JP2005247694A - イオン性液体を用いたグリコール酸およびそのエステルの製造方法 - Google Patents

イオン性液体を用いたグリコール酸およびそのエステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸触媒の存在下で、ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを反応させて、高収率でグリコール酸およびグリコール酸エステルを製造する方法を提供する。
【解決手段】ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを、スルホン酸とイオン性液体の存在下で反応させることを特徴とするグリコール酸の製造方法;ならびに、ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを、スルホン酸とイオン性液体の存在下で反応させ、次いで、反応混合物とアルコールとを反応させることを特徴とするグリコール酸エステルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリコール酸およびグリコール酸エステルの製造方法に関する。
グリコール酸およびグリコール酸エステルは、化学工業において広く使用されている重要な化合物である。例えば、グリコール酸は、化学洗浄剤、添加剤などの用途のほか、有機合成中間原料、ポリマー原料などとして有用な化合物である。
従来より、ホルムアルデヒドを出発原料としてグリコール酸を製造する方法が知られている。この方法においては、硫酸、りん酸および塩酸などの鉱酸を触媒とし、ホルムアルデヒド、水および一酸化炭素を、高圧下で反応させてグリコール酸を製造する方法(特許文献1〜3)、ならびに、フッ化水素や銅(I)カルボニル、銀(I)カルボニルを含む硫酸などの強酸中で、ホルムアルデヒド、水および一酸化炭素を、常圧下で反応させてグリコール酸を製造する方法(特許文献4〜7)などがある。しかしながら、これらの方法では、反応液からグリコール酸を分離するために複雑な操作が必要であり、また、触媒である鉱酸やフッ化水素は腐食性が強いので、反応液からの回収も困難であるなどの問題点があった。また、イオン交換樹脂、酸性クレイ、ゼオライトなどの固体酸を触媒としてグリコール酸を製造する方法(特許文献8〜10)などがあるが、高収率を得るには高い反応圧力を必要とし、また触媒の安定性が低いなどの問題点があった。
米国特許第2152852号明細書 米国特許第2153064号明細書 特公昭53−4454号公報 米国特許第3754028号明細書 米国特許第3911003号明細書 特開昭51−13719号公報 特開昭57−46934号公報 特公昭53−37332号公報 特開昭56−79638号公報 特公昭61−4821号公報
本発明の課題は、酸触媒の存在下で、ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを反応させて、高収率でグリコール酸およびグリコール酸エステルを製造する方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討した結果、スルホン酸とイオン性液体の存在下で反応を実施することにより、高い反応速度でカルボニル化反応が進行することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に示すとおりのグリコール酸およびそのエステルの製造方法を提供するものである。
項1. ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを、スルホン酸とイオン性液体の存在下で反応させることを特徴とするグリコール酸の製造方法。
項2. スルホン酸が芳香族スルホン酸である項1に記載のグリコール酸の製造方法。
項3. 芳香族スルホン酸が、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−キシ
レン−2−スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸および2−アミノトルエン−5−スルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種である項2に記載のグリコール酸の製造方法。
項4. イオン性液体が、イミダゾリウムカチオンを含有する塩およびアルキルアンモニウムカチオンを含有する塩からなる群より選択される少なくとも1種である項1に記載のグリコール酸の製造方法。
項5. ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを、スルホン酸とイオン性液体と金属化合物の存在下で反応させることを特徴とする項1に記載のグリコール酸の製造方法。
項6. 金属化合物が、テトラフルオロほう酸銀、酸化銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、硫酸銀、酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銅、酢酸パラジウムおよび塩化パラジウムからなる群より選択される少なくとも1種である項5に記載のグリコール酸の製造方法。
