JP3218497U - 箱用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】みかん箱タイプのA式箱体に容易に組み立て可能な箱用シートを提供する。
【解決手段】箱用シートは、左右方向の一方側から他方側に連接される第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4と、第1長さ面パネルの上縁から延出する第1上側外フラップ5及び下縁から延出する第1下側外フラップ6と、第1幅面パネルの上縁から延出する第1上側内フラップ7及び下縁から延出する第1下側内フラップ8と、第2長さ面パネルの上縁から延出する第2上側外フラップ9及び下縁から延出する第2下側外フラップ10と、第2幅面パネルの上縁から延出する第2上側内フラップ11及び下縁から延出する第2下側内フラップ12とを備え、第1上側外フラップと第2上側外フラップの先端縁の左右方向他方側部分、又は第1下側外フラップと第2下側外フラップの先端縁の左右方向他方側部分に一対の切欠き6a、10aを有する。
【選択図】図1

Description

本考案は、箱用シートに関する。
段ボールシート等から構成される箱用シートを組み立ててなる箱体が物品の梱包容器として広く用いられている。中でも、左右方向に連接される第1長さ面パネル、第1幅面パネル、第2長さ面パネル及び第2幅面パネルを四角筒状に接続し、第1幅面パネル及び第2幅面パネルの上縁及び下縁から延出する上下各一対の内フラップを内側に折り曲げ、さらに第1長さ面パネル及び第2長さ面パネルの上縁及び下縁から延出する上下各一対の外フラップを先端縁同士を突き合わせるように内側に折り曲げることで四角筒状部の両端開口を封止するA式(いわゆるミカン箱タイプ)の箱体が最も多く利用されている。
このA式の箱体に組み立てられる箱用シートは、通常、第1長さ面パネル、第1幅面パネル、第2長さ面パネル及び第2幅面パネルが無端状に接続され、かつ第1長さ面パネルの内面と第1幅面パネルの内面とが密着し、第2幅面パネルの内面と第2長さ面パネルの内面とが密着した折り畳み状態でユーザに提供される。
この箱用シートは、ユーザにおいて第1長さ面パネル、第1幅面パネル、第2長さ面パネル及び第2幅面パネルを四角筒状に広げ、一対の下側内フラップ及び一対の下側外フラップを折り込んで底部を形成し、一対の上側内フラップ及び一対の上側外フラップを折り込んで蓋部を形成することで箱体に組み立てられる(実用新案登録第3213993号公報参照)。
実用新案登録第3213993号公報
従来の箱用シートを箱体に組み立てる場合、ユーザは、互いに密着したフラップの内面間に手指を入れ、組立時に対向する一対のパネル(第1長さ面パネル及び第2長さ面パネル、又は第1幅面パネル及び第2幅面パネル)から延出する一対のフラップを把持して第1長さ面パネル、第1幅面パネル、第2長さ面パネル及び第2幅面パネルを四角筒状に広げることを要する。
しかしながら、箱体の組み立ての都度、密着したフラップ間に手指を入れることは手間であり、作業時間の短縮や組立作業の容易化の妨げとなっている。
本考案は、このような不都合に鑑みてなされたものであり、A式の箱体に容易に組み立てることが可能な箱用シートの提供を課題とする。
上記課題を解決するためになされた本考案に係る箱用シートは、左右方向の一方側から他方側に連接される第1長さ面パネル、第1幅面パネル、第2長さ面パネル及び第2幅面パネルと、上記第1長さ面パネルの上縁から延出する第1上側外フラップ及び下縁から延出する第1下側外フラップと、上記第1幅面パネルの上縁から延出する第1上側内フラップ及び下縁から延出する第1下側内フラップと、上記第2長さ面パネルの上縁から延出する第2上側外フラップ及び下縁から延出する第2下側外フラップと、上記第2幅面パネルの上縁から延出する第2上側内フラップ及び下縁から延出する第2下側内フラップとを備え、箱型に組立可能な箱用シートであって、上記第1上側外フラップ及び第2上側外フラップの先端縁の左右方向他方側部分、又は上記第1下側外フラップ及び第2下側外フラップの先端縁の左右方向他方側部分に一対の切欠きを有する。
当該箱用シートによると、ユーザは、第1長さ面パネルの内面と第1幅面パネルの内面とが密着し、第2幅面パネルの内面と第2長さ面パネルの内面とが密着した折り畳み状態で、一対の切欠きと重なり合う一対の上側内フラップ(第1上側内フラップ及び第2上側内フラップ)の先端部分又は一対の下側内フラップ(第1下側内フラップ及び第2下側内フラップ)の先端部分を容易に把持し、第1長さ面パネル、第1幅面パネル、第2長さ面パネル及び第2幅面パネルを四角筒状に容易に広げることができる。具体的には、当該箱用シートによると、上記第1幅面パネル及び第2幅面パネルが対向するように上記一対の上側内フラップ又は上記一対の下側内フラップを内側に押し込むことで、上記第1長さ面パネル、第1幅面パネル、第2長さ面パネル及び第2幅面パネルを四角筒状に容易に広げることができる。また、当該箱用シートによると、ユーザは、把持した一対の上側内フラップ又は一対の下側内フラップを内側に折り曲げることで、箱体の蓋部又は底部の組立作業をスムーズに行うことができる。従って、当該箱用シートは、A式の箱体に容易に組み立てることができる。
