JP2019515202A - 側面部分、チェーン・リンク、及びエネルギー案内チェーン - Google Patents

側面部分、チェーン・リンク、及びエネルギー案内チェーン Download PDF

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Abstract

本発明は、供給ラインを案内するように設計されたエネルギー案内チェーン(1)のチェーン・リンク(2)のための側面部分(3)に関する。隣接するチェーン・リンク(2)を枢動可能に配置するために、側面部分(3)はその端部に、枢動を制限するために対応する当接表面(312、322)と枢動軸(s)とが設けられているそれぞれの重畳領域(31、32)、すなわち第1の当接表面(312)を有する第1の重畳領域(31)及び第2の当接表面(322)を有する第2の重畳領域(32)を有する。枢動の減速を減衰するために、少なくとも各第1の当接表面(312)の正面に、枢動軸と平行な屈曲軸線(b)を中心にして弾力的に変形可能なばねリップ(6)の形態の減衰要素が配設されている。減衰を改善するために、ばねリップ(6)が、取り付け位置において第1の当接表面(312)に対応している隣接するチェーン・リンク(2)の第2の重畳領域(32)の第2の当接表面(322)を介して前記ばねリップ(6)に伝達される運動エネルギーを結合するための、ばねリップ(6)の屈曲軸線(b)に対して軸線方向にある端部領域(61)を有することが提案される。

Description

本発明は、供給ラインを案内するように設計されたエネルギー案内チェーンのチェーン・リンクのための側面部分であって、隣接するチェーン・リンクは枢動軸線を中心にして互いに対して枢動可能に接続されており、隣接するチェーン・リンクを枢動可能に配置するための側面部分はその端部に、枢動を制限するために対応する当接表面と枢動軸線とを備えるそれぞれの重畳領域、すなわち第1の当接表面を有する第1の重畳領域及び第2の当接表面を有する第2の重畳領域を有し、枢動の減速を減衰するために、少なくとも各第1の当接表面の正面に、枢動軸線と平行な屈曲軸線を中心にして弾力的に変形可能なばねリップの形態の減衰要素が配置されている、側面部分、に関する。本発明は更に、2つのかかる側面部分を有するチェーン・リンクと、かかるチェーン・リンクを有するエネルギー案内チェーンとに関する。
記載される一般的な種類の側面部分、チェーン・リンク及びエネルギー案内チェーンが特許文献1に記述されており、同文献では、第1の当接表面と関連付けられたばねリップは、作用していない位置では当接表面から離れる方へと枢動し、第1の当接表面及び第2の当接表面が互いに接触している状態では第1の当接表面に対して表面接触するように枢動され、これにより弾性付勢効果がもたらされる。
特許文献2は、周縁方向へのばねリップの弾性的な偏向及び変形によって当接が互いに対して維持されるエネルギー案内チェーンを開示している。
特許文献3によれば、第1の当接表面は半円リング形状の内側に配置されており、この中に特定の大き目のサイズを含む第2の当接部の形態のピンが入ってこの半円リング形状の拡張とともに側方支持をもたらし、この結果減速効果がもたらされる。
これらによりいずれの場合にも一定の減衰が達成されるが、一定の残留する速度が依然として維持され、このために当接表面は、望まれないノイズの発生を伴って互いに対して急激に当接する。
独国実用新案第29607492号明細書 欧州特許出願公開第1963711号明細書 国際公開第2005/021996号パンフレット
本発明の目的は、程度の差はあれ急激な停止につながる残留する速度が更に低減される、記載される一般的な種類の側面部分、及びこれらの側面部分を2つ有するチェーン・リンク、及びこれらのチェーン・リンクを有するエネルギー案内チェーンを提供することである。
本発明によれば、この目的は請求項1の特徴によって達成される。従属する請求項には有利な発展形態を記載する。上で明示した目的は、ばねリップが、エネルギー案内チェーンのチェーン・リンクの側面部分の取り付け位置において第1の当接表面と当接作用関係で対応している第2の当接表面を介して前記ばねリップに伝達される運動エネルギーの少なくとも大部分を結合するための、ばねリップの屈曲軸線に対して軸線方向にある端部領域を有し、前記第2の当接表面は、取り付け位置において隣接しているチェーン・リンクの第2の重畳領域の当接表面である、という形で既に達成されている。
