以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[箱用シート]
図1に、本発明の一実施形態に係る箱用シートを示す。当該箱用シートは、1枚の段ボールシートから形成される。なお、図1において、太い実線は段ボールシートを切断した切断線を示し、細い実線は段ボールシートの一方の面(通常は組み立て状態で内側に配置される面)に筋押しして形成される罫線を示す。
当該箱用シートを形成する段ボールシートとしては、1枚の中芯の両側を一対のライナーで挟み込んだものだけでなく、3枚のライナーの間にそれぞれ中芯が挟み込まれたいわゆるダブルフルートであってもよく、中芯の片側にのみライナーが貼着されたいわゆる片面段ボールであってもよい。
当該箱用シートは、左右方向に交互に連設される方形状の一対の長辺側面パネル(第1長辺側面パネル1、第2長辺側面パネル2)及び長辺側面パネル1,2よりも左右方向の幅が小さい一対の短辺側面パネル(第1短辺側面パネル3、第2短辺側面パネル4)と、第1長辺側面パネル1の第1短辺側面パネル3と反対側の側縁に連接され、第2短辺側面パネル4の第2長辺側面パネル2と反対側の側縁近傍部の内面に接着されることにより、二対の側面パネル1〜4を四角筒状に連結する継ぎしろ5と、一対の長辺側面パネル1,2の上縁から延出し、延出長さが短辺側面パネル3,4の左右方向の長さの略1/2である方形状の一対の蓋外フラップ(第1蓋外フラップ6、第2蓋外フラップ7)及び下縁から延出し、延出長さが短辺側面パネル3,4の左右方向の長さの略1/2である方形状の一対の底外フラップ(第1底外フラップ8、第2底外フラップ9)と、一対の短辺側面パネル3,4の上縁から延出し、延出長さが蓋外フラップ6,7と等しい一対の蓋内フラップ(第1蓋内フラップ10、第2蓋内フラップ11)及び下縁から延出し、延出長さが底外フラップ8,9と等しい一対の底内フラップ(第1底内フラップ12、第2底内フラップ13)とを備える。
当該箱用シートにおいて、段ボールシートは、中芯の稜線が上下方向に延びるよう配向されることが好ましい。
なお、本明細書において、「左右方向」とは、当該箱用シートを組み立ててなる箱体の想定される一般的な使用態様における水平方向に対応する方向であり、「上」及び「下」とは、想定される一般的な使用態様における上下方向を意味しているが、当該箱用シートの製造時の向きや当該箱用シートを組み立ててなる箱体の使用時の向き制限することを企図しない。
当該箱用シートは、第2短辺側面パネル4の内面に継ぎしろ5を接着して、側面パネル1〜4を無端ループ状に接続した状態でユーザーに提供される。第2短辺側面パネル4への継ぎしろ5の接着は、例えば接着剤、ステープラー等を用いて行うことができる。
当該箱用シートは、図2に示すように、一対の長辺側面パネル1,2同士及び一対の短辺側面パネル3,4同士をそれぞれ対向させて四角筒状体を形成し、この四角筒状体の上端を蓋外フラップ6,7及び蓋内フラップ10,11で封止し、下端を底外フラップ8,9及び底内フラップ12,13で封止することによって、底体及び蓋体を有する箱状に組み立てられる。
より詳しくは、当該箱用シートを組み立ててなる箱体において、二対の側面パネル1〜4から形成される四角筒状体の上端は、一対の蓋内フラップ10,11を内側に折り曲げ、この一対の蓋内フラップ10,11の外面に一対の蓋外フラップ6,7を折り重ね、この一対の蓋外フラップ6,7の先端縁同士を突き合わせることで封止される。さらに、一対の短辺側面パネル3,4の上部中央間に掛け渡すよう、蓋外フラップ6,7の先端縁の合わせ目に沿って粘着テープTを貼着することによって、四角筒状体の上端を封止する状態を保持することができる。
同様に、4つの側面パネル1〜4から形成される四角筒状体の下端は、一対の底内フラップ12,13を内側に折り曲げ、この一対の底内フラップ12,13の外面に一対の底外フラップ8,9を折り重ね、一対の底外フラップ8,9の先端縁同士を突き合わせることで封止される。特に、この四角筒状体の下端については、一対の短辺側面パネル3,4の下部中央間に掛け渡すよう、底外フラップ8,9の先端縁の合わせ目に沿って粘着テープTを貼着することによって封止状態を保持することが前提とされている。
