JP2019516004A - 非水性剥離組成物、および基材から有機被覆を剥離する方法 - Google Patents

非水性剥離組成物、および基材から有機被覆を剥離する方法 Download PDF

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Abstract

基材表面に影響を及ぼすことなしに敏感な基材から有機被覆を効果的に剥離することを達成するために、新規非水性剥離組成物および方法が提供される。剥離組成物は、A− 一般化学式R−OH[式中、Rは、C4〜C30炭化水素基である]を有するアルコールからなる群から選択される少なくとも1つの高沸点溶媒、ここで、この高沸点溶媒は、少なくとも100℃の沸点を有する、B− 高沸点グリコール、グリコールエーテルおよびアミン化合物からなる群から選択される少なくとも1つの高沸点助溶媒、ここで、この高沸点助溶媒は、少なくとも100℃の沸点を有する、およびC− 酸化合物からなる群から選択されるか、または水酸化物化合物からなる群から選択される少なくとも1つのpH活性剤を有する。

Description

本発明は、非水性剥離組成物、およびこの剥離組成物を用いて基材から有機被覆を剥離する方法に関する。より詳細には、本発明は、鋼およびステンレス鋼のような基材から、またアルミニウム、亜鉛およびマグネシウム基材のような軟質金属基材から、および亜鉛メッキ鋼のような軟質金属からなる金属被覆を有する基材から、ならびにエンジニアリングプラスチック基材から、エポキシ被覆、ポリエステル被覆、ポリウレタン被覆、アクリル被覆、および多様なタイプの粉末被覆のような有機被覆、またはその残留物を除去する方法に関する。
発明の背景
基材からの有機被覆の除去は、多くの工業において極めて重要である。特に、欠陥がある被覆を有する部品を再加工するため、または基材が無傷であるが、残留物を除去しかつ/または新たな被覆を適用する必要がある部品の再生のために、有機被覆または残留物を基材から除去する必要がある。
米国特許第3,790,489号明細書(US 3,790,489 A)から、塗料剥離化合物は公知であり、この塗料剥離化合物は高めた温度で使用されることが記載されていて、この塗料剥離化合物は、アルカリ金属水酸化物の腐食性塩基、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属過マンガン酸塩、二酸化マンガンおよびCr23の群から選択される触媒、好ましくはアルカリ金属炭酸塩を有する。これらの成分は、剥離のために800°F(約426℃)〜900°F(約482℃)の温度で溶解および維持される。
しかしながら、亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウムのような所定の金属、または金属またはその金属から構成された金属被覆、ならびに他の金属、合金、および非金属基材は、米国特許第3,790,489号明細書(US 3,790,489 A)に教示されたような条件下で化学的攻撃または破壊に曝される。したがって、このような腐食性組成物は、一般に、先行技術の教示では、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛のような金属から被覆を除去する場合には避けられる。
剥離組成物中の高沸点グリコールに基づく先行技術の1つのアプローチは、米国特許第6,855,210号明細書(US 6,855,210 B1)および米国特許第7,151,080号明細書(US 7,151,080 B2)により教示されており、ここでは、基材からの剥離は、高沸点アルコール約40質量%〜約98.9質量%、非イオン性界面活性剤約1質量%〜約60質量%、およびアルカリ水酸化物またはアルカリ水酸化物の混合物約0.1質量%〜約10質量%を含む組成物を用いることにより達成され、その際、前記組成物は、無水でありかつ実質的に任意のアミン不含である。しかしながら、この方法は、比較的高い作業温度範囲(作業温度は、225°F(約107℃)〜350°F(約176℃)、より好ましくは250°F(約121℃)〜325°F(約162℃)の間にあることが報告されている)を必要とし、したがって多くのエネルギーを消費し、またいくつかの安全性の懸念も生じる。したがって、作業者の安全性のための加工ラインの適切な装置が必要である。さらに、比較的高い作業温度を必要とするため、プラスチック基材から有機被覆を剥離/除去するために制限された使用を有する。
先行技術の方法(特に米国特許第6,855,210号明細書(US 6,855,210 B1)、米国特許第7,151,080号明細書(US 7,151,080 B2))は、有害であることが判明したノニルフェノールエトキシラートを使用するため、国際公開第2013/117757号(WO 2013/117757 A1)は他の非水性剥離組成物を教示し、この非水性剥離組成物は水酸化物イオンの供給源、少なくとも150℃の沸点を有する高沸点アルコール、および化学式R−O−(CH2CH2O)nH[式中、Rは、2〜30の炭素原子鎖長を有する線状または分枝状のアルキル鎖である]により表される少なくとも1つの界面活性剤を有する。作業温度は、100℃〜200℃の間であると報告されている。この組成物は、特に亜鉛メッキされた基材材料に起こる基材材料の攻撃を回避するために、好ましくはアミン不含である。
欧州特許出願公開第1319694号明細書(EP 1 319 694 A1)は、金属表面、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金のような非鉄金属からなる金属表面からラッカーを剥離するための薬剤および方法を開示している。有機塗料剥離剤の主成分はアルコール系有機溶媒である。特に良好な塗料剥離効果は、塗料剥離剤が、付加的成分としてアルコキシル化されたアルキルアルコールを含むという事実に基づき達成される。
本発明による主題の定義
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「アルキル」の用語は、1〜30の炭素原子(C1〜C30)を有する飽和した線状または分枝鎖の一価炭化水素基に関し、ここで、アルキル基は、任意に、無関係に、以下に記載された1つ以上の置換基で置換されていてよい。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルおよびそれらの全ての異性体を含めたその高級同族体を含むが、これらに限定されるものではない。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「アルケニル」の用語は、少なくとも1つの二重結合を有しかつ2〜30の炭素原子(C2〜C30)を有する不飽和の線状または分枝鎖の一価炭化水素基に関し、ここで、アルケニル基は、任意に、以下に記載された1つ以上の置換基で置換されていてよい。アルケニル基の例は、エテニル(CH2=CH−)、プロペニル(CH2=C(CH3)−またはCH3−CH=CH−)、ブタ−1,3−ジエニル(CH2=CH−CH=CH−またはCH2=C(−)−CH=CH2)などを含むが、これらに限定されるものではない。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「アルキニル」の用語は、少なくとも1つの三重結合を有しかつ2〜30の炭素原子(C2〜C30)を有する不飽和の線状または分枝鎖の一価炭化水素基に関し、ここで、アルキニル基は、任意に、無関係に、以下に記載された1つ以上の置換基で置換されていてよい。アルキニル基の例は、エチニル(HC≡C−)、プロピニル(CH3−C≡CH−またはCH≡C−CH2−)などを含むが、これらに限定されるものではない。
アルケニル基は三重結合を有していてよく、よってまたアルキニル基でもあるか、またはアルキニル基は二重結合を有していてよく、よってまたアルケニル基でもあることを念頭に置いてもよい。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「シクロアルキル」および「シクロアルケニル」の用語は、脂環式基を形成する5〜20の炭素原子(C5〜C20)を有する一価の飽和(シクロアルキル)または不飽和(シクロアルケニル)の炭化水素基、例えばシクロペンチル(C59)、シクロヘキシル(C611)、シクロヘキセニル(C69)などに関する。「シクロアルキル」および「シクロアルケニル」の用語はまた、縮合した二環式、三環式およびより高度に縮合した環系を有する基を含む。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「アリール」の用語は、元の芳香族環系の単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導された、6〜20の炭素原子(C6〜C20)を有する一価の芳香族炭化水素基に関する。アリールはまた、芳香族炭素環に縮合した芳香環を有する二環式基を含む。典型的なアリール基は、ベンゼン(フェニル)、置換ベンゼン、ナフタレンなどから誘導された基を含むが、これらに限定されるものではない。アリール基は、任意に、無関係に、ここで以下に記載された1つ以上の置換基で置換されている。
