JP2019521695A - 複製可能ウイルスの存在または非存在を評価するための方法 - Google Patents

複製可能ウイルスの存在または非存在を評価するための方法 Download PDF

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Abstract

組換え分子および/または異種分子、例えば、異種遺伝子産物をコードするウイルスベクター粒子で形質導入が行われた細胞を含有するサンプル中で複製可能レトロウイルスを検出する方法を提供する。本方法は、レトロウイルス中には発現されるがウイルスベクター粒子中では発現されない、ウイルス遺伝子のような1つまたは複数の標的遺伝子の転写を評価する工程を含み得る。1つまたは複数の標的遺伝子のRNAのレベルが参照値よりも高い場合に、複製可能レトロウイルスは存在すると決定され得、該参照値は、例えば、既知レベルでかつ/またはアッセイの検出限界以上で、それぞれの標的遺伝子由来のRNAを含有する陽性対照サンプルから、直接または間接的に測定することができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、「Methods for Assessing the Presence or Absence of Replication Competent Virus」という名称の2016年7月29日に出願された米国仮出願第62/369,024号、および「Methods for Assessing the Presence or Absence of Replication Competent Virus」という名称の2017年1月20日に出願された米国仮出願第62/448,954号からの優先権を主張し、これらの内容は参照によりそれらの全体が組み入れられる。
配列表の参照による組み入れ
本出願は、電子的フォーマットの配列表と共に出願される。配列表は、サイズが40,464バイトである、2017年7月28日に作成された、735042005640SeqList.TXTという名称のファイルとして提供される。配列表の電子的フォーマットの情報は、参照によりその全体が組み入れられる。
分野
本開示は、複製可能レトロウイルスの非存在を検出または確認する方法に関する。本方法は、ウイルス遺伝子、例えば、構造またはパッケージング遺伝子のような、1つまたは複数の標的遺伝子のRNAレベルを評価する工程を含み、ウイルス遺伝子由来の遺伝子産物は、複製可能レトロウイルス(例えば、ガンマレトロウイルスまたはレンチウイルス)に感染したある細胞中では発現されるが、異種核酸で細胞に形質導入を行うために使用されたウイルスベクター中には存在せず、複製可能レトロウイルスを含有しない細胞中には存在しないかつ/もしくは発現されない、または存在しないかつ/もしくは発現されないと予想される。1つまたは複数の標的遺伝子のRNAレベルが参照値よりも高い場合に、複製可能レトロウイルスは存在すると決定され得、該参照値は、例えば標的遺伝子を含有する陽性対照サンプルから、直接または間接的に測定され得る。
背景
レトロウイルスベクター粒子、例えば、ガンマレトロウイルスおよびレンチウイルスベクター粒子は、細胞および/または対象中への治療用遺伝子の導入のためのものを含む、様々な臨床適用において使用される。そのようなウイルスベクター粒子は複製欠損であるように操作されるが、多くの場合、投与用に製剤化された治療用または薬学的組成物のような、サンプルまたは組成物における複製可能ウイルス(例えば、複製可能レトロウイルス(RCR)または複製可能レンチウイルス(RCL))の非存在を立証することが、望ましいかまたはさらには必要である場合がある。例えば、ある適用において、移入ベクター、パッケージングコンポーネント、および/またはウイルスベクター粒子の産生のために使用した細胞中の内因性ウイルスエレメント間の相同または非相同組換えを通してなど、作製またはプロセシング工程中にRCRが生じなかったことを立証または確認するための方法が使用される。例えば、作製およびプロセシング中または後の、投与用の製剤化治療用組成物および/もしくは薬物製品(例えば操作細胞)における、ならびに/または、対象(例えば、ウイルスベクター粒子で形質導入が行われた細胞を含有する療法を受けた対象)由来のサンプルにおける、複製可能ウイルスの非存在を立証するためなど、様々な方法が、そのような確認および立証のために利用可能である。しかし、既存の方法は、過度に時間を消費しかつ/または偽陽性結果のリスクを伴い得る。RCRを検出するために必要である改善された方法の必要性がある。
概要
以下を含む方法を本明細書に提供する:
(a)試験サンプル中のパラメータのレベルを決定する工程であって、パラメータまたはレベルは、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、または量もしくは濃度を示すかまたはこれらと(任意で正にもしくは逆に)相関し、生物学的サンプルは、異種核酸および/または異種タンパク質をコードする核酸を含有する少なくとも1つの細胞を含み、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、または量もしくは濃度が、生物学的サンプル中のまたは生物学的サンプルが起因するサンプル中の複製可能ウイルスの、存在もしくは非存在、またはリスクを示し;かつ/または、ウイルスRNAが、複製可能ウイルスの複製能力に必要であるか、またはこれに必要である遺伝子産物もしくはその特異的に識別可能な部分をコードする、工程。
いくつかの態様において、本方法は、そのように決定された前記レベルに基づいて、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、濃度もしくは量、またはそのリスクを決定する工程をさらに含む。いくつかの態様において、本方法は、(b)(a)で決定されたパラメータのレベルを、パラメータについての第1参照値と比較する工程をさらに含む。いくつかの態様において、比較は、生物学的サンプルまたはそれに起因するサンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、濃度もしくは量、または前述のうちのいずれかのリスクを示す。
いくつかの態様において、本方法は、生物学的サンプルまたはその部分中の、ウイルスRNAの存在、非存在、または量もしくは濃度、または前述のうちのいずれかのリスクを決定する工程;ならびに/または、複製可能ウイルスが、生物学的サンプルもしくはその部分中に存在する(または潜在的に存在するかもしくは存在する可能性が高い)または存在するリスクがあるかどうかを決定する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、(a)で決定されたパラメータのレベルが第1参照値であるかまたはこれを上回る場合、任意でその場合に限り、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を有する、存在を潜在的に有する、または存在についてのリスクがある、かつ/または、ウイルスRNAの存在または少なくとも閾値量を有すると見なされ、任意でここで、パラメータのレベルは、生物学的サンプル中のRNAの量と正に相関し;かつ/または、(a)で決定されたパラメータのレベルが第1参照値であるかまたはこれを下回る場合、任意でその場合に限り、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を有する、または存在についてのリスクがある、かつ/または、ウイルスRNAの存在または少なくとも閾値量を有すると見なされ、任意でここで、パラメータのレベルは、生物学的サンプル中のウイルスRNAの量と逆に相関し;(a)で決定されたパラメータのレベルが第1参照値を下回る場合、任意でその場合に限り、生物学的サンプル、および/または少なくとも1つの細胞のうちの1つもしくは複数は、RCR陰性と見なされ、または複製可能ウイルスの存在を有さない、または存在についてのリスクがない、または存在を潜在的に含有しないと見なされ、任意でここで、パラメータのレベルは、生物学的サンプル中のRNAの量と正に相関し;かつ/または、(a)で決定されたパラメータのレベルが第1参照値を上回る場合、任意でその場合に限り、生物学的サンプルおよび/または少なくとも1つの細胞のうちの1つもしくは複数は、複製可能ウイルスの存在を有さないまたは存在についてのリスクがない、かつ/または、ウイルスRNAの存在または少なくとも閾値量を有さないと見なされ、任意でここで、パラメータのレベルは、生物学的サンプル中のウイルスRNAの量と逆に相関する。
いくつかの態様において、複製能に必要な別のウイルスRNAが生物学的サンプル中に存在するとたとえ決定されるとしても、生物学的サンプルが、陰性である、有さない、またはリスクがないとそのように見なされ;生物学的サンプル中の複製能に必要な別のウイルスRNAの量と正に相関する第2パラメータの、第2参照値であるかまたはこれを上回るレベルが、試験サンプルまたは生物学的サンプルに起因するかもしくは生物学的サンプル由来の核酸を含有する第2の試験サンプル中で、たとえ検出されるかまたは検出されたことがあるとしても、生物学的サンプルが、陰性である、有さない、またはリスクがないとそのように見なされ;かつ/または、複製能に必要な別のウイルスRNAの量と負に相関する第2パラメータの、第2参照値であるかまたはこれを下回るレベルが、試験サンプルまたは生物学的サンプルに起因するかもしくは生物学的サンプル由来の核酸を含有する別の試験サンプル中で、たとえ検出されるかまたは検出されたことがあるとしても、生物学的サンプルが、陰性である、有さない、またはリスクがないとそのように見なされる。
いくつかの態様において、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在が決定される場合(任意でその場合に限り)、および/または、任意で閾値量であるかもしくはこれを上回るウイルスRNAの量が、生物学的サンプル中にあると決定される場合(任意でその場合に限り)、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を有する、存在を潜在的に有する、または存在についてのリスクがあると見なされ;生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在が決定される場合(任意でその場合に限り)、および/または、任意で閾値量であるかもしくはこれを上回るウイルスRNAの量が、生物学的サンプル中にあると決定される場合(任意でその場合に限り)、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を潜在的に有するまたは存在についてのリスクがあると見なされるが、リスクのさらなる表示なしでは、かつ/または、別のウイルスRNAを示す別のパラメータの評価なしでは、複製可能ウイルスの存在を含有するとは見なされず;かつ/または、生物学的サンプル中のウイルスRNAの非存在が決定される場合、および/または、任意で閾値量であるかもしくはこれを下回るウイルスRNAの量(または僅かその量)が、生物学的サンプル中にあると決定される場合、任意で、ウイルスの複製能力に必要な別のRNAの存在が生物学的サンプル中に存在するとたとえ決定されるとしても、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を有さない、存在を潜在的に有さない、かつ/または存在についてのリスクがないと見なされ;かつ/または、パラメータおよび/またはウイルスRNAが、試験サンプル中で検出不可能であるかもしくは検出されない、かつ/または、生物学的サンプル中に存在すると決定されない場合、生物学的サンプルは複製可能ウイルス陰性と見なされる。
いくつかの態様において、第1参照値は、閾値レベルまたはそれに対応する最小検出可能レベルもしくは読み出しである値、またはほぼこれらである値、またはこれらを僅かに上回る値であり;第1参照値は、陽性対照サンプル中の、検出されたパラメータの値、および/または、RNAの量を示すパラメータの値であり;かつ/または、パラメータのレベルは、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在または非存在を示し;かつ/または、ウイルスRNAは、第1ウイルス遺伝子をコードする核酸を含み;かつ/または、異種核酸は、異種遺伝子産物をコードする。
いくつかの態様において、試験サンプルにおいて評価されるパラメータは、ウイルスRNAの、またはそれから発現される産物の、またはRNAに対応するウイルス遺伝子から発現される産物の、任意で相対コピー数または相対重量である量または相対量であるかまたはこれらを含み、あるいは、ウイルスRNAの、またはそれから発現される産物の、またはRNAに対応するウイルス遺伝子から発現される産物の、濃度または相対濃度であるかまたはこれらを含む。いくつかの態様において、量は絶対量または相対量である。いくつかの態様において、パラメータおよび/またはレベルは、任意でサイクル閾値(Ct)値である、サロゲートまたは相対値であるかまたはこれらを含む。
いくつかの態様において、試験サンプルについてのCT値が、参照Ctスコアである第1参照値を下回る場合、ウイルスRNAまたはその発現が、生物学的サンプル中または試験サンプル中に存在するかまたは存在するリスクがあると決定される。いくつかの態様において、試験サンプルは、生物学的サンプルもしくはその部分であるかまたはこれらに起因する。
以下を含む方法を本明細書にさらに提供する:(a)試験サンプル中の第1パラメータの第1レベルを決定または評価する工程であって、ここで、該第1レベルまたは第1パラメータが、第1ウイルスRNAの、および/または第1ウイルスRNAをコードする第1ウイルス遺伝子をコードする第1核酸の、生物学的サンプルにおける、存在、非存在、量または濃度と(任意で正にもしくは逆に)相関する、工程;(b)任意で同じまたは異なる試験サンプルである試験サンプル中の第2パラメータの第2レベルを決定または評価する工程であって、ここで、該第2レベルまたは第2パラメータが、第1ウイルスRNAとは異なる第2ウイルスRNAの、および/または該第2ウイルスRNAをコードする第2かつ異なるウイルス遺伝子をコードする第2核酸の、生物学的サンプルにおける、存在、非存在、量または濃度と(任意で正にもしくは逆に)相関する、工程;ここで、少なくとも1つの細胞が、異種核酸、異種遺伝子産物、および/もしくは異種タンパク質をコードする核酸を含有し、かつ/または、ウイルスベクターで形質導入されており;ここで生物学的サンプル中の、第1ウイルスRNAもしくは遺伝子または第2ウイルスRNAもしくは遺伝子の存在、非存在、または量もしくは濃度、ならびに/または、第1および第2ウイルスRNAもしくは遺伝子の両方の存在、非存在、または量もしくは濃度は、生物学的サンプル中のまたは生物学的サンプルが起因するサンプル中の複製可能ウイルスの、存在もしくは非存在、またはリスクを示し;かつ/または、第1ウイルスRNA、第2ウイルスRNA、ならびに/または第1および第2ウイルスRNAの両方が、複製可能ウイルスの複製能力に必要であるか、またはこれに必要である遺伝子産物もしくはその特異的に識別可能な部分をコードする。
いくつかの態様において、本方法は、そのように決定された前記レベルに基づいて、生物学的サンプル中の第1および/または第2ウイルスRNAまたは遺伝子産物の存在、非存在、濃度もしくは量、またはそれらのリスクを決定する工程をさらに含む。いくつかの態様において、本方法は、(c)(a)および/または(b)で決定された第1および/または第2パラメータのレベルを第1および/または第2参照値と比較する工程であって、ここで、比較が、生物学的サンプルまたはそれに起因するサンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、濃度もしくは量、または前述のうちのいずれかのリスクを任意で示す、工程をさらに含む。
いくつかの態様において、本方法は、(c)生物学的サンプルまたはその部分中の、第1ウイルスRNAまたは発現の存在、非存在、または量もしくは濃度、または前述のうちのいずれかのリスクを決定し、かつ/または、生物学的サンプルまたはその部分中の、第2ウイルスRNAまたは発現の存在、非存在、または量もしくは濃度、または前述のうちのいずれかのリスクを決定する工程;ならびに/または、(d)任意で(c)での決定に基づいて、複製可能ウイルスが、生物学的サンプルもしくはその部分中に存在する(または潜在的に存在するかもしくは存在する可能性が高い)または存在するリスクがあるかどうかを決定する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、ウイルスRNAがenv、gag、pol、もしくはrev由来であり、かつ/または、第1ウイルスRNAがenv、gag、pol、もしくはrev由来であり、かつ/または、第1ウイルス遺伝子がenv、gag、pol、もしくはrevであり;かつ/または、ウイルスRNAがenv、gag、pol、もしくはrev由来であり、かつ/または、第2ウイルスRNAがenv、gag、pol、もしくはrev由来であり、かつ/または、第2ウイルス遺伝子がenv、gag、pol、もしくはrevである。
以下を含む方法を本明細書にさらに提供する:(a)生物学的サンプル中の第1ウイルスRNAの量または存在もしくは非存在を示すかまたはこれらと(任意で正にもしくは逆に)相関する、試験サンプル中の第1パラメータのレベルを評価し、ここで、第1ウイルスRNAが、env遺伝子である第1ウイルス遺伝子由来であり、そして、任意で同じまたは異なる試験サンプルである、試験サンプル中の第2パラメータのレベルを評価し、ここで、第2ウイルスパラメータが、生物学的サンプル中の第2ウイルスRNAの存在、非存在または量を示すかまたはこれらと(任意で正にもしくは逆に)相関し、ここで、第2ウイルスRNAが、gag、pol、およびrev遺伝子より選択される遺伝子由来であり、ここで、生物学的サンプルが、任意で異種遺伝子産物を含むウイルスベクター粒子で形質導入が行われた細胞を含み、かつ/または、異種遺伝子産物を有する細胞を含む、工程;ここで、少なくとも1つの細胞が、異種核酸、異種遺伝子産物、および/もしくは異種タンパク質をコードする核酸を含有し、かつ/または、ウイルスベクターで形質導入されており;ここで生物学的サンプル中の、第1ウイルスRNAもしくは遺伝子または第2ウイルスRNAもしくは遺伝子の存在、非存在、または量もしくは濃度、ならびに/または、第1および第2ウイルスRNAもしくは遺伝子の両方の存在、非存在、または量もしくは濃度は、生物学的サンプル中のまたは生物学的サンプルが起因するサンプル中の複製可能ウイルスの、存在もしくは非存在、またはリスクを示し;かつ/または、第1ウイルスRNA、第2ウイルスRNA、ならびに/または第1および第2ウイルスRNAの両方が、複製可能ウイルスの複製能力に必要であるか、またはこれに必要である遺伝子産物もしくはその特異的に識別可能な部分をコードする。
いくつかの態様において、パラメータはウイルスRNAの存在または非存在である。いくつかの態様において、参照値、第1参照値および/または第2参照値は、閾値レベルまたは最小検出可能レベルであるかまたはこれらに対応する。いくつかの態様において、参照値、第1参照値および/または第2参照値は、陽性対照試験サンプル中のパラメータに対応するかまたはこれに関する値であり、該陽性対照試験サンプルは、既知量または既知濃度のウイルスRNA、第2ウイルスRNAおよび/または第1ウイルスRNAを任意で含有する。
いくつかの態様において、前記方法が、生物学的サンプル中の第1および第2ウイルスRNAの存在または閾値量を上回る量を決定する場合、ならびに任意で、前記方法が、第1および第2 RNAの両方ではなく一方について存在または閾値量を上回る量を決定することはない場合、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスを含有するかまたは含有するリスクがあるかまたは潜在的に含有すると見なされ;かつ/または、前記方法が、生物学的サンプル中の第1ウイルスRNA、または第2ウイルスRNA、ならびに/または第1および第2ウイルスRNAの両方の、非存在、検出可能な量の非存在、または閾値量を下回る量を決定する場合、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスについて陰性である、またはこれを含有しない、またはこれを含有するもしくは潜在的に含有するリスクがないと見なされる。
いくつかの態様において、第1および第2ウイルス遺伝子をコードするウイルスRNAのレベルが、試験サンプル中で検出不可能である、かつ/または、生物学的サンプル中に存在するともしくは閾値レベルを超えて存在すると決定されない場合、生物学的サンプルが複製可能ウイルス陰性と見なされる。
いくつかの態様において、本方法は、工程(a)の前に、生物学的サンプルもしくはそれ由来の部分または生物学的サンプルに起因するサンプルもしくはその部分からRNAを単離する工程をさらに含み、ここで、RNAが少なくとも1つの細胞のうちの1つまたは複数由来のRNAを含有する。
いくつかの態様において、複製可能ウイルスはレトロウイルスであるかまたはこれを含み、かつ/または、ウイルスRNAまたは第1および/もしくは第2ウイルスRNAはレトロウイルスによって発現される。いくつかの態様において、レトロウイルスはガンマレトロウイルスである。いくつかの態様において、レトロウイルスはレンチウイルスである。
いくつかの態様において、生物学的サンプルはヒトまたは哺乳動物由来であり、かつ/または、1つもしくは複数の細胞は、任意でヒトまたは哺乳動物細胞である、初代細胞である。いくつかの態様において、1つもしくは複数の細胞および/または生物学的サンプルは、マスター・セル・バンク(MCB)、ワーキング・セル・バンク(WCB)、もしくは細胞株、またはそのサンプルに由来する。いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞または生物学的サンプルは、凍結保存材料(CMAT)、凍結保存薬物製品(CDP)、もしくは自己細胞療法用の製剤化薬物製品(FDP)、またはそのサンプルであるかまたはこれらに由来する。いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞または生物学的サンプルは、形質導入後、エクスビボ増大のような、増大を受ける細胞であるかまたはこれに由来する。
いくつかの態様において、異種核酸または異種遺伝子産物は、組換え受容体、キメラ受容体、任意でキメラ抗原受容体、またはトランスジェニックT細胞受容体であるかまたはこれらをコードする。
いくつかの態様において、決定または評価する工程が、ウイルスRNA、第1ウイルスRNAおよび/または第2ウイルスRNAの配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して行われる。いくつかの態様において、第2ウイルス遺伝子をコードするウイルスRNAのレベルは、第2ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して評価される。いくつかの態様において、ウイルスRNAのレベルは、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって評価される。いくつかの態様において、決定または評価する工程は、逆転写酵素定量的PCR (RT-qPCR)を行うことを含む。
いくつかの態様において、ウイルスRNAならびに/または第1および/もしくは第2ウイルスRNAならびに/またはウイルスRNAおよび/もしくは遺伝子は、レトロウイルスに由来する。いくつかの態様において、ウイルスRNA、第1ウイルスRNAおよび/もしくは第2ウイルスRNA(または前述のうちのいずれかをコードする遺伝子)は、ビリオン複製および/またはパッケージングに関与する遺伝子であるかまたはこれによってコードされる。いくつかの態様において、ウイルスRNAならびに/または第1ウイルスRNAおよび/もしくは第2ウイルスRNA(または前述のうちの1つもしくは複数をコードする遺伝子)は、形質導入細胞に形質導入を行うために使用された移入ベクターによってコードされる遺伝子ではない。いくつかの態様において、ウイルスRNA、第1ウイルスRNAおよび/または第2ウイルスRNAは、ウイルス表面タンパク質、エンベロープタンパク質、群特異抗原、ウイルス由来ポリメラーゼ、ウイルス由来逆転写酵素、ウイルス由来調節エレメント、転写のトランスアクチベーター、または応答エレメントをコードする。
いくつかの態様において、gag遺伝子は、マウス白血病ウイルス(MMLV) gagおよびヒト免疫不全ウイルス(HIV) gagからなる群より選択される。いくつかの態様において、env遺伝子は、GaLV envおよびVSVGより選択される。いくつかの態様において、第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 4〜5に記載の1つまたは複数の配列を含む。いくつかの態様において、第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 16〜24に記載の1つまたは複数の配列を含む。いくつかの態様において、第2ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 4〜5に記載の1つまたは複数の配列を含む。いくつかの態様において、第2ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 16〜24に記載の1つまたは複数の配列を含む。
いくつかの態様において、評価または決定する工程は、ウイルスRNA、ウイルス遺伝子、第1ウイルスRNAもしくは第1ウイルス遺伝子、または第2ウイルスRNAもしくは第2ウイルス遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブの使用を含む。いくつかの態様において、第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブは、SEQ ID NO: 6に記載の配列を含む。いくつかの態様において、第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブは、SEQ ID NO: 18、21、または24に記載の配列を含む。
いくつかの態様において、評価、決定または検出する工程は、ウイルスRNA、第2ウイルスRNA、第1ウイルスRNA、および/または第2ウイルス遺伝子のうちの1つまたは複数の配列に特異的な加水分解プローブを使用することを含む。いくつかの態様において、加水分解プローブは、SEQ ID NO: 6に記載の配列を含む。いくつかの態様において、第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブは、SEQ ID NO: 18、21、または24に記載の配列を含む。
いくつかの態様において、本方法は、試験または生物学的サンプル中の、対照遺伝子をコードするRNAのレベル、またはこれを示すかもしくはこれと相関するパラメータのレベルを、試験サンプルにおいて評価する工程をさらに含み、任意でここで、対照遺伝子はβ-アクチンであるかまたはこれを含み、かつ/または、任意でここで、パラメータまたは対照遺伝子のレベルが、対照遺伝子の配列に対して特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して評価され、該1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは個々に、SEQ ID NO: 1または2または8〜15のうちの1つに記載の1つまたは複数の配列を任意で含み、任意でここで、レベルが、対照遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブを使用して評価され、該加水分解プローブは、SEQ ID NO: 3、9、12、または15に記載の配列を任意で含む。
いくつかの態様において、評価または決定する工程は、多重反応を行うことを含み、ここで、任意で、レベル、第1レベル、および/または第2レベル;ならびに、任意で、対照遺伝子を示すかまたはこれと相関するレベルまたはパラメータが、多重反応において評価される。
いくつかの態様において、パラメータ、第1パラメータ、および/または第2パラメータは、個々に、ウイルスRNA(または第1もしくは第2ウイルスRNA)の、またはそれから発現される産物の、またはRNAに対応するウイルス遺伝子から発現される産物の、任意で相対コピー数または相対重量である量または相対量であるかまたはこれらを含み、あるいは、ウイルスRNA(または第1もしくは第2ウイルスRNA)の、またはそれから発現される産物の、またはRNA(または第1もしくはウイルスRNA)に対応するウイルス遺伝子から発現される産物の、濃度または相対濃度であるかまたはこれらを含む。
いくつかの態様において、量は絶対量または相対量である。いくつかの態様において、パラメータおよび/またはレベルは、サイクル閾値(Ct)値であるかまたはこれを含む。いくつかの態様において、試験サンプルについてのCT値が、参照Ctスコアである第1参照値を下回る場合、ウイルスRNAまたはその発現が、生物学的サンプル中または試験サンプル中に存在するかまたは存在するリスクがあると決定される。
いくつかの態様において、生物学的サンプルおよび/または1つもしくは複数の細胞は、対象に由来する。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの細胞は複数の細胞を含み、ここで該複数の細胞および/または前記生物学的サンプルは浮遊細胞を含み;該複数の細胞および/または前記生物学的サンプルは白血球を含み;かつ/または、該複数の細胞および/または前記生物学的サンプルはT細胞またはNK細胞を含む。
いくつかの態様において、第1試験サンプルおよび第2試験サンプルの一方または両方は、個々に、生物学的サンプルもしくはその部分に起因するか、または、生物学的サンプルもしくはその部分に起因するRNAを含有する。いくつかの態様において、第1ウイルスRNAについて評価される試験サンプルおよび第2 RNAについて評価される試験サンプルは、同じであるか、または同じサンプルもしくは組成物の部分である。いくつかの態様において、前記複数の細胞は、未分画T細胞、単離CD8+ T細胞、または単離CD4+ T細胞を含む。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの細胞はヒト細胞である。いくつかの態様において、試験サンプルは、生物学的サンプルであるかまたは生物学的サンプルの部分である。
いくつかの態様において、受け入れ基準は、リアルタイムPCRの妥当性を評価するように設定される。いくつかの態様において、受け入れ基準は、90%〜110%または約90%〜約110%のパーセント効率を含む。いくつかの態様において、受け入れ基準は、約0.95、約0.96、約0.97、約0.98もしくは約0.99のR2値、または0.95、0.96、0.97、0.98もしくは0.99より大きいR2値、または約0.95、約0.96、約0.97、約0.98もしくは約0.99より大きいR2値を含む。いくつかの態様において、本方法は、RNAの純度、完全性、および/または濃度を評価する工程をさらに含む。
SEQ ID NO: 1〜24のいずれかに記載の配列を含むオリゴヌクレオチドを含むプライマーをさらに提供する。いくつかの態様において、プライマーは蛍光部分または標識を含む。
従う1つまたは複数のプライマーを含むキットをさらに提供する。いくつかの態様において、キットは、ヌクレアーゼフリー水、逆転写酵素、ポリメラーゼ、デオキシヌクレオチド三リン酸、緩衝液、およびDNアーゼのうちの1つまたは複数をさらに含む。
いくつかの態様において、本方法は、試験サンプル中のウイルスRNAまたは第1および/もしくは第2ウイルスRNAを検出することができ、ここで、サンプル中、または試験サンプルもしくは生物学的サンプル中の1000万個の細胞当たり、少なくとも5個もしくは少なくとも10個もしくは少なくとも20個もしくは少なくとも50個もしくは少なくとも100個の細胞;かつ/または、本方法は、試験サンプルおよび/または生物学的サンプル中の、僅か1.5 pg、1 pgもしくは0.75 pgもしくはそれ未満、または僅か約1.5 pg、約1 pgもしくは約0.75 pgもしくはそれ未満のウイルス標的である量の標的RNAを検出することができる。
詳細な説明
形質導入細胞を含有する治療用細胞組成物のような、サンプルまたは組成物中で、複製可能レトロウイルス由来のウイルスRNAの存在、非存在、量、および/または濃度を検出するための方法および組成物を本明細書に提供する。特定の態様において、本方法は、ウイルスRNAの存在、非存在、量および/または濃度を示すかまたはこれらと相関するパラメータのレベルまたは量を測定または決定する1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様において、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、量、および/または濃度は、複製可能レトロウイルスの存在もしくは非存在、または複製可能レトロウイルスの存在もしくは非存在と関連するリスクを示す。いくつかの態様において、ウイルスRNAは、複製可能ウイルスの複製能力に必要であるか、または複製可能ウイルスの複製能力に必要である遺伝子産物もしくはその特異的に識別可能な部分をコードする。
レトロウイルス産生プロセスを含む、ウイルス産生プロセスは、ウイルスパッケージングエレメントの使用を含む。ある例示的なガンマレトロウイルスベースのウイルスについて、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV) gagおよびpolと、テナガザル白血病ウイルスエンベロープ(GaLV env)との組み合わせが、最小限の相同配列ならびに異種プロモーターおよびエンハンサーを有する別個のプラスミド上に全てコードされ、これは組換えのリスクを減らす。ウイルス産生のためのヒト親細胞株の使用は、いくつかの局面において、内因性の相同レトロウイルス配列の存在を排除することによって、組換えのリスクをさらに減らす。それにもかかわらず、RCRの非存在を保証するために、ウイルス製造プロセス中の複数の時点で、RCR試験が通常用いられる。
RCRを検出するために現在使用されるアッセイには2つの主要なカテゴリーがある。第1のものは、ウイルスベクターに特異的な遺伝子(例えば、GaLV env)のDNAを標的とする迅速なPCRベースのアッセイである。第2のものは細胞ベースの共培養アッセイであり、ここでは、細胞または採取された上澄みが、先ず、何らかの既存の複製性ウイルスを増幅させるために、数週間、許容細胞株と共培養され、続いて、存在する何らかの活性ウイルスを検出するために、インジケータ細胞株と共にインキュベートされる。細胞ベースのRCR共培養が広く使用されているが、アッセイは長時間かかり、高価であり、いくつかの場合において、プロダクトを投与するために望ましい時間が経過した後まで、RCR共培養アッセイからの結果が入手可能でない場合がある。逆に、現在のPCRベースの試験はより迅速であるが、この技術は偽陽性を生じさせる傾向がある。
提供される組成物および方法は、いくつかの態様において、高感度で汚染RCRを検出することができる迅速かつ正確なアッセイを提供する。例えば、いくつかの態様において、本明細書に提供される組成物および方法は、RCR由来のウイルスRNAの存在または量を示すために使用され得る、サンプル、例えば試験サンプルおよび/または生物学的サンプルのパラメータを迅速かつ正確に測定する。提供される組成物および方法は、細胞培養において前もって増幅させることなく、そのようなパラメータを迅速に測定することができる。さらに、提供される組成物および方法は、既存のDNAベースのPCR法と比べてより高い感度を提供する。
ウイルスベクター、例えば、レトロウイルスベクター、例えば、レンチウイルスおよびガンマレトロウイルスベクターは、広範囲の満たされていない医学的必要性に取り組むために、療法の開発に現在利用されている。複製欠損性レトロウイルスは、関心対象の遺伝子の制御された送達を可能にする遺伝子送達システムとして役立つように作製される。そのようなウイルスベクターは、遺伝子療法におけるように、遺伝子を直接送達するために、またはCAR-T細胞療法のような細胞療法を行うための細胞中へ遺伝子を送達するために、使用され得る。しかし、稀に、部位特異的組換えのような事象に起因して、複製可能ウイルスが遺伝子送達プロセス中に出現し得ると仮定される。そのような事象は極めて稀でありかつ/または起こり得ないと考えられるが、複製可能ウイルスがサンプル中に存在しないことを確認するために、サンプル(例えば、遺伝子療法またはCAR-T細胞療法のような療法)中の複製可能ウイルスの存在および/またはリスクを検出するための試験または他の予防対策を開発することが有利である。
本明細書に提供される方法および組成物は、遺伝子送達用のウイルスベクターの産生中に生じ得る潜在的な複製可能ウイルスの高感度かつ正確な検出のために有用である。いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、複製可能ウイルスが、混入した、生じた、発生した、または形質導入のために使用されたプラスミドおよびウイルスベクターから不注意に産生されたかどうかを決定するために使用される。ある態様において、本発明の方法は、遺伝子送達のために使用された同じウイルスベクターに起因する可能性があるまたは起因するであろう複製可能ウイルスについて試験するために、調整および/または利用される。従って、いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、形質導入および/または遺伝子送達のために使用されたウイルスの複製可能形態を検出するために利用される。特定の態様において、本明細書に提供される方法は、ウイルスの複製可能型のために存在しかつ/または必要とされるウイルス遺伝子の検出のために特に有用である。いくつかの態様において、ウイルス遺伝子は、複製欠損性ウイルスの産生のために使用されたプラスミド中に存在する。
いくつかの態様において、提供される方法は、ウイルスDNAとは対照的に、ウイルスRNAと関連する1つまたは複数のパラメータを測定または検出する1つまたは複数の工程を含む。特定の態様は、ウイルスRNAのレベルまたは量と関連するまたは相関するパラメータの検出が、偽陽性の事例を減らすかまたは妨げることを意図する。例えば、理論によって拘束されないが、偽陽性は、形質導入のために使用されるウイルスベクターストック中に存在したたままである残存ウイルス産生株DNAからの結果として、DNAベースのPCR技術において生じ得る。いくつかの局面において、ウイルスRNAと関連するかつ/または相関するパラメータの検出は、残存DNAの検出を最小限にするかまたは妨げ、従って、偽陽性を最小限にするかまたは妨げる。
いくつかの局面において、提供される方法は、特定の遺伝子をコードするウイルスRNAのレベルまたは量と関連するパラメータを測定または検出する1つまたは複数の工程を含む。ある態様において、これらのパラメータを測定することによって評価または検出される特定の遺伝子は、通常は内因性のヒトRNA配列に対してほとんど類似性を有さず、従って、ウイルス遺伝子の高感度かつ/または正確な検出を可能にする。例えば、いくつかの態様において、ウイルス遺伝子はテナガザル白血病ウイルス(GaLV)由来である。
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、代替方法と比べて少なくとも同じまたはより高い感度で、サンプル中のRCRおよび/またはRCRのウイルスRNAの存在を示すために有用である。いくつかの態様において、提供される方法は、RCRまたはRNAが他の方法の検出閾値を下回る場合にRCRおよび/またはRCRのウイルスRNAの存在または量を示すことができ、かつ/または、プロセスにおけるより早い時点で検出可能である。例えば、いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、DNAベースのPCRアッセイの検出の閾値レベルを下回るサンプル中の量またはレベルでのRCRまたはそのウイルスRNAを検出するために有用である。ある態様において、本明細書に提供される方法は、細胞培養物ベースのRCRアッセイプロトコルと比較してより早い時間で評価されるサンプル中の量またはレベルでのRCRまたはそのウイルスRNAを検出するために有用である。例えば、ある態様において、本明細書に提供される方法は、サンプル収集とRCR評価との間で、継代、増幅、または許容細胞株との共培養による増大の必要なく、アッセイされるサンプル中のRCRおよび/またはウイルスRNAを検出するために有用である。
特に定義しない限り、本明細書において使用される全ての専門用語、記号、ならびに他の技術的および科学的な用語または術語は、特許請求の主題が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有することが意図される。場合によっては、一般に理解される意味を有する用語が、明確さおよび/または素早い参照のために本明細書において記載されるが、本明細書におけるそのような記載の包含は、必ずしも当技術分野において一般的に理解されるものとの実質的な差を表すものと解釈されるべきではない。
本出願において参照される特許文書、科学文献、およびデータベースを含めた全ての刊行物は、各個別の刊行物が個別に参照により組み入れられた場合と同程度に、全ての目的のためにそれらの全体で参照により組み入れられる。本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる特許、出願、公開された出願、および他の刊行物に示される定義と正反対またはその他の点で矛盾するならば、参照により本明細書に組み入れられる定義よりも、本明細書において示される定義が優先される。
本明細書において使用されるセクションの見出しは、単に構成のためであり、説明される主題を限定するものと解釈されるべきではない。
I.複製可能ウイルスの検出
サンプル中の複製可能ウイルスの存在、非存在、またはレベルを検出する方法を本明細書に提供する。いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、パラメータの値、量、またはレベルを測定、決定、評価、および/または定量化する工程を含む。いくつかの態様において、パラメータの量、値、および/またはレベルは、ウイルスRNAの存在、非存在、および/または量もしくは濃度を示すかまたはこれらと相関する。特定の態様において、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、または量もしくは濃度は、複製可能ウイルスの、存在もしくは非存在、またはリスクを示す。ある態様において、ウイルスRNAは、複製可能ウイルスの複製能力に必要であるか、または複製可能ウイルスの複製能力に必要である遺伝子産物もしくはその特異的に識別可能な部分をコードする。
いくつかの局面において、提供される方法は、ウイルスベクター粒子で形質導入が行われた1つまたは複数の細胞を含有するかまたはこれに起因するサンプル中に複製可能レトロウイルスが存在するかどうかを決定するために、パラメータを測定または評価する工程を伴う。従って、いくつかの場合において、ウイルスベクター粒子は、細胞に形質導入を行うために使用されたかまたは使用されてよく、該細胞は、提供される方法によってその後評価され、形質導入のために使用されるウイルスが複製可能形態で存在しないことを保証する。
いくつかの態様において、パラメータがサンプルにおいて測定される。特定の態様において、サンプルは試験サンプルおよび/または生物学的サンプルである。ある態様において、試験サンプルは生物学的サンプルである。いくつかの態様において、試験サンプルは生物学的サンプルに起因する。特定の態様において、試験サンプルは生物学的サンプルの部分である。いくつかの態様において、試験サンプルは、生物学的サンプルおよび/または生物学的サンプルと同じ供給源に由来する、これらに起因する、かつ/またはこれらから採取される。特定の態様において、試験サンプル中の1つまたは複数のパラメータの量、レベル、濃度、および/または値は、生物学的サンプル中の1つまたは複数のパラメータの量、レベル、濃度、および/または値を反映する、これらと相関する、かつ/またはこれらと関連する。いくつかの態様において、試験サンプル中の1つまたは複数のパラメータの量、レベル、濃度、および/または値は、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、量、レベル、濃度、および/または値を反映する、これらと相関する、かつ/またはこれらと関連する。特定の態様において、試験サンプル中の1つまたは複数のパラメータの量、レベル、濃度、および/または値は、生物学的サンプル中の、ウイルス、例えば複製可能レトロウイルスの存在、非存在、量、レベル、および/または濃度を反映する、これらと相関する、かつ/またはこれらと関連する。特定の態様において、試験サンプル中の1つまたは複数のパラメータの量、レベル、濃度、および/または値は、生物学的サンプル中の、ウイルスRNAおよび/またはウイルス、例えば複製可能レトロウイルスの存在のリスクを反映する、これらと相関する、かつ/またはこれらと関連する。
いくつかの態様において、本方法は、1つまたは複数の標的遺伝子、例えばウイルス遺伝子の量、レベル、および/または発現を示しかつ/またはこれらと相関するサンプルの1つまたは複数のパラメータを評価、測定、および/または検出する工程を含む。特定の態様において、1つまたは複数のパラメータは、複製可能ウイルス、例えば複製可能レトロウイルスの存在、非存在、量、および/またはレベルを示しかつ/またはこれらと相関する。いくつかの態様において、1つまたは複数の標的遺伝子は、潜在的な複製可能ウイルスの検出についてのマーカーとして役立つ。
ある態様において、本明細書に提供される方法は、パラメータの測定、評価、検出、および/または定量化を対応の参照値と比較する1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様において、参照値は、パラメータの既知値である。いくつかの態様において、パラメータは、ウイルスRNA、標的遺伝子をコードするウイルスRNA、および/または複製可能ウイルスの量、レベル、および/または濃度と正に相関し、パラメータの値が参照値を上回る場合、複製可能ウイルスが存在すると検出される。特定の局面において、パラメータは、ウイルスRNA、標的遺伝子をコードするウイルスRNA、および/または複製可能ウイルスの量、レベル、および/または濃度と負にまたは逆に相関し、パラメータの値が参照値を下回る場合、複製可能ウイルスは存在しないと見なされる。
特定の態様において、パラメータの値または測定は、標的遺伝子、例えば、ウイルス遺伝子、ウイルスRNA、および/またはウイルスRNA遺伝子の存在または非存在を示し、かつ/または、これらの存在または非存在と相関しかつ/または関連する。ある態様において、パラメータの値または測定は、標的遺伝子の存在または非存在と、例えば負にまたは正に、相関する。特定の態様において、パラメータの値または測定は、標的遺伝子のレベルまたは量と、例えば負にまたは正に、相関する。
いくつかの態様において、パラメータは、遺伝子および/または遺伝子発現産物である。従って、いくつかの態様において、パラメータを測定、評価、検出、および/または定量化する工程は、遺伝子または遺伝子発現産物のレベルまたは量を測定、評価、検出、および/または定量化する工程であるかまたはこれらを含む。特定の態様において、遺伝子はウイルス遺伝子である。いくつかの態様において、パラメータは、ウイルスRNA、例えば、1つまたは複数の遺伝子をコードするウイルスRNAから生じるかつ/または起因するcDNAである。特定の態様において、遺伝子は標的遺伝子である。ある態様において、パラメータはタンパク質であり、パラメータを測定、評価、検出、および/または定量化する工程は、タンパク質のレベルまたは量を測定、評価、検出、および/または定量化する工程であるかまたはこれらを含む。いくつかの態様において、タンパク質はウイルスタンパク質である。ある態様において、タンパク質は、ウイルス遺伝子、例えば、ウイルスRNA遺伝子によってコードされる。いくつかの態様において、タンパク質は標的遺伝子によってコードされる。ある態様において、パラメータは、標的遺伝子が存在する場合に存在するかつ/または発現されるタンパク質またはポリヌクレオチドである。いくつかの態様において、パラメータは、標的遺伝子の存在の結果として、存在する、発現される、修飾される、増加される、または減少される、タンパク質および/またはポリヌクレオチドである。例えば、いくつかの態様において、パラメータは、標的遺伝子の存在または刺激に応答して細胞によって発現されるタンパク質である。
いくつかの態様において、ウイルスRNAの存在、非存在、レベル、濃度および/または量は、ウイルスの存在、非存在、レベル、濃度および/または量を決定するために、測定、評価、検出、および/または定量化される。いくつかの態様において、ウイルスは、例えばサンプル中にある、複製可能ウイルスである。ある態様において、ウイルスRNAの存在、非存在、レベル、濃度および/または量は、1つまたは複数のパラメータ、例えば、試験サンプルの1つまたは複数のパラメータを測定、評価、検出、および/または定量化することによって、測定、評価、検出、および/または定量化される。いくつかの態様において、生物学的サンプル中の複製可能ウイルスの存在または非存在は、ウイルスRNAのレベル、量、および/または濃度から決定される。
いくつかの局面において、本方法は、サンプル中の標的遺伝子の核酸レベルを対応の参照値、例えば、標的遺伝子の核酸の既知レベル、および/または、遺伝子核酸レベルを評価するために使用されるアッセイの検出限界での標的遺伝子の核酸レベルと比較する工程を含む。いくつかの態様において、標的遺伝子の核酸レベルが標的遺伝子についての参照値を上回る場合、複製可能ウイルスが試験サンプル中に存在すると検出される。いくつかの局面において、標的遺伝子の核酸レベルが参照値を下回る場合、複製可能ウイルスは試験サンプル中に存在しないと見なされる。
いくつかの態様において、ウイルス核酸は、DNAを含まないかまたはDNAではない。いくつかの態様において、ウイルス核酸は、RNAであるかまたはRNAを含む。いくつかの態様において、RNAはウイルスRNAである。いくつかの態様において、本方法は、増幅および/または検出のためにRNAをDNAへ逆転写する工程を含む。
いくつかの態様において、複製可能ウイルスは複製可能レトロウイルス(RCR)である。いくつかの態様において、複製可能レトロウイルスは複製可能ガンマレトロウイルスである。いくつかの態様において、複製可能ウイルスは複製可能レンチウイルス(RCL)である。
いくつかの態様において、ウイルスRNAのレベルは、特定のウイルス配列またはウイルス遺伝子の発現のレベルを示す。いくつかの態様において、発現はRNAの産生を含む。いくつかの態様において、発現は、タンパク質への特定の配列または遺伝子の翻訳を必ずしも含まない。いくつかの態様において、ウイルスRNAのレベルは、特定のウイルス配列またはウイルス遺伝子の転写のレベルを示す。いくつかの態様において、ウイルスRNAの転写は、ウイルス複製中におけるRNAへの組込まれたプロウイルスDNAの転写のレベルを示す。いくつかの態様において、ウイルスRNAはウイルスタンパク質へ翻訳される。いくつかの態様において、ウイルスRNAは、複製中に新しいウイルス粒子中へパッケージされるウイルスゲノムである。提供される方法の複数の局面において、試験サンプルは、生物学的サンプルから、例えば細胞または細胞の集団から単離されたまたは取得されたRNAを含有する。いくつかの態様において、試験サンプルは、ウイルスベクター粒子を産生するために使用された細胞由来のRNAを含む。いくつかの態様において、細胞はウイルスパッケージング細胞株に由来する。いくつかの態様において、細胞は、ウイルスベクター粒子を一過性に産生するために使用されるパッケージング細胞または宿主細胞である。いくつかの態様において、試験サンプルは、ウイルスベクター粒子で遺伝子操作された細胞または細胞の集団由来のRNAを含む。いくつかの場合において、細胞または細胞の集団は、患者に起因する。いくつかの態様において、細胞は、血液、骨髄、リンパ液、またはリンパ器官に起因し、免疫系の細胞、例えば、自然免疫または適応免疫の細胞、例えば、リンパ球、典型的にT細胞および/またはNK細胞を含む、骨髄系またはリンパ系細胞である。いくつかの場合において、試験サンプルは、養子細胞療法で治療されかまたは治療されている患者由来の細胞由来のRNAを含む。
いくつかの場合において、細胞または細胞の集団は、組換えおよび/または異種分子をコードするウイルスベクター粒子のような、ウイルスベクター粒子で形質導入が行われるかまたは行われた。いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子は、組換えまたは異種分子、例えば組換え受容体、例えば抗原受容体、例えばキメラ抗原受容体またはトランスジェニックT細胞受容体、をコードする核酸を含有するゲノムを含み、それによって、細胞の形質導入は、組換え受容体(例えば、CAR)発現細胞を生じさせることができる。本文脈における異種とは、通常はウイルスから発現されないかつ/またはウイルスゲノムによってコードされないタンパク質を指す。いくつかの場合において、ウイルスベクター粒子は、T細胞のような細胞に形質導入を行うために使用されるかまたは使用された。いくつかの態様において、結果として生じた細胞およびそのような細胞を含む組成物は、養子免疫療法において使用することができる。例示的なウイルスベクター粒子および細胞を下記に記載する。
いくつかの態様において、提供される方法は、生物学的サンプル中の複製可能ウイルスの存在、非存在、またはレベルを評価するために使用される。いくつかの態様において、生物学的サンプルは、遺伝子操作細胞を産生する製造プロセスの任意の段階にあるような、異種核酸をコードするウイルスベクター粒子で操作されたかまたは操作される細胞であるかまたはこれを含む。いくつかの局面において、ウイルスベクター粒子を産生するために使用されたレトロウイルスにおいて発現されるが、ウイルスベクター粒子自体(これは、いくつかの場合において、複製欠損であるかまたは複製欠損であるように操作された)においては発現されない、1つまたは複数の標的遺伝子、例えばウイルス遺伝子、例えば第1、第2、および/またはそれに続くウイルス遺伝子の、RNAレベルを評価することによって、複製可能ウイルスは検出される。
ある態様において、パラメータは、標的遺伝子のまたはこれをコードするウイルスRNAである。いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば第1および/または第2ウイルス遺伝子のRNAレベルは、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)アッセイを使用して評価される。いくつかの場合において、逆転写酵素PCR (RT-PCR)は、qPCRと同じアッセイの一部として(例えば、RT-qPCRアッセイにおいて)行われるか、またはqPCRアッセイの前に行われる。従って、いくつかの場合において、試験サンプル中に含まれるRNA、例えば、形質導入細胞を含むサンプルから抽出されるかまたは抽出されたRNAは、RT-PCRによるcDNAの合成のための鋳型として使用される。
いくつかの態様において、サンプル中のRNAの量は、サンプル中のRNAの程度、レベルまたは量を示すかまたは示す、サロゲート読み出し、例えば、パラメータまたはサロゲートパラメータから決定される。いくつかの態様において、サロゲート読み出しは、提供されるRT-PCR法によって取得されるサイクル閾値(CT)値であり、これは、サンプルからシグナルを検出するために要したサイクル数についての読み出しである。CT値は、サンプル中の核酸(例えばRNA)の量と逆に相関し、それによって、より低いCT値はより高い量の標的RNAを示し、一方、より高いCT値はより低い量の標的RNAを示す。
ある態様において、パラメータはサロゲート読み出しである。いくつかの態様において、パラメータは、提供されるRT-PCR法によって取得されるサイクル閾値(CT)値である。特定の態様において、パラメータはCT値である。
提供される方法において、1つまたは複数の標的ウイルスRNAの存在、レベルまたは量が評価される。いくつかの態様において、RCRを含有するかまたは含有するリスクがあるサンプルとRCRを含有しないサンプルとを見分ける能力のために、1つまたは複数の標的RNAは選択される。例えば、いくつかの態様において、1つまたは複数の標的RNAは、RCRを含有するかまたは含有するリスクがあるサンプル中には存在し、RCRを含有しないサンプル中には存在しないかまたは実質的に存在しない。いくつかの態様において、標的RNAのレベルまたは量または濃度は、RCRを含有しないサンプル中と比べて、RCRを含有するかまたは含有するリスクがあるサンプル中より高い。いくつかの態様において、1つまたは複数の標的RNAは、本明細書に記載される方法において使用される場合、高いシグナル対ノイズ比および/または低いバックグラウンドレベルもしくはノイズをもたらす。いくつかの態様において、標的ウイルスRNAはGaLVである。いくつかの態様において、標的ウイルスRNAはMMLVである。いくつかの態様において、標的ウイルスRNAはGaLVおよびMMLVである。
いくつかの局面において、標的遺伝子に加えて、対照遺伝子、例えばアクチンが、アッセイについての対照として評価される。対照遺伝子の評価は、標的遺伝子のうちの1つまたは複数の評価と同じ反応(例えばウェル)において、例えば多重反応において、行われ得る。例えば、対照遺伝子および第1ウイルス遺伝子は、同じ反応において評価され得る。他の場合において、対照遺伝子および第2ウイルス遺伝子は、同じ反応において評価され得る。いくつかの局面において、第1および第2ウイルス遺伝子は、多重反応において評価され得る。いくつかの場合において、3つ以上の標的遺伝子が、多重反応において評価され得る。いくつかの場合では、対照遺伝子は、第1遺伝子および第2遺伝子の両方と共におよび/または3つ以上の標的遺伝子と共に多重反応において評価され得る。
いくつかの場合では、標的遺伝子、例えば、第1および/もしくは第2ウイルス遺伝子、ならびに/または対照遺伝子は、それぞれ、標的遺伝子または対照遺伝子の配列に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、評価される。いくつかの態様において、標的遺伝子および/または対照遺伝子のウイルスRNAレベルは、それぞれ、標的遺伝子または対照遺伝子に対して特異的な加水分解プローブを使用して、評価される。例示的なオリゴヌクレオチドプライマーおよび加水分解プローブを下記において議論する。
いくつかの態様において、1つまたは複数の対照サンプルが、試験サンプルに加えて評価される。例えば、プラスミド標準対照は、アッセイの増幅部分についての対照として使用され得る。いくつかの局面において、鋳型を含まない対照は、PCR試薬の汚染状態についての情報を提供するために使用され得る。いくつかの場合において、逆転写酵素を含まない対照は、RNA鋳型の純度を評価するためにおよび/または汚染DNAを検出するために使用され得る。いくつかの場合では、標的遺伝子のコピーを含有しない陰性対照、例えば、標的遺伝子を発現しない細胞株由来のRNAが使用される。いくつかの態様において、組換えおよび/または異種分子をコードするウイルスベクター粒子で形質導入が行われなかった患者が一致する材料由来のRNAを含有するインプロセス対照が、例えばRNA単離手順中の可能性がある汚染に起因する、バックグラウンドシグナルについてなどの、対照として使用される。
