JP5001831B2 - α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの製造方法に関するものである。詳しく述べると、ビニルオキシ基含有ω−グリシジルエーテルと、水および/またはジオールと、の脱ビニル化反応によるα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの製造方法に関するものである。
α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルは、医農薬、塗料、半導体用UV硬化剤等の中間体として有用であることは公知であるが、その製造方法に関しては十分な検討がなされていなかった。従来、製造方法としては、
1)α,ω−アルカンジオールとエピハロヒドリンとを硫酸、三弗化ホウ素エチルエーテル、四塩化錫等の酸性触媒の存在下に反応させて、モノハロヒドリンエーテルを製造し、次いで、このモノハロヒドリンエーテルを脱ハロゲン化水素剤と反応させて閉環せしめる2段階法、または
2)α,ω−アルカンジオールとエピハロヒドリンとをアルカリ水酸化物を使用して一挙にα,ω−アルカンジオールのモノグリシジルエーテルを得る1段階法(特公昭42−20785号公報および特開平8−99968号公報参照)が知られている。
1)の2段階法は、α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルを選択的に得るのは困難であり、より高度な重合物が生成する。すなわちα,ω−アルカンジオールとエピハロヒドリンとからα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルを製造する場合、両者の当量比が1に近いとより高度な重合物の生成反応が主となり、α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの収率はかなり低い。
2)の1段階法は、反応生成物中に、多種の副反応生成物が混在し、目的とするグリシジルエーテルの分離−精製が難しいだけでなく、収率が極めて低く、さらに、アルカリ金属水酸化物水溶液を用いると、反応容器の効率低下、廃水処理等の問題があるとして、非水系でポリアルキレングリコール誘導体を共存させるという提案(特開昭61−207381号公報)もなされている。しかし、この方法では、未反応のα,ω−アルカンジオール原料が多量に残存し、製品の純度が低く、満足のいくものではなかった。
すなわち、高純度α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルは、通常、反応後水洗等によって副生塩を除去し、加熱によりエピハロヒドリンや水等の低沸物を留去した、いわゆる粗液のままか、又は、該粗液を蒸留精製してα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの原料アルコール付加体、二量体及びα,ω−ジグリシジルエーテル等の副反応生成物が分離除去された、いわゆる精製液とした後、次の製品化反応、例えばα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルのα位のヒドロキシ基をアクリレート化する反応の原料として利用する。
この製品化反応に際して、α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテル中に、未反応原料であるα,ω−アルカンジオールや、副反応生成物であるα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの原料アルコール付加体等、分子中に2個以上のヒドロキシ基を有する化合物が存在すると、これらはジアクリレート等の分子中に2個以上のアクリレート基を有する化合物に変換され、架橋による性能劣化の原因となるという問題があった。また、上記蒸留精製に際しては、未反応原料であるα,ω−アルカンジオールが、分離性不良、回収中の環化の原因となることも問題であった。該環化は特に、1,4−ブタンジオールの場合に起き易い。
さらに、種々の副反応生成物のうち、α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの水和反応生成物であるα−ヒドロキシ−ω−(2,3−ジヒドロキシ)プロピルエーテルや、エピハロヒドリンの水和−脱ハロゲン化水素反応生成物であるグリシドールは、水溶性であって、水洗時に溶解除去されるので、粗液や精製液等の高純度α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルには混入し難いものの、原料α,ω−アルカンジオール及びエピハロヒドリンの歩留まりを低下させる問題がある。加えて、上記のグリシドールは、重合してオリゴマー、ポリマー等の副反応生成物を形成すると、水洗時に水層と油層の間に中間層を形成して、分離を困難にする問題もあった。
