JP2019500007A5 - - Google Patents
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本発明によれば、CH1ドメインおよびCLドメイン中の特定のアミノ酸位置に反対の電荷を持つ荷電アミノ酸の置換を導入することによって、例えばベンス・ジョーンズ型生成物のような望ましくない副生成物と比較した所望の多重特異性抗体の比を改善することができる。さらにまた、本発明の抗体における凝集挙動が改善されて凝集体の分率が低くなり、それによって所望の抗体分子の総収量が改善される。
[本発明1001]
a)第1の抗原に特異的に結合する2つのFabフラグメントを含む完全長抗体によって形成される、1つのコア抗体、および
b)どちらもコア抗体の重鎖のC末端またはN末端のどちらか一方に融合されている、2つの追加Fabフラグメント
を含む、四価多重特異性抗体であって、
該追加Fabフラグメントは第2の抗原に特異的に結合し、
i)・第1の抗原に特異的に結合するFabフラグメント、または
・第2の抗原に特異的に結合するFabフラグメント
のどちらか一方はドメイン交差を含んでいて、可変重鎖ドメイン(VH)と可変軽鎖ドメイン(VL)とが互いに入れ替わっており、
ii)・第1の抗原に特異的に結合するFabフラグメント、または
・第2の抗原に特異的に結合するFabフラグメント
のどちらか一方は、定常軽鎖ドメイン(CL)および定常重鎖ドメイン1(CH1)中にアミノ酸置換を含み、該アミノ酸置換は、
・CLドメイン中の124番目のアミノ酸がK、RまたはHで置換されており(ナンバリングはKabatに従う)、かつ
・CH1ドメイン中の147番目または213番目のアミノ酸がEまたはDで置換されている(ナンバリングはKabat EUインデックスに従う)ものである、
四価多重特異性抗体。
[本発明1002]
a)それぞれ第1の抗原および第2の抗原に特異的に結合する2つのFabフラグメントを含む完全長抗体によって形成される、1つのコア抗体、および
b)どちらもコア抗体の重鎖のC末端またはN末端のどちらか一方に融合されている、2つの追加Fabフラグメント
を含む、四価多重特異性抗体であって、
重鎖に融合されている追加Fabフラグメントは、該重鎖上に配置されたコア抗体のFabフラグメントと同じ抗原結合特異性を呈し、
i)・第1の抗原に特異的に結合するFabフラグメント、または
・第2の抗原に特異的に結合するFabフラグメント
のどちらか一方はドメイン交差を含んでいて、可変重鎖ドメイン(VH)と可変軽鎖ドメイン(VL)とが互いに入れ替わっており、
ii)・第1の抗原に特異的に結合するFabフラグメント、または
・第2の抗原に特異的に結合するFabフラグメント
のどちらか一方は、定常軽鎖ドメイン(CL)および定常重鎖ドメイン1(CH1)中にアミノ酸置換を含み、該アミノ酸置換は、
・CLドメイン中の124番目のアミノ酸がK、RまたはHで置換されており(ナンバリングはKabatに従う)、かつ
・CH1ドメイン中の147番目または213番目のアミノ酸がEまたはDで置換されている(ナンバリングはKabat EUインデックスに従う)ものである、
四価多重特異性抗体。
[本発明1003]
i)のドメイン交差を含まない前記1つまたは2つのFabフラグメントが、ii)のアミノ酸置換を含む、本発明1001または1002の抗体。
[本発明1004]
ii)のアミノ酸置換を含むFabフラグメントにおいて、
・CLドメイン中の123番目および124番目のアミノ酸が、互いに独立してKおよびRで置換されている(ナンバリングはKabatに従う)、
本発明1001〜1003のいずれかの抗体。
[本発明1005]
ii)のアミノ酸置換を含むFabフラグメントにおいて、
・CLドメインでは、123番目のアミノ酸がRで置換され、124番目のアミノ酸がKで置換されており(ナンバリングはKabatに従う)、かつ
