JP2932715B2 - 樹脂部品用洗浄液及び該部品の洗浄方法 - Google Patents
樹脂部品用洗浄液及び該部品の洗浄方法Info
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- JP2932715B2 JP2932715B2 JP2008091A JP2008091A JP2932715B2 JP 2932715 B2 JP2932715 B2 JP 2932715B2 JP 2008091 A JP2008091 A JP 2008091A JP 2008091 A JP2008091 A JP 2008091A JP 2932715 B2 JP2932715 B2 JP 2932715B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車に用いられるポ
リウレタン、ポリプロピレン、ABS、SMC等樹脂部
品に適用される新規な水系洗浄液及び該部品の洗浄方法
に関する。特にウレタンに対しては次の特徴がある。す
なわち、部品成形時にワックス系外部離型剤を用い、さ
らに樹脂中にステアリン酸亜鉛を主成分とした内部離型
剤として添加し、樹脂の鎖延長剤としてジエチルトルエ
ンジアミン(DETDA)を用いたポリウレタン樹脂
(以下DETDA系PUという)の塗装前の洗浄に特に
その効果を発揮する。
リウレタン、ポリプロピレン、ABS、SMC等樹脂部
品に適用される新規な水系洗浄液及び該部品の洗浄方法
に関する。特にウレタンに対しては次の特徴がある。す
なわち、部品成形時にワックス系外部離型剤を用い、さ
らに樹脂中にステアリン酸亜鉛を主成分とした内部離型
剤として添加し、樹脂の鎖延長剤としてジエチルトルエ
ンジアミン(DETDA)を用いたポリウレタン樹脂
(以下DETDA系PUという)の塗装前の洗浄に特に
その効果を発揮する。
【0002】
【従来技術】従来、ポリウレタン、ポリプロピレン、S
MC等樹脂部品の塗装前洗浄としてはフロン113また
は1,1,1−トリクロロエタンが主に用いられてき
た。これらは洗浄性の点では優れたものであるが、オゾ
ン層破壊または地下水汚染等の発生原因物質であり、地
球環境保全及び公害対策の観点から早急に代替洗浄剤の
開発が急務となり課題となっていた。
MC等樹脂部品の塗装前洗浄としてはフロン113また
は1,1,1−トリクロロエタンが主に用いられてき
た。これらは洗浄性の点では優れたものであるが、オゾ
ン層破壊または地下水汚染等の発生原因物質であり、地
球環境保全及び公害対策の観点から早急に代替洗浄剤の
開発が急務となり課題となっていた。
【0003】この課題に対し、代替の水系洗浄方法とし
て、アルカリ洗浄液による洗浄方法、あるいは界面活性
剤を含む酸系洗浄液で洗浄後界面活性剤を含まない酸性
水溶液で後洗浄する二段洗浄等が検討されてきたが、D
ETDA系PU樹脂部品の洗浄については充分な洗浄力
を発揮するに至っていない。
て、アルカリ洗浄液による洗浄方法、あるいは界面活性
剤を含む酸系洗浄液で洗浄後界面活性剤を含まない酸性
水溶液で後洗浄する二段洗浄等が検討されてきたが、D
ETDA系PU樹脂部品の洗浄については充分な洗浄力
を発揮するに至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】DETDA系PUは内
部離型剤として金属石鹸であるステアリン酸亜鉛を含
み、さらに樹脂表面には合成ワックス系の外部離型剤が
付着している。このため水系洗浄液を適用するにあたっ
ては、次のような問題点を有している。外部離型剤の除
去が困難なため、除去が不完全な場合、塗装後の塗膜の
密着不良を引き起こす。
部離型剤として金属石鹸であるステアリン酸亜鉛を含
み、さらに樹脂表面には合成ワックス系の外部離型剤が
付着している。このため水系洗浄液を適用するにあたっ
ては、次のような問題点を有している。外部離型剤の除
去が困難なため、除去が不完全な場合、塗装後の塗膜の
密着不良を引き起こす。
【0005】内部離型剤として用いられるステアリン酸
亜鉛が表層近傍に残った場合、プライマー塗装した時に
プライマーハジキ(ヌレ不良)が起こり、塗膜外観に不
良をきたす。また、塗膜の密着不良の原因となる。
亜鉛が表層近傍に残った場合、プライマー塗装した時に
プライマーハジキ(ヌレ不良)が起こり、塗膜外観に不
良をきたす。また、塗膜の密着不良の原因となる。
【0006】水系洗浄の場合、塗装の前工程として、生
産効率を上げるためにも強制加熱による80〜120℃
で10分程度の水切乾燥を行う必要がある。この水切乾
燥の際、加熱されることにより樹脂中に含有する内部離
型剤が表層にブリードし、プライマー塗装した時プライ
マーハジキ(ヌレ不良)が発生し、塗膜外観不良並びに
塗膜の密着不良の原因となる。
産効率を上げるためにも強制加熱による80〜120℃
で10分程度の水切乾燥を行う必要がある。この水切乾
燥の際、加熱されることにより樹脂中に含有する内部離
型剤が表層にブリードし、プライマー塗装した時プライ
マーハジキ(ヌレ不良)が発生し、塗膜外観不良並びに
塗膜の密着不良の原因となる。
【0007】本発明者等は、これらの問題点を解決すべ
く、鋭意研究を重ねてきた。その結果、外部離型剤及び
内部離型剤の充分な除去により、プライマーハジキのな
い、塗膜密着性の優れた洗浄後品質を確保できる。特定
のアルカリ洗浄液と特定の酸洗浄液及びそれらを組み合
わせた洗浄方法を見いだし、本発明を完成させた。以下
に詳細に述べる。
く、鋭意研究を重ねてきた。その結果、外部離型剤及び
内部離型剤の充分な除去により、プライマーハジキのな
い、塗膜密着性の優れた洗浄後品質を確保できる。特定
のアルカリ洗浄液と特定の酸洗浄液及びそれらを組み合
わせた洗浄方法を見いだし、本発明を完成させた。以下
に詳細に述べる。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ためには、樹脂表面に付着した外部離型剤と、表面近傍
にある内部離型剤の充分な除去が必要である。本発明者
等は、外部離型剤の除去機能をアルカリ洗浄液に、内部
離型剤の表面近傍からの除去機能を酸洗浄液に求め、そ
れぞれの機能を高めた洗浄液組成を見い出し、先ず該ア
ルカリ洗浄液による洗浄の後、湯洗または水洗を経て、
