化合物
一実施形態において、17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸(式I)
又はその薬学的に許容できる塩が開示される。いくつかの態様において、17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸が開示される。いくつかの態様において、17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸の薬学的に許容できる塩が開示される。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸(式II)
又はその薬学的に許容できる塩が開示される。いくつかの態様において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸が開示される。いくつかの態様において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸の薬学的に許容できる塩が開示される。
いくつかの実施形態において、(Sa)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸(式III)
又はその薬学的に許容できる塩が開示される。いくつかの態様において、(Sa)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸が開示される。いくつかの態様において、(Sa)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸の薬学的に許容できる塩が開示される。
「薬学的に許容できる塩」という言葉は、式(I)、(II)、及び(III)の化合物の生物学的な有効性及び性質を保持し、典型的には、生物学的にも他の面でも望ましくないということがない酸付加塩又は塩基塩を含む。多くの場合、式(I)、(II)、及び(III)の化合物は、塩基性基及び/若しくはカルボキシル基又はそれに類似する基の存在により、酸及び/又は塩基塩を形成することができる。一実施形態において、薬学的に許容できる塩は四級アンモニウム塩を含む。
薬学的に許容できる酸付加塩は、無機酸及び有機酸により形成でき、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、臭化物/臭化水素酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、カンファースルホン酸塩、塩化物/塩酸塩、クロロテオフィロン酸塩(chlortheophyllonate)、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、次サリチル酸塩、硫酸塩/硫酸水素塩、酒石酸塩、トシル酸塩、及びトリフルオロ酢酸塩である。塩を誘導できる無機酸には、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などがある。塩を誘導できる有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、スルホサリチル酸などがある。
薬学的に許容できる塩基付加塩は、無機及び有機塩基により形成できる。塩が誘導できる無機塩基には、例えば、アンモニア及びアンモニウムの塩並びに周期表のI〜XII列の金属がある。特定の実施形態において、塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛、及び銅から誘導され;特に好適な塩には、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩がある。塩を誘導できる有機塩基には、例えば、一級、二級、及び三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などがある。特定の有機アミンには、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート(cholinate)、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、メグルミン、ピペラジン、及びトロメタミンがある。いくつかの態様において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の薬学的に許容できる塩はナトリウム塩である。いくつかの態様において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の薬学的に許容できる塩はメグルミン塩である。
式(I)、(II)、又は(III)の化合物の薬学的に許容できる塩は、従来の化学方法により塩基性部分又は酸性部分から合成できる。一般に、そのような塩は、遊離酸形態のこれらの化合物を、化学量論量の適切な塩基(Na+、Ca2+、Mg2+、又はK+、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩など)と反応させることにより、又は遊離塩基形態のこれらの化合物を、化学量論量の適切な酸と反応させることにより調製できる。そのような反応は、典型的には、水中若しくは有機溶媒中、又は2つの混合物中で実施される。一般的に、実施可能な場合、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルのような非水性媒体の使用が望ましい。追加の好適な塩のリストは、例えば、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”20th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,(1985);Berge et al.,“J.Pharm.Sci.”1977,66,1−19並びにStahl及びWermuthによる“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use”(Wiley−VCH,Weinheim,Germany,2002)に見いだすことができる。
本明細書に与えられるあらゆる式は、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の標識されていない形態並びに同位体標識された形態も表すものとする。同位体標識された化合物は、1つ以上の原子が同じ元素だが異なる質量数を有する原子と替えられている以外、本明細書に与えられる式により描写される構造を有する。式(I)、(II)、及び(III)の化合物並びにその塩に組み込むことができる同位元素の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、及び塩素の同位元素、2H、3H、11C、13C、14C、15N、35S、及び125Iなどがある。式(I)、(II)、及び(III)の化合物は、3H、11C、14C、35S、及び36Clなどの放射性同位元素が存在している種々の同位体標識された化合物を含み得る。同位体標識された式(I)、(II)、及び(III)の化合物は、一般的に、当業者に公知である従来の技法によっても、先に利用された非標識の試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用する添付される実施例に記載されるものに類似なプロセスによっても調製できる。
式(I)、(II)、及び(III)の化合物は、異なる異性体形態を有し得る。「光学異性体」又は「立体異性体」という言葉は、所与の式(I)、(II)、又は(III)の化合物に存在し得る種々の立体異性配置のいずれかを指す。特に、式(I)、(II)、又は(III)の化合物は、ビアリール結合の周りの制限された回転により軸不斉を有し、したがって、約0%〜98%超のe.eの鏡像体過剰率を有するエナンチオマー/アトロプ異性体の混合物として存在し得る。化合物が純粋なエナンチオマーである場合、各キラル中心での立体化学は、RaかSaのいずれかにより明示できる。そのような名称は、1つのエナンチオマーに濃縮される混合物にも使用できる。アトロプ異性及び軸不斉のさらなる説明並びにコンフィグレーションの帰属のルールは、Eliel,E.L.& Wilen,S.H.‘Stereochemistry of Organic Compounds’、John Wiley and Sons,Inc.1994に見いだすことができる。絶対配置が未知である分割された化合物は、それらがナトリウムD線の波長の平面偏光を回転させる方向によって(右旋性又は左旋性)、(+)又は(−)と称され得る。本開示は、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態、及び中間の混合物を含む、そのような可能性のある異性体を全て含むものとする。光学活性な(Ra)−及び(Sa)−異性体は、キラルシントン、キラル試薬、又はキラル触媒を使用して調製することも、キラルHPLCなど、当技術分野に周知である従来の技法を使用して分割することもできる。
実施例中の中間体1〜25及びそれらの塩も本明細書に開示される。
固体形態
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、及び(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の固体形態が開示される。「固体形態」という用語は、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の多形体、結晶性の塩、溶媒和物、水和物、及び非晶質形態を含む。「多形体」という用語は、同じ化学組成を有するが異なる分子充填を有する結晶性の物質を含む。表現「結晶性の塩」は、同じ化学物質を有するが、結晶構造の分子充填内に酸又は塩基付加塩を組み込んでいる結晶構造を含む。「溶媒和物」という用語は、同じ化学物質であるが、結晶構造の分子充填内に溶媒の分子を組み込んでいる結晶構造を含む。「水和物」という用語は、同じ化学物質であるが、結晶構造の分子充填内に水の分子を組み込んでいる結晶構造を含む。「非晶質形態」という言葉は、同じ分子材料の化合物であるが、同じ分子材料の結晶構造(例えば、多形体、結晶性の塩、溶媒和物、又は水和物)の分子秩序のない化合物を含む。
固体材料が、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、拡散反射赤外フーリエ変換(DRIFT)分光法、近赤外線(NIR)分光法、溶液及び/又は固体状態核磁気共鳴分光法などの従来の技法を利用して特性化できることが一般に知られている。そのような固体材料の含水量は、カールフィッシャー分析により決定できる。
本明細書に記載される固体形態は、図に示されるXRPDパターンと実質的に同じXRPDパターンを与え、本明細書に含まれる表に示される種々の2−シータ(2θ)値を表す。当業者は、使用される装置又は機械などの記録条件に応じて1つ以上の測定誤差を有するXRPDパターン又はディフラクトグラムが得られることを理解するだろう。同様に、XRPDパターンの強度が、好ましい配向の結果として、測定条件又は試料調製に応じて変動し得ることが一般的に知られている。XRPDの当業者は、ピークの相対強度が、例えば、大きさが30μmを超える粒子及び非ユニタリー(non−unitary)アスペクト比によっても影響され得ることにさらに気づくだろう。当業者は、反射の位置が、試料が回折計中で置かれている正確な高さと、回折計のゼロ較正によっても影響され得ることを理解する。試料の表面平面性も少し影響を有し得る。
これらの事柄の結果として、提示される回折パターンデータは、絶対値としてとられるべきではない(Jenkins,R & Snyder,R.L.‘Introduction to X−Ray Powder Diffractometry’ John Wiley & Sons 1996;Bunn,C.W.(1948),‘Chemical Crystallography’,Clarendon Press,London;Klug,H.P.& Alexander,L.E.(1974),‘X−Ray Diffraction Procedures’)。本明細書に具体化される固体形態が、図に示されるXRPDパターンと同一であるXRPDパターンを与えるものに限定されず、図に示されるものと実質的に同じXRPDパターンを与えるあらゆる固体形態が対応する実施形態の範囲内にあることも理解されるべきである。XRPDの当業者は、XRPDパターンの実質的な同一性を判断できる。一般に、XRPDにおける回折角の測定誤差はおよそ2θ(±0.2°)であり、そのような程度の測定誤差は、図中のX線粉末回折パターンを考察する場合、及び本明細書に含まれる表に含まれるデータを読み取る場合、考慮に入れるべきである。
当業者は、特定の化合物のDSCサーモグラムに観察される値又は値の範囲が、異なる純度のバッチの間で変動を示すことも理解する。したがって、ある化合物では範囲が小さくなり得るが、他のものでは、範囲は非常に大きくなり得る。一般に、DSC熱事象における回折角の測定誤差はおよそプラス又はマイナス5℃であり、そのような程度の測定誤差は、本明細書に含まれるDSCデータを検討する場合考慮に入れるべきである。TGAサーモグラムは、TGAサーモグラムの実質的な同一性を判断する場合に測定誤差を考慮に入れるべきであると当業者が認識するような類似の変動を示す。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、又はその薬学的に許容できる塩の固体形態が開示される。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、又はその薬学的に許容できる塩の非晶質形態が開示される。
形態A
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物が開示される。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、約7.0°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、約8.4°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、約12.5°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、約7.0°及び8.4°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、約7.0°及び12.5°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、約8.4°及び12.5°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、約7.0°、8.4°、及び12.5°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、約5.4°、7.0°、8.4°、10.7°、12.5°、13.1°、14.4°、15.1°、15.6°、17.1°、及び18.2°から選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、表2に列記されるピークから選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、図1に実質的に類似なXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、約121℃での脱溶媒和開始及び約152℃でのピークを有する吸熱を含むDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、約181℃での融解/分解開始及び約194℃でのピークを有する吸熱を含むDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、図2に実質的に類似なDSCパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、約25℃から約160℃への加熱時に約4.0%の質量減少を示すTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物は、図2に実質的に類似なTGAパターンを有する。
形態B
いくつかの実施形態において、形態B(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、メタノール溶媒和物が開示される。
形態C
いくつかの実施形態において、形態C(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸が開示される。
いくつかの実施形態において、形態C(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、約5.1°、6.8°、8.1°、10.1°、12.0°、14.1°、14.8°、15.3°、16.5°、及び17.2°から選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態C(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、表3に列記されるピークから選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態C(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、図3に実質的に類似なXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態C(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、約123℃での脱溶媒和開始及び約140℃でのピークを有する吸熱を含むDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態C(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、約185℃での融解/分解開始及び約196℃でのピークを有する吸熱を含むDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態C(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、図4に実質的に類似なDSCパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態C(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、約25℃から約160℃への加熱時に、約6.4%の質量減少を示すTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態C(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、図4に実質的に類似なTGAパターンを有する。
形態D
