JP2010083548A - 衛生薄葉紙用カートン - Google Patents

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範之 石橋
Shinichi Suzuki
新一 鈴木
Nobumasa Hayashi
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Abstract

【課題】下外フラップの先端部と上外フラップの先端部分のオーバーラップ量を最小限にしてもカートン開口部の閉鎖が完全にでき、更に、内フラップと上外フラップとの間の密着性が得られる構造にするとともに、1枚のカートン原紙から得られるカートンの数量を増加させてコストダウンを図る。
【解決手段】カートン本体10Aの前後面の開口を、該前後面の開口の縁部よりそれぞれ外方に延設されている1対の内フラップ16,16及び下外フラップ18並びに上外フラップ20を順に内側へ折り曲げ、該フラップ16,16,18,20を重ねることによって閉鎖し、かつ、重なり合うフラップ16,16,18,20間を接着剤で接合してなる衛生薄葉紙用カートン10において、上外フラップ20とオーバーラップする内フラップ16,16の部分に、上外フラップ20に向かって平面状に突出された少なくとも1個のエンボス23を設け、該エンボス23と上外フラップ20との間を接着剤で接合してなる衛生薄葉紙用カートン。
【選択図】図1

Description

本発明はティッシュペーパー等の衛生薄葉紙を収納した衛生薄葉紙用カートンに関するものであり、特に、カートン本体の前後面の開口を閉鎖する構造を改良した衛生薄葉紙用カートンに関するものである。
なお、本発明で言う「衛生薄葉紙」とは、ティッシュペーパー、ペーパータオル(キッチンペーパー等)、トイレットペーパー(ロールを除く)、ワッティング(紙綿)等の使い捨て紙を総称する概念である。
従来より、衛生薄葉紙を収納する容器として、直方体または立方体形状をした紙カートンが一般に広く利用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
図5は、従来の衛生薄葉紙用カートン50を形成する前の展開状態にあるシート材51を示す。該シート材51は、上面部52、底面部53、1対の側面部54,54、及び、該1対の側面部54,54の前後端である折り曲げ線55,55からそれぞれ外方に延出されている内フラップ56,56と、底面部53の前後端である折り曲げ線57,57からそれぞれ外方に延出されている下外フラップ58,58と、上面部52の前後端である折り曲げ線59,59からそれぞれ外方に延出されている上外フラップ60,60、並びに、底面部53の側縁折り曲げ線61から外方に延出されている接合代62を一体に有している。
そして、前記シート材51を、直方体の衛生薄葉紙用カートン50として組み立てる場合は、まず、上面部52、1対の側面部54,54、底面部53、接合代62を折り曲げ線61,61,61,61の部分でそれぞれ内側へ直角に折り曲げ、かつ、接合代62の外面と側面部54の内面との間を図示しない接着剤で接合し、前後面が開口された多角筒状のカートン本体50Aを形成する。
次いで、図6に示すように、前側(または後側)の開口縁部における1対の内フラップ56,56をそれぞれ折り曲げ線55,55の部分で内側へ直角に折り曲げる。続いて、下外フラップ58を折り曲げ線57の部分で内側へ直角に折り曲げ、かつ、該内フラップ56,56と該下外フラップ58との間を接着剤で接合する。
次に、図7及び図8に示すように、上外フラップ60を折り曲げ線59の部分で内側へ直角に折り曲げ、下外フラップ58の先端部分の上側に該上外フラップ60の先端部分がオーバーラップし、かつ、該オーバーラップされた該下外フラップ58の先端部分と該上外フラップ60の先端部分の間を接着剤で接合する。これにより、カートン本体50Aにおける前側開口部分が閉鎖される。この組立作業を、前側開口部分と同様にして後側開口部分にも行うと、カートン本体50Aの前後の開口部分が各フラップ56,56,58,60で各々閉鎖された衛生薄葉紙用カートン50が形成される。なお、このように構成された衛生薄葉紙用カートン50内に収納される薄葉紙は、その組立途中で衛生薄葉紙用カートン50内に収納される。
また、通常、前記下外フラップ58の先端部分と上外フラップ60の先端部分のオーバーラップする大きさS2(図8参照)は10mm以上とされる。さらに、衛生薄葉紙用カートン50の高さが80mm以上の場合は、各フラップ間における隙間発生を防止のするために、内フラップ56,56と上外フラップ60の間も接着剤で接合される。
