JP2003171371A - α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジルエステルの製造方法 - Google Patents

α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジルエステルの製造方法

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JP2003171371A JP2001375388A JP2001375388A JP2003171371A JP 2003171371 A JP2003171371 A JP 2003171371A JP 2001375388 A JP2001375388 A JP 2001375388A JP 2001375388 A JP2001375388 A JP 2001375388A JP 2003171371 A JP2003171371 A JP 2003171371A
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saturated aliphatic
aliphatic carboxylic
glycidyl ester
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Michihiko Yamano
充彦 山野
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Yokkaichi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脱ハロゲン化水素反応を行う際に、過剰に用い
たエピハロヒドリンや溶媒が系内に残存するため、バッ
チ当たりの製品収量が低下し、またエピハロヒドリン由
来の副反応が多く発生するといった問題点があった。 【解決手段】α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸とエピ
ハロヒドリンとを第4級アンモニウム塩触媒の存在下開
環反応させて、α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸ハロ
ヒドリンエステルとし、次いで脱ハロゲン化水素剤を用
いて閉環反応させて、α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン
酸グリシジルエステルを製造するに際し、次の工程を含
むことを特徴とするα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸
グリシジルエステルの製造方法。 (1)上記開環反応生成物を、脱ハロゲン化水素剤と接
触させる前に、減圧蒸留して過剰に用いたエピハロヒド
リンを留去する工程; (2)上記閉環反応生成物から、第4級アンモニウム塩
触媒及び該閉環反応の副生塩を除去する工程

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−モノ分岐飽和
脂肪族カルボン酸グリシジルエステルの製造において、
原料に依存して残存するエピハロヒドリン及びエピハロ
ヒドリン由来の不純物をほとんど含まず、高純度なα−
モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジルエステルを高
収率で製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリ
シジルエステルは合成樹脂の反応性希釈剤・原料・改質
剤、紙・繊維・高分子材料の改質剤・接着剤等に用いら
れている。カルボン酸グリシジルエステルの従来の製造
方法としては、 1)カルボン酸とエピハロヒドリンを原料とする方法
で、既に特公昭37−7454号公報に開示されてい
る。 2)カルボン酸アルカリ金属塩とエピハロヒドリンとを
原料とする方法で、既に特公昭45−28762号公報
に開示されている。 3)カルボン酸とグリシドールを原料とする方法で、既
に特公昭47−38421号公報に開示されている。
【0003】1)及び2)の方法は、原料としてエピハ
ロヒドリンを使用するため、製品中にエピハロヒドリン
が残存する問題がある。3)の方法では、原料のグリシ
ドールが低温でも加水分解するために、高純度で安定し
て貯蔵することが難しく、製品の純度も著しく変動する
欠点がある。
【0004】さらに別の方法として通常の製品を(再
度)精密蒸留すれば、高純度化は一応達成せられるが、
(再)加熱による重合等で収得収率が著しく減少するば
かりか、経済的損失も大きなものとなるので、工業的ス
ケールでの製造には不向きである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記1)の方法及び
2)の方法であるエピハロヒドリンを原料とするグリシ
ジルエステルの製造方法では、未反応のエピハロヒドリ
ン又はジグリシジルエーテル等の副生物を除去するため
に蒸留を行う場合、なお製品中には数千ppmのエピハ
ロヒドリンが混入する。製品中に有機塩素化合物が混入
した場合、(イ)エピハロヒドリンの発癌性等による作
業者の健康阻害(ロ)グループトランスファー重合の触
媒毒(ハ)電子、電気分野での腐食等の問題を生じるた
めに産業上利用が制限される欠点があった。
【0006】これらの問題点を改善する方法として、特
開平07−118251号公報には、「アクリル酸また
はメタクリル酸のグリシジルエステルの製造法におい
て、原料に依存して残存するエピクロルヒドリンをほと
んど含まない高品質な(メタ)アクリル酸グリシジルの
製造法の提供」を課題として、アクリル酸またはメタク
リル酸とエピクロルヒドリンとを第4アンモニウム塩を
触媒として反応させてアクリル酸またはメタクリル酸の
モノクロルヒドリンエステルを製造し、次いで塩基性化
合物を用いて脱塩化水素反応によりアクリル酸グリシジ
ルまたはメタクリル酸グリシジルを製造する方法におい
て、(1)反応終了後に、過剰のエピクロルヒドリンを
留去したのち、シリカ−アルミナ系吸着剤処理を行う工
程と(2)蒸留工程とを行うことを特徴とするアクリル
酸グリシジルまたはメタクリル酸グリシジルの製造方法
が提案されている。
【0007】WO00/17179号では、α−分岐モ
ノカルボン酸のグリシジルエステルの製造方法として、
(a)α−分岐モノカルボン酸を水、水に可溶な溶媒、
モノカルボン酸に対して45モル%以下の触媒の存在
下、モノカルボン酸に対して2〜20モル過剰のエピハ
ロヒドリンの様なハロゲン置換モノエポキサイドとを反
応温度範囲30〜110℃、反応時間0.5〜2.5時
間で反応させる工程;(b)モノカルボン酸に対して
0.9:1〜1.2:1、好ましくは0.95:1〜
1.0:1のアルカリ金属水酸化物、またはアルカリ金
属アルカノレートを添加し、温度0〜80℃で反応させ
る工程;(c)得られた反応混合物から、過剰に用いた
ハロゲン置換モノエポキサイド、溶媒、生成する水を除
去するための蒸留工程;(d)蒸留残渣に、脱ハロゲン
化水素を完結させるために濃アルカリ金属水酸化物、ま
たはアルカリ金属アルカノレート水溶液で処理した後、
例えば水洗によって、得られたグリシジルエステルから
ハロゲン化アルカリ金属塩を除去する工程からなる方法
が公開されている。
【0008】WO01/30881号では、ハロゲン置
換モノエポキサイドによるカルボン酸のグリシジル化反
応を、少なくとも脱ハロゲン化水素反応中は、25℃に
おける比誘電率が15以上、且つ双極子モーメント2.