当該箱用シートは、長辺側面パネル1,2及び底外フラップ8,9間の境界並びに短辺側面パネル3,4及び底内フラップ12,13間の境界に、平行な2本の折曲線からなる端部折曲線(長辺側面パネル1,2及び底外フラップ8,9間の長辺端部折曲線14、短辺側面パネル3,4及び底内フラップ12,13間の短辺端部折曲線15)が形成されていることが好ましい。つまり、好ましくは、側面パネル1〜4の下縁は、端部折曲線14,15によって画定される。
一対の短辺側面パネル3,4は、左右方向中央に上下方向に縦断する側面折曲線16をそれぞれ有する。
側面折曲線16は、短辺側面パネル3,4を左右方向中央で谷折りにして一対の長辺側面パネル1,2の間に挟み込むことを可能にする。これにより、当該箱用シートは、面積が小さくなるよう折り畳むことができる。
側面折曲線16は、当該箱用シートを組み立ててなる箱体の強度低下を抑制するために、段ボールシートに筋押しして形成される罫線であることが好ましい。
一対の蓋内フラップ10,11は、左右方向中央に上下方向に縦断する蓋折曲線17をそれぞれ有する。
蓋折曲線17は、短辺側面パネル3,4と一体に蓋内フラップ10,11を左右方向中央で谷折りにすることを可能にする。
蓋折曲線17は、当該箱用シートを組み立ててなる箱体の強度に対する影響が小さいため、折り曲げをより容易にするために、ミシン目状に間隔を空けて一列に並んで形成される複数の短い切断線と、切断線間を接続する複数の罫線とから構成されるリード罫線であることが好ましい。
一対の蓋内フラップ10,11は、先端部左右方向中央に、蓋切り欠き18が形成されている。この蓋切り欠き18は、蓋折曲線17に沿って段ボールシートを折り曲げることをさらに容易にする。
一対の底内フラップ12,13は、左右方向中央に上下方向に横断する底内縦折曲線19をそれぞれ有する。
底内縦折曲線19は、底内フラップ12,13を短辺側面パネル3,4の内面に密着させるよう折り返して短辺側面パネル3,4と共に二つ折りにすることを可能にする。
底内縦折曲線19は、短辺側面パネル3,4を内側にして二つ折りにすることが容易となるよう、平行に形成される2本の折曲線によって構成されることが好ましい。この底内縦折曲線19を構成する2本の折曲線は、リード罫線であってもよく、罫線と1又は複数の切断線との組み合わせであってもよい。
底内縦折曲線19を構成する2本の折曲線の間隔としては、当該箱用シートを形成する段ボールシートの厚さの2倍以上5倍以下とすることができる。
一対の底内フラップ12,13は、先端部左右方向中央に、底切り欠き20が形成されている。この底切り欠き20は、底内縦折曲線19に沿って段ボールシートを折り曲げることをさらに容易にする。特に、底内縦折曲線19に沿う折り曲げを蓋折曲線17に沿う折り曲げよりも容易にするために、底切り欠き20の上下方向深さは、蓋切り欠き18の上下方向深さよりも大きいことが好ましい。
さらに、当該箱用シートは、短辺端部折曲線15を構成する2本の折曲線の間に、側面折曲線16の端部と底内縦折曲線19を構成する2本の折曲線の端部とを接続するV字状の補助切断線21がそれぞれ形成されている。
補助切断線21は、当該箱用シートを小さく折り畳むときに、側面折曲線16の端部及び底内縦折曲線19の端部の近傍に応力が集中して段ボールシートが破断することを防止する。
一対の底外フラップ8,9は、基端縁(端部折曲線14,15)の両端から45°の角度で先端縁まで延びる一対の底傾斜折曲線22をそれぞれ有する。
底傾斜折曲線22は、底外フラップ8,9をその外側の二等辺三角形状部分23と、その内側の台形状部分24とに区分する。二等辺三角形状部分23は、底内フラップ12,13と共に短辺側面パネル3,4の内面側に折り返され、二つ折りにされる短辺側面パネル3,4及び底内フラップ12,13を挟み込む。一方、台形状部分24は、長辺側面パネル1,2の内面側に折り返され、二等辺三角形状部分23を挟み込む。これにより、当該箱用シートは、図3に示すように、短辺側面パネル3,4、底外フラップ8,9及び底内フラップ12,13を一対の長辺側面パネル1,2の間に挟み込んで面積が比較的小さくなるよう折り畳むことができる。
