JP6613188B2 - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
従来、車両用ブレーキ液圧制御装置として、増圧開始時の目標液圧を、前回の減圧制御の開始時のブレーキ液圧(以下、「ロック液圧」ともいう。)に設定するものが知られている(特許文献1参照)。具体的に、この技術では、増圧制御においてブレーキ液圧が増圧開始時から所定時間後に目標液圧となるように指示液圧を徐々に増加させていき、その後は、減圧条件が揃うまで指示液圧をさらに増加させている。
特開2013−129365号公報
ところで、一般的に、車両速度が低速域になるにつれ、ロック液圧が上昇することから、前回のロック液圧に対して今回のロック液圧が急激に大きくなることがある。この場合、従来の構成では、前回の小さなロック液圧に基づいて目標液圧を設定することで、増圧制御時における増圧レートが小さくなるので、増圧制御を開始してからブレーキ液圧が今回の大きなロック液圧に達するまでの時間(増圧時間)が長くなり、これによって減速度変動の幅が大きくなってブレーキフィーリングが低下するおそれがあった。
そこで、本発明は、低速域において増圧時間が長くなるのを抑えることで、ブレーキフィーリングの低下を抑えることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車両用ブレーキ液圧制御装置は、アンチロックブレーキ制御の増圧制御においてブレーキ液圧が増圧開始時から所定時間後に目標液圧となるように指示液圧を増加させていくように構成される。
車両用ブレーキ液圧制御装置は、車両速度を算出する車両速度算出手段と、前記目標液圧を設定する目標液圧設定手段と、を備える。
前記目標液圧設定手段は、前記車両速度算出手段によって算出された車両速度が所定の速度閾値以上の場合に、前記目標液圧を、前回の減圧制御が開始されたときのブレーキ液圧に相当するロック相当液圧に設定し、前記速度閾値よりも小さい場合に、前記目標液圧を、前記ロック相当液圧よりも大きな値に設定する設定処理を実行する。
この構成によれば、車両速度が速度閾値よりも小さな低速域では目標液圧がロック相当液圧よりも大きな値に設定されるので、増圧レートが大きくなり、低速域で増圧時間が長くなるのを抑制することができ、結果として、減速度変動を抑制することができ、ブレーキフィーリングの低下を抑えることができる。
また、前記した構成において、前記目標液圧設定手段は、車両速度が前記速度閾値よりも小さい場合において、車両速度が小さいほど、前記目標液圧と前記ロック相当液圧との差が大きくなるように、前記目標液圧を設定するように構成されていてもよい。
これによれば、低速域において車両速度に応じた適切な目標液圧を設定することができる。
また、前記した構成において、路面が低μ路であるか否かを判断する低μ路判定手段をさらに備え、前記目標液圧設定手段は、前記低μ路判定手段によって低μ路であると判断されたことを条件として、前記設定処理を実行するように構成されていてもよい。
路面が低μ路である場合に設定処理を行うことで、ロック相当液圧の変化が顕著に生じる低μ路において、ブレーキフィーリングの低下をより効果的に抑えることができる。
本発明によれば、低速域において増圧時間が長くなるのを抑えることができ、ひいてはブレーキフィーリングの低下を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置を備えた車両の構成図である。 液圧ユニットの構成を示す構成図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 車両速度とオフセット量との関係を示す図である。 制御部の動作を示すフローチャートである。 目標液圧設定処理を示すフローチャートである。 制御部の動作の一例を示すタイムチャート(a),(b)である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、車両用ブレーキ液圧制御装置1は、車両2の各車輪3に付与する制動力を適宜制御する装置である。車両用ブレーキ液圧制御装置1は、油路や各種部品が設けられる液圧ユニット10と、液圧ユニット10内の各種部品を適宜制御するための制御部100とを主に備えている。
