JP2019209709A - ブレーキ液圧制御装置、車両、及び、ブレーキ液圧制御方法 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置、車両、及び、ブレーキ液圧制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、アキュムレータ内にブレーキ液が満杯になることを抑制でき、車両の制動力が低下することも抑制できるブレーキ液圧制御装置及びブレーキ液圧制御方法を得るものである。また、本発明は、そのようなブレーキ液圧制御装置を備えた車両を得るものである。【解決手段】本発明に係るブレーキ液圧制御装置は、アンチロックブレーキ制御を実行し、アキュムレータのブレーキ液を昇圧レスでマスタシリンダに戻す車両のブレーキ液圧制御装置であって、車両が停止するまでに今後要する時間と、アキュムレータのその時点での残能力とに基づいて、アンチロックブレーキ制御時に消費されるアキュムレータの能力を抑制する。【選択図】図2

Description

本発明は、アンチロックブレーキ制御を実行する車両のブレーキ液圧制御装置、該ブレーキ液圧制御装置を備えた車両、及び、アンチロックブレーキ制御を実行する車両のブレーキ液圧制御方法に関する。
従来、車両に搭載されたブレーキ液圧制御装置には、ブレーキレバー等のブレーキの入力部が操作されている際、アンチロックブレーキ制御を実行し、車輪がロックすることを防止するものがある(例えば、特許文献1参照)。アンチロックブレーキ制御では、ブレーキ液圧制御装置は、ブレーキの入力部が操作されている状態において、ホイールシリンダのブレーキ液の減圧及び増圧を行い、車輪がロックすることを防止する。また、アンチロックブレーキ制御時におけるホイールシリンダのブレーキ液の減圧は、ホイールシリンダからブレーキ液を逃がすことによって行われる。また、アンチロックブレーキ制御時に前記ホイールシリンダから逃がされたブレーキ液は、アキュムレータに一旦蓄えられる。
アキュムレータに一旦蓄えられたブレーキ液は、マスタシリンダに戻される。特許文献1に記載のブレーキ液圧制御装置は、アキュムレータとマスタシリンダとを連通する戻り流路内のブレーキ液を昇圧するポンプを備えている。すなわち、特許文献1に記載のブレーキ液圧制御装置は、戻り流路内のブレーキ液をポンプによって昇圧し、該戻り流路内のブレーキ液を強制的にマスタシリンダに供給ことにより、アキュムレータに蓄えられたブレーキ液をマスタシリンダに戻している。
一方、アンチロックブレーキ制御を実行する従来のブレーキ液圧制御装置には、アキュムレータに蓄えられたブレーキ液をマスタシリンダに戻す上述のポンプを備えていないものが存在する。上述のポンプを備えていないブレーキ液圧制御装置の場合、アキュムレータに蓄えられたブレーキ液に、アキュムレータに設けられている弾性要素によって圧力がかけられる。そして、ブレーキの入力部が操作されていない状態となり、マスタシリンダのブレーキ液の圧力がアキュムレータに蓄えられているブレーキ液の圧力よりも低くなると、アキュムレータに蓄えられているブレーキ液がマスタシリンダに戻る。以下、アキュムレータに蓄えられたブレーキ液をマスタシリンダに戻す上述のポンプを備えていないブレーキ液圧制御装置を、アキュムレータのブレーキ液を昇圧レスでマスタシリンダに戻すブレーキ液圧制御装置と称することとする。
特開2014−201200号公報
アンチロックブレーキ制御においてホイールシリンダのブレーキ液の減圧を行う度に、ホイールシリンダから流出したブレーキ液がアキュムレータに流入することとなる。ここで、アキュムレータに蓄えられたブレーキ液をマスタシリンダに戻すポンプを備えたブレーキ液圧制御装置においては、ブレーキの入力部が操作されている状態でも、アキュムレータに蓄えられたブレーキ液を強制的にマスタシリンダに戻すことができる。このため、アキュムレータに蓄えられたブレーキ液をマスタシリンダに戻すポンプを備えたブレーキ液圧制御装置においては、ブレーキの入力部が操作されてから該操作が解除されるまでの間に、アキュムレータ内にブレーキ液が満杯となることはない。
一方、アキュムレータのブレーキ液を昇圧レスでマスタシリンダに戻すブレーキ液圧制御装置の場合、上述のように、ブレーキの入力部が操作されている間、アキュムレータに蓄えられたブレーキ液をマスタシリンダに戻すことができない。このため、アキュムレータのブレーキ液を昇圧レスでマスタシリンダに戻すブレーキ液圧制御装置においては、ブレーキの入力部が操作されてから該操作が解除されるまでの間に、アキュムレータ内にブレーキ液が満杯になってしまうという課題が発生する場合があった。このような状態になると、アンチロックブレーキ制御においてホイールシリンダのブレーキ液の減圧を行うことができなくなり、車輪がロックしてしまう。
ここで、アキュムレータのブレーキ液を昇圧レスでマスタシリンダに戻すブレーキ液圧制御装置において、アキュムレータ内にブレーキ液が満杯になってしまうことを抑制する方法として、ブレーキの入力部が操作されてから該操作が解除されるまでの間に行われるホイールシリンダのブレーキ液の減圧及び増圧の回数を抑制することが考えられる。しかしながら、ホイールシリンダのブレーキ液の減圧及び増圧の回数を単に抑制しただけでは、ホイールシリンダのブレーキ液を減圧した後の増圧が過度に抑制され、車両の制動力が低下してしまうという課題が発生する。
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、アンチロックブレーキ制御を実行し、アキュムレータのブレーキ液を昇圧レスでマスタシリンダに戻す車両のブレーキ液圧制御装置であって、アキュムレータ内にブレーキ液が満杯になることを抑制でき、車両の制動力が低下することも抑制できるブレーキ液圧制御装置を得ることを目的とする。また、本発明は、このようなブレーキ液圧制御装置を備えた車両を得ることを目的とする。また、本発明は、アンチロックブレーキ制御を実行し、アキュムレータのブレーキ液を昇圧レスでマスタシリンダに戻す車両のブレーキ液圧制御方法であって、アキュムレータ内にブレーキ液が満杯になることを抑制でき、車両の制動力が低下することも抑制できるブレーキ液圧制御方法を得ることを目的とする。
