JPS635382B2 - - Google Patents
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- JPS635382B2 JPS635382B2 JP60159229A JP15922985A JPS635382B2 JP S635382 B2 JPS635382 B2 JP S635382B2 JP 60159229 A JP60159229 A JP 60159229A JP 15922985 A JP15922985 A JP 15922985A JP S635382 B2 JPS635382 B2 JP S635382B2
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- C07C29/141—Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by reduction of an oxygen containing functional group of >C=O containing groups, e.g. —COOH of a —CHO group with hydrogen or hydrogen-containing gases
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- C07C29/143—Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by reduction of an oxygen containing functional group of >C=O containing groups, e.g. —COOH of ketones
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- C07C31/34—Halogenated alcohols
- C07C31/38—Halogenated alcohols containing only fluorine as halogen
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Catalysts (AREA)
Description
本発明は、対応する多弗素化カルボニル化合物
の水和物若しくはヘミアセタールを水添分解する
ことによつて、2,2,2−トリフロロエタノー
ルおよび1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロ
イソプロピルアルコールを製造する方法に関す
る。 吸収を利用するヒートポンプ等のエネルギー回
収、麻酔等の薬品や溶媒といつた広い分野で利用
されている2,2,2−トリフロロエタノールの
ような弗素化第1アルコールの工業的原料の主た
るものは、対応する酸(この場合にはトリフロロ
酢酸)若しくは酸誘導体(エステル、酸クロリ
ド、無水物、アミド)を貴金属群(ロジウム、ル
テニウム、プラチナ、パラジウム)から一般に選
ばれる触媒の存在下に水素で還元する方法に依る
ものである。従来用いられた主な方法のうち、例
えばトリフロロ酢酸無水物の水添(米国特許第
4255594号)、トリフロロ酢酸の水添(米国特許第
4273947号)、トリフロロ酢酸エステルの水添(欧
州特許第36939号)、トリフロロアセトアミドの水
添〔M.ギルマン(Gilman);ジヤーナル・オ
ブ・アメリカン・ケミカル・ソサエテイー(J.A.
C.S.),70,1281〜1282(1948)〕およびトリフロ
ロアセチルクロリドの水添分解(米国特許第
3970710号)を挙げることができる。しかしなが
ら、これらの方法は時間の経過と共に触媒活性が
落ちるという欠点に加えて、出発物質(殆んどの
場合、塩素化化合物であるが)をいつたん酸化し
て酸またはその誘導体とし、更に該酸をアルコー
ルに還元しなければならないという経済的不利益
を有しており、このように工程が追加されること
はこれらの製造の効率という点からすると著しく
負担となる。 他の製造法として、トリフロロアセトアルデヒ
ド(以下フロラールと呼ぶ)またはその誘導体を
水添する方法がある。フロラール水和物のラネー
ニツケルによる80℃、95バールでの液相水添によ
つて得られる収率はかなり低い(フランス国特許
第1399290号)。該明細書では触媒寿命および出発
物質に要求される純度についての記載はなく、ま
た触媒に常に吸収されている水酸化ナトリウムと
の間で以下の反応式(A)に示されるハロホルム反応
として知られている副反応を生じる危険がある。 CF3CHO+NaOH→CHF3+HCOONa (A) 更に、米国特許第2982789号は、トリフロロ酢
酸クロリドをパラジウム触媒で水添分解する最初
の工程(ローゼンムント反応)によつて生成する
フロラール塩酸塩:CF3CH(Cl)OHの気相水添
について記載しているが、フロラールの水添に用
いる触媒は弗化カルシウムを担体とするクロム酸
銅であり、その時間の経過に伴う活性は記載され
ていないが、約250℃で作用し、中間体フロラー
ルを部分的に(約60〜65%)転化するのみであ
る。加えて、転化されなかつたフロラール塩酸塩
を循環することは非常な危険を伴う。何故なら、
該フロラール塩酸塩は熱に不安定であり、以下の
反応式(B)に示される分解が温度の上昇若しくは圧
力の減少によつて、30℃で既に促進されるからで
ある。 更に、米国特許第3468964号は、アルミナを担
体とするパラジウムを含む触媒の存在下で低温
(最高温度140℃)で行うフロラールの気相水添に
ついて記載している。この方法によると、トリフ
ロロエタノールの収率が86%と普通であること、
触媒を200℃、純酸素中で非常にしばしば再生す
る必要があることおよびフロラールを純粋状態
(重合体)で取り扱うことが著しく困難であるこ
と等が、この方法をあまり魅力のないものとして
いる。 またフランス特許第2027172号はパーハロケト
ンの活性炭を担体とするパラジウム触媒上で気相
水添する方法に関するものであるが、特にヘキサ
フロロアセトン:CF3COCF3を1,1,1,3,
3,3−ヘキサフロロイソプロピルアルコールに
接触水添する方法を記載しているが、得られる収
率が75%であること、出発物質(沸点:−27.4
℃/760トル)の取り扱いの困難さの故にこの方
法はあまり経済的なものとはいえない。フランス
特許第2479803号によれば、ヘキサフロロアセト
ンの1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロイソ
プロピルアルコールへの気相接触水添はニツケル
触媒を用いて行われるが、20時間以上の連続操作
に対しては触媒寿命を何等規定しておらず、とり
わけ、この方法では純粋な出発物質を使用するこ
とが要求されるが、これはヘキサフロロアセトン
の場合には困難である。またフランス特許第
131260号によれば、ヘキサフロロアセトンの気相
接触水添はクロム酸銅触媒上で行われ、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロピルアル
コールの収率は使用したケトンの部分的な転化率
(83%)に対して約40%とかなり低く、その結果、
実施困難で循環にコストがかかることとなる。 次いで、フランス特許第2133126号は、アルカ
ル金属型の無機塩基で活性化したパラジウムを含
む触媒の存在下で、パーフロロアセトンをヘキサ
フロロイソプロピルアルコールに液相で水添する
方法を記載している。このような方法で活性化し
た触媒は出発ケトンの部分的転化(80〜86%)を
得ることを可能とするものであるが、水添時間が
約7時間と長く、また使用するヘキサフロロアセ
トンを精製する必要がある。従つて、あらかじめ
高圧下で蒸留する必要があるが、これは製造工程
を妨げることとなり、また触媒寿命を特定してい
ない。 更に、フランス特許第2493831号は、ルテニウ
ム、プラチナを除外して、ニツケル若しくはパラ
ジウム触媒の存在下でヘキサフロロアセトン水和
物の気相水添方法を記載している。この方法は、
特に高純度で、英国特許第2086891号明細書に記
載の複雑な方法によつて精製したケトン水和物を
使用することが絶対に必要であるという大きな欠
点を有しており、このような出発物質を高純度に
精製することは不可欠であるために、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロピルアル
コールの製造法がかなり複雑なものとなつてい