したがって、運動エネルギーを加えることは、現状の技術の場合のようにばねリップを屈曲軸線の方向に均一に延ばすことによってではなく、屈曲軸線に対して軸線方向にある端部領域において非対称に行われる。運動エネルギーのこの非対称な伝達によって、曲げモーメントだけでなく、屈曲軸線に対して放射方向である軸線に対する捩じりモーメントも生み出され得る。この捩じりモーメントはばねリップを弾力的に屈曲させるだけでなく、これを弾力的に変形させる。このようにして、一方では、明確に当接した状態になる前の枢動に関与する運動エネルギーの吸収の向上、及びこれによる残留する速度の低減を実現することが可能である。これは関与する材料にとってより優しく、ノイズを低減する。屈曲軸線に対して軸線方向にあるこの端部領域は、側面部分から離れる方に延在するように配置されている。
他方では、捩じれによって、純粋に屈曲だけが関与する場合よりも、ばねリップにより大きな度合まで弾力的に応力を加えることができる。捩じれと屈曲が同時となる結果として、ばねリップはまた、ばね特性の観点から連続的により硬くなり得る。この結果、更なる弾力的変形に関して、これに応じたより高い度合での運動エネルギーの吸収が可能になる。言い換えれば、ばねリップにおける減速効果を、最初は緩やかに生じさせ、その後次第に大きくしていくことが可能になる。この結果、残留する速度、及びこれによるエネルギー案内チェーンの変位時のノイズの発生が更に低減される。
好ましくは、運動エネルギーの少なくとも大部分の結合効果とは、60%超、特に80%超又は90%超を含む。運動エネルギーの全体を結合できるのが理想的である。このようにして、以降で記述するようなばねリップへの応力付与、及びその変形により吸収される運動エネルギーを相応に高めることができ、残留する速度を更に低減することができる。
特に、曲げモーメントによって生み出される力をばねリップに加えることは、それぞれのばねリップの放射方向軸線に対して偏心している領域内で行われ得る。この偏心している領域は、屈曲軸線に対して軸線方向にある端部領域に相当する。放射方向軸線は、屈曲軸線と少なくともほぼ直交し得る。
ばねリップは、これと関連付けられた枢動軸線に対して、放射方向に又はほぼ放射方向に延在し得る。ばねリップはその端部を側面部分上に、特に枢動軸線に対して放射方向内向きに固定することができる。このようにして、屈曲軸線は、少なくとも側面部分上のばねリップの固定の位置の近くに又は固定の位置のところに配置され得る。
側面部分は、取り付け位置において2つの重畳領域が隣接するチェーン・リンクのそれぞれ関連付けられた重畳領域に対して滑動するための、通常の摺動平面を有し得る。摺動平面において、隣接するチェーン・リンクの互いに関連付けられた重畳領域は、これらのチェーン・リンクが枢動軸線を中心として枢動するときに、互いに対して、好ましくは遊びを有して摺動することができる。枢動軸線に対して垂直な摺動平面は、側面部分の長手方向及び高さ方向を有する。
構造が単純で有利な構成では、ばねリップは摺動平面に対して落ち込んでいてもよく、摺動平面は、曲げモーメントの力を摺動平面に対して垂直に又はほぼ垂直に延長方向へと加えるために、軸線方向端部領域に関して突出する関係で配置されている。特に、軸線方向端部領域をばねリップ上に延長方向へと後ろ向きに配設することができる。ばねリップが上記したように当接表面の正面に配設されていることは、第2の当接表面が当接位置に入る途中でまずばねリップに行き当たることを意味する。
第2の当接表面はそれぞれ、これらをばねリップに当接させて周縁方向に延在するばねリップの中心線に対して偏心させて案内できるような方法で、配置され得る。特にばねリップは、その放射方向軸線に対して偏心している領域のみが、第2の当接表面が力を加えるためにアクセス可能となるように配置されるような方法で、第1の重畳領域内に配置され得る。
特に、第2の重畳領域の第2の当接表面が、延長方向と反対方向になる関係で最大で摺動平面まで延在するように配置されることが、特に実現され得る。
このようにして、エネルギー案内チェーンのチェーン・リンクの側面部分の取り付け位置において、隣接するチェーン・リンクが枢動するとき、その第2の当接表面は減衰を目的として、摺動平面を通って突出している、関連付けられた第1の当接表面のばねリップの対応する端部領域のみに当接するように、周縁方向に案内される。このことは例えば、端部領域の一部分において、動きの制限が始まるときに行われ得る。
構造的に単純な実施形態では、ばねリップを凹部内に配置することができ、この凹部の開口部の縁部は摺動平面内に配設されている。このようにして、摺動平面を通って突出している係合領域は、凹部から延長方向に突出している。この凹部は貫通開口部とすることができる。これは側面部分を通って延在することができる。
ばねリップが延長方向と反対方向になる関係で少なくとも部分的に側面部分の側壁に固定されて配置されることが、好ましくは実現される。このようにして、上記した捩じれを大きくすることができ、この結果、運動エネルギーの吸収を高めることができ、枢動が減速される。