このような問題点を解決する方法として、α,ω−アルカンジオールとエピハロヒドリンとを、アルカリ金属水酸化物の存在下に脱ハロゲン化水素反応させて、一段階でα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルを製造するに際し、α,ω−アルカンジオールを1〜10倍モルのエピハロヒドリンに溶解した溶液に、該溶液中のα,ω−アルカンジオール1モルに対し0.9〜1.5モルのアルカリ金属水酸化物水溶液を徐々に供給し、温度25〜90℃、圧力3〜40kPa(絶対圧)の反応系から水とエピハロヒドリンとの共沸混合物を留出させ、凝縮分離したエピハロヒドリンを反応系に循環し、上記アルカリ金属水酸化物の供給及び/又は蒸留条件を調節して反応系の系内水分を2.0質量%以下に維持することを特徴とする高純度α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの製造方法が知られている(特開2004−43389号公報参照)。
しかしながら、このような方法を、α,ω−アルカンジオールとして1,4−ブタンジオールを用いて本発明者らが追試したところ、得られた結果物の組成はモノグリシジルエーテル75モル%、ジグリシジルエーテル18モル%および未反応1,4−ブタンジオール3%であり、ジグリシジルエーテルの相当量の副生は避けられなかった。さらにこの混合物を、5段のオルダーショー型蒸留塔を用いてモノグリシジルエーテルの蒸留精製を行ったが、純度98%のモノグリシジルエーテルの蒸留収率は50%であり(比較例参照)、ジグリシジル体の相当量(10%以上)の副生は避けられないこと、および蒸留での精製負荷が大きいという問題点があった。
本発明は、α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの新規な製造方法を提供することを目的とする。
さらに詳述すると、本発明の目的は、従来よりも、蒸留での分離に大きな負荷を要する副生物の生成量を抑制でき、高純度のモノグリシジルエーテルを高収率で得るα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの製造方法を提供することである。
上記目的は、ビニルオキシ基含有ω−グリシジルエーテルを酸触媒の存在下に水および/またはジオールと反応させて脱ビニル化することを特徴とするα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの製造方法により達成される。
本発明のさらに他の目的、特徴および特質は、以後の説明および添付図面に例示される好ましい実施の形態を参酌することによって、明らかになるであろう。
4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルのH−NMR測定結果を示す図である。 4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルの13C−NMR測定結果を示す図である。 4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルのFT−IR測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
さらに、本出願は、2005年3月3日に出願された日本国特許出願第2005−059672号に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
本発明の第1はα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの製造方法であり、本発明によるα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの製造方法は、ビニルオキシ基含有ω−グリシジルエーテルを酸触媒の存在下に水および/またはジオールと反応させて脱ビニル化することにより行なわれる。より好ましくは、水を単独で用いるか、または、水とジオールとを併用する。
使用する酸触媒としては、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸水素ナトリウム、リン酸、硫酸イオン交換体、および酸イオン交換体等からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく挙げられる。
該酸イオン交換体としてはスルホン酸イオン交換体が好ましく、具体例として、ローム アンド ハース社製のアンバーライト(登録商標)シリーズ、または同社製のアンバーリスト(登録商標)シリーズが好ましく挙げられる。
脱ビニル化反応に水を用いる場合、ビニルオキシ基を有するω−グリシジルエーテル1モルに対して1〜10モル用いることが好ましく、より好ましく1〜3モル用いる。
脱ビニル化反応においてジオールを用いる場合、用いられるジオールとしては特に限定されないが、1,2−ジオール、または1,3−ジオールが好ましい。反応生成物にもよるが、これらのジオールは反応生成物よりも低温で沸騰するため好ましい。1,2−ジオール、または1,3−ジオールとしては、アルカンジオールが好ましく、より好ましくはC〜C−ジオールである。1,2−ジオールとして具体的には、1,2−プロピレングリコールまたはエチレングリコールが好ましく、より好ましくはエチレングリコールである。
ジオールは、ビニルオキシ基を有するω−グリシジルエーテル1モルに対して、1〜1.3モル用いることが好ましく、より好ましくは1〜1.1モル用いる。
脱ビニル化反応に水とジオールとを併用する場合、ビニルオキシ基を有するω−グリシジルエーテル1モルに対して、ジオールを1〜1.3モル用いることが好ましく、より好ましくは1〜1.1モル用いる。水とジオールとの混合比は、質量比で、水:ジオール=1:0.5〜1:5となるように用いることが好ましく、より好ましくは1:2〜1:4である。