各車輪3には、それぞれ車輪ブレーキFL,RR,RL,FRが備えられ、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRには、液圧源としてのマスタシリンダ5から供給される液圧により制動力を発生するホイールシリンダ4が備えられている。マスタシリンダ5とホイールシリンダ4とは、それぞれ液圧ユニット10に接続されている。そして、ブレーキペダル6の踏力(運転者の制動操作)に応じてマスタシリンダ5で発生したブレーキ液圧が、制御部100および液圧ユニット10で制御された上でホイールシリンダ4に供給される。
制御部100には、各車輪3の車輪速度を検出する車輪速センサ91が接続されている。そして、この制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)および入出力回路を備えており、車輪速センサ91などからの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。なお、制御部100の詳細は、後述することとする。
図2に示すように、液圧ユニット10は、運転者がブレーキペダル6に加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ5と、車輪ブレーキFR,FL,RR,RLとの間に配置されている。
液圧ユニット10は、ブレーキ液が流通する油路(液圧路)を有する基体であるポンプボディ11に油路と各種の電磁バルブが配置されることで構成されている。マスタシリンダ5の出力ポート5a,5bは、ポンプボディ11の入力ポート11aに接続され、ポンプボディ11の出力ポート11bは、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに接続されている。そして、通常時はポンプボディ11内の入力ポート11aから出力ポート11bまでが連通した油路となっていることで、ブレーキペダル6の踏力が各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達されるようになっている。なお、マスタシリンダ5の出力ポート5aに接続された液圧系統は、車輪ブレーキFL,RRに接続され、マスタシリンダ5の出力ポート5bに接続された液圧系統は、車輪ブレーキRL,FRに接続され、これらの各系統は、略同様の構成を有している。
各液圧系統には、入力ポート11aと出力ポート11bを繋ぐ液圧路上に、供給する電流に応じてその上下流の液圧の差を調整可能な常開型比例電磁弁である調圧弁12が設けられている。調圧弁12には、並列して、出力ポート11b側へのみの流れを許容するチェック弁12aが設けられている。
調圧弁12よりも車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側の液圧路は途中で分岐して、それぞれが出力ポート11bに接続されている。そして、各出力ポート11bに対応する各液圧路上には、それぞれ常開型比例電磁弁である入口弁13が配設されている。各入口弁13には、並列して、調圧弁12側へのみの流れを許容するチェック弁13aが設けられている。
各出力ポート11bとこれに対応する入口弁13との間の液圧路からは、それぞれ、常閉型電磁弁からなる出口弁14を介して調圧弁12と入口弁13の間に繋がる還流液圧路19Bが設けられている。
この還流液圧路19B上には、出口弁14側から順に、過剰なブレーキ液を一時的に吸収するリザーバ16、チェック弁16a、ポンプ17およびオリフィス17aが配設されている。チェック弁16aは、調圧弁12と入口弁13の間へ向けての流れのみを許容するように配置されている。ポンプ17は、モータ21により駆動され、調圧弁12と入口弁13の間へ向けての圧力を発生するように設けられている。オリフィス17aは、ポンプ17から吐出されたブレーキ液の圧力の脈動および調圧弁12が作動することにより発生する脈動を減衰させている。
入力ポート11aと調圧弁12を繋ぐ導入液圧路19Aと、還流液圧路19Bにおけるチェック弁16aとポンプ17の間の部分とは、吸入液圧路19Cにより接続されている。そして、吸入液圧路19Cには、常閉型電磁弁である吸入弁15が配設されている。また、導入液圧路19Aには、マスタシリンダ5内の液圧を検出する圧力センサ92が設けられている。