構造的に単純な構成では、凹部は有底開口部の形態にすることができる。この場合、有底開口部の底部は、関連付けられたばねリップを固定するための側壁を形成することができる。ばねリップは、延長方向と反対方向になる関係で少なくとも部分的に有底開口部の底部に固定されて配置され得る。有底開口部は、この場合外来の粒子がエネルギー案内チェーン内に侵入できない、という利点を有する。
側面部分の発展形態では、ばねリップは、作用していない位置では、すなわち無荷重の弾力的に変形していない状態では、第1の重畳領域の枢動軸線から放射方向に関して放射方向外向きに、少なくとも主となる方向成分を有して延在するように配置され得る。
運動エネルギーの吸収を高めるという点で望ましい構成では、ばねリップは、延長方向と反対方向になる関係で先細になり狭くなる構成のものとすることができる。これは特に、ばねリップが延長方向と反対方向になる関係で、側壁上に、特に有底開口部の底部に固定されているときに当てはまる。先細の構成により、細身の構成を実現することが可能になり、同時に、弾性変形により、運動エネルギーの吸収が低減されない。
好ましくは、1つのばねリップ又は複数のばねリップは、作用していない位置では、関連付けられた枢動軸線に対して厳密に放射方向に配向されている。更に、ばねリップは、側面部分上に枢動軸線に対して放射方向内向きに固定することができ、そこから好ましくは放射方向外向きに延在し得る。
特に、第1の重畳領域には、枢動軸線に対して周縁方向に面する2つの第1の当接表面が設けられ得る。この場合、通常は、一方の第1の当接表面は、枢動可能に接続された側面部分又はチェーン・リンクの一方の枢動方向への枢動を制限する役割を果たし、他方の第1の当接表面は、それと反対の枢動方向へのその枢動を制限する役割を果たす。特に、各第1の当接表面とばねリップとが関連付けられており、このばねリップは、関与するそれぞれの周縁当接方向において、この関連付けられた当接表面の正面に配置されている。
好ましくは、その作用していない位置では、ばねリップは、第1の当接表面に対して間隙によって離間されて配置され得る。このようにして、枢動の減速に関しては、これは最初は、関連付けられた第1の当接表面に対してばねリップが接触することなくその変形のみによって、したがって好ましくは比較的穏やかな弾力的変形によって、行うことができる。この減速段階は、間隙のサイズによって調整可能である。ばねリップの枢動に合わせて、間隙は、放射方向外向きの方向に円錐状に開いた構成のものとすることができる。
側方に配置された第1の当接表面を有する、側面部分から延長方向に延在する当接突起を設けることができる。ばねリップを、これらが当接突起に対して弾性変形して弾力的に屈曲可能となるような方法で、当接突起に接続することができる。この目的のために、ばねリップは、枢動軸線に向かう当接突起の側面を起点として、枢動軸線に対して放射方向又は少なくともほぼ放射方向外向きに延在し得る。ばねリップは、その端部をこの側面に固定されて配置され得る。当接突起は側方に開口を定めることができる。
好ましくは、当接突起は、枢動軸線に対して放射方向に且つ側面部分の長手方向に延在する対称面に関して、鏡面対称構成である。特に、鏡面対称面は、重畳領域の両枢動軸線によって画定される。
側面部分の代替の構成では、第1の重畳領域の枢動軸線に対して、2つのばねリップを第1の放射方向角度で配置することができ、2つの第1の当接表面を、互いに対して第2の放射方向角度で配置することができる。その場合、第1の放射方向角度を第2の放射方向角度よりも大きくすることができる。このことは、取り付け位置において、作用していない位置では関連付けられた第1の当接表面に対して離間して保持されるばねリップが、関連付けられた第2の当接表面による荷重下では、周縁方向に付勢されてこの作用していない位置から出て、面接触に相当する様式によってではなく線接触で第1の当接表面に押し付けられ、この結果、第1の当接表面に対する衝突の強度が下がり、ノイズの発生が減衰される、という利点を有する。
通常は、第2の重畳領域は凹部を有することができ、この凹部は、その枢動軸線に対する円形リングの一部の様式であり、周縁方向に面し第2の当接表面を形成する側方側の表面を有する。ただしその場合、第2の当接表面は、特に第2の放射方向角度に等しい、第3の放射方向角度を含み得る。
第1の当接表面の場合と同様に、取り付け位置においては、第2の当接表面は、それぞれ関連付けられたばねリップと、当接の効果を減衰するように線状に又は面状にさえも接触することはない。そうではなく、第2の当接表面が第1の当接表面に対して支持されるとき、ばね力に対して先端が第1の接触表面に向かって優しく弾力的に屈曲する限りは、力を効果的に伝達できるように放射方向外側の領域がばねリップの放射方向外側の端部にある状態で、第2の当接表面はばねリップとの最初の接触を行うことができ、この結果ノイズの発生を最小にできる。その場合、仮に、ばねリップが放射方向に対して外向きに先細になり狭くなる構成を提供することが可能であって、この場合に、狭くなる端部がより柔らかに弾力的であり、これにより関連付けられる第1の当接表面に向けて周縁方向により容易に屈曲可能であれば、有利である。