該脱ビニル化反応において、触媒量は使用する水および/またはジオールの量を基準として500〜5,000ppmであることが好ましい。水とジオールとを併用する場合には、これらの合計量を基準とする。
該脱ビニル化反応の反応温度は、10〜50℃が好ましく、特に20〜40℃が好ましい。従来技術として上述した1)の2段階法は、α,ω−アルカンジオール過剰で行うため、その回収工程が必要になる。特に、α,ω−アルカンジオールが1,4−ブタンジオールの場合、その回収は通常、残渣の熱履歴を避けるために減圧下で行うが、1,4−ブタンジオールは回収工程時に酸触媒により分子内脱水し、テトラヒドロフラン(以下THFと称する)を副生する。THFが副生すると、その蒸気圧により減圧度が低下し、残渣が熱履歴を受けるため、製品の純度低下につながっていた。しかしながら、本願発明は10〜50℃といった、低温で脱ビニル化を行なうこともでき、この場合、特に生成したモノグリシジル体の熱履歴による劣化および二量体の副生を抑制することができるため好ましい。例えば、冷却することおよび/またはビニルオキシ基含有ω−グリシジルエーテルの供給速度をコントロールすることにより、この温度範囲に保持することができる。反応時間は1〜10時間が好ましく、特に1〜5時間が好ましい。
この反応を、従来の冷却可能で、かつ加熱可能な、有利には蒸留装置およびコンデンサーを備えていてもよい撹拌反応器中で実施することが好ましい。この反応は連続的にまたは回分式で実施することができる。反応は好ましくは減圧下で実施される。減圧条件としては圧力を0.1〜10kPaとすることが好ましい。
水および/またはジオールと、酸触媒とを反応装置中に装入し、かつビニルオキシ基含有ω−グリシジエーテルを反応条件下にゆっくりと添加する。フーベンバイル(Houben−Wevl, Method en der Organischen Chemie, [Methods in organic chemistry] VI/3,1965,p,329−330)により開示されたように、ビニルエーテルの1,2−ジオールでのアルコーリシスは、2−メチル−1,3−ジオキソランに相当する環式アセタールを生じ、これは蒸留により容易に単離することができる。この蒸留は、例えば、減圧下に、またはエアーストリッピングすることにより実施することができる。
反応の終了後に、触媒に対して、少量の水と共にまたは水なしで、塩基を添加して中和し、触媒を分離除去することができる。該塩基としては、例えばアルカリ金属酸化物または水酸化物、炭酸水素塩または炭酸塩またはアルカリ土類金属酸化物または水酸化物、炭酸水素塩または炭酸塩が好ましく挙げられる。また、塩基性イオン交換体や、酸化マグネシウムや、ハイドロタルサイト系の酸吸着材を使用して触媒を分離除去することもできる。なお存在する過剰のジオールを、同時に一緒に抽出することが好ましい。本発明によれば、目的物であるα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルを高収集率で得ることができ、反応条件を適宜調整することにより、収集率を95%以上とすることも可能である。減圧下での蒸留による付加的な精製を実施する場合には、従来公知の方法で実施することができる。当該脱ビニル化反応も同様に行なうことができる。すなわち、反応中に形成されたアセタールを連続的に留去することで脱ビニル化反応を進行させることができる。
本発明で使用されるビニルオキシ基を有するω−グリシジルエーテルは、化学式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005001831
ただし、式中、Rは炭素原子数2〜12、好ましくは3〜8の直鎖もしくは分岐鎖、好ましくは直鎖のアルキレン基、またはシクロヘキシレン基を表わし、該シクロヘキシレン基とエーテル結合との間には、炭素原子数1以上のアルキレン基が介在していてもよく、好ましくはそれぞれの間にメチレン基が介在する。

炭素原子数2〜12のアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基、ジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジメチルエチレン基、ジエチルエチレン基、ジメチルトリメチレン基、ジエチルトリメチレン基、ジメチルテトラメチレン基、または、ジエチルテトラメチレン基などが好ましく挙げられる。
ビニルオキシ基を有するω−グリシジルエーテルとしては、例えば、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテル、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル、6−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル、5−ビニルオキシ−3−メチルペンタノールグリシジルエーテル等がある。
このようにして、脱ビニル化反応後は、化学式(3)で表わされるα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルが得られることが好ましい。
Figure 0005001831