る。 最後に、活性炭を担体とするロジウム触媒の存
在下に、気相若しくは場合によつて液相でヘキサ
フロロアセトンから1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフロロイソプロピルアルコールを製造する方
法を記載している特公昭58−88330号について述
べる。この方法の主な欠点は著しく高価な触媒を
用いる点にある。加えて、実施例2において、操
作の3時間目から4時間目の間に収率が100%か
ら98%へと極くわずかだが落ちていることによつ
て、時間の経過に伴う触媒の実際の挙動に関して
異なつた解釈をすることができる。実際、もしも
この収率の低下が同じ割合で続くならば、操作の
50時間毎に滞留時間を倍にしていかなければなら
ないことになり、経済的観点から実行できるもの
ではない。 本発明は、容易に製造可能で取り扱いも簡単な
粗出発物質をたとえ使用した場合であつても、触
媒寿命、収率および生産性に損失を与えることな
く、2,2,2−トリフロロエタノールまたは
1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロ
ピルアルコールを得ることのできる簡単で、適用
性があり、且つ特に経済的に優れた方法を提供す
ることによつて、上述した各種欠点を克服するこ
とを可能とするものである。 本発明による方法は、以下に示す一般式
(): ただし、上記式においてR1は水素原子若しく
はトリフロロメチル基を表わし、R2は水素原子
若しくは炭素数1〜8で、場合によつては部分的
に弗素化された直鎖または分枝鎖アルキル基を表
わす、 を有する化合物を、活性炭を担体とするパラジウ
ムを含む触媒および場合によつては第三脂肪族ア
ミンからなる助触媒の存在下で液相水添分解する
ことから成る。 本発明の方法において出発物質として使用する
一般式()の化合物は、以下の反応式(C)に示さ
れるように、水(R2=H)またはアルコール
(R2=置換されていてもよいアルキル)とフロラ
ール(R1=H)またはヘキサフロロアセトン
(R1=CF3)とを公知の方法で反応させることに
よつて粗製状態で得ることができる。 アルキル基R2の例としては、特にメチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘ
キシル、2,2,2−トリフロロエチルおよび
1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロ−2−プ
ロピル基を挙げることができる。 得られる化合物の熱安定性は本質的には温度、
圧力および該化合物の化学的性質に依存する。一
般には、R2がHの水和物は安定であるが、蒸留
によつて精製することは困難である。R2がアル
キルのヘミアセタール類は、R2に含まれる炭素
原子数が低くなるのに比例して安定となる。また
その製精には、減圧(200トル)下で短い滞留時
間(流下フイルム形分子蒸留)での蒸留を必要と
することが多い。例を挙げるならば、粗ヘミアセ
タール:CF3−CH(OH)−OCH3は安定で、大気
圧下で分解することなく蒸留することができ(沸
点:96℃/760トル)、従つてより重質量の塩素化
化合物および塩酸から分離することができ、蒸留
装置のボイラ中での長すぎる滞留時間(約2〜3
分)を避けることができる場合には99.9%以上の
純度の生成物を得ることができる。一方、著しく
不安定なヘミアセタール:CF3−CH(OH)−
OCH2・CF3の場合には蒸留で精製することがで
きない。しかしながら、本発明によれば、該ヘミ
アセタールであつても粗製状態で、すなわち1〜
10モル%のクロロヘミアセタール:CF2Cl−CH
(OH)−OCH2CF3、0.1〜10モル%のジクロロヘ
ミアセタール:CFCl2−CH(OH)−OCH2CF3お
よび1〜10モル%の塩酸を含んでいる混合物の形
で使用することができる。 本発明の方法に使用する触媒のパラジウム量
は、0.1〜10重量%の範囲内であるが、約5%の
パラジウムを含む触媒を用いることが好ましい。
もちろん、使用する触媒の量は、そのパラジウム
含量に依存し、市販の5%のパラジウムを含む触
媒の場合では、上記量は使用する粗製基質即ち、
水和物またはヘミアセタールの重量に対して0.2
〜2.5%の範囲、好ましくは0.3〜1%の範囲であ
る。 水添分解操作を行う前に、触媒をあらかじめ反
応容器内で活性化してもしなくともよいが、例え
ば活性化を行う場合には、34〜45バールの水素圧
下で25〜100℃の温度範囲で行う。 各水添分解操作の後、触媒は、反応混合物から
デカントし、次いで濾過により分離し、次に水若
しくは本発明の方法中で合成される精製アルコー
ル1またはそれ以上の回数洗滌することにより、
効率よく分離できる。あるいは、反応混合物と接
触させたまま、好ましくは48時間以上放置してお
き、重力によつて分離させ、しかる後、反応混合
物を水素雰囲気下に排液することによつて分離
し、次の操作を同じ触媒量を用いて開始してもよ
い。 基質と、場合によつては助触媒とからなる反応
体を反応の開始時点で触媒と共に導入しておくこ
とが可能である。しかしながら、時間の経過と共
に触媒があまりに速く失活するのを避けるため
に、上記反応体混合物を、前の工程で合成したア
ルコール、若しくは精製したアルコールと触媒と
から成る混合物中に徐々に加えるのが好ましい。
触媒の不活性化は反応中に形成されるパラジウム
の結晶の大きさをX−線回折で研究することによ
つても追跡することができる。実際、水添分解率
は触媒の活性粒子の直径の2乗に反比例する。凝
集現象によるこれら粒子の成長は触媒種の活性の
低下に対応するので、失活現象の加速を避けるた
めには、始めの粒子若しくは結晶が4nm以下、好
ましくは2〜4nmの直径を有しているアモルフア
ス状の十分に細かい触媒を使用することが好まし
い。 上記水添分解は、80〜130℃の温度範囲、好ま
しくは90〜110℃で、20〜50バールの圧力、好ま
しくは35〜45バールで行われる。 本発明による方法の好ましい態様に従つて、基
質および場合によつては助触媒から成る反応体を
水添分解反応容器に徐々に添加する場合には、該
添加時間は0.2〜5時間、好ましくは0.75〜1.25時
間の範囲である。触媒があまり速く失活するのを
防ぐためには、反応体を添加する速度を、水添分
解の速度とできる限り正確に一致させることがと
りわけ有利である。この結果を得るための最も適
切な制御システムは、注入ポンプの排出を水素消
費量(それ自体水素の流量或いは圧力と関係を有
している)によつて制御することである。こうす
ることによつて、時間の経過と共に触媒がゆつく
り失活すると共に、この活性のわずかなロスは反
応体の添加時間をそれに応じて長くすることによ
つて償われ、本発明による方法の経済性のみでな
く適用性もかなり増加することになる。 第3脂肪族アミンからなる助触媒の使用は本発
明の必須構成要件である。該助触媒はヘミアセタ
ールの反応開始を促進するだけでなく、他の異種
イオンをトラツプすることもできる。他のイオン
とは、特に塩素イオン、弗素イオンであり、これ
らは触媒の調節できない結晶化を促進し、その結
果触媒を失活させるものである。助触媒の使用
は、例えばメタノールのようなC1またはC2脂肪
族アルコールから生成する安定なヘミアセタール
を基質として使用する場合に特に有利である。殆
どの場合、水添分解後に反応溶液から蒸留によつ
て助触媒を除去し、次の操作に循環することは容
易である。この目的のためには、適当な沸点を有
する物質を助触媒として選べば十分であり、また
塩基性であるため、蒸留開始時に必要であればア
ンモニウム塩の形に中和することも容易である。
該アンモニウム塩は安定であり、蒸留終了時に水
酸化ナトリウム等の強塩基によつて回収すること
ができる。 助触媒として使用される第3脂肪族アミンは以
下の一般式()を有している。 ただし、上記式においてR3,R4およびR5は同
一若しくは異なつており、各々水酸基によつて置
換されていてもよいアルキル基を表わす。 助触媒にはトリエチルアミンを用いるのが好ま
しいが、他にもトリメチルアミン、トリ−n−プ
ロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエチ
ルアミン、ジメチルエタノールアミンおよびトリ
エタノールアミンを非限定的な例として挙げるこ
とができる。 助触媒の量は、水添分解に付される基質(水和
物またはヘミアセタール)の純度に依つて大きく
変わる。出来る限り純度の高い基質を用いて反応
を開始するのが当然のことながら好ましいが、こ
れは常に実行できることではない。というのは、
