JP2015517992A - 酸触媒の回収及びリサイクル方法 - Google Patents

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Abstract

第三級アミン又はオニウムカルボキシレート化合物、変性剤及び希釈剤を含む抽出溶媒によって、グリコール酸水性混合物から酸触媒を抽出回収する方法は開示される。強酸、例えば、硫酸、アルキルスルホン酸及びフルオロアルキルスルホン酸を含むことができる酸触媒は、水性ホルムアルデヒドを用いた逆抽出によって回収し、そしてホルムアルデヒドの酸触媒カルボニル化によるグリコール酸の調製方法にリサイクルさせることができる。また、ホルムアルデヒドの酸触媒ヒドロカルボキシル化によるグリコール酸の調製方法も開示される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は2010年9月23日に出願された米国特許出願番号第12/889,045号の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は水性グリコール酸混合物からの酸触媒の回収に関する。より具体的には、本発明は第三級アミン又はオニウムカルボキシレート化合物、変性剤及び希釈剤の存在において、水性グリコール酸混合物から酸触媒を抽出回収する方法に関する。酸触媒はホルムアルデヒドと一酸化炭素との酸触媒反応によるグリコール酸の調製方法にリサイクルさせることができる。
発明の背景
酸触媒の存在において水性ホルムアルデヒドと一酸化炭素とを反応させることによってグリコール酸を製造することができる。この反応はホルムアルデヒドの「ヒドロカルボキシル化」又は「カルボニル化」としばしば呼ばれる。ホルムアルデヒド反応体は、一般に、約35〜約70質量%のホルムアルデヒドを含む水性混合物として、よく知られた方法によって調製される。
ヒドロカルボキシル化反応は、本質的に不均一系又は均一系の強酸によって触媒される。硫酸によって例示されるような均一系触媒を使用するときに、精製されたグリコール酸生成物の製造は反応器エフルエントからの酸触媒の取り出しが必要となる。しかしながら、グリコール酸生成物は著しく強いカルボン酸(pKaが約3.8)であり、水と強く水素結合及び極性相互作用することができる。これらの特性はグリコール酸生成物からのヒドロカルボキシル化酸触媒の分離及びリサイクルを難しくする。例えば、酸触媒の抽出に有用な条件は、しばしば、過剰量のグリコール酸又は水の酸触媒との共抽出をもたらす。さらに、環境上及び経済上の理由から、ヒドロカルボキシル化反応器へのリサイクルを可能にする形で強酸触媒を分離することがしばしば望ましい。
水性グリコール酸反応混合物から強酸触媒を回収するための1つの解決策は酸触媒を容易に分離可能な又は不溶性の塩に転化させることである。例えば、米国特許第2,153,064号明細書は、硫酸触媒ヒドロカルボキシル化反応から生じた粗製グリコール酸エフルエントを炭酸カルシウムで処理することにより、硫酸を硫酸カルシウムとして沈殿させる方法を開示している。この無機塩は分離して、低価値の副生成物として処分するか又は販売しなければならない。米国特許第3,859,349号明細書に記載された別の例では、塩基性樹脂を使用した吸収によって、グリコール酸生成物混合物から硫酸触媒を除去する。樹脂は水性アンモニアを添加することによって再生され、そして吸収された硫酸は硫酸アンモニウムに転化させられ、硫酸アンモニウムはプロセスから除去される。硫酸アンモニウムは肥料として販売されるか、或いは処分されるが、ヒドロカルボキシル化反応器へリサイクルされることはない。これらの方法はグリコール酸生成物から酸触媒を分離するのに効果的ではあるが、ホルムアルデヒドヒドロカルボキシル化反応に酸触媒を直接的に回収及びリサイクルさせない。これらの制限は、水性ホルムアルデヒドを一酸化炭素でヒドロカルボキシル化するための均一系酸触媒を効率的でコスト効果的に回収し、そして場合によりリサイクルさせることができる方法の必要性を指摘する。
発明の要旨
一酸化炭素による水性ホルムアルデヒド溶液のヒドロカルボキシル化によって調製されたグリコール酸の水性混合物から、有意な量のグリコール酸又は他の副生成物を抽出することなしに強酸触媒を効率的に分離することができることが発見された。回収された酸触媒は水性ホルムアルデヒド中に直接的に逆抽出でき、そして、得られた水性ホルムアルデヒド抽出物はさらに濃縮することなくヒドロカルボキシル化反応の反応体として使用することができる。それゆえ、本発明の1つの態様は、水性グリコール酸から酸触媒を回収する方法であって、
(A)(i)水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約50〜約95質量%のグリコール酸、及び、
(ii)水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約0.2〜約12質量%の、硫酸、1〜5個の炭素原子を含むアルキルスルホン酸、1〜5個の炭素原子を含むフルオロアルキルスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む酸触媒、
を含む水性グリコール酸混合物を、
(i)抽出溶媒の合計質量を基準として約5〜約45質量%の、12〜40個の炭素原子を含む少なくとも1種の第三級アミン、少なくとも1種のオニウムカルボキシレート化合物又はそれらの組み合わせ、
(ii)約5〜約45質量%の、5〜16個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸、5〜16個の炭素原子を含むフルオロアルキルカルボン酸、5〜16個の炭素原子を含む有機リン酸又はそれらの組み合わせを含む、少なくとも1種の変性剤、及び、
(iii)約10〜約90質量%の、二酸化炭素、3〜25個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含む芳香族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素又はそれらの組み合わせを含む、少なくとも1種の希釈剤、
を含む抽出溶媒で抽出して、
前記水性グリコール酸混合物中に含まれるグリコール酸の主要量を含む水性ラフィネート相、及び、前記水性グリコール酸混合物中に含まれる酸触媒の主要量を含む有機抽出相を形成すること、
(B)前記水性ラフィネート相と前記有機抽出相とを分離すること、及び、
(C)工程(B)からの有機抽出相を水性ホルムアルデヒド溶液で抽出することにより、工程(B)からの有機抽出相中に含まれる酸触媒の主要量を含む水性ホルムアルデヒド抽出物、及び、前記有機抽出相中に含まれる酸触媒の非主要量を含む有機ラフィネート相を形成すること、
を含む、方法である。
本発明の方法を用いて回収することができる典型的な酸触媒としては、限定するわけではないが、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メチルスルホニルメタンスルホン酸、メタントリスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸又はそれらの組み合わせが挙げられる。また、洗浄工程を効果的に用いて、第三級アミン及び/又はオニウムカルボキシレート化合物及び変性剤をグリコール酸ラフィネートから回収して、それらの損失の可能性を制御することができることが発見された。従って、本発明の別の実施形態において、我々の回収法はさらに、
工程(B)からの水性ラフィネート相を、洗浄溶媒の合計質量を基準として約80〜約100質量%の、二酸化炭素、3〜25個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含む芳香族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素又はそれらの組み合わせを含む洗浄希釈剤、及び、約0〜約20質量%の、5〜16個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸、5〜16個の炭素原子を含む有機リン酸、6〜12個の炭素原子を含むアルカノール又はそれらの組み合わせを含む洗浄変性剤を含む、洗浄溶媒で抽出して、洗浄済み水性ラフィネート相及び有機洗浄抽出相を形成すること、ここで、前記洗浄溶媒/水性ラフィネート相との質量比は約0.1:1〜約1:1である、
前記洗浄済み水性ラフィネート相と有機洗浄抽出相とを分離すること、及び、
前記有機洗浄抽出相を、工程(A)の抽出溶媒又は工程(B)の有機抽出相と組み合わせること、
を含むことができる。
有機抽出相中に抽出された酸触媒は水性ホルムアルデヒド中に逆抽出して、ヒドロカルボキシル化反応にリサイクルさせることができる。従って、本発明の別の実施形態は水性グリコール酸から酸触媒を回収する方法であって、
(A)(i)水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約70〜約90質量%のグリコール酸、及び、
(ii)約1〜約10質量%の、硫酸、メタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む酸触媒、
を含む水性グリコール酸混合物を、
(i)抽出溶媒の合計質量を基準として約5〜約45質量%の、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、トリス(2−エチルブチル)アミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、トリドデシルアミン、トリデシルアミン、ジオクチルデシルアミン、ジデシルオクチルアミン又はそれらの組み合わせを含む第三級アミン、
(ii)約5〜約45質量%の、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ペルフルオロオクタン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート又はそれらの組み合わせを含む変性剤(変性剤/第三級アミンの質量比は約1:1〜約5:1である)、
(iii)約10〜約90質量%の、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はそれらの組み合わせを含む希釈剤、
を含む抽出溶媒で抽出して、
前記水性グリコール酸混合物中に含まれるグリコール酸の主要量を含む水性ラフィネート相、及び、前記水性グリコール酸混合物中に含まれる酸触媒の主要量を含む有機抽出相を形成すること、
(B)前記水性ラフィネート相と前記有機抽出相とを分離すること、及び、
(C)工程(B)からの有機抽出相を、水性ホルムアルデヒド溶液の合計質量を基準として約35〜約85質量%のホルムアルデヒドを含む水性ホルムアルデヒド溶液で抽出して、工程(B)からの有機抽出相中に含まれる酸触媒の主要量を含む水性ホルムアルデヒド抽出物、及び、前記有機抽出相中に含まれる酸触媒の非主要量を含む有機ラフィネート相を形成すること、
(D)工程(B)からの水性ラフィネート相を、洗浄溶媒の合計質量を基準として約80〜約100質量%の、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はそれらの組み合わせを含む洗浄希釈剤、及び、約0〜約20質量%の、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、2−エチルヘキサノール、2−エチルブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−デカノール又はそれらの組み合わせを含む洗浄変性剤を含む洗浄溶媒と接触させて、洗浄済み水性ラフィネート相及び有機洗浄抽出相を形成すること、ここで、前記洗浄溶媒/水性ラフィネート相の質量比は約0.1:1〜約1:1である、
(E)前記洗浄済み水性ラフィネート相と有機洗浄抽出相とを分離すること、及び、
(F)前記有機洗浄抽出相を、工程(A)の抽出溶媒又は工程(B)の有機抽出相と組み合わせること、
を含む、方法である。
詳細な説明
本発明は水性ホルムアルデヒド溶液のヒドロカルボキシル化によって調製された水性グリコール酸混合物から均一系強酸触媒を回収し、そして場合によりリサイクルする手段を提供する。従って、一般的な実施形態において、本発明は水性グリコール酸から酸触媒を回収する方法であって、
(A)(i)水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約50〜約95質量%のグリコール酸、及び、
(ii)水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約0.2〜約12質量%の、硫酸、1〜5個の炭素原子を含むアルキルスルホン酸、1〜5個の炭素原子を含むフルオロアルキルスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む酸触媒、
を含む水性グリコール酸混合物を、
(i)抽出溶媒の合計質量を基準として約5〜約45質量%の、12〜40個の炭素原子を含む少なくとも1種の第三級アミン、少なくとも1種のオニウムカルボキシレート化合物又はそれらの組み合わせ、
(ii)約5〜約45質量%の、5〜16個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸、5〜16個の炭素原子を含むフルオロアルキルカルボン酸、5〜16個の炭素原子を含む有機リン酸又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の変性剤、
(iii)約10〜約90質量%の、二酸化炭素、3〜25個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含む芳香族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の希釈剤、
を含む抽出溶媒で抽出して、
前記水性グリコール酸混合物中に含まれるグリコール酸の主要量を含む水性ラフィネート相、及び、前記水性グリコール酸混合物中に含まれる酸触媒の主要量を含む有機抽出相を形成すること、
(B)前記水性ラフィネート相と前記有機抽出相とを分離すること、及び、
(C)工程(B)からの有機抽出相を水性ホルムアルデヒド溶液で抽出することにより、工程(B)からの有機抽出相中に含まれる酸触媒の主要量を含む水性ホルムアルデヒド抽出物、及び、前記有機抽出相中に含まれる酸触媒の非主要量を含む有機ラフィネート相を形成すること、
を含む、方法を提供する。
特段の指示がない限り、明細書及び特許請求の範囲中に使用される分子量、反応条件などの成分、特性の量を表す全ての数値は、全ての場合において、用語「約」によって修飾されているものとして理解されるべきである。従って、反対の指示がない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望の特性に応じて変更されうる近似値である。最低限でも、各数値パラメータは少なくとも、報告された有効数字の数に照らして、そして通常の端数処理技術を適用することによって解釈されるべきである。さらに、本開示及び特許請求の範囲で記載される範囲は端点だけでなく、具体的に全範囲を含むことが意図されている。例えば、0〜10であると記載される範囲は1、2、3、4などの0〜10の全ての整数、1.5、2.3、4.57、6.1113などの0〜10の全ての分数、及び、端点0及び10を開示することが意図される。また、化学置換基、例えば、「C〜C炭化水素」に関連する範囲は、C及びC炭化水素ならびにC、C、C炭化水素を具体的に含み、そして開示していることが意図される。
本明細書及び特許請求の範囲中に使用されるときに、用語「フィード」は、液−液抽出技術においてその一般的に理解されている意味を有する、すなわち、抽出又は分離されるべき材料を含む溶液を意味することが意図される。本発明において、「フィード」の一例はグリコール酸、水及び硫酸の混合物である。用語「抽出溶媒」は、本明細書中に使用されるときに、「抽出剤」と同義であることが意図され、そしてフィードからの材料又は溶質を抽出するための抽出プロセスで使用される不混和性液体を意味することが意図される。本発明において、抽出溶媒の一例は、第三級アミン、例えば、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、カルボン酸変性剤、例えば、2−エチルヘキサン酸、及び、炭化水素希釈剤、例えば、ヘプタンの溶液である。用語「抽出物」は、抽出溶媒をフィードと接触させた後に、抽出溶媒から残された不混和性液体であることを意味することが意図される。用語「ラフィネート」は、フィードを抽出溶媒と接触させた後、フィードから残された液相を意味することが意図される。「洗浄溶媒」はラフィネート相を洗浄するか又はラフィネート相の純度を高めるために使用される液体を意味するものと理解される。本発明において、洗浄溶媒は1種以上の成分、例えば、第三級アミン、カルボン酸及び炭化水素希釈剤を含むことができる。
水性グリコール酸混合物は当業者に知られた任意の手段によって調製でき、例えば、グリコール酸を単純に水中に溶解させることによって、又は、発酵法によって調製できる。しかしながら、本発明は、高い圧力及び温度下で酸触媒の存在において、ホルムアルデヒドの水溶液と一酸化炭素とを接触させることによって調製される水性グリコール酸混合物から酸触媒を回収することに具体的に関連して説明する。これらの反応は、本明細書中において、ホルムアルデヒドの「ヒドロカルボキシル化」と呼ばれ、米国特許第2,152,852号、同第2,153,064号、同第2,211,624号、同第2,211,625号及び同第3,948,977号明細書ならびに英国特許第1,499,245号明細書に例示されている。
ヒドロカルボキシル化法は、酸触媒の存在下において、水性ホルムアルデヒドを含む反応混合物に一酸化炭素をフィードすることによって実施することができる。一酸化炭素は典型的には、ホルムアルデヒドによる吸収に適した供給量を確保し、また、副反応、例えば、ホルムアルデヒドが分解して一酸化炭素及び水素又は他の生成物になるのを遅らせるのに十分に過剰に反応混合物に供給される。カルボニル化反応に有用な一酸化炭素の量は、一酸化炭素/アルデヒド、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド等価物のモル比、約0.1:1〜約1,000:1の範囲であり、より好ましい範囲は約0.5:1〜約100:1、そして最も好ましい範囲は約1.0:1〜約20:1である。
ヒドロカルボキシル化に必要な一酸化炭素流の組成物は一酸化炭素、水素及び二酸化炭素を含むことができる。例えば、一酸化炭素は実質的に純粋な形態で、又は、他のガス、例えば、水素、二酸化炭素、メタン、窒素及び貴ガス(例えば、ヘリウム及びアルゴン)などとの混合物として供給してよい。例えば、一酸化炭素は高純度である必要はなく、約1体積%〜約99体積%の一酸化炭素を含むことができる。ガス混合物の残部は、例えば、窒素、水素、水、貴ガス及び1〜4個の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素を含むことができる。圧縮コストを低減するために、一酸化炭素流は少なくとも95モル%、より好ましくは少なくとも99モル%の一酸化炭素を含むことが望ましい。