項7. ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを、スルホン酸とイオン性液体の存在下で反応させ、次いで、反応混合物とアルコールとを反応させることを特徴とするグリコール酸エステルの製造方法。
項8. スルホン酸が芳香族スルホン酸である項7に記載のグリコール酸エステルの製造方法。
項9. 芳香族スルホン酸が、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸および2−アミノトルエン−5−スルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種である項8に記載のグリコール酸エステルの製造方法。
項10. イオン性液体が、イミダゾリウムカチオンを含有する塩およびアルキルアンモニウムカチオンを含有する塩からなる群より選択される少なくとも1種である項7に記載のグリコール酸エステルの製造方法。
項11. ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを、スルホン酸とイオン性液体と金属化合物の存在下で反応させることを特徴とする項7に記載のグリコール酸エステルの製造方法。
項12. 金属化合物が、テトラフルオロほう酸銀、酸化銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、硫酸銀、酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銅、酢酸パラジウムおよび塩化パラジウムからなる群より選択される少なくとも1種である項11に記載のグリコール酸エステルの製造方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において反応原料として用いるホルムアルデヒドとしては、ガス状ホルムアルデヒド、トリオキサンおよびパラホルムアルデヒドが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。ホルムアルデヒド水溶液を使用することも可能であるが、水の存在量を調節する必要がある場合などは、トリオキサンやパラホルムアルデヒドとの混合物を用いるのが好ましい。
一酸化炭素としては、純粋なものはもちろん、窒素、ヘリウム、アルゴン、水素などの反応に不活性なガスにより希釈したものも使用できる。
本発明の反応においては、水が反応原料として用いられる。原料としての水の使用量には特に制限はないが、原料のホルムアルデヒドに対して0.5〜5.0当量使用するのが好ましい。
本発明に使用されるスルホン酸としては、芳香族スルホン酸が好ましく、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、2−アミノトルエン−5−スルホン酸等がより好ましい。これらのスルホン酸
は、1種単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。スルホン酸の使用量は、原料のホルムアルデヒド1モルに対して0.01〜1モルであるのが好ましい。
これらのスルホン酸に加えて、さらに、テトラフルオロほう酸銀、酸化銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、硫酸銀、酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銅、酢酸パラジウム、塩化パラジウムなどの金属化合物を使用すると、さらに収率を向上させることができる。これらの金属化合物は、1種単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。金属化合物の使用量は、原料のホルムアルデヒド1モルに対して0.001〜0.1モルであるのが好ましい。
本発明におけるカルボニル化反応は、イオン性液体の存在下に実施される。本発明で用いるイオン性液体としては、イミダゾリウムカチオンやアルキルアンモニウムカチオンを含有する塩(第4級アンモニウム塩)が挙げられる。
イミダゾリウムカチオンを含有する第4級アンモニウム塩は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2005247694
アルキルアンモニウムカチオンを含有する第4級アンモニウム塩は、下記一般式(2)で表される。
[NR1234+・X- (2)
上記一般式(1)および(2)において、R1〜R5は水素原子または炭化水素基を示し、X-は対イオンを示す。炭化水素基に含まれる炭素の数は1〜20、好ましくは1〜1
2である。この炭化水素基には、脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基が含まれる。脂肪族炭化水素基には、鎖状のもの(アルキル基、アルケニル基)および環状のもの(シクロアルキル基、シクロアルケニル基)が包含される。芳香族炭化水素基には、アリール基およびアリールアルキル基が含まれる。