いくつかの実施形態において、形態D(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸が開示される。
いくつかの実施形態において、形態D(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、約5.7°、8.0°、11.7°、13.4°、14.7°、16.5°、18.5°、19.5°、及び21.9°から選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態D(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、表4に列記されるピークから選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態D(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、図5に実質的に類似なXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態D(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、約156℃での融解開始及び約175℃でのピークを有する吸熱を含むDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態D(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、図6に実質的に類似なDSCパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態D(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、約25℃から約170℃への加熱時に、約3.6%の質量減少を示すTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態D(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、図6に実質的に類似なTGAパターンを有する。
形態E
いくつかの実施形態において、形態E(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸が開示される。
いくつかの実施形態において、形態E(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、約8.3°、10.2°、11.6°、12.6°、13.9°、14.9°、16.0°、16.5°、17.5°、及び18.6°から選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態E(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、表5に列記されるピークから選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態E(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸は、図7に実質的に類似なXRPDパターンを有する。
形態F
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物が開示される。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、約7.9°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、約11.9°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、約17.0°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、約7.9°及び11.9°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、約7.9°及び17.0°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、約11.9°及び17.0°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、約7.9°、11.9°、及び17.0°の2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、約5.4°、7.9°、10.6°、11.9°、12.9°、14.3°、14.9°、15.7°、17.0°、及び18.9°から選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、表6に列記されるピークから選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、図8に実質的に類似なXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、約40℃での脱溶媒和開始及び約67℃でのピークを有する吸熱を含むDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、約185℃での融解/分解開始及び約195℃でのピークを有する吸熱を含むDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、図9に実質的に類似なDSCパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、約25℃から約100℃への加熱時に、約4.3%の質量減少を示すTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物は、図9に実質的に類似なTGAパターンを有する。
ナトリウム塩
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、ナトリウム塩が開示される。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、ナトリウム塩は、約10.7°、11.5°、13.4°、15.3°、16.3°、18.0°、18.6°、19.2°、19.9°、及び23.2°から選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、ナトリウム塩は、表7に列記されるピークから選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、ナトリウム塩は、図10に実質的に類似なXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、ナトリウム塩は、約100℃〜約200℃でのブロードな脱溶媒和開始を有する吸熱を含むDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、ナトリウム塩は、約239℃での融解/分解開始及び約246℃でのピークを有する吸熱を含むDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、ナトリウム塩は、図11に実質的に類似なDSCパターンを有する。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、ナトリウム塩は、約25℃から約175℃への加熱時に、約4.0%の質量減少を示すTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、ナトリウム塩は、図11に実質的に類似なTGAパターンを有する。
メグルミン塩
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、メグルミン塩が開示される。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、メグルミン塩は、約6.3°、7.6°、8.5°、9.2°、11.8°、12.9°、14.3°、15.7°、及び18.2°から選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、メグルミン塩は、表8に列記されるピークから選択される2θ(±0.2°)として表される少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、メグルミン塩は、図12に実質的に類似なXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、メグルミン塩は、約69℃での脱溶媒和開始及び約88℃でのピークを有する吸熱を含むDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、メグルミン塩は、約102℃での融解/分解開始及び約104℃でのピークを有する吸熱を含むDSCサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、メグルミン塩は、図13に実質的に類似なDSCパターンを有する。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、メグルミン塩は、約25℃から約150℃への加熱時に、約10.6%の質量減少を示すTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、メグルミン塩は、図13に実質的に類似なTGAパターンを有する。
医薬組成物
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、及び(III)の化合物並びに薬学的に許容できる賦形剤、担体、又は希釈剤を含む医薬組成物が開示される。
「薬学的に許容できる賦形剤、担体、又は希釈剤」という言葉は、当業者により確認される通り、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症なしに、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適である化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を含む。
開示される組成物は、経口的な使用に(例えば、錠剤、ロゼンジ剤、ハード又はソフトカプセル、水性又は油性懸濁剤、乳剤、分散性散剤又は顆粒剤、シロップ剤又はエリキシル剤として)、局所使用に(例えば、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、又は水性若しくは油性の液剤若しくは懸濁剤として)、吸入による投与に(例えば、微粉砕された散剤又は液体エアゾールとして)、吹送による投与に(例えば、微粉砕された散剤として)、又は非経口投与に(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、若しくは筋肉内投薬用の滅菌された水性若しくは油性の液剤として、又は直腸投薬用の坐剤として)好適な形態であり得る。
開示される組成物は、当技術分野に周知である従来の医薬賦形剤を使用して従来の手順により得ることができる。そのため、経口使用向けの組成物は、例えば、1種以上の着色剤、甘味剤、香味剤、及び/又は保存剤を含み得る。
錠剤製剤用の好適な薬学的に許容できる賦形剤には、例えば、ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、又は炭酸カルシウムなどの不活性な希釈剤;コーンスターチ又はアルゲン酸(algenic acid)などの造粒剤及び崩壊剤;スターチなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクなどの滑沢剤;p−ヒドロキシ安息香酸エチル又はプロピルなどの保存剤;並びにアスコルビン酸などの酸化防止剤がある。錠剤製剤は、コーティングされないことも、その崩壊及び消化管内での有効成分のその後の吸収を調節するために、又はその安定性及び/若しくは外観を改善するために、当技術分野に周知である従来のコーティング剤及び手順を利用してコーティングされることもある。
経口使用のための組成物は、有効成分が不活性な固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンと混合されているハードゼラチンカプセルの形態でよく、或いは、有効成分が、水又は油、例えば、落花生油、流動パラフィン、若しくはオリーブ油などと混合されているソフトゼラチンカプセルとしてあってもよい。
水性懸濁剤は、一般的に、微細に粉末化された形態、又はナノサイズ若しくはミクロンサイズにされている粒子の形態の有効成分を、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴム、及びアラビアゴムなどの懸濁化剤;レシチン又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えばポリオキセチレン(polyoxethylene)ステアラート)、若しくはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、若しくはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートなど、若しくはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、若しくはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートなど、若しくはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレアートなどの分散化剤又は湿潤剤の1種以上と共に含む。水性懸濁剤は、p−ヒドロキシ安息香酸エチル若しくはプロピルなどの保存剤;アスコルビン酸などの酸化防止剤;着色剤;着香剤;及び/又はスクロース、サッカリン、若しくはアスパルテームなどの甘味剤の1種以上も含み得る。
油性懸濁剤は、有効成分を、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、若しくはヤシ油などの植物油中に、又は流動パラフィンなどの鉱油中に懸濁させることにより製剤することができる。油性懸濁剤は、蜜蝋、固形パラフィン、又はセチルアルコールなどの増粘剤も含み得る。上述のものなどの甘味剤及び着香剤も、味のよい経口調合物を与えるために加えられ得る。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加により保存できる。
水の添加による水性懸濁剤の調製に好適な分散性散剤及び顆粒剤は、一般に、有効成分を、分散化剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1種以上の保存剤と共に含む。好適な分散化剤又は湿潤剤、及び懸濁化剤は、上記で既に述べられてものにより例示される。甘味剤、香味剤、及び着色剤などの追加の賦形剤も存在してよい。
医薬組成物は、水中油型エマルションの形態でもよい。油相は、オリーブ油又は落花生油などの植物油でも、例えば流動パラフィンなどの鉱油でも、これらのいずれの混合物でもよい。好適な乳化剤は、例えば、アラビアゴム又はトラガカントゴムなどの天然のゴム、大豆などの天然のリン脂質、レシチン、脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導されたエステル又は部分エステル(例えばソルビタンモノオレアート)、及び前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートなどであり得る。エマルションは、甘味剤、香味剤、及び保存剤も含んでよい。
シロップ剤及びエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテーム、又はスクロースなどの甘味剤と共に製剤することができ、粘滑剤、保存剤、香味剤、及び/又は着色剤も含んでよい。
医薬組成物は、滅菌された注射用の水性又は油性懸濁剤の形態でもよく、上述された、適切な分散化剤又は湿潤剤及び懸濁化剤の1種以上を利用して公知の手順に従って製剤できる。滅菌された注射用調合物は、非毒性の非経口的に許容できる希釈剤又は溶媒中の滅菌された注射用液剤又は懸濁剤、例えば1,3−ブタンジオール溶液でもよい。
吸入による投与用の組成物は、有効成分を、微粉砕された固体か液滴を含むエアゾールとして分注するように構成された従来の加圧エアゾールの形態でよい。揮発性フッ化炭化水素又は炭化水素などの従来のエアゾール噴射剤が使用でき、エアゾール装置は、定量の有効成分を分注するように好都合に構成されている。
製剤についてのさらなる情報には、読者は、Comprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch;Chairman of Editorial Board),Pergamon Press 1990の第5巻の第25.2章を参照されたい。
1種以上の賦形剤と組み合わされて単一の剤形を生み出す有効成分の量は、治療される宿主及び特定の投与経路によって必然的に変わるだろう。投与経路及び投与計画に関するさらなる情報には、読者は、Comprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch;Chairman of Editorial Board),Pergamon Press 1990の第5巻の第25.3章を参照されたい。
式(I)、(II)、及び(III)の化合物は、1日に1回、2回、3回又は24時間の期間に医学的に必要とされるだけの多くの回数で投与され得る。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、及び(III)の化合物は、毎日、週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、又は週に6回投与され得る。当業者ならば、対象に基づいて各個別の投与の量を容易に決定できるだろう。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、及び(III)の化合物は、1つの剤形で投与される。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、及び(III)の化合物は、複数の剤形で投与される。
使用方法
一態様において、それを必要とする対象における癌を治療する方法であって、対象に、有効量の式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が開示される。
一態様において、癌の治療に使用するための式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が開示される。
一態様において、癌を治療するための医薬品の製造における、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。
