JP2019511507A - グリシジルエステル化合物の製造方法 - Google Patents

グリシジルエステル化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、反応溶媒を使用せずに、減圧下で反応を行うグリシジルエステル化合物の製造方法に関する。

Description

本出願は、2016年3月31日付韓国特許出願第10−2016−0039643号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として含む。
本発明は、グリシジルエステル化合物の製造方法に関する。
グリシジルエステルは、高沸点のエポキシ樹脂の希釈剤として主に使われていて、それ以外に、アクリル酸、ポリオール、ポリ酸などと反応してエポキシ樹脂、エステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル系樹脂など多様な組成の樹脂組成物で製品が生産されている。
その中で、ネオデカン酸グリシジルエステル(Neodecanoic acid glycidyl ester)のように、C5ないしC10のアルキル基を有するオレフィン来由のグリシジルエステルは、それ自体で熱硬化性アクリル酸、エポキシポリエステル、ウレタンペイント、コーティング剤を製造するための反応性希釈剤として有用に使用されている。
グリシジルエステル及びこの製造方法は、カルボキシル酸のアルカリ塩とエピクロロヒドリンの反応によって製造され、この時の反応は、触媒、アルカリ塩及び水の存在下で50ないし150℃で反応する。このような方法は、最終生成物と共に多量の未反応物質が存在し、反応途中で多量の中間体や副産物などが発生するため、最終産物の分離が容易くなかった。
これと係わって、WO1997/044335号では、真空蒸留方式を通じて水と副産物などを除去し、グリシジルエステルの収率を高めることができると提案したことがある。しかし、前記真空蒸留方式は、高純度のグリシジルエステルを得るために取り除かれるグリシジルエステルの含量も多いので、生産性の面では好ましくないという問題がある。
これに対する代案として、韓国公開特許第2001−0090503号によると、水を含む混合溶媒内にモノカルボキシル酸とエピクロロヒドリンを溶解させた後、金属ヒドロキシドなどの触媒を添加して反応させ、90%程度の収率でグリシジルエステルを製造することができると開示している。
前記特許で示した方法は、グリシジルエステルを高収率で製造することができるという利点があるが、反応物質と溶媒を1:1の重量比で使用しているため、反応器内へ投入される反応物質の量は使用される溶媒によって制限的である。これにより、最終的に生産されるグリシジルエステル系化合物の単位生産量を増加させるには限界がある。
WO1997/044335号(1997.11.27)、PURIFICATION OF GLYCIDYL ESTERS BY THIN FILM EVAPORATION 韓国公開特許第2001−0090503号(2001.10.18)、側鎖カルボキシル酸のグリシジルエステルの製造方法
ここで、本発明者らは、グリシジルエステル化合物の単位生産量を向上させるための方法を多方面に研究し、グリシジルエステル化合物を製造する時、反応溶媒を使用せずに純粋反応原料のみを使用する場合、最終的に生産される化合物の単位生産量が高くなることがあるというアイディアに着目し、以後持続的な研究開発を通じて反応溶媒を使用せずに化合物を製造できる方法を発明し、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、従来方法に比べて単位生産量及び収率を高めることができるグリシジルエステル化合物の製造方法を提供することである。
前記目的を解決するために、本発明は下記反応式1で表され、
反応溶媒を使用することなく、減圧下で化学式2のカルボン酸化合物と化学式3のエピハロヒドリンを反応させて、化学式1で表されるグリシジルエステル化合物を製造する方法を提供する:
Figure 2019511507

(前記反応式1において、R1ないしR5、及びXは、明細書内で説明したことに従う。)
本発明は、反応溶媒を使用せずに減圧下で反応を行ってグリシジルエステル化合物を製造することにより、同一の反応器内でグリシジルエステル化合物の単位生産量を高めることができる。
また、本発明による方法は、副反応物及び未反応物などの生成が極めて少ないし、従来工程に比べて高い収率で化合物を製造することが可能である。
本発明では、単位生産量を高めるために反応溶媒を使用せずにグリシジルエステル化合物を製造する方法を示す。
化合物生産性と係わった「単位生産量」は、単に収率の概念ではなく、全て投入された原料(触媒、及び反応溶媒を含む)対比最終産物の生産量の割合の概念である。従来、化合物の生産性を高める方法は、収率及び純度向上に焦点が合わされていて、本発明では前記収率及び純度と共に同一の大きさの反応器内で単位生産量を高めるための方法を示す。具体的に、本発明では反応溶媒を使用しない方式を採択する。すなわち、反応溶媒を排除し、これに該当する量の分、反応物質に供給することによって最終的に生産される化合物の単位生産量を高めることができる。
