JP2019206618A - 重合硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯科用に好適に使用できる重合硬化性組成物であって、酸性基を有する重合性単量体や該重合性単量体と歯質由来のカルシウムイオンとの“塩化合物”に対する相溶性が高く、吸湿性の問題が起こり難く、更に機械的強度に優れ、且つ実用的な耐水性を有する硬化体を与える重合硬化性組成物を提供すること。【解決手段】下記一般式(1)(式中、Aは、4〜8価の有機残基であり、mは2〜4の整数であり、Xはアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、nは2〜4の整数であり、Yは末端に環状エーテル構造を有する1価の有機残基である。)で示される、分子量100〜2000の環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を含んでなる重合硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、歯科用接着剤等の歯科用硬化性組成物として好適に使用できる重合硬化性組成物に関する。詳しくは、酸性基を有する各種添加成分に対して相溶性が高く、高強度且つ耐水性の高い硬化体を与える(メタ)アクリレート系重合性単量体を含んでなる重合硬化性組成物に関する。
(メタ)アクリレート系重合性単量体は、歯科用組成物、印刷製版、フォトレジスト材料、塗料、接着剤、インク、光造形樹脂などの幅広い分野で利用可能である。このような重合性単量体には、硬化体の機械的強度、取り扱いの容易さなど、用途に応じてさまざまな物性が求められる。たとえば特許文献1に例示されるビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(Bis−GMA)やトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)などの重合性単量体は、2つ以上の重合性基と官能基を有しているため、架橋構造により機械的強度に優れた硬化体を与えることができる。
また、(メタ)アクリレート系重合性単量体は、一般的にその用途に応じて、他の成分と混合した混合組成物として用いられることが多い。このような場合、(メタ)アクリレート系重合性単量体がその他の重合性単量体や重合開始剤や安定剤などの添加剤との相溶性に優れることは、(メタ)アクリレート系重合性単量体をその他成分と混合する上で、極めて重要である。
ところが、添加成分の種類によっては当該添加成分を十分に溶解できないことがある。たとえば、歯科用修復剤として使用する場合に添加される、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基などの酸性成分を含有する重合性単量体(特許文献2乃至4参照);ヨードニウム塩(特許文献5参照);ホスホン酸エステル系重合開始剤(特許文献6参照)などに対しては、相溶が困難となることがある。また、上記の酸性基重合性単量体がスメア層を脱灰した後に析出する、歯質由来のカルシウムイオンと酸性基含有重合性単量体との“塩化合物”は、酸性基を有さない重合性単量体等に対して酸性基含有重合性単量体そのものよりもさらに難溶性であり、相溶性が低い。歯科用修復剤などの歯科用重合硬化性組成物のこれらの塩化合物に対する相溶性が低い場合、接着が阻害され、十分な接着性を得ることができない場合がある。
酸性成分を含有する重合性単量体や前記塩化合物のような難溶性成分に対する相溶性を高める方法としては、(メタ)アクリレート系重合性単量体の分子内に(1)アセトアミド基を導入する方法(特許文献6参照)や(2)テトラヒドロフリル基などの環状エーテル基を導入する方法(特許文献7参照)が知られている。
特表2008−534356号公報 特開2013−82703号公報 特開2014−91692号公報 特開2005−225839号公報 米国特許第3729313号明細書 特開2002−201281号公報 特開平8−277207号公報 特開平8−99815号公報
J.Polym.Sci.Part A 2016,54,473
一般的な(メタ)アクリレート系重合性単量体の極子モーメントが小さい。これに対し、前記難溶性成分は、何れも双極子モーメントが大きな物質である。このことから、分子の双極子モーメントの違いがこれら物質を難溶としていると考えられる。上記(1)及び(2)に示す方法は、このような考えに基づいて、(メタ)アクリレート系重合性単量体の双極子モーメントを高める基を導入して相溶性を高めようとするものである。そして、このような考えに従えば、アセトアミド基以外のピロリドン基、メチルスルフィニル基などを導入することによっても単量体の双極子モーメントを高めることができ、同様の効果を得ることができると考えられる。事実、本発明者らは、このような基を導入した(メタ)アクリレート系重合性単量体(特許文献6及び8参照)を使用した場合に前記難溶性物質に対する相溶性が向上することを確認している。
ところが、このような官能基の導入は、重合性単量体の親水度を高め、重合性単量体の吸湿性が高くなったり、硬化体の耐水性が低下したりするという問題が発生することが明らかとなった。たとえば特許文献6に示されるアセトアミド基を有する重合性単量体およびその硬化体は、非常に吸水し易く、特に硬化体に関しては、(湿度が一定以上の)大気中に長期間放置した際や、水中に浸漬した後に、その強度が著しく低下することが明らかとなった。また、前記特許文献7に開示されているテトラヒドロフルフリルメタクリレートを硬化させた硬化体は、水中浸漬後に強度低下を起こすだけでなく、硬化直後においても十分な機械的強度が得られないことも判明した。したがって、これら重合性単量体を含む重合硬化性組成物やその硬化体は、水分存在下での使用が前提となる歯科用補綴材や修復材として使用するには問題が発生する可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、歯科用補綴材や修復材として好適な重合硬化性組成物であって、双極子モーメントの大きな成分に対する相溶性が高く、吸湿性の問題が起こり難く、更に機械的強度に優れ、且つ実用的な耐水性を有する硬化体を与える重合硬化性組成物を提供することを目的とする。
発明者らは、前記(2)の方法において、分子末端にアクリロイルオキシ基又はメタクロイルオキシ基を合計で2個以上導入した適度な分子量を有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(該重合性単量体は、本発明者らによって新たに見出された新規な化合物を含む。)を用いた重合硬化性組成物は、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の本発明は、下記一般式(1)で示される構造を有する、分子量100〜2000の環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を含んでなることを特徴とする重合硬化性組成物である。
Figure 2019206618
上記式(1)中のAは、4〜8価の有機残基である。また、mはAに結合するXの数を表す2〜4の整数であり、Xはアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であって、Aに複数結合するXは互いに異なっていてもよい。さらに、nはAに結合するYの数を表す2〜4の整数であり、Yは末端に環状エーテル構造を有する1価の有機残基であり、Aに複数結合するYは互いに異なっていてもよい。
前記本発明の重合硬化性組成物では、双極子モーメントの大きな成分に対する相溶性が高く、機械的強度が高く耐水性を有する硬化体を与えるという効果がより高く、更に前記環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体の合成又は入手の容易さ観点から、前記環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体は、下記一般式(2)で示される構造を有することが好ましい。
Figure 2019206618
ここで、上記式(2)中のAは、前記Aの基本骨格を表す、以下に示される有機残基から選ばれる何れかの2価の有機残基である。なお、下記式中、lは1以上50以下の整数を表し、oは、0以上10以下の整数を表す。
Figure 2019206618
また、上記式(2)中のAは、前記Aの末端構造を表す、以下に示される有機残基から選ばれる何れかの3価の有機残基であり、前記Aに結合する2つのAは互いに異なっていてもよい。
Figure 2019206618
また、上記式(2)中のYは、以下に示される環状エーテル基から選ばれるいずれかの基であり、Xは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基である。そして、前記Aに結合する2つのA間で、Aに結合するX及びYは、それぞれ異なっていてもよい。
Figure 2019206618
これら本発明の重合硬化性組成物は、さらに重合開始剤を含んでなることが好ましい。
第二の本発明は、前記本発明の硬化性組成物からなる歯科用接着性組成物であり、第三の本発明は、下記一般式(3)で示される新規な重合性単量体である。
Figure 2019206618
ここで、上記式(3)中のA´は、前記Aの基本骨格を表す、以下に示される有機残基から選ばれる何れかの2価の有機残基である。なお、下記式中、lは1以上50以下の整数を表し、oは、0以上10以下の整数を表す。
Figure 2019206618
また、前記式(3)中のA´は、前記Aの末端構造を表す、以下に示される有機残基から選ばれる何れかの3価の有機残基であり、前記A´に結合する2つのA´は互いに異なっていてもよい。
Figure 2019206618
また、前記式(3)中のYは、以下に示される環状エーテル基から選ばれるいずれかの基であり、Xは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基である。そして、前記A´に結合する2つのA´間で、A´に結合するX及びYは、それぞれ異なっていてもよい。