一態様において、癌の治療に使用するための式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物が開示される。
「癌」という用語は、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫などの血液系悪性腫瘍並びに固形腫瘍、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌(SCLC)、乳癌、神経芽細胞腫、前立腺癌、メラノーマ、膵臓癌、子宮癌、子宮内膜癌、及び結腸癌を含むがこれらに限定されない。
一態様において、それを必要とする対象における多発性骨髄腫を治療する方法であって、対象に、有効量の式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が開示される。
一態様において、多発性骨髄腫の治療に使用するための式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が開示される。
一態様において、多発性骨髄腫を治療するための医薬品の製造における、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。
一態様において、多発性骨髄腫の治療に使用するための式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物が開示される。
一態様において、それを必要とする対象における急性骨髄性白血病を治療する方法であって、対象に、有効量の式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が開示される。
一態様において、急性骨髄性白血病の治療に使用するための式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が開示される。
一態様において、急性骨髄性白血病を治療するための医薬品の製造における、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。
一態様において、急性骨髄性白血病の治療に使用するための式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物が開示される。
一態様において、それを必要とする対象における癌を治療する方法であって、対象に、有効量の式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、抗癌剤又はその薬学的に許容できる塩と組み合わせて投与することを含む方法が開示される。
一態様において、癌の治療に使用するための、抗癌剤又はその薬学的に許容できる塩と組み合わせた式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が開示される。
一態様において、癌を治療するための医薬品の製造における、抗癌剤又はその薬学的に許容できる塩と組み合わせた、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。
一態様において、癌の治療に使用するための、抗癌剤又はその薬学的に許容できる塩と組み合わせて、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物が開示される。
「と組み合わせた」という言葉は、式(I)、(II)、又は(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩と抗癌剤又はその薬学的に許容できる塩を、連続的に、別々に、又は同時に投与することを含む。いくつかの態様において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩と抗癌剤又はその薬学的に許容できる塩は、同じ製剤で、例えば、固定投与量製剤で投与される。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩と抗癌剤又はその薬学的に許容できる塩は別々の製剤で投与され、実質的に同じ時間に、連続的に、又は別々に投与される。
「抗癌剤」という言葉は、放射線、アルキル化剤、血管新生阻害剤、抗体、抗体−薬物複合体、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、抗増殖剤、抗ウイルス剤、オーロラキナーゼ阻害剤、他の細胞死アクチベーター(例えば、Bcl−2、Bcl−xL、Bcl−w、Bfl−1の阻害剤)、細胞死受容体経路のアクチベーター(例えば、FAS又はTRAILアゴニスト)、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤、BET(ブロモドメイン)阻害剤、BiTE(二重特異性T細胞エンゲージャー)抗体、生体応答調節物質、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、細胞周期阻害剤、シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、DVD(二重可変領域抗体)、白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ(ErbB2)受容体阻害剤、成長因子阻害剤、EGFR阻害剤、熱ショックタンパク質(HSP)阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、ホルモン療法、免疫学的製剤(immunologicals)、アポトーシス阻害因子(IAP)の阻害剤、挿入性抗生物質(intercalating antibiotics)、キナーゼ阻害剤、キネシン阻害剤、Jak2阻害剤、哺乳類ラパマイシン標的(mTOR)阻害剤、マイクロRNA、分裂促進因子活性化細胞外シグナル調節キナーゼ(MEK)阻害剤、BRAF阻害剤、多価結合タンパク質、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ポリADP(アデノシン二リン酸)−リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤、白金化学療法剤、ポロ様キナーゼ(Plk)阻害剤、ホスホイノシチド−3キナーゼ阻害剤、プロテオソーム阻害剤、プリンアナログ、ピリミジンアナログ、受容体チロシンキナーゼ阻害剤、エチノイド(etinoids)/デルトイド(deltoids)植物アルカロイド、低分子阻害性(small inhibitory)リボ核酸(siRNA)、トポイソメラーゼ阻害剤、及びユビキチンリガーゼ阻害剤を含むがこれらに限定されない。式(I)、(II)、又は(III)の化合物のいずれかと抗癌剤との組み合わせが本明細書に開示される。
アルキル化剤には、アルトレタミン、AMD−473、AP−5280、アパジコン、ベンダムスチン、ブロスタリシン、ブスルファン、シスプラチン、カルボプラチン、カルボクオン、カルムスチン(BCNU)、クロラムブシル、CLORETAZINE(登録商標)(ラロムスチン、VNP 40101M)、シクロホスファミド、デカルビジン(decarbazine)、エストラムスチン、フォテムスチン、グルフォスファミド、イホスファミド、KW−2170、ロムスチン(CCNU)、マホスファミド、メルファラン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ニムスチン、ナイトロジェンマスタードN−オキシド、ニトロソウレア、オキサリプラチン、ラニムスチン、テモゾロミド、チオテパ、TREANDA(登録商標)(ベンダムスチン)、トレオスルファン、ロフォスファミド(rofosfamide)などがある。
血管新生阻害剤には、内皮特異的受容体、(Tie−2)阻害剤、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤、インスリン成長因子−2受容体(IGFR−2)阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ−2(MMP−2)阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ−9(MMP−9)阻害剤、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)阻害剤、トロンボスポンジンアナログ、血管内皮細胞成長因子受容体チロシンキナーゼ(VEGFR)阻害剤、ALK阻害剤などがある。
代謝拮抗剤には、ALIMTA(登録商標)(ペメトレキセド二ナトリウム、LY231514、MTA)、5−アザシチジン、XELODA(登録商標)(カペシタビン)、カルモフール、LEUSTAT(登録商標)(クラドリビン)、クロファラビン、シタラビン、シタラビンオクホスファート、シトシンアラビノシド、デシタビン、デフェロキサミン、ドキシフルリジン、エフロルニチン、EICAR(5−エチニル−1−β−D−リボフラノシルイミダゾール−4−カルボキサミド)、エノシタビン、エトニルシチジン(ethnylcytidine)、フルダラビン、単独又はロイコボリンと組み合わせた5−フロオロウラシル、GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン)、ヒドロキシウレア、ALKERAN(登録商標)(メルファラン)、メルカプトプリン、6−メルカプトプリンリボシド、メトトレキサート、ミコフェノール酸、ネララビン、ノラトレキセド、オクホスファート、ペリトレキソール、ペントスタチン、ペメクストレド(pemextred)、ラルチトレキセド、リバビリン、トリアピン、トリメトレキサート、S−1、チアゾフリン、テガフール、TS−1、ビダラビン、UFTなどがある。
Bcl−2タンパク質阻害剤には、ABT−199、AT−101((−)ゴシポール)、GENASENSE(登録商標)(G3139又はオブリメルセン(Bcl−2−標的アンチセンスオリゴヌクレオチド))、IPI−194、IPI−565、ABT−737、ABT−263、GX−070(オバトクラックス)などがある。
Btk阻害剤には、イブルチニブ及びアカラブルチニブなどがある。
ブロモドメイン阻害剤には、I−BET 762、OTX−015、CPI−203、LY294002などがある。CDK阻害剤には、BMI−1040、BMS−032、BMS−387、CVT−2584、フラボピリドール、GPC−286199、MCS−5A、PD0332991、PHA−690509、セリシクリブ(CYC−202、R−ロスコビチン)、ZK−304709などがある。
EGFR阻害剤には、EGFR抗体、ABX−EGF、抗−EGFRイムノリポソーム、EGF−ワクチン、EMD−7200、ERBITUX(登録商標)(セツキシマブ)、HR3、IgA抗体、IRESSA(登録商標)(ゲフィチニブ)、TARCEVA(登録商標)(エルロチニブ又はOSI−774)、TP−38、EGFR融合タンパク質、TYKERB(登録商標)(ラパチニブ)、TAGRISSO(AZD9291)などがある。
ALK阻害剤には、クリゾチニブ、セリチニブなどがある。
ErbB2受容体阻害剤には、CP−724−714、CI−1033(カネルチニブ)、HERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ)、TYKERB(登録商標)(ラパチニブ)、OMNITARG(登録商標)(2C4、ペツヅマブ(petuzumab))、TAK−165、GW−572016(イオナファルニブ(ionafarnib))、GW−282974、EKB−569、PI−166、dHER2(HER2ワクチン)、APC−8024(HER−2ワクチン)、抗−HER/2neu二重特異性抗体、B7.her2IgG3、AS HER2二価二重特異性抗体、mAB AR−209、mAB 2B−1などがある。
抗体薬物複合体には、抗−CD22−MC−MMAF、抗−CD22−MC−MMAE、抗−CD22−MCC−DM1、CR−011−vcMMAE、PSMA−ADC、MEDI−547、SGN−19Am SGN−35、SGN−75などがある。
キネシン阻害剤には、AZD4877、ARRY−520などのEg5阻害剤;GSK923295AなどのCENPE阻害剤がある。
MEK阻害剤には、トラメチニブ(GSK1120212)、ビニメチニブ(MEK162)、セルメチニブ(AZD6244)、コビメチニブ(XL518)、ARRY−142886、ARRY−438162、PD−325901、PD−98059などがある。
BRAF阻害剤には、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、GDC−0879、LGX818などがある。
白金化学療法剤には、シスプラチン、ELOXATIN(登録商標)(オキサリプラチン)エプタプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、PARAPLATIN(登録商標)(カルボプラチン)、サトラプラチン、ピコプラチンなどがある。
VEGFR阻害剤には、AVASTIN(ベバシズマブ)、ABT−869、AEE−788、ANGIOZYME(商標)(血管新生を阻害するリボザイム(Ribozyme Pharmaceuticals(Boulder、Colo.)及びChiron、(Emeryville、Calif.))、アキシチニブ(AG−13736)、AZD−2171、CP−547,632、IM−862、MACUGEN(ペガプタミブ(pegaptamib))、NEXAVAR(登録商標)(ソラフェニブ、BAY43−9006)、パゾパニブ(GW−786034)、バタラニブ(PTK−787、ZK−222584)、SUTENT(登録商標)(スニチニブ、SU−11248)、VEGFトラップ、ZACTIMA(商標)(バンデタニブ、ZD−6474)、GA101、オファツムマブ、ABT−806(mAb−806)、ErbB3特異的抗体、BSG2特異的抗体、DLL4特異的抗体、及びC−met特異的抗体などがある。
抗腫瘍性抗生物質には、挿入性抗生物質アクラルビシン、アクチノマイシンD、アムルビシン、アナマイシン、アドリアマイシン、BLENOXANE(登録商標)(ブレオマイシン)、ダウノルビシン、CAELYX(登録商標)又はMYOCET(登録商標)(リポソーマルドキソルビシン)、エルサミトルシン、エピルブシン(epirbucin)、グラルブイシン(glarbuicin)、ZAVEDOS(登録商標)(イダルビシン)、マイトマイシンC、ネモルビシン、ネオカルジノスタチン、ペプロマイシン、ピラルビシン、レベッカマイシン、スチマラマー、ストレプトゾシン、VALSTAR(登録商標)(バルルビシン)、ジノスタチンなどがある。
CHKキナーゼなどのDNA修復機構の阻害剤;DNA依存性プロテインキナーゼ阻害剤;ABT−888(ベリパリブ)、オラパリブ、KU−59436、AZD−2281、AG−014699、BSI−201、BGP−15、INO−1001、ONO−2231などを含むポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼの阻害剤(PARP阻害剤);及びタネスピマイシン及びレタスピマイシンなどのHsp90阻害剤。
プロテアソーム阻害薬には、VELCADE(登録商標)(ボルテゾミブ)、KYPROLIS(カーフィルゾミブ)、NINLARO(イキサゾミブ)、MG132、NPI−0052、PR−171などがある。
免疫学的製剤の例には、インターフェロン及び他の免疫強化剤がある。インターフェロンには、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ−1a、ACTIMMUNE(登録商標)(インターフェロンガンマ−1b)又はインターフェロンガンマ−n1、これらの組み合わせなどがある。他の薬剤には、ALFAFERONE(登録商標)、(IFN−α)、BAM−002(酸化型グルタチオン)、BEROMUN(登録商標)(タソネルミン)、BEXXAR(登録商標)(トシツモマブ)、CAMPATH(登録商標)(アレムツズマブ)、デカルバジン、デニロイキン、エプラツズマブ、GRANOCYTE(登録商標)(レノグラスチム)、レンチナン、白血球アルファインターフェロン、イミキモド、MDX−010(抗−CTLA−4)、メラノーマワクチン、ミツモマブ(mitumomab)、モルグラモスチム、MYLOTARG(商標)(ゲムツズマブ・オゾガマイシン)、NEUPOGEN(登録商標)(フィルグラスチム)、OncoVAC−CL、OVAREX(登録商標)(オレゴボマブ)、ペムツモマブ(pemtumomab)(Y−muHMFG1)、PROVENGE(登録商標)(シプリューセル−T)、サルガラモスチム(sargaramostim)、シゾフィラン、テセロイキン、THERACYS(登録商標)(カルメット−ゲラン桿菌(Bacillus Calmette−Guerin))、ウベニメクス、VIRULIZIN(登録商標)(免疫治療薬、Lorus Pharmaceuticals)、Z−100(丸山ワクチン(SSM))、WF−10(テトラクロロデカオキシド(TCDO))、PROLEUKIN(登録商標)(アルデスロイキン)、ZADAXIN(登録商標)(チマルファシン)、ZENAPAX(登録商標)(ダクリズマブ)、ZEVALIN(登録商標)(90Y−イブリツモマブチウキセタン)などがある。
ピリミジンアナログには、シタラビン(ara C又はアラビノシドC)、シトシンアラビノシド、ドキシフルリジン、FLUDARA(登録商標)(フルダラビン)、5−FU(5−フロオロウラシル)、フロクスウリジン、GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン)、TOMUDEX(登録商標)(ラチトレキセド(ratitrexed))、TROXATYL(商標)(トリアセチルウリジントロキサシタビン)などがある。
抗有糸分裂剤には、バタブリン、エポチロンD(KOS−862)、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド、イキサベピロン(BMS 247550)、パクリタキセル、TAXOTERE(登録商標)(ドセタキセル)、PNU100940(109881)、パツピロン、XRP−9881(ラロタキセル)、ビンフルニン、ZK−EPO(合成エポチロン)などがある。
