JP2013166701A - 長鎖飽和脂肪族一級アルコールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高純度の長鎖飽和脂肪族一級アルコールを効率良く製造する方法を提供する。
【解決手段】ハロゲン化アルコールの水酸基をピバロイル保護したハロゲン化エステルと、グリニャール試薬とのクロスカップリング反応により、長鎖飽和脂肪酸エステルを製造し、引き続きピバロイル基を脱保護することにより解決される。これにより、高純度の長鎖飽和脂肪族一級アルコールを効率よく製造することが出来る。
【選択図】なし
【解決手段】ハロゲン化アルコールの水酸基をピバロイル保護したハロゲン化エステルと、グリニャール試薬とのクロスカップリング反応により、長鎖飽和脂肪酸エステルを製造し、引き続きピバロイル基を脱保護することにより解決される。これにより、高純度の長鎖飽和脂肪族一級アルコールを効率よく製造することが出来る。
【選択図】なし
Description
本発明は機能性食品素材や医薬品として有用な長鎖飽和脂肪族一級アルコールの製造方法に関する。
長鎖飽和脂肪族一級アルコールは、米ぬか、サトウキビ、とうもろこしなどの植物中のロウ成分に含まれ、これらを原料として、抽出、濃縮することにより、炭素数24〜34の混合物(ポリコサノール)が得られる。しかし、類似の炭素数を有する長鎖飽和脂肪族一級アルコール類の物性が極めて近いため、所望の単一成分を高純度で取得することは極めて難しい。従って、所望の炭素数を有する長鎖飽和脂肪族一級アルコールを単一成分として取得するには、合成法によって製造することが効率的かつ工業的に好ましい方法と考えられる。長鎖飽和脂肪族一級アルコールの合成法としては、次の方法が知られている。
(1)カルボン酸モノエステルとカルボン酸を交差コルベ型電解縮合させることで長鎖飽和脂肪族カルボン酸を取得し、これを還元する製造方法(特許文献1)
(2)脱離基を有するアルキルアルコールと有機金属試薬から調製した金属アルコキシドと求核性有機金属試薬とのクロスカップリング反応により製造する方法(特許文献2)
(3)ハロゲン化アルキルアルコールの水酸基をアルキル基またはシリル基により保護した直鎖飽和ハロゲン化アルキルエーテルと、求核性有機金属試薬とのカップリング反応により長鎖飽和脂肪族アルコールの保護体を取得し、脱保護する製造方法(特許文献3、特許文献4)
(4)ハロゲン化アルキルアルコールの水酸基をアルキル基やシリル基により保護したホスホニウム塩と、アルキルアルデヒドとのウィッティッヒ反応によって所望の炭素鎖長を有する直鎖不飽和アルコール保護体を用いて取得する。その直鎖不飽和アルコール保護体を水素化、脱保護する製造方法(特許文献4)
(1)カルボン酸モノエステルとカルボン酸を交差コルベ型電解縮合させることで長鎖飽和脂肪族カルボン酸を取得し、これを還元する製造方法(特許文献1)
(2)脱離基を有するアルキルアルコールと有機金属試薬から調製した金属アルコキシドと求核性有機金属試薬とのクロスカップリング反応により製造する方法(特許文献2)
(3)ハロゲン化アルキルアルコールの水酸基をアルキル基またはシリル基により保護した直鎖飽和ハロゲン化アルキルエーテルと、求核性有機金属試薬とのカップリング反応により長鎖飽和脂肪族アルコールの保護体を取得し、脱保護する製造方法(特許文献3、特許文献4)
(4)ハロゲン化アルキルアルコールの水酸基をアルキル基やシリル基により保護したホスホニウム塩と、アルキルアルデヒドとのウィッティッヒ反応によって所望の炭素鎖長を有する直鎖不飽和アルコール保護体を用いて取得する。その直鎖不飽和アルコール保護体を水素化、脱保護する製造方法(特許文献4)
(1)の方法においては、電解縮合工程で炭素数の異なる縮合生成物が副生する。このため、目的物の収率が低く、また、精製が困難である。さらに特殊な電解反応設備が必要である。
(2)の方法においては、カップリング反応に無保護ハロアルキルアルコールを供するため、高価な有機金属試薬であるメチルグリニヤ試薬をハロアルキルアルコールの水酸基と反応させ、金属アルコキシドを調製することが必要である。
(3)の方法は、鍵反応であるカップリング反応の収率が低い。
(4)の方法は、ウィッティッヒ反応の収率が低いだけでなく、ウィッティッヒ試薬の調製やウィッティッヒ反応後に水素化工程が必要であり、工程数が長い。
以上のように、従来のいずれの方法も、高純度の目的化合物の工業的製法としては解決すべき課題を有している。
本発明者らは長鎖飽和脂肪族一級アルコールの製造に関して、上記の諸問題を鑑み、工業的に取り扱いが容易で、かつ安価に入手可能な原料、試剤のみを用いて大規模でも安全に操作することが可能な方法を鋭意検討した。
