JP2004520075A - レトロウイルスに特異的なオリゴヌクレオチドおよびそれを用いるレトロウイルス濃度測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
技術分野
本発明は、レトロウイルスに特異的なオリゴヌクレオチドおよび前記オリゴヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction:PCR)のプライマーとして用いてレトロウイルスの濃度を測定する方法に関する。
【0002】
背景技術
レトロウイルス(retrovirus)は、種々の遺伝子治療用ベクターの中で最も多く使用されている遺伝子伝達体であって、世界的に許可を受けた臨床試験の約40%においてレトロウイルスベクターが使用されている(Yu et al., Gene Therapy 7:797−804, 2000)。遺伝子治療のためには、一定水準(105〜106/ml)以上のウイルス濃度が要求されるため、レトロウイルスベクターを遺伝子治療に使用するに当たって最も重要な要素の一つは、レトロウイルスの濃度(titer)を測定することである。もし、ウイルスの濃度が一定の水準に至らないと、遺伝子伝達効率があまりにも低いため適切な治療効果が期待できない。したがって、遺伝子治療用レトロウイルスを生産する細胞株を評価するか、または互いに異なる種類のレトロウイルスベクターを比較する場合、ウイルスの濃度測定は必須である。
【0003】
また、レトロウイルスの濃度を測定する方法は、遺伝子治療用レトロウイルス中に汚染物質として存在する可能性のある自己複製可能なレトロウイルス(replication−competent retrovirus:RCR)の検出において非常に有効に使用できる。RCRで汚染されている場合はパッケージング細胞株(packaging cell line)からはもちろん標的細胞からもウイルスが生産され得、したがって、RCRが存在するか否かを調査するためにレトロウイルスの濃度を定量的に測定することは非常に重要である。
【0004】
種々の方法がレトロウイルスの濃度を測定するために開発されており、これらの方法は以下の三つに分類され得る。
【0005】
第1の方法は、逆転写酵素活性度、ドットブロットハイブリダイゼーション(dot blot hybridization)反応または半定量的RT−PCR(reverse transcriptase polymerase chain reaction)方法を用いてウイルスのゲノムRNA量を決定することにより、細胞培養上澄液中のウイルスの濃度を測定する方法である。しかし、前記方法は、標的細胞に治療遺伝子を伝達できるレトロウイルスの数の測定ではなく、欠損ウイルス(defective virus)を含む総ウイルスの数の測定なので、精密性および正確性が低いという問題点がある。
【0006】
第2の方法は、レトロウイルスによって標的細胞に導入された遺伝子の発現レベルを測定して間接的にウイルスの濃度を測定する方法である。前記方法は、遺伝子が導入された細胞とそうでない細胞を区別できる種々のマーカー遺伝子を用いる。前記方法は、特定薬物を含む培養液で標的細胞を選択的に培養してコロニーの数を数えるか、標的細胞を染色して感染細胞の数を決定することにより、ウイルスの濃度を測定する。前記方法に使用され得るマーカー遺伝子としては、ネオマイシン耐性遺伝子(neomycin phosphotransferase;Neo)、ハイグロマイシンβ耐性遺伝子(hygromycin B phosphotransferase;Hygro)、β−ガラクトシダーゼ遺伝子(β−galactosidase;LacZ)、β−グルクロニダーゼ遺伝子(β−glucuronidase;GUS)などがある。しかし、このようなマーカー遺伝子の産物が動物モデルまたは臨床試験において免疫反応を起こし得る可能性が提起されるにつれ、最近はマーカー遺伝子なしに治療遺伝子のみを有するレトロウイルスベクターが主に使用されている。したがって、前記第2の方法は治療目的の遺伝子のみを有するレトロウイルスの濃度を測定するのには使用できない。
【0007】
第3の方法は、標的細胞のゲノム内に挿入されたレトロウイルスゲノムDNAの量を測定してレトロウイルスの濃度を測定する方法である。このため、一般的にサザンブロット分析法が幅広く用いられている。前記方法は、ハイブリダイズに用いるプローブを使用することにより、挿入された遺伝子にかかわらず一般的なレトロウイルスの濃度を測定するのに適用できる。しかし、サザンブロット分析法は正確な測定のための定量的な手法ではなく、長時間かかり煩わしい。
【0008】
このような問題を解決するために、実時間定量PCR方法(real time quantitative PCR)を前記第1および第3の方法に適用しようとする試みがいくつかあった(Klein, D. et al., Gene Therapy, 458−463, 2000; Sanburn, N and Cornetta, K., Gene Therapy, 1340−1345, 1999)。このような試みは、ただマーカー遺伝子として用いられたEGFP(enhanced green fluorescence protein)またはNeo遺伝子に対する特異的なプライマーを用いて実時間定量PCRを行うことによってレトロウイルスの濃度を測定する方法の可能性のみを模索したものである。しかし、実時間定量PCRをレトロウイルスの濃度測定に用いるためには、標的細胞として用いられたヒトゲノムとの相互作用なしにウイルスゲノムにのみ特異的なプライマーを開発することが必要であり、また、このようなプライマーのための適切なPCR反応条件の確立が必要である。
【0009】