以上のような構成の液圧ユニット10は、通常時には、各電磁弁に通電がなされず、入力ポート11aから導入されたブレーキ液圧は、調圧弁12、入口弁13を通って出力ポート11bに出力され、各ホイールシリンダ4にそのまま付与される。そして、アンチロックブレーキ制御を行う場合など、ホイールシリンダ4の過剰なブレーキ液圧を減圧する場合には、対応する入口弁13を閉じ、出口弁14を開くことで還流液圧路19Bを通してブレーキ液をリザーバ16へと流し、ホイールシリンダ4のブレーキ液を抜くことができる。また、運転者のブレーキペダル6の操作が無い場合にホイールシリンダ4の加圧を行う場合には、吸入弁15を開き、モータ21を駆動することで、ポンプ17の加圧力により積極的にホイールシリンダ4へブレーキ液を供給することができる。さらに、ホイールシリンダ4の加圧の程度を調整したい場合には、調圧弁12に流す電流を調整することで調整することができる。
次に、制御部100の詳細について説明する。
図3に示すように、制御部100は、車両速度算出手段101と、車輪減速度算出手段110と、ホイールシリンダ圧推定手段120と、低μ路判定手段130と、アンチロックブレーキ制御手段140と、制御実行手段150と、記憶手段160とを備えている。
車両速度算出手段101は、車輪速センサ91から取得した各車輪3の車輪速度Vwに基づいて車両速度Vcを算出する機能を有している。車両速度算出手段101は、車両速度Vcを算出すると、算出した車両速度Vcをアンチロックブレーキ制御手段140に出力する。
車輪減速度算出手段110は、車輪速センサ91から取得した各車輪3の車輪速度Vwに基づいて各車輪3の車輪減速度Awを算出する機能を有している。車輪減速度算出手段110は、各車輪3の車輪減速度Awを算出すると、算出した各車輪減速度Awをアンチロックブレーキ制御手段140と低μ路判定手段130とに出力する。
ホイールシリンダ圧推定手段120は、圧力センサ92から取得したマスタシリンダ圧Pmと、アンチロックブレーキ制御手段140から出力されてくる入口弁13や出口弁14等の制御履歴とに基づいて、左右の前輪の各ホイールシリンダ4内の液圧(以下、「ホイールシリンダ圧Pw」ともいう。)を推定する機能を有している。ホイールシリンダ圧推定手段120は、各ホイールシリンダ圧Pwを推定すると、推定した各ホイールシリンダ圧Pwを低μ路判定手段130に出力する。
低μ路判定手段130は、ホイールシリンダ圧推定手段120から出力されてくる前輪の各ホイールシリンダ圧Pwと、車輪減速度算出手段110から出力されてくる各車輪3の車輪減速度Awとに基づいて、路面が低μ路であるか否かを判断する機能を有している。詳しくは、低μ路判定手段130は、左右の前輪の各ホイールシリンダ圧Pwが所定の液圧閾値以上であり、かつ、各車輪3の車輪減速度Awの絶対値がすべて所定の減速度閾値以上である場合に、低μ路でない、つまり高μ路であると判定する。また、低μ路判定手段130は、左右の前輪のホイールシリンダ圧Pwおよび各車輪3の車輪減速度Awが前述した条件を満たさない場合には、低μ路であると判定する。
なお、左右の前輪の各ホイールシリンダ圧Pwが液圧閾値以上であるということは、各ホイールシリンダ圧Pwがアンチロックブレーキ制御(以下、ABS制御ともいう。)の介入により減圧されていないこと、つまり路面が低μ路でないことを示しているので、路面μがある程度高い値であることを意味している。また、各車輪3の車輪減速度Awの絶対値がすべて減速度閾値以上であるということは、各車輪3の接地路面がいずれも同じような高μ路であることを意味している。
また、低μ路判定手段130は、ABS制御において増圧制御を2回行った場合には、1回目の増圧開始時の車輪速度Vwと2回目の増圧開始時の車輪速度Vwから車両2の減速度を求め、車両2の減速度の絶対値が所定値以下である場合に、低μ路と判定する機能も有している。
低μ路判定手段130は、低μ路であると判定した場合には、そのことを示す低μ信号をアンチロックブレーキ制御手段140に出力し、低μ路でないと判定した場合には、そのことを示す非低μ信号をアンチロックブレーキ制御手段140に出力する。