該酸洗浄液による洗浄を施すことにより問題点を解決す
るに至った。
ためには、樹脂表面に付着した外部離型剤と、表面近傍
にある内部離型剤の充分な除去が必要である。本発明者
等は、外部離型剤の除去機能をアルカリ洗浄液に、内部
離型剤の表面近傍からの除去機能を酸洗浄液に求め、そ
れぞれの機能を高めた洗浄液組成を見い出し、先ず該ア
ルカリ洗浄液による洗浄の後、湯洗または水洗を経て、
該酸洗浄液による洗浄を施すことにより問題点を解決す
るに至った。
【0009】すなわち、本発明はポリオキシエチレンア
ルキルエーテル型非イオン界面活性剤(HLB9〜1
1、)と、ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド付加
物型非イオン界面活性剤と、ピロリン酸カリウム、リン
酸二カリウムもしくはリン酸一カリウムから選ばれた少
なくとも1種と及び水とからなることを特徴とする樹脂
部品用アルカリ洗浄液を提供する。
ルキルエーテル型非イオン界面活性剤(HLB9〜1
1、)と、ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド付加
物型非イオン界面活性剤と、ピロリン酸カリウム、リン
酸二カリウムもしくはリン酸一カリウムから選ばれた少
なくとも1種と及び水とからなることを特徴とする樹脂
部品用アルカリ洗浄液を提供する。
【0010】また、本発明は、乳酸、リンゴ酸、アセチ
レン系非イオン界面活性剤及び水とからなることを特徴
とする樹脂部品用酸洗浄液を提供する。
レン系非イオン界面活性剤及び水とからなることを特徴
とする樹脂部品用酸洗浄液を提供する。
【0011】さらに本発明は、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル型非イオン界面活性剤(HLB9〜11)
と、ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド付加物型非
イオン界面活性剤と、ピロリン酸カリウム、リン酸二カ
リウムもしくはリン酸一カリウムから選ばれた少なくと
も1種と及び水とからなる樹脂部品用アルカリ洗浄液に
て洗浄後、水洗し、その後乳酸、リンゴ酸、アセチレン
系非イオン界面活性剤及び水とからなる樹脂部品用酸洗
浄液にて洗浄を行うことを特徴とする樹脂部品の洗浄方
法をも提供する。
キルエーテル型非イオン界面活性剤(HLB9〜11)
と、ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド付加物型非
イオン界面活性剤と、ピロリン酸カリウム、リン酸二カ
リウムもしくはリン酸一カリウムから選ばれた少なくと
も1種と及び水とからなる樹脂部品用アルカリ洗浄液に
て洗浄後、水洗し、その後乳酸、リンゴ酸、アセチレン
系非イオン界面活性剤及び水とからなる樹脂部品用酸洗
浄液にて洗浄を行うことを特徴とする樹脂部品の洗浄方
法をも提供する。
【0012】次に本発明の構成について詳述する。アル
カリ洗浄液は、従来より金属等の表面処理に用いられて
いる汎用のものでは、外部離型剤に対し充分な相溶性が
なく、その除去は不完全であった。本発明者等は、外部
離型剤である合成ワックスの除去性はアルカリ洗浄液に
含有する界面活性剤の選択が重要と考え、外部離型剤に
対し充分な相溶性、浸透性をもつ界面活性剤並びにその
組み合せを多岐にわたり試験研究した。その結果、界面
活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型
非イオン界面活性剤(HLB9〜11)0.5〜10g
/l好ましくは1〜4g/l、ヤシアルキルアミンエチ
レンオキサイド付加物型非イオン界面活性剤0.5〜1
0g/l好ましくは1〜4g/lを特定のアルカリビル
ダーと組み合わせることにより、外部離型剤の除去性に
優れた洗浄液組成とすることができた。
カリ洗浄液は、従来より金属等の表面処理に用いられて
いる汎用のものでは、外部離型剤に対し充分な相溶性が
なく、その除去は不完全であった。本発明者等は、外部
離型剤である合成ワックスの除去性はアルカリ洗浄液に
含有する界面活性剤の選択が重要と考え、外部離型剤に
対し充分な相溶性、浸透性をもつ界面活性剤並びにその
組み合せを多岐にわたり試験研究した。その結果、界面
活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型
非イオン界面活性剤(HLB9〜11)0.5〜10g
/l好ましくは1〜4g/l、ヤシアルキルアミンエチ
レンオキサイド付加物型非イオン界面活性剤0.5〜1
0g/l好ましくは1〜4g/lを特定のアルカリビル
ダーと組み合わせることにより、外部離型剤の除去性に
優れた洗浄液組成とすることができた。
【0013】ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非
イオン界面活性剤は、
イオン界面活性剤は、
【0014】
【化1】
【0015】の構造式で、式中R1 は炭素数12〜14
の第2級アルキル基でxは5〜8であり、HLB9〜1
1を有する。
の第2級アルキル基でxは5〜8であり、HLB9〜1
1を有する。
【0016】また、ヤシアルキルアミンエチレンオキサ
イド付加物型非イオン界面活性剤は、
イド付加物型非イオン界面活性剤は、
【0017】
【化2】
【0018】の構造式で、式中R2 はC12H25−(ヤシ
アルキル)、y+z=5〜9である。
アルキル)、y+z=5〜9である。
【0019】これらの界面活性剤は、提示した濃度未満
では、その外部離型剤に対する相溶性、浸透性が不足
し、充分な除去効果を発揮できず、また提示した濃度を
超える場合、その除去効果はそれ以上得られずに経済的
不利である。
では、その外部離型剤に対する相溶性、浸透性が不足
し、充分な除去効果を発揮できず、また提示した濃度を
超える場合、その除去効果はそれ以上得られずに経済的
不利である。
【0020】スプレー洗浄する場合、本アルカリ洗浄液
は消泡剤を必須成分とする。消泡剤としては、塗装前洗
浄に汎用に使用されているもので構わないが、例えば鉱
油と脂肪酸アミド型非イオン界面活性剤の混合物等が好
ましい。本発明者等が検討を重ねた結果、消泡剤の濃度
はその種類によらず、0.1〜5g/l好ましくは0.