5D以上の非プロトン性極性有機溶媒中で、アルカリ金
属、アルカリ土類金属の炭酸塩及び/又は炭酸水素塩の
様な塩基の存在下、反応温度0〜110℃の温度範囲で
行う方法が示されている。
【0009】しかしながら、上記いずれの方法において
も、脱ハロゲン化水素反応を行う際に、過剰に用いたエ
ピハロヒドリンや溶媒が系内に残存するため、バッチ当
たりの製品収量が低下し、またエピハロヒドリン由来の
副反応が多く発生するといった問題点があった。
【0010】本発明者らは上記のような従来の技術の状
況に鑑み、α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジ
ルエステルの製造方法において、鋭意検討した結果本発
明に到達した。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記1)の改良
に関するもので、α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸と
エピハロヒドリンとを第4級アンモニウム塩触媒の存在
下開環反応させて、α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸
ハロヒドリンエステルとし、次いで脱ハロゲン化水素剤
を用いて閉環反応させて、α−モノ分岐飽和脂肪族カル
ボン酸グリシジルエステルを製造するに際し、次の工程
を含むことを特徴とするα−モノ分岐飽和脂肪族カルボ
ン酸グリシジルエステルの製造方法に関する。 (1)上記開環反応生成物を、脱ハロゲン化水素剤と接
触させる前に、減圧蒸留して過剰に用いたエピハロヒド
リンを留去する工程; (2)上記閉環反応生成物から、第4級アンモニウム塩
触媒及び該閉環反応の副生塩を除去する工程
【0012】
【発明の実施の形態】α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン
酸ハロヒドリンエステル製造工程(開環反応) 原料のα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸、エピハロヒ
ドリン及び触媒を30〜120℃、好ましくは65〜9
5℃に加熱し、開環反応させる。反応温度が30℃より
も低いと、反応が非常に遅く、反応に長時間を要する。
逆に120℃よりも高いと、触媒の第4級アンモニウム
塩が熱分解し、反応が遅くなる。また、エピハロヒドリ
ンの重合や、粗液着色を起こしやすい。
【0013】α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸 用いられるα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸は、総炭
素数が4〜30であれば特に限定されない。具体的に
は、2−メチルプロパン酸、2−エチルプロパン酸、2
−プロピルプロパン酸、2−ブチルプロパン酸、2−イ
ソブチルプロパン酸、2−ターシャリーブチルプロパン
酸、2−ヘキシルプロパン酸、2−オクチルプロパン
酸、2−メチルブタン酸、2−エチルブタン酸、2−プ
ロピルブタン酸、2−ブチルブタン酸、2−イソブチル
ブタン酸、2−ターシャリーブチルブタン酸、2−ヘキ
シルブタン酸、2−オクチルブタン酸、2−メチルペン
タン酸、2−エチルペンタン酸、2−プロピルペンタン
酸、2−ブチルペンタン酸、2−イソブチルペンタン
酸、2−ターシャリーブチルペンタン酸、2−ヘキシル
ペンタン酸、2−オクチルペンタン酸、2−メチルヘキ
サン酸、2−エチルヘキサン酸、2−プロピルヘキサン
酸、2−ブチルヘキサン酸、2−イソブチルヘキサン
酸、2−ターシャリーブチルヘキサン酸、2−ヘキシル
ヘキサン酸、2−オクチルヘキサン酸、2−メチルオク
タン酸、2−エチルオクタン酸、2−プロピルオクタン
酸、2−ブチルオクタン酸、2−イソブチルオクタン
酸、2−ターシャリーブチルオクタン酸、2−ヘキシル
オクタン酸、2−オクチルオクタン酸、2−メチルデカ
ン酸、2−エチルデカン酸、2−プロピルデカン酸、2
−ブチルデカン酸、2−イソブチルデカン酸、2−ター
シャリーブチルデカン酸、2−ヘキシルデカン酸、2−
オクチルデカン酸、2−メチルラウリン酸、2−エチル
ラウリン酸、2−プロピルラウリン酸、2−ブチルラウ
リン酸、2−イソブチルラウリン酸、2−ターシャリー
ブチルラウリン酸、2−ヘキシルラウリン酸、2−オク
チルラウリン酸、2−メチルヘキサデカン酸、2−エチ
ルヘキサデカン酸、2−プロピルヘキサデカン酸、2−
ブチルヘキサデカン酸、2−イソブチルヘキサデカン
酸、2−ターシャリーブチルヘキサデカン酸、2−ヘキ
シルヘキサデカン酸、2−オクチルヘキサデカン酸等が
挙げられる。これらの中でも、総炭素数が5〜13のα
−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸が反応性の観点から好
ましく、2−エチルヘキサン酸が最も好ましい。
【0014】エピハロヒドリン エピハロヒドリンの使用量は、α−モノ分岐飽和脂肪族