その結果、ハロゲン化アルキルアルコールの水酸基をピバロイル基で保護したハロゲン化アルキルエステルと、グリニャール試薬とのカップリング反応が高収率で進行し、さらに得られたエステルの脱ピバロイル保護反応を行うことにより、高純度の長鎖飽和脂肪族一級アルコールを効率よく製造できることを見出すことで本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1):
(式中、Xはハロゲン原子を表す。mは2から35のいずれかの自然数を表す。)で表されるハロゲン化エステルと、一般式(2):
(式中、YはMgZを表す。Zはハロゲン原子を表す。nは1から34のいずれかの自然数を表す。)で表されるグリニャール試薬を銅化合物存在下で反応させることにより、一般式(3):
(式中、m、nは前記に同じ。m+nは20〜36のいずれかの自然数を表す。)で表される長鎖飽和脂肪酸エステルを製造し、引き続きピバロイル基を脱保護する、一般式(4):
(式中、m、nは前記に同じ。)
で表される長鎖飽和脂肪族一級アルコールの製造方法に関する。
で表される長鎖飽和脂肪族一級アルコールの製造方法に関する。
また、本発明は、ピバロイルオクタコサネートに関する。
本発明にかかる製造方法によれば、水酸基をピバロイル基で保護したハロゲン化エステルとグリニャール試薬を銅化合物存在下で反応させることにより、高収率で長鎖飽和脂肪酸エステルが取得でき、引き続きピバロイル基を脱保護することで高純度の長鎖飽和脂肪族一級アルコールを製造できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本願発明においては、一般式(1):
で表されるハロゲン化エステルと、一般式(2):
で表されるグリニャール試薬を銅化合物存在下で反応させることにより、一般式(3):
で表される長鎖飽和脂肪酸エステルを製造し、引き続きピバロイル基を脱保護することで、一般式(4):
で表される長鎖飽和脂肪族一級アルコールを製造する。
まず、前記式(1)で表されるハロゲン化エステルと、前記式(2)で表されるグリニャール試薬を銅化合物存在下で反応させることにより、前記式(3)で表される長鎖飽和脂肪酸エステルを製造する方法について説明する。
前記式(1)において、Xはハロゲン原子を表す。具体的には塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられるが、好ましくは臭素原子である。
mは2〜35のいずれかの自然数を表す。
前記式(1)で表されるハロゲン化アルキルアルコールのピバロイル保護体は、相当するハロゲン化アルキルアルコールを用いて、通常用いられる方法により容易に調製可能である。調製方法としては、例えば、ハロゲン化アルキルアルコールを有機塩基や無機塩基共存下でピバロイルクロリドと反応させる方法が挙げられる。当該反応においては、溶媒を用いても良いし、ピリジンなどの塩基をハロゲン化アルキルアルコールに対して過剰量用いれば溶媒を用いなくても良い。
前記式(2)において、nは1〜34のいずれかの自然数を表す。なお、mとnの和は20〜36のいずれかの自然数である。mとnの和は27が好ましく、この場合、m=10、n=17であるのが好ましい。
Yは、MgZを表す。なお、Zは、ハロゲン原子を表す。Yとしては、具体的には、MgI、MgBr、MgClが挙げられる。Zとしては、塩素原子が好ましい。
前記式(2)で表されるグリニャール試薬は、対応するハロゲン化アルキル化合物とマグネシウムより調製することができる。
反応に用いる銅化合物の具体例としては、塩化銅(II)、塩化銅(I)、トリフルオロメタンスルホン酸銅塩(II)、硫酸銅(II)、過塩素酸銅(II)、硝酸銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、酢酸銅(II)、銅(II)アセチルアセトナート、安息香酸銅(II)、銅(II)ベンゾイルアセトナート、炭酸銅(II)、シアン化銅(I)、塩化二アンモニウム銅(II)、エチルアセト酢酸銅(II)、蟻酸銅(II)、テトラフルオロホウ酸銅(II)、ヘキサフルオロアンチモン酸銅(II)、ヘキサフルオロリン酸銅(II)、Li2CuCl4等を挙げる事ができる。反応性の点から、好ましくはLi2CuCl4である。Li2CuCl4は、CuCl2とLiClから有機溶媒中で調製し、得られた触媒溶液を反応に供してもよいし、カップリング反応液にCuCl2とLiClを加えて反応を行ってもよい。
反応を促進するために、添加剤を用いても良い。添加剤は特に限定されるものではないが、金属に配位する化合物を挙げることができる。例えば、シクロオクタジエン、シクロペンタジエン等のジエン化合物、トリフェニルホスフィンやトリブチルホスフィン等のリン化合物を挙げることができる。
反応においては、通常、反応溶媒を用いる。反応溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば特に制限は無く、例えば、tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、ヘキサン等の炭化水素溶媒が挙げられる。反応性の点から、好ましくはテトラヒドロフランまたはトルエンである。これらは2種以上を混合しても良い。混合溶媒を用いる場合、混合割合に特に制限は無い。