低品位の弗素化触媒を用いれば、それだけ生成物
中の塩素化物の量が多くなるし、またアルコール
2次反応が低温でカルボニル誘導体を吸収するこ
とが不可欠であるために、蒸留等で分離すること
ができない塩酸、塩素化水和物、弗素化水和物等
の溶解度を増大させるからである。助触媒の量
は、好ましくは0でない粗出発物質中に存在する
塩化副生物のモル数以下の範囲から選択され、
H+当量で計算し、5〜500%のモル過剰まで増加
する。 使用する溶媒は脂肪族ケトン、エーテル、グリ
コール、塩素化溶媒等のいずれの慣用溶媒でもよ
いが、本発明の方法によつて製造される2,2,
2−トリフロロエタノールや1,1,1,3,
3,3−ヘキサフロロイソプロピルアルコール等
の多弗素化アルコールを使用することが好まし
い。また一般式:R2OH(R2は上述した定義通り)
の脂肪族アルコールを使用することも可能であ
る。使用する溶媒の量は使用する基質の重量に対
して0〜100%の範囲であり、水添分解の反応容
器の形状、特に撹拌が十分行えるようにする点と
求められる生産性の点に基いてのみ決定する。 本発明の方法は、公知の型の装置で行うことが
できる。即ち、適当な機械的手段で撹拌すること
ができ、50バールの圧力で操作が可能で、且つ触
媒懸濁液を排出する装置およびフイルタ、ポン
プ、水素圧制御等の必要な付属装置を有している
オートクレーブを用いる。内部を適切にコーテイ
ングして耐蝕性とすることは必要ではないが、外
部イオン(Fe2+,Cr3+,Ni2+等)によつて反応
が阻害されるのを防ぐために施しても良い。 本発明による水添分解は、固定触媒床を用いて
連続液相状で行うことも可能である。 生成する多弗素化アルコールは単離した後、蒸
留およびモレキユラー・シーブによる乾燥等の慣
用手段で精製することができる。その純度はガス
クロマトグラフイーで測定することができる。 以下の実施例によつて本発明を更に詳しく説明
するが、本発明の範囲は何等これによつて制限さ
れない。使用する触媒はエンゲルハルト
(Engelhardt)社製の標準触媒であり、活性炭を
担体とする5%のパラジウムを含有しており、各
粒子が0.5μm以上の直径を有する微粉末状であ
る。また以下の表において記載したC2の語は一
般式:CFxCl3-xCHO(Xは1,2または3を表わ
す)を有する化合物を表わす。 実施例 1 粗CF3−CH(OH)−OCH2CH3の水添分解 マグネテイツク・スターラーを具備する0.1リ
ツトルのオートクレーブ中に、触媒0.51gを入れ、
次いで粗ヘミアセタール51gを入れる。該粗ヘミ
アセタールはモル数で94%のCF3−CH(OH)−
OCH2−CH3(0.332モル)、6%のCF2Cl−CH
(OH)−O−CH2−CH3(0.021モル)、4.36×10-3
モルの溶解塩酸および0.18×10-3モルの溶解弗化
水素酸を含有している。次いでトリエチルアミン
4.7g(0.0465モル)を加えるが、これは理論値に
対して82%のモル過剰である。反応容器を閉じ
て、封入空気を窒素で除去し、次いで水素を徐々
に導入する。しかる後、撹拌しながら水素圧を43
〜44バールに調整して反応混合物を約120℃に加
熱する。 水素の消費に対応する圧力の低下は33〜43大気
圧の水素を連続的に添加することによつて補う。
水素の吸収が終了した時点で反応混合物を急速に
冷却し、液体窒素で約−196℃に保持した容器中
でガス抜きをした後、反応容器を開いて、触媒と
混じつた反応生成物を容器に移し、該容器中で触
媒懸濁液を重力によつて分離するために放置す
る。触媒を分離した後、水添分解生成物のサンプ
ルを分析する。水溶液のPHを記録し、反応中に生
じた塩素イオン(Cl-)および弗素イオン(F-)
を無機分析法で測定する。 次いで同じ操作条件、同じ装置、同じ基質、同
じ助触媒を用いて、同じ触媒量を更に2回循環す
る。第1表は上記操作によつて得られた結果を示
すものである。
の水和物若しくはヘミアセタールを水添分解する
ことによつて、2,2,2−トリフロロエタノー
ルおよび1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロ
イソプロピルアルコールを製造する方法に関す
る。 吸収を利用するヒートポンプ等のエネルギー回
収、麻酔等の薬品や溶媒といつた広い分野で利用
されている2,2,2−トリフロロエタノールの
ような弗素化第1アルコールの工業的原料の主た
るものは、対応する酸(この場合にはトリフロロ
酢酸)若しくは酸誘導体(エステル、酸クロリ
ド、無水物、アミド)を貴金属群(ロジウム、ル
テニウム、プラチナ、パラジウム)から一般に選
ばれる触媒の存在下に水素で還元する方法に依る
ものである。従来用いられた主な方法のうち、例
えばトリフロロ酢酸無水物の水添(米国特許第
4255594号)、トリフロロ酢酸の水添(米国特許第
4273947号)、トリフロロ酢酸エステルの水添(欧
州特許第36939号)、トリフロロアセトアミドの水
添〔M.ギルマン(Gilman);ジヤーナル・オ
ブ・アメリカン・ケミカル・ソサエテイー(J.A.
C.S.),70,1281〜1282(1948)〕およびトリフロ
ロアセチルクロリドの水添分解(米国特許第
3970710号)を挙げることができる。しかしなが
ら、これらの方法は時間の経過と共に触媒活性が
落ちるという欠点に加えて、出発物質(殆んどの
場合、塩素化化合物であるが)をいつたん酸化し
て酸またはその誘導体とし、更に該酸をアルコー
ルに還元しなければならないという経済的不利益
を有しており、このように工程が追加されること
はこれらの製造の効率という点からすると著しく
負担となる。 他の製造法として、トリフロロアセトアルデヒ
ド(以下フロラールと呼ぶ)またはその誘導体を
水添する方法がある。フロラール水和物のラネー
ニツケルによる80℃、95バールでの液相水添によ
つて得られる収率はかなり低い(フランス国特許
第1399290号)。該明細書では触媒寿命および出発
物質に要求される純度についての記載はなく、ま
た触媒に常に吸収されている水酸化ナトリウムと
の間で以下の反応式(A)に示されるハロホルム反応
として知られている副反応を生じる危険がある。 CF3CHO+NaOH→CHF3+HCOONa (A) 更に、米国特許第2982789号は、トリフロロ酢
酸クロリドをパラジウム触媒で水添分解する最初
の工程(ローゼンムント反応)によつて生成する
フロラール塩酸塩:CF3CH(Cl)OHの気相水添
について記載しているが、フロラールの水添に用
いる触媒は弗化カルシウムを担体とするクロム酸
銅であり、その時間の経過に伴う活性は記載され
ていないが、約250℃で作用し、中間体フロラー
ルを部分的に(約60〜65%)転化するのみであ
る。加えて、転化されなかつたフロラール塩酸塩
を循環することは非常な危険を伴う。何故なら、
該フロラール塩酸塩は熱に不安定であり、以下の
反応式(B)に示される分解が温度の上昇若しくは圧
力の減少によつて、30℃で既に促進されるからで
ある。 更に、米国特許第3468964号は、アルミナを担
体とするパラジウムを含む触媒の存在下で低温
(最高温度140℃)で行うフロラールの気相水添に
ついて記載している。この方法によると、トリフ
ロロエタノールの収率が86%と普通であること、
触媒を200℃、純酸素中で非常にしばしば再生す
る必要があることおよびフロラールを純粋状態
(重合体)で取り扱うことが著しく困難であるこ
と等が、この方法をあまり魅力のないものとして
いる。 またフランス特許第2027172号はパーハロケト
ンの活性炭を担体とするパラジウム触媒上で気相
水添する方法に関するものであるが、特にヘキサ
フロロアセトン:CF3COCF3を1,1,1,3,
3,3−ヘキサフロロイソプロピルアルコールに
接触水添する方法を記載しているが、得られる収
率が75%であること、出発物質(沸点:−27.4
℃/760トル)の取り扱いの困難さの故にこの方
法はあまり経済的なものとはいえない。フランス
特許第2479803号によれば、ヘキサフロロアセト
ンの1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロイソ
プロピルアルコールへの気相接触水添はニツケル
触媒を用いて行われるが、20時間以上の連続操作
に対しては触媒寿命を何等規定しておらず、とり
わけ、この方法では純粋な出発物質を使用するこ
とが要求されるが、これはヘキサフロロアセトン
の場合には困難である。またフランス特許第
131260号によれば、ヘキサフロロアセトンの気相