既存の特許で示すグリシジルエステル化合物の製造は、水、または水/イソプロピルアルコールの混合溶媒を必須的に使用し、これは反応溶媒なしに反応が進めることを基待できないことを意味する。しかし、本発明では、従来と違って、反応溶媒がなくても反応が進められグリシジルエステル化合物を製造することができるし、これは減圧下で反応を行うことで達成することができる。
本発明で示すグリシジルエステル化合物は、下記化学式1の構造で表される。
Figure 2019511507
(前記化学式1において、
R1は、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C2〜C20のアルキニル基、C1〜C20のアルコキシ基、C3〜C20のシクロアルキル基、C5〜C40のヘテロアリール基、C6〜C40のアリール基、C6〜C20のアルコキシアリール基、またはC6〜C20のアリールアルキル基で、
R2は、C1〜C20のアルキレン基、C1〜C20のアルケニレン基、C3〜C20のシクロアルキレン基、またはC6〜C40のアリーレン基で、
R3ないしR5は、相互同一または異なるし、水素またはC1〜C20のアルキル基である。)
好ましくは、前記R1は、1次アルキル基、2次アルキル基及び3次アルキル基を含み、
より好ましくは、
Figure 2019511507
で表されてもよい。この時、前記R6ないしR8は、相互同一または異なるし、水素、またはC1ないしC20のアルキル基であってもよく、好ましくは、3≦炭素数の和(R6+R7+R8)≦12、より好ましくは、6≦炭素数の和(R6+R7+R8)≦12である。
本明細書で言及する「アルキル」は、1ないし20個、好ましくは、1ないし10個、より好ましくは、1ないし6個の炭素原子の線形または分岐型飽和1価炭化水素部位を意味する。アルキル基は、非置換されたものだけでなく、後述する一定の置換基によってされに置換されてもよい。アルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ヨウ素メチル、ブロモメチルなどを挙げることができる。
「アルケニル」は、1以上のC=C二重結合を含む2ないし20個、好ましくは、2ないし10個、より好ましくは、2ないし6個の炭素原子の線形または分岐型1価炭化水素部位を意味する。アルケニル基は、C=C二重結合を含む炭素原子を通じて、または飽和された炭素原子を通じて結合されてもよい。アルケニル基は、非置換されたものだけでなく、後述する一定の置換基によってさらに置換されてもよい。アルケニル基の例として、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、ペンテニル、5−ヘキセニル、ドデセニルなどを挙げることができる。
「アルキニル」は、1以上のC=C三重結合を含む2ないし20個の炭素原子、好ましくは、2ないし10個、より好ましくは2ないし6個の線形または分岐型の1価炭化水素部位を意味する。アルキニル基は、C=C三重結合を含む炭素原子を通じて、または飽和された炭素原子を通じて結合されてもよい。アルキニル基は、後述する一定の置換基によってさらに置換されてもよい。例えば、エチニル及びプロピニルなどを挙げることができる。
「アルコキシ」は、1ないし20個、好ましくは、1ないし10個、より好ましくは、1ないし6個の炭素原子の線形または分岐型飽和1価炭化水素部位を意味する。アルコキシ基は、非置換されたものだけでなく、後述する一定の置換基によってさらに置換されてもよい。アルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘトキシ、ドデキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、ヨウ素メトキシ、ブロモメトキシなどを挙げることができる。
「シクロアルキル」は、3ないし12個のリング炭素の飽和または不飽和された非芳香族1価モノサイクリック、バイサイクリックまたはトリサイクリック炭化水素部位を意味し、後述する一定の置換基によってさらに置換されてもよい。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、アダマンチル、ノルボニル(すなわち、バイシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エニル)などを挙げることができる。
「ヘテロアリール」は、5ないし40個、好ましくは、5ないし12個のリング原子を有し、リング内の少なくとも一つ以上の炭素が窒素(N)、酸素(O)、硫黄(S)、またはリン(P)で置換されたことを意味する。例えば、1個ないし4個のヘテロ原子を含むモノサイクリックまたはバイサイクリック以上の芳香族基を意味する。モノサイクリックヘテロアリールの例としては、チアゾリル、オキサゾリルチオフェニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアダイアゾリル、テトラゾリル、オキシダイヤゾリル、ピリジンである、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジジニル及びこれと類似するグループを挙げることができるし、これらに制限されない。バイサイクリックヘテロアリールの例としては、インドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズチアダイアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリンである、イソキノリンである、フリニル、フロピリジニル及びこれと類似のグループを有することができるし、これらに制限されない。