底傾斜折曲線22は、段ボールシートを容易且つ確実に180°折り返すことができるよう、リード罫線であることが好ましい。
また、一対の底外フラップ8,9は、先端縁と間隔を開けて両側縁から左右方向内側に延びる一対の底横切断線25をそれぞれ有する。
底横切断線25は、当該箱用シートを小さく折り畳む際に、底外フラップ8,9の側縁側が開くことによって、短辺側面パネル3,4及び底内フラップ12,13の厚さを吸収し、粘着テープTの短辺側面パネル3,4と底外フラップ8,9との境界近傍領域又はこの領域の段ボールシートが応力の集中により破断したり粘着テープTが段ボールシートから剥離することを防止できる。
底横切断線25と底外フラップ8,9の先端縁との距離の下限としては、20mmが好ましく、23mmがより好ましい。一方、底横切断線25と底外フラップ8,9の先端縁との距離の上限としては、35mmが好ましく、32mmがより好ましい。底横切断線25と底外フラップ8,9の先端縁との距離が上記下限に満たない場合、第1底外フラップ8の底横切断線25と第2底外フラップ9の底横切断線25との間に粘着テープTを貼着することが困難となるおそれがある。逆に、底横切断線25と底外フラップ8,9の先端縁との距離が上記上限を超える場合、当該箱用シートを小さく折り畳む際に段ボールシートの厚さを十分に吸収することができず、粘着テープTが剥がれたり粘着テープ又は段ボールシートが破断するおそれがある。
底横切断線25の長さの下限としては、20mmが好ましく、23mmがより好ましい。一方、底横切断線25の長さの上限としては、35mmが好ましく、32mmがより好ましい。底横切断線25の長さが上記下限に満たない場合、小さく折り畳む際に段ボールシートの厚さを十分に吸収することができず、粘着テープTが剥がれたり段ボールシートが破断するおそれがある。逆に、底横切断線25の長さが上記上限を超える場合、当該箱用シートを組み立ててなる箱体の強度が不必要に低下するおそれがある。
また、一対の底外フラップ8,9は、先端縁から底横切断線25の先端近傍まで上下方向に延びる一対の底外縦折曲線26をそれぞれ有する。
底外縦折曲線26は、底横切断線25が開くことを促進し、応力の集中をより効果的に緩和して、粘着テープT若しくは段ボールシートの破断又は粘着テープTの剥離をより確実に防止することを可能にする。
底外縦折曲線26は、当該箱用シートを組み立ててなる箱体の強度低下を抑制するために、段ボールシートに筋押しして形成される罫線であることが好ましい。
さらに、一対の底外フラップ8,9は、図4に詳しく示すように、底横切断線25の先端と底外縦折曲線26の先端とを滑らかに接続、つまり角がないように曲線で接続する一対の底湾曲切断線27をさらに有する。
この底湾曲切断線27は、当該箱用シートを小さく折り畳む際に、応力集中により底横切断線25の先端を起点として段ボールシートが破断することを防止する。
底湾曲切断線27の形状としては、円弧状とすることができる。この底湾曲切断線27の最小半径としては、例えば2mm以上5mm以下とすることができる。
<利点>
当該箱用シートは、長辺側面パネル1,2及び短辺側面パネル3,4によって形成される四角筒状体の下端を一対の底外フラップ8,9の先端縁同士を突き合わせて粘着テープTを貼着することで封止できる。このため、当該箱用シートは、底外フラップ8,9と底内フラップ12,13とを予め貼り合わせる必要がないので、比較的安価に提供することができる。
また、当該箱用シートは、短辺側面パネル3,4に側面折曲線16が、蓋内フラップ10,11に蓋折曲線17が、底内フラップ12,13に底内縦折曲線19がそれぞれ形成されているため、短辺側面パネル3,4を蓋内フラップ10,11及び底内フラップ12,13と共に二つ折りにして一対の長辺側面パネル1,2の間に挟み込んで面積が小さくなるよう折り畳むことができる。
