JP2019519452A - イオン交換後の熱処理後に高い圧縮応力を維持するガラス組成物 - Google Patents

イオン交換後の熱処理後に高い圧縮応力を維持するガラス組成物 Download PDF

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Abstract

イオン交換可能なガラスは、SiO、NaO、MgOおよび必要に応じて、LiOとZrOの少なくとも一方を含有する。これらのガラスは、B、KO、CaO、Pの内の少なくとも1つを含まない。これらのガラスは、イオン交換されて、少なくとも約40μmまたは約50μmまでの圧縮層の深さおよび少なくとも約950MPa、いくつかの実施の形態において、少なくとも1000MPa、他の実施の形態において、少なくとも約1100MPaの最大表面圧縮応力を達成することがある。そのイオン交換済みガラスは、続いて熱処理されたときに、ガラスの表面で少なくとも約600MPa、いくつかの実施の形態において、少なくとも約750MPaの保持圧縮応力を有する。そのガラスは、強酸に曝されたときに、高レベルの耐久性も示す。

Description

関連出願の説明
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2016年5月6日に出願された米国仮特許出願第62/332591号の米国法典第35編第120条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
本開示は、イオン交換可能なガラスに関する。より詳しくは、本開示は、イオン交換され、その後、熱処理されたときに、表面圧縮応力を維持するガラスに関する。さらにより詳しくは、本開示は、高レベルの耐久性を有する、そのようなイオン交換可能なガラスに関する。
家電市場向けの化学強化ガラスとは対照的に、多板(multipane)窓などの建築用途に使用されるガラスは、典型的に、イオン交換後に封止過程を経る。その封止過程中、イオン交換済みガラスは、拡散および応力緩和の両方が著しい温度まで加熱される。それゆえ、イオン交換中に導入されたKイオンが、その後の熱処理中にガラス中により深く拡散し続けるので、封止過程中に加熱工程により生じる応力緩和により、イオン交換過程によりガラス表面で達成された圧縮応力CSが著しく低下してしまう。あるガラスにおいて、例えば、ガラス表面での圧縮応力は、イオン交換後の熱処理後に、900MPaから600MPa未満まで低下するであろう。
本開示は、SiO、NaO、MgOおよび必要に応じて、LiOとZrOの少なくとも一方を含有するイオン交換可能なガラスを提供する。その上、これらのガラスは、B、KO、CaO、Pの内の少なくとも1つを含まない。これらのガラスは、イオン交換されて、少なくとも約40μm、または約50μmまで、または約70μmまでの圧縮層の深さおよび少なくとも約950MPa、いくつかの実施の形態において、少なくとも1000MPa、他の実施の形態において、少なくとも約1100MPaの最大表面圧縮応力を達成することがある。そのイオン交換済みガラスは、続いて熱処理されたときに、ガラスの表面で少なくとも約600MPa、いくつかの実施の形態において、少なくとも約750MPaの保持圧縮応力を有する。そのガラスは、強酸に曝されたときに、高レベルの耐久性も示す。
本開示の第1の態様は、少なくとも約50モル%のSiO、少なくとも約10モル%のNaO、およびMgOを含み、B、KO、CaO、BaO、およびPの内の少なくとも1つを含まないアルカリアルミノケイ酸塩ガラスを提供することにある。このアルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、約5質量%のHClを含む酸性溶液中に約7時間に亘り95℃で浸漬した後、約0.030mg/cm以下の質量損失を経験する。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約1mmまでの厚さtを有し、そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面から約70μmまでの層の深さまで延在する圧縮層およびその表面での少なくとも約950MPaの最大圧縮応力を有する、第1の態様による第2の態様。
その圧縮応力が少なくとも約1000MPaであり、層の深さが少なくとも約40μmである、第2の態様による第3の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、イオン交換後に少なくとも約450℃の温度で熱処理されており、そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、少なくとも600MPaの、表面での圧縮応力を有する、第2の態様による第4の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスがイオン交換されており、その圧縮層が、表面から0.20tの深さまで延在する表面近くの領域を含み、その表面近くの領域が約10モル%までのKOを含む、第2から第4の態様のいずれか1つによる第5の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが約0.25モル%から約6モル%のLiOを含む、先の態様の内のいずれかによる第6の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが約0.5モル%から約5モル%のZrOを含む、先の態様の内のいずれかによる第7の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約50モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約26モル%のAl、0モル%から約6モル%のLiO、約10モル%から約25モル%のNaO、および0モル%超から約8モル%のMgOを含む、先の態様の内のいずれかによる第8の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約60モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約15モル%のAl、0モル%から約4モル%のLiO、約10モル%から約16モル%のNaO、約4モル%から約6モル%のMgO、0モル%から約3モル%のZnO、および0モル%から約3モル%のZrOを含む、先の態様の内のいずれかによる第9の態様。
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO≦8モル%である、先の態様の内のいずれかによる第10の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、建築要素またはディスプレイを備えた物品の少なくとも一部を形成する、先の態様の内のいずれかによる第11の態様。
本開示の第12の態様は、NaOおよびMgOを含むアルカリアルミノケイ酸塩ガラスであって、約1mmまでの厚さtを有するアルカリアルミノケイ酸塩ガラスを提供することにある。そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、イオン交換されており、そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面から約70μmまでの層の深さまで延在する圧縮層、およびその表面での少なくとも約950MPaの最大圧縮応力を有する。このアルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、約5質量%のHClを含む酸性溶液中に約7時間に亘り95℃で浸漬した後、約0.030mg/cm以下の質量損失を経験する。
その最大圧縮応力が少なくとも約1000MPaである、第12の態様による第13の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、イオン交換後に少なくとも約450℃の温度で熱処理されており、そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、少なくとも600MPaの、表面での圧縮応力を有する、第12の態様による第14の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが約0.25モル%から約6モル%のLiOを含む、第12から第14の態様のいずれかによる第15の態様。