アンチロックブレーキ制御手段140は、車輪速センサ91から取得した各車輪3の車輪速度Vwと、車両速度算出手段101から取得した車両速度Vcと、車輪減速度算出手段110から取得した各車輪減速度Awとに基づいて、ABS制御を実行するか否かを車輪3ごとに判定し、実行すると判定した場合に、ABS制御時の液圧制御の指示(減圧制御、保持制御および増圧制御のいずれにするかの指示)を車輪3ごとに決定する機能を有している。詳しくは、アンチロックブレーキ制御手段140は、各車輪3の車輪速度Vwと、車両速度Vcとに基づいて、各車輪3のスリップ量SLを算出する。
なお、本実施形態では、スリップ量SLとして、車両速度Vcから車輪速度Vwを減算した値を用いることとするが、本発明はこれに限定されず、(Vc−Vw)/Vcで表されるスリップ率をスリップ量SLとして用いてもよい。
アンチロックブレーキ制御手段140は、スリップ量SLが所定の減圧閾値SLth以上になった場合に、ABS制御を開始する。ABS制御中において、アンチロックブレーキ制御手段140は、スリップ量SLが、所定の減圧閾値SLth以上になり、かつ、車輪減速度Awが0以下であるときに車輪3がロックしそうになったと判定して、液圧制御の指示を減圧制御に決定する。ここで、車輪減速度Awは、車輪加速度と同じ意味であり、負の値である場合には車輪3が減速していることを示し、正の値である場合には車輪3が加速していることを示す。
また、アンチロックブレーキ制御手段140は、車輪減速度Awが0よりも大きいときに、液圧制御の指示を保持制御に決定する。さらに、アンチロックブレーキ制御手段140は、スリップ量SLが減圧閾値SLth未満となり、かつ、車輪減速度Awが0以下であるときに、液圧制御の指示を増圧制御に決定する。
そして、アンチロックブレーキ制御手段140は、液圧制御の指示を決定した場合には、決定した液圧制御の指示(減圧、保持または増圧の指示)を制御実行手段150に出力する。
また、アンチロックブレーキ制御手段140は、増圧制御において使用する目標液圧PTを設定するための目標液圧設定手段141を有している。ここで、本実施形態における増圧制御は、急増圧制御と、急増圧制御の後に実行される緩増圧制御とで構成されている。急増圧制御においては、増圧開始時から所定の第1時間T1の経過後にブレーキ液圧が目標液圧PTよりも若干低い仮目標液圧ptとなるように、ブレーキ液圧を比較的大きな第1勾配G1で上昇させる。なお、仮目標液圧ptは、例えば、目標液圧PTに、1未満の係数をかけることで算出することができる。また、第1勾配G1は、pt/T1となっている。係数と第1時間T1は、実験やシミュレーション等により適宜決定される。
緩増圧制御においては、急増圧制御の終了から所定の第2時間T2の経過後にブレーキ液圧が目標液圧PTとなるように、急増圧制御のときよりも緩やかな第2勾配G2でブレーキ液圧を上昇させている。なお、第2勾配G2は、(PT−pt)/T2となっている。第2時間T2は、実験やシミュレーション等により適宜決定される。
なお、緩増圧制御は、減圧条件が揃ったときに終了する。具体的には、例えば、緩増圧制御は、ブレーキ液圧が目標液圧PTに到達したときに減圧条件が揃っていない場合には、そのまま継続され、減圧条件が揃ったときに終了する。
アンチロックブレーキ制御手段140は、ABS制御の増圧制御において、制御サイクルごとに指示液圧を算出し、算出した指示液圧を制御実行手段150に出力している。ここで、指示液圧は、入口弁13に流す駆動電流を制御するための1制御サイクル当たりの目標液圧であり、増圧制御において徐々に増加するように設定される。
アンチロックブレーキ制御手段140は、急増圧制御においては、指示液圧を、前述した第1勾配G1に基づいて設定し、緩増圧制御においては、指示液圧を、前述した第2勾配G2に基づいて設定している。つまり、アンチロックブレーキ制御手段140は、ABS制御の増圧制御においてブレーキ液圧が増圧開始時から、所定時間の一例としての第3時間T3(=T1+T2)の経過後に目標液圧PTとなるように、指示液圧を増加させている。
目標液圧設定手段141は、低μ路判定手段130から出力されてくる信号と、車両速度算出手段101から出力されてくる車両速度Vcとに基づいて、目標液圧PTを設定する目標液圧設定処理を実行する機能を有している。詳しくは、目標液圧設定手段141は、低μ路判定手段130から非低μ信号を受信した場合には、第1設定処理を実行し、低μ路判定手段130から低μ信号を受信した場合には、設定処理の一例としての第2設定処理を実行する。