さらに、当該箱用シートは、底外フラップ8,9に一対の底傾斜折曲線22が形成されているため、この底傾斜折曲線22の外側の二等辺三角形状部分23を内側の台形状部分24の外面側に折り返すことで、一対の底外フラップ8,9の先端縁同士を突き合わせて粘着テープTで接続した状態のまま、上述のように短辺側面パネル3,4を二つ折りにすると同時に、底外フラップ8,9及び底内フラップ12,13を長辺側面パネル1,2及び短辺側面パネル3,4の内面側に折り返すことで、底外フラップ8,9及び底内フラップ12,13も一対の長辺側面パネル1,2の間に挟み込み、折り畳み時の面積をさらに小さくすることができる。
ここで、当該箱用シートは、底外フラップ8,9に一対の底横切断線25が形成されているため、上述のような折り畳みに際に、底横切断線25の外側の端部を開いて段ボールシートの厚さを吸収することができる。
より詳しく説明すると、当該箱用シートを組み立てた箱体では、一対の底外フラップ8,9を粘着テープTで接続した接続体の側縁が、粘着テープTによって短辺側面パネル3,4の下縁と一定の幅に亘って接続されている。この箱体を上述のように扁平に折り畳む場合、短辺側面パネル3,4が最も内側で二つ折りにされ、折り曲げ位置において粘着テープTにより短辺側面パネル3,4に接続されている底外フラップ8,9の接続体が底内フラップ12,13を挟んで最も外側で二つ折りにされる。
このため、底外フラップ8,9の接続体は、折り曲げ部において、短辺側面パネル3,4及び底内フラップ12,13の折り曲げ部の外側を迂回する分の長さを必要とする。底外フラップ8,9の基端側部分は長辺側面パネル1,2を介して短辺側面パネル3,4に接続されており、短辺側面パネル3,4の左右方向両側部分に対する相対移動が規制されるので、底外フラップ8,9の接続体の側縁には、折り畳み時に引張応力が作用する。このとき、当該箱用シートでは、底横切断線25が開くことにより、底外フラップ8,9の接続体の側縁の実質的な長さを増大して張力を緩和することができ、粘着テープTが剥がれたり、粘着テープTが貼着されている領域の段ボールシートが破断することを防止できる。
なお、このような底外フラップ8,9の接続体の側縁に作用する張力以外にも、折り畳み時に当該箱用シートに作用する応力が存在するが、それらの応力は段ボールシートの弾性により吸収することができる。
以上のように、当該箱用シートは、箱状に組み立てた状態から面積が小さくなるよう容易に折り畳むことができる。これにより、折り畳み状態の当該箱用シートを複数重ねて保管するための占有スペースが小さくなる。また、複数の当該箱用シートを宅配便等により発送する場合に、幅、奥行き及び高さの合計寸法を抑制して発送費用を安価にすることができる。
[その他の実施形態]
実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
当該箱用シートにおいて、底外縦折曲線及び湾曲切断線は省略してもよい。また、当該箱用シートにおいて、底湾曲切断線を省略して底外縦折曲線を底横切断線に直接接続してもよく、底湾曲切断線に換えて段ボールシートの破断を防止する他の構成、例えば底横切断線の先端に小さい角のない開口を形成したり、底横切断線の先端部がT字状となるよう底横切断線に垂直な短い切断線を形成する構成を採用してもよい。
当該箱用シートにおいて、内フラップの形状(切り欠き等)は任意であり、一般的な方形状のものであってもよい。
当該箱用シートにおいて、継ぎしろは、第2短辺側面パネルの第2長辺側面パネルと反対側の側縁に連設されていてもよい。
[参考形態]
図5に、本考案の参考形態に係る箱用シートを示す。この参考形態の箱用シートは、1枚の段ボールシートから形成される。