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびアリールは、それぞれ置換されていてよく、ここで、その少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン原子により置き換えられていてよい。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「アルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」、「シクロアルキレン」、および「シクロアルケニレン」の用語は、それぞれの一価の基から水素原子のさらなる除去により誘導された二価の基、例えばアルキルから誘導されたアルキレンに関する。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「ハロゲン」(Hal)の用語は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)に関する。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「炭化水素基」の用語は、炭素原子だけからなり、2つの隣接する炭素原子は単結合もしくは二重結合もしくは三重結合により互いに結合するか、または芳香環の部分である線状または分枝鎖の主鎖を有し、この主鎖はさらに炭素原子に結合する水素原子を含む化学基に関する。これらの水素原子は、部分的に、ハロゲン原子により置換されてよく、したがって炭化水素の部分を形成する。炭化水素基は、ヒドロキシ基を含まない。より好ましくは、炭化水素基は、線状または分枝鎖のアルキル、線状または分枝鎖のアルケニル、線状または分枝鎖のアルキニル、二環式、三環式およびより高度に縮合した脂環式基を含むシクロアルキル、またはシクロアルケニルであってよい。これらの化合物は、脂肪族炭化水素基である。さらに、炭化水素基は、好ましくは、二環式、三環式およびより高度に縮合したアリール基を含むアリール、アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アリールアルキニレン、アリールシクロアルキレン、またはアリールシクロアルケニレンであってよく、ここで、アリールアルキレン中のアルキレン、アリールアルケニレン中のアルケニレンおよびアリールアルキニレン中のアルキニレンは、上述の線状または分枝鎖の基であり、アリールシクロアルキレン中のシクロアルキレンおよびアリールシクロアルケニレン中のシクロアルケニレンは、高度に縮合した脂環式環系を形成してよい。後者の場合に、二官能性基は、高沸点アルコールのOH基への1つの結合を提供する。アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アリールアルキニレン、アリールシクロアルキレン、またはアリールシクロアルケニレンである炭化水素基は、芳香脂肪族基である。後者の場合に、二官能性基は、高沸点アルコールのOH基への1つの結合を提供する。シクロアルキル基、シクロアルキレン基、シクロアルケニル基、シクロアルケニレン基、およびアリール基に結合する水素原子は、部分的にハロゲン原子、さらにアルキル基、アルケニル基および/またはアルキニル基により置き換えられていてよい。より詳細に、ここで使用されるような「C4〜C30炭化水素基」の用語は、シクロアルキル基、シクロアルキレン基、シクロアルケニル基、シクロアルケニレン基、およびアリール基の水素原子を置き換えるアルキル基、アルケニル基、および/またはアルキニル基中に含まれる全ての主鎖炭素原子を含めて4〜30の炭素原子を含む主鎖を有する基に関する。さらにより詳細に、ここで使用されるような「C4〜C20炭化水素基」の用語は、ここで上述したような全ての主鎖炭素原子を含めて4〜20の炭素原子を含む主鎖を有する基に関する。同様に、ここで使用されるような「C4〜C10炭化水素基」の用語は、ここで上述したような全ての主鎖炭素原子を含めて4〜10の炭素原子を含む主鎖を有する基に関する。したがって、ここで使用されるような「C1〜C20炭化水素基」の用語は、上記したような主鎖炭素原子を含めて1〜20の炭素原子を含む主鎖を有する基に関する。「C1〜C20炭化水素基」の用語の意味において、1つの炭素原子だけを有する基(「C1炭化水素基」)に関する限り、この基はメチルであり、かつ「C1〜C20炭化水素基」の用語の意味において、2つの炭素原子を有する基(「C2炭化水素基」)に関する限り、この基はエチル、エテニルまたはエチニルである。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「グリコール」の用語は、2つのヒドロキシ基を有する化合物、つまりジオール化合物、好ましくはジェミナルジオール化合物に関し、これらは、より好ましくはエチレングリコール(HO−CH2−CH2−OH)またはプロピレングリコール(HO−CH(CH3)−CH2−OH)から誘導される。より好ましくは、ここで使用されるようなグリコールは、エーテルラジカル結合を介して互いに結合した、−[O−CH2−CH2−O]−または−[O−C(CH3)−CH2−O]−のようなエチレングリコールまたはプロピレングリコールから誘導された1つ以上のグリコール構造部分を有することにより特徴付けられる。グリコール構造部分の数は、1〜10、より好ましくは1〜5、さらにより好ましくは1〜4(モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール)、最も好ましくは2〜4であってよい。グリコールの一般化学式は、さらにより好ましくはHO−[CHR−CH2−O]nHであり、式中、Rは、好ましくは、Hまたはメチルであり、nは、1〜10、最も好ましくは2〜4の範囲の整数である。例は、モノエチレングリコール(HO−CH2−CH2−OH)、ジエチレングリコール(HO[−CH2−CH2−O]2H)、トリエチレングリコール(HO[−CH2−CH2−O]3H)、およびテトラエチレングリコール(HO[−CH2−CH2−O]4H)である。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「グリコールエーテル」の用語は、1つのヒドロキシ基と、炭化水素基に結合する1つのエーテル官能基とを有するエーテルアルコール化合物に関する。グリコールエーテルは、好ましくは、炭化水素基のヒドロキシ基の1つへのエーテル結合によりグリコールから誘導される。炭化水素基は、ここで上記に定義されたようなC1〜C20炭化水素基、好ましくはC1〜C6アルキル基であってよい。グリコールエーテルの一般化学式は、R′O−[CHR−CH2−O]nHであり、式中、Rは、Hまたはアルキルまたはアリールであり、R′は、炭化水素基、好ましくはC1〜C6アルキルであり、nは、1〜10、より好ましくは1〜4、最も好ましくは2〜4の範囲の整数である。例は、メチルモノエチレングリコール(CH3−O−CH2−CH2−OH)、およびブチルジエチレングリコール(C49−O[−CH2−CH2−O]2H)である。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「アミン化合物」の用語は、1つ以上のアミン化合物基を有する第一級、第二級および第三級アミン化合物に関する。アミン化合物は、一般化学式R−NH2、R−NR′HまたはR−NR′R″を有してよい化合物であり、式中、R、R′およびR″は、炭化水素基であり、ここで炭化水素基の主鎖の水素原子は、さらにハロゲン(Hal)、ヒドロキシ(OH)、カルボキシ(COOH)、エステル(COOR、ここで、Rは、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6アルケニルまたはC1〜C6アルキニルまたはC6〜C10アリールである)、アミド(CONRR′、ここで、R、R′は、無関係に、HまたはC1〜C6アルキルまたはC1〜C6アルケニルまたはC1〜C6アルキニルまたはC6〜C10アリールである)を含めた官能基により置き換えられていてよい。アミンの化合物の例は、好ましくは分枝および非分枝の脂肪族アミン、より好ましくは非分枝の脂肪族アミンを含むアルコール、例えばモノエタノールアミン(HO−CH2−CH2−NH2)、ジエタノールアミン((HO−CH2−CH2−)2NH)およびトリエタノールアミン((HO−CH2−CH2−)3N)である。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「酸化合物」の用語は、液体中でプロトンを提供し、プロトンを交換することができる化合物に関する。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「水酸化物化合物」の用語は、解離によりOH-イオンを脱離しかつ/または化合物が液体中で解離している場合にプロトンを受け取ることができ、プロトンを交換することができる化合物に関する。このような化合物は、一般に、アルカリ金属水酸化物および遷移金属水酸化物のような金属水酸化物である。