特開平9−150871号公報。 特開2008−213890号公報。
ところで、近年、柔らかさや、滑らかさを追求した高級衛生薄葉紙を収納している衛生薄葉紙用カートンが販売されている。該衛生薄葉紙用カートンは、一般の衛生薄葉紙を収納させて五箇パック等の束で通常販売されている衛生薄葉紙用カートンに比べて、大きな坪量及び厚み、並びに強度の高いカートン原紙を用いた高級感のある紙が採用されている。因みに、普及型の衛生薄葉紙用カートンのカートン原紙は、坪量が300〜370(g/m2)、厚さが390〜485(mm/1000)、テーパー剛度が11〜24(mN・m)で、高級衛生薄葉紙用カートンのカートン原紙は、坪量が400〜470(g/m2)、厚さが500〜620(mm/1000)、テーパー剛度が28〜41(mN・m)である。したがって、高級衛生薄葉紙用カートンは通常の衛生薄葉紙用カートンに比べてコストが高くなるので、使用するに際してコストダウンが課題の一つであった。
また、前記高級感のあるカートン原紙を使用した場合、強度が大きいためにフラップを内側に折り曲げたときに元に戻ろうとする反発力(図8に矢印fで示す方向に働く力)も大きい。このため、フラップ接合時には強固に接着する必要があり、作業上のトラブルの原因にもなっている。さらに、フラップ接合が不完全で内フラップと上外フラップとの間に隙間ができると、該隙間に害虫等が入り込んで棲み着く虞もある。
このため、従来では下外フラップの先端部と上外フラップの先端部分のオーバーラップ量S2を大きくし、内フラップと上外フラップを密着させて接合している。しかし、下外フラップの先端部と上外フラップの先端部のオーバーラップ量を大きくすると、内フラップよりも外側に突出する下外フラップと上外フラップの量が多くなり、これに伴って1個の衛生薄葉紙用カートンをカートン原紙から裁断して制作するのに必要とする面積、及び、1個の衛生薄葉紙用カートンを裁断する際にカートン原紙上で無駄になる部分が多く発生し、カートン原紙から得られるカートン数が減少してコストアップの原因にもなっていた。
そこで、下外フラップの先端部と上外フラップの先端部分のオーバーラップ量を最小限にしても内フラップと上外フラップとの間の密着性が得られる構造にするとともに、1枚のカートン原紙から得られるカートンの数量を増加させてコストダウンを図るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、カートン本体の前後面の開口を、該前後面の開口の縁部からそれぞれ外方に延設されている1対の内フラップ及び下外フラップ並びに上外フラップを順に内側へ折り曲げ、該フラップを重ねることによって閉鎖し、かつ、該重なり合うフラップ間を接着剤で接合してなる衛生薄葉紙用カートンにおいて、前記上外フラップとオーバーラップする前記内フラップの部分に、前記上外フラップに向かって平面状に突出された少なくとも1個のエンボスを設け、且つ、該エンボスは下外フラップの端部に接しない範囲で該下外フラップにできるだけ近い位置に施し、該エンボスと前記上外フラップとの間を前記接着剤で接合してなる衛生薄葉紙用カートンを提供する。
この構成によれば、1対の内フラップを内側に折り曲げ、該内フラップと下外フラップのオーバーラップしている部分の一部に接着剤を塗布して該内フラップと該下外フラップを接合し、続いて、内フラップのエンボスと上外フラップのオーバーラップしている部分に接着剤を塗布して該内フラップと該上外フラップを接合する。このとき、前記エンボスのうち少なくとも1個は下外フラップの端部に接しない範囲で該端部に可能な限り近接して設けられているので、接合強度はアップすると共に、該下外フラップと該上外フラップの間の接合が不要になる。したがって、下外フラップの先端部と上外フラップの先端部のオーバーラップ量を最小限にすることができ、カートン1枚当たりの使用面積が減少する。また、内フラップと上外フラップとの間の密着性も得られる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の衛生薄葉紙用カートンにおいて、上記エンボスの上記内フラップの上面からの突出高さを、前記下外フラップの肉厚よりも小さく形成してなる衛生薄葉紙用カートンを提供する。
この構成によれば、下外フラップの先端部の上に上外フラップの先端部が重ねられたとき、上外フラップとエンボスとの間に形成される隙間を埋めるようにして接着剤を塗布することができ、接着剤が下外フラップよりも盛り上がらない。