一酸化炭素は当該技術分野でよく知られた典型的な源から得ることができる。例えば、一酸化炭素は、天然ガス又は石油誘導体などの炭素質材料のスチームもしくは二酸化炭素改質、石油残渣、瀝青炭、サブ瀝青炭、及び、無煙炭及びコークス、亜炭、オイルシェール、オイルサンド、泥炭、バイオマス、石油精製残渣又はコークスなどの炭素質材料の部分酸化又はガス化を含む、当該技術分野に知られる多くの方法のいずれかにより提供されうる。例えば、一酸化炭素は、二酸化炭素、一酸化炭素及び水素を含む合成ガス又は「シンガス」の成分として反応混合物に提供されうる。
ヒドロカルボキシル化反応において使用される水性ホルムアルデヒドは、典型的には、約35〜約85質量%のホルムアルデヒドを含む。水性ホルムアルデヒドフィード中のホルムアルデヒドレベルの他の例は、約40〜約70質量%及び40〜約60質量%である。これらの範囲は、さらなる蒸留を行わない従来のホルムアルデヒド法で達成しうる典型的な濃度である。従来のホルムアルデヒド法は、"Formaldehyde", Kirk-Othmer Encyclopedia, Vol. 11, 4th Edition, 1994に記載されている。例えば、市販のホルムアルデヒドは、典型的には、水中に約55質量%のホルムアルデヒドを含む。ホルムアルデヒドの他の形態は、水性ホルムアルデヒドフィードストック中に存在することができ、その形態としては、トリオキサン又はパラホルムアルデヒド、及び、水又は他の溶媒中でのホルムアルデヒドの重合又はオリゴマー化により生成される、ホルムアルデヒドの直鎖状ポリマー、すなわち、ポリ(オキシメチレン)グリコール及びその誘導体が挙げられる。用語「ホルムアルデヒド」は、本明細書及び特許請求の範囲に関係で本明細書中に使用されるときに、上述のホルムアルデヒドのすべてのさまざまな形態を包含することが意図される。
ヒドロカルボキシル化反応を触媒するために使用できる酸触媒の例としては、限定するわけではないが、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸(トリフリン酸)、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、メチルスルホニルメタンスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸及びそれらの組み合わせが挙げられる。ヒドロカルボキシル化反応を触媒するために使用され、続いて本発明の方法によって回収される酸は、「強」酸、すなわち、水中のpKa値が1以下である酸であることを特徴とすることができる。多プロトン性酸に関しては、上記定義は第一pKa値を指す。極性反応生成物流体中の強酸触媒種の濃度は、使用される特定の強酸触媒種に応じて実質的に変化することがあるが、典型的には組成は0.5質量%〜約12質量%の範囲である。1つの実施形態において、例えば、酸触媒はヒドロカルボキシル化反応混合物の合計質量を基準として、ヒドロカルボキシル化反応混合物中での濃度範囲約1〜約10質量%、又は、別の例では約1〜約8質量%の硫酸を含む。別の例では、酸触媒はヒドロカルボキシル化反応混合物の合計質量を基準として、濃度約0.2〜約5質量%、又は、別の例では約0.5〜約4質量%のトリフリン酸を含む。なおも別の例では、酸触媒は、濃度約0.5〜約10重量、又は、別の例では約1.0〜約8質量%のメタントリスルホン酸を含むことができる。
ヒドロカルボキシル化法は、連続操作モード、半連続操作モード及びバッチ操作モード下で実施することができ、種々様々な反応器タイプを利用してよい。適切な反応器タイプの例としては、限定するわけではないが、攪拌槽、連続攪拌槽、トリクルベッド、タワー、スラリー及び管状反応器が挙げられる。ヒドロカルボキシル化反応のための典型的な温度範囲は約160〜約220℃である。別の例では、温度範囲は約190〜約210℃であることができる。ヒドロカルボキシル化反応のための圧力範囲の例は約35〜約350バールゲージ、及び、約60〜約200バールゲージである。
反応体及び酸触媒は、反応器へ別々に又は任意の順序又は組み合わせで導入してよい。さらに、反応ゾーン内の異なる位置に1種以上の反応体を導入してもよい。例えば、触媒床を含む連続操作プロセスにおいて、水又はホルムアルデヒドの添加は反応ゾーン全体にわたってステージングされてよい。いくつかの場合において、反応媒体の一部を反応器に再循環させることによって、次の合成のための液体反応媒体として作用するようにすることが望ましいことがある。副生成物の生成を低減するために、ヒドロカルボキシル化反応における滞留時間を、出口ホルムアルデヒド濃度が約5質量%以下となるように設定することが望ましい。グリコール酸に加えて、ヒドロカルボキシル化法は、典型的には、グリコール酸オリゴマー、水、未反応ホルムアルデヒド、所望されない極性副生成物を生成し、有色体及び腐食金属も存在しうる。極性副生成物としては、限定するわけではないが、ジグリコール酸、メトキシ酢酸、メチルメトキシアセテート及びギ酸を挙げることができる。腐食金属は反応器及びパイプのために使用される金属特性に依存し、鉄、クロム、ニッケル、ジルコニウム及びそれらの組み合わせを含むことができる。
本発明の場合に、水性グリコール酸混合物は反応混合物の合計質量に基づいて約50〜約95質量%のグリコール酸を含む。水性混合物中のグリコール酸の濃度の追加の例は、約60〜約90質量%及び約65〜約90質量%である。例えば、1つの実施形態において、水性グリコール酸混合物は約70〜約90質量%のグリコール酸を含み、そして、上記のとおりの酸触媒の存在において水性ホルムアルデヒドを一酸化炭素と接触させることにより生成される。
水性グリコール酸混合物は、また、水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約0.2〜約12質量%の、硫酸、1〜5個の炭素原子を含むアルキルスルホン酸、1〜5個の炭素原子を含むフルオロアルキルスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む触媒を含む。水性グリコール酸混合物中の酸触媒の濃度のいくつかの追加の例は約0.5〜約10質量%、及び、約1〜約10質量%である。例えば、酸触媒は硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、メチルスルホニルメタンスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含むことができる。水性グリコール酸溶液は、上記酸のいずれか1種又はそれらの混合物を任意の組み合わせで含むことができる。
水性グリコール酸は少なくとも1種の第三級アミン、少なくとも1種のオニウムカルボキシレート化合物又はそれらの組み合わせ、及び、少なくとも1種の希釈剤及び少なくとも1種の変性剤を含む抽出溶媒と接触させられる。例えば、抽出溶媒は約5〜約45質量%の、12〜40個の炭素原子を含む少なくとも1種の第三級アミン、少なくとも1種のオニウムカルボキシレート化合物又はそれらの組み合わせを含むことができる。1つの実施形態において、例えば、抽出溶媒は約10〜約25質量%の少なくとも1種の第三級アミンを含むことができる。抽出溶媒中の第三級アミン及び/又はオニウムカルボキシレート濃度のいくつかの他の例は約5〜約40質量%、及び、約10〜35質量%である。用語「第三級アミン」は、本明細書中に使用されるときに、アミノ窒素に3個の炭素原子が結合されているアミンを意味するものと理解される。典型的には、本発明の第三級アミンは非極性抽出相中の可溶性を促進するのに十分な数の炭素原子を有する炭素鎖単位を含むであろう。炭素鎖単位は、直鎖状、枝別れ状、環状又はそれらの組み合わせであってよい。例えば、第三級アミンの炭素鎖単位は直鎖状又は枝分かれ状構造を含むことができ、そして合計で12〜40個の炭素原子を有することができる。1つの例において、第三級アミンはヒンダードアミン、すなわち、炭素鎖のうちの少なくとも1つが、窒素原子からβ位にある炭素で少なくとも1つの分岐点を含んでいるアミンであることができる。いくつかの代表的な第三級アミンとしては、限定するわけではないが、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、トリス(2−エチルブチル)アミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、トリドデシルアミン、トリデシルアミン、ジオクチルデシルアミン、ジデシルオクチルアミン又はそれらの組み合わせが挙げられる。1つの実施形態において、例えば、抽出溶媒はトリス(2−エチルヘキシル)アミンを含むことができる。
抽出溶媒は、約5〜約45質量%の少なくとも1種のオニウムカルボキシレート化合物を含むこともでき、該オニウムカルボキシレート化合物は第四級原子又は基、例えば、第三級又は第四級アンモニウム、第四級ホスホニウム及びトリアルキルスルホニウムから選ばれるカチオンを含む。上記のとおり、抽出溶媒中のオニウムカルボキシレート化合物の濃度の追加の例は、約5〜約40質量%、約10〜約35質量%及び約10〜約25質量%である。抽出剤は、オニウムカルボキシレート化合物を単独で、又は、上記のような第三級アミンとの組み合わせで含むことができる。オニウムカルボキシレート化合物は上記原子又は基のプロトン化形態、特に種々の第三級アミンのプロトン化形態を含んでよい。第三級アミンとカルボン酸との混合物はある量のオニウムカルボキシレート化合物を生成し、該化合物はカルボン酸変性剤による第三級アミンのプロトン化により生じ、そして遊離アミン及びカルボン酸との化学平衡状態で存在することを当業者は理解する。従って、本発明の関係で、第三級アミンとカルボン酸とのプロトン化から生じた抽出溶媒中のオニウムカルボキシレート化合物の存在は、第三級アミン及びカルボン酸変性剤を抽出プロセスに別々に添加したものと同等であることも当業者によって理解されるであろう。このように、第三級アミン及び変性剤は、対応するオニウムカルボキシレート化合物として、又は、第三級アミン、変性剤及びオニウムカルボキシレート化合物の組み合わせとして、別々に抽出プロセスに添加することができる。
オニウムカルボキシレート化合物は任意の数、例えば最大で60個の炭素原子を含有してよく、そしてまた、1個以上のヘテロ原子を含有してよい。トリ−及びテトラアルキル第四級アンモニウム及びホスホニウム塩は、典型的には、合計で5〜40個の炭素原子を含む。1つの実施形態において、例えば、オニウムカルボキシレート化合物は、R1234+、R1234+、R1234As+及びR123+からなる群より選ばれるオニウムカチオン、及び、タイプR5CO2 -のカルボン酸アニオンを含むことができ、式中、R1,R2,R3,R4及びR5は独立して、20個以下の炭素原子を有するアルキル又は置換アルキル部分、5〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル又は置換シクロアルキル、あるいは、6〜20個の炭素原子を有するアリール又は置換アリールから選ばれる。
アンモニウムカチオンのいくつかの代表例としては、限定するわけではないが、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、テトラドデシルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウム、メチルトリブチルアンモニウム、N−オクチル−キヌクリジニウム、N,N’−ジメチル−N、N’−ジヘキサデシルピペラジニウムジヨージド、ジメチル−ヘキサデシル−[3−ピロリジニルプロピル]アンモニウム、N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサ(ドデシル)オクタン−1,8−ジアンモニウム及びN,N,N,N’,N’,N’−ヘキサ(ドデシル)ブタン−1,4−ジアンモニウムが挙げられる。
例示のホスホニウムカチオンとしてはテトラオクチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリフェニル(ヘキシル)ホスホニウム、トリフェニル(オクチル)ホスホニウム、トリベンジル(オクチル)ホスホニウム、トリベンジル(ドデシル)ホスホニウム、トリフェニル(デシル)ホスホニウム、トリフェニル(ドデシル)ホスホニウム、テトラキス(2−メチルプロピル)ホスホニウム、トリス(2−メチルプロピル)(ブチル)ホスホニウム、トリフェニル(3,3−ジメチルブチル)ホスホニウム、トリフェニル(3−メチルブチル)ホスホニウム、トリス(2−メチルブチル)(3−メチルブチル)ホスホニウム、トリフェニル[2−トリメチルシリルエチル]ホスホニウム、トリス(p−クロロフェニル)(ドデシル)ホスホニウム、ヘキシルトリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスホニウム、テトラデシルトリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスホニウム、ドデシルトリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスホニウム、メチルトリオクチルホスホニウム、テトラアルキルホスホニウム、メチルトリブチルホスホニウム及びメチルトリシクロヘキシルホスホニウムなどが挙げられる。好ましいホスホニウムカチオンとしてはメチルトリフェニルホスホニウム、メチルトリブチルホスホニウム、メチルトリオクチルホスホニウム及びブチルトリドデシルホスホニウムが挙げられる。
いくつかの代表的なカルボキシレート基としては、限定するわけではないが、2−エチルヘキシルヘキサノエート、n−ペンタノエート、2−メチルブタノエート、3−メチルブタノエート、ヘキサノエート、2−エチルブタノエート、ヘプタノエート、オクタノエート、ペラルゴノエート、ノナノエート、デカノエート、ラウレート、パルミテート、ペルフルオロオクタノエート又はそれらの組み合わせが挙げられる。上記オニウムカルボキシレート化合物に加えて、オニウムカルボキシレート化合物は、本明細書中に記載された1種以上の第三級アミン及び1種以上の脂肪族カルボン酸から生成されるアンモニウムカルボキシレート塩を含んでもよい。例えば、オニウムカルボキシレート塩は、トリス(2−エチルヘキシル)アミンと2−エチルヘキサン酸との反応から生成されるトリス(2−エチルヘキシル)アンモニウム2−エチルヘキサノエートを含むことができる。本発明の別の実施形態において、酸触媒はトリフリン酸であることができ、そして抽出溶媒は水素トリス(2−エチルヘキシル)アンモニウムペルフルオロオクタノエートを含むオニウムカルボキシレート化合物を含むことができる。このオニウムカルボキシレート化合物は、抽出プロセス以外で生成して、抽出溶媒に直接に添加するか、又は、トリス(2−エチルヘキシル)アミン及びペルフルオロオクタン酸を抽出溶媒混合物に添加することによってその場で生成することができる。
少なくとも1種の第三級アミン及び/又はオニウムカルボキシレート化合物に加えて、抽出溶媒は、約5〜約45質量%の、5〜16個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸、5〜16個の炭素原子を含むフルオロアルキルカルボン酸、5〜16個の炭素原子を含む有機リン酸又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の変性剤を含むことができる。1つの実施形態において、変性剤はヒドロカルボキシル化又は水素化反応条件下で容易に反応しない。
変性剤のいくつかの具体例としては、n−ペンタン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、ヘキサン酸、2−エチルブタン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、ペルフルオロオクタン酸又はそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、本方法の1つの実施形態において、酸触媒は、トリフルオロメタンスルホン酸を含み、第三級アミンはトリス(2−エチルヘキシル)アミンを含み、そして変性剤はペルフルオロオクタン酸を含む。典型的には、変性剤/第三級アミン、オニウムカルボキシレート化合物又は第三級アミンとオニウムカルボキシレート化合物との組み合わせの質量比は約0.1:1〜約5:1の範囲となるであろう。変性剤/第三級アミン、オニウムカルボキシレート化合物又はそれらの組み合わせの質量比のいくつかの他の例は、約0.5:1〜約5:1、約1:1〜約5:1及び約2:1〜約5:1である。抽出剤がカルボン酸変性剤による第三級アミンのプロトン化により生じるオニウムカルボキシレート化合物を含む実施形態において、変性剤/第三級アミンの比は、第三級アミンとカルボン酸との総当量から決定されうる。例えば、この比は、抽出溶媒中に存在する遊離第三級アミン及びカルボン酸の質量比、及び、オニウムカルボキシレート化合物の形態で存在する第三級アミン及びカルボン酸の当量から決定されうる。
抽出溶媒は、抽出溶媒の合計質量を基準として、約10〜約90質量%の少なくとも1種の希釈剤をさらに含み、水性グリコール酸混合物との不混和性液相を形成するのを助け、そしてグリコール酸からの強酸触媒の分離を容易にする物理的特性及び輸送特性を与える。例えば、抽出溶媒中の希釈剤濃度は約20〜約80質量%であることができる。典型的には、抽出溶媒は水性グリコール酸混合物に対して少なくとも0.05グラム/mLの比重差を有することができる。例えば、典型的には約70〜約90質量%の水性グリコール酸及び約1〜約10質量%の酸触媒を含む水性グリコール酸混合物の密度は、典型的には40℃で約1.1〜約1.45g/mLの範囲にある。この例において、抽出溶媒の密度は、この範囲から少なくとも0.05g/mLだけ異なることができ、すなわち、希釈剤の密度は約1.05g/mL未満又は約1.50g/mL超であることができる。別の実施形態において、希釈剤の密度は水性グリコール酸溶液の密度よりも、少なくとも0.10g/mLだけ低い。さらに別の実施形態において、水性グリコール酸混合物と希釈剤との密度差は0.05g/mL未満であることができるが、これにより、遠心抽出装置の使用を必要とすることがあり、これはプロセスのコストを増加させることがある。