本願の明細書および特許請求の範囲で使用されるような「アルカリ金属水酸化物」の用語は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、および水酸化セシウムに関する。
本願の明細書および特許請求の範囲で、濃度値(質量%)または温度値または処理時間値または厚み値との関連で使用されるような「約」の用語は、与えられた正確な(中央)値ならびにこの中央値に対して±30%の濃度値または温度値または処理時間値または厚み値の範囲を意味する。例えば「約3質量%」は、正確な3質量%および3質量%−3質量%の30%(=3質量%−0.9質量%=2.1質量%)〜3質量%+3質量%の30%(=3質量%+0.9質量%=3.9質量%)の範囲を意味し、つまり2.1質量%〜3.9質量%の範囲である。作業時間または処理時間または厚みについて与えられた「約」を用いて定義された値の範囲は、相応して、℃スケールに基づいた温度値についての相対的パーセンテージであると解釈される(40℃の±30%は±12℃)。
本発明の目的
したがって、本発明の第1の目的は、先行技術の剥離剤を使用した場合に損傷されるような基材材料を痛めることなしに、塗料および他の有機被覆をその下層の基材から攻撃的かつ効果的に剥離するために使用するために適した剥離組成物を提供することである。
したがって、本発明の第2の目的は、安全要件に適合する生産現場で使用することができる剥離組成物を提供することである。
本発明の概要および詳細な説明
本発明の第1の態様によると、これらの目的は、非水性剥離組成物により解決され、ここでこの組成物は次のものを有する:
A− 70質量%〜95質量%、好ましくは80質量%〜95質量%の濃度での、一般化学式R−OH[式中、Rは、C4〜C30炭化水素基である]を有するアルコールからなる群から選択される少なくとも1つの高沸点溶媒、ここで、高沸点溶媒は少なくとも100℃の沸点を有する、
B− 2質量%〜20質量%、好ましくは4質量%〜15質量%の濃度での、高沸点グリコール、高沸点グリコールエーテルおよび高沸点アミン化合物群から選択される、少なくとも1つの高沸点助溶媒、ここで、高沸点助溶媒は少なくとも100℃の沸点を有する、および
C− 0.01質量%〜5質量%の濃度での、酸化合物からなる群から選択されるか、または水酸化物化合物からなる群から選択される、少なくとも1つのpH活性剤、「いわゆる活性剤」。
上述の全ての構成要素および任意付加的構成要素の量は、組成物が100質量%(wt.%)になるまで加算され、または換言すると、全ての構成要素の合計は、全体で100質量%を越えない。例えば、この組成物が3つの化合物より多くを有する場合、少なくとも1つの高沸点溶媒の量は、70質量%〜90質量%の濃度であることができる。
本発明の第2の態様によると、これらの目的は、基材から有機被覆を剥離する方法により解決され、ここで前記方法は次の方法工程を有する:
a− 本発明の非水性剥離組成物を準備すること、
b− 基材を剥離組成物と接触させること、および
c− この剥離組成物を、少なくとも30℃から、好ましくは少なくとも40℃から、最大でも剥離組成物中に含まれる成分のいずれか1つの沸点未満までの剥離温度に維持する間に、基材から有機被覆を除去すること。
本発明の第3の態様によると、これらの目的は、エポキシ被覆、ポリエステル被覆、ポリウレタン被覆、アクリル被覆、および多様なタイプの粉末被覆のような有機被覆を基材から剥離するための、または汚れ、グリースおよび油またはこれらの混合物のような有機材料を基材から洗浄するためまたは剥離するための、非水性剥離組成物の使用により解決される。
本発明による組成物およびこれらの組成物を用いる方法は、基材の処理においてより効果的でかつ同時により温和な剥離組成物を生じることが見出された。
したがって、本発明の非水性剥離組成物は、3つの主成分および任意付加的成分を含み、この3つの主成分は、A− 少なくとも1つの低VOC(揮発性有機化合物)アルコール、B− 少なくとも1つのグリコールおよび/またはグリコールエーテルおよび/またはアミン化合物、およびC− 少なくとも1つの酸化合物または少なくとも1つの水酸化物化合物、好ましくはアルカリ金属水酸化物である。
好ましくは、高沸点助溶媒は、高水溶性または完全に水溶性(水中で90パーセントより高い助溶媒が水と完全に混合可能)であり、かつ高い極性を有する。完全な水溶性は、助溶媒にとって重要な機能的特徴である。このような高い極性の助溶媒は、剥離組成物を、多様な被覆タイプに対して有効にする。さらに、これは、水とのその混合性のため、洗浄プロセスを促進する。
(第1の)高沸点溶媒(化学式R−OHを有する高沸点アルコール)と(第2の)高沸点助溶媒(高沸点グリコール、グリコールエーテル、アミン化合物)を、酸化合物または水酸化物化合物と組み合わせることにより、低い作業温度でも基材から有機被覆の極めて有効な除去が達成される。これは、溶媒がポリマー被覆の溶解および除去に関してその最強の効果を及ぼしかつ助溶媒がより極性の性質および極性をもたらし、この助溶媒が酸化合物または水酸化物化合物(pH活性剤)を溶解することを促進するためと考えられ、かつ水とのその良好な混合性のために基材のすすぎを改善すると考えられている。
基材から有機被覆を剥離することの攻撃性および効果のために、これは、例えば米国特許第7,151,080号明細書(US 7,151,080 B2)において有効な剥離のために必要であると報告された作業温度(作業温度は100℃を遙かに上回る)と比較して、この剥離組成物の作業温度を低減することが可能である。作業温度は、低い値に、例えば60℃〜90℃、より好ましくは65℃〜85℃に、大幅に低減されてよい。同様に、処理時間は、この剥離組成物が先行技術の組成物よりも遙かに効率的であるので、慣用の方法と比べて短縮されてよい。これは、先行技術の組成物と比較して、溶媒および助溶媒の組合せに起因する。
この組成物は、先行技術の剥離剤では損傷された下層の基材を痛めることなしに、慣用のまたはより短い処理時間にわたり、かつ慣用のまたはより低い温度で、塗料および他の有機被覆を攻撃的にかつ効果的に剥離する。
剥離組成物は、さらに作業条件下で、特に有機被覆を効率的に除去するために必要な作業温度で安定な成分からなる。さらに、この組成物は、この組成物を取り扱う作業員の安全性の要件を満たす。
ここで上述の与えられた剥離組成物の定義から、目的を達成するために使用することができる4つの個別の主要組成物が明らかになる:
1.少なくとも1つの高沸点溶媒と、グリコールおよびグリコールエーテルからなる群から選択される少なくとも1つの高沸点助溶媒と、酸化合物からなる群から選択される少なくとも1つのpH活性剤とを含む第1の剥離組成物、
2.少なくとも1つの高沸点溶媒と、グリコールおよびグリコールエーテルからなる群から選択される少なくとも1つの高沸点助溶媒と、水酸化物化合物からなる群から選択される少なくとも1つのpH活性剤とを含む第2の剥離組成物、
3.少なくとも1つの高沸点溶媒と、アミン化合物からなる群から選択される少なくとも1つの高沸点助溶媒と、酸化合物からなる群から選択される少なくとも1つのpH活性剤とを含む第3の剥離組成物、および
4.少なくとも1つの高沸点溶媒と、アミン化合物からなる群から選択される少なくとも1つの高沸点助溶媒と、水酸化物化合物からなる群から選択される少なくとも1つのpH活性剤とを含む第4の剥離組成物。