カルボン酸のカルボキシル基に対して1.1〜10.0
当量、好ましくは1.5〜5.0当量であり、さらに好
ましくは2.0〜4.0当量である。エピハロヒドリン
の使用量が1.1当量未満の場合には、反応が非常に遅
く、エピハロヒドリンとカルボン酸との仕込みモル比が
1.2以下の場合は、過剰に用いたエピハロヒドリンは
減圧蒸留により殆ど回収できず、また、ハロヒドリンエ
ステル化されないカルボキシル基が残存して、最終製品
の純度が低下し、エポキシ当量(以下WPEと略す)、
粘度が高くなる。逆に、10.0当量を超えると、反応
は速くなるが、バッチスケールが大幅に低下するほか、
エピハロヒドリン由来の不純物が多く生成し、WPE、
粘度、全塩素が高くなるため好ましくない。
【0015】エピハロヒドリンとしては、例えば、エピ
ブロモヒドリン、エピクロロヒドリン、エピヨードヒド
リン、β−メチルエピブロモヒドリン、β−メチルエピ
クロロヒドリン等から選ばれる。入手の容易さ等から、
好ましくはエピクロロヒドリンである。
【0016】触媒 触媒は、下記一般式(1)で表わされる第4級アンモニ
ウム塩を用いる。
【0017】
【化2】
【0018】[ここで、R1 、R2 、R3 は、それぞ
れ、独立した炭素数1〜18のアルキル基であり、1個
以上のヒドロキシル基を有していてもよく、R4 は、炭
素数1〜18のアルキル基、フェニル基又はベンジル基
であり、Xはハロゲン又はヒドロキシル基である。]
【0019】上記一般式(1)で表わされる第4級アン
モニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウ
ムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、
テトラブチルアンモニウムクロライド、トリメチルエチ
ルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモ
ニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、
テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルア
ンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロ
マイド、トリメチルエチルアンモニウムブロマイド、ト
リメチルベンジルアンモニウムブロマイド、セチルトリ
メチルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルア
ンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨー
ダイド、テトラエチルアンモニウムヨーダイド、テトラ
ブチルアンモニウムヨーダイド、トリメチルエチルアン
モニウムヨーダイド、トリメチルベンジルアンモニウム
ヨーダイド、セチルトリメチルアンモニウムヨーダイ
ド、トリエチルベンジルアンモニウムヨーダイド、テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアン
モニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒド
ロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、セ
チルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリ
ヒドロキシエチルアンモニウムクロライド、ジメチルジ
ヒドロキシエチルアンモニウムクロライド、トリメチル
モノヒドロキシエチルアンモニウムクロライド、メチル
トリヒドロキシエチルアンモニウムブロマイド、ジメチ
ルジヒドロキシエチルアンモニウムブロマイド、トリメ
チルモノヒドロキシエチルアンモニウムブロマイド、メ
チルトリヒドロキシエチルアンモニウムヨーダイド、ジ
メチルジヒドロキシエチルアンモニウムヨーダイド、ト
リメチルモノヒドロキシエチルアンモニウムヨーダイ
ド、メチルトリヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキ
シド、ジメチルジヒドロキシエチルアンモニウムヒドロ
キシド、トリメチルモノヒドロキシエチルアンモニウム
ヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロ
キシド等が挙げられる。好ましくは、テトラメチルアン
モニウムクロライドである。
【0020】触媒の使用量は、α−モノ分岐飽和脂肪族
カルボン酸に対して0.05〜20モル%、好ましくは
0.5〜10モル%であり、より好ましくは1〜5モル
%である。触媒の使用量が20モル%より多いと、反応
は速いが、エピハロヒドリンの重合や、最終製品が着色
する恐れがあり、また、その除去が困難となる。逆に
0.05モル%より少ないと、反応が非常に遅く、反応
に長時間を要する。
【0021】エピハロヒドリン回収工程 上記開環反応生成物を、後記閉環反応に用いる脱ハロゲ
