本発明の利点及び特徴、並びにこれらを達成する方法は、添付する図面とともに詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものでなく、互いに異なる多様な形態で実現され、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によってのみ定義される。図面に示す構成要素のサイズ及び相対的なサイズは、説明の明瞭性のために誇張されたものであり得る。明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を指し、「及び/または」は言及されたアイテムのそれぞれ及び一つ以上のすべての組み合わせを含む。
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」と称する場合、他の素子または層の真上だけでなく、中間にほかの層または他の素子を介在した場合をすべて含む。一方、素子が「直接上(directly on)」または「真上」と指摘される場合は、中間に他の素子または層を介在しないものを示す。
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示しているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使われ得る。空間的に相対的な用語は、図面に示している方向に加え、使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解しなければならない。例えば、図面に示している素子を逆さにする場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は、他の素子の「上(above)」に位置し得る。したがって、例示的な用語である「下」は下と上の方向をいずれも含み得る。素子は、他の方向にも配向され得、これにより空間的に相対的な用語は、配向によって解釈され得る。
本明細書において使用する用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は特に言及しない限り複数形も含む。明細書において使用する「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」は、言及した構成要素のほかに一つ以上の構成要素の存在又は追加を排除しない。
第1、第2等が、多様な素子や構成要素を叙述するために使用される。しかし、これらの構成要素がこれらの用語によって制限されないことは勿論である。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。したがって、以下で言及する第1素子や構成要素は、本発明の技術的思想内で第2素子や構成要素であり得ることは勿論である。
他に定義しなければ、本明細書において使用する全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に共通に理解され得る意味で使用できる。また、一般的に使用される辞典に定義されている用語は、明確に特に定義しない限り、理想的に又は過度に解釈されない。
図1は本発明の一実施形態によるフレキシブル回路基板の断面図であり、図2は図1の一部を拡大した拡大図である。
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態によるフレキシブル回路基板は、ベースフィルム10、第1導電パターン20、第1保護層30、第1放熱層40を含み得る。
ベースフィルム10は、フレキシビリティーを有する材質で形成され得、フレキシブル回路基板1に基材として含まれてフレキシブル回路基板1がベンディングされるか折り畳まれるようにすることができる。ベースフィルム10は例えば、ポリイミドフィルムであり得る。これとは異なり、ベースフィルム10は、PETフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルムまたは絶縁金属箔であり得る。本発明の一実施形態によるフレキシブル回路基板1において、ベースフィルム10は、ポリイミドフィルムである場合を説明する。
第1導電パターン20は、ベースフィルム10上に形成され得る。第1導電パターン20は、例えば、一定の幅を有する帯形状の導線が少なくとも一つ以上形成されたものであり得る。第1導電パターン20は、ベースフィルム10上に実装される回路素子及びフレキシブル回路基板1が接続される電子装置間の電気的信号を伝達し得る。