参考形態の箱用シートは、左右方向に交互に連設される方形状の一対の長辺側面パネル(第1長辺側面パネル41、第2長辺側面パネル42)及び長辺側面パネル41,42よりも左右方向の幅が小さい一対の短辺側面パネル(第1短辺側面パネル43、第2短辺側面パネル44)と、第1長辺側面パネル41の第1短辺側面パネル43と反対側の側縁に連接され、第2短辺側面パネル44の第2長辺側面パネル42と反対側の側縁近傍部の内面に接着されることにより、二対の側面パネル41〜44を四角筒状に連結する継ぎしろ45と、一対の長辺側面パネル41,42の上縁から延出する一対の蓋外フラップ(第1蓋外フラップ46、第2蓋外フラップ47)及び下縁から延出する一対の底外フラップ(第1底外フラップ48、第2底外フラップ49)と、一対の短辺側面パネル43,44の上縁から延出する一対の蓋内フラップ(第1蓋内フラップ50、第2蓋内フラップ51)及び下縁から延出する一対の底内フラップ(第1底内フラップ52、第2底内フラップ53)とを備える。第2短辺側面パネル44への継ぎしろ45の接着は、例えば接着剤、ステープラー等を用いて行うことができる。
参考形態の箱用シートにおいて、段ボールシートは、中芯の稜線が上下方向に延びるよう配向されることが好ましい。
参考形態の箱用シートは、第2短辺側面パネル44の内面に継ぎしろ45を接着して、側面パネル41〜44を無端ループ状に接続した状態でユーザーに提供される。
参考形態の箱用シートは、一対の長辺側面パネル41,42同士及び一対の短辺側面パネル43,44同士をそれぞれ対向させて四角筒状体を形成し、この四角筒状体の上端を蓋外フラップ46,47及び蓋内フラップ50,51で封止し、下端を底外フラップ48,49及び底内フラップ52,53で封止することによって、底体及び蓋体を有する箱状に組み立てられる。
より詳しくは、参考形態の箱用シートを組み立ててなる箱体において、二対の側面パネル41〜44から形成される四角筒状体の上端は、一対の蓋内フラップ50,51を内側に折り曲げ、この一対の蓋内フラップ50,51の外面に一対の蓋外フラップ46,47を折り重ね、この一対の蓋外フラップ46,47の先端縁同士を突き合わせることで封止される。同様に、4つの側面パネル41〜44から形成される四角筒状体の下端は、一対の底内フラップ52,53を内側に折り曲げ、この一対の底内フラップ52,53の外面に一対の底外フラップ48,49を折り重ね、一対の底外フラップ48,49の先端縁同士を突き合わせることで封止される。
一般に、参考形態の箱用シートを組み立ててなる箱体は、一対の蓋外フラップ46,47及び一対の底外フラップ48,49の合わせ目に沿って粘着テープを貼着することで、封函状態が保持される。
参考形態の箱用シートは、長辺側面パネル41,42及び外フラップ46〜49間の境界及び短辺側面パネル43,44及び内フラップ50〜53間の境界に、平行な2本の折曲容易線からなる端部折曲線54〜61(第1長辺側面パネル41及び第1蓋外フラップ46間の端部折曲線54、第2長辺側面パネル42及び第2蓋外フラップ47間の端部折曲線55、第1長辺側面パネル41及び第1底外フラップ48間の端部折曲線56、第2長辺側面パネル42及び第2底外フラップ49間の端部折曲線57、第1短辺側面パネル43及び第1蓋内フラップ50間の端部折曲線58、第2短辺側面パネル44及び第2蓋内フラップ51間の端部折曲線59、第1短辺側面パネル43及び第1底内フラップ52間の端部折曲線60及び第2短辺側面パネル44及び第2底内フラップ53間の端部折曲線61)が形成されている。つまり、側面パネル41〜44の上縁及び下縁は、端部折曲線54〜61によって画定されている。
また、参考形態の箱用シートは、一対の短辺側面パネル43,44の左右方向中央に、上下方向に短辺側面パネル43,44を縦断する1本の折曲容易線からなる側面折曲線(第1短辺側面パネル43の側面折曲線62及び第2短辺側面パネル44の側面折曲線63)がそれぞれ形成されている。
また、参考形態の箱用シートは、二対の内フラップ50〜53の左右方向中央に、上下方向に内フラップ50〜53を縦断する平行な2本の折曲容易線からなるフラップ折曲線(第1蓋内フラップ50のフラップ折曲線64、第2蓋内フラップ51のフラップ折曲線65、第1底内フラップ52のラップ折曲線66及び第2底内フラップ53のフラップ折曲線67)がそれぞれ形成されている。