希釈剤は典型的には、抽出温度において約10センチポアズという低い粘度を有するであろう。本発明の方法において希釈剤として使用することができるいくつかの一般的なクラスの化合物としては、二酸化炭素、3〜25個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含む芳香族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素又はそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、希釈剤は、約6〜約16個の炭素原子を含む脂肪族又は芳香族炭化水素であることができる。炭化水素の混合物を使用してよい。希釈剤のいくつかの具体的な追加の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はそれらの組み合わせが挙げられる。例えば希釈剤は、ISOPAR(登録商標)溶媒、例えばISOPAR C(沸点範囲98〜104℃)、ISOPAR(登録商標) E(沸点範囲118〜137℃)、ISOPAR(登録商標) G(沸点範囲160〜176℃)、ISOPAR(登録商標) H(沸点範囲178〜188℃)、ISOPAR(登録商標) K(沸点範囲178〜197℃)、ISOPAR(登録商標) L(沸点範囲189〜207℃)、ISOPAR(登録商標) M(沸点範囲223〜254℃)及びISOPAR(登録商標) V(沸点範囲273〜312℃)によって例示されるような、沸点範囲が約90〜約325℃のイソパラフィン系混合炭化水素を含むことができる。
濃密ガス及び超臨界流体、例えば、二酸化炭素及びプロパンを希釈剤として、単独で又は他の希釈剤との組み合わせで使用してもよい。本発明の一例において、酸触媒は硫酸を含み、第三級アミンはトリス(2−エチルヘキシル)アミンを含み、そして変性剤は2−エチルヘキサン酸を含み、そして希釈剤はヘキサン、ヘプタン、デカン又はそれらの組み合わせを含む。
水性グリコール酸混合物の抽出を当業者に知られている任意の手段によって実施し、2つの不混和性液相を密に接触させ、抽出処置後に得られる相を分離することができる。例えば、抽出は、カラム、遠心分離器、ミキサ−セトラ及び種々の装置を使用して実施することができる。抽出器のいくつかの代表例としては、非攪拌型カラム(例えば、スプレイ、バッフルトレイ及び充填型、有孔プレート)、攪拌型カラム(例えば、パルス、回転攪拌及び往復動プレート)、ミキサ−セトラ(例えば、ポンプ−セトラ、静的ミキサ−セトラ及び攪拌型ミキサ−セトラ)、遠心分離器及び他の種々の抽出器(例えば、エマルジョン相接触器、電気強化抽出器及び膜抽出器)が挙げられる。これらの装置の説明は、Handbook of Solvent Extraction, Krieger Publishing Company, Malabar, FL, 1991, pp. 275-501に見いだすことができる。種々のタイプの抽出器を単独で又は任意の組み合わせで使用してよい。
抽出は1つ以上の段階で実施してよい。抽出段階数は、資本コスト、高い抽出効率の達成、操作容易性、抽出条件に対する出発材料及び反応生成物の安定性との間で最良の妥協点を見いだすことによって選択することができる。抽出はまたバッチ式又は連続式で実施することができる。連続モードでは、抽出は並流式、向流式、又は、複数の溶媒及び/又は1つより多くの溶媒フィード点を使用して分離を容易にする分別抽出として実施してよい。
水性グリコール酸混合物及び抽出溶媒は分別抽出法によって接触させることができる。この実施形態において、水性グリコール酸混合物と混和性である、場合により使用される追加の極性溶媒を必要に応じて抽出装置に添加して、有機抽出相とともに出てくるグリコール酸の量を低減することができる。極性溶媒のいくつかの例としては、限定するわけではないが、水、エチレングリコール、グリコール酸、水性グリコール混合物中に存在する他の液体又はそれらの組み合わせが挙げられる。
抽出は、典型的には、約20〜約120℃の温度で実施することができる。例えば、抽出は約40〜約85℃の温度で実施することができる。所望の温度範囲は、溶媒混合物の希釈剤成分の沸点によってさらに制約されうる。一般に、希釈剤が沸騰する条件下で抽出を操作することは望ましくない。本発明の抽出器は物質移動速度又はデカンテーション速度を改善するために、抽出器全体にわたって温度勾配を確立するように操作されうる。
水性グリコール酸混合物の抽出によって、水性グリコール酸混合物中に含まれるグリコール酸の主要量を含む水性ラフィネート相と、該水性グリコール酸混合物中に含まれる酸触媒の主要量を含む有機抽出相とが生成される。水性ラフィネート相及び有機抽出相は当業者に知られた任意の相分離技術によって分離されうる。相分離技術は、抽出装置内、又は別個の液−液分離装置内で行うことができる。適切な液−液分離装置としては、コアレッサ、サイクロン及び遠心分離器が挙げられる。液−液分離装置のために使用されうる典型的な装置はHandbook of Separation Process Technology, ISBN 0-471-89558-X, John Wiley & Sons, Inc., 1987に記載されている。
酸触媒は有機抽出相から、続いてヒドロカルボキシル化反応における反応体として直接的に使用されうる水性ホルムアルデヒド溶液中に逆抽出することができる。従って、本方法は、また、工程(B)からの有機抽出相を水性ホルムアルデヒド溶液で抽出して、工程(B)からの有機抽出相中に含まれる酸触媒の主要量を含む水性ホルムアルデヒド抽出物、及び、有機抽出相中に含まれる酸触媒の非主要量を含む有機ラフィネート相を形成することを含む。水性ホルムアルデヒド抽出物を、酸触媒の存在においてホルムアルデヒドのカルボニル化によるグリコール酸調製法に通過させることができる。典型的には、酸触媒は、水性ホルムアルデヒド抽出物の合計質量を基準として、水性ホルムアルデヒド抽出物中約0.5〜約10質量%で回収し、そして酸触媒をさらに濃縮することなくヒドロカルボキシル化反応にリサイクルすることができる。水性ホルムアルデヒド溶液中のホルムアルデヒド濃度は、水性ホルムアルデヒド溶液の合計質量を基準として、一般に、約35〜約85質量%であることができる。例えば、ホルムアルデヒド濃度は約40〜約55質量%であることができる。この濃度はさらに蒸留することなしに、従来のホルムアルデヒドプロセスから得ることができる。さらに、所望の場合には、水性ホルムアルデヒド抽出溶媒中に水を添加してよい。
本発明の方法の水性ホルムアルデヒド溶液/工程(B)からの有機抽出相の質量比は約0.05:1〜約2:1である。水性ホルムアルデヒド溶液/有機抽出相の質量比のさらなる例は約0.1:1〜2:1及び約0.1:1〜約1:1である。酸触媒の水性ホルムアルデヒド溶液中への抽出は、約20〜約95℃の温度で行うことができる。例えば、本発明の1つの実施形態において、本発明の工程(A)〜(C)は約40〜約85℃の温度で実施される。この方法の工程(C)の温度範囲は、ホルムアルデヒドが溶液から沈降し始める温度によって制約されうる。この制約は、ホルムアルデヒド濃度の関数であり、当業者によく知られている。温度の関数としてのホルムアルデヒド溶解度の温度依存性の説明は、Walker, Formaldehyde, Walker, ACS Monograph, Washington, DC., ACS, 1964, p. 95に見いだすことができる。一般に、酸触媒の水性ホルムアルデヒド溶液中への逆抽出の温度は、選択された水性ホルムアルデヒド溶液濃度について、ホルムアルデヒドが溶液から沈降し始める温度よりも約2〜約10℃高くすることができる。本発明の逆抽出は、抽出容器全体にわたって温度勾配を確立するように操作されうる。
1種以上の無極性化合物又は化合物の混合物を含む、場合により使用される無極性添加剤を添加することによって、本方法の工程(A)からの有機抽出相の組成を変更することにより、逆抽出の効果を向上させることができる。無極性添加剤は、プロセスの工程(A)における希釈剤又は変性剤として使用される化合物と同一の化合物又は化合物の混合物を含むことができる。例えば、無極性添加剤は逆抽出工程からの有機ラフィネート相を蒸留することによって容易に回収可能な組成物を含むことができる。得られる有機ラフィネート相は、蒸留有り又は無しで、水性グリコール酸混合物の抽出における再使用のために、工程(A)の抽出にリサイクルさせることができる。水性ホルムアルデヒド溶液及び有機抽出物は分別抽出法によって接触させることもできる。この実施形態において、有機ラフィネート相と混和性である上記のとおりの無極性添加剤を、必要に応じて抽出器に添加し、水性ホルムアルデヒド抽出物とともに出てくる有機抽出相成分(酸触媒以外)の量を低減することができる。
第三級アミン及び変性剤によって、工程(B)の水性ラフィネートを洗浄して、第三級アミン、オニウムカルボキシレート化合物、希釈剤及び変性剤を水性ラフィネート相から回収することが望ましいことがある。従って、本方法は、工程(B)からの水性ラフィネート相を、洗浄溶媒の合計質量を基準として約80〜約100質量%の、二酸化炭素、3〜25個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含む芳香族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素又はそれらの組み合わせを含む洗浄希釈剤、及び、約0〜約20質量%の、5〜16個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸、5〜16個の炭素原子を含む有機リン酸、6〜12個の炭素原子を含むアルカノール又はそれらの組み合わせを含む洗浄変性剤を含む、洗浄溶媒で抽出して、洗浄済み水性ラフィネート相及び有機洗浄抽出相を形成し、前記洗浄済み水性ラフィネート相と有機洗浄抽出相とを分離し、そして前記有機洗浄抽出相を、工程(A)の該抽出溶媒又は工程(B)の有機抽出相と組み合わせることをさらに含む。
上記洗浄工程は、当業者に知られた任意の手段によって、例えば、種々の抽出遠心分離器、ミキサ−セトラ及び上記他の抽出装置のいずれかにおいて水性ラフィネート相を洗浄溶媒で抽出することによって行うことができる。洗浄溶媒/水性ラフィネート相の質量比は約0.1:1〜約1:1であることができる。この質量比のさらなる例は約0.2:1〜約0.5:1である。洗浄工程は約20〜120℃の温度で、又は、別の例では、約40〜約85℃で行うことができる。本発明における他の抽出工程に関して述べたように、洗浄工程の温度範囲は、洗浄溶媒の沸点によって限定されうる。また、洗浄工程も、洗浄容器全体にわたって温度勾配を確立するように操作することができる。
洗浄溶媒は、典型的には、工程(A)の抽出溶媒に関して示したものと同一の成分のいくつか又は全てを含むであろう。例えば、洗浄溶媒は約80〜約100質量%の洗浄希釈剤を含むことができ、洗浄希釈剤は、二酸化炭素、3〜25個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含む芳香族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素又はそれらの組み合わせを含む。洗浄溶媒のいくつかの代表例としては、プロパン、ブタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、洗浄溶媒は、上述のとおりの沸点範囲が約90〜約325℃であるイソパラフィン系混合炭化水素を含むことができる。
洗浄溶媒は、洗浄溶媒の合計質量を基準として約0〜約20質量%の洗浄変性剤を含むことができる。洗浄変性剤は、典型的には、洗浄効果を改善する、すなわち、第三級アミン、変性剤及び希釈剤の洗浄溶媒中への抽出作用を改善することができる、洗浄溶媒に添加される極性化合物である。適切な洗浄変性剤としては、5〜16個の炭素原子を含むカルボン酸、有機リン酸、5〜12個の炭素原子を有するアルカノール又はそれらの組み合わせが挙げられる。好ましい洗浄変性剤のいくつかの具体例としては、限定するわけではないが、n−ペンタン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、ヘキサン酸、ペルフルオロオクタン酸、2−エチルブタン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、2−エチルブタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、n−デカノール、イソデカノール又はそれらの組み合わせが挙げられる。1つの実施形態において、例えば、洗浄溶媒は、洗浄工程からの有機洗浄抽出相を蒸留によって容易に回収できる組成物を含むことができる。
本発明の洗浄工程は、1つ以上の抽出段階において行うことができる。正確な抽出段階数は所望の抽出効率を得るために、より多くの段階を有することの資本コストと、より多量の洗浄溶媒を使用することに伴う操作コストとの間で最良の妥協点を見いだすことによって決められる。洗浄工程はバッチモード又は連続モードで実施することができる。連続的に実施するときには、洗浄工程は並流式又は向流式で行うことができる。洗浄工程を出てくる無極性洗浄相は一次抽出器にフィードすることができる。洗浄工程は、工程(A)の抽出から物理的に分離された1つ以上の抽出器において実施されるか、或いは、別の実施形態では、工程(A)及び洗浄工程の抽出を同じ向流抽出器内で行うこともできる。洗浄工程は、本発明の工程(A)〜(C)に関して上述した種々の抽出器のうちの1つ以上において実施することができる。
洗浄済み水性ラフィネート相と有機洗浄抽出相とを分離し、そして有機洗浄抽出相を、工程(A)の抽出溶媒、又は工程(B)の有機抽出相と組み合わせることができる。洗浄済み水性ラフィネート相と有機洗浄抽出相は、当該技術分野で知られている、本明細書中で前述した任意の相分離技術によって分離することができる。
本発明の別の態様は、水性グリコール酸から酸触媒を回収する方法であって、
(A)(i)水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約70〜約90質量%のグリコール酸、及び、
(ii)水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約1〜約10質量%の、硫酸、メタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタンジスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む酸触媒、
を含む水性グリコール酸混合物を、
(i)抽出溶媒の合計質量を基準として約5〜約45質量%の、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、トリス(2−エチルブチル)アミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、トリドデシルアミン、トリデシルアミン、ジオクチルデシルアミン、ジデシルオクチルアミン又はそれらの組み合わせを含む第三級アミン、
(ii)約5〜約45質量%の、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ペルフルオロオクタン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート又はそれらの組み合わせを含む変性剤(変性剤/第三級アミンの質量比は約1:1〜約5:1である)、及び、
(iii)約10〜約90質量%の、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はそれらの組み合わせを含む希釈剤、
を含む抽出溶媒で抽出して、
前記水性グリコール酸混合物中に含まれるグリコール酸の主要量を含む水性ラフィネート相、及び、前記水性グリコール酸混合物中に含まれる酸触媒の主要量を含む有機抽出相を形成すること、
(B)前記水性ラフィネート相と有機抽出相とを分離すること、及び、
(C)工程(B)からの有機抽出相を、水性ホルムアルデヒド溶液の合計質量を基準として約35〜約85質量%のホルムアルデヒドを含む水性ホルムアルデヒド溶液で抽出して、工程(B)からの有機抽出相中に含まれる酸触媒の主要量を含む水性ホルムアルデヒド抽出物、及び、前記有機抽出相中に含まれる酸触媒の非主要量を含む有機ラフィネート相を形成すること、
(D)工程(B)からの水性ラフィネート相を、洗浄溶媒の合計質量を基準として約80〜約100質量%の、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はそれらの組み合わせを含む洗浄希釈剤、及び、約0〜約20質量%の、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、2−エチルヘキサノール、2−エチルブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−デカノール又はそれらの組み合わせを含む洗浄変性剤を含む、洗浄溶媒と接触させ、洗浄済み水性ラフィネート相及び有機洗浄抽出相を形成すること、ここで、前記洗浄溶媒/水性ラフィネート相の質量比は約0.1:1〜約1:1である、
(E)前記洗浄済み水性ラフィネート相と有機洗浄抽出相とを分離すること、及び、
(F)前記有機洗浄抽出相を、工程(A)の抽出溶媒又は工程(B)の有機抽出相と組み合わせること、
を含む、方法である。
上記方法は、上述のとおりの水性グリコール酸混合物、酸触媒、第三級アミン、変性剤、希釈剤、及び、洗浄工程の様々な実施形態を含むことが理解される。例えば、水性グリコール酸混合物は、硫酸触媒の存在下でのホルムアルデヒドのカルボニル化を含む方法により調製されうる。別の例において、工程(C)の水性ホルムアルデヒド溶液は約40〜約55質量%のホルムアルデヒドを含み、そして工程(C)の水性ホルムアルデヒド抽出物は、グリコール酸プロセスに送られる。さらなる例において、触媒は硫酸を含むことができ、第三級アミンはトリス(2−エチルヘキシル)アミンを含むことができ、変性剤は2―エチルヘキサン酸を含むことができ、希釈剤はヘキサン、ヘプタン、デカン又はそれらの組み合わせを含むことができ、洗浄溶媒はヘキサン、ヘプタン、デカン又はそれらの組み合わせを含むことができ、洗浄変性剤は2―エチルヘキサン酸、n−ヘキサノール、n−デカノール又はそれらの組み合わせを含むことができ、そして変性剤/第三級アミンの質量比は約2:1〜約4:1である。水性ホルムアルデヒド抽出物は水性ホルムアルデヒド抽出物の合計質量を基準として約0.5〜約10質量%の硫酸を含むことができる。
本発明のなおも別の実施形態は、グリコール酸の調製方法であって、
(A)1〜5個の炭素原子を含むアルキルスルホン酸触媒の存在下に水性ホルムアルデヒド反応体と一酸化炭素を接触させ、水性グリコール酸混合物を生成すること、及び、
(B)少なくとも1種の第三級アミン、少なくとも1種のオニウムカルボキシレート化合物又はそれらの組み合わせ、脂肪族カルボン酸、有機リン酸又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の変性剤、及び、二酸化炭素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の希釈剤、を含む抽出溶媒で前記水性グリコール酸混合物を抽出して、前記水性グリコール酸混合物中に含まれるグリコール酸の主要量を含む水性ラフィネート相、及び、前記水性グリコール酸混合物中に含まれる酸触媒の主要量を含む有機抽出相を形成することにより、前記水性グリコール酸混合物からアルキルスルホン酸を回収すること、
を含む方法である。