上記対イオンX-としては、C1-、Br-、I-等のハロゲンイオンの他、テトラフルオロボレートイオン(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF6 -)、トリフルオロメタンスルホナートイオン(CF3SO3 -)、ナイトレートイオン(NO3 -)、テト
ラクロロアルミネートイオン(AlCl4 -)、メチルスルフェートイオン(CH3SO4 -
)等が挙げられる。これらの中では、テトラフルオロボレートイオンとヘキサフルオロホスフェートイオンが好ましく、ヘキサフルオロホスフェートイオンがより好ましい。
本発明に好適に用いられるイオン性液体としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリ
ウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1,3−ジブチルイミダゾリウムメチルスルフェート等のN,N’−ジアルキルイミダゾリウムカチオンを含有する第4級アンモニウム塩;メチルトリオクチルアンモニウムクロライド、テトラヘプチルアンモニウムクロライド、テトラオクチルアンモニウムブロマイド、テトラへプチルアンモニウムブロマイド等のアルキルアンモニウムカチオンを含有する第4級アンモニウム塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのイオン性液体は、1種単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。イオン性液体の使用量は、特に限定されないが、反応系に仕込まれる液体原料の総容量に対して、1/10程度以上が好ましく、1/5〜9/10程度がより好ましい。
本発明のカルボニル化反応においては、一酸化炭素分圧は、通常1〜30MPaであり、好ましくは1〜20MPaである。反応温度は、あまりに低温では反応が有利な速度で進行せず、あまりに高温では重合などの副反応が進行するので、通常は室温〜300℃の範囲から選ばれ、好ましくは50〜200℃の範囲から選ばれる。反応時間は、0.5〜4時間が好ましい。
グリコール酸エステルを製造するには、アルコールをカルボニル化反応原料に混合し、カルボニル化とエステル化を同じ反応条件下で進行させ、一段でグリコール酸エステルを製造することもできる。しかしながら、まずカルボニル化反応を行ってグリコール酸を生成させ、次いで反応混合物にアルコールを導入してエステル化反応を行うことにより、グリコール酸エステルを二段反応で製造する方法が、より高収率で得られるので好ましい。
グリコール酸のエステル化反応の原料として用いるアルコールは、特に制限されないが、通常は炭素数が1〜6のアルコール、好ましくは炭素数が1〜3のアルコールが用いられる。エステル化反応の温度は、あまりに低温では反応が有利な速度で進行せず、あまりに高温では重合などの副反応が進行するので、通常は室温〜300℃の範囲から選ばれ、好ましくは50〜200℃の範囲から選ばれる。反応時間は、0.5〜4時間が好ましい。
本発明を実施するには、例えば、オートクレーブに、合成原料(ホルムアルデヒド、水)、スルホン酸およびイオン性液体(さらに、必要に応じて金属化合物)を入れ、一酸化炭素でパージした後、所定圧力の一酸化炭素を導入する。撹拌しながら、所定温度まで昇温し、所定時間内でカルボニル化反応を行う。反応終了後、反応混合物にアルコールを加え、所定温度まで昇温し、所定時間内でエステル化反応を行う。
エステル化反応が終了した後に、蒸留や水による抽出法により、反応生成液からグリコール酸エステルを分離回収することができる。グリコール酸エステルを分離回収した後の残液では、スルホン酸(および、場合により金属化合物)が十分な触媒活性を保持しつつイオン性液体中に存在しているため、この残液をカルボニル化反応工程に循環して再使用することができる。
本発明方法によれば、酸触媒の存在下で、ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを反応させて、高収率でグリコール酸を製造することができる。さらに、該反応混合物とアルコールとを反応させることにより、高収率でグリコール酸エステルを製造することができる。
本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
50mlのオートクレーブに、p−トルエンスルホン酸一水和物3.2g(16.8mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀43.2mg(0.168mmol)、トリオキサン1.02g(34mmol:ホルムアルデヒド換算値)、水0.61g(34mmol)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート4.0mlを入れ、一酸化炭素でパージした後、10MPaの一酸化炭素を導入した。撹拌しながら、135℃まで昇温し、2時間反応させた後、室温まで温度を下げ、常圧まで圧力を下げた。グリコール酸の生成が、NMRで確認された。次いで、メタノール21.76g(680mmol)を加え、135℃まで昇温し、2時間反応させた。反応終了後、生成物をGCで分析した結果、メチルグリコレートが86.7%の収率で得られた。
実施例2