前記式(2)で表されるグリニャール試薬は、前記式(1)で表されるハロゲン化エステル1モルに対して1〜10モル、好ましくは1〜3モル使用すれば良い。
銅化合物は、前記式(1)で表されるハロゲン化エステル1モルに対して0.0001モルから0.5モル用いれば良く、好ましくは、0.001モル〜0.3モル使用する。
カップリング反応を行う際の各化合物の混合順は特に限定されるものではないが、通常、前記式(1)で表されるハロゲン化エステルの溶液に銅化合物とグリニャール試薬を順次添加すればよい。
反応を行う際の化合物の濃度は、用いる反応溶媒によって異なるが、一般的にはハロゲン化エステル1重量部に対して、溶媒1〜100重量部で反応を実施することができ、好ましくはハロゲン化エステル1重量部に対して、溶媒1〜20重量部である。
反応温度は、用いる化合物の種類によって異なるが、通常は用いる反応溶媒の凝固点から沸点以下の範囲である。反応を短時間で完了させるためには温度を高めて実施するほうが良く、副反応の進行を抑制する観点からは温度は低く設定して実施するほうが良い。好ましくは、−78℃〜100℃であり、特に好ましくは−30℃〜30℃である。
反応時間は、用いる化合物の種類によって異なるが、反応温度を−30℃〜30℃で実施した場合、通常0.1〜48時間程度が好ましい。
反応は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態でも実施可能である。また、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で実施しても良い。
本反応の後処理としては、反応終了後の反応液に酸性の水を添加後、有機層に対して抽出操作を行う。抽出溶媒としては、例えば、酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン等を用いることができる。その後、得られた抽出液から反応溶媒及び抽出溶媒を減圧留去した後に晶析操作を行うことにより、高純度の長鎖飽和脂肪酸エステルを固体として取得することができる。
晶析は、抽出液から反応溶媒及び抽出溶媒を留去した後に晶析溶媒を添加することにより実施することが出来る。
晶析温度は、使用する溶媒によって異なり、例えば、添加する晶析溶媒の沸点まで加温した後に、十分な収量が得られる温度まで冷却しても良いし、室温(22〜27℃)で晶析溶媒を添加するだけでも良い。
晶析溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、トルエン、酢酸エチル、塩化メチレン等を用いることが出来る。取得した長鎖飽和脂肪酸エステルは十分に純度が高いため、このまま次工程に用いて良いが、カラムクロマトグラフィーを用いて更に純度を高めても良い。
続いてピバロイル基の脱保護工程について詳細に説明する。
ピバロイル基の脱保護条件としては、一般的に用いられている条件を用いれば良い。例えば、金属水酸化物、金属アルコキシド、4級アンモニウム塩、アミン化合物、アルキル金属化合物、金属酸化物、塩酸、硫酸と反応させれば良い。好ましくはナトリウムエトキシド(NaOEt)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)等の金属アルコキシドであり、特に好ましくはNaOEtである。
脱保護反応においては、通常、反応溶媒を用いる。反応溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば特に制限は無いが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、水、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン等の炭化水素系溶媒が挙げられる。好ましくは、アルコール系溶媒を含む溶媒系である。混合溶媒を用いる場合、2種以上を混合しても良く、混合割合に特に制限は無い。特に好ましくはエタノールを含む溶媒系である。
脱保護反応を行う際の化合物の濃度は、用いる反応溶媒によって異なるが、一般的には、ハロゲン化エステル1重量部に対して、溶媒1〜100重量部で反応を実施すればよい。
反応温度は、用いる化合物の種類によって異なるが、通常は、用いる反応溶媒の凝固点から沸点以下の範囲である。反応を短時間で完了させるためには温度を高めて実施するほうが良く、副反応の進行を抑制する観点からは温度は低く設定して実施するほうが良い。好ましくは、10℃〜100℃であり、特に好ましくは20℃〜90℃である。
反応時間は、用いる化合物の種類によって異なるが、反応温度を20℃〜90℃で実施した場合、通常0.1〜48時間程度が好ましい。