その圧縮層が、表面から0.20tの深さまで延在する表面近くの領域を含み、その表面近くの領域が約10モル%までのKOを含む、第12から第15の態様のいずれか1つによる第16の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約50モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約26モル%のAl、0モル%から約6モル%のLiO、約10モル%から約25モル%のNaO、および0モル%超から約8モル%のMgOを含む、第12から第16の態様のいずれか1つによる第17の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約60モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約15モル%のAl、0モル%から約4モル%のLiO、約10モル%から約16モル%のNaO、約4モル%から約6モル%のMgO、0モル%から約3モル%のZnO、および0モル%から約3モル%のZrOを含む、第12から第17の態様のいずれか1つによる第18の態様。
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO≦8モル%である、第12から第18の態様の内のいずれか1つによる第19の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、建築要素またはディスプレイを備えた物品の少なくとも一部を形成する、第12から第19の態様の内のいずれか1つによる第20の態様。
本開示の第21の態様は、約60モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約15モル%のAl、約0.25モル%から約4モル%のLiO、約10モル%から約16モル%のNaO、約4モル%から約6モル%のMgO、0モル%から約3モル%のZnO、および0.5モル%から約3モル%のZrOを含み、KOおよびCaOの少なくとも一方を含まないアルカリアルミノケイ酸塩ガラスを提供することにある。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、B、KO、CaO、およびPの内の1つ以上を含まない、第21の態様による第22の態様。
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO≦8モル%である、第21または第22の態様による第23の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、表面から層の深さまで延在する圧縮層を達成し、その表面で少なくとも約950MPaの圧縮応力を有するようにイオン交換可能である、第21から第23の態様のいずれかによる第24の態様。
その圧縮応力が少なくとも約1000MPaである、第24の態様による第25の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスがイオン交換されており、その圧縮層が、表面から0.20tの深さまで延在する表面近くの領域を含み、その表面近くの領域が約10モル%までのKOを含む、第24または第25の態様による第26の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約5質量%のHClを含む酸性溶液中に約7時間に亘り95℃で浸漬した後、約0.030mg/cm以下の質量損失を経験する、第21から第26の態様のいずれかによる第27の態様。
そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、建築要素またはディスプレイを備えた物品の少なくとも一部を形成する、第21から第27の態様のいずれかによる第28の態様。
本開示の第29の態様は、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスをイオン交換する方法を提供することにある。その方法は、カリウム含有塩を含むイオン交換浴中でアルカリアルミノケイ酸塩ガラスをイオン交換する工程であって、イオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約0.25t以下の圧縮層の層の深さ、および少なくとも約950MPaの、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面での圧縮応力を有する圧縮層を有する工程、およびそのイオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスを少なくとも約400℃の温度で熱処理する工程であって、この熱処理工程後のイオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面での圧縮応力が少なくとも約600MPaである工程を有してなる。
その熱処理工程後のイオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面での圧縮応力が少なくとも約750MPaである、第29の態様による第30の態様。
これらと他の態様、利点、および顕著な特色は、以下の詳細な説明、添付図面、および付随の特許請求の範囲から明白になるであろう。
イオン交換済みガラス物品の断面図 イオン交換済みガラスの圧縮応力CSおよび層の深さDOLをプロットしたグラフ 熱処理されたイオン交換済みガラスの圧縮応力および層の深さをプロットしたグラフ ガラスの化学的耐久性をプロットしたグラフ
以下の説明において、図面に示されたいくつかの図に亘り、同様の参照文字が、同様または対応する部品を示す。特に明記のない限り、「上部」、「底部」、「外方」、「内方」などの用語は、便宜上の単語であり、制限用語と解釈すべきではないことも理解されよう。それに加え、群が、複数の要素およびその組合せの群の少なくとも1つを含むと記載されているときはいつでも、その群は、個別か、または互いとの組合せのいずれかで、列挙されたそれらの要素のいくつを含んでも、から実質的になっても、またはからなってもよいことが理解されよう。同様に、群が、複数の要素またはその組合せの群の少なくとも1つからなると記載されているときはいつでも、その群は、個別か、または互いとの組合せのいずれかで、列挙されたそれらの要素のいくつからなってもよいことが理解されよう。特に明記のない限り、値の範囲は、列挙されている場合、その範囲の上限と下限の両方、並びにそれらの間の任意の範囲を含む。ここに用いたように、名詞は、特に明記のない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の対象を指す。明細書および図面に開示された様々な特徴は、どの組合せと全ての組合せで使用しても差し支えないことも理解されよう。
ここに用いたように、「ガラス物品」という用語は、ガラスから全体がまたは一部が製造されたどのような物体も含むように、最も広い意味で使用される。特に明記のない限り、全ての組成は、モルパーセント(モル%)で表される。熱膨張係数(CTE)は、10−7/℃で表され、特に明記のない限り、約20℃から約300℃の温度範囲に亘り測定された値を示す。
「液相粘度」または「T」という用語は、溶融ガラスが溶融温度から冷めるときに、結晶が最初に現れる温度、または温度を室温から上昇させるときに、一番最後の結晶が溶けてなくなる温度を称する。ここに用いたように、「35kP温度」または「T35kP」という用語は、ガラスまたはガラス溶融物の粘度が35,000ポアズ(P)、すなわち35キロポアズ(kP)である温度を称する。
「実質的に」および「約」という用語は、任意の定量的比較、値、測定、または他の表現に帰することがある不確定性の固有の程度を表すためにここに使用してよいことに留意のこと。これらの用語も、定量的表現が、問題となっている主題の基本機能を変化させずに、規定の基準から変動してもよい程度を表すためにここに使用される。それゆえ、「KOを含まない」ガラスは、KOが、ガラスに積極的に加えられていないまたはバッチ配合されていないが、汚染物質として非常に少量、例えば、400百万分率(ppm)以下、またはいくつかの実施の形態において、300ppm以下で存在するかもしれないものである。