このように、本発明は、枢動の減衰においてだけではなく、追加の捩じれ効果に起因して、ばねリップのより大きい度合の弾性変形又はその部分に対する変形作用を達成し得ることを実現できる。更に、変形作用は、ばね定数が柔らかいものから硬いものへと大きくなる3つの異なる段階で生じ得、この場合、段階間の移行は流動的であり得る。
第1の段階は、ばねリップに対する第2の当接表面の放射方向外向きの接触による、ばねリップの放射方向外側の端部の比較的柔らかな弾性屈曲を含むことができ、これは現状の技術による弾力的な屈曲と同様であり得る。この接触の発生と同時に、放射方向軸線に対する捩じりモーメントを加えることができ、これは屈曲効果のほかに、弾力的な捩じれ、及びその結果のばねリップへの更なる弾力的な応力付与を引き起こす。最後に、第3の段階は、特にかなり硬質で弾力的なばねリップのより大きな弾力的変形を伴う、第1の当接表面とばねリップとの及び/又はばねリップと第2の当接表面との間の面接触を含むことができる。このようにして、エネルギー案内チェーンの2つの隣接するチェーン・リンクの枢動において、相対回動速度は、最初は当接時にゆっくりと低減させることができ、このときノイズの発生が低減され、その後、速度は残留する速度まで次第に大きく低減させていくことができ、場合によっては静止に近い状態まで低減され得る。
全体として、本発明によるばねリップが、遅延過程が進行するときそのばね定数が塑性変形の増加とともに大きくなるような配置及び構成であってよいことを見出し得る。このようにして、遅延効果を、関与する材料にとって優しい方法で、特にノイズ発生が低レベルである柔らかい様式で発生させることができ、その後次第に大きくしていくことができる。このようにして、残留する速度を、少なくとも当接が行われるときのノイズの発生を最小にできる程度まで、低減することができる。更に、遅延過程にわたって、異なるばね定数を含む特定の段階を設定することが可能である。その場合、ある段階のばね定数はまた、遅延過程中に変化することができ、特に大きくなり得る。
重畳領域の枢動軸線、並びにしたがってチェーン・リンクの枢動軸線及びエネルギー案内チェーンの枢動軸線は、互いに平行に配置されていることが諒解されるであろう。通常の方法では、一方の重畳領域は枢動ピンを有することができ、他方の重畳領域は枢動ピンを受け入れるための枢動開口部を有することができ、この場合、取り付け位置において、軸線方向に相互係合する重畳領域は、枢動ピンが関連付けられた枢動開口部内に係合することによって、枢動軸線を形成する。
別法として、上記の、又は後述する実施形態のうちの1つ又は複数による側面部分を2つ有するチェーン・リンクが提供され得る。その場合、側面部分は少なくとも1つの横断バーによって互いから離間されており、鏡面対称面に関して互いに対称に、横断方向に対して垂直に配置されている。
発展形態では、側面部分は、少なくとも1つの横断バーによって互いから離間されて配置され得る。チェーン・リンクにおける取り付け位置において、側面部分が鏡面対称面に関して互いに対称に、横断方向に対して垂直に配置されることが、実現され得る。
第1の重畳領域は、鏡面対称面に関して相互と反対方向になる関係で配置され得る。同じことが結果的に第2の重畳領域にも当てはまる。
更に、少なくとも1つの横断バーは、その上方又は下方にある重畳領域同士の間で長手方向において側面部分に通常の方法で係合し得る。
更に別法として、上記の、又は後述する1つ又は複数の実施形態によるチェーン・リンクを有するエネルギー案内チェーンを提供することができ、この場合、チェーン・リンクは各々、上記の、又は後述する実施形態のうちの1つ又は複数による側面部分を2つ有する。隣接するチェーン・リンクの側面部分を、互いに対応する第1の重畳領域及び第2の重畳領域と互いに相互係合する関係で、枢動可能に1つに接続して、側面プレートの左側のライン及び側面プレートの右側のラインを形成することができる。
側面部分の当接表面及びばねリップが、側面プレートのラインの取り付け位置において外向きに保護されており、特に重畳領域同士の間で外向きに保護されて配置されていれば有利であると、更に考えられる。
側面部分、チェーン・リンク、及びエネルギー案内チェーンの図に示されているいくつかの実施形態により本発明について以下に更に詳細に記述するが、本発明はこれらに限定されない。
