例えば55wt%の水性ホルムアルデヒドは、ライン1を通って混合タンク2へ移され、そこでライン3で添加添加されるイオン触媒と混合される。混合されたホルムアルデヒドはライン4を通ってカルボニル化反応器5へ移され、そこで、ライン6で反応器に供給される一酸化炭素と反応する。
第一の生成物流はライン7で回収される。この流れは、グリコール酸、硫黄種並びにギ酸メチル、ギ酸、メチラール、メタノール及びホルムアルデヒドから選択され得る不純物を含む。この流れは、軽質物分離ゾーン8に移され、ここでギ酸メチル、メチラール、メタノール及びホルムアルデヒドを含み得る軽質物は、ライン9で除去される。メタノールは、ライン10で添加されて、分離を容易にする。
グリコール酸を含む流れは、ライン11で底部又はその近くで取り出される。これは、一般的に、メタノール供給物の位置の下で除去される。その後、この流れは、エステル化反応器12へ移され、ライン13で添加されるメタノールと接触する。エステル化反応器は、栓流反応器であってもよい。メチルグリコレート、硫黄種、及び不純物を含む第二の生成物流は、ライン14で反応器から回収され、エステル化フラッシュドラム15へ移され、ここで硫黄種が分離される。
硫黄種はライン16で回収される。ポンプ17は硫黄種の返送を容易にし、任意の重質再循環はカルボニル化反応器5へ返送され得る。重質再循環は、反応器に直接供給されてもよく、又はライン4に供給されてもよい。
メチルグリコレートは、ライン18において第二の生成物流で回収される、この流れは、水及び不純物も含む。この流れは、エステル分離カラム19に供給され、ここで軽質不純物、例えば水、メタノール及び軽質副生成物がカラムオーバーヘッド20として除去され、重質不純物、例えばジメチルジグリコレートがライン21で回収される。
メチルグリコレートは、サイドドローとしてライン22で回収され得る。これは、一般的に、供給物が添加される点より下で取り出される。所望の生成物がグリコール酸である場合、回収されたメチルグリコレートは、加水分解反応器23へ移されてもよい。メチルグリコレートは、任意選択的にオフテイクとしてライン24で取り出されてもよい。水はライン25で加水分解反応器に供給される。加水分解反応器23に触媒を添加することも必要であり得る。これが不均一系触媒である場合、該触媒は反応器23内のトレイ上に提供される。これが均一系触媒である場合、メチルグリコレートが加水分解反応器に供給される前に、ライン22に添加されてもよい。グリコール酸はライン26で加水分解反応器23から除去され、ここで、グリコール酸は、ライン28で回収される前に、任意選択的にイオン交換精製器27を通過し得る。メタノール及び水はオーバーヘッドとしてライン29で加水分解反応器から回収される。一変化形では、加水分解反応器はイオン交換系で置き換えられる。
別の構成が図2に示される。この構成の大部分は図1と同じである。この構成では、エステル化フラッシュドラム15の底部から回収された流れは、ライン30で再循環カラム31へ移される。水はライン38で再循環カラムに添加され得る。再循環カラム31からの底部流は、ライン16でカルボニル化反応器5に供給される。
再循環カラム31からのオーバーヘッドは、ライン32で水分離カラム33へ移される。軽質物分離ゾーン8からのオーバーヘッド流9はまた、水分離カラム33へ移され得る。オーバーヘッド流は、水分離カラム33へ移される前に、別個に供給され得るか、又は流れ32と組み合わされ得る。水は、ライン34で水分離カラムの底部から除去される。
水分離カラムからのオーバーヘッドは、ライン35でホルムアルデヒド分離カラム36へ移される。メタノールはライン38で回収される。オーバーヘッドは、一般的にライン37で回収されて、ホルムアルデヒドプラントへ送られる。
本発明を、以下の実施例を参照して、さらに説明される。
実施例1
シミュレーションプラットフォームAspen Plus V8.8を使用して、エステル化及び加水分解カラムをシミュレーションした。シミュレーションに使用される物理的特性は、Aspenとデータバンクの組み合わせ、及び特性推定法を使用して供給された。
反応性蒸留カラムであるエステル分離及び加水分解カラムのためのプロセス条件は、以下の条件を使用した:
Figure 2019529422
シミュレーションに含まれる反応は、主に、グリコール酸(GA)、メトキシ酢酸(MAA)、ジグリコール酸(DGA)のメタノールでのエステル化、及び得られるエステル、すなわちメチルグリコレート(MG)、メチルメトキシアセテート(MMA)、メチルジグリコレート(M−DG)及びジメチルジグリコレート(M−DG−M)の加水分解である。エステル化反応はHSOによって触媒化された。
シミュレーションで得られた流れ組成物を以下の表に記載する。流れの数字は、図1に示す流れに相当する。
Figure 2019529422
軽質物は、ホルムアルデヒド、ギ酸、ギ酸メチル及びメチラールを構成する。
本明細書に示される実施例では、メチルグリコレート加水分解の速度は、供給物中の均一系触媒(HSO)を加水分解反応器へ添加することによって増大する。これはまた、不均一系触媒作用を介して、及び/又は高圧でカラムを操作することによって達成することができる。
フローシートの多くの部分で触媒が必要とされることが理解されよう。均一系触媒、例えば硫酸が使用される場合、触媒はフローシートを通るため、同じ触媒を使用することができる。しかしながら、生成物の最終加水分解には別個の触媒が一般的に必要とされる。

Claims (27)

  1. グリコール酸又はその誘導体を製造するための方法であって、
    (a)硫黄触媒の存在下、グリコール酸が形成されるような適切な条件下で操作するカルボニル化反応器中でホルムアルデヒドを一酸化炭素及び水と反応させること;
    (b)グリコール酸、不純物及び硫黄種を含む第1の生成物流をカルボニル化反応器中で回収すること;