組成物1、3および4が最も好ましい。
本発明の剥離組成物は非水性であり、これはこの組成物はほぼ水不含であることを意味する。若干の水の吸い込みは、剥離手順の作業の間に、大気から生じてよい。好ましくは、水は組成物に意図的に添加されない。一般に、組成物中の含水率は、作業の間でも、1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満、最も好ましくは0.01質量%未満にすべきである。組成物中に含まれる水は、剥離性能に不利な影響を及ぼさない。しかしながら、水が組成物中に存在する場合、剥離組成物は、通常では、アルミニウム、亜鉛およびマグネシウムのような軟質金属への化学的攻撃を示す傾向がある。このような化学的攻撃は、組成物中に存在する酸化合物または水酸化物化合物のイオン化に起因するので、このイオン化に基づき生成されたイオンがこれらの金属をエッチングすることができると考えられる。したがって、組成物に水を添加しないことにより、本発明は、敏感な基材に使用するために適している。したがって、ここで使用されるように、「ほぼ水不含」の用語は、アルミニウム、マグネシウムまたは亜鉛基材を攻撃する程度に水酸化カリウムまたは酸組成物をイオン化させないレベルの含水率を意味する。
本発明の剥離組成物中で使用されてよい高沸点溶媒は、多様な高沸点アルコールの種類から、特に、沸点が例えば60℃〜90℃の作業温度に適した一般化学式R−OHを有する高沸点アルコールから選択されてよい。より好ましくは、本発明による剥離組成物は、65℃〜85℃の範囲内の温度で作業され、ここでこの範囲内で比較的高い値に設定された温度は、除去が困難な被覆を剥離するために適している。したがって、安全上の理由から、剥離組成物は、予想される作業温度よりも少なくとも若干高い沸点を有することが望ましい。したがって、適切な溶媒の選択は、第1に、その沸点を評価することにより行われる。溶媒の沸点は、剥離組成物の作業温度よりも少なくとも10℃高く、より好ましくは少なくとも20℃高く、最も好ましくは少なくとも30℃高くあるべきである。したがって、本発明によると、少なくとも1つの高沸点アルコールの沸点は、少なくとも100℃である。これは、200℃または300℃またはより高い高さにあってよく、この最も高い値は、組成物を加熱することにより提供されるエネルギーにより、および基材材料の熱安定性により制限される。したがって、安全上の理由から、予想される作業温度よりも少なくとも若干高い沸点を有する剥離組成物が提供されることが好ましい。よって、適切な溶媒の選択は、第1に、その沸点を評価することにより行われる。
本発明の好ましい実施態様によると、剥離組成物は、少なくとも1つの高沸点溶媒を含み、この高沸点溶媒は一般化学式R−OHを有する化合物であり、ここで、Rはアリールアルキレンであり、ここで、アリールは、好ましくはC6〜C10アリールであり、かつアルキレンは、好ましくはC1〜C6アルキレンである。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、剥離組成物は、少なくとも1つの高沸点溶媒を含み、この高沸点溶媒は、ベンジルアルコールを基礎とする剥離組成物によって良好な剥離性能が得られることが判明したため、ベンジルアルコール(C65−CH2−OH)または他のフェニルアルキレン化合物である。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、剥離組成物は、少なくとも1つの高沸点溶媒を、約80質量%〜約95質量%の濃度で含む。
本発明の剥離組成物中で使用されていてよい高沸点助溶媒は、高沸点グリコール、高沸点グリコールエーテルおよび高沸点アミン化合物から、さらに好ましくは、沸点が例えば60℃〜90℃の作業温度に適したグリコール、グリコールエーテルおよびアミン化合物から選択される多様な化合物の種類から選択されてよい。したがって、安全上の理由から、予想される作業温度よりも少なくとも若干高い沸点を有する剥離組成物を提供することが望ましい。よって、適切な助溶媒の選択は、第1に、その沸点を評価することにより行われる。助溶媒の沸点は、剥離組成物の作業温度よりも少なくとも10℃高く、より好ましくは少なくとも20℃高く、最も好ましくは少なくとも30℃高くあるべきである。したがって、本発明によると、剥離組成物中に使用される少なくとも1つの高沸点グリコール、グリコールエーテル、およびアミン化合物の沸点は、少なくとも100℃である。これは、200℃または300℃またはより高い高さにあってよく、この最も高い値は、組成物を加熱することにより提供されるエネルギーにより、および基材材料の熱安定性により制限される。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、剥離組成物は、グリコールエーテルまたは第三級アミン化合物である少なくとも1つの高沸点助溶媒を含む。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、剥離組成物は、ジエチレングリコールエーテルまたはトリエチレングリコールエーテルまたはテトラエチレングリコールエーテルである少なくとも1つの高沸点助溶媒を含む。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、剥離組成物は、この助溶媒を含む剥離組成物によって良好な剥離性能が得られることが判明したため、ジエチレングリコールブチルエーテル(ブチルジエチレングリコールまたはブチルジグリコール)である少なくとも1つの高沸点助溶媒を含む。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、剥離組成物は、エタノールアミン、最も好ましくはトリエタノールアミンである少なくとも1つの高沸点助溶媒を含む。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、剥離組成物は、少なくとも1つの高沸点助溶媒を、約2質量%〜約20質量%、より好ましくは約4質量%〜約15質量%の濃度で含む。
本発明の好ましい実施態様によると、多様な水酸化物化合物、より好ましくはアルカリ金属水酸化物は、少なくとも1つのpH活性剤として使用してよい。さらにより好ましくは、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、または水酸化リチウム(LiOH)のような水酸化物化合物が、アルカリ金属水酸化物であってよい。LiOH、NaOHまたはKOHが使用されてよいが、KOHが、剥離組成物中でさらに容易に溶解されるので、一般に好ましい。
アルカリ金属水酸化物は、固体の形でまたは水酸化物の水溶液として添加されてよい。固体の形で添加される場合に、生じる組成物は、全ての過剰の水を追い出すために加熱する必要はない。水溶液の形で添加される場合に、組成物は、この組成物を所望のほぼ無水(非水性)条件に回復させる目的で全ての過剰の水を追い出すために水の沸点より高く加熱しなければならない。したがって、アルカリ金属水酸化物を固体の形で添加することが好ましい。
本発明の他の好ましい実施態様によると、pH活性剤として有機酸の使用も、水酸化物化合物のように性能を向上させる。酸化合物は、好ましくは有機酸であるか、またはあまり好ましくはないが、硫酸、リン酸、および硝酸のような無機酸であってよい。しかしながら、鉱酸の使用は、金属に対するその攻撃性の性質のため、好ましい選択ではない。有機酸は、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、およびグルコン酸のようなカルボン酸、または例えばメタンスルホン酸(MSA)、ベンゼンスルホン酸などのようなスルホン酸、または例えばフェニルスルフィン酸のようなスルフィン酸、または例えばアミドスルホン酸のようなスルファミン酸であってよい。最も好ましい選択として、少なくとも1つのpH活性剤は、安全装置コストを低下させるその低い毒性および温和な臭気のために、乳酸である。
高沸点溶媒および高沸点助溶媒の他に、少なくとも1つの酸化合物または少なくとも1つの水酸化物化合物、好ましくはアルカリ金属水酸化物は、本発明の剥離組成物中の必須の成分である。それなしでは、本発明による方法は、全ての被覆タイプに所望の性能を示さない。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、剥離組成物は、少なくとも1つのpH活性剤を、約0.01質量%〜約5質量%の濃度で含む。水酸化物化合物の好ましい濃度は、約0.01質量%〜約2質量%、より好ましくは約0.01質量%〜約1質量%の範囲である。酸化合物の好ましい濃度は、約0.01質量%〜約5質量%、より好ましくは約0.5質量%〜約5質量%の範囲である。