上記一対の切欠きが、組立状態で上記第1上側内フラップ及び第2上側内フラップ、又は上記第1下側内フラップ及び第2下側内フラップと重なり合うとよい。このように、上記一対の切欠きが、組立状態で上記第1上側内フラップ及び第2上側内フラップ、又は上記第1下側内フラップ及び第2下側内フラップと重なり合うことによって、上記一対の切欠きが箱体の内面に露出しないので、箱体に収容される内容物の一対の切欠きに起因する傷付き等を防止し、内容物を箱体内に安全に保持することができる。
上記一対の切欠きが、開口側の端縁を下底とする略台形状であるとよい。このように、上記一対の切欠きが開口側の端縁を下底とする略台形状であることによって、上記一対の切欠きのエッジへの手指の接触を防止し、これらの切欠きと重なり合う一対の上側内フラップの先端部分又は一対の下側内フラップの先端部分を容易に把持することができる。
上記一対の切欠きが、上記第1下側外フラップ及び第2下側外フラップに形成されているとよい。通常箱体の組み立てに当たっては、内容物を上側から収容できるよう、まず第1長さ面パネル、第1幅面パネル、第2長さ面パネル及び第2幅面パネルを四角筒状に広げた後、底部を組み立て、この底部に内容物を載置したうえで蓋部を組み立てる。そのため、上記一対の切欠きが上記第1下側外フラップ及び第2下側外フラップに形成されていることによって、箱体の底部の組み立てが容易となり、ひいては箱体全体の組み立てをスムーズに行うことができる。
上記一対の切欠きの深さとしては8mm以上20mm以下が好ましい。このように、上記一対の切欠きの深さが上記範囲内であることによって、箱体の組立作業性を十分に高めることができる。また、上記一対の切欠きの深さが上記範囲内であることによって、箱体の組み立てに際し、上記一対の切欠きが形成された一対の外フラップの先端縁同士の合わせ目に沿って粘着テープを貼着する場合に、この粘着テープによって一対の切欠きの外部への露出を容易に防止することができる。
なお、本考案において、「左右方向」とは、箱用シートを組み立ててなる箱体の想定される一般的な使用態様における水平方向を意味し、「上」及び「下」とは、想定される一般的な使用態様における上下を意味するが、上記箱体の使用時の向きを制限することを企図するものではない。「下底」とは、台形の平行な2本の底辺のうち、長さの長い方の辺をいう。切欠きの「開口側の端縁」とは、切欠きを画定するフラップの先端縁の延長線をいう。
以上説明したように、本考案に係る箱用シートは、A式の箱体に容易に組み立てることができる。
本考案の一実施形態に係る箱用シートを示す模式的平面図である。 図1の箱用シートを組み立ててなる箱体を示す模式的斜視図である。 図1の箱用シートのユーザに提供される折り畳み状態を示す模式的平面図である。 図3の箱用シートを四角筒状に広げる作業状態を示す模式的斜視図である。 図1の箱用シートを組み立ててなる箱体の一対の切欠きと第1下側内フラップ及び第2下側内フラップとの位置関係を示す模式的底面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本考案の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
図1の箱用シートは、1枚のシートからなる。当該箱用シートは、左右方向の一方側から他方側に連接される第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4と、第1長さ面パネル1の上縁から延出する第1上側外フラップ5及び下縁から延出する第1下側外フラップ6と、第1幅面パネル2の上縁から延出する第1上側内フラップ7及び下縁から延出する第1下側内フラップ8と、第2長さ面パネル3の上縁から延出する第2上側外フラップ9及び下縁から延出する第2下側外フラップ10と、第2幅面パネル4の上縁から延出する第2上側内フラップ11及び第2下側内フラップ12とを備える。また、当該箱用シートは、第1長さ面パネル1の第1幅面パネル2と連接される側と反対側の端縁から延出し、第2幅面パネル4の内面に貼着される糊代部13を備える。当該箱用シートは、箱型に組み立てられる。具体的には、当該箱用シートは、図2に示すように、A式(ミカン箱タイプ)の箱体21に組み立てられる。なお、図1において、太い実線はシートを切断して形成される切断線を示し、細い実線はシートの内面に筋押しして形成される罫線を示す。