ただし、式中、Rは炭素原子数2〜12、好ましくは3〜8の直鎖もしくは分岐鎖、好ましくは直鎖のアルキレン基またはシクロヘキシレン基を表わし、該シクロヘキシレン基とエーテル結合との間には、炭素原子数1以上のアルキレン基が介在していてもよく、好ましくはそれぞれの間にメチレン基が介在する。アルキレン基、またはシクロアルキレン基については、化学式(1)の項に記載したとおりである。
上述の脱ビニル化工程を経た反応液を蒸留してもよく、蒸留することにより高純度のα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルが得られる。この場合の精製蒸留は、α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの二量化(重合)防止の観点から、減圧下で行うことが好ましい。減圧度としては、ボトム温度をα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの二量化(重合)が起こらない温度で蒸留が行えるように調節することが好ましい。
本発明の第1の製造方法における出発原料であるビニルオキシ基含有ω−グリシジルエーテルの製造方法は特に限定されないが、以下の方法により製造されることが好ましい。
本発明の第1の方法において、出発原料として使用されるビニルオキシ基含有ω−グリシジルエーテルは、ビニルオキシ基含有アルコールとエピハロヒドリンとの反応により得られうる。該ビニルオキシ基含有アルコールは、化学式(2)で表わされる化合物であることが好ましい。
Figure 0005001831
ただし、式中、Rは炭素原子数2〜12、好ましくは3〜8の直鎖または分岐鎖アルキル基またはシクロヘキシレン基を表わし、該シクロヘキシレン基とエーテル結合との間には、炭素原子数1以上のアルキレン基が介在していてもよく、好ましくはそれぞれの間にメチレン基が介在する。
また、ビニルオキシ基含有アルコールは、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノール、4−ビニルオキシブタノール、6−ビニルオキシヘキサノール、および5−ビニルオキシ−3−メチルペンタノールよりなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
該エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリン、またはβ−メチルエピヨードヒドリンが好ましく、より好ましくはエピクロルヒドリンである。
なお、α,ω−アルカンジオールの一方のヒドロキシ基を保護した該ビニルオキシ基含有アルコールをグリシジル化の出発原料として使用することによって、α,ω−アルカンジオールを出発原料とする場合のα,ωージグリシジルエーテル等のジオール由来の化合物の副生を避けることができる。しかも、ビニル基は、グリシジル化反応後、容易に低温で脱離することができ、目的生成物であるα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテル(化学式(3))の熱履歴による二量化を防ぐことができる。
該ビニルオキシ基含有アルコールとエピハロヒドリンとの反応は、脱ハロゲン化水素剤の存在下に一段階で脱ハロゲン化水素反応により行なわれることが好ましい。該反応は、例えばエピハロヒドリン中にビニルオキシ基含有アルコールを溶解させ、生成する水をエピハロヒドリンとの共沸により系外に留出させて行なうことができる。
エピハロヒドリンの使用量は、ビニルオキシ基含有アルコールに対して理論的には等モルであるが、脱水剤として水を共沸させるために使用する量も必要となるので、ビニルオキシ基含有アルコール1モルに対して1モル以上を使用することが好ましい。具体的には、ビニルオキシ基含有アルコール1モルに対してエピハロヒドリンを1〜10モル使用することが好ましく、より好ましくは、1〜3モルの範囲で使用する。1モル以上であると反応の進行に優れ、10モル以下であると添加量に見合った収率を得ることができるため好ましい。
脱ハロゲン化水素剤としては、アルカリが好ましく、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、もしくは水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、もしくは水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;または、炭酸ナトリウム、もしくは炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩などが好ましく、より好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物であり、さらに好ましくは水酸化ナトリウムである。
アルカリ金属水酸化物は、水溶液として用いてもよいし、粉末状若しくは塊状の固形の脱ハロゲン化水素剤を、水と同時に又は別々に加えてもよい。水溶液として用いる場合には、好ましくは10〜50質量%水溶液で添加するのが良く、より好ましくは20〜50質量%水溶液である。固体アルカリ金属水酸化物を使用する場合には、RNX等の相間移動触媒を併用することが好ましい。RNXで示される相間移動触媒としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、またはベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどが好ましく挙げられる。