最近は、組換えを通じてパッケージング細胞株内における自己複製可能なレトロウイルス(Replication−competent retrovirus:RCR)の生成を抑制するために、レトロウイルスベクターは、ベクターとしての機能に必要な最小限の塩基配列以外は大部分のウイルス由来配列を除去して製作されている。したがって、このようなレトロウイルスベクターを含む種々の類型のレトロウイルスが用いられる場合はレトロウイルスに共通に存在するウイルス塩基配列に対して特異的なプライマーを開発する必要がある。そうでなければ、宿主細胞のゲノムDNAあるいはRNAに対する非特異的な反応によってウイルスの濃度を正確に測定することは不可能である。
【0010】
また、最近実時間定量PCRを行う機器(ABI7700, PE Biosystems, Foster City, USA)が開発され、鋳型DNAの量を定量的に分析することが可能になった。しかし、このような機器を用いたウイルスの濃度分析にはレトロウイルスに特異的なプライマーの開発が必要である。
【0011】
そこで、本発明者らは、前記要求を満たすために努力した結果、宿主細胞のゲノム内に挿入されているレトロウイルスゲノムDNAを定量的に分析するか、あるいはレトロウイルスを含む溶液中のレトロウイルスゲノムRNAを定量的に分析するのに使用できるレトロウイルスに特異的なオリゴヌクレオチドを開発した。本発明のレトロウイルスに特異的なオリゴヌクレオチドはレトロウイルスの濃度を迅速かつ定量的に測定するのに有用である。
【0012】
発明の開示
したがって、本発明の目的は、レトロウイルスのゲノムDNAあるいはRNAを定量的かつ迅速に測定するのにプライマーとして使用され得るレトロウイルス特異的オリゴヌクレオチドを提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、前記レトロウイルス特異的オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてレトロウイルスの濃度を迅速かつ定量的に測定できる方法を提供することである。
【0014】
本発明の一実施態様によって、配列番号6、配列番号11、配列番号16および配列番号17の塩基配列を有する、レトロウイルス特異的オリゴヌクレオチドが提供される。
【0015】
また、本発明の他の実施態様によって、前記レトロウイルス特異的オリゴヌクレオチドを実時間定量PCRのプライマーとして用いてレトロウイルスゲノムDNAまたはRNAの量を決定することによりレトロウイルス濃度を測定する方法が提供される。
【0016】
本発明のレトロウイルス特異的オリゴヌクレオチドは、ヒトゲノムDNAには反応せず、レトロウイルスゲノムDNAまたはRNAにのみ特異的に反応するため、種々の種類のレトロウイルスを検出できるプライマーとして使用できる。
【0017】
発明を実施するための最良の形態
本発明において、レトロウイルス特異的プライマーとは、ヒトゲノムDNAとは反応せず、レトロウイルスゲノムDNAまたはRNAにのみ特異的に反応するオリゴヌクレオチドを意味するものであって、これらはレトロウイルスを含む宿主細胞ゲノムとハイブリダイズさせる場合レトロウイルスゲノムのみを選択的に増幅させるためのPCRプライマーとして効果的に使用できる。
【0018】
本発明で提供される配列番号6のオリゴヌクレオチドは配列番号1のレトロウイルス3’LTR付近の塩基配列(GenBank #J02255; Shinnick, T. M. et al., Nature, 293: 543−548, 1981)においてU3領域の上流部分である81−100番目の塩基を特異的に認識し、配列番号11のオリゴヌクレオチドはR領域とU5領域の境界部分である550−570番目の塩基を特異的に認識する(図1参照)。
【0019】
また、配列番号16および配列番号17のオリゴヌクレオチドはすべてのマウス白血病ウイルス(MLV)のRNAに共通して存在し、配列番号2のMLVパッケージングシグナルの塩基配列のうち19−43番目の塩基および72−89番目の塩基をそれぞれ特異的に認識する(図2参照)。
【0020】
好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチドを用いたレトロウイルス濃度測定方法は、これに限定されるものではないが、RT−PCR(reverse transcriptase polymerase chain reaction)、半定量的(semi−quantitative)RT−PCR、QC−PCR(quantitative competitive PCR)または実時間定量PCR(real time quantitative PCR)などの方法を用いて行ってもよく、より好ましくは、増幅工程中に形成されたPCR産物の量を実時間で測定できる実時間定量PCR方法である。
【0021】
好ましい態様では、本発明のレトロウイルス濃度測定方法は本発明のオリゴヌクレオチドを実時間定量PCRのプライマーとして用いて宿主細胞のゲノム内に導入されたレトロウイルスゲノムDNAを定量的に測定できる。また、本発明の方法は、ウイルスを含む溶液中に存在するレトロウイルスゲノムRNAから逆転写酵素反応を通じてDNAを合成した後、合成されたDNAを鋳型とし、本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて実時間定量PCRを通じて溶液中のレトロウイルスゲノムを定量的に分析できる。
【0022】
本発明のオリゴヌクレオチドを用いて実時間定量PCR方法としてレトロウイルスゲノムDNAを定量する方法は、
1)レトロウイルスを標的細胞に感染させる工程;
2)ウイルスが感染された標的細胞からゲノムDNAを分離する工程;