・CH1ドメイン中の147番目および213番目のアミノ酸が互いに独立してEまたはDで置換されている(ナンバリングはKabat EUインデックスに従う)、
本発明1001〜1004のいずれかの抗体。
[本発明1006]
ii)に定義したアミノ酸置換を含まないFabフラグメントが、CLドメイン中にアミノ酸置換を含み、該アミノ酸置換は、124番目のアミノ酸がEまたはDで置換されているものである、本発明1001〜1005のいずれかの抗体。
[本発明1007]
i)のドメイン交差を含まないFabフラグメントにおいて、CLドメインでは、123番目のアミノ酸がRで置換され、かつ124番目のアミノ酸がKで置換されており(ナンバリングはKabatに従う)、CH1ドメイン中の147番目および213番目のアミノ酸が、互いに独立してEまたはDで置換されており(ナンバリングはKabat EUインデックスに従う)、かつ
i)のドメイン交差を含むFabフラグメントにおいて、124番目のアミノ酸がEで置換されている、
本発明1001〜1006のいずれかの抗体。
[本発明1008]
ii)のアミノ酸置換を含むFabフラグメントが、カッパアイソタイプの軽鎖定常ドメインCLを含む、本発明1001〜1007のいずれかの抗体。
[本発明1009]
b)の追加Fabフラグメントが、ペプチドコネクタを介してコア抗体の重鎖に融合されている、本発明1001〜1008のいずれかの抗体。
[本発明1010]
多重特異性抗体が2つの定常重鎖ドメイン3(CH3)を含み、それら定常重鎖ドメイン3(CH3)が、
・一方のCH3ドメイン中に生成させた突起が他方のCH3ドメイン中に生成させたくぼみ内に配置されうるように、少なくとも1つの元のアミノ酸残基を元のアミノ酸残基より大きな側鎖体積を有するアミノ酸残基で置換することで一方のCH3ドメイン中に突起を生成させ、かつ少なくとも1つの元のアミノ酸残基を元のアミノ酸残基より小さな側鎖体積を有するアミノ酸残基で置換することで他方のCH3ドメイン中にくぼみを生成させること、または
・一方のCH3ドメイン中の少なくとも1つの元のアミノ酸残基を正荷電アミノ酸で置換し、かつ他方のCH3ドメイン中の少なくとも1つの元のアミノ酸残基を負荷電アミノ酸で置換すること
によって、ヘテロ二量体化が促進されるように改変されている、
本発明1001〜1009のいずれかの抗体。
[本発明1011]
多重特異性抗体が2つのCH3ドメインを含み、それら2つのCH3ドメインは、CH3ドメイン間にジスルフィド結合が形成されるように各CH3ドメインに少なくとも1つのシステイン残基を導入することによって、ヘテロ二量体化が促進されるように改変されている、本発明1001〜1010のいずれかの抗体。
[本発明1012]
本発明1001〜1011のいずれかの抗体をコードする、単離された核酸。
[本発明1013]
本発明1012の核酸を含む、発現ベクター。
[本発明1014]
本発明1013の核酸を含む、宿主細胞。
[本発明1015]
本発明1001〜1011のいずれかの多重特異性抗体を含む、薬学的組成物または診断組成物。
[本発明1016]
本発明1014の宿主細胞を、多重特異性抗体が生産されるように培養する工程を含む、多重特異性抗体を生産する方法。
[本発明1017]
四価多重特異性抗体の調製中の副生成物形成を低減するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
・本発明1001〜1011のいずれかの四価多重特異性抗体の重鎖および軽鎖をコードする核酸を含むベクターで宿主細胞を形質転換する工程、
・該多重特異性抗体の合成が可能な条件下で該宿主細胞を培養する工程、および
・該宿主細胞培養から該多重特異性抗体を回収する工程。
[本発明1018]
四価多重特異性抗体の凝集温度を上昇させるための方法であって、以下の工程を含む、方法:
・本発明1001〜1011のいずれかの四価多重特異性抗体の重鎖および軽鎖をコードする核酸を含むベクターで宿主細胞を形質転換する工程、