脱ハロゲン化水素剤として、アルカリ金属水酸化物の使用量はビニルオキシ基含有アルコール1モルに対して0.9〜1.5モルの範囲であることが好ましく、1.0〜1.2モルがより好ましい。該使用量がビニルオキシ基含有アルコール1モルに対して0.9モル以上であると、グリシジルエーテル化されないハロヒドリンエーテル基が残存しにくく、純度の低下を抑制できるため好ましい。また、1.5モル以下であると、添加量に見合った効果を得られるため好ましく、さらに、グリシジルエーテルに水が付加し、グリセリルエーテル化するなどの副反応による純度の低下を抑制できるため好ましい。
該脱ハロゲン化水素反応は、30〜90℃で行うことが好ましく、より好ましくは40〜80℃で行われる。また、該脱ハロゲン化水素反応は、生成するハロゲン化水素を除去しながら行なわれる。
上記脱ハロゲン化水素反応終了後、反応生成物からのα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテルの単離は、常法によって行うことができる。例えば、必要に応じて炭化水素等の非水溶性溶媒を加えた後、水洗して副生塩を溶出除去した後、脱溶媒、脱水、微量に析出する塩の濾過を行うことによって目的のα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテルを得ることができる。また、副生塩を除去する別法としては、濾過、遠心分離等の固液分離操作を行うことにより、目的のα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテルを得ることもできる。
水洗に用いる水の量は、副生塩を溶出するのに十分な量が選択されるが、便宜的な使用量の基準は、原料ビニルオキシ基含有アルコールの量に対して1.5〜5質量倍である。1.5質量倍以上であると、副生塩の除去に優れ二層分離に要する時間を短縮でき、5質量倍以下であると水洗の時間を短くできたり、目的物の収率が低下することを抑制できたり、廃液中のCOD負荷の上昇を抑制できたりするため好ましい。
水洗温度は20℃〜80℃が好ましく、30〜55℃がより好ましい。20℃以上であると、副生塩の溶解を速やかに行うことができ、80℃以下であるとエポキシ環が水により一部開環し、α−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテルの収率および純度が低下することを抑制し易いため好ましい。水洗時間は5分間〜60分間が好ましい。
以下、水洗後の好ましい手順を記載するが、本願発明は以下の手順に限定されない。水洗後、同温度範囲で静置、成層分離させる。分離後、水層を抜き出す。必要に応じて水洗を繰返すことによりエポキシ開環体等の親水性副産物を水層に除去することができる。油層を加熱脱水することもできる。脱水はα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテルが重合しないようにボトム温度を調節しながら減圧下で行うことが好ましい。脱水後、微量に析出する塩を濾過して、高純度のα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテルの粗液を得る。このα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテルを含む粗液は、蒸留精製することなく、次の脱ビニル化(ビニルエーテル開裂)の原料として供することができる。当該粗液は副反応生成物である高分子量のエポキシ開環体化合物を若干量含有するが、アクリレート化用の中間体として利用する場合は、そのままアクリレート化反応を行うことができる。該アクリレート化反応後、蒸留精製を行い、不純物を除去すれば、架橋による性能劣化の問題のない、α−アクリロキシ−ω−グリシジルエーテルを取得することができる。
用途によっては、より高純度のα−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテルを含む精製液を必要とする場合がある。その場合でも、上記の副反応生成物は、α−ビニルオキシ−ω−グリシジルエーテルと比較的良好に蒸留分離することができる。
この場合の精製蒸留は、α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの二量化(重合)防止の観点から、減圧下で行うことが好ましい。減圧度としては、ボトム温度をα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの二量化(重合)が起こらない温度で蒸留が行えるように調節する必要がある。
本発明の第2は、下記化学式(4)で示される、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルである。
Figure 0005001831
4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルは上述の、α−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルを製造する際の出発原料として用いることができる。