請求項1記載の発明は、下外フラップの先端部と上外フラップの先端部のオーバーラップ量を最小限にして、カートン1枚当たりの使用面積を減少させることができるので、1枚のカートン原紙から得られるカートンの数量が増加してコストダウンを図ることができる。また、内フラップと下外フラップ、及び、内フラップのエンボスと上外フラップがそれぞれ個々に接着剤で接合され、且つ、内フラツプに設けた少なくとも1個のエンボスは下外フラップの端部に接しない範囲で可能な限り近接して配設されているので、内フラップと上外フラップとの間の良好な密着性が得られる。
請求項2記載の発明は、上外フラップとエンボスとの間に形成される隙間を埋めて接着剤が塗布され、該接着剤が下外フラップよりも盛り上がらないようにして内フラップと上外フラップの間を接合することができるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、接合部分が綺麗に仕上がる効果が期待できる。
本発明は、下外フラップの先端部と上外フラップの先端部分のオーバーラップ量を最小限にしても内フラップと上外フラップとの間の密着性が得られる構造にするとともに、1枚のカートン原紙から得られるカートンの数量を増加させてコストダウンを図るという目的を達成するために、カートン本体の前後面の開口を、該前後面の開口の縁部からそれぞれ外方に延設されている1対の内フラップ及び下外フラップ並びに上外フラップを順に内側へ折り曲げ、該フラップを重ねることによって閉鎖し、かつ、該重なり合うフラップ間を接着剤で接合してなる衛生薄葉紙用カートンにおいて、前記上外フラップとオーバーラップする前記内フラップの部分に、前記上外フラップに向かって平面状に突出された少なくとも1個のエンボスを設け、且つ、該エンボスは下外フラップの端部に接しない範囲で該下外フラップにできるだけ近い位置に施し、該エンボスと前記上外フラップとの間を前記接着剤で接合したことにより実現した。
以下、本発明の衛生薄葉紙用カートンについて、好適な実施例をあげて説明する。図1〜図4は本発明の一実施例を示し、図1は衛生薄葉紙用カートン原紙の板紙を打ち抜き、衛生薄葉紙用カートンを形成する前の展開状態にあるシート材の平面図、図2は図1のシート材から衛生薄葉紙用カートンに組み立てる途中の状態で該衛生薄葉紙用カートンの一端部を示す斜視図、図3は図1のシート材から組み立てられた衛生薄葉紙用カートンの一端部を示す斜視図、図4は図3のA−A線拡大断面図である。
同図において、衛生薄葉紙用カートン10は、カートン原紙(図示せず)から図1に示すシート材11を打ち抜き、該打ち抜かれたシート材11を順に所定の形状に折り曲げ、かつ、ホットメルトや酢ビ系の接着剤で接合して形成されるものである。該シート材11は、上面部12、底面部13、1対の側面部14,14、及び、該1対の側面部14,14の前後端である折り曲げ線15,15からそれぞれ外方に延出されている内フラップ16,16と、底面部13の前後端である折り曲げ線17,17からそれぞれ外方に延出されている下外フラップ18,18と、上面部12の前後端である折り曲げ線19,19からそれぞれ外方に延出されている上外フラップ20,20、並びに、底面部13の側縁折り曲げ線21から外方に延出されている接合代22を一体に有している。
なお、シート材11の元紙であるカートン原紙の坪量は400〜470(g/m2)、厚さは500〜620(mm/1000)、テーパー剛度は28〜41(mN・m)であり、通常よりも高いグレードのカートン原紙を使用しているが、これ以外のカートン原紙を使用したものであってもよい。
また、前記各内フラップ16,16,16,16には、前記上外フラップ20とオーバーラップした状態で折り曲げられる箇所に対応して、それぞれ2個のエンボス23,23が、各内フラップ16,16,16,16の裏面側から上外フラップ20と対向する表面側に突出するようにして設けられている。なお、各エンボス23,23…は、突出面が長四角形で、かつ、平面状に形成されている。また、各内フラップ16,16,16,16の表面からの突出量は、下外フラップ18の板厚(カートン原紙の板厚に同じ)よりも若干小さく形成されており、後述するように上外フラップ20が下外フラップ18の先端部上に重ねられて折り曲げられたとき、上外フラップ20と内フラップ16との間に接着剤の侵入を許す隙間ができるようになっている。又、該エンボス23のうち少なくとも1個は下外フラップ18の端部に接しない範囲で可能な限り近接して配設されている。而して、前記1個のエンボス23と前記下外フラップ18との距離は5〜10mmが好ましい。