・該多重特異性抗体の合成が可能な条件下で該宿主細胞を培養する工程、および
・該宿主細胞培養から該多重特異性抗体を回収する工程。
[本発明1001]
a)第1の抗原に特異的に結合する2つのFabフラグメントを含む完全長抗体によって形成される、1つのコア抗体、および
b)どちらもコア抗体の重鎖のC末端またはN末端のどちらか一方に融合されている、2つの追加Fabフラグメント
を含む、四価多重特異性抗体であって、
該追加Fabフラグメントは第2の抗原に特異的に結合し、
i)・第1の抗原に特異的に結合するFabフラグメント、または
・第2の抗原に特異的に結合するFabフラグメント
のどちらか一方はドメイン交差を含んでいて、可変重鎖ドメイン(VH)と可変軽鎖ドメイン(VL)とが互いに入れ替わっており、
ii)・第1の抗原に特異的に結合するFabフラグメント、または
・第2の抗原に特異的に結合するFabフラグメント
のどちらか一方は、定常軽鎖ドメイン(CL)および定常重鎖ドメイン1(CH1)中にアミノ酸置換を含み、該アミノ酸置換は、
・CLドメイン中の124番目のアミノ酸がK、RまたはHで置換されており(ナンバリングはKabatに従う)、かつ
・CH1ドメイン中の147番目または213番目のアミノ酸がEまたはDで置換されている(ナンバリングはKabat EUインデックスに従う)ものである、
四価多重特異性抗体。
[本発明1002]
a)それぞれ第1の抗原および第2の抗原に特異的に結合する2つのFabフラグメントを含む完全長抗体によって形成される、1つのコア抗体、および
b)どちらもコア抗体の重鎖のC末端またはN末端のどちらか一方に融合されている、2つの追加Fabフラグメント
を含む、四価多重特異性抗体であって、
重鎖に融合されている追加Fabフラグメントは、該重鎖上に配置されたコア抗体のFabフラグメントと同じ抗原結合特異性を呈し、
i)・第1の抗原に特異的に結合するFabフラグメント、または
・第2の抗原に特異的に結合するFabフラグメント
のどちらか一方はドメイン交差を含んでいて、可変重鎖ドメイン(VH)と可変軽鎖ドメイン(VL)とが互いに入れ替わっており、
ii)・第1の抗原に特異的に結合するFabフラグメント、または
・第2の抗原に特異的に結合するFabフラグメント
のどちらか一方は、定常軽鎖ドメイン(CL)および定常重鎖ドメイン1(CH1)中にアミノ酸置換を含み、該アミノ酸置換は、
・CLドメイン中の124番目のアミノ酸がK、RまたはHで置換されており(ナンバリングはKabatに従う)、かつ
・CH1ドメイン中の147番目または213番目のアミノ酸がEまたはDで置換されている(ナンバリングはKabat EUインデックスに従う)ものである、
四価多重特異性抗体。
[本発明1003]
i)のドメイン交差を含まない前記1つまたは2つのFabフラグメントが、ii)のアミノ酸置換を含む、本発明1001または1002の抗体。
[本発明1004]
ii)のアミノ酸置換を含むFabフラグメントにおいて、
・CLドメイン中の123番目および124番目のアミノ酸が、互いに独立してKおよびRで置換されている(ナンバリングはKabatに従う)、
本発明1001〜1003のいずれかの抗体。
[本発明1005]
ii)のアミノ酸置換を含むFabフラグメントにおいて、
・CLドメインでは、123番目のアミノ酸がRで置換され、124番目のアミノ酸がKで置換されており(ナンバリングはKabatに従う)、かつ
・CH1ドメイン中の147番目および213番目のアミノ酸が互いに独立してEまたはDで置換されている(ナンバリングはKabat EUインデックスに従う)、
本発明1001〜1004のいずれかの抗体。
[本発明1006]
ii)に定義したアミノ酸置換を含まないFabフラグメントが、CLドメイン中にアミノ酸置換を含み、該アミノ酸置換は、124番目のアミノ酸がEまたはDで置換されているものである、本発明1001〜1005のいずれかの抗体。