ン化水素剤と接触させる前に、減圧蒸留して過剰に用い
たエピハロヒドリンを留去する、この回収工程が、本発
明の重要なポイントの1である。この時点で過剰に用い
たエピハロヒドリンを回収し、反応混合物中のエピハロ
ヒドリン濃度を充分に低下させることができれば、次工
程以降で発生するエピハロヒドリン由来の副反応(エポ
キシ交換反応による1,3−ジクロロ−2−プロパノー
ルの発生(脱ハロゲン化水素工程でエピハロヒドリンを
再生する)、加水分解(グリシドールの副生、グリシド
ールとエピハロヒドリンとの反応によりジグリシジルエ
ーテルが発生する)等)が抑制できる。また、1バッチ
当たりの製品収量を多くすることができる。エピハロヒ
ドリンの回収は、回収率及び回収効率、粗液着色防止
(ボトム温度が高くなればなるほど、着色の度合いは高
くなる)、エピハロヒドリンの重合防止等の観点から減
圧下で行うことが好ましい。
【0022】すなわち、本発明の好ましい態様において
は、この回収工程後のエピハロヒドリン残存量は、エピ
ハロヒドリンを留去した開環反応生成物に対して、20
重量%以下であることが好ましく、より好ましくは10
重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下であ
る。このエピハロヒドリン残存量が20重量%より多い
と、上述のように次工程以降の副反応抑制が困難とな
り、本発明の効果が十分発揮できないため好ましくな
い。
【0023】脱ハロゲン化水素工程(閉環反応) 上記回収工程により、過剰に用いたエピハロヒドリンを
留去した後、前記開環反応で生成したα−モノ分岐飽和
脂肪族カルボン酸ハロヒドリンエステル中間体を、脱ハ
ロゲン化水素剤を用いて閉環反応させて、α−モノ分岐
飽和脂肪族カルボン酸グリシジルエステルを製造する。
【0024】脱ハロゲン化水素剤 脱ハロゲン化水素剤としては強アルカリが好適であり、
例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属水酸化物であるが、他の弱アルカ
リ、例えば水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸
化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩もまた使
用することができる。特に、水酸化ナトリウムが好まし
い。これらの脱ハロゲン化水素剤は、水溶液として用い
ることが好ましいが、場合によっては粉末または固形の
脱ハロゲン化水素剤を水と同時に又は別々に加えること
もできる。好ましくは10〜50重量%水溶液で添加す
るのが良く、より好ましくは20〜50重量%水溶液で
ある。脱ハロゲン化水素剤としては前記したアルカリが
用いられるが、閉環反応に必要なアルカリの量は化学量
論的にはハロゲン原子1個に対し、すなわちカルボキシ
ル基1個に対してアルカリ金属1原子、アルカリ土類金
属1/2原子に相当する量である。実際には、水酸化ナ
トリウムのようなアルカリ金属水酸化物を用いる場合、
その使用量は、原料α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸
中のカルボキシル基に対して1〜2当量が好ましい。ま
た、水酸化バリウムのようなアルカリ土類金属水酸化物
を用いる場合、その使用量はカルボキシル基に対して
0.5〜1.5当量、好ましくは0.5〜1.0当量が
良い。さらに、アルカリ金属炭酸塩を使用する場合、そ
の使用量はカルボキシル基に対して1.2〜3当量が好
ましい。該アルカリの使用量がカルボン酸中のカルボキ
シル基に対して上記化学量論量未満の場合には、グリシ
ジルエステル化されないハロヒドリンエステル基が残存
して純度が低下し、また、2当量を超えても無駄となる
ばかりでなく、生成したグリシジルエステルに水が付加
し、グリセリルエステル化する等の副反応によって製品
の純度が低下するため好ましくない。
【0025】上記アルカリを脱ハロゲン化水素剤として
用いる閉環反応は、水を副成するので、またアルカリ水
溶液を脱ハロゲン化水素剤とする場合は特に、減圧下で
脱水しながら行うことが好ましく、絶対圧10kPa〜
40kPaの範囲で行うことが好ましい。減圧度を高め
絶対圧10kPa以下にすることは、閉環反応の進行に
伴い、反応生成物中の製品α−モノ分岐飽和脂肪族カル
ボン酸グリシジルエステル濃度が高くなった場合、製品
グリシジルエステルが水に随伴して留去される可能性が
あるので好ましくない。逆に、絶対圧40kPa以上で
は、脱水するためにボトム温度を高くする必要があり、
製品グリシジルエステルの重合、加水分解を惹起する恐
れがあるので好ましくない。この閉環反応の所要時間
は、脱ハロゲン化水素剤の種類、使用量、濃度、溶媒の
使用有無によっても異なるが、通常0.1〜10時間で
ある。
【0026】後処理工程 上記閉環反応生成物から製品グリシジルエステルを取得
するには、前記開環反応に用いた第4級アンモニウム塩
触媒及び上記閉環反応の副生塩を除去する工程が必要で