50mlのオートクレーブに、p−トルエンスルホン酸一水和物3.2g(16.8mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銅60.8mg(0.168mmol)、トリオキサン1.02g(34mmol:ホルムアルデヒド換算値)、水0.61g(34mmol)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート4.0mlを入れ、一酸化炭素でパージした後、10MPaの一酸化炭素を導入した。撹拌しながら、135℃まで昇温し、2時間反応させた後、室温まで温度を下げ、常圧まで圧力を下げた。グリコール酸の生成が、NMRで確認された。次いで、メタノール21.76g(680mmol)を加え、135℃まで昇温し、2時間反応させた。反応終了後、生成物をGCで分析した結果、メチルグリコレートが80.8%の収率で得られた。
実施例3
50mlのオートクレーブに、p−トルエンスルホン酸一水和物3.2g(16.8mmol)、酢酸パラジウム37.7mg(0.168mmol)、トリオキサン1.02g(34mmol:ホルムアルデヒド換算値)、水0.61g(34mmol)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート4.0mlを入れ、一酸化炭素でパージした後、10MPaの一酸化炭素を導入した。撹拌しながら、135℃まで昇温し、2時間反応させた後、室温まで温度を下げ、常圧まで圧力を下げた。グリコール酸の生成が、NMRで確認された。次いで、メタノール21.76g(680mmol)を加え、135℃まで昇温し、2時間反応させた。反応終了後、生成物をGCで分析した結果、メチルグリコレートが75.2%の収率で得られた。
実施例4
50mlのオートクレーブに、p−トルエンスルホン酸一水和物3.2g(16.8mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀43.2mg(0.168mmol)、トリオキサン1.02g(34mmol:ホルムアルデヒド換算値)、水0.61g(34mmol)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート4.0mlを入れ、一酸化炭素でパージした後、15MPaの一酸化炭素を導入した。撹拌しながら、135℃まで昇温し、2時間反応させた後、室温まで温度を下げ、常圧まで圧力
を下げた。グリコール酸の生成が、NMRで確認された。次いで、メタノール21.76g(680mmol)を加え、135℃まで昇温し、2時間反応させた。反応終了後、生成物をGCで分析した結果、メチルグリコレートが90.7%の収率で得られた。
実施例5
50mlのオートクレーブに、p−トルエンスルホン酸一水和物3.2g(16.8mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀43.2mg(0.168mmol)、トリオキサン1.02g(34mmol:ホルムアルデヒド換算値)、水0.61g(34mmol)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート4.0mlを入れ、一酸化炭素でパージした後、15MPaの一酸化炭素を導入した。撹拌しながら、135℃まで昇温し、2時間反応させた後、室温まで温度を下げ、常圧まで圧力を下げた。グリコール酸の生成が、NMRで確認された。次いで、メタノール21.76g(680mmol)を加え、135℃まで昇温し、2時間反応させた。反応終了後、生成物をGCで分析した結果、メチルグリコレートが62.1%の収率で得られた。
実施例6
50mlのオートクレーブに、p−キシレン−2−スルホン酸3.1g(16.8mmol)、トリオキサン1.02g(34mmol:ホルムアルデヒド換算値)、水0.61g(34mmol)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート4.0mlを入れ、一酸化炭素でパージした後、10MPaの一酸化炭素を導入した。撹拌しながら、135℃まで昇温し、2時間反応させた後、室温まで温度を下げ、常圧まで圧力を下げた。グリコール酸の生成が、NMRで確認された。次いで、エタノール31.32g(680mmol)を加え、135℃まで昇温し、2時間反応させた。反応終了後、生成物をGCで分析した結果、エチルグリコレートが59.8%の収率で得られた。
実施例7
50mlのオートクレーブに、ベンゼンスルホン酸一水和物3.0g(16.8mmol)、テトラフルオロほう酸銀32.7mg(0.168mmol)、パラホルムアルデヒド1.02g(34mmol:ホルムアルデヒド換算値)、水0.61g(34mmol)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート4.0mlを入れ、一酸化炭素でパージした後、10MPaの一酸化炭素を導入した。撹拌しながら、135℃まで昇温し、2時間反応させた後、室温まで温度を下げ、常圧まで圧力を下げた。グリコール酸の生成が、NMRで確認された。次いで、1−プロパノール40.86g(680mmol)を加え、135℃まで昇温し、2時間反応させた。反応終了後、生成物をGCで分析した結果、プロピルグリコレートが73.3%の収率で得られた。
