JP2009023467A - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、路面状況が現状よりも低μ路となった場合であっても、増圧制御の時間を確保して制動制御の効率を向上させることができる車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】制御手段(制御部20)は、キャリパ圧が増圧状態へと移行する場合に初期電流値を算出する初期電流値算出手段22と、初期電流値から目標電流値へ向けて少なくとも1つの所定の勾配で通電量を低下させる開弁量調整手段25と、所定時間内における路面摩擦係数を推定する推定手段27と、路面摩擦係数と車輪減速度とを比較して制動力が目標に達したか否かを判断する判断手段28と、制動力が目標に達したと判断されたことを条件として、前記所定の勾配よりも緩やかな勾配で、通電量を低下させる開弁量増加緩和手段29を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、入口弁として常開型比例電磁弁を用いた車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
一般に、運転者の踏力に応じて液圧を発生するマスタシリンダと、車輪に制動力を与える車輪ブレーキとの間に配置されて、車輪ブレーキによる制動力を制御する車両用ブレーキ液圧制御装置が知られている。このような車両用ブレーキ液圧制御装置は、主に、マスタシリンダ側から車輪ブレーキへのブレーキ液圧の伝達を許容する常開型の入口弁と、車輪ブレーキ内の液圧(以下、キャリパ圧ともいう)を逃がす常閉型の出口弁と、出口弁の開放により逃がされたブレーキ液圧を吸収するリザーバ等を主に備えている。そして、この車両用ブレーキ液圧装置では、例えば車輪がロックしそうになった(スリップ率が所定値以上になった)と判断したときに、入口弁を閉じ、出口弁を開放することで、キャリパ圧をリザーバに逃がして車輪のロックを防止する、いわゆるアンチロックブレーキ制御(以下、ABS制御という)を行うことが可能となっている。
このような車両用ブレーキ液圧制御装置としては、従来、通電量に応じて開弁量を任意に変更可能な常開型比例電磁弁(リニアソレノイドバルブ)を入口弁として採用したものが知られている(特許文献1参照)。この技術では、図7に示すように、スリップ率(車体速度と車輪速度の比)が所定値以上になったときに(時刻T1)、常時開放されている入口弁に高めの電流値αとなる電流が供給され、入口弁が一気に閉じられるとともに、出口弁が開放されてキャリパ圧が低下する。そして、このABS制御中において、スリップ率が所定値未満になったとき(車輪の状態がロック状態から正常な状態に回復したとき;時刻T2)には、出口弁を閉じるとともに、入口弁に供給する電流を制御して、入口弁を所定の開弁量で開弁する。詳しくは、閉弁状態に対応した所定の電流値αから通電量を初期電流値βまで一気に下げた後(時刻T2)、その通電量を徐々に所定の勾配で下げていくことで、増圧制御の開始(時刻T2)と略同時にキャリパ圧の増加を可能としている。そして、所定の勾配で下げていく途中で、再びスリップ率が所定値以上になると(時刻T4)、入口弁に電流値αの電流が供給されて再び入口弁が一気に閉じられ、増圧制御が終了する。
特開2003−19952号公報
ところで、減圧制御が開始されるロック液圧値γは、路面の摩擦係数(以下、「路面μ」ともいう)が現状より低くなるにつれ、徐々に下がっていく。そのため、増圧制御中(時刻T2〜T4間)において、路面μが現状よりも一時的に低くなった場合には、ロック液圧値は一時的に例えば図に示すロック液圧値δまで下がることとなる。
しかしながら、従来技術では、路面μの変動に関わらず、常に入口弁への通電量を所定の勾配で下げているので、路面μが急に低くなる場合には、図に太字の破線で示すように、キャリパ圧が直ぐにロック液圧値δに達してしまい(時刻T3)、直ぐに減圧制御が開始されてしまう。そのため、増圧制御の時間が短くなり、制動制御の効率があまり良くないという課題があった。
そこで、本発明は、路面μが現状よりも一時的に低くなった場合であっても、増圧制御の時間を確保して制動制御の効率を向上させることができる車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決する本発明は、液圧源で発生した液圧を制御して車輪ブレーキに伝える車両用ブレーキ液圧制御装置であって、前記液圧源側から前記車輪ブレーキへの液圧の伝達を許容し、通電量によって開弁量が調整可能な常開型比例電磁弁と、前記車輪ブレーキ内の液圧を逃がす常閉型電磁弁と、前記常開型比例電磁弁および前記常閉型電磁弁への通電量を制御することで、前記車輪ブレーキ内の液圧を増圧状態、保持状態または減圧状態に切り替える制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記減圧状態または前記保持状態から前記増圧状態へと移行する場合に、前記常開型比例電磁弁を開弁させる初期電流値を算出する初期電流値算出手段と、前記初期電流値から、前記増圧状態が終了すると予測される目標電流値へ向けて、所定の勾配で前記通電量を低下させる開弁量調整手段と、路面摩擦係数を推定する推定手段と、前記推定手段で推定された路面摩擦係数と車輪の減速度とを比較して、制動力が目標に達したか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により制動力が目標に達したと判断されたことを条件として、前記所定の勾配よりも緩やかな勾配で、前記通電量を低下させる開弁量増加緩和手段と、を備えていることを特徴とする。