Figure 2019206618
第一本発明の重合硬化性組成物は、高い双極子モーメントを有する難溶性の化合物との相溶性が高く、かつ親水性が高すぎないという特徴を有するばかりでなく、その硬化体は機械的強度に優れ、実用的な耐水性、具体的には水中浸漬後の強度低下が起こり難いという性質をも有する。このような効果は、二以上の重合性基を有し、且つ環状エーテル基を有する(メタ)アクリレート系重合性単量体を用いた事によると考えられる。すなわち、環状エーテル基を有することで、親水性をあまり高めることなく高い双極子モーメントを有する難溶性の化合物との相溶性を高め、2以上の重合性基を有することに起因して硬化体中に架橋構造が導入されて硬化体強度が高まるとともに耐水性が発現したものと考えられる。
また、第一の本発明の硬化性組成物からなる第二の本発明である歯科用接着性組成物は、例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基を有する重合性単量体との相溶が短時間の撹拌で可能であるばかりでなく、脱灰により生じた酸性基含有の重合性単量体とカルシウムイオンの難溶性の塩化合物との相溶性を向上させることができ、接着性能及びその持続性も高いという優れた特徴を有する。
更にまた、第三の本発明の重合性単量体は、新規な化合物であり、歯科分野に限らず、双極子モーメントが高い成分を混合し、水分存在下で使用されるような硬化体樹脂を必要とする様々な分野で好適に使用できる。
本発明の重合硬化性組成物は、下記一般式(1)で示される構造を有する、分子量100〜2000の環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を含んでなることを特徴とする。
Figure 2019206618
ここで、上記式(1)中のAは、4〜8価の有機残基である。また、mはAに結合するXの数を表す2〜4の整数であり、Xはアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であって、Aに複数結合するXは互いに異なっていてもよい。さらに、nはAに結合するYの数を表す2〜4の整数であり、Yは末端に環状エーテル構造を有する1価の有機残基であり、Aに複数結合するYは互いに異なっていてもよい。
前記Aは、4〜8価の有機残基であれば特に限定されないが、Aの基本骨格となる2〜4の有機残基である「AB0」に、Aの末端骨格となる3価の有機残基である「A」が2〜4個結合した構造を有することが好ましい。ここで、AB0は、2〜4価の有機残基で有ればよいが、合成の容易さの観点から2価の有機残基であることが好ましく、このような2価の有機残基を具体的に例示すれば、下記「A」として示されるような基を挙げることができる。なお、下記「A」中の、lは1〜50のいずれかから選択される整数であり、oは0〜10から選択される整数である。
Figure 2019206618
一方、「A」は、X、Y及びAと結合する3価の有機残基であり、合成の容易さの観点から好適なAを具体的に例示すれば、次のような基を挙げることができる。
Figure 2019206618
すなわち、本発明の重合硬化性組成物は、前記一般式(2)示される構造を有する、分子量100〜2000の環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を含んでなることが好ましい。
なお、前記一般式(1)の好ましいAを構成する前記AB0が3又は4価の有機残基である場合には、上記した2価の有機残基「A」において結合手が結合している炭素原子の1又は2の水素原子が結合手となったものであることが好ましい。
前記「A」の中でも、次に示す基「A´」であることが特に好ましい。なお、下記2価の有機残基中の、lは1〜50のいずれかから選択される整数であり、oは0〜10から選択される整数である。
Figure 2019206618
また前記「A」の中でも、次に示す基「A´」であることが特に好ましい。
Figure 2019206618
前記一般式(1)中のmはAに結合するXの数を表す2〜4の整数である。また、前記一般式(1)及び(2)におけるXは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であって、Aに複数結合するXは互いに異なっていてもよい。
前記一般式(1)中のnはAに結合するYの数を表す2〜4の整数である。また前記一般式(1)及び(2)におけるY、は末端に、テトラヒドロフラン環、エポキシ環、オキセタン環、ジオキサン環、トリオキサン環、ジオキソラン環、フラン環、ピラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環などの環状エーテル構造を有する1価の有機残基であり、Aに複数結合するYは互いに異なっていてもよい。
前記Yとして好適な基を具体的に例示すると、次のような基を挙げることができる。
Figure 2019206618
これらの中でも、比較的安定性の高い構造という観点から、Yは次に示す基であることが特に好ましい。
Figure 2019206618
また、より高い双極子モーメントを有する構造という観点から、テトラヒドロフラン基であることが最も好ましい。
前記一般式(1)で示される環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体の分子量は100〜2000であればよいが、双極子モーメントが高い成分に対する溶解性並びに歯科用接着性組成物として使用するときの取り扱い易さ及び効果の高さから、分子量は、200〜1500、特に500〜1000であることが好ましい。
前記一般式(1)で示される構造を有する環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体のうち、下記一般式(3)で示される重合性単量体は、新規化合物である。なお、下記一般式(3)中の「A´」及び「A´」は、前記したとおりのものであり、Yは、特に好ましいものとして例示した前記基から選ばれる何れかの基である。
Figure 2019206618
前記一般式(2)における「A」または前記一般式(3)における「A´」は、下記の「A´´」に示すいずれかから選択されるのがより好ましい。
Figure 2019206618
前記一般式(1)乃至(3)で表わされる重合性単量体は、何れも高い双極子モーメントを有する難溶性の化合物との相溶性が高い。これは、環状エーテル基:Yが分子末端に存在するため、前記難溶性化合物との相互作用が主鎖の立体障害を受けずに有効に働くためであると考えられる。また、前記一般式(1)乃至(3)で表わされる重合性単量体の硬化体は、耐水性が高く、水中浸漬した際の機械的強度が維持されるといった特徴を有する。これは、前記一般式(1)乃至(3)で表わされる重合性単量体では、適度の分子量を有することによって環状エーテル基:Yが主鎖から離れすぎずに、硬化時において架橋構造の形成が阻害され難くなっているためであると思われる。すなわち、前記一般式(1)乃至(3)で表わされる重合性単量体は、多官能(メタ)アクリレート基含有の重合性単量体であることに加え、環状エーテル基:Yが、硬化物の強度を維持しつつ、双極子モーメントの高い化合物との相溶性を高く保てるように、主鎖から適度な距離をもって導入されているため、このような優れた効果が得られたものと思われる。
前記一般式(1)乃至(3)で表わされる重合性単量体は、公知の出発原料および公知の合成方法を適宜組み合わせて合成することができ、その製造方法は特に限定されるものではない。例えば、一般式(3)で示される新規な本発明の重合性単量体は、下記一般式(4)で示す酸クロライド化合物と下記一般式(5)に示すアルコール化合物との反応によって、製造することができる。
Figure 2019206618
上記一般式(4)中、「A´」は前記一般式(3)におけるものと同義である。
Figure 2019206618
上記一般式(5)中、Rは炭素数1〜50のアルキル鎖を表し、一部が酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子に置換されていてもよい。
上記一般式(5)中のRは下記の構造であることがより好ましい。
Figure 2019206618
以下、一般式(4)で示される酸クロライド化合物と一般式(5)で示されるアルコール化合物を反応させて、前記一般式(3)に示される化合物を得る方法について説明する。
一般式(4)の酸クロライド化合物と一般式(5)のアルコール化合物の反応において、酸クロライド化合物とアルコール化合物の混合モル比は、特に制限されないが、より未反応の成分が残留しないためには、酸クロライド化合物/アルコール化合物=0.2〜5.0であることがより好ましく、0.8〜1.25であることがさらに好ましい。
また、一般式(4)の酸クロライド化合物と一般式(5)のアルコール化合物の反応において、生成する塩酸を除去する目的で、塩基性化合物を添加してもよい。用いる塩基性化合物は特に制限されないが、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、ピリジン等の含窒素化合物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩などが挙げられる。塩基性化合物の使用量は特に制限がないが、一般式(4)の酸クロライド化合物に対して1.0〜2.0倍モルであることが好ましい。
一般式(4)の酸クロライド化合物と一般式(5)のアルコール化合物の反応において、溶媒の存在下または不存在下に実施することができる。使用できる溶媒は反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の含塩素化合物類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ピリジン、トリエチルアミン等の含窒素化合物類が挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。溶媒を使用する場合、その使用量に制限は無いが、一般式(4)で表わされる化合物に対して、1〜500倍重量の範囲の範囲から選択されることが好ましく、3〜100倍重量の範囲から選択されることがより好ましい。