ある。この触媒及び副生塩の除去は、常法によって行う
ことができる。例えば、必要に応じて炭化水素等の非水
溶性溶媒を加えた後、水洗して触媒及び副生塩を溶出除
去した後、脱溶媒、脱水、微量に析出する塩の濾過を行
うことによって、目的のα−モノ分岐飽和脂肪族カルボ
ン酸グリシジルエステルを得ることができる。
【0027】水洗に用いる水の量は、原料α−モノ分岐
飽和脂肪族カルボン酸に対して100〜300重量%が
好ましい。100重量%よりも少ないと、触媒及び副生
塩の除去が十分できず、脱水中に製品の重合を惹起する
恐れがある。逆に300%より多いと、二層分離に要す
る時間が長くなる。また、製品の収率が低下し、廃水中
のCOD負荷が高くなる。二層分離に要する時間を短く
するには、多量の溶媒が必要となり、本発明の趣旨から
外れる。
【0028】水洗温度は20℃〜80℃であり、35〜
55℃が好ましい。20℃以下だと、触媒及び副生塩の
溶解に時間がかかる。逆に、80℃以上だと製品が加水
分解し、製品の純度が低下する。また、廃水中のCOD
負荷が高くなる。水洗時間は通常5分間〜60分間であ
る。
【0029】水洗後、同温度範囲で静置、二層分離させ
る。下層水を抜き出し、上層を加熱脱水する。脱水は製
品が重合しないようにボトム温度を調節しながら減圧下
で行うことが好ましい。脱水後、微量に析出する塩を濾
過して製品とする。
【0030】また、触媒を除去する別法として、シリカ
−アルミナを主体とした合成ケイ酸アルミニウム吸着剤
による吸着後、濾過を行うことによって目的のカルボン
酸グリシジルエステルを得ることができる。得られた製
品をさらに蒸留精製する場合には、こちらの方法を採用
することが望ましい。本操作を行う前に、予め副生塩を
濾過、遠心分離などの固液分離、水洗等の常法によって
除去しておくことが好ましい。本発明において使用され
るシリカ−アルミナ系吸着剤は、製品カルボン酸グリシ
ジルエステルを重合させずに、第4級アンモニウム塩触
媒を吸着除去できるものであればよく、具体的には、ベ
ントナイト、パーライト、カオリン、ゼオライト、活性
白土等の天然鉱物又はそれらから誘導された類似の性質
を有する他の固体酸系鉱物及び人為的に合成された前記
の天然鉱物と類似の性質を有する固体ケイ酸系物質が例
示される。
【0031】当該吸着剤の添加量は、脱ハロゲン化水素
反応後の粗α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジ
ルエステルに対して0.05〜5重量%である。添加量
が0.05重量%未満の場合、触媒の第4級アンモニウ
ム塩を十分除去することができない。逆に、5重量%を
超えて添加しても効果は変わらない。また処理温度は室
温〜100℃、好ましくは70〜90℃、時間は15〜
120分間、好ましくは60〜90分間の範囲の条件で
行うことができる。
【0032】蒸留精製工程 要求される製品の品質(純度、エピクロロヒドリン含有
量等)によっては、上記触媒及び副生塩を除去した閉環
反応生成物を蒸留して製品とすることもできる。この場
合、後処理工程(触媒の第4級アンモニウム塩の除去方
法)は、シリカ−アルミナ系吸着剤による吸着処理が好
ましい。すなわち、吸着処理後濾過により分離されたα
−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジルエステルを
蒸留して、生成された製品を取得する。蒸留は、製品の
重合防止の観点から、減圧下で行うことが好ましい。減
圧度としては、ボトム温度を製品の重合が起こらない温
度で蒸留が行えるように調節する必要がある。
【0033】
【分析方法】ガスクロマトグラフィー分析 製品の純度、ジグリシジルエーテル、エピクロロヒドリ
ン及び原料のカルボン酸の含有量はガスクロマトグラフ
ィーを用いて測定した。測定条件の一例を以下に示す。 機種;(株)島津製作所製GC−17A カラム;DB−1(膜厚0.25μm、内径0.25m
m、長さ30m) 注入温度;250℃ カラム温度;100℃(5分間保持)→250℃(5℃
/分の昇温) 各成分の含有量:表−1に示す保持時間の面積%を求め
た。
【0034】
【表1】
【0035】エポキシ当量(WPE) 「試験規格委員会技術報告I エポキシ樹脂技術協会 昭
和60年発行」第2〜4頁に記載のCTAB法に準じて
測定した。
【0036】全塩素 「試験規格委員会技術報告I エポキシ樹脂技術協会 昭
和60年発行」第28〜29頁に記載の加水分解法に準
じて測定した。
【0037】粘度 JIS Z8803(1991)に準じて測定した。
【0038】
【実施例】
【0039】以下に本発明を実施例により詳述するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下
の実施例における部、及び%は重量基準を示す。
【0040】
【実施例1】攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた1
L容ガラス製フラスコに2−エチルヘキサン酸302.