3)前記分離されたゲノムDNAを鋳型とし、本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて実時間定量PCRを行う工程;および
4)単位標的細胞ゲノムDNA当りのウイルスゲノムDNAの量を測定してレトロウイルスの濃度を決定する工程を含む。
【0023】
また、本発明のオリゴヌクレオチドを用いて実時間定量PCR方法でレトロウイルスゲノムRNAを定量する方法は、
1)ウイルスを含む溶液からウイルスのゲノムRNAを分離する工程;
2)逆転写酵素反応を通じて前記精製されたゲノムRNAからDNAを合成する工程;
3)前記合成されたDNAを鋳型とし、本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて実時間定量PCRを行う工程;および
4)増幅されたPCR産物を定量して、PCR鋳型として使用されたウイルスを含む溶液中のウイルスゲノムRNAの相対的な量を決定する工程を含む。
【0024】
本発明のオリゴヌクレオチドを用いてレトロウイルスの濃度を測定する方法は、標的細胞のゲノム内に導入されたレトロウイルスゲノムDNA量またはレトロウイルス培養液中のレトロウイルスゲノムRNA量を定量的かつ迅速に測定できる。したがって、本発明の測定方法は遺伝子治療用レトロウイルスベクターの濃度を測定し、遺伝子治療用レトロウイルス組成物から汚染された自己複製可能なレトロウイルス(RCR)を検出するか、野生型レトロウイルスを検出するのに効果的に使用できる。
【0025】
基本的に、RCR測定のための本発明の方法はBAG移動性測定方法(BAG mobilization method)に適用してもよい(Pear, W. S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 8392−8396, 1993)。簡略に述べると、前記方法は試験しようとするレトロウイルスベクター溶液を野生型レトロウイルスを複製できる細胞株に感染させる工程;これを数回継代培養する工程;鋳型として細胞培養液を、プライマーとして本発明のオリゴヌクレオチドを用いたPCRを行う工程;およびレトロウイルスゲノムRNAを検出する工程を含む。前述のように、遺伝子治療に用いられるレトロウイルスベクターは大部分のウイルス遺伝子コード配列を欠損しているため、野生型レトロウイルスが複製できる細胞株で成長できない。したがって、このような工程によって検出されたレトロウイルスはRCRとみなすことができない。また、本発明の方法は、遺伝子治療を受けた患者、または動物から得られた血液試料から野生型レトロウイルスを検出するのに用いられる。
【0026】
以下、本発明のレトロウイルス特異的オリゴヌクレオチドを実時間定量PCRのプライマーとして用いてレトロウイルスの濃度を測定する方法を詳しく説明する。
【0027】
1 . 実時間定量PCR
実時間定量PCRは、増幅されたPCR産物を実時間で検出するために二重に染色標識されたプローブ(double dye−labeled probe)を用い、ハイドら(Heid, C. A. et al., Genome Res., 986−994, 1996)に記載の方法および原理に従って行うことができる。
【0028】
前記プローブは増幅されるフラグメントに結合させた後増幅工程の伸張期(extension phase)の間変形し、増幅されたPCR産物の量を間接的に示す検出可能な信号を形成する。この方法は、前記信号を測定することにより、PCR産物の形成を実時間で検出できる。本発明で用いられるプローブは増幅しようとする鋳型DNAの5’および3’PCRプライマー結合部位にハイブリダイズされ得る。ハイブリダイズしたプローブは伸張期の間5’→3’ヌクレアーゼ活性を有するDNA重合酵素の作用によって分解し、構造的または形態的変形を受ける。このような変形は吸光度の変化を伴い、これから検出可能な信号が形成される。
【0029】
前記プローブは二つの標識を含むが、その一つは5’末端に標識されるレポーター染料(reporter dye:R)であり、もう一つは3’末端に標識される吸光染料(quencher dye:Q)である。本発明に使用され得るレポーター染料としては、6−カルボキシフルオレセイン(6−carboxyfluorescein:FAM)、2’,4’,5’,7’−テトラクロロ−4,7−ジクロロフルオレセイン(2’,4’,5’,7’−tetrachloro−4−7−dichloro−fluorescein:TET)、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−6−カルボキシローダミン(2’,7’−dimethoxy−4’,5’−6−carboxyrhodamine、JOE)またはVICTM(PE Biosystems社、USA)などが挙げられ、吸光染料としては6−カルボキシテトラメチルローダミン(6−carboxytetramethyl rhodamine:TAMRA)または(4−ジメチルアミン)アゾベンゼンスルホン酸([4−dimethylamine]azobenzene sulfonic acid:DABSYL)などが使用できる。
【0030】
実時間定量PCRの好ましい態様として、本発明ではレポーター染料としての6−カルボキシフルオルセイン(FAM)および吸光染料としての6−カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)で二重標識され、レトロウイルスの3’LTR部分に相補的な塩基配列を有するヌクレオチド配列、FAM−配列番号13−TAMRAを有するプローブ;またはレポーター染料としてのVICTMおよび吸光染料としてのTAMRAで二重標識され、レトロウイルスのパッケージングシグナルに相補的な塩基配列を有するヌクレオチド配列、VICTM−配列番号19−TAMRAを有するプローブを使用する。