また、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルは上述の用途の他にも塗料、コーティング用樹脂、接着剤、または医農薬などを生産する際に用いることもできる。
4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルの製造方法は特に限定されないが、本発明の第1に記載した方法を利用して、製造することが好ましい。
例えば、反応器に、下記化学式(5)に示す4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールと、エピハロヒドリンとを仕込み、脱ハロゲン化水素剤の存在下に一段階で脱ハロゲン化水素反応させることが好ましい。
Figure 0005001831
該エピハロヒドリンおよび該脱ハロゲン化水素剤に関しては、上述の本発明の第1の項に記載したとおりである。
該脱ハロゲン化水素反応は90℃を超えないように行うことが好ましく、より好ましくは35〜80℃で行う。また、反応中に攪拌を行うことが好ましい。反応時間は3〜10時間が好ましい。
以下、本発明を実施例により詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例における%は、特にことわらない限り質量基準で表わす。
実施例1
[グリシジル化工程]
凝縮器および水分分離器を備えた300mlの攪拌式ガラス製反応器に、4−ビニルオキシブタノール58.1(0.5mol)g、エピクロルヒドリン92.5g、粒状水酸化ナトリウム20gおよびテトラメチルアンモニウムクロライド1.2gを仕込み、激しく攪拌しながら、反応温度60〜70℃、10〜15kPaの減圧下で、生成する水をエピクルヒドリンと共沸させ、その蒸気を凝縮し、分離器にてエピクロルヒドリンは系内に循環し、水のみ系外へ除去しながら、1.5時間反応を行なった。留去した水の量は9gで、ほぼ理論量であった。
30℃まで冷却後、反応混合物を濾過し、沈殿物を除き、沈殿物をエピクロルヒドリン50gで洗浄し、濾液と合わせた。この濾過液を減圧下で蒸留し、エピクロルヒドリンを留去し、回収した。
残留オイルを25℃まで冷却後、沈殿物を濾過により除去し、油性生成物を分析したところ、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテルの含有量は79.2gで、収率は92モル%であった。
[ビニルエーテル開裂工程]
蒸留装置を備えた300mlの攪拌式ガラス製反応器に、エチレングリコール31.0g、p−トルエンスルホン酸30mgを仕込み、上記4−ビニルオキシグリシジルエーテル(含有量79.2g)を、滴下した。
反応器内の圧力を10kPaに、反応混合物の温度が35℃を超えないように、滴下をコントロールした。反応進行につれ、生成するアセタールを連続的に留去した。2時間反応後、酸化マグネシウム5mgを添加し、中和し、反応混合物を濾過し、沈殿物を除去した。濾液を高真空下で蒸留し、1,4−ブタンジオールモノグリシジルエーテル56.8gを得た(塔頂105−110℃/0.1kPa:純度98%:収率93モル%)。
実施例2
[グリシジル化工程]
凝縮器および水分分離器を備えた300mlの攪拌式ガラス製反応器に、4−ビニルオキシブタノール58.1g(0.5mol)およびエピクロルヒドリン101gを仕込み、攪拌しながら反応系内の圧力を15kPaにし、温度を65〜70℃に、調整できるように48%水酸化ナトリウム水溶液を43gを滴下した。滴下に1時間を要した。その間、生成した水をエピクロルヒドリンと共沸させ、その蒸気を凝縮し、分離器にてエピクロルヒドリンは系内に循環し、水のみ系外へ除去した。滴下終了後、共沸脱水を1時間継続した。留去した水の量は31gでほぼ理論量であった。40℃まで冷却後、水100gを添加し、析出した塩を溶解した。静置、分液し、水層を除去後、油層を減圧下加熱して、未反応エピクロルヒドリンと水を留去した。
残留オイルを常温まで冷却後、沈殿物を濾過により除去し、油性生成物を分析したところ、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテルの含有量は78.3gで、収率は91モル%であった。
[ビニルエーテル開裂工程]
上記4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル(含有量78.3g)を用いた以外は実施例1と同様にして、ビニルエーテル開裂反応を行い、1,4−ブタンジオールモノグリシジルエーテル56.2gを得た(塔頂105−110℃/1mmHg:純度98%:収率93モル%)。
実施例3
[グリシジル化工程]
6−ビニルオキシヘキサノール72.1g(0.5mol)を用いた以外は、実施例2と同様にしてグリシジル化を行い、6−ビニルオキシヘキサノールグリシジルエーテルの粗製物(含有量90.1g:収率90モル%)を得た。
[ビニルエーテル開裂工程]
上記6−ビニルオキシヘキサノールグリシジルエーテル(含有量90.1g)を用いた以外は実施例1と同様にして、ビニルエーテル開裂反応を行い、1,6−ヘキサンジオールモノグリシジルエーテル66.8gを得た(塔頂115−120℃/0.1kPa:純度98%:収率92モル%)。
実施例4
[グリシジル化工程]