圧縮応力および層の深さは、当該技術分野で公知の方法を使用して測定される。表面での圧縮応力を測定するためのそのような手段としては、以下に限られないが、有限会社折原製作所(日本国、東京都)により製造されているFSM−6000などの市販の計器を使用するて表面応力の測定(FSM)が挙げられる。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関連する、応力光学係数(SOC)の精密測定に依存する。SOC値は、「Standard Test Method for Measurement of Glass Stress−Optical Coefficient」と題する、ASTM基準C770−16の手順C(ガラスディスク法)に述べられたように測定できる。DOL値は、当該技術分野で公知の散乱光偏光器(SCALP)技術を使用して測定できる。
概して図面を、特に、図1を参照すると、図解は、特定の実施の形態を記載する目的のためであり、本開示または付随の特許請求の範囲をそれに制限する意図はないことが理解されよう。図面は、必ずしも、一定の縮尺で描かれておらず、図面の特定の特徴および特定の視野は、明確さおよび簡潔さのために、尺度および図式が誇張されて示されていることがある。
SiO、Al、NaO、およびMgOを含有するアルカリアルミノケイ酸塩ガラスがここに記載されている。いくつかの実施の形態において、そのガラスは、LiO、ZrO、およびZnOの内の少なくとも1つをさらに含む。それに加え、これらのガラスは、最初に形成されたときに、B、KO、CaO、BaO、およびPの内の少なくとも1つを含まない。いくつかの実施の形態において、これらのガラスは、最初に形成されたときに、B、KO、CaO、BaO、およびPの内の1つ以上を含まない。しかしながら、これらのガラスのイオン交換中に、少量のKOが導入されることがある。
ここに記載されたガラスは、少なくとも約50モル%のSiO、および少なくとも約10モル%のNaOを含む。これらのガラスは、いくつかの実施の形態において、約50モル%から約75モル%のSiO(50モル%≦SiO≦75モル%)、約7モル%から約26モル%のAl(7モル%≦Al≦26モル%)、0モル%から約6モル%のLiO(0モル%≦LiO≦6モル%)、約10モル%から約25モル%のNaO(10モル%≦NaO≦25モル%)、および0モル%超から約8モル%のMgO(0モル%<MgO≦8モル%)を含む。いくつかの実施の形態において、これらのガラスは、約6モル%までのCaO(0モル%≦CaO≦6モル%)をさらに含むことがある。
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたアルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、約60モル%から約75モル%のSiO(60モル%≦SiO≦75モル%)、約7モル%から約15モル%のAl(7モル%≦Al≦15モル%)、0モル%から約4モル%のLiO(0モル%≦LiO≦4モル%)、約10モル%から約16モル%のNaO(10モル%≦NaO≦16モル%)、約4モル%から約6モル%のMgO(4モル%≦MgO≦6モル%)、0モル%から約3モル%のZnO(0モル%≦ZnO≦3モル%)、および0モル%から約3モル%のZrO(0モル%≦ZrO≦3モル%)を含む。いくつかの実施の形態において、二価酸化物の総量は、ガラスの約8モル%までを占める(すなわち、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO≦8モル%)。
いくつかの実施の形態において、そのガラスは、清澄剤として、約1モル%未満のSnO(0モル%≦SnO<1モル%)、他の実施の形態において、約0.16モル%までのSnO(0モル%≦SnO≦0.16モル%)をさらに含むことがある。
表1には、ここに記載されたアルカリアルミノケイ酸塩ガラスの非限定的な例示の組成が列挙されている。表1に列挙された組成は、「バッチ配合されたまま」であり、蛍光X線を使用して決定した。表2には、表1に列挙された例について決定した選択された物理的性質が列挙されている。表2に列挙された物理的性質としては、密度;低温CTE;歪み点、徐冷点、および軟化点;仮想(1011ポアズ)温度;ジルコン分解粘度および液相粘度;ポアソン比;ヤング率;剛性率;屈折率;並びに応力光学係数(SOC)が挙げられる。徐冷点、歪み点および軟化点は、ファイバ伸長により決定した。密度は、ASTM C693−93(2013)の浮力法により決定した。表2に列挙された熱膨張係数(CTE)は、室温と300℃の間の平均値を表し、ASTM E228−11にしたがってプッシュロッド膨脹計を使用して決定した。応力光学係数(SOC)は、「Standard Test Method for Measurement of Glass Stress−Optical Coefficient」と題する、ASTM基準C770−16の手順C(ガラスディスク法)に述べられたように測定した。液相粘度は以下の方法によって決定される。最初に、ガラスの液相温度を、「Standard Practice for Measurement of Liquidus temperature of Glass by the Gradient Furnace Method」と題する、ASTM C829−81(2015)にしたがって測定する。次に、その液相温度でのガラスの粘度を、「Standard Practice for Measuring Viscosity of Glass Above the Softening Point」と題する、ASTM C965−96(2012)にしたがって測定する。液相温度を、勾配ボート内での72時間の温度保持を使用して決定した。ジルコン分解温度は、勾配ボート内での168時間の温度保持を使用して決定した。歪み点および徐冷点は、ASTM C598−93(2013)のビーム曲げ粘度法を使用して決定した。軟化点は、ASTM C1351M−96(2012)の平行板粘度法を使用して決定した。本開示に挙げられたポアソン比の値、剛性率の値、およびヤング率の値は、「Standard Guide for Resonant Ultrasound Spectroscopy for Defect Detection in Both Metallic and Non−metallic Parts」と題するASTM E2001−13に述べられた一般型の共鳴超音波分光法によって測定された値を称する。
Figure 2019519452
Figure 2019519452
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ここに記載された基礎ガラスおよびイオン交換済みガラスの酸化物成分の各々は、そのガラスの製造可能性および物理的性質に機能を果たす、および/または影響を与える。シリカ(SiO)は、主要なガラス形成酸化物としての機能を果たし、ガラスに主要構造要素を与える。SiO濃度は、ガラスに十分に高い化学的耐久性を与えるために、十分に高いべきである。しかしながら、純粋なSiOまたは高SiOガラスの溶融温度(すなわち、ガラスの粘度が200ポアズである温度、すなわち200ポアズ温度(T200P))は、清澄気泡などの欠陥が現れることがあるので、高すぎる。さらに、ほとんどの酸化物と比べて、SiOは、イオン交換により生じた圧縮応力を低下させる。SiOは、ガラスの網目構造に自由体積を加え、それによって、強度を制限する亀裂系を形成するのに要する点接触変形の量を増加させる。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、少なくとも50モル%のSiO、少なくとも51モル%のSiO、少なくとも52モル%のSiO、少なくとも53モル%のSiO、少なくとも54モル%のSiO、少なくとも55モル%のSiO、少なくとも56モル%のSiO、少なくとも57モル%のSiO、少なくとも58モル%のSiO、少なくとも59モル%のSiO、少なくとも60モル%のSiO、少なくとも61モル%のSiO、少なくとも62モル%のSiO、少なくとも63モル%のSiO、少なくとも64モル%のSiO、少なくとも65モル%のSiO、少なくとも66モル%のSiO、少なくとも67モル%のSiO、少なくとも68モル%のSiO、少なくとも69モル%のSiO、少なくとも70モル%のSiO、少なくとも71モル%のSiO、少なくとも72モル%のSiO、少なくとも73モル%のSiO、少なくとも74モル%のSiO、または75モル%のSiO、およびそれらの間の任意の範囲または部分的範囲のSiOを含む。特定の実施の形態において、ここに記載されたガラスは、約50から約75モル%のSiO、または約60モル%のSiOから約70モル%のSiO、または約60モル%のSiOから約75モル%のSiO、または約66モル%のSiOから約70モル%のSiOを含むことがある。いくつかの実施の形態において、これらのガラスは、約72モル%までのSiO、さらに他の実施の形態において、約75モル%までのSiOを含む。