    (c)第一の生成物流を、エステル化を施されてアルキルグリコレートが形成されるエステル化反応器に通すことであって、エステル化が第一の生成物流で回収された硫黄種により触媒化される、第一の生成物流をエステル化反応器に通すこと;
    (d)アルキルグリコレート、硫黄種及び不純物を含む第二の生成物流をエステル化反応器から回収すること;
    (e)第二の生成物流から硫黄種を分離し、それを工程(a)においてカルボニル化反応器へ再循環して硫黄が減損した第二の生成物流を形成すること;
    (f)蒸留ゾーンにおいて、硫黄が欠乏した第二の生成物流からアルキルグリコレートを分離すること;及び
    (g)アルキルグリコレートを回収し、アルキルグリコレートをグリコール酸に変換すること
    を含む、方法。
  2. アルキルグリコレートが加水分解反応器中でグリコール酸に変換される、請求項1に記載の方法。
  3. 水:ホルムアルデヒドのモル比が約4:1である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 溶媒がカルボニル化反応器中で使用される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 溶媒がプロピオン酸又はスルホンである、請求項4に記載の方法。
  6. 溶媒が2,3,4,5−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドである、請求項5に記載の方法。
  7. カルボニル化反応器が、約50℃から約400℃、又は約100℃から約250℃の範囲の温度、及び1から約1000bara(約0.1から約100MPa)の範囲、又は10から200bara(約0.1から約20MPa)の範囲の圧力で操作される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 第一の生成物流が軽質物分離ゾーンへ移される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 軽質物分離ゾーンが、約140℃から約160℃、又は約150℃のリボイラー温度、及び約75℃から約85℃、又は約80℃のオーバーヘッド温度、及び約1.8baraから約2.2bara、又は約2baraの圧力で操作される、請求項8に記載の方法。
  10. 低沸点アルカノールが軽質物分離ゾーンに供給される、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 軽質物分離ゾーンから回収されたオーバーヘッドが水分離ゾーンへ移される、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 水分離ゾーンからのオーバーヘッドがホルムアルデヒド分離カラムに供給される、請求項11に記載の方法。
  13. エステル化が、約90℃から約150℃、約110℃から約140℃、約115℃から約130℃、又は約120℃から約125℃の温度で行われる、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. エステル化反応器が、約3baraから約7bara、又は約4baraから約6baraで操作され、約5baraで操作され得る、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 硫黄種が欠乏した第二の生成物流が処理されてアルキルグリコレートが回収される前に、硫黄種が除去される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 硫黄種が、エステル化フラッシュドラムで分離され、硫黄種流で回収される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. エステル化フラッシュドラムが、約140℃から約160℃、又は約145℃から約155℃、又は約150℃の温度で、且つ約1.5から約2.0bara、又は約1.7baraから約1.8baraの圧力で操作される、請求項16に記載の方法。
  18. 硫黄種がカルボニル化反応器に再循環される、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 硫黄種流が再循環カラムへ移される、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 水が再循環カラムの底部に添加される、請求項19に記載の方法。
  21. 第二の生成物流、又は硫黄が欠乏した第二の生成物流が、エステル蒸留カラムへ移される、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. エステル蒸留カラムが、約0.2baraから約0.4bara、又は約0.3baraで行われる、請求項21に記載の方法。
  23. エステル蒸留カラムのオーバーヘッド温度が、約60℃から約65℃、又は約62℃であり、底部温度が、約130℃から約140℃、又は約134℃から約135℃である、請求項21又は22に記載の方法。
  24. アルキルグリコレートが加水分解反応器中でグリコール酸に変換される、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 加水分解反応器が反応性蒸留カラムである、請求項24に記載の方法。
  26. 触媒が反応性蒸留カラムに添加される、請求項24又は25に記載の方法。
  27. アルキルグリコレートがイオン交換によってグリコール酸に変換される、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
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