本発明の好ましい実施態様によると、剥離組成物は、さらに、界面活性剤の混合物を含めた少なくとも1つの界面活性剤を含む。界面活性剤の使用は、本発明の組成物中での絶対的な要件ではなく、かつ本発明は、有機被覆の迅速かつ温和な除去のために任意の界面活性剤を添加することなく十分に機能する。界面活性剤の含有は、剥離組成物の優れた被覆浸透力のため、剥離方法の剥離性能を向上させ、また、基材からの被覆の除去後に剥離溶液をすすぎ落としを高め、かつ有機被覆の剥離後の金属表面の最終的な外観を高める。
本発明のもう1つの利点は、好ましい界面活性剤レベルが、先行技術の剥離剤中に見られるレベルよりも低いことである。さらに、低起泡性界面活性剤、または低HLB界面活性剤と高HLB界面活性剤との適切な配合物が本発明において使用される場合、界面活性剤は付加的に、処理された部品から剥離溶液をすすぎ落とすことを促進し、かつ同時に、これらはまた引き続くすすぎ工程における発泡の問題点を制御する。したがって、これらは、実際の発泡問題を起こさず、消泡剤または他の対抗手段は必要ない。それにより、剥離方法の効率は、そのコスト効率と一緒に改善することができる。
本発明の他の好ましい実施態様によると、少なくとも1つの界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤の混合物、または少なくとも1つの非イオン性界面活性剤および少なくとも1つのアニオン性界面活性剤である。
非イオン性界面活性剤および/またはアニオン性界面活性剤は、ポリマー被覆内への高沸点溶媒および高沸点助溶媒の進入を促進し、またすすぎにおいて促進する。水酸化物化合物、好ましくはアルカリ金属水酸化物、または酸化合物のようなpH活性剤は、架橋したポリマー被覆の分解を促進する。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、少なくとも1つの界面活性剤は、好ましくはアルキルフェノールエトキシラートではない。したがって、本発明の剥離組成物は、好ましくは、いわゆるAPEといわれる化合物を含まない。
適切な非イオン性界面活性剤は、アルコールエトキシラート、第二級アルコールエトキシラート、エトキシル化/プロポキシル化されたC8〜C10アルコールなどを含み、これらが良好な候補である。これらの化合物は、適切な生分解性と共に方法性能の向上を提供することができる。界面活性剤の役割は、被覆皮膜内への剥離組成物の進入/拡散を改善し、その被覆皮膜を軟化させ、かつ被覆皮膜とベース基材との間の結合を破壊する。これはまた、剥離溶液のすすぎ落としも改善する。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、剥離組成物は、少なくとも1つの界面活性剤を、約0.5質量%〜約5.0質量%の濃度で含む。界面活性剤レベルに関して、さらにより好ましくは剥離組成物中の界面活性剤濃度範囲は、約0.5質量%〜約2.0質量%である。しかしながら、界面活性剤製品の種類に関する試験は、非イオン性のエトキシル化またはプロポキシル化されたC8〜C10アルコールまたは第二級アルコールエトキシラート(例えばDow ChemicalsからのTritonおよびTergitol製品)を使用する場合、より高い量、例えば5質量%超〜約15質量%の界面活性剤レベルが、性能の顕著な増大を示さないことを明らかにする。他方で、これは少なくとも1つの界面活性剤を増大する濃度で使用することは、方法性能における実際の利益なしに、方法をさらに高価にする。したがって、界面活性剤レベルについての1つの好ましい範囲は、約0.5質量%〜約2質量%である。
本発明の記載の最も一般的な方法において、剥離組成物は、3つの主成分を含む。好ましい実施態様の場合に、これらの主成分は、特定の相対的比率内で組み合わせられる:本発明の好ましい実施態様の場合に、剥離組成物は:
A− 少なくとも1つの高沸点溶媒約80質量%〜約95質量%、
B− 少なくとも1つの高沸点助溶媒約4質量%〜約15質量%、および
C− 少なくとも1つのpH活性剤、つまり酸化合物または水酸化物化合物、好ましくはアルカリ金属水酸化物約0.01質量%〜約1質量%
を含んでよく、ここで、成分A、BおよびCは、剥離組成物の100質量%を構成する。剥離組成物が、それぞれの成分A、B、Cの1つより多くの化合物を含む場合、ここで上述された濃度は、これらの成分のそれぞれ1つの全ての化合物の全体の濃度を示す。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、剥離組成物は、少なくとも1つの高沸点溶媒としてベンジルアルコール、助溶媒として少なくとも1つの高沸点グリコール、グリコールエーテルまたはアミン化合物、さらに少なくとも1つのpH活性剤、つまり酸化合物または水酸化物化合物を含む。この場合、ベンジルアルコールの量は、>80質量%(90質量%まで)が好ましい。好ましくは>4質量%レベルの高沸点グリコール、グリコールエーテルまたはアミン化合物の含有は、多様な被覆タイプの剥離のために組成物中で必要な極性特性を提供する。
本発明の他の好ましい実施態様の場合に、剥離組成物は、さらに少なくとも1つの界面活性剤を含み、かつしたがって以下の成分:
A− 少なくとも1つの高沸点溶媒約70質量%〜約90質量%、より好ましくは約80質量%〜約90質量%、
B− 少なくとも1つの高沸点助溶媒約2質量%〜約20質量%、より好ましくは約5質量%〜約15質量%、
C− 少なくとも1つの酸化合物または少なくとも1つの水酸化物化合物、好ましくはアルカリ金属水酸化物約0.01質量%〜約5質量%、より好ましくは約0.2質量%〜約1質量%、および
D− 少なくとも1つの界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の混合物約0.5質量%〜約5質量%、より好ましくは約0.5質量%〜約2質量%、
を有し、ここで、成分A、B、CおよびDは、剥離組成物の100質量%を構成する。剥離組成物が、それぞれの成分A、B、C、Dの1つより多くの化合物を含む場合、ここで上述された濃度は、これらの成分のそれぞれ1つの全ての化合物の全体の濃度を示す。
剥離組成物が、上述の成分A、B、C、Dに加えて他の化合物を含む場合、それぞれのパーセンテージはそれに応じて調節される。
本発明の剥離組成物で意図的に処理されてよい基材は、鋼、亜鉛メッキ鋼、亜鉛ダイカスト、鍛錬およびダイカストアルミニウム合金、黄銅、銅製品、アルミニウム、アルミニウムダイカスト製品、黄銅、青銅、銅、チタン、マグネシウム、メッキされた基材および他の基材からなっていてよい。(先行技術の組成物と比較して)相対的に低い作業温度範囲のため、これは、プラスチックのような非金属基材、例えばエンジニアリングプラスチック基材から有機被覆を除去するためにも使用することができる。
典型的な自動車部品は、外部板金部品、アルミニウムホイール、およびプラスチックヘッドライトハウジングを含む。非自動車部品は、建築ハードウェア、照明部品、衛生器具、およびエレクトロニクスハウジングを含む。本発明の剥離組成物および方法の好ましい用途は、有機ベース系の剥離である。
本発明の剥離組成物および方法の好ましい適用は、例えば鋼、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、亜鉛ダイカスト、鍛錬およびダイカストアルミニウム合金、黄銅、銅製品、アルミニウム、アルミニウムダイカスト製品、黄銅、青銅、銅、チタン、マグネシウム、およびメッキされた基材からなる基材からの有機被覆の剥離である。この被覆は、電着被覆、粉末被覆(アクリル、ポリエステル、TGIC、エポキシ、ウレタン(PU)およびハイブリッド配合物)、プライマー被覆(アクリル、エポキシおよびウレタン)、溶媒ベースのおよび水性の有機被覆(第1に、アクリル、ウレタンおよびエポキシ)、および1成分(1K)および2成分(2K)クリアコート技術(第1に、アクリルおよびウレタン配合物)を含む。特定のエナメルおよびラッカー被覆も除去することができる。本発明により剥離されてよい共通の被覆のタイプの例示的リストは、陰極電着被覆および陽極電着被覆(両方とも鉛および無鉛タイプ)、粉末プライマー(エポキシ、ポリエステル、ハイブリッドおよびアクリルタイプ)、粉末単層被覆、例えばエポキシ、アクリル、ポリエステルTGICおよびTGIC不含など、液体単層被覆、例えばエポキシ、アクリル、PU2Kなど、アクリルクリアコート、および液体溶媒ベース被覆を含み、複層を備えた複合被覆もうまく剥離することができる。例示的リストは、エポキシ粉末被覆を用いたエポキシ被覆(「E−被覆」)、E−被覆+エポキシ湿式塗料、エポキシプライマー+PU2K湿式塗料を含む。