本発明に係るブレーキ液圧制御装置は、ブレーキの入力部が操作されている状態において車輪のスリップ状態に応じてホイールシリンダのブレーキ液の減圧及び増圧を行うアンチロックブレーキ制御を実行し、前記アンチロックブレーキ制御時に前記ホイールシリンダから逃がしたブレーキ液をアキュムレータに蓄え、前記入力部の操作終了後に前記アキュムレータのブレーキ液を昇圧レスでマスタシリンダに戻す車両のブレーキ液圧制御装置であって、前記アンチロックブレーキ制御の実行中の時点での前記アキュムレータの残能力を取得する残能力取得部と、前記アンチロックブレーキ制御の実行中の前記車両が停止するまでに要する時間を取得する停止所要時間取得部と、前記残能力取得部で取得された前記残能力と、前記停止所要時間取得部で取得された前記時間と、に基づいて、前記時点の後に継続される前記アンチロックブレーキ制御で消費される前記アキュムレータの能力の抑制度を設定する消費能力抑制度設定部と、前記時点の後に、前記消費能力抑制度設定部で設定された前記抑制度で、前記アンチロックブレーキ制御を継続する実行部と、を備えたものである。
また、本発明に係る車両は、本発明に係るブレーキ液圧制御装置を備えているものである。
また、本発明に係るブレーキ液圧制御方法は、ブレーキの入力部が操作されている状態において車輪のスリップ状態に応じてホイールシリンダのブレーキ液の減圧及び増圧を行うアンチロックブレーキ制御を実行し、前記アンチロックブレーキ制御時に前記ホイールシリンダから逃がしたブレーキ液をアキュムレータに蓄え、前記入力部の操作終了後に前記アキュムレータのブレーキ液を昇圧レスでマスタシリンダに戻す車両のブレーキ液圧制御方法であって、前記アンチロックブレーキ制御の実行中の時点での前記アキュムレータの残能力を取得する残能力取得ステップと、前記アンチロックブレーキ制御の実行中の前記車両が停止するまでに要する時間を取得する停止所要時間取得ステップと、前記残能力取得ステップで取得された前記残能力と、前記停止所要時間取得ステップで取得された前記時間と、に基づいて、前記時点の後に継続される前記アンチロックブレーキ制御で消費される前記アキュムレータの能力の抑制度を設定する消費能力抑制度設定ステップと、前記時点の後に、前記消費能力抑制度設定ステップで設定された前記抑制度で、前記アンチロックブレーキ制御を継続する実行部と、を備えたものである。
本発明は、アンチロックブレーキ制御時に消費されるアキュムレータの能力を抑制する。これにより、本発明は、アンチロックブレーキ制御時において今後アキュムレータに蓄えられていくブレーキ液の量を抑制することができる。このため、本発明は、アキュムレータ内にブレーキ液が満杯になることを抑制できる。この際、本発明は、車両が停止するまでに今後要する時間と、アキュムレータのその時点での残能力とに基づいて、アンチロックブレーキ制御時に消費されるアキュムレータの能力を抑制する。このため、本発明は、アンチロックブレーキ制御におけるホイールシリンダのブレーキ液を減圧した後の増圧時、該増圧が過度に抑制されることがなく、車両の制動力が低下することも抑制できる。
本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの、システム構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの、アンチロックブレーキ制御時においてホイールシリンダのブレーキ液を減圧した後に再度増圧する際の制御フローの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るブレーキシステム及び該ブレーキシステムを搭載した自転車の、アンチロックブレーキ制御時の挙動を示す図である。 本発明の実施の形態に係るブレーキシステムにおける、ホイールシリンダのブレーキ液の圧力と、ホイールシリンダのブレーキ液の容量との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの、第1係数FAと第2係数FBとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係るブレーキシステムを搭載した自転車の、アンチロックブレーキ制御時におけるホイールシリンダのブレーキ液の圧力挙動の別の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るブレーキシステムを搭載した自転車の、アンチロックブレーキ制御時におけるホイールシリンダのブレーキ液の圧力挙動の別の一例を示す図である。
以下、図面を適宜参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
なお、以下では、本発明が自転車(例えば、二輪車、三輪車等)に採用される場合を説明するが、本発明は自転車以外の他の車両に採用されてもよい。自転車以外の他の車両とは、例えば、エンジン及び電動モータのうちの少なくとも1つを駆動源とする自動二輪車、自動三輪車、及び自動四輪車等である。すなわち、本発明は、電動モータを駆動源とする電動車両に採用することもできる。なお、自転車とは、ペダルに付与される踏力によって路上を推進することが可能な乗物全般を意味している。つまり、自転車には、普通自転車、電動アシスト自転車、電動自転車等が含まれる。また、自動二輪車又は自動三輪車は、いわゆるモータサイクルを意味し、モータサイクルには、オートバイ、スクーター、電動スクーター等が含まれる。
また、以下で説明する構成、動作などは、一例であり、本発明は、そのような構成、動作などである場合に限定されない。
また、各図において、同一又は相当関係にある部材又は部分には、同一の符号を付すか、又は、符号を付すことを省略している。また、各図において、詳細部分の図示が適宜簡略化または省略されている。
実施の形態.