RT-PCRにおいてRT陰性条件で検出される増幅の程度は、汚染DNAを示し得る。いくつかの態様において、例えば、RT陰性サンプルにおいて比較的より低いシグナルを生じさせることが観察されたRNA単離または調製法を選択することによって、RNA単離は、汚染DNAを最小限にするように行われる。いくつかの態様において、無RT条件におけるより低い増幅の程度、および/または、汚染DNAのより低い存在の程度は、特定の方法(いくつかの局面において、RNeasy Plus Kit)を使用して単離されたRNAを含有するサンプルにおいて観察される。いくつかの局面において、オンカラムDNアーゼ消化を伴うRNeasy Kitが使用される。
いくつかの態様において、既知レベルの標的遺伝子を含有する陽性対照が使用され得る。標的遺伝子の既知のRNAレベルは、アッセイによる標的遺伝子の検出限界であり得るかまたはこれを僅かに上回り得る。提供される方法のいくつかの態様において、形質導入細胞に起因するRNAを含有する試験サンプルに、陽性対照RNAがスパイクされる。下記においてさらに説明されるように、いくつかの態様において、陽性対照サンプル中の標的遺伝子のRNAレベルは、いくつかの局面において、試験サンプル中の標的遺伝子のRNAレベルが比較される参照値を設定する。
いくつかの態様において、試験サンプル中の標的遺伝子のRNAレベルが参照値よりも高い場合、試験サンプルは、複製可能ウイルスまたはウイルスの複製能力に由来し、通常、複製可能ウイルスまたはウイルスの複製能力に必要であるかまたは必要であると考えられる、1つまたは複数のRNAを有すると見なされ得る。いくつかの態様において、複製可能ウイルス由来である、これに必要である、これに必要であると考えられる、またはこれと通常関連する、RNAを有すると見なされたサンプルは、アッセイにおいて陽性と見なされ、かつ/または、複製可能ウイルスを含有するリスクがあると見なされ、レトロウイルス複製に必要なかつ/または複製可能ウイルスに必要な1つまたは複数のRNAを含有すると見なされ;推定的複製可能ウイルスを含有すると見なされ、かつ/または、複製可能ウイルスを潜在的に含有すると見なされる。いくつかの態様において、サンプルは、複数のウイルス標的RNAまたはウイルスの複製能力に必要な複数のRNAに関して陽性と見なされない限り、RCRについて陽性、またはRCRについて潜在的に陽性、またはRCRについてリスクがあると見なされない。
いくつかの態様において、アッセイによって以下と見なされるサンプルは、陽性と見なされる:(i)標的RNA(および/または複数の標的RNAのうちの2つ以上)の存在を含有する、(ii)参照レベル(例えば参照CT値)であるかまたはこれを下回る、RNAの量を通常は逆に示すサロゲート読み出しのレベル(例えばCT値)を含有する、かつ/または、(iii)各場合において任意で複数の標的ウイルスRNAのうちの2つ以上の各々について、参照値であるかまたはこれより高いRNAの量、またはそのサロゲート読み出しを含有する。
いくつかの態様において、(i)標的RNA(および/または複数の標的RNAのうちの2つ以上)の存在を含有する、(ii)参照レベル(例えば参照CT値)であるかまたはこれを下回る、RNAの量を通常は逆に示すサロゲート読み出しのレベル(例えばCT値)を含有する、(iii)各場合において任意で複数の標的ウイルスRNAのうちの2つ以上の各々について、参照値であるかまたはこれより高いRNAの量、またはそのサロゲート読み出しを含有する、と見なされた、かつ/または、(iv)アッセイによって陽性と見なされるかまたは見なされた、サンプルは、(a)複製可能ウイルスを含有するリスクがあると見なされ、(b)レトロウイルス複製に必要なかつ/または複製可能ウイルスに必要なRNA(または任意で複数のRNAおよび/もしくは該RNA)を含有すると見なされ;(c)推定的複製可能ウイルスを含有すると見なされ、かつ/または、(d)複製可能ウイルスを潜在的に含有すると見なされる。
いくつかの局面において、サンプルが、少なくとも2つのウイルスRNA(例えば、少なくとも第1および第2ウイルスRNA)について(i)〜(iii)または(i)〜(iv)のいずれかにおけるそれぞれの読み出しを含有すると見なされた場合、サンプルは、複製可能ウイルスを含有するリスクがある、かつ/もしくは、推定的複製可能ウイルスを含有する、かつ/もしくは、複製可能ウイルスを潜在的に含有する、かつ/もしくは、アッセイにおいて陽性であると見なされるか、または単に見なされる。
いくつかの態様において、アッセイにおいて以下と見なされるサンプルは、陰性と見なされる:(1)標的RNAの存在を含有しない、または標的RNAの非存在を含有する(かつ/または複数の標的RNAのうちの2つ以上を含有しない)、(2)参照レベル(例えば参照CT値)であるかまたはこれを上回る、RNAの量を通常は逆に示すサロゲート読み出しのレベル(例えばCT値)を含有する、かつ/または、(3)各場合において任意で複数の標的ウイルスRNAのうちの少なくとも2つについて、参照値であるかまたはこれを下回るRNAの量、またはそのサロゲート読み出しを含有する。
いくつかの態様において、(1)標的RNA(および/または複数の標的RNAのうちの2つ以上)の存在を含有しない、(2)参照レベル(例えば参照CT値)であるかまたはこれを上回る、RNAの量を通常は逆に示すサロゲート読み出しのレベル(例えばCT値)を含有する、(3)参照値であるかまたはこれを下回るRNAの量、またはそのサロゲート読み出しを含有する、と見なされた、かつ/または、(4)アッセイによって陰性と見なされるかまたは見なされた、サンプルは、(a)複製可能ウイルスを含有するリスクがないと見なされ、(b)レトロウイルス複製に必要なかつ/または複製可能ウイルスに必要なRNAを含有しないと見なされ;(c)推定的複製可能ウイルスを含有しないと見なされ、かつ/または、(d)複製可能ウイルスを含有しないと見なされる。
いくつかの局面において、サンプルが、標的ウイルスRNA(例えば、複製可能ウイルスまたはウイルスの複製能力に必要であるかまたは必要であると考えられる任意の1つまたは複数の標的ウイルスRNA、例えば、第1および第2ウイルスRNAのうちの1つまたは複数)について(1)〜(4)のいずれかにおけるそれぞれの読み出しを含有すると見なされた場合、サンプルは、複製可能ウイルスについてのリスクがない、複製可能ウイルスについて陰性である、または複製可能ウイルスの存在を含有しないと見なされる。
いくつかの場合において、標的遺伝子のRNAレベルが参照値よりも低い場合、試験サンプルは、アッセイ、推定的な複製可能ウイルスの存在、または存在のリスクについて陽性ではないと見なされる。いくつかのそのような場合において、サンプルおよび/またはそれに起因する細胞、例えば形質導入細胞は、例えば、さらなるプロセシングもしくは製剤化へ、および/または、養子細胞療法のような、療法における使用もしくは投与のために、取り出される。いくつかのそのような場合において、生物学的サンプルが起因する、任意でヒト対象である患者は、複製可能ウイルスを含まないと見なされる。
いくつかの局面において、提供される方法は、レトロウイルス形質導入に供されそして培養された細胞を含有する操作細胞プロダクトサンプルにおいて、複製可能ウイルスの、存在もしくは非存在、またはリスクを提供または評価するために使用することができる。レトロウイルスベクター粒子、例えば、ガンマレトロウイルスおよびレンチウイルスベクター粒子は、細胞プロダクトの調製に関するものを含む、治療用遺伝子を細胞中へ導入するための様々な臨床的遺伝子移入適用において使用されてきた。レトロウイルスベクター粒子は通常、レトロウイルス科、レトロヴィリダエ(Retroviridae)に起因する。いくつかの態様において、ビリオン粒子はゲノムRNAを含有する。宿主細胞中へ入ると、ゲノムRNAはDNAへ逆転写される。いくつかの態様において、DNAは、いくつかの場合においてインテグラーゼ酵素を使用して、宿主細胞の染色体DNA中へ組込みこまれ、その時点で、レトロウイルスDNAはプロウイルスと呼ばれ得る。いくつかの態様において、宿主細胞は、それ自体のゲノムの一部としてプロウイルスDNAを処理し、組込まれた遺伝子を宿主細胞自体の遺伝子と共に翻訳および転写し、それによって、ウイルスゲノム核酸によってコードされるタンパク質を産生する。いくつかの場合において、これらのタンパク質は、ウイルスの新しいコピーを組み立てるために必要であり、ここで、任意で、ウイルスは複製可能かつ/または感染性である。
レトロウイルスは、「単純」および「複雑」レトロウイルスに分類され得る。単純レトロウイルスのゲノムは、gag、pro、pol、およびenv遺伝子のみをコードする。単純レトロウイルスの例としては、アルファレトロウイルス、ベータレトロウイルス、およびガンマレトロウイルスが挙げられる。対照的に、複雑レトロウイルスのゲノムは、gag、pro、pol、およびenv遺伝子、ならびに様々な機能を有する数々の調節またはアクセサリー遺伝子を含む。複雑レトロウイルスの例としては、デルタレトロウイルス、イプシロンレトロウイルス、レンチウイルス、およびスプーマウイルスが挙げられる。アクセサリー遺伝子の例としては、vif、vpr、vpu、rev、vpx、およびnefが挙げられる。
いくつかの態様において、組換えレトロウイルス、例えばガンマレトロウイルスおよびレンチウイルスのゲノムまたはその部分は、宿主ゲノム中へ安定して組込まれることができる。いくつかの場合において、そのようなレトロウイルスは、そのような組込みを可能にする逆転写酵素および/またはインテグラーゼを含有する。いくつかの場合において、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、例えばHIV-1、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)またはモロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)のような、そのようなレトロウイルスのコンポーネントを含有するウイルスベクター粒子が、治療用遺伝子を細胞中へ導入するための様々な臨床的遺伝子移入適用において使用されてきた。いくつかの場合において、レトロウイルスベクターは、オンコレトロウイルスベクター、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)由来ベクターである。いくつかの態様において、ウイルスベクターは、第二または第三世代レンチウイルスベクターである。
対象への移植または投与に最終的に意図される細胞を含む、細胞の遺伝子療法または形質導入における使用に意図されるウイルスベクター粒子は、いくつかの態様において、そのようなウイルスに起因し、そして複製欠損であるように操作され得る。いくつかの態様において、この操作は、ウイルスタンパク質および異種タンパク質をコードする核酸を、個別の核酸配列へ分離することを伴う。いくつかの態様において、これらの個別の配列は、異種遺伝子を含むベクター配列(いくつかの態様において、移入ベクターおよび/または移入プラスミドと呼ばれる)、および、感染性ウイルス粒子へのウイルスのパッケージングに必要な遺伝子を含む1つまたは複数のヘルパー配列と呼ばれ得る。例えば、いくつかの態様において、ある核酸配列はgag/polを含み得、別の配列はenvを含み得、別の配列は異種核酸を含み得る。いくつかの態様において、例えばベクター配列およびヘルパー配列間の、相同または非相同組換えを通してなど、作製またはプロセシング工程中に生じた複製可能ウイルスを検出することができる方法が望ましい。いくつかの態様において、そのような方法は、治療用組成物の投与の前に、そのような事象は生じなかったことを確認することができる。
通常複製欠損ウイルスベクターは、パッケージング、構造、調節、および/または酵素コンポーネントをコードする遺伝子を欠く。そのようなコンポーネントとしては、gag、pro、pol、およびenv遺伝子が挙げられる。
可能性は低いが、組換えが、移入ベクター(例えば、組換えおよび/または異種分子をコードする配列を含有するもの)と、パッケージング細胞中へ導入されるプラスミドによってコードされる、パッケージング、構造、調節、または酵素コンポーネント(例えば、env、gag、pol、またはrev)との間で生じ得る。そのような組換え事象の発生は、複製可能ウイルス(例えば、RCR)を理論的に産生し得る。提供される方法は、サンプルにおいて、例えば、ウイルスベクター粒子の産生のために使用された細胞において、移入ベクター、パッケージングまたは調節コンポーネント、および内因性のまたは導入されたウイルスエレメント間で、組換えが生じなかったことを確認するために使用することができる。いくつかの局面において、提供される方法は、治療用組成物および産生中に生じる中間産物のような、あるサンプル中のRCRの非存在を確認または立証するために使用することができる。
いくつかの局面において、形質導入細胞を含むサンプルは、例えば、製造、製剤化、包装中、および/または、養子細胞療法におけるような、患者への投与前もしくは後の様々なまたはある段階で、複製可能ウイルスまたはそのインジケータの存在または非存在についてアッセイされる。いくつかの局面において、細胞療法のための細胞の操作は、ウイルスベクター粒子で細胞に形質導入を行い、通常は37℃で最長14日間まで細胞を培養し、その後、凍結保存および/または製剤化することを含み得る。いくつかの局面において、形質導入後の任意の時点で、例えば、典型的には、形質導入後少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日間もしくはそれ以上または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日間もしくはそれ以上を超えて培養した後に、取得された細胞から取得された試験サンプルが、提供される方法に従って評価され得る。いくつかの局面において、対象への投与のために凍結保存および/または製剤化された、形質導入および培養された(例えば、増大のため)細胞から取得された試験サンプルもまた、典型的には対象への投与前に、提供される方法によって評価され得る。
いくつかの局面において、提供される方法は、サンプル中のRCRを検出するための既存の方法に対して利点を提供する。RCR試験のためのいくつかの利用可能な方法、例えば、承認されたそのような方法としては、細胞培養物ベースのアッセイが挙げられる。そのようなアッセイにおいて、検出のためにウイルス粒子を増幅するために、細胞が数週間(通常は3〜6週間)培養される増幅期後の、許容細胞株(例えばHEK293細胞株)と共培養された細胞サンプルから、上澄みが取得される。増幅中に、例えば3週間もしくは6週間増幅期中に、収集された培養上澄みは、インジケータ細胞株上に置くことができ、形質転換が生じた場合にRCRが示され、これは典型的にはプラーク形成によって観察される。一つの例示的なアッセイは、S+/L-アッセイであり、これは、マウス肉腫ウイルスゲノムを含有する(S+)がマウス白血病ウイルスゲノムを欠く(L-)、インジケータ細胞株(例えばPG-4細胞株)を使用してのRCRの検出(または非存在の立証)を通常は伴う。典型的に、そのようなアッセイにおいて、形質転換表現型は、マウス肉腫ウイルスおよびマウス白血病ウイルスの両方が発現される場合にのみ、細胞によって産生される。
他の細胞培養物ベースのアッセイとしては、マーカーレスキューアッセイが挙げられ、ここで、許容細胞株を使用してよく、これは、レトロウイルスベクターをマーカー(例えば、マーカートランスジーン)と共に含有し、これは、潜在的なRCRの増幅(例えば、3週間もしくは6週間増幅)後に上澄み中で同定され得る。通常はRCRが存在した場合、RCRゲノムはパッケージされ、マーカートランスジーンはレスキューされ、従って、ナイーブな細胞株中へ形質導入されると発現される。
いくつかの局面において、ある細胞培養物ベースのアッセイは、完全には最善でない場合があり、例えば、何故ならば、それらは、時間がかかり、かつ/または、労働集約的であり、かつ/または、試験のために多くの体積もしくは量のサンプルを必要とし、かつ/または、RCRを実際には含有しない組成物について偽陽性RCR結果を生じさせ、かつ/または、ある特定の目的について十分である情報を時間枠内に提供しない場合があるためである。ある細胞培養物ベースのアッセイはまた、RCRを実際には含有する組成物について偽陰性結果を生じさせ得る。偽陰性結果は、ベクター曝露の直後の時点で、ある細胞培養アッセイを使用して評価されるサンプルにおいて、より頻繁に生じる可能性があり、従って、迅速な結果を提供するためにそのようなアッセイを使用することを制限する。ある一般的な細胞培養アッセイは、典型的には、完了するまでに最大6週間またはそれ以上を要する。ある方法は、使用前にまたは方法が完了される期間中に凍結保存することができない細胞での使用について不適切であり得る。
ある細胞培養物ベースのアッセイの例示的な代替法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイを伴うアッセイが挙げられ得る。そのようなPCRアッセイの限界としては、DNA鋳型ベースのPCRアッセイは、敏感であるが、例えば、実際のRCRと関連しない残存DNAに起因して、例えば、ベクター産生株DNAおよび/または他の残存DNA(これらは、許容されるDNAベースのPCR条件下では検出され得る)の存在に起因して、偽陽性をもたらす傾向があり得ることが挙げられ得る。そのような偽陽性結果は、ベクター曝露の直後の時点で評価されるサンプルにおいてより頻繁に生じ得、従って、迅速な結果を提供するためにそのようなアッセイを使用することを制限する。
いくつかの態様において、提供される方法、組成物、およびシステムは、様々な点において有利である。提供される方法は、既存の方法と比較して、同様のまたは改善された感度、特異性および/または正確度を示す。さらに、提供される方法は、数週間の培養を伴う細胞培養アッセイとは対照的に、迅速に、例えば数日または数時間のうちに、サンプル中の複製可能ウイルスの存在または非存在を検出するために行われかつ/または検出することができる。いくつかの局面において、例えば、自己または同種異系細胞が形質導入法によって操作される養子細胞療法に関して、結果をより効率的に得る能力は理想的である。
いくつかの局面において、提供される方法は、より感度が高く、その結果、このアッセイは、既存の方法、特に共培養法と比較して、形質導入後のより早い時点でかつ/またはより少ない総サンプルから取得された試験サンプルに対して実行することができる。
いくつかの態様において、本方法およびシステムは、例えば同じ組成物またはサンプルの試験において、ある利用可能なPCRベースの方法と比べてより少ない偽陽性結果をもたらす点で、有利であり、PCRベースの方法は、産生細胞またはプラスミドDNAからのような、汚染の検出によって制限され得る。いくつかの局面において、ある利用可能な細胞培養物ベースの方法およびPCR方法と比較しての本方法の利点は、DNA鋳型PCRとは対照的に、本方法による、RNA(例えば、細胞培養物ベースの方法におけるサンプル由来の上澄みとは対照的に、試験サンプル由来のRNA)の使用(または存在もしくは非存在またはレベルの検出)に関する。いくつかのそのような局面において、提供される態様は、RCRを含有したサンプルが方法へ供された場合に、サンプリングされた細胞がウイルス遺伝子を活発に転写していることを検出するそれらの能力の点で、有利である。従って、RNAを含む試験サンプル中で本方法によって検出される複製可能ウイルスの存在は、DNA鋳型を使用するあるPCRアッセイと比較して、複製可能ウイルスのより特異的なインジケータであり得、かつ/または、高レベルの感度および信頼性を維持しつつ、偽陽性をもたらす傾向がより低い場合がある。いくつかの局面において、提供される方法は、ある利用可能な細胞培養物ベースの方法と比べて感度および信頼性がより高い場合があり、それによって、偽陰性結果を減らすことができる。
いくつかの態様において、本明細書に開示されるアッセイのパフォーマンスは、ベンチマークとしての他のアッセイと比較される。いくつかの態様において、通常は本明細書に開示されるアッセイは、本明細書に記載されるもののような、S+/L-アッセイ、マーカーレスキューアッセイ、および/または鋳型ベースのRCR PCRアッセイと少なくとも同じくらい感度が高い。例えば、いくつかの態様において、本明細書に開示されるアッセイは、他のアッセイと比べて、より早い時点で、より少数のRCRを含有するサンプルにおいて、より小さなサンプルを使用して、より少ない細胞を使用して、またはより低い体積を使用して、RCRを検出するために使用することができる。いくつかの態様において、本明細書に開示されるアッセイは、同じまたはより高い感度を保持しながら、S+/L-アッセイと比べてより迅速に行うことができる。例えば、いくつかの態様において、アッセイは、試験サンプル作製の数時間または数日以内に行うことができる。いくつかの態様において、本明細書に開示されるアッセイは、例えば、S+/L-アッセイ、マーカーレスキューアッセイ、および/または鋳型ベースのRCR/RCL PCRアッセイを含む、他のアッセイと比べてより低い偽陽性率を有する。いくつかの態様において、本明細書に開示される提供されるアッセイは、所定の参照アッセイよりも低いもののような、低い偽陰性率を有し得る。いくつかの態様において、本明細書に開示される提供されるアッセイは、他の参照アッセイと比べて、より多数のサンプル、条件、または対照由来のRCRを同時に検出するために、並行して実行することができる。
提供されるセクションは、提供される方法の例示的な局面を説明する。
II.試験サンプル中の複製可能レトロウイルスを検出するための方法
複製可能ウイルスを潜在的に含有し得るか、または、複製可能ウイルスの非存在を決定的に確認することが望ましいかつ/もしくは必要であるサンプル(例えば生物学的サンプル)由来のRNAを含有するサンプル(例えば試験サンプル)中の、複製可能ウイルスの存在、非存在、もしくはレベルを検出する、例えば、複製可能ウイルスの非存在を確認する方法を本明細書に提供する。いくつかの態様において、試験サンプルは、組換えおよび/または異種分子をコードする複製欠損ウイルスベクター粒子を使用して核酸が形質導入された細胞を含むサンプル、例えば、生物学的サンプルおよび/または生物学的サンプルの供給源から取得される。いくつかの局面において、立証またはアッセイの前に、複製可能ウイルスが、例えば組換えによって、生じた可能性があることが、理論的に可能であり、そのようなサンプルは、例えば提供される方法によって、複製可能ウイルス、例えばRCRを含有しないと立証される。
いくつかの態様において、提供される方法は、サンプル、例えば、試験サンプルまたは生物学的サンプル中の、複製可能レトロウイルス、例えば、複製可能ガンマレトロウイルス(RCR)または複製可能レンチウイルス(RCL)を検出するために有用である。特定の態様において、提供される方法は、サンプル、例えば生物学的サンプルの細胞に形質導入を行うために使用されたウイルスベクターに由来するかつ/またはこれから生じた複製可能レトロウイルスを検出するために有用である。ある態様において、提供される方法は、サンプル中の細胞に形質導入を行うために使用されたウイルスベクターにおける複製能力に必要であるウイルス遺伝子および/またはウイルスポリヌクレオチド配列を検出するために有用である。
いくつかの態様において、サンプルは、1つまたは複数のプロウイルスプラスミドでトランスフェクトされた細胞を含む。いくつかの態様において、サンプルは、感染性ウイルス粒子を作製するために必要な1つまたは複数の核酸でトランスフェクトされたかつ/またはこれらを含む細胞を含む。いくつかの態様において、本方法は、形質導入細胞を含むサンプル中の、1つまたは複数の標的遺伝子、例えばウイルス遺伝子などの、ウイルスRNAレベルを評価する工程を含む。いくつかの局面において、本方法は、試験サンプル中の1つまたは複数の標的遺伝子のRNAレベルを、それぞれの参照値と比較する工程を含む。いくつかの場合では、複製可能ウイルスの存在は、各標的遺伝子とその参照値との比較に基づいて、形質導入細胞を含むサンプルのようなサンプルで検出される。いくつかの態様において、標的遺伝子のウイルスRNAレベルがそのそれぞれの参照値を上回る場合、複製可能ウイルスが、形質導入細胞含むサンプル中に存在する。いくつかの態様において、複製可能ウイルスは複製可能レトロウイルス(RCR)である。いくつかの態様において、複製可能レトロウイルスは複製可能ガンマレトロウイルスである。いくつかの態様において、複製可能ウイルスはレンチウイルス(RCL)である。
A.標的遺伝子および対照遺伝子
いくつかの局面において、複製可能ウイルスの非存在を検出または立証または確認するための方法を提供する。そのような方法は、1つもしくは複数のウイルス配列または1つもしくは複数のウイルス標的遺伝子(例えばウイルス遺伝子)のまたはこれらによってコードされる、ウイルスRNAレベルを評価する工程を含み得る。いくつかの態様において、1つまたは複数の標的遺伝子は第1ウイルス遺伝子を含む。いくつかの場合において、1つまたは複数の標的遺伝子は、第1および第2ウイルス遺伝子を含む。いくつかの態様において、第1および第2ウイルス遺伝子は同じではない。いくつかの態様において、1つまたは複数の標的遺伝子は、3つ以上のウイルス遺伝子を含む。いくつかの局面において、1つまたは複数の標的遺伝子は、レトロウイルス、例えば、ガンマレトロウイルスまたはレンチウイルス由来である。いくつかの態様において、標的遺伝子の評価に加えて、対照遺伝子のRNAレベルが、例えば、アッセイの妥当性または感度および/もしくは特異性を確認するために、評価される。
1.標的遺伝子
いくつかの態様において、本方法は、標的遺伝子または標的遺伝子の遺伝子発現産物の量、レベル、および/または濃度と、負または正のいずれかに、関連しかつ/または相関するパラメータを測定、検出、評価、および/または定量化するための工程を提供する。いくつかの態様において、パラメータは、標的遺伝子によってコードされるタンパク質であり、タンパク質のレベル、量、または濃度は、標的遺伝子の存在もしくは非存在、および/または量、レベル、もしくは濃度と正に相関する。ある態様において、パラメータは、標的遺伝子をコードするウイルスRNAであり、ウイルスRNAのレベル、量、または濃度は、標的遺伝子の存在もしくは非存在、および/または量、レベル、もしくは濃度と正に相関する。
いくつかの態様において、パラメータは、標的遺伝子によって負に調節されるタンパク質であり、タンパク質のレベル、量、または濃度は、標的遺伝子の存在もしくは非存在、および/または量、レベル、もしくは濃度と負に相関する。特定の態様において、パラメータは、標的遺伝子によって負に調節されるポリヌクレオチドであり、ポリヌクレオチドのレベル、量、または濃度は、標的遺伝子の存在もしくは非存在、および/または量、レベル、もしくは濃度と負に相関する。
いくつかの態様において、パラメータは、標的遺伝子をコードするウイルスRNA、および/または、標的遺伝子をコードするウイルスRNAに起因するcDNAである。特定の態様において、パラメータを測定、検出、評価、および/または定量化する工程は、標的遺伝子をコードするウイルスRNAおよび/または標的遺伝子をコードするウイルスRNAに起因するcDNAのレベルおよび/または量を測定、検出、評価、および/または定量化する工程であるかまたはこれらを含む。特定の態様において、対照パラメータが、PCR、例えばRT-PCRで測定、評価、検出、および/または定量化される。
通常、1つまたは複数の標的遺伝子または配列は、細胞に形質導入を行うために使用されるウイルスベクター粒子を産生するために使用される移入ベクターによってはコードされないウイルス遺伝子または配列である。いくつかの態様において、ウイルス配列または遺伝子は、野生型ウイルスによってコードされる。いくつかの態様において、ウイルス配列または遺伝子は、組換え配列または遺伝子である。いくつかの態様において、ウイルス配列または遺伝子は、ウイルス複製に必要である。いくつかの態様において、ウイルス配列または遺伝子は、ウイルスのパッケージング、構造、調節、もしくは酵素コンポーネント、またはそれらの配列の部分をコードする。
特定の態様において、1つまたは複数の標的遺伝子または配列は、複製欠損性ウイルスベクター粒子を産生するために使用されるウイルス遺伝子または配列である。ある態様において、1つまたは複数の標的遺伝子または配列は、レトロウイルスベクターを産生するために使用される。いくつかの態様において、1つまたは複数の標的遺伝子は、セクションIVにおいて説明されるウイルスベクターのうちの1つまたは複数を産生するために使用される。特定の態様において、ウイルスベクターは、遺伝子送達、例えば、CARをコードする遺伝子のために使用される。ある態様において、1つまたは複数の標的遺伝子または配列は、遺伝子送達のために使用される、レトロウイルスベクター、例えば、複製欠損性レトロウイルスを産生するために使用される。特定の態様において、レトロウイルスベクターはガンマレトロウイルスベクターである。いくつかの態様において、レトロウイルスベクターはレンチウイルスベクターである。
いくつかの態様において、1つまたは複数の標的遺伝子は、遺伝子送達のために使用されるレトロウイルスベクター、例えば、複製欠損性レトロウイルスベクターとは異なるウイルス、例えば、異なるウイルス種またはアイソタイプのものであるかまたはこれらに起因する。ある態様において、1つまたは複数の標的遺伝子は、遺伝子送達のために使用されるレトロウイルスベクター、例えば、複製欠損性レトロウイルスベクターとは異なるウイルス、例えば、異なるウイルス種またはアイソタイプのものであるかまたはこれらに起因する。
いくつかの場合では、1つまたは複数の標的遺伝子、例えば、第1および/または第2ウイルス遺伝子は、env、gag、pol、またはrev遺伝子を含む。追加の標的遺伝子は、病原性と関連するもの、例えば、HIVの一次トランス活性化因子を含み得、かつ/または、アクセサリー遺伝子である。いくつかの態様において、env、gag、pol、またはrev遺伝子のうちの1つまたは複数が、遺伝子送達のために使用されるレトロウイルスベクター、例えば、複製欠損性レトロウイルスを産生するために使用される。特定の態様において、env、gag、pol、またはrev遺伝子のうちの1つまたは複数が、ガンマレトロウイルスベクターを産生するために使用される。特定の態様において、env、gag、pol、またはrev遺伝子のうちの1つまたは複数が、レンチウイルスベクターを産生するために使用される。いくつかの態様において、env、gag、pol、またはrev遺伝子のうちの1つまたは複数は、遺伝子送達のために使用されるレトロウイルスベクター、例えば、複製欠損性レトロウイルスベクターとは異なるウイルス、例えば、異なるウイルス種またはアイソタイプのものであるかまたはこれらに起因する。ある態様において、env、gag、pol、またはrev遺伝子のうちの1つまたは複数は、遺伝子送達のために使用されるレトロウイルスベクター、例えば、複製欠損性レトロウイルスベクターとは異なるウイルス、例えば、異なるウイルス種またはアイソタイプのものであるかまたはこれらに起因する。
いくつかの態様において、1つまたは複数の標的遺伝子は、第1ウイルス遺伝子および第2ウイルス遺伝子を含む。特定の態様において、1つまたは複数の標的遺伝子は、2、3、4、5、6、7、8、9、および/または10個のウイルス遺伝子であるかまたはこれらを含む。特定の態様において、第1ウイルス遺伝子は、env、gag、pol、rev、pro、vpr、vif、vpu、nef、vpx、またはTat遺伝子である。いくつかの態様において、第2ウイルス遺伝子は、env、gag、pol、rev、pro、vpr、vif、vpu、nef、vpx、またはTat遺伝子である。特定の態様において、第1および/または第2ウイルス遺伝子は、env、gag、pol、またはrev遺伝子である。いくつかの場合では、第1ウイルス遺伝子はenv遺伝子である。いくつかの態様において、第2ウイルス遺伝子は、gag、pol、またはrev遺伝子である。いくつかの場合では、第1ウイルス遺伝子は、gag、pol、またはrev遺伝子である。いくつかの態様において、第2ウイルス遺伝子はenv遺伝子である。いくつかの態様において、第1または第2ウイルス遺伝子は、pro、vpr、vif、vpu、nef、vpx、および/またはTat遺伝子である。
ある態様において、提供される方法は、複製可能ウイルスが、サンプル中に、例えば、試験サンプル、生物学的サンプル、ならびに/または生物学的および/もしくは試験サンプルの供給源中に存在するかどうかを決定するために使用される。いくつかの態様において、サンプルは、ウイルスベクターで形質導入が行われた細胞を含有するかまたはこれに起因する。いくつかの態様において、細胞は、レトロウイルスベクターで形質導入が行われたことがある。いくつかの態様において、細胞は、ガンマレトロウイルスベクターで形質導入が行われたことがある。特定の態様において、細胞は、レンチウイルスベクターで形質導入が行われたことがある。
いくつかの態様において、細胞は、ウイルスベクター、例えばレトロウイルスベクターで形質導入が行われた。特定の態様において、細胞は、複製欠損性ウイルスベクターで形質導入が行われた。ある態様において、複製欠損性ウイルスベクター粒子は、宿主細胞、例えば、ウイルスパッケージング細胞株(VPC)由来の細胞中への、ベクターゲノムおよびパッケージング構築物をコードした複数のプラスミドの同時トランスフェクションを含んだ一過性産生法によって産生された。いくつかの態様において、ウイルスベクター、例えば、複製欠損性レトロウイルスベクター。いくつかの態様において、ウイルスベクターの産生のために使用されたかつ/またはウイルスベクター中へ組込まれたプラスミドおよび/または遺伝子は、2つ以上のウイルス、例えば、ウイルスの種またはアイソタイプ由来の遺伝子を含有する。例えば、いくつかの態様において、レトロウイルスベクターは、レトロウイルスに由来しないまたはこれに起因しない1つまたは複数の遺伝子を含有する。
いくつかの態様において、レトロウイルスベクターは、レトロウイルスに由来しないかつ/またはこれに起因しない1つまたは複数のウイルス遺伝子および/またはポリヌクレオチド配列を含有する。特定の態様において、ガンマレトロウイルスベクターは、ガンマレトロウイルスに由来しないかつ/またはこれに起因しない1つまたは複数のウイルス遺伝子および/またはポリヌクレオチド配列を含有する。特定の態様において、レンチウイルスベクターは、レンチウイルスに由来しないかつ/またはこれに起因しない1つまたは複数のウイルス遺伝子および/またはポリヌクレオチド配列を含有する。
いくつかの態様において、複製可能レトロウイルスは、レトロウイルスに由来しないかつ/またはこれに起因しない1つまたは複数のウイルス遺伝子および/またはポリヌクレオチド配列を含有する。特定の態様において、複製可能ガンマレトロウイルス(例えば、RCR)は、ガンマレトロウイルスに由来しないかつ/またはこれに起因しない1つまたは複数のウイルス遺伝子および/またはポリヌクレオチド配列を含有する。特定の態様において、複製可能レンチウイルスベクター(例えば、RCL)は、レンチウイルスに由来しないかつ/またはこれに起因しない1つまたは複数のウイルス遺伝子および/またはポリヌクレオチド配列を含有する。
ある態様において、ウイルスベクターは、例えば、ウイルスベクターの安定性を増加もしくは減少させるかつ/または宿主トロピズムを変更するために、シュードタイプ化され、例えば、外来ウイルス遺伝子および/またはタンパク質と組み合わされる。ある態様において、複製可能ウイルス、例えばRCRまたはRCLの検出、評価、および/または測定は、このウイルスに起因しないかつ/またはこのウイルスに由来しない、ウイルス遺伝子および/またはウイルス遺伝子と関連もしくは相関するパラメータの評価、測定、および/または検出であるかまたはこれらを含む。
いくつかの態様において、複製可能ウイルス、例えばRCRまたはRCLの検出、評価、および/または測定は、ウイルスベクターの産生のために使用されたウイルス遺伝子の検出 評価、測定、および/または検出であるかまたはこれらを含む。いくつかの態様において、複製可能レトロウイルス、レンチウイルス、および/またはガンマレトロウイルスは、ウイルスベクターをシュードタイプ化するために使用されるウイルス遺伝子またはポリヌクレオチド配列を検出することによって、検出、測定、または評価される。
いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば、ウイルス遺伝子(例えば、第1、第2、または追加のウイルス遺伝子)は、任意の適切なウイルス、例えば、レトロウイルス、例えば、ガンマレトロウイルスまたはレンチウイルスに起因してもよい。いくつかの態様において、標的遺伝子は、以下を含むが、これらに限定されないウイルス由来の、レトロウイルス由来遺伝子である:モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLVまたはMMLV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSVまたはHSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTVまたはMMTV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLVまたはGALV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)およびラウス肉腫ウイルス(RSV)。いくつかの態様において、標的遺伝子は、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、肝炎ウイルス、またはインフルエンザのような、他のウイルス由来のものであり得る。
いくつかの態様において、標的遺伝子は、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)由来である。いくつかの局面において、標的遺伝子、例えば、ウイルス遺伝子(例えば、第1、第2、または追加のウイルス遺伝子)は、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)由来である。いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば、ウイルス遺伝子(例えば、第1、第2、または追加のウイルス遺伝子)は、水疱性口内炎ウイルス(VSV)由来である。
いくつかの態様において、標的遺伝子が、複製可能レトロウイルスの存在、非存在、量、レベル、および/または濃度を評価するために、測定、評価、定量化、および/または決定される。特定の態様において、複製可能レトロウイルスは、複製可能ガンマレトロウイルス(RCR)である。いくつかの態様において、複製可能ガンマレトロウイルスは、ガンマレトロウイルスに起因するかつ/またはこれに由来する標的遺伝子を測定することによって検出される。いくつかの態様において、標的遺伝子は、ガンマレトロウイルスに由来するかつ/またはこれに起因するenv、gag、pol、rev、pro、vpr、vif、vpu、nef、vpx、またはTat遺伝子である。特定の態様において、標的遺伝子は、ガンマレトロウイルスに由来するかつ/またはこれに起因するenv、gag、pol、またはrevである。いくつかの態様において、標的遺伝子は、ガンマレトロウイルスベクターの産生のために使用され、かつ/または、ガンマレトロウイルスベクターの産生のために使用されるプラスミド上に含有されるかもしくは細胞中に発現され、かつ、ガンマレトロウイルスではないウイルスに由来するかつ/またはこれに起因する。いくつかの態様において、標的遺伝子は、ガンマレトロウイルスに起因しないenv、gag、pol、rev、pro、vpr、vif、vpu、nef、vpx、またはTat遺伝子である。いくつかの態様において、標的遺伝子はシュードタイピング遺伝子である。特定の態様において、標的遺伝子は、ガンマレトロウイルではないウイルス、例えばVSVに由来するかつ/またはこれに起因するenvである。例示的なガンマレトロウイルスとしては、マウス白血病ウイルス(MLV)、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)、エーベルソンマウス白血病ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ肉腫ウイルス、およびトリ細網内皮症ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、標的遺伝子はレトロウイルスgag遺伝子である。いくつかの態様において、gag遺伝子は、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV) gag遺伝子またはヒト免疫不全ウイルス(HIV) gag遺伝子である。いくつかの態様において、gag遺伝子は、複製可能ウイルス中に存在するウイルスタンパク質をコードするが、この遺伝子は、組換えおよび/または異種分子を含む非複製可能ウイルスベクター粒子には存在しない。いくつかの態様において、gag遺伝子は、ウイルスマトリックス、カプシドおよびヌクレオカプシドタンパク質を含むポリタンパク質をコードする。例示的なタンパク質としてはp17、p24、p9およびp6が挙げられる。いくつかの態様において、複製可能ウイルスを抱える形質導入細胞は、MMLVまたはHIV gag遺伝子を含む、ウイルスベクター粒子中には存在しない様々なウイルス遺伝子を転写する。いくつかの態様において、MMLV gag遺伝子は、SEQ ID NO: 27に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの態様において、HIV gag遺伝子は、SEQ ID NO: 31に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。
いくつかの態様において、標的遺伝子はレトロウイルスpol遺伝子である。いくつかの態様において、pol遺伝子は、MLV pol遺伝子またはHIV pol遺伝子である。いくつかの態様において、pol遺伝子は、他のタンパク質の中でも特に、プロテアーゼ(PR)、逆転写酵素(RT)およびインテグラーゼ(IN)をコードする。いくつかの態様において、pol遺伝子は、複製可能ウイルス中に存在するウイルスタンパク質をコードするが、この遺伝子は、組換えおよび/または異種分子を含む非複製可能ウイルスベクター粒子には存在しない。通常、複製可能ウイルスを抱える形質導入細胞は、pol遺伝子を含む、ウイルスベクター粒子中には存在しない様々なウイルス遺伝子を転写する。いくつかの態様において、pol遺伝子は、SEQ ID NO: 29に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの態様において、pol遺伝子は、SEQ ID NO: 32に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。
ある態様において、標的遺伝子はレトロウイルスenv遺伝子である。いくつかの場合において、env遺伝子はテナガザル白血病ウイルス(GaLV) env遺伝子である。いくつかの態様において、GaLV env遺伝子は、複製可能レトロウイルス中に存在するウイルスエンベロープタンパク質をコードするが、この遺伝子は、組換えおよび/または異種分子をコードする非複製可能ウイルスベクター粒子には存在しない。通常、複製可能ウイルスを抱える形質導入細胞は、GaLV env遺伝子を含む、ウイルスベクター粒子中には存在しない様々なウイルス遺伝子を転写する。いくつかの態様において、GaLV env遺伝子は、SEQ ID NO: 25に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。
いくつかの態様において、標的遺伝子が、複製可能レンチウイルス(RCL)の存在、非存在、量、レベル、および/または濃度を評価するために、測定、評価、定量化、および/または決定される。いくつかの態様において、RCLは、レンチウイルスに起因するかつ/またはこれに由来する標的遺伝子を測定することによって検出される。いくつかの態様において、標的遺伝子は、レンチウイルスに由来するかつ/またはこれに起因するenv、gag、pol、rev、pro、vpr、vif、vpu、nef、vpx、またはTat遺伝子である。特定の態様において、標的遺伝子は、レンチウイルスに由来するかつ/またはこれに起因するenv、gag、pol、またはrevである。いくつかの態様において、標的遺伝子は、ガンマレトロウイルスベクターの産生のために使用され、かつ/または、ガンマレトロウイルスベクターの産生のために使用されるプラスミド上に含有されるかもしくは細胞中に発現され、かつ、レンチウイルスではないウイルスに由来するかつ/またはこれに起因する。いくつかの態様において、標的遺伝子は、レンチウイルスに起因しないenv、gag、pol、rev、pro、vpr、vif、vpu、nef、vpx、またはTat遺伝子である。いくつかの態様において、標的遺伝子はシュードタイピング遺伝子である。特定の態様において、標的遺伝子は、レンチウイルスではないウイルス、例えばVSVに由来するかつ/またはこれに起因するenvである。
いくつかの態様において、レンチウイルスとしては、ウシレンチウイルス群、ウマレンチウイルス群、ネコレンチウイルス群、ヒツジ-ヤギレンチウイルス群および霊長動物レンチウイルス群のメンバーが挙げられる。遺伝子送達に適したレンチウイルスベクターの設計および使用は、例えば、2001年3月27日発行の米国特許第6,207,455号、および2000年12月26日発行の米国特許第6,165,782号に記載されている。レンチウイルスの例としては、HIV-1、HIV-2、HIV-1/HIV-2シュードタイプ、HIV-1/SIV、FIV、ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)、ウマ伝染性貧血ウイルスおよびウシ免疫不全ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、レンチウイルスベクターとしては、HIV-1、SIVmnd1、SIVlst、SIVsun、SIVolcまたはSIVwrcレンチウイルスに起因するものが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、標的遺伝子はレンチウイルスrev遺伝子である。いくつかの態様において、rev遺伝子はヒト免疫不全ウイルス(HIV) rev遺伝子である。いくつかの態様において、rev遺伝子はトランス活性化タンパク質をコードする。いくつかの態様において、rev遺伝子は、複製可能ウイルス中に存在するウイルスタンパク質をコードするが、この遺伝子は、組換えおよび/または異種分子を含む非複製可能ウイルスベクター粒子には存在しない。通常、複製可能ウイルスを抱える形質導入細胞は、rev遺伝子を含む、ウイルスベクター粒子中には存在しない様々なウイルス遺伝子を転写する。いくつかの態様において、rev遺伝子は、SEQ ID NO: 33に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。
いくつかの態様において、標的遺伝子は、シュードタイピング遺伝子であり、かつ/または、レトロウイルスではないウイルスに由来するかつ/またはこれに起因するenvである。いくつかの局面において、env遺伝子は、水疱性口内炎ウイルスenv遺伝子(例えば、VSVG)である。いくつかの態様において、VSV env遺伝子は、複製可能ウイルス中に存在するウイルスエンベロープタンパク質をコードするが、この遺伝子は、組換えおよび/または異種分子をコードする非複製可能ウイルスベクター粒子には存在しない。通常、複製可能ウイルスを抱える形質導入細胞は、VSVG env遺伝子を含む、ウイルスベクター粒子中には存在しない様々なウイルス遺伝子を転写する。いくつかの態様において、VSVG env遺伝子は、SEQ ID NO: 26に記載の配列、またはそのような配列と、少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。
特定の態様において、本方法は、サンプル中の、例えば、試験サンプルおよび/または生物学的サンプル中のRCRの検出のための1つまたは複数の工程を含む。特定の態様において、本明細書に提供される方法は、ガンマレトロウイルス遺伝子である、かつ/または、遺伝子送達のために使用される複製欠損性ガンマレトロウイルスベクターのような、ガンマレトロウイルスベクターを作製するために使用された遺伝子である、1つまたは複数の標的遺伝子の検出、測定、評価、および/または定量化のための1つまたは複数の工程を含む。特定の態様において、本方法は、1つまたは複数の対照遺伝子の検出、測定、評価、および/または定量化のための1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様において、対照遺伝子はアクチンである。特定の態様において、標的遺伝子はGaLV envである。ある態様において、標的遺伝子はMMLV gagである。いくつかの態様において、標的遺伝子はGaLV envおよびMMLV gagである。
特定の態様において、本方法は、サンプル中の、例えば、試験サンプルおよび/または生物学的サンプル中のRCLの検出のための1つまたは複数の工程を含む。特定の態様において、本明細書に提供される方法は、レンチウイルス遺伝子である、かつ/または、遺伝子送達のために使用される複製欠損性レンチウイルスベクターのような、レンチウイルスベクターを作製するために使用された遺伝子である、1つまたは複数の標的遺伝子の検出、測定、評価、および/または定量化のための1つまたは複数の工程を含む。特定の態様において、本方法は、1つまたは複数の対照遺伝子の検出、測定、評価、および/または定量化のための1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様において、対照遺伝子はアクチンである。特定の態様において、標的遺伝子はrev、例えば、HIV revである。ある態様において、標的遺伝子はVSV-Gである。いくつかの態様において、標的遺伝子はrevおよびVSV-Gである。
2.対照遺伝子
いくつかの態様において、パラメータを測定、検出、評価、および/または定量化することに加えて、対照パラメータの量、レベル、および/または濃度も測定、検出、評価、および/または定量化する。特定の態様において、対照パラメータの値または測定は、対照遺伝子または遺伝子発現産物の量、レベル、および/または濃度と相関しかつ/または関連する。いくつかの態様において、パラメータおよび対照パラメータは両方とも、遺伝子または遺伝子発現産物、例えば、タンパク質である。ある態様において、パラメータおよび対照パラメータは両方とも、遺伝子、RNAポリヌクレオチド、および/またはRNAポリヌクレオチドに起因するDNAポリヌクレオチドである。ある態様において、対照パラメータの値または測定は、対照遺伝子または遺伝子発現産物のレベル、濃度、および/または量と、例えば負にまたは正に、相関する。いくつかの態様において、遺伝子発現産物はmRNAである。特定の態様において、対照遺伝子発現産物は、非ウイルスRNA、例えばヒトmRNAである。
いくつかの態様において、対照パラメータはRNAである。特定の態様において、対照パラメータを測定、検出、評価、および/または定量化する工程は、RNAのレベルおよび/または量を測定、検出、評価、および/または定量化する工程であるかまたはこれらを含む。特定の態様において、対照パラメータは、PCR、例えばRT-PCRで測定、評価、検出、および/または定量化される。
いくつかの態様において、標的遺伝子のウイルスRNAレベルを評価することに加えて、対照遺伝子のRNAレベルも評価する。いくつかの場合では、対照遺伝子は、そのRNAレベルおよび/または転写が複製可能ウイルスの存在によって影響されたりまたは変化したりしないと考えられるものである。いくつかの態様において、対照遺伝子は、ハウスキーピング遺伝子、例えば:ベータアクチン(ACTB;β-アクチン)、ベータチューブリン(β-チューブリン;TUBB)、ユビキチン、β-グルクロニダーゼ(GUSB)、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT1)、リボソームRNA(例えば、28sもしくは18s)および/またはグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(GAPDH)である。いくつかの局面において、対照遺伝子の評価は、標的遺伝子で多重化される。いくつかの場合では、対照遺伝子の評価は、アッセイにおけるRNA品質を制御する。いくつかの態様において、反応、例えばウェル中の対照遺伝子の存在は、RNAが存在し、かつ、逆転写およびPCR増幅を受けることができるために十分な品質のものであることを確認する。
いくつかの態様において、対照遺伝子は、RT-PCRおよび/またはqPCRアッセイについての対照遺伝子として使用されることが公知である多数の遺伝子もしくはポリヌクレオチドまたはそれらの部分のいずれかである。
いくつかの態様において、対照遺伝子は、アクチン、例えばヒトベータアクチン(β-アクチン)であるかまたはこれを含む。いくつかの局面において、アクチン遺伝子は、SEQ ID NO: 28に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。
B.アッセイ調製、プロトコル、および分析
ある態様において、1つまたは複数のアッセイは、パラメータを検出、測定、評価、および/または定量化するために行われる。いくつかの態様において、パラメータを検出、測定、評価、および/または定量化する工程は、ポリヌクレオチド、例えば、ウイルスRNAポリヌクレオチドおよび/またはRNAポリヌクレオチドに起因するDNAポリヌクレオチドのレベルを検出、測定、評価、および/または定量化する工程であるかまたはこれらを含む。ある態様において、パラメータを検出、測定、評価、および/または定量化する工程は、タンパク質、例えばウイルスタンパク質のレベルを検出、測定、評価、および/または定量化する工程であるかまたはこれらを含む。
いくつかの態様において、パラメータは、ポリヌクレオチドのレベルまたは量であるかまたはこれらを含む。特定の態様において、サンプル中のポリヌクレオチドの量またはレベルが、任意の好適な手段によって、評価、測定、決定、および/または定量化され得る。例えば、いくつかの態様において、ポリヌクレオチドの量またはレベルは、以下によって評価、測定、決定、および/または定量化することができる:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、例えば、逆転写酵素(rt)PCR、ドロップレットデジタルPCR、リアルタイムおよび定量的PCR法(例えば、TAQMAN(登録商標)、分子ビーコン、LIGHTUP(商標)、SCORPION(商標)、SIMPLEPROBES(登録商標)を含む;例えば、米国特許第5,538,848号;同第5,925,517号;同第6,174,670号;同第6,329,144号;同第6,326,145号および同第6,635,427号を参照のこと);ノーザンブロット法;例えば逆転写産物および誘導体の、サザンブロット法;アレイベースの方法、例えば、ブロッテッドアレイ、マイクロアレイ、もしくはインサイチュ合成アレイ;およびシーケンシング、例えば、合成によるシーケンシング、パイロシーケンシング、ジデオキシシーケンシング、もしくはライゲーションによるシーケンシング、または当技術分野において公知の任意の他の方法、例えば、Shendure et al., Nat. Rev. Genet. 5:335-44 (2004)またはNowrousian, Eukaryotic Cell 9(9): 1300-1310 (2010)に議論されるもの、例えば、HELICOS(登録商標)、ROCHE(登録商標)454、ILLUMINA(登録商標)/SOLEXA(登録商標)、ABI SOLiD(登録商標)、およびPOLONATOR(登録商標)シーケンシングのような特定のプラットフォーム。特定の態様において、ポリヌクレオチドのレベルはqRT-PCRによって測定される。いくつかの態様において、qRT-PCRは、各遺伝子について3つの核酸セットを使用し、ここで、3つの核酸は、プライマー対を、プライマーが結合する標的核酸の領域間で結合するプローブと共に含む。
いくつかの態様において、1つまたは複数のパラメータは、1つまたは複数のポリヌクレオチドを配列決定することによって、測定、評価、検出、および/または定量化される。いくつかの態様において、配列決定は、非サンガー配列決定法および/または次世代シーケンシング(NGS)技術によって行われる。次世代シーケンシング技術の例としては、超並列シグネチャーシーケンシング(Massively Parallel Signature Sequencing)(MPSS)、Polonyシーケンシング、パイロシーケンシング、リバーシブル・ダイ・ターミネーター・シーケンシング(Reversible dye-terminator sequencing)、SOLiDシーケンシング、イオン半導体シーケンシング、DNAナノボールシーケンシング、Helioscope単分子シーケンシング、単分子リアルタイム(SMRT)シーケンシング、単分子リアルタイム(RNAP)シーケンシング、およびナノポアDNAシーケンシングが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、NGS技術はRNAシーケンシング(RNA-Seq)である。RNAシーケンシング法は、最も一般的なDNAシーケンシングプラットフォーム[HiSeqシステム(Illumina)、454 Genome Sequencer FLX System (Roche)、Applied Biosystems SOLiD (Life Technologies)、IonTorrent (Life Technologies)]に適応された。これらのプラットフォームは通常、cDNAへのRNAの最初の逆転写を必要とする。逆に、単分子シーケンサーHeliScope (Helicos BioSciences)は、シーケンシングの鋳型としてRNAを使用することができる。PacBio RSプラットフォームにおける直接RNAシーケンシングについての原理の証明もまた実証された(Pacific Bioscience)。いくつかの態様において、1つまたは複数のRNA遺伝子産物が、RNA-seqによって評価、測定、決定、および/または定量化される。
いくつかの態様において、パラメータは、タンパク質のレベルまたは量であるかまたはこれらを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数のタンパク質が、好適な手段によって測定、評価、検出、および/または定量化される。好適な方法としては、免疫細胞化学(immunocytochemisty)または免疫組織化学(immunohistochemisty)、ELISA(例えば、直接、間接、サンドイッチ、競合、マルチプルおよびポータブルELISA(例えば、米国特許第7,510,687号を参照のこと)、ウェスタンブロット法(例えば、一次元、二次元もしくはより高次元のブロッティングまたは他のクロマトグラフィー手段(任意でペプチドシーケンシングを含む))、RIA(ラジオイムノアッセイ)、SPR(表面プラズモン共鳴)、核酸ベースのもしくはタンパク質ベースのアプタマー技術、HPLC(高精度液体クロマトグラフィー)、ペプチドシーケンシング(例えば、エドマン分解シーケンシングまたは質量分析(例えばMS/MS)(任意でHPLCへ接続される))、および前述のうちのいずれかのマイクロアレイ適応物(例えば、核酸、抗体またはタンパク質-タンパク質(即ち、非抗体)アレイ)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、パラメータは、標的遺伝子のRNAのレベルまたは量である。いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば、第1もしくは第2ウイルス遺伝子、および/または対照遺伝子のRNAレベルは、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)および/またはリアルタイムPCR(qPCR)によって評価される。いくつかの局面において、RT-PCRおよびqPCRは、同じアッセイにおいて、例えば、ワンステップアッセイ(RT-qPCR)において行われる。いくつかの態様において、標的遺伝子のRNAレベルは、標的遺伝子の1つまたは複数の配列に特異的な、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマー、例えば、順方向および逆方向プライマーを使用して評価される。いくつかの態様において、対照遺伝子のRNAレベルは、対照遺伝子の1つまたは複数の配列に特異的な、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマー、例えば、順方向および逆方向プライマーを使用して評価される。いくつかの場合において、標的遺伝子または対照遺伝子の配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブが、標的遺伝子または対照遺伝子のRNAレベルをそれぞれ評価するために使用される。