【0031】
前記2群の化合物が溶液中に共存する場合、これらは互いにハイブリダイズしてヘアピンループを形成することにより、吸光染料がレポーター染料の放出スペクトル(emission spectra)を吸光できるほど十分に近づくようになる。すなわち、吸光染料がレポーター染料に対する吸光体として作用する。
【0032】
しかし、前記プローブがPCRの鋳型として用いられた標的遺伝子断片とハイブリダイズすると、プローブは直線化された形態で存在する。この際、DNA重合酵素が重合反応によって上流プライマーの伸張を行いながら、ハイブリダイズしたプローブと接触するようになると、DNA重合酵素の5’エキソヌクレアーゼ活性によってプローブの5’末端部位に標識された吸光染料が分解してレポーター染料に対する吸光(quenching)機能が失われることにより、蛍光の量が増加するようになる。したがって、反応液中の蛍光の強度は反応液中の標的PCR産物の量に比例する。
【0033】
ここで、Ct(threshold cycle)値は蛍光が閾値に達するために必要な反応回数を指し、閾値は反応回数1から15の間で観察される基底放出(baseline emission)の平均値の標準偏差に10倍を乗じた値である。
【0034】
既存のPCR産物を定量するための方法とは異なり、前記の原理に基づく実時間定量PCRは理論上では指数関数的(exponential)に起こる反応回数領域を検出して反応回数と鋳型DNA量の相関関係の2ΔC tを通じて定量的に決定できるという長所がある(Heid, C. A. et al., Genome Res., 986−994, 1996)。
【0035】
2 . 宿主細胞ゲノム内に挿入されたレトロウイルスの濃度を測定する方法
実時間定量PCRを用いてレトロウイルス濃度を測定するためには、ゲノム内に挿入されたレトロウイルスの1コピーを有する標的細胞株が必要である。まず、パッケージング細胞をレトロウイルスで感染させて無細胞ウイルス培養液を調製した後、前記無細胞ウイルス培養液をMOI(multiplicity of infection:感染効率)が0.1、好ましくは0.05以下になるようにして宿主細胞に形質導入する。24時間後制限稀釈法を用いてプレート上に単一細胞クローンを形成させる。レトロウイルスが感染したクローンを選別して培養し、これからゲノムDNAを純粋に分離する。サザンブロット分析を行ってレトロウイルスの1コピーが標的細胞株のゲノムに挿入されたかを確認する。このように選別された細胞株を100%感染細胞として選択し、対照群として用いる。
【0036】
100%感染細胞のゲノムDNAと正常の宿主細胞ゲノムDNAを適当な比率で混合して種々の感染比率を示すように製造した後宿主細胞の感染水準を前記対照群を用いて測定する。具体的に、レトロウイルスの1コピーが挿入された宿主細胞ゲノムDNAと正常な宿主細胞ゲノムDNAを各々純粋に分離した後、制限酵素処理してDNA量を定量する。前記二つのDNAを種々の比率で混合して100、50、25、10、5、1、0.5および0%の感染比率を示す基準ゲノムDNAを製造する。次いで、基準ゲノムDNAに対して実時間定量PCRを行って種々の感染比率におけるCt値を得、感染比率によるCt値をプロッティングして基準曲線を作成する。
【0037】
濃度を測定しようとする実験群細胞株のゲノムDNAを前述の方法と同様に分離し、実時間定量PCR反応を行ってCt値を得る。このように得られたCt値を基準曲線と比較することによって標的細胞の感染比率を決定することができる。このような結果は、レトロウイルスの遺伝子伝達効率とウイルスの濃度を計算するのに使用できる。
【0038】
用いられたPCR反応溶液はゲノムDNA5μl、配列番号6および配列番号11のヌクレオチド配列を有するプライマー対各1μl、および二重染色標識プローブ2μlを含み、最終反応容量を蒸留水25μlを用いて調整する。PCR反応は50℃で2分、95℃で10分間反応させた後[95℃で15秒→60℃で1分30秒]の反応を40回〜45回繰り返すことが好ましい。
【0039】
好ましい態様として、本発明はMT5−IDUAレトロウイルスの1コピーが感染しているヒトHT1080細胞株を用いた。MT5−IDUAレトロウイルスは本発明者らによって特許出願されたMT5レトロウイルスベクター(韓国特許公開第1998−24847号;KCCM−10205)にヒトイズロニダーゼ遺伝子を挿入して製造したベクターである。感染比率が増加するにつれてCt値が一定割合で減少し、感染比率とCt値との間に高い相関関係(r2=0.998)があることを確認した。
【0040】
3 . レトロウイルスを含む溶液中のレトロウイルス濃度の測定方法
本発明の標的細胞内に導入されたレトロウイルスゲノムDNAを測定する方法は実際に感染したウイルスを測定できるという長所はあるが、形質導入工程を経なければならないという煩わしさがある。ウイルス濃度を測定するこのような方法をより単純化するために溶液中の総レトロウイルスゲノムRNAを測定する方法が開発された。この方法においては、配列番号16および配列番号17の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドが実時間定量PCRのためのプライマーとして用いられる。
【0041】
まず、レトロウイルスを含む溶液またはこれから分離されたレトロウイルスゲノムRNAを逆転写酵素反応を行ってDNAを合成した。ここで、ウイルスを含む溶液自体を用いる場合は、レトロウイルスゲノムRNAが逆転写酵素反応の初期に高温変性化工程中に溶液に溶出するので、別途のRNA抽出工程を省略することができるため、実験の効率性を高め、費用を節減できる。また、レトロウイルスゲノムRNAは当業界に知られた通常の方法のいずれかを用いてレトロウイルスを含む細胞培養液または他の溶液から抽出でき、これを逆転写反応に使用できる。