3〜2g/l含有させるのがよいことを見い出した。
0.1g/l未満では充分な消泡効果が得られず、5g
/lを超えると外部離型剤除去性に悪影響を及ぼす。
は消泡剤を必須成分とする。消泡剤としては、塗装前洗
浄に汎用に使用されているもので構わないが、例えば鉱
油と脂肪酸アミド型非イオン界面活性剤の混合物等が好
ましい。本発明者等が検討を重ねた結果、消泡剤の濃度
はその種類によらず、0.1〜5g/l好ましくは0.
3〜2g/l含有させるのがよいことを見い出した。
0.1g/l未満では充分な消泡効果が得られず、5g
/lを超えると外部離型剤除去性に悪影響を及ぼす。
【0021】本アルカリ洗浄液はこれらの他に必須成分
としてアルカリビルダー成分を含む。すなわちアルカリ
ビルダー成分としてピロリン酸カリウム、リン酸二カリ
ウム、リン酸一カリウムから選ばれた少なくとも1種を
1.6〜40g/l、好ましくは、4.2〜15g/l
含む。アルカリビルダー成分の機能は樹脂表面に付着し
た油性成分等のケン化作用、乳化分散作用、キレート作
用等であるが、本アルカリ洗浄液においては、油性成分
の一種である外部離型剤の除去に対する、前記界面活性
剤の補助的効果の役割を果たす。また、それと同時に、
樹脂表面の外部離型剤の除去後、樹脂表面近傍にある内
部離型剤に対し若干の除去効果を併せもつものである。
さらにカリウム塩を用いているためアルカリ洗浄後のす
すぎ性に優れている。提示した濃度未満では外部離型剤
除去の補助効果が充分得られず、また外部離型剤除去後
の表面近傍の内部離型剤に対する若干の除去効果も得ら
れない。提示した濃度を上回った場合、その効果が減ず
ることはないが、必要十分量以上の濃度となり無駄であ
る。
としてアルカリビルダー成分を含む。すなわちアルカリ
ビルダー成分としてピロリン酸カリウム、リン酸二カリ
ウム、リン酸一カリウムから選ばれた少なくとも1種を
1.6〜40g/l、好ましくは、4.2〜15g/l
含む。アルカリビルダー成分の機能は樹脂表面に付着し
た油性成分等のケン化作用、乳化分散作用、キレート作
用等であるが、本アルカリ洗浄液においては、油性成分
の一種である外部離型剤の除去に対する、前記界面活性
剤の補助的効果の役割を果たす。また、それと同時に、
樹脂表面の外部離型剤の除去後、樹脂表面近傍にある内
部離型剤に対し若干の除去効果を併せもつものである。
さらにカリウム塩を用いているためアルカリ洗浄後のす
すぎ性に優れている。提示した濃度未満では外部離型剤
除去の補助効果が充分得られず、また外部離型剤除去後
の表面近傍の内部離型剤に対する若干の除去効果も得ら
れない。提示した濃度を上回った場合、その効果が減ず
ることはないが、必要十分量以上の濃度となり無駄であ
る。
【0022】本アリカル洗浄液は通常スプレー法にて使
用される。洗浄温度は60〜90℃が適当であるが、よ
り好ましくは70〜90℃である。洗浄時間は1〜5分
が好ましい。また、スプレー圧が管内圧で1.2kgf
/cm2 以上で行うのがよい。洗浄温度が60℃を下回
ると外部離型剤が軟化しにくくなり、その除去性が劣っ
てくる。また90℃を上回っても洗浄効果の向上が期待
されず、かつ大量の熱損失を伴うので不経済である。
用される。洗浄温度は60〜90℃が適当であるが、よ
り好ましくは70〜90℃である。洗浄時間は1〜5分
が好ましい。また、スプレー圧が管内圧で1.2kgf
/cm2 以上で行うのがよい。洗浄温度が60℃を下回
ると外部離型剤が軟化しにくくなり、その除去性が劣っ
てくる。また90℃を上回っても洗浄効果の向上が期待
されず、かつ大量の熱損失を伴うので不経済である。
【0023】酸洗浄液については、該アルカリ洗浄液に
よる充分な外部離型剤除去後に、樹脂表面近傍にある内
部離型剤を充分に除去するために、種々の酸により検討
を行った。その結果、無機酸には内部離型剤除去効果が
少なく、有機酸、特に乳酸、リンゴ酸にその効果がある
ことを見い出した。そして、乳酸、リンゴ酸単独でな
く、この二種の酸を組み合わせることにより、さらに効
果を上がることを見い出した。また、これに洗浄液の樹
脂表面に対する浸透効果を上げるため、アセチレン系非
イオン界面活性剤を加えることにより、安定した効果を
施すことが可能となった。これらの構成により内部離型
剤の樹脂表面近傍からの充分な除去ができ、水切乾燥後
の塗装時に発生するプライマーハジキ(ヌレ不良)並び
に塗膜の素地表面への密着不良等の問題の解決が可能と
なった。
よる充分な外部離型剤除去後に、樹脂表面近傍にある内
部離型剤を充分に除去するために、種々の酸により検討
を行った。その結果、無機酸には内部離型剤除去効果が
少なく、有機酸、特に乳酸、リンゴ酸にその効果がある
ことを見い出した。そして、乳酸、リンゴ酸単独でな
く、この二種の酸を組み合わせることにより、さらに効
果を上がることを見い出した。また、これに洗浄液の樹
脂表面に対する浸透効果を上げるため、アセチレン系非
イオン界面活性剤を加えることにより、安定した効果を
施すことが可能となった。これらの構成により内部離型
剤の樹脂表面近傍からの充分な除去ができ、水切乾燥後
の塗装時に発生するプライマーハジキ(ヌレ不良)並び
に塗膜の素地表面への密着不良等の問題の解決が可能と
なった。
【0024】すなわち酸洗浄液は乳酸2〜40g/l好
ましくは10〜20g/l、リンゴ酸2〜40g/l好
ましくは10〜20g/l、アセチレン系非イオン界面
活性剤0.1〜10g/l好ましくは1〜3g/l及び
水とからなるものである。
ましくは10〜20g/l、リンゴ酸2〜40g/l好
ましくは10〜20g/l、アセチレン系非イオン界面
活性剤0.1〜10g/l好ましくは1〜3g/l及び
水とからなるものである。
【0025】アセチレン系非イオン界面活性剤は、
【0026】
【化3】
【0027】の構造式で、式中R3 はCH3 −、R4は
【0028】
【化4】 である。
【0029】それぞれの提示した濃度未満では、内部離
型剤の樹脂部品表面近傍からの除去性が不足し、水切乾
燥後のプライマー塗装におけるプライマーハジキ(ヌレ
不良)が生じやすくなる。提示した濃度を上回る場合、
その内部離型剤除去性の効果はそれ以上得られず経済的
に不利である。
型剤の樹脂部品表面近傍からの除去性が不足し、水切乾
燥後のプライマー塗装におけるプライマーハジキ(ヌレ