以下に、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置、本実施の形態に係る車両、及び、本実施の形態にかかるブレーキ液圧制御方法を説明する。
<ブレーキシステムの構成>
本実施の形態に係る自転車に搭載されたブレーキシステムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの概略構成を示す図である。なお、図1では、自転車1に搭載されたブレーキシステム10のうちの、後輪の制動に関係する構成要素の図示が省略されている。
図1に示されるように、車両の一例である自転車1は、ブレーキシステム10を備えている。このブレーキシステム10は、前輪2のホイールシリンダ31のブレーキ液の液圧、つまり、前輪2の制動力を制御するものである。ブレーキシステム10は、制動操作部20、前輪制動部30、及びブレーキ液圧制御装置100を備えている。
ブレーキ液圧制御装置100は、後に詳述される基体110を備えている。基体110には、マスタシリンダポート111と、ホイールシリンダポート112とが形成されている。
制動操作部20は、ブレーキの入力部の一例であるブレーキレバー21と、マスタシリンダ22と、リザーバ23と、液管24とを備えている。マスタシリンダ22は、ブレーキレバー21に対する搭乗者の操作に連動して移動するピストン部(図示省略)を備えている。リザーバ23には、マスタシリンダ22のブレーキ液が大気圧下で蓄えられる。液管24の一端は、マスタシリンダ22に接続され、液管24の他端は、マスタシリンダポート111に接続される。
前輪制動部30は、ホイールシリンダ31と、ブレーキディスク32と、液管33とを備えている。ホイールシリンダ31は、ホイールシリンダポート112に接続されている液管33内のブレーキ液の液圧変化に連動して移動するピストン部(図示省略)を備えている。ブレーキディスク32は、前輪2に取り付けられ、前輪2と共に回転する。ホイールシリンダ31のピストン部の移動によって、ブレーキディスク32にブレーキパッド(図示省略)が押し付けられることで、前輪2が制動される。
ブレーキ液圧制御装置100は、上述の基体110と、第1液圧調整弁121と、第2液圧調整弁122と、アキュムレータ123と、逆止弁124と、液圧検出器125と、車輪速度検出器126と、制御部130とを備えている。
基体110には、内部流路として、第1流路113と、第2流路114と、第3流路115とが形成されている。
図1に示される例においては、第1流路113は、マスタシリンダポート111とホイールシリンダポート112との間を連通させるように形成されている。つまり、マスタシリンダ22とホイールシリンダ31とは、液管24と第1流路113と液管33とによって連通する。なお、マスタシリンダ22とマスタシリンダポート111とは、液管24を介することなく直接接続されてもよく、また、ホイールシリンダ31とホイールシリンダポート112とは、液管33を介することなく直接接続されてもよい。
また、図1に示される例においては、第2流路114は、第1流路113の一部領域をバイパスするように形成されている。第2流路114は、ホイールシリンダ31のブレーキ液をマスタシリンダ22に逃がすための流路である。なお、第2流路114が、第1流路113を介することなく(つまり、マスタシリンダポート111とは別のマスタシリンダポート、及び、液管24とは別の液管を介して)マスタシリンダ22に接続されてもよい。また、第2流路114が、第1流路113を介することなく(つまり、ホイールシリンダポート112とは別のホイールシリンダポート、及び、液管33とは別の液管を介して)ホイールシリンダ31に接続されてもよい。
第1液圧調整弁121と、第2液圧調整弁122と、アキュムレータ123と、逆止弁124と、液圧検出器125とは、基体110に組み付けられている。
第1液圧調整弁121は、第1流路113のうちの、第2流路114によってバイパスされている領域に設けられている。第2液圧調整弁122は、第2流路114の途中部に設けられている。第1液圧調整弁121は、非通電時開の電磁弁であり、非通電時にはブレーキ液の流動を遮断しない。第1液圧調整弁121が通電状態になると、第1液圧調整弁121は閉止状態となって、ブレーキ液の流動を遮断する。第2液圧調整弁122は、非通電時閉の電磁弁であり、非通電時にはブレーキ液の流動を遮断する。第2液圧調整弁122が通電状態になると、第2液圧調整弁122は開放状態となって、ブレーキ液の流動を可能にする。第1液圧調整弁121及び第2液圧調整弁122は、開放状態での開度を調整できないものであってもよく、また、開放状態での開度を調整できるものであってもよい。
アキュムレータ123は、第2流路114のうちの第2液圧調整弁122の下流側に設けられている。アキュムレータ123には、第2液圧調整弁122を通過したブレーキ液が蓄えられる。アキュムレータ123には、流入するブレーキ液を吐き出すように動作する弾性要素が内蔵されている。逆止弁124が、アキュムレータ123の下流側に設けられていることで、吐き出されたブレーキ液がアキュムレータ123に戻ることが抑止される。つまり、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、マスタシリンダ22のブレーキ液の圧力がアキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の圧力よりも低くなると、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液が昇圧レス(つまり、ポンプレス方式)でマスタシリンダ22に戻る。
液圧検出器125は、基体110に形成されている内部流路のうちの、ホイールシリンダ31のブレーキ液の液圧と実質的に同一の液圧になる位置に設けられる。なお、図1に示される例においては、第1流路113のうちの、第2流路114の上流側端部が接続される箇所に、第3流路115が形成され、その第3流路115に液圧検出器125が設けられる場合が示されているが、液圧検出器125が、第1流路113のうちの、第1液圧調整弁121とホイールシリンダポート112との間の他の箇所に、第3流路115を介して又は介さずに接続されていてもよい。また、液圧検出器125が、第2流路114のうちの第2液圧調整弁122の上流側の箇所に、第3流路115を介して又は介さずに接続されていてもよい。
車輪速度検出器126は、前輪2の車輪速度を検出するものである。車輪速度検出器126は、前輪2の回転数を検出するものであってもよく、また、前輪2の回転数に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。
制御部130は、例えば、マイコン、マイクロプロセッサユニット等を含んで構成されてもよく、また、ファームウェア等の更新可能なものを含んで構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等を含んで構成されてもよい。
制御部130は、ブレーキ液圧制御装置100の第1液圧調整弁121及び第2液圧調整弁122の動作を制御することによって、ホイールシリンダ31のブレーキ液の圧力、つまり、前輪2の制動力を制御する。
この際、制御部130は、アンチロックブレーキ制御を実行し、前輪2がロックすることを防止する。すなわち、制御部130は、ブレーキレバー21が操作されている状態において、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧及び増圧を行い、前輪2がロックすることを防止する。制御部130が実行するアンチロックブレーキ制御は、後述のように、アンチロックブレーキ制御時にホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧した後に増圧する際、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧を抑制する。制御部130が実行するアンチロックブレーキ制御において、この増圧を抑制する動作以外は、公知のアンチロックブレーキ制御と同様である。
例えば、搭乗者によるブレーキレバー21の操作によって前輪2に制動力が生じている際に、例えば前輪2のスリップ率が第1所定値以上になると、制御部130は、第1液圧調整弁121を閉止状態にして、マスタシリンダ22とホイールシリンダ31との間のブレーキ液の流動を遮断することで、ホイールシリンダ31におけるブレーキ液の増圧を抑止する。一方、制御部130は、第2液圧調整弁122を開放状態にして、ホイールシリンダ31からアキュムレータ123へのブレーキ液の流動を可能にすることで、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧を行う。これにより、前輪2のロックが回避される。この際、ホイールシリンダ31から流出したブレーキ液は、アキュムレータ123に蓄えられる。
また、制御部130は、例えば前輪2のスリップ率が第2所定値以下になると、第2液圧調整弁122を閉止状態にする。そして、制御部130は、第1液圧調整弁121を開閉しながら、ホイールシリンダ31のブレーキ液を増圧していく。