【0042】
逆転写反応によって合成されたcDNAは前述の方法と同様に実時間定量PCRの鋳型として用いられ、この際、MLVゲノムのパッケージングシグナル領域を特異的に認識し、プライマーとして配列番号16および配列番号17の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドが用いられる。
【0043】
本発明の他の実施態様では、MT5−IDUAレトロウイルスベクターを含む溶液のウイルス濃度を本発明の方法を用いて測定した。観察されたCt値は溶液中のレトロウイルスの量と優れた相関関係(r2=0.9993)を示し、実時間定量PCRを通じて測定されたCt値からcDNAの相対的な量を測定できることが確認された。
【0044】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を例示するためのみであり、本発明の範囲はこれらに限定されない。
【0045】
実施例1:レトロウイルスの1コピーが感染したヒト細胞株の製造
(1−1)MT5−IDUAレトロウイルスベクターの製造
種々の種類のレトロウイルスをすべて検出できるプライマーを製造するためにはすべての種類のレトロウイルスに共通して存在する塩基配列のみを有するレトロウイルスベクターを使用することが好ましい。本発明者らによって開発されたMT5ベクター(韓国特許公開第1998−24847号;KCCM−10205)は遺伝子伝達として働くのに必要な最小限の塩基配列以外のレトロウイルス由来のすべての配列を除去することによって製造した。本発明においては、MT5ベクターにヒトイズロニダーゼ遺伝子を挿入してMT5−IDUAベクターを製造した。
【0046】
まず、ヒト包茎包皮線維芽細胞(human foreskin fibroblast; HFF)からトライゾール(Tryzol; Gibco BRL, USA)方法を用いてRNAを抽出し、抽出したRNAから逆転写酵素重合反応にかけてcDNAを合成した。前記で合成されたcDNAをPCR鋳型とし、配列番号3および配列番号4の合成オリゴヌクレオチド(ヒトイズロニダーゼ遺伝子塩基配列[GenBank #M74715]の76−96番および2041−2061番塩基配列部分を各々認識)をプライマーとして用いたPCRを通じてヒトイズロニダーゼ遺伝子を含むDNAフラグメントを得た。PCR反応溶液は鋳型DNA 1μl、10pmol/μlプライマー各1μlずつ、10mM dNTP 10μl、拡張高性能酵素(Expand High Fidelity enzyme; Gibco BRL、USA)3.5ユニットおよび酵素用緩衝溶液10μlを混合して最終容量を100μlに調整した。PCR反応条件は94℃で1分、55℃で1分、72℃で1分30秒の反応で30回繰り返した。その結果、約2,000bpサイズのPCR産物が増幅され、これをpGEM T easyベクター(Promega、WI、USA)に挿入してpGEM T easy−IDUAベクターを製造した。その後、前記pGEM T easy−IDUAベクターをBamHI制限酵素で処理して1,986bpサイズのヒトイズロニダーゼ遺伝子切片を得、これをMT5(KCCM−10205)ベクターのBamHI制限酵素部位に挿入してMT5−IDUAベクターを製造した。
【0047】
(1−2)レトロウイルスの1コピーが感染したヒト細胞株の製造
レトロウイルスの1コピーが感染した細胞株を製造するためにMT5−IDUAベクターを含むレトロウイルスを以下のようにして製造した。
まず、前記実施例(1−1)で製造されたMT5−IDUAベクターDNAをマウス白血病ウイルス(murine leukemia virus; MLV)のgag−pol遺伝子を発現するpVM−gpプラスミドDNA(TAKARA SHUZO, Japan)およびVSV−G(Vesicular Stomatitis Virus−G)タンパク質を発現するpRV67プラスミドDNA(Mitrophanous、K. A. et al., Gene Therapy, 6:1808−1818, 1999)とともに293T細胞(Yu、S. S. et al., Gene Therapy, 7: 797−804, 2000)に形質移入し、8時間後新たな培地に移した。形質移入細胞をさらに48時間培養し、0.45μmろ紙で濾過して無細胞ウイルスを得た。
【0048】
前記で得られたMT5−IDUA無細胞レトロウイルスをHT1080細胞株(ATCC #CCL−121)にMOI(multiplicity of infection:感染効率)0.05以下の条件で形質導入した。24時間後、標的細胞を96ウェルプレートにウェル当り0.3個の細胞が入るように稀釈して一つの細胞で構成されたクローンを得た後レトロウイルスが導入された単一クローンを14日間G418(1μg/μl、Gibco BRL、USA)を処理して選択的に培養した。選別されたクローンからゲノムDNAを分離した後パッケージングシグナルの塩基配列部位をプローブとして用いたサザンブロットハイブリダイズ分析を行った。その結果、レトロウイルスの1コピーが標的細胞株のゲノムに挿入されていることを確認した。
【0049】
前記の1コピーのレトロウイルスベクターMT5−IDUAが挿入された細胞株クローンをHT1080:MT5−IDUAと称した。
【0050】
実施例2:宿主細胞のゲノムに挿入されたレトロウイルスゲノムDNAに特異的なプライマーの開発