[本発明1007]
i)のドメイン交差を含まないFabフラグメントにおいて、CLドメインでは、123番目のアミノ酸がRで置換され、かつ124番目のアミノ酸がKで置換されており(ナンバリングはKabatに従う)、CH1ドメイン中の147番目および213番目のアミノ酸が、互いに独立してEまたはDで置換されており(ナンバリングはKabat EUインデックスに従う)、かつ
i)のドメイン交差を含むFabフラグメントにおいて、124番目のアミノ酸がEで置換されている、
本発明1001〜1006のいずれかの抗体。
[本発明1008]
ii)のアミノ酸置換を含むFabフラグメントが、カッパアイソタイプの軽鎖定常ドメインCLを含む、本発明1001〜1007のいずれかの抗体。
[本発明1009]
b)の追加Fabフラグメントが、ペプチドコネクタを介してコア抗体の重鎖に融合されている、本発明1001〜1008のいずれかの抗体。
[本発明1010]
多重特異性抗体が2つの定常重鎖ドメイン3(CH3)を含み、それら定常重鎖ドメイン3(CH3)が、
・一方のCH3ドメイン中に生成させた突起が他方のCH3ドメイン中に生成させたくぼみ内に配置されうるように、少なくとも1つの元のアミノ酸残基を元のアミノ酸残基より大きな側鎖体積を有するアミノ酸残基で置換することで一方のCH3ドメイン中に突起を生成させ、かつ少なくとも1つの元のアミノ酸残基を元のアミノ酸残基より小さな側鎖体積を有するアミノ酸残基で置換することで他方のCH3ドメイン中にくぼみを生成させること、または
・一方のCH3ドメイン中の少なくとも1つの元のアミノ酸残基を正荷電アミノ酸で置換し、かつ他方のCH3ドメイン中の少なくとも1つの元のアミノ酸残基を負荷電アミノ酸で置換すること
によって、ヘテロ二量体化が促進されるように改変されている、
本発明1001〜1009のいずれかの抗体。
[本発明1011]
多重特異性抗体が2つのCH3ドメインを含み、それら2つのCH3ドメインは、CH3ドメイン間にジスルフィド結合が形成されるように各CH3ドメインに少なくとも1つのシステイン残基を導入することによって、ヘテロ二量体化が促進されるように改変されている、本発明1001〜1010のいずれかの抗体。
[本発明1012]
本発明1001〜1011のいずれかの抗体をコードする、単離された核酸。
[本発明1013]
本発明1012の核酸を含む、発現ベクター。
[本発明1014]
本発明1013の核酸を含む、宿主細胞。
[本発明1015]
本発明1001〜1011のいずれかの多重特異性抗体を含む、薬学的組成物または診断組成物。
[本発明1016]
本発明1014の宿主細胞を、多重特異性抗体が生産されるように培養する工程を含む、多重特異性抗体を生産する方法。
[本発明1017]
四価多重特異性抗体の調製中の副生成物形成を低減するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
・本発明1001〜1011のいずれかの四価多重特異性抗体の重鎖および軽鎖をコードする核酸を含むベクターで宿主細胞を形質転換する工程、
・該多重特異性抗体の合成が可能な条件下で該宿主細胞を培養する工程、および
・該宿主細胞培養から該多重特異性抗体を回収する工程。
[本発明1018]
四価多重特異性抗体の凝集温度を上昇させるための方法であって、以下の工程を含む、方法:
・本発明1001〜1011のいずれかの四価多重特異性抗体の重鎖および軽鎖をコードする核酸を含むベクターで宿主細胞を形質転換する工程、
・該多重特異性抗体の合成が可能な条件下で該宿主細胞を培養する工程、および
・該宿主細胞培養から該多重特異性抗体を回収する工程。
Claims (12)
- a)第1の抗原に特異的に結合する2つのFabフラグメントを含む完全長抗体によって形成される、1つのコア抗体、および
b)どちらもコア抗体の重鎖のC末端またはN末端のどちらか一方に融合されている、2つの追加Fabフラグメント