一般式(4)の酸クロライド化合物と一般式(5)のアルコール化合物の反応における反応温度は、通常、−100℃〜100℃の範囲であることが好ましく、−50℃〜20℃の範囲であることがより好ましい。
また、本発明の重合性単量体は、合成方法によっては複数の構造異性体混合物として製造されるが、特に単離生成することなく、構造異性体混合物として用いてもよい。
また、一般式(5)のアルコール化合物は市販の化合物を用いてもよく、必要に応じて公知の出発原料および公知の合成方法を適宜組み合わせて合成してもよく、その製造方法は特に制限されない。例えば、下記一般式(6)の化合物と一般式(7)の環状エーテル骨格含有アルコールの反応によって合成できる。
Figure 2019206618
上記一般式(6)中、Rは炭素数1〜50のアルキル鎖を表し、一部が酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子に置換されていてもよい。
Figure 2019206618
上記一般式(7)中、Rは炭素数1〜50のアルキル鎖を表し、一部が酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子に置換されていてもよい。
一般式(6)の化合物と一般式(7)の環状エーテル骨格含有アルコールの反応により一般式(5)のアルコール化合物を得る場合において、一般式(6)の化合物と一般式(7)の環状エーテル骨格含有アルコール化合物の混合モル比は、特に制限されないが、一般式(6)の化合物/一般式(7)環状エーテル骨格含有アルコール化合物=0.8〜50であることがより好ましく、1.0〜20であることがさらに好ましい。
反応に際しては、反応速度を上げる目的で、酸性化合物若しくは塩基性化合物を添加してもよい。用いる酸性化合物は特に制限されないが、塩酸、硫酸、トルエンスルホン酸などのブレンステッド酸や四塩化チタン、テトラフルオロボランなどのルイス酸を挙げることができる。また用いる塩基性化合物は特に制限されないが、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、ピリジン等の含窒素化合物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩などが挙げられる。添加する酸性化合物、塩基性化合物の使用量は特に制限はないが、一般式(6)の化合物に対して0.0001〜2.0倍モルであることが好ましく、0.001〜1.2倍モルであることがより好ましい。
前記反応は、溶媒の存在下または不存在下に実施することができる。使用できる溶媒は反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の含塩素化合物類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ピリジン、トリエチルアミン等の含窒素化合物類が挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。溶媒を使用する場合、その使用量に制限は無いが、一般式(6)で表わされる化合物に対して、2〜500倍重量の範囲の範囲から選択されることが好ましく、5〜100倍重量の範囲から選択されることがより好ましい。
また、一般式(5)の化合物は、複数の構造異性体混合物として製造されることもあるが、その場合には、特に単離生成することなく、構造異性体混合物として用いて、一般式(3)の化合物の原料として使用することができる。
本発明の重合硬化性組成物は、前記一般式(1)で示される環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体の他に、他の重合性単量体、重合開始剤、反応性を持たない低分子有機化合物、樹脂、フィラー、有機−無機複合材料、重合開始剤、重合開始剤以外の各種の添加剤、溶媒等を含有していてもよい。
前記他の重合性単量体として好適に使用できるものとしては、公知の重合性単量体を制限なく用いることができる。しかしながら、本発明の重合性単量体との共重合性が高いといった観点では、(メタ)アクリレート系重合性単量体であることが好ましい。
(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、トリエチレングリコールジメタクリレート(3G)などのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(より具体的には、アルキレングリコール単位の重合度が1以上14以下のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルキレングリコール単位の重合度が1以上7以下のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、炭素数2〜10ポリメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレートなどのアルカンジ(メタ)アクリレート(より具体的には、炭化水素が2以上20以下のアルカンジ(メタ)アクリレートなど)、ビスフェノールAジメタクリレート(BisGMA)、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなどの酸性基非含有重合性単量体;メタクリロイロキシエチルリン酸(P1M)、ジメタクリロイロキシエチルリン酸(P2M)、メタクリロイロキシデカンリン酸(MDP)、4−(メタ)アクリロイロキシエチルトリメリット酸無水物などの酸性基含有重合性単量体を挙げることができる。これらの中でも本発明の重合硬化性組成物を歯科用接着剤性組成物として使用する場合には、少なくとも1種類以上の酸性基含有重合性単量体を用いることが好ましい。酸性基含有重合性単量体としては、メタクリロイロキシエチルリン酸(P1M)、ジメタクリロイロキシエチルリン酸(P2M)、メタクリロイロキシデカンリン酸(MDP)、4−(メタ)アクリロイロキシエチルトリメリット酸無水物などが例示できる。
これら他の重合性単量体の配合量は本願発明の効果を阻害しない範囲であれば特に限定されないが、通常は前記環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体100質量部に対して1〜700質量部である。本発明の重合硬化性組成物を歯科用接着性組成物として使用する場合には、前記環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体100質量部に対して、酸性基含有重合性単量体を1〜700質量部、特に5〜300質量部配合することが好ましい。
前記重合開始剤としては、公知の重合開始剤を用いることができ、ラジカル型光重合開始剤や、アゾ系あるいは過酸化物系の熱重合開始剤、レドックス重合開始剤など、各種の重合開始剤を適宜利用することができる。たとえば、光照射によって重合、硬化させる場合は、カンファーキノンやp−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの光重合開始剤を用いることができる。また、加熱重合によって重合、硬化させる場合は、ベンゾイルパーオキシドのような有機過酸化物、アゾイソブチロニトリルのようなアゾ化合物を用いることができる。化学重合によって重合、硬化させる場合は、ベンゾイルパーオキシドのような有機過酸化物とN,N−ジメチルパラトルイジン、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルやp−トリルジエタノールアミンなどのアミン化合物を用いることができる。これらの重合開始剤は2種類以上を組み合わせて用いることもできる。重合開始剤の配合量は、通常、本発明の重合硬化性組成物に含まれる全重合性単量体100質量部に対して0.0001〜10質量部、特に0.001〜3質量部であることが好ましい。
さらに、重合開始剤と共に、公知の重合禁止剤や増感剤等、その他の添加物を併用することもできる。例えば、重合禁止剤としては、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ニトロベンゼンなどを用いることができる。重合禁止剤の配合量は、通常、本発明の重合硬化性組成物に含まれる前重合性単量体100重量部に対して、0.0001〜10質量部、特に0.001〜3質量部であることが好ましい。
その他の添加材としては、増感剤としてスルホニウム系およびヨードニウム塩系、トリアジン系の光酸発生剤を用いることができる。紫外線吸収剤として、例えば、(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンのようなベンゾフェノン系化合物や(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールのようなトリアゾール系化合物などを用いることができる。これらの添加材はその目的に応じて、任意の配合量で用いることができるが、本発明の重合硬化性組成物に含まれる前重合性単量体100重量部に対して、0.0001〜10質量部、特に0.001〜3質量部であることが好ましい。
また、本発明の重合性単量体を含む組成物には、充填剤を添加することも好適である。充填剤は、機械的強度の向上、耐摩耗性の向上、熱膨張係数の低減、操作性の改良、吸水性、溶解性の低減などを図ることができる。無機充填剤としては、たとえば、非晶質シリカ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア−酸化バリウム、石英、アルミナ等の無機酸化物の粒子からなる無機充填剤を用いることができ、また、有機充填剤や、有機無機複合充填剤を用いることもできる。また、充填剤の粒径、形状は特に限定されないが、たとえば、球形状または不定形状で、平均粒子径0.01μm〜100μm程度の粒子を目的に応じて適宜使用することができる。また、これらの充填剤は、本発明の重合性単量体および必要に応じて併用されるその他の重合性単量体等のその他の材料とのなじみをよくし、機械的強度や耐水性を向上させる観点から、シランカップリング剤に代表される表面処理剤で処理されていてもよい。これらの充填剤の添加量はその目的に応じて任意の配合量で用いることができる。