第1導電パターン20は、例えば、銅のような導電性物質を含み得るが、本発明はこれに制限されない。具体的に、第1導電パターン20は、金、アルミニウムなどの電気伝導性を有する物質からなる。
第1導電パターン20を覆うように第1保護層30が形成され得る。第1保護層30は、絶縁物質を含み得、絶縁物質は、例えばソルダーレジストであり得る。または第1保護層30は、カバーレイフィルムを含み得る。
第1保護層30は、第1導電パターン20を完全に覆う。すなわち、第1保護層30の上面35のレベルは、第1導電パターン20の最上面25のレベルと同じか高くてもよい。したがって、ベースフィルム10から第1保護層30の上面35の高さは、ベースフィルム10から第1導電パターン20の最上面25の高さと同じか高くてもよい。
図1に示してないが、第1導電パターン20と第1保護層30との間に、第1導電パターン20の表面を覆うように追加的なめっき層が形成され得る。このようなめっき層は、例えば、第1導電パターン20上に銅、すず、ニッケル、パラジウム、金などの物質またはこれらの合金をめっきして形成し得る。
本発明の一実施形態によるフレキシブル回路基板1において、第1保護層30の上面35は実質的に平坦であり得る。ここで、実質的に平坦であるとは、第1保護層30の上面35に多少の凹凸が形成された場合を含み得る。しかし、このような凹凸にもかかわらず、第1保護層30の全体の厚さに比べる時、第1保護層30の上面35の最上部と最下部の高さの差は、極めて小さいので無視してもよい。
本発明のいくつかの実施形態において、上面が平坦な第1保護層30を形成するために第1導電パターン20上に第1保護層30を形成した後、第1保護層30の上面35を平坦化する工程が追加され得る。
第1保護層30上に第1放熱層40が形成され得る。第1放熱層40は、第1保護層30の上面を覆うように形成され得る。図1に示すように、第1放熱層40は、第1保護層30の表面を完全に覆うように形成され得るが、本発明はこれに制限されない。第1放熱層40は、第1導電パターン20とオーバーラップする第1保護層30上の領域のみを覆うように形成され得る。
前述したように第1保護層30の上面35の高さは、第1導電パターン20の最上面25の高さと同じか高く形成され得るので、第1保護層30を覆う第1放熱層40の下面41の高さも第1導電パターン20の最上面25の高さと同じか高く形成され得る。
本発明のいくつかの実施形態において、第1保護層30と第1放熱層40の厚さの比は、2:8ないし8:2であり得る。ここで、第1保護層30の厚さは、第1導電パターン20の上面から第1保護層30の上面35までの高さをいい、第1放熱層40の厚さは、第1保護層30の上面35上の第1放熱層40の下面41から第1放熱層40の最上面までの高さをいう。第1保護層30の厚さに比べて第1放熱層40の厚さが過度に薄く形成される場合、第1放熱層40による第1導電パターン20の放熱効果が不十分である。一方、第1放熱層40に比べて第1保護層30の厚さが過度に薄く形成される場合、絶縁性が低下する恐れがあり、第1保護層30の厚さに比べて第1放熱層40の5厚さが必要以上に過度に厚く形成される場合、放熱効果の増加に比べてフレキシブル回路基板1の製造コストが過度に増加し得る。
本発明のいくつかの実施形態において、第1保護層30の厚さは、1μmないし30μmであり、第1放熱層40の厚さは、1μmないし30μmであり得、第1保護層30及び第1放熱層40の厚さの合計は、2μmないし60μmで形成し得る。
第1放熱層40は、ベース物質と、放熱材45とを含み得る。ベース物質は、例えば、ソルダーレジストまたはカバーレイフィルムを含み得る。本発明のいくつかの実施形態において、第1放熱層40のベース物質は、第1保護層30と同じ物質を含み得る。
第1放熱層40に含まれた放熱材としての放熱材45は、熱伝導率が良い物質を含み得、例えば、アルミニウム、銅などの金属性物質またはグラフェン、炭素ナノチューブなどの炭素物質を含むか、これらの化合物を含み得る。
本発明のいくつかの実施形態において、放熱材45は、球形の放熱ボールを含み得るが、本発明はこれに制限されない。放熱材45は、六面体など多面体形状を有し得、第1放熱層40のベース物質と混ざって第1導電パターン20で発生した熱を空気中に伝達できる物質であれば、形状の制限なしに本発明に適用できる。
本発明の一実施形態によるフレキシブル回路基板1において、第1放熱層40に含まれた放熱材45によって、第1導電パターン20から発生した熱が外部に放出されることを促進し得る。したがって、第1放熱層40によって第1導電パターン20上に実装される回路素子及び電子装置が第1導電パターン20で発生した熱から受ける熱の影響を減少させ、フレキシブル回路基板1の動作信頼性が増加し得る。