ここで、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100においては、マスタシリンダ22のブレーキ液の圧力がアキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の圧力よりも低くなると、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液が昇圧レスでマスタシリンダ22に戻る。すなわち、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100においては、例えば自転車1が停止してブレーキレバー21が戻され、マスタシリンダ22のブレーキ液の圧力がアキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の圧力よりも低くなると、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液がマスタシリンダ22に戻る。
このため、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100においては、ブレーキレバー21が操作されている間、アキュムレータ123に蓄えられたブレーキ液をマスタシリンダ22に戻すことができない。そして、アンチロックブレーキ制御時にホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧させる度に、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の量が増していく。このため、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100においては、ブレーキレバー21が操作されてから該操作が解除されるまでの間に、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯になってしまうことが懸念されるかもしれない。すなわち、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯になってしまって、アンチロックブレーキ制御においてホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧させることができなくなり、前輪2がロックしてしまうことが懸念されるかもしれない。
しかしながら、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100の制御部130は、アンチロックブレーキ制御時にホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧した後に増圧する際、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧を抑制する。このため、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、ブレーキレバー21が操作されてから該操作が解除されるまでの間に、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯になってしまうことを抑制できる。このホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の抑制を行うため、制御部130は、以下のように構成されている。
<ブレーキシステムのシステム構成>
本実施の形態に係るブレーキシステムのシステム構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの、システム構成の一例を示す図である。なお、図2に示す制御部130では、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の抑制を行う際に用いられる機能部のみが記載されており、アンチロックブレーキ制御における公知の動作を司る機能部の記載は省略されている。
制御部130は、残能力取得部131、停止所要時間取得部132、消費能力抑制度設定部133、及び実行部134を備えている。
残能力取得部131は、アンチロックブレーキ制御の実行中の時点でのアキュムレータ123の残能力を取得する機能部である。すなわち、アンチロックブレーキ制御の実行中、残能力取得部131は、現時点でアキュムレータ123がこの後どれだけの量のブレーキ液を蓄えることができる能力を有しているかを取得する機能部である。本実施の形態では、残能力取得部131は、アキュムレータ123に蓄えることができるブレーキ液の最大容量から、現時点においてアキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量を減算している。そして、残能力取得部131は、この減算値を、現時点でのアキュムレータ123の残能力としている。
停止所要時間取得部132は、アンチロックブレーキ制御の実行中の自転車1が停止するまでに要する時間を取得する機能部である。すなわち、アンチロックブレーキ制御の実行中、停止所要時間取得部132は、現時点から自転車1が停止できるまでの時間を取得する。
消費能力抑制度設定部133は、残能力取得部131で取得されたアキュムレータ123の残能力と、停止所要時間取得部132で取得された自転車1が停止するまでに要する時間と、に基づいて、現時点の後に継続されるアンチロックブレーキ制御で消費されるアキュムレータ123の能力の抑制度を設定する機能部である。本実施の形態では、消費能力抑制度設定部133で設定されるアキュムレータ123の能力の抑制度は、現時点の後に継続されるアンチロックブレーキ制御の、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配である。すなわち、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100では、アンチロックブレーキ制御において現時点の後にホイールシリンダ31のブレーキ液を増圧する際、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧比を抑制する。ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧比とは、単位時間当たりのホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧量である。
実行部134は、現時点の後に、消費能力抑制度設定部133で設定されたアキュムレータ123の能力の抑制度で、アンチロックブレーキ制御を継続する機能部である。すなわち、実行部134は、アンチロックブレーキ制御において現時点の後にホイールシリンダ31のブレーキ液を増圧する際、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配が消費能力抑制度設定部133で設定された勾配となるように、第1液圧調整弁121の開閉を制御する。
<ブレーキシステムの制御フロー>
本実施の形態に係るブレーキシステムの、アンチロックブレーキ制御の制御フローについて説明する。なお、ブレーキシステム10で実行されるアンチロックブレーキ制御では、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧後に増圧状態を制御する動作以外、公知の種々の方法を採用することができる。このため、以下では、ブレーキシステム10で実行されるアンチロックブレーキ制御のうち、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧後に増圧状態を制御する制御フローについて説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの、アンチロックブレーキ制御時においてホイールシリンダのブレーキ液を減圧した後に再度増圧する際の制御フローの一例を示す図である。また、図4は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステム及び該ブレーキシステムを搭載した自転車の、アンチロックブレーキ制御時の挙動を示す図である。