なお、本発明の重合性単量体は、歯科用硬化性組成物あるいは歯科用接着剤といった歯科材料、光学材料、印刷製版、フォトレジスト材料、塗料、接着剤、インク、光造形樹脂、木工コーティング、ハードコーティング、フィルムコーティング、紙コーティング、光ファイバーコーティング、PVC床コーティング、窯業壁コーティング、樹脂ハードコート、メタライズベースコート、リリースコーティング、金属コーティング、ガラスコーティング、無機物コーティング、弾性コーティング、平板インキ、金属缶インキ、スクリーン印刷インキ、グラビアニス、光沢加工、塗料、シーラント、紙用接着剤、フィルム用接着剤、木工用接着剤、無機用接着剤、プラスチック用接着剤、溶剤型接着剤、水性型接着剤、ホットメルト型接着剤、反応型接着剤、感圧型接着剤、シーリング剤、光沢コーティング剤、OPニス、エッチングレジスト、ソルダ―レジスト、ドライフィルム、ビルドアップ回路基板用層間密着剤、感光材料、半導体フォトレジスト、プリント配線板レジスト、感光性フレキソ版、感光性樹脂凸版、PS版、CTP版、PDP、カラーフィルタ用着色レジスト、ブラックマトリクス材料、カラーフィルターオーバーコート剤、液晶用フォトレジスト、シール剤、注入口封止剤、プリズムシート、ポッティング、防湿コート、保護コート、インキバインダー、接着バインダー、封止材、プラスチック、金属、紙など基材のプライマー、仮止め剤、光造形材料、注型樹脂、反応性希釈剤、鉄の一時防錆、金属プライマー・オーバーコート、金属コイル・シートのプライマー、粘着テープ、転写フィルム、プラスチックレンズ、ガラスレンズ等の様々な用途に用いることができ、また、その使用用途に応じて、必要に応じて様々な成分と混合して用いることもできる。
また、本発明の重合性単量体の特性を考慮すれば、広く歯科用硬化性組成物の一成分として使用するのがより好ましい。さらに本発明の重合性単量体を歯科用接着剤や歯科用セメント、歯冠修復用プライマー、歯科用接着性コンポジットレジンで用いることで高い接着力を与えることが可能であり、長期間水中浸漬した後も高い接着力を維持できるためより好ましい。
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらにより何等制限されるものではない。以下に、各実施例および比較例のサンプルの作製に用いた物質の略称・略号およびその構造式または物質名と、各種サンプルの調製方法と、各種の評価方法とについて説明する。
1.略称・略号およびその構造式または物質名
[第一の重合性単量体]
(1)一般式(1)に示される重合性単量体
4−DPETPM: 下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):4、4´−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)エーテル
(b):(3−メタクリロイルオキシ2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)−(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチル ベンゾエート)エーテル
(c):4、4´−ビス(2−メタクリロイルオキシ 3−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチル ベンゾエート)エーテル
なお、上記各異性体(a)、(b)及び(c)の構造を以下に示す。
Figure 2019206618
上記(異性体混合物である)4−DPETPMは、エーテル結合で結ばれる2つの(1−メタクリロイルオキシ−2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル 3−カルボキシフェニル)の異性構造ユニットの平均存在比を意味するv及びwを用いて下記構造式で(平均組成構造式ともいう。)表すこともできる。前記異性体の含有比から計算すると下記構造式におけるv及びwは、夫々0.4及び1.6となる。以下、同様の異性体混合物については、表現の簡便化のため、平均組成構造式で表記することとする。
Figure 2019206618
4−DPEPPM: 下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):4、4´−ビス(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロピラン−2−メトキシ)プロピル ベンゾエート)エーテル
(b):(2)4−(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロピラン−2−メトキシ)プロピル ベンゾエート)−4´−(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロピラン−2−メトキシメチル)エチル ベンゾエート)エーテル
(c):4、4´−ビス(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロピラン−2−メトキシメチル)エチル ベンゾエート)エーテル
Figure 2019206618
4−DPEFPM: 下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):4、4´−ビス(3−メタクリロイルオキシ 2−(フルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)エーテル
(b):4−(3−メタクリロイルオキシ 2−(フルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)−4´−(2−メタクリロイルオキシ 1−(フルフリルアルコキシメチル)エチル ベンゾエート)エーテル
(c):4、4´−ビス(3−メタクリロイルオキシ 2−(フルフリルアルコキシメチル)エチル ベンゾエート)エーテル
Figure 2019206618
4−BPTPM: 下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):4、4´−ビス(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)
(b):4−(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)−4´−(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチル ベンゾエート)
(c):4、4´−ビス(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチル ベンゾエート)
Figure 2019206618
2−BPTPM: 下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):2、2´−ビス(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)
(b):2−(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)−2´−(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチル ベンゾエート)
(c):2、2´−ビス(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチル ベンゾエート)
Figure 2019206618
4−DPSTPM: 下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):4、4´−ビス(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)チオエーテル
(b):4−(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)−4´−(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチル ベンゾエート)チオエーテル
(c):4、4´−ビス(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチル ベンゾエート)チオエーテル
Figure 2019206618
4−DPATPM: 下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):2、2´―ビス(4、4´−(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート))プロパン
(b):2−(3−メタクリロイルオキシ(2−テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)−2´−(2−メタクリロイルオキシ(1−テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチル ベンゾエート)プロパン
(c):2、2´―ビス(4、4´−ビス(2−メタクリロイルオキシ(1−テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチル ベンゾエート))プロパン
Figure 2019206618
4−PhTPM: 下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):4、4´−ビス(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピルカルボニルオキシ)ベンゼン