接触水添はクロム酸銅触媒上で行われ、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロピルアル
コールの収率は使用したケトンの部分的な転化率
(83%)に対して約40%とかなり低く、その結果、
実施困難で循環にコストがかかることとなる。 次いで、フランス特許第2133126号は、アルカ
ル金属型の無機塩基で活性化したパラジウムを含
む触媒の存在下で、パーフロロアセトンをヘキサ
フロロイソプロピルアルコールに液相で水添する
方法を記載している。このような方法で活性化し
た触媒は出発ケトンの部分的転化(80〜86%)を
得ることを可能とするものであるが、水添時間が
約7時間と長く、また使用するヘキサフロロアセ
トンを精製する必要がある。従つて、あらかじめ
高圧下で蒸留する必要があるが、これは製造工程
を妨げることとなり、また触媒寿命を特定してい
ない。 更に、フランス特許第2493831号は、ルテニウ
ム、プラチナを除外して、ニツケル若しくはパラ
ジウム触媒の存在下でヘキサフロロアセトン水和
物の気相水添方法を記載している。この方法は、
特に高純度で、英国特許第2086891号明細書に記
載の複雑な方法によつて精製したケトン水和物を
使用することが絶対に必要であるという大きな欠
点を有しており、このような出発物質を高純度に
精製することは不可欠であるために、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロピルアル
コールの製造法がかなり複雑なものとなつてい
る。 最後に、活性炭を担体とするロジウム触媒の存
在下に、気相若しくは場合によつて液相でヘキサ
フロロアセトンから1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフロロイソプロピルアルコールを製造する方
法を記載している特公昭58−88330号について述
べる。この方法の主な欠点は著しく高価な触媒を
用いる点にある。加えて、実施例2において、操
作の3時間目から4時間目の間に収率が100%か
ら98%へと極くわずかだが落ちていることによつ
て、時間の経過に伴う触媒の実際の挙動に関して
異なつた解釈をすることができる。実際、もしも
この収率の低下が同じ割合で続くならば、操作の
50時間毎に滞留時間を倍にしていかなければなら
ないことになり、経済的観点から実行できるもの
ではない。 本発明は、容易に製造可能で取り扱いも簡単な
粗出発物質をたとえ使用した場合であつても、触
媒寿命、収率および生産性に損失を与えることな
く、2,2,2−トリフロロエタノールまたは
1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロ
ピルアルコールを得ることのできる簡単で、適用
性があり、且つ特に経済的に優れた方法を提供す
ることによつて、上述した各種欠点を克服するこ
とを可能とするものである。 本発明による方法は、以下に示す一般式
(): ただし、上記式においてR1は水素原子若しく
はトリフロロメチル基を表わし、R2は水素原子
若しくは炭素数1〜8で、場合によつては部分的
に弗素化された直鎖または分枝鎖アルキル基を表
わす、 を有する化合物を、活性炭を担体とするパラジウ
ムを含む触媒および場合によつては第三脂肪族ア
ミンからなる助触媒の存在下で液相水添分解する
ことから成る。 本発明の方法において出発物質として使用する
一般式()の化合物は、以下の反応式(C)に示さ
れるように、水(R2=H)またはアルコール
(R2=置換されていてもよいアルキル)とフロラ
ール(R1=H)またはヘキサフロロアセトン
(R1=CF3)とを公知の方法で反応させることに
よつて粗製状態で得ることができる。 アルキル基R2の例としては、特にメチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘ
キシル、2,2,2−トリフロロエチルおよび
1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロ−2−プ
ロピル基を挙げることができる。 得られる化合物の熱安定性は本質的には温度、
圧力および該化合物の化学的性質に依存する。一
般には、R2がHの水和物は安定であるが、蒸留
によつて精製することは困難である。R2がアル
キルのヘミアセタール類は、R2に含まれる炭素
原子数が低くなるのに比例して安定となる。また
その製精には、減圧(200トル)下で短い滞留時
間(流下フイルム形分子蒸留)での蒸留を必要と
することが多い。例を挙げるならば、粗ヘミアセ
タール:CF3−CH(OH)−OCH3は安定で、大気
圧下で分解することなく蒸留することができ(沸
点:96℃/760トル)、従つてより重質量の塩素化
化合物および塩酸から分離することができ、蒸留
装置のボイラ中での長すぎる滞留時間(約2〜3
分)を避けることができる場合には99.9%以上の
純度の生成物を得ることができる。一方、著しく
不安定なヘミアセタール:CF3−CH(OH)−
OCH2・CF3の場合には蒸留で精製することがで
きない。しかしながら、本発明によれば、該ヘミ
アセタールであつても粗製状態で、すなわち1〜
10モル%のクロロヘミアセタール:CF2Cl−CH
(OH)−OCH2CF3、0.1〜10モル%のジクロロヘ
ミアセタール:CFCl2−CH(OH)−OCH2CF3お
よび1〜10モル%の塩酸を含んでいる混合物の形
で使用することができる。 本発明の方法に使用する触媒のパラジウム量
は、0.1〜10重量%の範囲内であるが、約5%の
パラジウムを含む触媒を用いることが好ましい。
もちろん、使用する触媒の量は、そのパラジウム
含量に依存し、市販の5%のパラジウムを含む触
媒の場合では、上記量は使用する粗製基質即ち、
水和物またはヘミアセタールの重量に対して0.2
〜2.5%の範囲、好ましくは0.3〜1%の範囲であ
る。 水添分解操作を行う前に、触媒をあらかじめ反
応容器内で活性化してもしなくともよいが、例え
ば活性化を行う場合には、34〜45バールの水素圧
下で25〜100℃の温度範囲で行う。 各水添分解操作の後、触媒は、反応混合物から
デカントし、次いで濾過により分離し、次に水若
しくは本発明の方法中で合成される精製アルコー
ル1またはそれ以上の回数洗滌することにより、
効率よく分離できる。あるいは、反応混合物と接
触させたまま、好ましくは48時間以上放置してお
き、重力によつて分離させ、しかる後、反応混合
物を水素雰囲気下に排液することによつて分離
し、次の操作を同じ触媒量を用いて開始してもよ
い。 基質と、場合によつては助触媒とからなる反応
体を反応の開始時点で触媒と共に導入しておくこ
とが可能である。しかしながら、時間の経過と共
に触媒があまりに速く失活するのを避けるため
に、上記反応体混合物を、前の工程で合成したア
ルコール、若しくは精製したアルコールと触媒と
から成る混合物中に徐々に加えるのが好ましい。
触媒の不活性化は反応中に形成されるパラジウム
の結晶の大きさをX−線回折で研究することによ
つても追跡することができる。実際、水添分解率
は触媒の活性粒子の直径の2乗に反比例する。凝
集現象によるこれら粒子の成長は触媒種の活性の
低下に対応するので、失活現象の加速を避けるた
めには、始めの粒子若しくは結晶が4nm以下、好
ましくは2〜4nmの直径を有しているアモルフア
ス状の十分に細かい触媒を使用することが好まし
い。 上記水添分解は、80〜130℃の温度範囲、好ま
しくは90〜110℃で、20〜50バールの圧力、好ま
しくは35〜45バールで行われる。 本発明による方法の好ましい態様に従つて、基
質および場合によつては助触媒から成る反応体を
水添分解反応容器に徐々に添加する場合には、該
添加時間は0.2〜5時間、好ましくは0.75〜1.25時
間の範囲である。触媒があまり速く失活するのを
防ぐためには、反応体を添加する速度を、水添分
解の速度とできる限り正確に一致させることがと
りわけ有利である。この結果を得るための最も適
切な制御システムは、注入ポンプの排出を水素消
費量(それ自体水素の流量或いは圧力と関係を有
している)によつて制御することである。こうす
ることによつて、時間の経過と共に触媒がゆつく
り失活すると共に、この活性のわずかなロスは反
応体の添加時間をそれに応じて長くすることによ
つて償われ、本発明による方法の経済性のみでな
く適用性もかなり増加することになる。 第3脂肪族アミンからなる助触媒の使用は本発
明の必須構成要件である。該助触媒はヘミアセタ
ールの反応開始を促進するだけでなく、他の異種
イオンをトラツプすることもできる。他のイオン
とは、特に塩素イオン、弗素イオンであり、これ