アルミナ(Al)も、例示のガラスにおいてガラス形成剤としての機能を果たすことができる。Alは、SiOのように、概して、溶融物の粘度を増加させ、アルカリまたはアルカリ土類に対してAlを増加させると、概して、ガラスの耐久性が改善される。アルミニウムイオンの構造的役割はガラス組成に依存する。アルカリ酸化物[RO]の濃度がアルミナ[Al]の濃度以上である場合、全てのアルミニウムは、四面体配位で見られる。アルカリイオンはAl3+イオンを埋め合わせ、よって、それらはAl4+イオンとして働き、これは四面体配位を好む。これは、ここに記載され列挙された例示のガラスのいくつかの場合に当てはまる。アルミニウムイオンが過剰にあるときのアルカリイオンは、非架橋酸素を形成する傾向にある。他の例示のガラスにおいて、アルカリ酸化物の濃度はアルミニウムイオンの濃度より低く、この場合、二価陽イオン酸化物(RO)は、様々な程度で四面体アルミニウムの荷電平衡をとることもできる。カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムなどの元素が2つのアルカリイオンと同等に挙動する一方で、マグネシウムイオンと亜鉛イオンは、その高い電界強度のために、四面体配位のアルミニウムを完全には荷電平衡させず、これにより、五および六配位のアルミニウムを形成することがある。Alは、アルカリイオンの比較的速い拡散性を可能にしつつ、強力な網目骨格(すなわち、高い歪み点)を与えるので、イオン交換可能なガラスに重要な役割を果たす。しかしながら、Alの濃度が高いと、一般に、液相粘度が低下する。それゆえ、Alの濃度は、妥当な範囲に限定する必要がある。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、少なくとも7モル%のAl、少なくとも8モル%のAl、少なくとも9モル%のAl、少なくとも10モル%のAl、少なくとも11モル%のAl、少なくとも12モル%のAl、少なくとも13モル%のAl、少なくとも14モル%のAl、少なくとも15モル%のAl、少なくとも16モル%のAl、少なくとも17モル%のAl、少なくとも18モル%のAl、少なくとも19モル%のAl、少なくとも20モル%のAl、少なくとも21モル%のAl、少なくとも22モル%のAl、少なくとも23モル%のAl、少なくとも24モル%のAl、少なくとも25モル%のAl、または少なくとも26モル%のAl、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲のAlを含むことがある。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、約7モル%から約26モル%のAl、いくつかの実施の形態において、約7モル%から約15モル%のAl、他の実施の形態において、約10モル%から約15モル%のAl、および特定の実施の形態において、約7モル%から約11モル%のAlを含む。
アルカリ酸化物(LiO、NaO、KO、RbO、およびCsO)は、低い溶融温度および低い液相温度を達成するのに役立つ。他方で、アルカリ酸化物を添加すると、ガラスの熱膨張係数(CTE)が劇的に増加し、ガラスの化学的耐久性が劇的に低下する。最も重要なことには、イオン交換を行うために、イオン交換塩浴中に存在するより大きいアルカリイオン(例えば、K)と交換するのに、LiOおよびNaOなどの小さいアルカリ酸化物の存在が必要である。具体的に、高移動性のNa陽イオンが存在すると、これらのガラスにおけるイオン交換が促進される。LiのKによる交換で、圧縮層の深さが小さいが、表面圧縮応力が比較的大きくなるのに対し、NaのKによる交換で、圧縮層の深さおよび表面圧縮応力が中位になる。ガラスに大きい圧縮応力を生じるために、小さいアルカリ酸化物の十分に高い濃度が必要である。何故ならば、圧縮応力は、ガラスから交換されてなくなるアルカリイオンの数に比例するからである。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、少なくとも10モル%のNaO、少なくとも11モル%のNaO、少なくとも12モル%のNaO、少なくとも13モル%のNaO、少なくとも14モル%のNaO、少なくとも15モル%のNaO、少なくとも16モル%のNaO、少なくとも17モル%のNaO、少なくとも18モル%のNaO、少なくとも19モル%のNaO、少なくとも20モル%のNaO、少なくとも21モル%のNaO、少なくとも22モル%のNaO、少なくとも23モル%のNaO、少なくとも24モル%のNaO、または少なくとも25モル%のNaO、またはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲のNaOを含む。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、約10モル%から約25モル%のNaO、さらに他の実施の形態において、約10モル%から約16モル%のNaOを含む。
いくつかの実施の形態において、さらに、ガラスの拡散性を低下させ、圧縮応力性能を向上させ、弾性率を増加させ、耐久性を改善するために、LiOが加えられる。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、0モル%のLiO、少なくとも0.25モル%のLiO、少なくとも0.5モル%のLiO、少なくとも0.75モル%のLiO、少なくとも1モル%のLiO、少なくとも2モル%のLiO、少なくとも3モル%のLiO、少なくとも4モル%のLiO、少なくとも5モル%のLiO、または少なくとも6モル%のLiO、またはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲のLiOを含む。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、0モル%から約6モル%のLiO、いくつかの実施の形態において、0モル%から約4モル%のLiO、いくつかの実施の形態において、約0.25モル%から約6モル%のLiO、さらに他の実施の形態において、約0.25モル%から約6モル%のLiO、また他の実施の形態において、約0.5モル%から約5モル%のLiOを含む。
概して、イオン交換済みガラスにおいて高レベルの圧縮応力を維持することが望ましい。それゆえ、拡散性が低いイオン交換可能なガラスが望ましい。カリウムイオンは、ガラスのその後の熱処理中にガラス中に深く拡散し、それにより、ガラスの応力低下に寄与する傾向にある。したがって、バッチ配合された状態のここに記載されたガラスは、KOを含まない。しかしながら、イオン交換過程の結果として、ガラス中にいくらかのカリウムが導入されるであろう。当該技術分野で公知の蛍光X線または電子マイクロプローブ技術により決定することができる、カリウムの存在は、圧縮層(図1の120、122)内の表面近くの領域(図示せず)に制限される。この表面近くの領域は、約10モル%までのKOを含むことがある。いくつかの実施の形態において、この表面近くの領域は、ガラスの表面から約50μmの深さまで延在する。他の実施の形態において、その表面近くの領域は、その表面から厚さtの約20%−すなわち、0.20t−と等しい深さまで延在する。50μmより大きい、またはいくつかの実施の形態において、0.20tより大きい深さでは、ガラスはKOを含まない。