また、このように第1放熱層40を第1保護層30上に形成することは、別途のメタルテープをベースフィルム10の裏面に形成する場合より生産工程及び生産コストの側面から有利である。
一方、本発明の一実施形態によるフレキシブル回路基板1において、第1放熱層40は、第1保護層30によって第1導電パターン20と離隔し得る。のみならず、第1保護層30の上面35の高さは、第1導電パターン20の最上面25の高さと同じか高く形成されるので、複数の第1導電パターン20の間に第1放熱層40及び第1放熱層40に含まれた放熱材45が位置しない。
ベースフィルム10上の第1導電パターン20の間に放熱材45が含有された第1放熱層40が介在する場合、放熱材45と湿気などが反応して第1導電パターン20の間を流れるように形成された漏洩電流によって複数の第1導電パターン20の間の絶縁効果が減少し得る。そのため、フレキシブル回路基板1の動作信頼性も低下し得る。
しかし、本発明の一実施形態によるフレキシブル回路基板1の第1放熱層40は、複数の第1導電パターン20の間に第1放熱層40及び第1放熱層40に含まれた放熱材45が位置しないので、第1放熱層40内の放熱材45が水分と反応する場合にも、第1導電パターン20の間に漏洩電流が発生することを防止し、第1導電パターン20の間を効果的に絶縁させ得る。
図3は本発明の他の実施形態によるフレキシブル回路基板の断面図である。以下、前述した実施形態と共通する部分の説明は、省略し、相違点を中心に説明する。
図3を参照すると、本発明の他の実施形態によるフレキシブル回路基板2は、前述した実施形態におけるフレキシブル回路基板と第1保護層130及び第1放熱層140の形状が異なる。
第1保護層130の上面135は、第1導電パターン20の上面のプロファイルに沿って形成され得る。すなわち、第1保護層130の上面135は、第1導電パターン20上の第1面136と、第1面136の間の第2面137を含み、ベースフィルム10から第1面136の高さは、第2面137の高さより高い。
一方、第1保護層130の上面135は、第1導電パターン20の上面のプロファイルに沿って形成されるにもかかわらず、依然として第1導電パターン20の最上面の高さと同じか高くてもよい。すなわち、第1保護層130の上面135のうち第1面136の高さより低い第2面137のレベルは、依然として第1導電パターン20の最上面のレベルと同じか高く形成され、第1導電パターン20の間に第1放熱層140及び第1放熱層40に含まれた放熱材が第1導電パターン20の間に位置することを防止できる。したがって、変形された第1保護層130の上面135の形状にもかかわらず、第1保護層130及び第1放熱層140による第1導電パターン20の間の絶縁効果は、そのまま維持され得る。
第1保護層130が第1導電パターン20の上面のプロファイルに沿って形成されることによって、第1保護層130を覆う第1放熱層140の形状も第1保護層130のプロファイルに沿って形成され得る。したがって、第1放熱層140の上面は、第1導電パターン20上の第1面141と、第1面の間の第2面142とを含み得、第1面141の高さは、第2面142の高さより高くてもよい。
一方、前述した実施形態の場合のように、第1放熱層140の下面の高さは、第1導電パターン20の最上面の高さと同じか高くてもよい。
本実施形態によるフレキシブル回路基板2は、第1保護層130が第1導電パターン20の表面のプロファイルに沿って形成されるので、屈曲した第1保護層130の上面135の形状によって第1保護層130の上面135の表面積が増加し得る。また、増加した第1保護層130の上面135の表面積によって、第1保護層130と第1放熱層140との間の接触面積もそれだけ増加し得る。したがって、第1保護層130を介して第1放熱層140に伝達される第1導電パターン20の熱伝達効率が増加し得る。
一方、第1保護層130が第1導電パターン20のプロファイルに沿って形成される場合、第1保護層130を形成した後、第1保護層130の上面を平坦化させる工程は行われなくてもよい。
図4は本発明のまた他の実施形態によるフレキシブル回路基板の断面図である。
図4を参照すると、本発明のまた他の実施形態によるフレキシブル回路基板3は、ベースフィルム10の第1導電パターン20と反上面に形成された第2導電パターン120、第2保護層230、第2放熱層240及びベースフィルム10を貫くビア51をさらに含み得る。
第2導電パターン120は、ベースフィルム10の第1導電パターン20が形成された一面の反上面に形成され得る。第2導電パターン120は、第1導電パターン20と同様に一定の幅を有する帯形状の導線を少なくとも一つ以上含み得る。