「アリール」は、6ないし40個、好ましくは、6ないし12個のリング原子を有する1価モノサイクリック、バイサイクリックまたはトリサイクリック芳香族炭化水素部位を意味し、後述する一定の置換基によってさらに置換されてもよい。アリール基の例として、フェニル、ナフタレニル及びフルオレニルなどを挙げることができる。
「アルコキシアリール」は、前記定義されたアリール基の水素原子1個以上がアルコキシ基に置換されていることを意味する。アルコキシアリール基の例として、メトキシフェニル、エトキシフェニル、プロポキシフェニル、ブトキシフェニル、ペントキシフェニル、ヘキトキシフェニル、ヘプトキシ、オクトキシ、ナノキシ、メトキシバイフェニル、メトキシナフタレニル、メトキシフルオレニル、或いはメトキシアントラセニルなどを挙げることができる。
「アリールアルキル」は、前記定義されたアルキル基の水素原子が、1個以上がアリール基に置換されていることを意味し、後述する一定の置換基によってさらに置換されてもよい。例えば、ベンジル、ベンズヒドリル及びトリチルなどを挙げることができる。
「アルキレン」は、1ないし20個、好ましくは、1ないし10個、より好ましくは、1ないし6個の炭素原子の線形または分岐型の飽和された2価炭化水素部位を意味する。アルキレン基は後述する一定の置換基によってさらに置換されてもよい。アルキレン基の例としてメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレンなどを挙げることができる。
「アルケニレン」は、1以上のC=C二重結合を含む2ないし20個、好ましくは、2ないし10個、より好ましくは、2ないし6個の炭素原子の線形または分岐型の2価炭化水素部位を意味する。アルケニレン基は、C=C二重結合を含む炭素原子を通じて及び/または飽和された炭素原子を通じて結合されてもよい。アルケニレン基は、後述する一定の置換基によってさらに置換されてもよい。
「シクロアルキレン」は、3ないし12個のリング炭素の飽和されたまたは不飽和された非芳香族2価モノサイクリック、バイサイクリックまたはトリサイクリック炭化水素部位を意味し、後述する一定の置換基によってさらに置換されてもよい。例えば、シクロプロピレン、シクロブチレンなどを挙げることができる。
「アリレン」は、6ないし20個、好ましくは、6ないし12個のリング原子を有する2価モノサイクリック、バイサイクリックまたはトリサイクリック芳香族炭化水素部位を意味し、後述する一定の置換基によってさらに置換されてもよい。芳香族部分は、炭素原子のみを含む。アリレン基の例としてフェニレンなどを挙げることができる。
「アリールアルキレン」は、前記定義されたアルキル基の水素原子が、1個以上がアリール基に置換されている2価部位を意味し、後述する一定の置換基によってさらに置換されてもよい。例えば、ベンジレンなどを挙げることができる。
「アルキニレン」は、1以上のC≡C三重結合を含む2ないし20個の炭素原子、好ましくは、2ないし10個、より好ましくは、2個ないし6個の線形または分岐型の2価炭化水素部位を意味する。アルキニレン基は、C=C三重結合を含む炭素原子を通じて、または飽和された炭素原子を通じて結合されてもよい。アルキニレン基は、後述する一定の置換基によってさらに置換されてもよい。例えば、エチニレンまたはプロピニレンなどを挙げることができる。
本明細書において、全ての化合物または置換基は、特に言及しない限り、置換または非置換されたものであってもよい。ここで、置換されたとは、水素がハロゲン原子、ヒドロキシ基 、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、チオ基、メチルチオ基、アルコキシ基、ニトリル基、アルデヒド基、エポキシ基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アセタル基、ケトン基、アルキル基、パーフルオロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリル基、ベンジル基、アリール基、ヘテロアリール基、これらの誘導体及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか一つで代替されたことを意味する。
特に、本発明の化学式1のグリシジルエステル化合物は、特に言及しない限り、全ての異性体を含む。前記異性体は、全ての立体異性体、例えば、多様なR及びZ置換基上の非対称炭素によって存在できるもの(鏡状異性体(これは非対称炭素が存在しない場合も存在することがある)及び部分立体異性体を含む)が本発明の範囲内で考慮される。本発明の化合物のそれぞれの立体異性体は、例えば、実質的に他の異性体がないか、または、例えばラセミ体で、または全ての立体異性体、または選択された立体異性体と混合されてもよい。