実施例8
50mlのオートクレーブに、p−トルエンスルホン酸一水和物3.2g(16.8mmol)、硫酸銀26.2mg(0.168mmol)、トリオキサン1.02g(34mmol:ホルムアルデヒド換算値)、水0.61g(34mmol)および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート4.0mlを入れ、一酸化炭素でパージした後、10MPaの一酸化炭素を導入した。撹拌しながら、135℃まで昇温し、2時間反応させた後、室温まで温度を下げ、常圧まで圧力を下げた。グリコール酸の生成が、NMRで確認された。次いで、メタノール21.76g(680mmol)を加え、135℃まで昇温し、2時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留によって生成物を分離し、GCで分析した結果、メチルグリコレートが72.9%の収率で得られた。
実施例9
実施例8において生成物を分離した後の蒸留残液に、トリオキサン1.02g(34m
mol:ホルムアルデヒド換算値)および水0.61g(34mmol)を加え、一酸化炭素でパージした後、10MPaの一酸化炭素を導入した。撹拌しながら、135℃まで昇温し、2時間反応させた後、室温まで温度を下げ、常圧まで圧力を下げた。グリコール酸の生成が、NMRで確認された。次いで、メタノール21.76g(680mmol)を加え、135℃まで昇温し、2時間反応させた。反応終了後、生成物をGCで分析した結果、メチルグリコレートが71.3%の収率で得られた。

Claims (12)

  1. ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを、スルホン酸とイオン性液体の存在下で反応させることを特徴とするグリコール酸の製造方法。
  2. スルホン酸が芳香族スルホン酸である請求項1に記載のグリコール酸の製造方法。
  3. 芳香族スルホン酸が、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸および2−アミノトルエン−5−スルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種である請求項2に記載のグリコール酸の製造方法。
  4. イオン性液体が、イミダゾリウムカチオンを含有する塩およびアルキルアンモニウムカチオンを含有する塩からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載のグリコール酸の製造方法。
  5. ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを、スルホン酸とイオン性液体と金属化合物の存在下で反応させることを特徴とする請求項1に記載のグリコール酸の製造方法。
  6. 金属化合物が、テトラフルオロほう酸銀、酸化銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、硫酸銀、酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銅、酢酸パラジウムおよび塩化パラジウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項5に記載のグリコール酸の製造方法。
  7. ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを、スルホン酸とイオン性液体の存在下で反応させ、次いで、反応混合物とアルコールとを反応させることを特徴とするグリコール酸エステルの製造方法。
  8. スルホン酸が芳香族スルホン酸である請求項7に記載のグリコール酸エステルの製造方法。
  9. 芳香族スルホン酸が、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸および2−アミノトルエン−5−スルホン酸からなる群より選択される少なくとも1種である請求項8に記載のグリコール酸エステルの製造方法。
  10. イオン性液体が、イミダゾリウムカチオンを含有する塩およびアルキルアンモニウムカチオンを含有する塩からなる群より選択される少なくとも1種である請求項7に記載のグリコール酸エステルの製造方法。
  11. ホルムアルデヒドと一酸化炭素と水とを、スルホン酸とイオン性液体と金属化合物の存在下で反応させることを特徴とする請求項7に記載のグリコール酸エステルの製造方法。
  12. 金属化合物が、テトラフルオロほう酸銀、酸化銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、硫酸銀、酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銅、酢酸パラジウムおよび塩化パラジウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項11に記載のグリコール酸エステルの製造方法。
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