塗料、ラッカーおよびエナメル被覆の剥離とは別に、本発明の剥離組成物および方法は、例えば鋼、亜鉛メッキ鋼、亜鉛ダイカスト、鍛錬およびダイカストアルミニウム合金、黄銅、銅製品、アルミニウム、アルミニウムダイカスト製品、黄銅、青銅、銅、チタン、マグネシウム、およびメッキされた基材からなる基材から、例えば汚れ、グリースおよび油のような他の有機材料の洗浄または剥離のために使用することもできる。例えば、アルミニウムホイールは、約5〜約30分間の範囲内で65℃〜87℃で洗浄することができる)。他の適切な適用は、グリース、炭素、油などのような有機汚れを有するエンジン構成部材の処理を含む。
本発明によると、剥離組成物は、好ましくはディップ法または浸漬法において使用され、ここで一連の部品または部品のバッチは剥離組成物中に沈められる。各部品またはバッチは、特定の被覆を完全に剥離するためまたはその被覆を引き続く工程ですすぎ落とすために十分に緩めるために十分な時間処理される。別の実施態様の場合に、剥離組成物は、噴霧剥離適用に使用される。噴霧剥離適用では噴霧モードの物理エネルギーもまた重要な役割を果たすので、通常、噴霧剥離は、ディップ条件または浸漬条件と比べて若干低い作業温度で使用される。一般的な圧力は、約0.5〜10bar、好ましくは約5barである。
組成物中での必要な処理時間は、処理される特定の被覆または残留物、被覆または残留物の厚み、組成物中の酸または水酸化物化合物含有率、および組成物の作業時間に依存して変化する。処理時間は、被覆の性質、その厚みおよび被覆の均一性に依存して、わずか数分から数時間までであってよい。最も好ましい処理時間は、約0.5min〜約300min、好ましくは約10〜約120minである。処理された被覆を有する基材を浴から取り出す際に、残留した被覆または残留物の痕跡を除去するために、水によるすすぎ、または水噴霧のような後処理を行ってよい。しかしながら、いくつかの場合には、このような後処理は必要ない。
剥離組成物の作業温度は、少なくとも約30℃、好ましくは少なくとも約40℃、より好ましくは少なくとも約60℃、さらにより好ましくは少なくとも約65℃に設定してよい。さらに、剥離組成物の作業温度は、最大で約150℃またはそれ以上、より好ましくは最大で約90℃、さらにより好ましくは最大で約85℃に設定してよい。本発明によるさらにより好ましい実施態様によると、剥離組成物の作業温度は約65℃〜約85℃である。
通常剥離された被覆材料は剥離組成物中にとどまり、かつ次第に剥離浴内に蓄積される。被覆の軟質残留物のパッチをまだ有する部分的な剥離部分がすすぎ浴に移される場合、この残留物はすすぎ工程で除去されてよい。この場合、剥離浴内での被覆の蓄積速度を低下し、かつ浴の寿命を有利に延ばすことが可能である。
剥離組成物はまた、剥離されるべき基材表面に噴霧されてもよい。これは、浸漬と組み合わせて、先行するもしくは後続する噴霧塗布、またはその両方を使用してよい。
基材から被覆を剥離する作業の好ましいモードは、以下の工程:
a.本発明の剥離組成物をタンク装置内に準備すること、
b.基材をタンク装置内の剥離組成物と接触させること、
c.剥離組成物を約15min〜約200minの時間で約60℃〜約90℃の温度に加熱し、それにより基材から硬化した有機被覆を除去または緩めること、
d.基材表面に高圧の水噴霧を適用することにより基材から有機被覆を完全に除去すること
を有する。
工程d.で適用される高圧水噴霧は、一般に、5Bar〜250Barの圧力を有する。
次の例は、本発明をさらに明確に説明するが、本発明の範囲をこの例示的実施態様に限定するものではない。
例1(比較例および本発明による例):
第1の試験では、本発明の剥離組成物の個々の成分の効果を、有機被覆の除去に関するその効果について3つの異なる条件下で試験する:
I.ベンジルアルコール(BA:本発明による溶媒)だけをそのまま使用した(BA 100質量%)、
II.BAを、トリエタノールアミン(TEA:本発明による助溶媒)10質量%と一緒に使用した(BA 90質量%、TEA 10質量%)、および
III.水酸化カリウム(KOH:本発明によるpH活性剤)0.1質量%を、BA+TEAの混合物中に添加した(BA 89.95質量%、TEA 9.95質量%、KOH 0.1質量%)。
3つの全ての溶液を75℃に加熱し、ポリエステル粉末被覆された鋼板(約70μmの厚みの被覆)を、剥離性能を試験するために使用した。
I.(BAだけ):被覆のわずかな浮き上がりが10min後に観察された(比較例)、
II.(BA+TEA):有機被覆の若干の膨潤および浮き上がりおよび部分的除去(50%)が観察された(比較例)、
III.(BA+TEA+KOH):有機被覆のほとんど95%が除去された(本発明による組成物)。
被覆の塗料剥離は、BA(溶媒)だけで可能であるが、長すぎる時間がかかる。第2の成分(KOH:pH活性剤)との組合せにより、これはいくらか優れた性能を示す。第3の成分(グリコール:助溶媒)を、BA−KOH混合物の上に添加した場合、これはさらに性能を向上させる。これらの例は、この方法が最適な性能を達成するための特定の成分をどのように必要とするかを示す。界面活性剤の含有は、性能をさらに向上させる(以下の例を参照)。
例2(比較例):
3つの高沸点溶媒および助溶媒、つまりベンジルアルコール(BA:高沸点溶媒)、2−エチルヘキサノール(6−オール:高沸点助溶媒)、およびジエチレングリコールブチルエーテル(d−bGly:高沸点助溶媒)を個別に、それらの塗料剥離性能について、水酸化カリウム(KOH)0.1質量%と一緒に試験した:
3つの全ての組成物を75℃に加熱し、次いで、ポリエステル粉末被覆された鋼板を、剥離組成物中で剥離させた。
I.BA(高沸点溶媒)を、KOH(本発明によるpH活性剤)0.1質量%と一緒に使用した(BA 99質量%、KOH 0.1質量%)、
II.6−オール(高沸点溶媒)を、KOH 0.1質量%と一緒に使用した(6−オール99質量%、KOH 0.1質量%)、
III.d−bGly(高沸点助溶媒)を、KOH 0.1質量%と一緒に使用した(d−bGly 99質量%、KOH 0.1質量%)。
全ての組成物を75℃に加熱し、次いでポリエステル粉末被覆された鋼板を、剥離組成物中で剥離させた。
I.(BA+KOH):この組成物は、20minの間に被覆の剥離が可能であったが、若干の小さな残留物が基材上に残った、
II.(6−オール+KOH):2−エチルヘキサノール+KOHは、最も遅い剥離速度を示した、
III.(d−bGly+KOH):この組成物は、ほぼ二倍の剥離時間で、性能において二番目であった。
組成物I.(BA+KOH)によって被覆の浮き上がりは可能であるが、長い処理時間を必要とする。
例3a(比較例):
ベンジルアルコール(BA:高沸点溶媒)とモノエタノールアミン(MEA:高沸点助溶媒)、ジエタノールアミン(DEA:高沸点助溶媒)、またはトリエタノールアミン(TEA:高沸点助溶媒)との90:10質量%の比率(BA+MEAまたはBA+DEAまたはBA+TEA)の混合物を有機被覆の除去について試験した。全ての溶液を、ポリエステル粉末被覆された鋼板を用いて75℃で試験した。
10minの処理時間の完了時に、50〜80%に被覆が除去された。MEA含有組成物は、除去に関して最高の度合いを示し、それに続いてDEA、次いでTEAであった。強いアミン臭およびアミン蒸気の高い度合いが、MEAおよびDEA含有組成物において観察された。TEAを有する組成物は、顕著なアミン蒸気またはアミン臭を生じなかった。
これらの例は、塗料剥離組成物中の高沸点助溶媒としてのアミン化合物の有益な効果を示す。メチルアミン、エチルアミン、モノエタノールアミンなどのような低分子量アミン化合物は、助溶媒として良好に作用するが、これらの高い揮発性および不快な臭気は、市販製品へのそれらの使用を制限する。DEAおよびTEAのような高分子量アミン化合物は、高沸点助溶媒としてより良好な選択である。
例3b(比較例):