上記方法は、上述のとおりのヒドロカルボキシル化法、ホルムアルデヒド及び一酸化炭素反応体、水性グリコール酸混合物、スルホン酸触媒、反応器様式及び構成、時間、温度及び圧力の反応条件、抽出溶媒、第三級アミン、変性剤、希釈剤、及び、洗浄工程の様々な実施形態を任意の組み合わせで含むことができることが理解される。例えば、上述のとおり、アルキルスルホン酸触媒はメタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸、メチルスルホニルメタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含むことができる。別の例では、アルキルスルホン酸触媒はメタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含むことができる。さらに別の例では、アルキルスルホン酸触媒はメタントリスルホン酸を含むことができる。
メタントリスルホン酸はモル基準で硫酸よりも高い転化率及びヒドロカルボキシル化割合を提供することが発見された。従って、本発明の更なる態様は水性ホルムアルデヒド反応体及びメタントリスルホン酸を含む反応混合物を一酸化炭素と接触させ、水性グリコール酸混合物を生成することを含む、グリコール酸の調製方法を含む。上記方法は、上述のとおりのヒドロカルボキシル化法、ホルムアルデヒド及び一酸化炭素反応体、水性グリコール酸混合物、反応器様式及び構成、時間、温度及び圧力の反応条件、抽出溶媒、第三級アミン、変性剤、希釈剤、及び、洗浄工程の様々な実施形態を任意の組み合わせで含むことができる。例えば、上述のとおり、ヒドロカルボキシル化法は約35〜約350バールゲージの圧力で、約160〜約220℃の温度、及び、一酸化炭素/ホルムアルデヒドのモル比約0.5:1〜約100:1で実施されることができる。なおも別の例では、水性グリコール酸生成物は約0.2〜約12質量%のメタントリスルホン酸を含むことができる。
上述のとおり、アルキルスルホン酸は水性グリコール酸混合物の調製のための有用な触媒であり、上記の手順により効率的に回収されそしてリサイクルされうることが発見された。このように、本発明の別の実施形態はグリコール酸の調製方法であって、
(A)メタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む酸触媒の存在下に、水性ホルムアルデヒド反応体を一酸化炭素と接触させ、水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約70〜約90質量%のグリコール酸及び約1〜約10質量%の酸触媒を含む水性グリコール酸混合物を生成すること、
(B)前記水性グリコール酸混合物を、
(i)抽出溶媒の合計質量を基準として約5〜約45質量%の、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、トリス(2−エチルブチル)アミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、トリドデシルアミン、トリデシルアミン、ジオクチルデシルアミン、ジデシルオクチルアミン又はそれらの組み合わせを含む第三級アミン、
(ii)抽出溶媒の合計質量を基準として約5〜約45質量%の、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、ペルフルオロオクタン酸又はそれらの組み合わせを含む変性剤、及び、
(iii)抽出溶媒の合計質量を基準として約10〜約90質量%の、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、沸点範囲が90〜325℃であるイソパラフィン系混合炭化水素又はそれらの組み合わせを含む希釈剤、
を含む抽出溶媒で抽出して、
前記水性グリコール酸混合物中に含まれるグリコール酸の主要量を含む水性ラフィネート相、及び、前記水性グリコール酸混合物中に含まれる酸触媒の主要量を含む有機抽出相を形成すること、
(C)前記水性ラフィネート相と前記有機抽出相とを分離すること、及び、
(D)工程(C)からの有機抽出相を、水性ホルムアルデヒド溶液の合計質量を基準として約35〜約85質量%のホルムアルデヒドを含む水性ホルムアルデヒド溶液で抽出して、工程(C)からの有機抽出相中に含まれる酸触媒の主要量を含む水性ホルムアルデヒド抽出物、及び、前記有機抽出相中に含まれる酸触媒の非主要量を含む有機ラフィネート相を形成すること、
を含む、方法である。
上記方法は、上述のとおりのヒドロカルボキシル化法、ホルムアルデヒド及び一酸化炭素反応体、水性グリコール酸混合物、スルホン酸触媒、反応器様式及び構成、時間、温度及び圧力の反応条件、抽出溶媒、第三級アミン、変性剤、希釈剤、及び、洗浄工程の様々な実施形態を任意の組み合わせで含むことができることが理解される。例えば、上述のとおり、酸触媒はメタントリスルホン酸を含むことができる。
本発明は、また、下記に示す実施形態1〜34をも含む。実施形態1は水性グリコール酸から酸触媒を回収する方法であって、
(A)(i)水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約50〜約95質量%のグリコール酸、及び、
(ii)水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約0.2〜約12質量%の、硫酸、1〜5個の炭素原子を含むアルキルスルホン酸、1〜5個の炭素原子を含むフルオロアルキルスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む酸触媒、
を含む水性グリコール酸混合物を、
(i)抽出溶媒の合計質量を基準として約5〜約45質量%の、12〜40個の炭素原子を含む少なくとも1種の第三級アミン、少なくとも1種のオニウムカルボキシレート化合物又はそれらの組み合わせ、
(ii)約5〜約45質量%の、5〜16個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸、5〜16個の炭素原子を含むフルオロアルキルカルボン酸、5〜16個の炭素原子を含む有機リン酸又はそれらの組み合わせを含む、少なくとも1種の変性剤、及び、
(iii)約10〜約90質量%の、二酸化炭素、3〜25個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含む芳香族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素又はそれらの組み合わせを含む、少なくとも1種の希釈剤、
を含む抽出溶媒で抽出して、
前記水性グリコール酸混合物中に含まれるグリコール酸の主要量を含む水性ラフィネート相、及び、前記水性グリコール酸混合物中に含まれる酸触媒の主要量を含む有機抽出相を形成すること、
(B)前記水性ラフィネート相と前記有機抽出相とを分離すること、及び、
(C)工程(B)からの有機抽出相を水性ホルムアルデヒド溶液で抽出して、工程(B)からの有機抽出相中に含まれる酸触媒の主要量を含む水性ホルムアルデヒド抽出物、及び、前記有機抽出相中に含まれる酸触媒の非主要量を含む有機ラフィネート相を形成すること、
を含む、方法である。
実施形態2は、水性グリコール酸混合物は約70〜約90質量%のグリコール酸を含み、そして酸触媒の存在において水性ホルムアルデヒドと一酸化炭素とを接触させることによって製造される、実施形態1記載の特徴を含む方法である。
実施形態3は、前記酸触媒は硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1及び2のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態4は、前記第三級アミンはトリス(2−エチルヘキシル)アミン、トリス(2−エチルブチル)アミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、トリドデシルアミン、トリデシルアミン、ジオクチルデシルアミン、ジデシルオクチルアミン又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1〜3のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態5は、前記変性剤はn−ペンタン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、ヘキサン酸、2−エチルブタン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、ペルフルオロオクタン酸又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1〜4のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態6は、前記希釈剤はペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1〜5のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態7は、前記水性ホルムアルデヒド溶液は、約35〜約85質量%のホルムアルデヒドを含み、前記水性ホルムアルデヒド抽出物は前記水性ホルムアルデヒド抽出物の合計質量を基準として約0.5〜約10質量%の酸触媒を含み、そして前記水性ホルムアルデヒド溶液/前記有機抽出相の質量比は約0.1:1〜約1:1である、実施形態1〜6のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態8は、前記酸触媒はトリフルオロメタンスルホン酸を含み、前記第三級アミンはトリス(2−エチルヘキシル)アミンを含み、そして前記変性剤はペルフルオロオクタン酸を含む、実施形態1〜7のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態9は、前記酸触媒は硫酸を含み、前記第三級アミンはトリス(2−エチルヘキシル)アミンを含み、そして前記変性剤は2−エチルヘキサン酸を含み、そして前記希釈剤はヘキサン、ヘプタン、デカン又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1〜8のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態10は、工程(A)及び(C)は約40〜約85℃の温度で実施される、実施形態1〜9のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態11は、前記水性ホルムアルデヒド抽出物を、酸触媒の存在においてホルムアルデヒドをカルボニル化することによるグリコール酸の調製方法に通す、実施形態1〜10のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態12は、工程(B)からの水性ラフィネート相を、洗浄溶媒の合計質量を基準として約80〜約100質量%の、二酸化炭素、3〜25個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含む芳香族炭化水素、6〜25個の炭素原子を含むハロゲン化炭化水素又はそれらの組み合わせを含む洗浄希釈剤、及び、約0〜約20質量%の、5〜16個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸、5〜16個の炭素原子を含む有機リン酸、6〜12個の炭素原子を含むアルカノール又はそれらの組み合わせを含む洗浄変性剤を含む洗浄溶媒で抽出して、洗浄済み水性ラフィネート相及び有機洗浄抽出相を形成すること、ここで、前記洗浄溶媒/水性ラフィネート相の質量比は約0.1:1〜約1:1である、
前記洗浄済み水性ラフィネート相と前記有機洗浄抽出相とを分離すること、及び、
前記有機洗浄抽出相を、工程(A)の抽出溶媒又は工程(B)の有機抽出相と組み合わせること、
を含む、実施形態1〜11のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態13は、前記洗浄溶媒はプロパン、ブタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はそれらの組み合わせを含み、そして前記洗浄変性剤はn−ペンタン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、ヘキサン酸、ペルフルオロオクタン酸、2−エチルブタン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、2−エチルブタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、n−デカノール、イソデカノール又はそれらの組み合わせを含む、実施形態12記載の特徴を含む方法である。
実施形態14は、前記水性グリコール酸混合物は、
(A)(i) 水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約70〜約90質量%のグリコール酸、及び、
(ii)約1〜約10質量%の、硫酸、メタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタンジスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む酸触媒、
を含み、
前記抽出溶媒は、
(i)トリス(2−エチルヘキシル)アミン、トリス(2−エチルブチル)アミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、トリドデシルアミン、トリデシルアミン、ジオクチルデシルアミン、ジデシルオクチルアミン又はそれらの組み合わせを含む第三級アミン、
(ii)2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ペルフルオロオクタン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート又はそれらの組み合わせを含む変性剤、
(iii)ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はそれらの組み合わせを含む希釈剤、
を含み、
工程Cの水性ホルムアルデヒド溶液は、水性ホルムアルデヒド溶液の合計質量を基準として約35〜約85質量%のホルムアルデヒドを含み、
そして前記方法は、さらに、
(D)工程(B)からの水性ラフィネート相を、洗浄溶媒の合計質量を基準として約80〜約100質量%の、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はそれらの組み合わせを含む洗浄希釈剤、及び、約0〜約20質量%の、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、2−エチルヘキサノール、2−エチルブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−デカノール又はそれらの組み合わせを含む洗浄変性剤を含む洗浄溶媒と接触させ、洗浄済み水性ラフィネート相及び有機洗浄抽出相を形成すること、ここで、前記洗浄溶媒/水性ラフィネート相の質量比は約0.1:1〜約1:1である、
(E)前記洗浄済み水性ラフィネート相と前記有機洗浄抽出相とを分離すること、及び、
(F)前記有機洗浄抽出相を、工程(A)の抽出溶媒又は工程(B)の有機抽出相と組み合わせること、
を含む、実施形態1記載の特徴を含む方法である。
実施形態15は、前記水性グリコール酸混合物は硫酸触媒の存在におけるホルムアルデヒドのカルボニル化を含む方法によって調製され、
工程(C)の水性ホルムアルデヒド溶液は約40〜約55質量%のホルムアルデヒドを含み、そして工程(C)の水性ホルムアルデヒド抽出物はグリコール酸プロセスへ通され、
前記酸触媒は硫酸を含み、前記第三級アミンはトリス(2−エチルヘキシル)アミンを含み、そして前記変性剤は2−エチルヘキサン酸を含み、
前記希釈剤はヘキサン、ヘプタン、デカン又はそれらの組み合わせを含み、前記洗浄溶媒はヘキサン、ヘプタン、デカン又はそれらの組み合わせを含み、前記洗浄変性剤は2−エチルヘキサン酸、n−ヘキサノール、n−デカノール又はそれらの組み合わせを含み、そして前記変性剤/第三級アミンの質量比は約2:1〜約4:1であり、そして、
前記水性ホルムアルデヒド抽出物は前記水性ホルムアルデヒド抽出物の合計質量を基準として約0.5〜約10質量%の硫酸を含む、実施形態14記載の特徴を含む方法である。
実施形態16はグリコール酸の調製方法であって、
(A)1〜5個の炭素原子を含むアルキルスルホン酸触媒の存在下に水性ホルムアルデヒド反応体と一酸化炭素を接触させ、水性グリコール酸混合物を生成すること、及び、
(B)少なくとも1種の第三級アミン、少なくとも1種のオニウムカルボキシレート化合物又はそれらの組み合わせ、脂肪族カルボン酸、有機リン酸又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の変性剤、及び、二酸化炭素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の希釈剤、を含む抽出溶媒で抽出して、前記水性グリコール酸混合物中に含まれるグリコール酸の主要量を含む水性ラフィネート相、及び、前記水性グリコール酸混合物中に含まれる酸触媒の主要量を含む有機抽出相を形成すること、
を含む方法である。
実施形態17は、一酸化炭素/ホルムアルデヒドのモル比は約0.5:1〜約100:1であり、接触は約35〜約350バールゲージの圧力で、約160〜約220℃の温度で実施される、実施形態16記載の特徴を含む方法である。
実施形態18は、前記水性グリコール酸混合物は約50〜約95質量%のグリコール酸及び約0.2〜約12質量%のアルキルスルホン酸触媒を含み、各々は水性グリコール酸混合物の合計質量を基準とする、実施形態16及び17のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態19は、前記アルキルスルホン酸触媒はメタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸、メチルスルホニルメタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む、実施形態16〜18のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態20は、前記アルキルスルホン酸触媒はメタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む、実施形態16〜19のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態21は、前記アルキルスルホン酸触媒はメタントリスルホン酸を含む、実施形態16〜20のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態22は、前記第三級アミンはトリス(2−エチルヘキシル)アミン、トリス(2−エチルブチル)アミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、トリドデシルアミン、トリデシルアミン、ジオクチルデシルアミン、ジデシルオクチルアミン又はそれらの組み合わせを含む、実施形態16〜21のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態23は、前記変性剤はn−ペンタン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、ヘキサン酸、2−エチルブタン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、ペルフルオロオクタン酸又はそれらの組み合わせを含む、実施形態16〜22のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態24は、前記希釈剤はペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、沸点範囲が90〜325℃であるイソパラフィン系混合炭化水素又はそれらの組み合わせを含む、実施形態16〜23のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態25は、さらに、