二価陽イオン酸化物(アルカリ土類酸化物およびZnOなど)も、ガラスの溶融挙動を改善する。しかしながら、イオン交換性能に関して、二価陽イオンが存在すると、アルカリ移動度が低下する傾向にある。イオン交換性能に対する悪影響は、より大きい二価陽イオンに特に著しい。さらに、より小さい二価陽イオン酸化物は、概して、より大きいものよりも圧縮応力に役立つ。それゆえ、MgOおよびZnOを添加すると、アルカリ移動度に対する悪影響を最小にしつつ、応力緩和の改善に関していくつかの利点が得られる。しかしながら、ガラス中に多量のMgOおよびZnOが存在すると、それらは、フォルステライト(MgSiO)および亜鉛スピネル(ZnAl)またはケイ酸亜鉛鉱(ZnSiO)を形成し、それゆえ、MgOおよびZnOの含有量が一定レベルを超えると、液相温度を非常に急上昇させる傾向にある。いくつかの実施の形態において、MgOは、ここに記載されたガラス中に存在する唯一の二価陽イオン酸化物である。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、0モル%超から約8モル%までのMgOおよびれらの間の任意の範囲または部分的範囲、例えば、約4モル%から約6モル%のMgOを含有する。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、0モル%から約3モル%のZnOおよびれらの間の任意の範囲または部分的範囲、例えば、0モル%から約1モル%のZnOを含むことがある。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、二価酸化物のCaOおよびBaOの少なくとも一方を含まない。いくつかの実施の形態において、そのガラス中に存在する二価酸化物の総量は、約8モル%以下(すなわち、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO≦8モル%)、約7モル%以下、約6モル%以下、約5モル%以下、または約4モル%以下である。
ZrOは、SiOのように、網目構造形成剤として働き、SiOのみを用いて達成できるよりも、徐冷点および歪み点を上昇させるために加えられる。ZrOの添加は、イオン交換およびイオン交換後の熱処理中の応力緩和を低下させる機能を果たし、それと同時に、ZrOの量を増加させると、ガラスの弾性率および化学的耐久性が上昇する。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、0モル%のZrO、少なくとも0.25モル%のZrO、少なくとも0.5モル%のZrO、少なくとも0.75モル%のZrO、少なくとも1モル%のZrO、少なくとも2モル%のZrO、少なくとも3モル%のZrO、少なくとも4モル%のZrO、または少なくとも5モル%のZrO、もしくはそれらの間の任意の範囲または部分的範囲のZrOを含む。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、0モル%から約5モル%のZrO、いくつかの実施の形態において、0モル%から約3モル%のZrO、さらに他の実施の形態において、0.5モル%から約3モル%のZrO、他の実施の形態において、0.5モル%から約5モル%のZrOを含む。
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたアルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、スロットドロー法およびフュージョンドロー法などの、当該技術分野で公知のダウンドロー法により成形できる。6モル%以下のLiOを含有するガラス組成物は、フュージョンドロー法に十分に適合しており、問題なく製造できる。リチウムは、スポジュメンまたは炭酸リチウムのいずれかとして溶融物にバッチ配合してよい。
フュージョンドロー法は、薄いガラスシートの大規模製造に使用されてきた産業技術である。フロート法やスロットドロー法などの他の平板ガラス製造技術と比べると、フュージョンドロー法は、平面度と表面品質が優れた薄いガラスシートを生成する。その結果、フュージョンドロー法は、液晶ディスプレイ用の薄いガラス基板、並びにノートブック型コンピュータ、エンターテイメント機器、タブレット、ラップトップ型コンピュータなどの個人用電子機器向けのカバーガラスの製造において主要な製造技術となってきた。
フュージョンドロー法は、典型的に、ジルコンまたは別の耐火材料から製造された「アイソパイプ」としても知られている樋を越える溶融ガラスの流れを含む。その溶融ガラスはアイソパイプの上部をその両側から溢れ出て、アイソパイプの底部で融合して、1枚のシートを形成する。ここで、最終的なシートの内部しかアイソパイプと直接接触していない。最終的なガラスシートのどの露出表面も、ドロー過程中にアイソパイプの材料と接触していないので、そのガラスの両方の外面は、無垢な品質であり、それに続く仕上げを必要としない。
ここに記載されたガラスは、ジルコン製アイソパイプおよびダウンドロー法に使用される他の機械設備に化学的に適合している;すなわち、そのガラス溶融物は、ジルコンを分解し、延伸されたガラス中にジルコニアなどの固体含有物を生じるほど、感知できるほどに反応しない。そのような実施の形態において、T分解−ジルコンが分解し、ガラス溶融物と反応する温度−は、ガラスまたはガラス溶融物の粘度が35キロポアズと等しくなる温度(T35kP)より高い;すなわち、T分解>T35kP
フュージョンドローができるためには、ガラスは、十分に高い液相粘度(すなわち、液相温度での溶融ガラスの粘度)を有さなければならない。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、少なくとも約200キロポアズ(kP)の、他の実施の形態において、少なくとも約500kPの液相粘度を有する。
別の態様において、先に記載されたガラスは、強化ガラスを提供するために化学処理される。ガラスを化学強化するために、イオン交換が広く使用されている。1つの特別な例において、アルカリ陽イオンの供給源(例えば、溶融塩浴、すなわち「イオン交換」浴)内のアルカリ陽イオンは、ガラス内のより小さいアルカリ陽イオンと交換されて、ガラスの表面近くに圧縮応力(CS)下にある層を形成する。その圧縮層は、その表面からガラス内の層の深さ(DOL)まで延在する。ここに記載されたガラスにおいて、例えば、以下に限られないが、硝酸カリウム(KNO)などのカリウム塩を含む溶融塩浴中にガラスを浸漬することによって、イオン交換中に、陽イオン源からのカリウムイオンが、ガラス内のナトリウムイオンおよびリチウムイオンと交換される。イオン交換過程に使用してよい他のカリウム塩としては、以下に限られないが、塩化カリウム(KCl)、硫酸カリウム(KSO)、その組合せなどが挙げられる。ここに記載されたイオン交換浴は、カリウム以外のアルカリイオンおよびそれらの対応する塩を含有してもよい。例えば、そのイオン交換浴は、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどのナトリウム塩も含んでよい。
平面のイオン交換済みガラス物品の断面図が図1に示されている。ガラス物品100は、厚さt、第一面110、および第二面112を有し、その厚さtは、約0.010mm(10μm)から約0.150mm(150μm)の範囲、またはいくつかの実施の形態において、約0.010mm(10μm)から約0.125mm(125μm)の範囲、さらに他の実施の形態において、約0.010mm(10μm)から約0.100mm(100μm)の範囲にある。図1に示された実施の形態は、平らで平面のシートまたはプレートとしてガラス物品100を示しているが、ガラス物品は、三次元形状または非平面形状などの他の形状を有してもよい。ガラス物品100は、第一面110からガラス物品100の内部の層の深さdまで延在する第1の圧縮層120を有する。図1に示された実施の形態において、ガラス物品100は、第二面112から第2の層の深さdまで延在する第2の圧縮層122も有する。特に明記のない限り、d=d、および第一面110での圧縮応力は第二面112での圧縮応力と等しい。ガラス物品は、dからdまで延在する中央領域130も有する。中央領域130は、引張応力または中央張力(CT)下にあり、これが、層120および122の圧縮応力と釣り合うまたは対抗する。第1と第2の圧縮層120、122の深さd、dは、ガラス物品100の第一面110と第二面112に対する鋭い衝撃により導入される傷の伝搬からガラス物品100を保護する一方で、圧縮応力は、第1と第2の圧縮層120、122の深さd、dを傷が貫通する可能性を最小にする。
ここに記載されたガラスは、約70μmまでの層の深さd、d、およびガラス物品100の面110、112での少なくとも約950MPaの最大圧縮応力CSを有する圧縮層120、122を達成するようにイオン交換可能である。いくつかの実施の形態において、ガラス物品100の面110、112での最大圧縮応力は、少なくとも約1000MPa、いくつかの実施の形態において、少なくとも約1100MPaであり、層の深さd、dは少なくとも約40または50μmである。
表3には、FSM測定から決定された、表1に列挙されたガラスのイオン交換特性が列挙されている。試料を、溶融ガラスパテから切り取り、イオン交換処理の前に、それぞれの徐冷点より50℃高い温度で仮想化した。このイオン交換処理は、約100質量%のKNOのイオン交換浴中において、4、8および16時間に亘り410℃で行った。表面での圧縮応力CSおよび層の深さDOLは、それぞれ、MPaおよびμmの単位で表されている。列挙されたCSおよびDOLは平均値であり、それらは、応力光学係数(SOC)および屈折率(RI)について補正した。表1に列挙されたガラスの表面での圧縮応力CSおよび層の深さDOLが、図2にプロットされている。図2は、これも表1に列挙された参照試料について得たデータも含む。