ここで、「制動力が目標に達する」とは、予め設定した所定の目標値に制動力が達したことを意味するものではなく、単に、推定された路面摩擦係数の路面に対して車両用ブレーキ液圧制御装置にて制御された各車輪ブレーキの制動力が十分足りている状態を意味し、それ以上制動力が大きくなると所定の短い時間でスリップが発生してしまうような状態を意味する。なお、制動力が目標に達した状態というのは、路面摩擦係数に応じて異なり、例えば路面摩擦係数が小さいときは小さい制動力で目標に達し、路面摩擦係数が大きいときは大きな制動力で目標に達することとなる。
本発明によれば、減圧状態または保持状態から増圧状態へと移行すると、初期電流値算出手段によって初期電流値が算出される。その後、開弁量調整手段は、所定の勾配で通電量を低下させ、増圧制御を開始する。この増圧制御中において、推定手段が所定時間内における路面摩擦係数を推定し、判断手段が路面摩擦係数と車輪の減速度を比較して制動力が目標に達したか否かを判断する。そして、判断手段により制動力が目標に達したと判断された場合には、開弁量増加緩和手段が、前記した所定の勾配よりも緩やかな勾配で通電量を低下させる。したがって、例えば路面摩擦係数が現状よりも一時的に低くなった場合には、判断手段が路面摩擦係数と車輪の減速度を比較することにより制動力が目標に達したと判断され、開弁量増加緩和手段により緩やかな勾配で通電量が下げられていくので、従来のように所定の勾配のまま増圧制御を実行するものに比べ、減圧制御が入り難くなる。そのため、増圧制御の時間が確保されて、制動制御の効率を向上させることができる。
また、前記開弁量調整手段は、前記初期電流値から、前記目標電流値よりも高く設定される折れ点電流値へ向けて第1の勾配で前記通電量を低下させる第1開弁量調整手段と、前記折れ点電流値から前記目標電流値へ向けて前記第1の勾配よりも緩やかな第2の勾配で前記通電量を低下させる第2開弁量調整手段と、を備えていてもよい。
これによれば、第1開弁量調整手段は、初期電流値から折れ点電流値へ向けて、第2の勾配よりも急な第1の勾配で通電量を低下させる。そして、通電量が折れ点電流値へ到達した後は、第2開弁量調整手段が、折れ点電流値から目標電流値へ向けて、第1の勾配よりも緩やかな第2の勾配で通電量を低下させる。そのため、折れ点電流値、すなわち増圧状態が終了しないと予測される電流値までは、素早く車輪ブレーキの増圧を行うことができ、増圧状態が終了すると予測される目標電流値までは緩やかな傾斜で長い時間増圧し続けることができる。すなわち、車輪がロックする直前の高いキャリパ圧を比較的長い時間利用することができるので、制動制御の効率を向上させることができる。なお、第1の勾配または第2の勾配で通電量を低下させている最中において、前記した判断手段により路面摩擦係数が所定量以上変化したと判断された場合には、前記と同様に、開弁量増加緩和手段が、第1の勾配または第2の勾配よりも緩やかな勾配で通電量を低下させる。
本発明によれば、路面μが現状よりも一時的に低くなった場合であっても、車輪の減速度と路面摩擦係数とを比較して制動力が目標に達したか否かを判断することで、入口弁への電流制御を初期の所定の勾配よりも緩やかな勾配で実行できるので、増圧制御の時間を確保して制動制御の効率を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
参照する図面において、図1は本発明の一実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置を備えた車両の構成図であり、図2は車両用ブレーキ液圧装置の構成を示す構成図である。
図1に示すように、車両用ブレーキ液圧制御装置100は、車両CRの各車輪Tに付与する制動力を適宜制御する装置である。車両用ブレーキ液圧制御装置100は、油路や各種部品が設けられる液圧ユニット10と、液圧ユニット10内の各種部品を適宜制御するための制御部20とを主に備えている。
各車輪Tには、それぞれ車輪ブレーキFL,RR,RL,FRが備えられ、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRには、液圧源の一例としてのマスタシリンダMから供給される液圧により制動力を発生するホイールシリンダWが備えられている。マスタシリンダMとホイールシリンダWとは、それぞれ液圧ユニット10に接続されている。そして、ブレーキペダルPの踏力(運転者の制動操作)に応じてマスタシリンダMで発生したブレーキ液圧が、制御部20および液圧ユニット10で制御された上でホイールシリンダWに供給されている。