不良)が生じやすくなる。提示した濃度を上回る場合、
その内部離型剤除去性の効果はそれ以上得られず経済的
に不利である。
【0030】本酸洗浄液は通常スプレー法にて使用され
る。洗浄温度は40〜60℃で、洗浄時間は1〜5分が
好ましい。またスプレー圧が管内圧で1.0kgf/c
m2 以上で行うのがよい。洗浄温度が40℃を下回ると
内部離型剤の除去効果が劣ってくる。60℃を上回る処
理温度とすることは可能であるが、40〜60℃におけ
る効果を上回ることがないため無駄である。
る。洗浄温度は40〜60℃で、洗浄時間は1〜5分が
好ましい。またスプレー圧が管内圧で1.0kgf/c
m2 以上で行うのがよい。洗浄温度が40℃を下回ると
内部離型剤の除去効果が劣ってくる。60℃を上回る処
理温度とすることは可能であるが、40〜60℃におけ
る効果を上回ることがないため無駄である。
【0031】
【作用】本発明の洗浄液及び洗浄方法は、前述の様に、
外部離型剤を除去した後に樹脂部品表面近傍に存在する
内部離型剤を充分に除去することを可能とするものであ
る。
外部離型剤を除去した後に樹脂部品表面近傍に存在する
内部離型剤を充分に除去することを可能とするものであ
る。
【0032】アルカリ洗浄の段階で先ず樹脂部品表面に
付着している外部離型剤を、主に該アルカリ洗浄液が含
有する、外部離型剤に対する相溶性及び浸透性に優れた
界面活性剤の働きにより除去する。この際、該アルカリ
洗浄液が含有するアルカリビルダー成分が硬水軟化、界
面活性剤の乳化分散作用の助長、除去した外部離型剤の
被洗浄物体への再付着防止作用等の補助的役割を果た
す。しかし、ひとたび外部離型剤が除去されると、表面
に内部離型剤であるステアリン酸亜鉛が現れるので、ア
ルカリビルダー成分はこの若干量を可溶化し、表面近傍
から除去せしめる。以上が該アルカリ洗浄液の作用の主
なものであるが、さらに洗浄温度を60℃以上として外
部離型剤を軟化すること、またスプレー法による物理的
な除去効果等が相乗して効果を上げている。
付着している外部離型剤を、主に該アルカリ洗浄液が含
有する、外部離型剤に対する相溶性及び浸透性に優れた
界面活性剤の働きにより除去する。この際、該アルカリ
洗浄液が含有するアルカリビルダー成分が硬水軟化、界
面活性剤の乳化分散作用の助長、除去した外部離型剤の
被洗浄物体への再付着防止作用等の補助的役割を果た
す。しかし、ひとたび外部離型剤が除去されると、表面
に内部離型剤であるステアリン酸亜鉛が現れるので、ア
ルカリビルダー成分はこの若干量を可溶化し、表面近傍
から除去せしめる。以上が該アルカリ洗浄液の作用の主
なものであるが、さらに洗浄温度を60℃以上として外
部離型剤を軟化すること、またスプレー法による物理的
な除去効果等が相乗して効果を上げている。
【0033】内部離型剤の除去は、アルカリ洗浄による
ものだけでは不充分であり、酸洗浄によってこれを洗浄
後の水切乾燥により樹脂部品表面にブリードしてこない
ような水準にまで引き上げる。該酸洗浄液が含有する乳
酸およびリンゴ酸は、分子内にカルボキシル基と水酸基
を有し、内部離型剤であるステアリン酸亜鉛に結合また
は配位し、撥水性であるステアリン酸亜鉛に親水基とし
ての水酸基をもたせ、水に対する分散性を上げ、樹脂部
品表面に存在する細孔中に充填された形となっている該
離型剤を効率的に除去する効果を有する。乳酸、リンゴ
酸は何れもその分子内に炭化水素鎖を有する有機酸であ
り、細孔中に浸透していく際に、洗浄液の表面張力及び
素材との親和性の点で無機酸より有利である。さらに、
アセチレン系非イオン界面活性剤の添加により、その効
果が助長されている。有機酸の中でも特に乳酸、リンゴ
酸の効果が優れていることについては、その分子量がカ
ルボキシル基および水酸基を有する有機酸の中では比較
的小さいため、浸透性の点で有利であることは推定でき
る。
ものだけでは不充分であり、酸洗浄によってこれを洗浄
後の水切乾燥により樹脂部品表面にブリードしてこない
ような水準にまで引き上げる。該酸洗浄液が含有する乳
酸およびリンゴ酸は、分子内にカルボキシル基と水酸基
を有し、内部離型剤であるステアリン酸亜鉛に結合また
は配位し、撥水性であるステアリン酸亜鉛に親水基とし
ての水酸基をもたせ、水に対する分散性を上げ、樹脂部
品表面に存在する細孔中に充填された形となっている該
離型剤を効率的に除去する効果を有する。乳酸、リンゴ
酸は何れもその分子内に炭化水素鎖を有する有機酸であ
り、細孔中に浸透していく際に、洗浄液の表面張力及び
素材との親和性の点で無機酸より有利である。さらに、
アセチレン系非イオン界面活性剤の添加により、その効
果が助長されている。有機酸の中でも特に乳酸、リンゴ
酸の効果が優れていることについては、その分子量がカ
ルボキシル基および水酸基を有する有機酸の中では比較
的小さいため、浸透性の点で有利であることは推定でき
る。
【0034】内部離型剤は、樹脂部品の素材全体に行き
渡っているものであるため、表面近傍に存在しているも
のを除去するのが限度である。乳酸及びリンゴ酸は、除
去されずに残った該離型剤の最表面に置換もしくは配位
し、水酸基を外に向けて並んだ形となっており、樹脂部
品の表面エネルギーを上げる役割も併せ持つものと推定
される。
渡っているものであるため、表面近傍に存在しているも
のを除去するのが限度である。乳酸及びリンゴ酸は、除
去されずに残った該離型剤の最表面に置換もしくは配位
し、水酸基を外に向けて並んだ形となっており、樹脂部
品の表面エネルギーを上げる役割も併せ持つものと推定
される。
【0035】
【0036】1)供試材 DETDA系PU(住友バイエルウレタン(株)製) 70mm(w)×150mm(1)
【0037】2)試験装置 アルカリ洗浄並びに酸洗浄は、共に図1に示されるステ
ンレス製小型洗浄装置を適用した。図1において、aは
槽の中心部から管迄の長さ、bは槽の円筒部の高さで、
a=300mm、b=600mmである。Nはフルコー
ン型ノズルを用いており、噴霧口径は2mmである。な
おT/Pは試験片である。
ンレス製小型洗浄装置を適用した。図1において、aは
槽の中心部から管迄の長さ、bは槽の円筒部の高さで、
a=300mm、b=600mmである。Nはフルコー
ン型ノズルを用いており、噴霧口径は2mmである。な
おT/Pは試験片である。