いくつかの態様において、標的遺伝子および/または対照遺伝子のRNAレベルは、試験サンプルにおいて、例えば、異種核酸を含む細胞由来のRNAにおいて、評価される。いくつかの場合において、標的および対照遺伝子のRNAレベルは、それぞれ、試験サンプル中に存在する標的および対照RNAの相対量を決定することによって評価される。
いくつかの場合において、RNAは、サンプルから、例えば形質導入細胞から、抽出される。いくつかの態様において、細胞はRNA抽出前に溶解される。従って、いくつかの場合では、RNAは細胞溶解物から抽出される。RNAは、当業者に知られている試薬および方法を使用して単離することができる。
いくつかの態様において、標的遺伝子および/または対照遺伝子のRNAレベルは、試験サンプルにおいて、例えば、異種核酸を含む細胞由来のRNAにおいて、評価される。いくつかの場合において、標的および対照遺伝子のRNAレベルは、それぞれ、試験サンプル中に存在する標的および対照RNAの相対量を決定することによって評価される。
いくつかの場合において、RNAは、サンプルから、例えば形質導入細胞から、抽出される。いくつかの態様において、細胞は、RNA抽出前に溶解される。従って、いくつかの場合では、RNAは細胞溶解物から抽出される。RNAは、当業者に知られている試薬および方法を使用して単離することができる。
いくつかの局面において、RNAの純度、完全性、および/または濃度が評価される。いくつかの場合において、RNAは、2を上回る、例えば2.000〜2.100の、A260/280値を有する場合、許容される純度を有する、例えば、(例えばDNAでの)実質的な汚染がないと見なされる。
いくつかの態様において、cDNAは、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)のための鋳型として試験サンプル由来のRNAを使用して合成される。多数の公知のRT-PCR試薬のいずれを使用してもよい。
いくつかの態様において、1つまたは複数の標的遺伝子のRNAレベルは、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)によって評価される。いくつかの場合において、qPCRアッセイの前に、cDNAが、鋳型として試験サンプル由来のRNAを用いてRT-PCRによって合成される。いくつかの場合では、RT-PCRおよびqPCRは、ワンステップ反応(RT-qPCR)で行われる。
いくつかの態様において、対照および試験サンプルは、96-ウェルプレートのような、マルチウェルフォーマットまたはプレートの1つまたは複数のウェルへ割り当てられる。いくつかの場合において、対照および/または試験サンプルは、マルチウェルプレートの単一のウェル中で、各々、アッセイされる。いくつかの場合では、対照および/または試験サンプルは、三つ組など反復実験で実行される。
いくつかの態様において、対照および/または試験サンプルは、対照遺伝子および/または標的遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマー、例えば、順方向および逆方向プライマー、例えば、本明細書に記載されるうちのいずれかと混合される。いくつかの場合では、対照遺伝子に特異的な加水分解プローブおよび/または標的遺伝子に特異的な加水分解プローブは、試験および/または対照サンプルと混合される。いくつかの場合において、対照および/または標的サンプルは、当技術分野において公知の任意の試薬のような、RT-PCRおよび/またはリアルタイムPCRアッセイを行うための他の試薬と混合される。
いくつかの態様において、RNAの量は、リアルタイムPCRによる検出およびCt値の計算に基づいて決定または推定される。従って、いくつかの態様において、対照および/または標的遺伝子アンプリコンの存在はリアルタイムPCRによって検出される。いくつかの態様において、規定のシグナル閾値が、分析される全ての反応について決定または計算される。いくつかの態様において、このシグナル閾値に達するために必要とされる増幅サイクル数(閾値サイクル、または「Ct」)が、ウイルスRNAまたはウイルス遺伝子のような、標的核酸について、ならびに1つまたは複数の対照遺伝子について、決定される。試験サンプル中のウイルス遺伝子または対照遺伝子の、存在または量、例えば絶対量もしくは相対量は、当技術分野において公知の方法を使用して標的核酸および対照遺伝子について取得されたCt値に基づいて決定することができる(Gibson et al., Genome Research 6:995-1001; Bieche et al., Cancer Research 59:2759-2765, 1999; WO 97/46707; WO 97/46712; WO 97/46714)。
いくつかの態様において、アッセイは多重反応として行われる。例えば、いくつかの場合において、標的遺伝子および対照遺伝子のRNAレベルの評価は、多重反応で行われる。標的遺伝子および対照遺伝子を同時に評価する利点は、アッセイにおけるRNA品質がウェルおよびアッセイプレートにわたって確認および標準化することができることを含む。いくつかの態様において、反応、例えばウェル中の対照遺伝子の存在は、RNAが存在し、かつ、逆転写およびPCR増幅を受けることができるために十分な品質のものであることを確認し、これは、乏しいRNA品質または損なわれた反応条件に起因する偽陰性の検出を防ぎ得る。
いくつかの局面において、2つ以上の標的遺伝子、例えば、第1、第2、または追加のウイルス遺伝子が、アッセイにおいて多重化され得る。いくつかの場合において、2つ以上の標的遺伝子は、対照遺伝子(単数または複数)と共に多重化される。いくつかの局面において、多重化反応において2つ以上の標的遺伝子を評価する利点は、遺伝子のRNAレベルが、同じ出発材料、例えば、同じ品質を有する同じ量のRNAから決定されることを含む。いくつかの態様において、標的遺伝子と同じウェルにおいて1つまたは複数の対照遺伝子を評価することは、対照遺伝子の存在または検出が、標的遺伝子と同じ反応条件を受ける同じウェルにおいて陽性対照を提供する点で有利である。
いくつかの態様において、提供される方法は、試験サンプル中のウイルスRNAのレベルを、評価されたウイルス遺伝子の各々についての参照値またはレベルと比較する工程、および、比較に基づいて、複製可能ウイルスが試験サンプル中に存在するかどうかを決定する工程を含む。いくつかの態様において、試験サンプルおよび/または参照値は、直接または間接的に測定され得る。
1.サンプルの調製
a.試験サンプル
いくつかの態様において、試験サンプルは、ウイルスRNAのレベルと関連する、これと相関するかつ/またはこれを予測する1つまたは複数のパラメータを含有する。特定の態様において、生物学的サンプル中のウイルスRNAのレベルと関連する、これと相関するかつ/またはこれを予測する1つまたは複数のパラメータ。
ある態様において、試験サンプルは1つまたは複数の細胞を含有する。いくつかの態様において、細胞は、生物学的サンプルおよび/または生物学的サンプルと同じ供給源に由来するかつ/またはこれらに起因する。特定の態様において、試験サンプルは、生物学的サンプルのまたは生物学的サンプルと同じ供給源由来の細胞に起因するポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを含有する。いくつかの態様において、試験サンプルはRNAを含有する。ある態様において、試験サンプルは、ウイルスRNAに起因する、DNA、例えばcDNAを含有する。いくつかの態様において、試験サンプルはタンパク質を含有する。
ある態様において、試験サンプルは、遺伝子、例えば標的ウイルスRNA遺伝子の存在および/または活性を反映する、これらと相関する、かつ/またはこれらと関連する、1つまたは複数の遺伝子発現産物、例えばポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを含有する。ある態様において、試験サンプルは、遺伝子、例えば標的ウイルスRNA遺伝子の存在および/または活性を反映する、これらと相関する、かつ/またはこれらと関連する、1つまたは複数のポリペプチドを含有する。いくつかの態様において、ポリペプチドは、遺伝子、例えば標的ウイルスRNA遺伝子の存在および/または活性を反映する、これらと相関する、かつ/またはこれらと関連する、修飾ポリペプチド、例えば、ジメチル化、トリメチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化、パルミトイル化、グリコシル化、脂質付加、スルホン化、および/またはニトロシル化ポリペプチドであるかまたはこれらを含む。特定の態様において、試験サンプルは、遺伝子、例えば標的ウイルスRNA遺伝子の存在および/または活性を反映する、これらと相関する、かつ/またはこれらと関連する、1つまたは複数のポリヌクレオチドを含有する。いくつかの態様において、1つまたは複数のポリヌクレオチドは、ウイルス遺伝子、例えば標的ウイルス遺伝子をコードするRNAであるかまたはこれらを含む。ある態様において、1つまたは複数のポリヌクレオチドは、ウイルス遺伝子、例えば標的ウイルス遺伝子をコードするRNAに起因する、DNA、例えばcDNAであるかまたはこれらを含む。
ある態様において、試験サンプルは、細胞から採取される、細胞に起因する、かつ/または細胞に由来する、パラメータを含有する。特定の態様において、細胞は試験サンプル中に含有される。特定の態様において、試験サンプルは、生物学的サンプルおよび/または生物学的サンプルと同じ供給源から採取される、これに由来するかつ/またはこれに起因する、細胞を含有する。ある態様において、細胞は生物学的サンプル由来である。特定の態様において、細胞は生物学的サンプルと同じ供給源由来である。いくつかの態様において、試験サンプルは細胞由来のRNAを含有する。ある態様において、試験サンプルは、細胞(例えば、生物学的サンプルまたは生物学的サンプルと同じ供給源由来の細胞)由来のRNAに起因する、DNA、例えばcDNAを含有する。
いくつかの態様において、細胞、例えば、生物学的サンプル由来のおよび/または生物学的サンプルと同じ供給源由来の細胞は、例えば、養子細胞療法における使用および/またはそのような使用のために製剤化されたもののための(例えば、薬学的に許容されるレシピエントおよび/または凍結保存剤を含む薬学的組成物中の)、操作細胞のプロセシングおよび調製に関して作製されたものである。いくつかの態様において、いくつかの局面においては対照細胞であり得る、本方法によって評価される、細胞、例えば、生物学的サンプル由来のおよび/または生物学的サンプルと同じ供給源由来の細胞は、ウイルスパッケージング細胞株(VPC)、マスター・セル・バンク(MCB)、またはワーキング・セル・バンク(WCB)由来である。いくつかの態様において、ウイルスベクターは、機能的レトロウイルスベクター粒子を産生するために必要なレトロウイルスタンパク質を合成するように設計されたVPCを使用して産生される。いくつかの態様において、VPCはベクターゲノムを含まない。いくつかの態様において、MCBは、パッケージング細胞株としての使用について確立または認定された、VPCのような、細胞を含む。そのような細胞は通常、高力価または高品質ウイルスベクター粒子を産生することができる。いくつかの態様において、WCBは、ウイルスベクター粒子のロットまたはバッチを製造するために使用される。いくつかの態様において、ウイルスベクターロットの製造は、適切な条件下で培養培地において、ワーキング・セル・バンク、マスター・セル・バンク、または細胞株由来のシードバイアルを増大させることを含む。いくつかの態様において、ベクター粒子を含有する上澄みのバッチが、最大のベクター収率の期間を実証する予備試験に基づいて決定されるような、数日にわたって採取される。いくつかの場合において、ウイルスベクターを含有する上澄みは、細胞残屑を除去するための限定的な精製工程へ供され得る。いくつかの態様において、バルク採取上澄みは、ロットリリース試験の一部として複製可能ウイルスについて試験される。
いくつかの態様において、細胞、例えば、生物学的サンプル由来のおよび/または生物学的サンプルと同じ供給源由来の細胞は、ウイルスベクター粒子を一過性に産生するために使用されるパッケージング細胞または宿主細胞である。いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子は、宿主細胞中への、ベクターゲノムおよびパッケージング構築物をコードするプラスミドの同時トランスフェクションを必要とする、一過性産生法によって産生され得る。いくつかの態様において、レンチウイルスベクター用のVPCは、あるパッケージングコンポーネント(例えばHIV gagおよびVSV-G)の潜在的細胞傷害性効果に部分的に起因して広く入手可能ではないため、一過性産生は、レンチウイルスベクターを産生する場合に有利であり得る。いくつかの態様において、一過性産生法は、ガンマレトロウイルスベクターを産生するために使用することができる。いくつかの態様において、一過性産生はVPCの必要性を回避する。一過性ウイルスベクター粒子産生のために使用される細胞は、典型的に、VPCのマスター・セル・バンクおよびワーキング・セル・バンクについて使用される試験と同様の様式で増大および特徴付けされ、細胞が高力価、高品質ウイルスベクター粒子を産生することを保証する。
いくつかの態様において、結果として生じたベクター調製物は、トランスフェクション中に使用された高レベルの汚染プラスミドDNAを有する。従って、いくつかの態様において、一過性に産生されたウイルスベクター粒子は、DNアーゼ消化、続いてその後の精製工程のような、プラスミドDNAを除去するための追加の工程を受け得る。
いくつかの態様において、結果として生じたベクター調製物は、トランスフェクション中に使用された汚染プラスミドDNAおよびウイルス産生中に産生されたRNA(一過性ウイルスベクター粒子産生のために使用された細胞またはVPC由来の汚染RNAを含む)を含む、検出可能レベルの汚染核酸を有する。従って、いくつかの態様において、RCRを検出する記載の方法における使用のために選択される標的遺伝子は、汚染核酸のバックグラウンド量、レベル、または濃度と、サンプル中のRCRの存在、非存在、量、濃度、またはリスクを示すウイルスRNAの量、レベル、または濃度とを見分けることができる。
いくつかの態様において、提供される方法および/または組成物によって評価される細胞、例えば、試験サンプルの、生物学的サンプルの、および/または生物学的サンプルと同じ供給源の細胞は、異種核酸および/または異種タンパク質をコードする核酸、または他の核酸もしくはポリペプチド産物、例えば、ヒトもしくはヒト由来組換えタンパク質を含有するように形質導入が行われた。いくつかの態様において、異種核酸は、結合性分子、例えば、組換え受容体、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)またはトランスジェニックT細胞受容体(TCR)をコードする。いくつかの態様において、細胞は、そのような細胞の集団、そのような細胞を含有するかつ/またはそのような細胞について富化された組成物によって含まれ、例えばここで、結合性分子を発現する細胞は、組成物中の総細胞、またはT細胞またはCD8+もしくはCD4+細胞のようなあるタイプの細胞の、少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のパーセントを構成する。いくつかの態様において、細胞はプライマリーT細胞である。組成物の中には、養子細胞療法用のような、投与のための薬学的組成物および製剤がある。
いくつかの態様において、試験サンプルは、異種核酸および/または異種タンパク質をコードする核酸、または他の核酸もしくはポリペプチド産物、例えば、ヒトもしくはヒト由来組換えタンパク質を発現する遺伝子操作細胞由来のRNAを含む。細胞は通常、真核細胞、例えば哺乳動物細胞であり、典型的にヒト細胞である。いくつかの態様において、細胞、例えば、試験サンプルのおよび/または生物学的サンプルの細胞は、血液、骨髄、リンパ液、またはリンパ器官に起因し、免疫系の細胞、例えば、自然免疫または適応免疫の細胞、例えば、リンパ球、典型的にT細胞および/またはNK細胞を含む、骨髄系またはリンパ系細胞である。他の例示的な細胞としては、幹細胞、例えば、多能および多能性幹細胞、例えば人工多能性幹細胞(iPSC)が挙げられる。いくつかの態様において、細胞は、初代細胞、例えば、対象から直接単離されかつ/または対象から単離されそして凍結されたものである。
いくつかの態様において、細胞はナチュラルキラー(NK)細胞である。いくつかの態様において、細胞は、単球または顆粒球、例えば、骨髄性細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞、マスト細胞、好酸球、および/または好塩基球である。
いくつかの態様において、細胞、例えば、試験サンプル、生物学的サンプルおよび/または生物学的サンプルと同じ供給源由来の細胞は、遺伝子操作によって導入された1つまたは複数の核酸を含み、それによって、そのような核酸の組換えまたは遺伝子操作産物を発現する。いくつかの態様において、核酸は、異種であり、即ち、細胞中にまたは細胞から取得されたサンプル中に通常は存在せず、例えば、別の生物または細胞から取得されるものであり、これは、例えば、操作される細胞および/またはそのような細胞が起因する生物中に普通は見られない。いくつかの態様において、核酸は、天然に生じるものではなく、例えば、自然には見られない核酸、例えば、複数の異なる細胞タイプ由来の様々なドメインをコードする核酸のキメラ的な組み合わせを含むものである。
いくつかの態様において、複製可能ウイルスの存在または非存在は、形質導入または操作細胞(養子細胞療法における使用のために形質導入されるかまたは形質導入される予定であるかまたは形質導入された細胞を含む)の調製、産生、または製造、および対象の療法後モニタリングにおける任意の時点で、評価することができる。細胞をプロセシングするための例示的な工程は、公知のかつ/または本明細書に記載されるものを含む、細胞の単離、分離、選択、培養(例えば、細胞の刺激、例えば、それらの増殖および/または活性化を誘導するため)、形質導入、洗浄、懸濁、希釈、濃縮、および/または製剤化に関与する工程を含む。特定の態様において、プロセシング工程は、ウイルスベクター粒子での細胞の形質導入を含み、ここで、ウイルスベクター粒子と共のインキュベーションの少なくとも一部は、形質導入を開始するために閉鎖系またはチャンバにおいて行われる。本方法は、さらにかつ/または代わりに、他のプロセシング工程、例えば、細胞の単離、分離、選択、培養(例えば、細胞の刺激、例えば、それらの増殖および/または活性化を誘導するため)、洗浄、懸濁、希釈、濃縮、および/または製剤化のための工程を含み得る。いくつかの態様において、試験サンプルは、形質導入へ供され、次いで、例えば37℃で、1日間、2日間もしくは3日間を超えてまたは約1日間、約2日間もしくは約3日間を超えて、例えば通常、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間もしくはそれ以上を超えて、培養された、細胞から取得される。
いくつかの態様において、試験サンプルおよび/または生物学的サンプルは、遺伝子操作製造プロセスの任意の段階にある細胞由来のRNAを含む。いくつかの態様において、試験サンプルは、遺伝子操作製造プロセスの任意の段階にある細胞由来のRNAに起因するDNAを含有する。例えば、試験サンプルは、組換えおよび/または異種分子をコードするウイルスベクター粒子で形質導入が行われた細胞由来のRNAを含み得る。いくつかの態様において、試験サンプルは、組換えおよび/または異種分子をコードするウイルスベクター粒子で形質導入が行われた細胞由来のRNAに起因するDNAを含み得る。いくつかの態様において、試験サンプルは、養子細胞療法に関する使用などのための、抗原受容体(例えばCAR)をコードする異種核酸での形質導入によって操作され、そして培養または増大された、細胞、例えば自己または同種異系細胞を含有する、サンプル、例えば生物学的サンプルから取得される。いくつかの場合において、試験サンプルは、いくつかの局面において凍結保存薬物製品(CDP)と呼ばれる、凍結保存された形質導入細胞由来の、RNA、またはRNAに起因するDNAを含有する。いくつかの場合において、試験サンプルは、いくつかの局面において製剤化薬物製品(FDP)と呼ばれる、対象への投与用に製剤化された形質導入細胞由来の、RNA、またはRNAに起因するDNAを含有する。いくつかの態様において、試験サンプルは、組換えおよび/または異種分子(例えばCAR)をコードするウイルスベクター粒子などで、形質導入が行われた細胞を含む療法を対象が受けた後、そのような対象から取得される。いくつかの態様において、対照として、提供される方法は、形質導入のために使用される予定である選択または富化された細胞を含有するサンプルであり得る、形質導入および/または遺伝子操作へ供されたことがない患者が一致する対照サンプルに対して行われ得る。いくつかの態様において、そのような患者が一致する対照サンプルは、いくつかの場合において凍結保存材料(CMAT)と呼ばれる、凍結保存されたサンプルであり得る。いくつかの態様において、試験サンプルRNAは細胞から単離される。いくつかの場合において、RNAは、約1 x 104、1 x 105、1 x 106、1 x 107個、またはそれ以上の細胞から単離される。いくつかの態様において、RNAは、1 x 106個の細胞から単離される。いくつかの場合において、RNAは、サンプルまたはその選択された部分によって含まれる細胞の全部または実質的に全部から単離される。
いくつかの態様において、細胞は、細胞内シグナル伝達および/または細胞増殖を誘導することができる、細胞結合剤、例えば抗原結合試薬、例えば抗体である、細胞刺激剤(単数または複数)と共にインキュベートされる。いくつかの態様において、細胞は、抗-CD3/抗-CD28ビーズと共にインキュベートされ、例えば、抗-CD3/抗-CD28ビーズと混合される。
b.対照サンプル
いくつかの局面において、提供される方法は、1つまたは複数の対照サンプルに対してさらに行われる。いくつかの態様において、プラスミド標準対照が、アッセイのPCR増幅部分についての対照として使用される。いくつかの局面において、プラスミド標準対照は、対照遺伝子、例えばハウスキーピング遺伝子を含有する。いくつかの態様において、対照遺伝子はb-アクチンである。
いくつかの態様において、プラスミド標準対照は、対照遺伝子またはその部分および標的遺伝子またはその部分をコードする核酸を含む。例示的なプラスミド標準対照は、pActin-MMLV gag (SEQ ID NO: 30)またはpActin-GaLV (SEQ ID NO: 34)であるかまたはこれらを含む。いくつかの態様において、標的遺伝子および対照遺伝子の両方をコードするプラスミドは、標的遺伝子および対照遺伝子をコードする同様のレベルのRNAの転写を可能にする。いくつかの態様において、対照遺伝子をコードする配列は、標的遺伝子をコードする配列へ、2つの配列が同時転写されるように、機能的に連結される。いくつかの態様において、2つの配列は、単一の核酸として同時転写される。いくつかの態様において、2つの配列は、RNA転写物が同様の速度でかつ/または同様の量で産生される状態で、別個の核酸として同時転写される。いくつかの態様において、対照遺伝子および標的遺伝子の転写は、同じプロモーターによって制御される。いくつかの態様において、対照遺伝子および標的遺伝子の転写は、異なるプロモーターによって制御される。いくつかの場合において、1反応(例えばウェル)当たり106〜101コピーのプラスミド標準対照希釈系列が使用される。
いくつかの態様において、鋳型を含まない対照(NTC)がアッセイにおいて使用される。いくつかの局面において、鋳型を含まない対照は、水およびPCR試薬のみを含有する。いくつかの場合において、鋳型を含まない対照は、PCR試薬の汚染状態についての情報を提供する。
いくつかの態様において、逆転写酵素(RT) を含まない対照が使用される。いくつかの局面において、RT対照は、試験サンプルまたは対照サンプルを含有するが、逆転写酵素を含有しない。結果として、RT-PCRはアンプリコンを産生しない。従って、いくつかの場合において、RTサンプルは、RNA鋳型の純度を評価するためにおよび/または汚染DNAを検出するために使用される。
いくつかの局面において、標的遺伝子のコピーを含有しない陰性対照が使用される。いくつかの態様において、標的遺伝子を発現しない細胞株由来のRNAが、陰性対照として使用される。いくつかの場合では、陰性対照は、試験サンプルと比較して同様の濃度で使用され得る。
いくつかの態様において、組換えおよび/または異種分子をコードするウイルスベクター粒子で形質導入が行われなかった患者が一致する材料由来のRNAを含有するインプロセス対照が、RNA単離手順中の汚染についての対照として使用される。
いくつかの態様において、標的遺伝子RNA、例えば、第1または第2ウイルス遺伝子を含有する陽性対照が、評価される。いくつかの局面において、陽性対照は、アッセイの標的遺伝子RNAレベルの検出限界に基づいてアッセイについて確立される。いくつかの場合では、陽性対照について、標的遺伝子を発現する細胞株由来のRNAは、アッセイの検出限界であるかまたはこれを僅かに上回る数量で使用される。いくつかの局面において、陽性対照は、標的遺伝子RNAの既知レベルまたは最大許容レベルに基づいてアッセイについて確立される。いくつかの場合では、陽性対照について、標的遺伝子を発現する細胞株由来のRNAは、標的遺伝子RNAの既知または最大許容レベルである数量で使用される。いくつかの態様において、この陽性対照サンプルのRNAレベルは、下記に記載されるような試験サンプルとの比較についての参照値として使用される。いくつかの局面において、無RT対照が、RNA純度を確認または評価するために使用される。
2.プライマーおよびプローブ
いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば、第1ウイルス遺伝子および/または第2ウイルス遺伝子は、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して試験サンプルおよび/または対照サンプルにおいて評価される。いくつかの場合では、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、標的遺伝子の配列に特異的である。いくつかの場合では、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、対照遺伝子の配列に特異的である。いくつかの局面において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、順方向プライマーおよび逆方向プライマーを含む。従って、いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、一対のプライマーを含む。いくつかの場合において、一対のプライマーは、標的遺伝子または対照遺伝子の配列に各々特異的な、順方向および逆方向プライマーを含有する。いくつかの局面において、順方向および逆方向プライマーは、同じ標的遺伝子または対照遺伝子の異なる配列に特異的である。
いくつかの態様において、提供されるプライマーおよびプローブは、サンプル、例えば試験サンプルまたは生物学的サンプル中の、複製可能レトロウイルス、例えば複製可能ガンマレトロウイルス(RCR)または複製可能レンチウイルス(RCL)と関連する標的ウイルス遺伝子および/またはウイルスポリヌクレオチド配列を検出するために有用である。特定の態様において、提供されるプローブおよびプライマーは、生物学的サンプルの細胞に形質導入を行うために使用されたウイルスベクターに由来するかつ/またはこれから生じた複製可能レトロウイルスと関連する標的ウイルス遺伝子および/またはウイルスポリヌクレオチド配列を検出するために有用である。ある態様において、提供されるプライマーおよびプローブは、サンプル中の細胞に形質導入を行うために使用されたウイルスベクターにおける複製能力に必要である標的ウイルス遺伝子および/またはウイルスポリヌクレオチド配列を検出するために有用である。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドプライマーは、そのDNA形態の標的遺伝子に特異的である。いくつかの局面において、オリゴヌクレオチドプライマーは、そのRNA形態の標的遺伝子に特異的である。
いくつかの局面において、標的遺伝子、例えば第1または第2ウイルス遺伝子に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、ウイルスenv、gag、pol、またはrev遺伝子の配列に特異的であり、例えば、これらへ結合する。いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば第1または第2ウイルス遺伝子に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、ウイルスvpr、vif、vpu、vpx、nef、および/またはTat遺伝子の配列に特異的であり、例えば、これらへ結合する。
いくつかの場合では、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、以下を含むが、これらに限定されないウイルス由来の遺伝子の部分に特異的である:モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLVまたはMMLV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSVまたはHSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTVまたはMMTV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLVまたはGALV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)およびラウス肉腫ウイルス(RSV)。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドプライマーは、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、肝炎ウイルス、またはインフルエンザのような、他のウイルス由来の遺伝子に特異的であり得る。
いくつかの場合では、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、GaLV env、VSVG env、またはMMLV gag配列の部分に特異的である。いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 25、26、もしくは27に記載の配列の部分、またはそのような配列もしくはそのような配列の部分と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 4〜5、16〜17、19〜20、または22〜23に記載の1つまたは複数の配列を含む。
いくつかの場合において、標的遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、GaLV env遺伝子配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 25に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 4または5に記載の配列を含む。いくつかの場合において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 4に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの局面において、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 5に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。従って、いくつかの局面において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 4に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 5に記載の配列を含有する。
いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、VSVG env遺伝子配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 26に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。
いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、MMLV gag遺伝子配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 27に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 16〜17、19〜20、または22〜23に記載の配列を含む。いくつかの場合において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 16、19、もしくは22に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの局面において、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 17、20、もしくは23に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 16に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 17に記載の配列を含有する。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 19に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 20に記載の配列を含有する。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 22に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 23に記載の配列を含有する。
いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、rev遺伝子配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 33に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 38〜39に記載の配列を含む。いくつかの場合において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 38に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの局面において、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 39に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 38に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 39に記載の配列を含有する。いくつかの局面において、対照遺伝子、例えばアクチンに特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、対照遺伝子配列の部分へ結合する。いくつかの場合において、対照遺伝子がアクチンである場合、対照遺伝子の配列に対して特異的なオリゴヌクレオチドプライマーは、アクチン配列の部分に特異的であり、例えば、これへ結合する。いくつかの態様において、対照遺伝子配列の部分に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 28に記載の配列の部分に特異的である。いくつかの場合において、アクチンに特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 1〜2、8、10〜11、または13〜14に記載の1つまたは複数の配列を含む。
いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、アクチン遺伝子配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 28に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 1〜2、7〜8、10〜11、または13〜14に記載の配列を含む。いくつかの場合において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 1、7、10、もしくは13に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの局面において、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 2、8、11、もしくは14に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 1に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 2に記載の配列を含有する。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 1に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 8に記載の配列を含有する。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 10に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 11に記載の配列を含有する。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 13に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 14に記載の配列を含有する。
いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば、第1ウイルス遺伝子および/もしくは第2ウイルス遺伝子、ならびに/または対照遺伝子は、オリゴヌクレオチドプライマーおよび蛍光色素を使用して評価される。例示的な二本鎖核酸特異的色素としては、SYBR(商標)Green I、SYBR(商標)Gold、臭化エチジウム、臭化プロピジウム、Pico Green、Hoechst 33258、YO-PRO-IおよびYO-YO-I、Boxto、EVAGREEN(登録商標)、LC GREEN(登録商標)、LC GREEN PLUS(登録商標)、ならびにSYTO(登録商標)9が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの場合では、蛍光色素はSYBR(商標)Greenである。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドプライマーは、標的遺伝子配列の部分に特異的である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドプライマーは、対照遺伝子配列の部分に特異的である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドプライマーは、他方のオリゴヌクレオチドプライマーのうちの1つまたは複数と同じ標的遺伝子または対照遺伝子の配列に特異的である。従って、いくつかの場合において、標的遺伝子または対照遺伝子の配列に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーは、それぞれ、同じ標的遺伝子または対照遺伝子に特異的な、順方向プライマーおよび逆方向プライマー、例えばプライマー対と共に使用される。
いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば、第1ウイルス遺伝子および/もしくは第2ウイルス遺伝子、ならびに/または対照遺伝子は、加水分解プローブを使用して評価される。いくつかの場合では、加水分解プローブは、標的遺伝子配列の部分に特異的である。いくつかの場合では、加水分解プローブは、対照遺伝子配列の部分に特異的である。いくつかの局面において、加水分解プローブは、オリゴヌクレオチドプライマーのうちの1つまたは複数と同じ標的遺伝子または対照遺伝子の配列に特異的である。従って、いくつかの場合において、標的遺伝子または対照遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブは、それぞれ、同じ標的遺伝子または対照遺伝子に特異的な、順方向プライマーおよび逆方向プライマー、例えばプライマー対と共に使用される。
いくつかの態様において、加水分解プローブは蛍光部分または標識を含む。いくつかの態様において、蛍光部分または標識は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)部分または標識である(例えば、米国特許第4,996,143号、同第5,565,322号、同第5,849,489号、および同第6,162,603号を参照のこと)。いくつかの態様において、ドナー蛍光部分および対応のアクセプター蛍光部分が互いの一定の距離内に配置されると、エネルギー移動が2つ蛍光部分間で起こり、これは、視覚化されまたはその他の方法で検出および/もしくは定量され得る。ドナーが好適な波長を有する光放射によって励起されると、ドナーは通常エネルギーをアクセプターへ移す。アクセプターは通常、異なる波長を有する光放射の形態で、移されたエネルギーを再放出する。いくつかの態様またはシステムにおいて、非蛍光性エネルギーが、実質的に非蛍光性のドナー部分を含む生体分子経由で、ドナー部分およびアクセプター部分間で移され得る(例えば、米国特許第7,741,467号を参照のこと)。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドプローブは、ドナー蛍光部分および対応のクエンチャーを含有し得、これは蛍光性であっても蛍光性でなくてもよい。いくつかの態様において、クエンチャーは、光以外の形態で、移されたエネルギーを消す。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドプローブが無傷である場合、エネルギー移動は、ドナー蛍光部分からの蛍光発光がクエンチされるように、2つの蛍光部分間で生じる。いくつかの態様において、ポリメラーゼ連鎖反応の伸長段階中、増幅産物へ結合されたオリゴヌクレオチドプローブは、例えばTaqポリメラーゼの、5'→3'ヌクレアーゼ活性によって開裂され、その結果、ドナー蛍光部分の蛍光発光はもはやクエンチされない。この目的についての例示的なオリゴヌクレオチドプローブは、例えば、米国特許第5,210,015号;同第5,994,056号;および同第6,171,785号に記載されている。通常使用されるドナー-アクセプター対としてはFAM-TAMRA対が挙げられる。通常使用されるクエンチャーは、DABCYLおよびTAMRA(商標)である。通常使用されるダーククエンチャーとしては、BlackHole Quenchers(商標)(BHQ)、(Biosearch Technologies, Inc., Novato, Cal.)、Iowa Black(商標), (Integrated DNA Tech., Inc., Coralville, Iowa)、およびBlackBerry(商標)Quencher 650 (BBQ-650), (Berry & Assoc., Dexter, Mich.)が挙げられる。
いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば、第1または第2ウイルス遺伝子に特異的な加水分解プローブは、ウイルスenv、gag、pol、またはrev遺伝子の配列に特異的であり、例えば、これらへ結合する。いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば、第1または第2ウイルス遺伝子に特異的な加水分解プローブは、ウイルスvpr、vif、vpu、vpx、nef、および/またはTat遺伝子の配列に特異的であり、例えば、これらへ結合する。
いくつかの態様において、加水分解プローブは、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLVまたはMMLV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSVまたはHSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTVまたはMMTV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLVまたはGALV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)およびラウス肉腫ウイルス(RSV)のような、レトロウイルスの配列の部分に特異的である。いくつかの態様において、加水分解プローブは、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、肝炎ウイルス、またはインフルエンザの配列の部分に特異的である。
いくつかの場合では、加水分解プローブは、GaLV env、VSVG env、またはMMLV gagの配列に特異的である。いくつかの場合において、加水分解プローブは、SEQ ID NO: 6、18、21、または24に記載の配列を含有する。
いくつかの場合において、加水分解プローブは、GaLV env遺伝子の配列、例えば、SEQ ID NO: 25に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、加水分解プローブは、SEQ ID NO: 6に記載の配列を含有する。
いくつかの場合において、加水分解プローブは、VSVG遺伝子の配列もしくは配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 26に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、加水分解プローブは、SEQ ID NO: 40に記載の配列を含有する。
いくつかの場合において、加水分解プローブは、MMLV gag遺伝子の配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 27に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、加水分解プローブは、SEQ ID NO: 18、21、または24に記載の配列を含有する。
いくつかの場合において、加水分解プローブは、rev遺伝子の配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 33に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、加水分解プローブは、SEQ ID NO: 37に記載の配列を含有する。
いくつかの態様において、加水分解プローブは、対照遺伝子(例えば、アクチン)の配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 28に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。従って、いくつかの局面において、対照遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブは、アクチン配列に特異的であり、例えば、これに結合する。いくつかの場合において、加水分解プローブは、SEQ ID NO: 3、9、12、または15に記載の配列を含有する。
3.参照レベルまたは参照値
いくつかの態様において、1つまたは複数のパラメータの量、レベル、または濃度が参照値よりも高いまたは低い場合、複製可能レトロウイルスは存在すると決定され得、参照値は、例えば標的遺伝子を含有する陽性対照サンプルから、直接または間接的に測定され得る。いくつかの態様において、1つまたは複数の標的遺伝子の量、レベル、または濃度と正に相関する1つまたは複数のパラメータの量、レベル、または濃度が参照値よりも高い場合、複製可能レトロウイルスは存在すると決定され得る。特定の態様において、1つまたは複数の標的遺伝子の量、レベル、または濃度と負に相関する1つまたは複数のパラメータの量、レベル、または濃度が参照値よりも低い場合、複製可能レトロウイルスは存在すると決定され得る。いくつかの態様において、パラメータおよび/または参照レベルもしくは値は、標的遺伝子のレベルまたは量でありかつ/またはこれらを示す。いくつかの態様において、パラメータおよび/または参照レベルもしくは値は、ウイルスRNA遺伝子である標的遺伝子のレベルまたは量でありかつ/またはこれらを示す。
1つまたは複数の標的遺伝子のRNAレベルが参照値よりも高い場合、複製可能レトロウイルスは存在すると決定され得、参照値は、例えば、標的遺伝子を含有する、かつ/または標的遺伝子の量もしくはレベルを示すパラメータを含有する陽性対照サンプルから、直接または間接的に測定され得る。
いくつかの場合において、試験サンプルについての複製可能ウイルス結果は、「複製可能ウイルスRNA検出」と報告される。いくつかの場合では、試験サンプルについての複製可能ウイルス結果は、「複製可能ウイルスRNA不検出」と報告される。いくつかの局面において、試験サンプルについての複製可能ウイルス結果は、標的遺伝子のRNAレベルと参照値との比較に基づく。
いくつかの態様において、参照値またはレベルは、サンプル中のRCRの存在もしくは存在のリスクを示すサンプル中の標的RNAの存在についての閾値を示す、RNAレベルもしくはRNAレベルのサロゲート読み出し(例えばCT値)であるか、またはRNAレベルもしくはRNAレベルのサロゲート読み出し(例えばCT値)に基づいて導き出される。いくつかの態様において、参照値は、例えば、モデル複製可能ウイルスまたは標的遺伝子についての陽性RNA対照を使用することによる、サンプル中の標的RNAの検出についての同様のアッセイ条件下での事前試験に基づいて前もって決定され得る。いくつかの態様において、参照値は、同じアッセイにおいて実行される陽性対照に基づき得る。
いくつかの態様において、参照値は、標的遺伝子と関連するかつ/またはこれを示すパラメータを既知レベルで含有する、かつ/または、アッセイによるパラメータのほぼ検出限界にあるかもしくは検出限界を僅かに上回るパラメータを含有する、陽性対照サンプルによって確立される。いくつかの態様において、参照値は、既知濃度の陽性対照を使用してアッセイを較正することによって確立され、その結果、アッセイは、一定の体積のサンプル(例えば生物学的サンプル)または一定の体積もしくは量の細胞または合計中の1つまたは複数の複製可能ウイルス含有細胞または粒子からのまたはこれらから生じるパラメータを検出するために十分に感度が高い。いくつかの態様において、参照値は、ある信頼区間で、一定の体積の試験サンプルまたは一定の体積もしくは量の細胞中の1つの複製可能ウイルス粒子からパラメータを検出するために較正される。いくつかの態様において、信頼区間は50%、75%、80%、90%であり、典型的に、95%、96%、97%、98%もしくは99%または約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%、または少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%または少なくとも約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%であり;いくつかの局面において、それは少なくとも97%である。
いくつかの態様において、参照値は、既知レベルで、かつ/または、アッセイによる標的遺伝子のほぼ検出限界でもしくは検出限界の僅かに上で、標的遺伝子を含有する陽性対照サンプルによって確立される。いくつかの態様において、参照値は、既知濃度の陽性対照を使用してアッセイを較正することによって確立され、その結果、アッセイは、一定の体積の試験サンプルまたは一定の体積もしくは量の細胞または合計中の1つまたは複数の複製可能ウイルス含有細胞または粒子からのRNAを検出するために十分に感度が高い。いくつかの態様において、参照値は、ある信頼区間で、一定の体積の試験サンプルまたは一定の体積もしくは量の細胞中の1つの複製可能ウイルス粒子からRNAを検出するために較正される。いくつかの態様において、信頼区間は50%、75%、80%、90%であり、典型的に、95%、96%、97%、98%もしくは99%または約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%、または少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%または少なくとも約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%であり;いくつかの局面において、それは少なくとも97%である。
いくつかの態様において、参照値は、陽性対照および/または参照対照サンプル中に存在するような、既知数量のウイルス遺伝子RNAに基づいて計算される。いくつかの態様において、参照対照サンプルは、既知数量のRNAおよび/または標的RNAを含み、かつ/または、アッセイの検出限界を決定するかつ/またはアッセイについての参照値を設定するために使用することができる。いくつかの態様において、陽性対照または参照対照サンプルは、複製可能ウイルス、例えば対照ウイルス、例えば野生型ウイルスを含むサンプル由来のRNAを含む。いくつかの態様において、対照ウイルスは、標的遺伝子RNAの配列と同じ配列またはその逆相補体を含むかまたはコードする。いくつかの態様において、対照ウイルスは、野生型ウイルス、例えば、野生型GaLV、MMLV、または本明細書に記載されるウイルスのいずれかである。
いくつかの態様において、RNAの参照値は、陽性対照中のCt値に基づいて決定される。従って、いくつかの態様において、試験サンプル中の標的遺伝子のCt値は、陽性対照中の標的遺伝子のCt値と比べることができる。いくつかの態様において、複製可能ウイルスを含むと特定されたかまたは複製可能ウイルスを含有するもしくは恐らく含有すると見なされたサンプルのCt値は、参照および/または閾値Ct値よりも低い。いくつかの態様において、複製可能ウイルスを含まないと特定されたかまたは複製可能ウイルスを含まないと見なされたサンプルのCt値は、参照および/または閾値Ct値よりも高い。
いくつかの態様において、参照値は、アッセイの検出限界であるかもしくはほぼ検出限界である、検出限界を上回る、または検出限界を僅かに上回る、量のRNA、またはそのサロゲート読み出し、例えば、そのような量のRNA、例えば標的RNA、例えば特定のウイルスウイルス遺伝子(例えばGaLV env)のRNAに対応するCT値を含有する陽性対照に基づく。いくつかの態様において、RNAの量は、0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、もしくは1.0 pg、または0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、もしくは1.0 pgまたは約0.1、約0.2、約0.3、約0.5、約0.75、もしくは約1.0 pg、または0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、もしくは1.0 pgを僅かに上回る(または代替として最大0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、もしくは1.0 pgまたは最大約0.1、約0.2、約0.3、約0.5、約0.75、もしくは約1.0 pgである)、または0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、もしくは1.0 pgまたは約0.1、約0.2、約0.3、約0.5、約0.75、もしくは約1.0 pgの標的RNAまたはそれに対応する読み出し、例えばそれに対応するCT値であり、いくつかの局面において、2、3、4、5、7.5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、125、150、175、200、250、300、400、500、750、または1000 pgの標的遺伝子RNAである。いくつかの態様において、参照値は、0.75 pgもしくは約0.75 pgの、または0.75 pgを僅かに上回る標的遺伝子RNAであるか、そのような量に対応するCT値である。代替の態様において、参照レベルは、試験サンプル中の所定数の細胞当たりの、試験サンプル中の所定数のRCR+細胞(例えば、サンプル中100万個の細胞当たりまたは1000万個の細胞当たりまたは1億個の細胞当たり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15または20個、いくつかの局面において10個以下のRCR+細胞)におけるRNAの量、またはそれに対応するCT値、例えば、そのような濃度または数もしくは相対数のRCR+細胞を有する対照に対応するCT値である。従って、いくつかの態様において、標的遺伝子RNAの量が参照値よりも大きいと決定される場合に、複製可能ウイルスは検出され得る。
いくつかの態様において、参照値はデルタCT(ΔCT)値である。いくつかの態様において、参照値は、陽性対照または陰性対照のような、対照サンプルについてのΔCTである。いくつかの態様において、ΔCT値は、所定のサンプル内の対照遺伝子に対して標準化された標的遺伝子のCT値である。いくつかの態様において、ΔCT = CT(標的ウイルスRNA) - CT (対照遺伝子)(所定のサンプル内)。いくつかの態様において、サンプルのΔCT値は、対照サンプルのΔCT値である参照値と比較される。いくつかの態様において、サンプルのΔCT値は、対照サンプルのΔCT値である参照値と比較される。いくつかの態様において、サンプルのΔCT値は、閾値レベルまたはそれに対応する最小検出可能レベルもしくは読み出しであるΔCT値であるか、またはほぼこれらであるΔCT値であるか、またはこれらを僅かに上回るΔCT値であることが既知であるかまたは実験的に決定される参照値と比較され;参照値は、陽性対照サンプル中で検出されたパラメータのΔCT値、および/または、陽性対照サンプル中のRNAの量を示すパラメータの値であり;かつ/または、パラメータのレベルは、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在または非存在を示し;かつ/または、ウイルスRNAは、第1ウイルス遺伝子をコードする核酸を含み;かつ/または、異種核酸は、異種遺伝子産物をコードする。