本発明による化学式1のグリシジルエステル化合物は、カルボン酸化合物とエピハロヒドリン化合物の脱水反応によって製造され、この反応は、反応溶媒及び触媒の存在下で進められる。本発明では、前記グリシジルエステル化合物の単位生産量を高めるために、反応溶媒を使用しない条件でグリシジルエステル化合物を製造する。
具体的に、前記化学式1のグリシジルエステル化合物は、下記反応式1で表されたように、化学式2のカルボン酸化合物と化学式3のエピハロヒドリンを反応させて製造する:
Figure 2019511507
(前記反応式1において、R1ないしR5は、化学式1で言及したことに従い、Xはハロゲンである。)
好ましくは、XはCl、F、BrまたはIであってもよく、より好ましくは、Clである。
より具体的に、前記化学式1のグリシジルエステル化合物は、
S1)反応溶媒なしに塩基触媒の存在下で化学式2のカルボン酸化合物と化学式3のエピハロヒドリンを反応させて開環反応を行う予備反応段階;
S2)得られた反応物に塩基触媒を添加し、減圧下で閉環反応を行う本反応段階;及び
S3)得られた生成物を後処理する段階を経て行う。
以下、各段階毎に詳しく説明する。
S1)予備反応段階
先ず、反応器内の塩基触媒を注入し、ここに化学式2のカルボン酸化合物と化学式3のエピハロヒドリンを添加し、開環反応によって化学式2と3の化合物が結合する予備反応を行う。
化学式2のカルボン酸化合物は、R1の定義を充たすものであれば、いずれも可能であり、好ましくは、ネオデカン酸、ネオトリデカン酸、ピバル酸などであってもよい。このような化学式2の化合物は、直接製造したり、市販のものを購入して使用可能であり、必要な場合は、使用前に精製過程を経て使用する。
化学式3のエピハロヒドリン化合物は、ハロゲン元素(X)を含む化合物であって、Xによって幾つかの化合物が可能であり、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルエピクロロヒドリンまたは任意の他の公知のエピハロヒドリンを含み、好ましくは、エピクロロヒドリンを使用する。
エピクロロヒドリンは、ClOの分子式を有し、分子量が92.53mole/gで、CAS Noが106−89−8の化合物である。前記エピクロロヒドリンは、反応性が非常に強い化合物質で、構造上エポキシドを有する有機塩素系物質であって、市販会社から購入して使用する。
本予備反応において、カルボン酸化合物とエピハロヒドリンは、1:1.2ないし1:5.0のモル比で使用する。もし、エピハロヒドリンを前記範囲未満で使用する場合は、化学式2の化合物全体が転換されないので、最終的に得られるグリシジルエステル化合物の収率が低下され、逆に前記範囲を超える場合、未反応エピハロヒドリンが増加して、これら同士が反応して副反応が起きたり、過度なエピハロヒドリンの使用による費用増加及び原価上昇を引き起こす。
この時、使用する塩基触媒は開環反応を開始する目的で使用し、LiOH、NaOH、KOHなどのアルカリ金属水酸化物、Ca(OH)、Mg(OH)などのアルカリ土類金属の水酸化物、KCO、NaCO、KHCO及びNaHCOなどのアルカリ炭酸塩であってもよく、好ましくは、KCOを使用する。
塩基触媒は、充分な触媒反応のために、化学式2のエピハロヒドリン1モルに対して0.001ないし0.01モルの範囲で使用する。もし、塩基触媒の含量が前記範囲の未満であれば、反応収率が低下されるおそれがあり、逆に前記範囲を超えると、過度な反応によって副反応が起きるおそれが生じるので、前記範囲内で適切に使用する。
この時、塩基触媒の注入手順は、反応物質の注入前・後、注入と同時になど、いずれの時点でも可能である。
好ましくは、本予備反応は下記反応式2で表されたようなメカニズムで行われる。この時、説明上の便宜のために、化学式2の化合物としてネオペンタン酸(またはピバル酸)を使用し、化学式3の化合物としてエピクロロヒドリンを使用する。
Figure 2019511507
前記反応式2によれば、塩基触媒によって化学式4のネオペンタン酸が活性化され、該化合物のOH−イオンが化学式5のエピクロロヒドリンを攻撃し、開環反応によって化学式6の塩形態の化合物を得る。
本予備反応は、80ないし100℃で0.5ないし24時間行う。このような温度は、充分な予備反応のためであって、温度及び時間が前記範囲の未満であれば、後続の閉環反応段階が充分に行われないため、化学式1の化合物の収率が低下する。これと逆に、過度な温度で長基間反応する場合、逆反応または副反応が起きるおそれがある。
S2)本反応段階
次に、前記反応器に塩基を添加し、減圧して閉環反応を行う本反応を行う。本閉環反応は、下記反応式3のメカニズムからなる。
Figure 2019511507

前記反応式3を見ると、化学式6の塩の形態の化合物は、化学式7の化合物に速く転換され、塩基触媒によって酸素イオンが−CHClのCHを攻撃し(化学式7'の転移状態)C−Oの間の閉環反応が起きて末端にエポキシ環が形成された化学式8のグリシジルエステル化合物を形成する。
この時使用する塩基触媒は、前記S1)で使用した塩基と相互同じか、または異なるものが使用されることができるし、好ましくは、NaOHを使用する。