ここで、図4に符号「VS」で示す二点鎖線は、自転車1の車体速度を示している。この自転車1の車体速度VSは、例えば、前輪2の車輪速度を検出する車輪速度検出器126を用いた公知の方法によって求めることができる。また、図4に符号「FWS」で示す実線は、前輪2の車輪速度である。また、図4に符号「MCP」で示す一点鎖線は、マスタシリンダ22のブレーキ液の圧力である。また、図4に符号「WCP」で示す実線は、ホイールシリンダ31のブレーキ液の圧力である。ホイールシリンダ31のブレーキ液の圧力WCPは、液圧検出器125を用いた公知の方法によって求めることができる。なお、図4には、参考として、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧を抑制しない場合のホイールシリンダ31のブレーキ液の圧力WCPを破線で示している。また、図4に符号「AV」で示す実線は、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量である。なお、図4には、参考として、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧を抑制しない場合におけるアキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量AVを破線で示している。また、図4には、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量AVの上方に、一点鎖線が示されている。この一点鎖線は、アキュムレータ123に蓄えることができるブレーキ液の最大容量を示している。すなわち、この一点鎖線で示す最大容量と、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量AVとの差が、この後にアキュムレータ123が蓄えることができるブレーキ液の容量RVとなる。
図4に示すように、ブレーキレバー21が操作されると、マスタシリンダ22のブレーキ液の圧力MCPが増加する。この状態では、第1液圧調整弁121が開放状態となっており、第2液圧調整弁122が閉止状態となっている。このため、ホイールシリンダ31のブレーキ液の圧力WCPも増加する。したがって、前輪2の制動力により、自転車1の車体速度VS及び前輪2の車輪速度FWSは減少していく。
例えば前輪2のスリップ率が第1所定値以上になると、制御部130は、第1液圧調整弁121を閉止状態にして、マスタシリンダ22とホイールシリンダ31との間のブレーキ液の流動を遮断することで、ホイールシリンダ31におけるブレーキ液の増圧を抑止する。一方、制御部130は、第2液圧調整弁122を開放状態にして、ホイールシリンダ31からアキュムレータ123へのブレーキ液の流動を可能にすることで、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧を行う。これにより、前輪2のロックが回避される。そして、例えば前輪2のスリップ率が第2所定値以下になった場合等、アンチロックブレーキ制御においてホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧を終了してもよい状態になると、図3に示す制御フローが開始される。
図3に示すように、アンチロックブレーキ制御においてホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧を終了してもよい状態になると(ステップS1)、ステップS2において制御部130は、公知の方法によって、ホイールシリンダ31のブレーキ液を増圧する際の目標増圧状態を取得する。本実施の形態では、制御部130は、目標増圧状態として、ホイールシリンダ31のブレーキ液の目標増圧勾配を取得する。換言すると、制御部130は、目標増圧状態として、ホイールシリンダ31のブレーキ液の目標増圧比を取得する。
ステップS2の後のステップS3は、アンチロックブレーキ制御の実行中の時点でのアキュムレータ123の残能力を取得する、残能力取得ステップである。ステップS3において残能力取得部131は、アキュムレータ123の残能力を取得する。すなわち、現時点でアキュムレータ123がこの後どれだけの量のブレーキ液を蓄えることができる能力を有しているかを取得する。本実施の形態では、残能力取得部131は、以下のようにアキュムレータ123の残能力を取得している。
図5は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステムにおける、ホイールシリンダのブレーキ液の圧力と、ホイールシリンダのブレーキ液の容量との関係を示す図である。
残能力取得部131は、図5に示すホイールシリンダ31のブレーキ液の圧力WCPとホイールシリンダ31に存在しているブレーキ液の容量との関係を導くことができるテーブル等を備えている。
例えば、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧を開始した時点において、ホイールシリンダ31のブレーキ液の圧力WCPが圧力WCP1であったとする。このとき、ホイールシリンダ31には容量V1分のブレーキ液が存在することとなる。また、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧を終了した時点において、ホイールシリンダ31のブレーキ液の圧力WCPが圧力WCP2であったとする。このとき、ホイールシリンダ31には容量V2分のブレーキ液が存在することとなる。この関係から、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧時に、容量V1から容量V2を減算した分のブレーキ液が、ホイールシリンダ31から流出して、アキュムレータ123に流入したことがわかる。すなわち、残能力取得部131は、アキュムレータ123に、容量V1から容量V2を減算した分のブレーキ液が蓄えられたことがわかる。
ここで、残能力取得部131は、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量を記憶している。そして、次回のステップS3では、残能力取得部131は、その時点でアキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量に、容量V1から容量V2を減算した値を加える。これにより、残能力取得部131は、次回のステップS3の時点においてアキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量を認識することができる。なお、図3に示す制御フローが終了し、新たに図3に示す制御フローが開始される際、残能力取得部131は、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量をリセットする。
また、残能力取得部131は、アキュムレータ123に蓄えることができるブレーキ液の最大容量を記憶している。そして、残能力取得部131は、アキュムレータ123に蓄えることができるブレーキ液の最大容量から、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量を減算する。これにより、残能力取得部131は、アキュムレータ123の残能力を取得することができる。
ステップS4において制御部130の例えば消費能力抑制度設定部133は、残能力取得部131が取得したアキュムレータ123の残能力と、閾値とを比較する。そして、アキュムレータ123の残能力が閾値よりも小さい場合、制御部130の例えば消費能力抑制度設定部133は、ステップS5に進む。一方、アキュムレータ123の残能力が閾値よりも大きい場合、制御部130の例えば消費能力抑制度設定部133は、ステップS8に進む。なお、アキュムレータ123の残能力と閾値とが同じ値の場合、ステップS5に進んでもよいし、ステップS8に進んでもよい。
ステップS4の後にステップS8に進んだ場合、実行部134は、第2液圧調整弁122を閉止状態とし、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配がステップS2で取得された目標増圧勾配となるように、第1液圧調整弁121の開閉を制御する。なお、図4に示す自転車1の挙動例では、エリアA1に示す範囲のホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧が、ステップS8での増圧となっている。
一方、ステップS4の後にステップS5に進んだ場合、停止所要時間取得部132は、アンチロックブレーキ制御の実行中の自転車1が停止するまでに要する時間を取得する。換言すると、停止所要時間取得部132は、現時点から自転車1が停止できるまでの時間を取得する。すなわち、ステップS5は、停止所要時間取得ステップである。具体的には、本実施の形態では、停止所要時間取得部132は、以下のように自転車1が停止するまでに要する時間を取得する。
詳しくは、停止所要時間取得部132は、車輪速度検出器126を用いた公知の方法によって、自転車1の車体速度VSを求める。また、停止所要時間取得部132は、車輪速度検出器126を用いた公知の方法によって、自転車1の減速度を求める。そして、停止所要時間取得部132は、自転車1の車体速度VSを自転車1の減速度で除算することにより、自転車1が停止するまでに要する時間を取得する。なお、停止所要時間取得部132が、図4に示す時間T1の時点において自転車1が停止するまでに要する時間を取得した場合、自転車1が停止するまでに要する時間は時間Tとなる。