攪拌時の、反応温度を75〜80℃としたこと、および減圧条件を20〜25kPaとしたこと以外は、実施例1と同様にして、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル79gを含有する油性生成物88gを得た。これを高真空下で蒸留し、純度99%以上の4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル76.5gを得た。収率は89モル%であった(塔頂75−80℃/0.1kPa、純度:99.5%、収率:89モル%)。
[ビニルエーテル開裂工程]
蒸留装置を備えた200mlの攪拌式ガラス製反応器に、エチレングリコール28.5g、0.3wt%硫酸水溶液24.1gを仕込み、上記4−ビニルオキシグリシジルエーテル(含有量76.5g)を、滴下した。水とジオールとの質量比は1:1.19であった。
反応器内の圧力を10kPaに、反応混合物の温度が30℃を超えないように、滴下をコントロールした。反応進行につれ、生成するアセタールおよびアルデヒドを連続的に留去した。2時間反応させた後、酸化マグネシウム50mgを添加し、中和し、反応混合物を濾過し、沈殿物を除去した。
濾液を濃縮して未反応のエチレングリコールおよび水を除去した後、濾液を高真空下で蒸留し、1,4−ブタンジオールモノグリシジルエーテル56.8gを得た(塔頂90−95℃/0.1kPa:純度99.5%:収率84モル%)。
実施例5
[グリシジル化工程]
攪拌時の、反応温度を75〜80℃としたこと、および減圧条件を20〜25kPaとしたこと以外は、実施例1と同様にして、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル76.5gを得た。収率は89モル%であった。
[ビニルエーテル開裂工程]
凝縮器および蒸留装置を備えた200mlの攪拌式ガラス製反応器に、0.5%硫酸水溶液16gと、上記4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル(含有量76.5g)を仕込み、激しく攪拌した。
反応器内の圧力を10kPaに、反応混合物の温度が30℃を超えないように、コントロールした。蒸発する水は凝縮器で反応器に戻した。反応進行につれ、生成するアルデヒドを連続的に留去した。3時間反応させた後、20wt%炭酸ナトリウム水溶液450mgを添加し、中和し、エバポレーターで水を留去させた後、析出した塩を濾過して除去した。
濾液を高真空下で蒸留し、1,4−ブタンジオールモノグリシジルエーテル48.7gを得た(塔頂90−95℃/0.1kPa:純度99.5%:収率75モル%)。
実施例6
[グリシジル化工程]
凝縮器および水分分離器を備えた300mlの攪拌式ガラス製反応器に、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノール102.2g(0.6mol)、エピクロルヒドリン100g、粒状水酸化ナトリウム37.5gおよびベンジルトリメチルアンモニウムクロライド0.1gを仕込み、温度を40℃に保ちながら反応器を冷却しながら激しく攪拌させて10時間反応を行った。
次に、シクロヘキサン100gを添加し、反応混合物を濾過して沈殿物を除去し、濾液中に残存するアルカリ成分を水洗を繰り返して除去して油性生成物を得た。
油性生成物からシクロヘキサンと未反応のエピクロルヒドリンを回収した後、高真空下で蒸留し、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテル112.7gを得た(塔頂140−145℃/0.4kPa、収率83モル%、純度99%)。
得られた4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルのH−NMR測定結果を図1に示し、C13−NMRの測定結果を図2に示し、FT−IRスペクトルを図3に示す。
[ビニルエーテル開裂工程]
蒸留装置を備えた200mlの攪拌式ガラス製反応器に、0.5%硫酸水溶液を仕込み、上記4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテル(含有量112.7g)を、滴下した。
反応器内の圧力を10kPaに、反応混合物の温度が30℃を超えないように、滴下をコントロールした。反応進行につれ、生成するアルデヒドを連続的に留去した。滴下終了後、2時間反応させ、その後に、酸化マグネシウム50mgを添加し、中和し、反応混合物を濾過し、沈殿物を除去した。
濾液を濃縮して水分を除去した後、高真空下で蒸留し、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテル72.8gを得た(塔頂135−140℃/0.1kPa:純度99.5%:収率73モル%)。
比較例
[1,4−ブタンジオールのモノグリシジル化]
凝縮器および水分分離器を備えた500mlの攪拌式ガラス製反応器に、1,4−ブタンジオール44.1g(0.5mol)およびエピクロルヒドリン185g(2mol)を仕込み、攪拌しながら反応系内の圧力を15kPaにし、温度を65〜70℃に調整できるように48%水酸化ナトリウム水溶液を45.8g(0.55mol)を3時間かけて滴下した。その間、生成した水をエピクロルヒドリンと共沸させ、その蒸気を凝縮し、分離器にてエピクロルヒドリンは系内に循環し、水のみ系外へ除去した。滴下終了後、共沸脱水を0.5時間継続した。留去した水の量は32gであった。40℃まで冷却後、水100gを添加し、析出した塩を溶解した。静置、分液し、水層を除去後、油層を減圧下加熱して、未反応エピクロルヒドリンと水を留去した。