【0038】3)洗浄方法 下記洗浄行程において、試験片は毎秒2往復上下に約1
0cm動かしながら行った。 アルカリ洗浄 スプレー 管内圧 1.3kgf/c
m2 水洗 スプレー 60℃ 1分 酸洗浄 スプレー 管内圧 1.1kgf/c
m2 水洗 スプレー 常温 30秒 脱イオン水洗 スプレー 常温 30秒 脱イオン水の電導度 1μs/cm 水切り乾燥 比較例の洗浄処理工程については別途記載した。
0cm動かしながら行った。 アルカリ洗浄 スプレー 管内圧 1.3kgf/c
m2 水洗 スプレー 60℃ 1分 酸洗浄 スプレー 管内圧 1.1kgf/c
m2 水洗 スプレー 常温 30秒 脱イオン水洗 スプレー 常温 30秒 脱イオン水の電導度 1μs/cm 水切り乾燥 比較例の洗浄処理工程については別途記載した。
【0039】4)塗装 プライマー:RB110(日本ビーケミカル(株)
製) 吹き付け塗装(膜厚15〜20μm) 焼付け 110℃ 15分 上塗り :ソフレックス1200(関西ペイント
(株)製) 吹き付け塗装(膜厚35〜40μm) 焼付け 120℃ 20分
製) 吹き付け塗装(膜厚15〜20μm) 焼付け 110℃ 15分 上塗り :ソフレックス1200(関西ペイント
(株)製) 吹き付け塗装(膜厚35〜40μm) 焼付け 120℃ 20分
【0040】5)評価方法
【0041】洗浄後の表面性状 イ)対水接触角 蒸留水を用いて、ゴニオメーター式接触角計により測定
した。5点測定し、その平均値を算出した。 ロ)表面亜鉛濃度 XPS(X線光電子分光法)によるナロー分析を行い、
内部離型剤の主成分であるステアリン酸亜鉛に起因する
ZnLMM ピーク面積と、PU素材に起因するC1sピーク
面積を測定してZnLMM /C1S×100値を算出し、表
面亜鉛濃度とした。
した。5点測定し、その平均値を算出した。 ロ)表面亜鉛濃度 XPS(X線光電子分光法)によるナロー分析を行い、
内部離型剤の主成分であるステアリン酸亜鉛に起因する
ZnLMM ピーク面積と、PU素材に起因するC1sピーク
面積を測定してZnLMM /C1S×100値を算出し、表
面亜鉛濃度とした。
【0042】プライマーハジキ性評価 プライマー吹き付け塗装後、焼付け前に塗面の状態を目
視観察し、次に示す○、△、×、の3段階で評価した。 ○…プライマーハジキが認められない △…中程度のプライマーハジキで、ユズ肌状となってい
る ×…完全なプライマーハジキで、素地がはっきり見えて
いる
視観察し、次に示す○、△、×、の3段階で評価した。 ○…プライマーハジキが認められない △…中程度のプライマーハジキで、ユズ肌状となってい
る ×…完全なプライマーハジキで、素地がはっきり見えて
いる
【0043】一次密着 塗装後24時間室内放置したテストピースに鋭利なカッ
ターで2mm幅の平行線を11本ずつ縦横にいれ、10
0マス2mm角のゴバン目状カット傷を作る。これにセ
ロハンテープを空気の入らないように貼りつけ、垂直方
向に一気に剥離し、塗膜の残存個数を評価した。
ターで2mm幅の平行線を11本ずつ縦横にいれ、10
0マス2mm角のゴバン目状カット傷を作る。これにセ
ロハンテープを空気の入らないように貼りつけ、垂直方
向に一気に剥離し、塗膜の残存個数を評価した。
【0044】耐湿二次密着 塗装後24時間放置したテストピースを温度50℃、湿
度95%の恒温恒湿槽中に、240時間投入後、更に2
4時間室内放置した後、一次密着と同様の手順で塗膜の
残存個数を評価した。
度95%の恒温恒湿槽中に、240時間投入後、更に2
4時間室内放置した後、一次密着と同様の手順で塗膜の
残存個数を評価した。
【0045】6)各実施例の内容 「実施例1」 アルカリ洗浄条件 70℃ 3分 アルカリ洗浄液組成 ・ピロリン酸カリウム 6.0 g/l ・リン酸二カリウム 2.5 g/l ・リン酸一カリウム 0.4 g/l ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル型 非イオン界面活性剤(HLB=11) 2.5 g/l ・ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド 付加物型非イオン界面活性剤 2.5 g/l ・消泡剤 1.0 g/l ・水 残り 消泡剤は鉱油と脂肪酸アミド型非イオン界面活性剤の混
合物を用いた。(以下の実施例も同様) 酸洗浄条件 50℃ 5分 酸洗浄液組成 ・DL−乳酸 15.0 g/l ・DL−リンゴ酸 15.0 g/l ・アセチレン系非イオン界面活性剤 2.0 g/l ・水 残り 水切乾燥条件 80℃ 10分
合物を用いた。(以下の実施例も同様) 酸洗浄条件 50℃ 5分 酸洗浄液組成 ・DL−乳酸 15.0 g/l ・DL−リンゴ酸 15.0 g/l ・アセチレン系非イオン界面活性剤 2.0 g/l ・水 残り 水切乾燥条件 80℃ 10分
【0046】「実施例2」「実施例1」の水切乾燥を1
20℃ 10分とした。
20℃ 10分とした。
【0047】「実施例3」 アルカリ洗浄条件 80℃ 1分 アルカリ洗浄液組成 ・ピロリン酸カリウム 3.0 g/l ・リン酸二カリウム 1.0 g/l ・リン酸一カリウム 0.2 g/l ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル型 非イオン界面活性剤(HLB=11) 1.0 g/l ・ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド 付加物型非イオン界面活性剤 1.0 g/l ・消泡剤 0.3 g/l ・水 残り 酸洗浄条件 50℃ 3分 酸洗浄液組成 ・DL−乳酸 20.0 g/l ・DL−リンゴ酸 20.0 g/l ・アセチレン系非イオン界面活性剤 3.0 g/l ・水 残り 水切乾燥条件 80℃ 10分
【0048】「実施例4」「実施例3」の水切乾燥を1
20℃ 10分とした。
20℃ 10分とした。