ベンジルアルコール(BA:高沸点溶媒)20質量%とブチルジグリコール(高沸点助溶媒)74質量%との混合物を、水酸化カリウム(KOHフレーク:pH活性剤)1.0質量%およびn−オクタノール×4エチレンオキシド(界面活性剤)5質量%と一緒に試験した。この剥離組成物を、80℃で「エポキシ粉末被覆」で被覆された鋼板の剥離について試験した。90分後に約60%の被覆除去を伴う不十分な剥離が観察された。
例3c(比較例):
トリエタノールアミン(TEA:高沸点助溶媒)79質量%とブチルジグリコール(高沸点助溶媒)20質量%との混合物を、水酸化カリウム(KOHフレーク:pH活性剤)1.0質量%と一緒に試験した。この剥離組成物を、80℃で「エポキシ粉末被覆」で被覆された鋼板の剥離について試験した。120分後に約50〜60%の被覆除去を伴う不十分な剥離が観察された。
上述の例は、2つの高親水性(水溶性)助溶媒の混合物が、部分的に水溶性の高沸点溶媒と親水性の第2の溶媒との混合物ほど良好に機能しないことを示す。
例4a(本発明による例):
90:10質量%の比率での、ベンジルアルコール(BA:高沸点溶媒)とトリエタノールアミン(TEA:高沸点助溶媒)との混合物およびベンジルアルコール(BA:高沸点溶媒)とジエチレングリコールブチルエーテル(d−bGly:高沸点助溶媒)との混合物(BA+TEAまたはBA+d−bGly)を、水酸化カリウム(KOH:pH活性剤)0.5%と一緒に試験した。両方の剥離組成物(I.BA 89.55質量%+TEA 9.95質量%+KOH 0.5質量%;II.BA 89.55質量%+b−dGly 9.95質量%+KOH 0.5質量%)を75℃に加熱し、TGICおよびエポキシ粉末被覆およびエポキシe−被覆の除去について試験した。両方の剥離組成物は、TGICポリエステル粉末被覆を10min内で除去し、エポキシe−被覆およびエポキシ粉末被覆を15min内で除去した。
例4b(本発明による例):
ベンジルアルコール(BA:高沸点溶媒)74質量%とブチルジグリコール(高沸点助溶媒)20質量%との混合物を、水酸化カリウム(KOHフレーク:pH活性剤)1.0質量%およびn−オクタノール×4エチレンオキシド(界面活性剤)5質量%と一緒に試験した。この剥離組成物を、80℃で「エポキシ粉末被覆」で被覆された鋼板の剥離について試験した。約15分後に被覆の完全な除去を伴う良好な剥離が観察された。剥離された板のすすぎは、外観上は斑点なしに均一であった。
この例は、塗料剥離組成物中での多量の高沸点溶媒と、少量の高沸点助溶媒との組合せの有益な効果を明らかに示す。
例4c(本発明による例):
ベンジルアルコール(BA:高沸点溶媒)79質量%とブチルジグリコール(高沸点助溶媒)20質量%との混合物を、水酸化カリウム(KOHフレーク:pH活性剤)1.0質量%と一緒に試験した。例4bとは反対に、この組成物は任意の界面活性剤を含まなかった。この剥離組成物を、80℃で「エポキシ粉末被覆」で被覆された鋼板の剥離について試験した。約15分後に被覆の完全な除去を伴う良好な剥離が観察された。剥離された板のすすぎは、例4bと直接的に比較して、金属表面上で外観上はいくらかの斑点および縞を有し不均一であった。
この例は、また、約15分後の被覆の迅速でかつ完全な除去の観点で、塗料剥離組成物中での多量の高沸点溶媒と少量の高沸点助溶媒との組合せの有益な効果を示す。他方で、例4bと比較して、界面活性剤が処理された基材の表面外観の点で改善を示すことが示される。
例5(本発明による例):
表1に記載された6つの異なる剥離組成物を、その塗料または粉末被覆剥離性能について85℃で試験した。高沸点溶媒はまた、ベンジルアルコール(BA)であり、高沸点助溶媒はジエチレングリコールブチルエーテル(d−bGly)であり、pH活性剤は水酸化カリウム(KOH)であった。
使用された異なる非イオン性界面活性剤タイプを表1に示す。これらはその低発泡特性に基づき試験した。しかしながらもちろん、界面活性剤の使用は、この種の界面活性剤だけに限定されるものではない。広範囲の非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤を、性能の向上のための添加剤として使用してよい。
鋼板を、TGICおよびTGIC不含ポリエステル粉末被覆、エポキシ粉末被覆、エポキシe−被覆、エポキシ湿式塗料、PU2K湿式塗料、ならびに多層被覆、例えばエポキシプライマー−PU2Kトップコート、エポキシプライマー−エポキシ粉末被覆、およびエポキシe−被覆−アクリルトップコート/滑り止めコートを用いて被覆した。単層被覆の被覆厚みは、約20μmであるe−被覆を除き、約70μmであった。多層被覆/二層被覆について、厚みは90〜130μmであった。
全てのタイプの単層被覆は、15min内で除去され、二層被覆は、20min〜25minの処理時間の間に除去された。
このような界面活性剤を含む全ての組成物は、同じ好ましい結果を生じるので、界面活性剤のいずれかの特定のカテゴリーを使用する必要はない。界面活性剤がこの方法に適合性であり、かつ規制上の観点で許容できる場合、界面活性剤をこの方法で使用することができる。界面活性剤の役割は、まさに性能(被覆の剥離速度)のさらなる向上のためである。方法は界面活性剤なしでも機能するが、より遅い速度でかつ不十分なすすぎを示すことがある。
例6(本発明による例):
例5の組成物1および2は、非鉄基材に関するその剥離性能および基材材料に対するその攻撃性について試験した。エポキシおよびTGICポリエステル粉末被覆およびPU2K湿式塗料で被覆された鋳造アルミニウム、鍛錬アルミニウム、亜鉛ダイカストおよびマグネシウム部品を試験のために使用した。両方の組成物を80℃で試験した。
有機被覆を除去した後の、鋳造および鍛錬アルミニウムならびに亜鉛ダイカスト基材のようなアルカリに敏感な基材について化学的攻撃は観察されなかった。
未被覆の研磨された/鏡面仕上げされたアルミニウム6061板を、場合による化学的攻撃(エッチング)を検査するための試験で使用した。両方の組成物は水不含であり、かつイオン活性を示さなかったので、この組成物のいずれにおいても化学的攻撃は観察されなかった。
異なる基材上の全ての被覆タイプは、15min内で完全に剥離された。冷水を用いたすすぎの後に、全ての基材の表面は塗料残留物を有しなかった。研磨されたアルミニウム板の場合に、表面は、明らかな化学的攻撃なしで輝いていた。
例7(本発明による例):
例4と同様に、90:10質量%の比率での、ベンジルアルコール(BA:高沸点溶媒)とトリエタノールアミン(TEA:高沸点助溶媒)との混合物、およびBAとジエチレングリコールブチルエーテル(d−bGly:高沸点助溶媒)との混合物(BA+TEA、BA+d−bGly)を試験した。しかしながら、水酸化カリウムの代わりに、乳酸(LA:pH活性剤)を、pH活性剤として5質量%のレベルで使用した(I.BA 85.5質量%+TEA 9.5質量%+LA 5質量%;II.BA 85.5質量%+d−bGly 9.5質量%+LA 5質量%)。
両方の組成物(I.BA+TEA+LA、II.BA+b−dGly+LA)を80℃に加熱し、TGICおよびエポキシ粉末被覆およびエポキシe−被覆の除去について試験した。両方の組成物は、TGICポリエステル粉末被覆を8min内で、エポキシe−被覆を10min内でかつエポキシ粉末被覆を14min内で除去した。
例8(本発明による例):
例7に記載された組成物を、TGIC粉末被覆で被覆された非鉄基材、つまりアルミニウムおよび亜鉛メッキ鋼板について試験した。剥離試験は80℃で行った。
両方の被覆板は8min内に剥離され、かつベース基材に関して化学的攻撃は観察されなかった。
さらに、未被覆の研磨された/鏡面仕上げされたアルミニウム6061板もまた、場合による化学的攻撃(エッチング)の検査のために10min間剥離溶液内に浸漬した。両方の組成物を80℃で試験した。
両方の組成物は水不含であり、かつイオン活性の欠如のため、この組成物のいずれにおいてもアルミニウムに関する化学的攻撃/エッチングは観察されなかった。
例9(本発明による例):
ベンジルアルコール(BA:高沸点溶媒)91質量%とブチルジグリコール(高沸点助溶媒)7質量%との混合物を、水酸化カリウム(KOHフレーク:pH活性剤)0.5質量%およびTergitol 15-S-3(非イオン性界面活性剤、CAS番号68131−40−8)2質量%と一緒に試験した。この剥離組成物を、約650μmの厚みのポリエステル粉末被覆で被覆されたステンレス鋼ラックの剥離について試験した。この剥離は、50℃でかつ2barの噴霧圧力で噴霧剥離により行った。
55分の間に、全ての被覆は剥離した。剥離およびすすぎ後の金属表面は、斑点なしで均一であった。約15分後に被覆の完全な除去を伴う良好な剥離が観察された。剥離された板のすすぎは、斑点なしに外観上は均一であった。