さらに、式(I)、(II)、及び(III)の化合物は、ABRAXANE(商標)(ABI−007)、ABT−100(ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤)、ADVEXIN(登録商標)(Ad5CMV−p53ワクチン)、ALTOCOR(登録商標)又はMEVACOR(登録商標)(ロバスタチン)、AMPLIGEN(登録商標)(poly I:poly C12U、合成RNA)、APTOSYN(登録商標)(エクシスリンド)、AREDIA(登録商標)(パミドロン酸)、アルグラビン、L−アスパラギナーゼ、アタメスタン(1−メチル−3,17−ジオン−アンドロスタ−1,4−ジエン)、AVAGE(登録商標)(タザロテン)、AVE−8062(コンブレアスタチン(combreastatin)誘導体)BEC2(ミツモマブ)、カケクチン又はカケキシン(cachexin)(腫瘍壊死因子)、カンバキシン(canvaxin)(ワクチン)、CEAVAC(登録商標)(癌ワクチン)、CELEUK(登録商標)(セルモロイキン)、CEPLENE(登録商標)(ヒスタミン二塩酸塩)、CERVARIX(登録商標)(ヒトパピローマウイルスワクチン)、CHOP(登録商標)(C:CYTOXAN(登録商標)(シクロホスファミド);H:ADRIAMYCIN(登録商標)(ヒドロキシドキソルビシン);O:ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標));P:プレドニゾン)、CYPAT(商標)(酢酸シプロテロン)、コンブレスタチン(combrestatin)A4P、DAB(389)EGF(His−Alaリンカーによりヒト上皮成長因子に融合したジフテリア毒素の触媒及び転座ドメイン)又はTransMID−107R(商標)(ジフテリア毒素)、ダカルバジン、ダクチノマイシン、5,6−ジメチルキサンテノン−4−酢酸(DMXAA)、エニルウラシル、EVIZON(商標)(乳酸スクアラミン)、DIMERICINE(登録商標)(T4N5リポソームローション)、ディスコデルモライド、DX−8951f(メシル酸エキサテカン)、エンザスタウリン、EPO906(エピチロン(epithilone)B)、GARDASIL(登録商標)(四価ヒトパピローマウイルス(6、11、16、18型)組換え型ワクチン)、GASTRIMMUNE(登録商標)、GENASENSE(登録商標)、GMK(ガングリオシド結合型ワクチン)、GVAX(登録商標)(前立腺癌ワクチン)、ハロフギノン、ヒステレリン(histerelin)、ヒドロキシカルバミド、イバンドロン酸、IGN−101、IL−13−PE38、IL−13−PE38QQR(シントレデキンベスドトクス)、IL−13−シュードモナス外毒素、インターフェロン−α、インターフェロン−γ、JUNOVAN(商標)又はMEPACT(商標)(ミファムルチド)、ロナファルニブ、5,10−メチレンテトラヒドロ葉酸、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン)、NEOVASTAT(登録商標)(AE−941)、NEUTREXIN(登録商標)(グルクロン酸トリメトレキサート)、NIPENT(登録商標)(ペントスタチン)、ONCONASE(登録商標)(リボヌクレアーゼ酵素)、ONCOPHAGE(登録商標)(メラノーマワクチン治療)、ONCOVAX(登録商標)(IL−2ワクチン)、ORATHECIN(商標)(ルビテカン)、OSIDEM(登録商標)(抗体系細胞薬)、OVAREX(登録商標)MAb(ネズミモノクローナル抗体)、パクリタキセル、PANDIMEX(商標)(20(S)プロトパナキサジオール(aPPD)及び20(S)プロトパナキサトリオール(aPPT)を含むチョウセンニンジン由来のアグリコンサポニン)、パニツムマブ、PANVAC(登録商標)−VF(治験用癌ワクチン)、ペグアスパラガーゼ、PEGインターフェロンA、フェノキソジオール、プロカルバジン、レビマスタト、REMOVAB(登録商標)(カツマキソマブ)、REVLIMID(登録商標)(レナリドミド)、RSR13(エファプロキシラル)、SOMATULINE(登録商標)LA(ランレオチド)、SORIATANE(登録商標)(アシトレチン)、スタウロスポリン(ストレプトマイセス・スタウロスポレス(Streptomyces staurospores))、タラボスタット(PT100)、TARGRETIN(登録商標)(ベキサロテン)、TAXOPREXIN(登録商標)(DHA−パクリタキセル)、TELCYTA(登録商標)(カンホスファミド、TLK286)、テミリフェン(temilifene)、TEMODAR(登録商標)(テモゾロミド)、テスミリフェン、サリドマイド、THERATOPE(登録商標)(STn−KLH)、チミタク(2−アミノ−3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−オキソ−5−(4−ピリジルチオ)キナゾリン二塩酸塩)、TNFERADE(商標)(アデノベクター:腫瘍壊死因子−αの遺伝子を含むDNAキャリア)、TRACLEER(登録商標)又はZAVESCA(登録商標)(ボセンタン)、トレチノイン(レチン−A)、テトランドリン、TRISENOX(登録商標)(三酸化ヒ素)、VIRULIZIN(登録商標)、ウクライン(クサノオウ植物由来のアルカロイドの誘導体)、ビタキシン(抗−αvβ3抗体)、XCYTRIN(登録商標)(モテキサフィンガドリニウム)、XINLAY(商標)(アトラセンタン)、XYOTAX(商標)(パクリタキセル・ポリグルメックス)、YONDELIS(登録商標)(トラベクテジン)、ZD−6126、ZYNECARD(登録商標)(デクスラゾキサン)、ZOMETA(登録商標)(ゾレンドロン酸(zolendronic acid))、ゾルビシンなどの他の化学療法剤と組み合わせてよい。
一態様において、それを必要とする対象における癌を治療する方法であって、対象に、有効量の式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、ボルテゾミブ又はその薬学的に許容できる塩と組み合わせて投与することを含む方法が開示される。
一態様において、癌の治療に使用するための、ボルテゾミブ又はその薬学的に許容できる塩と組み合わせた、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が開示される。
一態様において、癌を治療するための医薬品の製造における、ボルテゾミブ又はその薬学的に許容できる塩と組み合わせた、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。
一態様において、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、ボルテゾミブ又はその薬学的に許容できる塩と組み合わせて含む、癌の治療に使用するための医薬組成物が開示される。
一態様において、それを必要とする対象における多発性骨髄腫を治療する方法であって、対象に、有効量の式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、ボルテゾミブ又はその薬学的に許容できる塩と組み合わせて投与することを含む方法が開示される。
一態様において、多発性骨髄腫の治療に使用するための、ボルテゾミブ又はその薬学的に許容できる塩と組み合わせた、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が開示される。
一態様において、多発性骨髄腫を治療するための医薬品の製造における、ボルテゾミブ又はその薬学的に許容できる塩と組み合わせた、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。
一態様において、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を、ボルテゾミブ又はその薬学的に許容できる塩と組み合わせて含む、多発性骨髄腫の治療に使用するための医薬組成物が開示される。
一態様において、それを必要とする対象におけるMcl−1を阻害する方法であって、対象に、有効量の式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が開示される。
一態様において、Mcl−1の阻害に使用するための式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩が開示される。
一態様において、Mcl−1を阻害するための医薬品の製造における、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。
一態様において、Mcl−1の阻害に使用するための式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物が開示される。
「Mcl−1」という用語は、骨髄細胞白血病1、BCL−2ファミリーのタンパク質の抗アポトーシスメンバーを指す。
「有効量」という言葉は、対象における生物学的又は医学的応答、例えば、Mcl−1若しくは癌に関連する酵素若しくはタンパク質活性の減少若しくは阻害;癌の症状の改善;又は癌の進行の緩徐化若しくは遅延を引き出す、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の量を含む。いくつかの実施形態において、「有効量」という言葉は、対象に投与される場合、癌を少なくとも部分的に緩和し、阻害し、且つ/若しくは寛解し、若しくはMcl−1を阻害し、且つ/又は対象における腫瘍の成長若しくは癌細胞の増殖を減少若しくは阻害するのに有効である、式(I)、(II)、又は(III)の化合物の量を含む。
「対象」という用語は、恒温哺乳動物、例えば、霊長類、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、及びマウスを含む。いくつかの実施形態において、対象は、霊長類、例えば、ヒトである。いくつかの実施形態において、対象は癌に罹患している。いくつかの実施形態において、対象は治療を必要としている(例えば、対象は、治療から生物学的又は医学的に利益を得るだろう)。
「阻害する」、「阻害」、又は「阻害すること」という言葉は、生物学的活性又はプロセスのベースライン活性の減少を含む。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、又は(III)の化合物はMcl−1を阻害する。
「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という言葉は、対象におけるMcl−1若しくは癌に関連する酵素若しくはタンパク質活性の減少若しくは阻害、対象における癌の1つ以上の症状の改善、又は対象における癌の進行の緩徐化若しくは遅延を含む。「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という言葉は、対象における腫瘍の成長又は癌細胞の増殖の減少又は阻害も含む。
本開示の態様は、以下の非限定的な実施例を参照してさらに定義することができ、実施例は本開示の特定の化合物及び中間体の調製並びに本開示の化合物を使用する方法を詳細に説明する。本開示の範囲から逸脱せずに、材料と方法の両方に多くの改良が実施され得ることが当業者に明らかであろう。
特記されない限り:
(i)全合成は、特記されない限り、周囲温度、すなわち17〜25℃で、窒素などの不活性ガスの雰囲気下で実施した;
(ii)蒸発は、ロータリーエバポレーションにより、又はジェネバック装置若しくはバイオタージv10エバポレーターを利用して、減圧下で実施した;
(iii)シリカゲルクロマトグラフィー精製は、事前充填されたRediSep Rf Gold(商標)シリカカラム(20〜40μm、球状粒子)、GraceResolv(商標)カートリッジ(Davisil(登録商標)シリカ)又はSilicycleカートリッジ(40〜63μm)を使用して、自動Teledyne Isco CombiFlash(登録商標)Rf又はTeledyne Isco CombiFlash(登録商標)Companion(登録商標)で実施した。
(iv)キラル分取クロマトグラフィーは、MS−及びUV−トリガー回収を備えたWaters Prep 100 SFC−MS装置又はUV回収を備えたThar MultiGram III SFC装置で実施した。
(v)キラル分析クロマトグラフィーは、UV検出を備えたWaters X5 SFC−MS又はUV及びELSD検出を備えたWaters UPC2 SFC−MSで実施した。
(vi)収率は、存在する場合、必ずしも達成可能な最大値ではない;
(vii)一般に、式Iの最終生成物の構造はNMR分光法により確認した;NMRケミカルシフト値は、溶媒残留ピークを内部標準として使用してデルタスケールで測定した[プロトン磁気共鳴スペクトルは、Bruker Avance 500(500MHz)、Bruker Avance 400(400MHz)、Bruker Avance 300(300MHz)、又はBruker DRX(300MHz)装置で測定した];測定は、特記されない限り周囲温度で行った;以下の略語を使用した:s、シングレット;d、ダブレット;t、トリプレット;q、カルテット;m、マルチプレット;dd、ダブレットのダブレット;ddd、ダブレットのダブレットのダブレット;dt、トリプレットのダブレット;bs、ブロードなシグナル;ABq、ABカルテット。
(viii)一般に、式Iの最終生成物は、液体クロマトグラフィー(UPLC)の後に質量分析法でも特性化した;Waters SQ質量分析計(カラム温度40℃、UV=220〜300nm又は190〜400nm、質量分析=ポジティブ/ネガティブスイッチングのあるESI)を備えたWaters UPLCを、1mL/分の流量で、1.50分かけて97%A+3%Bから3%A+97%Bへの溶媒系を使用する(平衡を出発状態に戻すなどを含む全ランタイムは1.70分)、ここで、A=水中0.1%ギ酸若しくは0.05%トリフルオロ酢酸(酸性処理用(for acidic work))又は水中0.1%水酸化アンモニウム(塩基性処理用(for basic work))及びB=アセトニトリルである。酸性の分析では、使用したカラムはWaters Acquity HSS T3(1.8μm、2.1×50mm)であり、塩基性分析では、使用したカラムはWaters Acquity BEH C18(1.7μm、2.1×50mm)であった。或いは、UPLCは、Waters SQ質量分析計(カラム温度30℃、UV=210〜400nm、質量分析=ポジティブ/ネガティブスイッチングのあるESI)を備えたWaters UPLCを、1mL/分の流量で、1.5分かけて2〜98%Bの溶媒勾配を利用して実施したが(平衡を出発状態に戻す全ランタイムは2分)、ここで、A=水中0.1%ギ酸及びB=アセトニトリル中0.1%ギ酸(酸性処理用)であるか、又はA=水中0.1%水酸化アンモニウム及びB=アセトニトリル(塩基性処理用)であった。酸性分析では、使用したカラムはWaters Acquity HSS T3(1.8μm、2.1×30mm)であり、塩基性分析では、使用したカラムはWaters Acquity BEH C18(1.7μm、2.1×30mm)であった;報告される分子イオンは、特記されない限り[M+H]+に相当する;複数の同位体のパターン(Br、Clなど)を有する分子では、報告される値は、特記されない限り、最高強度で得られたものである。
(x)中間体純度は、薄層クロマトグラフィー、質量分析法、LCMS、UPLC/MS、HPLC及び/又はNMR分析により評価した;
(xi)以下の略語を使用した:
ACN アセトニトリル
aq.水性
conc.濃
DCM ジクロロメタン
di−t−BPF 1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DSC 示差走査熱量測定
DTBAD ジ−tert−ブチルジアゼン−1,2−ジカルボキシラート
e.e.鏡像体過剰率
equiv.当量
ES エレクトロスプレーモード
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
Inj.注入
IPA イソプロピルアルコール
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析法
MS 質量分析法
NaHMDS ヘキサメチルジシラザンナトリウム
NBS N−ブロモスクシンイミド
NMR 核磁気共鳴
PE 石油エーテル
PMB 4−メトキシベンジル
RBF 丸底フラスコ
RT 室温/周囲温度
sat.飽和
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
TBAF テトラブチルアンモニウムフルオリド
TBDPS tert−ブチルジフェニルシリル
TBDPSCl tert−ブチルクロロジフェニルシラン
TFA トリフルオロ酢酸
TGA 熱重量分析
THF テトラヒドロフラン
Tol.トルエン
UPLC 超高速液体クロマトグラフィー
wt% 重量パーセント
XRPD 粉末X線回折
中間体1:メチル7−ブロモ−6−クロロ−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1H−インドール−2−カルボキシラート
2−ブロモ−3−クロロアニリン(600g、2.91mol)及び水(1500mL)中の濃HCl水溶液(1500mL、49.4mol)を四つ口丸底フラスコに入れた。混合物を一晩撹拌すると、溶液を与えた。NaNO2(212g、3.07mol)の水(720mL)溶液を、撹拌しながら0〜5℃で滴加した。1.5時間後、KOAc(4020g、40.9mol)の水(6000mL)溶液及びメチル2−オキソシクロペンタン−1−カルボキシラート(420g、2.95mol)を、撹拌しながら0〜5℃で滴加した。生じた溶液を0〜5℃で0.5時間撹拌し、次いで2時間室温で撹拌した。次いで、溶液を2×10LのDCMで抽出した。合わせた有機相を1×5Lのブラインで洗浄した。溶液を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮すると、メチル1−((2−ブロモ−3−クロロフェニル)ジアゼニル)−2−オキソシクロペンタン−1−カルボキシラートを与えた(1070g、100%、97wt%)。
濃硫酸(1000mL、18.8mol)のメタノール(10000mL)溶液及びメチル1−((2−ブロモ−3−クロロフェニル)ジアゼニル)−2−オキソシクロペンタン−1−カルボキシラート(1400g、3.89mol)を四つ口丸底フラスコに入れた。生じた溶液を70℃で油浴中で2時間撹拌した。反応混合物を水/氷浴により20℃に冷却した。固体を濾過により回収した。固体を2×1LのMeOHで洗浄し、次いで、減圧下でオーブン中で乾燥させると、(E/Z)−ジメチル2−(2−(2−ブロモ−3−クロロフェニル)ヒドラゾノ)ヘキサンジオアートを与えた(1200g、79%)。
濃硫酸(2L、37.5mol)のメタノール(10L)溶液及び(E/Z)−ジメチル2−(2−(2−ブロモ−3−クロロフェニル)ヒドラゾノ)ヘキサンジオアート(1200g、2.96mol、1.00当量)を四つ口丸底フラスコに入れた。生じた溶液を、80℃で油浴中で72時間撹拌した。反応混合物を水/氷浴で20℃に冷却した。固体を濾過により回収し、1LのMeOHで洗浄し、次いで風乾した。次いで、固体を、50℃で撹拌しながら30分かけて2250mLのMeOHに懸濁させた。20℃に冷却した後、固体を濾過により回収し、500mLのMeOHで洗浄し、次いで風乾すると、メチル7−ブロモ−6−クロロ−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1H−インドール−2−カルボキシラートを与えた(中間体1、930g、84%);m/z(ES+),[M+H]+=374.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 2.68(t,2H),3.37(t,2H),3.64(s,3H),3.98(s,3H),7.25(d,1H),7.62(d,1H),8.83(s,1H).