9部、エピクロロヒドリン388.7部、テトラメチル
アンモニウムクロライド2.31部を仕込み、攪拌しな
がら100℃のオイルバスで80℃まで加熱した。80
±3℃に保ちながら4.5時間熟成を行った後、徐々に
減圧にしながら、最終条件として絶対圧1067Pa、
ボトム温度80℃で24分間脱エピクロロヒドリンを行
った。脱エピクロロヒドリン工程後の系内エピクロロヒ
ドリン残存量は4.6%であった。また、回収されたエ
ピクロロヒドリンは170.5部(回収率87.7%)
であった。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液18
2.7部を1時間かけて滴下しつつ、ボトム温度80
℃、絶対圧20kPaで脱水しながら閉環反応を行った
後、5分間熟成した。留去された水の量は112.9部
(回収率85.0%)であった。この工程で、先の工程
では留去しきれなかったエピクロロヒドリン22.7部
(合計回収量193.2部、合計回収率99.4%)も
留去された。触媒のテトラメチルアンモニウムクロライ
ド及び析出した塩を除去するために、上水401.2部
を添加し、45〜40℃で10分間攪拌し塩を溶解させ
た。その後、15分間静置し、下層水538.6部を分
離除去した。残った油相を減圧度800Pa、100℃
で10分間加熱して、水を除去した。微量に析出した塩
を除去するために濾過を行い、目的とした2−エチルヘ
キサン酸グリシジルエステル410.1部が得られた
(2−エチルヘキサン酸基準の収率=97.5%、純度
=97.2%)。得られた製品のWPEは209であっ
た。分析結果を表−2に示す。
【0041】
【実施例2】攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた1
L容ガラス製フラスコに2−プロピルペンタン酸19
1.2部、エピクロロヒドリン451.0部、テトラメ
チルアンモニウムクロライド2.70部を仕込み、攪拌
しながら100℃のオイルバスで80℃まで加熱した。
80±3℃に保ちながら1.5時間熟成を行った後、徐
々に減圧にしながら、最終条件として絶対圧1067P
a、ボトム温度80℃で17分間脱エピクロロヒドリン
を行った。脱エピクロロヒドリン工程後の系内エピクロ
ロヒドリン残存量は12.9%であった。また、回収さ
れたエピクロロヒドリンは281.5部(回収率85.
7%)であった。その後、48%水酸化ナトリウム水溶
液211.0部を35分間かけて滴下しつつ、ボトム温
度81℃、絶対圧20kPaで脱水しながら閉環反応を
行った後、2分間熟成した。留去された水の量は10
7.0部(回収率80.0%)であった。この工程で、
先の工程では留去しきれなかったエピクロロヒドリン4
5.3部(合計回収量326.7部、合計回収率99.
5%)も留去された。触媒のテトラメチルアンモニウム
クロライド及び析出した塩を除去するために、上水47
1.8部を添加し、45℃で10分間攪拌し塩を溶解さ
せた。その後、15分間静置し、下層水676.5部を
分離除去した。残った油相を減圧度800Pa、100
℃で10分間加熱して、水を除去した。微量に析出した
塩を除去するために濾過を行い、目的とした2−プロピ
ルペンタン酸グリシジルエステル243.0部が得られ
た(2−プロピルペンタン酸基準の収率=81.9%、
純度=97.2%)。得られた製品のWPEは205で
あった。分析結果を表−2に示す。
【0042】
【実施例3】攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた1
L容ガラス製フラスコに2−エチルヘキサン酸289.