Figure 2019519452
ここに記載されたガラスは、窓、構造要素、壁板などの建築用途に使用できる。多板窓などのいくつかの用途において、建築要素は、イオン交換後に封止過程を経なければならない。封止過程中、イオン交換済みガラスは、アルカリイオン拡散および応力緩和の両方とも著しくなる温度まで加熱される。それゆえ、圧縮応力は著しく低下し得る。イオン交換中に導入されたKイオンが、熱処理中により深い深さまで継続的に拡散することが、応力低下の主因である。例えば、表1に列挙された参照ガラスにおいて、CSは、ガラスが20℃/分の速度で450℃に加熱され、次いで、450℃で1時間保持され、最後に、10℃/分の速度で25℃に冷却されるイオン交換後の熱過程後に900MPaから600MPa未満に低下するであろう。他の実施の形態において、そのガラスは、ディスプレイを備えた物品(またはディスプレイ物品)(例えば、携帯電話、タブレット、コンピュータ、ナビゲーション・システムになどを含む家電製品)に組み込まれて、ディスプレイ上に配置されるカバー物品の一部、および/またはその物品の筐体の一部となることがある。
ここに記載されたガラスは、先に記載したものと同一または類似のイオン交換後の熱処理が施されたときに、そのガラスの表面で、少なくとも約600MPa、いくつかの実施の形態において、少なくとも約750MPaの圧縮応力を維持する。表1に列挙された組成を有する化学強化ガラスは、20℃/分の速度で450℃に加熱し、次いで、450℃で1時間保持し、次に、10℃/分の速度で25℃に冷却した。これらの試料に関する圧縮応力(CS)および層の深さ(DOL)は、厚さ1mmの徐冷試料の「純粋(約100質量%)」な精製等級のKNOのイオン交換浴中の処理によって得た。CSおよびDOLは平均値として列挙され、これらは、SOC=31.8およびRI=1.5と仮定することによって決定した。熱処理したイオン交換済みガラスの圧縮応力および層の深さが、表4に列挙され、図3にプロットされている。図3は、表1に列挙された参照ガラスについて測定したデータも含む。図3から分かるように、ここに記載されたガラスは、イオン交換後の熱処理が施されたときに、参照ガラスよりも大きい圧縮応力を維持する。
Figure 2019519452
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、窓、構造用パネルなどの建築要素として使用されることがある。いくつかの実施の形態において、そのガラスは、単板または多板窓に使用できる。構造用途では、ガラスが高い耐久性を有することも必要である。化学的耐久性は、典型的に、規定条件(例えば、7時間に亘る95℃の約5質量%のHClを含む酸性溶液中の浸漬)に施されたときに、単位面積当たりの質量損失を用いて表される。したがって、ここに記載されたガラスは、7時間に亘る95℃の約5質量%のHClを含む酸性溶液中の浸漬後に、約0.030mg/cm以下、いくつかの実施の形態において、0.020mg/cm未満の質量損失を示す。5%のHCl溶液に対するここに記載されたガラスの化学的耐久性が、図4において、他のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス(ニューヨーク州、Corning所在のCorning Incorporatedにより製造された、CORNING GORILLA GLASS(登録商標)、製品2317および2318)、ソーダ石灰ケイ酸塩(SLS)、およびホウケイ酸ガラス(ニューヨーク州、Corning所在のCorning Incorporatedにより製造された、CORNING EAGLE XG GLASS(登録商標))と比べられている。試料を、7時間に亘り95℃で酸性溶液中に保持し、次に、脱イオン水で洗浄し、少なくとも30分間に亘り140℃で乾燥させた。ここに記載されたガラスのほとんどの耐久性は、他のアルカリアルミノケイ酸塩ガラスのものに匹敵するか、それを超えたのに対し、SLSガラスは最高程度の耐久性を示した。
別の態様において、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスをイオン交換する方法が提供される。そのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、いくつかの実施の形態において、以下に限られないが、SiO、Al、NaO、MgO、並びに必要に応じて、LiO、ZrO、およびZnOを含有し、B、KO、CaO、およびPの内の少なくとも1つを含まない、先に記載されたガラスなどのガラスであることがある。第1の工程において、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、カリウム含有塩を含むイオン交換浴中でイオン交換される。いくつかの実施の形態において、イオン交換浴は、実質的に100%のカリウム塩を含む。そのカリウム含有塩は、いくつかの実施の形態において、KNOを含む。イオン交換は、いくつかの実施の形態において、約4時間から約16時間に及ぶ時間に亘り、約410℃で行われることがある。イオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、表面から層の深さまで延在する圧縮層、少なくとも約950MPaのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面での圧縮応力、および約0.25t以下の圧縮層の層の深さを有する。
第2の工程において、そのイオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、少なくとも約400℃の温度で約1時間に亘り熱処理される。その熱処理後のイオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面での圧縮応力は、少なくとも約600MPa、いくつかの実施の形態において、少なくとも約750MPaである。
説明の目的のために、典型的な実施の形態を述べてきたが、先の記載は、本開示の範囲または付随の特許請求の範囲に対する制限と考えるべきではない。したがって、本開示または付随の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱せずに、様々な改変、適用、および代替手段が当業者に想起されるであろう。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
少なくとも約50モル%のSiO、少なくとも約10モル%のNaO、およびMgOを含むアルカリアルミノケイ酸塩ガラスであって、KO、B、CaO、BaO、およびPの内の少なくとも1つを含まず、約5質量%のHClを含む酸性溶液中に約7時間に亘り95℃で浸漬した後に、約0.030mg/cm以下の質量損失を経験するアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態2
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約1mmまでの厚さtを有し、該アルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面から約70μmまでの層の深さまで延在する圧縮層および該表面での少なくとも約950MPaの最大圧縮応力を有する、実施形態1に記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態3
前記圧縮応力が少なくとも約1000MPaであり、前記層の深さが少なくとも約40μmである、実施形態2に記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態4
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、イオン交換後に少なくとも約450℃の温度で熱処理されており、該アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、少なくとも600MPaの、前記表面での圧縮応力を有する、実施形態2に記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態5