を含む、ヒトIgG1またはIgG4サブクラスの四価多重特異性抗体であって、
該追加Fabフラグメントは第2の抗原に特異的に結合し、
i)・第1の抗原に特異的に結合するFabフラグメント、または
・第2の抗原に特異的に結合するFabフラグメント
のどちらか一方はドメイン交差を含んでいて、可変重鎖ドメイン(VH)と可変軽鎖ドメイン(VL)とが互いに入れ替わっており、かつ
ii)i)のドメイン交差を含まないFabフラグメントは、定常軽鎖ドメイン(CL)および定常重鎖ドメイン1(CH1)中にアミノ酸置換を含み、該アミノ酸置換は、
・CLドメイン中の124番目および123番目のアミノ酸がKまたはRで置換されており(ナンバリングはKabatに従う)、かつ
・CH1ドメイン中の147番目および213番目のアミノ酸がEまたはDで置換されている(ナンバリングはKabat EUインデックスに従う)ものであり、かつ
iii)ii)に定義したアミノ酸置換を含まないFabフラグメントは、CLドメイン中にアミノ酸置換を含み、該アミノ酸置換は、124番目のアミノ酸がEまたはDで置換されているものであり(ナンバリングはKabatに従う)、かつ
iv)多重特異性抗体は2つの定常重鎖ドメイン3(CH3)を含み、それら定常重鎖ドメイン3(CH3)が、
・一方のCH3ドメイン中に生成させた突起が他方のCH3ドメイン中に生成させたくぼみ内に配置されうるように、少なくとも1つの元のアミノ酸残基を元のアミノ酸残基より大きな側鎖体積を有するアミノ酸残基で置換することで一方のCH3ドメイン中に突起を生成させ、かつ少なくとも1つの元のアミノ酸残基を元のアミノ酸残基より小さな側鎖体積を有するアミノ酸残基で置換することで他方のCH3ドメイン中にくぼみを生成させること、または
・一方のCH3ドメイン中の少なくとも1つの元のアミノ酸残基を正荷電アミノ酸で置換し、かつ他方のCH3ドメイン中の少なくとも1つの元のアミノ酸残基を負荷電アミノ酸で置換すること
によって、ヘテロ二量体化が促進されるように改変されている、
ヒトIgG1またはIgG4サブクラスの四価多重特異性抗体。 - a)それぞれ第1の抗原および第2の抗原に特異的に結合する2つのFabフラグメントを含む完全長抗体によって形成される、1つのコア抗体、および
b)どちらもコア抗体の重鎖のC末端またはN末端のどちらか一方に融合されている、2つの追加Fabフラグメント
を含む、ヒトIgG1またはIgG4サブクラスの四価多重特異性抗体であって、
重鎖に融合されている追加Fabフラグメントは、該重鎖上に配置されたコア抗体のFabフラグメントと同じ抗原結合特異性を呈し、
i)・第1の抗原に特異的に結合するFabフラグメント、または
・第2の抗原に特異的に結合するFabフラグメント
のどちらか一方はドメイン交差を含んでいて、可変重鎖ドメイン(VH)と可変軽鎖ドメイン(VL)とが互いに入れ替わっており、かつ
ii)i)のドメイン交差を含まないFabフラグメントは、定常軽鎖ドメイン(CL)および定常重鎖ドメイン1(CH1)中にアミノ酸置換を含み、該アミノ酸置換は、
・CLドメイン中の124番目および123番目のアミノ酸がKまたはRで置換されており(ナンバリングはKabatに従う)、かつ
・CH1ドメイン中の147番目および213番目のアミノ酸がEまたはDで置換されている(ナンバリングはKabat EUインデックスに従う)ものであり、かつ
iii)ii)に定義したアミノ酸置換を含まないFabフラグメントは、CLドメイン中にアミノ酸置換を含み、該アミノ酸置換は、124番目のアミノ酸がEまたはDで置換されているものであり(ナンバリングはKabatに従う)、かつ
iv)多重特異性抗体は2つの定常重鎖ドメイン3(CH3)を含み、それら定常重鎖ドメイン3(CH3)が、