制御部20には、マスタシリンダM内の液圧を検出する圧力センサ91と、各車輪Tの車輪速度を検出する車輪速センサ92とが接続されている。そして、この制御部20は、例えば、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、第1圧力センサ91、圧力センサ91および車輪速センサ92からの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。なお、制御部20の詳細は、後述することとする。
図2に示すように、液圧ユニット10は、マスタシリンダMと車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとの間に配置されている。マスタシリンダMの二つの出力ポートM1,M2は、液圧ユニット10の入口ポート121に接続され、出口ポート122が、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに接続されている。そして、通常時は液圧ユニット10内の入口ポート121から出口ポート122までが連通した油路となっていることで、ブレーキペダルPの踏力が各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達されるようになっている。
液圧ユニット10には、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに対応して四つの入口弁1、四つの出口弁2、および四つのチェック弁1aが設けられている。また、出力ポートM1,M2に対応した各出力液圧路81,82に対応して二つのリザーバ3、二つのポンプ4、二つのダンパ5、二つのオリフィス5aが設けられ、二つのポンプ4を駆動するための電動モータ6を備えている。
入口弁1は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとマスタシリンダMとの間(各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRの上流側)に配置された常開型比例電磁弁である。入口弁1は、前記した制御部20からの通電量によって、その開弁量が調整可能となっている。入口弁1は、通常時に開いていることで、マスタシリンダMから各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、入口弁1は、車輪Tがロックしそうになったときに制御部20により閉塞されることで、ブレーキペダルPから各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達する液圧を遮断する。さらに、入口弁1は、制御部20によって所定の閉弁力(開弁量)となるように制御されることで、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR内の液圧を所定の傾きで増加させる。
出口弁2は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRと各リザーバ3との間(入口弁1のホイールシリンダW側の液圧路からリザーバ3およびポンプ4に通じる液圧路上)に配置された常閉型の電磁弁である。出口弁2は、通常時に閉塞されているが、車輪Tがロックしそうになったときに制御部20により開放されることで、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに加わる液圧を各リザーバ3に逃がす。
チェック弁1aは、各入口弁1に並列に接続されている。このチェック弁1aは、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側からマスタシリンダM側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、ブレーキペダルPからの入力が解除された場合に入口弁1を閉じた状態にしたときにおいても、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側からマスタシリンダM側へのブレーキ液の流れを許容する。
リザーバ3は、各出口弁2が開放されることによって逃がされるブレーキ液を吸収する機能を有している。
ポンプ4は、リザーバ3で吸収されているブレーキ液を吸入し、そのブレーキ液をダンパ5やオリフィス5aを介してマスタシリンダMへ戻す機能を有している。これにより、リザーバ3によるブレーキ液圧の吸収によって減圧された各出力液圧路81,82の圧力状態が回復される。
入口弁1および出口弁2は、制御部20により開閉状態が制御されることで、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRのホイールシリンダWにおける液圧(以下、「キャリパ圧」ともいう。)を制御する。例えば、入口弁1が開、出口弁2が閉となる通常状態では、ブレーキペダルPを踏んでいれば、マスタシリンダMからの液圧がそのままホイールシリンダWへ伝達して増圧状態となり、入口弁1が閉、出口弁2が開となれば、ホイールシリンダWからリザーバ3側へブレーキ液が流出して減圧状態となり、入口弁1と出口弁2が共に閉となれば、キャリパ圧(ホイールシリンダWの液圧)が保持される保持状態となる。また、入口弁1を所定の開弁量で開弁させた状態では、ホイールシリンダW内が所定の傾きで徐々に増圧する増圧状態となる。そして、制御部20は、各ホイールシリンダWで目標とするブレーキ液圧に応じて、前記した増圧状態、減圧状態、保持状態を切り換えるべく、各入口弁1や各出口弁2に所定量の電流または制御信号を出力する。