中間体2:(4−ブロモ−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル)メタノール
NBS(47.4g、266mmol)を、少量ずつ30分かけて、(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル)メタノール(32.0g、253mmol)の0℃のDCM(500mL)溶液に加えた。生じた混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物をDCM(200mL)で希釈し、水(250mL)及びブライン(150mL)で連続的に洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、残渣を与え、それをPE/EtOAc(1:1)(10mL)で洗浄すると、(4−ブロモ−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル)メタノール(中間体2、48.0g、92%)を与え、それをさらに精製せずに使用した;m/z(ES+),[M+H]+=205.1H NMR(300MHz,クロロホルム−d)δ 2.08(s,1H),2.26(s,3H),3.79(s,3H),4.63(s,2H).
中間体3:4−ブロモ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール
DMF(112mL)を、(4−ブロモ−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル)メタノール(中間体2、3.74g、18.3mmol)に加え、溶液を0℃に冷却した。NaH(0.840g、21.0mmol)(油中60%)を加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、放置して室温に温め、20分間撹拌すると、白色懸濁液が生じた。1−(クロロメチル)−4−メトキシベンゼン(2.72mL、20.1mmol)及びKI(0.303g、1.83mmol)を加え、混合物を1時間撹拌し、濃縮乾固させた。水(50mL)を加え、混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製すると、4−ブロモ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾールを与えた(中間体3、5.69g,96%);m/z(ES+),[M+H]+=325.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 2.26(s,3H),3.80(s,3H),3.81(s,3H),4.47(s,2H),4.53(s,2H),6.85(d,2H),7.33(d,2H).
中間体4:3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール
THF(83mL)を、4−ブロモ−3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール(中間体3、3.02g、9.29mmol)に加え、生じた透明な溶液を−78℃に冷却した。ブチルリチウム(6.96mL、11.1mmol)(ヘキサン中1.6M)を−78℃でAr下で加えた。混合物を−78℃で50分間撹拌した。2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.65mL、13.0mmol)を加えた。アセトン/ドライアイス浴を外した。混合物をゆっくりと室温に温め、4時間撹拌した。混合物を濃縮乾固させ、EtOAc(200mL)を加えた。生じた懸濁液を珪藻土のパッドに通して濾過し、EtOAc(50mL)で洗浄した。ろ液を濃縮乾固させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製すると、3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールを与えた(中間体4、2.76g、80%);m/z(ES+),[M+H]+=373.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 1.28(s,12H),2.40(s,3H),3.76(s,3H),3.80(s,3H),4.57(s,2H),4.61(s,2H),6.86(d,2H),7.33(d,2H).
中間体5:1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロパン−2−オン
1−ヒドロキシプロパン−2−オン(34.9mL、463mmol)を、無水DMF(150mL)にAr下で溶解させた。イミダゾール(34.1g、501mmol)及びDMAP(2.37g、19.3mmol)を加え、溶液を0℃に冷却した。TBDPSCl(100mL、386mmol)をゆっくりと加えた。混合物を、Ar下で0℃で15分間撹拌し、次いで室温で18時間撹拌した。水(1L)を加え、水相をヘキサン(4×200mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロパン−2−オンを与えた(中間体5、120g、100%)。この物質をさらに精製せずに使用した;m/z(ES+)、[M+18]+=330.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 1.12(s,9H),2.20(s,3H),4.17(s,2H),7.36−7.49(m,6H),7.62−7.70(m,4H).
中間体6:エチル5−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−ヒドロキシ−4−オキソペンタ−2−エノアート
THF(1.50L)をカリウムtert−ブトキシド(69.0g、570mmol)に加え、溶液を0℃に冷却した。シュウ酸ジエチル(78.1g、570mmol)を、温度を0℃未満に維持しながらゆっくりと加えた。溶液を30分間0℃で撹拌した。1−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロパン−2−オン(中間体5、150g、480mmol)を、温度を0℃未満に維持しながらゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、EtOAc(300mL)を加えた。生じた混合物を、1N HClによりpH=2〜3に酸性化した。相を分離し、水相をEtOAc(4×300mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させると、エチル5−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−ヒドロキシ−4−オキソペンタ−2−エノアートを与えた(中間体6、160g、80%)。m/z(ES−),[M−H]−=411.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 1.13(s,9H),1.39(t,3H),4.31(s,2H),4.39(q,2H),6.88(s,1H)7.39−7.44(m,6H),7.65−7.68(m,4H).
中間体7:エチル5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート
エチル5−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−2−ヒドロキシ−4−オキソペンタ−2−エノアート(中間体6、350g、848mmol)をエタノール(80.5mL)に溶解させた。溶液を0℃に冷却し、ヒドラジン一水和物(53.2g、848mmol、80wt%)を0℃で加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。完了後、混合物を60℃に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をEtOAc(161mL)で希釈し、飽和NH4Cl(64.6mL)で洗浄した。水層をEtOAc(2×64.6mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させると、粗生成物を与えた。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(PE中0〜20%EtOAc)により精製すると、エチル5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシラートを与えた(中間体7、176g、60%);m/z(ES−),[M−H]−=407.1H NMR(400MHz,DMSO),(互変異性体の混合物として報告された)δ 1.00(s,9H),1.28(t,3H),4.28(q,2H),4.73(d,2H),6.54(s,1Hメジャー),6.71(s,1Hマイナー),7.42−7.50(m,6H),7.62−7.65(m.4H),13.48(s,1Hメジャー)13.81(s,1Hマイナー).
中間体8:エチル5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート
エチル5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート(中間体7、175g、428mmol)を無水THF(1750mL)に溶解させた。溶液を0℃に冷却し、NaHMDS(238mL、476mmol、THF中2M)を0℃で加えた。生じた混合物を、0℃で10分間撹拌し、次いで室温で30分間撹拌した。ヨードメタン(91.0g、642mmol)を加え、混合物を2時間撹拌した。反応の完了後、混合物を濃縮乾固させた。EtOAc(3500mL)を加え、生じた溶液を飽和NH4Cl水溶液(1750mL)で洗浄した。水相をEtOAc(2×3500mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させると、エチル5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート(中間体8、160g、88%)を与え、それを精製せずに使用した;m/z(ES+)、[M+H]+=423.1H NMR(300MHz,クロロホルム−d)δ 1.05(s,9H),1.41(t,3H),3.95(s,3H),4.42(q,2H),4.68(s,2H),6.56(s,1H),7.37−7.50(m,6H),7.61−7.69(m,4H).
中間体9:(5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メタノール
THF(800mL)を、エチル5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシラート(中間体8、160g、378mmol)に加えると、橙色の溶液が生じた。溶液を0℃に冷却し、LAH(189mL、47.3mmol)(THF中2.0M)を、温度を0℃未満に維持しながら滴加した。生じた混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物をジエチルエーテル(1600mL)で希釈し、水(14.4mL)を0℃未満で滴加し、それに続いて15%NaOH水溶液(14.4mL)、及び水(43mL)を滴加した。生じた混合物を室温で10分間撹拌した。無水Na2SO4を加え、懸濁液を15分間撹拌した。塊体を珪藻土のパッドに通して濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。ろ液を濃縮すると、(5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メタノール(中間体9、140g、97%)を得た;m/z(ES+),[M+H]+=381.1H NMR(300MHz,クロロホルム−d)δ 1.06(s,9H),3.85(s,3H),4.62(s,2H),4.64(s,2H),6.02(s,1H),7.35−7.53(m,6H),7.62−7.72(m,4H).
中間体10:5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−3−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール
(5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メタノール(中間体9、380g、998mmol)を、DCM(4560mL)に溶解させた。溶液を0℃に冷却し、塩化チオニル(87.4mL、1200mmol)を、非常にゆっくりと0℃で加えた。反応混合物を放置して室温に温め、1時間撹拌した。別のフラスコ中で、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(6330mL)を0℃に冷却した。反応混合物を、炭酸水素ナトリウム溶液に、撹拌しながらゆっくりと加えた。二相の混合物を、泡立ちが止まるまで撹拌した。相を分離した。有機相をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−3−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾールを与えた(中間体10、392g,98%)m/z(ES+),[M+H]+=399.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 1.05(s,9H),3.83(s,3H),4.55(s,2H),4.64(s,2H),6.05(s,1H),7.34−7.49(m,6H),7.59−7.7(m,4H).
中間体11:S−((5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)エタンチオアート
5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−3−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール(中間体10、390g、977mmol)を、アセトニトリル(4130mL)に溶解させた。チオ酢酸カリウム(233g、1950mmol)及びヨウ化ナトリウム(149g、9.42mmol)を加えた。反応混合物を12時間撹拌した。反応の完了後、混合物を、珪藻土の層に通して濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜20%EtOAc)により精製すると、S−((5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)エタンチオアートを得た(中間体11、309g,72%)m/z(ES+),[M+H]+=439.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 1.04(s,9H),2.34(s,3H),3.80(s,3H),4.08(s,2H),4.60(s,2H),5.92(s,1H),7.35−7.5(m,6H),7.58−7.69(m,4H).
中間体12:3−(アセチルチオ)ナフタレン−1−イルアセタート
I2(38.7g、152mmol)を、20℃のトルエン(750mL)中のナトリウム4−ヒドロキシナフタレン−2−スルホナート(75.0g、305mmol)と、Ph3P(320g、1220mmol)と、18−クラウン−6(24.2g、91.4mmol)の混合物に窒素下で一度に加えた。生じた混合物を100℃で17時間撹拌した。1,4−ジオキサン(150mL)及び水(75mL)を加え、混合物を100℃でさらに1時間撹拌した。Na2SO4を加えた。固体を濾過により除き、ろ液を真空下である程度濃縮すると、3−メルカプトナフタレン−1−オールを与えた(360g、トルエン中14wt%)。生成物を、さらに精製せずに使用した;m/z(ES−)、[M−H]−=175.