(b):4−(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピルカルボニルオキシ)−4´―(3−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル −2−カルボニルオキシ)ベンゼン
(c):4、4´−ビス(3−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル−2−カルボニルオキシ)ベンゼン
Figure 2019206618
4−BPATPM: 下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):2、2´―(ビス(4、4´−ビス(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピルオキシフェニル))プロパン
(b):2−(3−メタクリロイルオキシ2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピルオキシフェニル)−2´−(2−メタクリロイルオキシ1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチルオキシフェニル)プロパン
(c):2、2´―ビス(4、4´−ビス(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチルオキシフェニル))プロパン
Figure 2019206618
4−DPEATM: 下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):4、4´−ビス(N−(3−メタクリロイルオキシ 3−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル)ベンズアミド)エーテル
(b):4−(N−(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル)ベンズアミド)−4´−(N´―(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチル)ベンズアミド)エーテル
(c):4、4´−ビス(N−(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチル)ベンズアミド)エーテル
Figure 2019206618
4−DPETHM: 下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):4、4´−ビス(6−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)ヘキシル ベンゾエート)エーテル
(b):4−(6−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)ヘキシル ベンゾエート)−4´−(5−メタクリロイルオキシ 1−テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)ペンチル ベンゾエート)エーテル
(c):4、4´−ビス(5−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)ペンチル ベンゾエート)エーテル
Figure 2019206618
4−DPETEM: 下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):4、4´−ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)エーテル
(b):4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピル ベンゾエート)−4´−(2−メタクリロイルオキシエトキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル))エチル ベンゾエート)エーテル
(c):4、4´−ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル))エチル ベンゾエート)エーテル
Figure 2019206618
AZTPM: 下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):1、4−ビス(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピルカルボニルオキシ)ブタン
(b):1−(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピルカルボニルオキシ)−4―(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチルカルボニルオキシ)ブタン
(c):1、4−ビス(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチルカルボニルオキシ)ブタン
Figure 2019206618
CyTPM:下記平均組成構造式で表される、下記異性体(a)、(b)及び(c)の混合物(混合モル比a:b:c=65:30:5)。
(a):1、4−ビス(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピルカルボニルオキシ)シクロヘキサン
(b):1−(3−メタクリロイルオキシ 2−(テトラヒドロフルフリルアルコキシ)プロピルカルボニルオキシ)−4―(2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチルカルボニルオキシ)シクロヘキサン
(c):1、4−ビス((2−メタクリロイルオキシ 1−(テトラヒドロフルフリルアルコキシメチル)エチルカルボニルオキシ)シクロヘキサン
Figure 2019206618
(2)一般式(1)以外の分子構造を持つ重合性単量体
Bis−GMA:ビスフェノールAジグリシジルジメタクリレート
MEAMA:メタクリロイルオキシメチルアセトアミド。
[第二の重合性単量体]
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
MDP:10−メタクリロイルデカンリン酸。
[光重合開始剤]
CQ:カンファーキノン
DMBE:p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル。
[重合禁止剤]
BHT:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール。
2.溶解時間試験用マトリックスモノマーサンプルの調製
第一の重合性単量体と第二の重合性単量体とを表1に示す所定の質量比で混合し、これら重合性単量体の混合物として、暗所にて均一になるまで撹拌した。これにより、溶解時間試験用マトリックスモノマーサンプルを得た。
3.接着試験用マトリックスモノマーサンプルの調製
第一の重合性単量体と第二の重合性単量体とを表2に示す所定の質量比で混合し、これら重合性単量体の混合物100質量部に対して、CQ0.5質量部、DMBE1.0質量部、およびBHT0.1質量部を添加した後、暗所にて均一になるまで撹拌した。これにより、接着試験用マトリックスモノマーサンプルを得た。
4.評価方法および評価基準
後述する実施例、比較例のサンプルについての溶解時間試験、接着試験は、以下の通りである。
(1)溶解時間試験
前述の接着試験用マトリックスモノマーサンプルを100質量部に対して、10−メタクリロイルデカンリン酸(MDP)20重量部を加え、23℃でマトリックスモノマーが均一になるまでの時間を観察し、これを溶解時間とした。
(2)接着試験
接着試験は、接着対象物として、表面が親水性を示す部材を用いて評価を行った。ここで、表面が親水性を示す部材としては、エナメル質が表面に露出した歯牙、及び象牙質が表面に露出した歯牙を選択した。
まず、屠殺後24時間以内に抜去した牛前歯を、注水下、耐水研磨紙P600で研磨し、唇面に平行かつ平坦になるように、エナメル質、あるいは、象牙質面を削り出した。次に、削り出した平面に圧縮空気を約5秒間吹きつけて乾燥させた。そして、この平面に直径3mmの孔を有する両面テープを貼り付け、さらに、厚さ0.5mmおよび直径8mmの孔を有するパラフィンワックスを、先に貼り付けられた両面テープの孔の中心に、パラフィンワックスの孔の中心を合わせて固定することで、模擬窩洞を形成した。この模擬窩洞に前述の接着試験用マトリックスモノマーサンプルを塗布し、20秒放置後、可視光照射機(LCT、カボデンタルシステムズジャパン社製)により可視光照射を20秒間行い、マトリックスモノマーサンプルを硬化させた。さらに、その上にコンポジットレジン(トクヤマデンタル社製エステライトシグマクイック)を充填し、ポリエステルシートで圧接し、充填後可視光を10秒間照射して硬化させた。
接着試験片のコンポジットレジン硬化体の上面にレジンセメント(トクヤマデンタル社製ビスタイトII)を塗布し、さらに直径8mm、長さ25mmの円筒状のSUS製アタッチメントを接着させた。23度で30分レジンセメントを硬化させた後、接着試験片を37度の水中に24時間浸漬することにより、アタッチメント付き接着試験片を得た。
万能試験機(オートグラフ、株式会社島津製作所製)を用いて、アタッチメント付き接着試験片をクロスヘッドスピード2mm/minにて引っ張り、歯牙とコンポジットレジン硬化体との引張接着強度を測定した。引張接着強度の測定は、各実施例あるいは各比較例について準備した8本の試験片のそれぞれについて測定した。そして、8回の引張接着強度の平均値を、各実施例あるいは比較例の接着強度とした。また、接着強度の測定方法と同様の方法で準備した8本の試験片をさらに水温5度の水槽と、水温55度の水槽とに、それぞれ30秒間ずつ交互に浸漬する浸漬処理を1セットとし、これを3000回繰り返し実施した後の接着強度を耐久試験後接着強度とした。