らは触媒の調節できない結晶化を促進し、その結
果触媒を失活させるものである。助触媒の使用
は、例えばメタノールのようなC1またはC2脂肪
族アルコールから生成する安定なヘミアセタール
を基質として使用する場合に特に有利である。殆
どの場合、水添分解後に反応溶液から蒸留によつ
て助触媒を除去し、次の操作に循環することは容
易である。この目的のためには、適当な沸点を有
する物質を助触媒として選べば十分であり、また
塩基性であるため、蒸留開始時に必要であればア
ンモニウム塩の形に中和することも容易である。
該アンモニウム塩は安定であり、蒸留終了時に水
酸化ナトリウム等の強塩基によつて回収すること
ができる。 助触媒として使用される第3脂肪族アミンは以
下の一般式()を有している。 ただし、上記式においてR3,R4およびR5は同
一若しくは異なつており、各々水酸基によつて置
換されていてもよいアルキル基を表わす。 助触媒にはトリエチルアミンを用いるのが好ま
しいが、他にもトリメチルアミン、トリ−n−プ
ロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエチ
ルアミン、ジメチルエタノールアミンおよびトリ
エタノールアミンを非限定的な例として挙げるこ
とができる。 助触媒の量は、水添分解に付される基質(水和
物またはヘミアセタール)の純度に依つて大きく
変わる。出来る限り純度の高い基質を用いて反応
を開始するのが当然のことながら好ましいが、こ
れは常に実行できることではない。というのは、
低品位の弗素化触媒を用いれば、それだけ生成物
中の塩素化物の量が多くなるし、またアルコール
2次反応が低温でカルボニル誘導体を吸収するこ
とが不可欠であるために、蒸留等で分離すること
ができない塩酸、塩素化水和物、弗素化水和物等
の溶解度を増大させるからである。助触媒の量
は、好ましくは0でない粗出発物質中に存在する
塩化副生物のモル数以下の範囲から選択され、
H+当量で計算し、5〜500%のモル過剰まで増加
する。 使用する溶媒は脂肪族ケトン、エーテル、グリ
コール、塩素化溶媒等のいずれの慣用溶媒でもよ
いが、本発明の方法によつて製造される2,2,
2−トリフロロエタノールや1,1,1,3,
3,3−ヘキサフロロイソプロピルアルコール等
の多弗素化アルコールを使用することが好まし
い。また一般式:R2OH(R2は上述した定義通り)
の脂肪族アルコールを使用することも可能であ
る。使用する溶媒の量は使用する基質の重量に対
して0〜100%の範囲であり、水添分解の反応容
器の形状、特に撹拌が十分行えるようにする点と
求められる生産性の点に基いてのみ決定する。 本発明の方法は、公知の型の装置で行うことが
できる。即ち、適当な機械的手段で撹拌すること
ができ、50バールの圧力で操作が可能で、且つ触
媒懸濁液を排出する装置およびフイルタ、ポン
プ、水素圧制御等の必要な付属装置を有している
オートクレーブを用いる。内部を適切にコーテイ
ングして耐蝕性とすることは必要ではないが、外
部イオン(Fe2+,Cr3+,Ni2+等)によつて反応
が阻害されるのを防ぐために施しても良い。 本発明による水添分解は、固定触媒床を用いて
連続液相状で行うことも可能である。 生成する多弗素化アルコールは単離した後、蒸
留およびモレキユラー・シーブによる乾燥等の慣
用手段で精製することができる。その純度はガス
クロマトグラフイーで測定することができる。 以下の実施例によつて本発明を更に詳しく説明
するが、本発明の範囲は何等これによつて制限さ
れない。使用する触媒はエンゲルハルト
(Engelhardt)社製の標準触媒であり、活性炭を
担体とする5%のパラジウムを含有しており、各
粒子が0.5μm以上の直径を有する微粉末状であ
る。また以下の表において記載したC2の語は一
般式:CFxCl3-xCHO(Xは1,2または3を表わ
す)を有する化合物を表わす。 実施例 1 粗CF3−CH(OH)−OCH2CH3の水添分解 マグネテイツク・スターラーを具備する0.1リ
ツトルのオートクレーブ中に、触媒0.51gを入れ、
次いで粗ヘミアセタール51gを入れる。該粗ヘミ
アセタールはモル数で94%のCF3−CH(OH)−
OCH2−CH3(0.332モル)、6%のCF2Cl−CH
(OH)−O−CH2−CH3(0.021モル)、4.36×10-3
モルの溶解塩酸および0.18×10-3モルの溶解弗化
水素酸を含有している。次いでトリエチルアミン
4.7g(0.0465モル)を加えるが、これは理論値に
対して82%のモル過剰である。反応容器を閉じ
て、封入空気を窒素で除去し、次いで水素を徐々
に導入する。しかる後、撹拌しながら水素圧を43
〜44バールに調整して反応混合物を約120℃に加
熱する。 水素の消費に対応する圧力の低下は33〜43大気
圧の水素を連続的に添加することによつて補う。
水素の吸収が終了した時点で反応混合物を急速に
冷却し、液体窒素で約−196℃に保持した容器中
でガス抜きをした後、反応容器を開いて、触媒と
混じつた反応生成物を容器に移し、該容器中で触
媒懸濁液を重力によつて分離するために放置す
る。触媒を分離した後、水添分解生成物のサンプ
ルを分析する。水溶液のPHを記録し、反応中に生
じた塩素イオン(Cl-)および弗素イオン(F-)
を無機分析法で測定する。 次いで同じ操作条件、同じ装置、同じ基質、同
じ助触媒を用いて、同じ触媒量を更に2回循環す
る。第1表は上記操作によつて得られた結果を示
すものである。
【表】
実施例 2
粗CF3−CH(OH)−OCH2CH3の水添分解
次の点を除いて、実施例1と同様に3回の操作
を行つた。 (1)用いた粗ヘミアセタールは96モル%のCF3−
CH(OH)−OC2H5、4モル%のCF2Cl−CH
(OH)−OC2H5、1.83×10-3モルのHClおよび
2.74×10-3モルのHFを含有する。 (2)触媒は0.17gのみを用い、該触媒は各操作毎に
更新する。 (3)トリエチルアミンの量は、操作No.21では0.0247
モル、操作No.22では0.0455モル、操作No.23では
0.0860モルと変えて使用した。 第2表は、上記操作によつて得られた結果をま
とめたものである。 実施例1で得た結果と比較してみると、反応過
程における触媒と助触媒の各々の効果を評価する
ことができる。
を行つた。 (1)用いた粗ヘミアセタールは96モル%のCF3−
CH(OH)−OC2H5、4モル%のCF2Cl−CH
(OH)−OC2H5、1.83×10-3モルのHClおよび
2.74×10-3モルのHFを含有する。 (2)触媒は0.17gのみを用い、該触媒は各操作毎に
更新する。 (3)トリエチルアミンの量は、操作No.21では0.0247
モル、操作No.22では0.0455モル、操作No.23では
0.0860モルと変えて使用した。 第2表は、上記操作によつて得られた結果をま
とめたものである。 実施例1で得た結果と比較してみると、反応過
程における触媒と助触媒の各々の効果を評価する
ことができる。
【表】
実施例 3
粗CF3−CH(OH)2の水添分解
触媒を0.51g、精製トリエチルアミン5.38g
(0.053モル)および以下の組成を有する粗フロラ
ール水和物43gを用いて実施例1と同様の操作を
行つた。 CF3−CH(OH)2 …0.337モル CF2Cl―CH(OH)2 …0.022モル 溶解HCl …0.0095モル 溶解HF …6.88×10-5モル 約35〜45バール、120℃で4時間反応させた後、
反応は完了し、2,2,2−トリフロロエタノー
ルの収率は定量的であつた。分析の結果、C2100
モル当たりの生成Cl-は5.47で、C2100モル当たり
の生成F-は1.07であつた。 実施例 4 粗CF3−CH(OH)−O−CH2−CF3の水添分
解 触媒0.43g、精製トリエチルアミン5.35g(0.053
モル)および以下の組成を有する粗ヘミアセター
ル59.4gを用いて実施例1と同様の操作を行つた。 CF3−CH(OH)−O−CH2CF3 …0.300モル CF2Cl−CH(OH)−O−CH2CF3 …0.018モル 溶解HCl …0.012モル 溶解HF …0.0003モル 35〜50バール、120℃で1時間反応させた後の
2,2,2−トリフロロエタノールへの転化率は
100%である。水添分解生成物の水溶液のPHは9.7
であり、分析の結果、C2100モル当たりの生成
Cl-は7.26で、C2100モル当たりの生成F-は0.60で
ある。 上記操作に由来する触媒を用いて第2回目の操