さらに、参考形態の箱用シートは、端部折曲線58〜61を構成する2本の折曲容易線の間に、側面折曲線62,63の端部とフラップ折曲線64〜67を構成する2本の折曲容易線の端部とを接続するV字状の折曲容易線からなる補助折曲線(第1短辺側面パネル43及び第1蓋内フラップ50間の補助折曲線68、第2短辺側面パネル44及び第2蓋内フラップ51間の補助折曲線69、第1短辺側面パネル43及び第1底内フラップ52間の補助折曲線60及び第1短辺側面パネル43及び第2底内フラップ53間の補助折曲線61)がそれぞれ形成されている。
また、参考形態の箱用シートは、一般的なA式(みかん箱タイプ)の箱用シートと同様に、第1長辺側面パネル41を第1短辺側面パネル43の内面に、第2短辺側面パネル44を第2長辺側面パネル42の内面にそれぞれ密着させた状態に折り畳むことができる。
加えて、参考形態の箱用シートは、図6に示すように、長辺側面パネル41,42の内面側に底外フラップ48,49を折り重ね、短辺側面パネル43,44の内面側に底内フラップ52,53を折り重ねた状態で、短辺側面パネル43,44を底内フラップ52,53と共に側面折曲線62,63に沿って180°谷折りにすることによって、図7に示すように、面積がより小さくなるよう折り畳むことができる。
参考形態の箱用シートは、長辺側面パネル41,42の内面側に蓋外フラップ46,47を折り重ね、短辺側面パネル43,44の内面側に蓋内フラップ50,51を折り重ねた状態で、短辺側面パネル43,44を蓋内フラップ50,51と共に側面折曲線62,63に沿って180°谷折りにすることにより小さく折り畳んでもよい。
さらに、参考形態の箱用シートは、短辺側面パネル43,44の上下方向の長さが左右方向の長さよりも大きい場合には、長辺側面パネル41,42の内面側に蓋外フラップ46,47及び底外フラップ48,49を折り重ね、短辺側面パネル43,44の内面側に蓋内フラップ50,51及び底内フラップ52,53を折り重ねた状態で、短辺側面パネル43,44を蓋内フラップ50,51及び底内フラップ52,53と共に側面折曲線62,63に沿って180°谷折りにすることによりさらに小さく折り畳むことができる。
<端部折曲線>
端部折曲線54〜61は、外フラップ46〜49及び内フラップ50〜53を長辺側面パネル41,42及び短辺側面パネル43,44に対して180°折り返す際に段ボールシートの厚さを吸収して段ボールシートの反力を低減することにより、外フラップ46〜49及び内フラップ50〜53を長辺側面パネル41,42及び短辺側面パネル43,44の内面に密着させるよう折り込むことを容易にする。
端部折曲線54〜61は、外フラップ46〜49及び内フラップ50〜53を独立して折曲可能とするために、外フラップ46〜49と内フラップ50〜53とを分離するスロットの奥縁に連続する折曲容易線と、このスロットの奥縁に連続する折曲容易線よりも上下方向外側に配置される折曲容易線とにより構成される。
端部折曲線54〜61を構成する折曲容易線は、それぞれ罫線として形成することができる。また、側面パネル41〜44の上縁の端部折曲線54,58,55,59は連続して形成することができ、側面パネル41〜44の下縁の端部折曲線5660,57,61も同様に連続して形成することができる。具体的には、側面パネル41〜44の上縁の端部折曲線54,58,55,59及び下縁の端部折曲線56,60,57,61は、参考形態の箱用シートの外縁を切り抜く前の長尺の段ボールシートにそれぞれスコアラーによって形成されるスコア罫線とすることができる。