(C)前記水性ラフィネート相と前記有機抽出相とを分離すること、及び、
(D)工程(C)からの有機抽出相を水性ホルムアルデヒド溶液で抽出して、工程(C)からの有機抽出相中に含まれる酸触媒の主要量を含む水性ホルムアルデヒド抽出物、及び、前記有機抽出相中に含まれる酸触媒の非主要量を含む有機ラフィネート相を形成すること、
を含む、実施形態16〜24のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態26は、前記水性ホルムアルデヒド溶液は前記水性ホルムアルデヒド溶液の合計質量を基準として約35〜約85質量%のホルムアルデヒドを含み、前記水性ホルムアルデヒド抽出物は前記水性ホルムアルデヒド抽出物の合計質量を基準として約0.5〜約10質量%のアルキルスルホン酸触媒を含み、前記水性ホルムアルデヒド溶液/有機抽出相の質量比は約0.1:1〜約1:1である、実施形態25記載の特徴を含む方法である。
実施形態27は、前記水性ホルムアルデヒド抽出物を工程(A)にリサイクルする、実施形態25〜26のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態28は水性ホルムアルデヒド反応体及びメタントリスルホン酸を含む反応混合物と一酸化炭素を接触させ、水性グリコール酸混合物を生成することを含む、グリコール酸の調製方法である。
実施形態29は、一酸化炭素/ホルムアルデヒドのモル比は約0.5:1〜約100:1であり、接触は約35〜約350バールゲージの圧力で、約160〜約220℃の温度で実施され、水性グリコール酸混合物中のメタントリスルホン酸の濃度は約0.2〜12質量%である、実施形態28記載の特徴を含む方法である。
実施形態30はグリコール酸の調製方法であって、
(A)メタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む酸触媒の存在下に、水性ホルムアルデヒド反応体を一酸化炭素と接触させ、水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約70〜約90質量%のグリコール酸及び約1〜約10質量%の酸触媒を含む水性グリコール酸混合物を生成すること、
(B)前記水性グリコール酸混合物を、
(i)抽出溶媒の合計質量を基準として約5〜約45質量%の、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、トリス(2−エチルブチル)アミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、トリドデシルアミン、トリデシルアミン、ジオクチルデシルアミン、ジデシルオクチルアミン又はそれらの組み合わせを含む第三級アミン、
(ii)抽出溶媒の合計質量を基準として約5〜約45質量%の、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、ペルフルオロオクタン酸又はそれらの組み合わせを含む変性剤、ここで、前記変性剤/第三級アミンの質量比は約1:1〜約5:1である、及び、
(iii)抽出溶媒の合計質量を基準として約10〜約90質量%の、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、沸点範囲が90〜325℃であるイソパラフィン系混合炭化水素又はそれらの組み合わせを含む希釈剤、
を含む抽出溶媒で抽出して、
前記水性グリコール酸混合物中に含まれるグリコール酸の主要量を含む水性ラフィネート相、及び、前記水性グリコール酸混合物中に含まれる酸触媒の主要量を含む有機抽出相を形成すること、
(C)前記水性ラフィネート相と前記有機抽出相とを分離すること、及び、
(D)工程(C)からの有機抽出相を、水性ホルムアルデヒド溶液の合計質量を基準として約35〜約85質量%のホルムアルデヒドを含む水性ホルムアルデヒド溶液で抽出して、工程(C)からの有機抽出相中に含まれる酸触媒の主要量を含む水性ホルムアルデヒド抽出物、及び、前記有機抽出相中に含まれる酸触媒の非主要量を含む有機ラフィネート相を形成すること、
を含む、方法である。
実施形態31は、さらに、
(E)工程(C)からの水性ラフィネート相を、洗浄溶媒の合計質量を基準として約80〜約100質量%の、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、沸点範囲が90℃〜325℃であるイソパラフィン系炭化水素又はそれらの組み合わせを含む洗浄希釈剤、及び、約0〜約20質量%の、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、2−エチルヘキサノール、2−エチルブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−デカノール又はそれらの組み合わせを含む洗浄変性剤を含む、洗浄溶媒と接触させ、洗浄済み水性ラフィネート相及び有機洗浄抽出相を形成すること、ここで、前記洗浄溶媒/水性ラフィネート相の質量比は約0.1:1〜約1:1である、
(F)前記洗浄済み水性ラフィネート相と有機洗浄抽出相とを分離すること、及び、
(F)前記有機洗浄抽出相を、工程(B)の抽出溶媒又は工程(C)の有機抽出相と組み合わせること、
を含む、実施形態30の特徴を含む方法である。
実施形態32は、前記酸触媒はメタントリスルホン酸を含む、実施形態30及び31のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態33は、前記第三級アミンはトリス(2−エチルヘキシル)アミンを含み、前記変性剤は2−エチルヘキサン酸を含み、前記希釈剤はヘキサン、ヘプタン、デカン又はそれらの組み合わせを含み、前記洗浄溶媒はヘキサン、ヘプタン、デカン、沸点範囲が90〜325℃であるイソパラフィン系混合炭化水素又はそれらの組み合わせを含み、前記洗浄変性剤は2−エチルヘキサン酸、n−ヘキサノール、n−デカノール又はそれらの組み合わせを含み、そして前記変性剤/第三級アミンの質量比は約2:1〜約4:1である、実施形態30〜32のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
実施形態34は、工程(D)の水性ホルムアルデヒド溶液は約40〜約55質量%のホルムアルデヒドを含み、工程(D)の水性ホルムアルデヒド抽出物を工程(A)に通す、実施形態30〜33のいずれか1項記載の特徴を含む方法である。
本発明において設計された原理を下記実施例によってさらに説明する。

概要−
グリコール酸溶液及び抽出サンプルを液体クロマトグラフィによって分析した。サンプルを80℃で水性25%v/vH2SO4中で30分間にわたって酸加水分解に付した後に、イオン排除クロマトグラフィを用いて、グリコール酸、グリコール酸オリゴマー及び関連種を含むアナライトを定量化した。1〜20%v/vアセトニトリル勾配を伴う10mMのH3PO4移動相を使用して、Hamilton PRP X300カラム上でアナライトを分離した。溶離成分を210nmで設定されたUV検出器を使用してモニタリングし、そしてこれらの濃度を、外部標準を用いた較正に基づいて計算した。ホルムアルデヒドの2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン誘導体の液体クロマトグラフィ分離、そしてこれに続く360nmのUVによる検出によってホルムアルデヒドを割り出した。上記手順から生じるのと同じ酸加水分解物をジニトロフェニルヒドラジンと反応させ、次いで、均一濃度条件下で1:1の水:アセトニトリル移動相を用いてPhenomenex Luna C8カラムを使用して分析した。ホルムアルデヒド濃度を、外部標準を用いた較正に基づいて計算した。
また、反応器エフルエント及び抽出物サンプルを、UNIQUANT(登録商標)(UQ)と呼ばれる波長分散型蛍光X線(WDXRF)半定量アプリケーションを用いて、硫黄に関して分析した。UQはサンプルの無標準XRF分析を提供する。データは、較正標準及びサンプル並びに吸収効果及び向上効果、すなわち、元素間効果のマトリックス差に関して数学的に補正した。硫黄分析のための機器条件は、ライン、Ka;kV,40;mA,60;フィルタ,なし;コリメータ間隔(mm),150;結晶,Ge III-C;ピーク角(2q),110.6712;検出器,流量;PHD低,35;PHD高,70;コリメータマスク(mm),30;ピーク時間(s),30。
抽出器のサンプルをイソプロピルアルコール中に希釈し、マトリックス効果を最小化し、WDXRFを用いて定量分析した。wt./wt.で調製された原料標準の連続希釈を用いてWDXRF較正を実施し、そしてICP−OESを用いて証明した。硫黄分析のための機器条件は、ライン、Ka;kV,50;mA,60;フィルタ,なし;コリメータ間隔(mm),700;結晶,グラファイト;ピーク角(2q),106.4608;−オフセット,2.6696;検出器,流量;PHD低,27;PHD高,75;コリメータマスク(mm),30;−オフセット時間(s),10;ピーク時間(s),50。
全ての抽出例に対して、グリコール酸(GA)に対して硫酸(H2SO4)を選択する第三級アミン含有相(すなわち、抽出溶媒)のモル選択率は次のように定義される:
Figure 2015517992
例全体を通して、下記略語を表中で使用する:
HFr=ホルムアルデヒド
GA=グリコール酸及びオリゴマー
HOFr=ギ酸
DGA=ジグリコール酸
MAA=メトキシ酢酸
TfOH=トリフルオロメタンスルホン酸又はトリフリン酸
PFOA−H=ペルフルオロオクタン酸
TEHA=トリス(2−エチルヘキシル)アミン
2−EHA=2−エチルヘキサン酸
DEHPA=ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート
MTSA=メタントリスルホン酸
MDSA=メタンジスルホン酸
MMSA=メチルスルホニルメタンスルホン酸
BMMSA=ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸
例1〜4:水性グリコール酸溶液の調製−
例1〜4に対応して次のように後続の抽出試験のためにヒドロカルボキシル化反応器エフルエントを調製した:ホルムアルデヒド、水、グリコール酸及び酸触媒を含む混合物を、中空シャフトRushtonタービンインペラ(ガス導入及び分散用)、バッフル、サーモウェル、ガス入口管及び液体レベルをほぼ90mLに維持し、そして生成物エフルエントのための出口を提供するためのシップ管(sip tube)を備えた高圧ジルコニウムオートクレーブ(公称125mL体積)に連続的にフィードした。オートクレーブをバンドヒータによって電気的に加熱し、オートクレーブサーモウェル内のK型熱電対によるフィードバックによって温度制御を提供した。Brooks流量コントローラを介して、オートクレーブに純粋一酸化炭素ガス(>99.9%)をフィードした。反応器エフルエントは60℃に維持されたジルコニウム管を通過し、自動圧力制御弁を通り、そして、ここでも60℃に維持されたHastelloy回収容器(1リットル)に入った。回収容器を6時間毎に排液させ、そして液体クロマトグラフィ、ガスクロマトグラフィ及びX線硫黄分析により分析して、生成物組成を決定した。フィード流速、反応器温度又は圧力、ガス流速、攪拌速度の条件を変化させた場合に、反応器は6〜10反応器体積のフィードが反応器を通った後に、定常状態運転するものと想定した。フィード条件及び生成物分析をそれぞれ表1及び表2に示す。
Figure 2015517992
Figure 2015517992
例5−
粗製水性グリコール酸中3.3wt%硫酸を含む、例1において生成された反応器エフルエントを、以下の手順を用いて一連の24回クロスフローバッチ抽出に付すことにより、反応エフレントフィードがステージ1で導入され、抽出溶媒混合物がステージ6で導入される6段連続向流抽出プロセスをシミュレートした。粗製水性グリコール酸中3.3wt%硫酸を含む、反応例1において生成された反応器エフルエントを、カスケード状に連なった24のクロスフローバッチ抽出に付すことにより、反応器エフルエントフィードがステージ1で導入され、アミン溶媒混合物がステージ6で導入される6段階連続向流抽出プロセスをシミュレートした。24回抽出の複数サイクルカスケード状パターンであって、複数の新鮮なフィード及び溶媒装填物がカスケードのそれぞれのサイクルの別々の終端に導入され、ラフィネート組成物及び抽出組成物が次のカスケードサイクルに導入されるようなパターンにより、最終サイクルにおける一連の条件は、連続段階式向流抽出器の平衡組成プロフィールに密に接近することが示された。この作業では、アミン溶媒混合物中への硫酸の分配係数が比較的高いと、連続抽出平衡状態に漸近的に接近するためには3サイクルで十分であることが見いだされた。本明細書中に用いられた、シミュレート化向流抽出技術は当業者によく知られており、Treybal, Liquid Extraction 2nd Ed. McGraw-Hill, New York, NY, 1963, pp.349-366に詳細に説明されている。
24回抽出のパターンの結果としてもたらされる最終的な一連の条件は、連続的な6段階向流抽出器の平衡組成プロフィールに密に接近することが示された。抽出溶媒は35wt%のトリス(2−エチルヘキシル)アミン(「TEHA」)と、32.5wt%の2−エチルヘキサン酸(2−EHA)及び32.5wt%のヘプタンの混合物を含んだ。溶媒/フィード質量比は0.5:1であった。最終的なシミュレート化抽出流及びラフィネート流を、液体クロマトグラフィ及びX線硫黄分析に付し、生成物の組成を決定した。3つの液相の形成を示した抽出相はなかった。ヒドロカルボキシル化反応器エフルエントから有機抽出生成物への硫酸回収率は92.3%であり、フィードグリコール酸の95.2%がラフィネート中に回収された。グリコール酸に対する硫酸の抽出溶媒のモル選択率は19.3であった。
例6−
例1において生成された反応器エフルエントを、例5と同じ手順を用いて一連の24回クロスフローバッチ抽出に付すことにより、反応器エフルエントフィードがステージ1で導入され、抽出溶媒混合物がステージ6で導入される6段階連続向流抽出プロセスをシミュレートした。抽出溶媒は、35wt%のトリス(2−エチルヘキシル)アミンと、32.5wt%の2−エチルヘキサン酸及び32.5wt%のヘプタンの混合物を含んだ。抽出溶媒/フィードの質量比は0.67:1.0であった。最終的なシミュレート化抽出流及びラフィネート流を、液体クロマトグラフィ及びX線硫黄分析に付すことにより、生成物の組成を決定した。3つの液相の形成を示す抽出相はなかった。ヒドロカルボキシル化反応器エフルエントから有機抽出相への硫酸回収率は98.1%であり、反応器エフルエント中のフィードグリコール酸の99.2%がラフィネート中に回収された。グリコール酸に対する硫酸の抽出溶媒のモル選択率は119.4であった。
例7−
粗製水性グリコール酸中4.0wt%硫酸を含む、例2において生成された反応器エフルエントを、例5において説明した手順を用いて40℃で一連の24回クロスフローバッチ抽出に付すことにより、反応器エフルエントフィードがステージ1で導入され、抽出溶媒混合物がステージ6で導入される6段階連続向流抽出プロセスをシミュレートした。抽出溶媒は、35wt%のトリス(2−エチルヘキシル)アミン、32.5wt%のビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート(DEHPA)及び32.5wt%のヘプタンの混合物を含んだ。抽出溶媒/フィードの質量比は0.67:1.0であった。最終的な抽出流及びラフィネート流を、液体クロマトグラフィ及びX線硫黄分析に付すことにより、生成物の組成を決定した。3つの液相の形成を示す抽出相はなかった。ヒドロカルボキシル化反応器エフルエントから有機抽出相への硫酸回収率は98.5%であり、フィードグリコール酸の95.7%がラフィネート中に回収された。グリコール酸に対する硫酸の抽出溶媒のモル選択率は23.2であった。
例8:DEHPA及びHFrによる逆抽出シミュレーション−
粗製水性グリコール酸中4.0wt%硫酸を含む、例2において生成された反応器エフルエントを、抽出溶媒による単回クロスフロー抽出に付した。この抽出溶媒は、35wt%のトリス(2−エチルヘキシル)アミン、32.0wt%のビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート及び33.0wt%のヘプタンを含んだ。抽出溶媒/フィードの質量比は0.45:1.0であった。この抽出は、水性グリコール酸フィード中に存在する硫酸の64%を有機抽出相中に回収した。次いで6.2重量%のH2SO4を第三級アミン酸錯体として含有する、クロスフロー抽出からの有機抽出相を、例5に記載された手順を用いて一連の24回クロスフローバッチ抽出に75℃で付し、有機抽出相がステージ1で導入され、水性ホルムアルデヒド溶液がステージ6で導入される6段階連続向流抽出プロセスをシミュレートした。ホルムアルデヒド溶液は、商業的な混合金属酸化物ホルムアルデヒド触媒上でメタノールを部分酸化させることにより生成された、水中42wt%ホルムアルデヒドの混合物であった。ホルムアルデヒド溶液抽出剤/フィードの質量比は0.67:1.0であった。最終的なシミュレート化抽出流及びラフィネート流を、液体クロマトグラフィ及びX線硫黄分析に付すことにより、生成物の組成を決定した。3つの液相の形成を示す抽出相はなかった。有機抽出相から水性ホルムアルデヒド抽出物への硫酸の回収率は98.7%であった。有機ラフィネート相の硫酸含有率は抽出後に820ppmであり、そして水性ホルムアルデヒド抽出相中の硫酸濃度は4.3wt%であった。初期ホルムアルデヒドフィード中のホルムアルデヒドの約0.5%が有機ラフィネート相中に抽出された。