【0049】「実施例5」 アルカリ洗浄条件 80℃ 5分 アルカリ洗浄液組成 ・ピロリン酸カリウム 3.0 g/l ・リン酸二カリウム 1.0 g/l ・リン酸一カリウム 0.3 g/l ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル型 非イオン界面活性剤(HLB=11) 4.0 g/l ・ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド 付加物型非イオン界面活性剤 2.5 g/l ・消泡剤 2.0 g/l ・水 残り 酸洗浄条件 50℃ 3分 酸洗浄液組成 ・DL−乳酸 10.0 g/l ・DL−リンゴ酸 10.0 g/l ・アセチレン系非イオン界面活性剤 1.0 g/l ・水 残り 水切乾燥条件 80℃ 10分
【0050】「実施例6」「実施例5」の水切乾燥を1
20℃ 10分とした。
20℃ 10分とした。
【0051】「実施例7」 アルカリ洗浄条件 60℃ 3分 アルカリ洗浄液組成 ・ピロリン酸カリウム 9.0 g/l ・リン酸二カリウム 4.0 g/l ・リン酸一カリウム 0.5 g/l ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル型 非イオン界面活性剤(HLB=11) 2.5 g/l ・ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド 付加物型非イオン界面活性剤 4.0 g/l ・消泡剤 1.0 g/l ・水 残り 酸洗浄条件 60℃ 3分 酸洗浄液組成 ・DL−乳酸 15.0 g/l ・DL−リンゴ酸 15.0 g/l ・アセチレン系非イオン界面活性剤 2.0 g/l ・水 残り 水切乾燥条件 80℃ 10分
【0052】「実施例8」「実施例7」の水切乾燥を1
20℃ 10分とした。
20℃ 10分とした。
【0053】「実施例9」 アルカリ洗浄条件 70℃ 3分 アルカリ洗浄液組成 ・ピロリン酸カリウム 6.0 g/l ・リン酸二カリウム 2.5 g/l ・リン酸一カリウム 0.4 g/l ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル型 非イオン界面活性剤(HLB=9) 2.5 g/l ・ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド 付加物型非イオン界面活性剤 2.5 g/l ・消泡剤 1.0 g/l ・水 残り 酸洗浄条件 50℃ 1分 酸洗浄液組成 ・DL−乳酸 15.0 g/l ・DL−リンゴ酸 15.0 g/l ・アセチレン系非イオン界面活性剤 2.0 g/l ・水 残り 水切乾燥条件 80℃ 10分
【0054】「実施例10」「実施例9」の水切乾燥を
120℃ 10分とした。
120℃ 10分とした。
【0055】「実施例11」 アルカリ洗浄条件 90℃ 2分 アルカリ洗浄液組成 ・ピロリン酸カリウム 6.0 g/l ・リン酸二カリウム 2.5 g/l ・リン酸一カリウム 0.4 g/l ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル型 非イオン界面活性剤(HLB=11) 2.5 g/l ・ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド 付加物型非イオン界面活性剤 2.5 g/l ・消泡剤 1.0 g/l ・水 残り 酸洗浄条件 40℃ 3分 酸洗浄液組成 ・DL−乳酸 15.0 g/l ・DL−リンゴ酸 15.0 g/l ・アセチレン系非イオン界面活性剤 2.0 g/l ・水 残り ・水切乾燥条件 80℃ 10分
【0056】「実施例12」「実施例11」の水切乾燥
を120℃ 10分とした。各実施例の評価結果につい
て第1表に記載した。種々の洗浄条件、ビルダー濃度、
界面活性剤濃度、酸成分濃度、水切乾燥温度におけるD
ETDA系PUの洗浄後の表面性状および塗装性能を掲
載したが、何れの実施例においても良好な性能を示して
いる。
を120℃ 10分とした。各実施例の評価結果につい
て第1表に記載した。種々の洗浄条件、ビルダー濃度、
界面活性剤濃度、酸成分濃度、水切乾燥温度におけるD
ETDA系PUの洗浄後の表面性状および塗装性能を掲
載したが、何れの実施例においても良好な性能を示して
いる。
【0057】「実施例13」 アルカリ洗浄条件 70℃ 3分 アルカリ洗浄液組成 ・ピロリン酸カリウム 15 g/l ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル型 非イオン界面活性剤(HLB=11) 3.0 g/l ・ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド 付加物型非イオン界面活性剤 3.0 g/l ・消泡剤 1.0 g/l ・水 残り 酸洗浄条件 60℃ 2分 酸洗浄液組成 ・DL−乳酸 10.0 g/l ・DL−リンゴ酸 10.0 g/l ・アセチレン系非イオン界面活性剤 1.0 g/l ・水 残り 水切乾燥条件 80℃ 10分
【0058】「実施例14」 アルカリ洗浄条件 80℃ 3分 アルカリ洗浄液組成 ・リン酸二カリウム 10 g/l ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル型 非イオン界面活性剤(HLB=11) 2.5 g/l ・ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド 付加物型非イオン界面活性剤 2.5 g/l ・消泡剤 1.0 g/l ・水 残り 酸洗浄条件 50℃ 2分 酸洗浄液組成 ・DL−乳酸 15.0 g/l ・DL−リンゴ酸 15.0 g/l ・アセチレン系非イオン界面活性剤 2.0 g/l ・水 残り 水切乾燥条件 80℃ 10分
【0059】「実施例15」 アルカリ洗浄条件 90℃ 2分 アルカリ洗浄液組成 ・リン酸一カリウム 10 g/l ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル型 非イオン界面活性剤(HLB=11) 2.0 g/l ・ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド 付加物型非イオン界面活性剤 2.0 g/l ・消泡剤 1.0 g/l ・水 残り 酸洗浄条件 40℃ 3分 酸洗浄液組成 ・DL−乳酸 20.0 g/l ・DL−リンゴ酸 20.0 g/l ・アセチレン系非イオン界面活性剤 1.0 g/l ・水 残り 水切乾燥条件 80℃ 10分