端部折曲線54〜61をそれぞれ構成する2本の折曲容易線の間隔の下限としては、参考形態の箱用シートを形成する段ボールシートの平均厚さの1.0倍が好ましく、1.5倍がより好ましい。一方、端部折曲線54〜61をそれぞれ構成する2本の折曲容易線の間隔の上限としては、参考形態の箱用シートを形成する段ボールシートの平均厚さの3.0倍が好ましく、2.5倍がより好ましい。端部折曲線54〜61をそれぞれ構成する2本の折曲容易線の間隔が上記下限に満たない場合、段ボールシートの厚さを吸収して内フラップ50〜53を短辺側面パネル43,44の内面側に折り重ねることを容易化できないおそれがある。逆に、端部折曲線54〜61をそれぞれ構成する2本の折曲容易線の間隔が上記上限を超える場合、内フラップ50〜53を短辺側面パネル43,44の内面側に折り重ねたときに内フラップ50〜53と短辺側面パネル43,44との間に隙間が形成されて折り畳み状態での参考形態の箱用シートの厚さが不必要に大きくなるおそれがある。
<側面折曲線>
側面折曲線62,63は、参考形態の箱用シートを小さく折り畳むために短辺側面パネル43,44を谷折りにして長辺側面パネル41,42の間に折り込むことを可能にする。
側面折曲線62,63の補助折曲線68〜71に接続される端部は、切断線によって形成されていることが好ましい。側面折曲線62,63の端部を切断線によって形成することにより、段ボールシートを正確に側面折曲線62,63に沿って折り返すことを確実にすることができると共に、参考形態の箱用シートを小さく折り畳んだときに、側面折曲線62,63の端部への応力の集中を緩和することにより段ボールシートが破断することを防止できる。
側面折曲線62,63は、特に両端部以外の部分は、罫線又は段ボールシートを谷折りにすることが容易な逆罫線(段ボールシートの外面側に筋押しして形成される折曲容易線)によって形成されることが好ましい。側面折曲線62,63の端部以外の部分を罫線又は逆罫線によって形成することにより、参考形態の箱用シートを組み立ててなる箱体の強度低下を抑制することができると共に、箱体に不必要な隙間が形成されることを防止できる。なお、側面折曲線62,63の端部は、通常、参考形態の箱用シートを組み立ててなる箱体を封函する粘着テープによって覆われるため、切断によって形成されていても箱体に隙間を生じさせない。
側面折曲線62,63の端部の切断線の長さの下限としては、段ボールシートの厚さの1.0倍が好ましく、1.5倍がより好ましい。一方、側面折曲線62,63の端部の切断線の長さの上限としては、30mmが好ましく、20mmがより好ましい。側面折曲線62,63の端部の切断線の長さが上記下限に満たない場合、段ボールシートを側面折曲線62,63に沿って正確に折り返すことができないおそれや、応力集中を十分に緩和できないおそれがある。逆に、側面折曲線62,63の端部の切断線の長さが上記上限を超える場合、参考形態の箱用シートを組み立ててなる箱体の強度が不必要に低下するおそれや、箱体に不必要な隙間が形成されるおそれがある。
<フラップ折曲線>
フラップ折曲線64〜67は、内フラップ50〜53を短辺側面パネル43,44の内面に折り重ねた状態で、短辺側面パネル43,44と共に側面折曲線62,63に沿って180°折り返すことを可能にする。つまり、フラップ折曲線64〜67は、2つ折りにした短辺側面パネル43,44の段ボールシートの厚さを吸収するために、内フラップ50〜53をコの字状に2段階に折り返すよう促す。
フラップ折曲線64〜67を形成する折曲容易線は、それぞれ罫線であってもよいが、罫線と切断線とを交互に連設したリード罫線であることが好ましい。フラップ折曲線64〜67を形成する折曲容易線をリード罫線とすることによって、内フラップ50〜53を短辺側面パネル43,44と共に2つ折りにして長辺側面パネル41,42の間に折り込むことが容易となる。なお、フラップ折曲線64〜67は、参考形態の箱用シートを組み立ててなる箱体において、外フラップ46〜49によって覆われて外側に露出しないので、リード罫線によって形成しても強度低下は小さく、箱体に不必要な隙間を形成することもない。
フラップ折曲線64〜67を形成するリード罫線おける切断線の長さ割合の下限としては、25%が好ましく、30%がより好ましい。一方、フラップ折曲線64〜67を形成するリード罫線おける切断線の長さ割合の上限としては、60%が好ましく、55%がより好ましい。フラップ折曲線64〜67を形成するリード罫線おける切断線の長さ割合が上記下限に満たない場合、フラップ折曲線64〜67の折り曲げやすさが不十分となるおそれがある。逆に、フラップ折曲線64〜67を形成するリード罫線おける切断線の長さ割合が上記上限を超える場合、参考形態の箱用シートを小さく折り畳む際に内フラップ50〜53が破断するおそれがある。