Ac2O(162mL、1720mmol)を、0℃のDCM(1000mL)中のDMAP(3.49g、28.6mmol)と、3−メルカプトナフタレン−1−オール(360g、286mmol、トルエン中14wt%)と、Et3N(80mL、572mmol)の混合物に、10分かけて窒素下で滴加した。生じた混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物をDCM(200mL)で希釈し、水(4×750mL)及び飽和ブライン(500mL)で連続的に洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc)により精製すると、3−(アセチルチオ)ナフタレン−1−イルアセタートを与えた(中間体12、40.0g,2工程で50%);m/z(ES+),[M+H]+=261.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 2.48(s,3H),2.49(s,3H),7.34(d,1H),7.55−7.62(m,2H),7.88−7.92(m,3H).
中間体13:メチル6−クロロ−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−7−(3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インドール−2−カルボキシラート
3−((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(中間体4、18.6g、50.1mmol)を、1,4−ジオキサンと水の混合物(4:1、100mL)に溶解させた。Cs2CO3(26.1g、80.1mmol)、メチル7−ブロモ−6−クロロ−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体1、15.0g、40.0mmol)及びジクロロ[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(0.783g、1.20mmol)を加え、それに続いて追加のジオキサン及び水(300mL、4:1)を加えた。混合物を3回脱気してN2で満たした。生じた茶色の透明な混合物を、100℃に事前加熱した油浴中に配置した。混合物を100℃で3時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、濃縮して100mLにした。EtOAc(200mL)及び水(100mL)を加えた。層を分離し、水相をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製すると、メチル6−クロロ−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−7−(3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インドール−2−カルボキシラートを与えた(中間体13、20.0g,92%);m/z(ES+),[M+H]+=540.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 2.11(s,3H),2.73(t,2H),3.39−3.50(m,2H),3.68(s,3H),3.75(s,3H),3.78(s,3H),3.91(s,3H),4.14(d,1H),4.33−4.40(m,3H),6.76(d,2H),7.01(d,2H),7.25(d,1H),7.64(d,1H),9.17(s,1H).
中間体14:メチル6−クロロ−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−7−(3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート
メチル6−クロロ−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−7−(3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体13、22.2g、37.2mmol、90.5wt%)を、無水DMF(100mL)に溶解させた。Cs2CO3(18.2g、55.8mmol)を加えた。混合物を20分間撹拌し、MeI(4.65mL、74.4mmol)を加えた。混合物を2.5時間撹拌した。水(300mL)を加え、水相をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を濃縮乾固させた。残渣をEtOAc(300mL)に溶解させ、生じた溶液を水(3×50mL)で洗浄して、さらにDMFを除いた。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させると、メチル6−クロロ−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−7−(3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体14、22.1g、100%、93.1wt%)を与え、それを精製せずに使用した;m/z(ES+),[M+H]+=554.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 2.06(s,3H),2.67(t,2H),3.29−3.41(m,2H),3.49(s,3H),3.67(s,3H),3.75(s,3H),3.89(s,3H),3.90(s,3H),4.25−4.36(m,4H),6.67(d,2H),6.86(d,2H),7.23(d,1H),7.62(d,1H).
中間体15:メチル6−クロロ−7−(3−(ヒドロキシメチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート
メチル6−クロロ−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−7−(3−(((4−メトキシベンジル)オキシ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体14、22.1g、37.3mmol)を、DCM(56mL)に溶解させ、TFA(28.7mL、373mmol)を0℃で加えた。氷浴を外し、混合物を室温で1.5時間撹拌した。DCM(200mL)を加えた。有機相を、水(3×75mL)及び飽和NaHCO3水溶液(2×50mL)で連続的に洗浄し、水相をDCM(100mL)で抽出した。有機相を合わせ、2mLのMeOH及びEt3N(2mL)を加えた。混合物を30分間撹拌し、濃縮乾固させた。水(50mL)を加え、水相をDCM(3×100mL)で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/EtOAc、次いでDCM中10%MeOH)により精製すると、メチル6−クロロ−7−(3−(ヒドロキシメチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラートを与えた(中間体15、13.7g、85%);m/z(ES+),[M+H]+=434.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 2.07(s,3H),2.67(t,2H),3.34(t,2H),3.54(s,3H),3.69(s,3H),3.92(s,3H),3.93(s,3H),4.48(ABq,2H),7.24(d,1H),7.65(d,1H).
中間体16:メチル6−クロロ−7−(3−(クロロメチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート
メチル6−クロロ−7−(3−(ヒドロキシメチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体15、13.0g、29.9mmol)を、Ar下でDCM(150mL)に溶解させた。溶液を0℃に冷却し、塩化チオニル(2.62mL、35.9mmol)を加えた。氷浴を外し、混合物を室温で30分間撹拌し、次いで濃縮した。DCM(50mL)を加え、生じた溶液を飽和NaHCO3水溶液及びブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、メチル6−クロロ−7−(3−(クロロメチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体16、13.6g、100%)を与え、それを精製せずに使用した;m/z(ES+),[M+H]+=452.1H NMR(300MHz,クロロホルム−d)δ 2.06(s,3H),2.68(t,2H),3.58(t,2H),3.56(s,3H),3.68(s,3H),3.92(s,3H),3.93(s,3H),4.45(ABq,2H),7.26(d,1H),7.66(d,1H).
中間体17:メチル6−クロロ−7−(3−(ヨードメチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート
メチル6−クロロ−7−(3−(クロロメチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体16、13.5g、29.9mmol)をアセトニトリル(100mL)に溶解させ、ヨウ化ナトリウム(7.86g、52.4mmol)を加えた。混合物を80℃で2.5時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を珪藻土のパッドに通して濾過し、濃縮した。水(100mL)及びEtOAc(100mL)を加え、層を分離し、水相をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機液をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、メチル6−クロロ−7−(3−(ヨードメチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラートを与えた(中間体17、15.7g、96%);m/z(ES+),[M+H]+=544.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 2.06(s,3H),2.69(t,2H),3.37(t,2H),3.59(s,3H),3.68(s,3H),3.89(s,3H),3.94(s,3H),4.22(ABq,2H),7.27(d,1H),7.68(d,1H).
中間体18:メチル7−(3−((((5−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチルチオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−クロロ−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート
メチル6−クロロ−7−(3−(ヨードメチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体17、7.60g、13.9mmol)を、MeOH(30mL)及びTHF(15mL)に溶解させると懸濁液が生じた。K2CO3(1.93g、13.9mmol)を加えた。混合物を脱気し、N2で満たした。脱気したMeOH(15mL)中のS−((5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)エタンチオアート(中間体11、6.74g、15.4mmol)を、5分かけて滴加した。チオアセタート溶液の添加後、混合物を再び脱気し、次いで2時間撹拌した。混合物を濃縮乾固させ、EtOAc(100mL)を加えた。有機相を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製すると、メチル7−(3−((((5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−クロロ−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラートを与えた(中間体18、7.10g、63%);m/z(ES+),[M+H]+=812.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 1.04(s,9H),2.04(s,3H),2.65(t,2H),3.32(t,2H),3.52−3.57(m,5H),3.61(s,2H),3.68(s,3H),3.79(s,3H),3.89(s,3H),3.91(s,3H),4.58(s,2H),5.93(s,1H),7.22(d,1H),7.35−7.49(m,6H),7.58(d,1H),7.61−7.71(m,4H).
中間体19:メチル6−クロロ−7−(3−((((5−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート
メチル7−(3−((((5−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−クロロ−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体18、13.9g、17.1mmol)をTHF(40mL)に溶解させ、TBAF(17.1mL、17.1mmol)(THF中1M)を加えた。混合物を1時間撹拌し、次いで濃縮した。EtOAc(200mL)を加え、有機相を水及びブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製すると、メチル6−クロロ−7−(3−((((5−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラートを与えた(中間体19、8.40g、86%);m/z(ES+),[M+H]+=574.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 2.05(s,3H),2.68(dd,2H),3.35(dd,2H),3.52−3.59(m,7H),3.67(s,3H),3.78(s,3H),3.88(s,3H),3.93(s,3H),4.56(s,2H),5.95(s,1H),7.24(d,1H),7.64(d,1H).
中間体20:メチル6−クロロ−7−(3−((((5−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート
メチル6−クロロ−7−(3−((((5−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体19、8.70g、15.2mmol)を、Ar下で無水DCM(100mL)に溶解させた。混合物を0℃に冷却した。塩化チオニル(1.33mL、18.2mmol)を加えた。氷浴を外した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで濃縮した。DCM(50mL)を加えた。生じた溶液を、水、飽和NaHCO3水溶液、及びブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、メチル6−クロロ−7−(3−((((5−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体20、9.00g、100%)を与え、それを精製せずに使用した;m/z(ES+),[M+H]+=592.1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 2.05(s,3H),2.65−2.68(m,2H),3.31−3.41(m,2H),3.52−3.59(m,7H),3.68(s,3H),3.79(s,3H),3.89(s,3H),3.93(s,3H),4.49(s,2H),6.07(s,1H),7.25(d,1H)7.63(d,1H).
中間体21:メチル6−クロロ−7−(3−((((5−(((4−ヒドロキシナフタレン−2−イル)チオ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート
K2CO3(5.15g、37.3mmol)を、MeOH(120mL)中のメチル6−クロロ−7−(3−((((5−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体20、9.20g、15.5mmol)と3−(アセチルチオ)ナフタレン−1−イルアセタート(中間体12、4.45g、17.1mmol)の混合物に加えた。生じた混合物を1時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させた。残渣をEtOAc(150mL)に再溶解させた。生じた溶液を、水(2×100mL)及びブライン(100mL)で連続的に洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中0〜10%MeOH)により精製すると、メチル6−クロロ−7−(3−((((5−(((4−ヒドロキシナフタレン−2−イル)チオ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラートを与えた(中間体21、7.42g、65.3%);m/z(ES+)、[M+H]+=732。1H NMR(300MHz,クロロホルム−d)δ 2.09(s,3H),2.62−2.74(m,2H),3.31−3.66(m,12H),3.70(s,3H),3.94−3.96(m,8H),6.07(s,1H),6.65(d,1H)7.24(d,1H),7.43−7.56(m,2H),7.59−7.71(m,2H),7.71−7.80(m,1H),8.19−8.30(m,1H).
中間体22:メチル6−クロロ−7−(3−((((5−(((4−ヒドロキシナフタレン−2−イル)チオ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−ヒドロキシプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート
メチル6−クロロ−7−(3−((((5−(((4−ヒドロキシナフタレン−2−イル)チオ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体21、5.00g、6.83mmol)を、Ar下でTHF(20mL)に溶解させた。生じた溶液を0℃に冷却し、ボランテトラヒドロフラン錯体(37.6mL、37.6mmol)(THF中1M)を加えた。氷浴を外し、混合物を室温で5.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、0℃に冷却し、それに続いてMeOH(20mL)及び6N HCl(40mL)を加えた(発熱)。生じた溶液を0℃で10分間撹拌し、室温で20分間撹拌した。混合物の体積を減圧下で1/3に減らした。水(200mL)を加え、水相をDCM中10%MeOH(9×50mL)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NaHCO3水溶液(50mL)及びブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製すると、ラセミのメチル6−クロロ−7−(3−((((5−(((4−ヒドロキシナフタレン−2−イル)チオ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−ヒドロキシプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラートを与えた(中間体22、4.05g、84%);m/z(ES+)、[M+H]+=704。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 1.93−2.03(m,2H),2.10(s,3H),3.18(t,2H),3.41−3.64(m,10H),3.68(t,2H),3.91−3.98(m,8H),6.05(s,1H),6.64(d,1H),7.25(d,1H)7.43−7.58(m,2H),7.61−7.68(m,2H),7.72−7.81(m,1H),8.26(d,1H).
中間体23:メチル17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボキシラート
トリフェニルホスフィン(1.58g、6.02mmol)をトルエン(30mL)に溶解させ、トルエン(27.6mL)及びTHF(2.50mL)中のジ−tert−ブチルジアゼン−1,2−ジカルボキシラート(1.39g、6.02mmol)及びメチル6−クロロ−7−(3−((((5−(((4−ヒドロキシナフタレン−2−イル)チオ)メチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオ)メチル)−1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(3−ヒドロキシプロピル)−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシラート(中間体22、2.12g、3.01mmol)の溶液を滴下漏斗により1時間かけて加えた。添加後、混合物を1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)及びMeOH(5mL)で希釈し、次いで水、2N HCl、及びブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。生じた残渣に、MeOH(10mL)を加えた。混合物を5分間超音波処理すると、白色の懸濁液が生じた。固体を回収し、MeOH(6mL)で洗浄し、乾燥させると、第1バッチの生成物が生じた(1.34g、64%)。母液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製すると、第2バッチの生成物が生じた。メチル17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボキシラート(中間体23)の総量は1.40g(68%)であった;m/z(ES+)、[M+H]+=686。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 2.05(s,3H),2.22−2.25(m,1H),2.38−2.51(m,1H),2.68(d,1H),3.09(d1H),3.21−3.32(m,2H),3.45−3.56(m,2H),3.63−3.73(m,4H),3.75−3.84(m,4H),3.84−3.96(m,8H),4.92(s,1H),6.25(d,1H),6.95(d,1H),7.50−7.59(m,4H),7.70−7.81(m,1H),8.22−8.38(m,1H).