例9−
粗製水性グリコール酸中3.9wt%硫酸を含む、例3において生成された反応器エフルエントを、30wt%のトリス(2−エチルヘキシル)アミン、25wt%のビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、45wt%のヘプタンの混合物を含む抽出溶媒を使用して、40℃でクロスフローバッチ抽出に付した。抽出溶媒/フィードの質量比は1.0:1.0であった。この抽出からの有機抽出相をとっておき、グリコール酸が豊富な水性ラフィネート相を更なる等しい新鮮抽出溶媒部分で抽出した。この手順を等しい新鮮抽出溶媒部分を用いてさらに2回繰り返し、全部で4回のクロスフロー抽出を行った。最終的な有機抽出相及び水性ラフィネート相を、液体クロマトグラフィ、ガスクロマトグラフィ及びX線硫黄及びリン分析に付すことにより、相の組成を決定した。3つの液相の形成を示す抽出相はなかった。最終水性ラフィネート相中の硫酸濃度は分析検出限度よりも低く、このことは4回クロスフロー抽出においてヒドロカルボキシル化反応器エフルエントから硫酸が本質的に100%除去されたことを示す。
例10−
本例は、追加の希釈剤で洗浄することにより、グリコール酸が豊富な水性ラフィネート相から第三級アミン及び変性剤を回収することを例示する。1.0wt%のTEHA及び1.13wt%のDEHPAを含有する、例5において生成された第4のクロスフロー抽出からの、グリコールが豊富な水性ラフィネート相を、ヘプタンを洗浄溶媒として使用して、40℃でクロスフローバッチ抽出に付した。洗浄溶媒/水性フィードの質量比は1.0:0.77であった。この抽出からの有機洗浄抽出物をとっておき、洗浄済み水性ラフィネート相を更なる等しい新鮮洗浄溶媒部分で抽出した。この手順を等しい新鮮洗浄溶媒部分を用いてさらに2回繰り返し、全部で4回のクロスフロー抽出を行った。最終的な有機洗浄抽出相及び洗浄済み水性ラフィネート相を、ガスクロマトグラフィ及びX線リン分析に付し、相の組成を決定した。3つの液相の形成を示す抽出相はなかった。最終的な洗浄済み水性ラフィネート相中のTEHA及びDEHPAの濃度は0.01wt%及び1.03wt%であり、このことは4回クロスフロー抽出における回収率がそれぞれ99%及び7%であったことを示す。
例11−
本例は、ヒドロカルボキシル化反応器エフルエントからの硫酸の抽出に対する、変性剤/第三級アミン及び希釈剤の比の効果を例示する。例3で生成された反応器エフルエントを、トリス(2−エチルヘキシル)アミン及び2−エチルヘキサン酸の混合物50wt%及びヘプタン又はデカンのいずれかの希釈剤50wt%を含有する抽出溶媒を使用して40℃で一連のクロスフローバッチ抽出に付した。反応器エフルエントとそれぞれの抽出溶媒混合物に対して、4回クロスフロー抽出を完了した。所与の溶媒/フィード比で特定の抽出溶媒混合物で反応器エフルエントを抽出し、第一の抽出物から得られる水性ラフィネート相を、新鮮抽出溶媒部分と接触させた。この順序をさらに2回繰り返し、全部で4回のクロスフロー抽出を行った。それぞれのクロスフロー抽出からの有機抽出相及び水性ラフィネート相を、液体クロマトグラフィ及びX線硫黄分析に付すことにより、相の組成を決定した。それぞれの一連の抽出についての溶媒/フィード条件、及び、抽出相中への結果としての硫酸回収率、ラフィネート中のグリコール酸回収率、及び、グリコール酸に対する硫酸の全体的なモル選択率を下記の表3に要約する。
Figure 2015517992
例12−
本例は、硫酸が装填された有機抽出相から水性ホルムアルデヒド中に硫酸を逆抽出させることを例示する。例11−1で生成された第1のクロスフロー抽出からの、硫酸が豊富な有機抽出相は6.1質量%の硫酸を含有した。この混合物を、水中48wt%ホルムアルデヒドを使用して75℃でクロスフローバッチ抽出に付した。それぞれの場合における溶媒/フィードの質量比は0.5:1.0であった。それぞれの抽出後に、水性ホルムアルデヒド抽出物をとっておき、有機ラフィネート相を更なる等しい新鮮な48wt%水性ホルムアルデヒド溶液部分で抽出した。この手順を、新鮮溶媒部分を用いて4回繰り返し、全部で5回のクロスフロー抽出を行った。最終的な抽出相及びラフィネート相を、液体クロマトグラフィ及びX線硫黄分析に付すことにより、相の組成を決定した。3つの液相の形成を示す抽出相はなかった。有機抽出物中の硫酸のうちの90%が、5回クロスフロー抽出において水性ホルムアルデヒド抽出相中に回収された。
例13−
本例は、追加の溶媒で洗浄することによって、グリコール酸が豊富な水性ラフィネート相から第三級アミン及び変性剤を回収することを例示する。例11−1で生成された第4のクロスフロー抽出からの、グリコール酸が豊富な水性ラフィネート相は2.56wt%のTEHA及び0.59wt%の2−EHAを含んだ。この混合物を3部分に分割し、それぞれの部分を、3種の異なる洗浄溶媒組成物を使用して40℃でクロスフローバッチ抽出に付した。それぞれの場合における洗浄溶媒/フィードの質量比は0.4:1.0であった。それぞれの抽出後に、有機洗浄抽出物をとっておき、洗浄済み水性ラフィネートを、更なる等しい新鮮洗浄溶媒部分で抽出した。この手順を等しい新鮮洗浄溶媒部分を用いて3回繰り返し、全部で4回のクロスフロー抽出を行った。最終的な有機洗浄抽出物流及び洗浄済み水性ラフィネート流を、ガスクロマトグラフィに付すことにより、相の組成を決定した。3つの液相の形成を示す抽出相はなかった。最終的な洗浄済み水性ラフィネート相中のTEHA及び2−EHAの濃度及び%回収率を下記の表4に要約する。
Figure 2015517992
例14:酸触媒の逆抽出−
本例は、硫酸が装填された有機抽出相から水性ホルムアルデヒド中への硫酸の逆抽出に対する、変性剤/第三級アミンの質量比、%ホルムアルデヒド及び希釈剤の濃度の効果を例示する。例11−2で生成された第1のクロスフロー抽出からの、硫酸が豊富な有機抽出相を、水性ホルムアルデヒドを抽出溶媒として使用して75℃でクロスフローバッチ抽出に付した。それぞれのクロスフロー抽出における溶媒/フィードの質量比は0.35:1.0であった。それぞれの抽出後に、水性ホルムアルデヒド抽出物をとっておき、有機ラフィネート相を更なる等しい新鮮な水性ホルムアルデヒド溶液部分で抽出した。この手順を等しい新鮮溶媒部分を用いて繰り返し、全部で3回のクロスフロー抽出を行った。最終的な水性ホルムアルデヒド抽出相及び有機ラフィネート相を、液体クロマトグラフィ及びX線硫黄分析に付すことにより、相の組成を決定した。3つの液相の形成を示す抽出相はなかった。フィード及び生成物の仕様を下記の表5に示す。
Figure 2015517992
例15:第三級アミン及び変性剤の回収−
本例は、追加の溶媒で洗浄することによって、グリコール酸が豊富な水性ラフィネートから第三級アミン及び変性剤を回収することを例示する。例11−2,11−3及び11−4で生成された第4のクロスフロー抽出からの、グリコール酸が豊富な水性ラフィネート相を、40℃でクロスフローバッチ抽出に付した。それぞれの場合における洗浄溶媒/フィードの質量比は0.4:1.0であった。それぞれの抽出後に、有機洗浄抽出物をとっておき、洗浄済み水性ラフィネートを、更なる等しい新鮮洗浄溶媒部分で抽出した。この手順を等しい新鮮洗浄溶媒部分を用いて3回繰り返し、全部で5回のクロスフロー抽出を行った。最終的な有機洗浄抽出物流及び洗浄済み水性ラフィネート流を、ガスクロマトグラフィに付すことにより、相の組成を決定した。3つの液相の形成を示す抽出相はなかった。最終的なラフィネート相中のTEHA及び2−EHAの濃度及び%回収率を下記の表6に要約する。
Figure 2015517992
例16−
本例は、希釈剤、2−エチルヘキサン酸及びTEHAを含む抽出溶媒について3液相の形成をもたらす組成物を例示する。11.1wt%の硫酸、75.7wt%のグリコール酸及び13.2wt%の水を含む溶液を提供するのに十分な水と、結晶性グリコール酸及び98wt%硫酸を混合することにより、水性グリコール酸及び硫酸の溶液を調製した。この溶液を、1:1、2:1及び3:1の質量比の2−EHA:TEHAを含む混合物と40℃、80℃又は100℃で、1:1の質量比で接触させた。得られた混合物は静置させると2つの液相に分離した。3液相の形成が始まるまで、温度を維持し、そしてアルカン希釈剤(ヘプタン又はデカンのいずれか)を添加した。結果を表7に要約する。
Figure 2015517992
例17:3相形成に対する希釈剤の効果−
本例は、どの抽出溶媒組成物が、水性グリコール酸混合物からの硫酸の抽出中に1、2又は3相形成をもたらすかを例示する。水中85wt%のグリコール酸の溶液を、濃(98wt%)硫酸と混合することにより、水性グリコール酸中1質量%、3質量%、6質量%、12質量%、24質量%及び33質量%の硫酸を含む混合物を提供した。同様に、種々の希釈剤及び変性剤混合物中のトリス(2−エチルヘキシル)アミンの混合物も表8Aに示されているように調製した。希釈剤及び変性剤の質量%は、第三級アミンの添加前の、組み合わされた希釈剤−変性剤溶液に対するものである。第三級アミンの質量%は、最終抽出溶媒組成物中の第三級アミンの質量%を示す。例えば、例17−1において、最終抽出溶媒組成物は35wt%のTEHA及び65wt%のn−オクタノールを含む。それぞれの抽出溶媒の一部を、ガラスバイアル中の硫酸−水性GA混合物のそれぞれの等しい質量と接触させ、混合し、平衡にさせ、そして40℃又は80℃で保持することによって複数の相に分離させた。グリコール酸の抽出相中への損失を、それぞれのデータセットにおけるポイント1に関して計算した。硫酸の濃度及び対応する抽出は、連続向流抽出器全体にわたって見られる平衡点と同様である。従って、3相又は2相形成がサンプルのいずれかに観察される場合、このような挙動は連続向流抽出器内でおそらく生じることになる。それぞれの条件で形成される相の数及びそれぞれのデータセットのポイント1におけるアミン相内へのグリコール酸の対応する損失を表8Bに示す。表8B中の例17−22及び17−23は水性グリコール酸相中への希釈剤の3〜5wt%損失を示した。
Figure 2015517992
Figure 2015517992
例18:メタントリスルホン酸の抽出−
本例はヒドロカルボキシル化反応器エフルエントからのメタントリスルホン酸(MTSA)の抽出に対する、変性剤/第三級アミンの比の効果を例示する。例4で生成された水性反応器エフルエントを、トリス(2−エチルヘキシル)アミン及び2−エチルヘキサン酸の混合物50wt%と、希釈剤としてのヘプタン50wt%とを含有する抽出溶媒を使用して40℃で一連のクロスフローバッチ抽出に付した。反応器エフルエントとのそれぞれの抽出溶媒混合物に対して、3回クロスフロー抽出を完了させた。指定した抽出溶媒混合物で反応器エフルエントを抽出し、第1の抽出から得られた水性グリコール酸相を、新鮮抽出溶媒部分と接触させた。この順序をさらに繰り返し、全部で3回のクロスフロー抽出を行った。溶媒/フィードの比は、第1抽出において0.5:1であり、そして抽出2〜4では0.16:1であった。それぞれのクロスフロー抽出から得られる有機抽出相及び水性ラフィネート相を、液体クロマトグラフィ及びX線硫黄分析に付すことにより、相の組成を決定した。それぞれの一連の抽出に関するフィード条件、及び、得られたMTSAの有機抽出相中への回収率、水性ラフィネート中のグリコール酸回収率、及び、グリコール酸に対するMTSAの全体としてのモル選択率を下記の表9に要約する。
Figure 2015517992
例19:メタントリスルホン酸の逆抽出−
本例は、MTSAが装填された有機抽出相から水性ホルムアルデヒド中へのメタントリスルホン酸の逆抽出に対する、変性剤/第三級アミンの質量比及び希釈剤の濃度の効果を例示する。例18−2で生成された第1のクロスフロー抽出からの、MTSAが豊富な抽出相を、表10に示された溶媒/フィードの比で水性ホルムアルデヒド溶液を抽出溶媒として使用して75℃でクロスフローバッチ抽出に付した。それぞれの抽出後に、有機抽出相をとっておき、水性ラフィネート相を更なる等しい新鮮水性ホルムアルデヒド溶液部分で抽出した。この手順を等しい新鮮溶媒部分を用いて繰り返し、全部で3回のクロスフロー抽出を行った。最終的な抽出物及びラフィネート相を、液体クロマトグラフィ及びX線硫黄分析に付すことにより、相の組成を決定した。3つの液相の形成を示す抽出相はなかった。フィード及び生成物の仕様を下記の表10に示す。
Figure 2015517992
例20:水性ラフィネートからの第三級アミン及び変性剤の回収−
本例は、追加の溶媒で洗浄することによって、グリコール酸が豊富な水性ラフィネート相から第三級アミン及び変性剤を回収することを例示する。例14−1及び14−2で生成された第4のクロスフロー抽出からの、グリコール酸が豊富なラフィネート相を混合し、40℃でクロスフローバッチ抽出に付した。混合された、グリコール酸が豊富なラフィネート相は0.43wt%のTEHA及び0.39wt%の2−エチルヘキサン酸を含有した。それぞれの場合における溶媒/フィードの質量比は0.4:1.0であった。それぞれの抽出後に、有機洗浄抽出物をとっておき、洗浄済み水性ラフィネートを、更なる等しい新鮮洗浄溶媒部分で抽出した。この手順を等しい新鮮洗浄溶媒部分を用いてさらに4回繰り返し、全部で6回のクロスフロー抽出を行った。最終的な有機洗浄抽出相及び洗浄済み水性ラフィネート相をガスクロマトグラフィに付すことにより、相の組成を決定した。3つの液相の形成を示す抽出相はなかった。最終ラフィネート相中のTEHA及び2−EHAの濃度及び%回収率を下記の表11に要約する。
Figure 2015517992
例21:トリフルオロメタンスルホン酸(トリフリン酸)の抽出−
本例は、水性グリコール酸からのトリフリン酸の抽出に対する、変性剤/第三級アミンの比及び希釈剤濃度の効果を例示する。82.4wt%のグリコール酸、14.6wt%の水及び3.0wt%のトリフリン酸を含む混合物を、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、2−エチルヘキサン酸、及び、希釈剤としてのヘプタンの混合物を含む2種の異なる抽出溶媒を使用して40℃でクロスフローバッチ抽出に付した。抽出条件及び結果を下記の表12に要約する。
Figure 2015517992
例22:トリフリン酸の逆抽出−
本例は、トリフリン酸が装填された有機抽出相から水性ホルムアルデヒド溶液中へのトリフリン酸の逆抽出に対する、変性剤/第三級アミンの質量比及び希釈剤の濃度の効果を例示する。例21−1及び21−2で生成されたクロスフロー抽出からの、トリフリン酸が豊富な有機抽出相を、表13に示した溶媒/フィードの比で水性ホルムアルデヒドを抽出溶媒として使用して70℃でクロスフローバッチ抽出に付した。それぞれの抽出後に、水性ホルムアルデヒド抽出物をとっておき、有機ラフィネート相を更なる等しい新鮮な水性ホルムアルデヒド溶液部分で抽出した。この手順を等しい新鮮溶媒部分を用いて繰り返し、全部で5回のクロスフロー抽出を行った。最終的な水性ホルムアルデヒド抽出物流及び有機ラフィネート流を、液体クロマトグラフィ及びX線硫黄分析に付すことにより、相の組成を決定した。3つの液相の形成を示す抽出相はなかった。フィード及び生成物の仕様を下記の表13に示す。
Figure 2015517992
例23〜35:ペルフルオロオクタン酸変性剤を用いたトリフリン酸抽出−
85wt%又は95wt%の水性グリコール酸、25〜50wt%のヘプタン、トリス(2−エチルヘキシル)アミン(TEHA)及びペルフルオロオクタン酸(PFOAH)(1.5〜3.0当量PFOAH:1当量TEHA)を含む等しい質量のヘプタン相、種々の初期トリフリン酸装填量(0.025〜4.0当量:1当量TEHA)を使用して、クロスフロー(正)抽出を70℃で実施した。50wt%水性ホルムアルデヒドを使用して同様の条件下で逆(リバース)抽出を実施した。当該技術分野で知られている標準的な方法を用いて、両相をサンプリングし、そしてX線蛍光(XRF)又は誘導結合プラズマ(ICP)によりサンプルを分析することによって、トリフリン酸濃度を決定し、これらの濃度を表14〜15に示す。
正抽出及び逆抽出の代表的な手順
トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA−H)及び95%パラ−ホルムアルデヒド(HFr)をSigma-Aldrichから、トリス(2−エチルヘキシル)アミンをTCI Americaから、そしてGLYPURE(登録商標)グリコール酸をDuPontから入手した。
例23:95%水性グリコール酸溶液の調製−
グリコール酸(23.69g)を水(1.23g)と組み合わせ、そして攪拌しながら85℃まで加熱して、透明な粘性溶液を形成した。溶液は試験の時間枠にわたって、70℃まで冷却したときに安定であった。
例24:正抽出のための[TEHA−PFOA]の調製−
ペルフルオロオクタン酸(38.165g,92.17mmol)をトリス(2−エチルヘキシル)アミン(16.48g,46.58mmol)及びヘプタン(18.02g)と組み合わせ、そして攪拌しながら70℃まで加熱することにより、0.641mol塩/kg及び0.627mol遊離PFOA−H/kgを含む透明なピンク色の溶液を形成した。
例25:逆抽出のための[TEHA−PFOA]塩溶液の調製−
ペルフルオロオクタン酸(24.466g,63.92mmol)をトリス(2−エチルヘキシル)アミン(11.26g,31.96mmol)及びヘプタン(37.73g)と組み合わせ、そして攪拌しながら70℃まで加熱することにより、0.424mol塩/kg及び0.424mol遊離PFOA−H/kgを含む透明なピンク色の溶液を形成した。
例26:50%の水性ホルムアルデヒド溶液の調製−
パラホルムアルデヒド(49.964g)、水(45.331g)及びトリフルオロメタンスルホン酸(93mg、0.620mmol)を組み合わせ、そして48時間にわたって97℃で攪拌した。溶液は70℃まで冷却したときに均一のままであった。
例27〜30:トリフルオロメタンスルホン酸の正抽出−
典型的な正抽出手順は次の通りである:グリコール酸溶液(10.928g)をバイアルに添加し、続いて、TfOH(993mg,6.62mmol)及び[TEHA−PFOA]塩溶液(10.999g,7.051mmol塩)を全て70℃で添加した。例27〜29は、85wt%の水性グリコール酸を使用するのに対して、例29及び30は95wt%の水性グリコール酸を使用し、その他の例は85wt%の水性グリコール酸を使用した。バイアルの内容物を徹底的に攪拌し、遠心分離し、そして上側有機層と下側水性層とに分離させた。それぞれの層を、硫黄含有量に関するXRF又はICP分析のためにサンプリングした。水性層をパスツールピペットで取り出し、新しいバイアルに添加し、そして計量した。次いで、等しい質量の新鮮な塩溶液をラフィネート層に添加して上記工程を繰り返すことによって、TfOH/グリコール酸溶液を繰り返し抽出した。結果を表14に示す。
例31〜35:トリフルオロメタンスルホン酸の逆抽出−