ヒト細胞のゲノムDNAには反応せず、かつレトロウイルスゲノムDNAにのみ特異的に反応するプライマー対を開発するために、種々のオリゴヌクレオチドを製造し、前記実施例1で製造されたHT1080:MT5−IDUA細胞株と野生型HT1080細胞株から得られたゲノムDNAを用いてPCR反応を行った。
【0051】
HT1080細胞株から全体ゲノムDNAを分離するために、HT1080細胞沈澱物にTES(10mM Tris−HCl;1mM EDTA;0.7% SDS)緩衝溶液を加えた後タンパク質分解酵素K(proteinase K)400g/mlを50℃で2時間処理した。その後、フェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱によってHT1080細胞株から総ゲノムDNAを分離した。前記のように分離したゲノムDNAをEcoRI制限酵素で処理して定量した後ゲノムDNA1μgに対してPCR反応を行った。PCR反応溶液はゲノムDNA 1μg、200nMプライマー各1μlずつ、および酵素用緩衝溶液5μlを混合して最終容量を総50μlに調整した。PCR反応条件は94℃で1分、60℃で1分、72℃で1分30秒の反応を30回繰り返した。
【0052】
前記PCR反応条件下で本発明者によって設計された数対のオリゴヌクレオチドプライマーの反応特異性を検討した結果、配列番号6および配列番号11のプライマー対がヒト細胞のゲノムDNAには反応せず、かつレトロウイルスゲノムDNAにのみ特異的な反応を示した(図1)。本発明で製作した種々のオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCR反応結果を下記表1に示す。
【0053】
【表1】
(註)+:反応が誘発された。−:反応が誘発されなかった。
【0054】
表1に示すように、本発明の配列番号6および配列番号11のプライマー対は宿主細胞のゲノムに導入されたレトロウイルスゲノムDNAの保存的なLTR配列を特異的に認識するので、LTR構造を有するすべてのレトロウイルスを検出するのに有用である。
【0055】
実施例3:実時間定量PCRを用いたレトロウイルスゲノムDNAの定量
前記実施例2で開発されたプライマー対を実時間定量PCRに適用して宿主細胞に挿入されたレトロウイルスゲノムDNAを定量できるかどうかを検討するために以下のような実験を行った。
【0056】
まず、前記実施例(1−2)で得られたHT1080:MT5−IDUA細胞株と対照群HT1080細胞株から各々ゲノムDNAを分離した後EcoRI制限酵素で処理して定量した。その後、分離したDNAを100、50、25、10、5、1、0.5、0.1、0%などの感染比率を反映する基準ゲノムDNAを作るために種々の比率で混合し、実時間定量PCR分析が前記感染比率を正確に反映するかどうかを試験した。
【0057】
実時間定量PCRはTaqManTM分析方法(Heid C.A. et al., Genome Res., 986−994, 1996)に従って、実時間定量PCR機器(ABI7700, PE Biosystems, Foster City, US)を用いて行った。前記実施例2の本発明のプライマー対とともに、5’末端には蛍光レポーター染料(fluorescence reporter dye:R)として6−カルボキシフルオレセイン(FAM)が、3’末端には吸光染料(quencher dye:Q)として6−カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)が二重に標識されており、レトロウイルスのLTR部分に相補的な塩基配列を有するFAM−配列番号13−TAMRAのプローブを使用した。
【0058】
PCR反応溶液はゲノムDNA5μl、TaqManTM緩衝溶液25μl(2×)、前記プローブ1μl(2μM)、前記プライマー各々1μlずつ(200nM)および蒸留水17μlを混合し、最終容量を総50μlに調整した。PCR反応条件は、50℃で2分、95℃で10分間反応させた後95℃で15秒、60℃で1分30秒間の反応の45回の繰り返しである。同量のゲノムDNAが使用されたかどうかを確認するために、対照群としてヒトβアクチン遺伝子を特異的に認識する配列番号14および配列番号15のプライマー対とβアクチン遺伝子に特異的なVICTM−配列番号18−TAMRAの塩基配列を有するプローブを用いてPCR反応を行った。
【0059】
その結果、感染比率が0、0.1、0.5、1、5、10、25、50および100%の順に増加するにつれて蛍光が閾値に達する反応回数を示すCt値が一定割合で減少した。このような結果は、感染比率とCt値との間に優れた相関関係(r2=0.998)があることを示す(図3)。したがって、前記実施例2で開発された本発明のプライマー対は実時間−定量PCRを用いたレトロウイルスゲノムDNA検出に効果的に用い得る。
【0060】
実施例4:実時間定量PCRを用いたレトロウイルス濃度測定方法とMDR選択マーカー遺伝子を用いたレトロウイルス濃度測定方法の比較
(4−1)MTM−GCレトロウイルスを産生するPG13細胞株の製造
前記実施例3で行った実時間定量PCRを用いたレトロウイルス濃度測定方法を既存のMDR(Multi−drug resistance)選別マーカー遺伝子を用いたレトロウイルス濃度測定方法と比較するために、まずMDR遺伝子を発現するレトロウイルスを生産する細胞株を以下のように製造した。
【0061】
マルチクローニング部位の下流にIRES(internal ribosomal entry site)と融合したMDR遺伝子塩基配列を含んでいるため、標的遺伝子とともにMDR遺伝子を発現できるMTMベクター(韓国特許公開第1998−24847号)のマルチクローニング部位にヒトグルコセルブロシダーゼ(glucocerbrosidase)遺伝子を挿入してMTM−GCレトロウイルスベクターを製造した。