作を行い。以下の結果を得た。 5時間反応後のCF3CH2OHへの転化率 …89% pH …6.0 生成Cl- …7.00 生成F- …0.72 実施例 5 粗CF3−CH(OH)−OCH2CF3の水添分解 精製2,2,2−トリフロロエタノール20.9g
と触媒0.44gとを実施例1と同じオートクレーブ
に入れ、該混合物を40バールの水素圧で30分間、
100℃に加熱して活性化する。 上記温度および水素圧を保持しながら、トリエ
チルアミン1.82g(0.018モル)と以下の組成を有
する粗ヘミアセタール61gとを72分に渡つて徐々
に添加する。 CF3−CH(OH)−O−CH2−CF3 …0.292モル CF2Cl−CH(OH)−O−CH2−CF3 …0.008モル CFCl2−CH(OH)−O−CH2−CF3
…0.0009モル 溶解HCl …0.0068モル 溶解HF …1.7×10-5モル 上記添加が終了した時点でも水素吸収は続き、
それは水素消費が無くなることによつて示唆され
る反応の終了時まで継続する。 反応容器を液体窒素中に入れて反応混合物を急
速に冷却した後、反応容器を開いて固形物を0.5
ミクロンのフイルタで分離することによつて触媒
をすばやく回収する。該触媒を8回水洗し、200
トル、周囲温度で20分間乾燥し、次に1トル、周
囲温度で2時間乾燥し、次いで最終的に1トル、
約95℃で2時間乾燥する。 このように処理した触媒を、同じ操作条件を用
いる更に2回の逐次操作へと循環する。以下の第
3表は、上記3回の逐次操作で得られた結果をま
とめたものである。
(0.053モル)および以下の組成を有する粗フロラ
ール水和物43gを用いて実施例1と同様の操作を
行つた。 CF3−CH(OH)2 …0.337モル CF2Cl―CH(OH)2 …0.022モル 溶解HCl …0.0095モル 溶解HF …6.88×10-5モル 約35〜45バール、120℃で4時間反応させた後、
反応は完了し、2,2,2−トリフロロエタノー
ルの収率は定量的であつた。分析の結果、C2100
モル当たりの生成Cl-は5.47で、C2100モル当たり
の生成F-は1.07であつた。 実施例 4 粗CF3−CH(OH)−O−CH2−CF3の水添分
解 触媒0.43g、精製トリエチルアミン5.35g(0.053
モル)および以下の組成を有する粗ヘミアセター
ル59.4gを用いて実施例1と同様の操作を行つた。 CF3−CH(OH)−O−CH2CF3 …0.300モル CF2Cl−CH(OH)−O−CH2CF3 …0.018モル 溶解HCl …0.012モル 溶解HF …0.0003モル 35〜50バール、120℃で1時間反応させた後の
2,2,2−トリフロロエタノールへの転化率は
100%である。水添分解生成物の水溶液のPHは9.7
であり、分析の結果、C2100モル当たりの生成
Cl-は7.26で、C2100モル当たりの生成F-は0.60で
ある。 上記操作に由来する触媒を用いて第2回目の操
作を行い。以下の結果を得た。 5時間反応後のCF3CH2OHへの転化率 …89% pH …6.0 生成Cl- …7.00 生成F- …0.72 実施例 5 粗CF3−CH(OH)−OCH2CF3の水添分解 精製2,2,2−トリフロロエタノール20.9g
と触媒0.44gとを実施例1と同じオートクレーブ
に入れ、該混合物を40バールの水素圧で30分間、
100℃に加熱して活性化する。 上記温度および水素圧を保持しながら、トリエ
チルアミン1.82g(0.018モル)と以下の組成を有
する粗ヘミアセタール61gとを72分に渡つて徐々
に添加する。 CF3−CH(OH)−O−CH2−CF3 …0.292モル CF2Cl−CH(OH)−O−CH2−CF3 …0.008モル CFCl2−CH(OH)−O−CH2−CF3
…0.0009モル 溶解HCl …0.0068モル 溶解HF …1.7×10-5モル 上記添加が終了した時点でも水素吸収は続き、
それは水素消費が無くなることによつて示唆され
る反応の終了時まで継続する。 反応容器を液体窒素中に入れて反応混合物を急
速に冷却した後、反応容器を開いて固形物を0.5
ミクロンのフイルタで分離することによつて触媒
をすばやく回収する。該触媒を8回水洗し、200
トル、周囲温度で20分間乾燥し、次に1トル、周
囲温度で2時間乾燥し、次いで最終的に1トル、
約95℃で2時間乾燥する。 このように処理した触媒を、同じ操作条件を用
いる更に2回の逐次操作へと循環する。以下の第
3表は、上記3回の逐次操作で得られた結果をま
とめたものである。
【表】
約5%の触媒の機械的ロスを考慮に入れると、
上記3回の逐次操作中における触媒活性のロスは
4%と低い。 実施例 6 粗CF3−CH(OH)−OCH2CF3の水添分解 実施例1と同じオートクレーブを用いて以下に
述べる方法で7回の逐次操作を行つた。 操作No.61 2,2,2−トリフロロエタノール20.9gと触
媒0.43gとを入れ、次いで該混合物を40バールの
水素圧で100℃に30分間加熱する。温度を約100℃
に、水素圧を40バールに保持しながら、トリエチ
ルアミン1.82gと実施例5で使用したのと同じ粗
ヘミアセタール61gとの混合物を徐々に(72分か
けて)添加する。添加終了後も水素の供給(35〜
45バール)は反応終了時まで続けられる。次いで
反応容器を液体窒素に入れて反応混合物を急冷す
る。次いで該反応混合物を重力によつて分離する
ために20時間放置した後、反応容器の底から8mm
の位置に開口部を有する浸漬パイプ(dip−pipe)
によつて反応液を取り出す。 操作No.62 操作No.61の終了時に反応容器中に残つた触媒を
用いて、操作No.61を繰り返す。 操作No.63 操作No.62の終了時に反応容器中に残つた触媒を
用いて、操作No.61を繰り返す。加えて、冷却後、
重力による分離を行うために混合物を75時間放置
し、しかる後、反応容器から反応液を取り出す。 操作No.64 操作No.63に由来する触媒を用いて操作No.61を繰
り返す。しかしながら、反応混合物を約4時間か
けて徐冷し、その後、重力による分離を行うため
に20時間放置する。 操作No.65 操作No.64に由来する触媒を用いて操作No.64を繰
り返す。 操作No.66 操作No.65に由来する触媒を用いて操作No.64を繰
り返すが、反応体を連続的に添加する前に、あら
かじめ行う触媒の活性化操作(水素圧下100℃で
加熱)を行わない。 操作No.67 操作No.66に由来する触媒を用いて操作No.64を繰
り返すが、あらかじめ活性化を行う。 以下の第4表は、上記7種の操作によつて得ら
れた結果をまとめたものである。
上記3回の逐次操作中における触媒活性のロスは
4%と低い。 実施例 6 粗CF3−CH(OH)−OCH2CF3の水添分解 実施例1と同じオートクレーブを用いて以下に
述べる方法で7回の逐次操作を行つた。 操作No.61 2,2,2−トリフロロエタノール20.9gと触
媒0.43gとを入れ、次いで該混合物を40バールの
水素圧で100℃に30分間加熱する。温度を約100℃
に、水素圧を40バールに保持しながら、トリエチ
ルアミン1.82gと実施例5で使用したのと同じ粗
ヘミアセタール61gとの混合物を徐々に(72分か
けて)添加する。添加終了後も水素の供給(35〜
45バール)は反応終了時まで続けられる。次いで
反応容器を液体窒素に入れて反応混合物を急冷す
る。次いで該反応混合物を重力によつて分離する
ために20時間放置した後、反応容器の底から8mm
の位置に開口部を有する浸漬パイプ(dip−pipe)
によつて反応液を取り出す。 操作No.62 操作No.61の終了時に反応容器中に残つた触媒を
用いて、操作No.61を繰り返す。 操作No.63 操作No.62の終了時に反応容器中に残つた触媒を
用いて、操作No.61を繰り返す。加えて、冷却後、
重力による分離を行うために混合物を75時間放置
し、しかる後、反応容器から反応液を取り出す。 操作No.64 操作No.63に由来する触媒を用いて操作No.61を繰
り返す。しかしながら、反応混合物を約4時間か
けて徐冷し、その後、重力による分離を行うため
に20時間放置する。 操作No.65 操作No.64に由来する触媒を用いて操作No.64を繰
り返す。 操作No.66 操作No.65に由来する触媒を用いて操作No.64を繰
り返すが、反応体を連続的に添加する前に、あら
かじめ行う触媒の活性化操作(水素圧下100℃で
加熱)を行わない。 操作No.67 操作No.66に由来する触媒を用いて操作No.64を繰
り返すが、あらかじめ活性化を行う。 以下の第4表は、上記7種の操作によつて得ら
れた結果をまとめたものである。
【表】
実施例 7
精製CF3−CH(OH)−OCH3の水添分解