側面部分を有するチェーン・リンクを有するエネルギー案内チェーンの斜視側面図である。 上側横断バーを有しないチェーン・リンクの斜視側面図である。 上側横断バーを有しないチェーン・リンクの斜視側面図である。 図2のチェーン・リンクの側面図である。 図3の切断線D−Dに沿って高さ方向hに対して垂直にチェーン・リンクを通る、長手方向断面である。 図3のチェーン・リンクの詳細図である。 図3の切断線B−Bに沿ったチェーン・リンクの断面図である。 図6aの詳細図Cである。 図3の切断線E−Eに沿ったチェーン・リンクの断面図である。 図7aに示す詳細図Fである。
本明細書では、上、下、前、後ろ、右、及び左のような位置の記述に関連する用語は全て、別途特定的に定義されていない限り、それらの用語がそれぞれの図自体に示されるように意図されている。図1は、図2〜図7に示すチェーン・リンク2を有するエネルギー案内チェーンの側面図を示しており、この場合、長手方向において隣接しているチェーン・リンク2は各々、枢動軸sを中心にして枢動可能に接続されている。この点に関して、エネルギー案内チェーン1における全ての枢動軸sは、横断方向qに配置されており、したがって互いに平行に配置されている。この場合、エネルギー案内チェーン1は、方向転換弧12を介して2つの行路11を形成するように変位可能であり、この場合、チェーン・リンク2は、行路11から方向転換弧12へと移行するときに互いに対してそれぞれ枢動される。
チェーン・リンク2は各々、エネルギー案内チェーンにおける取り付け位置において側面プレートの左側及び右側のライン4を構成する、2つの側面部分3を有する。この点に関して、エネルギー案内チェーン1のこの実施形態では、各チェーン・リンク2の2つの側面部分3は、これらに上側及び下側で係合する横断バー5によって、互いに離間された平行な関係で保持される。図2から図7では、着脱可能である上側の横断バー5が、図示されているチェーン・リンク2から取り外されており、一方で下側の横断バー5は、側面部分3に固定的に接続されている。これにより、チェーン・リンク2の横断バー及び側面プレートは、取り付け位置において、供給ライン(ここでは図示しない)の受け入れ空間を画定している。
エネルギー案内チェーン1において隣接するチェーン・リンク2を枢動可能に配置するために、側面部分3はその端部に、枢動軸sを有するそれぞれの重畳領域、すなわち第1の重畳領域31及び第2の重畳領域32を有する。この場合、取り付け位置において、隣接するチェーン・リンク2は重畳領域31、32を介して互いに係合し、これにより枢動軸sが形成され、この場合、チェーン・リンク2の第1の重畳領域31は隣接するチェーン・リンク2の第2の重畳領域32と協働する。この目的のために、側面部分3は各々、それぞれの摺動平面Gを有し、この摺動平面Gにおいて、協働する重畳領域31、32が、隣接するチェーン・リンク2の枢動に伴って摺動する。これにより必然的に、側面部分3の摺動平面Gは、両重畳領域31、32に共通のものとなる。
側面部分3は、それぞれのチェーン・リンク2において、長手方向l及び高さ方向hを有し、横断方向qにおいて中心に配置されている鏡面対称面Sに関して、鏡面対称の関係で配置されている。
エネルギー案内チェーン1において隣接しているチェーン・リンク2の枢動を制限するために、通常の方法では、2つの重畳領域31、32は各々、2つの当接表面、すなわち2つの第1の当接表面312及び2つの第2の当接表面322を有し、この場合いずれの場合も、第1の当接表面312及び第2の当接表面322は、協働して当接手段を形成する。
特に図5から見てとれるように、2つの第1の当接表面312の各々に、間隙7によってその第1の当接表面312に対して離間されて配置されているばねリップ6の形態の減衰要素が関連付けられており、この減衰要素は、枢動軸sと平行な屈曲軸線bを中心にして弾性変形可能である。これらのばねリップ6はしたがって、周縁方向uにそれぞれ弾力的に屈曲可能である。ばねリップ6は各々、ここでは第2の当接表面322によってこのばねリップ6に伝達される運動エネルギーを少なくともほぼ完全に結合するための、ばねリップ6の屈曲軸線bに対して軸線方向にある端部領域61を有し、この第2の当接表面322は、エネルギー案内チェーン1のチェーン・リンク2における側面部分3の取り付け位置において、第1の当接表面312に当接関係で対応しており、第2の当接表面322は、取り付け位置において隣接しているチェーン・リンク2の第2の重畳領域32の当接表面である。したがって取り付け位置において第1の当接表面312と協働する第2の当接表面322が、この第1の当接表面312に対して周縁方向u(図5)に案内される場合、第2の当接表面322は最初に、その正面に配設されておりこれにより相応に再び弾性的に変形されるばねリップ6に行き当たる。