0部、エピクロロヒドリン372.4部、テトラメチル
アンモニウムクロライド2.23部を仕込み、攪拌しな
がら100℃のオイルバスで80℃まで加熱した。80
±3℃に保ちながら4.5時間熟成を行った後、徐々に
減圧にしながら、最終条件として絶対圧1067Pa、
ボトム温度80℃まで脱エピクロロヒドリンを行った。
脱エピクロロヒドリン工程後の系内エピクロロヒドリン
残存量は5.0%であった。また、回収されたエピクロ
ロヒドリンは161.9部(回収率87.5%)であっ
た。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液173.7
部を1時間かけて滴下しつつ、ボトム温度80℃、絶対
圧20kPaで脱水しながら閉環反応を行った後、5分
間熟成した。留去された水の量は107.2部(回収率
85.0%)であった。この工程で、先の工程では留去
しきれなかったエピクロロヒドリン22.2部(合計回
収量184.1部、合計回収率99.5%)も留去され
た。析出した塩を除去するために、水洗を行った。触媒
のテトラメチルアンモニウムクロライドを除去するため
に、KW−700SL(協和化学製)19.9部を添加
し、80℃で60分間攪拌し吸着処理を行った。その
後、濾過を行い、目的とした2−エチルヘキサン酸グリ
シジルエステル352.8部が得られた(2−エチルヘ
キサン酸基準の収率=87.9%、純度=95.3
%)。得られた製品のWPEは210であった。分析結
果を表−2に示す。
【0043】
【実施例4】さらに実施例3で得られた製品351.4
0部を500mLの蒸留フラスコに仕込み、単蒸留塔を
用いて、窒素バブリングしながら絶対圧1067Pa、
ボトム温度128℃で蒸留を行い、120℃/絶対圧1
067Paの2−エチルヘキサン酸グリシジルエステル
留分285.02部が得られた(蒸留収率82.0%、
純度99.4%)。得られた製品のWPEは200であ
った。2−エチルヘキサン酸グリシジルエステル留分の
分析結果を表−2に示す。
【0044】
【比較例1】攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた1
L容ガラス製フラスコに2−エチルヘキサン酸169.
65部、エピクロロヒドリン488.70部、テトラメ
チルアンモニウムクロライド1.30部を仕込み、攪拌
しながら100℃のオイルバスで80℃まで加熱した。
80±3℃に保ちながら3時間熟成を行った。その後、
ディーン・スターク・トラップを取り付け、130℃の
オイルバスで110℃まで加熱し、48%水酸化ナトリ
ウム水溶液212.02部を4.5時間かけて滴下し
た。滴下中、水とエピクロロヒドリンが共沸して留出す
るが、ディーン・スターク・トラップにてエピクロロヒ
ドリンのみ系内に戻し、水を留去しながら閉環反応を行
った。滴下終了後、10分間熟成した。留去された水の
量は71.08部(回収率64.47%)であった。析
出した塩を除去するために、上水244.28部を添加
し、40℃で10分間攪拌し塩を溶解させた。その後、
15分間静置し、下層水324.01部を分離除去し
た。残った油相を絶対圧1467kPa、ボトム温度1
15℃に加熱して、エピクロロヒドリン357.24部
(回収率91.31%)と水を除去した。微量に析出し
た塩を除去するために濾過を行い、目的とした2−エチ
ルヘキサン酸グリシジルエステル222.2部が得られ
た(収率94.3%、純度89.0%)。得られた製品
のWPEは234であった。分析結果を表−2に示す。
【0045】
【比較例2】攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた1
L容ガラス製フラスコに2−エチルヘキサン酸216.
9部、エピクロロヒドリン275.9部、テトラメチル
アンモニウムクロライド1.65部を仕込み、攪拌しな
がら48%水酸化ナトリウム水溶液404.89部を4
5℃で30分間かけて滴下した。100℃のオイルバス
で80℃まで加熱し、4時間グリシジルエステル化反応
を行った。80±3℃に保ちながら1時間熟成を行っ
た。45℃まで冷却し、15分間静置した。その後、下
層水436.46部を分離除去した。グリシジルエステ
ル化反応を完結させるために、残った油層へ48%水酸
化ナトリウム水溶液144.4部を45℃で30分間か
けて滴下し30分間熟成した。その後、15分間静置
し、下層水175.34部を分離除去した。残った油相
を減圧度1200Pa、ボトム温度80℃に加熱して、
エピクロロヒドリン118.65部(回収率86.0
%)と水を除去した。微量に析出した塩を除去するため
に濾過を行い、目的とした2−エチルヘキサン酸グリシ
ジルエステル276.4部が得られた(収率91.8
%、純度92.6%)。得られた製品のWPEは218
であった。分析結果を表−2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表−2から次の事がわかる。実施例1〜3
と比較例1、2とから、脱ハロゲン化水素前にエピクロ
ロヒドリンを減圧留去すると、得られた製品中のエピク
ロロヒドリンに由来するジグリシジルエーテル等の不純
物及びエピクロロヒドリン含有量が少なくなり、製品の
純度が高くなることがわかる。また、実施例1と比較例
1とから、α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸基準の製
品収率が高くなることがわかる。また、実施例4から更
に単蒸留した製品は、不純物が非常に少なく、純度が高
いものになっている。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸とエピ
    ハロヒドリンとを第4級アンモニウム塩触媒の存在下開
    環反応させて、α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸ハロ
    ヒドリンエステルとし、次いで脱ハロゲン化水素剤を用
    いて閉環反応させて、α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン
    酸グリシジルエステルを製造するに際し、次の工程を含
    むことを特徴とするα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸
    グリシジルエステルの製造方法。 (1)上記開環反応生成物を、脱ハロゲン化水素剤と接
    触させる前に、減圧蒸留して過剰に用いたエピハロヒド
    リンを留去する工程; (2)上記閉環反応生成物から、第4級アンモニウム塩
    触媒及び該閉環反応の副生塩を除去する工程
  2. 【請求項2】さらに次の工程を含むことを特徴とする請