【0062】
MTM−GCレトロウイルスを生産するPG13細胞株を製造するために、前記実施例(1−2)と同様の方法でMTM−GCベクターDNAをpVM−gpプラスミドDNAおよびpRV67プラスミドDNAとともに293T細胞に形質移入して培養した後、細胞培養液を濾過して無細胞ウイルスを得た。
【0063】
前記で生産されたMTM−GCレトロウイルスをPG13細胞株(ATCC CRL10686, MD, USA)に形質導入した。24時間後、細胞を96ウェルプレートに制限稀釈法を行って一つの細胞で構成された単一クローンを得た。これをビンクリスチン(vincristine;25ng/ml)で14日間処理してレトロウイルスが導入された細胞株クローンのみを選別した。
【0064】
以上のように選別培養された細胞株クローンのうちウイルス濃度が高い一つを選択し、これをPG13:MTM−GC細胞株と称した。
【0065】
(4−2)実時間定量PCRを用いたレトロウイルス濃度測定方法とMDR遺伝子を用いたレトロウイルス濃度測定方法の比較
前記実施例(4−1)で製造されたPG13:MTM−GC細胞株から無細胞ウイルスを得た後これをHT1080標的細胞に各々異なる濃度で形質導入した。24時間後、前記形質導入された標的細胞を3つのグループ(GroupI、IIおよびIII)に分けて培養した。レトロウイルス濃度を測定するための本発明の実時間定量PCR方法とMDR選別マーカー遺伝子を用いた方法の効率を比較するために形質導入された標的細胞の3グループに対して以下の実験を行った。
【0066】
グループIは48時間さらに培養した後、そのゲノムDNAを分離し、前記実施例3と同様の方法で実時間定量PCR方法を用いてMTM−GCレトロウイルスが感染した標的細胞の感染比率を試験した。グループIIは24時間さらに培養した後、MDRタンパク質に対して特異的な抗体(KAMIYA BIOMEDICAL COMPANY、USA)を用いたFACS(Fluorescence activated cell sorter)分析(Aran, J. M. et al., Cancer Gene Therapy, 195−206, 1998)を行って何%の標的細胞がMDR遺伝子を発現するかを試験した。グループIIIは標的細胞を1/100、1/500、1/1000、1/5000に稀釈し、ビンクリスチンで処理した後MTM−GCレトロウイルスに感染したコロニー数を調査した。その結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
前記結果から、本発明のオリゴヌクレオチドプライマーを用いた実時間定量PCR方法とFACS方法、ビンクリスチン抵抗性コロニー測定方法の間に高い相関関係があることが確認された。
【0069】
実施例5:実時間定量PCRを用いてレトロウイルスのゲノムRNAを測定する方法
前記実施例3および4で述べた本発明の方法は、標的細胞のゲノムに導入されたレトロウイルスゲノムDNAを測定する。このような方法は実際に標的細胞に感染したレトロウイルスを測定できるという長所があるが、形質導入工程を要するため煩わしい。このような問題を解決するために、レトロウイルスゲノムDNAでなく総レトロウイルスゲノムRNAを測定する方法を開発した。前記方法は感染性のあるレトロウイルスDNAでなく総レトロウイルスRNAを測定するという短所があるが、レトロウイルスゲノムDNAを測定する方法より簡便であるという長所を有する。
【0070】
具体的には、鋳型として約1×106ウイルス/ml濃度のMT5−IDUAレトロウイルスベクターを含む溶液から1、0.1、0.01、0.001および0.0001μlを取ってワンステップ逆転写重合−PCRキット(TaqMan Gold One−step RT−PCR kit, PE Applied Biosystems, USA)を用いてRT−PCRを行うことによってcDNAを合成した。RT−PCR反応は別途のRNA抽出工程なしにウイルス含有溶液を直接用いて行った。これは前記RT−PCR反応の初期段階で高温変性化工程によってレトロウイルスが変性するからレトロウイルスゲノムRNAが溶液中に流出するため可能である。
【0071】
種々の濃度でレトロウイルスを含んでいる溶液中のレトロウイルスゲノム配列を増幅させるために、前記で合成したcDNAを鋳型とし、VICTM−配列番号19−TAMRAの塩基配列を有するプローブと配列番号16および配列番号17の合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCRを行った。逆転写反応とPCR反応が一つのチューブ内で連続的に起こる前記ワンステップRT−PCR反応はABI7700PCR機器を用いて行われた。RT−PCR反応溶液はレトロウイルス溶液1μl、TaqManTMマスター混合(master mix)緩衝溶液12.5μl(2×)、前記プローブ2μl(2μM)、前記プライマー各々2μlずつ(10pmol/μl)、40×マルチスクライブ0.5μlおよびRNase抑制剤混合物(MultiScribe and RNase Inhibitor Mix)、蒸留水5μlを混合した後最終容量を総25μlに調整した。PCR条件は95℃で15秒、60℃で1分間の反応の40回の繰り返しである。
【0072】