ステップS5の後のステップS6は、残能力取得部131で取得されたアキュムレータ123の残能力と、停止所要時間取得部132で取得された自転車1が停止するまでに要する時間と、に基づいて、現時点の後に継続されるアンチロックブレーキ制御で消費されるアキュムレータ123の能力の抑制度を設定する、消費能力抑制度設定ステップである。上述のように、本実施の形態では、消費能力抑制度設定部133で設定されるアキュムレータ123の能力の抑制度は、現時点の後に継続されるアンチロックブレーキ制御の、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配である。ステップS6において消費能力抑制度設定部133は、以下のように、ステップS2で取得した目標増圧勾配以下となる、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配を取得する。
具体的には、消費能力抑制度設定部133は、ステップS3で取得されたアキュムレータ123の残能力を、停止所要時間取得部132で取得された自転車1が停止するまでに要する時間で除算し、第1係数FAを取得する。そして、消費能力抑制度設定部133は、図6に示す関係に基づいて、第2係数FBを取得する。
図6は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの、第1係数FAと第2係数FBとの関係を示す図である。
図6に示すように、第1係数FAの値が値FA1から値FA2の間では、第1係数FAが小さくなるほど、第2係数FBの値も小さくなっている。換言すると、第1係数FAの値が値FA1から値FA2の間では、第1係数FAが大きくなるほど、第2係数FBの値も大きくなっている。また、第1係数FAの値が値FA1から値FA2の間では、第2係数FBの最大値は1よりも小さくなっている。なお、図6では、第1係数FAの増加に対して第2係数FBが一次関数的に増加しているが、第1係数FAの増加に対する第2係数FBの増加度合いは、一次関数的な増加に限定されない。
消費能力抑制度設定部133は、図6に示す第1係数FAと第2係数FBとの関係を導くことができるテーブル等を備えている。そして、消費能力抑制度設定部133は、第1係数FAから第2係数FBを取得し、ステップS2で取得した目標増圧勾配に第2係数FBを乗算することにより、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配を取得する。すなわち、第1係数FAの値が値FA1から値FA2の間では、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配は、ステップS2で取得した目標増圧勾配よりも小さくなる。
ステップS6の後のステップS7は、現時点の後に、消費能力抑制度設定部133で設定されたアキュムレータ123の能力の抑制度で、アンチロックブレーキ制御を継続する実行ステップである。ステップS7において実行部134は、第2液圧調整弁122を閉止状態とし、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配がステップS6で取得した勾配となるように、第1液圧調整弁121の開閉を制御する。なお、図4に示す自転車1の挙動例では、エリアA2に示す範囲のホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧が、ステップS7での増圧となっている。
上述のように、第1係数FAの値が値FA1から値FA2の間では、ステップS6で取得されるホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配は、ステップS2で取得した目標増圧勾配よりも小さくなる。このため、図4に示すように、ステップS6で取得したホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配となるように実行部134が第1液圧調整弁121の開閉を制御した際、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧が、ステップS8の場合と比べて抑制される。これにより、ステップS6で取得したホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配となるように実行部134が第1液圧調整弁121の開閉を制御した際、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配が抑制されない場合と比べ、ブレーキレバー21が操作されてから該操作が解除されるまでの間のホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧及び増圧の回数を抑制できる。
したがって、図4に示すように、ステップS6で取得したホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配となるように実行部134が第1液圧調整弁121の開閉を制御することにより、ブレーキレバー21が操作されてから該操作が解除されるまでの間に、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯になってしまうことを抑制できる。すなわち、アンチロックブレーキ制御においてホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧させることができなくなることを抑制でき、前輪2がロックしてしまうことを抑制できる。
ここで、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配を単に抑制するだけでも、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯になってしまうことを抑制できる。しかしながら、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配を単に抑制するだけでは、ホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧した後の増圧が過度に抑制され、自転車1の制動力が低下してしまう。しかしながら、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、残能力取得部131で取得されたアキュムレータ123の残能力と、停止所要時間取得部132で取得された自転車1が停止するまでに要する時間と、に基づいて、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配を抑制している。このため、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、自転車1の制動力が低下することも抑制できる。
詳しくは、第1係数FAの値が値FA1から値FA2の間では、アキュムレータ123の残能力が大きいほど、自転車1が停止するまでに要する時間が短くなるほど、第1係数FAが大きくなる。すなわち、第1係数FAの値が値FA1から値FA2の間では、アキュムレータ123の残能力が大きいほど、自転車1が停止するまでに要する時間が短くなるほど、第2係数FBが大きくなる。このため、第1係数FAの値が値FA1から値FA2の間では、アキュムレータ123の残能力が大きいほど、自転車1が停止するまでに要する時間が短くなるほど、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配の抑制度合いが小さくなる。
アキュムレータ123の残能力が大きいほど、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯になるまでに余裕があるため、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配の抑制度合いを小さくしても、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯になってしまうことを抑制できる。また、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、アキュムレータ123の残能力が大きいほど、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配の抑制度合いが小さくなる。このため、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯なることを抑制しつつ、自転車1の制動力が低下することも抑制できる。
同様に、自転車1が停止するまでに要する時間が短くなるほど、ブレーキレバー21が操作されてから該操作が解除されるまでの間の、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧及び増圧の回数は少なくなる。このため、自転車1が停止するまでに要する時間が短くなるほど、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配の抑制度合いを小さくしても、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯になってしまうことを抑制できる。また、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、自転車1が停止するまでに要する時間が短くなるほど、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配の抑制度合いが小さくなる。このため、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯なることを抑制しつつ、自転車1の制動力が低下することも抑制できる。