次に、制御部20の詳細について説明する。参照する図面において、図3は制御部の構成を示すブロック図であり、図4は車輪速度および車体速度を示すタイムチャート(a)と、入口弁への通電量を示すタイムチャート(b)と、評価値および閾値を示すタイムチャート(c)と、キャリパ圧を示すタイムチャート(d)である。また、図5は制御部による入口弁の開弁制御を示すフローチャートである。
図3に示すように、制御部20は、制御圧決定手段21、初期電流値算出手段22、目標電流値設定手段23、折れ点電流値算出手段24、開弁量調整手段25、車輪減速度算出手段26、推定手段27、判断手段28および開弁量増加緩和手段29を備えて構成されている。
制御圧決定手段21は、車両の状態に応じて、キャリパ圧を増圧状態、減圧状態、保持状態のいずれにするのかを決定する機能を有している。具体的には、例えば、制御圧決定手段21は、車輪速センサ92で検出される車輪速度と、4つの車輪Tの車輪速度に基づいて推定される車体速度との速度比(スリップ率)が所定値以上になり、かつ、車輪加速度が0以下であるときに車輪Tがロックしそうになったと判定して、キャリパ圧を減圧状態にすることを決定する。ここで、車輪加速度は、例えば車輪速度から算出される。
また、制御圧決定手段21は、車輪加速度が0よりも大きいときに、キャリパ圧を保持状態にすることを決定する。さらに、制御圧決定手段21は、スリップ率が所定値未満となり、かつ、車輪加速度が0以下であるときに、キャリパ圧を増圧状態にすることを決定する。
そして、この制御圧決定手段21は、キャリパ圧を増圧状態にすることを決定した場合(すなわち、減圧状態または保持状態から増圧状態に移行した場合)に、増圧開始信号を初期電流値算出手段22および目標電流値設定手段23に出力する。また、この制御圧決定手段21は、キャリパ圧を減圧状態にすることを決定した場合、減圧開始信号を開弁量調整手段25に出力する。
初期電流値算出手段22は、制御圧決定手段21からの増圧開始信号を受けると、推定キャリパ圧と、圧力センサ91で検出したマスタシリンダ圧との差(入口弁1の上下流の圧力差)に基づいて、入口弁1を開弁させる初期電流値を算出する機能を有している。ここで、「推定キャリパ圧」は、公知の手法で算出されるキャリパ圧であり、例えば、圧力センサ91で検出したマスタシリンダ圧と、入口弁1や出口弁2の開閉状態に基づいて算出(推定)されるキャリパ圧である。また、「入口弁1を開弁させる初期電流値」は、一例を挙げれば、開弁し始める電流値、すなわち、入口弁1の上下流の差圧およびスプリングにより弁体を開方向に押す力と、入口弁1への通電により弁体に発生する閉弁力とが釣り合うような電流値である。なお、このような開弁し始める電流値に限らず、例えば、開弁し始める電流値よりも僅かに低いまたは高い電流値を、初期電流値としてもよい。また、この初期電流値の算出には、例えば、ROMやRAM等の記憶手段に記憶してある、初期電流値と入口弁1の上下流の差圧との関係を示すテーブルなどを用いればよい。そして、この初期電流値算出手段22は、初期電流値を算出すると、この初期電流値を折れ点電流値算出手段24に出力する。
目標電流値設定手段23は、制御圧決定手段21からの増圧開始信号を受けると、前回の増圧サイクル以前の増圧終了時の電流値に基づいて、目標電流値(増圧状態が終了すると予測される電流値)を設定する機能を有している。具体的に、本実施形態においては、目標電流値設定手段23は、図4に示すように、前回の増圧サイクルの増圧終了時(時刻t1)の電流値A2を、目標電流値A3として設定する。なお、増圧サイクルが前に一度もなされていない場合(ABS制御が開始されてから1回目の増圧制御時)には、目標電流値設定手段23は、例えば、ROMやRAM等の記憶手段に記憶してある、目標電流値A3の初期値を読み込み、それを目標電流値A3として設定する。そして、この目標電流値設定手段23は、目標電流値A3を設定すると、この目標電流値A3を折れ点電流値算出手段24に出力する。
折れ点電流値算出手段24は、初期電流値算出手段22から出力されてくる初期電流値A1と、目標電流値設定手段23から出力されてくる目標電流値A3とを受けると、これらの各電流値A1,A3に基づいて折れ点電流値A4(増圧状態が終了しないと予測される電流値)を算出する機能を有している。具体的に、この折れ点電流値算出手段24は、図4に示す初期電流値A1から目標電流値A3を引いた値に所定の割合を乗じ、この乗算により算出された値に目標電流値A3を加えることで折れ点電流値A4を算出する。そして、この折れ点電流値算出手段24は、折れ点電流値A4を算出すると、この折れ点電流値A4と、初期電流値A1と、目標電流値A3とを、開弁量調整手段25に出力する。詳しくは、折れ点電流値A4および初期電流値A1が後述する第1開弁量調整手段25Aに出力され、折れ点電流値A4および目標電流値A3が後述する第2開弁量調整手段25Bに出力される。