【0060】7)各比較例の内容 以下の比較例1〜9の洗浄試験は全て図1に示されるス
テンレス製小型洗浄装置を適用した。但しスプレー圧並
びに試験片の洗浄時の上下移動条件は実施例と同じであ
る。
テンレス製小型洗浄装置を適用した。但しスプレー圧並
びに試験片の洗浄時の上下移動条件は実施例と同じであ
る。
【0061】「比較例1」「実施例1」のアルカリ洗浄
液組成のうち、下記成分を次のように変更した。その他
条件は実施例と同じ。 ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン界面
活性剤 (HLB11)→(HLB14)
液組成のうち、下記成分を次のように変更した。その他
条件は実施例と同じ。 ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン界面
活性剤 (HLB11)→(HLB14)
【0062】「比較例2」「実施例1」のアルカリ洗浄
液組成のうち、下記成分を次のように変更した。その他
条件は実施例と同じ。 ・ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド付加物型非イ
オン界面活性剤 3.0 g/l → 0 g/l
液組成のうち、下記成分を次のように変更した。その他
条件は実施例と同じ。 ・ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド付加物型非イ
オン界面活性剤 3.0 g/l → 0 g/l
【0063】「比較例3」「実施例1」の酸洗浄液組成
のうち、下記成分を次のように変更した。その他条件は
実施例と同じ。 ・DL−乳酸 15.0 g/l → 0 g/l
のうち、下記成分を次のように変更した。その他条件は
実施例と同じ。 ・DL−乳酸 15.0 g/l → 0 g/l
【0064】「比較例4」「実施例1」の酸洗浄液組成
のうち、下記成分を次のように変更した。その他条件は
実施例と同じ。 ・DL−乳酸 15.0 g/l → 10.0 g/l ・DL−リンゴ酸 15.0 g/l → 0.0 g/l ・アセチレン系非イ オン界面活性剤 2.0 g/l → 0.0 g/l
のうち、下記成分を次のように変更した。その他条件は
実施例と同じ。 ・DL−乳酸 15.0 g/l → 10.0 g/l ・DL−リンゴ酸 15.0 g/l → 0.0 g/l ・アセチレン系非イ オン界面活性剤 2.0 g/l → 0.0 g/l
【0065】「比較例5」「実施例1」の酸洗浄を省略
する以外は実施例と同じ。
する以外は実施例と同じ。
【0066】「比較例6」1,1,1−トリクロロエタ
ン蒸気洗浄 30秒
ン蒸気洗浄 30秒
【0067】「比較例7」「比較例6」の工程後、後加
熱80℃ 10分
熱80℃ 10分
【0068】「比較例8」「比較例7」の工程後、後加
熱120℃ 10分各比較例の評価結果について表2に
記載した。
熱120℃ 10分各比較例の評価結果について表2に
記載した。
【0069】比較例3〜4は特許請求の範囲を逸脱した
洗浄液による洗浄であり、処理後のプライマーハジキ性
および塗装性能を満足しない結果となっている。
洗浄液による洗浄であり、処理後のプライマーハジキ性
および塗装性能を満足しない結果となっている。
【0070】比較例6は従来用いられてきた代表的な塗
装前洗浄方法であり、本発明との比較の意味で実施し
た。
装前洗浄方法であり、本発明との比較の意味で実施し
た。
【0071】比較例7〜8は比較例6の洗浄後、水系洗
浄後の水切乾燥にみたてた後加熱を行ったものであり、
本発明との比較の意味で実施した。内部離型剤の表面へ
のブリードによりプライマーハジキ性が悪化しているこ
とが解る。
浄後の水切乾燥にみたてた後加熱を行ったものであり、
本発明との比較の意味で実施した。内部離型剤の表面へ
のブリードによりプライマーハジキ性が悪化しているこ
とが解る。
【0072】
【発明の効果】以上、実施例に示したように、本発明に
よって得られたDETDA系PUの洗浄後の表面品質
は、1,1,1−トリクロロエタン洗浄に匹敵する。ま
た加熱された場合の表面品質においては、1,1,1−
トリクロロエタン洗浄より優れていることは明らかであ
る。
よって得られたDETDA系PUの洗浄後の表面品質
は、1,1,1−トリクロロエタン洗浄に匹敵する。ま
た加熱された場合の表面品質においては、1,1,1−
トリクロロエタン洗浄より優れていることは明らかであ
る。
【0073】本発明の効果としては、塗装性および塗装
後の性能に優れた表面洗浄が行えるばかりでなく、水系
のため廃水処理が容易であり、有機溶剤のような地球的
環境汚染問題を生じないという優れた効果を有する。
後の性能に優れた表面洗浄が行えるばかりでなく、水系
のため廃水処理が容易であり、有機溶剤のような地球的
環境汚染問題を生じないという優れた効果を有する。
【0074】また従来より有機溶剤洗浄後に用いられて
いる塗料をそのまま使用することができ、水系洗浄に合
わせた新規な塗料開発の必要性がないという経済的にも
優れた効果を併せ持つものである。
いる塗料をそのまま使用することができ、水系洗浄に合
わせた新規な塗料開発の必要性がないという経済的にも
優れた効果を併せ持つものである。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ステンレス製小型洗浄装置の概略図で
ある。
ある。
a: 槽の中心部から管迄の長さ b: 槽の円筒部の高さ T/P: 試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 1:68 3:06) (C11D 10/02 1:66 3:20) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 7/00 C11D 3/06 - 3/20 C11D 1/66 - 1/825 C11D 7/16 - 7/26 WPI/L(QUESTEL)
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリオキシエチレンアルキルエーテル型
非イオン界面活性剤と(HLB9〜11)、ヤシアルキ
ルアミンエチレンオキサイド付加物型非イオン界面活性
剤と、ピロリン酸カリウム、リン酸二カリウムもしくは