塩基触媒は、十分な触媒反応のために、化学式7の化合物1モルに対して0.01ないし1.2モルの範囲で使用する。この時、化学式7の化合物の含量は、前段階の反応物が100%に転換されたことを前提とする。もし、塩基触媒の含量が前記範囲の未満であれば、閉環反応が十分ではないため反応収率が低下するおそれがあり、逆に前記範囲を超えると、過度な反応によって副反応が生じるおそれがあるので、前記範囲内で適切に使用する。
特に、前記閉環反応が行われる本反応は、既存工程によると、水または水/IPAの混合溶媒の存在下で行うが、本発明では、反応溶媒なしに反応を行うものの、閉環反応が円滑に行われるように減圧下で行う。
具体的に、本反応は、50ないし200Torr、好ましくは、100ないし150Torrで減圧させた後、35ないし90℃、好ましくは、40ないし80℃で0.5ないし72時間行う。この時、反応時の圧力が前記範囲より高い場合、十分な反応が行われないし、これと逆に、前記範囲よりもっと低くなると副反応が発生するおそれがある。
特に、本反応は、反応生成物として水が生成される反応であって、生成された水によって逆反応が起きることがある。ここで、逆反応を防止するために、本反応で使用される装置は、デキャンティング可能な装置を使用する。
前記閉環反応によって得られたグリシジルエステル化合物は、後続する精製工程を行い、この時、精製工程前に脱気及び追加閉環反応をもっと行う。
脱気は、本反応と後処理の間で得られた生成物内で未反応された化学式3のエピハロヒドリンを取り除くために行うし、好ましくは、10Torr以下の圧力下で110ないし150℃の温度で脱気工程を行う。
また、前記後処理の前に得られた生成物内に塩基触媒を添加して、さらに閉環反応を行う。この時、追加閉環反応に使用する塩基触媒の種類、含量、反応条件などは、前述したことに従う。
S3)後処理段階
次に、以前S2)で得られた生成物を精製する後処理を行って化学式1のグリシジルエステル化合物を収得する。
後処理工程は、未反応物質及び反応副産物を取り除くためのことで、本発明で特に限定することなく、化合物の製造工程で通常使用される工程が可能である。代表的に、後処理として脱塩、中和、水洗、濾過、精製、濃縮、結晶化、乾燥のいずれか一つの工程が可能であり、好ましくは、脱塩、水洗及び中和以後に精製工程を行う。
精製工程は、本発明で特に限定しないし、公知の多様な方法が使用されてもよい。一例として、単純蒸留、分別蒸留、共沸蒸留、真空蒸留、再結晶、抽出、昇華またはクロマトグラフィーのいずれか一つの工程で行い、好ましくは、蒸留方式を使用する。
蒸留方式を利用した精製は、一例として、前記得られた生成物を蒸留コラムに通過させ、グリシジルエステル化合物は上部連結管に移送し、同時に未反応または副反応化合物は蒸留コラムの下部連結管に移送する。
前述の方法によって、グリシジルエステル化合物の製造は、従来工程と比べて収率の面で同等以上の収率を確保することができるし、反応溶媒を使用せずに反応を行うことによって単位配置内で単位時間当たり生産されるグリシジルエステル化合物の単位生産量が大きく増加する。また、本発明による方法は、副反応物及び未反応物などの生成が非常に少なく、従来工程に比べて高い収率で化合物の製造が可能である。
前記製造されたグリシジルエステル化合物は、反応性希釈剤を始めとして、様々な化合物の原料、中間体、樹脂製造などで多様に適用可能である。
以下、本発明の好ましい実施例及び比較例を説明する。しかし、下記実施例は本発明の好ましい一実施例に過ぎず、本発明は下記実施例に限定されない。
[実施例]
実施例1:(オキシラン−2−イル)メチルピバル酸((oxiran−2−yl)methyl pivalate)の製造
下記反応式4に基づいて標題の化合物を製造した。
Figure 2019511507

(1)予備反応(添加反応)
5L反応器にネオデカン酸(NDA、Neodecanoic acid)1,000g(5.805mole)とエピクロロヒドリン(Epichlorohydrin)2,363g(25.543mole)を投入した。前記反応器内部を窒素でパージングしながら90℃で昇温した後、炭酸カリウム(KCO)12.5g(0.0904mol)を一括投入し、3時間撹拌して予備反応を行った。
(2)本反応(閉環反応)
予備反応終了後、反応器の温度を60℃に冷却した後、ファネルを利用して50wt%NaOH 511g(12.772mol)を真空度120〜140Torr、60℃に維持しながら2時間均一に滴下した。反応する2時間の間水が生成され、デカンター設備を利用して持続的に水を除去した。50wt%NaOHの滴下を終了した後、さらに1時間撹拌しながら持続的に水を除去した。
未反応エピクロロヒドリンを取り除くために、温度を130℃まで昇温して反応を行った後、10Torr以下の条件で脱気を実施し、生成物内の塩素分(Hy−Cl)を測定した。
反応器の温度を60℃に昇温した後、水17.1g、50wt%NaOH 11.4gを2時間撹拌し、さらに閉環反応を行った(参照、NaOH 1.5mol/加水分解可能な塩素モル)。
この時、反応の終結は、塩素分が0.1%以上であれば、NaOHを利用したさらなる閉環反応を実施し、0.1%未満時に行った。
(3)後処理
得られた反応物に、反応終了後、水582gを入れて60分間撹拌して相分離を誘導し、1時間の静置した後、下端の水相部を除去した。除去される水相部のpHが5〜7になるよう、前記洗浄過程を3回行った。