マトリックスモノマーサンプルの調製に際して用いた重合性単量体の内、一般式(1)に示される重合性単量体に該当するものについては、以下の手順で合成した。
実施例1 <THF−GMAの合成>
三口フラスコにテトラヒドロフルフリルアルコール(以下、THF−MeOH)500g(4.9mol)を加えた後に窒素置換した。続いて、系内に塩化メチレンを加え、氷浴を用いて反応溶液の温度を−5℃〜5℃にした後に、テトラフルオロボラン・ジエチルエーテル錯体(BF・OEt)10mLを滴下した。グリシジルメタクリレート(以下、GMA)70gを滴下し、滴下終了後、室温で12時間撹拌した。続いて、蒸留水を加えて、反応を終結させた。蒸留水を用いて、反応液を3回洗浄後、ロータリーエバポレーターで、塩化メチレンを除去した。得られた液体をメチルイソブチルケトン(MIBK)200mLで溶解し、蒸留水を用いて3回洗浄した。得られたMIBK溶液に硫酸マグネシウムを加えて、乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した後に、ロータリーエバポレーターを用いて、MIBK溶液を除去した。続いて、得られた液体にエアーを吹き込みながら、真空乾燥することで、残留するTHF−MeOHを除去した後に、残さをカラムクロマトグラフィーで精製し、再び同様の方法で真空乾燥することで、1−モノ(テトラヒドロフルフリル)−3−モノ(メタクリル)―グリセロールと2−モノ(テトラヒドロフルフリル)−3−モノ(メタクリル)―グリセロールの7:3の混合物(以下、THF−GMA)37g(収率31%)を得た。
<4−DPETPMの合成>
500mLの三口フラスコでTHF−GMA18g(74mmol)、ピリジン7g(88mmol)、テトラヒドロフラン(以下、THF)30mL、2,6−ジ―tert−ブチル−p−クレゾール(以下、BHT)12.1mgを混合した。系内を窒素雰囲気下とした後に、4,4´―オキシビスベンゼンジカルボン酸クロライド(以下、OBBOC)10g(34mmol)とTHF30mLの溶液を滴下した。滴下終了後、室温で12時間撹拌した後に、蒸留水を加えて、反応を終結させた。ロータリーエバポレーターでTHFを除去した後に、残さにトルエン100mLを加えた。得られたトルエン溶液を蒸留水で3回、2%塩酸で3回洗浄後、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、40℃で15分撹拌した。続いて、2%塩酸で3回、蒸留水で3回洗浄後、硫酸マグネシウムを用いて乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した後に、ロータリーエバポレーターを用いて、MIBK溶液を除去した。続いて、得られた液体にエアーを吹き込みながら、真空乾燥することでDPETPMの透明な液体23g(収率95%、HPLC純度90.2%)を得た。得られたDPETPMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 8.05(q,4H)、7.06(q,4H)、6.11(d,2H)、5.57−5.40(m,4H)、4.55−3.45(m,18H)、2.02−1.78(m,14H)。
実施例2<4−DPEPPMの合成>
THF−MeOH500gの代わりに、テトラヒドロピラン−2−メタノール570gを用いた以外は、<THF−GMAの合成>と同様の方法で、1−モノ(テトラヒドロピラニル)−3−モノ(メタクリル)―グリセロールと2−モノ(テトラヒドロピラニル)−3−モノ(メタクリル)―グリセロールの7:3の混合物(以下、THP−GMA)73g(収率29%)を得た。
続いて、THF−GMA18gの代わりに、THP−GMA21gを用いた以外は、<4−DPETPMの合成>と同様の方法で、4−DPEPPMの透明な液体を20g(収率94%、HPLC純度94.3%)得た。得られた4−DPEPPMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 8.05(q,4H)、7.06(q,4H)、6.11(d,2H)、5.57−5.40(m,4H)、4.55−3.35(m,18H)、2.02−1.77(m,18H)。
実施例3<4−DPEFPMの合成>
THF−MeOH500gの代わりに、フルフリルアルコール480gを用いた以外は、<THF−GMAの合成>と同様の方法で、1−モノフルフリル−3−モノメタクリル―グリセロールと2−モノフルフリル−3−モノメタクリル―グリセロールの7:3の混合物(以下、F−GMA)35g(収率30%)を得た。
続いて、THF−GMA18gの代わりに、F−GMA17.8gを用いた以外は、<4−DPETPMの合成>と同様の方法で、4−DPEFPMの透明な液体を22.4g(収率86%、HPLC純度90.2%)得た。得られた4−DPEFPMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 8.02(q,4H)、7.37(d,1H)、7.02(q,4H)、6.31−6.26(m,2H)、6.11(d,2H)、5.55(d,2H)、4.65−3.22(m,17H)、2.00−1.69(m,14H)。
実施例4<4−BPTPMの合成>
OBBOC10gの代わりに、4,4´―ビフェニルジカルボン酸ジクロリド9.5gを用いた以外は、<4−DPETPMの合成>と同様の方法で、4−BPTPMの透明な液体を22g(収率94%、HPLC純度91%)得た。得られた4−BPTPMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 8.11(q,4H)、7.60(q,4H)、6.11(d,2H)、5.63−5.42(m,4H)、4.64−4.41(m,18H)、2.02−1.78(m,14H)。
実施例5<2−BPTPMの合成>
OBBOC10gの代わりに、2,2´―ビフェニルジカルボン酸ジクロリド9.5gを用いた以外は、<4−DPETPMの合成>と同様の方法で、2−BPTPMの透明な液体を23g(収率98%、HPLC純度93%)得た。得られた2−BPTPMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 8.0(d,2H)、7.60−7.53(m,6H)、6.09(d,2H)、5.72−5.40(m,4H)、4.57−3.31(m,18H)、2.12−1.71(m,14H)。
実施例6<4−DPSTPMの合成>
t−ブタノール200mlおよび水50mlに対して、特開2005−154379号公報に記載の合成方法により合成された4,4−ジホルミルジフェニルスルフィド48.4g(0.2mol)を溶解させた後、リン酸水素ナトリウム水溶液50ml、2−メチル−2−ブテン140g(2mol)加え、さらに、亜塩素酸ナトリウム36g(0.4mol)を加えることで反応溶液を準備した。次に、この反応溶液を5時間撹拌後、1規定塩酸溶液を用いて、反応溶液を酸性にすることで、固体を析出させた。続いて固体が析出した反応溶液を、吸引ろ過後、水を用いて、析出した固体を洗浄した。洗浄後に得られた固体(化合物)を真空乾燥することにより、4,4’−ジカルボキシジフェニルスルフィド45.5g(収率83%)を得た。
4,4’−ジカルボキシジフェニルスルフィドg(mol)、ジメチルホルムアミド0.85g(0.012mol)およびトルエン80mlの第一の混合液を作製した。攪拌状態の第一の混合液に対して、塩化チオニル58.4g(0.46mol)およびトルエン20mlからなる第二の混合液を室温下で徐々に滴下した。滴下終了後に得られた液体を95℃に昇温し、3h還流した。そして加温・還流後に得られた黄色透明液体を放冷することで、下記に示す分子構造を有す4,4’−ジカルボキシジフェニルスルフィドジクロライドのトルエン溶液を得た。さらに、このトルエン溶液をロータリーエバポレーターにかけ、40℃でトルエン、塩化チオニルおよび塩化水素を除去し、4,4’−ジカルボキシジフェニルスルフィドジクロライドの固体g(0.091mol、収率95%)を得た。
続いて、OBBOC10gの代わりに、4,4’−ジカルボキシジフェニルスルフィドジクロライド10.6gを用いた以外は、<4−DPETPMの合成>と同様の方法で、4−DPSTPMの透明な液体を21.5g(収率87%、HPLC純度88%)得た。得られた4−DPSTPMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 7.81(q,4H)、7.30(q,4H)、6.07(d,2H)、5.58−5.36(m,4H)、4.50−3.38(m,18H)、2.12−1.71(m,14H)。
実施例7<4−DPATPMの合成>
英国特許GB753384に記載の合成方法により合成された2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン14.2(0.05mol)、ジメチルホルムアミド0.85g(0.012mol)およびトルエン80mlの第一の混合液を作製した。攪拌状態の第一の混合液に対して、塩化チオニル58.4g(0.46mol)およびトルエン20mlからなる第二の混合液を室温下で徐々に滴下した。滴下終了後に得られた液体を95℃に昇温し、3h還流した。そして加温・還流後に得られた黄色透明液体を放冷することで、下記に示す分子構造を有す2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパンジクロライドのトルエン溶液を得た。さらに、このトルエン溶液をロータリーエバポレーターにかけ、40℃でトルエン、塩化チオニルおよび塩化水素を除去し、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパンジクロライドの固体29.2g(0.091mol、収率95%)を得た。