脱保護反応は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態でも実施可能である。また、空気中で実施しても良いし、或いは窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で実施しても良い。
次に、脱保護反応の後処理について説明する。
反応終了後、反応液を所定の温度に冷却し、析出した結晶をろ過することにより、長鎖飽和脂肪族一級アルコールを取得することができる。なお、必要に応じて、晶析前に活性炭などの吸着剤を用いた処理を行ってもよい。
晶析には、目的とする長鎖飽和脂肪族一級アルコールが溶解する溶媒を用いればよい。晶析溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール等のアルコール類、トルエン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、酢酸エチル等のエステル類、水を挙げることができる。このうち、エタノールを好ましく用いることができる。
これらの溶媒は、単独で用いても良いし、複数の溶媒を混合して用いても良い。混合比に関しては特に限定されることは無い。
これらの溶媒は、単独で用いても良いし、複数の溶媒を混合して用いても良い。混合比に関しては特に限定されることは無い。
晶析は、使用する溶媒の沸点以下で実施すれば良い。
晶析時間は、用いる化合物の種類や溶媒によって異なるが、反応温度を20℃〜120℃で実施した場合、生産性の点から通常0.1〜48時間程度が好ましい。
以上のように晶析を行うことにより、99%以上の高純度の長鎖飽和脂肪族一級アルコールを取得することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、各実施例における物性の測定に用いた装置は次のとおりである。
NMR:日本電子社製 NMR A−400
ガスクロマトグラフィー:島津製作所社製GC2014
NMR:日本電子社製 NMR A−400
ガスクロマトグラフィー:島津製作所社製GC2014
(比較例)
−20℃に冷却した10−ブロモ−1−デカノール(474mg、2mmol)のTHF溶液(3ml)にメチルマグネシウムクロリド(1g、2mol/kg THFとジグリム混合溶液)を5分かけて添加した。添加が終了してから10分後に、Li2CuCl4(2ml、0.1M THF溶液、2mmol)を13分かけて添加した。添加が終了してから17分後に、オクタドデシルマグネシウムクロリド(7.2ml、0.5M THF溶液)を40分かけて添加した。その後、反応液を0℃まで2時間かけて昇温した後、更に0℃で2時間撹拌し、終夜にて昇温しながら撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加することで反応を停止した。反応混合液にtert−ブチルメチルエーテル(MTBE)とトルエンの1:1(体積比)の混合液を加えた後に分液すると、有機層に固体が析出した。析出した固体を濾取した。得られた固体をMTBEとトルエンの1:1(体積比)の混合液(11ml)、飽和塩化アンモニウム水溶液(11ml)、水(6ml)、エタノール(11mlで2回)にて順次洗浄することにより、オクタコサノール(単離収率27%、化学純度47%)を得た。
−20℃に冷却した10−ブロモ−1−デカノール(474mg、2mmol)のTHF溶液(3ml)にメチルマグネシウムクロリド(1g、2mol/kg THFとジグリム混合溶液)を5分かけて添加した。添加が終了してから10分後に、Li2CuCl4(2ml、0.1M THF溶液、2mmol)を13分かけて添加した。添加が終了してから17分後に、オクタドデシルマグネシウムクロリド(7.2ml、0.5M THF溶液)を40分かけて添加した。その後、反応液を0℃まで2時間かけて昇温した後、更に0℃で2時間撹拌し、終夜にて昇温しながら撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加することで反応を停止した。反応混合液にtert−ブチルメチルエーテル(MTBE)とトルエンの1:1(体積比)の混合液を加えた後に分液すると、有機層に固体が析出した。析出した固体を濾取した。得られた固体をMTBEとトルエンの1:1(体積比)の混合液(11ml)、飽和塩化アンモニウム水溶液(11ml)、水(6ml)、エタノール(11mlで2回)にて順次洗浄することにより、オクタコサノール(単離収率27%、化学純度47%)を得た。
<GC分析条件>
カラム:CP−8CB、温度:60℃から250℃までグラジエント。インジェクション:270℃、ディテクション:300℃、オクタコサノール保持時間:30分。
カラム:CP−8CB、温度:60℃から250℃までグラジエント。インジェクション:270℃、ディテクション:300℃、オクタコサノール保持時間:30分。