ヘプタン中のTEHA及びPFOAの溶液からのトリフリン酸の典型的な逆抽出手順は次の通りである:[TEHA−PFOA]塩溶液(4.266g,1.81mmol塩)を、TfOH(237mg,1.62mmol)及び50%水性HFr(4.108g)と全て70℃でバイアル内で組み合わせ、高いTfOH装填量での逆抽出をシミュレートした。バイアルの内容物を徹底的に攪拌し、遠心分離し、そして上側有機層と下側水性層とに分離させた。それぞれの層を、硫黄含有量に関するXRF又はICP分析のためにサンプリングした。水性HFr層のサンプルを、予め計量したイソプロパノールを含有するバイアルに添加することにより、冷却時のHFrの析出を回避した。TfOHが1当量塩に対して0.5,0.25,0.125,0.05及び0.025当量で装填されるように、[TEHA−PFOA]塩溶液とTfOHと50%水性HFrとをバイアル内で組み合わせることによって、それぞれの逆抽出のために上記工程を繰り返した。結果を表15に示す。
Figure 2015517992
Figure 2015517992
例36〜40:連続カラム内の硫酸の正抽出−
例36〜48では、互いに重ねられた4つのジャケット付きガラスカラムセクション(内径15.9mm、長さ各501mm)を含むKarrカラム内で、連続抽出試験を実施した。ジャケット付きガラス遊離セクション(内径25.4mm及び長さ200mm)を、4つの抽出器セクションの上側及び下側に取り付けた。4つのカラムセクション及び2つの遊離セクションを、ボルト付きフランジで保持されるテフロン(商標)Oリングガスケット(25mm厚)で互いに結合することによって、カラム本体を形成した。フィードポートをそれぞれのテフロンOリング内に嵌め込むことによって、フィード位置の変更を可能にした。得られたカラムの全高はほぼ2.6メートルであった。それぞれの遊離ゾーンのジャケットに別々の温度制御型加熱浴を接続し、組み合わされた4つのカラムセクションに1つの浴を接続することにより、所望の抽出温度勾配を維持した。
77枚のテフロン(商標)板を備えた3.2mm直径のHastelloy 276Cインペラシャフトによって、カラム内を攪拌した。テフロン板はそれぞれ、8つの放射方向方形ペタル(液体流路のためのギャップを提供するため)を備えていて、カラムセクション内で25mmの間隔を置いて位置した。インペラシャフトを、抽出器の上側で回転運動を往復運動に変換するための同心歯車を備えた電動モータに取り付けた。攪拌機ストローク長(すなわち、鉛直方向運動の範囲)は19mmであり、200〜350ストローク/分で変更した。
選択された連続相に応じて、液−液相界面を上側又は下側の遊離セクション内(低密度相が連続的な場合には上側セクション、そして高密度相が連続的な場合には下側セクション内)に、視覚的な観察及びアンダーフローテイクオフポンプの手動操作によって維持した。
4リットル、2リットル、及び2リットル容積の独立温度制御型ジャケット付きガラス容器から、最大3つのフィードをピストンポンプを介してカラムに供給することができ、一方、アンダーフロー(高密度)生成物及び上側のオーバーフロー(低密度)生成物は2リットルガラス容器内に収集した。上側生成物は上側遊離セクションから重力オーバーフローによって収集したのに対して、下側生成物流は可変速度ピストンポンプによって制御した。
下記例に関して、カラムの上側から下側へ、可能なフィード位置を下記のように指定する:
F1:上側遊離ゾーンと第1カラムセクションとの間のフィード位置
F2:第1カラムセクションと第2カラムセクションとの間のフィード位置
F3:第2カラムセクションと第3カラムセクションとの間のフィード位置
F4:第3カラムセクションと第4カラムセクションとの間のフィード位置
F5:第4カラムセクションと下側遊離ゾーンとの間のフィード位置。
硫酸、グリコール酸、グリコール酸オリゴマー及び水を含有するヒドロカルボキシル化反応器エフルエントを、上記の連続Karrカラムにフィードし、そしてアミン、カルボン酸及び炭化水素希釈剤を含む抽出溶媒、及び、場合により、洗浄溶媒と接触させた。連続相として溶媒を用いてカラムを操作した。正抽出試験のフィード、溶媒及び洗浄剤組成、流速、フィード位置及び温度を表16に要約する。それぞれの試験において、カラムは1時間以内に定常状態に達し、そして6〜8時間にわたって連続的にカラムを運転した。サンプリングは1〜2時間毎に行った。定常状態操作時間全体にわたるグリコレート種、アミン、カルボン酸及び炭化水素の、ラフィネート生成物に対する平均回収率、及び、硫酸の抽出生成物への平均回収率を表17に示す。
Figure 2015517992
Figure 2015517992
Figure 2015517992
例41〜42:正抽出からのラフィネートの連続洗浄−
例41に関して、グリコール酸、グリコール酸オリゴマー及び水を含む、例36の、硫酸が希薄なラフィネートを、上記の連続Karrカラム内で連続相としてのヘプタン洗浄溶媒と連続的に接触させることにより、追加の2−エチルヘキサン酸及びTEHAを除去した。同様に例42に関しても、例39からのラフィネートを連続カラム内のヘプタンと接触させることによって、追加の2−エチルヘキサン酸及びTEHAを除去した。洗浄試験のフィードの組成、流速、フィード位置及び温度を表18に要約する。それぞれの試験において、カラムは1時間以内に定常状態に達し、そして6〜8時間にわたって連続的にカラムを運転した。サンプリングは1〜2時間毎に行った。定常状態操作時間全体にわたるTEHA、2−エチルヘキサン酸及びヘプタンの、洗浄抽出生成物への平均回収率を表19に示す。
Figure 2015517992
Figure 2015517992
例43〜48:連続カラム内の、硫酸が豊富な溶媒の逆抽出−
ヒドロカルボキシル化エフルエントの正抽出からの硫酸、TEHA、2−エチルヘキサノン酸及びヘプタンを含む、硫酸が豊富な抽出物を上記の温度70℃の連続Karrカラムにフィードし、水性ホルムアルデヒド抽出溶媒(連続相)と接触させた。硫酸が豊富な抽出物を位置F5でKarrカラムに導入し、そして水性ホルムアルデヒド溶媒を位置F1で導入した。正抽出試験のフィード及び溶媒の組成及び流速を表20に要約する。それぞれの試験において、カラムは1時間以内に定常状態に達し、そして6〜8時間にわたって連続的にカラムを運転した。サンプリングは1〜2時間毎に行った。定常状態操作時間全体にわたるTEHA、2−エチルヘキサン酸及びヘプタンの、ラフィネート生成物への平均回収率、及び、グリコール酸及び硫酸のホルムアルデヒド抽出生成物への平均回収率を表21に示す。
Figure 2015517992
Figure 2015517992
Figure 2015517992
例49:水性グリコール酸からの硫酸の抽出−
硫酸を85wt%グリコール酸−15wt%水混合物に添加することによって、3wt%硫酸を含む溶液を生成した。表22に特定したとおりのアミン及び希釈剤を混合することによって抽出溶媒を調製した。5グラムの各アミン溶媒溶液を、5グラムの硫酸/水性グリコール酸混合物と混合し、そして表22に指定された温度で平衡させた。2相が生じた場合には、X線によって各相のサンプルを硫黄含有率に関して分析し、そしてこれを各相中の硫酸濃度に変換した(アミン相1グラム当たりの硫酸のグラム数及び水性グリコール酸相1グラム当たりの硫酸のグラム数)。
Figure 2015517992
概要:スルホン化強酸触媒を用いたグリコール酸の調製(例50〜53、55〜61及び比較例54、62〜67)−
硫酸をJ.T. Bakerから購入しそして受け取ったまま使用した。メタンジスルホン酸 (MDSA)、メタントリスルホン酸(MTSA)、ビス(メタンスルホニル)メタンスルホン酸(BMMSA)及びメタンスルホニルメタンスルホン酸(MMSA)を下記の例50〜53に記載されるとおりに調製した。ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドプリルとして約95質量%)及びグリコール酸(99+% − Glypure(登録商標))をAldrich Chemical Co.から購入し、そして受け取ったまま使用した。発煙硫酸をAlfa Aesar から購入し、そして受け取ったまま使用した。
すべてのバッチのヒドロカルボキシル化反応実験を、100mLジルコニウムオートクレーブを含む反応器系を用いて完了した。高圧オートクレーブはインペラ、ガスインレットチューブ、サンプルチューブ及びサーモウェルを備えていた。オートクレーブをバンドヒータにより電気的に加熱し、オートクレーブサーモウェルにおける熱電対によるフィードバックにより温度制御が提供された。純粋な一酸化炭素ガス(>99.9%)を高圧フローコントローラによりオートクレーブにフィードした。触媒、ホルムアルデヒド、水及びグリコール酸をオートクレーブに添加し、オートクレーブをシールし、そしてCOでパージした。HCHOのヒドロカルボキシル化におけるグリコール酸生成の反応初期速度を以下の酸触媒に関して比較した:HSO、MDSA、MTSA、MMSA及びBMMSA。それぞれの反応を69バールゲージ(1000psig)COで140℃にて、HCHO:GA:HOのモル装填比1:2:1.4で4時間行った。
上記のとおり、バッチ反応及び連続反応試験の両方に関する、グリコール酸、グリコール酸オリゴマー及びエステルならびに関連種(例えば、ジグリコール酸及びエステル、メトキシ酢酸及びエステルなど)を含む反応生成物の分析を、反応生成物サンプルを80℃で30分間水性25%v/vのHSO中の酸加水分解に付した後に、イオン排除クロマトグラフィを用いて行った。加水分解時にグリコール酸を生成する反応生成物は、それゆえ、グリコール酸として下記に報告する。ホルムアルデヒドを上記のとおりに分析した。温度及び圧力を反応全体にわたって維持し、反応混合物のサンプルを周期的に取り、HPLCによりその進捗を追った。
すべての連続ヒドロカルボキシル化反応実験を、125mLの公称体積を有するHastelloyオートクレーブ、及び関連フィード及び生成物貯蔵装置を含む反応器系を用いて行った。高圧オートクレーブは中空シャフトRushtonタービンインペラ(ガス導入及び分散用)、バッフル、サーモウェル、ガスインレット及びシップチューブを備え、それにより、液体レベルを約90mLに維持し、そして生成物エフルエントの出口を提供した。オートクレーブをバンドヒータにより電気的に加熱し、オートクレーブサーモウェルにおけるK−型熱電対によるフィードバックにより温度制御を提供した。
純粋一酸化炭素ガス(>99.9体積%)を高圧フローコントローラによりオートクレーブにフィードした。ガスはインペラベアリングにおける溝を介してオートクレーブの本体に入った。オフガス流速をドライバブル型流速計によりモニターした。撹拌型フィード容器(ステンレススチール又はガラスのいずれか)に接続された1つまたは2つのダブルバレルの500mlの高精度シリンジポンプにより液体流速を0.001mL/分の精度まで制御した。ガラス容器はジャケット付きであり、加熱又は冷却することができた。一般に、触媒及びフィード成分の両方は非加熱容器から一緒にフィードされた。
反応器エフルエントは加熱されたHastelloyチュービング、自動圧力制御弁(リサーチ制御弁)及び加熱可能なHastelloy回収容器(1リットル)を通過した。エフルエント回収容器は冷却コイル型凝縮器を備えた。エフルエントタンクからのガスアウトレットを手動背圧レギュレータに接続して、容器圧力を2.76〜6.89バールゲージ(40〜100psig)に維持した。温度、圧力及び他の関連装置パラメータを分配制御装置により自動で記録した。
例50:メタジスルホン酸の調製−
PUROLITE(商標)C-100 x 10イオン交換樹脂(1100グラム、1600mL)を2つの1.2インチ×40インチガラスカラムに等しく装填した。2つのカラムを直列で並んで接続し、蒸留水でフラッシュして、汚染物を除去した。22wt%水溶液(500g)のメタンジスルホン酸二ナトリウム(0.5モル)を25mL/分で第一のカラム(ここで、ほとんどのイオン交換が起こる)を通し、次いで、第二のカラムを通し、残りの塩の転化を完了した。フィードを下方様式で送り、次いで、500mLの蒸留水リンスを行った。組み合わせた溶液を大気圧で蒸留により約50%アッセイまで濃縮した。
例51:メタントリスルホン酸の調製−粗製メタントリスルホン酸の調製−
窒素ブランケット下で1リットル丸底フラスコに、発煙硫酸(30 wt%, SOとして2.8モル、750グラム)を装填した。無水酢酸(0.55モル、56.6グラム)を添加し、その間、温度を約48℃に上昇させた。すべての無水酢酸を添加したときに、反応混合物をゆっくりと約100℃に加熱し、そしてそこで19時間維持して、反応を完了させた。反応混合物を約20℃に冷却し、そして1時間維持した。反応混合物をガラスフリット上でろ過し、そして30分間プラスチックダム下に引き、ほとんどの硫酸を除去した。
メタントリスルホン酸三ナトリウムの調製−
上記固形分(約330グラム)を脱イオン水(770グラム)にゆっくりと装填し、その間、温度を70℃未満に制御した。すべての固形分が溶解した後に、水酸化ナトリウム(50 wt%、約411.9グラム)を添加し、その間に、温度を50〜60℃に上昇させ、そしてpHを>12に上昇させた。溶液を30分間、70℃に維持し、40℃に冷却し、シードし、ゆっくりと0〜5℃に冷却した。冷たいスラリーを1時間保持しそしてろ過した。ケークを250mLの脱イオン水で0〜5℃で洗浄した。ケーク(578グラム)を、脱イオン水(750グラム)を含む2リットルフラスコに再装填した。スラリーを58℃に加熱し、その間、完全な溶液を製造した。このバッチを、次いで、40℃に冷却し、シードし、急速に0〜5℃に冷却し、0〜5℃に1時間保持した。生成物をブフナー漏斗上でろ過し、そしてケークを冷64%イソプロピルアルコール及び水の混合物(150グラム)で洗浄した。ウエットケークを最終的にイソプロパノールで周囲温度にて2回洗浄した。このバッチをプラスチックダム下に30分間よく引いた。生成物の三ナトリウム塩を50℃の窒素パージした真空炉で乾燥した(湿潤wt=345グラム、乾燥wt=208グラム)。乾燥固形分を、750 グラムの脱イオン水を含む2リットル丸底フラスコに再装填した。このバッチを約60℃に加熱し、完全な溶液を形成した。この溶液に、3グラムのDARCO(商標)G-60活性炭を添加し、そして得られた混合物を70℃に1時間維持した。バッチを1ミクロンファイバーグラスフィルタで70℃にて清浄化した。無色透明の溶液を、次いで、40℃に冷却し、シードした。溶液は約25℃で結晶化し始めた。結晶化混合物を周囲温度で30分間保持し、次いで、0〜5℃に1時間冷却した。白色スラリーをブフナー漏斗上でろ過し、ケークを冷64%イソプロピルアルコール及び水の混合物(150グラム)で洗浄した。ケークを再びイソプロピルアルコール(75グラム)で周囲温度にて洗浄した。バッチをプラスチックダム下に60分間よく引いた。三ナトリウム塩として得られた生成物を50℃で、窒素パージされた真空炉で乾燥した(湿潤wt%= 197.7グラム、理論値=354.4g、乾燥wt=157.1グラム、wt収率=44.3%, m.p.=139〜142℃)。メタントリスルホン酸三ナトリウムの水溶解度は約8.2%である。
イオン交換によるメタントリスルホン酸の調製−
水で濡れたAMBERLYST-36(商標)イオン交換樹脂(2000グラム)を、粉砕ガラスジョイント及びTEFLON(商標)ボトムストップコックを備えた4つの2インチ×40インチガラスカラムに装填した。4つのカラムを直列に連結し、そして脱イオン水でフラッシュすることにより汚染物を除去した。メタントリスルホン酸の8wt%溶液(1964 グラム、100wt%基準に対して157.1グラム)を約25mL/分でポンプ輸送し、第一及び第二のカラム(ここでほとんどのイオン交換が起こる)を通し、次いで、第三及び第四のカラムを通し、残りの塩の転化を完了した。フィードを下流方向にポンプ輸送し、次いで、1000mLの脱イオン水でリンスした。組み合わせた溶液を大気圧で約50wt%MTSAまで濃縮した。逆流モードで1500gの10%硫酸溶液を用いてカラムを再生した。次いで、カラムを脱イオン水でフラッシュすることにより、ほとんど中性のpH及び/又は出発時の水のpHとした。MTSAの収量は124.9グラムであり、MTSAへの約100%転化を示した。
例52:メチルスルホニルメタンスルホン酸の調製−
メチルスルホニルメタンスルホン酸ナトリウムを、50 g(0.435モル)のメタンスルホニルクロリドを、61g(0.65モル)のトリエチルアミン及び175mLのアセトニトリルの溶液に約0.5時間かけて−30〜−40℃の温度で滴下して添加することにより調製した。得られたスラリーを45分間撹拌し、次いで、5mLの水で処理した。スラリーを10分間撹拌し、そしてトリエチルアミンヒドロクロリドをろ過し、そして75mLのアセトニトリルで洗浄した。ろ液を室温で約50mmの圧力で、225mLの2NのNaOHで処理した油にストリッピングした。得られた溶液を冷蔵庫で一晩冷却し、そしてナトリウム塩をろ過により回収し、そして少量の氷水で洗浄した。真空炉内で80℃で一晩乾燥した後に、25.6 gの白色固形分を得た(一水和物として55%収率、mp235〜240℃、ガス発生有)。HNMR (DCl/DO): δ 3.2 (s, 3H); δ 5.0 (s, 2H)。
水で濡れたAMBERLYST-36(商標)イオン交換樹脂(1000g, 55%固形分, 5.4ミリ当量/g, 5.4当量)を、粉砕ガラスジョイント及びTEFLON(商標)ボトムストップコックを備えた2つの2インチ×40インチガラスカラムに装填した。2つのカラムを直列に連結し、そして脱イオン水でフラッシュすることにより汚染物を除去した。メタンスルホニルメタンスルホン酸ナトリウムの水中の11%溶液(100wt%基準で24グラム、0.122モル)を25〜40mL/分で第一のカラム(ここでほとんどのイオン交換が起こる)を通してポンプ輸送し、次いで、第二のカラムを通して、残りの塩の転化を完了した。フィードを下流モードでポンプ輸送し、次いで、500mLの脱イオン水でリンスした。組み合わせた溶液を減圧で約50wt%固形分まで濃縮した。逆流モードで500gの10wt%硫酸溶液を用いてカラムを再生した。次いで、カラムを脱イオン水でフラッシュすることにより、再使用のためにほとんど中性のpHとした。生成物溶液を47gと計量し、そして滴定アッセイにより40.7wt%生成物(89.9%アッセイ収率)と分析した。X−線分析: Na 3 ppm; S 14.88% (理論値15.1%)。カールフィッシャー: H2O 59.7 wt%。
例53:ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸の調製−
メチルスルホニルメタンスルホン酸フェニルを、メタンスルホニルクロリド(112 g, 1モル)を滴下して、210mL(1.5モル)のトリエチルアミン及び400mLのアセトニトリルの溶液に約0.5時間かけて−30〜−40℃の温度で添加することにより調製した。得られたスラリーを45分間−30〜−40℃に維持し、そして47g(0.5モル)のフェノールで処理した。冷却浴(ドライアイス:アセトン)及び反応フラスコを室温に持っていき、600mLの水及び100mLの濃HClを添加した。アセトニトリルを室温にて真空で除去し、そして得られた固形分をろ過し、そして水で洗浄し、空気乾燥して、86gの粗製固形分を提供し、それを500mLのメタノール及び200mLの水から再結晶化させた(0〜5℃ろ過温度)。メチルスルホニルメタンスルホン酸フェニルの収量は74.5g(59%)であった;mp 175〜176℃、HNMR CDCl3: δ 7.3-7.4 (m, 5H); δ 4.64 (s, 2H); δ 3.35 (s, 3H)。