そして、前記シート材11を、直方体の衛生薄葉紙用カートン10として組み立てる場合は、まず、上面部12、1対の側面部14,14、底面部13、接合代22を折り曲げ線21,21,21,21の部分でそれぞれ内側へ直角に折り曲げ、かつ、接合代22の外面と側面部14の内面との間を図示しない接着剤で接合し、前後の面が開口された多角筒状のカートン本体10Aを形成する。
次いで、図2に示すように、前側(または後側)の開口縁部における1対の内フラップ16,16をそれぞれ折り曲げ線15,15の部分で内側へ直角に折り曲げる。続いて、下外フラップ18を折り曲げ線17の部分で内側へ直角に折り曲げ、かつ、該内フラップ16,16と該下外フラップ18との間を接着剤で接合する。
次に、図3及び図4に示すように、内フラップ16,16の各エンボス23,23…の上面に接着剤を塗布し、かつ、上外フラップ20を折り曲げ線19の部分で内側へ直角に折り曲げ、該上外フラップ20の先端部分が下外フラップ18の先端部分上に僅か(約2mm)にオーバーラップS1して折り重なるようにする。また、この折り曲げにより、エンボス23,23…と該上外フラップ20との間が接着剤で接合され、かつ、カートン本体10Aにおける前面側の開口部分が閉鎖される。この組立作業を、前側開口部分と同様にして後側開口部分にも行うと、カートン本体10Aの前後の開口部分が各フラップ16,16,18,20で各々閉鎖された衛生薄葉紙用カートン10が形成される。なお、このように構成される衛生薄葉紙用カートン10に収納される薄葉紙は、その組立途中で衛生薄葉紙用カートン10内に収納される。
したがって、本実施例の構成による衛生薄葉紙用カートン10によれば、内フラップ16と下外フラップ18、及び、内フラップ16のエンボス23,23と上外フラップ20がそれぞれ個々に接着剤で接合されるので、下外フラップ18の先端部と上外フラップ20の先端部のオーバーラップ量S1を最小限にして、カートン1枚当たりの面積を減少させることができる。これにより、1枚のカートン原紙から得られるカートンの数量が増加し、コストダウンを図ることが可能になる。また、内フラップ16と上外フラップ20との間に良好な密着が得られる。
さらに、上外フラップ20とエンボス23との間に形成される隙間を埋めて接着剤が塗布され、下外フラップ18よりも該接着剤が盛り上がらないようにして内フラップ16と上外フラップ20との間を接合することができるので、接合部分が綺麗に仕上がることになる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
本発明の一実施例を示し、衛生薄葉紙用カートンとして組み立てる前で、展開状態にあるシート材の平面図。 図1のシート材から衛生薄葉紙用カートンとして組み立て途中の状態で、該衛生薄葉紙用カートンの一端部を示す斜視図。 図1のシート材から組み立てられた衛生薄葉紙用カートンの一端部を示す斜視図。 図3のA−A線拡大断面図。 従来例を示し、葉紙用カートンとして組み立てる前で、展開状態にあるシート材の平面図。 図5のシート材から衛生薄葉紙用カートンとして組み立て途中の状態で、該衛生薄葉紙用カートンの一端部を示す斜視図。 図5のシート材から組み立てられた衛生薄葉紙用カートンの一端部を示す斜視図。 図7のB−B線拡大断面図。
符号の説明
10 衛生薄葉紙用カートン
11 シート材
12 上面部
13 底面部
14 側面部
15 折り曲げ線
16 内フラップ
17 折り曲げ線
18 下外フラップ
19 折り曲げ線
20 上外フラップ
21 折り曲げ線
22 接合代
23 エンボス

Claims (2)

  1. カートン本体の前後面の開口を、該前後面の開口の縁部からそれぞれ外方に延設されている1対の内フラップ及び下外フラップ並びに上外フラップを順に内側へ折り曲げ、該フラップを重ねることによって閉鎖し、かつ、該重なり合うフラップ間を接着剤で接合してなる衛生薄葉紙用カートンにおいて、
    前記上外フラップとオーバーラップする前記内フラップの部分に、前記上外フラップに向かって平面状に突出された少なくとも1個のエンボスを設け、且つ、該エンボスは下外フラップの端部に接しない範囲で該下外フラップにできるだけ近い位置に施し、該エンボスと前記上外フラップとの間を前記接着剤で接合してなることを特徴とする衛生薄葉紙用カートン。
  2. 上記エンボスの上記内フラップの上面からの突出高さを、前記下外フラップの肉厚よりも小さく形成してなることを特徴とする請求項1記載の衛生薄葉紙用カートン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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