ステップS7又はステップS8の後、ステップS9において制御部130は、アンチロックブレーキ制御を終了する状態か否かを判定する。アンチロックブレーキ制御を終了する状態とは、例えば、自転車1が停止し、ブレーキレバー21が操作されていない状態である。アンチロックブレーキ制御を終了する状態となっている場合、制御部130は、図3に示す制御フローを停止する(ステップS10)。一方、アンチロックブレーキ制御を終了する状態となっていない場合、制御部130は、ステップS2に戻って上述の制御を繰り返す。
なお、図6では、第1係数FAの値が値FA2よりも小さい範囲では、第2係数FBの値が一定となっている。このように第1係数FAと第2係数FBとの関係を設定することにより、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配が過度に抑制されることを防止でき、自転車1の制動力が低下することを抑制できる。
また、図6では、第1係数FAの値が値FA1よりも大きい範囲では、第2係数FBの値が1となっている。このように第1係数FAと第2係数FBとの関係を設定することにより、第1係数FAの値が大きくなっても、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配が大きくなってしまうことを防止できる。
<効果>
本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、例えばブレーキレバー21が操作されている状態において前輪2のスリップ状態に応じてホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧及び増圧を行うアンチロックブレーキ制御を実行する。また、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、アンチロックブレーキ制御時にホイールシリンダ31から逃がしたブレーキ液をアキュムレータ123に蓄え、ブレーキレバー21の操作終了後にアキュムレータ123のブレーキ液を昇圧レスでマスタシリンダ22に戻す。そして、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、残能力取得部131と、停止所要時間取得部132と、消費能力抑制度設定部133と、実行部134とを備えている。残能力取得部131は、アンチロックブレーキ制御の実行中の時点でのアキュムレータ123の残能力を取得する機能部である。停止所要時間取得部132は、アンチロックブレーキ制御の実行中の自転車1が停止するまでに要する時間を取得する機能部である。消費能力抑制度設定部133は、残能力取得部131で取得された残能力と、停止所要時間取得部132で取得された自転車1が停止するまでに要する時間と、に基づいて、現時点の後に継続されるアンチロックブレーキ制御で消費されるアキュムレータ123の能力の抑制度を設定する機能部である。実行部134は、現時点の後に、消費能力抑制度設定部133で設定された抑制度で、アンチロックブレーキ制御を継続する機能部である。
本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、アンチロックブレーキ制御時に消費されるアキュムレータ123の能力を抑制する。これにより、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、アンチロックブレーキ制御時において今後アキュムレータ123に蓄えられていくブレーキ液の量を抑制することができる。このため、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯になることを抑制できる。この際、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、自転車1が停止するまでに今後要する時間と、アキュムレータ123のその時点での残能力とに基づいて、アンチロックブレーキ制御時に消費されるアキュムレータ123の能力を抑制する。このため、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100は、アンチロックブレーキ制御におけるホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧した後の増圧時、該増圧が過度に抑制されることがなく、自転車1の制動力が低下することも抑制できる。
<変形例>
本実施の形態では、消費能力抑制度設定部133で設定されるアキュムレータ123の能力の抑制度は、現時点の後に継続されるアンチロックブレーキ制御の、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配とした。これに限らず、例えば、図7に示すように、消費能力抑制度設定部133で設定されるアキュムレータ123の能力の抑制度を、現時点の後に継続されるアンチロックブレーキ制御の、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の立ち上がり量としてもよい。
図7は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステムを搭載した自転車の、アンチロックブレーキ制御時におけるホイールシリンダのブレーキ液の圧力挙動の別の一例を示す図である。
図7に示すP1は、アンチロックブレーキ制御時においてホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧した後に増圧する際の、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の立ち上がり量を示している。換言すると、図7に示すP1は、ホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧した後に増圧する際、最初に第1液圧調整弁121を開放状態としたときのホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧量を示している。
図7に示すように、残能力取得部131で取得されたアキュムレータ123の残能力と、停止所要時間取得部132で取得された自転車1が停止するまでに要する時間と、に基づいて、アンチロックブレーキ制御時においてホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧した後に増圧する際の、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の立ち上がり量P1を抑制してもよい。この場合、アキュムレータ123の残能力が大きいほど、自転車1が停止するまでに要する時間が短くなるほど、立ち上がり量P1の抑制度合いを小さくすればよい。これにより、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯なることを抑制しつつ、自転車1の制動力が低下することも抑制できる。
また、例えば、図8に示すように、消費能力抑制度設定部133で設定されるアキュムレータ123の能力の抑制度を、現時点の後に継続されるアンチロックブレーキ制御の、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の開始時点としてもよい。
図8は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステムを搭載した自転車の、アンチロックブレーキ制御時におけるホイールシリンダのブレーキ液の圧力挙動の別の一例を示す図である。
図8に示す一点鎖線は、アンチロックブレーキ制御においてホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧を終了するタイミングを示している。図8に示すように、残能力取得部131で取得されたアキュムレータ123の残能力と、停止所要時間取得部132で取得された自転車1が停止するまでに要する時間と、に基づいて、アンチロックブレーキ制御時においてホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧した後に増圧する際の開始時点を遅らせてもよい。この場合、アキュムレータ123の残能力が大きいほど、自転車1が停止するまでに要する時間が短くなるほど、アンチロックブレーキ制御時においてホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧した後に増圧する際の開始時点の遅れを小さくすればよい。これにより、アキュムレータ123内にブレーキ液が満杯なることを抑制しつつ、自転車1の制動力が低下することも抑制できる。