第1設定処理では、目標液圧設定手段141は、前回の減圧制御が開始されたときのブレーキ液圧に相当するロック相当液圧PLを、目標液圧PTとして設定する。
第2設定処理では、目標液圧設定手段141は、車両速度Vcに応じて目標液圧PTを設定する。詳しくは、目標液圧設定手段141は、図4に示すマップと車両速度Vcとに基づいてオフセット量αを求め、ロック相当液圧PLにオフセット量αを加えることで、目標液圧PTを算出している。
図4に示すマップにおいて、オフセット量αは、車両速度Vcが0から所定の速度閾値Vthまでの範囲内では、車両速度Vcが小さいほど大きな値に設定され、車両速度Vcが速度閾値Vth以上の範囲では、0に設定されている。このようなマップを参照することで、目標液圧設定手段141は、車両速度Vcが速度閾値Vth以上の場合には、ロック相当液圧PLを目標液圧PTとして設定し、車両速度Vcが速度閾値Vthよりも小さい場合には、ロック相当液圧PLよりも大きな値(PL+α)を目標液圧PTとして設定する。また、目標液圧設定手段141は、車両速度Vcが速度閾値Vthよりも小さい場合には、車両速度Vcが小さいほど、目標液圧PTとロック相当液圧PLとの差が大きくなるように、目標液圧PTを設定する。
制御実行手段150は、アンチロックブレーキ制御手段140から出力されてくる液圧制御の指示に基づいて、入口弁13および出口弁14等を制御することで、ホイールシリンダ圧Pwを制御する機能を有している。具体的に、制御実行手段150は、液圧制御の指示が減圧制御である場合には、入口弁13および出口弁14に電流を流すことで、入口弁13を閉じ、出口弁14を開けるように制御する。また、制御実行手段150は、液圧制御の指示が保持制御である場合には、入口弁13に電流を流し、出口弁14に電流を流さないことで、入口弁13および出口弁14を両方とも閉じるように制御する。
そして、制御実行手段150は、液圧制御の指示が増圧制御である場合には、出口弁14に電流を流さないことで出口弁14を閉じ、入口弁13に、電流を流さない、または、指示液圧に対応した駆動電流を流すことで、入口弁13の上下流の差圧をコントロールして、ホイールシリンダ圧Pwを意図した増圧レートで増圧する。
記憶手段160には、前述したマップ、各時間T1〜T3、各閾値Vth,SLth、ロック相当液圧PLなどが記憶されている。
次に、制御部100の動作について図5および図6を参照して説明する。制御部100は、ABS制御の開始条件が揃うと図5に示すフローチャートの処理を開始し、この処理をABS制御中において繰り返し実行する。
図5に示すように、制御部100は、まず、車輪速センサ91から各車輪3の車輪速度Vwを取得する(S1)。ステップS1の後、制御部100は、各車輪3の車輪速度Vwに基づいて車両速度Vcを算出する(S2)。
ステップS2の後、制御部100は、各車輪3の車輪速度Vwと車両速度Vcとに基づいて各車輪3のスリップ量SLを算出する(S3)。ステップS3の後、制御部100は、各車輪3の車輪速度Vwに基づいて各車輪3の車輪減速度Awを算出する(S4)。
ステップS4の後、制御部100は、車輪減速度Awが0以下であるか否かを各車輪3について判断する(S5)。ステップS5においてAw≦0であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、スリップ量SLが減圧閾値SLth以上であるか否かを判断する(S6)。
ステップS6においてSL≧SLthであると判断した場合には(Yes)、制御部100は、対応する車輪3に対して減圧制御を実行して(S7)、本制御を終了する。なお、制御部100は、減圧制御を実行するたびに、減圧制御開始時のブレーキ液圧であるロック相当液圧PLを推定して記憶手段160に記憶させる。ここで、ロック相当液圧PLは、ホイールシリンダ圧推定手段120によって推定される。
ステップS5においてAw>0であると判断すると(No)、制御部100は、対応する車輪3に対して保持制御を実行する(S8)。ステップS6においてSL<SLthであると判断した場合には(No)、制御部100は、目標液圧設定処理を実行する(S9)。