当該箱用シートに用いられるシートとしては、当該箱用シートを組み立ててなる箱体21の形状を維持できる程度の強度を有する限り特に限定されるものではなく、例えば段ボールシート、ボール紙等の紙製シート、合成樹脂製シート、紙製シートと合成樹脂製シートとの積層シート等が挙げられる。中でも、加工性、衝撃吸収性、取扱性、リサイクル性、経済性等の点から紙製シートが好ましく、段ボールシートが特に好ましい。当該箱用シートを形成する段ボールとしては、原紙を波形状に形成した中芯をライナーに貼り合わせたものであって、例えば波形状に形成された中芯を1枚のライナーに貼り合わせた片面段ボールシート、片面段ボールシートの段頂にさらにライナーを貼り合わせた両面段ボールシート、両面段ボールシートの片側に片面段ボールシートの段頂を貼り合わせた複両面段ボールシート、複両面段ボールシートの片側に片面段ボールシートの段頂をさらに貼り合わせた複々両面段ボールシート等が挙げられる。これらの中でも、加工性、経済性、耐久性等の点から両面段ボールシートが好ましい。
第1長さ面パネル1及び第2長さ面パネル3は矩形状かつ略同一形状に形成されている。第1幅面パネル2及び第2幅面パネル4は矩形状かつ略同一形状に形成されている。第1長さ面パネル1及び第2長さ面パネル3の左右方向長さは、第1幅面パネル2及び第2幅面パネル4の左右方向長さよりも大きい。また、第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4の上下方向長さは略等しい。第1長さ面パネル1及び第2長さ面パネル3の左右方向長さとしては、箱体21内に収容する内容物の大きさ等に基づいて適宜設定可能であるが、例えば20cm以上80cm以下とすることができる。第1幅面パネル2及び第2幅面パネル4の左右方向長さとしては、箱体21内に収容する内容物の大きさ等に基づいて適宜設定可能であるが、例えば10cm以上60cm以下とすることができる。第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4の上下方向長さとしては、箱体21内に収容する内容物の大きさ等に基づいて適宜設定可能であるが、例えば20cm以上60cm以下とすることができる。
第1上側外フラップ5及び第2上側外フラップ9は矩形状かつ略同一形状に形成されている。第1上側内フラップ7及び第2上側内フラップ11は矩形状かつ略同一形状に形成されている。第1上側外フラップ5及び第2上側外フラップ9の幅は、第1長さ面パネル1及び第2長さ面パネル3の左右方向長さと略等しい。第1上側内フラップ7及び第2上側内フラップ11の幅は、第1幅面パネル2及び第2幅面パネル4の左右方向長さと略等しい。第1上側外フラップ5、第1上側内フラップ7、第2上側外フラップ9及び第2上側内フラップ11の延出方向長さは、第1幅面パネル2及び第2幅面パネル4の左右方向長さの略1/2である。
当該箱用シートは、第1下側外フラップ6及び第2下側外フラップ10の先端縁の左右方向他方側部分に一対の切欠き6a,10aを有する。つまり、第1下側外フラップ6の第1下側内フラップ8側の先端縁に一方の切欠き6aが形成され、第2下側外フラップ10の第2下側内フラップ12側の先端縁に他方の切欠き10aが形成されている。第1下側外フラップ6及び第2下側外フラップ10は、切欠き6a,10aに対応するエッジを有する以外、第1上側外フラップ5及び第2上側外フラップ9と略同一形状に形成されている。また、第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12は、第1上側内フラップ7及び第2上側内フラップ11と略同一形状に形成されている。
一対の切欠き6a,10aは、開口側の端縁を下底とする略台形状である。換言すると一対の切欠き6a,10aは、開口側の端縁の長さが、この端縁と対向する底縁の長さよりも長い略台形状である。一対の切欠き6a、10aは、略等脚台形状であることが好ましい。一対の切欠き6a,10aが等脚台形であることによって、第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12の一対の切欠き6a,10aと重なる先端部分を把持した際に、指の先端側及び基端側が一対の切欠き6a,10aのエッジに接触し難い。
以下、当該箱用シートを箱体21に組み立てる手順について説明することを通じて一対の切欠き6a,10aの機能を詳説する。
(組立手順1)