精製2,2,2−トリフロロエタノール20gと
触媒0.60gとを実施例1で使用したのと同じオー
トクレーブ中に入れ、次いで該混合物を40バール
の水素圧で30分間、100℃に加熱して活性化する。
上記温度および水素圧を保持しながら、トリエチ
ルアミン0.63gと、精製ヘミアセタール:CF3−
CH(OH)−CCH3(純度99.5%以上)54.6gとの混
合物を1時間かけて添加する。 触媒を実施例5に記載した方法で回収し、同様
の方法で行われる更に3回の操作に再利用する。 第5表は、このようにして得た結果をまとめた
ものである。
触媒0.60gとを実施例1で使用したのと同じオー
トクレーブ中に入れ、次いで該混合物を40バール
の水素圧で30分間、100℃に加熱して活性化する。
上記温度および水素圧を保持しながら、トリエチ
ルアミン0.63gと、精製ヘミアセタール:CF3−
CH(OH)−CCH3(純度99.5%以上)54.6gとの混
合物を1時間かけて添加する。 触媒を実施例5に記載した方法で回収し、同様
の方法で行われる更に3回の操作に再利用する。 第5表は、このようにして得た結果をまとめた
ものである。
【表】
実施例 8
精製CF3−CH(OH)−OCH3の水添分解
触媒0.43g、トリエチルアミン0.455g(4.5×10-3
モル)および以下の組成を有するヘミアセタール
39gとを用いて実施例1と同様の操作を行つた。 CF3−CH(OH)−OCH3
…99.2%、即ち0.298モル CF2Cl−CH(OH)−OCH3
…0.1%、即ち0.002モル 他の不純物 …0.7% 35〜45バール、100℃で30分間反応させた後の
2,2,2−トリフロロエタノールへの転化率は
100%である。水添分解生成物の水溶液のPHは9.7
であり、分析の結果、C2100モル当たりの生成
Cl-は0.26であり、C2100モル当たりの生成F-は
0.10である。 反応容器外で重力による分離を行つた後、該触
媒を同じ条件で行う2回目の操作に使用する。5
時間反応させた後、以下に示す結果が得られた。 転化率 ……約100% pH ……8.9 生成Cl- ……0.23 生成F- ……0.16 実施例 9 実施例5と同様の操作を行つたが、トリエチル
アミンの代わりに同モル比のジメチルエチルアミ
ンを使用した。得られた結果を以下の第6表に示
す。
モル)および以下の組成を有するヘミアセタール
39gとを用いて実施例1と同様の操作を行つた。 CF3−CH(OH)−OCH3
…99.2%、即ち0.298モル CF2Cl−CH(OH)−OCH3
…0.1%、即ち0.002モル 他の不純物 …0.7% 35〜45バール、100℃で30分間反応させた後の
2,2,2−トリフロロエタノールへの転化率は
100%である。水添分解生成物の水溶液のPHは9.7
であり、分析の結果、C2100モル当たりの生成
Cl-は0.26であり、C2100モル当たりの生成F-は
0.10である。 反応容器外で重力による分離を行つた後、該触
媒を同じ条件で行う2回目の操作に使用する。5
時間反応させた後、以下に示す結果が得られた。 転化率 ……約100% pH ……8.9 生成Cl- ……0.23 生成F- ……0.16 実施例 9 実施例5と同様の操作を行つたが、トリエチル
アミンの代わりに同モル比のジメチルエチルアミ
ンを使用した。得られた結果を以下の第6表に示
す。
【表】
実施例 10
粗
【式】の水添分解
ヘキサフロロイソプロピルアルコール21gと触
媒0.42gとを実施例1で使用したのと同じオート
クレーブ中に入れ、該混合物を40バールの水素圧
で30分間、100℃に加熱する。 トリエチルアミン10.7g(0.106モル)および
C4H4F5.67Cl0.33O2の式を有し、3.25×10-3モルの
塩酸および2.25×10-4モルの弗化水素酸を有する
粗ヘミアセタールとの混合物を約70分以上かけて
導入する。 31〜46バール、100℃で6時間反応させた後の
ヘキサフロロイソプロピルアルコールへの転化率
はほぼ100%であり、C3100モル当たりの生成Cl-
は25.5、C3100モル当たりの生成F-は18.8である。
ここでC3は、一般式: C3FxCl6-xO ただしxは1〜6の整数、 を有する化合物を表す。
媒0.42gとを実施例1で使用したのと同じオート
クレーブ中に入れ、該混合物を40バールの水素圧
で30分間、100℃に加熱する。 トリエチルアミン10.7g(0.106モル)および
C4H4F5.67Cl0.33O2の式を有し、3.25×10-3モルの
塩酸および2.25×10-4モルの弗化水素酸を有する
粗ヘミアセタールとの混合物を約70分以上かけて
導入する。 31〜46バール、100℃で6時間反応させた後の
ヘキサフロロイソプロピルアルコールへの転化率
はほぼ100%であり、C3100モル当たりの生成Cl-
は25.5、C3100モル当たりの生成F-は18.8である。
ここでC3は、一般式: C3FxCl6-xO ただしxは1〜6の整数、 を有する化合物を表す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 活性炭を担体とするパラジウムを含有する触
媒と助触媒としての第3脂肪族アミンとの存在下
に、液相で行うことを特徴とする以下の一般式
(): (ただし、上記式()において、R1は水素
原子またはトリフロロメチル基を表わし、R2は
水素原子または1〜8の炭素数を有する場合によ
つては部分的に弗素化されていてもよい直鎖若し
くは分枝鎖アルキル基を表わす) を有する化合物の触媒水添分解によつて2,2,
2−トリフロロエタノールまたは1,1,1,
3,3,3−ヘキサフロロイソプロピルアルコー
ルを合成する方法。 2 上記一般式()を有する化合物と助触媒と
の混合物を、一般式:CF3−CH(OH)−R1のポ
リフロロアルコールに触媒を懸濁した液中に徐々
に添加することを特徴とする特許請求の範囲第1
項に記載の方法。 3 上記反応の終了後に反応混合物を急冷し、触
媒を分離して次の操作に再利用することを特徴と
する特許請求の範囲第1項または第2項に記載の
方法。 4 上記触媒を濾過によつて分離し、水洗、乾燥
後、再利用に供することを特徴とする特許請求の
範囲第3項に記載の方法。 5 上記反応混合物を冷却した後、触媒を放置し
て重力により分離し、次いで反応液を取り出し
て、反応容器中に残つた触媒を上記のように再利
用することを特徴とする特許請求の範囲第3項に
記載の方法。 6 一般式()の化合物を粗製状態で使用する
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項から第5
項までのいずれか1項に記載の方法。 7 上記操作を80〜130℃の温度範囲で行うこと
を特徴とする特許請求の範囲第1項から第6項ま
でのいずれか1項に記載の方法。 8 上記操作を20〜50バールの圧力下で行うこと
を特徴とする特許請求の範囲第1項から第7項ま
でのいずれか1項に記載の方法。 9 上記触媒のパラジウム含量が0.1〜10重量%
であることを特徴とする特許請求の範囲第1項か
ら第8項までのいずれか1項に記載の方法。 10 上記触媒を35〜45バールの水素圧下で25〜
100℃の温度に加熱してあらかじめ活性化してお
くことを特徴とする特許請求の範囲第1項から第
9項までのいずれか1項に記載の方法。 11 上記触媒量が、5%のパラジウムを含有す
る触媒として表わした場合、使用する水和物若し
くはヘミアセタールの重量に対して0.2〜2.5%の
範囲にあることを特徴とする特許請求の範囲第1
項から第10項までのいずれか1項に記載の方
法。 12 上記助触媒の量が、0でない一般式()
の粗化合物中に存在する塩素化副生物のモル数以
下の範囲であり、H+当量で計算して5〜500%の
モル過剰となるまで増加することを特徴とする特
許請求の範囲第1項から第9項までのいずれか1
項に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| FR8411383A FR2567875B1 (fr) | 1984-07-18 | 1984-07-18 | Procede de synthese du trifluoro-2,2,2 ethanol et de l'alcool hexafluoro-1,1,1,3,3,3 isopropylique |
| FR8411383 | 1984-07-18 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6144834A JPS6144834A (ja) | 1986-03-04 |