いくつかの態様において、ΔΔCT = ΔCT(サンプル) - ΔCT (対照サンプル)。いくつかの態様において、サンプルが対応のΔCT (対照サンプル)と比べて同じまたはより多くの標的ウイルスRNAを有することを示す、ΔCT(サンプル)値を有するとアッセイによって見なされるサンプルは、陽性と見なされる。いくつかの態様において、対照サンプル中と比べてサンプル中に同じまたはより多くの標的ウイルスRNAが存在することをΔΔCTが示す場合、サンプルは陽性と見なされる。いくつかの態様において、複数のウイルスRNAのうちの2つ以上が、記載される方法を使用して試験される。
いくつかの態様において、試験サンプルを含有するアッセイにおける、例えば所定の標的についての、ウェル中Ct値(または反復実験の平均値)が、陽性対照サンプルのCt値よりも大きいと観察された場合、試験サンプル中の標的遺伝子RNAは、参照値よりも低いと見なされるかまたは示され、形質導入細胞を含むサンプルは「複製可能ウイルスRNA不検出」と判定される。いくつかの態様において、「複製可能ウイルスRNA不検出」と判定される形質導入細胞は、さらなるプロセシングおよび/または療法における使用のためなどに、取り出される。
いくつかの局面において、試験サンプルを含有するアッセイのウェル中のCt値(または反復実験の平均値)が、陽性対照サンプルのCt値未満と観察された場合、そのような試験サンプルのウイルスRNAは参照値よりも高いと見なされ、かつ/または、そのような試験サンプルは「複製可能ウイルスRNA検出」と判定される。
いくつかの態様において、試験サンプルを含有するアッセイのウェル中のCt値(または反復実験の平均値)は、計算することができない。これは、いくつかの態様において、ウェルにおいて検出される標的または対照増幅の量が、規定のサイクル数内で閾値レベルに達しない場合に生じ得る。いくつかの態様において、そのような結果は、複製可能ウイルス由来のRNAは試験サンプル中に存在しないこと、および/または、試験サンプル中の複製可能ウイルス由来のRNAの量は、アッセイを使用して検出不可能であることを示す。いくつかの態様において、そのような試験サンプルは、「複製可能ウイルスRNA不検出」と判定される。いくつかの態様において、提供される方法によって複製可能ウイルスRNAを含有しないと確認された形質導入細胞は、さらなるプロセシングおよび/または療法における使用のためなどに、取り出される。
2つ以上の標的遺伝子が多重反応または個別反応のいずれかで評価されるいくつかの態様において、標的遺伝子のうちの1つのRNAがその参照値よりも高い場合、複製可能ウイルス由来のRNAが存在すると検出される。2つ以上の標的遺伝子が多重反応または個別反応のいずれかで評価されるいくつかの局面において、2つ以上の標的遺伝子のうちの少なくとも2つの、さらには全部のRNAがそれぞれの参照値の各々よりも大きい場合のみ、複製可能ウイルス由来のRNAが存在すると検出される。例えば、いくつかの場合において、2つの標的遺伝子、例えば、第1および第2ウイルス遺伝子が評価され、第1および第2ウイルス遺伝子のRNAがそれぞれ第1および第2ウイルス遺伝子の参照値よりも大きい場合、複製可能ウイルス由来のRNAが存在すると検出される。いくつかのそのような局面において、第1または第2ウイルス遺伝子のうちの1つのみのRNAがそれぞれ第1または第2参照値よりも高い場合、複製可能ウイルス由来のRNAは存在するとは検出されない。2つ以上の標的遺伝子が評価される他の態様において、たとえ1つのみの(または全部より少ない)標的遺伝子のRNAがその対応の参照値よりも大きいとしても、複製可能ウイルス由来のRNAが存在すると見なされるかまたは存在すると検出される。
いくつかの態様において、複製可能ウイルス由来のRNAが試験サンプル中で検出されない場合、複製可能ウイルス粒子は、RNAが単離された細胞またはサンプル中には存在しなかったまたは存在しないと見なされる。
4.アッセイパラメータ
いくつかの態様において、アッセイは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、例えば、逆転写酵素(rt)PCR、ドロップレットデジタルPCR、リアルタイムおよび定量的PCR法、ノーザンブロットアッセイ;サザンブロットアッセイ;アレイベースのアッセイ、例えば、ブロッテッドアレイ、マイクロアレイ、もしくはインサイチュ合成アレイ;またはシーケンシングベースのアッセイである。いくつかの態様において、アッセイは、次世代シーケンシング(NGS)アッセイ、例えば、RNA-seqである。いくつかの態様において、アッセイは、免疫細胞化学または免疫組織化学、ELISA、ウェスタンブロット法、ペプチドシーケンシング、任意でHPLCを伴う質量分析(例えばMS/MS)であるかまたはこれらを含む。
特定の態様において、アッセイは、RT-PCRおよび/またはリアルタイムPCRアッセイである。いくつかの態様において、RT-PCRは、RNA、例えばウイルスRNA、またはDNA、例えばウイルスRNAに起因するcDNAであるかまたはこれを含有する、サンプル、例えば試験サンプルに対して行われる。
特定の態様において、RNAはサンプルから取得される。サンプルからRNAを得て精製するための好適な技術および方法は、公知である。例えば、サンプルからRNAを単離するための試薬およびキットは、市販されており、RNeasyおよびRNeasy plusキット(Qiagen)を含むが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、cDNAはRNAから取得されるかまたは起因する。逆転写によるRNA鋳型からのDNAの合成は、相補的DNA(cDNA)を生成する。逆転写酵素(RT)は、RNA鋳型、およびRNAの3'末端に相補的な短いプライマーを使用し、一本鎖cDNAの合成を指示し、これは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のための鋳型として直接使用することができる。逆転写およびPCRのこの組み合わせ(RT-PCR)は、サンプル中の低存在率RNAの検出、および対応のcDNAの生成を可能にし、それによって、低コピー遺伝子のクローニングを容易にする。いくつかの態様において、例えば逆転写によって、RNAからcDNAを作製するための好適な技術および方法は、公知である。
いくつかの局面において、逆転写は逆転写酵素(RT)反応によって行われ、cDNAが作製され、このcDNAは次いで、いくつかの局面において、例えば1つもしくは複数の標的もしくは対照RNAまたはそれに起因するcDNAの少なくとも部分を増幅するように設計されたプライマーを使用するPCR増幅のための鋳型として、使用される。いくつかの局面において、ワンステップ定量的RT-PCRが行われる。いくつかの局面において、RT-PCRは、逆転写酵素(RT)、およびポリメラーゼ、例えばTAQポリメラーゼ、および任意でRNアーゼ阻害剤を含む反応混合物を用いてのワンステップアプローチを使用して行われる。いくつかの局面において、混合物は、RNA UltraSense(商標)酵素ミックス(SuperScript(登録商標)III RT、Platinum(登録商標)Taq DNAポリメラーゼ、およびRNaseOUT(商標)リボヌクレアーゼ阻害剤を含む)(ThermoFisher Scientific)を含む、RNA UltraSense(商標)ワンステップ定量的RT-PCRシステムである。
いくつかの態様において、RT-PCRは1つまたは複数の段階で行われる。いくつかの態様において、RT-PCRは、初期変性、増幅サイクル、および/または最終伸長段階を含む。ある態様において、RT-PCRは、標的および対照遺伝子を測定、検出、評価、および/または定量化するために行われる。ある態様において、標的および対照遺伝子の検出は、市販のキットからの試薬、例えばこれらに限定されないが、RNA UltraSenseワンステップ定量的RT-PCR酵素ミックスおよびRNA UltraSenseワンステップ定量的RT-PCR 5X反応ミックス(ThermoFisher Scientific)を含むがこれらに限定されない、任意の好適な試薬で行われる。
いくつかの態様において、RT-PCRは、初期ホールド期またはホールド段階を伴って行われる。いくつかの態様において、ホールド段階は、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、12分間、15分間、20分間、もしくは10分間を超えて;または約10分間〜20分間(両端を含む)、またはおよそこれらの時間の間行われる。特定の態様において、初期ホールド段階は、40℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、もしくは55℃、または40℃〜60℃;35℃〜45℃、もしくは45℃〜60℃(両端を含む)でまたはおよそこれらの温度で行われる。ある態様において、RT-PCRは、50℃の温度で15分間の初期ホールド段階または期を伴って行われる。
いくつかの態様において、RT-PCRは、初期変性段階を伴って行われる。いくつかの態様において、初期変性段階は、15秒間、30秒間、45秒間、60秒間、75秒間、90秒間、105秒間、120秒間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、もしくは10分間を超えて、またはおよそこれらの時間の間行われる。特定の態様において、初期変性段階は、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、または85℃〜95℃;90℃〜96℃、もしくは94℃〜99℃でまたはおよそこれらの温度で行われる。いくつかの態様において、RT-PCRは、95℃の温度で2分間の初期変性段階を伴って行われる。
いくつかの態様において、RT-PCRアッセイは2つ以上の増幅サイクルを含む。いくつかの態様において、RT-PCRアッセイは、2、5、10、15、20、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45サイクル、または45を超えるサイクルを含む。いくつかの態様において、RT-PCRアッセイは35〜40増幅サイクル(両端を含む)を含む。ある態様において、RT-PCRアッセイは40サイクルを含む。
いくつかの態様において、増幅サイクルは、二段階増幅サイクルである。いくつかの態様において、二段階増幅サイクルは第1段階および第2段階を含む。いくつかの態様において、第1段階は、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、または85℃〜95℃;90℃〜96℃、もしくは94℃〜99℃(両端を含む)でまたはおよそこれらの温度で行われる。いくつかの態様において、第1段階は、5秒間、10秒間、15秒間、20秒間、30秒間、45秒間、60秒間、75秒間、90秒間、105秒間、120秒間、または5秒間〜30秒間、15秒間〜45秒間、もしくは30秒間〜120秒間(両端を含む)、またはおよそこれらの時間の間行われる。いくつかの態様において、増幅サイクルの第1段階は、95℃の温度で15秒間である。
ある態様において、二段階増幅サイクルの第2段階は、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、もしくは65℃、または50℃〜70℃、55℃〜65℃、もしくは57℃〜63℃(両端を含む)でまたはおよそこれらの温度で行われる。いくつかの態様において、第2段階は、5秒間、10秒間、15秒間、20秒間、30秒間、45秒間、60秒間、75秒間、90秒間、105秒間、120秒間、または5秒間〜30秒間、15秒間〜45秒間、もしくは30秒間〜120秒間(両端を含む)、またはおよそこれらの時間の間行われる。いくつかの態様において、サイクルの第2段階は、60℃の温度で60秒間である。
いくつかの態様において、RT-PCR反応は最終伸長段階を含む。いくつかの態様において、最終伸長段階は、50℃〜75℃、60℃〜70℃、65℃〜70℃(両端を含む)で行われる。いくつかの態様において、最終伸長段階は、60秒間、75秒間、90秒間、105秒間、120秒間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、もしくは10分間を超えて、またはおよそこれらの時間の間行われる。
いくつかの態様において、増幅サイクルは3つの段階を含有する。いくつかの態様において、増幅サイクルは、変性段階、プライマーアニーリング段階、およびプライマー伸長段階を含有する。いくつかの態様において、変性段階は、5秒間〜30秒間、15秒間〜45秒間、または30秒間〜120秒間(両端を含む)行われる。ある態様において、変性段階は、80℃〜100℃の温度で行われる。特定の態様において、プライマーアニーリング段階は、5秒間〜30秒間、15秒間〜45秒間、または30秒間〜120秒間(両端を含む)行われる。いくつかの態様において、プライマーアニーリング段階は、40℃〜60℃の温度で行われる。ある態様において、プライマー伸長段階は、5秒間〜30秒間、15秒間〜45秒間、または30秒間〜120秒間(両端を含む)行われる。いくつかの態様において、プライマー伸長段階は、60℃〜80℃の温度で行われる。
いくつかの態様において、RT-PCRアッセイは、50℃の温度で15分間の初期ホールド段階または期と、95℃の温度で2分間の初期変性段階と、95℃の温度で15秒間の第1段階および60℃の温度で60秒間の第2段階を含有する40回の二段階増幅サイクルとを伴って行われる。
いくつかの態様において、本方法は、RT-PCRおよび/またはリアルタイムPCRアッセイのような、全体としてのまたは特定の場合における、アッセイの妥当性を評価または確認する工程を含む。いくつかの場合において、1つまたは複数のあるアッセイ基準および/または範囲が満たされる場合、アッセイは妥当または確認済みと見なされる。いくつかの局面において、これらは、特定の対照もしくは標的サンプルおよび/または特定のオリゴヌクレオチドプライマー対について特異的である。
例えば、いくつかの場合において、対照遺伝子(例えばアクチン)プライマーセットが使用される場合、対照、例えば鋳型を含まない対照(NTC)サンプルについて、アッセイのいずれのウェルにもCt値が観察されないことが望ましい場合がある。いくつかの態様において、標的遺伝子(例えば第1または第2ウイルス遺伝子)プライマーセットが使用される場合、鋳型を含まない対照(NTC)サンプルについて、アッセイのいずれのウェルにもCt値が観察されないことが望ましい。
いくつかの場合において、プラスミド標準サンプル中の対照遺伝子、例えばアクチンについてのスロープ(slope)は、一定の範囲、例えば約-3.1〜約-3.6であることが望ましい。いくつかの局面において、プラスミド標準サンプル中の対照遺伝子についての効率は90%〜110%または約90%〜約110%であることが望ましい。いくつかの局面において、アッセイ基準は、プラスミド標準サンプル中の対照遺伝子についてのR2値が、約0.90または約0.90より大きい、例えば、0.95、0.98、もしくは0.99より大きいまたは約0.95、約0.98、もしくは約0.99であることを含む。いくつかの態様において、アッセイ基準は、プラスミド標準サンプル中の対照遺伝子についてのR2値が約0.98であるかまたは約0.98より大きいことを含む。
いくつかの場合では、プラスミド標準サンプル中の標的遺伝子、例えば第1および/または第2ウイルス遺伝子についてのスロープは、-3.1〜-3.6または約-3.1〜約-3.6であることが望ましい。いくつかの場合において、プラスミド標準サンプル中の標的遺伝子の効率は90%〜110%または約90%〜約110%であることが望ましい。いくつかの局面において、アッセイ基準は、プラスミド標準サンプル中の標的遺伝子についてのR2値が、約0.90または約0.90より大きい、例えば、0.95、0.98、もしくは0.99より大きいまたは約0.95、約0.98、もしくは約0.99であることを含む。いくつかの場合において、アッセイ基準は、プラスミド標準サンプル中の標的遺伝子についてのR2値が約0.98であるかまたは0.98より大きいかもしくは約0.98より大きいことを含む。
いくつかの態様において、非形質導入陰性対照サンプルについての対照遺伝子(例えばアクチン)プライマーセットについてのCt値は22未満または約22未満であることが望ましい。いくつかの場合において、アッセイ基準は、標的遺伝子プライマーセットを使用して非形質導入陰性対照のあらゆるウェルにおいてCt値が存在しないことを含む。いくつかの場合において、非形質導入陰性対照サンプルについてのA260/280値が2.000を上回るまたは約2.000を上回ることが望ましい。いくつかの局面において、非形質導入陰性対照サンプルについてのA260/280値が2.000〜2.100または約2.000〜約2.100であることが望ましい。
いくつかの態様において、対照遺伝子(例えばアクチン)プライマーセットについてのCt値は15未満または約15未満であることが望ましい。いくつかの局面において、アッセイ基準は、試験サンプル中の対照遺伝子の反復実験についてのCt値の標準偏差が、1未満または約1未満、例えば、0.75、0.5もしくは0.25未満または約0.75、約0.5もしくは約0.25未満であることを含む。いくつかの場合において、試験サンプル中の対照遺伝子の反復実験についてのCt値の標準偏差が0.5未満または約0.5未満であることが望ましい。いくつかの場合において、試験サンプルについてのA260/280値が2.000を上回るまたは約2.000を上回ることが望ましい。いくつかの局面において、試験サンプルについてのA260/280値が2.000〜2.100または約2.000〜約2.100であることが望ましい。いくつかの態様において、逆転写酵素(RT) を含まない対照サンプル中の対照遺伝子についてのCt値は、試験サンプル中の対照遺伝子についてのCt値よりも約13.2または少なくとも約13.2高い。
III.組成物、組み合わせ、キット、および製品
いくつかの局面において、形質導入細胞を含む、サンプル、例えば生物学的サンプル中の複製可能ウイルスを検出するための組成物、組み合わせ、および/またはキットを提供する。いくつかの態様において、組成物、組み合わせ、および/またはキットは、細胞、例えば形質導入細胞中の、パラメータ、例えば遺伝子RNAレベルを評価するための試薬を含む。いくつかの態様において、試薬は、RNA単離、RT-PCR、qPCR、および/またはRT-qPCRのための試薬を含む。いくつかの局面において、組成物、組み合わせ、および/またはキットは、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマー、1つまたは複数の対のオリゴヌクレオチドプライマー、および/または1つまたは複数の加水分解プローブを含む。
いくつかの場合では、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、標的遺伝子の配列に特異的である。いくつかの場合では、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、対照遺伝子の配列に特異的である。いくつかの局面において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、順方向プライマーおよび逆方向プライマーを含む。従って、いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、一対のプライマーを含む。いくつかの場合において、一対のプライマーは、標的遺伝子または対照遺伝子の配列に各々特異的な順方向および逆方向プライマーを含有する。いくつかの局面において、順方向および逆方向プライマーは、同じ標的遺伝子または対照遺伝子の異なる配列に特異的である。
いくつかの態様において、組成物、組み合わせ、および/またはキットは、1つまたは複数の加水分解プローブを含む。いくつかの態様において、加水分解プローブは蛍光部分または標識を含む。例示的な蛍光部分および標識は上記に議論される。
いくつかの場合では、加水分解プローブは、標的遺伝子の配列に特異的である。いくつかの場合では、加水分解プローブは、対照遺伝子の配列に特異的である。いくつかの局面において、加水分解プローブは、オリゴヌクレオチドプライマーのうちの1つまたは複数と同じ標的遺伝子または対照遺伝子の配列に特異的である。従って、いくつかの場合において、標的遺伝子または対照遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブは、それぞれ、同じ標的遺伝子または対照遺伝子に特異的な、順方向プライマーおよび逆方向プライマー、例えばプライマー対と共に使用される。
いくつかの態様において、提供される組成物、組み合わせ、および/またはキットは、サンプル、例えば、試験サンプルまたは生物学的サンプル中の、複製可能レトロウイルス、例えば、複製可能ガンマレトロウイルス(RCR)または複製可能レンチウイルス(RCL)を検出するために有用である。特定の態様において、提供される組成物、組み合わせ、および/またはキットは、生物学的サンプルの細胞に形質導入を行うために使用されたウイルスベクターに由来するかつ/またはこれから生じた複製可能レトロウイルスを検出するために有用である。ある態様において、提供される組成物、組み合わせ、および/またはキットは、サンプル中の細胞に形質導入を行うために使用されたウイルスベクターにおける複製能力に必要であるウイルス遺伝子および/またはウイルスポリヌクレオチド配列を検出するために有用である。ある態様において、提供される組成物、組み合わせ、および/またはキットは、1つまたは複数の標的遺伝子に特異的である、オリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブ、例えば、加水分解プローブを含む。
いくつかの態様において、提供される組成物、組み合わせ、および/またはキットは、サンプル、例えば、試験サンプルまたは生物学的サンプル中の、複製可能(RCR)を検出するために有用である。特定の態様において、提供される組成物、組み合わせ、および/またはキットは、生物学的サンプルの細胞に形質導入を行うために使用されたガンマレトロウイルスベクターに由来するかつ/またはこれから生じた複製可能レトロウイルスを検出するために有用である。ある態様において、提供される組成物、組み合わせ、および/またはキットは、サンプル中の細胞に形質導入を行うために使用されたガンマレトロウイルスベクターにおける複製能力に必要であるウイルス遺伝子および/またはウイルスポリヌクレオチド配列を検出するために有用である。いくつかの局面において、標的遺伝子、例えば第1または第2ウイルス遺伝子に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、ウイルスenv、gag、pol、またはrev遺伝子の配列に特異的であり、例えば、これらへ結合する。いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば、第1または第2ウイルス遺伝子に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、ガンマレトロウイルスenv、gag、pol、またはrev遺伝子の配列に特異的であり、例えば、これらへ結合し、かつ/または、ガンマレトロウイルスベクター、例えば、遺伝子送達のために使用される複製欠損性ガンマレトロウイルスベクターを作製するために使用されるenv、gag、pol、またはrev遺伝子に特異的である。いくつかの場合では、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、GaLV env、VSVG、またはMMLV gagの配列に特異的である。いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 25、26、もしくは27に記載の配列もしくは配列の部分、またはそのような配列もしくはそのような配列の部分と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 4〜5、16〜17、19〜20、または22〜23に記載の1つまたは複数の配列を含む。
いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば、第1または第2ウイルス遺伝子に特異的な加水分解プローブは、ウイルスenv、gag、pol、またはrev遺伝子の配列に特異的であり、例えば、これらへ結合する。いくつかの場合では、加水分解プローブは、GaLV env、VSVG env、またはMMLV gagの配列に特異的である。いくつかの場合において、加水分解プローブは、SEQ ID NO: 6、18、21、または24に記載の配列を含有する。
いくつかの場合において、標的遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、GaLV env遺伝子の配列、例えば、SEQ ID NO: 25に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 4または5に記載の配列を含む。いくつかの場合において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 4に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの局面において、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 5に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。従って、いくつかの局面において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 4に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 5に記載の配列を含有する。
いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、MMLV gag遺伝子の配列、例えば、SEQ ID NO: 27に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 16〜17、19〜20、または22〜23に記載の配列を含む。いくつかの場合において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 16、19、もしくは22に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの局面において、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 17、20、もしくは23に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 16に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 17に記載の配列を含有する。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 19に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 20に記載の配列を含有する。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 22に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 23に記載の配列を含有する。
いくつかの場合において、加水分解プローブは、MMLV gag遺伝子の配列もしくは配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 27に記載の配列の部分、またはそのような配列の部分と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、加水分解プローブは、SEQ ID NO: 18、21、または24に記載の配列を含有する。
いくつかの態様において、提供される組成物、組み合わせ、および/またはキットは、サンプル、例えば、試験サンプルまたは生物学的サンプル中の、RCLを検出するために有用である。特定の態様において、提供される組成物、組み合わせ、および/またはキットは、生物学的サンプルの細胞に形質導入を行うために使用されたガンマレトロウイルスベクターに由来するかつ/またはこれから生じた複製可能レトロウイルスを検出するために有用である。ある態様において、提供される組成物、組み合わせ、および/またはキットは、サンプル中の細胞に形質導入を行うために使用されたガンマレトロウイルスベクターにおける複製能力に必要であるウイルス遺伝子および/またはウイルスポリヌクレオチド配列を検出するために有用である。いくつかの局面において、標的遺伝子、例えば第1または第2ウイルス遺伝子に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、ウイルスenv、gag、pol、またはrev遺伝子の配列に特異的であり、例えば、これらへ結合する。いくつかの態様において、標的遺伝子、例えば、第1または第2ウイルス遺伝子に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、ガンマレトロウイルスenv、gag、pol、またはrev遺伝子の配列に特異的であり、例えば、これらへ結合し、かつ/または、ガンマレトロウイルスベクター、例えば、遺伝子送達のために使用される複製欠損性ガンマレトロウイルスベクターを作製するために使用されるenv、gag、pol、またはrev遺伝子に特異的である。
いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、VSV-G env遺伝子の配列、例えば、SEQ ID NO: 26に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。
いくつかの場合において、加水分解プローブは、VSVG env遺伝子の配列もしくは配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 26に記載の配列の部分、またはそのような配列の部分と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。
いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、rev遺伝子配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 33に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 38〜39に記載の配列を含む。いくつかの場合において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 38に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの局面において、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 39に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 38に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 39に記載の配列を含有する。
いくつかの場合において、加水分解プローブは、rev遺伝子の配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 33に記載の配列の部分、またはそのような配列と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、加水分解プローブは、SEQ ID NO: 37に記載の配列を含有する。
いくつかの局面において、対照遺伝子、例えばアクチンに特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、対照遺伝子の配列へ結合する。いくつかの場合において、対照遺伝子がアクチンである場合、対照遺伝子の配列に対して特異的なオリゴヌクレオチドプライマーは、アクチンの配列に特異的であり、例えば、これへ結合する。いくつかの態様において、対照遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 28に記載の配列の部分に特異的である。いくつかの場合において、アクチンに特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 1〜2、8、10〜11、または13〜14に記載の1つまたは複数の配列を含む。
いくつかの場合において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、アクチン遺伝子の配列、例えば、SEQ ID NO: 28に記載の配列の部分、またはそのような配列の部分と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。いくつかのそのような局面において、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは、SEQ ID NO: 1〜2、8、10〜11、または13〜14に記載の配列を含む。いくつかの場合において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 1、10、もしくは13に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの局面において、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 2、8、11、もしくは14に記載の配列、またはそのような配列と少なくとももしくは約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列を含む。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 1に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 2に記載の配列を含有する。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 1に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 8に記載の配列を含有する。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 10に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 11に記載の配列を含有する。いくつかの態様において、順方向プライマーは、SEQ ID NO: 13に記載の配列を含有し、逆方向プライマーは、SEQ ID NO: 14に記載の配列を含有する。
いくつかの態様において、加水分解プローブは、対照遺伝子(例えばアクチン)の配列もしくは配列の部分、例えば、SEQ ID NO: 27に記載の配列の部分、またはそのような配列の部分と少なくとももしくは少なくとも約85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一性を有する配列に特異的である。従って、いくつかの局面において、対照遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブは、アクチンに特異的であり、例えば、これに結合する。いくつかの場合において、加水分解プローブは、SEQ ID NO: 3、9、12、または15に記載の配列を含有する。
特定の態様において、本明細書に提供されるキットは、サンプル中のRCRの検出について有用である。特定の態様において、キットは、ガンマレトロウイルス遺伝子である、かつ/または、遺伝子送達のために使用される複製欠損性ガンマレトロウイルスベクターのような、ガンマレトロウイルスベクターを作製するために使用された遺伝子である、標的遺伝子に対して特異的であるオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブを含む。特定の態様において、キットは、対照遺伝子に対して特異的であるオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブを含む。いくつかの態様において、対照遺伝子はアクチンである。特定の態様において、標的遺伝子はGaLV envである。ある態様において、標的遺伝子はMMLV gagである。いくつかの態様において、標的遺伝子はGaLV envおよびMMLV gagである。
ある態様において、本明細書に提供されるキットは、サンプル中のRCLの検出について有用である。特定の態様において、キットは、レンチウイルス遺伝子である、かつ/または、遺伝子送達のために使用される複製欠損性レンチウイルスベクターのような、レンチウイルスベクターを作製するために使用された遺伝子である、標的遺伝子に対して特異的であるオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブを含む。特定の態様において、キットは、対照遺伝子に対して特異的であるオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブを含む。いくつかの態様において、対照遺伝子はアクチンである。特定の態様において、標的遺伝子はrev、例えば、HIV revである。ある態様において、標的遺伝子はVSV-Gである。いくつかの態様において、標的遺伝子はrevおよびVSV-Gである。
IV.ウイルスベクター粒子およびコードされる組換え分子および/または異種分子
いくつかの局面において、提供される方法は、複製可能レトロウイルス由来のRNAと関連するかつ/または相関するパラメータを検出する工程を伴う。いくつかの態様において、パラメータは、組換えおよび/または異種分子をコードするウイルスベクター粒子で形質導入が行われた細胞由来のRNAまたはcDNAを含有する試験サンプルにおいて測定される。従って、いくつかの場合において、ウイルスベクター粒子は、細胞に形質導入を行うために使用されたかまたは使用されてよく、該細胞は、提供される方法によってその後評価される。
いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子、例えば、レンチウイルスまたはガンマレトロウイルスベクター粒子は、ウイルスベクターのゲノム中に、組換えおよび/または異種分子(例えば、遺伝子産物)、例えば、組換えまたは異種タンパク質、例えば、組換えおよび/または異種受容体、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)または他の抗原受容体をコードする核酸を含有する。そのような組換えおよび/または異種分子は、可溶性タンパク質、例えば分泌タンパク質、および/または細胞表面タンパク質を含み得る。いくつかの態様において、この分子は、組換え受容体であるか、または組換え受容体を含む。そのような組換え受容体は、抗原受容体、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)を含む機能的な非TCR抗原受容体および他の抗原結合受容体、例えばトランスジェニックT細胞受容体(TCR)を含み得る。この受容体はまた、他の受容体、例えば他のキメラ受容体、例えば特定のリガンドに結合しかつCAR中に存在するものと類似の膜貫通ドメインおよび/または細胞内シグナル伝達ドメインを有する受容体を含み得る。
いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子のゲノムは、組換えおよび/または異種分子をコードする核酸に加えて、配列を含み得る。このような配列は、ウイルス粒子へのゲノムのパッケージングを可能にする配列、および/または、組換えおよび/または異種分子、例えば組換え受容体、例えばCARをコードする核酸の発現を促進する配列を含み得る。
いくつかの態様において、核酸は、組換え受容体および/またはキメラ受容体、例えば、異種受容体タンパク質をコードする。組換え受容体、例えば異種受容体は、抗原受容体、例えば機能的な非TCR抗原受容体(キメラ抗原受容体(CAR)を含む)、および他の抗原結合受容体、例えばトランスジェニックT細胞受容体(TCR)を含んでよい。受容体はまた、他の受容体、例えば他のキメラ受容体、例えば、特定のリガンドに結合しかつCAR中に存在するものと類似の膜貫通ドメインおよび/または細胞内シグナル伝達ドメインを有する受容体を含んでもよい。
いくつかの態様において、組換えおよび/または異種分子、例えば、遺伝子産物は、可溶性分子、例えば免疫調節および/または免疫刺激分子、例えばサイトカイン、例えばIL-2、IL-12、IL-6、41BBL、CD40L、および/または可溶性リガンドもしくは受容体、例えば免疫細胞共刺激分子に対する可溶性リガンド、例えばCD40L、41BBL、または可溶性抗原結合分子、例えばscFvである。発現または形質導入マーカーならびに発現ベクターおよび/またはカセットにおける使用に関して公知の任意の他の分子もこの分子に含まれる。
いくつかの態様において、組換え抗原受容体、例えばCARは、細胞または疾患、例えば癌、感染疾患、炎症、もしくは自己免疫疾患、または本明細書に記載されているものを含む他の疾患もしくは状態上の1つまたは複数のリガンドに特異的に結合する。例示的な抗原としては、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H6、カルボニックアンヒドラーゼ9(CAIXもしくはG250としても公知の、CA9)、癌-精巣抗原、癌/精巣抗原1B(NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知の、CTAG)、癌胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD138、CD171、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、切断型上皮成長因子タンパク質(tEGFR)、III型上皮成長因子受容体突然変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体α、胎児アセチルコリン受容体、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerbB2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-AI)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体α(IL-22Ra)、IL-13受容体α2(IL-13Ra2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、κ軽鎖、L1細胞接着分子(L1CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メソテリン、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(5T4としても公知のTPBG)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原、またはユニバーサルタグと関連する抗原、および/またはビオチン化分子、ならびに/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子が挙げられる。
受容体によって標的化される抗原としては、いくつかの態様において、B細胞悪性腫瘍と関連する抗原、例えば、任意の多数の公知のB細胞マーカーが挙げられる。いくつかの態様において、受容体によって標的化される抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igκ、Igλ、CD79a、CD79bまたはCD30である。
いくつかの態様において、抗原は病原体特異的抗原である。いくつかの態様において、抗原は、ウイルス抗原(例えば、HIV、HCV、HBVなど由来のウイルス抗原)、細菌抗原、および/または寄生虫抗原である。
CARおよび組換えTCRを含む抗原受容体ならびにその生成および導入は、いくつかの態様において、例えば、国際特許出願公報番号WO200014257、WO2013126726、WO2012/129514、WO2014031687、WO2013/166321、WO2013/071154、WO2013/123061、米国特許出願公開番号US2002131960、US2013287748、US20130149337、米国特許第6,451,995号、同第7,446,190号、同第8,252,592号、同第8,339,645号、同第8,398,282号、同第7,446,179号、同第6,410,319号、同第7,070,995号、同第7,265,209号、同第7,354,762号、同第7,446,191号、同第8,324,353号、および同第8,479,118号、ならびに欧州特許出願番号EP2537416に記載されるもの、ならびに/またはSadelain et al., Cancer Discov. 2013 April; 3(4): 388-398; Davila et al. (2013) PLoS ONE 8(4): e61338; Turtle et al., Curr. Opin. Immunol., 2012 October; 24(5): 633-39; Wu et al., Cancer, 2012 March 18(2): 160-75に記載されるものを含む。
いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子内の核酸によってコードされる組換え分子または異種分子は、核酸分子、例えばRNA、DNA、または人工核酸配列、例えば標的mRNAの発現または活性と干渉するよう設計されたもの、例えば低分子干渉RNA(siRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)であるかまたはそれらを含む。そのような分子は、免疫細胞の活性に関連するか、それを促進するか、またはそれを阻害する分子、例えば免疫調節物質、免疫阻害分子、および免疫チェックポイント分子の発現または活性と干渉するよう設計されたものを含み得る。いくつかの態様において、ヌクレオチドsiRNAまたはmiRNA配列(例えば、21〜25ヌクレオチド長)は、例えば、ショートヘアピンRNA(shRNA)配列、後に細胞のRNAi機構によるプロセシングを受けてsiRNAまたはmiRNA配列のいずれかを生成するより長い(例えば、60〜80ヌクレオチドの)前駆配列の転写によって発現ベクターから生成され得る。あるいは、ヌクレオチドsiRNAまたはmiRNA配列(例えば、21〜25ヌクレオチド長)は、例えば、化学的に合成され得る。siRNAまたはmiRNA配列の化学的合成は、Dharmacon, Inc.(Lafayette, CO)、Qiagen(Valencia, CA)およびAmbion(Austin, TX)等の会社から商業的に利用可能である。このRNAは、10〜30ヌクレオチド長、例えば19〜25または21〜25ヌクレオチド長であり得る。例えば、siRNA配列は典型的に、正確な相補性を有する標的mRNA内の固有配列に結合し、標的mRNA分子の分解をもたらす。siRNA配列は、mRNA分子内の任意の場所に結合することができ、siRNAによってターゲティングされる配列は、関心対象のポリペプチドを発現する遺伝子またはそのような遺伝子の上流もしくは下流調節因子、例えば遺伝子の上流または下流調節因子、例えば遺伝子プロモーターに結合する転写因子、関心対象のポリペプチドと相互作用するキナーゼもしくはホスファターゼおよび関心対象のポリペプチドに影響を及ぼすことができる調節経路に関与するポリペプチドを含む。miRNA配列は典型的に、正確なまたは未正確な相補性を有する標的mRNA内の固有配列に結合し、標的mRNA分子の翻訳抑制をもたらす。miRNA配列は、mRNA配列内の任意の場所に結合することができるが、通常はmRNA分子の3'非翻訳領域内に結合する。
A.キメラ抗原受容体
いくつかの態様において、組換えおよび/または異種分子は、キメラ抗原受容体(CAR)であるかまたはこれを含む。CARは通常、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達成分に連結されている細胞外リガンド結合ドメインを有する、遺伝子改変された受容体である。このような分子は、典型的には、天然の抗原受容体を通じたシグナル、および/または共刺激受容体と組み合わせたこのような受容体を通じたシグナルを模倣または近似する。
いくつかの態様において、CARは、特定のマーカー、例えば養子療法によって標的化されるべき特定の細胞タイプにおいて発現されるマーカー、例えば、癌マーカーおよび/または記載の抗原のいずれかに対する特異性を有するよう構築される。したがって、CARは、典型的には、抗体の1つまたは複数の抗原結合フラグメント、ドメイン、もしくは部分、または1つまたは複数の抗体可変ドメイン、および/または抗体分子を含む。いくつかの態様において、CARは、抗体分子の1つまたは複数の抗原結合部分、例えば可変重鎖(VH)もしくはその抗原結合部分、またはモノクローナル抗体(mAb)の可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)に由来する単鎖抗体フラグメント(scFv)を含む。
いくつかの態様において、CARの細胞外部分、例えばその抗体部分は、スペーサー、例えば抗原認識構成成分、例えばscFvと膜貫通ドメインとの間のスペーサー領域をさらに含む。スペーサーは、免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部またはそのバリアントもしくは改変型、例えば、ヒンジ領域、例えばIgG4ヒンジ領域、ならびに/またはCH1/CLおよび/もしくはFc領域等であり得るか、またはこれらを含み得る。いくつかの態様において、定常領域または部分は、IgG4またはIgG1などのヒトIgGのものである。スペーサーは、スペーサーが存在しない場合と比較して、抗原結合後の細胞の応答性を増加させる長さのものであってよい。いくつかの例において、スペーサーは、12アミノ酸長もしくは約12アミノ酸長または12アミノ酸長以下である。例示的なスペーサーには、少なくとも約10〜229アミノ酸、約10〜200アミノ酸、約10〜175アミノ酸、約10〜150アミノ酸、約10〜125アミノ酸、約10〜100アミノ酸、約10〜75アミノ酸、約10〜50アミノ酸、約10〜40アミノ酸、約10〜30アミノ酸、約10〜20アミノ酸、または約10〜15アミノ酸(列挙された範囲の任意の端点間の任意の整数を含む)を有するものが含まれる。いくつかの態様において、スペーサー領域は約12個以下のアミノ酸、約119個以下のアミノ酸、または約229個以下のアミノ酸を有する。例示的なスペーサーは、IgG4ヒンジのみ、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジ、またはCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジを含む。例示的なスペーサーには、Hudecek et al. (2013) Clin. Cancer Res., 19:3153または国際特許出願公開番号WO2014031687に記載されているものが含まれるがそれに限定されない。
細胞外リガンド結合ドメイン、例えば抗原認識ドメインは通常、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達構成成分、例えば、CARの場合であればTCR複合体などの抗原受容体複合体を介する活性化を模倣し、かつ/または別の細胞表面受容体を通してシグナル伝達するシグナル伝達構成成分などに、連結される。いくつかの態様において、膜貫通ドメインは、細胞外リガンド結合ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインに連結される。いくつかの態様において、CARは、細胞外ドメインに融合された膜貫通ドメインを含む。1つの態様では、受容体、例えばCAR中のドメインの1つに天然で付随している膜貫通ドメインが使用される。場合によっては、膜貫通ドメインは、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限に抑えるために、同じまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへのそのようなドメインの結合を回避するように選択され、またはアミノ酸置換によって修飾される。
抗原特異的結合または認識要素は通常、1つまたは複数の膜貫通および細胞内シグナルドメインに連結される。いくつかの態様において、CARは、細胞外ドメインに融合された膜貫通ドメインを含む。1つの態様において、受容体、例えばCAR内のドメインの1つに天然で付随する膜貫通ドメインが使用される。いくつかの例において、膜貫通ドメインは、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限に抑えるために同一のまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインに対するそのようなドメインの結合を回避するように、選択されるかまたはアミノ酸置換によって修飾される。
膜貫通ドメインはいくつかの態様において、天然供給源または合成供給源のいずれかに由来する。供給源が天然である場合、ドメインはいくつかの局面において、任意の膜結合型タンパク質または膜貫通タンパク質に由来する。膜貫通領域には、T細胞受容体のアルファ、ベータ、またはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CDS、CD9、CD 16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD 134、CD137、CD 154に由来する(すなわち、少なくともその膜貫通領域を含む)ものが含まれる。膜貫通ドメインはいくつかの態様において合成による。いくつかの局面において、合成膜貫通ドメインは、主に、ロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を含む。いくつかの局面において、合成膜貫通ドメインの各末端には、フェニルアラニン、トリプトファン、およびバリンのトリプレットが見出されるであろう。いくつかの態様において、連結はリンカー、スペーサー、および/または膜貫通ドメインによる。
いくつかの態様では、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、例えば2〜10アミノ酸長のリンカー、例えばグリシンおよびセリン(例えば、グリシン-セリンダブレット)を含むものなどが存在し、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインとの間の連結を形成する。
受容体、例えばCARは通常、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達構成成分または細胞内シグナル伝達構成成分群を含む。いくつかの態様において、受容体は、TCR複合体の細胞内構成成分、例えばT細胞活性化および細胞傷害性を媒介するTCR CD3鎖など、例えばCD3ゼータ鎖を含む。したがって、いくつかの局面において、抗原結合部分は1つまたは複数の細胞シグナル伝達モジュールに連結される。いくつかの態様において、細胞シグナル伝達モジュールは、CD3膜貫通ドメイン、CD3細胞内シグナル伝達ドメイン、および/または他のCD膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様において、受容体、例えばCARは、Fc受容体γ、CD8、CD4、CD25、またはCD16などの1つまたは複数の付加的な分子の一部をさらに含む。例えば、いくつかの局面において、CARまたは他のキメラ受容体は、CD3-ゼータ(CD3-ζ)またはFc受容体γとCD8、CD4、CD25、またはCD16とのキメラ分子を含む。
いくつかの態様では、CARまたは他のキメラ受容体の連結時に、受容体の細胞質ドメインまたは細胞内シグナル伝達ドメインは、細胞、例えば免疫細胞、例えばCARを発現するように操作されたT細胞、の正常なエフェクター機能または応答の少なくとも1つを活性化する。例えば、状況によっては、CARは、細胞溶解活性またはTヘルパー活性などといったT細胞の機能、例えばサイトカインまたは他の因子の分泌などを誘導する。いくつかの態様では、例えば、抗原受容体構成成分または共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインの切断された部分が、エフェクター機能シグナルを伝達するのであれば、インタクトな免疫刺激鎖の代わりにそれが使用される。いくつかの態様において、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達ドメインは、T細胞受容体(TCR)の細胞質配列を含み、いくつかの局面では、天然状況においてそのような受容体と協調して作用して、抗原受容体会合後にシグナル伝達を開始させる、共受容体の細胞質配列、および/またはそのような分子の任意の誘導体もしくはバリアント、および/または同じ機能を有する任意の合成配列も、含む。
天然のTCRの状況において、完全な活性化は通常、TCRを介するシグナル伝達のみならず、共刺激シグナルも必要とする。したがって、いくつかの態様では、完全な活性化を促進するために、二次シグナルまたは共刺激シグナルを生成するための構成成分もまたCARに含まれる。他の態様において、CARは、共刺激シグナルを生成するための構成成分を含まない。いくつかの局面では、同じ細胞中で付加的なCARが発現され、二次シグナルまたは共刺激シグナルを生成するための構成成分を提供する。
T細胞活性化は、いくつかの局面において、2つのクラスの細胞質シグナル伝達配列:TCRを介する抗原依存性一次活性化を開始するもの(一次細胞質シグナル伝達配列);および抗原非依存的様式で作用して二次シグナルまたは共刺激シグナルを提供するもの(二次細胞質シグナル伝達配列)によって媒介されると説明される。いくつかの局面において、CARは、そのようなシグナル伝達構成成分の一方または両方を含む。
いくつかの局面において、CARは、TCR複合体の一次活性化を調節する一次細胞質シグナル伝達配列を含む。刺激様式で作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容体チロシン活性化モチーフまたはITAMとして公知であるシグナル伝達モチーフを含み得る。ITAM含有一次細胞質シグナル伝達配列の例には、TCRゼータ、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CDS、CD22、CD79a、CD79b、およびCD66dに由来するものが含まれる。いくつかの態様において、CAR中の細胞質シグナル伝達分子は、CD3ゼータ由来の、細胞質シグナル伝達ドメイン、その一部、または配列を含む。