開弁量調整手段25は、第1開弁量調整手段25Aと第2開弁量調整手段25Bを備えて構成されている。
第1開弁量調整手段25Aは、折れ点電流値算出手段24から前記した折れ点電流値A4および初期電流値A1を受けると、図4に示すように、通電量を閉弁時の電流値A5から初期電流値A1へ一気に低下させた後、初期電流値A1から折れ点電流値A4へ向けて第1の勾配G1で、通電量を低下させる機能を有している。具体的に、この第1開弁量調整手段25Aは、初期電流値A1から折れ点電流値A4に到達するまでの時間(t5−t2)が第1の規定時間Bとなるように、第1の勾配G1を算出する。すなわち、第1開弁量調整手段25Aは、以下の式で第1の勾配G1を算出する。
第1の勾配G1=(折れ点電流値A4−初期電流値A1)/第1の規定時間B
そして、第1開弁量調整手段25Aは、算出した第1の勾配G1で通電量を初期電流値A1から折れ点電流値A4へ低下させる。そして、この第1開弁量調整手段25Aは、折れ点電流値A4まで通電量を低下させると、終了信号を第2開弁量調整手段25Bに出力する。
第2開弁量調整手段25Bは、折れ点電流値算出手段24から前記した折れ点電流値A4および目標電流値A3を受けるとともに、前記第1開弁量調整手段25Aから終了信号を受けると、折れ点電流値A4から目標電流値A3へ向けて第1の勾配G1よりも緩やかな第2の勾配G2で通電量を低下させる機能を有している。具体的に、この第2開弁量調整手段25Bは、折れ点電流値A4から目標電流値A3に到達するまでの時間(t6−t5)が、第1の規定時間Bよりも長い第2の規定時間Cとなるように、第2の勾配G2を算出する。すなわち、第2開弁量調整手段25Bは、以下の式で第2の勾配G2を算出する。
第2の勾配G2=(目標電流値A3−折れ点電流値A4)/第2の規定時間C
そして、第2開弁量調整手段25Bは、算出した第2の勾配G2で通電量を折れ点電流値A4から目標電流値A3へ低下させる。また、第2開弁量調整手段25Bは、通電量が目標電流値A3となった後であっても、制御圧決定手段21からの減圧開始信号を受けるまでは、さらに通電量の低下を続行する。そして、この第2開弁量調整手段25Bと前述した第1開弁量調整手段25Aは、制御圧決定手段21から減圧開始信号を受けると、所定の勾配で低下させている通電量を、閉弁時の電流値A5へと一気に増加させることで、入口弁1を閉弁させる(図4;時刻t1,t7)。
車輪減速度算出手段26は、車輪速センサ92で検出される車輪速度に基づいて、車輪Tの減速度(以下、「車輪減速度」という)を算出する機能を有している。そして、この車輪減速度算出手段26は、車輪減速度を算出すると、この車輪減速度を判断手段28に出力する。
推定手段27は、ABS制御中におけるスリップの発生していない所定時間(例えば時刻t2から時刻t5の間)内の車体速度の傾きに基づいて、公知の方法により、路面摩擦係数を推定する機能を有している。そして、この推定手段27は、路面摩擦係数を推定すると、この路面摩擦係数を判断手段28に出力する。
判断手段28は、車輪減速度算出手段26から出力されてくる車輪減速度と、推定手段27から出力されてくる路面摩擦係数とを比較して、制動力が目標に達したか否かを判断する機能を有している。具体的に、判断手段28は、推定された路面摩擦係数に対応する目標減速度と、車輪減速度と、以下の式(1)とに基づいて、図4に示す評価値Xを算出する。
評価値X=目標減速度−車輪減速度 ・・・(1)
ここで、目標減速度は、路面摩擦係数に基づいて適宜算出してもよいし、目標減速度と路面摩擦係数との関係を示すテーブルを用いて設定してもよい。
さらに、判断手段28は、前記した式(1)により算出した評価値Xが閾値Yより小さくなったか否かを判断し、小さくなったと判断した場合には(時刻t4)、制動力が目標に達したと判断する。ここで、閾値Yは、実機テスト等により設定される固定値である。そして、この判断手段28は、制動力が目標に達したと判断した場合には、そのことを示す達成信号を、開弁量増加緩和手段29に出力する。
開弁量増加緩和手段29は、判断手段28から達成信号を受けると、第1開弁量調整手段25Aおよび第2開弁量調整手段25Bを制御して、第1の勾配G1または第2の勾配G2よりも緩やかな勾配で、通電量を低下させる機能を有している。すなわち、この開弁量増加緩和手段29は、図4に示すように、第1開弁量調整手段25Aにより第1の勾配G1で通電量を低下させている場合には、この第1の勾配G1を強制的に緩やかな勾配に変えるように、第1開弁量調整手段25Aを制御する。また、第2開弁量調整手段25Bにより第2の勾配G2で通電量を低下させている場合には、開弁量増加緩和手段29は、第2の勾配G2を強制的に緩やかな勾配に変えるように、第2開弁量調整手段25Bを制御する。
以上のように構成される制御部20は、図5に示すフローチャートに基づいて入口弁1の開弁制御(増圧制御)を行う。以下に、制御部20による入口弁1の開弁制御について説明する。なお、この図5に示す増圧制御は、制御圧決定手段21が増圧状態にすることを決定した場合に開始される。また、制御圧決定手段21が減圧状態または保持状態を決定した場合には、制御部20は、公知の減圧制御または保持制御を実行する。