図5に関連して図6及び図7から最もよく見て取れるように、ばねリップ6に力を加えることは、本発明によれば、それぞれのばねリップ6の放射方向軸線aに対して偏心している端部領域61において行われる。このようにして、それぞれのばねリップ6上で、放射方向軸線aに対する捩じりモーメントが発生し、この捩じりモーメントは、弾力的な応力付与につながる。上でより詳細に記述したように、このことは、相応するより大きい運動エネルギーの吸収を可能とし、したがって減速効果の向上に関与する。屈曲軸線b及び放射方向軸線aは好ましくは、直交する関係で配置されている。
2つのばねリップ6は、摺動平面Gに関して落ち込む関係でそれぞれ配置されており、且つ、端部領域61が摺動平面Gを通って垂直に延長方向eへと突出している状態で配置されている。更に、第2の重畳領域32の第2の当接表面322は、延長方向eと反対方向となる関係で摺動平面Gまで延在するように配置されている。図2a及び図2bから明らかに見て取れるように、通常の構造では、第2の重畳領域32の第2の当接表面322は、摺動平面Gに形成されている円形リングの一部となる様式の凹部33によって形成されており、この凹部33の側方には第2の当接表面322が位置しており、この場合、同じ時点においてこれらの周縁の間隔からばねリップ6の周縁の間隔を減じたものは、対で協働する当接表面312、322によって定められる枢動角度を近似的に示している。図2a及び図2bから見て取れるように、当接表面312、322及びばねリップ6は、取り付け位置において側面部分3同士の間に配設されており、したがって、外向きに保護され且つ覆われて配置されている。
ばねリップ6は、ここでは有底開口部71の形態である凹部内にそれぞれ配置されており、開口部の縁部711は、摺動平面G内に配置されている。したがって、第2の当接表面322によってばねリップ6に運動エネルギーを加えるためには、偏心している端部領域61のみがアクセス可能である。
ばねリップ6は、延長方向eと反対方向になる関係で、側面部分の側壁に、ここでは有底開口部71の底部に固定されることによって、それぞれ固定されている。このようにして、ばねリップ6は更に剛直化される。ばねリップ6は事実上、大きくなったばね定数を含む。更に、この配置により、有底開口部71の底部に固定されていないばねリップと比較して、放射方向軸線aは有底開口部の底部のほぼ近くまで落ち込むと考えられ、これにより、放射方向軸線aに対する捩じりモーメントは相応に大きくなる。これにより、ばねリップ6への応力付与の更なる向上が実現され得る。図6b及び図7bに示す放射方向軸線aの位置は、まだ正確に確認することができなかったので、近似的なものとしてのみ考慮され得る。上記したように、ばねリップ6に対する捩じりの作用、及びこれにより起こり得る運動エネルギーの吸収が、ばねの移動に応じて向上する。
この配置は、側方に配置された第1の当接表面312を有する、側面部分3から延長方向eに延在している当接突起712を有する。ばねリップ6は、枢動軸sに向かう当接突起712の側面714から、ここでは枢動軸sに対して、ほぼ放射方向外向きに延在している。ばねリップ6はその基端部を側面714に固定されている。これにより、その軸線方向屈曲軸線bがほぼその基部領域内に配置されることが実現される。
特に図5から明らかに見て取れるように、ばねリップ6及び当接突起712を有する配置は、重畳領域31、32の2つの枢動軸sをここでは含みこれらにより画定される平面Eに対して、鏡面対称構成である。更に、2つのばねリップ6は、第1の重畳領域31の枢動軸sに対して第1の放射方向角度β1で配置されており、2つの第1の当接表面は、互いに対して第2の放射方向角度β2で配置されている。
図2に示すように、第2の重畳領域32は、その枢動軸sに対する円形リングの一部の様式であり、周縁方向uに面し第2の当接表面322を形成する側方側の表面を有する、凹部33を有することができる。この場合、第2の当接表面は、第2の重畳領域32の枢動軸sに対する第3の放射方向角度を含み、第3の角度は第2の放射方向角度β2に等しい。したがって、当接位置において、2つの関連付けられた当接表面312、322は、これらの間に配設された関連付けられたばねリップ6によって、互いに対して表面接触して支持される。
第1の放射方向角度β1は、第2の放射方向角度β2よりも大きい。上で既に詳細に記述したように、第2の当接表面322は減速過程の第1の段階において、ばねリップ6とほぼ点接触し、次いでばねリップ6は、それに応じた柔らかく弾力的な様式で反応し、この結果、含まれるノイズ発生は極めて低レベルである。ばねリップの6のこの柔らかい曲がりは、ばねリップ6が放射方向rに対して先細になり狭くなる構成であることによって向上する。このことは、図6及び図7の2つの断面図の比較から見て取れる。最初の接触が行われるとき、上記した捩じりモーメントの発生により力の伝達が行われ、このときばねリップ6はより大きな応力を受け、この結果弾力的により硬くなるが、この場合、このプロセスは連続的に行われるので、ノイズが大きくなることはない。