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスがイオン交換されており、前記圧縮層が、前記表面から0.20tの深さまで延在する表面近くの領域を含み、該表面近くの領域が約10モル%までのKOを含む、実施形態2から4いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態6
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが約0.25モル%から約6モル%のLiOを含む、実施形態1から5いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態7
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが約0.5モル%から約5モル%のZrOを含む、実施形態1から6いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態8
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約50モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約26モル%のAl、0モル%から約6モル%のLiO、約10モル%から約25モル%のNaO、および0モル%超から約8モル%のMgOを含む、実施形態1から7いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態9
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約60モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約15モル%のAl、0モル%から約4モル%のLiO、約10モル%から約16モル%のNaO、約4モル%から約6モル%のMgO、0モル%から約3モル%のZnO、および0モル%から約3モル%のZrOを含む、実施形態1から8いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態10
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO≦8モル%である、実施形態1から9いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態11
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、建築要素またはディスプレイを備えた物品の少なくとも一部を形成する、実施形態1から10いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態12
少なくとも約50モル%のSiO、少なくとも約10モル%のNaO、およびMgOを含むアルカリアルミノケイ酸塩ガラスであって、KO、B、CaO、BaO、およびPの内の少なくとも1つを含まず、約1mmまでの厚さtを有し、イオン交換されており、該アルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面から約70μmまでの層の深さまで延在する圧縮層、および該表面での少なくとも約950MPaの最大圧縮応力を有し、約5質量%のHClを含む酸性溶液中に約7時間に亘り95℃で浸漬した後、約0.030mg/cm以下の質量損失を経験するアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態13
前記最大圧縮応力が少なくとも約1000MPaである、実施形態12に記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態14
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、イオン交換後に少なくとも約450℃の温度で熱処理されており、該アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、少なくとも600MPaの、前記表面での圧縮応力を有する、実施形態12に記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態15
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが約0.25モル%から約6モル%のLiOを含む、実施形態12から14いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態16
前記圧縮層が、前記表面から0.20tの深さまで延在する表面近くの領域を含み、該表面近くの領域が約10モル%までのKOを含む、実施形態12から15いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態17
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約50モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約26モル%のAl、0モル%から約6モル%のLiO、約10モル%から約25モル%のNaO、および0モル%超から約8モル%のMgOを含む、実施形態12から16いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態18
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約60モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約15モル%のAl、0モル%から約4モル%のLiO、約10モル%から約16モル%のNaO、約4モル%から約6モル%のMgO、0モル%から約3モル%のZnO、および0モル%から約3モル%のZrOを含む、実施形態12から17いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態19
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO≦8モル%である、実施形態12から18いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態20
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、建築要素またはディスプレイを備えた物品の少なくとも一部を形成する、実施形態12から19いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態21
約60モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約15モル%のAl、約0.25モル%から約4モル%のLiO、約10モル%から約16モル%のNaO、約4モル%から約6モル%のMgO、0モル%から約3モル%のZnO、および0.5モル%から約3モル%のZrOを含み、KOおよびCaOの少なくとも一方を含まないアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態22
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、B、KO、CaO、およびPの内の1つ以上を含まない、実施形態21に記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態23
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO≦8モル%である、実施形態21または22に記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態24
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、表面から層の深さまで延在する圧縮層を達成し、該表面で少なくとも約950MPaの圧縮応力を有するようにイオン交換可能である、実施形態21から23いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態25