図5に示すように、制御部20は、まず、制御圧決定手段21がキャリパ圧を減圧状態または保持状態から増圧状態にすることを決定したか否か、すなわち減圧状態または保持状態から増圧状態に移行したか否かを判断する(S1)。ここで、移行の判断は、例えば、制御圧決定手段21が決定するキャリパ圧の状態の前回値が減圧状態または保持状態であり、今回値が増圧状態である場合に、移行したと判断し(S1;Yes)、前回値と今回値がともに増圧状態である場合には、移行していないと判断する(S1;No)。ステップS1において、増圧状態に移行したと判断した場合(Yes)、制御部20は、初期電流値A1の算出(S2)、目標電流値A3の設定(S3)、折れ点電流値A4の算出(S4)、第1の勾配G1の算出(S5)、第2の勾配G2の算出(S6)を順次行う。なお、ステップS1において増圧状態に移行したと判断された場合には、前回の増圧制御において算出されている初期電流値A1等をリセットするとともに、後述するフラグをゼロに戻すようになっている。
その後、制御部20は、入口弁1への通電量を初期電流値A1に変更し(S11)、現在の電流値が折れ点電流値A4未満となったか否かを判断する(S12)。ステップS12において、折れ点電流値A4未満となっていないと判断した場合(No)、制御部20は、そのままステップS1の処理に戻る。また、ステップS12において、折れ点電流値A4未満になったと判断した場合(Yes)、制御部20は、フラグを「1」として(S13)、ステップS1の処理に戻る。
ステップS1において、増圧状態に移行していない、すなわち増圧状態のままであると判断した場合(No)、制御部20は、フラグが「0」であるか否かを判断する(S7)。ステップS7において、フラグが「0」であると判断した場合には(Yes)、現在の電流値が折れ点電流値A4未満となっていないので、制御部20は、第1の勾配G1を取得する(S8)。また、ステップS7において、フラグが「0」でない、すなわち「1」であると判断した場合には(Yes)、現在の電流値が折れ点電流値A4未満となったので、制御部20は第2の勾配G2を取得する。
ステップS8またはステップS9の後、制御部20は、評価値Xが閾値Y未満となったか否かを判断する(S21)。ステップS21において閾値Y未満となったと判断した場合には(Yes)、制御部20は、取得した第1の勾配G1または第2の勾配G2を、第1の勾配G1または第2の勾配G2よりも緩やかな勾配G3に変更して(S22)、ステップS10へ移行する。また、ステップS21において閾値Y以上であると判断した場合には(No)、制御部20は、そのままステップS10へ移行する。
ステップS10において、制御部20は、第1の勾配G1、第2の勾配G2または緩やかな勾配G3や、現在の電流値等に基づいて次の電流値(現在の電流値から勾配G1,G2,G3のいずれかに沿って減少した電流値)を算出する。その後、制御部20は、ステップS11において、入口弁1への通電量をステップS10で算出した次の電流値に変更する。
そして、以後、ステップS12;No→ステップS1;No→ステップS7;Yes→ステップS8→ステップS21;No→ステップS10→ステップS11→…の処理を繰り返すことによって、入口弁1の通電量が第1の勾配G1に沿って低下する。また、ステップS12;No→ステップS1;No→ステップS7;Yes→ステップS8→ステップS21;Yes→ステップS22→ステップS10→ステップS11→…の処理を繰り返すことによって、入口弁1の通電量が緩やかな勾配G3に沿って低下する。さらに、ステップS12;Yes→ステップS13→テップS1;No→ステップS7;No→ステップS9→ステップS21;No→ステップS10→ステップS11→…の処理を繰り返すことによって、入口弁1の通電量が第2の勾配G2に沿って低下する。
次に、制御部20の一連の動作について図4を参照して説明する。
図4に示すように、制御部20は、時刻t1において、車輪速度と車体速度との差が所定値以上となったと判断すると、入口弁1への通電量を電流値A5まで一気に上げて入口弁1を閉弁させる。また、制御部20は、入口弁1の閉弁に伴って、出口弁2に所定のパルス信号を出力することで出口弁2を開放させる。これにより、車輪Tに加わる制動力が減少して、車輪Tのロックが防止される。ロックが防止された車輪Tの速度(車輪速度)は路面との接触により徐々に上昇していき、車輪速度と車体速度とが徐々に一致していく。そして、制御部20は、車輪速度と車体速度とが一致した後、所定のタイミング(時刻t2)で、入口弁1への通電量を初期電流値A1まで一気に下げる。
その後、制御部20は、初期電流値A1から折れ点電流値A4まで第2の勾配G2よりも急な第1の勾配G1で通電量を低下させる。そして、この通電量の低下(増圧制御)の途中で、路面の表面状態のばらつきにより車輪Tと接地している路面の摩擦係数が一時的に低くなると(時刻t3)、車輪減速度が大きくなる(車輪速度の減少スピードが速くなる)。これにより、路面摩擦係数の変化と、車輪減速度の変化とにより、評価値Xが徐々に下がっていき、時刻t4において評価値Xが閾値Yを下回る。