まず、当該箱用シートの展開状態(図1の状態)から、第1長さ面パネル1を第1幅面パネル2の内面に折り重ね、続いて第2幅面パネル4を第2長さ面パネル3の内面に折り重ね、糊代部13を第2幅面パネル4の内面に貼着する。これにより、図3に示すように、第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4が無端状に接続され、かつ第1長さ面パネル1の内面と第1幅面パネル2の内面とが密着し、第2幅面パネル4の内面と第2長さ面パネル3の内面とが密着した折り畳み体31が形成される。通常この折り畳み体31がユーザに提供され、以後の組立作業はユーザにおいて行われる。なお、第2幅面パネル4への糊代部13の貼着は、例えば接着剤、ステープラー等を用いて行うことができる。
一対の切欠き6a,10aは、上述のように第1下側外フラップ6及び第2下側外フラップ10の先端縁の左右方向他方側部分に形成されている。具体的には、図1に示すように、第1下側外フラップ6の左右方向他方側の側縁6bからこの第1下側外フラップ6に形成される一方の切欠き6aの左右方向一方側の端部までの距離D1は、第1下側内フラップ8の幅W1以下であり、かつ第2下側外フラップ10の左右方向他方側の側縁10bからこの第2下側外フラップ10に形成される他方の切欠き10aの左右方向一方側の端部までの距離D2は、第2下側内フラップ12の幅W2以下である。これにより、図3の折り畳み体31において、一方の切欠き6aは第1下側内フラップ8と重なり合い、他方の切欠き10aは第2下側内フラップ12と重なり合う。
(組立手順2)
次に、図4に示すように、第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12の一対の切欠き6a,10aと重なる先端部分を把持し、第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4を四角筒状に広げる。具体的には、第1幅面パネル2及び第2幅面パネル4が対向するように第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12の一対の切欠き6a,10aと重なる先端部分を内側に押し込むことで第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4を四角筒状に広げる。当該箱用シートは、上述のように一対の切欠き6a,10aが開口側の端縁を下底とする略台形状であるので、ユーザは、一対の切欠き6a,10aのエッジへの手指の接触を防止しつつ、一対の切欠き6a,10aと重なり合う第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12の先端部分を容易に把持することができる。
第1下側外フラップ6及び第2下側外フラップ10の左右方向他方側の側縁6b,10bから、第1下側外フラップ6及び第2下側外フラップ10に形成される切欠き6a,10aの幅方向中心部までの距離の下限としては、3cmが好ましく、5cmがより好ましい。一方、上記距離の上限としては、10cmが好ましく、8cmがより好ましい。上記距離が上記下限に満たないと、第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4を四角筒状に広げ始める作業が容易でなくなるおそれがある。逆に、上記距離が上記上限を超えると、第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12を内側に押し込むことで第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4を四角筒状に形成する作業が容易でなくなるおそれがある。
一対の切欠き6a,10aの下底の長さ下限としては、3cmが好ましく、5cmがより好ましい。一方、上記下底の長さの上限としては、10cmが好ましく、8cmがより好ましい。上記下底の長さが上記下限に満たないと、第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12の一対の切欠き6a,10aと重なり合う先端部分を把持し難くなるおそれがある。逆に、上記下底の長さが上記上限を超えると、一対の切欠き6a,10aが不必要に大きくなり、組立状態で一対の切欠き6a,10aが箱体21の内面に露出し、内容物を安全に保持し難くなるおそれがある。