フラップ折曲線64〜67を形成するリード罫線おける切断線の長さの下限としては、参考形態の箱用シートを形成する段ボールシートの平均厚さの1倍が好ましく、2倍がより好ましい。一方、フラップ折曲線64〜67を形成するリード罫線おける切断線の長さの上限としては、参考形態の箱用シートを形成する段ボールシートの平均厚さの8倍が好ましく、6倍がより好ましい。フラップ折曲線64〜67を形成するリード罫線おける切断線の長さが上記下限に満たない場合、切断線を正確に形成することが容易でなくなるおそれがある。逆に、フラップ折曲線64〜67を形成するリード罫線おける切断線の長さが上記上限を超える場合、切断線と切断線間の罫線との一体性が不足してフラップ折曲線64〜67に沿って段ボールシートを正確に折り曲げることが容易でなくなるおそれがある。
フラップ折曲線64〜66をそれぞれ構成する2本の折曲容易線の間隔の下限としては、参考形態の箱用シートを形成する段ボールシートの平均厚さの3.0倍が好ましく、3.5倍がより好ましい。一方、フラップ折曲線64〜66をそれぞれ構成する2本の折曲容易線の間隔の上限としては、参考形態の箱用シートを形成する段ボールシートの平均厚さの5.0倍が好ましく、4.5倍がより好ましい。フラップ折曲線64〜66をそれぞれ構成する2本の折曲容易線の間隔が上記下限に満たない場合、段ボールシートの厚さを吸収して内フラップ50〜53を短辺側面パネル43,44と共に180°折り返すことを容易化できないおそれがある。逆に、フラップ折曲線64〜66をそれぞれ構成する2本の折曲容易線の間隔が上記上限を超える場合、内フラップ50〜53を短辺側面パネル43,44と共に180°折り返したときに内フラップ50〜53と短辺側面パネル43,44との間に隙間が形成されて折り畳み状態での参考形態の箱用シートの厚さが不必要に大きくなるおそれがある。
<補助折曲線>
補助折曲線68〜71は、参考形態の箱用シートを小さく折り畳むときに、段ボールシートの側面折曲線62,63における折り曲げとフラップ折曲線64〜66における折り曲げとを連続的に行わせることができるので、短辺側面パネル43,44と内フラップ50〜53との境界近傍において、段ボールシートが不規則に折り曲げられることによって応力集中により破断することを防止することができる。
<利点>
参考形態の箱用シートは、端部折曲線54〜61が平行に形成される2本の折曲容易線によって形成されているため、外フラップ46〜49及び内フラップ50〜53を箱体の内側に折り込んで長辺側面パネル41,42及び短辺側面パネル43,44の内面に容易に折り重ねることができる。また、参考形態の箱用シートは、短辺側面パネル43,44に側面折曲線62,63が形成され、内フラップ50〜53にフラップ折曲線64〜67が形成されているため、短辺側面パネル43,44及び内フラップ50〜53を左右方向中央で2つ折りにして面積が小さくなるよう折り畳むことができる。さらに、参考形態の箱用シートは、フラップ折曲線64〜67が平行に形成される2本の折曲容易線によって形成されているため、折り重ねた状態の短辺側面パネル43,44及び内フラップ50〜53を短辺側面パネル43,44を内側にしてまとめて側面折曲線62,63に沿って180°容易に折り返すことができる。このため、参考形態の箱用シートは、外フラップ46〜49及び内フラップ50〜53を長辺側面パネル41,42及び短辺側面パネル43,44の内面側に折り返した状態で、短辺側面パネル43,44を内フラップ50〜53と共に谷折りにして長辺側面パネル41,42の間に挟み込み、面積が小さくなるよう容易に折り畳むことができる。これにより、折り畳み状態の箱用シートを複数重ねて宅配便等により発送する場合の費用が安価となる。