続いて、OBBOC10gの代わりに2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパンジクロライド10.9gを用いた以外は、<4−DPETPMの合成>と同様の方法で、4−DPATPMの透明な液体を23.3g(収率93%、HPLC純度93%)得た。得られた4−DPATPMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 7.90(q,4H)、7.23(q,4H)、6.12(d,2H)、5.59−5.20(m,4H)、4.57−3.38(m,18H)、2.10−1.68(m,14H)。
実施例8<4−PhTPMの合成>
OBBOC10gの代わりに、テレフタル酸ジクロライド6.9gを用いた以外は、<4−DPETPMの合成>と同様の方法で、4―PhTPMの透明な液体を19.9g(収率92%、HPLC純度91.5%)得た。得られた4−PhTPMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 8.15(q,4H)、7.30(q,4H)、6.09(d,2H)、5.62−5.38(m,4H)、4.57−3.37(m,18H)、2.12−1.58(m,14H)。
実施例9<4−BPATPMの合成>
GMA70gの代わりにビスフェノールAジグリシジルエーテル83gを用いた以外は、<THF−GMAの合成>と同様の方法で、ビスフェノールA−モノ(3−ヒドロキシ−2−テトラヒドロフルフリル−プロピル)モノ(2−ヒドロキシ−3−テトラヒドロフルフリル−プロピル)エーテルとビスフェノールA−ジ(3−ヒドロキシ−2−テトラヒドロフルフリル−プロピル)エーテルとビスフェノールA−ジ(2−ヒドロキシ−3−テトラヒドロフルフリル−プロピル)エーテルの混合物(以下、BPA−TP)25.4g(収率19%)を得た。
得られたBPA−TP18.5gを塩化メチレン200mLに溶解後、さらにトリエチルアミン33.4g(0.33mol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン1.8g(0.015mol)を加えた溶液を準備した。次に、得られた溶液を氷冷し、この溶液に、メタクリル酸クロライド31.4g(0.3mol)を塩化メチレン50mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後に得られた溶液を、室温で3時間撹拌した後に、蒸留水100mlを加え、塩化メチレンで3回抽出した。次に、得られた塩化メチレン層をロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去することにより得られた残渣を100mlのトルエンに溶解することでトルエン溶液を得た。そして、このトルエン溶液を0.5規定塩酸溶液で3回洗浄後、飽和食塩水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウム溶液で乾燥した。乾燥後硫酸マグネシウム溶液をろ別し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮することで濃縮物を得た。さらに、この濃縮物を真空乾燥して、4−BPATPM18g(収率80%、HPLC純度92%)で得た。得られた4−BPATPMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 6.99(q,4H)、6.46(q,4H)、6.07(d,2H)、5.58−5.36(m,4H)、4.50−4.38(m,18H)、2.12−1.71(m,17H)1.53(s、6H)。
実施例10<4−DPEATMの合成>
窒素置換した3口フラスコにアリルアミンg(mmol)、トリエチルアミンg(mmol)、トルエン200mLを入れ、氷冷下で撹拌した。そこへ、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロライドとトルエン200mLの溶液を滴下した。滴下終了後、3時間撹拌した後に、反応溶液をろ過後、ロータリーエバポレーターでトルエンを除去した。得られた個体を塩化メチレンに溶解した後、5%炭酸カリウム水溶液、蒸留水で洗浄した後に、硫酸マグネシウムを加えて、乾燥後、硫酸マグネシウムを濾別した。エバポレーターで塩化メチレンを留去した後に、アセトンで再結晶することで、4,4´−ビフェニルエーテル−ビス(3,4−プロペンアミド)の白色固体g(mmol)を得た。
続いて、塩化メチレン100mlに、得られた4,4´−ビフェニルエーテル−ビス(3,4−プロペンアミド)を溶解させ、さらに60質量%メタクロロ過安息香酸/水混合物196g(0.675mol相当)を加えて調製した溶液を、室温で10時間撹拌した。撹拌後の溶液から、副生成物のメタクロロ安息香酸をろ別し、ろ液を15質量%亜硫酸ナトリウム水溶液150mlで還元処理を行った。続いて還元処理されたろ液から分液した塩化メチレン層を、5質量%炭酸カリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターにより濃縮することで濃縮物を得た。さらに、この濃縮物を真空乾燥して、4,4´−ビフェニルエーテル−ビス(3,4−エポキシプロパンアミド)47.3g(収率94%)を得た。
続いて、GMAの代わりに4,4´−ビフェニルエーテル−ビス(3,4−エポキシプロパンアミド)47.3gを用いた以外は、<THF−GMAの合成>と同様の方法で、下記に示す混合物(以下、DPEAT)をg(mmol)得た。
得られたDPEATgを塩化メチレン200mLに溶解後、さらにトリエチルアミン33.4g(0.33mol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン1.8g(0.015mol)を加えた溶液を準備した。次に、得られた溶液を氷冷し、この溶液に、メタクリル酸クロライド31.4g(0.3mol)を塩化メチレン50mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後に得られた溶液を、室温で3時間撹拌した後に、蒸留水100mlを加え、塩化メチレンで3回抽出した。次に、得られた塩化メチレン層をロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去することにより得られた残渣を100mlのトルエンに溶解することでトルエン溶液を得た。そして、このトルエン溶液を0.5規定塩酸溶液で3回洗浄後、飽和食塩水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウム溶液で乾燥した。乾燥後硫酸マグネシウム溶液をろ別し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮することで濃縮物を得た。さらに、この濃縮物を真空乾燥して4−DPEATM46.0g(収率%、HPLC純度%)で得た。得られた4−DPEATMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 8.82(s,2H),8.12(q,4H)、7.11(q,4H)、6.12(d,2H)、5.67−5.51(m,4H)、4.65−3.52(m,18H)、2.00−1.88(m,14H)。
実施例11<4−DPETHMの合成>
5−ヘキセン−1−オール(30.1g,0.3mol)を塩化メチレン100mlに溶解後、トリエチルアミン33.4g(0.33mol)、N,N−ジメチルアミノピリジン1.8g(0.015mol)を加えた溶液を調整し、さらにこの溶液を氷冷した。次に、氷冷した溶液に対して、メタクリル酸クロライド31.4g(0.3mol)を塩化メチレン(50ml)に溶解させた塩化メチレン溶液を滴下した。滴下終了後に得られた溶液を、室温で3時間撹拌した後に、蒸留水100mlを加え、さらに塩化メチレンで3回抽出した。抽出により得られた塩化メチレン層をロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去することで残さを得た。さらに、得られた残さを100mlトルエンで溶解した。得られたトルエン溶液を0.5規定塩酸溶液で3回洗浄後、飽和食塩水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウム溶液で乾燥した。乾燥後、硫酸マグネシウム溶液をろ別し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮、濃縮物をさらに真空乾燥して、メタクリル酸5−ヘキセン−1−イル46.4g(収率92%)を得た。
得られたメタクリル酸5−ヘキセン−1−イル45.4g(0.27mol)を塩化メチレン100mlに溶解後、60質量%メタクロロ過安息香酸/水混合物196g(0.675mol相当)を加え、室温で10時間撹拌した。撹拌後、副生成物のメタクロロ安息香酸をろ別し、ろ液を15質量%亜硫酸ナトリウム水溶液150mlで還元処理を行った。還元処理後のろ液から分液した塩化メチレン層を、5質量%炭酸カリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターで濃縮して濃縮物を得た。そしてこの濃縮物をさらに真空乾燥して、メタクリル酸5,6−エポキシヘキサン−1−イル44.8g(収率90%)を得た。
続いて、GMA70gの代わりにメタクリル酸5,6−エポキシヘキサン−1−イル90gを用いた以外は、<THF−GMAの合成>と同様の方法で、1−モノ(テトラヒドロフルフリル)−3−モノ(メタクリル)―グリセロールと2−モノ(テトラヒドロフルフリル)−3−モノ(メタクリル)―グリセロールの7:3の混合物(以下、THF−GHMA)57g(収率41%)を得た。
続いて、THF−GMA18gの代わりにTHF−GHMA36gを用いた以外は、<4−DPETPMの合成>と同様の方法で、4−DPETHMの透明な液体を54.3g(収率94%、HPLC純度92%)得た。得られた4−DPETHMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 7.95(q,4H)、7.05(q,4H)、6.12(d,2H)、5.57−5.49(m,4H)、4.75−3.52(m,18H)、2.00−1.88(m,14H),1.57(t,4H),1.44−1.38(m,8H),1.29(t,4H)。