次いで、上層の油相部を回収して120で10Torrの真空下で脱気を行い、前記標題の化合物を製造した。
実施例2:(オキシラン−2−イル)メチル2−ヘキサン酸エチル((oxiran−2−yl)methyl2−ethylhexanoate)の製造
下記反応式5に基づいて標題の化合物を製造した。
Figure 2019511507
(1)予備反応
5L反応器に2−エチルヘキサン酸(2−EHA、2−Ethylhexanoic acid)1,100g(7.627mole)とエピクロロヒドリン(Epichlorohydrin)3104g(33.549mole)を投入した。前記反応器の内部を窒素でパージングしながら90℃に昇温した後、炭酸カリウム(KCO)13.8g(0.1059mol)を一括投入し、3時間撹拌した。
(2)本反応(閉環反応)
予備反応終了後、反応器の温度を60℃に冷却した後、ファネルを利用して50wt%NaOH 511g(12.772mol)を真空度120〜140Torr、60℃に維持しながら、2時間均一に滴下した。反応する2時間の間水が生成され、デカンター設備を利用して持続的に水を除去した。50wt%NaOHの滴下を終了した後、1時間さらに撹拌しながら持続的に水を除去した。
未反応エピクロロヒドリンを取り除くために温度を130℃まで昇温して反応を行った後、10Torr以下の条件で脱気した後、生成物内の塩素分(Hy−Cl)を測定した。
反応器の温度を60℃に昇温した後、水46.9g、50wt%NaOH 31.3gを2時間撹拌し、さらに閉環反応を行った(参照、NaOH 1.5mol/加水分解可能な塩素モル)。
この時、反応の終結は、塩素分が0.1%以上であれば、NaOHを利用したさらなる閉環反応を実施し、0.1%未満時に行った。
(3)後処理
得られた反応物に水767gを入れ、60分間撹拌して相分離を誘導し、1時間静置した後、下端の水相部を除去した。除去される水相部のpHが5〜7になるように、前記洗浄過程を3回行った。
次いで、上層の油相部を回収し、120℃で10Torrの真空下で脱気を行い、前記標題の化合物を製造した。
比較例1:反応溶媒の使用による(オキシラン−2−イル)メチルピバル酸物の製造
従来公知された方法に従って(オキシラン−2−イル)メチルピバル酸を製造した。この時、(オキシラン−2−イル)メチルピバル酸の製造は、実施例1と同様に行うものの、溶媒として水/イソプロピルアルコールを使用した。
(1)予備反応
5L反応器にネオデカン酸660g(3.831mole)、エピクロロヒドリン1418g(15.326mole)、イソプロピルアルコール(IPA、Isopropyl alcohol)1102g(18.366mole)、水550g(30.555mole)を投入した。反応器の内部を窒素パージングしながら55℃に昇温した後、50wt%NaOH 62g(1.55mole)を25分間均一に滴下した。次いで、温度を85℃まで昇温した後、30分間撹拌した。
(2)本反応(閉環反応)
反応器の温度を50℃まで冷却した後、40分間50wt%NaOH 306g(7.65mole)を40分間均一に滴下した後、40分間撹拌した。
反応終了後、相分離が発生し、下端の水相部を除去した。次いで、未反応のエピクロロヒドリン及び溶媒(特に、イソプロピルアルコール)を取り除くために、130℃で10Torrの真空下で脱気を実施し、生成物内の塩素分(Hy−Cl)を測定した。
反応器の温度を60℃に昇温した後、50wt%NaOH 10.6gを投入した後、90分間撹拌してさらなる閉環反応を行った(参照、NaOH 1.5mol/加水分解可能な塩素モル)。
この時、反応の終結は、塩素分が0.1%以上であれば、NaOHを利用したさらなる閉環反応を実施し、0.1%未満時に行った。
(3)後処理
得られた反応物に水202gを入れ、60分間撹拌して相分離を誘導し、1時間静置した後、下端の水相部を除去した。除去される水相部のpHが5〜7になるように、前記洗浄過程を3回行った。
次いで、上層の油相部を回収して、120℃で10Torrの真空下で脱気を行い、前記標題の化合物を製造した。
比較例2:反応溶媒の使用によるオキシラン−2−イル)メチル2−エチルヘキサン酸の製造
従来公知された方法に従って、オキシラン−2−イル)メチル2−エチルヘキサン酸を製造した。この時、オキシラン−2−イル)メチル2−エチルヘキサン酸の製造は、比較例1と同様に行うものの、溶媒として水/イソプロピルアルコールを使用した。
(1)予備反応
5L反応器に2−エチルヘキサン酸(2−EHA、2−Ethylhexanoic acid)660g(4.576mole)、エピクロロヒドリン(Epichlorohydrin)1693g(18.302mole)、イソプロピルアルコール(IPA、Isopropyl alcohol)1316g(21.896mole)、水658g(36.555mole)を投入した。反応器の内部を窒素パージングしながら55℃に昇温した後、50wt%NaOH 74.3g(1.858mole)を25分間均一に滴下した。次いで、温度を85℃まで昇温した後、30分間撹拌した。
(2)本反応(閉環反応)
反応器の温度を50℃まで冷却した後、40分間50wt%NaOH 366g(9.15mole)を40分間均一に滴下した後、40分間撹拌した。