(実施例1)
−25℃に冷却した10−ピバロイル−1−ブロモデカネート(6.4g、20mmol)のTHF溶液(40ml)にオクタドデシルマグネシウムクロリド(88ml、0.5M THF溶液)を20分かけて添加した。添加終了後、反応液を30分撹拌し、その後、Li2CuCl4(40ml、0.1M THF溶液)を2時間かけて添加した。引き続き18時間撹拌した後、MTBE140mL、飽和塩化アンモニウム水溶液30mLを添加して、反応を停止した。その後、有機層と水層を分液し、有機層を水30mL、飽和塩化アンモニウム水溶液40mL、3N塩酸水溶液10mL、飽和塩化アンモニウム水溶液40mL、水40mL、飽和食塩水40mLで順次洗浄した。有機層を濃縮後、エタノール60mLを投入して21.5℃にて15時間撹拌すると固体が析出した。減圧濾過することで、9.8gのピバロイルオクタコサネートを白色の固体として単離収率94%で得た。
<1H NMR>(C7D8)1.10(t、d=6.8、3H)、1.39−1.65(m、52H)、2.27(s、9H)、4.17(t、d=6.6、2H)。
−25℃に冷却した10−ピバロイル−1−ブロモデカネート(6.4g、20mmol)のTHF溶液(40ml)にオクタドデシルマグネシウムクロリド(88ml、0.5M THF溶液)を20分かけて添加した。添加終了後、反応液を30分撹拌し、その後、Li2CuCl4(40ml、0.1M THF溶液)を2時間かけて添加した。引き続き18時間撹拌した後、MTBE140mL、飽和塩化アンモニウム水溶液30mLを添加して、反応を停止した。その後、有機層と水層を分液し、有機層を水30mL、飽和塩化アンモニウム水溶液40mL、3N塩酸水溶液10mL、飽和塩化アンモニウム水溶液40mL、水40mL、飽和食塩水40mLで順次洗浄した。有機層を濃縮後、エタノール60mLを投入して21.5℃にて15時間撹拌すると固体が析出した。減圧濾過することで、9.8gのピバロイルオクタコサネートを白色の固体として単離収率94%で得た。
<1H NMR>(C7D8)1.10(t、d=6.8、3H)、1.39−1.65(m、52H)、2.27(s、9H)、4.17(t、d=6.6、2H)。
<GC分析条件>
カラム:DB−1、温度:150℃から350℃までグラジエント。インジェクション:350℃、ディテクション:350℃、ピバロイルオクタコサネート保持時間:70分。
カラム:DB−1、温度:150℃から350℃までグラジエント。インジェクション:350℃、ディテクション:350℃、ピバロイルオクタコサネート保持時間:70分。
(実施例2)
ピバロイルオクタコサネート(7.5g、15mmol)とナトリウムエトキシド(1.5g、22mmol)をエタノール(30mL)中リフラックス条件下で18時間程度反応させた後、室温まで冷却した。反応液にエタノール100mlを添加した後、析出した固体をろ過した。エタノール450mlを加えた後に活性炭(0.75g)を加えてリフラックス条件下で撹拌した後、ろ過した。ろ液を室温まで冷却すると固体が析出した。ろ液に析出した固体をろ取することで、オクタコサノール(5.4g、化学純度99%以上)を収率84%で取得した。
ピバロイルオクタコサネート(7.5g、15mmol)とナトリウムエトキシド(1.5g、22mmol)をエタノール(30mL)中リフラックス条件下で18時間程度反応させた後、室温まで冷却した。反応液にエタノール100mlを添加した後、析出した固体をろ過した。エタノール450mlを加えた後に活性炭(0.75g)を加えてリフラックス条件下で撹拌した後、ろ過した。ろ液を室温まで冷却すると固体が析出した。ろ液に析出した固体をろ取することで、オクタコサノール(5.4g、化学純度99%以上)を収率84%で取得した。
Claims (8)
- 前記式(4)で表される長鎖飽和脂肪族一級アルコールを、アルコール類を含む溶媒から晶出させる請求項1に記載の製造方法。
- アルコールがエタノールである請求項2に記載の製造方法。
- 銅化合物がLi2CuCl4である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- Xが臭素原子である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- Zが塩素原子である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- n=17、m=10である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 前記式(3)において、m+n=27であるピバロイルオクタコサネート。
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