その結果、レトロウイルスを含む溶液中の相対的なウイルス濃度が増加するにつれて蛍光が閾値に達する反応回数を示すCt値が一定割合で減少し、溶液中のレトロウイルス量とCt値の間に高い相関関係(r2=0.9993)があることが確認された(図4)。図4において、X軸のlog[相対的なウイルス量]は1×106ウイルス/ml濃度のレトロウイルス含有溶液を基準とし、基準溶液の1、0.1、0.01、0.001および0.0001μlを採取した試料の蛍光を測定して得られたものであって、測定された蛍光はウイルスの相対的な量とみなされた。このように得られたCt値は鋳型cDNAの相対的な量を反映する。このような結果は本発明の配列番号16および配列番号17のプライマー対が実時間定量PCRを用いてレトロウイルスゲノムRNAを検出するのに非常に効果的に適用できることを示す。
【0073】
本発明を前記特定実施態様と関連して記述したが、添付した特許請求範囲によって定義される本発明の範囲内で、当該分野の熟練者が本発明を多様に変形および変化させ得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】レトロウイルス3’LTR領域付近の塩基配列(GenBank #J02255;配列番号1)と前記塩基配列に特異的な本発明のオリゴヌクレオチドの認識部位である。
【図2】マウス白血病ウイルス(MLV)のゲノムに存在するパッケージングシグナルの塩基配列(GenBank #J02255;451−600)と前記塩基配列に特異的な本発明のオリゴヌクレオチドの認識部位である。
【図3】本発明の配列番号6および配列番号11のオリゴヌクレオチドプライマー対を用いた実時間定量PCRによって宿主細胞内に導入されたレトロウイルスゲノムDNAを定量分析した結果である。
【図4】本発明の配列番号16および配列番号17のオリゴヌクレオチドプライマー対を用いた実時間定量PCRによってウイルス試料溶液中に存在するレトロウイルスゲノムRNAを定量分析した結果である。
Claims (12)
- レトロウイルスに特異的なオリゴヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応のプライマーとして用いる、レトロウイルスのゲノムDNAまたはRNAを測定する定量方法。
- 前記レトロウイルスに特異的なオリゴヌクレオチドが、レトロウイルスゲノムの末端反復配列(LTR)の一部領域を特異的に認識し、配列番号6および配列番号11の塩基配列を有する、請求項1記載の方法。
- 前記レトロウイルス特異的なオリゴヌクレオチドが、マウス白血病レトロウイルス(MLV)ゲノムのパッケージングシグナルの一部領域を特異的に認識し、配列番号16および配列番号17の塩基配列を有する、請求項1記載の方法。
- 前記PCRが、RT−PCR(逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応)、半定量的RT−PCR、QC−PCR(定量的競合的PCR)および実時間定量PCRからなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。
- 1)レトロウイルスを標的細胞に感染させる工程;
2)ウイルス感染した前記標的細胞からゲノムDNAを精製する工程;
3)前記精製されたゲノムDNAを鋳型とし、配列番号6および配列番号11のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて実時間定量PCRを行う工程;および
4)単位標的細胞ゲノムDNA当りのウイルスゲノムDNAの量を測定してレトロウイルスの濃度を決定する工程
を含む、請求項4記載の方法。 - 1)ウイルス培養溶液またはウイルス含有溶液からウイルスのゲノムRNAを精製する工程;
2)逆転写酵素反応を用いて前記ゲノムRNAからDNAを合成する工程;
3)前記合成されたDNAを鋳型とし、配列番号16および配列番号17のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて実時間定量PCRを行う工程;および
4)増幅されたPCR産物を定量する、試料溶液中のウイルスゲノムRNAの相対的な量を決定する工程
を含む、請求項4記載の方法。 - 前記工程3)において、5’末端にはレポーター染料(R)が、3’末端には吸光染料(Q)が二重に標識されているプローブをさらに用いる、請求項5または6記載の方法。
- 前記レポーター染料が、6−カルボキシフルオレセイン(FAM)、2’,4’,5’,7’−テトラクロロ−4,7−ジクロロフルオレセイン(TET)および2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−6−カルボキシローダミン(JOE)およびVICTMからなる群から選ばれ、吸光染料が6−カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)および(4−ジメチルアミン)アゾベンゼンスルホン酸(DABSYL)からなる群から選ばれる、請求項7記載の方法。
- レトロウイルスのゲノムに保存的なLTRの一部領域を特異的に認識する配列番号6の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド。
- レトロウイルスのゲノムに保存的なLTRの一部領域を特異的に認識する配列番号11の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド。
- マウス白血病レトロウイルスのゲノムに保存的なパッケージングシグナルの一部領域を特異的に認識する配列番号16の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド。
- マウス白血病レトロウイルスのゲノムに保存的なパッケージングシグナルの一部領域を特異的に認識する配列番号17の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド。
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