反応終了後、相分離が発生し、下端の水相部を除去した。次いで、未反応のエピクロロヒドリン及び溶媒(特に、イソプロピルアルコール)を取り除くために、130℃で10Torrの真空下で脱気を実施した後、生成物内の塩素分(Hy−Cl)を測定した。
反応器の温度を60℃に昇温した後、50wt%NaOH 14.6gを投入し、90分間撹拌してさらなる閉環反応を行った(参照、NaOH1.5mol/加水分解可能な塩素モル)。
この時、反応の終結は、塩素分が0.1%以上であれば、NaOHを利用したさらなる閉環反応を実施し、0.1%未満時に行った。
(3)後処理
得られた反応物に水202gを入れ、60分間撹拌して相分離を誘導し、1時間静置した後、下端の水相部を除去した。除去される水相部のpHが5〜7になるように、前記洗浄過程を3回行った。
次いで、上層の油相部を回収し、120℃で10Torrの真空下で脱気を行い、前記標題の化合物を製造した。
実験例1:化合物の物性分析
前記実施例及び比較例で製造された中間体及びグリシジルエステル化合物を下記のような方法で分析し、その結果を下記表1に示す。
(1)エポキシ当量(EEW)
エポキシ当量を測定するために、実施例及び比較例で製造された試料の適量を共栓三角フラスコに採取し、1,4−ジオクサン10mlで加えて完全に溶解した。次いで、0.2NのHCl(Dioxane)25mlを正確に添加した後、栓をして、フラスコとの境界にジオクサン1〜2滴を滴下し、密閉した後30分間室温で反応させた。
次いで、10mLのメチルセロソルブでフラスコ及び栓を洗ってフラスコに含ませた後、クレゾールレッド指示薬を3滴滴加した後、0.1N NaOH(Methanol)溶液で適定した。この時、適定はピンクから黄色に変わって紫となった点を終点とする。これと同時に、ブラインドテスト(Blank Test)を実施した。得られた結果は、下記数式1に基づいてエポキシ当量を計算した。
[数式1]
エポキシ当量(g/eq)=10,000×W/(B−A)×F
(前記数式1において、
Bは、ブラインドテストで適定する時の0.1N NaOH(メタノール)の消費量(ml)で、
Aは、試料を適定する時の0.1N NaOH(メタノール)の消費量(ml)で、
Fは、0.1N NaOH(メタノール)のFactorで、
Wは、サンプル量(g)である。)
(2)加水分解性塩素分(Hy−Cl)
200mlの三角フラスコに、実施例及び比較例で製造したグリシジルエステル化合物試料を採取して0.1mgまで定評した。ここに1,4−ジオクサン25mlを加えて溶解した後、0.1N KOH(Methanol)溶液25mlを加え、ガラス冷却管を付着し、70℃の水槽内で30分間反応を行った。
反応器内の温度を室温に冷却した後、ガラス冷却管を5〜10mlのメタノールで洗浄し、フラスコに加えた。
次いで、三角フラスコ内の溶液を200mlのビーカーに移し、再び80%のアセトン水溶液で前記三角フラスコ内を2〜3回洗浄した後、洗浄液をビーカーに加えて全量を100mlにした。
次に、酢酸3mlを加えて0.01N AgNO水溶液で適定した。この時、2点を同時に測定し、測定値の差が0.003%以内の場合、その平均値を小数点第3位まで記録する。これと同時に、ブラインドテスト(Blank Test)を実施した。
得られた結果は、下記数式2に基づいて加水分解性塩素分を計算した。
[数式2]
加水分解性塩素分(%)={[(V−B)×0.01×35.5×F]/(1,000×W)}×100
(前記数式2において、
Vは、サンプルを適定する時の0.01N AgNO消費量(ml)で、
Bは、ブラインドテストで適定する時の0.01N AgNO消費量(ml)で、
Fは、0.01N AgNO Factorで、
Wは、サンプル量(g)である。)
(3)全塩素分(Total−Cl)
全塩素分を測定するため、イオン交換水で十分に洗浄しておいたジョイント(Joint)三角フラスコに、前記実施例及び比較例で製造したグリシジルエステル試料を採取して定評した。
次いで、前記試料を1,4−ジオクサン30mlで溶解した後、1N KOH(メチルセロソルブ)溶液5mlを正確に加えた。
次に、還流冷却管を付着して還流されれば、20分間ホットプレートで加熱した後、室温に冷却し、冷却管を5mlのメタノールで洗浄してフラスコに加えた。
次に、洗浄後200mlのビーカーに全量移して、使用したフラスコを80%アセトン水溶液で2〜3回分けて洗浄し、全量が100mlとなるようにした後、アセット酸3mlを加えて0.01N AgNO水溶液で電位差を適定した。これと同時に、ブラインドテスト(Blank Test)を実施した。
得られた結果は、下記数式3に基づいて全塩素分を計算した。
[数式3]
全塩素分(%)={[(V−B)×0.01×35.5×F]/(1,000×W)}×100
(前記数式3において、
Vは、サンプルを適定する時の0.01N AgNO消費量(ml)で、
Bは、ブラインドテストで適定する時の0.01N AgNO消費量(ml)で、
Fは、0.01N AgNO Factorで、
Wは、サンプル量(g)である。)
(4)収率
収率は、下記数式4に基づいて計算した。
[数式4]
収率(%)=P/R×100
(前記数式4において、
Pは、最終的に得られた生成物の含量(g)で、