図6に示すように、目標液圧設定処理において、制御部100は、まず、記憶手段160から前回の減圧制御におけるロック相当液圧PLを取得する(S21)。ステップS21の後、制御部100は、路面が低μ路であるか否かを判断する(S22)。
ステップS22において低μ路でないと判断した場合には(No)、制御部100は、ロック相当液圧PLを目標液圧PTとして設定して(S23)、本制御を終了する。ステップS22において低μ路であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、図4に示すマップと車両速度Vcとに基づいてオフセット量αを設定する(S24)。
ステップS24の後、制御部100は、ロック相当液圧PLにオフセット量αを加えた値を目標液圧PTとして設定して(S25)、本制御を終了する。図5に戻って、制御部100は、ステップS9の後、ステップS9で設定した目標液圧PTに基づいて増圧制御を実行して(S10)、本制御を終了する。詳しくは、ステップS10において、制御部100は、目標液圧PTから仮目標液圧ptを設定し、急増圧制御時における指示液圧、または、緩増圧制御時における指示液圧を適宜設定する。
次に、制御部100の動作の一例について図7を参照して説明する。
図7(a),(b)に示すように、運転者がブレーキペダル6を踏むと(時刻t1)、マスタシリンダ圧Pmおよびホイールシリンダ圧Pwが上昇していくとともに、車両速度Vcおよび車輪速度Vwが低くなっていく。
その後、スリップ量SLが減圧閾値SLth以上になると(時刻t2)、制御部100がABS制御を開始する。これにより、ABS制御における1回目の減圧制御が実行され、ホイールシリンダ圧Pwが徐々に減少していく。この際、制御部100は、圧力センサ92で検出した圧力を、1回目の減圧制御におけるロック相当液圧PL1として記憶手段160に記憶する。
続いて、保持条件が揃うと(時刻t3)、保持制御が実行されてホイールシリンダ圧Pwが保持される。その後、増圧条件が揃ったときにおいて(時刻t4)、路面が低μ路でない場合、または、車両速度Vcが速度閾値Vth以上の場合には、制御部100は、増圧制御の目標液圧PTをロック相当液圧PL1に設定し、目標液圧PTから仮目標液圧ptを求める。
増圧制御を開始してから第1時間T1が経過するまでの間、制御部100は、第1勾配G1(pt/T1)でホイールシリンダ圧Pwを急増圧させていく。その後、ホイールシリンダ圧Pwが仮目標液圧ptに到達すると(時刻t5)、制御部100は、緩増圧制御に移行する。
緩増圧制御では、制御部100は、第2勾配G2((PT−pt)/T2)でホイールシリンダ圧Pwを緩増圧させていく。その後、減圧条件が揃うと(時刻t6)、制御部100は、減圧制御を実行し、そのときのロック相当液圧PL2を記憶手段160に記憶する。
2回目の増圧制御の開始時において(時刻t7)、路面が低μ路であり、かつ、車両速度Vcが速度閾値Vthよりも小さいと判断した場合には、制御部100は、図4に示すマップから0よりも大きなオフセット量αを求めて、目標液圧PTを、ロック相当液圧PL2よりも大きな値(PL2+α)に設定する。このように目標液圧PTを大きな値に設定することで、次の減圧制御に入るタイミング(時刻t8)、つまり今回のロック相当液圧PL3に到達するタイミングを早めることができるので、増圧開始時から次の減圧制御が開始されるまでの時間(以下、「増圧時間TB」)を短くすることができる。
ここで、2回目の増圧制御の開始時において(時刻t7)、従来のように前回のロック相当液圧PL2を目標液圧Ptとして設定する場合には、目標液圧Ptが低いため、図に破線で示すように、次の減圧制御に入るタイミング(時刻t9)、つまり今回のロック相当液圧PL3に到達するタイミングが遅くなる。これにより、従来の方法では、増圧時間Tbが長くなるが、本実施形態では、このような従来の増圧時間Tbに比べ、増圧時間TBを短くすることができる。
また、3回目の増圧制御の開始時には(時刻t10)、2回目の増圧時よりも車両速度Vcが小さくなるため、制御部100は、図4に示すマップから2回目の増圧時よりも大きなオフセット量αを求める。その後、制御部100は、前回のロック相当液圧PL3にオフセット量αを加えて、目標液圧PTを求める。