中間体24及び中間体25:(Ra)−(+)−メチル17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボキシラート及び(Sa)−(−)−メチル17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボキシラート
中間体23(4.70g、6.85mmol)を、キラルSFCにかけた(Chiralpak IA(登録商標)カラム、21×250mm、5μm、温度=40℃、45:55 i−PrOH:CO2、220nmでのUV検出、ローディング=150mg/注入、濃度=60mg/mL、希釈液=MeOH/DCM、流量=60mL/分、出口圧力(Outlet Pressure)=100バール)。
中間体24、最初に溶離した(Ra)−(+)−異性体(1.87g、37%、>98%e.e.):m/z(ES+)、[M+H]+=686。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 2.05(s,3H),2.22−2.25(m,1H),2.38−2.51 (m,1H),2.67(d,1H),3.09(d,1H)3.19−3.32(m,2H),3.45−3.56(m,2H),3.63−3.73(m,4H),3.75−3.84(m,4H),3.84−3.96(m,8H),4.92(s,1H),6.25(d,1H),6.95(d,1H),7.44−7.59(m,4H),7.70−7.81(m,1H),8.22−8.38(m,1H).
精製後のee純度確認:
キラル分析方法:SFC:Chiralpak IA(登録商標)カラム、4.6×100mm、5μm、温度=40℃、35:65 i−PrOH:CO2、220nmでのUV検出、流量=5.0mL/分、出口圧力=125バール。1.63分の保持時間、>98%ee、[α]D +64°(c=0.1、MeOH)
中間体25、2番目に溶離した(Sa)−(−)−異性体:(1.40g、28%、>98%e.e.):m/z(ES+)、[M+H]+=686。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ 2.05(s,3H),2.22−2.25(m,1H),2.38−2.51 (m,1H),2.67(d,1H),3.09(d,1H)3.19−3.32(m,2H),3.45−3.56(m,2H),3.63−3.73(m,4H),3.75−3.84(m,4H),3.84−3.96(m,8H),4.92(s,1H),6.25(d,1H),6.95(d,1H),7.44−7.59(m,4H),7.70−7.81(m,1H),8.22−8.38(m,1H).
精製後ee純度確認:
中間体24と同じキラル分析方法。3.77分の保持時間、>98%ee、[α]D −64°(c=0.1、MeOH)
実施例1:17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸
MeOH(48mL)及びTHF(48mL)を、メチル17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボキシラート(中間体23、1.25g、1.78mmol)に加えると、懸濁液が生じた。LiOH(0.556g、23.2mmol)及び水(12mL)を加え、懸濁液を脱気し、Arで満たした。混合物を80℃で2.5時間撹拌した。室温に冷却した後、2N HCl(20mL)を加え、混合物を濃縮乾固させた。水(50mL)を残渣に加えると、白色の懸濁液が生じた。白色固体を濾過により回収し、水(2×10mL)で洗浄した。この固体をDCM中10%MeOH(150mL)に再溶解させ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させると、17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸を与えた(実施例1、1.05g、88%);m/z(ES+)、[M+H]+=672。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ 1.97(s,3H),2.20−2.30(m,1H),2.35−2.50(m,1H),2.90(d,1H),3.07−3.19(m,3H),3.40−3.47(m,2H),3.50(s,3H),3.71(s,3H),3.76(s,3H),3.86(dd,1H),4.07−4.15(m,1H),4.27(s,2H),4.76(s,1H),6.67(s,1H),7.14(d,1H),7.39(s,1H),7.45−7.52 (m,2H),7.71(d,1H),7.87(d,1H),8.10(d,1H),13.32(br.s.,1H).
実施例2:(Ra)−(+)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸
(Ra)−(+)−メチル17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボキシラート(中間体24、1.87g、2.51mmol)を、MeOH(8.35mL)、THF(8.35mL)、及び水(8.35mL)に溶解させた。LiOH(0.90g、37.6mmol)を加えた。混合物を4時間撹拌した。混合物を濃縮乾固させた。2N HCl(25mL)を加えた。水相をDCM中5%MeOH(4×30mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。MeOH(20mL)を残渣に加えると、透明な溶液が生じた。この透明な溶液を濃縮すると白色固体を与え、それを真空下で乾燥させると、(Ra)−(+)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸を与えた(実施例2、1.55g、92%、>98%e.e.);m/z(ES+)、[M+H]+=672。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ 1.97(s,3H),2.20−2.30(m,1H),2.35−2.50(m,1H),2.90(d,1H),3.07−3.19(m,3H),3.40−3.47(m,2H),3.50(s,3H),3.71(s,3H),3.76(s,3H),3.86(dd,1H),4.07−4.15(m,1H),4.26(s,2H),4.75(s,1H),6.67(s,1H),7.14(d,1H),7.38(s,1H),7.45−7.52(m,2H),7.71(d,1H),7.87(d,1H),8.10(d,1H),13.32(br.s.1H).
精製後ee純度確認:
キラル分析方法:SFC:Chiralpak ID(登録商標)カラム、4.6×250mm、5μm、温度=40℃、40:60 MeOH:CO2、220nmでのUV検出、流量=2.8mL/分、出口圧力=100バール、7.33分の保持時間、>98%e.e.、[α]D +87°(c=0.042、MeOH)
実施例3:(Sa)−(−)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸
(Sa)−(−)−メチル17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボキシラート(中間体25、1.40g、2.04mmol)から出発して、実施例2と同じ手順を実施すると、(Sa)−(−)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸を得た(実施例3、1.25g、91%、>98%e.e.);m/z(ES+)、[M+H]+=672。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ 1.97(s,3H),2.20−2.30(m,1H),2.35−2.50(m,1H),2.90(d,1H),3.07−3.19(m,3H),3.40−3.47(m,2H),3.50(s,3H),3.71(s,3H),3.76(s,3H),3.86(dd,1H),4.07−4.15(m,1H),4.27(s,2H),4.76(s,1H),6.67(s,1H),7.14(d,1H),7.38(s,1H),7.45−7.52(m,2H),7.71(d,1H),7.87(d,1H),8.10(d,1H),13.32(br.s.,1H).
精製後ee純度確認:
実施例2と同じキラル分析方法:9.36分の保持時間、>98%e.e.、[α]D −92°(c=0.048
実施例4:実施例1、2、及び3のインビトロ活性
カスパーゼ活性アッセイ
これは、6時間の処理後のMOLP−8(多発性骨髄腫)、KMS−12−BM(多発性骨髄腫)、MV−4−11(急性骨髄性白血病)、及びNCI−H23(非小細胞肺癌)細胞におけるアポトーシスの誘導を測定する細胞アッセイである。第1日に、3000(MOLP−8、KMS−12−BM、MV−4−11)又は1250(NCI−H23)細胞/ウェルを、384ウェル白色マイクロプレート中の50μLの増殖培地(MV−4−11には、IMDM+10%FBS+2mM、並びにL−Glu及び他の全細胞株には、RPMI−1640+10%FBS+2mM L−Glu)に播種し、一晩インキュベートした(37℃、5%CO2、80%RH)。第2日に、ECHOアコースティックリキッドハンドラーを使用して細胞をMcl−1阻害剤で処理した(10点のハーフログ段階希釈、31.5μM最高濃度、0.3%最終DMSO濃度)。6時間のインキュベーション後(37℃、5%C02、80%RH)、25μLのCaspase−Glo 3/7試薬(Promega)を各ウェルに加え、プレートを、遮光して室温で30分間インキュベートした。Infinite M200マイクロプレートリーダー(Tecan)を使用して、100msの積分時間で、ルミネセンスを記録した。EC50値を、GeneData分析ソフトウェアを使用して計算した。
実施例5:(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸の固体形態
X線粉末回折(XRPD)分析
XRPD分析は、Bruker AXS Inc(商標)(Madison、Wisconsin)から市販されているBruker D4回折計を使用して実施した。XRPDスペクトルは、分析用の材料の試料(およそ20mg)を、シリコン単結晶ウエハーマウント(例えば、Brukerケイ素ゼロバックグラウンドX線回折試料ホルダー)に載せ、顕微鏡スライドを利用して試料を広げて薄膜にすることにより得た。試料を毎分30回転で回転し(計数統計を改善するため)、40kV及び40mAで運転している銅ロング・ファイン・フォーカス管により発生させた1.5406Å(すなわち約1.54Å)の波長のX線を照射した。試料を、シータ−シータモードで、2度から40度の2−シータの範囲にわたり0.02度の2−シータ増分あたり1秒間曝露させた(連続スキャンモード)。ランニングタイムは31分、41秒であった。
XRPD 2θ値は、妥当な範囲で、例えば、±0.2°の範囲内で変わることがあり、そのXRPD強度は、基本的に同じ結晶形で測定される場合、例えば、好ましい配向を含む種々の理由で変動し得る。XRPDの原理は、例えば、Giacovazzo,C.et al.(1995),Fundamentals of Crystallography,Oxford University Press;Jenkins,R.and Snyder,R.L.(1996),Introduction to X−Ray Powder Diffractometry,John Wiley & Sons,New York;及びKlug,H.P.& Alexander,L.E.(1974),X−ray Diffraction Procedures,John Wiley and Sons,New Yorkなどの刊行物に記載されている。
DSC分析
DSC分析は、標準的な方法に従って調製した試料に対して、TA INSTRUMENTS(登録商標)(New Castle、Delaware)から入手可能なQ SERIES(商標)Q1000 DSC熱量計を使用して実施した。試料(およそ2mg)をアルミニウム試料パンに量り入れ、DSCに移した。装置を50mL/分で窒素置換し、データを、約10℃/分の動的加熱速度(dynamic heating rate)で、約22℃〜300℃で収集した。熱データを、標準的なソフトウェア、例えば、TA INSTRUMENTS(登録商標)のUniversal v.4.5Aを使用して分析した。
熱重量分析(TGA)
TGAは、標準的な方法に従って調製した試料に対して、TA Instruments INSTRUMENTS(登録商標)(New Castle、Delaware)から入手可能なQ SERIES(商標)Q5000熱重量分析器を使用して実施した。試料(およそ5mg)をアルミニウム試料パン中に配置し、TGAファーネスに移した。装置を50mL/分で窒素置換し、データを、約10℃/分の動的加熱速度で、25℃〜300℃で収集した。熱データを、標準的なソフトウェア、例えば、TA INSTRUMENTS(登録商標)のUniversal v.4.5Aを使用して分析した。
形態A(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸一水和物の調製
方法1:10mgの(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸を、1.0mLのMeOH及び5滴の水に溶解させた。生じた溶液を周囲条件で蒸発乾固させた。生じた白色粉末を形態Aと特定した。
方法2:10mgの(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸形態C(又は形態F)を、0.2mLの水に懸濁させた。生じたスラリーを2日間撹拌した。生じた固体を形態Aと特定した。
方法3:1.5gの量の(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸(形態F)を容器に加え、4.5mLのMeOH及び0.5mLのH2O(9:1)を加えて、懸濁液を得た。生じたスラリーを一晩撹拌し、スラリーを蒸発乾固させた。XRPDは、形態Fが形態Aに変わったことを示した。
形態A(方法3)をXRPDにより分析し、結果を以下に表にし(表2)、図1に示す。