例10(比較例):
例5の組成物1および2は、水1質量%で、非鉄基材に関するその剥離性能および基材材料に対するその攻撃性について試験した。エポキシおよびTGICポリエステル粉末被覆およびPU2K湿式塗料で被覆された鋳造アルミニウム、鍛錬アルミニウム、亜鉛ダイカストおよびマグネシウム部品を試験のために使用した。両方の組成物を80℃で試験した。
有機被覆を除去した後に鋳造および鍛錬アルミニウムならびに亜鉛ダイカスト基材のようなアルカリに敏感な基材について顕著な化学的攻撃は観察された。
未被覆の研磨された/鏡面仕上げされたアルミニウム6061板を、場合による化学的攻撃(エッチング)を検査するための試験で使用した。両方の組成物は水を含むため、イオン活性に基づき、この組成物の両方で顕著な化学的攻撃は観察された。
例11(比較例):
本発明の例4bによる、ベンジルアルコール(BA:高沸点溶媒)74質量%とブチルジグリコール(高沸点助溶媒)20質量%とを有するわずかに変更した混合物を、水酸化カリウム(KOHフレーク:pH活性剤)1.0質量%およびn−オクタノール×4エチレンオキシド(界面活性剤)5質量%と一緒に試験した。例4bとは異なり、2%の水(D.I.水)を添加し、ここで上述の化合物の量はわずかに希釈された。剥離組成物を、80℃で「エポキシ粉末被覆」で被覆されたアルミニウム板の剥離について試験した。塗料皮膜の剥離の若干の膨潤を伴い約13分後に被覆の完全な除去を伴って良好な剥離が観察された。剥離された板のすすぎは、外観上で斑点なしで均一であったが、ベース材料に強い化学的攻撃(エッチング)が観察された。
この例は、非水性組成物を用い、かつ水を意図的にまたは意図せずに本発明による組成物に添加されることを妨げることで有益な効果を明確に示す。
結論
本発明によれば、高沸点アルコールからなる群から選択される少なくとも1つの高沸点溶媒と、グリコール、グリコールエーテルおよびアミン化合物からなる群から選択される少なくとも1つの高沸点助溶媒と、酸化合物からなる群から選択されるかまたは水酸化物化合物からなる群から選択される、より好ましくは有機酸化合物またはアルカリ金属水酸化物化合物から選択されるpH活性剤とを有する剥離組成物、およびその剥離組成物を使用する方法が新規でかつ意外である。この剥離組成物は、比較的低い作業温度で湿式塗料または粉末被覆のような有機被覆の除去において極めて有効でかつ攻撃的である。また、先行技術の剥離組成物および方法と比較して短い剥離時間が生じる。この組成物は、任意付加的に、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤または界面活性剤混合物を含んでよい。さらに、本発明の剥離組成物は、基材表面、特にアルミニウム、亜鉛メッキ鋼、亜鉛ダイカストのような軟質金属への攻撃を示さない。より低い作業温度は、作業者のより良好な安全性およびより低いエネルギーコストを提供する。低VOCで低毒性の溶媒および助溶媒ならびに生分解性界面活性剤は、剥離組成物の優れた性能に基づき、より容易でかつより効果的に実施可能である環境に優しい方法を提供する
表1
Figure 2019516004

Claims (20)

  1. A− 70質量%〜95質量%の濃度での、一般化学式R−OH[式中、Rは、C4〜C30炭化水素基である]を有するアルコールからなる群から選択される少なくとも1つの高沸点溶媒、ここで、前記高沸点溶媒は少なくとも100℃の沸点を有する、
    B− 2質量%〜20質量%の濃度での、高沸点グリコール、グリコールエーテルおよびアミン化合物からなる群から選択される、少なくとも1つの高沸点助溶媒、ここで前記高沸点助溶媒は少なくとも100℃の沸点を有する、および
    C− 0.01質量%〜5質量%の濃度での、酸化合物からなる群から選択されるか、または水酸化物化合物からなる群から選択される、少なくとも1つのpH活性剤
    を有する、非水性剥離組成物。
  2. B− 前記少なくとも1つの高沸点助溶媒はアミン化合物からなる群から選択され、ここで、前記高沸点助溶媒は少なくとも100℃の沸点を有し、かつ
    C− 少なくとも1つのpH活性剤は酸化合物からなる群から選択されるか、または水酸化物化合物からなる群から選択される、
    請求項1記載の剥離組成物。
  3. B− 前記少なくとも1つの高沸点助溶媒は高沸点グリコールおよびグリコールエーテルからなる群から選択され、ここで、前記高沸点助溶媒は、少なくとも100℃の沸点を有し、かつ
    C− 少なくとも1つのpH活性剤は酸化合物からなる群から選択される、
    請求項1記載の剥離組成物。
  4. 前記組成物は、さらに、少なくとも1つの界面活性剤を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の剥離組成物。
  5. 前記少なくとも1つの界面活性剤は非イオン性界面活性剤または非イオン性/アニオン性界面活性剤混合物である、請求項4記載の剥離組成物。
  6. 前記少なくとも1つの高沸点溶媒はRがアリールアルキルである化合物である、請求項1から5までのいずれか1項記載の剥離組成物。
  7. 前記少なくとも1つの高沸点溶媒はベンジルアルコールである、請求項1から6までのいずれか1項記載の剥離組成物。
  8. 前記少なくとも1つの高沸点助溶媒はグリコールエーテルまたは第三級アミン化合物である、請求項1から7までのいずれか1項記載の剥離組成物。
  9. 前記少なくとも1つの高沸点助溶媒はジエチレングリコールエーテルまたはトリエチレングリコールエーテルまたはテトラエチレングリコールエーテルである、請求項1から8までのいずれか1項記載の剥離組成物。
  10. 前記少なくとも1つの高沸点助溶媒はジエチレングリコールブチルエーテルである、請求項1から9までのいずれか1項記載の剥離組成物。
  11. 前記少なくとも1つの高沸点助溶媒はトリエタノールアミンである、請求項1から9までのいずれか1項記載の剥離組成物。
  12. 前記少なくとも1つのpH活性剤は有機酸である、請求項1から11までのいずれか1項記載の剥離組成物。
  13. 前記少なくとも1つのpH活性剤は乳酸である、請求項1から12までのいずれか1項記載の剥離組成物。
  14. 前記組成物中の含水率は0.5質量%未満である、請求項1から13までのいずれか1項記載の剥離組成物。
  15. 基材から有機被覆を剥離する方法において、前記方法は、次の方法工程:
    a− 請求項1から14までのいずれか1項記載の非水性剥離組成物を準備すること、
    b− 前記基材を前記剥離組成物と接触させること、および
    c− 前記剥離組成物を、少なくとも30℃から、最大でも前記剥離組成物中に含まれる成分のいずれか1つの沸点未満までの剥離温度に維持する間に、前記基材から前記有機被覆を除去すること
    を有する、基材から有機被覆を剥離する方法。
  16. 前記基材は、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ステンレス鋼、またはエンジニアリングプラスチック基材である、請求項15記載の方法。
  17. 前記剥離組成物の作業温度は65℃〜85℃である、請求項15または16記載の方法。
  18. 前記基材は、エポキシ被覆、ポリエステル被覆、ポリウレタン被覆、アクリル被覆、および多様なタイプの粉末被覆のような有機被覆で被覆される、請求項15から17までのいずれか1項記載の方法。
  19. 鋼、亜鉛メッキ鋼、亜鉛ダイカスト、鍛錬およびダイカストアルミニウム合金、黄銅、銅製品、アルミニウム、アルミニウムダイカスト製品、黄銅、青銅、銅、チタン、マグネシウム、およびメッキされた基材からなる基材から、エポキシ被覆、ポリエステル被覆、ポリウレタン被覆、アクリル被覆、および多様なタイプの粉末被覆のような有機被覆を剥離するための、請求項1から14までのいずれか1項記載の非水性剥離組成物の使用。
  20. 鋼、亜鉛メッキ鋼、亜鉛ダイカスト、鍛錬およびダイカストアルミニウム合金、黄銅、銅製品、アルミニウム、アルミニウムダイカスト製品、黄銅、青銅、銅、チタン、マグネシウム、およびメッキされた基材からなる基材から、グリースおよび油のような有機材料またはそれらの混合物を洗浄または剥離するための、請求項1から14までのいずれか1項記載の非水性剥離組成物の使用。
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