しかしながら、アンチロックブレーキ制御時においてホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧した後に増圧する際の開始時点を遅らせた場合、前輪2にかかる制動力の増加タイミングが遅れることとなる。このため、ホイールシリンダ31のブレーキ液を減圧した後に増圧する際の開始時点を遅らせる場合と比べ、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の勾配を抑制させる構成、及び、ホイールシリンダ31のブレーキ液の増圧の立ち上がり量P1を抑制する構成の方が、好ましい。
また、本実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置100が備えている検出器は、あくまでも一例ある。本実施の形態では、車輪速度検出器126を用いて、自転車1の車体速度、及び、自転車1の減速度を求めた。しかしながら、自転車1の車体速度、及び、自転車1の減速度を求めるための検出器として、種々の検出器が公知となっている。これらの公知となった検出器の少なくとも1つを用いて、自転車1の車体速度、及び、自転車1の減速度を求めてもよい。また、本実施の形態では、液圧検出器125を用いて、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量を求めた。これに限らず、例えば、流量計等を用いてアキュムレータ123に流入するブレーキ液の容量を求めることにより、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量を求めてもよい。また例えば、前輪2の車輪速度の挙動から、ホイールシリンダ31のブレーキ液の圧力変化を推定することも可能である。すなわち、前輪2の車輪速度の挙動から、アキュムレータ123に流入するブレーキ液の容量を推定することも可能である。したがって、前輪2の車輪速度の挙動からアキュムレータ123に流入するブレーキ液の容量を推定し、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の容量を求めてもよい。
また、本実施の形態では、アキュムレータ123の残能力を、現時点でアキュムレータ123がこの後蓄えることができるブレーキ液の容量として規定した。これに限らず、アキュムレータ123の残能力を、例えば圧力で規定してもよい。詳しくは、本実施の形態では、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧量に基づいて、アキュムレータ123に流入するブレーキ液の容量を求めた。すなわち、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧量と、アキュムレータ123に流入するブレーキ液の容量とには、相関関係がある。したがって、ホイールシリンダ31のブレーキ液が減圧される毎に、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧量を加算していくことにより、アキュムレータ123に蓄えられているブレーキ液の量を圧力によって表すこともできる。また、ホイールシリンダ31のブレーキ液の減圧量を加算していき、どの値でアキュムレータ123がブレーキ液で満杯になるかを求めれば、アキュムレータ123に蓄えることができるブレーキ液の最大容量を圧力によって表すことができる。したがって、アキュムレータ123の残能力を圧力で規定することもできる。
また、本実施の形態では、ブレーキ液圧制御装置100は、自転車1の前輪2の制動力の制御に用いられていた。これに限らず、自転車1の前輪2以外の車輪の制動力の制御に、ブレーキ液圧制御装置100を用いてもよい。また、自転車1の複数の車輪の制動力の制御にブレーキ液圧制御装置100を用いる場合、各車輪のホイールシリンダ毎に異なるブレーキ液圧制御装置100を接続してもよいし、同一のブレーキ液圧制御装置100に少なくとも2つの車輪のホイールシリンダを接続してもよい。
また、上述のように、ブレーキ液圧制御装置100が採用される車両は、自転車1に限定されない。自転車以外の他の車両に、ブレーキ液圧制御装置100を採用してもよい。自転車以外の他の車両とは、例えば、エンジン及び電動モータのうちの少なくとも1つを駆動源とする自動二輪車、自動三輪車、及び自動四輪車等である。
1 自転車(車両)、2 前輪、10 ブレーキシステム、20 制動操作部、21 ブレーキレバー(入力部)、22 マスタシリンダ、23 リザーバ、24 液管、30 前輪制動部、31 ホイールシリンダ、32 ブレーキディスク、33 液管、100 ブレーキ液圧制御装置、110 基体、111 マスタシリンダポート、112 ホイールシリンダポート、113 第1流路、114 第2流路、115 第3流路、121 第1液圧調整弁、122 第2液圧調整弁、123 アキュムレータ、124 逆止弁、125 液圧検出器、126 車輪速度検出器、130 制御部、131 残能力取得部、132 停止所要時間取得部、133 消費能力抑制度設定部、134 実行部。

Claims (9)

  1. ブレーキの入力部(21)が操作されている状態において車輪(2)のスリップ状態に応じてホイールシリンダ(31)のブレーキ液の減圧及び増圧を行うアンチロックブレーキ制御を実行し、前記アンチロックブレーキ制御時に前記ホイールシリンダ(31)から逃がしたブレーキ液をアキュムレータ(123)に蓄え、前記入力部(21)の操作終了後に前記アキュムレータ(123)のブレーキ液を昇圧レスでマスタシリンダ(22)に戻す車両のブレーキ液圧制御装置(100)であって、
    前記アンチロックブレーキ制御の実行中の時点での前記アキュムレータ(123)の残能力を取得する残能力取得部(131)と、
    前記アンチロックブレーキ制御の実行中の前記車両が停止するまでに要する時間を取得する停止所要時間取得部(132)と、
    前記残能力取得部(131)で取得された前記残能力と、前記停止所要時間取得部(132)で取得された前記時間と、に基づいて、前記時点の後に継続される前記アンチロックブレーキ制御で消費される前記アキュムレータ(123)の能力の抑制度を設定する消費能力抑制度設定部(133)と、
    前記時点の後に、前記消費能力抑制度設定部(133)で設定された前記抑制度で、前記アンチロックブレーキ制御を継続する実行部(134)と、
    を備えたブレーキ液圧制御装置。
  2. 前記消費能力抑制度設定部(133)で設定される前記抑制度は、前記時点の後に継続される前記アンチロックブレーキ制御の前記増圧の勾配である、
    請求項1に記載のブレーキ液圧制御装置。
  3. 前記消費能力抑制度設定部(133)で設定される前記抑制度は、前記時点の後に継続される前記アンチロックブレーキ制御の前記増圧の立ち上がり量である、
    請求項1又は請求項2に記載のブレーキ液圧制御装置。
  4. 前記消費能力抑制度設定部(133)で設定される前記抑制度は、前記時点の後に継続される前記アンチロックブレーキ制御の前記増圧の開始時点である、
    請求項1〜請求項3に記載のブレーキ液圧制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のブレーキ液圧制御装置を備えている車両。
  6. 前記車両は電動車両である、請求項5に記載の車両。
  7. 前記車両は自転車(1)である、請求項5又は請求項6に記載の車両。
  8. 前記車両はモータサイクルである、請求項5又は請求項6に記載の車両。
  9. ブレーキの入力部(21)が操作されている状態において車輪(2)のスリップ状態に応じてホイールシリンダ(31)のブレーキ液の減圧及び増圧を行うアンチロックブレーキ制御を実行し、前記アンチロックブレーキ制御時に前記ホイールシリンダ(31)から逃がしたブレーキ液をアキュムレータ(123)に蓄え、前記入力部(21)の操作終了後に前記アキュムレータ(123)のブレーキ液を昇圧レスでマスタシリンダ(22)に戻す車両のブレーキ液圧制御方法であって、
    前記アンチロックブレーキ制御の実行中の時点での前記アキュムレータ(123)の残能力を取得する残能力取得ステップ(S3)と、
    前記アンチロックブレーキ制御の実行中の前記車両が停止するまでに要する時間を取得する停止所要時間取得ステップ(S5)と、
    前記残能力取得ステップ(S3)で取得された前記残能力と、前記停止所要時間取得ステップ(S5)で取得された前記時間と、に基づいて、前記時点の後に継続される前記アンチロックブレーキ制御で消費される前記アキュムレータ(123)の能力の抑制度を設定する消費能力抑制度設定ステップ(S6)と、
    前記時点の後に、前記消費能力抑制度設定ステップ(S6)で設定された前記抑制度で、前記アンチロックブレーキ制御を継続する実行ステップ(S7)と、
    を備えたブレーキ液圧制御方法。
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