実施例12<4−DPETEMの合成>
塩化メチレン100mlに、アリルオキシエタノール30.6g(0.3mol)を溶解した後、さらにトリエチルアミン33.4g(0.33mol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン1.8g(0.015mol)を加えた溶液を準備した。次に、得られた溶液を氷冷し、この溶液に、メタクリル酸クロライド31.4g(0.3mol)を塩化メチレン50mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後に得られた溶液を、室温で3時間撹拌した後に、蒸留水100mlを加え、塩化メチレンで3回抽出した。次に、得られた塩化メチレン層をロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去することにより得られた残渣を100mlのトルエンに溶解することでトルエン溶液を得た。そして、このトルエン溶液を0.5規定塩酸溶液で3回洗浄後、飽和食塩水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウム溶液で乾燥した。乾燥後硫酸マグネシウム溶液をろ別し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮することで濃縮物を得た。さらに、この濃縮物を真空乾燥して、メタクリル酸−アリルオキシエチル46.0g(収率90%)で得た。
塩化メチレン100mlに、得られたメタクリル酸アリルオキシエチル46.0g(0.27mol)を溶解させ、さらに60質量%メタクロロ過安息香酸/水混合物196g(0.675mol相当)を加えて調製した溶液を、室温で10時間撹拌した。撹拌後の溶液から、副生成物のメタクロロ安息香酸をろ別し、ろ液を15質量%亜硫酸ナトリウム水溶液150mlで還元処理を行った。続いて還元処理されたろ液から分液した塩化メチレン層を、5質量%炭酸カリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーターにより濃縮することで濃縮物を得た。さらに、この濃縮物を真空乾燥して、メタクリル酸グリシジルオキシエチル47.3g(収率94%)を得た。
GMA70gの代わりにメタクリル酸グリシジルオキシエチル92gを用いた以外は、<THF−GMAの合成>と同様の方法で、1−モノ(テトラヒドロフルフリル)−3−モノ(メタクリル)―グリセロールと2−モノ(テトラヒドロフルフリル)−3−モノ(メタクリル)―グリセロールの7:3の混合物(以下、THF−GEMA)36g(収率26)を得た。
続いて、THF−GMA18gの代わりにTHF−GEMA21gを用いた以外は、<4−DPETPMの合成>と同様の方法で、4−DPETHMの透明な液体を26.9g(収率91%、HPLC純度90.2%)得た。得られた4−DPETHMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 7.92(q,4H)、7.05(q,4H)、6.12(d,2H)、5.57−5.49(m,4H)、4.75−3.52(m,28H)、2.00−1.88(m,12H)。
実施例13<AZTPMの合成>
OBBOC10gの代わりに、アジポイルクロライド6.2gを用いた以外は、<4−DPETPMの合成>と同様の方法で、AZTPMの透明な液体を16.3g(収率80%、HPLC純度89%)得た。得られたAZTPMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 6.11(d,2H)、5.50−5.40(m,4H)、4.54−3.39(m,18H)、2.04−1.77(m,14H),1.68(q,4H)。
実施例14<CyTPMの合成>
シクロヘキサンジカルボン酸16.5g(0.096mol)、ジメチルホルムアミド0.85g(0.012mol)およびトルエン80mlの第一の混合液を作製した。攪拌状態の第一の混合液に対して、塩化チオニル58.4g(0.46mol)およびトルエン20mlからなる第二の混合液を室温下で徐々に滴下した。滴下終了後に得られた液体を95℃に昇温し、3h還流した。そして加温・還流後に得られた黄色透明液体を放冷することで、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライドのトルエン溶液を得た。さらに、このトルエン溶液をロータリーエバポレーターにかけ、40℃でトルエン、塩化チオニルおよび塩化水素を除去し、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライドの固体19g(0.091mol、収率95%)を得た。
続いて、OBBOC10gの代わりに、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド7.1gを用いた以外は、<4−DPETPMの合成>と同様の方法で、CyTPMの透明な液体を17.3g(収率82%、HPLC88純度%)得た。得られたCyTPMのH−NMRのスペクトルデータを以下に示す。
H NMRδ 6.12(d,2H)、5.50−5.30(m,4H)、4.54−3.42(m,18H)、2.04−1.55(m,20H)。
実施例A1
第一の重合性単量体として4−DPETPM60質量部、第二の重合性単量体としてTEGDMA40質量部を混合し、溶解時間試験用マトリクスルモノマーを調製し、該溶解時間試験用マトリクスルモノマーを用いてMDPの溶解時間試験を行った。結果を表1に示す。
実施例A2〜A14、比較例A1、A2
第一の重合性単量体を表1に示すものに変えた以外は実施例A1と同様にして、MDPの溶解時間試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2019206618
実施例B1
第一の重合性単量体として4−DPETPM60質量部、第二の重合性単量体としてTEGDMA10質量部、HEMA20質量部及びMDP20質量を混合し、得られた重合性単量体の混合物100質量部に対して、CQ0.5質量部、DMBE1.0質量部、およびBHT0.1質量部を添加して接着試験用マトリックスモノマーサンプルを調製した。該接着試験用マトリクスルモノマーを用いて牛歯への接着試験を行い、初期の接着強度及び耐久試験後接着強度を測定した。結果を表2に示す。
実施例B2〜B14、比較例A1、A2
第一の重合性単量体を表2に示すものに変えた以外は実施例B1と同様にして、接着試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2019206618

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で示される構造を有する、分子量100〜2000の環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を含んでなることを特徴とする重合硬化性組成物。
    Figure 2019206618
    (上記式中、Aは、4〜8価の有機残基であり、mはAに結合するXの数を表す2〜4の整数であり、Xはアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、Aに複数結合するXは互いに異なっていてもよく、nはAに結合するYの数を表す2〜4の整数であり、Yは末端に環状エーテル構造を有する1価の有機残基であり、Aに複数結合するYは互いに異なっていてもよい。)
  2. 前記環状エーテル基含有多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体が下記一般式(2)で示される構造を有することを特徴とする請求項1に記載の重合硬化性組成物。
    Figure 2019206618
    〔上記式中、
    は、前記Aの基本骨格を表す、以下に示される有機残基から選ばれる何れかの2価の有機残基であり、
    Figure 2019206618
    (式中、lは1以上50以下の整数を表し、oは、0以上10以下の整数を表す。)
    は、前記Aの末端構造を表す、以下に示される有機残基から選ばれる何れかの3価の有機残基であり、
    Figure 2019206618
    前記Aに結合する2つのAは互いに異なっていてもよく、
    Yは、以下に示される環状エーテル基から選ばれるいずれかの基であり、
    Figure 2019206618
    前記Aに結合する2つのA間で、Aに結合するX及びYは、それぞれ異なっていてもよい。〕
  3. さらに重合開始剤を含んでなることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の硬化性組成物からなる歯科用接着性組成物。
  5. 下記一般式(3)で示される重合性単量体。
    Figure 2019206618
    〔上記式中、
    ´は、前記Aの基本骨格を表す、以下に示される有機残基から選ばれる何れかの2価の有機残基であり、
    Figure 2019206618
    (式中、lは1以上50以下の整数を表し、oは、0以上10以下の整数を表す。)
    ´は、前記Aの末端構造を表す、以下に示される有機残基から選ばれる何れかの3価の有機残基であり、
    Figure 2019206618
    前記A´に結合する2つのA´は互いに異なっていてもよく、
    Yは、以下に示される環状エーテル基から選ばれるいずれかの基であり、
    Figure 2019206618
    前記A´に結合する2つのA間で、A´に結合するX及びYは、それぞれ異なっていてもよい。〕
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