リン酸一カリウムから選ばれた少なくとも1種と及び水
とからなることを特徴とする樹脂部品用アルカリ洗浄
液。 - 【請求項2】 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル型非イオン界面活性剤(HLB9〜11)を0.5〜
10g/1、前記ヤシアルキルアミンエチレンオキサイ
ド付加物型非イオン界面活性剤を0.5〜10g/1、
前記ピロリン酸カリウム、リン酸二カリウムもしくはリ
ン酸一カリウムから選ばれた少なくとも1種を1.6〜
40g/1及び残り水を含む請求項1記載のアルカリ洗
浄液。 - 【請求項3】 ポリオキシエチレンアルキルエーテル型
非イオン界面活性剤(HLB9〜11)と、ヤシアルキ
ルアミンエチレンオキサイド付加物型非イオン界面活性
剤と、ピロリン酸カリウム、リン酸二カリウムもしくは
リン酸一カリウムから選ばれた少なくとも1種とおよび
水にさらに消泡剤を加えてなる請求項1記載の樹脂部品
用アルカリ洗浄液。 - 【請求項4】 乳酸、リンゴ酸、アセチレン系非イオン
界面活性剤及び水とからなることを特徴とする樹脂部品
用酸洗浄液。 - 【請求項5】 前記乳酸を2〜40g/1、前記リンゴ
酸を2〜40g/1、前記アセチレン系非イオン界面活
性剤を0.1〜10g/1及び残り水を含むことを特徴
とする請求項4記載の樹脂部品用酸洗浄液。 - 【請求項6】 ポリオキシエチレンアルキルエーテル型
非イオン界面活性剤(HLB9〜11)と、ヤシアルキ
ルアミンエチレンオキサイド付加物型非イオン界面活性
剤と、ピロリン酸カリウム、リン酸二カリウムもしくは
リン酸一カリウムから選ばれた少なくとも1種と及び水
とからなる樹脂部品用アルカリ洗浄液にて洗浄後、水洗
し、その後乳酸、リンゴ酸、アセチレン系非イオン界面
活性剤及び水とからなる樹脂部品用酸洗浄液にて洗浄を
行うことを特徴とする樹脂部品の洗浄方法。 - 【請求項7】 前記樹脂部品用アルカリ洗浄液がポリオ
キシエチレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤
(HLB9〜11)を0.5〜10g/1、前記ヤシア
ルキルアミンエチレンオキサイド付加物型非イオン界面
活性剤を0.5〜10g/1、前記ピロリン酸カリウ
ム、リン酸二カリウムもしくはリン酸一カリウムから選
ばれた少なくとも1種を1.6〜40g/1及び残り水
を含み、かつ前記樹脂部品用酸洗浄液が乳酸を2〜40
g/1、リンゴ酸を2〜40g/1、前記アセチレン系
非イオン界面活性剤を0.1〜10g/1及び残り水を
含むことを特徴とする請求項6記載の樹脂部品洗浄方
法。 - 【請求項8】 前記樹脂部品用アルカリ洗浄液がポリオ
キシエチレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤
(HLB9〜11)と、ヤシアルキルアミンエチレンオ
キイド付加物型非イオン界面活性剤と、ピロリン酸カリ
ウム、リン酸二カリウムもしくはリン酸一カリウムから
選ばれた少なくとも1種と及び水にさらに消泡剤を加え
てなる液である請求項6記載の樹脂部品洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008091A JP2932715B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-02-13 | 樹脂部品用洗浄液及び該部品の洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-11031 | 1991-01-31 | ||
JP1103191 | 1991-01-31 | ||
JP2008091A JP2932715B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-02-13 | 樹脂部品用洗浄液及び該部品の洗浄方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0539499A JPH0539499A (ja) | 1993-02-19 |
JP2932715B2 true JP2932715B2 (ja) | 1999-08-09 |
Family
ID=26346401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008091A Expired - Fee Related JP2932715B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-02-13 | 樹脂部品用洗浄液及び該部品の洗浄方法 |
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TW322591B (ja) | 1996-02-09 | 1997-12-11 | Handotai Energy Kenkyusho Kk | |
JP2001003098A (ja) * | 1999-06-24 | 2001-01-09 | Toho Chem Ind Co Ltd | リンス性良好な微粒子除去用洗浄剤組成物 |
JP4799718B2 (ja) * | 1999-08-11 | 2011-10-26 | コープケミカル株式会社 | 有機マイカ |
JP5008805B2 (ja) * | 2001-08-03 | 2012-08-22 | 株式会社Adeka | Cip洗浄用脱臭剤組成物 |
KR102472098B1 (ko) * | 2017-03-03 | 2022-12-01 | 다이셀폴리머 주식회사 | 성형 가공기 세정용의 열가소성 수지 조성물 |
-
1991
- 1991-02-13 JP JP2008091A patent/JP2932715B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0539499A (ja) | 1993-02-19 |
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---|---|---|---|
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