・一方のCH3ドメイン中に生成させた突起が他方のCH3ドメイン中に生成させたくぼみ内に配置されうるように、少なくとも1つの元のアミノ酸残基を元のアミノ酸残基より大きな側鎖体積を有するアミノ酸残基で置換することで一方のCH3ドメイン中に突起を生成させ、かつ少なくとも1つの元のアミノ酸残基を元のアミノ酸残基より小さな側鎖体積を有するアミノ酸残基で置換することで他方のCH3ドメイン中にくぼみを生成させること、または
・一方のCH3ドメイン中の少なくとも1つの元のアミノ酸残基を正荷電アミノ酸で置換し、かつ他方のCH3ドメイン中の少なくとも1つの元のアミノ酸残基を負荷電アミノ酸で置換すること
によって、ヘテロ二量体化が促進されるように改変されている、
ヒトIgG1またはIgG4サブクラスの四価多重特異性抗体。 - ii)のアミノ酸置換を含むFabフラグメントにおいて、
・CLドメインでは、123番目のアミノ酸がRで置換され、124番目のアミノ酸がKで置換されており(ナンバリングはKabatに従う)、かつ
・CH1ドメイン中の147番目および213番目のアミノ酸が互いに独立してEまたはDで置換されている(ナンバリングはKabat EUインデックスに従う)、
請求項1または2に記載の抗体。 - i)のドメイン交差を含まないFabフラグメントにおいて、CLドメインでは、123番目のアミノ酸がRで置換され、かつ124番目のアミノ酸がKで置換されており(ナンバリングはKabatに従う)、CH1ドメイン中の147番目および213番目のアミノ酸が、互いに独立してEまたはDで置換されており(ナンバリングはKabat EUインデックスに従う)、かつ
i)のドメイン交差を含むFabフラグメントにおいて、124番目のアミノ酸がEで置換されている、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗体。 - ii)のアミノ酸置換を含むFabフラグメントが、カッパアイソタイプの軽鎖定常ドメインCLを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗体。
- b)の追加Fabフラグメントが、ペプチドコネクタを介してコア抗体の重鎖に融合されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抗体。
- 多重特異性抗体が2つのCH3ドメインを含み、それら2つのCH3ドメインは、CH3ドメイン間にジスルフィド結合が形成されるように各CH3ドメインに少なくとも1つのシステイン残基を導入することによって、ヘテロ二量体化が促進されるように改変されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗体。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の抗体をコードする、単離された核酸。
- 請求項8に記載の核酸を含む、発現ベクター。
- 請求項8に記載の核酸を含む、宿主細胞。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の多重特異性抗体を含む、薬学的組成物または診断組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の四価多重特異性抗体の調製中の副生成物形成を低減するための方法であって、該多重特異性抗体の副生成物形成を低減するために、該多重特異性抗体が、請求項1〜7のいずれか一項に定義した定常軽鎖ドメイン(CL)および定常重鎖ドメイン1(CH1)中にアミノ酸置換を含み、該方法が、以下の工程を含む、方法:
・請求項1〜7のいずれか一項に記載の四価多重特異性抗体の重鎖および軽鎖をコードする核酸を含むベクターで宿主細胞を形質転換する工程、
・該多重特異性抗体の合成が可能な条件下で該宿主細胞を培養する工程、および
・該宿主細胞培養から該多重特異性抗体を回収する工程。
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