    求項1に記載のα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリ
    シジルエステルの製造方法。 (3)上記触媒及び副生塩を除去した閉環反応生成物を
    蒸留して、精製されたα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン
    酸グリシジルエステルを取得する工程
  3. 【請求項3】エピハロヒドリンとα−モノ分岐飽和脂肪
    族カルボン酸との仕込みモル比が1.5:1〜5.0:
    1であることを特徴とする請求項1又は2に記載のα−
    モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジルエステルの製
    造方法。
  4. 【請求項4】エピハロヒドリンとα−モノ分岐飽和脂肪
    族カルボン酸との反応温度が30〜120℃であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のα−
    モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジルエステルの製
    造方法。
  5. 【請求項5】第4級アンモニウム塩触媒が下記一般式
    (1)で表わされる化合物であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸
    グリシジルエステルの製造方法。 【化1】 [ここで、R1 、R2 、R3 は、それぞれ、独立した炭
    素数1〜18のアルキル基であり、1個以上のヒドロキ
    シル基を有していてもよく、R4 は、炭素数1〜18の
    アルキル基、フェニル基又はベンジル基であり、Xはハ
    ロゲン又はヒドロキシル基である。]
  6. 【請求項6】触媒の使用量が、α−モノ分岐飽和脂肪族
    カルボン酸に対して、0.05〜20モル%であること
    を特徴とする請求項5に記載のα−モノ分岐飽和脂肪族
    カルボン酸グリシジルエステルの製造方法。
  7. 【請求項7】上記工程(1)後のエピハロヒドリン残存
    量が、エピハロヒドリンを留去した開環反応生成物に対
    して、20重量%以下であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載のα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリ
    シジルエステルの製造方法。
  8. 【請求項8】上記閉環反応を減圧下で脱水しながら行う
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のα−モノ分岐
    飽和脂肪族カルボン酸グリシジルエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】脱ハロゲン化水素剤がアルカリ金属水酸化
    物であることを特徴とする請求項8に記載のα−モノ分
    岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジルエステルの製造方
    法。
  10. 【請求項10】脱ハロゲン化水素剤の使用量が、カルボ
    ン酸中のカルボキシル基に対して1〜2当量であること
    を特徴とする請求項9に記載のα−モノ分岐飽和脂肪族
    カルボン酸グリシジルエステルの製造方法。
  11. 【請求項11】α−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸が2
    −エチルヘキサン酸であることを特徴とする請求項1〜
    10のいずれか一項に記載のα−モノ分岐飽和脂肪族カ
    ルボン酸グリシジルエステルの製造方法。
  12. 【請求項12】エピハロヒドリンがエピクロロヒドリン
    であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項
    に記載のα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジル
    エステルの製造方法。
  13. 【請求項13】触媒及び副生塩の除去方法が、水洗及び
    /又は濾過であることを特徴とする請求項1に記載のα
    −モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジルエステルの
    製造方法。
  14. 【請求項14】触媒及び副生塩の除去に用いる水の量
    が、原料のα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸に対して
    100〜300重量%であることを特徴とする請求項1
    3に記載のα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジ
    ルエステルの製造方法。
  15. 【請求項15】水洗温度が20℃〜80℃であることを
    特徴とする請求項14に記載のα−モノ分岐飽和脂肪族
    カルボン酸グリシジルエステルの製造方法。
  16. 【請求項16】水洗時間が5〜60分間であることを特
    徴とする請求項15に記載のα−モノ分岐飽和脂肪族カ
    ルボン酸グリシジルエステルの製造方法。
  17. 【請求項17】触媒の除去方法が、シリカ−アルミナ系
    吸着剤処理であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載のα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジルエス
    テルの製造方法。
  18. 【請求項18】シリカ−アルミナ系吸着剤の使用量が、
    閉環反応生成物に対して0.05〜5重量%であること
    を特徴とする請求項17に記載のα−モノ分岐飽和脂肪
    族カルボン酸グリシジルエステルの製造方法。
  19. 【請求項19】シリカ−アルミナ系吸着剤による処理温
    度が室温〜100℃であることを特徴とする請求項18
    に記載のα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジル
    エステルの製造方法。
  20. 【請求項20】シリカ−アルミナ系吸着剤による処理時
    間が15〜120分間であることを特徴とする請求項1
    9に記載のα−モノ分岐飽和脂肪族カルボン酸グリシジ
    ルエステルの製造方法。
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