いくつかの態様において、CARは、CD28、4-1BB、OX40、DAP10、およびICOSなどの共刺激受容体のシグナル伝達ドメインおよび/または膜貫通部分を含む。いくつかの局面では、同じCARが活性化構成成分と共刺激構成成分の両方を含む。
いくつかの態様では、活性化ドメインが1つのCAR内に含まれる一方で、共刺激構成成分は、別の抗原を認識する別のCARによって提供される。いくつかの態様において、CARは、いずれも同じ細胞上に発現される活性化または刺激CAR、および共刺激CARを含む(WO2014/055668を参照されたい)。いくつかの局面において、CARは、刺激または活性化CARであり:他の局面では、CARは、共刺激CARである。いくつかの態様において、細胞は、異なる抗原を認識するCARなどの阻害性CAR(iCAR、Fedorov et al., Sci. Transl. Medicine, 5(215) (December, 2013) を参照されたい)をさらに含み、それによって、第1の抗原を認識するCARを介して送達される活性化シグナルは、阻害性CARがそのリガンドに結合することにより削減または阻害されて、例えばオフターゲット効果を減少させる。
ある特定の態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3細胞内ドメインに連結されたCD28膜貫通およびシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3細胞内ドメインに連結されたキメラCD28およびCD137共刺激ドメインを含む。
いくつかの態様において、CARはまた、形質導入マーカー(例えば、tEGFR)を含むこともできる。いくつかの態様において、CD8+細胞傷害性T細胞の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD4+ヘルパーT細胞の細胞内シグナル伝達ドメインと同じである。いくつかの態様において、CD8+細胞傷害性T細胞の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD4+ヘルパーT細胞の細胞内シグナル伝達ドメインとは異なる。
いくつかの態様において、CARは、1つまたは複数の、例えば、2以上の共刺激ドメインおよび活性化ドメイン、例えば一次活性化ドメインを細胞質部分に包含する。例示的なCARは、CD3ゼータ、CD28、および4-1BBの細胞内成分を含む。
いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子内の核酸によってコードされる組換えおよび/または異種分子は、例えば、受容体を発現するための細胞の形質導入もしくは改変、ならびに/または核酸によってコードされる分子を発現する細胞の選択および/もしくは標的化を確認するための、1つまたは複数のマーカーをさらに含む。いくつかの局面において、このようなマーカーは、異なる核酸またはポリヌクレオチドによってコードされ得、これはまた、遺伝子工学プロセスの間に、典型的には同じ方法を介して、例えば、同じベクターまたはベクターのタイプによる形質導入を介して導入され得る。
いくつかの局面において、マーカー、例えば、形質導入マーカーは、タンパク質であり、かつ/または細胞表面分子である。例示的なマーカーは、天然に存在する、例えば、内因性のマーカー、例えば天然に存在する細胞表面分子の短縮型バリアントである。いくつかの局面において、バリアントは、天然または内因性の細胞表面分子と比較して、低減された免疫原性、低減されたトラフィッキング機能、および/または低減されたシグナル伝達機能を有する。いくつかの態様において、マーカーは、細胞表面受容体の短縮型、例えば短縮型EGFR(tEGFR)である。いくつかの局面において、マーカーは、CD34、NGFR、または上皮成長因子受容体(例えば、tEGFR)の全てまたは一部(例えば、短縮型形態)を含む。いくつかの態様において、マーカーをコードする核酸は、リンカー配列、例えば切断可能リンカー配列、例えば、T2Aをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結される。WO2014031687を参照されたい。いくつかの態様において、マーカーは、T細胞上に天然で見いだされないまたはT細胞の表面上に天然で見いだされない、分子、例えば、細胞表面タンパク質、またはその一部である。
いくつかの態様において、マーカーは、非自己分子、例えば、非自己タンパク質、すなわち、細胞が養子移入される宿主の免疫系によって「自己」として認識されないものである。
いくつかの態様において、マーカーは、治療機能を果たさず、かつ/または、遺伝子工学のための、例えば、改変に成功した細胞を選択するためのマーカーとして使用される以外の効果をもたらさない。他の態様において、マーカーは、治療用分子またはそうでなければいくつかの所望の効果を発揮する分子、例えばインビボで遭遇する細胞に対するリガンド、例えば養子移入およびリガンドとの遭遇によって細胞の応答を増強および/または減衰させる共刺激または免疫チェックポイント分子であり得る。
いくつかの場合では、CARは、第一世代、第二世代、および/または第三世代のCARと称される。いくつかの局面において、第一世代のCARは、抗原結合時に、CD3鎖によって誘発されるシグナルのみを提供するものであり;いくつかの局面において、第二世代のCARは、このようなシグナルおよび共刺激シグナルを提供するもの、例えば、CD28またはCD137のような共刺激受容体由来の細胞内シグナル伝達ドメインを含むものであり;いくつかの局面において、第三世代のCARは、いくつかの局面において、異なる共刺激受容体の複数の共刺激ドメインを含むものである。
いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、細胞外リガンド結合部分、例えば抗原結合部分、例えば抗体またはそのフラグメント、および細胞内ドメインを含む。いくつかの態様において、抗体またはフラグメントは、scFvまたは単一ドメインVH抗体を含み、そして、細胞内ドメインは、ITAMを含む。いくつかの局面において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ゼータ(CD3ζ)鎖のゼータ鎖のシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインを連結する膜貫通ドメインを含む。細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインは、直接または間接的に連結されることができる。いくつかの態様において、細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインは、スペーサー、例えば本明細書に記載のいずれかによって連結される。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、T細胞共刺激分子の細胞内ドメインを、例えば膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に含む。いくつかの局面において、T細胞共刺激分子は、CD28または41BBである。
いくつかの態様において、受容体、例えば、CARの膜貫通ドメインは、ヒトCD28の膜貫通ドメインまたはそのバリアント、例えば、ヒトCD28の27アミノ酸膜貫通ドメイン(Accession No.: P10747.1)である。いくつかの態様において、細胞内ドメインは、ヒトCD28の細胞内共刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的バリアント、例えばその41アミノ酸ドメインおよび/または天然CD28タンパク質の186〜187位にLLからGGへの置換を有するこのようなドメインを含む。いくつかの態様において、細胞内ドメインは、41BBの細胞内共刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的バリアント、例えばヒト4-1BBの42アミノ酸細胞質ドメイン(Accession No. Q07011.1)を含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ゼータ刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的バリアント、例えばヒトCD3ζのアイソフォーム3の112AA細胞質ドメイン(Accession No.: P20963.2)またはCD3ゼータシグナル伝達ドメイン(米国特許第7,446,190号に記載のとおり)を含む。いくつかの局面において、スペーサーは、IgGのヒンジ領域のみ、例えばIgG4またはIgG1のヒンジのみを含む。他の態様において、スペーサーは、CH2および/またはCH3ドメインに連結されているIgヒンジ、例えば、IgG4ヒンジである。いくつかの態様において、スペーサーは、CH2およびCH3ドメインに連結されているIgヒンジ、例えば、IgG4ヒンジである。いくつかの態様において、スペーサーは、CH3ドメインのみに連結されているIgヒンジ、例えば、IgG4ヒンジである。いくつかの態様において、スペーサーは、グリシン-セリンリッチ配列または他のフレキシブルリンカー、例えば公知のフレキシブルリンカーであるかまたはこれらを含む。
例えば、いくつかの態様において、CARは、以下を含む:抗原(例えば、本明細書に記載の抗原)に特異的に結合する、細胞外リガンド結合部分、例えば抗原結合部分、例えば抗体またはそのフラグメント(sdAbおよびscFvを含む);スペーサー、例えばIgヒンジ含有スペーサーのいずれか;CD28の一部である膜貫通ドメインまたはそのバリアント;CD28のシグナル伝達部分を含む細胞内シグナル伝達ドメインまたはその機能的バリアント;ならびにCD3ゼータシグナル伝達ドメインのシグナル伝達部分またはその機能的バリアント。いくつかの態様において、CARは、以下を含む:抗原(例えば、本明細書に記載の抗原)に特異的に結合する、細胞外リガンド結合部分、例えば抗原結合部分、例えば抗体またはそのフラグメント(sdAbおよびscFvを含む);スペーサー、例えばIgヒンジ含有スペーサーのいずれか;CD28の一部である膜貫通ドメインまたはそのバリアント;4-1BBのシグナル伝達部分を含む細胞内シグナル伝達ドメインまたはその機能的バリアント;ならびにCD3ゼータシグナル伝達ドメインのシグナル伝達部分またはその機能的バリアント。いくつかの態様において、このようなCAR構築物は、T2Aリボソームスキップエレメントおよび/またはtEGFR配列(例えば、CARの下流の)をさらに含む。
B.T細胞受容体(TCR)
いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子によってコードされる組換えおよび/または異種分子は、組換えT細胞受容体(TCR)であるかまたは組換えTCRを含む。いくつかの態様において、組換えTCRは、抗原、通常は標的細胞上に存在する抗原、例えば腫瘍特異抗原、自己免疫もしくは炎症性疾患に関連する特定の細胞タイプ上に発現される抗原、またはウイルス病原体もしくは細菌病原体に由来する抗原に特異的である。
いくつかの態様において、TCRは、天然に存在するT細胞からクローニングされたものである。いくつかの態様において、標的抗原(例えば、癌抗原)に対して高親和性のT細胞クローンが、患者から同定されかつ単離される。いくつかの態様において、標的抗原に対するTCRクローンが、ヒト免疫系遺伝子(例えば、ヒト白血球抗原系、すなわちHLA)で改変されたトランスジェニックマウスにおいて作製されている。例えば、腫瘍抗原を参照されたい(例えば、Parkhurst et al. (2009) Clin Cancer Res. 15:169-180およびCohen et al. (2005) J Immunol. 175:5799-5808を参照されたい)。いくつかの態様において、標的抗原に対するTCRを単離するためにファージディスプレイが使用される(例えば、Varela-Rohena et al. (2008) Nat Med. 14:1390-1395およびLi (2005) Nat Biotechnol. 23:349-354を参照のこと)。
いくつかの態様において、T細胞クローンが取得された後、TCRアルファ鎖およびベータ鎖が単離され、遺伝子発現ベクター内にクローニングされる。いくつかの態様において、TCRアルファ鎖およびベータ鎖がピコルナウイルス2Aリボソームスキップペプチドを介して連結され、それによって両方の鎖が同時発現される。いくつかの態様において、TCRをコードする核酸は、受容体を発現するための細胞の形質導入もしくは改変を確認するマーカーをさらに含む。
C.ウイルスベクター粒子
いくつかの態様において、複製可能ウイルスについて試験される細胞は、組換えおよび/または異種分子、例えば遺伝子産物をコードする核酸を含むウイルスベクター粒子で形質導入が行われた。いくつかの態様において、核酸、即ち、ポリヌクレオチドは、発現カセット内に含有される。核酸または発現カセットは、ウイルスベクター粒子中の核酸によってコードされる組換えおよび/または異種分子の発現のために、発現ベクター中、例えばウイルスベクター中に含有され得る。
1.発現カセット
いくつかの態様において、発現カセットは、プロモーターの制御下にある異種および/組換え分子をコードする核酸を含有し得る。発現カセットはまた、1つまたは複数の他の調節エレメントを含有し得る。いくつかの場合において、核酸は、プロモーター、エンハンサー、他の転写後調節エレメント、ポリアデニル化シグナル、制限酵素部位、多重クローニング部位、またはコーディングセグメントを含むがこれらに限定されない、他の核酸配列に機能的に連結され得る。
a.プロモーター
いくつかの態様において、発現カセットは、組換えタンパク質または異種タンパク質をコードする核酸分子に機能的に連結されたプロモーターを含む。プロモーターは、発現状況について適切である場合、使用者によって望まれる任意のプロモーターを含み得る。いくつかの態様において、プロモーターは、様々な細胞タイプにわたって高レベルの構成的発現を提供し得る真核生物起源または原核生物起源のプロモーターを含んでよく、細胞において組換えタンパク質または異種タンパク質をコードする核酸の転写を指示するのに十分である。いくつかの態様において、組換えタンパク質または異種タンパク質をコードする核酸は、遠位に位置する配列であり、これは、プロモーター配列の5’末端に機能的に連結された配列である。プロモーター領域はまた、転写の増強または抑制のための制御エレメントを含み得、使用者によって望まれるようにかつ状況に依存して、修飾され得る。
いくつかの態様において、プロモーターは、RNA合成についての開始部位を位置付けるように機能する配列を含む。いくつかの態様において、プロモーターはTATAボックスを含む。いくつかの態様において、プロモーターは、例えば、哺乳動物ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ遺伝子についてのプロモーター、およびSV40後期遺伝子についてのプロモーターのように、TATAボックスを欠いている。そのような態様において、プロモーターは、開始部位自体に重なる個別のエレメントを含有し得、開始の場所を固定するのを助ける。追加のプロモーターエレメントは転写開始の頻度を調節する。いくつかの態様において、これらは開始部位の30〜110 bp上流の領域に位置するが、多くのプロモーターが開始部位の下流に機能的エレメントを同様に含有することが示されている。コーディング配列をプロモーター「の制御下」に持っていくために、選択されたプロモーターの「下流」(即ち3’)に転写リーディングフレームの転写開始部位の5’末端を配置する。「上流」プロモーターは、DNAの転写を刺激し、コードされたRNAの発現を促進する。
いくつかの態様において、プロモーターエレメント間の間隔は柔軟性があり、従って、エレメントが互いに対して反転または移動される場合、プロモーター機能は保存される。プロモーターがtkプロモーターであるいくつかの態様において、プロモーターエレメント間の間隔を50 bp分離まで増やすことができ、その後、活性が低下し始める。プロモーターに依存して、個々のエレメントは、転写を活性化するのに、同時作動性または非依存性のいずれかで機能することができる。いくつかの態様において、プロモーターは、「エンハンサー」と共に使用され得、これは、核酸配列の転写活性化に関与するシス作用調節配列を指す。
いくつかの態様において、プロモーターは、コーディングセグメントおよび/またはエクソンの上流に位置する5’非コーディング配列を単離することによって取得され得るように、核酸配列と天然に関連しているものであり得る。そのようなプロモーターは、「内因性」と呼ばれ得る。いくつかの態様において、エンハンサーは、その配列の下流または上流のいずれかに位置する、核酸配列と天然に関連しているものであり得る。
代替として、いくつかの態様において、コーディング核酸セグメントは、天然設定においてはコーディング核酸配列と通常は関連していない、組換えおよび/または異種プロモーターおよび/またはエンハンサーの制御下に置かれ得る。そのようなプロモーターまたはエンハンサーは、天然においては、核酸が由来する種内の他の遺伝子に機能的に連結されているプロモーターまたはエンハンサー;他の種から、例えば他の原核細胞または真核細胞から単離されたプロモーターまたはエンハンサー;および「天然に存在」しない、即ち、天然における任意のプロモーターもしくはエンハンサーにおいて見出されるものと比較して、異なる転写調節領域の異なるエレメント、および/もしくは発現を変更させる変異を含有する、プロモーターまたはエンハンサーを含み得る。例えば、組換えDNA構築において使用される例示的なプロモーターとしては、β-ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトース、トリプトファン(trp)、RNAポリメラーゼ(pol)IIIプロモーター、例えば、ヒトおよびマウスU6 pol IIIプロモーターならびにヒトおよびマウスH1 RNA pol IIIプロモーター;RNAポリメラーゼ(pol)IIプロモーター;サイトメガロウイルス最初期プロモーター(pCMV)、延長因子1α(EF-1α)、およびラウス肉腫ウイルス長末端反復プロモーター(pRSV)プロモーターシステムが挙げられるが、これらに限定されない。プロモーターおよびエンハンサーの核酸配列を合成的に生成することに加えて、配列は、本明細書に開示される組成物および方法に関して、PCR(商標)を含む、組換えクローニングおよび/または核酸増幅技術を使用して、生成され得る(各々が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第4,683,202号および同第5,928,906号を参照のこと)。さらに、いくつかの態様において、ミトコンドリア、葉緑体などのような非核細胞小器官内での配列の転写および/または発現を指示する制御配列が同様に用いられ得る。プロモーター、エンハンサー、および他の遺伝子座または転写制御/調節エレメントを含む制御配列はまた、「転写カセット」と呼ばれる。
いくつかの態様において、プロモーターおよび/またはエンハンサーは、発現のために選択された細胞小器官、細胞タイプ、組織、器官、または生物におけるDNAセグメントの発現を有効に指示するように、機能的に連結される。分子生物学の当業者は通常、タンパク質発現のためのプロモーター、エンハンサー、および細胞タイプ組み合わせの使用を知っている(例えば、参照により本明細書に組み入れられる、Sambrook et al., 1989を参照のこと)。用いられるプロモーターは、構成的であり得、組織特異的であり得、誘導性であり得、かつ/または、遺伝子治療についてまたは組換えタンパク質および/もしくはペプチドの大規模生産のような適用について有利であるように、導入されたDNAセグメントの高レベル発現を指示するために適切な条件下で有用であり得る。プロモーターは異種または内因性であり得る。
いくつかの態様において、T3、T7、またはSP6細胞質発現システムが用いられ得る。真核細胞は、送達複合体の一部としてまたは追加の遺伝子発現構築物としてのいずれかで、適切な細菌ポリメラーゼが提供される場合、ある細菌プロモーターからの細胞質転写を支持することができる。
いくつかの態様において、誘導性プロモーターを使用することができる。本明細書において使用される場合、「誘導性プロモーター」は、特定のシグナルに応答して調節され得る転写制御エレメントを指す。誘導性プロモーターは、転写活性化因子に結合されると転写活性となり、転写活性化因子は、同様に、特定の条件セット下で、例えば、誘導性プロモーターへの転写活性化因子の結合に影響を与えるおよび/または転写活性化因子自体の機能に影響を与える化学シグナルの特定の組み合わせの存在下で、活性化される。従って、誘導性プロモーターは、誘導物質の非存在下では、誘導性プロモーターが機能的に連結されている核酸配列の発現を指示しないか、または低レベルの発現を指示するか;または、調節因子の存在下で低レベルの発現を示し、それが除去されると、tetシステムなどのプロモーターからの高レベル発現を可能にするプロモーターである。誘導物質の存在下で、誘導性プロモーターは、増大したレベルで転写を指示する。
いくつかの態様において、tetオペレーター配列(TECO)に対する大腸菌(Escherichia coli)のtet抑制(tetr)の阻害作用に基づくテトラサイクリン-(tet)-調節システムが、哺乳動物システムにおける使用のために改変され、発現カセットについての調節エレメントとして使用され得る。これらのシステムは当業者に周知である。(Goshen and Badgered, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 5547-51 (1992), Shockett et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:6522-26 (1996), Lindemann et al., Mol. Med. 3:466-76 (1997)を参照のこと)。
b.他の調節エレメント
いくつかの態様において、発現カセットは、組換えタンパク質または異種遺伝子産物をコードする核酸に機能的に連結されているエンハンサーをさらに含むことができる。
いくつかの態様において、内部リボソーム結合部位(IRES)エレメントが、発現カセットに機能的に連結されて、多重遺伝子、またはポリシストロニック、メッセージを生じさせる。IRESエレメントは、5’-メチル化キャップ-依存性翻訳のリボソームスキャニングモデルを回避し、内部部位で翻訳を開始することができる(Pelletier and Sonenberg, (1988) Nature. 334:320-325を参照のこと)。IRESエレメントの非限定的な例としては、ピコルナウイルスファミリー(ポリオおよび脳心筋炎)のIRESエレメント(Pelletier and Sonenberg, (1988) Nature. 334:320-325を参照のこと)、または哺乳動物メッセージからのIRES(Macejak and Sarnow, (1991) Nature, 353:90-94を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。IRESエレメントは、異種オープンリーディングフレームに連結させることができる。多数のオープンリーディングフレームを一緒に転写させることができ、各々はIRESによって分離され、ポリシストロニックメッセージを生じさせる。IRESエレメントによって、各オープンリーディングフレームは効率的な翻訳のためにリボソームに接近可能である。多数の遺伝子が、単一のプロモーター/エンハンサーを使用して単一のメッセージを転写して、効率的に発現され得る。
真核生物遺伝子発現を含むいくつかの態様において、発現カセットは、転写物の適切なポリアデニル化を行うためにポリアデニル化シグナルに機能的に連結され得る。任意のそのような配列が用いられ得る。いくつかの例としては、様々な標的細胞において好都合でありかつ十分に機能することが公知の、SV40ポリアデニル化シグナルまたはウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナルが挙げられる。ポリアデニル化は、転写物の安定性を増大させ得るか、または細胞質輸送を促進し得る。
いくつかの態様において、発現カセットまたはベクターは、宿主細胞において増殖するために、1つまたは複数の複製起点部位(「ori」としばしば呼ばれる)を含有する。複製起点は、そこで複製が開始される特定の核酸配列である。代替として、宿主細胞が酵母である場合、自己複製配列(ARS)を用いることができる。
いくつかの態様において、組換え受容体、例えば抗原受容体、例えばCARをコードするウイルスベクターゲノムに含まれる核酸配列は、他の遺伝子エレメント、例えば転写調節配列(プロモーターまたはエンハンサーを含む)と機能的関係で機能的に連結され、特定の様式で関心対象の配列の発現を調節する。特定の例では、このような転写調節配列は、活性に関して時間的および/または空間的に調節されるものである。成分の発現を調節するために使用できる発現制御エレメントは、公知であり、かつ、限定されないが、誘導性プロモーター、構成的プロモーター、分泌シグナル、エンハンサーおよび他の調節エレメントを含む。
いくつかの態様において、組換え受容体、例えば抗原受容体、例えばCARをコードする核酸配列は、内部プロモーター/エンハンサー調節配列と機能的に連結される。採用されるプロモーターは、適切な条件下で構成的、細胞特異的、誘導性、および/または有用であり、導入されたDNAセグメントの高レベル発現を指令し得る。プロモーターは、異種であっても内因性であってもよい。いくつかの態様において、プロモーターおよび/またはエンハンサーは、合成によって産生される。いくつかの態様において、プロモーターおよび/またはエンハンサーは、組換えクローニングおよび/または核酸増幅技術を使用して産生される。
いくつかの態様において、プロモーターおよび/またはエンハンサーは、コーディングセグメントおよび/またはエクソンの上流に位置する5’非コーディング配列を単離することによって取得され得るので、核酸配列と天然に関連するものであってよい。あるいは、いくつかの態様において、コーディング核酸セグメントは、組換えおよび/または異種プロモーターおよび/またはエンハンサーの制御下に位置付けられてよく、これは、天然ではコーディング核酸配列と通常関連しない。例えば、組換えDNAの構築に使用される例示的なプロモーターは、限定されないが、β-ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトース、トリプトファン(trp)、RNAポリメラーゼ(pol)IIIプロモーター(ヒトおよびマウスU6 pol IIIプロモーターならびにヒトおよびマウスH1 RNA pol IIIプロモーターを含む);RNAポリメラーゼ(pol)IIプロモーター;サイトメガロウイルス前初期プロモーター(pCMV)、伸長因子-1アルファ(EF-1アルファ)、ならびにラウス肉腫ウイルスの長い末端反復プロモーター(pRSV)プロモーター系を含む。いくつかの態様において、プロモーターは、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよびシミアンウイルス40(SV40)のようなウイルスのゲノムから取得され得る。プロモーターはまた、例えば、異種哺乳動物プロモーター、例えば、アクチンプロモーターもしくは免疫グロブリンプロモーター、熱ショックプロモーター、または天然配列と通常関連するプロモーターであり得るが、但し、このようなプロモーターは、標的細胞と適合性であるものとする。一態様において、プロモーターは、ウイルス発現系における天然に存在するウイルスプロモーターである。
いくつかの態様において、プロモーターは、構成的に活性であってよい。使用され得る構成的プロモーターの非限定例は、ユビキチン(米国特許第5,510,474号; WO 98/32869)、CMV(Thomsen et al., PNAS 81:659, 1984; 米国特許第5,168,062号)、ベータアクチン(Gunning et al. 1989 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:4831-4835)およびpgk(例えば、Adra et al. 1987 Gene 60:65-74; Singer-Sam et al. 1984 Gene 32:409-417; および Dobson et al. 1982 Nucleic Acids Res. 10:2635-2637を参照のこと)のプロモーターを含む。
いくつかの態様において、プロモーターは、組織特異的プロモーターおよび/または標的細胞特異的プロモーターであってよい。いくつかの態様において、プロモーターは、関心対象の配列の誘導性発現が可能になるよう選択され得る。テトラサイクリン応答系、lacオペレーター-リプレッサー系、ならびに様々な環境的または生理学的変化(熱ショック、金属イオン(例えば、メタロチオネインプロモーター)、インターフェロン、低酸素、ステロイド(例えば、プロゲステロンまたはグルココルチコイド受容体プロモーター)、放射線(例えば、VEGFプロモーター)を含む)に応答するプロモーターを含む、多数の誘導性発現系が公知である。いくつかの態様において、tetオペレーター配列(TECO)に対する大腸菌のtet抑制(tetr)の阻害作用に基づくテトラサイクリン(tet)調節系は、哺乳動物系において使用するために修飾され、発現カセットのための調節エレメントとして使用されることができる。これらの系は、周知である(Goshen and Badgered, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 5547-51 (1992), Shockett et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:6522-26 (1996), Lindemann et al., Mol. Med. 3:466-76 (1997) を参照のこと)。
また、関心対象の遺伝子の所望の発現を得るためにプロモーターの組み合わせが使用され得る。当業者は、関心対象の生物または標的細胞における遺伝子の所望の発現パターンに基づいてプロモーターを選択することができる。
いくつかの態様において、関心対象の遺伝子の発現を増加させるためにウイルス構築物中にエンハンサーが存在してもよい。エンハンサーは、典型的には、プロモーターに対して作用してその転写を増加させる、通常約10〜300長のシス作用型核酸エレメントである。ウイルスゲノム、例えばHIVまたはCMVにおける多くのエンハンサーが公知である。例えば、CMVエンハンサー(Boshart et al. Cell, 41:521, 1985)を使用することができる。他の例は、例えば、複製起点の後期側(100〜270bp)のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーを含む。いくつかの場合では、エンハンサーは、哺乳動物の遺伝子由来である(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、アルファ-フェトタンパク質またはインスリン由来のエンハンサー)。エンハンサーを、異種プロモーターと組み合わせて使用することができる。エンハンサーは、関心対象の遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列に対して5’または3’位でベクターへとスプライシングされてよいが、通常はプロモーターから5’部位に位置する。当業者は、所望の発現パターンに基づいて適切なエンハンサーを選択することができる。
ウイルスベクターゲノムはまた、追加の遺伝子エレメントを含んでよい。構築物に含めることができるエレメントのタイプは、なんら限定されることなく、当業者が選択することができる。例えば、標的細胞におけるウイルスゲノムの核移行を容易にするシグナルを含んでよい。
いくつかの例では、別個の異種タンパク質をコードする1つより多いオープンリーディングフレームを含めることができる。例えば、いくつかの態様において、レポーターおよび/または検出可能および/または選択可能遺伝子が発現構築物内に含まれる場合、内部リボソーム侵入部位(IRES)配列を含めることができる。典型的には、追加の遺伝子エレメントは、独立したプロモーター/エンハンサーと機能的に連結され、それによって制御される。追加の遺伝子エレメントは、レポーター遺伝子、選択可能マーカーまたは他の所望の遺伝子であることができる。
いくつかの態様において、他の種々の調節エレメントは、転写開始領域および/または終結領域を含むことができる。発現ベクターはまた、転写の終結およびmRNAの安定化のための配列を含んでよい。このような配列は、公知であり、かつ、真核生物またはウイルスのDNAまたはcDNAの5’、時折3’非翻訳領域内に天然に見いだされることが多い。転写終結領域の例は、限定されないが、ポリアデニル化シグナル配列を含む。ポリアデニル化シグナル配列の例は、限定されないが、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリ(A)、SV40後期ポリ(A)、ウサギベータグロビン(RBG)ポリ(A)、チミジンキナーゼ(TK)ポリ(A)配列、およびその任意のバリアントを含む。
2.ウイルスベクター
いくつかの態様において、試験される細胞に形質導入を行うために使用されるウイルスベクター粒子は、レトロウイルスゲノムに基づくベクターに由来する、例えばガンマレトロウイルスまたはレンチウイルスゲノムに基づくベクターに由来するゲノムを含む。多数のこのような好適なベクターゲノムのいずれかは公知である(例えば、Koste et al. (2014) Gene Therapy 2014 Apr 3. doi: 10.1038/gt.2014.25; Carlens et al. (2000) Exp Hematol 28(10): 1137-46; Alonso-Camino et al. (2013) Mol Ther Nucl Acids 2, e93; Park et al., Trends Biotechnol. 2011 November 29(11): 550-557; Pfeifer and Verma (2001) Annu. Rev. Genomics Hum. Genet., 2:177-211を参照のこと)。提供されるウイルスベクターのいくつかの局面において、組換え受容体、例えば抗原受容体、例えばCARをコードする異種核酸が、ベクターゲノムの5’LTR配列と3’LTR配列との間に含まれ、かつ/または位置する。いくつかの態様において、ベクターゲノムは、移入ベクターおよび/または移入プラスミドと呼ばれる。
例示的なウイルスベクターとしては、レトロウイルスベクター、例えば、レンチウイルスまたはガンマレトロウイルスベクター、シミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクターが挙げられる。いくつかの態様において、組換え核酸は、レトロウイルスベクター、例えば、レンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターを使用して、細胞中へ移入される(例えば、Koste et al. (2014) Gene Therapy 2014 Apr 3. doi: 10.1038/gt.2014.25; Carlens et al. (2000) Exp Hematol 28(10): 1137-46; Alonso-Camino et al. (2013) Mol Ther Nucl Acids 2, e93; Park et al., Trends Biotechnol. 2011 November 29(11): 550-557を参照のこと)。レトロウイルスは、それらの遺伝子を宿主ゲノム中へ組み込むそれらの能力に起因して、送達ベクターとして有用であり、大量の外来遺伝物質を移入し、広範囲の種および細胞タイプに感染し、かつ特別な細胞株中にパッケージされる(Miller, 1992)。
いくつかの態様において、遺伝的伝達はガンマレトロウイルスベクターによって達成される。従って、いくつかの場合において、ウイルスベクターゲノムは、ガンマレトロウイルスゲノム、例えば、マウス白血病ウイルス(MLV)、テナガザル白血病ウイルス(GALV)、内在性異種指向性マウス白血病ウイルス関連ウイルス(XMRV)、またはネコ白血病ウイルス(FLV)ゲノムである。
いくつかの態様において、遺伝的伝達はレンチウイルスベクターによって達成される。いくつかの局面において、レンチウイルスは、ある非分裂細胞に形質導入するために使用され得る。
レンチウイルスベクターの非限定的な例としては、レンチウイルス、例えば、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)、HIV-2、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1(HTLV-1)、HTLV-2、またはウマ伝染性貧血ウイルス(E1AV)に由来するものが挙げられる。例えば、レンチウイルスベクターは、HIVビルレンス遺伝子を多重弱毒化することによって作製されており、例えば、遺伝子env、vif、vpr、vpu、vpx、およびnefが欠失され、これにより、いくつかの態様において、ベクターが、治療目的についてより安全にされ得、安全またはより望ましいものとしてより受け入れられ得る。レンチウイルスベクターは当技術分野において公知である;Naldini et al., (1996および1998); Zufferey et al., (1997); Dull et al., 1998, 米国特許第6,013,516号; および同第5,994,136号)を参照のこと。いくつかの態様において、これらのウイルスベクターは、プラスミドベースまたはウイルスベースであり、外来核酸の組み込みのために、選択のために、および宿主細胞中への核酸の移入のために必須の配列を運ぶように構成されている。公知のレンチウイルスは、American Type Culture Collection(「ATCC」; 10801 University Blvd., Manassas, Va. 20110-2209)などのデポジトリーまたはコレクションから容易に得ることができ、または一般的に利用可能な技法を使用して公知の供給源から単離することができる。
いくつかの態様において、ウイルスベクターとしては、HIV-1、SIVmnd1、SIVlst、SIVsun、SIVolcまたはSIVwrcレンチウイルスに起因するものが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、2つの成分が、ウイルスに基づく遺伝子送達系の作製に関与する:第一に、ウイルスベクター粒子を作製するのに必要な構造タンパク質および酵素を包含する、パッケージングプラスミド、ならびに第二に、ウイルスベクターそれ自体、すなわち、移入されるべき遺伝子物質。これらの成分の一方または両方の設計にバイオセーフティー予防措置を導入することができる。いくつかの態様において、パッケージングプラスミドは、エンベロープタンパク質以外の全てのHIV-1タンパク質を含むことができる(Naldini et al., 1998)。他の態様において、ウイルスベクターは、追加のウイルス遺伝子、例えば病原性と関連するもの、例えば、vpr、vif、vpu、vpx、およびnef、ならびに/またはTat(HIVの一次トランス活性化因子)を欠いていることができる。いくつかの態様において、HIVベースのレンチウイルスベクターのような、レンチウイルスベクターについてのパッケージングシステムは、親ウイルスの3つの遺伝子:gag、pol、およびrevのみを一緒に含む分離したパッケージングプラスミドを含み、これは、組換えによる野生型ウイルスの再構成の可能性を減らすかまたは排除する。
提供される方法のいくつかの局面において、プロモーターの制御下の導入遺伝子を含有する発現カセットの一部として提供されるような、組換えタンパク質をコードする異種核酸は、野生型LTRまたはその部分もしくはキメラ部分を含む、ベクターゲノムの5’LTRおよび3’LTR配列の間に含有されかつ/または位置される。いくつかの態様において、ウイルスベクターゲノムは、レトロウイルスの5’LTRおよび3’LTRの配列を含むことができる。いくつかの局面において、ウイルスゲノム構築物は、レトロウイルスの5’LTRおよび3’LTR由来の配列を含んでよく、特に、レトロウイルスの5’LTR由来のR配列およびU5配列ならびにレトロウイルス由来の不活性化されたまたは自己不活性化3’LTRを含むことができる。LTR配列は、任意の種の任意のレトロウイルス由来のLTR配列であることができる。例えば、これらは、HIV、SIV、FIVまたはBIV由来のLTR配列であってよい。
ベクターゲノムは、不活性化されたまたは自己不活性化3’LTRを含むことができる(Zufferey et al. J Virol 72: 9873, 1998; Miyoshi et al., J Virol 72:8150, 1998)。例えば、ウイルスベクターRNAを産生するために使用される核酸の3’LTRのU3領域の欠失を使用して、自己不活性化(SIN)ベクターを作製することができる。次いで、この欠失は、逆転写の間にプロウイルスDNAの5’LTRに移すことができる。自己不活性化ベクターは通常、3’の長い末端反復(LTR)からのエンハンサーおよびプロモーター配列の欠失を有し、それがベクター組み込みの間に5’LTRにコピーされる。いくつかの態様において、TATAボックスの除去を含め十分な配列を排除して、LTRの転写活性を無効にすることができる。これは、形質導入された細胞において完全長ベクターRNAの産生を防止することができる。いくつかの局面において、3’LTRのU3エレメントは、そのエンハンサー配列、TATAボックス、Sp1およびNF-カッパB部位の欠失を含む。自己不活性化3’LTRの結果として、侵入および逆転写後に生成されたプロウイルスは、不活性化された5’LTRを含む。これは、ベクターゲノムの可動化のリスクおよび近傍の細胞性プロモーターへのLTRの影響を低減することによって安全性を改善することができる。自己不活性化3’LTRは、当技術分野において公知の任意の方法によって構築することができる。いくつかの態様において、これは、ベクター力価またはウイルスベクター粒子のインビトロもしくはインビボ特性に影響を及ぼさない。
任意で、レンチウイルスの5’LTR由来のU3配列は、ウイルス構築物中のプロモーター配列、例えば異種プロモーター配列と置換することができる。これは、パッケージング細胞株から回収されたウイルスの力価を増加させることができる。また、エンハンサー配列を含むことができる。パッケージング細胞株中のウイルスRNAゲノムの発現を増加させる任意のエンハンサー/プロモーターの組み合わせを使用してよい。一例として、CMVエンハンサー/プロモーター配列が使用される(米国特許第5,385,839号および米国特許第5,168,062号)。
いくつかの態様において、ウイルスベクターゲノムはまた、追加の遺伝エレメントを含有し得る。構築物中に含まれ得るエレメントのタイプは、決して限定されず、当業者によって選択され得る。いくつかの態様において、ベクターゲノムは、DNAまたはRNA合成およびプロセシングを促進するかまたはそれについての認識シグナルを提供する、ゲノムの非コーディング領域である、ウイルスゲノム(例えば、レトロウイルスゲノム)に由来する配列を含有する。いくつかの態様において、そのような配列は、パッケージングもしくはキャプシド形成、逆転写および転写ならびに/または遺伝子移入もしくは組み込みに関与し得るシス作用配列を含み得る。いくつかの態様において、ウイルスベクターの一部として提供されるシス活性化配列は、同じレンチウイルスまたはレトロウイルス様生物に由来する。
いくつかの態様において、レトロウイルスベクターゲノムは、スプライス供与部位(SD)、スプライス受容部位(SA)、および/またはRev応答エレメント(RRE)より選択されるエレメントを含有し得る。いくつかの態様において、RREは、ウイルスパッケージングの間にヘルパープラスミドの一部として提供されるRevタンパク質の結合後に核から細胞質ゾルへのウイルスメッセンジャーRNAの輸送を可能にするために提供される。いくつかの態様において、ベクターゲノムは、プサイ(ψ)パッケージングシグナルを含有し得、これは、いくつかの場合において、gag ORFのN末端断片に由来し得る。いくつかの態様において、ψパッケージングシグナル配列は、導入遺伝子のそれとの、gagペプチドの可能な転写/翻訳のいかなる干渉も妨げるために、フレームシフト変異によって修飾され得る。
特定の態様において、ウイルスベクターゲノム、例えばガンマレトロウイルスもしくはレンチウイルスベクターゲノム、または他のウイルスゲノムを、組み込み欠陥になるように操作することができる。非組み込みベクターゲノムを産生するための様々なアプローチを遂行することができる。いくつかの態様において、不活性インテグラーゼを有するタンパク質をコードするように、pol遺伝子のインテグラーゼ酵素成分への突然変異を工学改変することができる。いくつかの態様において、例えば、付着部位の一方または両方を突然変異もしくは欠失させるか、または欠失もしくは修飾を通して3’LTR近位ポリプリン区画(PPT)を非機能的にすることによって、ベクターゲノムそれ自体を修飾して、組み込みを防止することができる。いくつかの態様において、非遺伝的アプローチが利用可能であり;これらは、インテグラーゼの1つまたは複数の機能を阻害する薬剤を含む。アプローチは、相互に排他的ではなく;すなわち、それらの1つより多くを一度に使用することができる。例えば、インテグラーゼおよび付着部位の両方が非機能的であることも、またはインテグラーゼおよびPPT部位が非機能的であることも、または付着部位およびPPT部位が非機能的であることも、またはそれらの全てが非機能的であることもできる。このような方法およびウイルスベクターゲノムは、公知であり、利用可能である(Philpott and Thrasher, Human Gene Therapy 18:483, 2007; Engelman et al. J Virol 69:2729, 1995; Brown et al J Virol 73:9011 (1999); WO 2009/076524; McWilliams et al., J Virol 77:11150, 2003; Powell and Levin J Virol 70:5288, 1996を参照のこと)。
いくつかの態様において、ベクターはまた、宿主細胞、例えば原核生物の宿主細胞において増殖するための配列を含む。いくつかの態様において、ウイルスベクターの核酸は、原核生物細胞、例えば細菌細胞において増殖するための1つまたは複数の複製起点を含む。いくつかの態様において、原核生物の複製起点を含むベクターはまた、その発現が検出可能または選択可能なマーカー、例えば薬物耐性を付与する遺伝子を含んでもよい。
3.ウイルスベクター粒子の調製
提供される方法のいくつかの態様において、組換えおよび/または異種分子をコードする核酸を、あるウイルス配列の代わりにウイルスゲノム中に挿入して、複製能力がないウイルスを生成する。ビリオンを産生するためには、gag、pol、およびenv遺伝子を含有するがLTRおよびパッケージングコンポーネントを含まないパッケージング細胞株を構築し得る。組換えプラスミドをレトロウイルスLTRおよびパッケージング配列と一緒に(例えば、リン酸カルシウム沈殿により)特殊な細胞株中へ導入すると、パッケージング配列は、組換えプラスミドのRNA転写産物がウイルス粒子中にパッケージングされるのを可能にし得、次いで、これは培養培地中に分泌され得る。いくつかの態様において、組換えレトロウイルスを含有する培地を、次いで収集し、任意で濃縮し、そして遺伝子移入のために使用する。
ウイルスベクターゲノムは、典型的には、パッケージング細胞株または産生細胞株へトランスフェクションできるプラスミド形態で構築される。そのゲノムがウイルスベクターゲノムのRNAコピーを含むレトロウイルス粒子を産生するために、様々な公知の方法のいずれかを使用することができる。いくつかの態様において、少なくとも2つの成分が、ウイルスに基づく遺伝子送達系の作製に関与する:第一に、ウイルスベクター粒子を作製するのに必要な構造タンパク質および酵素を包含する、パッケージングプラスミド、ならびに第二に、ウイルスベクターそれ自体、すなわち、移入されるべき遺伝子物質。これらの成分の一方または両方の設計にバイオセーフティー予防措置を導入することができる。
いくつかの態様において、パッケージングプラスミドは、エンベロープタンパク質以外の全てのウイルスタンパク質を含むことができる(Naldini et al., 1998)。他の態様において、ウイルスベクターは、追加のウイルス遺伝子、例えば病原性と関連するもの、例えば、vpr、vif、vpu、vpx、およびnef、ならびに/またはTat(HIVの一次トランス活性化因子)を欠く可能性がある。
いくつかの態様において、レンチウイルスベクター、例えばHIV系レンチウイルスベクターは、親ウイルスの3つの遺伝子:gag、polおよびrevのみを含み、これは、組換えを通した野生型ウイルスの再構築の実現性を低減または排除する。
上述したように、いくつかの態様において、ウイルスベクターゲノムは、ウイルスベクターゲノムから転写されるウイルスゲノムRNAをウイルス粒子中へパッケージングするのに必要な成分全てを含むパッケージング細胞株に導入される。あるいは、ウイルスベクターゲノムは、関心対象の1つまたは複数の配列、例えば、組換え核酸に加えて、ウイルス成分をコードする1つまたは複数の遺伝子を含んでよい。いくつかの局面において、しかしながら、標的細胞におけるゲノムの複製を防止するために、複製に必要な内因性ウイルス遺伝子は除去され、パッケージング細胞株に別に提供される。
いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、粒子を作製するのに必要な成分を含む1つまたは複数のプラスミドベクターでトランスフェクトされる。パッケージング細胞株は、ウイルスベクター粒子の作製を可能にするために必須のレトロウイルス遺伝子を発現することができるか、または発現するように作製することができる。これらの遺伝子はいくつかのプラスミドによって発現され得る。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、LTR、シス作用型パッケージング配列、および関心対象の配列、すなわち抗原受容体(例えば、CAR)をコードする核酸を含む、ウイルスベクターゲノムを含むプラスミド;ならびにウイルス酵素および/または構造成分(例えば、Gag、polおよび/またはrev)をコードする1つまたは複数のヘルパープラスミドで、トランスフェクトされる。いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子を生じる種々の遺伝子成分を分離するために複数のベクターが利用される。いくつかのこのような態様において、分離したベクターをパッケージング細胞へ提供することは、他のやり方では複製能を有するウイルスを生じさせ得る、組換え事象の機会を低減する。いくつかの態様において、ウイルス成分の全てを有する単一のプラスミドベクターを使用することができる。
いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、シス作用ψ(Y)パッケージング配列と、標的細胞組み込みを可能にするためにレンチウイルスLTR間に挿入された導入遺伝子遺伝子とを含有するレンチウイルス発現プラスミド;パッケージングプラスミド、または、pol、gag、rev、および/またはtatウイルス遺伝子をコードし、いくつかの場合において、rev応答エレメント(RRE)を含有するプラスミド;ならびに、エンベロープタンパク質(例えば、水疱性口内炎ウイルスのGプロテイン(VSV-G)エンベロープ遺伝子)をコードするプラスミドのような、シュードタイピングプラスミドで、トランスフェクトされ得る。
いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、Env、Gag、pol、および/またはrevなどのウイルス酵素および/または構造コンポーネントをコードするいくつかのヘルパープラスミドと一緒に、LTR、シス作用パッケージング配列、および関心対象の配列、即ち、組換えタンパク質(例えば、抗原受容体、例えばCAR)をコードする核酸を含む、ウイルスベクターゲノムを含有するプラスミドでトランスフェクトされる。いくつかの態様において、構造および酵素コンポーネントをコードするgagおよびpol遺伝子を含有するGagPolパッケージングプラスミド、ならびにRev調節タンパク質をコードするrev遺伝子を含有するRevプラスミドが、パッケージング細胞株中へ別々に導入される。いくつかの態様において、レトロウイルスコンポーネントの全てを有する単一のプラスミドベクターが使用され得る。いくつかの態様において、env遺伝子をコードするエンベローププラスミドがまた導入され得、これは、いくつかの場合において、代替のEnvタンパク質でシュードタイピングされたウイルス粒子をもたらし得る。いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子、例えば、ガンマレトロウイルスまたはレンチウイルスベクター粒子は、宿主細胞の形質導入効率を増大させるためにシュードタイピングされる。例えば、ウイルスベクター粒子は、VSV-G糖タンパク質でシュードタイピングされ得、これは、広い細胞宿主範囲を提供し、形質導入され得る細胞タイプを広げる。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、非天然エンベロープ糖タンパク質をコードするプラスミドまたはポリヌクレオチドでトランスフェクトされ、例えば、異種指向性、多指向性、または両指向性エンベロープ、例えばシンドビスウイルスエンベロープ、GALVまたはVSV-Gが得られる。
env遺伝子は、レトロウイルスのような任意の適切なウイルスに由来し得る。いくつかの態様において、envは、ヒトおよび他の種の細胞の形質導入を可能にするアンホトロピックエンベロープタンパク質である。いくつかの態様は、以下を含むがこれらに限定されない、レトロウイルス由来のenv遺伝子を使用する:モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLVまたはMMLV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSVまたはHSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTVまたはMMTV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLVまたはGALV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、およびラウス肉腫ウイルス(RSV)。いくつかの態様において、他のenv遺伝子、例えば、水疱性口内炎ウイルス(VSV)プロテインG(VSVG)、肝炎ウイルス、およびインフルエンザのそれも使用され得る。
いくつかの態様において、ウイルスenv核酸配列を提供するパッケージングプラスミドは、調節配列、例えば、プロモーターまたはエンハンサーと関連しているかまたは機能的に連結されている。調節配列は、いくつかの態様において、例えば、EF1α、PGK、モロニーマウス白血病ウイルスプロモーター-エンハンサーエレメント、ヒトサイトメガロウイルスエンハンサー、ワクシニアP7.5プロモーターなどを含む、任意の真核生物プロモーターまたはエンハンサーであり得る。いくつかの場合において、モロニーマウス白血病ウイルスプロモーター-エンハンサーエレメントのように、プロモーター-エンハンサーエレメントは、LTR配列内にまたはLTR配列に隣接して存在している。いくつかの態様において、調節配列は、ベクターが構築されるレンチウイルスに内在性ではないものである。従って、ベクターがSIVから生成される場合、SIV LTR中に見出されるSIV調節配列は、SIV由来でない調節エレメントによって置き換えられ得る。
いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、ウイルスゲノムRNAのレンチウイルスベクター粒子へのパッケージングにトランスで必要な、成分(ウイルス調節および構造タンパク質を含む)を提供する。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、レトロウイルスタンパク質を発現および機能的ウイルスベクター粒子を産生することができる、任意の細胞株であってよい。いくつかの局面において、好適なパッケージング細胞株は、293 (ATCC CCL X)、293T, HeLA (ATCC CCL 2)、D17 (ATCC CCL 183)、MDCK (ATCC CCL 34)、BHK (ATCC CCL-10)およびCf2Th (ATCC CRL 1430)細胞を含む。
いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、ウイルスタンパク質(1つまたは複数)を安定に発現する。例えば、いくつかの局面において、gag、pol、revおよび/または他の構造遺伝子を含むがLTRおよびパッケージング成分を含まないパッケージング細胞株を構築することができる。いくつかの態様において、組換えおよび/または異種分子をコードする核酸分子、および/またはエンベロープ糖タンパク質をコードする核酸を含むウイルスベクターゲノムと一緒に、1つまたは複数のウイルスタンパク質をコードする核酸分子で、パッケージング細胞株を一過性にトランスフェクトすることができる。
いくつかの態様において、ウイルスベクターならびにパッケージングおよび/またはヘルパープラスミドは、トランスフェクションまたは感染を介して、パッケージング細胞株に導入される。パッケージング細胞株は、ウイルスベクターゲノムを含むウイルスベクター粒子を産生する。トランスフェクションまたは感染のための方法は、周知である。非限定例は、リン酸カルシウム法、DEAE-デキストラン法およびリポフェクション法、電気穿孔法ならびにマイクロインジェクションを含む。組換えプラスミドならびにウイルスのLTRおよびパッケージング配列が特定の細胞株に導入されるとき(例えば、リン酸カルシウム沈降によって)、パッケージング配列は、組換えプラスミドのRNA転写物がウイルス粒子内にパッケージングされることを可能し得、これが次いで培養培地中に分泌され得る。いくつかの態様における組換えレトロウイルスを含む培地は、その後収集され、任意で濃縮され、そして遺伝子移入に使用される。例えば、いくつかの局面において、パッケージングプラスミドおよび移入ベクターのパッケージング細胞株への同時トランスフェクション後、ウイルスベクター粒子が培養培地から回収され、当業者によって使用される標準法によって力価測定される。従って、パッケージングプラスミドは、いくつかの態様において、通常、優性選択マーカー、例えばネオマイシン、DHFR、グルタミンシンセターゼ、またはADAと一緒に、これらの方法によってヒト細胞株中へ導入され、続いて、適切な薬物の存在下で選択され、クローンが単離される。選択マーカー遺伝子は、構築物中のパッケージング遺伝子と物理的に連結させることができる。
いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子は、パッケージング機能が発現されるように構成されている安定した細胞株によって産生され得る。好適なパッケージング細胞が、例えば、米国特許第5,686,279号;およびOry et al., Proc. Natl. Acad. Sci. (1996) 93:11400-11406を含めて、公知である。いくつかの場合では、ウイルスベクターがそれらの中に組み込まれたパッケージング細胞は、プロデューサー細胞を形成する。従って、プロデューサー細胞は、典型的には、関心対象の遺伝子を担持するウイルスベクター粒子を産生または放出することができる細胞または細胞株である。いくつかの態様において、これらの細胞はさらに、足場依存性であってよく、これは、これらの細胞が、ガラスまたはプラスチック等の表面に付着させると、最適に増殖するか、生存するか、または機能を維持することを意味する。いくつかの態様において、プロデューサー細胞は、新生物的に形質転換された細胞であり得る。いくつかの態様において、レンチウイルスベクターおよびパッケージングプラスミドでのトランスフェクションについての宿主細胞としては、例えば、哺乳動物初代細胞;哺乳動物樹立細胞株、例えば、COS、CHO、HeLa、NIH3T3、293T、およびPC12細胞;両生動物細胞、例えば、アフリカツメガエル(Xenopus)胚および卵母細胞;他の脊椎動物細胞;昆虫細胞(例えば、ショウジョウバエ(Drosophila))、酵母細胞(例えば、S.セレビシエ(S. cerevisiae)、S.ポンベ(S. pombe)、またはピキア・パストリス(Pichia pastoris))、および原核細胞(例えば、大腸菌(E. coli))が挙げられる。
いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子を、ウイルスベクター粒子の作製を可能にするプラスミドの導入によって、パッケージング細胞株、例えば例示的なHEK 293T細胞株において産生することができる。いくつかの態様において、パッケージング細胞は、gagおよびpolをコードするポリヌクレオチドで、ならびに組換えおよび/または異種分子、例えば抗原受容体、例えばCARをコードするポリヌクレオチドで、トランスフェクトされ、かつ/またはこれらを含む。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、任意でおよび/または追加的に、revタンパク質をコードするポリヌクレオチドでトランスフェクトされ、かつ/またはこれを含む。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、任意でおよび/または追加的に、非天然エンベロープ糖タンパク質、例えばVSV-Gをコードするポリヌクレオチドでトランスフェクトされ、かつ/またはこれを含む。いくつかのこのような態様において、細胞、例えば、HEK293T細胞のトランスフェクションのおよそ2日後、細胞上清は、回収かつ力価測定することができる組換えウイルスベクター粒子を含む。回収かつ/または産生されたウイルスベクター粒子を使用して、記載される通りに、標的細胞、例えば免疫細胞、例えばT細胞に形質導入を行うことができる。いくつかの局面において、一旦標的細胞に入れば、ウイルスRNAは、逆転写され、核に輸送され、宿主ゲノムに安定に組み込まれる。いくつかの局面において、ウイルスRNAの組み込みの1または2日後、組換えおよび/または異種分子の発現を検出することができる。
いくつかの態様において、単離されたウイルスベクター粒子は、本明細書に記載される方法のいずれかによって複製可能ウイルスについて評価することができる。
4.細胞の形質導入
いくつかの態様において、試験サンプルは、細胞(例えば、免疫細胞、例えばT細胞)ならびに/またはそのような細胞のRNAもしくはそのような細胞由来のRNAを含み、該細胞は、ウイルスベクターのゲノム中に組換えおよび/または異種分子(例えば、CARもしくは他の抗原受容体)をコードする核酸を含有するウイルスベクター粒子(例えば、レンチウイルスまたはガンマレトロウイルスベクター粒子)と、そのような細胞を含有する細胞の集団をインキュベートするおよび/または接触させることによって、形質導入が行われるかまたは形質導入が行われている。ウイルスベクター粒子、例えば、レンチウイルスまたはガンマレトロウイルスベクター粒子は、記載されるようないずれであってもよい。いくつかのそのような態様において、結果として生じた形質導入細胞、例えば、形質導入T細胞は、組換えおよび/または異種分子、例えばCARを発現し、養子免疫療法において使用することができる。複製可能ウイルスの存在または非存在は、いくつかの態様において、養子細胞療法における使用のための細胞を含む、形質導入が行われるかまたは形質導入が行われるであろう細胞を含む、細胞のプロセシングにおける任意の時点で評価することができる。細胞の単離、分離、選択、培養(例えば、細胞の刺激、例えば、それらの増殖および/または活性化を誘導するため)、形質導入、洗浄、懸濁、希釈、濃縮、および/または製剤化に関与する工程を含む、細胞をプロセシングするための工程を、以下に詳細に説明する。
いくつかの態様において、プロセシング工程は、以下の順序で行うことができる:細胞、例えば初代細胞を、生物学的サンプルから、まず単離し、例えば、選択または分離し;結果として生じた単離または選択された細胞を、刺激試薬の存在下で刺激し;刺激された細胞を、形質導入のためにウイルスベクター粒子と共にインキュベートし;そして、形質導入細胞を組成物に製剤化する。いくつかの態様において、刺激が、ウイルスベクター粒子と共のインキュベーションの少なくとも一部の最中に、付加的にまたは代替的に行われる。いくつかの場合において、刺激が、ウイルスベクター粒子と共の細胞のインキュベーション後に、付加的にまたは代替的に行われる。いくつかの場合において、本方法は、細胞を刺激する工程を含まない。いくつかの態様において、細胞を洗浄、懸濁、希釈および/または濃縮する工程の中からの1つまたは複数のプロセシング工程を含むことができ、これらは、単離(例えば、分離もしくは選択)、刺激、形質導入、栽培、培養もしくは増大、凍結保存および/または製剤化工程のうちの1つまたは複数の前に、これらの最中にもしくはこれらと同時に、またはこれらの後に、行うことができる。提供される方法は、提供される方法に従う上記の工程のいずれかで収集されたサンプル中の複製可能ウイルスの、存在もしくは非存在、またはリスクを決定するために使用することができる。
a.閉鎖系
各々のプロセシング工程の全部または一部は、閉鎖系において行われ得る。本方法の複数の局面において、プロセスは、同じ閉鎖系において行う必要はなく、しかし、異なる閉鎖系下で行うことができる。
いくつかの態様において、細胞に形質導入を行う方法は、以下のうちの1つまたは複数を含む:(a)チャンバのキャビティにおいて細胞を含有する生物学的サンプル(例えば、全血サンプル、バフィーコートサンプル、末梢血単核細胞(PBMC)サンプル、未分画T細胞サンプル、リンパ球サンプル、白血球サンプル、アフェレーシス産物、または白血球アフェレーシス産物)を洗浄する工程;(b)例えば、免疫親和性ベースの分離のための選択または免疫親和性試薬と共に細胞をインキュベーションすることによって、チャンバのキャビティにおいてサンプルから所望の細胞のサブセットまたは集団(例えば、CD4+もしくはCD8+ T細胞)を単離する、例えば選択する工程;(c)単離された、例えば選択された細胞を、例えば上述の方法に従って、ウイルスベクター粒子と共にインキュベートする工程;ならびに(d)例えば、薬学的に許容される緩衝液、凍結保存剤または他の好適な媒体中に、形質導入細胞を製剤化する工程。いくつかの態様において、細胞に形質導入を行う方法は、(e)刺激条件へ細胞を曝露することによってチャンバのキャビティ中の細胞を刺激し、それによって細胞を増殖するように誘導する工程をさらに含み得る。いくつかの態様において、細胞を刺激する工程は、ウイルスベクター粒子と共の細胞のインキュベーション前、中および/または後に行われる。いくつかの態様において、細胞の希釈、濃縮および/または緩衝液交換などのための、洗浄または懸濁工程のうちの1つまたは複数のさらなる工程もまた、上記の工程のいずれかの前または後に行うことができる。
従って、いくつかの態様において、細胞に形質導入を行う方法は、非滅菌条件へ細胞を曝露することなく、かつ、無菌室またはキャビネットを使用する必要性なしで、例えば養子細胞療法における、臨床的使用のための細胞の調製における1つの、それ以上の、または全ての工程を行うことを含む。そのようなプロセスのいくつかの態様において、細胞は、全て閉鎖系内で、単離、分離もしくは選択、刺激、形質導入、洗浄、および製剤化される。いくつかの態様において、細胞に形質導入を行う方法は、自動化された方式で行われる。いくつかの態様において、工程のうちの1つまたは複数は、閉鎖系から離れて行われる。
b.サンプルおよび細胞調製
提供される方法の複数の局面において、細胞の集団は、対象から取得される、初代細胞、例えば、T細胞を含有する初代細胞の集団を含む。いくつかの態様において、対象は、哺乳動物対象、例えば霊長動物、例えばヒトである。
いくつかの態様において、ウイルスベクターを細胞の集団とインキュベートするおよび/または接触させる前に、細胞の集団は、対象から単離されるかまたは取得される。そのような細胞は、いくつかの態様において、サンプル、例えば生物学的サンプル、例えば、養子療法を受ける予定の対象からまたは別の対象から取得されたものに起因する。
いくつかの態様において、プロセシング工程は、生物学的サンプル、例えば、対象(例えば、特定の疾患または状態を有する対象、または細胞療法を必要とする対象、または細胞療法が投与されるであろう対象)から取得されたまたはそれに起因する生物学的サンプルからの、細胞またはその組成物の単離を含む。いくつかの局面において、対象は、ヒト、例えば、特定の治療的介入、例えばそのために細胞を単離、処理および/または改変する養子細胞療法を必要とする患者である対象である。したがって、細胞は、いくつかの態様において、初代細胞、例えば初代ヒト細胞である。サンプルは、組織、体液、および対象から直接採取された他のサンプル、ならびに1つまたは複数の処理工程、例えば分離、遠心分離、遺伝子操作(例えば、ウイルスベクターを用いた形質導入)、洗浄および/またはインキュベートから取得されるサンプルを含む。生物学的サンプルは、生物学的供給源から直接取得されるサンプルまたは処理されたサンプルであり得る。生物学的サンプルは、それら由来の処理されたサンプルを含む、体液、例えば血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗、組織および器官サンプルを含むがこれらに限定されない。
いくつかの局面において、サンプルは、血液もしくは血液由来サンプルである、またはアフェレーシスもしくは白血球アフェレーシス産物であるもしくはそれ由来である。例示的なサンプルは、全血、末梢血単核細胞(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、腸関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、脾臓、他のリンパ組織、肝臓、肺、胃、腸、結腸、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、頸部、精巣、卵巣、扁桃腺もしくは他の器官、および/またはそれら由来の細胞を含む。サンプルは、細胞療法、例えば養子細胞療法に関して、自己および同種異系供給源由来のサンプルを含む。
いくつかの態様において、細胞は、細胞株、例えばT細胞株由来である。細胞は、いくつかの態様において、異種供給源から、例えばマウス、ラット、非ヒト霊長動物、およびブタから取得される。
サンプルは通常、T細胞を含む。いくつかの例において、サンプルまたはT細胞集団は、未分画T細胞、未分画CD4+細胞および/もしくは未分画CD8+ T細胞、ならびに/または1つもしくは複数のそのサブタイプ(例えば、機能、活性化状態の欠如、成熟度、分化能、増大、再循環、局在性、および/もしくは持続能、抗原特異性、抗原受容体のタイプ、特定の器官もしくは区画中の存在、マーカーもしくはサイトカインの分泌プロファイル、ならびに/または分化度もしくは分化の欠如によって定義されるもの)の集団を含む。そのようなサブタイプは、正または負の選択法によって選択することができる。
いくつかの態様において、細胞の単離は、1つまたは複数の調製および/または非親和性ベースの細胞分離工程を含む。いくつかの例において、細胞は、例えば望まない成分を除去するため、望む成分を濃縮するため、特定の試薬に対する感受性を有する細胞を溶解または除去するために、1つまたは複数の試薬の存在下で、洗浄、遠心分離および/またはインキュベートされる。いくつかの態様において、細胞は、1つまたは複数の特性、例えば密度、接着特性、サイズ、特定の成分に対する感受性および/または耐性に基づき分離される。
いくつかの例において、細胞は対象の循環血から、例えばアフェレーシスまたは白血球アフェレーシスによって取得される。サンプルは、いくつかの局面において、T細胞、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球および/または血小板を含むリンパ球を含み、いくつかの局面において、赤血球および血小板以外の細胞を含む。
いくつかの態様において、提供される方法は、閉鎖系においてサンプルのうちの1つまたは複数を、全体的にまたは部分的に、処理する工程を含む。いくつかの態様において、処理工程は、例えば血漿画分を除去するために、対象由来のサンプル(例えば、血球含有サンプル)を洗浄すること、および/または、細胞をその後の処理工程のための適切な緩衝液または培地に入れ替えること、および/または、赤血球の溶解およびPercollもしくはFicoll勾配を通じた遠心分離による末梢血からの白血球の調製におけるような、密度ベースの細胞分離方法を行うことを伴い得る。
いくつかの態様において、対象から回収された血液細胞は、例えば血漿画分を除去するためおよび細胞をその後の処理工程のための適当な緩衝液または培地に入れるために洗浄される。いくつかの態様において、細胞は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄される。いくつかの態様において、洗浄溶液は、カルシウムおよび/もしくはマグネシウムならびに/または多くのもしくはすべての二価カチオンを含まない。いくつかの局面において、洗浄工程は、半自動化「フロースルー」型遠心分離装置(例えば、Cobe 2991細胞処理装置、Baxter)を製造元の指示にしたがって用いて達成される。いくつかの局面において、洗浄工程は、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)を製造元の指示にしたがって用いて達成される。いくつかの態様において、細胞は、洗浄後に様々な生体適合性緩衝液、例えばCa++/Mg++非含有PBSに再懸濁される。特定の態様において、血液細胞試料の成分は除去され、細胞は培養培地に直接再懸濁される。
いくつかの態様において、この方法は、密度ベースの細胞分離方法、例えば、赤血球の溶解およびPercollまたはFicoll勾配を通じた遠心分離による末梢血からの白血球の調製、を含む。
c.親和性ベースの選択
処理工程は、密度ベースのまたは他の物性ベースの分離法および親和性ベースの選択を含む様々な選択工程のうちの1つを使用することのような、混合集団および/または組成物からの細胞の単離を含み得る。いくつかの態様において、単離方法は、表面マーカー、例えば表面タンパク質、細胞内マーカー、または核酸のような、1種または複数種の特異的分子の細胞における発現または存在に基づく異なる細胞タイプの分離を含む。いくつかの態様において、そのようなマーカーに基づく分離のための任意の公知の方法が使用され得る。いくつかの態様において、分離は、親和性または免疫親和性に基づく分離である。例えば、いくつかの局面における単離は、細胞の1種または複数種のマーカー、典型的には細胞表面マーカーの発現または発現レベルに基づく細胞および細胞集団を、例えばそのようなマーカーと特異的に結合する抗体または結合パートナーと一緒にインキュベートすることによる分離に続いて、通常、洗浄工程、ならびに抗体または結合パートナーと結合しなかった細胞からの抗体または結合パートナーと結合した細胞の分離を含む。
そのような分離工程は、試薬と結合した細胞がさらなる使用のために保持される正の選択、および/または抗体もしくは結合パートナーと結合しなかった細胞が保持される負の選択に基づくことができる。いくつかの例において、両方の画分がさらなる使用のために保持される。いくつかの局面において、不均一な集団中の細胞タイプを特異的に同定する抗体が入手不可能なことにより、所望の集団以外の細胞によって発現されるマーカーに基づいて分離が最良に実施される場合に、負の選択が特に有用であり得る。
分離は、特定のマーカーを発現している特定の細胞集団または細胞の100%の富化または除去をもたらす必要はない。例えば、マーカーを発現している細胞タイプのような特定の細胞タイプの正の選択または富化は、そのような細胞の数またはパーセンテージを増加させることを表すが、該マーカーを発現していない細胞の完全な不在をもたらす必要はない。同様に、マーカーを発現している細胞タイプのような特定の細胞タイプの負の選択、除去、または枯渇は、そのような細胞の数またはパーセンテージを減少させることを表すが、そのような細胞の全てを完全に除去することをもたらす必要はない。
いくつかの例において、1つの工程から正または負の選択をされた画分が、その後の正または負の選択のような別の分離工程に供される、複数ラウンドの分離工程が実施される。いくつかの例において、例えば、それぞれが負の選択のためにターゲティングされたマーカーに特異的な複数の抗体または結合パートナーと共に細胞をインキュベートすることによって、複数のマーカーを発現している細胞を、単一の分離工程で同時に枯渇することができる。同様に、様々な細胞タイプに発現される複数の抗体または結合パートナーと共に細胞をインキュベートすることによって、複数の細胞タイプに同時に正の選択をすることができる。
いくつかの態様において、細胞は、T細胞または他の細胞タイプの1つまたは複数のサブセット、例えば、全T細胞集団、CD4+細胞、CD8+細胞、およびその亜集団、例えば、機能、活性化状態、成熟度、分化能、増大、再循環、局在性、および/もしくは持続能、抗原特異性、抗原受容体のタイプ、特定の器官もしくは区画中の存在、マーカーもしくはサイトカインの分泌プロファイル、ならびに/または分化度によって定義されるものを含む。治療される対象を参照して、細胞は同種異系および/または自家であり得る。前記方法の中には既製方法が含まれる。いくつかの局面において、既製技術の場合のように、細胞は、多能性および/または多能、例えば幹細胞、例えば人工多能性幹細胞(iPSC)である。いくつかの態様において、本方法は、対象から細胞を単離し、それらを調製、加工、培養、および/または操作し、そして、凍結保存の前もしくは後にかつ/または複製可能ウイルスについての試験の前もしくは後に、それらを同じ対象へ再導入することを含む。
T細胞ならびに/またはCD4+および/もしくはCD8+ T細胞のサブタイプおよび亜集団の中には、ナイーブT(TN)細胞、エフェクターT細胞(TEFF)、メモリーT細胞およびそのサブタイプ、例えば幹細胞メモリーT(TSCM)、セントラルメモリーT(TCM)、エフェクターメモリーT(TEM)、または最終分化したエフェクターメモリーT細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、未熟T細胞、成熟T細胞、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、粘膜関連インバリアントT(MAIT)細胞、自然および適応制御性T(Treg)細胞、ヘルパーT細胞、例えば、TH1細胞、TH2細胞、TH3細胞、TH17細胞、TH9細胞、TH22細胞、濾胞性ヘルパーT細胞、α/βT細胞、およびδ/γT細胞がある。
いくつかの態様において、T細胞は、B細胞、単球、または他の白血球のような非T細胞上に発現されるマーカーの負の選択によって、PBMCサンプルまたは他のサンプルから分離される。いくつかの態様において、T細胞は、マーカーCD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD34、CD36、CD56、CD123およびCD235aのうちの1つまたは複数の表面発現に基づいて集団から非T細胞を選択するための負の選択方法によって細胞の集団から富化され得る。いくつかの態様において、例えば、マーカーのカクテルに対する市販の汎T細胞単離キット(例えば、Miltenyi No. 130-096-535)を使用することによって、汎T細胞選択が行われる。そのような選択戦略は、選択プロセスにおいて使用された抗体または他の試薬によって触れられなかったT細胞の集団を提供する。
いくつかの局面において、CD4+および/またはCD8+選択工程は、CD4+ヘルパーT細胞とCD8+細胞傷害性T細胞とを分離するために使用される。いくつかの態様において、CD4+選択工程が行われる。いくつかの態様において、CD8+選択工程が行われる。
いくつかの態様において、そのようなCD4+集団およびCD8+集団は、1つまたは複数のナイーブ、メモリー、および/またはエフェクターT細胞亜集団上に発現されるか、または相対的により高い程度発現される、マーカーについての正の選択または負の選択によって、さらに亜集団に選別することができる。例えば、いくつかの局面において、T細胞の特定の亜集団、例えば、1つまたは複数の表面マーカー、例えば、CD28、CD62L、CCR7、CD27、CD127、CD4、CD8、CD45RA、および/またはCD45ROについて陽性または陰性の細胞が、正または負選択技術によって単離される。例えば、ナイーブ(例えば、1つもしくは複数のマーカー CD45RO-、CD44low、CD62Lhigh)、メモリー(例えば、1つもしくは複数のマーカー CD45RO+、CCR7+、CD27+、CD28+、および/もしくはCD62L+)ならびに/またはエフェクター(例えば、1つもしくは複数のマーカー CD45RO+、CD62L-、CCR7-)T細胞集団のうちの1つまたは複数が、選択され得る。
いくつかの態様において、本方法は、エフェクターT細胞についての選択および/または富化を含まない。いくつかの態様において、本方法は、細胞集団からエフェクターT細胞を除去するまたは枯渇させることを含む。
いくつかの態様において、CD8+細胞は、例えば、それぞれの亜集団に関連する表面抗原に基づく正の選択または負の選択により、ナイーブ、セントラルメモリー、エフェクターメモリー、および/またはセントラルメモリー幹細胞が、さらに富化または枯渇される。いくつかの態様において、セントラルメモリーT(TCM)細胞の富化は、投与後の長期生存、増大、および/または生着を改善することのような有効性を増大させるために実施され、有効性は、いくつかの局面において、そのような亜集団において特に堅固である。Terakuraet al. (2012) Blood.1:72-82; Wang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701を参照のこと。いくつかの態様において、TCMを富化されたCD8+ T細胞およびCD4+ T細胞を組み合わせることは、有効性をさらに高める。
複数の態様において、メモリーT細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+サブセットおよびCD62L-サブセットの両方に存在する。例えば抗CD8抗体および抗CD62L抗体を使用して、PBMCは、CD62L-CD8+画分および/またはCD62L+CD8+画分を富化または枯渇することができる。
いくつかの態様において、セントラルメモリーT(TCM)細胞の富化は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、および/またはCD127陽性またはその高い表面発現に基づき;いくつかの局面において、それは、CD45RAおよび/またはグランザイムBを発現または高度に発現している細胞についての負の選択に基づく。いくつかの局面において、TCM細胞が富化されたCD8+集団の単離は、CD4、CD14、CD45RAを発現している細胞の枯渇によって、およびCD62Lを発現している細胞の正の選択または富化によって実施される。一局面において、セントラルメモリーT(TCM)細胞の富化は、CD4の発現に基づいて選択された細胞の陰性画分で開始して実施され、陰性画分は、CD14およびCD45RAの発現に基づく負の選択およびCD62Lに基づく正の選択に供される。いくつかの局面におけるそのような選択は、同時に実施され、他の局面ではいずれかの順序で順次に実施される。いくつかの局面において、CD8+細胞集団または亜集団を調製することに使用される同じCD4の発現に基づく選択工程は、CD4+細胞集団または亜集団を生成させるためにも使用され、そのためCD4に基づく分離からの陽性画分および陰性画分の両方が、任意で1つまたは複数のさらなる正または負の選択工程の後で、保持され、該方法のその後の工程に使用される。
特定の例において、PBMCの試料または他の白血球試料は、CD4+細胞の選択に供され、この場合、陰性画分および陽性画分の両方が保持される。次に、陰性画分は、CD14およびCD45RAまたはCD19の発現に基づき負の選択に、およびCD62LまたはCCR7のようなセントラルメモリーT細胞のマーカー特性に基づき正の選択に供され、この場合、正の選択および負の選択は、いずれかの順序で実施される。
CD4+ Tヘルパー細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を同定することによって、ナイーブ、セントラルメモリー、およびエフェクター細胞に選別される。CD4+リンパ球は、標準方法により得ることができる。いくつかの態様において、ナイーブCD4+ Tリンパ球は、CD45RO-、CD45RA+、CD62L+、CD4+ T細胞である。いくつかの態様において、セントラルメモリーCD4+細胞は、CD62L+およびCD45RO+である。いくつかの態様において、エフェクターCD4+細胞は、CD62L-およびCD45RO-である。いくつかの態様において、本方法は、エフェクターCD4+ T細胞についての選択および/または富化を含まない。いくつかの態様において、本方法は、細胞集団からエフェクターCD4+ T細胞を除去するまたは枯渇させることを含む。
一例では、負の選択によりCD4+細胞を富化するために、モノクローナル抗体カクテルは、典型的には、CD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DR、およびCD8に対する抗体を含む。いくつかの態様において、抗体または結合パートナーは、正の選択および/または負の選択用の細胞の分離を可能にするように、磁気ビーズまたは常磁性ビーズのような固体支持体またはマトリックスと結合している。例えば、いくつかの態様において、細胞および細胞集団は、免疫磁気(または親和性磁気)分離技法を使用して分離または単離される(Methods in Molecular Medicine, vol. 58: Metastasis Research Protocols, Vol. 2: Cell Behavior In Vitro and In Vivo, p 17-25 Edited by: S. A. Brooks and U. Schumacher(著作権)Humana Press Inc., Totowa, NJに概説されている)。
いくつかの局面において、選択は、常磁性ビーズ(例えば、DynalbeadsまたはMACSビーズ)のような磁気応答性粒子またはマイクロ粒子のような、磁化可能材料または磁気応答性材料と共にサンプルまたは細胞をインキュベートすることにより、親和性ベースの選択によって実施される。磁気応答性材料、例えば粒子は、通常、分離することが望ましい、例えば負または正の選択をすることが望ましい1種の細胞、複数種の細胞または細胞の集団上に存在する分子、例えば表面マーカーと特異的に結合する結合パートナー、例えば抗体に直接または間接的に結合される。
いくつかの態様において、磁性粒子またはビーズは、抗体または他の結合パートナーのような特異的結合メンバーに結合した磁気応答性材料を含む。磁気分離方法に使用される多数の周知の磁気応答性材料がある。適切な磁性粒子には、Moldayの米国特許第4,452,773号および欧州特許明細書EP452342Bに記載されたものが含まれ、これらは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。Owenの米国特許第4,795,698号およびLibertiらの米国特許第5,200,084号に記載されている粒子のようなコロイドサイズの粒子は、他の例であり、これらもまた、参照によりそれらの全体が組み入れられる。
インキュベーション工程は、通常、磁性粒子またはビーズに結合された、抗体もしくは結合パートナー、またはそのような抗体もしくは結合パートナーと特異的に結合する二次抗体もしくは他の試薬のような分子が、存在するならば試料内細胞上の細胞表面分子と特異的に結合する条件下で実施される。
いくつかの局面において、試料は磁場中に置かれ、磁気応答性または磁化可能な粒子を結合させた細胞が、磁石に引き寄せられ、未標識の細胞から分離される。正の選択のために、磁石に引き寄せられた細胞が保持され;負の選択のために、引き寄せられなかった細胞(未標識の細胞)が保持される。いくつかの局面において、正の選択および負の選択の組み合わせが同じ選択工程の間に行われ、この場合、陽性画分および陰性画分が保持され、さらに加工されるか、またはさらなる分離工程に供される。
ある態様において、磁気応答性粒子は、一次抗体もしくは他の結合パートナー、二次抗体、レクチン、酵素、またはストレプトアビジンでコーティングされる。ある態様において、磁性粒子は、1種または複数種のマーカーに特異的な一次抗体のコーティングを介して細胞に結合される。ある態様において、ビーズではなく細胞が、一次抗体または結合パートナーで標識され、次に、細胞タイプに特異的な二次抗体または他の結合パートナー(例えばストレプトアビジン)でコーティングされた磁性粒子が添加される。ある態様において、ストレプトアビジンでコーティングされた磁性粒子が、ビオチン化一次抗体または二次抗体と共に使用される。
いくつかの態様において、磁気応答性粒子は、その後にインキュベート、培養および/または操作されるべき細胞に結合したままにされ;いくつかの局面において、粒子は、患者への投与のために細胞に結合したままにされる。いくつかの態様において、磁化可能粒子または磁気応答性粒子は、細胞から除去される。細胞から磁化可能な粒子を除去するための方法は、公知であり、例えば、競合非標識抗体、磁化可能な粒子または切断可能なリンカーとコンジュゲートされた抗体などの使用を含む。いくつかの態様において、磁化可能な粒子は、生分解性である。
いくつかの態様において、親和性に基づく選択は、磁気活性化細胞選別(MACS)(Miltenyi Biotech, Auburn, CA)である。磁気活性化細胞選別(MACS)システムは、磁化粒子を結合させた細胞の高純度選択が可能である。ある態様において、MACSは、外部磁場の適用後に非標的種および標的種が順次溶出される方式で動作する。すなわち、磁化粒子に結合した細胞は、その場に保たれ、未結合の種は溶出される。次に、この第1の溶出段階が完了した後、磁場内に捕捉され、溶出が阻止された種が、溶出および回収できるようなあるやり方で、遊離される。ある態様において、非標的細胞が標識され、不均一な細胞集団から枯渇される。
ある態様において、単離または分離は、前記方法の単離、細胞調製、分離、加工、インキュベーション、培養、および/または製剤化工程の1つまたは複数を実施するシステム、デバイス、または装置を使用して実施される。いくつかの局面において、システムは、これらの工程のそれぞれを閉鎖環境または無菌環境中で実施して、例えば誤差、ユーザの取り扱い、および/または汚染を最小限にするために使用される。一例において、システムは、国際特許出願公報番号WO2009/072003または米国特許出願公開番号20110003380 A1に記載のシステムである。
いくつかの態様において、システムまたは装置は、統合型もしくは自己充足型システムで、および/または自動化もしくはプログラム可能な様式で、調製、選択、培養、操作、および/または製剤化工程の1つまたは複数、例えば全てを実施する。いくつかの局面において、システムまたは装置は、システムまたは装置と通信しているコンピュータおよび/またはコンピュータプログラムを含み、それは、ユーザが、加工、単離、操作、および製剤化工程の様々な局面をプログラム、制御、結果の評価、および/または調整することを可能にする。
いくつかの局面において、分離および/または他の工程は、例えば、閉鎖された無菌システム中の臨床規模レベルでの細胞の自動分離のために、CliniMACSシステム(Miltenyi Biotic)を使用して実施される。構成要素は、統合型マイクロコンピュータ、磁気分離ユニット、蠕動ポンプ、および様々なピンチバルブを含むことができる。いくつかの局面における統合型コンピュータは、機器の全ての構成要素を制御し、反復手続きを標準化シーケンスで実行するようシステムに指令する。いくつかの局面における磁気分離ユニットは、可動式永久磁石、および選択カラム用のホルダーを含む。蠕動ポンプは、チュービングセットを通過する流速を制御し、ピンチバルブと一緒になって、システムを通過する緩衝液の制御流動および細胞の連続的懸濁を保証する。
CliniMACSシステムは、いくつかの局面において、無菌の非発熱原性溶液中に供給された抗体カップリング型の磁化可能粒子を使用する。いくつかの態様において、細胞を磁性粒子で標識した後に、細胞が洗浄され、過剰の粒子が除去される。次に、細胞調製バッグがチュービングセットに接続され、次にはチュービングセットが、緩衝液を収容しているバッグおよび細胞収集バッグに接続される。チュービングセットは、プレカラムおよび分離カラムを含めた組み立て済みの無菌チュービングからなり、1回のみの使用型である。分離プログラムの開始後に、システムは、細胞試料を分離カラム上に自動的に添加する。標識された細胞は、カラム内に保持され、一方で未標識の細胞は、一連の洗浄段階によって除去される。いくつかの態様において、本明細書に記載の方法で使用するための細胞集団は、未標識であり、カラム内に保持されない。いくつかの態様において、本明細書に記載の方法で使用するための細胞集団は、標識されており、カラム内に保持される。いくつかの態様において、本明細書に記載の方法で使用するための組成物は、磁場の除去後にカラムから溶出され、細胞収集バッグ内に収集される。
ある態様において、分離および/または他の工程は、CliniMACS Prodigyシステム(Miltenyi Biotec)を使用して実施される。CliniMACS Prodigyシステムは、いくつかの局面において、遠心分離により細胞の自動洗浄および分画を可能にする細胞加工ユニットを備える。CliniMACS Prodigyシステムは、供給源の細胞産物の肉眼的な層を見分けることによって最適な細胞分画エンドポイントを判定する搭載カメラおよび画像認識ソフトウェアも含むことができる。例えば、末梢血は、赤血球、白血球、および血漿層に自動的に分離される。CliniMACS Prodigyシステムは、例えば細胞分化および増大、抗原負荷、および長期細胞培養のような細胞培養プロトコルを成し遂げる統合型細胞栽培チャンバも含むことができる。入力ポートは、培地の無菌除去および補充を可能にすることができ、細胞は、統合型顕微鏡を使用して監視することができる。例えば、Klebanoff et al. (2012) J Immunother. 35(9): 651-660、Terakuraet al. (2012) Blood.1:72-82、およびWang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701を参照のこと。
いくつかの態様において、分離または選択は、複数の細胞表面マーカーが染色された細胞が流体流れで運ばれるフローサイトメトリーを介して実施される。いくつかの態様において、本明細書に記載の細胞集団は、調製規模(FACS)の選別を介して収集および富化(または枯渇)される。ある態様において、本明細書に記載の細胞集団は、FACSに基づく検出システムと組み合わせた微小電気機械システム(MEMS)チップの使用により収集および富化(または枯渇)される(例えば、WO 2010/033140、Cho et al. (2010) Lab Chip 10, 1567-1573; およびGodin et al. (2008) J Biophoton. 1(5):355-376を参照のこと)。どちらの場合も、細胞を複数のマーカーで標識することができ、詳細に明らかにされたT細胞サブセットを高純度で単離することが可能である。
いくつかの態様において、抗体または結合パートナーは、正および/または負の選択のための分離を容易にするために、1種または複数種の検出可能なマーカーで標識される。例えば、分離は、蛍光標識抗体への結合に基づき得る。いくつかの例において、1種または複数種の細胞表面マーカーに特異的な抗体または他の結合パートナーの結合に基づく細胞の分離は、例えば、調製規模のFACSを含めた蛍光活性化細胞選別(FACS)および/または例えばフローサイトメトリー検出システムと組み合わせた微小電気機械システム(MEMS)チップによって流体流れ中で実施される。そのような方法は、複数のマーカーに基づく正および負の選択を同時に可能にする。
d.凍結および凍結保存
いくつかの態様において、提供される方法は、調製、培養、および/または操作の前または後のいずれかで、細胞を凍結、例えば凍結保存するための工程を含む。いくつかの態様において、細胞は、そのような細胞のサンプルが複製可能ウイルスについて試験される間、凍結される。いくつかの態様において、凍結およびその後の解凍工程は、細胞集団中の顆粒球およびある程度まで単球を除去する。いくつかの態様において、細胞は、例えば血漿および血小板を除去するための洗浄工程の後に、凍結溶液中に懸濁される。いくつかの局面において任意の多様な公知の凍結溶液およびパラメータが、使用され得る。一例は、20%DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBS、または他の適切な細胞凍結媒体を使用することを伴う。次に、これは、DMSOおよびHSAの最終濃度がそれぞれ10%および4%となるように媒体で1:1に希釈される。次に、細胞は、1分間あたり1°のペースで-80℃まで凍結され、液体窒素貯蔵タンクの気相中で貯蔵される。いくつかの態様において、細胞は、複製可能ウイルスについて細胞を評価する前記方法の前、間、または後のいずれかに、凍結、例えば凍結保存される。いくつかの態様において、細胞は、プロセシングするための前記方法の前、間、または後のいずれかに、凍結、例えば凍結保存される。
e.細胞とウイルスベクター粒子とのインキュベーション
いくつかの局面において、細胞、例えば細胞の集団、例えば、記載されるように取得されたかつ/または単離された細胞の集団は、遺伝子移入を可能にする条件下で、ウイルスベクター粒子と、インキュベートおよび/もしくは接触され得るか、またはインキュベートおよび/もしくは接触されたことがある。そのようないくつかの態様のいずれかにおいて、ウイルスベクター粒子は、細胞中へのウイルス粒子の移入、ならびに/または、細胞における、組換えおよび/または異種分子(例えば組換え受容体、例えばCAR)をコードする核酸の発現を可能にする条件(例えばウイルスインプット)下で、細胞の集団とインキュベートおよび/または接触される。
ガンマレトロウイルスまたはレンチウイルス形質導入のような、ウイルス形質導入法は、公知である。例示的な方法は、例えば、Wang et al. (2012) J. Immunother. 35(9): 689-701; Cooper et al. (2003) Blood. 101:1637-1644; Verhoeyen et al. (2009) Methods Mol Biol. 506: 97-114; およびCavalieri et al. (2003) Blood. 102(2): 497-505に記載されている。
いくつかの態様において、細胞の集団は、以前に凍結保存へ供されたことがある細胞の集団であり得る。
形質導入工程の間のウイルスベクター粒子および細胞を含む組成物は、1つまたは複数の追加の作用物質、例えば形質導入効率を促進するもの、例えばプロタミン(例えば、硫酸プロタミン)、臭化ヘキサジメトリン(POLYBRENE(登録商標)、Abbott Laboratories Corp)、およびCH-296(RETRONECTIN(登録商標)、Clontech)を含むポリカチオンをさらに含んでよい。いくつかの態様において、ポリカチオンは、インプット組成物中に1μg/mL〜100μg/mL、例えば5μg/mL〜50μg/mLの終濃度で存在することができる。該組成物はまた、処理されるべき細胞タイプの培養用に設計された培地、例えば造血幹細胞培地、例えば、無血清培地を含む細胞培養培地を含む、培地を含んでよい。
いくつかの態様において、形質導入は、100未満、例えば通常60、50、40、30、20、10、5またはそれ以下未満の多重感染度(MOI)で達成することができる。
いくつかの態様において、細胞は、組換え受容体、例えばキメラ受容体、例えば抗原受容体、例えばCARまたはトランスジェニックTCRをコードする核酸で、形質導入および/もしくは遺伝子操作され得るか、または形質導入および/もしくは遺伝子操作されたことがある。いくつかの局面において、少なくとも7.5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、またはそれ以上のT細胞が、核酸で形質導入される。
f.培養および刺激
いくつかの態様において、細胞は、遺伝子操作と関連してまたは遺伝子操作後に、刺激および/または増殖および/または増大される。いくつかの態様において、プロセシング工程は、細胞、例えば、選択細胞および/または形質導入細胞のインキュベーションを含み、ここで、インキュベーション工程は、細胞の培養、栽培、刺激、活性化、および/または繁殖を含み得る。いくつかの態様において、組成物または細胞は、刺激条件または刺激剤の存在下でインキュベートされる。そのような条件は、集団中の細胞の増殖、増大、活性化、および/または生存を誘導するように、抗原曝露を模倣するように、かつ/または組換え抗原受容体の導入用のような遺伝子操作用に細胞を予備刺激するように設計された条件を含む。
いくつかの態様において、単離された細胞、例えば、選択された細胞集団は、刺激または活性化される。いくつかの態様において、プロセシング工程は、刺激条件下での、細胞を含有する組成物のインキュベーションを含む。インキュベーションは、上述の形質導入法の複数の態様から生じる遺伝子操作のような、遺伝子操作前にまたは遺伝子操作に関連して、行われ得る。いくつかの態様において、刺激は、例えば形質導入前に、細胞の活性化および/または増殖を生じさせる。
いくつかの態様において、増殖および/または増大は、臨床適用について十分な数まで形質導入細胞を培養するために、形質導入後に行われる。いくつかの態様において、形質導入細胞は、少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間もしくはそれ以上、または少なくとも約1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間もしくはそれ以上、増大を誘導する条件下で、インキュベートまたは培養される。いくつかの場合において、細胞は、7〜10日間培養することによって増大される。いくつかの態様において、細胞のインキュベーションまたは培養は、1つまたは複数の刺激剤の存在下で、37℃±2℃または約37℃±2℃で行われる。
いくつかの態様において、刺激および/または活性化のための条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば栄養分、アミノ酸、抗生物質、イオン、ならびに/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、および細胞を活性化するように設計された任意の他の作用物質の1つまたは複数を含むことができる。
いくつかの態様において、刺激条件または刺激物質は、1種または複数種の作用物質、例えば、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができるリガンドを含む。いくつかの局面において、作用物質は、T細胞におけるTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードを始めるかまたは開始する。そのような作用物質は、抗体、例えばTCRに特異的なもの、例えば抗-CD3を含み得る。いくつかの態様において、刺激条件は、1種または複数種の作用物質、例えば、共刺激受容体を刺激することができるリガンド、例えば抗-CD28を含む。いくつかの態様において、そのような作用物質および/またはリガンドは、例えばビーズのような固体支持体に結合されてもよく、かつ/または1種もしくは複数種のサイトカインであってもよい。任意で、増大方法は、培養培地に抗CD3および/または抗CD28抗体を(例えば、少なくとも約0.5ng/mlの濃度で)添加する工程をさらに含み得る。いくつかの態様において、刺激物質はIL-2、IL-15および/またはIL-7を含む。いくつかの局面において、IL-2濃度は少なくとも約10単位/mLである。
いくつかの態様において、T細胞は、非分裂末梢血単核細胞(PBMC)のようなフィーダー細胞を組成物へ(例えば、結果として生じる細胞集団が、増大されるべき出発集団中の各Tリンパ球について少なくとも約5、10、20、もしくは40個またはそれ以上のPBMCフィーダー細胞を含有するように)添加し;培養物を(例えば、T細胞数を増大させるために十分な時間)インキュベートすることによって、増大される。いくつかの局面において、非分裂フィーダー細胞は、γ線照射PBMCフィーダー細胞を含むことができる。いくつかの態様において、PBMCは、細胞分裂を阻止するために約3000〜3600radの範囲のγ線が照射される。いくつかの局面において、フィーダー細胞は、T細胞集団の添加前に培養培地に添加される。
いくつかの態様において、刺激条件は通常、ヒトTリンパ球の成長に適切な温度、例えば、少なくともセ氏約25度、通常少なくとも約30度、通常セ氏37度または約37度を含む。任意で、インキュベーションは、非分裂EBV形質転換リンパ芽球様細胞(LCL)をフィーダー細胞として添加することをさらに含み得る。LCLは、約6000〜10,000radの範囲でγ線を照射することができる。LCLフィーダー細胞は、いくつかの局面において、少なくとも約10:1のLCLフィーダー細胞と出発Tリンパ球との比のような任意の適切な量で提供される。
複数の態様において、抗原特異的T細胞、例えば、抗原特異的CD4+および/またはCD8+ T細胞は、ナイーブTリンパ球または抗原特異的Tリンパ球を抗原で刺激することによって取得される。例えば、抗原特異的T細胞系またはクローンは、感染した対象からT細胞を単離し、該細胞をサイトメガロウイルス抗原でインビトロ刺激することによって、同抗原に対して生成させることができる。
いくつかの態様において、上述のいずれかのような、1つまたは複数の刺激条件または刺激剤とのインキュベーションの少なくとも一部は、閉鎖系において行われる。
いくつかの態様において、刺激剤とのインキュベーションの全期間は、1時間〜72時間、1時間〜48時間、4時間〜36時間、8時間〜30時間もしくは12時間〜24時間、または約1時間〜約72時間、約1時間〜約48時間、約4時間〜約36時間、約8時間〜約30時間もしくは約12時間〜約24時間、例えば、少なくとも6時間、12時間、18時間、24時間、36時間もしくは72時間、または少なくとも約6時間、約12時間、約18時間、約24時間、約36時間もしくは約72時間である。いくつかの場合において、インキュベーションの全期間は、5分間〜6時間または約5分間〜約6時間、例えば30分間〜3時間または約30分間〜約3時間、例えば、少なくとも30分間、60分間、120分間もしくは180分間、または少なくとも約30分間、約60分間、約120分間もしくは約180分間である。
いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子で形質導入された細胞の集団は、遺伝子操作細胞について富化するための1つまたは複数の工程および/または選択へ供される。例えば、いくつかの局面において、ウイルスベクター内の形質導入マーカーが、受容体を発現するための細胞の形質導入もしくは操作、および/または、受容体を発現する操作された細胞の選択を確認するために使用することができる。いくつかの局面において、そのようなマーカーは、異なる核酸またはポリヌクレオチドによってコードされ得、これはまた、遺伝子操作プロセス中に、典型的には同じ方法を介して、例えば、同じベクターまたはベクターのタイプによる形質導入を介して導入され得る。
5.製剤化
いくつかの態様において、プロセス工程は、細胞の製剤化、例えば、提供される形質導入プロセシング工程および/または記載される1つもしくは複数の他のプロセシング工程から生じる遺伝子操作細胞の製剤化を含み得る。いくつかの態様において、細胞は製剤化薬物製品(FDP)として製剤化される。いくつかの態様において、細胞の製剤化と関連する提供される方法は、閉鎖系において、上述のプロセシング工程を使用して形質導入および/または増大された細胞のような、形質導入細胞をプロセシングする工程を含む。
いくつかの態様において、細胞は、薬学的に許容される緩衝液中に製剤化され、これは、いくつかの局面において、薬学的に許容される担体または賦形剤を含み得る。いくつかの態様において、プロセシングは、薬学的に許容されるかまたは対象の投与に望ましい媒体または製剤緩衝液への、媒体の交換を含む。いくつかの態様において、プロセシング工程は、形質導入および/または増大された細胞を洗浄し、1つまたは複数の任意の薬学的に許容される担体または賦形剤を含み得る薬学的に許容される緩衝液中に細胞を入れ替えることを伴い得る。薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、そのような薬学的形態の例は、対象への細胞および組成物の投与に許容される形態に関連して以下に記載されるいずれかであり得る。薬学的組成物は、いくつかの態様において、治療有効量または予防有効量などの、疾患または状態を処置または予防するのに有効な量で細胞を含有する。
いくつかの態様において、製剤緩衝液は凍結保存剤を含有する。いくつかの態様において、細胞は、1.0%〜30% DMSO溶液、例えば、5%〜20% DMSO溶液または5%〜10% DMSO溶液を含有する、凍結保存溶液で製剤化される。いくつかの態様において、凍結保存溶液は、例えば、20% DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBS、または他の好適な細胞凍結媒体であるかまたはこれを含む。いくつかの態様において、凍結保存溶液は、例えば、少なくともまたは約7.5% DMSOであるかまたはこれを含有する。いくつかの態様において、プロセシング工程は、形質導入および/または増大された細胞を洗浄し、凍結保存溶液中に細胞を入れ替えることを伴い得る。
いくつかの態様において、プロセシングは、所定の用量またはそのフラクションでの投与のための細胞数を含む単位用量形態組成物のような、所望の濃度または数への細胞の希釈または濃縮を含み得る。いくつかの態様において、プロセシング工程は、体積縮小を含み、それによって、要望通りに細胞の濃度を増加させることができる。いくつかの態様において、プロセシング工程は、体積添加を含み、それによって、要望通りに細胞の濃度を減少させることができる。
いくつかの態様において、プロセシングは、形質導入および/または増大された細胞へ製剤緩衝液の体積を添加することを含む。いくつかの態様において、製剤緩衝液の体積は、10 mL〜1000 mLまたは約10 mL〜約1000 mL、例えば、少なくとも50 mL、少なくとも100 mL、少なくとも200 mL、少なくとも300 mL、少なくとも400 mL、少なくとも500 mL、少なくとも600 mL、少なくとも700 mL、少なくとも800 mL、少なくとも900 mLもしくは少なくとも1000 mL、または少なくとも約50 mL、少なくとも約100 mL、少なくとも約200 mL、少なくとも約300 mL、少なくとも約400 mL、少なくとも約500 mL、少なくとも約600 mL、少なくとも約700 mL、少なくとも約800 mL、少なくとも約900 mLもしくは少なくとも約1000 mL、または約50 mL、約100 mL、約200 mL、約300 mL、約400 mL、約500 mL、約600 mL、約700 mL、約800 mL、約900 mLもしくは約1000 mL、または50 mL、100 mL、200 mL、300 mL、400 mL、500 mL、600 mL、700 mL、800 mL、900 mLもしくは1000 mLである。
いくつかの態様において、細胞プロセシングシステムと関連するような、閉鎖系は、所望の数のまたは複数のアウトプット容器(例えばバッグ)中へプロセス細胞を送り得る。いくつかの局面において、細胞は、単回単位投薬量投与または複数回投薬量投与のためのような、投薬量投与のための量で、複数のアウトプットバッグの1つまたは複数へ送られ得る。例えば、いくつかの態様において、アウトプットバッグは、各々、所定の用量またはそのフラクションでの投与のための細胞数を含有し得る。従って、各バッグは、いくつかの局面において、投与のための単回単位用量を含有してもよく、または、所望の用量のフラクションを含有してもよく、その結果、複数のアウトプットバッグのうちの2つ以上、例えば、2つのアウトプットバッグ、または3つのアウトプットバッグが、投与のための用量を一緒に構成する。
従って、容器(例えばバッグ)は通常、投与されるべき細胞、例えば、1つまたは複数のその単位用量を含有する。単位用量は、対象へ投与されるべき細胞の量もしくは数、または投与されるべき細胞の数の2倍(もしくはそれ以上)であってもよい。それは、対象へ投与される細胞の最小の用量または最小の可能な用量であってもよい。
いくつかの態様において、容器(例えばバッグ)の各々は、細胞の単位用量を個々に含む。従って、いくつかの態様において、容器の各々は、同じまたはほぼもしくは実質的に同じ数の細胞を含む。いくつかの態様において、単位用量は、処置されるかつ/または細胞が起因する対象の1 kg当たり、約1 x 108個未満、約5 x 107個未満、約1 x 106個未満または約5 x 105個未満の細胞を含む。いくつかの態様において、各単位用量は、少なくともまたは少なくとも約1 x 106、2 x 106、5 x 106、1 x 107、5 x 107、または1 x 108個の、操作された細胞、総細胞、T細胞、またはPBMCを含有する。いくつかの態様において、各バッグ中の製剤化された細胞組成物の体積は、10 mL〜100 mL、例えば、少なくともまたは少なくとも約20 mL、30 mL、40 mL、50 mL、60 mL、70 mL、80 mL、90 mLまたは100 mLである。
いくつかの態様において、複数のアウトプットバッグのうちの1つまたは複数は、試験のために、例えば、複製可能ベクターの検出または形質導入効率の評価のために、使用することができる。複製可能ベクターは、本明細書に記載の方法のいずれかを使用して検出することができる。形質導入効率は、いくつかの局面において、提供される方法の複数の態様を使用する形質導入後、ウイルスベクター粒子のゲノム中に含有される核酸によってコードされた組換えタンパク質(例えば異種タンパク質)の発現のレベルを測定することによって評価され得る。従って、いくつかの態様において、組換え分子の発現レベルは、任意の多数の周知の方法、例えば、フローサイトメトリーによるような、例えば細胞表面タンパク質の状況における、親和性ベースの方法(例えば、免疫親和性ベースの方法)による検出によって評価され得る。いくつかの局面において、複数の容器(例えばバッグ)のうちの1つまたは複数中に含有される細胞は、形質導入マーカーおよび/またはレポーター構築物の検出によって、組換え分子の発現レベルについて試験される。他の態様において、発現は、マーカーとしてベクター内に含まれる切断型表面タンパク質をコードする核酸を使用して評価される。
V.定義
用語「ベクター」は、本明細書において使用される場合、それが連結されている別の核酸を伝えることができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造体としてのベクター、ならびにそれが導入された宿主細胞のゲノム中へ組み込まれたベクターを含む。あるベクターは、それらが機能的に連結されている核酸の発現を指示することができる。そのようなベクターは、本明細書において「発現ベクター」と呼ばれる。ベクターの中には、ウイルスベクター、例えば、レトロウイルスベクター、例えば、ガンマレトロウイルスベクターおよびレンチウイルスベクターがある。
用語「宿主細胞」、「宿主細胞株」、および「宿主細胞培養物」は、交換可能に使用され、外因性核酸が導入された細胞を、そのような細胞の子孫を含めて指す。宿主細胞には、「形質転換体」および「形質転換細胞」が含まれ、これらには、初代形質転換細胞、および継代数に関わらず、これらに由来する子孫が含まれる。子孫は、親細胞と核酸内容物が完全に同一でなくてもよく、変異を含有してもよい。最初に形質転換された細胞において、スクリーニングされたかまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異子孫が、本明細書に含まれる。
本明細書において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、状況が明らかに別のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数の」を意味する。本明細書に記載される局面およびバリエーションは、「なる」および/または「から本質的になる」局面およびバリエーションを含むことが理解される。
本開示全体にわたって、特許請求の主題の様々な局面が、範囲の形式で提示される。範囲の形式での記載は、単に便宜および簡潔さのためであると理解すべきであり、特許請求の主題の範囲に対する確固たる限定として見なしてはならない。従って、範囲の記載は、全ての可能な下位範囲およびその範囲内の個別の数値を具体的に開示したと見なすべきである。例えば、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値および記載された範囲における任意の他の記載値または介在値が、特許請求の主題内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限値および下限値は、より小さな範囲の中に独立して含まれ得、また、特許請求の主題内に包含されるが、記載された範囲における特に除外される任意の限界値に従うことを条件とする。記載された範囲が、これらの限界値の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界値の一方または両方を除外する範囲も、特許請求の主題に含まれる。これは、範囲の広さに関わらずあてはまる。
用語「約」は、本明細書において使用される場合、当業者に容易に分かるそれぞれの値についての通常の誤差範囲を表す。本明細書における値またはパラメータの「約」への言及は、その値またはパラメータ自体に向けられた態様を含む(および説明する)。例えば、「約X」に言及する記載は「X」の記載を含む。
本明細書において使用される場合、組成物は、細胞を含む、2つまたはそれ以上の生成物、物質、または化合物の任意の混合物を指す。それは、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
本明細書において使用される場合、「対象」は、哺乳動物、例えば、ヒトまたは他の動物であり、典型的にヒトである。
VI.例示的な態様
本明細書における態様の中には以下がある:
1.