このように評価値Xが閾値Yを下回ると、制御部20は、通電量を第1の勾配G1よりも緩やかな勾配G3に強制的に変更して、この勾配G3で通電量の低下を続行する。これにより、キャリパ圧の増加速度も遅くなり、車輪Tがロックしそうになるロック液圧値LPとなるまでに、比較的長い時間が確保され、増圧制御の時間を長くすることが可能となっている。すなわち、本実施形態では、時刻t2〜t6間の長い時間にわたって、増圧制御を実行することが可能となっている。そして、勾配G3で通電量を低下させていく途中で、キャリパ圧がロック液圧値LPになると、スリップ率が所定値以上となるため、制御部20は、通電量を電流値A5まで一気に上げて入口弁1を閉弁させ、増圧制御を終了させる(時刻t6)。
ちなみに、従来の増圧制御においては、図に太字の破線で示すように、時刻t3で路面状況が低μ路へ変化した場合であっても、時刻t4以降も第1の勾配G1で通電量の低下を続行させる。そのため、キャリパ圧が直ぐにロック液圧値LPに達してしまい(時刻t5)、増圧制御の時間が短くなる。すなわち、従来の増圧制御では、時刻t2〜t5間でしか増圧制御を実行できていないが、本実施形態では、時刻t6まで増圧制御の時間を延ばすことが可能となっている。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
路面状況が現状よりも低μ路となった場合であっても、評価値Xと閾値Y(車輪減速度と路面摩擦係数)から制動力が目標に達したことを判断して、入口弁1への電流制御を第1の勾配G1または第2の勾配G2よりも緩やかな勾配G3で実行できるので、増圧制御の時間を確保して制動制御の効率を向上させることができる。
初期電流値A1から折れ点電流値A4へ向けて第1の勾配G1で通電量を低下させ、折れ点電流値A4から目標電流値A3へ向けて第1の勾配G1よりも緩やかな第2の勾配G2で通電量を低下させるので、車輪Tがロックする直前の高いキャリパ圧を比較的長い時間利用することができ、制動制御の効率を向上させることができる。
第2開弁量調整手段25Bによって、通電量が目標電流値A3となった後も通電量の低下が続行されるので、例えば運転者による制動操作の変化や路面状態の変化などの外乱の影響があったとしても、安定して増圧制御を行うことができる。
第1の勾配G1で通電量を低下させる時間が、第2の規定時間Cよりも短い第1の規定時間Bとなっているので、折れ点電流値A4まで迅速に増圧することができ、増圧遅れを抑えることができる。さらに、緩やかな第2の勾配G2で通電量を低下させる時間が、第1の規定時間Bよりも長い第2の規定時間Cとなっているので、車輪Tがロックする直前の高いキャリパ圧をより長い時間利用することができる。
目標電流値A3が前回の増圧サイクルの増圧終了時の電流値A2に基づいて設定されるので、目標電流値A3をより高精度に設定することができ、より確実に制動制御の向上を図ることができる。
初期電流値A1から目標電流値A3を引いた値を所定の割合で乗じた値に基づいて、折れ点電流値A4を算出したので、初期電流値A1と目標電流値A3の間に、確実に折れ点電流値A4を設定することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、評価値Xと閾値Yとで制動力が目標に達したか否かの判断を行ったが、本発明はこれに限定されず、車輪減速度と路面摩擦係数とに基づいて判断すれば、どのような方法で行ってもよい。例えば、車輪減速度と、路面摩擦係数に応じて変動する閾値とを比較することで、制動力が目標に達したか否かの判断を行ってもよい。
前記実施形態では、折れ点電流値A4を設定して2種類の勾配G1,G2で通電量を低下させる開弁量調整手段25を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、初期電流値から目標電流値へ向けて1つの勾配で通電量を低下させる開弁量調整手段を採用してもよい。
前記実施形態では、折れ点電流値A4および目標電流値A3を制御部20によって適宜修正したが、本発明はこれに限定されず、例えば予め実験やシミュレーション等によって定めた固定値を用いてもよい。
前記実施形態では、目標電流値A3として前回の増圧サイクルの増圧終了時の電流値A2を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、前回の増圧サイクルの増圧終了時の電流値と、目標電流値の前回値との平均値を、目標電流値としてもよい。
前記実施形態では、通電量が目標電流値A3に到達した後も、車輪Tがロックしそうな状態にならない限り、通電量を低下させ続けたが、本発明はこれに限定されず、目標電流値になったら入口弁を閉めて増圧終了としてもよい。
前記実施形態では、目標電流値A3を過ぎた後の勾配を第2の勾配G2と同様の勾配としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、通電量が目標電流値A3に到達してから所定時間Dが経過したか否かを判断し、経過したと判断した場合には、摩擦係数が高い路面(高μ路)に移ったと判断して、勾配を第2の勾配G2よりも急激に傾けてもよい。また、公知の路面摩擦係数(路面μ)判定機能を用いて、路面μが所定値以上となったときに高μ路に移ったと判定して、勾配を急な勾配に変化させてもよい。以上によれば、低μ路から高μ路に移った際には、より高い制動力を得ることができる。