同じく図6及び図7から見て取れるように、ばねリップ6が延長方向eと反対方向になる関係で先細になり狭くなる構成であることによって、捩じれ効果を高めることができる。このようにして、ばねリップ6への応力付与は、有底開口部71の底部の捩じれによって向上させることができ、したがって軸線aに対して捩じりモーメントがその最大となっている場所で行うことができ、この結果、ばねリップ6の弾性変形によって運動エネルギーの吸収が最適化される。第1の当接表面312に対するばねリップ6の最初の接触により、線接触領域を介して及びしたがって増大する様式で力の伝達を行うことができ、これにはばねリップへの更なる応力付与が伴う。このことは、減速過程における異なる段階について記載して、上で詳細に説明されている。
特に図5の詳細図から見てとれるように、当接突起712において間隙7は円錐状に放射方向外向きに側方へと拡大し、これにより縁部714が形成され、この場合、実際の第1の当接表面312は縁部714の右へと延び、ばねリップ6はこれが第1の当接表面312に対して保持されるとき少なくとも部分的に縁部714の上で屈曲することができ、このときそのばね剛性及びしたがって運動エネルギーの吸収が向上する。この場合、縁部714は、摩耗及びノイズを低減するために、丸みを帯びた形状である。
各側面部分3は、隣接するチェーン・リンク2と枢動接続を形成するための、それ自体既知である枢動ピン34及びそれ自体既知である枢動開口部35を有する。枢動接続は、任意の他の好適な手段で行うこともできる。
1 エネルギー案内チェーン
11 行路
12 方向転換弧
2 チェーン・リンク
3 側面部分
31 第1の重畳領域
312 第1の当接表面
32 第2の重畳領域
322 第2の当接表面
33 凹部
34 枢動ピン
35 枢動開口部
4 側面プレートのライン
5 横断バー
6 ばねリップ
61 端部領域
7 間隙
71 有底開口部
711 開口部の縁部
712 当接突起
713 側面
714 縁部
a 軸線
b 屈曲軸線
l 長手方向
h 高さ方向
r 放射方向
s 枢動軸
q 横断方向
u 周縁方向
β1 第1の放射方向角度
β2 第2の放射方向角度
G 摺動平面
S 鏡面対称面
E 平面

Claims (21)

  1. 供給ラインを案内するように設計されたエネルギー案内チェーン(1)のチェーン・リンク(2)のための側面部分であって、
    隣接するチェーン・リンク(2)は枢動軸(s)を中心にして互いに対して枢動可能に接続されており、
    隣接する前記チェーン・リンク(2)を枢動可能に配置するための前記側面部分(3)は、その端部に、前記枢動を制限するために、対応する当接表面(312、322)と枢動軸(s)とを備えるそれぞれの重畳領域(31、32)であって、第1の当接表面(312)を有する第1の重畳領域(31)と、第2の当接表面(322)を有する第2の重畳領域(32)と、を有し、
    前記枢動の減速を減衰するために、少なくとも各前記第1の当接表面(312)の正面に、前記枢動軸(s)と平行な屈曲軸線(b)を中心として弾力的に変形可能なばねリップ(6)の形態の減衰要素が配置されており、
    前記ばねリップ(6)が、前記エネルギー案内チェーン(1)の前記チェーン・リンク(2)の前記側面部分(3)の取り付け位置において前記第1の当接表面(312)と当接作用関係で対応している前記第2の当接表面(322)を介して前記ばねリップ(6)に伝達される運動エネルギーの少なくとも大部分を結合するための、前記ばねリップ(6)の前記屈曲軸線(b)に対して軸線方向にある端部領域(61)を有し、前記第2の当接表面(322)が、前記取り付け位置において隣接している前記チェーン・リンク(2)の前記第2の重畳領域(32)の前記当接表面である、側面部分。
  2. 前記側面部分が、前記取り付け位置において前記第1の重畳領域および前記第2の重畳領域(31、32)が隣接する前記チェーン・リンク(2)のそれぞれ関連付けられた重畳領域(32、31)に対して滑動するための摺動平面(G)を有し、
    前記ばねリップ(6)が、該摺動平面(G)に対して落ち込んだ関係で配置され、
    前記摺動平面(G)が、曲げモーメントの力を前記摺動平面(G)に対して垂直に又はほぼ垂直に延長方向(e)へと加えるために、前記端部領域(61)に対して突出する関係で配置されている、請求項1に記載の側面部分。
  3. 前記第2の重畳領域(32)の前記第2の当接表面(322)が、前記延長方向(e)と反対方向に、最大で前記摺動平面(G)まで延在するように配置されている、請求項1又は請求項2に記載の側面部分。
  4. 前記ばねリップ(6)が凹部内に配置されており、該凹部の開口部の縁部(711)は前記摺動平面(G)内に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の側面部分。