(a)試験サンプル中のパラメータのレベルを決定する工程であって、パラメータまたはレベルが、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、または量もしくは濃度を示すかまたはこれらと(任意で正にもしくは逆に)相関し、生物学的サンプルが、異種核酸および/または異種タンパク質をコードする核酸を含有する少なくとも1つの細胞を含む、工程
を含む方法であって、
生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、または量もしくは濃度が、生物学的サンプル中のまたは生物学的サンプルが起因するサンプル中の複製可能ウイルスの、存在もしくは非存在、またはリスクを示し;かつ/あるいは
ウイルスRNAが、複製可能ウイルスの複製能力に必要であるか、またはこれに必要である遺伝子産物もしくはその特異的に識別可能な部分をコードする、
方法。
2.
そのように決定された前記レベルに基づいて、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、濃度もしくは量、またはそのリスクを決定する工程をさらに含む、態様1の方法。
3.
(b)(a)で決定されたパラメータのレベルを、パラメータについての第1参照値と比較する工程
をさらに含む、態様1または態様2の方法。
4.
前記比較が、生物学的サンプルまたはそれに起因するサンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、濃度もしくは量、または前述のうちのいずれかのリスクを示す、態様3の方法。
5.
生物学的サンプルまたはその部分中の、ウイルスRNAの存在、非存在、または量もしくは濃度、または前述のうちのいずれかのリスクを決定する工程;ならびに/あるいは
複製可能ウイルスが、生物学的サンプルもしくはその部分中に存在する(または潜在的に存在するかもしくは存在する可能性が高い)または存在するリスクがあるかどうかを決定する工程
をさらに含む、態様1〜4のいずれか一つの方法。
6.
(a)で決定されたパラメータのレベルが第1参照値であるかまたはこれを上回る場合、任意でその場合に限り、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を有する、存在を潜在的に有する、または存在についてのリスクがある、かつ/または、ウイルスRNAの存在または少なくとも閾値量を有すると見なされ、任意で、パラメータのレベルは、生物学的サンプル中のRNAの量と正に相関し;かつ/あるいは
(a)で決定されたパラメータのレベルが第1参照値であるかまたはこれを下回る場合、任意でその場合に限り、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を有する、または存在についてのリスクがある、かつ/または、ウイルスRNAの存在または少なくとも閾値量を有すると見なされ、任意でパラメータのレベルは、生物学的サンプル中のウイルスRNAの量と逆に相関し;(a)で決定されたパラメータのレベルが第1参照値を下回る場合、任意でその場合に限り、生物学的サンプルおよび/または少なくとも1つの細胞のうちの1つもしくは複数は、RCR陰性と見なされ、または複製可能ウイルスの存在を有さない、または存在についてのリスクがない、または存在を潜在的に含有しないと見なされ、任意でパラメータのレベルは、生物学的サンプル中のRNAの量と正に相関し;かつ/あるいは
(a)で決定されたパラメータのレベルが第1参照値を上回る場合、任意でその場合に限り、生物学的サンプルおよび/または少なくとも1つの細胞のうちの1つもしくは複数は、複製可能ウイルスの存在を有さないまたは存在についてのリスクがない、かつ/または、ウイルスRNAの存在または少なくとも閾値量を有さないと見なされ、任意でパラメータのレベルは、生物学的サンプル中のウイルスRNAの量と逆に相関する、
態様1〜5のいずれか一つの方法。
7.
複製能に必要な別のウイルスRNAが生物学的サンプル中に存在するとたとえ決定されるとしても、生物学的サンプルが、陰性である、有さない、またはリスクがないとそのように見なされ;
生物学的サンプル中の複製能に必要な別のウイルスRNAの量と正に相関する第2パラメータの、第2参照値であるかまたはこれを上回るレベルが、試験サンプルまたは生物学的サンプルに起因するかもしくは生物学的サンプル由来の核酸を含有する第2の試験サンプル中で、たとえ検出されるかまたは検出されたことがあるとしても、生物学的サンプルが、陰性である、有さない、またはリスクがないとそのように見なされ;かつ/あるいは
複製能に必要な別のウイルスRNAの量と負に相関する第2パラメータの、第2参照値であるかまたはこれを下回るレベルが、試験サンプルまたは生物学的サンプルに起因するかもしくは生物学的サンプル由来の核酸を含有する別の試験サンプル中で、たとえ検出されるかまたは検出されたことがあるとしても、生物学的サンプルが、陰性である、有さない、またはリスクがないとそのように見なされる、
態様4の方法。
8.
生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在が決定される場合(任意でその場合に限り)、および/または、任意で閾値量であるかもしくはこれを上回るウイルスRNAの量が、生物学的サンプル中にあると決定される場合(任意でその場合に限り)、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を有する、存在を潜在的に有する、または存在についてのリスクがあると見なされ;
生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在が決定される場合(任意でその場合に限り)、および/または、任意で閾値量であるかもしくはこれを上回るウイルスRNAの量が、生物学的サンプル中にあると決定される場合(任意でその場合に限り)、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を潜在的に有するまたは存在についてのリスクがあると見なされるが、リスクのさらなる表示なしでは、かつ/または、別のウイルスRNAを示す別のパラメータの評価なしでは、複製可能ウイルスの存在を含有するとは見なされず;かつ/あるいは
生物学的サンプル中のウイルスRNAの非存在が決定される場合、および/または、任意で閾値量であるかもしくはこれを下回るウイルスRNAの量(または僅かその量)が、生物学的サンプル中にあると決定される場合、任意で、ウイルスの複製能力に必要な別のRNAの存在が生物学的サンプル中に存在するとたとえ決定されるとしても、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を有さない、存在を潜在的に有さない、かつ/または存在についてのリスクがないと見なされ;かつ/あるいは
パラメータおよび/またはウイルスRNAが、試験サンプル中で検出不可能であるかもしくは検出されない、かつ/または、生物学的サンプル中に存在すると決定されない場合、生物学的サンプルは複製可能ウイルス陰性と見なされる、
態様1〜7のいずれか一つの方法。
9.
第1参照値が、閾値レベルまたはそれに対応する最小検出可能レベルもしくは読み出しである値、またはほぼこれらである値、またはこれらを僅かに上回る値であり;
第1参照値が、陽性対照サンプル中の、検出されたパラメータの値、および/または、RNAの量を示すパラメータの値であり;かつ/あるいは
パラメータのレベルが、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在または非存在を示し;かつ/あるいは
ウイルスRNAが、第1ウイルス遺伝子をコードする核酸を含み;かつ/あるいは
異種核酸が、異種遺伝子産物をコードする、
態様1〜8のいずれか一つの方法。
10.
試験サンプルにおいて評価されるパラメータが、
ウイルスRNAの、またはそれから発現される産物の、またはRNAに対応するウイルス遺伝子から発現される産物の、任意で相対コピー数または相対重量である量または相対量であるかまたはこれらを含み、あるいは、
ウイルスRNAの、またはそれから発現される産物の、またはRNAに対応するウイルス遺伝子から発現される産物の、濃度または相対濃度であるかまたはこれらを含む、
態様1〜9のいずれか一つの方法。
11.
量が絶対量または相対量である、態様10の方法。
12.
パラメータおよび/またはレベルが、
任意でサイクル閾値(Ct)値であるサロゲートまたは相対値
であるかまたはこれらを含む、態様1〜11のいずれか一つの方法。
13.
試験サンプルについてのCT値が、参照Ctスコアである第1参照値を下回る場合、ウイルスRNAまたはその発現が、生物学的サンプル中または試験サンプル中に存在するかまたは存在するリスクがあると決定される、態様12の方法。
14.
試験サンプルが、生物学的サンプルもしくはその部分であるか、またはこれらに起因する、態様1〜13のいずれか一つの方法。
15.
(a)試験サンプル中の第1パラメータの第1レベルを決定または評価する工程であって、該第1レベルまたは第1パラメータが、第1ウイルスRNAの、および/または第1ウイルスRNAをコードする第1ウイルス遺伝子をコードする第1核酸の、生物学的サンプルにおける存在、非存在、量または濃度と(任意で正にもしくは逆に)相関する、工程;
(b)任意で同じまたは異なる試験サンプルである試験サンプル中の第2パラメータの第2レベルを決定または評価する工程であって、該第2レベルまたは第2パラメータが、第1ウイルスRNAとは異なる第2ウイルスRNAの、および/または該第2ウイルスRNAをコードする第2かつ異なるウイルス遺伝子をコードする第2核酸の、生物学的サンプルにおける存在、非存在、量または濃度と(任意で正にもしくは逆に)相関する、工程
を含む方法であって、
少なくとも1つの細胞が、異種核酸、異種遺伝子産物、および/もしくは異種タンパク質をコードする核酸を含有し、かつ/または、ウイルスベクターで形質導入されており;
生物学的サンプル中の、第1ウイルスRNAもしくは遺伝子または第2ウイルスRNAもしくは遺伝子の、存在、非存在、または量もしくは濃度、ならびに/または、第1および第2ウイルスRNAもしくは遺伝子の両方の存在、非存在、または量もしくは濃度は、生物学的サンプル中のまたは生物学的サンプルが起因するサンプル中の複製可能ウイルスの、存在もしくは非存在、またはリスクを示し;かつ/あるいは
第1ウイルスRNA、第2ウイルスRNA、ならびに/または第1および第2ウイルスRNAの両方が、複製可能ウイルスの複製能力に必要であるか、またはこれに必要である遺伝子産物もしくはその特異的に識別可能な部分をコードする、方法。
16.
そのように決定された前記レベルに基づいて、生物学的サンプル中の第1および/または第2ウイルスRNAまたは遺伝子産物の存在、非存在、濃度もしくは量、またはそれらのリスクを決定する工程
をさらに含む、態様15または20の方法。
17.
(c)(a)および/または(b)で決定された第1および/または第2パラメータのレベルを第1および/または第2参照値と比較する工程であって、比較が、生物学的サンプルまたはそれに起因するサンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、濃度もしくは量、または前述のうちのいずれかのリスクを任意で示す、工程
をさらに含む、態様16の方法。
18.
(c)生物学的サンプルまたはその部分中の、第1ウイルスRNAまたは発現の存在、非存在、または量もしくは濃度、または前述のうちのいずれかのリスクを決定し、かつ/または、生物学的サンプルまたはその部分中の、第2ウイルスRNAまたは発現の存在、非存在、または量もしくは濃度、または前述のうちのいずれかのリスクを決定する工程;ならびに/あるいは
(d)任意で(c)での決定に基づいて、複製可能ウイルスが、生物学的サンプルもしくはその部分中に存在する(または潜在的に存在するかもしくは存在する可能性が高い)または存在するリスクがあるかどうかを決定する工程
をさらに含む、態様15〜17および20のいずれか一つの方法。
19.
ウイルスRNAがenv、gag、pol、もしくはrev由来であり、かつ/または、第1ウイルスRNAがenv、gag、pol、もしくはrev由来であり、かつ/または、第1ウイルス遺伝子がenv、gag、pol、もしくはrevであり;かつ/あるいは
ウイルスRNAがenv、gag、pol、もしくはrev由来であり、かつ/または、第2ウイルスRNAがenv、gag、pol、もしくはrev由来であり、かつ/または、第2ウイルス遺伝子がenv、gag、pol、もしくはrevである、
態様1〜19のいずれか一つの方法。
20.
(a)生物学的サンプル中の第1ウイルスRNAの量または存在もしくは非存在を示すかまたはこれらと(任意で正にもしくは逆に)相関する、試験サンプル中の第1パラメータのレベルを評価し、かつ任意で同じまたは異なる試験サンプルである試験サンプル中の第2パラメータのレベルを評価する工程であって、第1ウイルスRNAが、env遺伝子である第1ウイルス遺伝子由来であり、第2ウイルスパラメータが、生物学的サンプル中の第2ウイルスRNAの存在、非存在、または量を示すかまたはこれらと(任意で正にもしくは逆に)相関し、第2ウイルスRNAが、gag、pol、およびrev遺伝子より選択される遺伝子由来であり、生物学的サンプルが、任意で異種遺伝子産物を含むウイルスベクター粒子で形質導入が行われた細胞を含み、かつ/または、異種遺伝子産物を有する細胞を含む、工程
を含む方法であって、
少なくとも1つの細胞が、異種核酸、異種遺伝子産物、および/もしくは異種タンパク質をコードする核酸を含有し、かつ/または、ウイルスベクターで形質導入されており;
生物学的サンプル中の、第1ウイルスRNAもしくは遺伝子または第2ウイルスRNAもしくは遺伝子の存在、非存在、または量もしくは濃度、ならびに/または、第1および第2ウイルスRNAもしくは遺伝子の両方の存在、非存在、または量もしくは濃度は、生物学的サンプル中のまたは生物学的サンプルが起因するサンプル中の複製可能ウイルスの、存在もしくは非存在、またはリスクを示し;かつ/または、
第1ウイルスRNA、第2ウイルスRNA、ならびに/または第1および第2ウイルスRNAの両方が、複製可能ウイルスの複製能力に必要であるか、またはこれに必要である遺伝子産物もしくはその特異的に識別可能な部分をコードする、方法。
21.
パラメータがウイルスRNAの存在または非存在である、態様1〜20のいずれか一つの方法。
22.
参照値、第1参照値、および/または第2参照値が、閾値レベルまたは最小検出可能レベルであるかまたはこれらに対応する、態様1〜21のいずれか一つの方法。
23.
参照値、第1参照値、および/または第2参照値が、陽性対照試験サンプル中のパラメータに対応するかまたはこれに関する値であり、該陽性対照試験サンプルが、既知量または既知濃度のウイルスRNA、第2ウイルスRNA、および/または第1ウイルスRNAを任意で含有する、態様1〜22のいずれか一つの方法。
24.
前記方法が、生物学的サンプル中の第1および第2ウイルスRNAの存在または閾値量を上回る量を決定する場合、ならびに任意で、前記方法が、第1および第2 RNAの両方ではなく一方について存在または閾値量を上回る量を決定することはない場合、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスを含有するかまたは含有するリスクがあるかまたは潜在的に含有すると見なされ;かつ/あるいは
前記方法が、生物学的サンプル中の第1ウイルスRNA、または第2ウイルスRNA、ならびに/または第1および第2ウイルスRNAの両方の、非存在、検出可能な量の非存在、または閾値量を下回る量を決定する場合、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスについて陰性である、またはこれを含有しない、またはこれを含有するもしくは潜在的に含有するリスクがないと見なされる、
態様15〜23のいずれか一つの方法。
25.
第1および第2ウイルス遺伝子をコードするウイルスRNAのレベルが、試験サンプル中で検出不可能である、かつ/または、生物学的サンプル中に存在するともしくは閾値レベルを超えて存在すると決定されない場合、生物学的サンプルが複製可能ウイルス陰性と見なされる、態様15〜24のいずれか一つの方法。
26.
工程(a)の前に、生物学的サンプルもしくはそれ由来の部分または生物学的サンプルに起因するサンプルもしくはその部分から、RNAを単離する工程をさらに含み、
RNAが少なくとも1つの細胞のうちの1つまたは複数由来のRNAを含有する、
態様1〜25のいずれか一つの方法。
27.
複製可能ウイルスがレトロウイルスであるかまたはこれを含み、かつ/または、ウイルスRNAまたは第1および/もしくは第2ウイルスRNAがレトロウイルスによって発現される、態様1〜26のいずれか一つの方法。
28.
レトロウイルスがガンマレトロウイルスである、態様27の方法。
29.
レトロウイルスがレンチウイルスである、態様28の方法。
30.
生物学的サンプルがヒトまたは哺乳動物由来であり、かつ/または、1つまたは複数の細胞が、任意でヒトまたは哺乳動物細胞である初代細胞である、態様1〜29のいずれか一つの方法。
31.
1つもしくは複数の細胞および/または生物学的サンプルが、マスター・セル・バンク(MCB)、ワーキング・セル・バンク(WCB)、もしくは細胞株、またはそのサンプルに由来する、態様1〜30のいずれか一つの方法。
32.
少なくとも1つの細胞または生物学的サンプルが、凍結保存材料(CMAT)、凍結保存薬物製品(CDP)、もしくは自己細胞療法用の製剤化薬物製品(FDP)、またはそのサンプルであるかまたはこれらに由来する、態様1〜24のいずれか一つの方法。
33.
異種核酸または異種遺伝子産物が、組換え受容体、キメラ受容体、任意でキメラ抗原受容体、またはトランスジェニックT細胞受容体であるかまたはこれらをコードする、態様1〜32のいずれか一つの方法。
34.
決定または評価する工程が、ウイルスRNA、第1ウイルスRNAおよび/または第2ウイルスRNAの配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して行われる、態様1〜33のいずれか一つの方法。
35.
第2ウイルス遺伝子をコードするウイルスRNAのレベルが、第2ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して評価される、態様15〜34のいずれか一つの方法。
36.
ウイルスRNAのレベルが、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって評価される、態様1〜35のいずれか一つの方法。
37.
決定または評価する工程が、逆転写酵素定量的PCR(RT-qPCR)を行うことを含む、態様1〜36のいずれか一つの方法。
38.
ウイルスRNAならびに/または第1および/もしくは第2ウイルスRNAならびに/またはウイルスRNAおよび/もしくは遺伝子が、レトロウイルスに由来する、態様1〜37のいずれか一つの方法。
39.
ウイルスRNA、第1ウイルスRNA、および/もしくは第2ウイルスRNA(または前述のうちのいずれかをコードする遺伝子)が、ビリオン複製および/またはパッケージングに関与する遺伝子であるかまたはこれによってコードされる、態様1〜38のいずれか一つの方法。
40.
ウイルスRNAならびに/または第1ウイルスRNAおよび/もしくは第2ウイルスRNA(または前述のうちの1つもしくは複数をコードする遺伝子)が、形質導入細胞に形質導入を行うために使用された移入ベクターによってコードされる遺伝子ではない、態様1〜39のいずれか一つの方法。
41.
ウイルスRNA、第1ウイルスRNA、および/または第2ウイルスRNAが、ウイルス表面タンパク質、エンベロープタンパク質、群特異抗原、ウイルス由来ポリメラーゼ、ウイルス由来逆転写酵素、ウイルス由来調節エレメント、転写のトランスアクチベーター、または応答エレメントをコードする、態様1〜40のいずれか一つの方法。
42.
gag遺伝子が、マウス白血病ウイルス(MMLV) gagおよびヒト免疫不全ウイルス(HIV) gagからなる群より選択される、態様1〜41のいずれか一つの方法。
43.
env遺伝子が、GaLV envおよびVSVGより選択される、態様1〜42のいずれか一つの方法。
44.
第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーが、SEQ ID NO: 4〜5に記載の1つまたは複数の配列を含む、態様34〜43のいずれか一つの方法。
45.
第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーが、SEQ ID NO: 16〜24に記載の1つまたは複数の配列を含む、態様34〜44のいずれか一つの方法。
46.
第2ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーが、SEQ ID NO: 4〜5に記載の1つまたは複数の配列を含む、態様34〜45のいずれか一つの方法。
47.
第2ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーが、SEQ ID NO: 16〜24に記載の1つまたは複数の配列を含む、態様34〜45のいずれか一つの方法。
48.
評価または決定する工程が、ウイルスRNA、ウイルス遺伝子、第1ウイルスRNAもしくは第1ウイルス遺伝子、または第2ウイルスRNAもしくは第2ウイルス遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブの使用を含む、態様1〜47のいずれか一つの方法。
49.
第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブが、SEQ ID NO: 6に記載の配列を含む、態様48の方法。
50.
第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブが、SEQ ID NO: 18、21、または24に記載の配列を含む、態様49の方法。
51.
評価、決定、または検出する工程が、ウイルスRNA、第2ウイルスRNA、第1ウイルスRNA、および/または第2ウイルス遺伝子のうちの1つまたは複数の配列に特異的な加水分解プローブを使用することを含む、態様1〜50のいずれか一つの方法。
52.
加水分解プローブが、SEQ ID NO: 6に記載の配列を含む、態様51の方法。
53.
第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブが、SEQ ID NO: 18、21、または24に記載の配列を含む、態様51の方法。
54.
試験サンプルまたは生物学的サンプル中の、対照遺伝子をコードするRNAのレベル、またはこれを示すかもしくはこれと相関するパラメータのレベルを、試験サンプル中で評価する工程をさらに含み、
任意で、対照遺伝子がβ-アクチンであるかまたはこれを含み、かつ/あるいは
任意で、パラメータまたは対照遺伝子のレベルが、対照遺伝子の配列に対して特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して評価され、該1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは個々に、SEQ ID NO: 1または2または8〜15のうちの1つに記載の1つまたは複数の配列を任意で含み、
任意で、該レベルが、対照遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブを使用して評価され、該加水分解プローブは、SEQ ID NO: 3、9、12、または15に記載の配列を任意で含む、
態様1〜53のいずれか一つの方法。
55.
評価または決定する工程が、多重反応を行うことを含み、任意で、レベル、第1レベル、および/または第2レベル、ならびに、任意で、対照遺伝子を示すかまたはこれと相関するレベルまたはパラメータが、多重反応において評価される、態様1〜54のいずれか一つの方法。
56.
パラメータ、第1パラメータ、および/または第2パラメータが、個々に、
ウイルスRNA(または第1もしくは第2ウイルスRNA)の、またはそれから発現される産物の、またはRNAに対応するウイルス遺伝子から発現される産物の、任意で相対コピー数または相対重量である量または相対量であるかまたはこれらを含み、あるいは、
ウイルスRNA(または第1もしくは第2ウイルスRNA)の、またはそれから発現される産物の、またはRNA(または第1もしくはウイルスRNA)に対応するウイルス遺伝子から発現される産物の、濃度または相対濃度であるかまたはこれらを含む、
態様1〜55のいずれか一つの方法。
57.
量が絶対量または相対量である、態様56の方法。
58.
パラメータおよび/またはレベルが、サイクル閾値(Ct)値であるかまたはこれを含む、態様1〜57のいずれか一つの方法。
59.
試験サンプルについてのCT値が、参照Ctスコアである第1参照値を下回る場合、ウイルスRNAまたはその発現が、生物学的サンプル中または試験サンプル中に存在するかまたは存在するリスクがあると決定される、態様58の方法。
60.
生物学的サンプルおよび/または1つもしくは複数の細胞が、対象に由来する、態様1〜59のいずれか一つの方法。
61.
前記少なくとも1つの細胞が複数の細胞を含み、
該複数の細胞および/または前記生物学的サンプルが浮遊細胞を含み、
該複数の細胞および/または前記生物学的サンプルが白血球を含み、かつ/あるいは
該複数の細胞および/または前記生物学的サンプルがT細胞またはNK細胞を含む、
態様1〜60のいずれか一つの方法。
62.
第1試験サンプルおよび第2試験サンプルの一方または両方が個々に、生物学的サンプルもしくはその部分に起因するか、または、生物学的サンプルもしくはその部分に起因するRNAを含有する、態様15〜61のいずれか一つの方法。
63.
第1ウイルスRNAについて評価される試験サンプルおよび第2 RNAについて評価される試験サンプルが、同じであるか、または同じサンプルもしくは組成物の部分である、態様15〜61のいずれか一つの方法。
64.
前記複数の細胞が、未分画T細胞、単離CD8+ T細胞、または単離CD4+ T細胞を含む、態様61の方法。
65.
前記少なくとも1つの細胞がヒト細胞である、態様1〜64のいずれか一つの方法。
66.
受け入れ基準が、リアルタイムPCRの妥当性を評価するように設定される、態様29〜65のいずれか一つの方法。
67.
受け入れ基準が、90%〜110%または約90%〜約110%のパーセント効率を含む、態様66の方法。
68.
受け入れ基準が、約0.95、約0.96、約0.97、約0.99、もしくは約0.99であるR2値、または0.95、0.96、0.97、0.99、もしくは0.99より大きいR2値、または約0.95、約0.96、約0.97、約0.99、もしくは約0.99より大きいR2値を含む、態様66〜67のいずれか一つの方法。
69.
RNAの純度、完全性、および/または濃度を評価する工程をさらに含む、態様1〜68のいずれか一つの方法。
70.
SEQ ID NO: 1〜24または35〜41のいずれかに記載の配列を含むオリゴヌクレオチドを含む、プライマー。
71.
蛍光部分または標識をさらに含む、態様70のプライマー。
72.
態様70および/または態様71の1つまたは複数のプライマーを含む、キット。
73.
ヌクレアーゼフリー水、逆転写酵素、ポリメラーゼ、デオキシヌクレオチド三リン酸、緩衝液、およびDNアーゼのうちの1つまたは複数をさらに含む、態様71のキット。
74.
試験サンプルが、生物学的サンプルであるかまたは生物学的サンプルの部分である、態様1〜73のいずれか一つの方法。
75.
前記方法が、試験サンプル中のウイルスRNAまたは第1および/もしくは第2ウイルスRNAを検出することができ、該サンプル中で、または試験サンプルもしくは生物学的サンプル中の1000万個の細胞当たり、少なくとも5個もしくは少なくとも10個もしくは少なくとも20個もしくは少なくとも50個もしくは少なくとも100個の細胞;かつ/または
前記方法が、試験サンプルおよび/または生物学的サンプル中の、僅か1.5 pg、1 pg、もしくは0.75 pg、もしくはそれ未満、または僅か約1.5 pg、約1 pg、もしくは約0.75 pg、もしくはそれ未満のウイルス標的である量の標的RNAを検出することができる、
態様1〜69および74のいずれか一つの方法。
76.
1つもしくは複数の細胞および/または生物学的サンプルがプロセスから収集され、
該プロセスにおいて、形質導入細胞が、細胞を増大させる条件下で、任意で、37℃または約37℃でかつ/または1つまたは複数の刺激剤の存在下で、培養されている、
態様1〜69、74、および75のいずれか一つの方法。
77.
形質導入細胞が、少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、もしくは14日間、または、2〜14日間、2〜10日間、4〜14日間、4〜10日間、もしくは7〜10日間、または約2〜14日間、約2〜10日間、約4〜14日間、約4〜10日間、もしくは約7〜10日間、培養されている、態様76の方法。
78.
(a)試験サンプル中のウイルスRNAのレベルを評価する工程
を含み、
試験サンプルが、異種核酸を含む少なくとも1つの細胞を含むサンプル由来のRNAを含み;かつ
ウイルスRNAのレベルが、試験サンプル中の複製可能ウイルスの存在、非存在、または量を示す、方法。
79.
(b)試験サンプル中のウイルスRNAのレベルを第1参照値と比較する工程;および
(c)複製可能ウイルスが試験サンプル中に存在するかどうかを決定する工程
をさらに含み、
ウイルスRNAの量が第1参照値を上回る場合、サンプルは複製可能ウイルス陽性と見なされる、態様78の方法。
80.
ウイルスRNAのレベルが第1参照値を下回る場合、試験サンプル細胞はRCR陰性と見なされる、態様79の方法。
81.
ウイルスRNAのレベルが検出不可能である場合、試験サンプルは複製可能ウイルス陰性と見なされる、態様78〜80のいずれか一つの方法。
82.
第1参照値が閾値レベルまたは最小検出可能レベルである、態様78〜81のいずれか一つの方法。
83.
第1参照値が陽性対照である、態様78〜82のいずれか一つの方法。
84.
ウイルスRNAのレベルが、ウイルスRNAの存在または非存在である、態様78〜83のいずれか一つの方法。
85.
ウイルスRNAが、第1ウイルス遺伝子をコードする核酸を含む、態様78〜84のいずれか一つの方法。
86.
異種核酸が異種遺伝子産物をコードする、態様78〜85のいずれか一つの方法。
87.
(a)試験サンプル中の第1ウイルス遺伝子をコードするウイルスRNAのレベルおよび第2ウイルス遺伝子をコードするウイルスRNAのレベルを評価する工程であって、ここで、試験サンプルが、異種遺伝子産物を含むウイルスベクター粒子で形質導入された少なくとも1つの細胞を含むサンプル由来のRNAを含み、ここで、第1および第2ウイルス遺伝子が同じではない、工程;
(b)試験サンプル中の第1および第2ウイルス遺伝子のレベルを、それぞれ、第1および第2参照値と比較する工程;ならびに
(c)複製可能ウイルスが試験サンプル中に存在するかどうかを決定する工程であって、ここで、第1および/または第2ウイルス遺伝子のレベルが、それぞれ、第1および/または第2参照値を上回る場合、試験サンプル細胞は複製可能ウイルス陽性と見なされる、工程
を含む、方法。
88.
第1ウイルス遺伝子がenv、gag、pol、またはrevである、態様85〜87のいずれか一つの方法。
89.
第2ウイルス遺伝子がenv、gag、pol、またはrevである、態様86または態様88の方法。
90.
(a)試験サンプルにおいて、第1ウイルス遺伝子をコードするウイルスRNAのレベルを評価し、ここで第1ウイルス遺伝子はenv遺伝子であり、そして、第2ウイルス遺伝子をコードするウイルスRNAのレベルを評価し、ここで第2ウイルス遺伝子はgag、pol、またはrev遺伝子より選択され、ここで、試験サンプルが、異種遺伝子産物を含むウイルスベクター粒子で形質導入された細胞を含むサンプル由来のRNAを含む、工程;
(b)試験サンプル中の第1および第2ウイルス遺伝子をコードするウイルスRNAのレベルを、それぞれ、第1および第2参照値と比較する工程;ならびに
(c)複製可能ウイルスが試験サンプル中に存在するかどうかを決定する工程であって、ここで、第1および/または第2ウイルス遺伝子のウイルスRNAのレベルが、それぞれ、第1および第2参照値を上回る場合、複製可能ウイルスは存在する、工程
を含む、方法。
91.
ウイルスRNAのレベルまたはウイルス遺伝子の発現を評価することが、サイクル閾値(Ct)値を計算することを含む、態様78〜90のいずれか一つの方法。
92.
Ctスコアが最大Ct値を上回る場合、ウイルスRNAのレベルまたはウイルス遺伝子の発現は第1参照値を下回る、態様91の方法。
VII.実施例
以下の実施例は、説明の目的のためにのみ含まれ、本発明の範囲を限定するようには意図されない。
実施例1:ウイルスRNA標的、例えばGaLV envおよび/またはMMLV gagを示すパラメータのレベルを評価する例示的なアッセイ
この実施例は、生物学的サンプル中の複製可能レトロウイルス(RCR)の現にあるもしくは潜在的な存在もしくはリスクおよび/またはウイルスRNAの存在、非存在、レベル、もしくは他の読み出しを示す、試験サンプル中の1つまたは複数のパラメータのレベルを評価するための例示的な方法を記載する。生物学的サンプルは、異種、外因性、および/または組換え核酸および/またはタンパク質のような、異種遺伝子産物の全部または一部をコードする異種核酸または核酸を含む細胞のような、少なくとも1つの細胞を通常含む。そのような細胞は、いくつかの局面において、形質導入によるような、通常、レトロウイルスベクター、レトロウイルスベクター粒子、またはレトロウイルスによってコードされるかつ/またはこれらの中に含有される、核酸または他の生体分子の導入へ供されたことがある。試験サンプルは通常、RNA、またはそれから生成される産物、例えばcDNAを含み、該RNAは、異種遺伝子産物を含むウイルスベクター粒子で形質導入が行われた細胞のような、生物学的サンプル中の細胞から単離されたかまたは細胞中に存在した。生物学的サンプル中の細胞は、哺乳動物細胞、例えばヒト細胞であり得る。
本方法の一局面において、パラメータの検出は、試験サンプルまたは生物学的サンプルのいずれか中の、GaLV env RNAまたはそれから転写されるもしくはコードされる核酸、または、例えば、そのようなRNAと逆にまたは正に相関する、サロゲートであるパラメータの、存在もしくは非存在または量もしくは相対量であるかまたはこれらを含む。いくつかの局面において、そのようなパラメータのレベルは、サンプル中のRCRの、可能性、リスク、存在、または非存在の決定のためのマーカーとして役立つ。通常、GaLV env遺伝子は、複製可能レトロウイルス中に存在するウイルスエンベロープタンパク質をコードし、いくつかの局面において、複製可能ウイルスまたはその複製能力に必要とされるかまたは必要であるが、十分ではない。
本方法のいくつかの局面において、パラメータのレベルは、試験サンプルまたは生物学的サンプルのいずれか中の、MMLV gag RNA、またはそれから転写されるもしくはコードされる核酸もしくは他の産物、または、例えば、そのようなRNAと逆にまたは正に相関する、そのようなRNAまたは核酸についてのサロゲートであるパラメータの、存在もしくは非存在または量であるかまたはこれらを含む。いくつかの局面において、そのようなパラメータのレベルは、サンプル中のRCRの、可能性、リスク、存在、または非存在の決定のためのマーカーとして役立つ。通常、MMLV gag遺伝子は、ウイルスマトリックス、カプシドおよびヌクレオカプシドタンパク質を含むウイルスタンパク質をコードし、いくつかの局面において、複製可能ウイルスまたはその複製能力に必要とされるかまたは必要であるが、十分ではない。
いくつかの局面において、GaLV env RNAまたはMMLV gag RNAのような、1つまたは複数のウイルスRNAの各々のレベル、存在、量、濃度、非存在、または相対量もしくは濃度は、試験サンプル中の対応のパラメータのレベルによって示されるかまたは決定され、ここで、パラメータは、例えば試験サンプルおよび/または生物学的サンプル中の、それぞれのRNAのレベル、存在、量、濃度、非存在、または相対量もしくは濃度と逆にまたは正に相関する。
通常、RCRを抱える形質導入細胞は、複製可能ウイルスに必要なもののような、感染性ウイルス粒子の産生に必要な様々なウイルス遺伝子を転写し得る。通常、そのような遺伝子(および/または十分な数または群のそのような遺伝子)は、異種または組換え分子がウイルスベクターを使用して挿入された形質導入細胞中に存在する異種またはウイルス由来核酸中には存在しない。そのような遺伝子としては、envおよびgag遺伝子、例えば、GaLV envおよび/またはMMLV gagが挙げられ得る。
例示的なアッセイ(これは、実施例2、4、または6に記載されるように、試験サンプルまたは対照サンプルを含む、特定のサンプル中のRCRの非存在を評価または確認するために行った)は、1つまたは複数の試験サンプルに対して行われる。試験サンプルは、それぞれ、生物学的サンプルから単離されたかつ/またはそれに起因するRNAを含有する1つまたは複数の試験サンプルを含む。生物学的サンプルの中には、複製可能ウイルスの非存在を確認することが望ましい、細胞療法または投与用に製剤化されるような、ヒト細胞または哺乳動物細胞のような、1つまたは複数の細胞を含有するものが一般にあり;また、生物学的サンプルまたは参照試験サンプルの中には、アッセイにおいて評価される、ウイルスRNAおよび/対照核酸のある参照量を含有するかまたは含有しないことが既知のものがあり得る。そのようなサンプルの組み合わせは、スパイクインサンプルにおけるような、アッセイにおいて生物学的サンプルまたは試験サンプルとして使用され得る。
実施例4または6に記載される研究におけるもののような、ある適用において、評価される生物学的サンプルは、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする異種核酸を有するレトロウイルスベクターを使用して形質導入された細胞を含有し;アッセイにおいて使用されるサンプルはまた通常、1つまたは複数の対照サンプル、例えば、対照生物学的サンプルおよび/または対照試験サンプルを含む。
1つまたは複数の生物学的サンプル、例えば、形質導入細胞を含むものは、1つまたは複数の試験サンプルを作製するために、任意で、解凍され、そしてRNAがサンプルから抽出される。試験サンプルは、三つ組または二つ組またはそれ以上で調製され得る。RNAは、逆転写によってcDNAを作製するために鋳型として使用される。
陰性対照および/または既知量の一方もしくは両方の標的/部分を含有するものを含む、対照サンプルが、並行して実行され得る。いくつかの局面において、対照RNAは、アクチンの少なくとも部分であるかまたはこれを含み、ウイルスRNAは、GaLV env RNAの全部もしくは部分および/またはMMLV gag RNAの全部もしくは部分を含む。そのような局面において、アクチンおよび/またはGaLV env(もしくはMMLV gag)に特異的なプライマーおよび加水分解プローブが、反応において使用され;いくつかの場合において、標的および対照RNAの両方を含有するデュアル構築物が対照サンプル中へスパイクインされるもののように、対照および標的RNAの両方に特異的なプライマー/プローブが、同じ反応中に含まれるかまたは多重化される。例示的なアクチンおよびGaLV envプライマーおよびプローブを表1に示す。
(表1)例示的なアクチンおよびenvプライマーおよびプローブ配列
Figure 2019521695
いくつかの態様において、例えば、ここで、多重化リアルタイムPCRアッセイが、例えば、アクチン(対照として)ならびにMMLV gagおよび/またはRNA配列について使用される。例示的なアクチン(HuActin)およびMMLV gag (gag)順方向(F)および逆方向(R)プライマーおよび加水分解プローブの配列を表2に示す。
(表2)例示的なアクチンおよびMMLV gagプライマーおよびプローブ配列
Figure 2019521695
対照サンプル、例えば対照試験サンプル、例えばプラスミド標準対照が、アッセイのPCR増幅部分についての対照として使用される。一例において、対照サンプルは、細胞を含有し、かつ、既知の数量または濃度(例えば、参照値)の標準、例えば、既知の数量/濃度/量の、ウイルスRNAもしくはその部分、対照RNAもしくはその部分を、例えば、任意で両方ともが同じ構築物上にある、プラスミド標準対照の形態で、さらに含有する(例えば、これらでスパイクされた)サンプルを含む。いくつかの例において、対照(またはアッセイを較正するために使用されるサンプル)は、既知の数または相対数の標的陽性細胞(例えば、総数の細胞当たりの標的+の細胞)を有するサンプルを含む。
プラスミド標準対照が使用されるいくつかの状況において、プラスミドは、改善された対照について、同じ構築物上に陽性および陰性対照核酸を含む。本方法の複数の局面において、プラスミド標準対照はpActin-GaLVgag構築物(SEQ ID NO: 34)を含む。本方法の複数の局面において、プラスミド標準対照はpActin-MMLVgag構築物(SEQ ID NO: 30)を含む。
一例において、アッセイにおいて使用される既知の量または濃度は、経験的に、例えば、特定のプラスミド標準についてアッセイの感度および/または特異性を決定するための研究を行うことによって、決定される。一つのそのような例において、1反応当たり106〜101コピーの範囲内のような、様々な濃度または量を含む、プラスミド標準対照サンプル希釈系列が使用される。7μL当たり106〜101コピーのプラスミド標準対照サンプル希釈系列が使用される。
水およびPCR試薬のみを含有する鋳型を含まない対照は、例えばPCR試薬のうちの1つまたは複数の、潜在的な汚染および/または汚染状態についての情報を提供するために使用される。逆転写酵素(RT) を含まない対照は、RNA鋳型の純度を評価するために、ならびに、汚染DNAの非存在を立証もしくは確認するためにおよび/または潜在的な汚染DNAを検出するために、使用される。
標的ウイルス遺伝子を発現しない、例えばGaLV envを発現しない、細胞株由来のRNAが、陰性対照として使用される。陰性対照は、試験サンプルと比較して、例えば総RNAおよび/または細胞の、同様の濃度または量で使用される。
陽性対照は、例示的な検出限界のような、参照値に基づいて、アッセイについて確立され、これは、いくつかの局面において、経験的に、例えば、所望の信頼区間を選択し、一連の既知数量のGaLV env RNAを有するサンプルを評価することによって、決定される。
いくつかの態様において、陽性対照として、GaLV env (例えば、293Vec-GaLV)を発現しないような、標的ウイルス遺伝子を発現する細胞株由来のRNAが、アッセイの検出の例示的な限界またはレベルであるかほぼこれらであるかまたはこれらを僅かに上回る数量で使用される。実施例2で行われたアッセイにおいて、陽性対照は0.75 pgのGaLV RNAを含有した。この陽性対照のRNAレベルは、試験サンプルとの比較についての参照値として使用される。
アクチンの検出は、アッセイの各ウェルにおいて、標的ウイルス遺伝子、例えばGaLV envの検出と多重化される。このパラメータはRNA品質を制御する。各ウェル中のアクチンの存在は、RNAが存在し、かつ、逆転写およびPCR増幅を受けることができるために十分な品質のものであることを確認する。アクチンは、いくつかの局面において、陽性対照反応において評価されず、何故ならば、それは典型的に検出可能でない場合があるためである。
いくつかの例示的な方法において、異種遺伝子産物を含むウイルスベクター粒子で形質導入が行われなかった患者が一致する材料由来のRNAが、RNA単離手順中の汚染についての対照として使用される。
試験サンプルについて、10 x 106個の細胞から単離されたRNAは、1ウェル当たり7μLが使用されて、試験される。例示的な方法において、各対照および試験サンプルは、96-ウェルフォーマット中の1つまたは複数のウェルへ割り当てられる。対照および試験サンプルは三つ組で実行される。サンプルは、アクチンならびにGaLV env順方向および逆方向プライマー、加水分解プローブ、ならびにRNA UltraSenseワンステップ定量的RT-PCR酵素ミックスおよびRNA UltraSenseワンステップ定量的RT-PCR 5X反応ミックス(ThermoFisher Scientific)によって提供されるRT-PCRを行うための成分と混合される。
いくつかの局面において、アッセイは、市販のワンステップ定量的RT-PCRシステムを使用して行われる。多重化リアルタイムPCRアッセイは、40サイクルについて実行され得る。通常、アンプリコン作製で生じるプローブ加水分解は、蛍光分子を放出し、これはリアルタイムPCR機で検出される。閾値レベルが設定され、閾値サイクル(Ct)値はアッセイの各ウェルについて取得される。反復実験のCt値は平均される。
アッセイは、いくつかの局面において、一定の基準に基づいて特定の使用について適切かつ/または妥当と見なされる。いくつかの局面において、鋳型対照は、あらゆるウェルにおいて全くまたはほとんどCt値を有さないことが望ましい。プラスミド標準パラメータは、いくつかの局面において、使用される検出の方法について適切な範囲内にある。非形質導入陰性対照は、いくつかの局面において、あらゆるウェルにおいてCt値を有さず、適切なRNA品質を示す適切なA260/280値を有するべきである。試験サンプルは通常、同様に、適切なA260/280値(例えば、2〜2.1(両端を含む))、アクチンについての適切なCt値、および特定のアッセイについて望まれるような他の対照パラメータを有するべきである。
特定の条件を有する仮想サンプルに対して行われたアッセイについての仮想結果が下記に列挙され、複製可能ウイルスを含有した生物学的サンプルに起因する試験サンプルを評価するために方法が使用された場合に取得され得る結果を示す。この実施例において、アクチンおよびGaLV envアンプリコンがリアルタイムPCRによって検出され、試験サンプルについての結果は、そのような試験サンプルについて検出または決定されたパラメータのレベル(例えば、Ct値またはΔCt値またはΔΔCt値)と、対応の参照値、例えば、既知数量の標的RNAを有する(例えば1.5、1、または0.75または0.5 pgのGaLV env RNAを含有する)陽性対照について決定されたそのようなパラメータについての対応のレベル(例えば、Ct値またはΔCt値またはΔΔCt値)との比較に基づいて、「RCR関連RNA検出」または「RCR関連RNA不検出」と報告される。例えば、いくつかの態様において、試験サンプルについてのウェル中のCt値(または反復実験の平均値)が陽性対照(既知のまたは前もって決定された数量のGaLV env RNAを含有する)について決定されたCt値よりも大きいと見なされる場合、GaLV env RNAは、試験サンプルであるかまたは試験サンプルが起因する対応の生物学的サンプル中に存在しないと見なしてよく、通常、そのような試験サンプルは「RCR関連RNA不検出」と判定される。いくつかの例において、試験サンプルが「RCR関連RNA検出」または「RCR関連RNA不検出」と判定されるかどうかは、例えば、陰性対照サンプル(例えば、関心対象のウイルス粒子または複製性ウイルスへ曝露されたことがないことが既知のもの)について取得されたCt値またはデルタCT値と、所定の試験サンプルについて取得されたCt値またはデルタCT値との差(デルタ)の程度に基づく、デルタCt値またはデルタデルタCt値の比較に基づいて決定される。いくつかの局面において、アッセイについての閾値レベル(例えば、それを上回るかまたは下回るかで、試験サンプルが、陽性もしくは陰性と見なされる、かつ/または、RCR関連RNA含有と見なされるもしくは見なされないレベル)は、アッセイについての検出限界(LOD)でまたはほぼ検出限界で問題のウイルスRNAを含有することが既知のもののような、陽性対照サンプルについてのそのような差またはデルタの程度として表現される。例えば、閾値は、そのような陽性対照サンプルについてのCt値またはデルタCT値と陰性対照サンプルについてのCt値またはデルタCT値との差(またはデルタ)に設定され得るか、または閾値は、その倍数のような、そのような対照差またはデルタと相対的なある点に設定され得る。
いくつかの態様において、陽性対照(例えば、検出限界(LOD)でまたはほぼ検出限界(LOD)でウイルスRNAを含有することが既知のもの)についてのCt値と、陰性対照サンプル(例えば、異種遺伝子産物を含むウイルスベクター粒子または複製性ウイルスへ曝露されたことがないことが既知のサンプル(または該サンプルに起因するサンプル))についてのCt値との差が、決定され;いくつかの局面において、そのような差、またはその倍数もしくは倍-差が、閾値と設定される。いくつかの例において、所定の試験サンプルおよび/または各試験サンプルについて、試験サンプルについてのCt値と、陰性対照サンプル(例えば、異種遺伝子産物を含むウイルスベクター粒子または複製性ウイルスへ曝露されたことがないことが既知のサンプル(または該サンプルに起因するサンプル))についてのCt値との差が、決定され、いくつかの局面において、そのような閾値と比較される。いくつかの例において、そのような差が閾値であるか閾値を下回る場合、所定の試験サンプルは「RCR関連RNA検出」と見なされる。
いくつかの例において、試験サンプルについてのウェル中のCt値(または反復実験の平均値)が陽性対照(既知数量のGaLV env RNAを含有する)について決定されたCt値よりも小さいと決定される場合、(または、試験サンプルについてのCt値またはデルタCt値と陰性対照についてのCt値またはデルタCt値との差 − またはデルタが、陽性対照についてのCtまたはデルタCt(例えば、LODでまたはほぼLODでウイルスRNAを有するサンプルについてのCtまたはデルタCt)と、陰性対照についてのCtまたはデルタCt値との差であるかこれに対応する閾値であるかまたはこれを上回る場合)、ウイルスRNAは、試験サンプルおよび/または生物学的サンプル中に潜在的に存在するかまたは存在すると見なされ得、そして、この例示的なアッセイにおいて、そのような試験サンプルは「RCR関連RNA検出」と判定され、これは、いくつかの局面において、RCRまたは潜在的なRCRの存在のリスクを示し得る。
いくつかのそのような局面において、本方法は、同様のしかし異なるRCR関連RNA(例えばMMLV gag)へ向けられたアッセイを行うかまたはアッセイについての結果を分析することのような、さらなるアッセイをさらに含むだろう。
実施例2:テナガザル白血病ウイルス(GaLV)エンベロープ(env)をコードする遺伝子を検出するための逆転写酵素-PCR (RT-PCR)アッセイの設計
実施例1に記載されるようなアッセイを行うために、アッセイを設計し、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)エンベロープ(env)をコードする遺伝子を検出した。GaLV envを標的として選択し、部分的に何故ならば、形質導入されたヒト細胞組成物中のその存在は、内因性のウイルス配列の存在ではなく、形質導入に基づく組換え事象を示すことができるためであった。
1.プライマー/プローブセット
GaLV env配列およびヒトベータアクチン配列の断片を含有するように、陽性増殖対照プラスミドを作製し、RT-PCRにおける使用のための両方のプライマーおよびプローブセットについての鋳型を提供した。pActin-GaLVプラスミドの配列をSEQ ID NO:34に記載する。GaLV env配列の異なる領域にわたって増幅するように4つの候補プライマーおよびプローブセットを設計し、2つの候補プライマーおよびプローブセットもアクチン断片標的の周りに設計した。定量的逆転写酵素-PCR(RT-PCR)を、RTおよびTAQポリメラーゼの存在下で行った。RT-PCRに使用した増幅条件を表3に記載する。
(表3)PCRサイクル
Figure 2019521695
プライマー/プローブセットを、鋳型を含まない対照(陰性対照)、および鋳型としてのpActin-GaLVプラスミドの希釈系列を使用して、最初に試験した。さらに、GaLVエンベロープおよびMMLV gag/polを安定発現する、293 Vec-GaLVウイルスパッケージング細胞株(BioVec)から単離されたRNAを、逆転写反応およびPCR増幅段階についての陽性対照として使用した。さらなる対照として、個々の対象の白血球アフェレーシスサンプルからのCD4+およびCD8+ T細胞の免疫親和性ベースの選択、続いて、単離された細胞の凍結保存を含んだプロセスによって作製された、解凍された凍結保存細胞組成物(凍結保存材料、CMAT)からのRNAを使用した。ウイルスベクターでの形質導入を受けておらず、従ってウイルスストックへ曝露されたことがない、CMATサンプルは、アクチンプライマー/プローブセットについての陽性対照として使用したが、GaLV envプライマー/プローブセットについての増幅シグナルを生じないはずである。
上位2つのGaLV envプライマープローブセットを、表4に示される標準曲線パフォーマンスパラメータについての受け入れ基準に基づいて選択した。