形態A(方法3)を、熱技法により分析した。DSC分析は、形態Aが、約121℃での開始及び約158℃でのピークを有する脱溶媒和の吸熱事象と、それに続いて約181℃での開始及び約194℃でのピークを有する融解/分解の吸熱事象を有することを示した。TGAは、形態Aが、約25℃から約160℃への加熱時に約4.0%の質量減少を示すことを示した。形態Aの代表的なDSC/TGAサーモグラムを図2に示す。
形態Aの単結晶を、MeOH/H2O(体積比1:1)の緩徐な蒸発から得た。単結晶構造分析は、形態Aが一水和物形態であることを確認した。結晶学的データ:空間群単斜晶系P2(1)、単位格子寸法:a=13.83(3)Å、b=7.578(14)Å、c=33.57(6)Å、β=90.23(2)°、V=3518(12)Å3。
形態B(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸の調製
(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸形態Bの単結晶を、(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸と、1:1モル比のメグルミンとのMeOH溶液の緩徐な蒸発から得た。結晶が溶液から現れると、1つを手作業で回収した。単結晶構造分析は、形態Bが遊離酸の一メタノール溶媒和物であることを確認した。結晶学的データ:空間群斜方晶系P2(1)2(1)2(1)、単位格子寸法:a=7.530(7)Å、b=13.956(12)Å、c=34.44(3)Å、V=3619(5)Å3。
形態C(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸の調製
方法1:300mgの非晶質(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸をEtOH(3mL)に吸収させ、加熱して溶解させた。室温に冷却した後、溶液を一晩撹拌すると、固体が沈殿していた。これを濾過により回収し、乾燥させると、形態Cが生じた(266mg、81%)。
方法2:10mgの非晶質(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸を、0.2mLのEtOHに懸濁させた。生じたスラリーを1日撹拌した。周囲条件におけるスラリーの蒸発後に、形態Cを得た。形態C(方法1)をXRPDにより分析し、結果を以下に表にし(表3)、図3に示す。
形態C(方法1)を熱技法により分析した。DSC分析は、形態Cが、約123℃での開始及び約140℃でのピークを有する脱溶媒和の吸熱事象と、それに続いて約185℃での開始及び約196℃でのピークを有する融解/分解の吸熱事象を有することを示した。TGAは、形態Cが、約25℃から約160℃への加熱時に約6.4%の質量減少を示すことを示した。形態Cの代表的なDSC/TGAサーモグラムを図4に示す。
形態D(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸の調製
方法1:10mgの非晶質(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸を0.2mLのEtOAcに懸濁させた。生じたスラリーを1日撹拌すると、部分的に結晶性の物質が得られた。バイアルの外部温度を100℃に加熱し、生じたスラリーを15分間撹拌した。周囲温度に冷却した後スラリーを3日間撹拌し、形態Dを特定した。
方法2:10mgの非晶質(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸を0.2mLの熱アセトンに溶解させ、透明な溶液を室温に冷却した後、白色固体が沈殿した。生じた懸濁液を3日間撹拌した。形態Dを特定した。
形態D(方法2)をXRPDにより分析し、結果を以下に表にし(表4)、図5に示す。
形態D(方法2)を熱技法により分析した。DSC分析は、形態Dが、約156℃での開始及び約175℃でのピークを有する融解の吸熱事象を有することを示した。TGAは、形態Dが、約25℃から約170℃への加熱時に約3.6%の質量減少を示すことを示した。形態Dの代表的なDSC/TGAサーモグラムを図6に示す。
形態E(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸の調製
5mgの(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸を、0.5mLの熱IPA/H2O(3:1)に溶解させ、溶液を冷却した後に、結晶を得た。溶液をゆっくりと蒸発乾固させた。形態Eを特定した。
形態EをXRPDにより分析し、結果を以下に表にし(表5)、図7に示す。
形態F(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸五水和物の調製
5mgの(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸を、1.0mLのEtOH/H2O(3:1)に溶解させ、生じた溶液をフード中でゆっくりと蒸発させた。生じた結晶性物質を形態Fと特定した。
形態FをXRPDにより分析し、結果を以下に表にし(表6)、図8に示す。
形態Fを熱技法により分析した。DSC分析は、形態Fが、約40℃での開始及び約67℃でのピークを有する脱溶媒和の吸熱事象と、それに続いて約185℃での開始及び約195℃でのピークを有する融解/分解の吸熱事象を有することを示した。TGAは、形態Fが、約25℃から約100℃への加熱時に約4.3%の質量減少を示すことを示した。形態Fの代表的なDSC/TGAサーモグラムを図9に示す。
10mgの(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸を、1.0mLのアセトン/H2O(4:1)に溶解させ、生じた溶液をゆっくりと蒸発乾固させると、形態Fが生じた。単結晶構造分析は、それが五水和物形態であることを示した。結晶学的データ:空間群三斜晶系P1、単位格子寸法:a=7.458(9)Å、b=13.993(17)Å、c=16.90(2)Å、α=96.298(15)°、β=91.987(13)°、γ=91.604(14)°、及びV=1751(4)Å3。
(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、ナトリウム塩の調製
135mgの(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸形態C(0.2mmol)を5mLのMeOHに懸濁させ、懸濁液に200μLの1.0N NaOH水溶液を加える。固体が溶解するまでスラリーを撹拌した。透明な溶液を蒸発させ、生じた固体をEtOAcにより3日間スラリー化した。スラリーを蒸発乾固させた後、結晶性の物質を得た。
結晶をXRPDにより分析し、結果を以下に表にし(表7)、図10に示す。
ナトリウム塩を熱技法により分析した。DSC分析は、ナトリウム塩が、約100℃から約200℃の脱溶媒和のブロードな吸熱事象と、それに続いて約239℃での開始及び約246℃でのピークを有する融解の吸熱事象を有することを示した。TGAは、ナトリウム塩が、約25℃から約175℃への加熱時に約4.0%の質量減少を示すことを示した。ナトリウム塩の代表的なDSC/TGAサーモグラムを図11に示す。
(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸、メグルミン塩の調製
135mgの(Ra)−17−クロロ−5,13,14,22−テトラメチル−28−オキサ−2,9−ジチア−5,6,12,13,22−ペンタアザヘプタシクロ[27.7.1.14,7.011,15.016,21.020,24.030,35]オクタトリアコンタ−1(37),4(38),6,11,14,16,18,20,23,29,31,33,35−トリデカエン−23−カルボン酸(0.2mmol)を2mLのMeOHに懸濁させ、0.05MメグルミンのMeOH溶液4mLを加えた。スラリーを一晩撹拌し、次いで蒸発乾固させた。約2mLのEtOAcを加えると、スラリーが生じ、スラリーを3日間撹拌した。スラリーを蒸発乾固させた後に、結晶性物質を得た。
メグルミン塩をXRPDにより分析し、結果を以下に表にし(表8)、図12に示す。
メグルミン塩を熱技法により分析した。DSC分析は、メグルミン塩が、約69℃での開始及び約88℃でのピークを有する脱溶媒和のブロードな吸熱事象と、それに続いて約102℃での開始及び約104℃でのピークを有する脱溶媒和の吸熱事象を有することを示した。TGAは、メグルミン塩が、約25℃から約150℃への加熱時に約10.6%の質量減少を示すことを示した。メグルミン塩の代表的なDSC/TGAサーモグラムを図13に示す。
実施例6:ヒト多発性骨髄腫腫瘍モデルにおけるインビボの実施例2の単剤及び組み合わせの活性
方法:実施例2を、30%2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD)、pH9中に製剤し、静脈内に(iv)5ml/kgの体積で投薬した。5×106MOLP−8腫瘍細胞又は107NCI−H929腫瘍細胞を、C.B−17 SCID雌性マウスの右脇腹に、0.1mLの体積で皮下注射した。腫瘍体積(カリパスにより測定)を、式:長さ(mm)×幅(mm)2/0.52を利用して計算した。効能の試験には、マウスを腫瘍体積に基づいて無作為化し、成長阻害を、対照群と処置群の間の腫瘍体積の差の比較により評価した。投薬は、平均腫瘍サイズが、MOLP−8ではおよそ160mm3に、NCI−H929ではおよそ230mm3に達したときに開始した。
結果:実施例2は、MOLP−8担癌マウスにおいて用量依存的抗腫瘍活性を誘導した(図14)。実施例2の10又は30mg/kgでの単回iv投与は、それぞれ、52%及び92%腫瘍成長阻害(TGI)の著しい抗腫瘍活性をもたらした。実施例2の60又は100mg/kgでの単回iv投与は、投薬の10日後に測定して、14匹のマウスのうち13匹に完全な腫瘍退縮を誘導した。
実施例2は、NCI−H929担癌マウスにおけるプロテアソーム阻害薬ボルテゾミブとの組み合わせの利益も示した(図15)。ボルテゾミブの1mg/kgでの週に1回の投与と組み合わせた実施例2の30mg/kgでの隔週の投与は腫瘍退縮をもたらしたが、いずれかの薬剤単独では、著しい抗腫瘍活性は全く観察されなかった。
実施例7:ヒト急性骨髄性白血病腫瘍モデルにおけるインビボの単剤活性
方法:実施例2を、30%2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD)、pH9中に製剤し、単回静脈内(iv)投与として5ml/kgの体積で投薬した。106MV−4−11腫瘍細胞を、C.B−17SCID雌性マウスの右脇腹に、0.1mLの体積で皮下注射した。腫瘍体積(カリパスにより測定)、動物の体重、及び腫瘍状態を、試験の期間の間、週に2回記録した。腫瘍体積(カリパスにより測定)は、式:長さ(mm)×幅(mm)2/0.52を利用して計算した。効能の試験には、マウスを腫瘍体積に基づいて無作為化し、成長阻害を、対照群と処置群の間の腫瘍体積の差の比較により評価した。投薬は、平均腫瘍サイズがおよそ230mm3に達したときに開始した。
結果:実施例2による処置は、皮下MV−4−11腫瘍を有するマウスに著しい抗腫瘍活性をもたらした。100mg/kgの実施例2の単回投与を受けたマウスは、100%腫瘍退縮を経験した(図16)。応答は長続きし、6匹のマウスのうち4匹が療法の16日後に腫瘍のないままであった。30mg/kgの実施例2の週に1回のiv投与を受けたマウスも、腫瘍退縮を経験し(6日目に約73%)、6匹のマウスのうち1匹は療法の開始の16日後に腫瘍のないままであった。
実施例8:実施例1、2、及び3のインビトロ結合効力
タンパク質複合体の分裂を測定する生化学的結合TR−FRETアッセイ
TR−FRETアッセイを利用して、化合物が組換え型ヒトMcl−1と標識されたBIMペプチドプローブとの間の相互作用を乱す能力を評価した。
アッセイは、GSTタグ付きMcl−1タンパク質を、ユウロピウム標識抗GST抗体及びBIMのBH3ドメインに対応するHyLite Fluor 647−標識ペプチドと共にインキュベートするように構築した。化合物IC50値を、100μM又は10μM化合物濃度で開始する10点のハーフlog10希釈スキーマに従って評価した。具体的には、Mcl−1由来のヒトMcl−1酵素(E171−G327)を、過剰発現ベクター中にクローニングし、N末端GST−タグ付き融合タンパク質としてE.コリ(E.coli)中に発現させ、その後にグルタチオンセファロース−アフィニティー及びサイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。アッセイを、384ウェルLVプレート(Greinerカタログ番号784075)中で実施し、対象とする化合物の存在下及び非存在下で行った。各ウェルの12μLアッセイ混合物は、10mMトリス(pH7.4)、1.0mM DTT、0.005%ツイン−20、150mM NaCl、10%DMSO、及び1.5nM GST Mcl−1、0.5nM LanthaScreen Euタグ付きGST抗体(Invitrogenカタログ番号PV5594)、4.0nM HyLite Fluor 647標識−BIMペプチド[C(Hilyte647 C2マレイミド)−WIAQELRRIGDEFN(配列番号:1)]を含んでいた。反応物を24℃で90分間インキュベートしてから、340nmでの励起並びに612nm及び665nmでの発光でTecan M1000蛍光分光計で読み取った。その後に、665nmと612nmの蛍光発光強度の比を、各反応物で計算し、試験化合物濃度に対する比率の用量−応答を、自動パラメーターを使用して最良のフィットクオリティーを提供する選択されたフィットモデルに当てはめて、各試験化合物のIC50値を誘導した。表9は、TR−FRET Mcl1結合アッセイの結果を与える。
比率の計算=665nmの発光/612の発光*10000
阻害%=100−[(試験比率−最低(化合物対照))/(最大(DMSO対照−最低(化合物対照))]
備考:表1に報告する実施例3(化合物III)のカスパーゼ活性及び表9に報告する実施例3(化合物III)のFRET活性はエナンチオマー純度に非常に依存するが、その理由は、活性の大部分がRaエナンチオマー(実施例2、化合物II)である残留不純物から生じるからである。したがって、より低いエナンチオマー純度を有する試料が、これらのアッセイでは高い効力を示す。示されるデータは、種々のエナンチオマー純度を有する試料から得た複数の測定の幾何平均である。