第2導電パターン120は、第1導電パターン20と基板を貫くビア51を介して電気的に接続され得る。ビア51は、ベースフィルム10を貫いて形成されたビアホール50を満たし得る。ビア51は、第1及び第2導電パターン20,120と同様に銅、金などの導電性物質またはこれらの合金を含み得る。図4には示していないが、ビアホール50の内側壁とビア51との間には一つ以上の追加的な金属層を含み得る。
図4は第1導電パターン20と第2導電パターン120とがベースフィルム10を中心に対応する位置に形成された場合を示しているが、本発明はこれに制限されない。フレキシブル回路基板1の設計及びこれに実装される回路素子の配置によって第1及び第2導電パターン20,120の配置はこれとは異なり得ることは、本発明が属する技術分野の通常の技術者に自明であろう。
第2導電パターン120を覆うように、第2保護層230が形成され得る。第2保護層230は、第1保護層30と同様に、第2導電パターン120を完全に覆うように形成され得る。したがって、ベースフィルム10の他面から第2保護層230の上面の高さは、第2導電パターン120の最上面の高さと同じか高くてもよい。
第2保護層230上に第2放熱層240が形成され得る。第2放熱層240は、絶縁物質であるベース物質と、ベース物質内に含有された放熱材を含み得る。第1放熱層40と第2放熱層240とは、同じ物質を含み得る。すなわち、第1放熱層40と第2放熱層240とを構成するベース物質及び放熱層は、互いに同じ物質を含み得る。
図4に示すように、第2放熱層240は、第2保護層230を完全に覆うように形成され得、これとは異なり、第2放熱層240は、第2導電パターン120が形成された領域上の第2保護層230の上面のみを覆うように形成され得る。
第2保護層230の上面が第2導電パターン120の上面のレベルと同じか高く形成されることによって、第2放熱層240が第2導電パターン120の間に介在しないことは第1放熱層40について説明したとおりである。したがって、このような第2放熱層240の形状は、第2導電パターン120で発生した熱を空気中に放出させることを助けると同時に、第2導電パターン120と放熱材との間に漏洩電流が発生してフレキシブル回路基板3の動作信頼性を減少させることを防止できる。
図5は本発明の一実施形態によるフレキシブル回路基板の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図5及び図1を参照すると、本発明の一実施形態によるフレキシブル回路基板の製造方法は、少なくとも一面上に複数の導電パターンが形成されたベースフィルムを提供し(S10)、前記複数の導電パターンを覆うように第1保護層を形成し(S20)、第1保護層上に内部に放熱材が形成された放熱層を形成する(S30)。
第1導電パターン20は、例えば、ベースフィルム10上にレジストを形成し、電解または非電解方式でめっきを行うセミアディティブ(semi additive)工程により形成され得、ベースフィルム10上に導電層を形成し、前記導電層をエッチングするエッチング(etching)工程によっても形成され得る。
複数の第1導電パターン20を覆うように、第1保護層30を形成することは、ソルダーレジストまたはカバーレイフィルムを第1導電パターン20上に印刷またはラミネイティングにより形成することを含み得る。第1保護層30は、第1保護層30の上面のレベルが第1導電パターン20の最上面のレベルより高くなるように十分に形成される必要がある。
ここで、第1保護層30の上面のレベルを実質的に平坦に維持するために第1保護層30を形成した後、上面を平坦化する工程が追加され得る。第1保護層30の上面を平坦化することは、例えば、第1保護層30の上面をプレスで加圧することを含み得る。
第1保護層30を覆うように、第1放熱層40を形成することは、放熱材45が含まれたソルダーレジストまたはカバーレイフィルムを第1保護層30上に印刷またはラミネイティングにより形成することを含み得る。
以上、添付した図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造され得、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更せずに、他の具体的な形態で実施され得ることを理解できるであろう。したがって、上記実施形態は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものでないと理解しなければならない。