一対の切欠き6a,10aの底角の下限としては、30°が好ましく、40°がより好ましい。一方、上記底角の上限としては、70°が好ましく、60°がより好ましい。上記底角が上記下限に満たないと、一対の切欠き6a,10aの下底の長さを適度に保った場合に、一対の切欠き6a,10aの深さを十分に大きくするのが困難となり、第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12の一対の切欠き6a,10aと重なり合う部分を把持し難くなるおそれがある。逆に、上記底角が上記上限を超えると、一対の切欠き6a,10aのエッジに指が接触するおそれや、一対の切欠き6a,10aが大きくなり過ぎるおそれがある。
一対の切欠き6a,10aの深さの下限としては、8mmが好ましく、10mmがより好ましい。一方、上記深さの上限としては、20mmが好ましく、15mmがより好ましい。上記深さが上記下限に満たないと、第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12の一対の切欠き6a,10aと重なり合う先端部分を把持し難くなるおそれがある。逆に、上記深さが上記上限を超えると、箱体21の組み立てに際し、第1下側外フラップ6及び第2下側外フラップ10の先端縁同士の合わせ目に沿って粘着テープを貼着する場合に、この粘着テープによって一対の切欠き6a,10aを十分に覆うことができないおそれがある。その結果、一対の切欠き6a,10aの露出部分が他の物体と接触することで箱体21が破損するおそれや、一対の切欠き6a,10aの露出部分から箱体21内に異物が混入するおそれがある。
(組立手順3)
次に、図4の第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4を四角筒状に広げた状態から、第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12を内側に折り曲げ、さらに第1下側外フラップ6及び第2下側外フラップ10を内側に折り曲げて先端縁同士を突き合わせる。これにより、箱体21の底部が形成される。当該箱用シートは、第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12を把持して第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4を四角筒状に広げるので、この作業に連続して第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12を内側に折り曲げやすい。
続いて、底部の内面に内容物を載置したうえ、第1上側内フラップ7及び第2上側内フラップ11を内側に折り曲げ、さらに第1上側外フラップ5及び第2上側外フラップ9を内側に折り曲げて先端縁同士を突き合わせる。これにより、箱体21の蓋部が形成され、箱体21が組み立てられる。なお、箱体21は、第1上側外フラップ5及び第2上側外フラップ9の先端縁同士、並びに第1下側外フラップ6及び第2下側外フラップ10の先端縁同士の合わせ目に沿って粘着テープXを貼着することで封函状態が保持される。
図5に示すように、一対の切欠き6a,10aは、組立状態で第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12と重なり合うことが好ましい。より詳しくは、一方の切欠き6aの全体が第1下側内フラップ8に重なり合い、他方の切欠き10aの全体が第2下側内フラップ12に重なり合うことが好ましい。当該箱用シートは、第1下側外フラップ6の左右方向他方側の側縁6bから一方の切欠き6aの左右方向一方側の端部までの距離D1が第1下側内フラップ8の延出方向長さL以下であることで、一方の切欠き6aの全体を第1下側内フラップ8に重なり合うよう構成することができる。また、当該箱用シートは、第2下側外フラップ10の左右方向他方側の側縁10bから他方の切欠き10aの左右方向一方側の端部までの距離D2が第2下側内フラップ12の延出方向長さL以下であることで、他方の切欠き10aの全体を第2下側内フラップ12に重なり合うよう構成することができる。当該箱用シートは、一対の切欠き6a,10aが組立状態で第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12と重なり合うことで、一対の切欠き6a,10aの箱体21の内面への露出を抑制することができる。これにより、当該箱用シートは、箱体21に収容される内容物が一対の切欠き6a,10aに起因して傷付くことを抑制し、内容物を箱体21内に安全に保持することができる。
<利点>