上記のメチルスルホニルメタンスルホン酸フェニル(25 g, 0.1モル)を75mLの水及び8g(0.1モル)の50%水酸化ナトリウムの溶液中に溶解させた。溶液を0〜5℃に冷却し、そして11.4gのメタンスルホニルクロリドで処理し、それは45分かけて滴下して加えた。得られたスラリーをろ過し(出発材料は添加の間に沈殿)、そして固形分(乾燥後14.3g)を75mLの水で洗浄した。ろ液を濃HClで固形分が沈殿しなくなるまで処理した。ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸フェニル生成物をろ過し、そして氷水で洗浄した。60℃の真空炉内で乾燥の後に、生成物(12.9g、 mp 154〜156℃)を、熱清澄化して、酢酸エチルから再結晶させ、11.3 g(34.4%転化率、80%収率)のビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸フェニルを白色固形分として提供した。mp 159〜160℃、HNMR: δ7.36-7.44 (m, 5H); δ 2.65 (s, 6H)。主な不純物はHPLC−MSにより検出されなった。
11.2g(34.1ミリモル)の上記のビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸フェニル及び40mLの水を2時間還流し、その後、完全な溶液を得た。薄層クロマトグラフィ(80体積%アセトン、20体積%ヘプタン、ヨウ素可視化を用いる)は所望の生成物及びフェノールへの完全な転化を示した。フェノールを3×40mLの酢酸エチルによる抽出によって除去し、そして溶液を50mm圧力及び90℃浴温度で蒸発させ、8.8 g(理論値の102%)のビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸を白色固形分として提供した。mp>300℃。生成物の滴定分析は85wt%のビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸及びカールフィッシャー分析は12wt%の水を示した。H NMR: δ 5.96(s, 1H); δ 3.35 (s, 6H)。主な不純物はHPLC−MSによって検出されなかった。
比較例54: HSO を用いたホルムアルデヒドのヒドロカルボキシル化の割合−
SO(0.984 g, 0.010モル)及び水(5.04 g, 0.28モル, HCHO及び触媒からの水を含む)を100mLジルコニウムオートクレーブに添加した。この溶液に、HCHO (6.3 g, 95 wt%, 0.20モル)及びGA(30.4 g, 0.40モル)を添加した。反応開始時のHSOの濃度は出発反応混合物の合計質量を基準として2.4質量%であった。装置をCOでパージし、そして17.2バールゲージ(250 psig)COに加圧した。オートクレーブ内の温度を撹拌(1000rpm)しながら140℃に上昇させた。温度到達時に、オートクレーブ内の圧力を69バールゲージ(1000psig)COに上昇させた。温度及び圧力が到達したら、時刻0のサンプルを取った。圧力及び温度を4時間維持した。反応後のサンプルを約30、60、90、120、150、180及び240分で取った。GAの収率、反応割合及び最終生成物混合物中の酸触媒の質量%を表23に示す。
例55: MTSAを用いたホルムアルデヒドのヒドロカルボキシル化の割合−
例54の手順を繰り返したが、MTSA(1.24g、82wt%アッセイ、0.004モル)及び水(4.5g、0.28モル)をジルコニウムオートクレーブに添加した。これに、HCHO (6.3 g, 95 wt%, 0.20モル)及びGA(30.4 g, 0.40モル)を添加した。反応開始時のMTSAの濃度は出発反応混合物の合計質量を基準として2.4質量%であった。圧力及び温度を4時間維持し、サンプルを約0、30、60、90、120、150、180及び240分で取った。GAの収率、反応割合及び最終生成物混合物中の酸触媒の質量%を表23に示す。
例56: MDSAを用いたホルムアルデヒドのヒドロカルボキシル化の割合−
例54の手順を繰り返したが、MDSA(1.94g、50wt%、0.006モル)及び水(3.84g、0.28モル)をジルコニウムオートクレーブに添加した。これに、HCHO (6.3 g, 95 wt%アッセイ, 0.20モル)及びGA(30.4 g, 0.40モル)を添加した。反応開始時のMDSAの濃度は出発反応混合物の合計質量を基準として2.4質量%であった。オートクレーブをスタンドに固定し、そしてシールした。装置をCOでパージし、そして17.2バールゲージ(250 psig)COに加圧した。オートクレーブ内の温度を撹拌(1000rpm)しながら140℃に上昇させた。温度到達時に、オートクレーブ内の圧力を69バールゲージ(1000psig)COに上昇させた。温度及び圧力が到達したら、サンプルを取り、それを時刻0と指定した。圧力及び温度を4時間維持した。反応後のサンプルを約30、60、90、120、150、180及び240分で取った。GAの収率、反応割合及び最終生成物混合物中の酸触媒の質量%を表23に示す。
例57: MMSAを用いたホルムアルデヒドのヒドロカルボキシル化の割合−
例54の手順を繰り返したが、MMSA(2.56g、40.7wt%アッセイ、0.006モル)及び水(0g、水の合計量は他の出発材料からの0.1モルである)をジルコニウムオートクレーブに添加した。これに、HCHO (6.3 g, 95 wt%アッセイ, 0.20モル)及びGA(40g, 0.40モル)を添加した。反応開始時のMMSAの濃度は出発反応混合物の合計質量を基準として2.4質量%であった。圧力及び温度を4時間維持し、サンプルを約0、30、60、90、120、150、180及び240分で取った。GAの収率、反応割合及び最終生成物混合物中の酸触媒の濃度を表23に示す。
例58: BMMSAを用いたホルムアルデヒドのヒドロカルボキシル化の割合−
例54の手順を繰り返したが、BMMSA(1.19g、85wt%アッセイ、0.004モル)及び水(4.53g、0.28モル)をジルコニウムオートクレーブに添加した。これに、HCHO (6.3 g, 95 wt%アッセイ, 0.20モル)及びGA(30.4g, 0.40モル)を添加した。反応開始時のBMMSAの濃度は出発反応混合物の合計質量を基準として2.4質量%であった。圧力及び温度を4時間維持し、サンプルを約0、30、60、90、120、150、180及び240分で取った。GAの収率、反応割合及び最終生成物混合物中の酸触媒の濃度を表23に示す。
表23に示す比較例54及び例55〜58のヒドロカルボキシル化試験は同一の反応及びサンプリング条件下にてHSOで触媒された反応と比較して、グリコール酸生成の収量及び割合に対する種々のスルホン化酸の効果を例示している。表23のデータはHSOで触媒プロセスと比較して、MTSA触媒反応での収率及び反応割合が高いことを示している。これらの実験ではグリコール酸への選択率を報告しなかった。というのは、バッチオートクレーブ研究における競争反応は選択率の代表的な計算を可能としないからである。
Figure 2015517992
例59〜61:MTSAを用いたホルムアルデヒドのグリコール酸への連続ヒドロカルボキシル化−
例59〜61は触媒としてMTSAを用いてホルムアルデヒドをヒドロカルボキシル化することに対する流速、温度、圧力及び触媒量の効果を例示する。反応器へのフィードの組成及び流速を表24に示す。ホルムアルデヒドに対するGAの全体としてのフィードモル流量比を、反応温度、圧力及び滞留時間とともに表25に示す。
転化率、空間時間収率及び反応したホルムアルデヒドに基づく最終生成物への選択率を表26に示す。上記のとおり、HPLCによる分析の前に、グリコール酸オリゴマー、エステル及びグリコール酸の他の形態を加水分解して、対応の酸に加水分解した。また、グリコール酸メチルとして存在するメタノールを上記の分析方法により転化させ、遊離メタノールとして報告した。
Figure 2015517992
Figure 2015517992
Figure 2015517992
比較例62〜67:HSO触媒を用いたホルムアルデヒドのグリコール酸への連続ヒドロカルボキシル化−
比較例62〜67は触媒として硫酸を用いてホルムアルデヒドをヒドロカルボキシル化することに対するフィード流速、温度、圧力及び触媒量の効果を例示する。各例について、表27に示す組成を有するフィード混合物を反応容器にポンプ輸送した。HCHOに対する水、GA及び硫酸の全体としてのフィードモル流量比を、反応温度、圧力及び滞留時間とともに表28に示す。フィード混合物を、水、HSO及びGAを、60℃に加熱されたタンク内で混合して調製した。完全な溶解が起こるまで、撹拌しながらパラホルムアルデヒドを添加した。フィードを反応時間全体にわたって60℃に維持し、固形分ホルムアルデヒドが沈殿しないようにした。
転化率、空間時間収率及び反応したホルムアルデヒドに基づく最終生成物への選択率を表29に示す。また、グリコール酸メチルとして存在するメタノールを上記の分析方法により転化させ、遊離メタノールとして報告した。
Figure 2015517992
Figure 2015517992
Figure 2015517992

Claims (19)

  1. (A)1〜5個の炭素原子を含むアルキルスルホン酸触媒の存在下に水性ホルムアルデヒド反応体と一酸化炭素を接触させ、水性グリコール酸混合物を生成すること、及び、
    (B)少なくとも1種の第三級アミン、少なくとも1種のオニウムカルボキシレート化合物又はそれらの組み合わせ、脂肪族カルボン酸、有機リン酸又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の変性剤、及び、二酸化炭素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の希釈剤、を含む抽出溶媒で前記水性グリコール酸混合物を抽出して、前記水性グリコール酸混合物中に含まれるグリコール酸の主要量を含む水性ラフィネート相、及び、前記水性グリコール酸混合物中に含まれる酸触媒の主要量を含む有機抽出相を形成することにより、前記水性グリコール酸混合物からアルキルスルホン酸を回収すること、
    を含むグリコール酸の調製方法。
  2. 一酸化炭素/ホルムアルデヒドのモル比は約0.5:1〜約100:1であり、接触は約35〜約350バールゲージの圧力で、約160〜約220℃の温度で実施される、請求項1記載の方法。
  3. 前記水性グリコール酸混合物は約50〜約95質量%のグリコール酸及び約0.2〜約12質量%のアルキルスルホン酸触媒を含み、各々は前記水性グリコール酸混合物の合計質量を基準とする、請求項1記載の方法。
  4. 前記アルキルスルホン酸触媒はメタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸、メチルスルホニルメタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
  5. 前記アルキルスルホン酸触媒はメタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
  6. 前記アルキルスルホン酸触媒はメタントリスルホン酸を含む、請求項1記載の方法。
  7. 前記第三級アミンはトリス(2−エチルヘキシル)アミン、トリス(2−エチルブチル)アミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、トリドデシルアミン、トリデシルアミン、ジオクチルデシルアミン、ジデシルオクチルアミン又はそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
  8. 前記変性剤はn−ペンタン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、ヘキサン酸、2−エチルブタン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、ペルフルオロオクタン酸又はそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
  9. 前記希釈剤はペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、沸点範囲が90〜325℃であるイソパラフィン系混合炭化水素又はそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
  10. (C)前記水性ラフィネート相と前記有機抽出相とを分離すること、及び、
    (D)工程(C)からの有機抽出相を水性ホルムアルデヒド溶液で抽出して、工程(C)からの有機抽出相中に含まれる酸触媒の主要量を含む水性ホルムアルデヒド抽出物、及び、前記有機抽出相中に含まれる酸触媒の非主要量を含む有機ラフィネート相を形成すること、
    をさらに含む、請求項1記載の方法。
  11. 前記水性ホルムアルデヒド溶液は前記水性ホルムアルデヒド溶液の合計質量を基準として約35〜約85質量%のホルムアルデヒドを含み、前記水性ホルムアルデヒド抽出物は前記水性ホルムアルデヒド抽出物の合計質量を基準として約0.5〜約10質量%のアルキルスルホン酸触媒を含み、前記水性ホルムアルデヒド溶液/有機抽出相の質量比は約0.1:1〜約1:1である、請求項10記載の方法。
  12. 前記水性ホルムアルデヒド抽出物を工程(A)にリサイクルする、請求項11記載の方法。
  13. 水性ホルムアルデヒド反応体及びメタントリスルホン酸を含む反応混合物と一酸化炭素を接触させ、水性グリコール酸混合物を生成することを含む、グリコール酸の調製方法。
  14. 一酸化炭素/ホルムアルデヒドのモル比は約0.5:1〜約100:1であり、接触は約35〜約350バールゲージの圧力で、約160〜約220℃の温度で実施され、水性グリコール酸混合物中のメタントリスルホン酸の濃度は約0.2〜12質量%である、請求項13記載の方法。
  15. (A)メタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、ビス(メチルスルホニル)メタンスルホン酸又はそれらの組み合わせを含む酸触媒の存在下に、水性ホルムアルデヒド反応体を一酸化炭素と接触させ、水性グリコール酸混合物の合計質量を基準として約70〜約90質量%のグリコール酸及び約1〜約10質量%の酸触媒を含む水性グリコール酸混合物を生成すること、
    (B)前記水性グリコール酸混合物を、
    (i)抽出溶媒の合計質量を基準として約5〜約45質量%の、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、トリス(2−エチルブチル)アミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、トリドデシルアミン、トリデシルアミン、ジオクチルデシルアミン、ジデシルオクチルアミン又はそれらの組み合わせを含む第三級アミン、
    (ii)抽出溶媒の合計質量を基準として約5〜約45質量%の、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、ペルフルオロオクタン酸又はそれらの組み合わせを含む変性剤、ここで、前記変性剤/第三級アミンの質量比は約1:1〜約5:1である、及び、
    (iii)抽出溶媒の合計質量を基準として約10〜約90質量%の、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、沸点範囲が90〜325℃であるイソパラフィン系混合炭化水素又はそれらの組み合わせを含む希釈剤、
    を含む抽出溶媒で抽出して、
    前記水性グリコール酸混合物中に含まれるグリコール酸の主要量を含む水性ラフィネート相、及び、前記水性グリコール酸混合物中に含まれる酸触媒の主要量を含む有機抽出相を形成すること、
    (C)前記水性ラフィネート相と前記有機抽出相とを分離すること、及び、
    (D)工程(C)からの有機抽出相を、水性ホルムアルデヒド溶液の合計質量を基準として約35〜約85質量%のホルムアルデヒドを含む水性ホルムアルデヒド溶液で抽出して、工程(C)からの有機抽出相中に含まれる酸触媒の主要量を含む水性ホルムアルデヒド抽出物、及び、前記有機抽出相中に含まれる酸触媒の非主要量を含む有機ラフィネート相を形成すること、
    を含む、グリコール酸の調製方法。
  16. (E)工程(C)からの水性ラフィネート相を、洗浄溶媒の合計質量を基準として約80〜約100質量%の、ヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、沸点範囲が90℃〜325℃であるイソパラフィン系混合炭化水素又はそれらの組み合わせを含む洗浄希釈剤、及び、約0〜約20質量%の、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ビス(2−エチルヘキシル)水素ホスフェート、2−エチルヘキサノール、2−エチルブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−デカノール又はそれらの組み合わせを含む洗浄変性剤を含む、洗浄溶媒と接触させ、洗浄済み水性ラフィネート相及び有機洗浄抽出相を形成すること、ここで、前記洗浄溶媒/水性ラフィネート相の質量比は約0.1:1〜約1:1である、
    (F)前記洗浄済み水性ラフィネート相と有機洗浄抽出相とを分離すること、及び、
    (F)前記有機洗浄抽出相を、工程(B)の抽出溶媒又は工程(C)の有機抽出相と組み合わせること、
    をさらに含む、請求項15記載の方法。
  17. 前記酸触媒はメタントリスルホン酸を含む、請求項15記載の方法。
  18. 前記第三級アミンはトリス(2−エチルヘキシル)アミンを含み、前記変性剤は2−エチルヘキサン酸を含み、前記希釈剤はヘキサン、ヘプタン、デカン又はそれらの組み合わせを含み、前記洗浄溶媒はヘキサン、ヘプタン、デカン、沸点範囲が90〜325℃であるイソパラフィン系混合炭化水素又はそれらの組み合わせを含み、前記洗浄変性剤は2−エチルヘキサン酸、n−ヘキサノール、n−デカノール又はそれらの組み合わせを含み、そして前記変性剤/第三級アミンの質量比は約2:1〜約4:1である、請求項17記載の方法。
  19. 工程(D)の水性ホルムアルデヒド溶液は約40〜約55質量%のホルムアルデヒドを含み、工程(D)の水性ホルムアルデヒド抽出物を工程(A)に通す、請求項15記載の方法。
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