前記圧縮応力が少なくとも約1000MPaである、実施形態24に記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態26
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスがイオン交換されており、前記圧縮層が、前記表面から0.20tの深さまで延在する表面近くの領域を含み、該表面近くの領域が約10モル%までのKOを含む、実施形態24または25に記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態27
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約5質量%のHClを含む酸性溶液中に約7時間に亘り95℃で浸漬した後、約0.030mg/cm以下の質量損失を経験する、実施形態21から26いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態28
前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、建築要素またはディスプレイを備えた物品の少なくとも一部を形成する、実施形態21から27いずれか1つに記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
実施形態29
アルカリアルミノケイ酸塩ガラスをイオン交換する方法において、
a.カリウム含有塩を含むイオン交換浴中で前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスをイオン交換する工程であって、イオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、少なくとも約950MPaの、該アルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面での圧縮応力、および約0.25t以下の圧縮層の層の深さを有する、該表面から該層の深さまで延在する圧縮層を有する工程、および
b.前記イオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスを少なくとも約400℃の温度で熱処理する工程であって、該熱処理工程後の該イオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面での圧縮応力が少なくとも約600MPaである工程、
を有してなる方法。
実施形態30
前記熱処理工程後の前記イオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面での圧縮応力が少なくとも約750MPaである、実施形態29に記載の方法。
100 ガラス物品
120、122 圧縮層
130 中央領域

Claims (10)

  1. 約50モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約26モル%のAl、0モル%から約6モル%のLiO、約10モル%から約25モル%のNaO、および0モル%超から約8モル%のMgOを含むアルカリアルミノケイ酸塩ガラスであって、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO≦8モル%であり、KO、B、CaO、BaO、およびPの内の少なくとも1つを含まず、約5質量%のHClを含む酸性溶液中に約7時間に亘り95℃で浸漬した後に、約0.030mg/cm以下の質量損失を経験するアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
  2. 前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約1mmまでの厚さtを有し、該アルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面から約70μmまでの層の深さまで延在する圧縮層および該表面での少なくとも約950MPaの最大圧縮応力を有する、請求項1記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
  3. 前記圧縮応力が少なくとも約1000MPaであり、前記層の深さが少なくとも約40μmである、請求項2記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
  4. 前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、イオン交換後に少なくとも約450℃の温度で熱処理されており、該アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、少なくとも600MPaの、前記表面での圧縮応力を有する、請求項2記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
  5. 前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスがイオン交換されており、前記圧縮層が、前記表面から0.20tの深さまで延在する表面近くの領域を含み、該表面近くの領域が約10モル%までのKOを含む、請求項2から4いずれか1項記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
  6. 前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが約0.25モル%から約6モル%のLiOを含む、請求項1から5いずれか1項記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
  7. 前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが約0.5モル%から約5モル%のZrOを含む、請求項1から6いずれか1項記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
  8. 約60モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約15モル%のAl、約0.25モル%から約4モル%のLiO、約10モル%から約16モル%のNaO、約4モル%から約6モル%のMgO、0モル%から約3モル%のZnO、および0.5モル%から約3モル%のZrOを含み、KOおよびCaOの少なくとも一方を含まないアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
  9. 前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、建築要素またはディスプレイを備えた物品の少なくとも一部を形成する、請求項1から8いずれか1項記載のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス。
  10. アルカリアルミノケイ酸塩ガラスをイオン交換する方法において、該アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、約50モル%から約75モル%のSiO、約7モル%から約26モル%のAl、0モル%から約6モル%のLiO、約10モル%から約25モル%のNaO、および0モル%超から約8モル%のMgOを含み、KO、B、CaO、BaO、およびPの内の少なくとも1つを含まず、前記方法が、
    a.カリウム含有塩を含むイオン交換浴中で前記アルカリアルミノケイ酸塩ガラスをイオン交換する工程であって、イオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、少なくとも約950MPaの、該アルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面での圧縮応力、および約0.25t以下の圧縮層の層の深さを有する、該表面から該層の深さまで延在する圧縮層を有する工程、および
    b.前記イオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスを少なくとも約400℃の温度で熱処理する工程であって、該熱処理工程後の該イオン交換済みアルカリアルミノケイ酸塩ガラスの表面での圧縮応力が少なくとも約600MPaである工程、
    を有してなる方法。
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