Rは、生成物が理論的に100%生成される総含量(g)である。)
前記方法で測定された値を下記表1に整理した。
Figure 2019511507
前記表1において、加水分解性塩素分は、エピクロロヒドリン未反応物質や副反応物質が多いことを意味し、その数値が大きいということは、最終生成物内の不純物の含量が多いことを意味する。また、全塩素分は残り塩素分を意味し、反応終了後の副産物と予測される。前記全塩素分の数値が大きいということは、最終生成物内の不純物の含量が多いことを意味する。
前記表1を見ると、本発明による実施例1と比較例1のグリシジルエステル化合物の加水分解性塩素及び全塩素分を比べると、実施例1の化合物の数値がとても低かったし、このような結果から見て、本発明による方法は、副反応物及び未反応物などの生成がとても少ない効果を有することが分かる。特に、収率面で実施例1の化合物の場合、比較例1の化合物より高い収率で製造できることが分かる。
このような傾向は、実施例2と比較例2の場合でも同じ傾向を示した。
実験例2:単位生産量分析
前記実施例及び比較例で製造された化合物を下記のように分析して単位生産量を計算し、その結果を下記表2に示す。単位生産量は5L反応器で生成される化合物の量で計算し、前記比較例1の最終化合物の含量を100%と仮定した時で計算した。

Figure 2019511507
前記表2を参照すれば、同一化合物を製造するために実施例1の方法で行った場合、比較例1の方法に対して51.4%の単位生産量が増加することが分かる。
前記傾向は、実施例2と比較例2の場合でも同様に示され、比較例2に対して実施例2の化合物の単位生産量が66.7%と増加することが分かる。
このような結果は、5Lの反応器内で計算されたもので、プラント単位の大量生産工程に適用する場合、前記51.4%の数値は非常に大きい差を意味する。
本発明によるグリシジルエステル化合物の製造方法は、単位生産量が大きく向上されて大量生産工程に好ましく適用可能である。

Claims (11)

  1. 下記反応式1で表され、
    反応溶媒を使用せずに、減圧下で化学式2のカルボン酸化合物と化学式3のエピハロヒドリンを反応させ、化学式1で表されるグリシジルエステル化合物を製造する方法:
    Figure 2019511507
    (前記反応式1において、
    R1は、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C2〜C20のアルキニル基、C1〜C20のアルコキシ基、C3〜C20のシクロアルキル基、C5〜C40のヘテロアリール基、C6〜C40のアリール基、C6〜C20のアルコキシアリール基、またはC6〜C20のアリールアルキル基で、
    R2は、C1〜C20のアルキレン基、C1〜C20のアルケニレン基、C3〜C20のシクロアルキレン基、またはC6〜C40のアリーレン基で、
    R3ないしR5は、相互同一または異なるし、水素またはC1〜C20のアルキル基で、
    Xは、ハロゲンである。)
  2. 前記R1は、
    Figure 2019511507

    で表され、この時、R6ないしR8は、相互同一または異なるし、水素、またはC1ないしC20のアルキル基である、請求項1に記載のグリシジルエステル化合物の製造方法。
  3. 前記反応は、
    S1)反応溶媒を使用せずに、塩基触媒の存在下で化学式2のカルボン酸化合物と化学式3のエピハロヒドリンを反応させて開環反応を行う予備反応段階;
    S2)得られた反応物に塩基触媒を添加し、減圧下で閉環反応を行う本反応段階;及び
    S3)得られた生成物を後処理する段階を経て行う、請求項1に記載のグリシジルエステル化合物の製造方法。
  4. 前記化学式2のカルボン酸化合物と化学式3のエピハロヒドリンは、1:1.2ないし1:5.0のモル比で投入する、請求項3に記載のグリシジルエステル化合物の製造方法。
  5. 前記S1)及びS2)の塩基触媒は、LiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)、Mg(OH)、KCO、NaCO、KHCO及びNaHCOからなる群から選択された1種以上を含む、請求項3に記載のグリシジルエステル化合物の製造方法。
  6. 前記予備反応は80ないし100℃で行う、請求項3に記載のグリシジルエステル化合物の製造方法。
  7. 前記減圧は50ないし200Torrとなるように調節する、請求項3に記載のグリシジルエステル化合物の製造方法。
  8. 前記本反応は35ないし90℃で行う、請求項3に記載のグリシジルエステル化合物の製造方法。
  9. さらに前記本反応と後処理の間、10Torr以下の圧力下で110ないし150℃の温度で脱気工程を行う、請求項3に記載のグリシジルエステル化合物の製造方法。
  10. さらに前記後処理の前に得られた生成物内の塩基触媒を添加してさらなる閉環反応を行う、請求項3に記載のグリシジルエステル化合物の製造方法。
  11. 前記後処理は、脱塩、中和、水洗、濾過、精製、濃縮、結晶化、乾燥のいずれか一つ以上の工程で行う、請求項3に記載のグリシジルエステル化合物の製造方法。
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