  5. 前記ばねリップ(6)が、前記延長方向(e)と反対方向に、少なくとも部分的に前記側面部分(3)の側壁に固定されて配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の側面部分。
  6. 前記凹部が有底開口部(71)の形態であり、
    前記ばねリップ(6)が、前記延長方向(e)と反対方向に、少なくとも部分的に前記有底開口部(71)の底部に固定されて配置されている、請求項4又は請求項5に記載の側面部分。
  7. 前記ばねリップ(6)が、好ましくは前記第1の重畳領域(31)の前記枢動軸(s)に対する放射方向(r)に対して厳密に放射方向外向きに延在し、少なくとも1つの主となる方向成分を有して配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の側面部分。
  8. 前記ばねリップ(6)が、前記放射方向(r)に対して先細になり狭くなる構成である、請求項7に記載の側面部分。
  9. 前記ばねリップ(6)が、前記延長方向(e)に対して反対方向に先細になり狭くなる構成である、請求項1から8のいずれか一項に記載の側面部分。
  10. 無荷重かつ作用していない位置では、前記ばねリップ(6)が、関連付けられた前記第1の当接表面(312)に対し、間隙(7)によって離間されて配置されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の側面部分。
  11. 前記第1の重畳領域(31)には、前記枢動軸(s)に対して周縁方向に面する2つの第1の当接表面(312)が設けられ、
    各第1の当接表面(312)にはばねリップ(6)が関連付けられており、該ばねリップ(6)は、それぞれの周縁当接方向(u)において前記関連付けられた第1の当接表面(312)の正面に配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の側面部分。
  12. 側方に配置された第1の当接表面(312)を有し、前記側面部分(3)から前記延長方向(e)に延在している当接突起(712)が設けられ、
    前記ばねリップ(6)が、前記枢動軸(s)に向いて面する前記当接突起(712)の側面(713)を起点として、前記枢動軸(s)に対して放射方向又は少なくともほぼ放射方向外向きに延在して配置されている、請求項11に記載の側面部分。
  13. 前記ばねリップ(6)は、その端部が前記側面(713)に固定されている、請求項12に記載の側面部分。
  14. 前記第1の重畳領域(31)の前記枢動軸(s)に対して、前記2つのばねリップ(6)が第1の放射方向角度(β1)で配置されており、前記2つの第1の当接表面(312)が、互いに対して第2の放射方向角度(β2)で配置されている、請求項11から13のいずれか一項に記載の側面部分。
  15. 前記第2の重畳領域(32)が凹部(33)を有し、該凹部(33)は、その枢動軸(s)に対する円形リングの一部を形成し、前記周縁方向(u)に面して前記第2の当接表面(322)を形成する側方側の表面を有し、
    前記第2の当接表面(322)は前記第2の放射方向角度(β2)に等しい放射方向角度を含む、請求項14に記載の側面部分。
  16. 前記第1の放射方向角度(β1)が前記第2の放射方向角度(β2)よりも大きい、請求項14又は請求項15に記載の側面部分。
  17. 請求項1から16のいずれか一項に記載の側面部分(3)を2つ備えるチェーン・リンク。
  18. 前記2つの側面部分(3)が、少なくとも1つの横断バー(5)よって互いに離間されて配置され、鏡面対称面(S)に関して互いに対して対称に配置され、横断方向(q)に対して垂直に配置されている、請求項17に記載のチェーン・リンク。
  19. 請求項17又は請求項18に記載のチェーン・リンク(2)を備える、エネルギー案内チェーン。
  20. 隣接する前記チェーン・リンク(2)の前記側面部分(3)は、互いに相互係合して枢動可能に1つに接続されて、互いに対応する前記第1の重畳領域(31)及び前記第2の重畳領域(32)によって側面プレートのライン(4)を形成している、請求項19に記載のエネルギー案内チェーン。
  21. 前記側面部分(3)の前記当接表面(312、322)及び前記ばねリップ(6)は、前記側面プレートの前記ラインを形成している枢動可能に相互接続された前記側面部分(3)の前記重畳領域(31、32)の間で、外向きに保護されて配置されている、請求項19又は請求項20に記載のエネルギー案内チェーン。
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