当該箱用シートは、第1長さ面パネル1の内面と第1幅面パネル2の内面とが密着し、第2幅面パネル4の内面と第2長さ面パネル3の内面とが密着した折り畳み状態で、一対の切欠き6a,10aが第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12と重なり合っている。そのため、当該箱用シートによると、ユーザは、第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12の一対の切欠き6a,10aと重なり合う先端部分を容易に把持し、第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4を容易に四角筒状に広げることができる。具体的には、当該箱用シートによると、第1幅面パネル2及び第2幅面パネル4が対向するように第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12を内側に押し込むことで第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4を四角筒状に容易に広げることができる。また、当該箱用シートによると、ユーザは、把持した第1下側内フラップ8及び第2下側内フラップ12を内側に折り曲げることで、底部の組立作業をスムーズに行うことができる。従って、当該箱用シートは、A式の箱体21に容易に組み立てることができる。
当該箱用シートは、通常、内容物を上側から収容できるよう、底部を形成し、この底部の内面に内容物を載置したうえで蓋部を形成する。当該箱用シートは、一対の切欠き6a,10aが第1下側外フラップ6及び第2下側外フラップ10に形成されているので、第1長さ面パネル1、第1幅面パネル2、第2長さ面パネル3及び第2幅面パネル4を四角筒状に広げる作業から連続して箱体21の底部を容易に形成することができ、ひいては箱体21全体の組み立てをスムーズに行うことができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本考案の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本考案の範囲に属するものと解釈されるべきである。
例えば上記一対の切欠きは、第1上側外フラップ及び第2上側外フラップの先端縁の左右方向他方側部分に形成されていてもよい。上記一対の切欠きが第1上側外フラップ及び第2上側外フラップの先端縁の左右方向他方側部分に形成される場合、これらの切欠きのフラップ上での具体的配置、形状及びサイズは、第一実施形態で説明した一対の切欠き6a,10aと同様とすることができる。
上記糊代部は、第2幅面パネルの第2長さ面パネルと連接される側と反対側の端縁から延出するよう設けられてもよい。
以上のように、本考案の箱用シートは、A式の箱体に容易に組み立てることができる。
1 第1長さ面パネル
2 第1幅面パネル
3 第2長さ面パネル
4 第2幅面パネル
5 第1上側外フラップ
6 第1下側外フラップ
6a 切欠き
6b 側縁
7 第1上側内フラップ
8 第1下側内フラップ
9 第2上側外フラップ
10 第2下側外フラップ
10a 切欠き
10b 側縁
11 第2上側内フラップ
12 第2下側内フラップ
13 糊代部
21 箱体
31 折り畳み体
X 粘着テープ

Claims (5)

  1. 左右方向の一方側から他方側に連接される第1長さ面パネル、第1幅面パネル、第2長さ面パネル及び第2幅面パネルと、
    上記第1長さ面パネルの上縁から延出する第1上側外フラップ及び下縁から延出する第1下側外フラップと、
    上記第1幅面パネルの上縁から延出する第1上側内フラップ及び下縁から延出する第1下側内フラップと、
    上記第2長さ面パネルの上縁から延出する第2上側外フラップ及び下縁から延出する第2下側外フラップと、
    上記第2幅面パネルの上縁から延出する第2上側内フラップ及び下縁から延出する第2下側内フラップと
    を備え、
    箱型に組立可能な箱用シートであって、
    上記第1上側外フラップ及び第2上側外フラップの先端縁の左右方向他方側部分、又は上記第1下側外フラップ及び第2下側外フラップの先端縁の左右方向他方側部分に一対の切欠きを有する箱用シート。
  2. 上記一対の切欠きが、組立状態で上記第1上側内フラップ及び第2上側内フラップ、又は上記第1下側内フラップ及び第2下側内フラップと重なり合う請求項1に記載の箱用シート。
  3. 上記一対の切欠きが、開口側の端縁を下底とする略台形状である請求項1又は請求項2に記載の箱用シート。
  4. 上記一対の切欠きが、上記第1下側外フラップ及び第2下側外フラップに形成されている請求項1、請求項2又は請求項3に記載の箱用シート。
  5. 上記一対の切欠きの深さが8mm以上20mm以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の箱用シート。
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