| JPS635382B2 true JPS635382B2 (ja) | 1988-02-03 |
Family
ID=9306239
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60159229A Granted JPS6144834A (ja) | 1984-07-18 | 1985-07-18 | 2,2,2‐トリフロロエタノールおよび1,1,1,3,3,3‐ヘキサフロロイソプロピルアルコールの合成方法 |
Country Status (16)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4647706A (ja) |
| EP (1) | EP0169141B1 (ja) |
| JP (1) | JPS6144834A (ja) |
| KR (1) | KR890005061B1 (ja) |
| AT (1) | ATE37354T1 (ja) |
| AU (1) | AU575665B2 (ja) |
| CA (1) | CA1251467A (ja) |
| DE (1) | DE3565097D1 (ja) |
| DK (1) | DK324585A (ja) |
| ES (1) | ES8604476A1 (ja) |
| FR (1) | FR2567875B1 (ja) |
| GR (1) | GR851771B (ja) |
| IE (1) | IE58072B1 (ja) |
| IL (1) | IL75575A0 (ja) |
| NO (1) | NO161852C (ja) |
| ZA (1) | ZA855396B (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2567876B1 (fr) * | 1984-07-18 | 1986-11-28 | Atochem | Procede de preparation des hydrates de fluoral et d'hexafluoroacetone purs a partir d'hemiacetals |
| FR2580630B1 (fr) * | 1985-04-23 | 1987-05-29 | Atochem | Procede de synthese du trifluoro-2,2,2 ethanol |
| CA2148292A1 (en) * | 1994-05-05 | 1995-11-06 | Barrie W. Jackson | Liquid phase prparation of (meth)-acrylate from alpha-olefin |
| JP2790049B2 (ja) * | 1994-09-07 | 1998-08-27 | 日本電気株式会社 | 記録装置 |
| JP4830249B2 (ja) * | 2000-03-14 | 2011-12-07 | ダイキン工業株式会社 | トリフルオロアセトアルデヒドトリフルオロエチルヘミアセタールの製法 |
| US7435774B2 (en) | 2002-09-11 | 2008-10-14 | Peach State Labs, Inc. | Fluoromonomers, fluoropolymers, methods of preparing them, and their application to various surfaces and substrates |
| CN102942449B (zh) * | 2012-11-23 | 2015-01-07 | 无锡药明康德生物技术有限公司 | 2,2-双三氟乙基丙醇的合成方法 |
| KR102625391B1 (ko) * | 2019-12-12 | 2024-01-15 | 주식회사 엘지화학 | 아크릴로니트릴 이량체 제조 방법 |
Family Cites Families (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| US3714271A (en) * | 1970-07-27 | 1973-01-30 | Baxter Laboratories Inc | Production of polyfluoropropanols |
| US3702872A (en) * | 1970-07-27 | 1972-11-14 | Baxter Laboratories Inc | Production of hexafluoropropanol |
| FR2133126A5 (en) * | 1971-04-08 | 1972-11-24 | Allied Chem | Bis-(perfluoroalkyl)-methanol prodn - by catalytic hydrogenation of aliphatic perfluoroketones |
| US4314087A (en) * | 1979-12-26 | 1982-02-02 | Baxter Travenol Laboratories, Inc. | Methods of synthesizing hexafluoroisopropanol from impure mixtures and synthesis of a fluoromethyl ether therefrom |
| JPS6041647B2 (ja) * | 1980-11-11 | 1985-09-18 | セントラル硝子株式会社 | 1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オ−ルの製法 |
| JPS59204142A (ja) * | 1983-04-28 | 1984-11-19 | Nippon Mektron Ltd | ヘキサフルオロイソプロピルアルコ−ルの製造法 |
-
1984
- 1984-07-18 FR FR8411383A patent/FR2567875B1/fr not_active Expired
-
1985
- 1985-06-19 IL IL75575A patent/IL75575A0/xx not_active IP Right Cessation
- 1985-07-10 NO NO852774A patent/NO161852C/no unknown
- 1985-07-12 ES ES545149A patent/ES8604476A1/es not_active Expired
- 1985-07-12 EP EP85401424A patent/EP0169141B1/fr not_active Expired
- 1985-07-12 AT AT85401424T patent/ATE37354T1/de not_active IP Right Cessation
- 1985-07-12 DE DE8585401424T patent/DE3565097D1/de not_active Expired
- 1985-07-16 US US06/755,696 patent/US4647706A/en not_active Expired - Fee Related
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- 1985-07-16 IE IE178185A patent/IE58072B1/en not_active IP Right Cessation
- 1985-07-17 ZA ZA855396A patent/ZA855396B/xx unknown
- 1985-07-17 GR GR851771A patent/GR851771B/el unknown
- 1985-07-17 DK DK324585A patent/DK324585A/da not_active Application Discontinuation
- 1985-07-17 CA CA000486924A patent/CA1251467A/fr not_active Expired
- 1985-07-18 JP JP60159229A patent/JPS6144834A/ja active Granted
- 1985-07-18 KR KR1019850005127A patent/KR890005061B1/ko not_active Expired
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