前記実施形態では、第1の勾配G1を所定値に固定しているが、本発明はこれに限定されず、例えば第1の勾配G1を路面μに応じて変えてもよい。すなわち、公知の路面μ判定機能を用いて、路面μが低くなればなる程、第1の勾配G1の傾斜を緩やかにするように変更してもよい。これによれば、路面μに応じて、折れ点電流値までのキャリパ圧の増加速度を変えることができる。そのため、例えば高μ路においては、迅速にキャリパ圧を高めて制動力を迅速に上げることができ、また、低μ路においては、緩やかにキャリパ圧を高めて車輪ロックの発生を抑制することができる。
前記実施形態では、初期電流値を入口弁1の上下流の圧力差から算出したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、従来技術(特開2003−19952号公報)のように、1回目の増圧制御時に入口弁1を所定の勾配で徐々に開けていき、実際にキャリパ圧が増加した時点(入口弁1が開いた時点)で入口弁1に供給されている通電量を記憶しておき、2回目以降の増圧制御時に、記憶した通電量を初期電流値として利用してもよい。
前記実施形態では、キャリパ圧として、マスタシリンダ圧から推定した推定キャリパ圧を利用したが、本発明はこれに限定されず、各ホイールシリンダWに圧力センサを設け、各圧力センサで検出した値をキャリパ圧として利用してもよい。
本発明の一実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置を備えた車両の構成図である。 車両用ブレーキ液圧装置の構成を示す構成図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 車輪速度および車体速度を示すタイムチャート(a)と、入口弁への通電量を示すタイムチャート(b)と、評価値および閾値を示すタイムチャート(c)と、キャリパ圧を示すタイムチャート(d)である。 制御部による入口弁の開弁制御を示すフローチャートである。 目標電流値を過ぎた後の勾配を急にする形態を示すタイムチャートであり、車輪速度および車体速度を示すタイムチャート(a)と、入口弁への通電量を示すタイムチャート(b)と、キャリパ圧を示すタイムチャート(c)である。 従来の増圧制御時における、車輪速度および車体速度を示すタイムチャート(a)と、入口弁への通電量を示すタイムチャート(b)と、キャリパ圧を示すタイムチャート(c)である。
符号の説明
1 入口弁
2 出口弁
20 制御部
21 制御圧決定手段
22 初期電流値算出手段
23 目標電流値設定手段
24 折れ点電流値算出手段
25 開弁量調整手段
25A 第1開弁量調整手段
25B 第2開弁量調整手段
26 車輪減速度算出手段
27 推定手段
28 判断手段
29 開弁量増加緩和手段
100 車両用ブレーキ液圧制御装置
A1 初期電流値
A3 目標電流値
FL 車輪ブレーキ
M マスタシリンダ
T 車輪

Claims (2)

  1. 液圧源で発生した液圧を制御して車輪ブレーキに伝える車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    前記液圧源側から前記車輪ブレーキへの液圧の伝達を許容し、通電量によって開弁量が調整可能な常開型比例電磁弁と、
    前記車輪ブレーキ内の液圧を逃がす常閉型電磁弁と、
    前記常開型比例電磁弁および前記常閉型電磁弁への通電量を制御することで、前記車輪ブレーキ内の液圧を増圧状態、保持状態または減圧状態に切り替える制御を行う制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記減圧状態または前記保持状態から前記増圧状態へと移行する場合に、前記常開型比例電磁弁を開弁させる初期電流値を算出する初期電流値算出手段と、
    前記初期電流値から、前記増圧状態が終了すると予測される目標電流値へ向けて、所定の勾配で前記通電量を低下させる開弁量調整手段と、
    路面摩擦係数を推定する推定手段と、
    前記推定手段で推定された路面摩擦係数と車輪の減速度とを比較して、制動力が目標に達したか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段により制動力が目標に達したと判断されたことを条件として、前記所定の勾配よりも緩やかな勾配で、前記通電量を低下させる開弁量増加緩和手段と、を備えていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
  2. 前記開弁量調整手段は、
    前記初期電流値から、前記目標電流値よりも高く設定される折れ点電流値へ向けて第1の勾配で前記通電量を低下させる第1開弁量調整手段と、
    前記折れ点電流値から前記目標電流値へ向けて前記第1の勾配よりも緩やかな第2の勾配で前記通電量を低下させる第2開弁量調整手段と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
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