(表4)受け入れ基準
Figure 2019521695
プライマー/プローブセットを、次いで、個々に試験し、そして組み合わせ、選択されたGaLV envおよびアクチンプライマー/プローブ対合間の多重化が標的検出に対する増幅パフォーマンスに影響を与えないことを立証した。表1に記載される例示的なGaLV envおよびアクチンプライマー/プローブ対を、その後のアッセイ開発のために選択および使用した。
2.RNA単離およびサンプル品質
最小限のDNA汚染を伴う高品質RNA鋳型の単離を得るために、異なる方法論を比較した。上述の通りに作製されたCMATサンプルから、RNAを単離した。RNA鋳型に由来するシグナルと汚染DNA鋳型に由来するシグナルとを区別するために、RT-PCRを逆転写酵素有り(+RT)および逆転写酵素無し(-RT)で(各場合においてTaqポリメラーゼの存在下で)行った。
アクチン鋳型についての増幅シグナルをサンプル間で比較した。低サイクルでの高レベルの増幅は、サンプル中に存在する高濃度の鋳型を示す。
RNAサンプルの純度に関する例示的な基準として、≧2.0の例示的な閾値(分光光度計において測定されるA260/A280比率について)を設定し;閾値をまた、ハウスキーピング遺伝子であるアクチンを標的とするプライマー/プローブセットの包含に基づいて設定した。GaLV env標的の存在についてのアッセイにおいて評価されるRNAサンプルの濃度および品質に関する、サイクル数(CT)最大閾値を設定した。さらに、例えば、反復実験全体の一貫性を確認するために、反復実験間のアクチンCT値についての標準偏差についての最小値も設定した。逆転写酵素(RT)を含まない対照(DNA汚染の存在を示す)についてのシグナルについての閾値も設定した。逆転写酵素有り(+RT)および無し(-RT)でのサイクル数の差についての例示的な閾値最小レベルを≧13.2に設定した。表5は、RNAサンプル閾値レベルを要約する。
(表5)RNAサンプル基準
Figure 2019521695
細胞性対照を選択し、各アッセイに含め、RNA単離手順の適切なパフォーマンスを確実にした。いくつかの態様において、アッセイにわたって含めるための例示的な細胞性対照は、液体窒素中のシングルユースアリコートとして保存された同じ細胞組成物のアリコートであり、ここで、各アッセイにおいて、RNAを同じ数の細胞、例えば5 x 106個の細胞から単離した。いくつかの局面において、閾値をそのような対照について設定する。RNA対照についての例示的な基準は、予想されるRNA濃度の平均値(例えば、複数のアリコートから決定される)± 4 標準偏差であった。
3.RT-PCRによるGaLV env RNAの検出
GaLV env RT-PCRアッセイを、293Vec-GaLV細胞株またはpActin-GaLVプラスミド陽性対照から単離されたRNAに対して行った。GaLV envパッケージングエレメントをコードするプラスミドを使用して産生されたガンマレトロウイルスベクターで形質導入された、凍結保存された細胞組成物(CCC)から、RNAをまた得た。例示的な特異性、線形性、レンジマトリックス干渉(range matrix interference)、精度、ならびにサンプルおよびプラスミド対照安定性を含む、様々なパラメータをこの研究においてアッセイについて評価した。
pActin-GaLVプラスミド鋳型に対するGaLVまたはアクチンプライマー/プローブでのシングルプレックスRT-PCRから作製されたアンプリコンを、配列決定し、これらは、予測されたGaLVおよびアクチン配列と100%同一であった。293Vec-GaLV細胞またはCMAT対照由来のクローンにおいて、配列決定されたアンプリコンのおよそ11% (1/9)が、恐らく逆転写酵素エラーに起因して、それぞれ、予測されたGaLVまたはアクチン配列に対する一塩基対ミスマッチを含有した。
pActin-GaLVプラスミド標準での希釈系列で行われたRT-PCRにおいて、アッセイは、1反応当たりわずか10コピーを定量化することができ;そのコピー数であるかまたはこれを上回る標的の検出が、標準偏差≦1.5で、この限界を満たすウェルの100%において観察された。線形範囲の検出が、1反応当たり10コピーを除いて、ウェルの100%における検出および≦0.5の標準偏差を伴って、101〜106コピー/μLで観察された。
別のシリーズの実験において、RT-PCRを、293Vec-GaLV細胞株から単離されたRNAの希釈系列に対して行った。少なくとも0.5〜0.75 pg GalV+ RNAを有する陽性サンプルの95%超が、アッセイにおいて陽性と検出された。別のシリーズの実験において、293Vec-GaLV細胞株から単離されたRNAの希釈系列を、CCCサンプルから単離されたRNA中へスパイクした。10x106 CCC細胞中へスパイクされたわずか10個のGALV+細胞(0.001%)が、ウェルの100%における検出および陽性対照のCT値以下のCT値で、アッセイにおいて検出可能であった。
アッセイにおけるRNAの安定性を評価するために、293 Vec-GaLV細胞をCCCサンプル中へスパイクし、サンプルを室温で0、2、6または25時間インキュベートし、次いで、RNAを単離した。標準方法を使用してRNAインテグリティナンバー(RIN)についてRNAを分析し、A260/A280および分解を評価した。時間経過研究は、RNAが室温で25時間まで安定したままであったことを確認した(例えば、これは、例えば試料取り扱いにおけるオペレーター可変性の主な原因となるために、ある設定において望ましい場合がある)。依然として高品質のRNAが25時間まで観察された一方、RNA濃度の減少が25時間の時点で観察されたが、より早い時点は匹敵していた。RINは、25時間の時点で10から9へ減少しただけであった。GaLV検出は、室温での時間経過にわたって安定していると決定され、一方、アクチン検出は、室温での時間経過にわたって減少した。
これらの結果は、GaLV RT-PCRアッセイは、1000万個のCCC細胞のマトリックスにおいて10個のスパイクインされたGaLV陽性細胞を検出することができ、また十分にロバストであり、その結果、GaLVシグナルが、室温で25時間まで放置された、ストレスをかけられたサンプル中で依然として検出可能のままであったことを実証した。これらの研究において、許容レベルのアッセイ間およびアッセイ内可変性が観察された。
実施例3:GaLV envおよびMMLV gagデュアル標的アッセイでのサンプル中の複製可能レトロウイルスを示すかまたはこれと関連するかまたはこれに必要なウイルスRNA標的の評価
例示的なデュアル標的法が、いくつかの態様において、形質導入細胞または他の細胞中の複製可能レトロウイルス(RCR)の非存在または存在を評価するために使用される。アッセイは、実質的に実施例1に記載される通りに行われ、ここで、評価される標的RNAは、GaLV env RNAおよびMMLV gag RNAを含み、各々は、それぞれのウイルスRNA-アクチンプラスミド標準の各々の使用と共に、試験サンプルにおいて評価され、その結果、同じ対照RNAが各アッセイにおいて使用され、これは、改善された対照を提供し得る。RCRのリスクは、いくつかの局面において、GaLV envおよびMMLV gag RNAの両方がサンプル中に存在するかまたは参照量を上回ると方法によって決定される場合にのみ、生物学的サンプルにおいて判定される。いくつかの局面において、RNAのうちの一方が存在するかまたは参照を上回るという決定には、サンプルを陰性と確認する前にさらなるアッセイが続く。
実施例4:GaLV env標的アッセイでのサンプル中の複製可能レトロウイルスを示すかまたはこれと関連するかまたはこれに必要なウイルスRNA標的の評価
レトロウイルスベクターで形質導入されそしてプロセシングされたT細胞を、RCR関連RNAの非存在を確認する方法によって評価した。サンプルを調製し、RT-PCRベースのRCR検出方法を、実質的に実施例1に記載される通りに行った。簡潔には、形質導入細胞を含む生物学的サンプルから、三つ組でRNAを単離した。結果として生じたRNA含有試験サンプルを、A260/280測定を使用してRNA品質について分析し、分光光度計ならびに「逆転写酵素を含まない」対照PCRを使用して汚染DNAについて試験した。全てのサンプルが、機能的に99.999%純粋なRNAを有すると決定された。アッセイに使用されたRNA鋳型の線形性を、-GaLV細胞株由来の陽性対照RNA(GaLV envについて)および形質導入細胞のサンプル(アクチンについて)を使用して有効にした。
1反応当たり既知数量(例えば、およそ0.75 pg)プラスミド対照(pActin-GaLV; SEQ ID NO: 34)でスパイクされた形質導入細胞に起因するRNAを有するサンプルを使用して、評価されるパラメータの参照値を決定した。
スパイクされていない形質導入細胞RNAサンプル(三つ組で、3つのサンプル)を、実質的に実施例2に記載される通りのGaLV/アクチンRT-PCR方法を使用して、スパイクされたサンプルと並行して評価した。形質導入細胞を含有する生物学的サンプル由来のRNAを含有する試験サンプルの各々において、観察されたCt値は、生物学的サンプル中の標的RNAの非存在を示し、従って、評価された形質導入細胞サンプルのいずれもRCR陽性と決定されなかった。サンプルの全てがアクチンについて陽性と試験結果が出た。陽性対照細胞由来サンプルについての結果はアッセイの感度および機能を確認した。
実施例5:プロセス中の試験
例示的なプロセスにおいて、異種遺伝子産物をコードするウイルスベクター粒子で形質導入することによって細胞を操作するためのプロダクト製造プロセスの全体にわたる複数の段階で、RCRについての試験を行う。細胞を操作するための例示的な方法において、白血球アフェレーシスを行い、末梢血単核細胞(PBMC)を採取し、細胞を洗浄し、そしてT細胞を免疫親和性ベースの富化によってさらに富化する。任意で、単離された細胞を、凍結保存し、その後、解凍する。細胞、例えば、解凍された細胞を、抗-CD3/-CD28ビーズの存在下で培養し、続いて、異種遺伝子産物(例えばキメラ抗原受容体(CAR))をコードするGaLV-シュードタイプ化レトロウイルスベクターで形質導入する。形質導入後、細胞を、最大10日間のような、ある期間の間の培養において増大させる。任意で、形質導入細胞を凍結保存によって凍結させる。増大および形質導入された細胞(これは任意で解凍される)を、対象への投与のためにさらに製剤化する。
上記実施例に記載されるような、アッセイを、例えば、1つまたは複数の以下の生物学的サンプルを評価するために行う:単離されたウイルスベクター粒子、ベクター上澄み、ベクター産生細胞についてのマスター・セル・バンク、エンド・オブ・プロダクション細胞(EOPC)、最終ベクター-形質導入細胞(エクスビボ増大の様々な期間中のかつ/またはエクスビボ増大の期間を受ける細胞を含む)、凍結保存材料(CMAT)、凍結保存薬物製品(CDP)、および製剤化薬物製品(FDP)。さらに、生物学的サンプルはまた、製剤化薬物製品の投与後の対象に起因するサンプルを含み得る。実施例1〜3のうちのいずれか1つまたは複数のアッセイを使用し、プロダクト製造プロセスの様々な段階で形質導入細胞を含むサンプル中のRCRを検出する。
実施例6:モデルウイルスがスパイクされたT細胞中の複製可能ウイルスの検出
実施例1、2および4に記載されるRT-PCRベースの方法を使用し、様々な数の感染単位で複製性野生型GaLVがスパイクされそしてインビトロプロセスへ供されたT細胞サンプルから取得された試験サンプル中のGaLVウイルスRNAの存在または非存在を検出した。3人の異なるヒト対象からのヒト末梢血単核細胞(PBMC)の白血球アフェレーシスからの免疫親和性ベースの富化によって、CD3+ T細胞を単離した。各対象由来の単離されたT細胞を、次いで凍結保存した。
最初の研究を行い、CD3+ T細胞の培養および増大を伴うエクスビボプロセス中の、異なる既知の少量のスパイクインされた複製可能レトロウイルスによる複製の程度または非存在を評価した。単離されたT細胞を、解凍し、抗-CD3/抗-CD28ビーズで活性化し、0、10、100、または1000感染単位(IU)での野生型GaLV複製性ウイルスの添加によってスパイクし、そして37℃で10日間増大させた。陽性対照として、同じIUのウイルスがスパイクされた許容HEK293細胞を含有するサンプルを、並行して培養した。
最初の実験において、上澄みを、培養の開始後第4日および第10日で収集し、標準技術に従ってPG4 S+Lインジケータ細胞株を使用してウイルス力価について評価した。試験サンプルについて、最高量(IU)のウイルス(1000感染単位(IU))が培養物中へスパイクされた場合にのみ、標準PG4 S+Lインジケータ細胞株プラークアッセイによって検出されたように第10日に複製性ウイルスが観察された。許容HEK293細胞が同じウイルス用量でスパイクされた対照サンプルにおいて、複製性ウイルスが、スパイクイン量の各々について上澄み中に検出されると観察され、PG4 S+Lインジケータ細胞株プラークアッセイを使用して決定され、各量のウイルスの添加後にウイルス複製を検出するアッセイの能力をさらに確認した。
同様の条件を研究において使用し、エクスビボT細胞培養プロセスにおけるサンプル中の低レベルの複製性ウイルスを検出する、例示的な提供されるRT-PCRベースのRCRアッセイの能力を確認するために行った。プロセス中に、いくつかのサンプルの細胞に、遺伝子産物をコードするGaLV-シュードタイプ化ウイルスベクター粒子(ベクター)を使用して異種遺伝子産物で形質導入を行ったことを除いて、上述の通りに、単離されたT細胞を、解凍し、抗-CD3/抗-CD28ビーズで活性化し、様々な量の野生型GaLV複製性ウイルスでスパイクしたかまたはスパイクしなかった。細胞を37℃で10日間の期間にわたって培養した。増大された培養物からの上澄みを第4、7および10日に収集し、上述の通りに、PG4 S+Lインジケータ細胞株を使用してウイルス力価について評価した。さらに、RNAを、増大されたT細胞から第4、7および10日に採取し、envをコードするGaLVウイルスRNAについて本質的に実施例2において記載された通りに、例示的なRT-PCRアッセイを使用して、複製性ウイルスを示すウイルスRNAの存在について評価した。RT-PCRアッセイにおいて、アッセイRNA陽性対照のCT値から個々のRNAサンプルについてのGaLV CT値を引くことにより、デルタCT値を計算することによって、アッセイ結果を標準化した。比較として、T細胞を第4、7および10日に採取し、T細胞を増幅期間の間HEK293許容細胞株と共培養し、続いて、PG4 S+Lインジケータ細胞株を使用して共培養細胞の上澄み中のウイルスの存在または非存在を検出することによって、RCR共培養アッセイを行った。
標準共培養プラークアッセイと比較して同じまたはより高い感度で、アッセイが低レベルの複製性ウイルスを検出することができることを、研究は実証した。各条件の3つの異なるランについての結果を表6に示す。PG4S+L-回収力価(harvest titer)を含め、PG4 S+L- インジケータ株のみが、高レベルのGaLVウイルス(1000 IU)がスパイクされたいくつかの非増幅サンプル中のRCRを検出することができることを強調する。示されるように、複製可能GaLVウイルスのスパイクイン後のサンプル中の、複製性スパイクインウイルスの存在が、例示的な提供されるRT-PCRアッセイおよび共培養法の両方を使用して、培養開始後7および10日で収集されたサンプル中で検出可能であった。第4日で収集されたサンプルにおいて、そのような複製性ウイルス(複製可能GaLVがスパイクされたサンプル中)の証拠が、共培養アッセイを使用してはそのような複製が検出されなかった場合でさえ、RT-PCR法を使用しては検出することができた。
(表6)RCR共培養アッセイ結果と対応のサンプルについてのRT-PCR結果との比較
Figure 2019521695
Figure 2019521695
TNTC = 測定不能多数
表6に示されるように、RCR共培養アッセイおよびRT-PCRアッセイについての結果を、4つのランについては影が付けられていることを除いて、並べた。RT-PCRアッセイは、ランのうちの1つにおいて第4日に、10 IUのGaLVウイルスがスパイクされたサンプルにおいてGaLVウイルスRNAを検出したが、第7日および第10日には検出せず、一方、これらのサンプルについてのRCR共培養アッセイは、いずれの時点でもGaLV RNAを検出しなかった。理論によって拘束されることを望まないが、第4日での陽性結果は、複製しない低レベルのRCRまたはウイルススパイク由来の残存RNAのいずれかの検出を反映したという可能性がある。また、第7日および第10日での陰性結果は、細胞培養の培地供給中に生じたRT-PCRアッセイの検出閾値を下回るRCRまたはウイルスRNAの希釈物を反映したという可能性がある。
RT-PCRおよびRCR共培養アッセイはまた、ウイルスベクター(ベクター)をコードする遺伝子で形質導入が行われた、10 IUのGaLVウイルスがスパイクされたサンプルについて異なる結果をもたらした。RT-PCRアッセイは、第4日および第7日で陽性であったが、第10日は陽性でなく、一方、RCR共培養アッセイ推移は、第7日においてのみ陽性であった。理論によって拘束されることを望まないが、これらの結果は、サンプル中のRCRの最初の存在を反映し、これは、第10日までに検出可能であるほど十分に複製しなかったという可能性がある。さらに、第4日および第7日でのRCR共培養アッセイの一貫しない結果は、ウイルスがアッセイについての検出限界に近かったことを示したという可能性がある。これらの結果は、GaLV RT-PCRアッセイの感度についての知見を支持した。
100 IUのGaLVウイルスがスパイクされそしてウイルス遺伝子ベクターで形質導入が行われたサンプルにおいて、同様の結果が観察された。RT-PCRアッセイおよびRCR共培養アッセイは両方とも第4日にウイルスを検出したが、GaLV RT-PCRアッセイのみが第7日にGaLV RNAを検出した。いずれのアッセイも第10日にGaLV RNAを検出しなかった。10 IUのGaLVウイルスがスパイクされそして形質導入されたサンプルと同様に、最初のレベルのGaLVウイルスが、細胞培養増大によって、希釈を無効にするために十分に複製しなかったという可能性がある。第7日でのGaLV RNAの検出は、RT-PCRアッセイの増加した感度を支持した。
結果は、標準共培養アッセイと比較して同じまたはより高い感度で、エクスビボ培養へ供されたT細胞サンプル中に存在する複製可能レトロウイルスの存在を検出するRT-PCR法の能力を実証した。GaLVウイルスの検出のために多数週間増幅を伴う共培養アッセイとは対照的に、GaLV RT-PCRアッセイは、細胞組成物サンプルから直接、サンプル中のRCRの検出を達成することができた。
実施例7:VSV-Gおよび/またはrev gagなどのウイルスRNA標的を示すパラメータのレベルを評価する例示的なアッセイ
VSV-Gシュードタイプ化複製可能レンチウイルス(RCL)中に存在するVSV-Gおよびrevへ、ならびにベータ-アクチン(ACTB)対照へ向けられた、プライマーおよび標識プローブを、表7に示されるように設計した。プローブをFAMまたはHEX-色素標識のいずれかで標識し、Iowaブラック非蛍光性クエンチャーでクエンチした。
(表7)例示的なVSV-G、rev、およびアクチンプライマーおよびプローブ配列
Figure 2019521695
pol遺伝子、rev遺伝子およびVSV-G遺伝子を含有するベクター産生プラスミドに対して行われたRT-PCRランは、プライマーおよびプローブが標的遺伝子に選択的に結合し標的遺伝子を検出することができたことを立証した。標的RNAを発現する例示的な細胞株から抽出されたRNAに対するRT-PCRも評価し、これは、上記プライマーおよびプローブを使用しての標的遺伝子の検出を確認した。
表4に記載されるプライマーおよびプローブは、VSV-G発現レンチウイルスでの形質導入によって導入された異種核酸を含有する細胞組成物に対して行われるRT-PCRアッセイにおいて使用される。VSV-GおよびrevコーディングウイルスRNAの一方または両方が存在するかどうかを評価するために、RT-PCRアッセイを行う。
RNAを、細胞組成物から抽出し、相補的DNA(cDNA)へ変換し、従来の技術によって増幅する。例示的な方法において、RNAをQiagen RNeasy-Plus Mini Kitで抽出する。Multiplex RT-PCR反応を、表4に示されるVSV-Gおよび/またはrevならびにACTBについてのプライマーおよびプローブを用いて行う。各サンプル由来の単離RNAを、表4に示されるVSV-Gおよび/またはrevならびにACTBについての順方向および逆方向プライマーならびに加水分解プローブと混合し、RT-PCRを行うための成分を添加する。例示的な方法において、RT-PCRを行うための成分は、RNA UltraSenseワンステップ定量的RT-PCR酵素ミックスおよびRNA UltraSenseワンステップ定量的RT-PCR 5X反応ミックス(ThermoFisher Scientific)によって提供される。いくつかの場合において、VSV-GおよびrevについてのPCR反応を、同じPCRウェルにおいて多重で実行する。ACTBを検出するためのプライマーの包含を、RNAが存在することを確認しそしてRNA品質を立証するための対照として使用する。VSV-Gおよび/またはrevについてのプラスミドベースの標準曲線、VSV-Gおよび/またはrevならびにACTBについての細胞培養物ベースのRNA対照、鋳型を含まない対照、ならびに逆転写酵素を含まない対照反応のような、様々な対照がアッセイにおいて使用される。RT-PCR反応の結果は、検出可能レベルのVSV-Gおよび/またはrevが細胞組成物中に存在するかどうかを示す。
本発明は、開示される特定の態様に範囲が限定されるよう意図されておらず、特定の態様は、例えば本発明の様々な局面を説明するために提供される。記載される組成物および方法の様々な改変は、本明細書中の説明および教示から明らかとなるであろう。そのような変形は、本開示の真の範囲および精神から逸脱することなく実施することができ、本開示の範囲内に入るよう意図される。
配列
Figure 2019521695
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Claims (77)

  1. (a)試験サンプル中のパラメータのレベルを決定する工程であって、パラメータまたはレベルが、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、または量もしくは濃度を示すかまたはこれらと(任意で正にもしくは逆に)相関し、生物学的サンプルが、異種核酸および/または異種タンパク質をコードする核酸を含有する少なくとも1つの細胞を含む、工程
    を含む方法であって、
    生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、または量もしくは濃度が、生物学的サンプル中のまたは生物学的サンプルが起因するサンプル中の複製可能ウイルスの、存在もしくは非存在、またはリスクを示し;かつ/あるいは
    ウイルスRNAが、複製可能ウイルスの複製能力に必要であるか、またはこれに必要である遺伝子産物もしくはその特異的に識別可能な部分をコードする、
    方法。
  2. そのように決定された前記レベルに基づいて、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、濃度もしくは量、またはそのリスクを決定する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. (b)(a)で決定されたパラメータのレベルを、パラメータについての第1参照値と比較する工程
    をさらに含む、請求項1または請求項2記載の方法。
  4. 前記比較が、生物学的サンプルまたはそれに起因するサンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、濃度もしくは量、または前述のうちのいずれかのリスクを示す、請求項3記載の方法。
  5. 生物学的サンプルまたはその部分中の、ウイルスRNAの存在、非存在、または量もしくは濃度、または前述のうちのいずれかのリスクを決定する工程;ならびに/あるいは
    複製可能ウイルスが、生物学的サンプルもしくはその部分中に存在する(または潜在的に存在するかもしくは存在する可能性が高い)または存在するリスクがあるかどうかを決定する工程
    をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. (a)で決定されたパラメータのレベルが第1参照値であるかまたはこれを上回る場合、任意でその場合に限り、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を有する、存在を潜在的に有する、または存在についてのリスクがある、かつ/または、ウイルスRNAの存在または少なくとも閾値量を有すると見なされ、任意で、パラメータのレベルは、生物学的サンプル中のRNAの量と正に相関し;かつ/あるいは
    (a)で決定されたパラメータのレベルが第1参照値であるかまたはこれを下回る場合、任意でその場合に限り、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を有する、または存在についてのリスクがある、かつ/または、ウイルスRNAの存在または少なくとも閾値量を有すると見なされ、任意でパラメータのレベルは、生物学的サンプル中のウイルスRNAの量と逆に相関し;(a)で決定されたパラメータのレベルが第1参照値を下回る場合、任意でその場合に限り、生物学的サンプルおよび/または少なくとも1つの細胞のうちの1つもしくは複数は、RCR陰性と見なされ、または複製可能ウイルスの存在を有さない、または存在についてのリスクがない、または存在を潜在的に含有しないと見なされ、任意でパラメータのレベルは、生物学的サンプル中のRNAの量と正に相関し;かつ/あるいは
    (a)で決定されたパラメータのレベルが第1参照値を上回る場合、任意でその場合に限り、生物学的サンプルおよび/または少なくとも1つの細胞のうちの1つもしくは複数は、複製可能ウイルスの存在を有さないまたは存在についてのリスクがない、かつ/または、ウイルスRNAの存在または少なくとも閾値量を有さないと見なされ、任意でパラメータのレベルは、生物学的サンプル中のウイルスRNAの量と逆に相関する、
    請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 複製能に必要な別のウイルスRNAが生物学的サンプル中に存在するとたとえ決定されるとしても、生物学的サンプルが、陰性である、有さない、またはリスクがないとそのように見なされ;
    生物学的サンプル中の複製能に必要な別のウイルスRNAの量と正に相関する第2パラメータの、第2参照値であるかまたはこれを上回るレベルが、試験サンプルまたは生物学的サンプルに起因するかもしくは生物学的サンプル由来の核酸を含有する第2の試験サンプル中で、たとえ検出されるかまたは検出されたことがあるとしても、生物学的サンプルが、陰性である、有さない、またはリスクがないとそのように見なされ;かつ/あるいは
    複製能に必要な別のウイルスRNAの量と負に相関する第2パラメータの、第2参照値であるかまたはこれを下回るレベルが、試験サンプルまたは生物学的サンプルに起因するかもしくは生物学的サンプル由来の核酸を含有する別の試験サンプル中で、たとえ検出されるかまたは検出されたことがあるとしても、生物学的サンプルが、陰性である、有さない、またはリスクがないとそのように見なされる、
    請求項4記載の方法。
  8. 生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在が決定される場合(任意でその場合に限り)、および/または、任意で閾値量であるかもしくはこれを上回るウイルスRNAの量が、生物学的サンプル中にあると決定される場合(任意でその場合に限り)、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を有する、これを潜在的に有する、または存在についてのリスクがあると見なされ;
    生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在が決定される場合(任意でその場合に限り)、および/または、任意で閾値量であるかもしくはこれを上回るウイルスRNAの量が、生物学的サンプル中にあると決定される場合(任意でその場合に限り)、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を潜在的に有するまたは存在についてのリスクがあると見なされるが、リスクのさらなる表示なしでは、かつ/または、別のウイルスRNAを示す別のパラメータの評価なしでは、複製可能ウイルスの存在を含有するとは見なされず;かつ/あるいは
    生物学的サンプル中のウイルスRNAの非存在が決定される場合、および/または、任意で閾値量であるかもしくはこれを下回るウイルスRNAの量(または僅かその量)が、生物学的サンプル中にあると決定される場合、任意で、ウイルスの複製能力に必要な別のRNAの存在が生物学的サンプル中に存在するとたとえ決定されるとしても、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスの存在を有さない、存在を潜在的に有さない、かつ/または存在についてのリスクがないと見なされ;かつ/あるいは
    パラメータおよび/またはウイルスRNAが、試験サンプル中で検出不可能であるかもしくは検出されない、かつ/または、生物学的サンプル中に存在すると決定されない場合、生物学的サンプルは複製可能ウイルス陰性と見なされる、
    請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 第1参照値が、閾値レベルまたはそれに対応する最小検出可能レベルもしくは読み出しである値、またはほぼこれらである値、またはこれらを僅かに上回る値であり;
    第1参照値が、陽性対照サンプル中の、検出されたパラメータの値、および/または、RNAの量を示すパラメータの値であり;かつ/あるいは
    パラメータのレベルが、生物学的サンプル中のウイルスRNAの存在または非存在を示し;かつ/あるいは
    ウイルスRNAが、第1ウイルス遺伝子をコードする核酸を含み;かつ/あるいは
    異種核酸が、異種遺伝子産物をコードする、
    請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 試験サンプルにおいて評価されるパラメータが、
    ウイルスRNAの、またはそれから発現される産物の、またはRNAに対応するウイルス遺伝子から発現される産物の、任意で相対コピー数または相対重量である量または相対量であるかまたはこれらを含み、あるいは、
    ウイルスRNAの、またはそれから発現される産物の、またはRNAに対応するウイルス遺伝子から発現される産物の、濃度または相対濃度であるかまたはこれらを含む、
    請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 量が絶対量または相対量である、請求項10記載の方法。
  12. パラメータおよび/またはレベルが、
    任意でサイクル閾値(Ct)値であるサロゲートまたは相対値
    であるかまたはこれらを含む、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 試験サンプルについてのCT値が、参照Ctスコアである第1参照値を下回る場合、ウイルスRNAまたはその発現が、生物学的サンプル中または試験サンプル中に存在するかまたは存在するリスクがあると決定される、請求項12記載の方法。
  14. 試験サンプルが、生物学的サンプルもしくはその部分であるか、またはこれらに起因する、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
  15. (a)試験サンプル中の第1パラメータの第1レベルを決定または評価する工程であって、該第1レベルまたは第1パラメータが、第1ウイルスRNAの、および/または第1ウイルスRNAをコードする第1ウイルス遺伝子をコードする第1核酸の、生物学的サンプルにおける存在、非存在、量または濃度と(任意で正にもしくは逆に)相関する、工程;
    (b)任意で同じまたは異なる試験サンプルである試験サンプル中の第2パラメータの第2レベルを決定または評価する工程であって、該第2レベルまたは第2パラメータが、第1ウイルスRNAとは異なる第2ウイルスRNAの、および/または該第2ウイルスRNAをコードする第2かつ異なるウイルス遺伝子をコードする第2核酸の、生物学的サンプルにおける存在、非存在、量または濃度と(任意で正にもしくは逆に)相関する、工程
    を含む方法であって、
    少なくとも1つの細胞が、異種核酸、異種遺伝子産物、および/もしくは異種タンパク質をコードする核酸を含有し、かつ/または、ウイルスベクターで形質導入されており;
    生物学的サンプル中の、第1ウイルスRNAもしくは遺伝子または第2ウイルスRNAもしくは遺伝子の、存在、非存在、または量もしくは濃度、ならびに/または、第1および第2ウイルスRNAもしくは遺伝子の両方の存在、非存在、または量もしくは濃度は、生物学的サンプル中のまたは生物学的サンプルが起因するサンプル中の複製可能ウイルスの、存在もしくは非存在、またはリスクを示し;かつ/あるいは
    第1ウイルスRNA、第2ウイルスRNA、ならびに/または第1および第2ウイルスRNAの両方が、複製可能ウイルスの複製能力に必要であるか、またはこれに必要である遺伝子産物もしくはその特異的に識別可能な部分をコードする、方法。
  16. そのように決定された前記レベルに基づいて、生物学的サンプル中の第1および/または第2ウイルスRNAまたは遺伝子産物の存在、非存在、濃度もしくは量、またはそれらのリスクを決定する工程
    をさらに含む、請求項15または20記載の方法。
  17. (c)(a)および/または(b)で決定された第1および/または第2パラメータのレベルを第1および/または第2参照値と比較する工程であって、比較が、生物学的サンプルまたはそれに起因するサンプル中のウイルスRNAの存在、非存在、濃度もしくは量、または前述のうちのいずれかのリスクを任意で示す、工程
    をさらに含む、請求項16記載の方法。
  18. (c)生物学的サンプルまたはその部分中の、第1ウイルスRNAまたは発現の存在、非存在、または量もしくは濃度、または前述のうちのいずれかのリスクを決定し、かつ/または、生物学的サンプルまたはその部分中の、第2ウイルスRNAまたは発現の存在、非存在、または量もしくは濃度、または前述のうちのいずれかのリスクを決定する工程;ならびに/あるいは
    (d)任意で(c)での決定に基づいて、複製可能ウイルスが、生物学的サンプルもしくはその部分中に存在する(または潜在的に存在するかもしくは存在する可能性が高い)または存在するリスクがあるかどうかを決定する工程
    をさらに含む、請求項15〜17および20のいずれか一項記載の方法。
  19. ウイルスRNAがenv、gag、pol、もしくはrev由来であり、かつ/または、第1ウイルスRNAがenv、gag、pol、もしくはrev由来であり、かつ/または、第1ウイルス遺伝子がenv、gag、pol、もしくはrevであり;かつ/あるいは
    ウイルスRNAがenv、gag、pol、もしくはrev由来であり、かつ/または、第2ウイルスRNAがenv、gag、pol、もしくはrev由来であり、かつ/または、第2ウイルス遺伝子がenv、gag、pol、もしくはrevである、
    請求項1〜19のいずれか一項記載の方法。
  20. (a)生物学的サンプル中の第1ウイルスRNAの量または存在もしくは非存在を示すかまたはこれらと(任意で正にもしくは逆に)相関する、試験サンプル中の第1パラメータのレベルを評価し、かつ任意で同じまたは異なる試験サンプルである試験サンプル中の第2パラメータのレベルを評価する工程であって、第1ウイルスRNAが、env遺伝子である第1ウイルス遺伝子由来であり、第2ウイルスパラメータが、生物学的サンプル中の第2ウイルスRNAの存在、非存在、または量を示すかまたはこれらと(任意で正にもしくは逆に)相関し、第2ウイルスRNAが、gag、pol、およびrev遺伝子より選択される遺伝子由来であり、生物学的サンプルが、任意で異種遺伝子産物を含むウイルスベクター粒子で形質導入が行われた細胞を含み、かつ/または、異種遺伝子産物を有する細胞を含む、工程
    を含む方法であって、
    少なくとも1つの細胞が、異種核酸、異種遺伝子産物、および/もしくは異種タンパク質をコードする核酸を含有し、かつ/または、ウイルスベクターで形質導入されており;
    生物学的サンプル中の、第1ウイルスRNAもしくは遺伝子または第2ウイルスRNAもしくは遺伝子の存在、非存在、または量もしくは濃度、ならびに/または、第1および第2ウイルスRNAもしくは遺伝子の両方の存在、非存在、または量もしくは濃度は、生物学的サンプル中のまたは生物学的サンプルが起因するサンプル中の複製可能ウイルスの、存在もしくは非存在、またはリスクを示し;かつ/または、
    第1ウイルスRNA、第2ウイルスRNA、ならびに/または第1および第2ウイルスRNAの両方が、複製可能ウイルスの複製能力に必要であるか、またはこれに必要である遺伝子産物もしくはその特異的に識別可能な部分をコードする、方法。
  21. パラメータがウイルスRNAの存在または非存在である、請求項1〜20のいずれか一項記載の方法。
  22. 参照値、第1参照値、および/または第2参照値が、閾値レベルまたは最小検出可能レベルであるかまたはこれらに対応する、請求項1〜21のいずれか一項記載の方法。
  23. 参照値、第1参照値、および/または第2参照値が、陽性対照試験サンプル中のパラメータに対応するかまたはこれに関する値であり、該陽性対照試験サンプルが、既知量または既知濃度のウイルスRNA、第2ウイルスRNA、および/または第1ウイルスRNAを任意で含有する、請求項1〜22のいずれか一項記載の方法。
  24. 前記方法が、生物学的サンプル中の第1および第2ウイルスRNAの存在または閾値量を上回る量を決定する場合、ならびに任意で、前記方法が、第1および第2 RNAの両方ではなく一方について存在または閾値量を上回る量を決定することはない場合、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスを含有するかまたは含有するリスクがあるかまたは潜在的に含有すると見なされ;かつ/あるいは
    前記方法が、生物学的サンプル中の第1ウイルスRNA、または第2ウイルスRNA、ならびに/または第1および第2ウイルスRNAの両方の、非存在、検出可能な量の非存在、または閾値量を下回る量を決定する場合、生物学的サンプルは、複製可能ウイルスについて陰性である、またはこれを含有しない、またはこれを含有するもしくは潜在的に含有するリスクがないと見なされる、
    請求項15〜23のいずれか一項記載の方法。
  25. 第1および第2ウイルス遺伝子をコードするウイルスRNAのレベルが、試験サンプル中で検出不可能である、かつ/または、生物学的サンプル中に存在するともしくは閾値レベルを超えて存在すると決定されない場合、生物学的サンプルが複製可能ウイルス陰性と見なされる、請求項15〜24のいずれか一項記載の方法。
  26. 工程(a)の前に、生物学的サンプルもしくはそれ由来の部分または生物学的サンプルに起因するサンプルもしくはその部分から、RNAを単離する工程をさらに含み、
    RNAが少なくとも1つの細胞のうちの1つまたは複数由来のRNAを含有する、
    請求項1〜25のいずれか一項記載の方法。
  27. 複製可能ウイルスがレトロウイルスであるかまたはこれを含み、かつ/または、ウイルスRNAまたは第1および/もしくは第2ウイルスRNAがレトロウイルスによって発現される、請求項1〜26のいずれか一項記載の方法。
  28. レトロウイルスがガンマレトロウイルスである、請求項27記載の方法。
  29. レトロウイルスがレンチウイルスである、請求項27記載の方法。
  30. 生物学的サンプルがヒトまたは哺乳動物由来であり、かつ/または、1つまたは複数の細胞が、任意でヒトまたは哺乳動物細胞である初代細胞である、請求項1〜29のいずれか一項記載の方法。
  31. 1つもしくは複数の細胞および/または生物学的サンプルが、マスター・セル・バンク(MCB)、ワーキング・セル・バンク(WCB)、もしくは細胞株、またはそのサンプルに由来する、請求項1〜30のいずれか一項記載の方法。
  32. 少なくとも1つの細胞または生物学的サンプルが、凍結保存材料(CMAT)、凍結保存薬物製品(CDP)、もしくは自己細胞療法用の製剤化薬物製品(FDP)、またはそのサンプルであるかまたはこれらに由来する、請求項1〜30のいずれか一項記載の方法。
  33. 異種核酸または異種遺伝子産物が、組換え受容体、キメラ受容体、任意でキメラ抗原受容体、またはトランスジェニックT細胞受容体であるかまたはこれらをコードする、請求項1〜32のいずれか一項記載の方法。
  34. 決定または評価する工程が、ウイルスRNA、第1ウイルスRNAおよび/または第2ウイルスRNAの配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して行われる、請求項1〜33のいずれか一項記載の方法。
  35. 第2ウイルス遺伝子をコードするウイルスRNAのレベルが、第2ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して評価される、請求項15〜34のいずれか一項記載の方法。
  36. ウイルスRNAのレベルが、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって評価される、請求項1〜35のいずれか一項記載の方法。
  37. 決定または評価する工程が、逆転写酵素定量的PCR(RT-qPCR)を行うことを含む、請求項1〜36のいずれか一項記載の方法。
  38. ウイルスRNAならびに/または第1および/もしくは第2ウイルスRNAならびに/またはウイルスRNAおよび/もしくは遺伝子が、レトロウイルスに由来する、請求項1〜37のいずれか一項記載の方法。
  39. ウイルスRNA、第1ウイルスRNA、および/もしくは第2ウイルスRNA(または前述のうちのいずれかをコードする遺伝子)が、ビリオン複製および/またはパッケージングに関与する遺伝子であるかまたはこれによってコードされる、請求項1〜38のいずれか一項記載の方法。
  40. ウイルスRNAならびに/または第1ウイルスRNAおよび/もしくは第2ウイルスRNA(または前述のうちの1つもしくは複数をコードする遺伝子)が、形質導入細胞に形質導入を行うために使用された移入ベクターによってコードされる遺伝子ではない、請求項1〜39のいずれか一項記載の方法。
  41. ウイルスRNA、第1ウイルスRNA、および/または第2ウイルスRNAが、ウイルス表面タンパク質、エンベロープタンパク質、群特異抗原、ウイルス由来ポリメラーゼ、ウイルス由来逆転写酵素、ウイルス由来調節エレメント、転写のトランスアクチベーター、または応答エレメントをコードする、請求項1〜40のいずれか一項記載の方法。
  42. gag遺伝子が、マウス白血病ウイルス(MMLV) gagおよびヒト免疫不全ウイルス(HIV) gagからなる群より選択される、請求項1〜41のいずれか一項記載の方法。
  43. env遺伝子が、GaLV envおよびVSVGより選択される、請求項1〜42のいずれか一項記載の方法。
  44. 第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーが、SEQ ID NO: 4〜5に記載の1つまたは複数の配列を含む、請求項34〜43のいずれか一項記載の方法。
  45. 第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーが、SEQ ID NO: 16〜24に記載の1つまたは複数の配列を含む、請求項34〜44のいずれか一項記載の方法。
  46. 第2ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーが、SEQ ID NO: 4〜5に記載の1つまたは複数の配列を含む、請求項34〜45のいずれか一項記載の方法。
  47. 第2ウイルス遺伝子の配列に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーが、SEQ ID NO: 16〜24に記載の1つまたは複数の配列を含む、請求項34〜45のいずれか一項記載の方法。
  48. 評価または決定する工程が、ウイルスRNA、ウイルス遺伝子、第1ウイルスRNAもしくは第1ウイルス遺伝子、または第2ウイルスRNAもしくは第2ウイルス遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブの使用を含む、請求項1〜47のいずれか一項記載の方法。
  49. 第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブが、SEQ ID NO: 6に記載の配列を含む、請求項48記載の方法。
  50. 第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブが、SEQ ID NO: 18、21、または24に記載の配列を含む、請求項49記載の方法。
  51. 評価、決定、または検出する工程が、ウイルスRNA、第2ウイルスRNA、第1ウイルスRNA、および/または第2ウイルス遺伝子のうちの1つまたは複数の配列に特異的な加水分解プローブを使用することを含む、請求項1〜50のいずれか一項記載の方法。
  52. 加水分解プローブが、SEQ ID NO: 6に記載の配列を含む、請求項51記載の方法。
  53. 第1ウイルス遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブが、SEQ ID NO: 18、21、または24に記載の配列を含む、請求項51記載の方法。
  54. 試験サンプルまたは生物学的サンプル中の、対照遺伝子をコードするRNAのレベル、またはこれを示すかもしくはこれと相関するパラメータのレベルを、試験サンプル中で評価する工程をさらに含み、
    任意で、対照遺伝子がβ-アクチンであるかまたはこれを含み、かつ/あるいは
    任意で、パラメータまたは対照遺伝子のレベルが、対照遺伝子の配列に対して特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して評価され、該1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーは個々に、SEQ ID NO: 1または2または8〜15のうちの1つに記載の1つまたは複数の配列を任意で含み、
    任意で、該レベルが、対照遺伝子の配列に特異的な加水分解プローブを使用して評価され、該加水分解プローブは、SEQ ID NO: 3、9、12、または15に記載の配列を任意で含む、
    請求項1〜53のいずれか一項記載の方法。
  55. 評価または決定する工程が、多重反応を行うことを含み、任意で、レベル、第1レベル、および/または第2レベル、ならびに、任意で、対照遺伝子を示すかまたはこれと相関するレベルまたはパラメータが、多重反応において評価される、請求項1〜54のいずれか一項記載の方法。
  56. パラメータ、第1パラメータ、および/または第2パラメータが、個々に、
    ウイルスRNA(または第1もしくは第2ウイルスRNA)の、またはそれから発現される産物の、またはRNAに対応するウイルス遺伝子から発現される産物の、任意で相対コピー数または相対重量である量または相対量であるかまたはこれらを含み、あるいは、
    ウイルスRNA(または第1もしくは第2ウイルスRNA)の、またはそれから発現される産物の、またはRNA(または第1もしくはウイルスRNA)に対応するウイルス遺伝子から発現される産物の、濃度または相対濃度であるかまたはこれらを含む、
    請求項1〜55のいずれか一項記載の方法。
  57. 量が絶対量または相対量である、請求項56記載の方法。
  58. パラメータおよび/またはレベルが、サイクル閾値(Ct)値であるかまたはこれを含む、請求項1〜57のいずれか一項記載の方法。
  59. 試験サンプルについてのCT値が、参照Ctスコアである第1参照値を下回る場合、ウイルスRNAまたはその発現が、生物学的サンプル中または試験サンプル中に存在するかまたは存在するリスクがあると決定される、請求項58記載の方法。
  60. 生物学的サンプルおよび/または1つもしくは複数の細胞が、対象に由来する、請求項1〜59のいずれか一項記載の方法。
  61. 前記少なくとも1つの細胞が複数の細胞を含み、
    該複数の細胞および/または前記生物学的サンプルが浮遊細胞を含み、
    該複数の細胞および/または前記生物学的サンプルが白血球を含み、かつ/あるいは
    該複数の細胞および/または前記生物学的サンプルがT細胞またはNK細胞を含む、
    請求項1〜60のいずれか一項記載の方法。
  62. 第1試験サンプルおよび第2試験サンプルの一方または両方が個々に、生物学的サンプルもしくはその部分に起因するか、または、生物学的サンプルもしくはその部分に起因するRNAを含有する、請求項15〜61のいずれか一項記載の方法。
  63. 第1ウイルスRNAについて評価される試験サンプルおよび第2 RNAについて評価される試験サンプルが、同じであるか、または同じサンプルもしくは組成物の部分である、請求項15〜61のいずれか一項記載の方法。
  64. 前記複数の細胞が、未分画T細胞、単離CD8+ T細胞、または単離CD4+ T細胞を含む、請求項61記載の方法。
  65. 前記少なくとも1つの細胞がヒト細胞である、請求項1〜64のいずれか一項記載の方法。
  66. 受け入れ基準が、リアルタイムPCRの妥当性を評価するように設定される、請求項29〜65のいずれか一項記載の方法。
  67. 受け入れ基準が、90%〜110%または約90%〜約110%のパーセント効率を含む、請求項66記載の方法。
  68. 受け入れ基準が、約0.95、約0.96、約0.97、約0.99、もしくは約0.99であるR2値、または0.95、0.96、0.97、0.99、もしくは0.99より大きいR2値、または約0.95、約0.96、約0.97、約0.99、もしくは約0.99より大きいR2値を含む、請求項66〜67のいずれか一項記載の方法。
  69. RNAの純度、完全性、および/または濃度を評価する工程をさらに含む、請求項1〜68のいずれか一項記載の方法。
  70. SEQ ID NO: 1〜24または35〜41のいずれかに記載の配列を含むオリゴヌクレオチドを含む、プライマー。
  71. 蛍光部分または標識をさらに含む、請求項70記載のプライマー。
  72. 請求項70および/または請求項71に記載の1つまたは複数のプライマーを含む、キット。
  73. ヌクレアーゼフリー水、逆転写酵素、ポリメラーゼ、デオキシヌクレオチド三リン酸、緩衝液、およびDNアーゼのうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項71記載のキット。
  74. 試験サンプルが、生物学的サンプルであるかまたは生物学的サンプルの部分である、請求項1〜73のいずれか一項記載の方法。
  75. 前記方法が、試験サンプル中のウイルスRNAまたは第1および/もしくは第2ウイルスRNAを検出することができ、該サンプル中で、または試験サンプルもしくは生物学的サンプル中の1000万個の細胞当たり、少なくとも5個もしくは少なくとも10個もしくは少なくとも20個もしくは少なくとも50個もしくは少なくとも100個の細胞;かつ/あるいは
    前記方法が、試験サンプルおよび/または生物学的サンプル中の、僅か1.5 pg、1 pg、もしくは0.75 pg、もしくはそれ未満、または僅か約1.5 pg、約1 pg、もしくは約0.75 pg、もしくはそれ未満のウイルス標的である量の標的RNAを検出することができる、
    請求項1〜69および74のいずれか一項記載の方法。
  76. 1つもしくは複数の細胞および/または生物学的サンプルがプロセスから収集され、
    該プロセスにおいて、形質導入細胞が、細胞を増大させる条件下で、任意で、37℃または約37℃でかつ/または1つまたは複数の刺激剤の存在下で、培養されている、
    請求項1〜69、74、および75のいずれか一項記載の方法。
  77. 形質導入細胞が、少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、もしくは14日間、または、2〜14日間、2〜10日間、4〜14日間、4〜10日間、もしくは7〜10日間、または約2〜14日間、約2〜10日間、約4〜14日間、約4〜10日間、もしくは約7〜10日間、培養されている、請求項76記載の方法。
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