ここで、車両速度Vcが小さいほどロック相当液圧PLは大きくなる傾向にあるため、従来の方法で目標液圧Ptを設定した場合には、図に破線で示すように、3回目の増圧制御における増圧時間Tbが2回目の増圧制御時よりも長くなってしまう。これに対し、本実施形態では、前述したように小さな車両速度Vcに応じた大きなオフセット量αを設定し、目標液圧PTを大きな値にするため、3回目の増圧制御においても、増圧時間TBを短くすることができる。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
車両速度Vcが速度閾値Vthよりも小さな低速域では目標液圧PTがロック相当液圧PLよりも大きな値に設定されるので、増圧レートが大きくなり、低速域で増圧時間TBが長くなるのを抑制することができる。そして、このように低速域において増圧時間TBを短くすることで、低速域における減速度変動を抑制することができるので、ブレーキフィーリングの低下を抑えることができる。
低速域において車両速度Vcが小さいほど、オフセット量α(目標液圧PTとロック相当液圧PLとの差)が大きくなるように目標液圧PTを設定したので、低速域において車両速度Vcに応じた適切な目標液圧PTを設定することができる。
路面が低μ路である場合に、ロック相当液圧PLにオフセット量αを加算して目標液圧PTを算出する第2設定処理を行うので、ロック相当液圧PLの変化が顕著に生じる低μ路において、ブレーキフィーリングの低下をより効果的に抑えることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、第2設定処理において、ロック相当液圧PLにオフセット量αを加算することで目標液圧PTをロック相当液圧PLよりも大きな値にしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2設定処理において、ロック相当液圧に、1よりも大きな係数をかけた値を、目標液圧として設定してもよい。
前記実施形態では、低μ路の場合に設定処理(第2設定処理)を行うようにしたが、本発明はこれに限定されず、路面μに関わらず、車体速度Vcが所定の速度閾値Vthよりも小さい場合に設定処理を行うようにしてもよい。なお、この場合、前記実施形態における第1設定処理は行わなくてよい。
1 車両用ブレーキ液圧制御装置
100 制御部
101 車両速度算出手段
141 目標液圧設定手段
PL ロック相当液圧
PT 目標液圧
Vc 車両速度
Vth 速度閾値

Claims (3)

  1. アンチロックブレーキ制御の増圧制御においてブレーキ液圧が増圧開始時から所定時間後に目標液圧となるように指示液圧を増加させていく車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    車両速度を算出する車両速度算出手段と、
    前記目標液圧を設定する目標液圧設定手段と、を備え、
    前記目標液圧設定手段は、
    前記車両速度算出手段によって算出された車両速度が所定の速度閾値以上の場合に、前記目標液圧を、前回の減圧制御が開始されたときのブレーキ液圧に相当するロック相当液圧に設定し、前記速度閾値よりも小さい場合に、前記目標液圧を、前記ロック相当液圧よりも大きな値に設定する設定処理を実行することを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
  2. 前記目標液圧設定手段は、車両速度が前記速度閾値よりも小さい場合において、車両速度が小さいほど、前記目標液圧と前記ロック相当液圧との差が大きくなるように、前記目標液圧を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  3. 路面が低μ路であるか否かを判断する低μ路判定手段をさらに備え、
    前記目標液圧設定手段は、前記低μ路判定手段によって低μ路であると判断されたことを条件として、前記設定処理を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
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