残留オイルを常温まで冷却後、沈殿物を濾過により除去し、油性生成物68.4gを得た。
この油性物を分析したところ、1,4−ブタンジオールモノグリシジルエーテルの収率は75モル%、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルの収率は18モル%であり、未反応1,4−ブタンジオールは3%であった。この油性生成物を60gを、5段のオルダーショー型蒸留塔を用いて、モノグリシジルエーテルの精製を行った。圧力0.1kPa、塔頂温度105−110℃の1,4−ブタンジオールモノグリシジルエーテルの留分25.0gを得た(純度98%、収率50%)。

Claims (12)

  1. 下記化学式(1):
    Figure 0005001831
    (ただし、式中、Rは炭素原子数2〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキレン基、またはシクロヘキシレン基を表わし、該シクロヘキシレン基とエーテル結合との間には、炭素原子数1以上のアルキレン基が介在していてもよい):
    で表わされるビニルオキシ基含有ω−グリシジルエーテルを、
    酸触媒の存在下に、
    水および/またはジオールと反応させて、脱ビニル化することを特徴とする下記化学式(3):
    Figure 0005001831
    (ただし、式中、Rは炭素原子数2〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキレン基、またはシクロヘキシレン基を表わし、該シクロヘキシレン基とエーテル結合との間には、炭素原子数1以上のアルキレン基が介在していてもよい):
    で表わされるα−ヒドロキシ−ω−グリシジルエーテルの製造方法。
  2. 該脱ビニル化反応は、10〜50℃の温度で行なわれる請求項1に記載の方法。
  3. 該酸触媒は、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸水素ナトリウム、リン酸、硫酸イオン交換体、および酸イオン交換体よりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1または2に記載の方法。
  4. 該ジオールを使用する場合、
    該ジオールが炭素数2〜5のジオールである請求項1〜のいずれか一つに記載の方法。
  5. 該ジオールが1,2−ジオールまたは1,3−ジオールである請求項に記載の方法。
  6. 該1,2−ジオールを使用する場合、
    該1,2−ジオールがエチレングリコールまたは1,2−プロピレングリコールである請求項に記載の方法。
  7. 該ビニルオキシ基含有ω−グリシジルエーテルが化学式(2)で表わされるビニルオキシ基含有アルコールとエピハロヒドリンとの反応により得られるものである請求項1〜のいずれか一つに記載の方法
    Figure 0005001831
    (ただし、式中、Rは炭素原子数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキレン基またはシクロヘキシレン基を表わし、該シクロヘキシレン基とエーテル結合との間には、炭素原子数1以上のアルキレン基が介在していてもよい)。
  8. 該ビニルオキシ基含有アルコールとエピハロヒドリンとの反応は、アルカリ金属水酸化物の存在下に一段階で脱ハロゲン化水素反応により行なわれる請求項に記載の方法。
  9. 該ビニルオキシ基含有アルコールが、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノール、4−ビニルオキシブタノール、6−ビニルオキシヘキサノール、および5−ビニルオキシ−3−メチルペンタノールよりなる群から選ばれた少なくとも1種のものである請求項またはに記載の方法。
  10. 下記化学式(4)で示される4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテル。
    Figure 0005001831
  11. 化学式(5)で表わされる4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールと、
    エピハロヒドリンと、
    を反応させる請求項10に記載の4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルの製造方法。
    Figure 0005001831
  12. 該ビニルオキシ基含有ω−グリシジルエーテルとして、
    請求項10に記載の4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテル、または
    請求項11に記載の方法により製造された、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテルを用いることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の方法。
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